説明

加速された療法

本発明は、加速された投薬スケジュールで、ロミデプシンをヒトに安全に投与できるという驚くべき発見を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、その全体が引用により本明細書に組み込まれる、2008年7月30日に出願された米国特許仮出願番号第61/084,797号と同時係属中であり、少なくとも1人の発明者を共通に有し、その優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
多くの化学療法薬は、重度の、典型的には投与量制限性の毒性を示す。実際に、in vitroで強力な細胞毒性を示し、そのために見込みのある抗ガン剤であると思われる多くの薬剤は、その重度の毒性のため結局は療法に使用できない。
【0003】
科学的な文献も大衆向けの読み物も、不適切に(例えば、高すぎる投与量で)投与されると破壊的でないとしても重篤な副作用が生じる化学療法薬の例を多く載せている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ロミデプシンを、加速された投薬スケジュールで被験者に静脈内投与できるという発見を包含する。特に、本発明は、投薬スケジュール内の個々の投薬単位が約1時間未満の期間にわたり投与されるように、ロミデプシンを被験者に静脈内投与できるという発見を包含する。注目すべきことは、ロミデプシンの強力な細胞毒性にかかわらず、そのような加速された投薬が、個々の投薬単位が約4時間の期間にわたり投与される場合に見られる標準的な率に比べ、重篤な有害事象の率を上げることなく実施できることを本発明者らは見いだした。このように、本発明によると、ロミデプシンの投薬単位の静脈内投与速度の4倍増加が、患者への重大なリスクの増加なしに達成できる。
【0005】
したがって、とりわけ、本発明は、ロミデプシンの投与に関連する時間及び煩わしさを低減する加速された投薬方法を提供する。
【0006】
(定義)
有害事象:本明細書では、「有害事象」という用語は当分野に理解された意味を有し、医薬製品を投与された患者又は臨床研究被験者の不都合な医学上の出来事を意味する。有害事象は必ずしも投与される治療と因果関係を持つ必要はない。
【0007】
有害反応:本明細書での「有害反応」という用語は当分野に理解された意味を有し、任意の投与量に関連した医薬製品への有害で意図されない反応を意味する。
【0008】
細胞増殖性疾患、疾病、又は病態:「細胞増殖性疾病又は病態」という用語は、異常な細胞成長、好ましくは異常に増加した細胞増殖により特徴づけられる病態を意味する。
【0009】
併用療法:本明細書では、「併用療法」という用語は、2種以上の異なる医薬品が重なり合うレジメンで投与され、被験者が両薬剤に同時に曝露される状況を意味する。
【0010】
電解質:本明細書では、「電解質」という用語は、一般に、生理学的に関連する遊離イオンを意味する。そのような遊離イオンの代表的なものには、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、塩化物(Cl-)、リン酸(PO43-)、及び重炭酸(HCO3-)があるが、これらに限定されない。
【0011】
DAC阻害剤:一般に、デアセチラーゼを特異的に阻害する薬剤はDAC阻害剤であると考えられる。ヒストンデアセチラーゼを特異的に阻害する薬剤はHDAC阻害剤であると考えられる。チューブリンデアセチラーゼを特異的に阻害する薬剤はTDAC阻害剤であると考えられる。本明細書中に特記されない限り又は当分野に公知でない限り、DAC阻害剤は、例えば塩、エステル、プロドラッグなどの任意の形態で投与できることを当業者は認識するだろう。さらに、キラル中心を含むDAC阻害剤は、単一の立体異性体又は混合物がDAC阻害剤活性を有する限り、単一の立体異性体としても、ラセミ混合物を含む混合物としても投与してよい。
【0012】
DAC阻害剤療法:本明細書では「DAC阻害剤療法」という句は、DAC阻害剤が個体に投与されるレジメンを意味する。通常、DAC阻害剤療法は、間隔を空けた、DAC阻害剤の複数の個々の投薬単位の投与を含むだろう。そのような個々の投与量は異なる量のことも、同じ量のこともある。さらに、異なる投薬レジメン(例えば、投与量の数、投与量の量(複数可)、投与量の間隔)が異なるDAC阻害剤とともに典型的には利用されることを、当業者は容易に認識するだろう。
【0013】
投薬レジメン:「投薬レジメン」は、本明細書で使用される場合、期間により分けられ個別に投与される1組の投薬単位(典型的には2以上)を意味する。特定の医薬品に対して推奨される投与量の組(すなわち、量、時期、投与経路など)がその投薬レジメンを構成する。
【0014】
「開始」:本明細書では、投薬レジメンに適用される場合の「開始」という用語は、以前に医薬品を服用していなかった被験者へのその医薬品の最初の投与を意味するように使用できる。別法として又は追加的に、「開始」という用語は、患者の療法の間の医薬品の特定の投薬単位の投与を意味するようにも使用できる。
【0015】
医薬品:本明細書では、「医薬品」という句は、被験者に投与される場合、治療効果を有し、且つ/又は所望の生物学的効果及び/又は薬理学的効果を惹起する薬剤を意味する。
【0016】
医薬として許容し得るキャリア又は賦形剤:本明細書では、「医薬として許容し得るキャリア又は賦形剤」という用語は、任意の種類の非毒性で不活性な、固体、半固体、又は液体の充填剤、希釈剤、カプセル化物質、又は製剤助剤(formulation auxiliary)を意味する。
【0017】
医薬として許容し得るエステル:本明細書では、「医薬として許容し得るエステル」は、in vivoで加水分解するエステルを意味し、人体中で容易に分解して親化合物又はその塩を残すものがある。好適なエステル基には、例えば、医薬として許容し得る脂肪族カルボン酸、特に、各アルキル又はアルケニル部分が好都合には炭素数6以下であるアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸、及びアルカン二酸から誘導されたものがある。具体的なエステルの例には、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、及びエチルコハク酸エステルがあるが、これらに限定されない。
【0018】
医薬として許容し得るプロドラッグ:本明細書では、「医薬として許容し得るプロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒト及び下等動物の組織との接触のための使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に釣り合い、その意図される用途に有効である本発明の化合物のプロドラッグ並びに可能な場合に本発明の化合物の両性イオン形態を意味する。本明細書での「プロドラッグ」は、代謝の手段(例えば加水分解)によりin vivoで本発明の化合物に転化可能な化合物を意味する。種々の形態のプロドラッグが当分野に公知であり、例えば、Bundgaard(編)の文献、プロドラッグの設計(Design of Prodrugs), Elsevier (1985); Widderら(編)の文献、酵素学の方法(Methods in Enzymology), vol. 4, Academic Press (1985); Krogsgaard-Larsenら(編)の文献、「プロドラッグの設計と用途(Design and Application of Prodrugs)」, Textbook of Drug Design and Development, Chapter 5, 113-191 (1991); Bundgaardらの論文、Journal of Drug Deliver Reviews, 8:1-38(1992); Bundgaardの論文、J. of Pharmaceutical Sciences, 77:285以下参照(1988); Higuchi及びStella (編)の文献、新規な薬物送達システムとしてのプロドラッグ(Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems), American Chemical Society (1975);並びに Bernard Testa及びJoachim Mayerの文献、「薬物及びプロドラッグ代謝における加水分解:化学、生化学、及び酵素学(Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism: Chemistry, Biochemistry And Enzymology)」, John Wiley and Sons, Ltd. (2002)に議論されているとおりである。
【0019】
医薬として許容し得る塩:本明細書では、「医薬として許容し得る塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなくヒト及び下等動物の組織との接触のための使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に釣り合う塩を意味する。医薬として許容し得る塩は当分野に周知である。例えば、S. M. Bergeらは医薬として許容し得る塩をJ. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977)に詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製の間にin situで調製できるが、別に遊離塩基官能基を好適な有機酸と反応させてもよい。医薬として許容し得る塩の例には、アミノ基と、塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸との塩又は酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、又はマロン酸などの有機酸との塩、或いはイオン交換など当分野で利用される他の方法の利用により形成される塩である非毒性の酸付加塩があるが、これらに限定されない。他の医薬として許容し得る塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などがあるが、これらに限定されない。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがある。さらなる医薬として許容し得る塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、炭素原子数1から6のアルキル、スルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを利用して形成された、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンがある。
【0020】
ロミデプシン:「ロミデプシン」という用語は以下の化学構造の化合物を意味する。
【化1】

ロミデプシンは、FK228、FR901228、NSC630176、又はデプシペプチドの名称でも当分野に公知である。ロミデプシンの同定及び調製は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,977,138号に記載されている。ロミデプシンを調製する追加の方法は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第08/083288号及び国際公開第08/083290号に記載されている。分子式はC24H36N4O6S2であり、分子量は540.71である。ロミデプシンの特定の結晶形は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0227975号に開示されている。ロミデプシンの化学名は、(1S,4S,10S,16E,21R)-7-[(2Z)-エチリデン]-4,21-ジイソプロピル-2-オキサ-12,13-ジチア-5,8,20,23-テトラアザビシクロ[8.7.6]トリコス-16-エン-3,6,9,19,22-ペンタノンである。ロミデプシンには、CAS番号128517-07-7が割り当てられている。結晶形では、ロミデプシンは典型的には白色から薄黄白色結晶又は結晶性粉末である。種々の形態のロミデプシンのいずれも本発明に従って利用できる。例えば、ロミデプシンを塩の形態で(例えば、化合物の医薬として許容し得る塩として)与えることができる。別法として又は追加的に、ロミデプシンは、プロドラッグ、エステル、又は保護された形態で与えても、且つ/又は投与してもよい。
【0021】
重篤な有害事象:本明細書では、「重篤な有害事象」という用語は当分野に理解された意味を有し、任意の投与量において、例えば、死をもたらし、生命を脅かし、入院(又は既に入院している場合の入院長期化)を必要とし、持続性又は著しい障害又は不能(患者が通常の生活機能を実施する能力の著しい混乱と定義)をもたらす、不都合な医学上の出来事を意味する。いくつかの実施態様において、重篤な有害事象は、例えば米国連邦規則タイトル21セクション310.305(b)に定義され米国食品医薬品局により使用されるとおり「重篤な薬剤有害事象」であり、該規則によれば、重篤な有害事象とは、任意の投与量で起こり以下の結果のいずれかをもたらす薬剤有害事象である:死亡、生命を脅かす薬剤有害事象、入院又は既に入院している場合の入院の長期化、持続性又は著しい障害/不能、又は先天性奇形/先天性異常。死亡をもたらさず、生命を脅かさず、入院を要さない重要な医療事象は、適切な医学的判断に基づいて、患者又は被験者が危険にさらされ、この定義に列記された結果のいずれかを防ぐために医療行為又は外科的処置を必要とする場合に、重篤な薬剤有害事象であると考えられることがある。そのような医療事象の例には、救急室又は自宅での集中治療を必要とするアレルギー性気管支痙攣、入院には至らない血液悪液質若しくは痙攣、薬物依存又は薬物乱用の発生がある。
【0022】
起こしやすい:本明細書では、「起こしやすい」という用語は、一般の集団に見られるより、ある疾病若しくは疾患、又はその症状を発生するリスク(典型的には、遺伝的体質、環境因子、個人の履歴、又はこれらの組み合わせに基づく)が高い個体を意味する。
【0023】
治療上有効な量:「治療上有効な量」の医薬品又は医薬品の組み合わせという用語は、任意の治療に適用可能な妥当な利益/リスク比で、治療される被験者に治療効果を与える薬剤(複数可)の量を意味するものとする。治療効果は客観的(例えば、試験又はマーカーにより測定可能)なことも、主観的(例えば、被験者が効果の兆候を与えるか又は効果を感じる)なこともある。治療上有効な量は、複数の投薬単位を含むことのある投薬レジメンにおいて通常投与される。ある医薬品では、治療上有効な量(及び/又は有効な投薬レジメン内の適切な投薬単位)は、例えば、投与経路、他の医薬品との組み合わせにより変わりうる。また、ある患者に対する具体的な治療上有効な量(及び/又は投薬単位)は、治療される疾患及び疾患の重症度;利用される具体的な医薬品の活性;利用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、及び食餌;利用される具体的な医薬品の投与の時間、投与の経路、及び/又は排泄若しくは代謝の速度;治療の期間;及び医学分野に周知の同様な因子を含む種々の因子により変わりうる。
【0024】
治療:本明細書では、「治療(treatment)」(「治療する」(treat)又は「治療すること」(treating)とも言う)という用語は、ある疾病、疾患、及び/又は病態の1つ以上の症状又は特徴を部分的又は完全に、緩和し、改善し、和らげ、阻害し、その発症を遅延し、その重症度を低減し、且つ/又はその発生率を低下させる医薬品の投与を意味する。そのような治療は、関連する疾病、疾患、及び/又は病態の兆候を示していない被験者及び/又はそのような疾病、疾患、及び/又は病態の初期兆候しか示していない被験者のもののこともある。別法として又は追加的に、そのような治療は、関連する疾病、疾患、及び/又は病態の1つ以上の確立された兆候を示す被験者のもののことがある。
【0025】
投薬単位:本明細書では、「投薬単位」という用語は、典型的には投薬レジメンの文脈において、医薬品の個々の投与を意味する。
【0026】
(発明の特定の実施態様の詳細な説明)
(標準的なロミデプシン投薬)
ロミデプシンは種々の臨床試験で試験されてきた。試験された静脈内投与レジメンには、2週間毎日投薬、4週にわたり週に2回投薬、4週にわたり週に3回投薬、及び他の様々な間欠的スケジュールがある(例えば、21日又は28日サイクルの第1、3、及び5日;第4及び10日;第1、8、及び15日;第1及び15日;第5及び12日;又は第5、12、及び19日)。
【0027】
ロミデプシンの典型的な投薬単位は、約0.5mg/m2から約28mg/m2体表面積の範囲内であり、約6から約18mg/m2の範囲内のことが多い。ロミデプシンは、約10mg/m2から約17mg/m2の範囲内の投薬単位で通常投与される。具体的な通常の投薬単位は、13mg/m2、14mg/m2、及び15mg/m2である。
【0028】
2008年3月現在、ほとんどの試験に利用されるロミデプシンの標準静脈内レジメンは、28日ごとに繰り返すクールで、第1、8、及び15日に4時間かけて個々の投薬単位を投与するものである。数回のクール(例えば、少なくとも4回、少なくとも6回、又はそれ以上)が投与されることが多い。実際に、72クールも投与されたという例が報告されている。
【0029】
ロミデプシンの初期の臨床試験及び前臨床試験は、ロミデプシンに関連する毒性が、より迅速な投与レジメンで増加することを見いだした。例えば、4時間の注入より迅速な注入(30秒ボーラス又は10分間注入)で、一般的な毒性及び心臓毒性の両方が顕著であることが見いだされた(例えば、Shahらの論文「転移性神経内分泌腫瘍の患者におけるヒストンデアセチラーゼ阻害剤デプシペプチドの心臓毒性(Cardiotoxicity of Histone Deacetylase Inhibitor Depsipeptide in Patients with Metastatic Neuroendocrine Tumors)」, Clin. Cancer Res. 12:3997, 2006を参照されたいが、該論文では4002ページ、左の欄、第1の完全な段落、17行目に以下のように述べている:
「イヌ及びマウスにNCIが実施した次の前臨床試験により、間欠的(4日おき×3回(q4 days x 3))スケジュールが、毎日の投薬よりも忍容性が良好であることが示された。さらに、一般毒性及び心臓毒性は、特に投与の速度と明確に関連があるようである。30秒ボーラス又は10分間注入よりも4時間の注入ははるかに忍容性が高かった。この前臨床の経験に基づき、4時間の静注として送達される間欠的投薬スケジュールが最適であることが分かり、初期の1相臨床試験に利用された」)。
ほとんどの標準静脈内ロミデプシン投薬レジメンでは、個々の投薬単位は、4時間の注入で投与される。
【0030】
(加速された投薬)
本発明は、1つ以上の個々の投薬単位が、約1時間以下の期間にわたり静脈内投与されるロミデプシンの加速された投薬レジメンを提供する。いくつかの実施態様において、1つ以上の個々の投与量は、約50分未満、40分未満、30分未満、20分未満の期間にわたり静脈内投与される。約1時間(60分間)未満の期間にわたり投与される少なくとも1つの投薬単位を含むレジメンはいずれも、本発明による加速された投薬レジメンであると考えられる。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様において、レジメン内の投薬単位は全て、約1時間以下の期間にわたり静脈内投与される。いくつかの実施態様において、レジメン内の投薬単位の一部のみが約1時間以下の期間にわたり投与される。いくつかの実施態様において、レジメン内の1つ以上の投薬単位は、静脈内投与以外の経路(例えば、経口、皮下、鼻腔内、局所など)により投与される。
【0032】
本発明は、ロミデプシンの加速された投薬レジメンが、個々の投薬単位が4時間にわたり静脈内投与される同等なレジメン(例えば他の面で同一なレジメン)に比べ、毒性も有害事象も、特に重篤な有害事象も著しく増加させずに投与できることを示す。本発明は、加速された投薬レジメンが、28日サイクルの第1、8、及び15日に約6〜14mg/m2の投与量で4時間の静注により投与されるロミデプシンの標準レジメンに比べ、毒性も有害事象も、特に重篤な有害事象も著しく増加させずに投与できることを特に示す。
【0033】
本発明のいくつかの実施態様において、ロミデプシンは、1種以上の投薬単位が(例えば約4時間の期間にわたるのでなく)約1時間未満の期間にわたり投与される点を除けば標準投薬レジメン(上記参照)と同一な加速された投薬レジメンで投与される。
【0034】
本発明により使用するためのロミデプシンの典型的な投薬単位は約0.5mg/m2から約28mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約1mg/m2から約25mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約0.5mg/m2から約15mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約1mg/m2から約15mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約1mg/m2から約8mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約0.5mg/m2から約5mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、該投薬単位は約2mg/m2から約10mg/m2の範囲内である。いくつかの実施態様において、投薬単位は約10mg/m2から約20mg/m2の範囲内である。特定の実施態様において、投薬単位は約5mg/m2から約10mg/m2の範囲内である。いくつかの実施態様において、投薬単位は約10mg/m2から約15mg/m2の範囲内である。いくつかの実施態様において、投薬単位は約6から約19mg/m2の範囲内である。いくつかの実施態様において、投薬単位はおよそ8mg/m2である。さらに他の実施態様において、該投薬単位はおよそ9mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ10mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ11mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ12mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ13mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ14mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ15mg/m2である。さらに他の実施態様において、投薬単位はおよそ30mg/m2である。
【0035】
特定の実施態様において、ロミデプシン療法レジメン内の異なる個々の投薬単位は異なる。例えば、いくつかの実施態様において、ロミデプシンの増加する投与量が、1サイクルの間に投与される。そのような例を1つ挙げると、特定の実施態様において、およそ8mg/m2の投与量が投与され、次いでおよそ10mg/m2の投与量、次いでおよそ12mg/m2の投与量が1サイクルにわたって投与されることがある。
【0036】
当業者には理解されるとおり、個々の投薬単位で投与されるロミデプシンの量は投与されるロミデプシンの形態により変わりうる。本明細書に与えられる用量は、有効成分ロミデプシンに対する投与量当量(dose equivalent)である。
【0037】
本発明の特定の実施態様において、ロミデプシンの個々の投薬単位はある日に投薬され、その後数日間はロミデプシンが投与されない。特定の実施態様において、ロミデプシンは週に2回投与される。特定の実施態様において、ロミデプシンは週に1回投与される。他の実施態様において、ロミデプシンは1週おきに投与される。
【0038】
本発明に従って利用するための適切な投薬スケジュールの例をいくつか挙げると、ロミデプシンは毎日(例えば2週間)、週に2回(例えば4週間)、週に3回(例えば4週間)、又は他の種々の間欠的なスケジュール(例えば、21日又は28日サイクルの第1、3、及び5日;第4及び10日;第1及び15日;第5及び12日;又は第5、12、及び19日)のいずれで投与してもよい。
【0039】
特定の実施態様において、ロミデプシンは28日サイクルの第1、8、及び15日に投与される。特定の具体的な実施態様において、投与量8mg/m2のロミデプシンが第1日に、投与量10mg/m2のロミデプシンが第8日に、投与量12mg/m2のロミデプシンが第15日に投与される。特定の実施態様において、ロミデプシンは28日サイクルの第8日は抜かして第1及び15日に投与される。28日投薬サイクルを繰り返してよい。特定の実施態様において、28日サイクルが2〜10回、2〜7回、2〜5回、又は3〜10回繰り返される。特定の実施態様において、治療には5サイクル含まれる。特定の実施態様において、治療には6サイクル含まれる。特定の実施態様において、治療には7サイクル含まれる。特定の実施態様において、治療には8サイクル含まれる。特定の実施態様において、10サイクルが投与される。特定の実施態様において、11サイクル以上が投与される。
【0040】
上述のとおり、本発明の特定の実施態様において、ロミデプシン投薬レジメン内の1つ以上の投薬単位が、静脈内投与以外の経路で投与されてもよい。1つ例を挙げると、1つ以上の投与量が経口投与されてよい。特定の実施態様において、ロミデプシンは10mg/m2から300mg/m2の範囲で経口投薬される。特定の実施態様において、ロミデプシンは25mg/m2から100mg/m2の範囲で経口投薬される。特定の実施態様において、ロミデプシンは100mg/m2から200mg/m2の範囲で経口投薬される。特定の実施態様において、ロミデプシンは200mg/m2から300mg/m2の範囲で経口投薬される。特定の実施態様において、ロミデプシンは300mg/m2超で経口投薬される。特定の実施態様において、ロミデプシンは50mg/m2から150mg/m2の範囲で経口投薬される。他の実施態様において、経口用量範囲は25mg/m2から75mg/m2である。
【0041】
特定の実施態様において、ロミデプシンは毎日経口投与される。いくつかの実施態様において、ロミデプシンは1日おきに経口投与される。さらに他の実施態様において、ロミデプシンは3日毎、4日毎、5日毎、又は6日毎に経口投与される。特定の実施態様において、ロミデプシンは毎週経口投与される。特定の実施態様において、ロミデプシンは1週おきに経口投与される。
【0042】
いくつかの実施態様において、ロミデプシンの1つ以上の投薬単位は局所投与される。
【0043】
当業者には理解されるとおり、ロミデプシンの特定の投薬単位の用量、時期、及び/又は投与経路は、患者及び治療される病態により変動しうる。特定の実施態様において、サイクルは患者が反応している限り継続される。疾病の進行があると、治癒又は寛解が達成されると、或いは副作用が過度になると、療法は停止されることがある。有害副作用がると、投与されるロミデプシンの用量の低減又は投与量が投与されるスケジュールの調整を要することもある。
【0044】
(ロミデプシンの毒性及び有害事象)
上述のとおり、ロミデプシンは、種々の異なる臨床状況及び試験において患者に投与されてきた。一般に、観察される毒性には、疲労、悪心、嘔吐、及び骨髄抑制(通常、血小板減少及び/又は好中球減少、例えばグレード3)がある。心電図の非特異的S-Tセグメント変化は多くの患者に起こり、QTc間隔の延長も見られることがある。典型的には、観察される毒性は軽度から中程度であった。心電図中の観察される変化は、典型的には、上昇した連続(serial)血清トロポニンレベル及びマルチゲート収集(MUGA)スキャンと相関せず、そのどちらも一貫して正常だった。
【0045】
初期の開発において、ロミデプシンの臨床研究の間に(450名を超える患者のうち)6例の死亡が起こった。その死亡の1例以外の全例で、著しい心臓血管危険因子が、ロミデプシン試験へのエントリーの時点で存在していたか、又は試験の間に現れた。6例目の患者はサルコイドーシスの病歴があり、QTc延長を起こすと知られている他の薬剤を同時に投与されていた。
【0046】
(血液学的事象)
ロミデプシンを服用している患者に、好中球減少及び/又は血小板減少が見られることがある。グレード3又はグレード4の好中球減少又は血小板減少がある患者では、特定の血球減少がグレード1(すなわち、ANCが1.9×109超に、血小板数が75×109以上に回復する)以下に戻るまでさらなる治療を控えることが一般的に推奨されるが、血球減少が回復した時点で完全な投与量での療法が継続できる。6日以上継続するか、又は出血を伴うグレード4の好中球減少又は血小板減少が観察される場合、特定の血球減少がグレード1以下に戻るまで治療を控えることが一般的に推奨されるが、血球減少が回復した時点で、好ましくは投与量を減らして(例えば10mg/m2)療法を継続することができる。血小板輸注が必要なグレード4の熱性(38.5℃以上)好中球減少又は血小板減少が観察される場合、特定の血球減少がグレード1以下に戻るまで治療を控えることが一般的に推奨されるが、血球減少が回復した時点で、好ましくは投与量を減らして(例えば10mg/m2)療法を継続することができる。
【0047】
血液学的事象は、典型的には、標準ロミデプシン投薬レジメンで約21〜52%の率で観察される(National Cancer Institute IND 57,810 Annual Report, 2007)。例えば、NCI 2007年次報告(Annual Report)は、以下の血液及び骨髄の異常に関して以下の率を示している:血小板(52%)、ヘモグロビン/貧血(41%)、異常な白血球数(39%)、異常なANC/AGC (37%)、及びリンパ球減少(21%)(National Cancer Institute INB 57,810 Annual Report, 2007)。
【0048】
(心臓事象)
ロミデプシン投薬により観察される心臓事象は、例えば以下のいずれか又は全てを含みうる。
【0049】
QTcの500ミリ秒以上への延長又は現行の治療サイクルの治療前基線からの60ミリ秒以上の増加。
【0050】
心室性不整脈(すなわち、心室頻拍又は心室細動[3連発以上])
【0051】
洞性頻脈(横臥後の心拍>140/分)
【0052】
心房律動不整(atrial dysrhythmia)の新規発生(SVT、心房細動、又は心房粗動)、再分極異常又は虚血を示すST波及びT波の変化(例えば、メインQRSベクトルが正である限り、2mm以上のST下降[等電位線からSTセグメントへ測定]及び/又は4mm以上のT波反転[等電位線からT波ピークへ測定])
文献は、基線からのQTcの中程度の変化が16.5ミリ秒であると報告している(Piekarzらの論文、Clin Cancer Res 12:3762, 2006参照)。表1は、心臓事象が観察される場合の通常推奨される投与量調整を表す。
【表1】

【0053】
心臓事象は、典型的には、標準ロミデプシン投薬レジメンで約24%の率で観察される(National Cancer Institute IND 57,810 Annual Report, 2007)。
【0054】
(消化管事象)
消化管事象は、典型的には、標準ロミデプシン投薬レジメンで約15〜64%の率で観察される(National Cancer Institute IND 57,810 Annual Report, 2007)。例えば、NCI 2007年次報告書(Annual Report)は、以下の消化管事象に関して以下の率を示している:悪心(64%)、食欲不振(39%)、嘔吐(39%)、便秘(19%)、味覚異常(18%)、及び下痢(15%)(National Cancer Institute INB 57,810 Annual Report, 2007)。
【0055】
本発明は、関連する毒性(例えば、投与量制限毒性、重篤な有害事象、及び/又は有害事象の1つ以上の率及び/又は重症度)を臨床的に著しく増加させずに、加速された投薬レジメンによりロミデプシンを投与できることを示す。例えば、いくつかの実施態様において、本発明は、観察される毒性(例えば、疲労、血液学的毒性、心臓毒性、消化管毒性、体質性毒性(constitutional toxicities)、又はこれらの組み合わせ)の率が、ロミデプシンの投薬単位が約4時間の期間にわたり静脈内投与される点のみ異なる同等な投薬レジメンの投与で観察されるより、著しく悪くないロミデプシンの加速された投薬レジメンを提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、観察される毒性の率が、標準ロミデプシン療法レジメンの投与で観察されるより著しく悪くないロミデプシンの投薬レジメンを提供する。
【0056】
いくつかの実施態様において、本発明は、ロミデプシンを服用する被験者が、指定される期間内に1種以上の特別な有害事象又は重篤な有害事象を経験しない、ロミデプシンの加速された投薬レジメンを提供する。いくつかの実施態様において、指定された期間は、加速された投与量の投与の間である。いくつかの実施態様において、指定された期間は、加速された投与量の注入終了後の約2から約6時間以内である。いくつかの実施態様において、指定された期間は、加速された投与量の注入終了後の約2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48時間以内、又はそれ以上である。
【0057】
副作用、毒性、又は有害事象(複数の有害事象を含む)が、指定された期間に全くないこともある。少し例を挙げると、いくつかの実施態様において、被験者のQTcは指定された期間の間約500ミリ秒未満のままである;いくつかの実施態様において、被験者は指定された期間の間心室性不整脈を経験しない;いくつかの実施態様において、被験者は指定された期間の間洞性頻脈を経験しない;いくつかの実施態様において、被験者は指定された期間の間心房律動不整を経験しない;いくつかの実施態様において、被験者は指定される期間の間再分極を示すST波又はT波の変化を経験しない。
【0058】
(併用療法)
本発明によると、ロミデプシンは1種以上の他の医薬品と組み合わせて投与してよい。例えば、ロミデプシンは、1種以上の他の化学療法薬と組み合わせて、且つ/又は1種以上の他の医薬品(例えば、鎮痛剤、抗炎症剤、抗生物質、ステロイド薬剤、抗葉酸剤、キナーゼ阻害剤、メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗体など)と組み合わせて投与してよい。
【0059】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、1種以上の細胞毒性薬と組み合わせて投与される。そのような例示的な細胞毒性薬には、例えば、ゲムシタビン、デシタビン、及びフラボピリドールがある。別法として又は追加的に、ロミデプシンは、1種以上のタキサン及び/又は1種以上のプロテアソーム阻害薬と組み合わせて投与してよい。そのような例示的なプロテアソーム阻害薬には、例えば、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ペプチドボロン酸、サリノスポラミドA(NPI-0052)、ラクタシスチン、エポキソマイシン(Ac(Me)-Ile-Ile-Thr-Leu-EX)、MG-132(Z-Leu-Leu-Leu-al)、PR-171、PS-519、エポネマイシン、アクラシノマイシンA、CEP-1612、CVT-63417、PS-341(ピラジルカルボニル-Phe-Leu-ボロナート)、PSI(Z-Ile-Glu(OtBu)-Ala-Leu-al)、MG-262(Z-Leu-Leu-Leu-bor)、PS-273(MNLB)、オムラリド(clasto-ラクタシスチン-β-ラクトン)、NLVS(Nip-Leu-Leu-Leu-ビニルスルホン)、YLVS(Tyr-Leu-Leu-Leu-vs)、ジヒドロエポネマイシン、DFLB(ダンシル-Phe-Leu-ボロナート)、ALLN(Ac-Leu-Leu-Nle-al)、3,4-ジクロロイソクマリン、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオライド、TMC-95A、グリオトキシン、EGCG((-)-エピガロカテキン-3-ガラート)、YU101(Ac-hFLFL-ex)、及びこれらの組み合わせがある。
【0060】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、1種以上の抗葉酸剤と組み合わせて投与される。例えば、そのようないくつかの実施態様において、ロミデプシンは、フォリン酸(ロイコボリン)、メトトレキサート、プララトレキサート、プレメクストレド(premextred)、トリアジナート、及びこれらの組み合わせの1種以上と組み合わせて投与される。
【0061】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、1種以上のキナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)と組み合わせて投与される。例えば、そのようないくつかの実施態様において、ロミデプシンは、キナーゼ阻害剤として作用する1種以上の抗体と組み合わせて投与される。いくつかの実施態様において、ロミデプシンは、ABT-869、AC220、AZD7762、BIBW 2992、BMS-690154、CDKIAT7519、CYC116、ISIS3521、GSK690693、GSK-461364、MK-0457、MLN8054、MLN8237、MP470、ON 01910.Na、OSI-930、PHA-739358、R935788、SNS-314、TLN-232、XL147、XL228、XL281、XL418、及び/又はXL765の1種以上と組み合わせて投与される。
【0062】
特定の実施態様において、ロミデプシンは1種以上のメチルトランスフェラーゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0063】
特定の実施態様において、ロミデプシンは1種以上の治療用抗体と組み合わせて投与される。例えば、そのようないくつかの実施態様において、ロミデプシンは、ベバシズマブ、セツキシマブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、トラスツズマブ、又はこれらの1つにより結合された抗原に結合する任意の抗体の1種以上と組み合わせて投与される。
【0064】
いくつかの実施態様において、ロミデプシンは、アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの抗炎症剤、鎮痛剤、抗悪心剤、又は解熱剤と組み合わせて投与される。
【0065】
特定の実施態様において、ロミデプシンはステロイド剤と組み合わせて投与される。例えば、特定の実施態様において、ロミデプシンは、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム・酢酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、ピバル酸クロコルトロン、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酢酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酪酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、シピオン酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、リン酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウム、コハク酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウム、吉草酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酢酸コルチゾン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオロメトロン、フルランドレノリド、ハルシノニド、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フランカルボン酸モメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、及びトリアムシノロンヘキサセトニド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるステロイド剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施態様において、ロミデプシンはデキサメタゾンと組み合わせて投与される。
【0066】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、悪心、嘔吐、及び下痢などの胃腸障害を治療する薬剤と組み合わせて投与される。そのような薬剤には、制吐剤、止瀉剤、補液、電解質補液(electrolyte replacement)などがありうる。
【0067】
いくつかの実施態様において、ロミデプシンは、カリウム、マグネシウム、及びカルシウム、特にカリウム及びマグネシウム(以下参照)などの電解液補液又は補充(supplementation)と組み合わせて投与される。
【0068】
特定の実施態様において、ロミデプシンは抗不整脈剤と組み合わせて投与される。
【0069】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、血小板増加剤(platelet booster)、例えば血小板の産生を増加させる薬剤と組み合わせて投与される。
【0070】
特定の実施態様において、ロミデプシンは、エリスロポエチンなどの血球の産生を増加させる薬剤と組み合わせて投与される。
【0071】
いくつかの実施態様において、ロミデプシンは、高血糖症を予防する薬剤と組み合わせて投与される。
【0072】
特定の実施態様において、ロミデプシンは他のHDAC又はDACの阻害剤とともに投与されない。
【0073】
(電解質補充)
本発明によると、ロミデプシン療法を受ける被験者に電解質補充を投与することが望ましいことがある。電解質レベルが低い(例えば、低いカリウム及び/又はマグネシウムレベル)個体は、ロミデプシン療法を投与されると望まれない副作用の発生を起こしやすい(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2008/0124403号で公開された米国特許出願第11/759,471号参照)。そのような患者は、QTc延長(著しい心機能の変化がない可能性もある)及び/又は心臓律動不整を含む、心筋再分極効果の発生を特に起こしやすいことがある。観察されることのある具体的な異常には、心電図のQTc間隔の増加及び/又はSTセグメントの異常(例えばSTセグメントの低下)及び/又はT波の異常(例えばT波平坦化)がある。
【0074】
本発明によると、カリウム血清濃度が約3.5mmol/L(3.5mEq/L)未満及び/又は血清マグネシウム濃度が約0.8mml/L(1.95mEq/L)未満である個体は、心筋再分極効果及び/又は律動不整が発生するリスクが高い。
【0075】
カリウムの血清濃度は、約3.5〜5.5mEq/L又は約3.5〜5.0mEq/Lの範囲である場合に「正常」と一般的に考えられる。本発明によると、ロミデプシン療法の投与前に(及び/又はその間に)個体の血清カリウム濃度を確実にこの範囲内にすることが多くの場合望ましい。
【0076】
マグネシウムの血清濃度は、約1.5〜2.5mEq/L又は約1.5〜2.2mEq/L又は約1.25〜2.5mEq/L又は約1.25〜2.2mEq/Lの範囲である場合に「正常」と一般的に考えられる。本発明によると、ロミデプシン療法の投与前に(及び/又はその間に)個体の血清マグネシウム濃度を確実にこの範囲内にすることが多くの場合望ましい。
【0077】
本発明のいくつかの実施態様において、個体の血清カリウム及び/又はマグネシウム濃度(複数可)は、ロミデプシン療法の投与前に(及び/又はその間に)正常範囲上限にある。例えば、いくつかの実施態様において、個体の血清カリウム濃度は、ロミデプシン療法の投与前及び/又はその間に、少なくとも約3.8mEq/L、3.9mEq/L、4.0mEq/L、又はそれ以上である。いくつかの実施態様において、血清カリウム濃度が約5.0mEq/L、5.2mEq/L、又は5.5mEq/Lを超えないように注意がはらわれる。いくつかの実施態様において、個体の血清マグネシウム濃度は、ロミデプシン療法の投与前及び/又はその間に、少なくとも約1.9mEq/L又はそれ以上である。いくつかの実施態様において、マグネシウム濃度が約2.5mEq/Lを超えないように注意がはらわれる。
【0078】
本発明のいくつかの実施態様において、ロミデプシン療法の投与前及び/又はその間に、個体の血清カリウム濃度は少なくとも約3.5mEq/L(いくつかの実施態様において、少なくとも約3.8mEq/L、3.9mEq/L、4.0mEq/L以上)であり、個体の血清マグネシウム濃度は少なくとも約1.85mEq/L(いくつかの実施態様において、少なくとも約1.25mEq/L、1.35mEq/L、1.45mEq/L、1.55mEq/L、1.65mEq/L、1.75mEq/L、1.85mEq/L、1.95mEq/L以上)である。
【0079】
本発明のいくつかの実施態様において、電解質レベル(例えば、カリウム及び/又はマグネシウムレベル、任意にカルシウムレベル)がロミデプシン療法の経過の間に2回以上評価される。いくつかの実施態様において、異なる評価が一定間隔(例えば、0.5日以下、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、1月、2月、3月、4月、5月、6月など)に隔てられる。いくつかの実施態様において、電解質レベルはロミデプシンの各投与の前に評価される。
【0080】
本発明によると、個体の血清カリウム及び/又はマグネシウム及び/又は他の電解質濃度(複数可)は任意の利用可能な手段により評価してよい。例えば、試料を静脈又は動脈血から採取し、血漿又は血清の分析用に処理してよい。いくつかの実施態様において、静脈サンプリングが利用される。利用可能な任意のアッセイを評価に利用できる。いくつか具体例を挙げると、カリウムは、炎光光度測定法、ダイレクトポテンショメトリー(例えば、Kochらの論文、Clin. Chem. 29:1090, 1983参照)、酵素法(例えば、トリプトファナーゼの利用による、例えばKimuraらの論文、Clin. Chem. 38:44, 1992参照)、比色法(例えば、テトラフェニルボラートの利用による)に測定できる。マグネシウムは、錯滴定、炎光発光分光法、原子吸光分光法、酵素技術及び染料結合法を含む他の分光光度技術(例えば、Magnon染料結合及び重クロム酸吸光度、例えば、Barbourらの論文、Clin. Chem. 34:2103, 1988参照;ビリルビンによる干渉の除去、例えばRehakらの論文、Clin. Chem 35:1031, 1989参照)により測定できる。多くの実施態様において、アッセイは、自動臨床化学分析器(例えば、Abbott ARCHITECT (登録商標)など)で実施される。
【0081】
カリウムとマグネシウムの両方のレベルが評価される場合、それらは別々にでも一緒にでも評価してよい。カリウム及び/又はマグネシウムレベルの評価は、ロミデプシン療法の開始前、それと同時に、及び/又はその後で実施してよい。
【0082】
個体が、正常未満又は本明細書に記載のとおり正常値の上限未満の血清カリウム及び/又はマグネシウム濃度(複数可)を有すると明らかになった場合、本発明によると、カリウム及び/又はマグネシウム補充がロミデプシン療法の開始前、それと同時に、及び/又はその後で投与される。いくつかの実施態様において、ロミデプシン療法は、血清カリウム及び/又はマグネシウムレベルが上昇するまで、中止又は延期される。いくつかの実施態様において、ロミデプシン療法は、血清カリウム及び/又はマグネシウムレベルが正常範囲内へ、又は正常範囲の上限内へ上昇するまで、中止又は延期される。いくつかの実施態様において、ロミデプシン療法は、血清カリウム濃度が約3.5mEq/Lを超えるまで、いくつかの実施態様において、血清カリウム濃度が約3.8mEq/Lを超えるまで、中止又は延期される。いくつかの実施態様において、ロミデプシン療法は、血清マグネシウム濃度が約1.25mEq/Lを超えるまで、いくつかの実施態様において、血清マグネシウム濃度が約1.8mEq/Lを超えるまで、いくつかの実施態様において、血清マグネシウム濃度が約1.9mEq/Lを超えるまで、中止又は延期される。いくつかの実施態様において、ロミデプシン療法は、血清カリウム濃度及び血清マグネシウム濃度の両方が先に記載のとおり上昇するまで、中止又は延期される。
【0083】
本発明によると、電解質補充は、ロミデプシン療法の開始前、それと同時に、及び/又はその後で投与でき、カリウム及び/又はマグネシウム補充を含むことがある。別法として又は追加的に、電解質補充は、ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、マグネシウム、重炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の電解質の補充を含むことがある。
【0084】
種々の異なるカリウム補充形態が利用可能である(例えば、以下のワールドワイドウェブアドレスのウェブページを参照:pdrhealth.com)。例えば、塩化カリウム、クエン酸カリウム、グルコン酸カリウム、重炭酸カリウム、アスパラギン酸カリウム及び/又はオロチン酸カリウムの形態のカリウムサプリメントが容易に得られる。
【0085】
高カリウム(1杯あたり最高800ミリグラム)で低ナトリウムの野菜ジュースを利用できる。カリウムに富むソフトドリンクもある。ソフトドリンクの中には、他のカリウムサプリメントより苦みの少ないグルコン酸カリウムを含むものもある。代替塩はカリウムに富む。
【0086】
レーズン、イチジク、アプリコット、サーディン、子牛、バナナ、アボカド、及びブロッコリーなどのカリウムに富む特定の食品は、カリウムサプリメントとして使用できる。カリウムに富む食品は、容易に生物学的に利用可能で、カリウム塩の投与に関連する胃腸副作用を低減しうるカリウムを与えることができる。カリウムサプリメントは、マルチビタミンの一部として与えてもよい。
【0087】
カリウムは、典型的には経口又は静脈内に補充されるが、他の送達様式も本発明の範囲内である。
【0088】
カリウムサプリメントの特定の市販形態には、例えば、酢酸カリウム(例えば、注入用2mEq/mL又は4mEq/mL);酢酸カリウム(例えば、錠剤75mg、95mg、99mg、及び180mg及び/又は注入用2mEq/mL、10mEq/50mL、20mEq/50mL、10mEq/100mL、20mEq/100mL、30mEq/100mL、40mEq/100mL及び/又は液体20mEq/15mL、40mEq/15mL及び/又は再構成用パウダー20mEq若しくは25mEq、及び/又は徐放性錠剤9mEq、10mEq、若しくは20mEq)及びグルコン酸カリウム(例えば、錠剤486mg、500mg、550mg、595mg、610mg、及び620mg)がある。
【0089】
種々の異なるマグネシウム補充形態も利用可能である。例えば、塩化マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酸化マグネシウム、及び/又は硫酸マグネシウムの形態のサプリメントが容易に得られる。
【0090】
アーティチョーク、バナナ、イチジク、アーモンド、カシューナッツ、松の実、ブラジルナッツ、豆、ほうれん草、及びトマトなどマグネシウムに富む特定の食品をマグネシウムサプリメントとして使用できる。マグネシウムサプリメントはマルチビタミンの一部として与えてもよい。
【0091】
マグネシウムサプリメントの特定の市販形態には、塩化マグネシウム(例えば、注入用200mg/ml、徐放性錠剤535mg)、グルコン酸マグネシウム(液体3.25mg/mL、1000mg/5mL;錠剤500mg);乳酸マグネシウム(徐放性錠剤84mg);酸化マグネシウム(例えば、カプセル、パウダー140mg、600mg及び/又は錠剤200mg、250mg、400mg、420mg、及び500mg)、硫酸マグネシウム(例えば、注入用40mg/mL、80mg/mL、125mg/mL、500mg/mL)がある。
【0092】
本発明のいくつかの実施態様において、電解質補充は、ロミデプシン療法の1つ以上の心臓毒性を低減し、又はその発症を遅延するのに十分な量で投与される。いくつかの実施態様において、電解質投与は、悪心、嘔吐、疲労(嗜眠、倦怠、無力症)、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)増加、高尿酸血症、低カルシウム血症、高血糖症、熱、胃炎、下痢、腹痛、脱水、体重減少、低リン酸塩血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低マグネシウム血症、失神、低酸素症、胸水、低血圧、心筋虚血、心筋トロポニンI増加、錯乱、及び/又は骨髄抑制、並びにこれらの組み合わせの1種以上も低減することがある。
【0093】
いくつかの実施態様において、心臓毒性は、心拍数補正QT(QTc)間隔延長、上室性不整脈(上室性頻拍(SVT)/心房細動/粗動)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。具体的には、いくつかの実施態様において、QTc延長及び/又は他の電気生理学的変化は、電解質補充の後に正常な値又は範囲に低減される。
【0094】
(治療すべき病態)
本発明は、細胞増殖性疾患、疾病、又は病態の治療に関連する方法及び組成物を提供する。一般に、細胞増殖性疾患、疾病、又は病態には、異常な細胞成長、好ましくは異常に増加した細胞増殖により特徴づけられる種々の病態がある。例えば、細胞増殖性疾患、疾病、又は病態には、ガン、免疫介在性反応及び疾病(例えば、移植拒絶、移植片対宿主病、遺伝子療法に対する免疫反応、自己免疫病、病原体誘導性免疫調節不全(pathogen-induced immune dysregulation)など)、特定の循環器疾患、及び特定の神経変性疾患があるが、これらに限定されない。
【0095】
特定の実施態様において、本発明は、ガンを治療する方法に関する。一般に、ガンは異常な細胞の制御されない成長及び広がりにより特徴づけられる一群の疾病である。そのような疾病の例には、ガン腫、肉腫、白血病、リンパ腫などがある。特定の実施態様において、ガンは血液ガンである。特定の実施態様において、ガンは固形腫瘍である。
【0096】
特定の実施態様において、本発明は、血液ガンの治療に関する。血液ガンの兆候には、循環する悪性細胞並びに悪性腫瘤がありうる。血液ガンは、血液、骨髄、及び/又はリンパ節を冒す種類のガンである。ロミデプシンを利用して治療できる血液ガンの例には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリー細胞白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、多発性骨髄腫、及び骨髄異形成症候群があるが、これらに限定されない。特定の実施態様において、ロミデプシンを使用して多発性骨髄腫が治療される。特定の具体的な実施態様において、ガンは再発性及び/又は難治性の多発性骨髄腫である。他の実施態様において、ロミデプシンを使用して慢性リンパ性白血病(CLL)が治療される。特定の具体的な実施態様において、ガンは再発性及び/又は難治性のCLLである。他の実施態様において、ロミデプシンを使用して慢性骨髄性白血病(CML)が治療される。特定の実施態様において、ロミデプシンを使用して急性リンパ芽球性白血病(ALL)が治療される。特定の実施態様において、ロミデプシンを使用して急性骨髄性白血病(AML)が治療される。特定の実施態様において、ガンは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である。他の実施態様において、ガンは末梢T細胞リンパ腫(PTCL)である。特定の実施態様において、ガンは骨髄異形成症候群である。
【0097】
本発明のいくつかの実施態様において、ロミデプシンで治療されるガンには、白血病及びリンパ腫、例えば皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)などのヒトT細胞リンパ好性ウイルス(HTLV)に関連するリンパ腫、B細胞リンパ腫、急性リンパ性白血病、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群など、中皮腫、成人によく見られる固形腫瘍、例えば頭頸部ガン(例えば、口腔、喉頭、及び食道)、尿生殖器ガン(例えば、前立腺、膀胱、腎臓、子宮、卵巣、精巣、直腸及び結腸)、肺ガン、乳ガン、膵臓ガン、メラノーマ及び他の皮膚ガン、胃ガン、脳腫瘍、肝臓ガン、及び甲状腺ガン、及び/又は小児固形腫瘍、例えば脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫、骨腫瘍、及び軟部組織肉腫があるが、これらに限定されない。
【0098】
別法として又は追加的に、併用療法を含むロミデプシン療法を利用して治療できる例示的なガンには、結腸ガン、肺ガン、骨ガン、膵臓ガン、胃ガン、食道ガン、皮膚ガン、脳ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、子宮頸ガン、子宮ガン、精巣ガン、前立腺ガン、膀胱ガン、腎臓ガン、神経内分泌ガンなどがある。
【0099】
特定の実施態様において、ロミデプシンを使用して膵臓ガンが治療される。特定の実施態様において、ロミデプシンを使用して前立腺ガンが治療される。特定の具体的な実施態様において、該前立腺ガンはホルモン不応性前立腺ガンである。
【0100】
いくつかの特別な実施態様において、本発明は白血病の治療に関する。例えば、いくつかの実施態様において、本発明は、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、及び/又は成人T細胞白血病/リンパ腫の治療に関する。特定の実施態様において、本発明はAMLの治療に関する。特定の実施態様において、本発明はALLの治療に関する。特定の実施態様において、本発明はCMLの治療に関する。特定の実施態様において、本発明はCLLの治療に関する。
【0101】
いくつかの実施態様において、本発明はリンパ腫の治療に関する。例えば、いくつかの実施態様において、本発明は、ホジキンリンパ腫又は非ホジキン(例えば、末梢T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫などのT細胞リンパ腫)リンパ腫の治療に関する。
【0102】
いくつかの実施態様において、本発明は多発性骨髄腫及び/又は骨髄異形成症候群の治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は固形腫瘍の治療に関する。そのようないくつかの実施態様において、本発明は、肺、乳、結腸、肝臓、膵臓、腎臓、前立腺、卵巣、及び/又は脳などの固形腫瘍の治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は膵臓ガンの治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は腎臓ガンの治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は前立腺ガンの治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は肉腫の治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は軟部組織肉腫の治療に関する。
【0103】
いくつかの実施態様において、本発明は、1種以上の免疫介在性反応及び疾病を治療する方法に関する。例えば、いくつかの実施態様において、本発明は、異種移植を含む、心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角膜、血管、肺、膵臓、腸、肢、筋肉、神経組織、十二指腸、小腸、膵島細胞などの組織の機能の全て又は一部を置き換える、合成又は有機の移植材料、細胞、臓器、又は組織の移植後の拒絶の治療;移植片対宿主病の治療;自己免疫疾患、例えば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、甲状腺炎、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、若年性糖尿病及び近時発症糖尿病(recent-onset diabetes mellitus)、ブドウ膜炎、グレーブス病、乾癬、アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、血管炎、自己免疫介在性疾病、再生不良性貧血、エヴァンズ症候群、自己免疫性溶血性貧血などの治療に関する。
【0104】
いくつかの実施態様において、本発明は、異常な免疫反応及び/又は活性化を起こす1種以上の炎症性疾患、例えば外傷性又は病原体誘導性免疫調節不全、例えばB型及びC型肝炎感染により起こされるもの、HIV、黄色ブドウ球菌感染、ウイルス性脳症、敗血症、炎症反応により損傷が誘起される寄生病(例えばハンセン病)を治療する方法に関する。
【0105】
いくつかの実施態様において、本発明は、移植片対宿主病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、乾癬、アトピー性皮膚炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、及び/又は多発性硬化症の治療に関する。
【0106】
別法として又は追加的に、いくつかの実施態様において、本発明は、自己由来細胞への外来遺伝子の導入及びコードされた生成物の発現などの遺伝子療法治療に関連する免疫反応の治療に関する。いくつかの実施態様において、本発明は、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、血管炎、結節性多発動脈炎、及び/又は心筋炎などの循環器疾患の治療に関する。
【0107】
いくつかの実施態様において、本発明は、種々の神経変性疾患のいずれの治療にも関するが、その非網羅的なリストには以下がある:
I.他の顕著な神経学的兆候のない進行性認知症により特徴づけられる疾患、例えば、アルツハイマー病;アルツハイマータイプの老人性認知症;及びピック病(脳葉萎縮);
II.進行性認知症と他の顕著な神経学的異常が組み合わさった症候群、例えばA)主に成人に発生する症候群(例えば、ハンチントン病、認知症と失調及び/又はパーキンソン病の兆候が組み合わさった多系統萎縮、進行性核上性麻痺(スティール−リチャードソン−オルゼヴスキー)、びまん性レビー小体病、及び皮質歯状核黒質変性症);及びB)主に小児又は若年成人に発生する症候群(例えば、ハレルフォルデン−スパッツ病、及び進行性家族性ミオクローヌスてんかん);
III.姿勢及び運動の異常を徐々に発生する症候群、例えば、振戦麻痺(パーキンソン病)、線状体黒質変性症、進行性核上性麻痺、捻転性筋緊張異常(捻転痙攣;変形性筋失調症)、痙性斜頚、及び他の異常運動、家族性振戦、及びジル・ド・ラ・トゥレット症候群;
IV.進行性失調の症候群、例えば小脳変性症(例えば、小脳皮質変性症及びオリーブ橋小脳変性症(OPCA));及び脊髄小脳変性病(フリードライヒ運動失調症及び関連疾患);
V.中枢自律神経系機能不全の症候群(シャイ−ドレーガー症候群);
VI.感覚の変化がない筋無力及び筋消耗の症候群(運動ニューロン病、例えば、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症(例えば、乳児脊髄性筋萎縮症(ヴェルドニッヒ−ホフマン)、若年性脊髄性筋萎縮症(ウェルファルト−クーゲルベルグ−ヴェランダー)及び他の形態の家族性脊髄性筋萎縮症)、原発性側索硬化症、及び遺伝性痙性対麻痺;
VII.感覚の変化を伴う筋無力及び筋消耗の症候群(進行性神経性筋萎縮;慢性家族性ニューロパチー)、例えば腓骨筋萎縮症(シャルコー−マリー−ツース)、肥厚性間質性多発神経炎(デジュリーヌ−ソッタ)、及び種々の形態の慢性進行性神経炎;
VIII.進行性の失明の症候群、例えば網膜の色素変性(色素性網膜炎)、及び遺伝性視神経萎縮(レーバー病)。
【0108】
いくつかの実施態様において、神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び/又はハンチントン病である。
【0109】
いくつかの実施態様において、本発明は、クロマチン再構成に関連する疾患、疾病、又は病態の治療に関する。
【0110】
他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て当業者に公知である意味による。本明細書で言及された刊行物、特許、公開特許出願、及び他の参考文献は全て、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。本発明の実施態様は相互排除的であると考えるべきでなく、組み合わせることができる。
【実施例】
【0111】
本発明は以下の実施例に関連してより良く理解されるだろうが、実施例は例示としてのみ意図され、本発明の範囲を限定しないものとする。開示された実施態様への種々の変更及び改良は当業者には明らかであり、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤、及び/又は方法に関するものを含むがそれらに限定されないそのような変更及び改良は、本発明の精神及び添付される請求項の範囲を逸脱せずになすことができる。
【0112】
(実施例1:加速されたロミデプシン投薬)
この実施例は、加速されたロミデプシン投薬の臨床試験をまとめる。少なくとも15名の患者を加速された投薬レジメンで治療した。これらの患者のうち2名はPTCLを患い、1名は移植片対宿主病(GVHD)を、6名は多発性骨髄腫を、1名は非ホジキンリンパ腫を、1名はメラノーマを、2名は乳ガンを、1名は卵巣ガンを、1名は巨細胞腫を患っていた。
【0113】
以下の表2及び3は、関連データのいくつかを表す。これら15名の患者の心電図の所見、検査値の異常、有害事象、及び重篤な有害事象は、ロミデプシンを使用した先の臨床試験で見られた結果と一致する。
【表2】

【表3】



【0114】
本明細書に引用した参考文献は、印刷であろうと、電子データであろうと、コンピューター読取可能な記憶媒体であろうと、他の形態であろうと、要約、記事、定期刊行物、出版物、教科書、論文、インターネットウェブサイト、データベース、特許、及び特許公報を含むがこれらに限定されない全ての参考文献が、その全体が引用により本明細書に明確に組み込まれる。
【0115】
(等価物)
前記は、本発明の特定の非限定的な好ましい実施態様の説明であった。当業者は、本明細書に記載された本発明の具体的な実施態様に対する多くの等価物を、慣例の実験のみを利用して認識するだろうし、又は確かめることができるだろう。当業者は、この明細書に対する種々の変更及び改良が、以下の請求項に定義される本発明の精神又は範囲から逸脱せずになすことができることを認識するだろう。
【0116】
少し例を挙げると、請求項中で、「1つの(a, an)、前記、該(the)」などの冠詞は、反対であると示されない限り、又は文脈から明らかでない限り、1つ又は2つ以上を表すことがある。1群の1つ以上の要素の間に「又は(or)」を含む請求項又は記載は、反対であると示されない限り、又は文脈から明らかでない限り、群の要素の1つ、2つ以上、又は全てが、ある生成物又は方法に存在し、利用され、又は他の面で関連する場合に満たされていると考えられる。本発明は、群の正に1つの要素がある生成物又は方法に存在し、利用され、又は他の面で関連する実施態様を含む。本発明は、群の2つ以上又は全ての要素がある生成物又は方法に存在し、利用され、又は他の面で関連する実施態様も含む。さらに、本発明が、1つ以上の請求項又は明細書の関連部分由来の1つ以上の制限、要素、節、説明の用語などが他の請求項に導入されている全ての変形、組み合わせ、及び並べ替えを包含することが理解できよう。例えば、他の請求項に従属する請求項は、同じ基本請求項に従属する他の請求項の中に見いだされる1つ以上の制限を含むように修正することができる。
【0117】
さらに、請求項が組成物を列挙している場合、特記されない限り、又は矛盾若しくは不一致が起こると当業者に明らかでない限り、本明細書に開示される目的のいずれかのために組成物を利用する方法が含まれ、本明細書に開示される製造方法又は当分野に公知の他の方法のいずれかにより組成物を製造する方法が含まれることが理解できよう。さらに、本発明は、本明細書に開示された組成物を調製する方法のいずれかにより製造された組成物を包含する。
【0118】
要素が例えばマーカッシュ群の形式でリストとして表される場合、要素の各下位群も開示され、任意の要素(複数可)が群から除去可能であることが理解できよう。マーカッシュ群の形式での要素の列記が、個々の要素が互いに特許的に区別されないという容認ではないものとし、むしろ多くの代替物の提示を簡潔にするのみのものとする。
【0119】
「含む(comprising)」という用語は開放的であるものとし、追加の要素又は工程を含むことが可能なことにも留意されたい。一般に、本発明又は本発明の態様が、ある要素、特徴、工程などを含むと言及される場合、本発明の特定の実施態様又は本発明の態様は、そのような要素、特徴、工程などからなるか、又は基本的にそれらからなることも理解されたい。簡潔にするため、そのような実施態様は本明細書にそのとおりの言葉で具体的に述べられなかった。そのため、1つ以上の要素、特徴、工程などを含む本発明の各実施態様では、本発明は、これらの要素、特徴、工程などからなる、又は基本的にそれらからなる実施態様も提供する。
【0120】
範囲が与えられている場合、特記されない限り端点は含まれる。さらに、特記されない限り、又は文脈及び/又は当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、本発明の異なる実施態様中の明示されたその範囲内の任意の具体的な値を、文脈から明らかにそうでないと示されない限り、その範囲の下限の単位の10分の1まで想定することができることが理解できよう。特記されない限り、又は文脈及び/又は当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、その範囲内の任意の下位範囲を想定することができるが、下位範囲の端点はその範囲の下限の単位の10分の1と同じ正確さで表されることも理解できよう。
【0121】
さらに、本発明の特定の実施態様が、任意の1つ以上の請求項から明らかに除外されうることが理解できよう。本発明の組成物及び/又は方法の任意の実施態様、要素、特徴、用途、又は態様は、任意の1つ以上の請求項から除外することができる。例えば、本発明の特定の実施態様において、生物活性薬剤は増殖抑制薬ではない。簡潔にするために、1つ以上の要素、特徴、目的、又は態様が除外されている実施態様の全てが本明細書に明確に述べられてはいない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増殖性疾患を有する被験者に、少なくとも1つの投薬単位のロミデプシンを約1時間未満の期間にわたり静脈内投与する工程を含む方法。
【請求項2】
前記期間が約50分未満である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記期間が約40分未満である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記期間が約30分未満である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記期間が約20分未満である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの別々な投薬単位のロミデプシンが静脈内投与され、各投与量が約1時間未満の期間にわたり投与されるように前記投与工程が繰り返される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
約1時間を超える期間にわたり投薬単位のロミデプシンを静脈内投与する少なくとも1つの工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記投与工程が、28日サイクルの第1日、8日、15日に繰り返される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記28日サイクルが2〜10回繰り返される、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記28日サイクルが2〜7回繰り返される、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記28日サイクルが2〜5回繰り返される、請求項6記載の方法。
【請求項12】
ロミデプシンの前記投薬単位がおよそ0.5mg/m2からおよそ35mg/m2の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
ロミデプシンの前記投薬単位がおよそ1mg/m2からおよそ35mg/m2の範囲である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
ロミデプシンの前記投薬単位がおよそ5mg/m2からおよそ28mg/m2の範囲である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
ロミデプシンの前記投薬単位がおよそ8mg/m2からおよそ14mg/m2の範囲である、請求項12記載の方法。
【請求項16】
ロミデプシンの有効投与量がおよそ30mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項17】
ロミデプシンの投薬単位がおよそ26mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項18】
ロミデプシンの投薬単位がおよそ13mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項19】
ロミデプシンの投薬単位がおよそ12mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項20】
ロミデプシンの投薬単位がおよそ10mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項21】
ロミデプシンの投薬単位がおよそ8mg/m2である、請求項12記載の方法。
【請求項22】
前記被験者が、投与に関連する重篤な有害事象を受けない、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記投与工程が複数の患者に繰り返され、且つそのような投与が、ロミデプシンの投薬単位が約4時間の期間にわたり静脈内投与される点のみ異なる同等な投薬レジメンの投与で観察される標準的な毒性の率より、著しく悪くない観察される毒性の率を与える、請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記毒性が、疲労、血液学的毒性、心臓毒性、消化管毒性、体質性毒性、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記加速された投与量の投与後48時間以内に被験者のQTcが約500ミリ秒未満のままである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記投与工程の間に、被験者が心室性不整脈を経験しない、請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記投与工程の間に、被験者が洞性頻脈を経験しない、請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記投与工程の間に、被験者が心房律動不整を経験しない、請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記投与工程の間に、被験者が再分極を示すST波又はT波の変化を経験しない、請求項1記載の方法。
【請求項30】
ロミデプシンが以下の式のものである、請求項1記載の方法。
【化1】

【請求項31】
ロミデプシンとともに抗新生物薬を投与する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項32】
ロミデプシンとともに細胞毒性薬を投与する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項33】
ロミデプシンとともにゲムシタビンを投与する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項34】
ロミデプシンとともに少なくとも1種のタキサンを投与する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項35】
ロミデプシンとともにプロテアソーム阻害薬を投与する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項36】
前記プロテアソーム阻害薬が、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、ペプチドボロン酸、サリノスポラミドA(NPI-0052)、ラクタシスチン、エポキソマイシン(Ac(Me)-Ile-Ile-Thr-Leu-EX)、MG-132(Z-Leu-Leu-Leu-al)、PR-171、PS-519、エポネマイシン、アクラシノマイシンA、CEP-1612、CVT-63417、PS-341(ピラジルカルボニル-Phe-Leu-ボロナート)、PSI(Z-Ile-Glu(OtBu)-Ala-Leu-al)、MG-262(Z-Leu-Leu-Leu-bor)、PS-273(MNLB)、オムラリド(clasto-ラクタシスチン-β-ラクトン)、NLVS(Nip-Leu-Leu-Leu-ビニルスルホン)、YLVS(Tyr-Leu-Leu-Leu-vs)、ジヒドロエポネマイシン、DFLB(ダンシル-Phe-Leu-ボロナート)、ALLN(Ac-Leu-Leu-Nle-al)、3,4-ジクロロイソクマリン、4-(2-アミノエチル)-ベンゼンスルホニルフルオライド、TMC-95A、グリオトキシン、EGCG((-)-エピガロカテキン-3-ガラート)、YU101(Ac-hFLFL-ex)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項35記載の方法。
【請求項37】
被験者にステロイド剤を投与する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項38】
前記ステロイド剤が、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム・酢酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、ピバル酸クロコルトロン、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酢酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酪酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、シピオン酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、リン酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウム、コハク酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)ナトリウム、吉草酸コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、酢酸コルチゾン、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオロメトロン、フルランドレノリド、ハルシノニド、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フランカルボン酸モメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、及びトリアムシノロンヘキサセトニド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記増殖性疾患が良性新生物である、請求項1記載の方法。
【請求項40】
前記増殖性疾患がガンである、請求項1記載の方法。
【請求項41】
前記ガンが固形腫瘍である、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記ガンが前立腺ガンである、請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記ガンが血液ガンである、請求項40記載の方法。
【請求項44】
前記ガンが白血病である、請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記ガンがリンパ腫である、請求項40記載の方法。
【請求項46】
前記ガンが皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である、請求項40記載の方法。
【請求項47】
前記ガンが末梢T細胞リンパ腫(PTCL)である、請求項40記載の方法。
【請求項48】
前記ガンが多発性骨髄腫である、請求項40記載の方法。
【請求項49】
前記ガンが、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、リンパ増殖性悪性腫瘍、形質細胞性ガン、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ性白血病(ALL)からなる群から選択される、請求項40記載の方法。
【請求項50】
前記ガンが再発性又は難治性のガンである、請求項40記載の方法。
【請求項51】
被験者に電解質補充を投与する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項52】
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤治療を必要とする患者を治療する方法であって、約1時間未満の期間にわたり、該患者にロミデプシンの投薬単位を静脈内投与する工程を含む方法。
【請求項53】
前記期間が50分未満である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
前記期間が40分未満である、請求項52記載の方法。
【請求項55】
前記期間が30分ほどもある、請求項52記載の方法。
【請求項56】
前記期間が20分ほどもある、請求項52記載の方法。

【公表番号】特表2011−529904(P2011−529904A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521327(P2011−521327)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/052269
【国際公開番号】WO2010/014819
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511025282)グルオウセステル プハルマセウトイカルス, インコーポレーテッド (1)
【出願人】(511025293)
【Fターム(参考)】