説明

制御されたドーピングを含む半導体ナノワイヤ及びその製造方法

【課題】 一定の横方向寸法及び有意なドーピング・レベルを有する半導体ナノワイヤを形成する方法を提供する。
【解決手段】 基板上の触媒粒子が反応器内の半導体材料を含有する反応物質に暴露される。一定の横方向寸法を有する真性半導体ナノワイヤは、十分に低い温度で成長させることで、真性半導体ナノワイヤの側壁上での反応物質の熱分解が抑制される。真性半導体ナノワイヤが所望の長さまで成長すると、半導体ナノワイヤの側壁上での熱分解が可能となるように反応器内の温度が高められ、その後ドーパントが反応物質を含む反応器内に供給される。内側の真性半導体ナノワイヤとドーピング半導体シェルとを有する複合半導体ナノワイヤが形成される。触媒粒子が除去され、その後アニールによってドーパントが複合半導体ナノワイヤの体積中に均一に分散され、その結果、一定の横方向寸法及び実質的に均一なドーピングを有する半導体ナノワイヤが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体構造体に関するものであり、特にドーピング半導体ナノワイヤ(doped semiconductornanowire)及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノワイヤとは、直径約1nm〜約1,000nmのワイヤを指す。「ナノワイヤ」という用語が使用される場合は、ナノワイヤの直径よりも長さの方が実質的に大きいことが暗黙的に仮定される。それ自体の直径が上記範囲の低い方、即ち直径約1nm〜約100nmのナノワイヤは、量子力学的特性を示し、「量子ワイヤ」とも呼ばれる。ナノワイヤは、金属材料、半導体材料、あるいは絶縁材料から構成され得る。当業界では、例えばデオキシリボ核酸(DNA)のような有機ナノワイヤと無機ナノワイヤの両方が知られている。
【0003】
ナノワイヤの長さと直径の比は、アスペクト比と呼ばれる。典型的なナノワイヤのアスペクト比の範囲は、約10〜約1,000,000である。したがって、ナノワイヤの1つの寸法、即ち長さは、実用的な目的では事実上無限と見なすことができ、ナノワイヤの主な物理的特性及び化学的特性はナノワイヤの直径で決まることになる。ナノワイヤの長さに垂直な平面内のナノワイヤの寸法制約によるナノワイヤの量子力学的特性は、多くのタイプのナノワイヤで観察されている。
【0004】
当業界では半導体ナノワイヤを利用する様々なデバイスが提案されている。半導体ナノワイヤを利用した半導体デバイスの製造における1つの課題は、ドーピング半導体ナノワイヤを形成する困難さである。特に、シリコン又はゲルマニウムから構成される半導体ナノワイヤの制御されたドーピングが大きな課題となっている。
【0005】
従来技術の刊行物では、ナノワイヤの成長中にシランやゲルマン等の反応物質ガスを用いたホスフィンやジボラン等のドーパント・ガスによる半導体ナノワイヤのドーピングが提案されている。このような例の1つとして、Empedocles et al.の米国特許第6,962,823号には、半導体ナノワイヤの成長中にドーパント・レベルを変更することによる半導体ナノワイヤの分離帯のin‐situドーピングが記載されている。このアプローチを応用したシリコン・ナノワイヤ又はゲルマニウム・ナノワイヤの形成では、このアプローチの有用性を損なう深刻な問題に直面する。特に、直径30nm未満のシリコン・ナノワイヤやゲルマニウム・ナノワイヤ等、特定のタイプの半導体ナノワイヤの成長には約350℃〜約450℃の比較的低い温度範囲が必要とされる。500℃を超える高温では、そのような半導体ナノワイヤは横方向に成長する。
【0006】
残念ながら、半導体ナノワイヤの成長中にドーパント原子を有意なレベル、即ち約1.0×1017/cm以上の濃度で半導体ナノワイヤに正常に取り込むには、500℃超の比較的高い温度が必要とされる。しかしながら、そのような温度では、高温によって半導体ナノワイヤの露出した表面上での反応物質の熱分解が発生し得るため、半導体ナノワイヤはやはり横方向に成長する。多くの半導体ナノワイヤにおいて、半導体ナノワイヤの側面上での反応物質の熱分解の抑制と半導体ワイヤの側面のドーピングとは、互いに相反するものとなる。換言すると、半導体ワイヤの側面のドーピングは、必然的に半導体ナノワイヤの側面上での反応物質の熱分解を発生させる。
【0007】
この状況は、図1及び図2に示されている。図1では、絶縁材料あるいは半導体材料から構成され得る基板10上に金粒子のような触媒粒子20が置かれている。約350℃〜約450℃の温度範囲において、半導体ナノワイヤ30は、半導体材料、例えばSiH、Si、GeH等を含有する反応物質が低圧化学気相成長(LPCVD)チャンバや超高真空化学気相成長(UHVCVD)チャンバのような反応器に供給されるときに成長する。触媒粒子20は、触媒粒子20と半導体ナノワイヤ30の上部領域との間の界面に薄い移動性共晶領域(図示せず)を形成し、成長プロセス全体にわたって半導体ナノワイヤの上部を移動する。半導体ナノワイヤ30の直径又は横方向寸法は、触媒粒子20の横方向寸法と実質的に同じである。この温度範囲では、半導体ナノワイヤ30へのドーパントの取り込み量はごく僅かである。それ故、反応器内のドーパント・ガスについて高い分圧が維持される場合も、半導体ナノワイヤ30へのドーパントの取り込み量が僅かとなり、半導体ナノワイヤ30は実質的に未ドーピングのままとなる。
【0008】
図2を参照すると、シリコン・ナノワイヤやゲルマニウム・ワイヤ等のいくつかの半導体ワイヤの場合では、ドーパントを強制的に取り込むために反応器の温度を500℃超に高めなければならない。しかしながら、この場合はドーピング半導体ナノワイヤ40の側壁上で熱分解が発生する。成長中にドーパントがドーピング半導体ナノワイヤ40に取り込まれるときは、ドーピング半導体ナノワイヤ40の横方向成長が不可避となる。更に、ドーピング半導体ナノワイヤ40の底部が反応物質に暴露される時間が長くなるほど、当該底部の直径はドーピング半導体ナノワイヤ40の上部よりも大きくなり、反応物質に暴露される時間が短いと横方向寸法は触媒粒子20の横方向寸法に近くなる。それ故、ドーピング半導体ナノワイヤ40の直径は先細りとなる、即ち一定の直径のドーピング半導体ナノワイヤ40を得ることができなくなる。
【0009】
ドーピング半導体ワイヤを形成する代替的なアプローチは、ドーパントをナノワイヤに注入することである。しかしながら、イオン注入は、注入されるイオンのエネルギーの高さから必然的に過激なプロセスとなる傾向があり、ナノワイヤ結晶構造のアモルファス化及びナノワイヤ自体のスパッタリングを招く。それ故、イオン注入は、イオン注入プロセス中の変形又はワイヤ切断あるいはその両方を発生させる傾向がある。その後、ナノワイヤを再結晶化するためにアニールが必要となるが、構造上の損傷が広範である場合はその効果が殆ど失われてしまう恐れがある。
【0010】
Pan et al.の米国特許第7,105,428号やLieber et al.の米国特許第7,211,464号等の従来技術の刊行物にはドーピング半導体ナノワイヤの有用な応用例が開示されているが、そのような有用な構造体を使用可能にする構造体形成方法を提供することが依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,962,823号
【特許文献2】米国特許第7,105,428号
【特許文献3】米国特許第7,211,464号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故、一定の横方向寸法及び有意なドーピング・レベル、即ち1.0×1017/cm以上の濃度を有する半導体ワイヤを形成する方法が必要とされている。
【0013】
更に、一定の横方向寸法、例えば30nm未満の直径を有するドーピング半導体ワイヤを形成する方法も必要とされている。
【0014】
本開示では、ドーパント原子を半導体ナノワイヤに制御可能に取り込む単純な方法を記載する。本プロセスは、ナノワイヤの初期成長をドーピング・プロセスから切り離し、それによってナノワイヤの成長とナノワイヤ結晶構造体へのドーパント取り込みとを分離することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、横方向寸法が一定の半導体ナノワイヤにドーパント原子を制御可能に取り込む方法を提供することによって上述の必要性を満足する。本方法は、半導体ナノワイヤの初期成長を後続のドーピング・プロセスから切り離し、それによって半導体ナノワイヤの成長と半導体ナノワイヤへのドーパント取り込みとを分離することを可能にする。
【0016】
本発明によれば、触媒粒子が基板上に形成され、反応器内の半導体材料を含有する反応物質に暴露される。この触媒粒子が真性半導体ナノワイヤの上部を移動するのに従って、横方向寸法が一定の真性半導体ナノワイヤが成長する。真性半導体ナノワイヤは、真性半導体ナノワイヤの側壁上での反応物質の熱分解が抑制されるように十分低い温度で成長する。真性半導体ナノワイヤが所望の長さまで成長すると、半導体ナノワイヤの側壁上での熱分解が可能となるように反応器の温度が高められ、その後ドーパントが反応物質を含む反応器内に供給される。内側の真性半導体ナノワイヤとドーピング半導体シェルとを有する複合半導体ナノワイヤが形成される。触媒粒子が除去され、その後アニールによってドーパントが複合半導体ナノワイヤの体積内に均一に分散され、その結果、一定の横方向寸法及び実質的に均一なドーピングを有する半導体ナノワイヤが形成される。
【0017】
本発明の一態様によれば、半導体ナノワイヤを形成する方法であって、
基板上に触媒粒子を設けるステップと、
前記触媒粒子を第1の反応物質ガスに第1の温度でさらすことにより前記触媒粒子と前記基板との間に未ドーピング半導体ナノワイヤ(undoped semiconductornanowire)を成長させるステップを含み、前記第1の温度では前記半導体ナノワイヤの側壁上での前記第1の反応物質ガスの熱分解が抑制され、
さらに、前記未ドーピング半導体ナノワイヤを第2の反応物質及びドーパントに第2の温度でさらすことにより、前記第2の反応物質及び前記ドーパントが熱分解によって取り込まれるドーピング半導体材料のシェルを前記未ドーピング半導体ナノワイヤの側壁の周囲に成長させるステップと
を含む方法が提供される。
【0018】
一実施形態において、前記未ドーピング半導体ナノワイヤは、IV族半導体材料、III‐V化合物半導体材料、II‐VI化合物半導体材料、及びそれらの合金を含む。
【0019】
別の実施形態において、前記ドーピング半導体材料は、IV族半導体材料、III‐V化合物半導体材料、II‐VI化合物半導体材料、及びそれらの合金を含む。
【0020】
また別の実施形態において、前記ドーピング半導体材料は、B、Ga、In、P、As、及びSbのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0021】
また他の実施形態において、前記未ドーピング半導体ナノワイヤは、前記未ドーピング半導体ナノワイヤの全体の長さにわたって実質的に一定の断面領域を有する。前記未ドーピング半導体ナノワイヤの横方向寸法は、約1nm〜約1,000nmとすることができ、更には30nm未満とすることもできる。
【0022】
更に別の実施形態において、前記シェルは、前記シェルの全体の長さにわたって実質的に一定の断面領域を有する。前記シェルの厚さは、約0.3nm〜約10nmとすることができる。
【0023】
他の実施形態において、前記シェルのドーピング濃度は、約1.0×1018/cm〜約5.0×1021/cmである。
【0024】
また他の実施形態において、前記触媒粒子の横方向寸法は、約1nm〜約1,000nmである。更に、前記触媒粒子の前記横方向寸法は、30nm未満とすることができる。
【0025】
また他の実施形態において、前記触媒粒子は、Au、Ag、Cu、Pt、Fe、Co、Ni、In、Ta、Ti、Zn、Cd、及びSnのうちの1つを含む。
【0026】
また他の実施形態において、前記第1の反応物質は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、及びGeClのうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
また他の実施形態において、前記第1の温度は、約350℃〜約450℃である。
【0028】
更に別の実施形態において、前記第2の反応物質は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、及びGeClのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
また別の実施形態において、前記ドーパントは、B、GaH、GaCl、GaCl、PH、POCl、AsH、SbH、及びSbFのうちの1つを含む。
【0030】
他の実施形態において、前記第2の温度は、約500℃〜約1,100℃である。
【0031】
また他の実施形態において、前記方法は、前記未ドーピング半導体ナノワイヤ及び前記シェルを約600℃〜約1,200℃の高温でアニールするステップを更に含み、前記未ドーピング半導体ナノワイヤ及び前記シェルは、前記アニール後実質的に均一なドーピング濃度を有する。
【0032】
また他の実施形態において、前記実質的に均一なドーピング濃度は、約1.0×1017/cm〜約5.0×1020/cmである。
【0033】
他の実施形態において、前記実質的に均一なドーピング濃度は、前記シェルの体積と前記シェル及び前記未ドーピング半導体ナノワイヤの各体積の合計との比を前記シェルのドーピング濃度に乗じた積である。
【0034】
また他の実施形態において、前記シェルのドーピング濃度は、処理チャンバ内のドーパント・ガスの分圧、又は前記ドーパント・ガスの分圧と反応物質の分圧との比によって設定される。
【0035】
前記実質的に均一なドーピング濃度は、前記シェルのドーピング濃度の調整、又は前記シェルの厚さの調整、あるいはそれらの組み合わせによって変更することができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、上述の各方法によって形成される半導体ナノワイヤが提供される。
【0037】
本発明に係る半導体ナノワイヤ構造体は、
前記触媒粒子を第1の反応物質ガスに第1の温度でさらすことによって形成される未ドーピング半導体ナノワイヤを含み、前記第1の温度では前記半導体ナノワイヤの側壁上での前記第1の反応物質ガスの熱分解が抑制され、
前記未ドーピング半導体ナノワイヤを第2の反応物質及びドーパントに第2の温度でさらすことによって形成される、前記未ドーピング半導体ナノワイヤの側壁に当接し該側壁を取り囲むドーピング半導体材料のシェルとを含み、前記第2の反応物質及び前記ドーパントは、熱分解によって前記シェルに取り込まれた
構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来技術の例示的な未ドーピング半導体ナノワイヤの垂直断面図である。
【図2】従来技術の例示的なin‐situドーピング半導体ナノワイヤの垂直断面図である。
【図3】未ドーピング半導体ナノワイヤ形成後の本発明に係る例示的な半導体ナノワイヤの垂直断面図である。
【図4】図3のX‐X’平面に沿った例示的な半導体ナノワイヤの水平断面図である。
【図5】ドーピング・シェル形成後の本発明に係る例示的な半導体ナノワイヤの垂直断面図である。
【図6】図5のX‐X’平面に沿った例示的な半導体ナノワイヤの水平断面図である。
【図7】ドーパント分散のためのアニール後の本発明に係る例示的な半導体ナノワイヤの垂直断面図である。
【図8】図7のX‐X’平面に沿った例示的な半導体ナノワイヤの水平断面図である。
【図9】本発明に従って未ドーピング半導体ナノワイヤ及びシェルの組立体をドーピング半導体ナノワイヤに変換させる様子を示す概略図である。
【図10】本発明に係る未ドーピング20nm径ナノワイヤ及びボロン・ドーピング29nm径ナノワイヤの光電子スペクトルを示す図である。
【図11】本発明に係る未ドーピング半導体ナノワイヤのバンド図である。
【図12】本発明に係るp型半導体ナノワイヤのバンド図である。
【図13】本発明に係るn型半導体ナノワイヤのバンド図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
上述のとおり、本発明は、横方向寸法が一定のドーピング半導体ワイヤ及びその製造方法に関するものであり、以下ではこれらについて添付図面を参照しながら詳細に説明する。同様の対応要素には同様の参照番号が付され、また、各図面は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことに留意していただきたい。
【0040】
図3及び図4を参照すると、基板10と、未ドーピング半導体ナノワイヤ50と、触媒粒子20と、を備える本発明に係る例示的な半導体ナノワイヤ構造体が示されている。例示的な半導体ナノワイヤは、まず触媒粒子20によって誘起される触媒成長を利用して未ドーピング半導体ナノワイヤ50を基板10上に成長させることによって提供される。
【0041】
基板10は、半導体材料から構成されることも絶縁材料から構成されることもある。基板10で利用され得る半導体材料には、IV族半導体材料、III‐V化合物半導体材料、II‐VI化合物半導体材料、及びそれらの合金が含まれる。基板で利用され得る絶縁材料には、誘電性酸化物及び誘電性窒化物が含まれる。例示的な誘電性酸化物としては、シリコン酸化膜、ならびにHfO、ZrO、La、Al、TiO、SrTiO、LaAlO、Y等、誘電率が4.0を超える高誘電率誘電材料を含む誘電性金属酸化膜が挙げられる。例示的な誘電性窒化物としては、シリコン窒化膜、ならびに窒化アルミニウム、窒化ストロンチウム、窒化ボロン、窒化ベリリウムのようなセラミック窒化膜が挙げられる。基板10は、単結晶、多結晶、あるいは非晶質とすることができる。
【0042】
触媒粒子20は、適切な環境で半導体ナノワイヤの触媒成長を誘起する材料から構成される。触媒粒子20の例示的な材料としては、必ずしもそれだけに限定されるわけではないが、Au、Ag、Cu、Pt、Fe、Co、Ni、In、Ta、Ti、Zn、Cd、及びSnが挙げられる。触媒粒子20の横方向寸法は、約1nm〜約1,000nm、好ましくは約1nm〜約30nmである。触媒粒子20は、径方向対称性を有しても有さなくてもよく、即ち水平断面領域が円形であっても円形でなくてもよい。触媒粒子20は、球、楕円、円柱、円錐、正多面体、不規則多面体、あるいはそれらの組み合わせであってよい。触媒粒子20の横方向寸法とは、触媒粒子20に特徴的な寸法が存在すれば、そのような特徴的寸法を指す。例えば、水平断面領域が円又は楕円である場合、特徴的寸法は、直径、長軸、又は短軸、あるいはそれらのすべてであり得る。触媒粒子20の断面領域の形状が規則的でない場合には、横方向寸法は断面領域の最大横方向範囲を指す。複数の断面領域がそれぞれ異なる横方向範囲を有する場合には、最大横方向範囲を有する断面領域を利用して触媒粒子20の横方向寸法が特徴付けられる。
【0043】
触媒粒子20が基板10上に置かれると、触媒粒子20及び基板10は、低圧化学気相成長(LPCVD)チャンバあるいは超高真空化学気相成長(UHVCVD)チャンバであり得る処理チャンバ内で未ドーピング半導体ナノワイヤ50の成長を促す条件にさらされる。未ドーピング半導体ナノワイヤ50は、例えば上記の米国特許第7,105,428号、同第7,211,464号、及び同第6,962,823号に記載される当業界で周知の半導体材料の触媒成長によって成長する。具体的には、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の触媒成長は、半導体材料を含有する反応物質を、本明細書では第1の温度と呼ばれる高温で未ドーピング半導体ナノワイヤ50に取り込まれるように供給することによって達成される。
【0044】
未ドーピング半導体ナノワイヤ50の半導体材料は、シリコンやゲルマニウムのようなIV族半導体材料とすることができる。半導体材料がシリコンから構成される場合には、反応物質は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、又はそれらの組み合わせとすることができる。半導体材料がゲルマニウムから構成される場合には、反応物質は、GeH、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、及びGeClのうちの1つとすることができる。別法として、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の半導体材料は、III‐V化合物半導体材料あるいはII‐VI化合物半導体材料とすることができる。この場合、反応物質は、触媒粒子20と反応したときに半導体材料を未ドーピング半導体ナノワイヤに提供する前駆物質の混合物を含む。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の半導体材料は、任意の半導体材料の混合物とすることができ、その場合、反応物質は上述の様々なガス又は前駆物質あるいはその両方の組み合わせとすることができる。
【0045】
未ドーピング半導体ナノワイヤ50の成長に利用される温度である第1の温度は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁上での半導体材料の横方向成長を回避するように選択される。触媒粒子20不在下の反応物質の熱分解は、触媒粒子20の表面上で達成される触媒熱分解よりも高い温度で達成される。換言すると、触媒粒子20の機能の1つは、触媒粒子20がなければ反応物質の熱分解が通常発生しない温度で反応物質の触媒熱分解を可能にすることである。第1の温度は、反応物質の触媒熱分解が触媒粒子20の直下で発生する一方、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁を含む通常の表面上では反応物質の熱分解が生じないように選択される。未ドーピング半導体ナノワイヤ50がシリコン又はゲルマニウムから構成される場合、第1の温度は、約350℃〜約500℃、好ましくは約350℃〜約450℃、最も好ましくは約350℃〜約400℃とすることができる。典型的には、未ドーピング半導体ナノワイヤ50は、成長中に半導体原子のエピタキシャル整合が触媒成長によって誘起される故に完全に単結晶となる。
【0046】
未ドーピング半導体ナノワイヤ50の横方向寸法は、触媒粒子20の横方向寸法と実質的に同じにすることができる。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁上の熱分解がなければ、未ドーピング半導体ナノワイヤ50が継続的に成長するので、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の各部分の横方向寸法は、触媒粒子20がその部分から離れた後も保持される。それ故、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50内の位置に関わらず一定となる。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域は、円形、楕円形、あるいは多角形とすることができ、曲線部分と多角形部分の複合形状とすることもできる。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域が円形である場合、その円の半径R1は約0.5nm〜約500nm、対応する直径は約1nm〜約1,000nmとすることができ、好ましくは半径R1を約0.5nm〜約15nm、対応する直径を約1nm〜約30nmとすることができる。
【0047】
未ドーピング半導体ナノワイヤ50は、実質的に未ドーピングとなる。即ち、ドーパントが存在する場合、それらはすべてトレース・レベル、又は未ドーピング半導体ナノワイヤの導電性を有意なレベルに高めないレベルとなる。当業界では周知のとおり、本明細書で使用されるドーパントとは、半導体材料のp型ドーピング又はn型ドーピングを実現する電気的ドーパントを指す。p型ドーパントは、B、Ga、及びInを含む。n型ドーパントは、P、As、及びSbを含む。典型的には、1.0×1017/cm未満のドーピング濃度では、半導体材料の導電性の大幅な増加を促すには不十分である。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の成長中はドーパントが処理チャンバに供給されないことが好ましく、また、未ドーピング半導体ナノワイヤ50内のドーパントはすべてトレース・レベルとなることが好ましい。
【0048】
ドーパント・ガスが第1の温度で未ドーピング半導体ナノワイヤ50の成長中に処理チャンバ内に提供された場合も、第1の温度は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50に対するドーパント・ガスの有意なレベルのドーパント取り込みをもたらすには不十分であることに留意していただきたい。というのも、この触媒成長では、ドーパント・ガスから提供され得るドーパント原子と引き換えに半導体材料が選択的に取り込まれるからである。それ故、ドーパント・ガスが反応物質と一緒にガス流内に供給されたとしても、未ドーピング半導体ナノワイヤ50のドーピング濃度は1.0×1017/cmよりもずっと低くなり、そのため未ドーピング半導体ナノワイヤ50は、「未ドーピング」状態、即ち未ドーピング半導体ナノワイヤ50の特性がドーピングなしの半導体ナノワイヤの対応する特性と実質的に同じになるドーピング・レベルとなる。
【0049】
図5及び図6を参照すると、ドーピング半導体材料のシェル60は、本明細書では第2の温度と呼ばれる別の高温で未ドーピング半導体ナノワイヤ50を反応物質とドーパント・ガスの混合物に暴露させることにより、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁の直上及び周囲に成長する。この処理ステップでは、未ドーピング半導体ナノワイヤの成長に利用されるのと同じ処理チャンバが利用されても異なる処理チャンバが利用されてもよい。同じ処理チャンバを使用する場合は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の表面が処理チャンバ外部の周囲ガスに暴露されるのを防止する利点が得られる。
【0050】
ドーピング半導体材料は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50と同じ半導体材料から構成されることも異なる半導体材料から構成されることもある。一般に、シェル60用のドーピング半導体材料としては、上記で列挙した未ドーピング半導体ナノワイヤ50に利用可能な任意の半導体材料が利用可能である。シェル60の成長用の反応物質は、シェル60の材料に基づいて選択され、上記で列挙した反応物質、即ちSiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、GeCl、及び化合物半導体向けの他の前駆物質と同じであってもよい。
【0051】
ドーパント・ガスは、ドーパント原子の気相化合物から構成される。例示的なドーパント・ガスとしては、必ずしもそれだけに限定されるわけではないが、B、GaH、GaCl、GaCl、PH、POCl、AsH、SbH、及びSbFが挙げられる。ドーパント・ガスは、シェル60の構成が均一となるように反応物質と並行して連続的に処理チャンバ内に供給することができ、あるいはシェル60が階層構造を有するようにシェル60内のドーパント濃度を変調して間欠的に処理チャンバ内に供給することができる。シェル60内のドーパント濃度は、ドーパント・ガスの分圧、又はドーパント・ガスの分圧と反応物質の分圧の比、あるいはその両方を調整することによって制御することができる。
【0052】
シェル60は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁上及び未ドーピング半導体ナノワイヤ50の上部に成長する。触媒粒子20は、シェル60の成長によって未ドーピング半導体ナノワイヤ50から分離され得る。成長中のシェルのin‐situドーピング、即ちシェル60内へのドーパントの取り込みにより、シェル60は、半導体材料とドーパントの両方を含むことになる。後続のアニールが実行された後に未ドーピング半導体ナノワイヤ50内の高いドーピング濃度レベルを達成するために、シェルのドーピング濃度は、好ましくは約1.0×1018/cm〜約5.0×1021/cm、より好ましくは約5.0×1019/cm〜約5.0×1021/cmである。
【0053】
シェル60の成長は触媒反応ではない、即ち、触媒粒子20は未ドーピング半導体ナノワイヤ50上のシェル60の堆積速度を高める可能性があるが、シェル60の成長を促進する上で触媒粒子20の存在は必ずしも必要でない。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁上でのシェル60の成長を保証するために、第2の温度、即ちシェル60の成長温度は、触媒粒子20がなくても反応物質の熱分解が進行するような十分高い温度に設定される。シェル60がシリコン又はゲルマニウムから構成される場合、第2の温度は、約500℃〜約1,100℃、好ましくは約500℃〜約700℃とすることができる。シェル60のドーピング半導体材料は基礎となる未ドーピング半導体ナノワイヤ50とエピタキシャル整合しながら成長するので、シェル60は典型的には単結晶となる。
【0054】
シェル60の断面領域は、シェル60に沿った位置に依存しない。シェル60は未ドーピング半導体ナノワイヤ50を横方向に取り囲むので、シェル60の内面は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の外面と共形となる。シェル60の断面領域は環状とすることができ、あるいは未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域の拡大形状から未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域の形状を取り除いた形状を含むことができる。シェル60の厚さは、約0.5nm〜約100nm、典型的には約1nm〜約10nmとすることができる。シェル60の厚さは、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の横方向寸法の約5%〜約100%、好ましくは約20%〜約50%とすることができるが、本明細書ではより小さい割合及びより大きい割合が明示的に企図される。未ドーピング半導体ナノワイヤ50の断面領域が円形である場合、シェルの断面領域は、ある内径と外径R2とを有する環又はリングとなる。内径は、内側の半導体ナノワイヤ50の断面領域の円の半径R1と同じである。
【0055】
図7及び図8を参照すると、触媒粒子20は、触媒粒子20が未ドーピング半導体ナノワイヤ50とシェル60の組立体から分離される加熱サイクルによって除去することができる。当業界では、ナノワイヤの形成後にナノワイヤから触媒粒子を分離する方法が知られている。
【0056】
加熱サイクルと同時に又は加熱サイクルに続いて、未ドーピング半導体ナノワイヤ50とシェル60の組立体は、典型的にはシェル60内のドーパントを未ドーピング半導体ナノワイヤ50内に拡散させるために第2の温度よりも高い温度で実行される高温アニールにかけられ、それによって組立体は均一ドーピング半導体ナノワイヤ(uniformly dopedsemiconductor nanowire)70に変換される。未ドーピング半導体ナノワイヤ50及びシェル60が単結晶である場合は、アニールの結果得られる構造体、即ち均一ドーピング半導体ナノワイヤ70もまた単結晶となる。
【0057】
アニールの温度は、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70内のドーパント濃度が実質的に均一となるように、シェル60内のドーパントの未ドーピング半導体ナノワイヤ50内への十分なバルク拡散を達成するように選択される。例えば、アニール温度は、約600℃〜約1,200℃とすることができる。アニールは、炉内で実行されても急速熱アニール・チャンバ内で実行されてもよい。アニールの継続時間は、約1秒〜約12時間、典型的には約10秒〜約1時間とすることができる。典型的には、高いアニール温度を使用する場合には短い継続時間のアニール・プロセスが必要となり、低いアニール温度を使用する場合には長い継続時間のアニール・プロセスが必要となる。
【0058】
均一ドーピング半導体ナノワイヤ70のドーピング濃度は、未ドーピング半導体ナノワイヤ50のアニール前のドーピング濃度(実質的にゼロ)と、シェル60のアニール前のドーピング濃度の体積加重平均である。例えば、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の体積をV1、シェル60の体積をV2、シェル60のアニール前のドーピング濃度をCbとすると、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70のアニール後のドーピング濃度は、Ca=Cb×V2/(V1+V2)によって与えられる。シェル60のドーピング濃度が約1.0×1018/cm〜約5.0×1021/cmである場合、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70のドーピング濃度は、約1.0×1017/cm〜約5.0×1020/cmである可能性があるが、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の寸法又はシェル60の寸法あるいはその両方を操作することにより、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70に関するより高いドーピング濃度及びより低いドーピング濃度を得ることも可能である。
【0059】
それ故、本発明は、半導体の直径を一定に維持しながら高いドーピング・レベル、即ち1.0×1017/cm以上のドーピング濃度を有する半導体ナノワイヤを形成する方法を提供する。更に、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70の横方向寸法を小さい寸法、即ち約1nm〜約30nmに維持することも可能である。これは、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の横方向寸法をそのような小さい寸法に維持し、未ドーピング半導体ナノワイヤ50の側壁における反応物質の熱分解を回避することによって実現され得る。
【0060】
図9を参照すると、未ドーピング半導体ナノワイヤ50とシェル60の組立体をアニールによって均一ドーピング半導体ナノワイヤ70に変換するプロセスが概略的に示されている。アニールは、均一ドーピング半導体ナノワイヤ70が実質的に「均一な」ドーピング濃度を有するように、半導体ナノワイヤ50とシェル60の組立体内部のドーパント分散を均質化する。
【0061】
図10を参照すると、測定された2つの光電子スペクトルが本発明の実験例として示されている。この実験設定では、2本のナノワイヤに6.2eVの運動エネルギーを有する光子ビームを照射した。光電子放出された電子は15eVのバイアス電位で抽出し、それにより、本設定の電気的バイアスを利用して15eVのエネルギーが光電子放出された電子の初期の運動エネルギーに加えられるようにした。1本目のナノワイヤは、直径20nmの未ドーピング・シリコン・ナノワイヤで構成した。2本目のナノワイヤは、本発明の方法に従って、まず直径20nmの未ドーピング・シリコン・ナノワイヤを形成し、続いて厚さ4.5nmのドーピング・シリコン・シェルを形成し、その後アニールを施すことによって製作された直径29nmの均一ドーピング・シリコン・ナノワイヤで構成した。ドーピング・シリコン・シェルは、ドーピング材料としてボロン(p型ドーパント)を含有する。
【0062】
ドーピング・シリコン・ナノワイヤである2本目のナノワイヤの光電子スペクトルでは、未ドーピング・シリコン・ナノワイヤである1本目のナノワイヤの光電子スペクトルを基準とした光電子放出された電子のエネルギー・シフトが観察される。この光電子スペクトルのエネルギー・シフトは、2本目のナノワイヤのフェルミ準位が2本目のナノワイヤのドーピングによってシフトしたことを示す。換言すると、この光電子スペクトルのシフトは、実際に2本目のシリコン・ナノワイヤが本発明で開示するようにp型ドーパントでドーピングされていることを証明する。
【0063】
図11乃至図13を参照すると、それぞれ未ドーピング半導体ナノワイヤ、p型ドーピング半導体ナノワイヤ、及びn型ドーピング半導体ナノワイヤに関するフェルミ準位図が示されている。本発明は、図11に示される未ドーピング半導体ナノワイヤのフェルミ準位に比べてフェルミ準位がシフトしたp型又はn型ドーピング半導体ナノワイヤの形成を可能にする。それ故、フェルミ準位を本発明に従って操作することにより、半導体ナノワイヤの導電性を変更すること、ならびに半導体ナノワイヤの電荷キャリア・タイプを決定することが可能となる。
【0064】
以上、本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、上記の説明を読めば様々な代替形態、修正形態、及び変形形態が当業者に理解されることは明らかである。したがって、本発明は、そのようなすべての代替形態、修正形態、及び変形形態が本発明の範囲及び趣旨ならびに添付の特許請求範囲に含まれることを企図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ナノワイヤを形成する方法であって、
基板上に触媒粒子を設けるステップと、
前記触媒粒子を第1の反応物質ガスに第1の温度でさらすことにより前記触媒粒子と前記基板との間に未ドーピング半導体ナノワイヤを成長させるステップを含み、前記第1の温度では前記半導体ナノワイヤの側壁上での前記第1の反応物質ガスの熱分解が抑制され、
さらに、前記未ドーピング半導体ナノワイヤを第2の反応物質及びドーパントに第2の温度でさらすことにより、前記第2の反応物質及び前記ドーパントが熱分解によって取り込まれるドーピング半導体材料のシェルを前記未ドーピング半導体ナノワイヤの側壁の周囲に成長させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記未ドーピング半導体ナノワイヤは、IV族半導体材料、III‐V化合物半導体材料、II‐VI化合物半導体材料、及びそれらの合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーピング半導体材料は、IV族半導体材料、III‐V化合物半導体材料、II‐VI化合物半導体材料、及びそれらの合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ドーピング半導体材料は、B、Ga、In、P、As、及びSbのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記未ドーピング半導体ナノワイヤは、前記未ドーピング半導体ナノワイヤの全体の長さにわたって実質的に一定の断面領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記未ドーピング半導体ナノワイヤの横方向寸法は、1nm〜1,000nmである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記未ドーピング半導体ナノワイヤの前記横方向寸法は、30nm未満である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シェルは、前記シェルの全体の長さにわたって実質的に一定の断面領域を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シェルの厚さは、0.3nm〜10nmである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記シェルのドーピング濃度は、1.0×1018/cm〜5.0×1021/cmである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒粒子の横方向寸法は、1nm〜1,000nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒粒子の前記横方向寸法は、30nm未満である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒粒子は、Au、Ag、Cu、Pt、Fe、Co、Ni、In、Ta、Ti、Zn、Cd、及びSnのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の反応物質は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、及びGeClのうちの少なくとも1つを含み、前記第1の温度は、350℃〜450℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の反応物質は、SiH、Si、SiHCl、SiHCl、SiCl、GeH、Ge、GeHCl、GeHCl、GeHCl、及びGeClのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ドーパントは、B、GaH、GaCl、GaCl、PH、POCl、AsH、SbH、及びSbFのうちの1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の温度は、500℃〜1,100℃である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記未ドーピング半導体ナノワイヤ及び前記シェルを600℃〜1,200℃の高温でアニールするステップを更に含み、前記未ドーピング半導体ナノワイヤ及び前記シェルは、前記アニール後実質的に均一なドーピング濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記実質的に均一なドーピング濃度は、1.0×1017/cm〜5.0×1020/cmであり、前記シェルの体積と前記シェル及び前記未ドーピング半導体ナノワイヤの各体積の合計との比を前記シェルのドーピング濃度に乗じた積である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記シェルのドーピング濃度は、処理チャンバ内のドーパント・ガスの分圧、又は前記ドーパント・ガスの分圧と反応物質の分圧との比によって設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法によって形成される半導体ナノワイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−504291(P2011−504291A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531109(P2010−531109)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/077419
【国際公開番号】WO2009/055181
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】