説明

加熱調理器

【課題】冷凍食材でも、グリル調理器のみで自動で調理を終了させ、かつ、食材解凍工程において、省エネ効果があること。
【解決手段】グリル装置1のグリル庫2内にヒートシンク18を装着した装脱可能な調理物載置皿4を収納し、操作部13の冷凍された調理物を調理する冷凍魚グリルコースが選択されると、調理物温度換算手段20によって換算された温度が略−5℃に達すると、加熱制御手段11に、予め設定された第1の所定入力を上方加熱手段5及び下方加熱手段6に印加するよう出力し、略60℃に達したことを検知すると、計時を開始することを計時部12に通知し、第2の所定入力を出力し、計時された時間が、予め設定された第1の所定時間に達するまで、加熱制御手段11に第2の所定入力の印加を継続するよう加熱出力を制御すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動調理コースを備えた加熱調理器に関するものであり、特に、冷凍魚などの食材を、調理前に解凍する必要がなく調理することが可能な加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器は、自動で魚が調理できるコースを備えており、利用者は操作ひとつで、簡便に魚などのグリル調理をすることが出来た(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−228960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、それら加熱調理器を用いた際、食材の温度状態は、常温から冷蔵に限定されていた。
【0005】
近年、核家族化や、固食・個食化が進む中、食材の冷凍は欠かせないものであり、食材を、各家庭において冷凍するのは一般的である。冷凍状態で、従来の自動コースの調理を行うと、グリルの負荷量判定を誤り、表面は焦げる一方、内部は冷凍されたままのような差が生じ、食すことができる状態ではない。冷凍の食材をグリル機能により調理する場合には、一旦、自然解凍によって解凍するか、もしくは、マイクロ波加熱器において、解凍工程を経た後、グリルにセットし直して、調理を開始せねばならなく、利用者に、マイクロ波加熱器使用時に使用した食器などの洗浄や、食材を移動するなどといった手間を取らせることとなっていた。
【0006】
また、利用者が手動で冷凍食材をグリル調理しようとしても、冷凍食材の解凍は、食材温度において−5℃から5℃までの、細胞が破壊される温度帯を素早く通過する必要があり、また、食材温度が60℃近辺をゆっくり通過すると、冷凍魚などの加熱時によくみられるタンパク質の流出が著しく、見た目も悪くなる。目視などによって、利用者が手動で調理するのは難しいという課題を有していた。
【0007】
そこで、本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷凍食材でも、グリル調理器のみで自動で調理を終了させ、かつ、食材解凍工程において、省エネ効果がある加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、外郭を構成する本体と、本体内に設けた魚などの調理物を加熱調理するグリル装置とを備え、グリル装置には、グリル庫内に収容する、ヒートシンクを装着させた前記調理物を載置するための装脱可能な調理物載置皿を収納し、調理物載置皿はグリル装置下部に設置されたガラス板上に近接して載置され、ガラス板下方に設置され、調理物を下方より加熱する赤外線ヒーターを利用した下方加熱手段と、焼き網の上方に設置され調理物を上方より加熱する上方加熱手段と、グリル庫内の温度を検知する庫内温度検知手段とを備え、本体内には、利用者が、調理制御モードを選択する操作部と、操作部から入力するモード選択命令に基づき、調理制御モ
ードのひとつを選択する制御手段と、制御手段の出力を元に、上方加熱手段、下方加熱手段の出力を制御する加熱制御手段とを備え、調理物温度検知手段が検知した調理物の温度条件に応じた調理シーケンスを記憶する調理シーケンス記憶手段と、庫内温度検知手段から検知された温度から、調理物温度を換算する調理物温度換算手段と、時間を計時する計時部とを備え、上記操作部は、冷凍された調理物を調理する冷凍グリルコース選択ボタンを有し、制御手段は、冷凍魚グリルコースが選択されると、調理物温度換算手段によって換算された温度が略−5℃に達したことを検知すると、加熱制御手段に、調理物温度が、−5〜5℃を素早く通過し、かつ、調理物表面に焼き色がつかないように予め設定された第1の所定入力を下方加熱手段と上方加熱手段に印加するよう出力し、調理物温度換算手段によって換算された温度が略60℃に達したことを検知すると、計時を開始することを計時部に通知し、調理物の表面に焦げ目をつけずに調理物の内部温度を上昇させる、第1の所定入力より小さな第2の所定入力を出力し、計時部によって計時された時間が、調理物の内部温度が、80〜90℃になるように、予め設定された第1の所定時間に達するまで、加熱制御手段に、第2の所定入力の印加を継続するよう出力制御することにより、−5℃まで加熱中段に印可しないことから、解凍工程時の消費電力を減らしながら、解凍時に調理物の細胞を破壊し易い温度帯を素早く通過することにより、冷凍食材をおいしく、省エネで調理することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の加熱調理器は、グリル部の自動調理において、冷凍食材用のシーケンスで加熱調理が出来るため、利用者が、冷凍食材を調理する最でも、一旦解凍するという手間を省き、省エネ効果を有しながら、失敗なく調理をすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における各調理工程での、庫内温度と調理物温度と出力曲線を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における調理物載置皿の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、外郭を構成する本体と、本体内に設けた魚などの調理物を加熱調理するグリル装置とを備え、グリル装置には、グリル庫内に収容する、ヒートシンクを装着させた前記調理物を載置するための装脱可能な調理物載置皿を収納し、調理物載置皿はグリル装置下部に設置されたガラス板上に近接して載置され、ガラス板下方に設置され、調理物を下方より加熱する赤外線ヒーターを利用した下方加熱手段と、焼き網の上方に設置され調理物を上方より加熱する上方加熱手段と、グリル庫内の温度を検知する庫内温度検知手段とを備え、本体内には、利用者が、調理制御モードを選択する操作部と、操作部から入力するモード選択命令に基づき、調理制御モードのひとつを選択する制御手段と、制御手段の出力を元に、上方加熱手段、下方加熱手段の出力を制御する加熱制御手段とを備え、調理物温度検知手段が検知した調理物の温度条件に応じた調理シーケンスを記憶する調理シーケンス記憶手段と、庫内温度検知手段から検知された温度から、調理物温度を換算する調理物温度換算手段と、時間を計時する計時部とを備え、上記操作部は、冷凍された調理物を調理する冷凍グリルコース選択ボタンを有し、制御手段は、冷凍魚グリルコースが選択されると、調理物温度換算手段によって換算された温度が略−5℃に達したことを検知すると、加熱制御手段に、調理物温度が、−5〜5℃を素早く通過し、かつ、調理物表面に焼き色がつかないように予め設定された第1の所定入力を下方加熱手段と上方加熱手段に印加するよう出力し、調理物温度換算手段によって換算された温度が略60℃に達したことを検知すると、計時を開始することを計時部に通知し、調理物の表面に焦げ目をつ
けずに調理物の内部温度を上昇させる、第1の所定入力より小さな第2の所定入力を出力し、計時部によって計時された時間が、調理物の内部温度が、80〜90℃になるように、予め設定された第1の所定時間に達するまで、加熱制御手段に、第2の所定入力の印加を継続するよう出力制御することにより、−5℃まで加熱手段に印可しないことから、解凍工程時の消費電力を減らしながら、解凍時に調理物の細胞を破壊し易い温度帯を素早く通過することにより、冷凍食材をおいしく、省エネで調理することが出来る。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明において、制御手段は、計時部によって計時された時間が、第1の所定時間に達したことを検知すると、前記加熱制御手段に、前記調理物表面に焼き色をつけ、冷凍魚の加熱で表面に流出したたんぱく質を焼ききるように設定された、第2の所定入力より大きな第3の所定入力を出力し、計時部によって計時された時間が、調理物表面に焦げが生じないように予め設定された第2の所定時間もしくは第2の所定温度に達するまで印加を継続する制御をすることにより、調理物表面に適度な焼き色をつけ見た目を良く、また、周囲に香ばしさを付与することが出来る。
【0013】
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記ガラス板とヒートシンク内に風を送風するファンを備え、前記制御手段は、冷凍魚グリルコースが選択されると、
前記ファンを起動させることにより、常温による調理物解凍時間の短縮が出来る。
【0014】
第4の発明は、特に、第3の発明において、前記制御手段は、前記調理物温度換算手段によって換算された温度が略−5℃に達したことを検知すると、前記ファンを停止させることによって、前記下方加熱手段によって温められた空気を、ヒートシンクの凹部から放出するのを避け、前記ヒートシンクから前記調理物に、効率的に熱を移動させることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器のブロック図を示すものである。
【0017】
図1において、グリル装置1は前面を開口したグリル庫2を有し、グリル庫2内部に調理物3を上方から加熱する上方加熱手段5と、下方から加熱する下方加熱手段6が取り付けられている。上方加熱手段5はシーズヒーターやハロゲンヒーターや、その他の熱源いずれかにより、下方加熱手段6は、光ヒーターなどの熱源から構成され、商用電源電圧を印加されると発熱し、調理物3を加熱調理することができる。
【0018】
なお、本実施の形態では、グリル庫2内部に上方加熱手段5が取り付けられているとしたが、コンベクションオーブンなどには、グリル庫2外部から、熱風の対流や循環を利用することによって調理物3を加熱するものもあり、これに限られるものではない。
【0019】
調理物載置皿4は、ヒートシンク18が接着されており、グリル庫2内下方に設置されているガラス板9上に、着脱可能に近接して載置される。上記調理物載置皿4、およびヒートシンク18は、熱電率の高い材質、例えばアルミニウムなどによって作られる。調理物載置皿4は、下面が凹凸面、上面を平面とし、平面部に、調理物3を載置する構成である。
【0020】
グリル庫2内の温度を検知する庫内温度検知手段7はサーミスタにより構成され庫内温度を検出することができる。なお、本実施の形態では庫内温度検知手段7をサーミスタに
より構成するとしたが、白金センサや赤外線センサなどの温度検知素子を使用してもよい。加熱制御手段11は商用電源とヒーター間に接続されたリレーにより構成し、制御手段10の信号により上方加熱手段5及び下方加熱手段6をオン・オフ制御する。なお、本実施の形態では加熱制御手段11をリレーにより構成するとしたが、トライアックやサイリスタといった半導体スイッチを使用してもよい。制御手段10はマイコンにより構成し、庫内温度検知手段7により温度を検知し、操作部13により使用者が選択した動作モードに応じて上方加熱手段5及び下方加熱手段6のオン・オフを制御する出力を、加熱制御手段11に出力する。制御手段10は計時部12により計時された時間を用い一定周期(本実施の形態では16秒とする)内のオン・オフ比率を変更することで上方加熱手段5及び下方加熱手段6の出力を制御する。たとえば、上方加熱手段5のオン時の出力を1800Wとしたとき、平均電力を900Wに制御するためには8秒間オンし、残りの8秒間をオフする制御を行う。また、計時部12は、制御手段10からの通信をもとに、時間を計時し始め、制御手段10に通信を行う。制御手段10は、計時部12からの情報を元に、加熱制御手段11に出力制御する。
【0021】
また、本実施の形態では上方加熱手段5のワットを1800Wとしたが、ヒーターのワットは庫内の広さおよびヒーター形状に応じて変更する必要があり、これに限られるものではない。
【0022】
以上のように構成された誘導加熱調理器について、図2を用いて、動作、作用を説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1における庫内温度と調理物温度と出力曲線である。
【0024】
図2において、曲線14は、調理開始からの庫内温度検知手段7の検知した温度、曲線15は冷凍調理物の温度曲線を示す。
【0025】
操作部13において、使用者により冷凍グリルコースが選択されると、制御手段10は、庫内温度検知手段7の温度情報を入力する。庫内温度検知手段7の検知温度が、調理物温度換算手段20によって換算された調理物温度が−5℃を検知すると、制御手段10は、加熱制御手段11に第1の所定入力を出力制御する。なお、換算式は、予め試験などで相関をとったデータによって設定しておく。第1の所定入力は、調理物温度が、−5〜60℃を素早く通過し、かつ、調理物表面に焼き色がつかない出力であり、調理物の内容や、グリル庫内の大きさによって異なるため、予め試験などにより、調理物毎に設定しておく。また、調理物の負荷量判定機能が搭載されている加熱調理器においては、各負荷量に応じた設定が必要である。
【0026】
庫内温度検知手段7の温度が、第1の所定温度T1に達すると、制御手段10は、計時部12に計時を開始するよう出力し、加熱制御手段11に、第2の所定入力を印加するよう出力制御する。
【0027】
第1の所定温度T1は、第1の所定出力を印加したとき、調理物3の内部温度曲線15が60℃になるように、予め試験などにより設定しておく。
【0028】
また、第2の所定入力は、調理物の表面に焦げ目をつけず、かつ、調理物3の内部温度を上昇させる大きさであり、第1の所定入力より小さく設定される。本実施の形態では、冷凍塩鮭4切を調理する際の第1の所定出力を1800Wとしたとき、第2の所定出力は、1300W、T1は180℃となるが、グリル庫内の大きさや、ヒーターの形状、調理物の負荷量や内容によって大きくことなるので、これに限られるものではない。
【0029】
計時部によって計時された時間が、第1の所定時間t1に達すると、制御手段10は、加熱制御手段11に、第3の所定入力を印加するよう出力制御する。第1の所定時間は、第2の所定入力を印加した際、調理物内部温度15が80〜90℃になる時間を設定しておく。本実施の形態では、冷凍塩鮭4切を調理する際の第2の所定出力を1300Wとしたとき、第1の所定時間t1は540sとなるが、グリル庫2内の大きさや、ヒーターの形状、調理物の負荷量や内容によって大きくことなるので、これに限られるものではなく、予め試験などにより、調理物毎に設定しておく。また、調理物の負荷量判定機能が搭載されている加熱調理器においては、各負荷量に応じた設定が必要である。
【0030】
また、第3の所定入力は、調理物表面に焼き色をつけ、冷凍魚の加熱で表面に流出したたんぱく質を焼ききるため、第2の所定入力より大きな入力値とする。
【0031】
計時部12によって計時された時間が、第2の所定時間t2に達するか、もしくは、庫内温度検知手段7によって検知された温度が第2の所定温度T2に達すると、制御手段10は、加熱制御手段11に、加熱出力を停めるように制御する。
【0032】
所定の時間t2は、長すぎると焦げが生じるので、予め試験などにより設定しておく。
【0033】
本実施の形態では、冷凍塩鮭4切を調理する際、第3の所定入力は1800W、t2は60s、第2の所定温度T2は210℃であるが、グリル庫2内の大きさや、ヒーターの形状、調理物の負荷量や内容によって大きくことなるので、これに限られるものではない。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態1における調理物載置皿4の斜視図である。
【0035】
図3において、調理物3は、調理物載置皿4に載置される、調理物載置皿4は、熱伝導の高いアルミニウムなどによって成形され、下面は、ヒートシンク18が装着されている。ヒートシンク18の凸部間の幅を細かくし、かつ本数を多くすることにより、放熱面積は広くなると同時に、1つあたりの凹部面積が小さくなるため、図2における工程1‐1の自然風解凍時にはヒートシンク18の凸部から放熱しやすく、加熱解凍工程1‐2以降は凹部に蓄熱しやすくなり、効率的にエネルギーを使うことが可能となる。自然解凍工程1‐1において、ファンなど使い、強制的にヒートシンク18に風を送ることによって、解凍スピードを早くすることが可能となる。
【0036】
また、ガラス板と近接させることにより、図2における工程1‐2以降の加熱工程において、ヒートシンクから放熱した熱が、凹部に蓄熱しやすくなり、効率的に加熱するエネルギーを使うことが可能となる。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態1におけるフローチャートである。
【0038】
図4において、加熱開始から、操作部13で冷凍グリルコースが選択されると、ステップ1にて、庫内温度検知手段7によって検出された温度から調理物温度換算手段20が換算した調理物温度が−5℃に達すると、加熱制御手段へ第1の所定出力を印加する出力をする。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のブロック図である。
【0040】
実施の形態1と同様の部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0041】
制御手段10は、操作部13の冷凍グリルコースが選択されると、ファン16に、グリル庫内の空気をヒートシンク18に送風するよう出力する。これにより、調理物は、ヒートシンク18に接触面から熱量を供給することによって、送風しないときと比べ、早く解凍することができる。遮風板17は、調理物にファン16からの風を遮断し、調理物の乾燥を防ぐことが出来る。また、調理物温度が−5℃に達したら、ファン16を停止させるよう出力する。それにより、下方加熱手段6によって加熱された、ヒートシンク18およびヒートシンク内の凹部の空気を放熱することが抑えられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、冷凍食材の加熱を、マイクロ波を使用せずに調理するので、マイクロ波の機能が搭載されていない加熱調理器にも適用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 グリル装置
2 グリル庫
3 調理物
4 調理物載置皿
5 上方加熱手段
6 下方加熱手段
7 庫内温度検知手段
8 グリルドア
9 ガラス板
10 制御手段
11 加熱制御手段
12 計時部
13 操作部
16 ファン
17 遮風板
18 ヒートシンク
20 調理物温度換算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する本体と、前記本体内に設けた魚などの調理物を加熱調理するグリル装置とを備え、
前記グリル装置には、グリル庫内に収容する、ヒートシンクを装着させた前記調理物を載置するための装脱可能な調理物載置皿を収納し、前記ヒートシンクはグリル装置下部に設置されたガラス板上に近接して載置され、前記ガラス板下方に設置され、前記調理物を下方より加熱する赤外線ヒーターを利用した下方加熱手段と、前記焼き網の上方に設置され前記調理物を上方より加熱する上方加熱手段と、前記グリル庫内の温度を検知する庫内温度検知手段とを備え、
前記本体内には、利用者が、調理制御モードを選択する操作部と、前記操作部から入力するモード選択命令に基づき、調理制御モードのひとつを選択する制御手段と、前記制御手段の出力を元に、前記上方加熱手段、前記下方加熱手段の出力を制御する加熱制御手段とを備え、
調理物温度検知手段が検知した調理物の温度条件に応じた調理シーケンスを記憶する調理シーケンス記憶手段と、前記庫内温度検知手段から検知された温度から、調理物温度を換算する調理物温度換算手段と、時間を計時する計時部とを備え、
上記操作部は、冷凍された調理物を調理する冷凍グリルコース選択ボタンを有し、前記制御手段は、冷凍魚グリルコースが選択されると、前記調理物温度換算手段によって換算された温度が略−5℃に達したことを検知すると、前記加熱制御手段に、前記調理物温度が、−5〜5℃を素早く通過し、かつ、調理物表面に焼き色がつかないように予め設定された第1の所定入力を前記下方加熱手段と前記上方加熱手段に印加するよう出力し、前記調理物温度換算手段によって換算された温度が略60℃に達したことを検知すると、計時を開始することを計時部に通知し、前記調理物の表面に焦げ目をつけずに前記調理物の内部温度を上昇させる、第1の所定入力より小さな第2の所定入力を出力し、計時部によって計時された時間が、前記調理物の内部温度が、80〜90℃になるように、予め設定された第1の所定時間に達するまで、前記加熱制御手段に、第2の所定入力の印加を継続するよう出力制御する加熱調理器。
【請求項2】
制御手段は、計時部によって計時された時間が、第1の所定時間に達したことを検知すると、加熱制御手段に、調理物表面に焼き色をつけ、冷凍魚の加熱で表面に流出したたんぱく質を焼ききるように設定された、第2の所定入力より大きな第3の所定入力を出力し、計時部によって計時された時間が、調理物表面に焦げが生じないように予め設定された第2の所定時間もしくは第2の所定温度に達するまで印加を継続する制御をする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
ガラス板とヒートシンク内に風を送風するファンを備え、制御手段は、冷凍魚グリルコースが選択されると、前記ファンを起動させる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
制御手段は、調理物温度換算手段によって換算された温度が略−5℃に達したことを検知すると、ファンを停止させる請求項3に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247092(P2012−247092A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117591(P2011−117591)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】