説明

制御プログラム及び制御装置並びに制御システム

【課題】適正な利用者に対してサービスを利用可能にする制御プログラム及び制御装置並びに制御システムの提供。
【解決手段】制御プログラムは、コンピュータを、所定の識別情報に基づいて装填された記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段13、特定の記録媒体でない場合に、利用者が入力した利用者情報をサーバに送信し、該サーバから利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段14、特定の記録媒体が装填された場合又は利用許可情報を受信した場合に、記録媒体にデータを記録する手段やファイル名を変換する手段、家電機器用データを生成する手段、アップリケーションを付加する手段、音楽データをダウンロードする手段などの所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段15として機能させる。これにより適正な利用者に対してサービスを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの記録などの制御を行うための制御プログラム及び制御装置並びに制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、写真画像に関する様々なサービスが提供されている。例えば、フィルムカメラで写真を撮影した場合、ミニラボ等の写真店やコンビニエンスストア等の注文店に撮影済みのネガフィルムを持ち込むと、写真店ではネガフィルムを現像した後、写真画像をスキャナ等で読み取り、読み取った画像データをCD−R、DVD−R等の記録媒体に書き込んでユーザに提供するといったサービスが行われている。
【0003】
また、デジタルカメラで写真を撮影した場合、デジタルカメラやデジタルカメラ用メディアをミニラボ等の写真店に持ち込めば、店舗内に設けられた無人端末(キオスク)や店頭端末などの制御装置を用いて、デジタルカメラやメディアに記録された画像データをCD−R、DVD−Rなどの記録媒体に書き込むこともできる(上記無人端末に関しては、例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
また、ネガフィルムから読み取った画像データやデジタルカメラ、メディアから読み取った画像データを単に記録媒体に記録するのではなく、これらの画像データからスライドショーとして表示される動画データを作成し、DVDプレーヤやDVDレコーダ、HDDレコーダ、ゲーム機などの家電機器で再生可能なVideo−CD形式などのデータに変換し、該データを画像データと共にCD−RやDVD−Rなどの記録媒体に書き込むサービスも行われている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−8817号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記無人端末や店頭端末などの制御装置で上記サービスを提供する場合、該サービスに対する課金の方法として、制御装置で料金の徴収を行う方法や、制御装置を通信ネットワークに接続してインターネット上で料金の決済を行う方法などがあるが、制御装置での操作を簡単にするために、予め特定の記録媒体をユーザに販売し、特定の記録媒体が装填された場合にのみサービスを利用可能とする方法もある。
【0007】
予め特定の記録媒体を販売する形態では、制御装置側で装填された記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する必要があるが、従来の制御装置には記録媒体を判別する手段が設けられていないため、上記形態でサービスを提供することができないという問題がある。また、特定の記録媒体が装填された場合のみサービスを利用可能とすると、サービスの利用前に必ず特定の記録媒体を購入しなければならないため、汎用性に欠けるという問題もある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、適正な利用者に対してサービスを利用可能にする制御プログラム及び制御装置並びに制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の制御プログラムは、コンピュータを、記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段、として機能させるものである。
【0010】
また、本発明の制御装置は、記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段と、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段と、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段と、前記所定の機能を有する手段と、を少なくとも備えるものである。
【0011】
また、本発明の制御システムは、所定の機能を有する手段を備える制御装置と、前記所定の機能を有する手段を利用可能とするための処理を行うサーバとが通信ネットワークを介して接続された制御システムであって、前記記録装置には、記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段と、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段と、前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段と、前記所定の機能を有する手段と、を少なくとも備え、前記サーバには、前記制御装置から前記利用者を特定する情報を受信する手段と、前記利用者を特定する情報に基づいて、前記所定の機能を有する手段の利用を許可するかを判定する手段と、利用を許可した場合に、前記制御装置に前記利用許可情報を送信する手段と、を少なくとも備えるものである。
【0012】
本発明においては、前記所定の機能を有する手段は、データを前記記録媒体に記録する手段、前記データのファイル名を予め定められたルールに従って変更する手段、前記データに基づいて家電機器で再生可能なデータを生成する手段、前記記録媒体に前記データと共にアプリケーションを記録する手段、及び、音楽データをダウンロードする手段の中から選択される1以上の手段を含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記記録媒体はディスク型記録媒体であり、前記識別情報は前記ディスク型記録媒体の論理アドレス領域よりも内周側の領域に記録されていることが好ましい。
【0014】
このように、本発明の構成によれば、制御装置に装填された記録媒体が特定の記録媒体である場合、又は、特定の記録媒体でない場合であってサーバから利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段が利用可能になるため、特定の記録媒体を利用する場合でも他の記録媒体を利用する場合でも、適正な利用者に対してサービスを利用可能とすることができ、これによりサービスの利用促進を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の制御プログラム及び制御装置並びに制御システムによれば、特定の記録媒体を利用する場合や他の記録媒体を利用する場合などの様々な利用形態において、適正な利用者に対してサービスを利用可能とすることができ、これによりサービスの利用促進を図ることができる。
【0016】
その理由は、記録媒体を制御装置に装填すると所定の識別情報に基づいて該記録媒体が特定の記録媒体であるかが判別され、特定の記録媒体の場合には、データの書き込みやデータのファイル名のリネーム、家電機器用データの生成、アプリケーションの提供、音楽データのダウンロードなどの所定の機能を有する手段の利用が可能となり、また、特定の記録媒体でない場合でも、利用者が入力した利用者情報がサーバに送信され、サーバから利用者に対する利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段の利用が可能となるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の制御プログラムは、その好ましい一実施の形態において、コンピュータを、所定の識別情報に基づいて装填された記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段、特定の記録媒体でない場合に、利用者が入力した利用者情報をサーバに送信し、該サーバから利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段、特定の記録媒体が装填された場合、又は、利用許可情報を受信した場合に、記録媒体にデータを記録する手段や、データのファイル名を変換する手段、家電機器用データを生成する手段、記録媒体にアップリケーションを記録する手段、音楽データをダウンロードする手段などの所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段、として機能させる。これにより、特定の記録媒体を事前に購入する利用形態でも、通常の記録媒体を使用する利用形態でも、適正な利用者に対してサービスを提供することができ、サービスの利用促進を図ることができる。
【実施例】
【0018】
次に、本発明の一実施例に係る制御プログラム及び制御装置並びに制御システムについて、図1乃至図16を参照して説明する。図1は、本実施例に係る制御装置の外観構成を模式的に示す図であり、図2乃至図6は、そのバリエーションを示す図である。また、図7は、制御装置の手段を示すブロック図であり、図8は、制御装置を用いた処理の手順を示すフローチャート図である。また、図9及び図10は、記録媒体におけるデータの記録構造を示す図、図11は、記録媒体におけるデータの記録領域を示す図、図12は、記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図である。また、図13乃至図16は、制御装置の表示手段に表示される画面の構成例を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の制御システムは、制御装置1と、通信ネットワーク11を介して制御装置1に接続されるサーバ12とからなる。また、制御装置1は、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの記録媒体(以下、メディア8と呼ぶ。)を装填するメディア装填部2、デジタルカメラ7(デジタルスチルカメラ及びデジタルムービーカメラの双方を含む。)やカメラ付き携帯電話機7a等の撮影機器を有線又は無線、赤外線等によって接続するための機器接続部3、インターネット等の通信ネットワーク11を介してサーバ12に接続するネットワーク接続部10、CD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、HD−DVD、Blu−rayディスクなどの記録媒体9を装填する記録媒体装填部4、ボタン、キーボード、マウス等の操作手段6、LCD、CRT等の表示手段5などを備えている。
【0020】
また、制御装置1に備える主な手段をブロック図で示すと図7のようになり、所定の領域に予め記録された識別情報に基づいて記録媒体装填部4に装填された記録媒体9が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段13と、利用者が入力した利用者情報をサーバ12に送信し、該利用者に対する利用許可情報をサーバ12から受信する利用許可判定手段14と、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御を行う制御手段15と、所定の機能を有する手段と、スライドショーの表示などを行う表示手段5と、画像データや音楽データの選択などを行う操作手段6とを備えており、所定の機能を有する手段として、メディア装填部2や機器接続部3、ネットワーク接続部10などを用いて所定の記録手段から画像データや音楽データなどを読み取るデータ読み取り手段16、読み取った画像データや音楽データに基づいて動画データ(例えば、MPEG1形式の動画データ)を生成(エンコード)し、該動画データから家電機器で利用可能なファイル形式(例えば、Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式など)のデータ(以下、家電機器用データと呼ぶ。)を生成(オーサリング)するデータ生成手段17、読み取った画像データや生成された家電機器用データ、所定のアプリケーションなどを記録媒体9に記録するデータ書き込み手段18などを備えている。また、サーバ12は、制御装置1から利用者情報を受信し、該利用者情報に基づいて所定の機能を有する手段の利用を許可するかを判定し、利用を許可する場合に利用許可情報を制御装置1に送信する機能を備えている。
【0021】
なお、所定の機能を有する手段は、上記データ読み取り手段16、データ生成手段17、データ書き込み手段18に限られず、また、制御手段15は所定の機能を有する手段の中の少なくとも1つの手段を制御すればよい。また、上記各手段は制御装置1にハードウェアとして構成されていてもよいし、コンピュータを、少なくとも、記録媒体判別手段13、利用許可判定手段14、制御手段15として機能させる制御プログラムとして構成し、該制御プログラムを制御装置1にインストールして実行する構成とすることもできる。また、図1では制御装置1としてパーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器を示しているが、制御装置1の形態は任意であり、例えば、図2に示すように写真店やコンビニエンスストアなどの店舗に設置される無人端末(キオスク)としたり、図3に示すように専用のセットトップボックスとしたり、図4に示すようにポータブルライターとしたり、図5に示すように演算処理機能を備えたDVDレコーダやHDDレコーダとしたり、図6に示すように、ハードディスクを備えた端末と画像データの読み取りや書き込みを行う本体とが分離可能な携帯機器としたり、演算処理機能を備えたカーナビゲーション機器などとすることもできる。
【0022】
次に、上記構成の制御装置1(制御プログラム)を用いて、記録媒体9に対して各種処理を実行する手順について、図8のフローチャート図を参照して説明する。
【0023】
まず、ステップS101で、制御装置1の記録媒体装填部4にCD−R/RWやDVD±R/RW、DVD−RAM、HD−DVD、Blu−rayディスクなどの記録媒体9を装填すると、ステップS102で、記録媒体判別手段13は、装填された記録媒体9の所定の領域(好ましくは論理アドレス領域外)から予め記録された識別情報を読み取る。この論理アドレス領域とは、ユーザのデータ(プログラム)が記録される領域であり、ユーザデータの配置情報が記録されるプログラムメモリ領域、リードイン・TOC(Table Of Contents)領域やリードアウト領域などの情報領域、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値、その他の情報が記録される案内溝変調(ATIP)情報の領域は含まない領域であり、論理アドレス領域以外の領域であって論理アドレス領域よりも内周側に位置する領域のことである。
【0024】
なお、上記識別情報の内容は限定されず、記録媒体9の製造者に対応するコード(製造者コード、通称Mコード)や記録媒体9の規格に対応するコード(タイプコード、通称Tコード)などとすることができる。また、上記識別情報は適正な記録媒体に対して所定の機能を有する手段を利用可能にするために設けるものであり、識別情報の記録場所や中身が容易に知られてしまうと識別情報自体もコピーされてしまうため、識別情報の少なくとも一部はコンピュータのOSでは記録内容を制御できない情報、具体的にはプログラムメモリ領域の情報や、CD−R成型時に付与される案内溝変調(ATIP:Absolute Time In Pre-groove)による情報などとすることが好ましい。
【0025】
ここで、一般的な記録媒体9(CD−R)の構造について、図12を参照して説明すると、CD-Rは、ポリカーボネート基板100上に、シアニン、フタロシアニン、アゾなどの有機色素層101と銀などの反射層102と保護層103とが積層されて形成され、有機色素層101に所定のパワーのレーザ光を当てて色素を分解して基板を変形させることでピットを形成し、情報の記録を行っているが、レーザパワーは、レーザ光を照射するレーザヘッドの方式や使用する有機色素層101の種類に応じて最適な値が異なるため、情報の書き込みを確実に行うためにはCD-Rのタイプやレーザ記録パワーの推奨値をドライブ側が認識する必要がある。そこで、ディスクの応用コードやレーザ記録パワーの推奨値などの情報を記録媒体の製造段階で案内溝変調(ATIP)による情報として書き込み、その情報をドライブのファームウェアが読み取り、ファームウェアが独自にレーザヘッドを制御してレーザパワーの調整を行っている。このような案内溝変調(ATIP)は製造時にしか作成できないため、ユーザレベルでのコピーを防止することができる。また、上記以外の案内溝変調(ATIP)であるリードイン開始時間、最大リードアウト開始可能時間等も適宜設定することで識別情報として利用することができる。
【0026】
次に、ステップS103で、記録媒体判別手段13は、上記識別情報が記録されているか否かに基づいて記録媒体9を判別し、特定の記録媒体であれば所定の機能を有する手段の利用が許可されたと判断して、制御手段15は上記所定の機能を有する手段を制御してステップS107以降の処理を実行する。ここで、従来の制御装置では、記録媒体9に所定の識別情報が記録されていない場合は、該記録媒体9を排出して処理を終了又は別の記録媒体の装填を指示していたが、この方法では、特定の記録媒体以外の記録媒体(以下、他の記録媒体と呼ぶ。)を利用するユーザに対してサービスを提供することができないという問題があった。そこで、本実施例の制御装置1では、他の記録媒体を使用した場合であってもサービスを提供することができるように、表示手段5に図13に示すような利用者情報入力画面19を表示させる。
【0027】
この利用者情報入力画面19には、制御装置1の所定の機能(データを記録媒体9に書き込む機能、データを管理しやすくするためにファイル名をリネームする機能、画像データや音楽データに基づいて家電機器用データを生成する機能、データを記録媒体9に記録する際にスライドショープログラムなどのアプリケーションを付加する機能、音楽データをダウンロードする機能など)を有する手段の利用を許可するために必要となる利用者情報を入力する欄が設けられており、ステップS104で、ユーザは各々の欄に必要な情報を入力する。この利用者情報としては、例えば、利用者の氏名や電話番号、利用者が決済するクレジットカードの番号などを用いることができる。なお、利用者情報は利用者に関する情報のみで構成されていてもよいし、利用者に関する情報に制御装置1を識別する情報などの他の情報を付加した情報としてもよい。
【0028】
次に、ステップS105で、利用許可判定手段14は、入力された利用者情報をサービスの利用を管理する所定のサーバ12に送信する。なお、サーバ12は、サービスの利用の管理のみを行う専用のサーバとしてもよいし、音楽データのダウンロードを行うサーバなどを利用してもよい。
【0029】
一方、利用者情報を受信したサーバ12では、この利用者情報が適正な情報であるかを判断し、適正な情報であると判断したら、制御装置1の所定の機能を有する手段の利用を可能にするための情報が記録された利用許可情報を制御装置1に送信する。この利用許可情報は、制御装置1側で該手段の利用が許可されたことを認識できる情報であればよく、その内容は特に限定されない。
【0030】
次に、ステップS106で、利用許可判定手段14は、サーバ12から利用許可情報を受信したら、所定の機能を有する手段の利用が許可されたと判断して、制御手段15は、上記所定の機能を有する手段を制御してステップS107以降の処理を実行する。また、利用許可情報が送信されない場合や利用を許可しない情報が送信された場合は、処理を終了、又は、ステップS104に戻ってユーザに利用者情報の入力を求める。
【0031】
このように、記録媒体判別手段13を用いて装填された記録媒体9が特定の記録媒体であるかを判別し、また、特定の記録媒体でない場合には、ユーザが入力した利用者情報をサーバ12に送信し、該利用者に対する利用許可情報をサーバ12から受信し、特定の記録媒体が装填された場合、又は、利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段の利用を可能とすることにより、特定の記録媒体を使用する場合でも、他の記録媒体を使用する場合でも適正な利用者にサービスを利用できるようにすることができる。以下、上記所定の機能の具体的な例について説明する。なお、以下の説明では、特定の記録媒体が装填された場合も、利用許可情報を受信した場合も、同じ手段の利用が可能になるものとするが、各々の場合で異なる手段の利用が可能となる構成(例えば、特定の記録媒体が装填された場合は全ての手段の利用が可能となり、利用許可情報を受信した場合は、その中の一部の手段の利用が可能となるなど)とすることもできる。
【0032】
まず、所定の機能を有する手段の利用が許可されると、表示手段5に、例えば図14に示すような読み取り先選択画面20が表示され、ユーザがその中から所望の読み取り先を選択すると、表示手段5に、例えばメディア8をメディア装填部2に装填、又はデジタルカメラ7を機器接続部3に接続するように促すメッセージが表示される。
【0033】
次に、ステップS107で、メッセージの指示に従って制御装置1のメディア装填部2にメディア8を装填、又は機器接続部3にデジタルカメラ7を接続すると、ステップS108で、制御手段15は、データ読み取り手段16に、メディア8やデジタルカメラ7などから画像データ(静止画像データ又は動画データ又はその双方)を読み取らせる。
【0034】
ここで、読み取る画像データはデジタルカメラ7で撮影して得られた画像データに限定されず、ネガフィルムや写真プリントをスキャンして得られた画像データや、ビデオテープレコーダなどから得られる動画データ、動画をキャプチャして得られた静止画像データなどであってもよく、読み取り先もCD−RやDVD−Rなどの記録媒体や制御装置1のハードディスク、通信ネットワーク11を介して接続されるサーバ12などであってもよい。
【0035】
そして、画像データの読み取りが終了すると、表示手段5に、例えば図15に示すような画像選択画面21が表示される。この画像選択画面21には、読み取った画像データに基づく画像を一覧表示する一覧表示欄22と、その中から選択した画像を拡大表示する拡大表示欄23と、作業を選択する作業メニュー欄24とが設けられており、一覧表示欄23で選択した画像を拡大表示欄23で回転するなどして画像データを選択した後、必要に応じて、作業メニュー欄24を操作して所定の画面を表示させ、画像の順番を変えたり、タイトルを入力したり、フォトフレームを作成したり、画像に文字を合成するなどの処理を行う。
【0036】
その後、作業メニュー欄24からBGMとして再生する音楽データを選択するためのボタン(”BGMを選ぶ”ボタン)を選択すると、表示手段5に、例えば図16に示すようなBGM選択画面25が表示される。このBGM選択画面25には、音楽データの読み取り先を選択する読み取り先選択欄26と、選択した読み取り先に記録されている音楽データを一覧表示する一覧表示欄27と、作業を選択する作業メニュー欄24とが設けられており、ステップS109で、読み取り先選択欄26の中から所望の読み取り先を選択し、選択した読み取り先に記録された音楽データの中からスライドショーのBGMとして利用する音楽データを選択する。
【0037】
例えば、読み取り先選択欄26の中から”音楽をダウンロードする”を選択すると、制御手段15は、ネットワーク接続部10を用いて所定のサーバに接続し、ユーザが入力した利用者情報を送信して該サーバからの音楽のダウンロードを可能にする。このサーバは音楽のダウンロード専用のサーバとしてもよいし、上述したように利用の許可を管理するサーバ12と兼用してもよく、利用の許可を管理するサーバ12と兼用する場合は、既に利用者情報が送信されてユーザが認証されているため、再度ユーザを認証するための処理を省略することができ、便利である。
【0038】
次に、必要に応じて、作業メニュー欄24の”スライドショーを確認”ボタンを選択して音楽付きスライドショーを確認した後、ステップS110で、制御手段15は、データ生成手段17に、画像データと音楽データとに基づいて動画データを生成させ、生成された動画データを家電機器で再生可能な形式(Video−CD形式、DVD−Video形式、HDTV形式など)の家電機器用データに変換させる。具体的には、例えば、MP2、MP3、WAV、WMA、MIDIなどの形式の音楽データと画像データとを合成してMPEG1形式の動画データを生成し、この動画データからVideo−CD形式のデータを生成したり、MP3形式の音楽データと画像データとを合成してMPEG1形式又はMPEG2形式の動画データを生成し、この動画データからDVD−Video形式のデータを生成する。
【0039】
なお、画像データ及び音楽データから動画データを生成する方法は特に限定されず、例えば、画像を順次表示する場合はスライド間隔分の差分0のデータを付加し、また、所定のスライド効果で画像を表示する場合はスライド効果に基づく差分データを付加して動画データを生成すればよい。また、家電機器用データの生成と共に、必要に応じて、制御手段15は、データ生成手段17に、読み取った画像データのデータサイズを縮小したサムネイル画像データやスクリーンネイル画像データなどの縮小画像データを作成させたり、データを管理しやすくするために予め定められたルールに従ってデータのファイル名をリネームさせてもよい。
【0040】
次に、作業メニュー欄24の”メディアに書き込む”を選択すると、制御手段15は、データ書き込み手段18に、画像データや音楽データ、生成した家電機器用データ、縮小画像データなどを記録媒体9に記録させるが、家電機器ではデータを読み込むことができる記録領域が限定されるため、ステップS111で、制御手段15は、データ書き込み手段18に、生成したVideo−CD形式などの家電機器用データを記録媒体9の論理アドレス領域の内側に記録させる。
【0041】
次に、必要に応じてセッションをクローズした後、ステップS112で、制御手段15は、データ書き込み手段18に、読み取った画像データや音楽データ、必要に応じて生成した縮小画像データ、スライドショープログラムなどのアプリケーション、スライドショーの設定ファイル、情報ファイル、自動起動ファイルなどを先に記録されたVideo−CD形式などの家電機器用データの外側に記録させて一連の処理を終了する。
【0042】
上記手順で作成された記録媒体9は、例えば、図11に示すように各種データが記録され、ディスク型記録媒体9の最内周の論理アドレス領域外には必要に応じて所定の識別情報が記録され、その外周に位置する論理アドレス領域の内周側の領域には家電機器用データが記録され、更に家電機器用データの外周側の領域には画像データや音楽データなどが記録される。
【0043】
また、上記手順で作成された記録媒体9(CD−R)のディレクトリ構造は、例えば、図9に示すようになり、”PS_Roll”フォルダ内に格納された画像データや音楽データ、縮小画像データ、”APPL”フォルダ内に格納されたスライドショープログラムやスライドショーの再生指示情報(Slidesetting.ini)、記録媒体9に関する各種情報が記述された情報ファイル(index.pvm)や自動起動ファイル(Autrun.inf)などでコンピュータ機器用データが構成され、”VCD”フォルダ内の画像データをVideo−CD形式として関連付けるファイル、”SEGMENT”フォルダ内のTV画面に表示する静止画像データ、”MPEGAV”フォルダ内の動画データ、”DAT”フォルダ内のTV画面に静止画像データを表示するためのアプリケーションなどで家電機器用データ(Video−CDデータ)が構成される。
【0044】
また、記録媒体9(DVD−R)のディレクトリ構造は、例えば、図10に示すようになり、上記と同様のコンピュータ機器用データが構成され、”VIDEO_TS”フォルダ内のビデオマネージャ(VMG)とビデオタイトルセット(VTS)とで家電機器用データ(DVD−Videoデータ)が構成される。より具体的には、VMGは、ビデオ全体を制御するための情報が記録されたVIDEO_TS.IFO、そのバックアップファイルであるVIDEO_TS.BUP、タイトル選択メニューのためのVIDEO_TS.VOBファイルで構成され、VTSは、VTS全体を制御する情報が記述されたVTS_**_0.IFO、そのバックアップファイルであるVTS_**_0.BUP、VTSの各タイトルの動画データであるVTS_**_*.VOBなどで構成される。
【0045】
なお、記録媒体9のディレクトリ構造は任意であるが、画像データや音楽データなどをコンピュータ機器などにバックアップした場合における管理を容易にするために、例えば、図9及び図10に示すように、画像データの格納場所を示すフォルダ(PS_Roll)の下位の階層にメディア8毎、機器毎、フィルム毎のデータの格納場所を示すフォルダ(ROYYMMDDyyy_XXXXXXAABxxx、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、yyy:日毎のシーケンシャル番号、XXXXXX:ランダムなID番号、AA:メーカーコード(00〜ZZ)、B:ソフトウェア、機器の商品カテゴリー(0〜Z)、xxx:シーケンシャル番号)などを作成してもよいし、各々のデータをCCYYMMDDxxxxxx(CC:データの種別、YYMMDD:書き込み年月日を特定する数字、xxxxxx:シーケンシャル番号)などにリネームして記録してもよい。
【0046】
このように、本実施例の制御プログラム及び制御装置1並びに制御システムでは、装填された記録媒体9が特定の記録媒体である場合、又は、サーバ12から利用許可情報を受信した場合に、データの記録やデータのファイル名のリネーム、家電機器用データの生成、アプリケーションの付加、音楽データのダウンロードなどの所定の機能を有する手段の利用が可能となるため、特定の記録媒体を使用する場合でも、他の記録媒体を使用する場合でも、適正な利用者に対してサービスを利用させることができる。
【0047】
なお、記録媒体9の判別やサーバ12へのアクセスのタイミングは上記フローに限定されず、例えば、画像データの読み取りを先に行い、その後、記録媒体9の判別やサーバ12へのアクセスを行うなど、所定の機能を有する手段の内の少なくとも1つの手段の前に、記録媒体9の判別とサーバ12へのアクセスとが実行されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例に係る制御装置の外観構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る制御装置の他の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る制御装置の他の外観構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る制御装置の他の外観構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る制御装置の他の外観構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る制御装置の他の外観構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例に係る制御装置を用いた処理の手順を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施例に係る記録媒体(CD−R)におけるデータの記録構造を示す図である。
【図10】本発明の一実施例に係る記録媒体(DVD−R)におけるデータの記録構造を示す図である。
【図11】本発明の一実施例に係る記録媒体におけるデータの記録領域を示す図である。
【図12】記録媒体(CD−R)の構造を模式的に示す図である。
【図13】本発明の一実施例に係る制御装置の表示手段に表示される画面例(利用者情報入力画面)を示す図である。
【図14】本発明の一実施例に係る制御装置の表示手段に表示される画面例(読み取り先選択画面)を示す図である。
【図15】本発明の一実施例に係る制御装置の表示手段に表示される画面例(画像選択画面)を示す図である。
【図16】本発明の一実施例に係る制御装置の表示手段に表示される画面例(BGM選択画面)を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 制御装置
2 メディア装填部
3 機器接続部
4 記録媒体装填部
5 表示手段
6 操作手段
7 デジタルカメラ
7a カメラ付き携帯電話機
8 メディア
9 記録媒体
10 ネットワーク接続部
11 通信ネットワーク
12 サーバ
13 記録媒体判別手段
14 利用許可判定手段
15 制御手段
16 データ読み取り手段
17 データ生成手段
18 データ書き込み手段
19 利用者情報入力画面
20 読み取り先選択画面
21 画像選択画面
22 一覧表示欄
23 拡大表示欄
24 作業メニュー欄
25 BGM選択画面
26 読み取り先選択欄
27 一覧表示欄
100 ポリカーボネート基板
101 有機色素層
102 反射層
103 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項2】
前記所定の機能を有する手段は、データを前記記録媒体に記録する手段、前記データのファイル名を予め定められたルールに従って変更する手段、前記データに基づいて家電機器で再生可能なデータを生成する手段、前記記録媒体に前記データと共にアプリケーションを記録する手段、及び、音楽データをダウンロードする手段の中から選択される1以上の手段を含むことを特徴とする請求項1記載の制御プログラム。
【請求項3】
前記記録媒体はディスク型記録媒体であり、前記識別情報は前記ディスク型記録媒体の論理アドレス領域よりも内周側の領域に記録されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御プログラム。
【請求項4】
記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段と、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段と、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段と、
前記所定の機能を有する手段と、を少なくとも備えることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
前記所定の機能を有する手段は、データを前記記録媒体に記録する手段、前記データのファイル名を予め定められたルールに従って変更する手段、前記データに基づいて家電機器で再生可能なデータを生成する手段、前記記録媒体に前記データと共にアプリケーションを記録する手段、及び、音楽データをダウンロードする手段の中から選択される1以上の手段を含むことを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記記録媒体はディスク型記録媒体であり、前記識別情報は前記ディスク型記録媒体の論理アドレス領域よりも内周側の領域に記録されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の制御装置。
【請求項7】
所定の機能を有する手段を備える制御装置と、前記所定の機能を有する手段を利用可能とするための処理を行うサーバとが通信ネットワークを介して接続された制御システムであって、
前記記録装置には、
記録媒体に予め記録された識別情報に基づいて、装填された前記記録媒体が特定の記録媒体であるかを判別する記録媒体判別手段と、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体ではない場合に、利用者に入力させた該利用者を特定する情報をサーバに送信し、前記サーバから前記利用者に対する利用許可情報を受信する利用許可判定手段と、
前記装填された記録媒体が前記特定の記録媒体である場合、又は、前記利用許可情報を受信した場合に、所定の機能を有する手段を利用可能にする制御手段と、
前記所定の機能を有する手段と、を少なくとも備え、
前記サーバには、
前記制御装置から前記利用者を特定する情報を受信する手段と、
前記利用者を特定する情報に基づいて、前記所定の機能を有する手段の利用を許可するかを判定する手段と、
利用を許可した場合に、前記制御装置に前記利用許可情報を送信する手段と、を少なくとも備えることを特徴とする制御システム。
【請求項8】
前記所定の機能を有する手段は、データを前記記録媒体に記録する手段、前記データのファイル名を予め定められたルールに従って変更する手段、前記データに基づいて家電機器で再生可能なデータを生成する手段、前記記録媒体に前記データと共にアプリケーションを記録する手段、及び、音楽データをダウンロードする手段の中から選択される1以上の手段を含むことを特徴とする請求項7記載の制御システム。
【請求項9】
前記記録媒体はディスク型記録媒体であり、前記識別情報は前記ディスク型記録媒体の論理アドレス領域よりも内周側の領域に記録されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−139674(P2006−139674A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330459(P2004−330459)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】