説明

加速度センサ、及び加速度センサの製造方法

【課題】センサの検出部分が外枠から分離した加速度センサ、及び加速度センサの製造方法を提供する。
【解決手段】底面シリコン基板30の上に実装された加速度センサ1に対して、左右方向からセンサ部28に対して印加される外力(物理的な押圧力など)を外枠2が受け止める構成とされており、センサ部28の内部構造を保護している。シリコン柱4は底面シリコン基板30から立設され、外枠2からは離間し、且つそれぞれが互いに離間して底面シリコン基板30の上に複数設けられている。シリコン柱4の先端からは、それぞれ底面シリコン基板30に沿う方向にビーム6が設けられ、複数のビーム6の先端は空間60の略中央付近で錘部8に一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加速度センサ、及び加速度センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICを含む電子部品の小型化、低コスト化を実現する手段としてWCSP(Wafer Level Chip Size Package)やプラスチックパッケージが有効である。
【0003】
例えば加速度センサをシリコンで作られた板で封止し、ゲルでその上を覆う構成が非特許文献1に開示されている。これは外部から加速度センサへの応力をゲルおよびシリコン板で緩和し、加速度センサのセンサ特性に対する影響を抑制している。
【0004】
また加速度センサと制御ICとを積層して樹脂封止した構造が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、センサ素子の外周とその内側との二箇所に肉厚部が設けられ、外からの応力を脚部が受け止めている圧力センサ構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、SOI基板を用いた外力検知センサに関して、SOI基板の可撓部形成領域を基板表面に沿った方向で全周に亘って囲む溝部を備えた構造が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
さらに、基板の裏面側に素子の外周を囲む切込み溝を備え、支持部の裏表に切込み溝を設けて応力緩和部とした構造が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−026183号公報
【特許文献2】特開平7−280679号公報
【特許文献3】特開2008−170271号公報
【特許文献4】特開2000−187040号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】G Li and A.A.Tseng,Low stress packaging of a micromachined accelerometer,IEEE Transactions on Electronics Packaging Manufacturing,Vol.24,pp18-25,Jan.2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記非特許文献1において開示された構造は外部から加速度センサへの応力をシリコン板で緩和し、センサ特性への影響を抑制しているが、基板実装後に基板表面に沿った方向からの外部応力を加速度センサの検出部分に対して完全に遮断できず、応力が特性変動要因となる虞がある。
【0011】
また、上記特許文献1において図5に開示された第5実施形態の構成は、金属板(底板)と封止樹脂から構成されるSOICパッケージであり、支持体の外側が封止樹脂に覆われているため、封止樹脂からの応力が支持体および梁部に伝わる虞があり、これも応力がセンサの特性変動要因となり得る。
【0012】
さらに上記特許文献2において開示された構造は、最外周の脚部とダイヤフラムとが薄肉部を介して物理的に繋がっており、完全には隔離された構造とされていないため、外からの応力を脚部が受け止める際、薄肉部を介して応力が厚肉部およびダイヤフラムに伝達され、特性変動要因となり得る虞がある。
【0013】
また、上記特許文献3において開示された構造は、溝部で固定部を完全に囲み外部から遮断する構造とされておらず、側面図では固定部はそのまま外部と繋がっており、外部からの応力を溝部では完全に遮断できず、固定部へ伝達する虞のある構造とされている。
【0014】
さらに上記特許文献4において開示された構造は、支持部の裏表に切込み溝を設けて応力緩和部としているが、切込み溝によってセンサチップへの外部応力から撓み部を完全に遮断できない構造とされており、外部からの応力が特性変動要因となり得る虞がある。
【0015】
本発明は上記事実を考慮し、センサの検出部分が外枠から分離した加速度センサ、及び加速度センサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の加速度センサは、錘部と、前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部と、前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部と、前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部と、前記底板から立設されると共に前記固定部から離間した位置でこれを囲む枠部と、前記枠部の開口を封止する板状の蓋部と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
上記構成の発明では、加速度センサの外周を囲む枠部と、錘部を懸架する梁部および梁部が設けられた固定部が、枠部から離間しているため、枠部に外部からの応力が印加されても、応力が固定部および梁部に直接影響することなく、測定精度を維持することができる。
【0018】
請求項2に記載の加速度センサは、請求項1に記載の構成において、前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドと、前記蓋部の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の蓋部接続パッドと、前記蓋部の内側面に設けられ、前記第1の蓋部接続パッドと配線で接続される第2の蓋部接続パッドと、前記枠部に設けられ、前記第2の蓋部接続パッドと接触する枠部接続パッドと、前記蓋部と接触しないように前記枠部に設けられ、前記枠部接続パッドと配線で接続され電気信号を外部へ伝達するボンディングパッドと、を備え、前記蓋部に対向する前記梁部の面と、前記蓋部に対向する前記固定部の面が面一であることを特徴とする。
【0019】
上記構成の発明では、固定部と枠部とが離間しているため、梁部に設けられた検出部と外部とを、固定部と枠部の両方に接する蓋部に配線と接続パッドとを設けて電気的に接続可能とすることができる。
【0020】
請求項3に記載の加速度センサは、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記蓋部に設けられた前記配線は拡散層配線であることを特徴とする。
【0021】
上記構成の発明では、拡散層配線とすることで薄膜化および信頼性を向上させることができる。
【0022】
請求項4に記載の加速度センサは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の構成において、前記底板と前記蓋部がガラス基板であることを特徴とする。
【0023】
上記構成の発明では、ガラス基板を用いることで、より軽量で強度・耐衝撃性に優れた構成とすることができる。
【0024】
請求項5に記載の加速度センサは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の構成において、前記枠部の外側から封止樹脂にて封止され、前記枠部と前記蓋部のそれぞれに、前記枠部の内部への前記封止樹脂の侵入を防止する封止枠が設けられたことを特徴とする。
【0025】
上記構成の発明では、枠部と蓋部に封止枠を設け、さらに枠部の外側から封止樹脂で封止することで、枠部の内側への封止樹脂侵入を防止し、測定精度に影響を与えない構成とすることができる。
【0026】
請求項6に記載の加速度センサは、素子が形成されるウエハ上に、錘部と、前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部と、前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部と、前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部と、前記底板から立設されると共に前記固定部を囲む枠部と、前記枠部の開口を封止する板状の配線基板と、前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドと、前記配線基板の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の配線基板接続パッドと、前記配線基板の内側面に設けられ、前記第1の配線基板接続パッドと配線で接続される第2の配線基板接続パッドと、前記枠部に設けられ、前記第2の配線基板接続パッドと接触する枠部接続パッドと、前記配線基板を貫通して設けられ、前記第2の配線基板接続パッドから前記配線基板の外側へ電気信号を送るポストと、を備え、前記ウエハを枠部の外側で裁断し素子として整形したことを特徴とする。
【0027】
上記構成の発明では、いわゆるWCSP(Wafer-Level Chip Size Package)と呼ばれるパッケージ形態で、パッケージングプロセスの全てがウェハー状態で完結しているため、完成したパッケージの面積は元の素子と全く同じ小型サイズであり、基板への搭載が容易であるため高密度実装の可能な加速度センサとすることができる。
【0028】
請求項7に記載の加速度センサは、請求項6に記載の構成において、前記配線基板はコントロールICであることを特徴とする。
【0029】
上記構成の発明では、枠部を封止する配線基板をコントロールICとすることにより、さらに高密度な実装を可能とすることができる。
【0030】
請求項8に記載の加速度センサの製造方法は、 錘部を形成する工程と、前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部を形成する工程と、前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部を形成する工程と、前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部を形成する工程と、前記底板から立設されると共に前記固定部を囲む枠部を形成する工程と、前記枠部の開口を封止する板状の蓋部を形成する工程と、前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドを形成する工程と、前記蓋部の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の蓋部接続パッドを形成する工程と、前記蓋部の内側面に設けられ、前記第1の蓋部接続パッドと配線で接続される第2の蓋部接続パッドを形成する工程と、前記枠部に設けられ、前記第2の蓋部接続パッドと接触する枠部接続パッドを形成する工程と、前記蓋部と接触しないように前記枠部に設けられ、前記枠部接続パッドと配線で接続され電気信号を外部へ伝達するボンディングパッドを形成する工程と、前記蓋部で前記枠部を封止する工程と、を含むことを特徴とする。
【0031】
上記構成の発明では、加速度センサの外周を囲む枠部と、錘部を懸架する梁部および梁部が設けられた固定部が、枠部から離間しているため、枠部に外部からの応力が印加されても、応力が固定部および梁部に直接影響することなく、測定精度を維持することができる。また固定部と枠部とが離間しているため、梁部に設けられた検出部と外部とを、固定部と枠部の両方に接する蓋部に配線と接続パッドとを設けて電気的に接続可能とすることができる。
【0032】
請求項9に記載の加速度センサの製造方法は、請求項8に記載の構成において、前記枠部と前記蓋部のそれぞれに、前記枠部の内部への前記封止樹脂の侵入を防止する封止枠を形成する工程と、前記枠部の外側を封止樹脂にて封止する工程と、含むことを特徴とする。
【0033】
上記構成の発明では、枠部と蓋部に封止枠を設け、さらに枠部の外側から封止樹脂で封止することで、枠部の内側への封止樹脂侵入を防止し、測定精度に影響を与えない構成とすることができる。
【0034】
請求項10に記載の加速度センサの製造方法は、素子を形成するウエハ上に、錘部を形成する工程と、前記錘部の周囲で互いに離間して基板上に形成された固定部を形成する工程と、前記固定部の基板から遠い側の一端と前記錘部とを結合し、前記錘部を前記基板から離間した位置に保持する梁部を形成する工程と、前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部を形成する工程と、前記錘部、前記固定部、および前記梁部の周囲にこれらと離間して切れ目なく囲むように前記基板上に立設され、前記基板より遠い側の端部は前記錘部、前記固定部、前記梁部、および前記検出部よりも延出している枠部を形成する工程と、前記基板と対向して前記枠部の上に設けられ、これを封止する配線基板を形成する工程と、前記検出部より前記固定部を経由して前記配線基板に電気信号を伝達する固定部接続パッドを形成する工程と、前記配線基板の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドより電気信号を受け取る配線基板接続パッドを形成する工程と、前記配線基板を貫通して設けられ、前記配線基板の外側へ電気信号を送るポストを形成する工程と、前記ポストと前記配線基板接続パッドとを接続する配線を形成する工程と、前記ウエハを枠部の外側で裁断し素子として整形される工程と、を含むことを特徴とする。
【0035】
上記構成の発明では、パッケージングプロセスの全てがウェハー状態で完結しているため、完成したパッケージの面積は元の素子と全く同じ小型サイズであり、基板への搭載が容易であるため高密度実装の可能な加速度センサとすることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明は上記構成としたので、センサの検出部分が外枠から分離した加速度センサ、及び加速度センサの製造方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す加速度センサの構造を示す平面図である。
【図3】図1に示す加速度センサの構造を示す断面図である。
【図4】図1に示す加速度センサの応用例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る加速度センサの構造を示す平面図である。
【図6】図5に示す加速度センサの構造を示す断面図およびその拡大図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る加速度センサの構造を示す平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る加速度センサの製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る加速度センサの製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<実施例>
以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説明する。
【0039】
図1〜図4には、本発明の第1実施形態に係る加速度センサの構造が示されている。この加速度センサ1は、圧電(ピエゾ)抵抗を用いた3軸加速度センサである。
【0040】
図1は本願発明の第1実施形態に係る加速度センサ1の斜視図であり、図2は実装状態における加速度センサ1のセンサ部28を図3に示す底面シリコン基板30に対して見下ろした平面図であり、図3は断面図である。
【0041】
図1〜図3に示すように、加速度センサ1は、例えば平面視で一辺が数mm程度のほぼ正方形の略箱状とされ、底面シリコン基板30は後述するコントロールIC54に支持されている。加速度センサ1は、底面シリコン基板30上にセンサ部28を設けたたものであり、センサ部28は例えばSOI(silicon-on-insulator)ウエハに、エッチング等の処理を施して形成したものである。
【0042】
底面シリコン基板30上には平面視で略同形状をなす壁状の外枠2が設けられている。外枠2は例えばシリコンで形成され周囲を切れ目なく囲む壁であり、加速度センサ1の検出部分を周囲より遮蔽しセンサ部28を形成している。つまり外枠2は平面視で底面シリコン基板30と同様の形状(この場合は略正方形)をなす壁状の枠であり、内部に空間60を形成している。
【0043】
例えば図3に示す底面シリコン基板30の上に実装された加速度センサ1に対して、底面シリコン基板30に沿った方向(図中左右方向)からセンサ部28に対して印加される外力(物理的な押圧力など)を外枠2が受け止める構成とされており、センサ部28の内部構造を物理的に保護している。
【0044】
図3に示すように、シリコン柱4は底面シリコン基板30から立設され、例えば図1、図2(A)に示すように外枠2からは所定の距離をあけて離間し、且つそれぞれが互いに離間して底面シリコン基板30の上に複数設けられている。
【0045】
シリコン柱4の先端からは、それぞれ底面シリコン基板30に沿う方向にビーム6が設けられ、複数のビーム6の先端は空間60の略中央付近で錘部8に一体的に形成されている。錘部8はビーム6によって底面シリコン基板30の上に間隙をあけて懸架されており、例えば加速度による慣性力を受けると図1に示すXYZいずれか、またはその組み合わせた方向にビーム6を歪ませる。
【0046】
ビーム6にはピエゾ抵抗48が設けられており、上記のようにビーム6に歪みが加えられることにより、ピエゾ抵抗48の抵抗率が変化するピエゾ抵抗効果により、錘部8によって歪んだビーム6の歪みを電気抵抗の変化として検出する。
【0047】
図2(A)に示すようにシリコン柱4の先端には例えばポリシリコンで形成された柱上接続パッド10が設けられ、配線50でピエゾ抵抗48に接続されている。柱上接続パッド10は例えばシリコン柱4の先端に形成された酸化膜上に設けられたポリシリコンパッドなどでよい。
【0048】
同様に、外枠2の端面、すなわち底面シリコン基板30から遠い側の面には、例えばポリシリコンで形成された外枠上接続パッド12が設けられ、同じく外枠2の端面に形成されたボンディングパッド24に配線26で接続されている。ボンディングパッド24は加速度センサ1を外部で制御するコントロールICなどに接続される端子であり、配線26およびボンディングパッド24は例えば素子を形成する際にアルミ等で形成されていてもよい。
【0049】
図1、図2(A)に示すように、センサ部28の中においてはシリコン柱4は外枠2とは所定の距離をおいて離間しており、物理的に接触していないため、柱上接続パッド10から外枠2へピエゾ抵抗48で検出された電気抵抗値を伝達するための接続手段が設けられている。
【0050】
すなわち、配線基板32には外枠上接続パッド12と接触する外側配線パッド14、および柱上接続パッド10と接触する内側配線パッド16とが設けられ、外側配線パッド14と内側配線パッド16とは配線38で接続されている。これにより、配線基板32をセンサ部28に接合することで柱上接続パッド10と外枠上接続パッド12とは電気的に接続される。
【0051】
図2(B)には底面シリコン基板30方向から見た配線基板32が示されている。配線基板32は底面シリコン基板30と対向するようにセンサ部28の外枠2に接合され、外枠2により形成された箱状構造の開口を封止する。
【0052】
配線基板32の内側配線パッド16は柱上接続パッド10(シリコン柱4)と、外側配線パッド14は外枠2の先端に設けられた外枠上接続パッド12(外枠2)とそれぞれ接触し、電気的に接続される。
【0053】
また外枠2と配線基板32には、図2(A)(B)に示すように、それぞれ対向する面にセンサ側封止枠20と配線基板側封止枠22とが設けられている。外枠2のセンサ側封止枠20は例えばポリシリコン、配線基板側封止枠22は金薄膜などでもよい。
【0054】
外枠2と配線基板32とが接合された際にはセンサ側封止枠20と配線基板側封止枠22とが互いに密着し、センサ部28の内側である空間60を外部から物理的に密閉、遮断する。
【0055】
図3にはセンサ部28の断面図が示されている。センサ部28は例えば酸化Siなどの絶縁膜上に単結晶シリコン層を形成した SOI(silicon-on-insulator)基板であってもよく、図3に示すようにセンサ部28の上に配線基板32が接合され、一体化した構造とされている。センサ部28と配線基板32の接合方法としては例えばAu−Si共晶接合等を用いることができる。同様に底面シリコン基板30とセンサ部28もまたAu−Si共晶接合等を用いて一体化した構造とすることができる。
【0056】
図4には加速度センサ1を制御するコントロールIC54上に加速度センサ1をマウントし、外部との電気的接続に用いられるリードフレーム52とボンディングワイヤ36で結線した構造が示されている。
【0057】
すなわち、配線基板32と接合されたセンサ部28にはピエゾ抵抗48と接続されたボンディングパッド24が設けられており、コントロールIC54とボンディングワイヤ36で接続されている。コントロールIC54はリードフレーム52にマウントされ、ボンディングワイヤ36でリードフレーム52と結線される。これによりコントロールIC54はリードフレーム52を介して外部と電気的に接続される。
【0058】
また図4に示すようにコントロールIC54、リードフレーム52はボンディングワイヤ36等をも含めて封止樹脂34で封止され、最終的には全体として1個の樹脂部品としての形態を備える構造とされていてもよい。
【0059】
<製造方法>
次に図8〜図10に沿って、加速度センサ1の製造方法について説明する。但し以下に説明する製造方法、素材、物性や寸法などはあくまでも一例であって、この方法に何等限定されるものではない。
【0060】
図2に示される加速度センサ1の、A−B断面を図8、図9に示す。図8はボンディングパッド24を含まない箇所の断面図、図9はボンディングパッド24を含む箇所の断面図である。先ず、図8(A)および図9(A)に示されるように、例えば工程1で厚さ525μmで体積抵抗率16Ω/cm程度のシリコン基板130に厚さ2μm程度の酸化シリコンによる埋め込み絶縁層120を介して厚さ5μmで体積抵抗率6〜8Ω/cm程度のN型のシリコン基板(活性層)110とで3層構造とされたSOIウエハを準備する。
【0061】
次に、図8(B)および図9(B)に示されるように、工程2で、シリコン基板110の表面に、例えば1000℃程度の加湿雰囲気を用いた熱酸化条件で、厚さ0.4μm程度の酸化シリコンによる酸化膜(保護膜)172を形成する。
【0062】
この酸化膜172上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてポリシリコンを成膜し、フォトリソグラフィーとエッチングにより柱上接続パッド10、外枠上接続パッド12、センサ側封止枠20をポリシリコンで形成する。
【0063】
次に、図8(C)および図9(C)に示されるように、工程3で、フォトリソエッチング技術を用いてレジストに開口部を設け酸化膜172を露出する。この酸化膜172を通してボロン拡散法により硼素をインプランテーションし、シリコン基板110(活性層)の表面にピエゾ抵抗48(図2参照)となるP型の拡散層174を形成する。レジスト剥離後にアニーリング(加熱応力除去)を行い、所望の拡散プロファイルを得る。
【0064】
次いでピエゾ抵抗48とのコンタクト部分の酸化膜172をフォトリソグラフィーとエッチングにより開口する。
【0065】
次に、図8(D)および図9(D)に示されるように、工程4で、メタルスパッタリング技術を用いて酸化膜172上にアルミニウムを堆積し、アルミニウム層173を形成する。更に、フォトリソエッチング技術を用いてアルミニウム層173をエッチングし、ピエゾ抵抗48とのコンタクト部47、配線26およびボンディングパッド24となる部分を形成する。
【0066】
次に、図8(E)および図9(D)に示されるように、工程5で、PRD(Plasma Reactive Deposition)法などを用いて、酸化膜172及びその上に形成された配線176の表面に、保護用のパッシベーション膜178を形成する。
【0067】
次に、図8(F)および図9(F)に示されるように、工程6で、パッシベーション膜178上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィーとエッチングにより柱上接続パッド10、外枠上接続パッド12、センサ側封止枠20、およびボンディングパッド24となる部分を開口する。
【0068】
以下、図10ではSOIウエハの裏面からの加工について説明する。尚、図10の左半分はビーム6の存在する箇所(図2(A)のA−B断面)、右半分はシリコン柱4と錘部8とが繋がっていない箇所の断面を示す。
【0069】
図10(A)に示されるように、工程7で、SOIウエハの裏面、即ちシリコン基板130の表面に、CVD技術を用いて酸化膜182を形成する。ここに錘部8となる部分を開口する。すなわち周囲の酸化膜182を残し、後に錘部8となる部分に相当する、中央部の酸化膜182をフォトリソエッチング技術を用いて除去して、開口部182Aを形成する。
【0070】
次に、図10(B)に示されるように、工程8で、周辺部に残された酸化膜182をエッチングマスクとし、D−RIE(いわゆるBosch法によるシリコン深堀技術法)を用いてシリコン基板130の表面を例えば20μm程度エッチングし、凹部130Aを形成する。これにより錘部8と底面シリコン基板30とが接触しない程度に錘部8が削られ、間隙が設けられる。
【0071】
次に、図10(C)に示されるように、工程9で、レジストを塗布しフォトリソ技術により、シリコン基板130のシリコン柱4と錘部8の間の隙間を形成するためのエッチングマスク186を形成する。
【0072】
次に、図10(D)に示されるように、工程10で、D−RIEを用いて、空間60を形成する
【0073】
次に、図10(E)に示されるように、工程11で、工程10までの処理が完了したSOIウエハをD−RIEでエッチングし、シリコン基板110、130の間に形成されている絶縁層120をドライまたはウエットエッチングする。
【0074】
次に、ここまでの工程で形成されたセンサ部28と、底面シリコン基板30とをAu−Si共晶結合によって接合する。
次に、再度SOIウエハの表面に戻り、レジストを塗布してフォトリソグラフィーで錘部8、外枠2、シリコン柱4、ビーム6以外の箇所を開口する。この開口部は、シリコン柱4と錘部8の間の隙間と一致する。この開口部にあるパッシベーション膜178と酸化膜172をドライまたはウエットでエッチングする。続いて、D-RIEにてシリコンを活性層の厚さ分エッチングする。ここで、先の工程10でエッチングした部分と貫通し、外枠2とシリコン柱4、錘部8等が分離される。最後にレジストを剥離してセンサ部28が完成する。
次に、底面シリコン基板30と接合したセンサ部28を配線基板32とAu−Si共晶結合によって接合する。これにより外枠2に配線基板32で蓋をした構造となる。
【0075】
底面シリコン基板30の製造方法は例えば以下の通りである。まず、シリコン基板の表面にCrとAuをスパッタリングで成膜する。レジストを塗布し、外枠2およびシリコン柱4と接合される箇所を除いてレジストを開口する。開口部分のCrとAuをウエットエッチングで除去したのちレジストを剥離する。これにより外枠2およびシリコン柱4と接合される箇所のみCr膜とAu膜が残る。
【0076】
上記のように底面シリコン基板30の接合面にはスパッタリング(又は蒸着)によって厚さ数μmのAu層が形成されている。これをAu−Si共晶温度363℃より高い温度(約400℃)の雰囲気中でAu層と他方のSi接合面とを重ねて数kg/平方cmから数十kg/平方cmの加重を印加することにより、Au−Si共晶結合を形成する。
【0077】
また配線基板32の製造方法は、例えば以下の通りである。まずシリコン基板上に酸化膜を形成し、配線18を拡散層配線として形成するために、フォトレジストをマスクとしてボロン拡散法により硼素をインプランテーションする。レジスト剥離後にアニーリング(加熱応力除去)を行い、所望の拡散プロファイルを得る。
【0078】
拡散層とのコンタクト部分にあたる箇所の酸化膜を、フォトリソグラフィーとエッチングにより開口する。スパッタリングにより基板の表面にCrとAuを成膜し、フォトリソグラフィーとエッチングにより外側配線パッド14、内側配線パッド16、配線基板側封止枠22部分を形成する。
【0079】
次に、配線基板32の裏面にレジストを塗布し、ボンディングパッド部を露出する位置のレジストを開口する。このレジストをマスクにして、D-RIEを用いシリコンをエッチングすると、図2(B)のXのように開口部ができる。レジストを剥離して配線基板32が完成する。
【0080】
その後、通常の半導体製造方法と同様に、SOIウエハからチップを切り出し、例えばコントロールIC54上にマウントし、リードフレーム52上でボンディングワイヤ36で所定の配線を行ったのち、封止樹脂34で封止し、図4に示すように半導体チップとして形成される。
【0081】
このとき外枠2と配線基板32とは、センサ側封止枠20、配線基板側封止枠22によって外部より遮断されているので、外枠2の内部に封止樹脂34が入り込むことはない。
【0082】
<作用効果>
本実施形態は上記構成としたので、以下のような優れた効果を有する。
【0083】
すなわち図2(B)に示されるように、加速度センサ1に加速度が加えられると、慣性力により錘部8に応力が作用し、錘部8が図1に示すX、Y、Zの何れか、あるいは組み合わせ方向に変位する。また、錘部8が変位すると、錘部8と接合されるビーム6が撓み、これより、ビーム6に取り付けられたピエゾ抵抗48の抵抗値が変化する。このピエゾ抵抗48の抵抗値変化を検出し、それに基づいて錘部8(加速度センサ1全体)に印加された加速度が検知される。
【0084】
このとき本実施形態において、図4に示すように加速度センサ1自体が封止樹脂34で封止されている構造では、封止樹脂34に印加される外部応力は外枠2が受け止める構成とされている。
【0085】
すなわち封止樹脂34に印加される外部応力は外枠2が受け止め、外枠2とは間隙を設けて分離されたシリコン柱4、およびシリコン柱4から延設され錘部8を保持しているビーム6に対しては外部応力が直接伝わることはない。
【0086】
このため、ビーム6の変位を計測することで測定される加速度データに対して、外部応力が影響する虞はなく、また外をゲル剤等でカバーする工程も不要となるので、工数およびコスト、時間を削減することができる。
【0087】
<第2実施形態>
図5、図6には本願発明の第2実施形態に係る加速度センサの構造が示されている。本願発明の第2実施形態に係る加速度センサ101は、いわゆるWCSPと呼ばれるパッケージの形態であり、ウエハーの状態で再配線や保護膜、端子の形成を行い、その後に個片化したパッケージを示す。
【0088】
WCSPはパッケージの実装面積が半導体チップと同じ大きさになり、リードフレームに搭載する必要がなく、ウエハーを個片化してから樹脂などでモールドして端子などを形成する第1実施形態に比べて小型になる特長を備えている。さらに、ボンディングパッドを経由せず直接、配線基板に設けられたCuポスト(半田ボール)にて基板との接続が行われるため、より実装面積を小さくできる。
【0089】
また第1実施形態と比較すると、ウエハ上に形成されたセンサをダイシングで切断、個別に分離することでプロセスは終了するため、パッケージングプロセスの全てがウェハー状態で完結する事を特徴としている。
【0090】
図5、図6に示すように、本願発明の第2実施形態に係る加速度センサ101は第1実施形態と同様、外枠2とシリコン柱4とが間隙を設けて分離された構造とされているが、第1実施形態とは異なり、ボンディングパッド24にてセンサ外部へ信号を伝達することなく、配線基板32の外側面に設けられたCuポストを接続端子とすることにより、リードフレーム52を介することなく、直接基板などに実装される構造とされている。さらに封止樹脂34を用いず、外枠2で囲われた箱構造がセンサ自体の外形を成している。この実施形態の配線基板32には、ボンディングパッド部のシリコンエッチングは施さないものとする。
【0091】
これにより外枠2に設けられるセンサ側封止枠20と配線基板32に設けられる配線基板側封止枠22とは、それぞれ図5で示す平面図では最外周に設けられている。
【0092】
この結果、図6(B)に示すように外枠2と配線基板32とが接合されると、それぞれの最外周に設けられたセンサ側封止枠20と配線基板側封止枠22とが接合され、外枠2の内部すなわち加速度センサ101の検知部分を封止する。
【0093】
また、外枠2の上面に設けられた外枠上接続パッド12は外部への電気的接続は行わないが、外枠2と配線基板32との間隔を維持し、配線基板32側の外側配線パッド14と接触する高さをシリコン柱4上の柱上接続パッド10と等しい高さに保つスペーサとして機能する。
【0094】
いわゆるWCSP(Wafer-Level Chip Size Package)構造とされた本実施形態においては、封止樹脂を用いるパッケージに比較して加速度センサ自体の小型化、低背化が可能であり、実装における自由度が向上し、高集積化も可能となる。また部品点数および組立工数の削減によりコスト・時間の削減が可能となる。
【0095】
<製造方法>
次に加速度センサ101の製造方法について説明する。但し以下に説明する製造方法、素材、物性や寸法などはあくまでも一例であって、この方法に何等限定されるものではない。また第1実施形態と共通する工程に関しては、これを省略する。
【0096】
第1実施形態と同様、図11(A)に示すようなシリコンウエハ140上に、第1実施形態と同様、図11(B)に示すように外枠2、シリコン柱4、ビーム6などを形成する。
【0097】
図11(C)に示すようにセンサ部28側のプロセスを終えた時点で第1実施形態と同様に外枠2で覆われたセンサ部28がシリコンウエハ上に形成されており、これに配線基板32を貼り合わせることで外枠2の開口を封止する点までは第1実施形態と同様である。
【0098】
ここで用いられる配線基板32の製造方法は第1実施形態と異なり、まずシリコン基板上に熱酸化処理にて酸化シリコンによる酸化膜を形成する。この上にCrとAuとをスパッタリング処理にて成膜する。
【0099】
次に、これをフォトリソグラフィーとエッチングにより図6(B)に示すように外枠上接続パッド12と接触する外側配線パッド14、および柱上接続パッド10と接触する内側配線パッド16、外側配線パッド14と内側配線パッド16を接続する配線38を形成する。
【0100】
次に、図11(C)に示すように、底面シリコン基板をAu−Si共晶接合により貼り合わせたセンサ部28に対して、上記の配線基板32をAu−Si共晶接合にて貼り合わせる。
【0101】
次に、図11(D)に示すように配線基板32の外側面にレジストを塗布したのち貫通電極(Cuポスト40)を設ける箇所をD-RIEを用いてシリコンをエッチングし、その下の酸化膜もエッチングし貫通させる。この貫通穴側壁を酸化膜で絶縁し、配線基板32を貫通するようにCuポスト40を形成する。
【0102】
さらに外側面にエポキシ樹脂などを積層して保護層44とし、フォトリソグラフィーでCuポスト40上の部分を開口し、再配線後にCuポスト42を形成する。さらにCuポスト42上に半田ボール46を形成し、ボンディングパッドのかわりとする。
【0103】
次に、図11(E)に示すように個々のセンサ部28をダイシングにより切り分け、分離する。これによりセンサ部28はそれぞれが個々に加速度センサ101として形成される。
【0104】
完成した加速度センサ101は、例えば図11(F)に示すように半田ボール46を外部との接続端子とする加速度センサユニットであり、外枠2にて周囲を囲われると共に、図6(B)に示すようにセンサ側封止枠20と配線基板側封止枠22とが接合され、外枠2の内部すなわち加速度センサ101の検知部分を封止する。
【0105】
前述のように加速度センサ101は封止樹脂による外部からの封止を行う必要はなく、また外枠2とシリコン柱4とは分離しているので、加速度センサ101に印加された外部応力がビーム6に伝達され測定精度に影響を与える虞はない。
【0106】
<第3実施形態>
図7には本願発明の第3実施形態に係る加速度センサの構造が示されている。図7に示すように、本願発明の第3実施形態に係る加速度センサ102は例えば第1実施形態と同様、ビーム6に設けられたピエゾ抵抗48と電気的に接続される外枠上接続パッド12から、外枠2上に設けられたボンディングパッド24へ配線26で接続されている。
【0107】
このときボンディングパッド24、およびボンディングパッド24に至る配線26は外枠2上では自由に配置できるため、図7(A)のように一方向にボンディングパッド24を集結させた構成とされていてもよい。
【0108】
この構成では、ボンディングパッド24を加速度センサ102の片側の一辺に集結させて配置したことにより、片側の一辺からワイヤ接続を行うことができ、基板等に実装する際にワイヤを四方に引き回す必要がなくなるため、第1実施形態の配置と合わせて実装時の自由度を大きくすることができる。このとき図7(B)に示すように、配線基板32の形状、部品配置は第1実施形態と同様なので、共通部品として用いることができる。
【0109】
<まとめ>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0110】
例えば本発明は加速度センサに関するものであるが、これ以外にも外部応力を遮断する目的で外枠を設ける素子構造に応用することもできる。すなわち、例えば検出・駆動電極を最上層と最下層基板とに分散して配置した3層構造の静電容量型角速度センサ等の用途にも本発明を応用することができる。この場合、中間層として錘を支持する梁部材に外部応力が伝達されることを防止し、測定精度への影響を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0111】
1 加速度センサ
2 外枠
4 シリコン柱
6 ビーム
8 錘部
10 柱上接続パッド
12 外枠上接続パッド
14 外側配線パッド
16 内側配線パッド
18 配線
20 センサ側封止枠
22 配線基板側封止枠
24 ボンディングパッド
26 配線
28 センサ部
30 底面シリコン基板
32 配線基板
34 封止樹脂
36 ボンディングワイヤ
38 配線
40 ポスト
42 ポスト
44 保護層
46 半田ボール
48 ピエゾ抵抗
50 リードフレーム
54 コントロールIC
60 空間
101 加速度センサ
102 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錘部と、
前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部と、
前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部と、
前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部と、
前記底板から立設されると共に前記固定部から離間した位置でこれを囲む枠部と、
前記枠部の開口を封止する板状の蓋部と、
を備えたことを特徴とする加速度センサ。
【請求項2】
前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドと、
前記蓋部の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の蓋部接続パッドと、
前記蓋部の内側面に設けられ、前記第1の蓋部接続パッドと配線で接続される第2の蓋部接続パッドと、
前記枠部に設けられ、前記第2の蓋部接続パッドと接触する枠部接続パッドと、
前記蓋部と接触しないように前記枠部に設けられ、前記枠部接続パッドと配線で接続され電気信号を外部へ伝達するボンディングパッドと、を備え、
前記蓋部に対向する前記梁部の面と、前記蓋部に対向する前記固定部の面が面一であることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記蓋部に設けられた前記配線は拡散層配線であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記基板と前記蓋部がガラス基板であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記枠部の外側を封止樹脂にて封止され、前記枠部と前記蓋部のそれぞれに、前記枠部の内部への前記封止樹脂の侵入を防止する封止枠が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の加速度センサ。
【請求項6】
素子が形成されるウエハ上に、
錘部と、
前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部と、
前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部と、
前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部と、
前記底板から立設されると共に前記固定部を囲む枠部と、
前記枠部の開口を封止する板状の配線基板と、
前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドと、
前記配線基板の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の配線基板接続パッドと、
前記配線基板の内側面に設けられ、前記第1の配線基板接続パッドと配線で接続される第2の配線基板接続パッドと、
前記枠部に設けられ、前記第2の配線基板接続パッドと接触する枠部接続パッドと、
前記配線基板を貫通して設けられ、前記第2の配線基板接続パッドから前記配線基板の外側へ電気信号を送るポストと、を備え、
前記ウエハを枠部の外側で裁断し素子として整形したことを特徴とする加速度センサ。
【請求項7】
前記配線基板はコントロールICであることを特徴とする請求項6に記載の加速度センサ。
【請求項8】
錘部を形成する工程と、
前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部を形成する工程と、
前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部を形成する工程と、
前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部を形成する工程と、
前記底板から立設されると共に前記固定部を囲む枠部を形成する工程と、
前記枠部の開口を封止する板状の蓋部を形成する工程と、
前記蓋部で前記枠部を封止する工程と、
前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドを形成する工程と、
前記蓋部の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の蓋部接続パッドを形成する工程と、
前記蓋部の内側面に設けられ、前記第1の蓋部接続パッドと配線で接続される第2の蓋部接続パッドを形成する工程と、
前記枠部に設けられ、前記第2の蓋部接続パッドと接触する枠部接続パッドを形成する工程と、
前記蓋部と接触しないように前記枠部に設けられ、前記枠部接続パッドと配線で接続され電気信号を外部へ伝達するボンディングパッドを形成する工程と、
を含むことを特徴とする加速度センサの製造方法。
【請求項9】
前記枠部と前記蓋部のそれぞれに、前記枠部の内部への前記封止樹脂の侵入を防止する封止枠を形成する工程と、
前記枠部の外側を封止樹脂にて封止する工程と、含むことを特徴とする請求項8に記載の加速度センサの製造方法。
【請求項10】
素子が形成されるウエハ上に、
錘部を形成する工程と、
前記錘部の周囲で底板上に形成された複数の固定部を形成する工程と、
前記固定部と前記錘部に連結され、前記錘部を前記底板から離間した位置に保持する梁部を形成する工程と、
前記梁部に設けられ、前記梁部の変形を検出する検出部を形成する工程と、
前記底板から立設されると共に前記固定部を囲む枠部を形成する工程と、
前記枠部の開口を封止する板状の配線基板を形成する工程と、
前記固定部の端部に設けられ、前記検出部より電気信号を伝達される固定部接続パッドを形成する工程と、
前記配線基板の内側面に設けられ、前記固定部接続パッドと接触する第1の配線基板接続パッドを形成する工程と、
前記配線基板の内側面に設けられ、前記第1の配線基板接続パッドと配線で接続される第2の配線基板接続パッドを形成する工程と、
前記枠部に設けられ、前記第2の配線基板接続パッドと接触する枠部接続パッドを形成する工程と、
前記配線基板を貫通して設けられ、前記第2の配線基板接続パッドから前記配線基板の外側へ電気信号を送るポストを形成する工程と、
前記ウエハを枠部の外側で裁断し素子として整形する工程と、
を含むことを特徴とする加速度センサの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−106955(P2011−106955A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262104(P2009−262104)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】