説明

加飾成形体の製造方法及び加飾成形体

【課題】加飾成形体の外表面の見映えを良くする技術の提供。また、脱型が容易な金型を利用することが可能で製造が容易な技術の提供。
【解決手段】樹脂フィルム13を樹脂成形体12における外表面12aの面縁に合わせて容易に屈曲でき、樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成できる。よって外観上は樹脂フィルム13の縁を視認し難くでき、見映えを良い加飾成形体11を製造できる。また、樹脂フィルム13を圧空成形法で立体成形すれば、雄型9のみの利用で立体形成でき、脱型を容易にし、金型コストを小さくできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信機器、AV機器、車載電装機器、電気機器などの各種電子機器に外装部品として用いられる加飾成形体の製造方法及び加飾成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信機器、AV機器、車載電装機器などの各種電子機器は、筐体やスイッチなど種々の外装部品を備えており、この外装部品には、文字、記号、数字、図柄などが付与され、また金属調や木目調などのデザインが施されるなど、様々な「加飾」が施されている。こうした外装部品の一例には、加飾層を設けた樹脂フィルムを樹脂成形体の表面に付着し一体化した加飾成形体があり、この加飾層は、印刷、塗装、転写、蒸着などの方法により樹脂フィルムに予め形成されている場合が多い。
【0003】
例えば、特開2000−330689号公報には、金属蒸着により金属調の加飾層を設けた樹脂フィルムをキートップ樹脂成形体の表面に固着し一体化したキーシート(加飾成形体)が例示されている。また、特開2008−030266号公報には、印刷によりヘアライン調の加飾層を設けた樹脂フィルムを筐体(樹脂成形体)の表面に固着し一体化したケース部品が例示されている。これらの加飾成形体は、樹脂フィルムを用いたため加飾のバリエーションを多く持つことができ、さらにこの加飾層を樹脂フィルムと樹脂成形体との間に設ければ加飾層の耐久性を高めることができる。
【0004】
ところが、こうした加飾成形体は、人目につく外表面を樹脂フィルムで覆う必要があるものの、人目につかない内表面は樹脂フィルムで覆う必要がない。そのため、人目につく部分のみを樹脂フィルムで覆えば良いが、樹脂フィルムの縁を外表面と内表面との境界に精度良く合わせることが難しい。例えば、図24,図25で示す加飾成形体1は、底面2aを除き樹脂成形体2を樹脂フィルム3で覆って外表面を形成している。この加飾成形体1は、樹脂成形体2と樹脂フィルム3とを一体化した後に樹脂フィルム3の不要な部分を抜き刃で切断して形成したが、樹脂フィルム3のカットバリ3aが樹脂成形体2の縁より突出した状態で残ってしまう。また、図26,図27で示す加飾成形体4は、樹脂成形体5と裁断した樹脂フィルム6とを一体化して形成したが、樹脂フィルム6の縁が樹脂成形体5の縁より引けた状態になってしまう。どちらも外観上は見映えが悪く、さらに表出している樹脂フィルム3,6の縁が、徐々に樹脂成形体2,5から剥離するおそれもある。さらに、図28,図29で示す加飾成形体7は、樹脂成形体8の外方に突出する環状の鍔部8aで裁断した樹脂フィルム9の縁を隠すように一体化して形成したが、樹脂成形体8の外表面の全体を樹脂フィルム9で覆うことができず端部の加飾が不十分になる。さらに、樹脂フィルム9の縁が不規則に変形し、樹脂フィルム9の一部が鍔部8aの表面に露出してしまうことも多い。
【0005】
また、一方で特開2001−347538号公報では、成形品の端面をフィルムで覆う技術が開示されている。こうした技術によれば上記問題を克服することが考えられるが、特開2001−347538号公報に開示された技術では、樹脂フィルムの成形工程において、成形後の樹脂フィルムを脱型可能なようにスライド機構などを備えた特殊な金型が必要であった。それは、樹脂フィルムの成形形状が金型を単純に開くだけでは取り出せないアンダーカット形状をしているからである。
【特許文献1】特開2000−330689号公報
【特許文献2】特開2008−030266号公報
【特許文献3】特開2001−347538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明は、加飾成形体の外表面の見映えを良くする技術を提供することを目的とする。
また本発明は、脱型が容易な金型を利用することが可能で製造が容易な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
本発明は、人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体の製造方法であって、樹脂フィルムに、前記外表面から内表面に膨出する予備代を設け、かつ外表面と予備代の境界に折込線を設ける折込線形成工程と、樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型に、前記予備代の少なくとも一部が該金型から出た状態で、前記樹脂フィルムをインサートするインサート工程と、樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型で、樹脂フィルムの予備代を押し込んで折込線で屈曲させ、かつ樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程と、を実行する加飾成形体の製造方法を提供する。
【0008】
樹脂フィルムに、外表面から内表面に膨出する予備代を設けたため、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を確実に樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を形成することができる。また、外表面と予備代の境界に折込線を設けたため、折込線の部分で樹脂フィルムを屈曲させることができ、外表面と内表面との境界となる外表面の端部を寸法精度良く変形させることができる。こうした折込線は、樹脂フィルムの屈曲を容易にさせるべく、予備代が外表面に対して樹脂フィルムの裏側(内側)に屈曲するように、樹脂フィルムが曲げられた頂部であったり、周囲よりも薄肉に形成された部分であったりすることができる。また、薄肉に形成する部分は連続的な線状に形成できる他、点線、破線、鎖線などの断続的な線状とすることもできる。
【0009】
こうした折込線形成工程では、樹脂フィルムを樹脂成形体に対応する形状に仮絞りすることが好ましい。樹脂フィルムを樹脂成形体に対応する形状に仮絞りするため、樹脂フィルムの立体形成と予備代や折込線の形成を同時に行うことができる。このようにすれば、樹脂フィルムを樹脂成形体形成用の金型にインサートし易く、樹脂フィルムの折込線を樹脂成形体における外表面の面縁に合わせ易くすることができる。
また、折込線は、予備代が外表面から樹脂フィルムの裏側に向けて屈曲するような樹脂フィルムが曲げられた頂部であることが好ましい。予備代が屈曲した折込線を設けることで、樹脂フィルムを樹脂成形体の外表面の面縁に合わせて容易に屈曲させることができるからである。さらに、後の型締め工程で、金型が予備代を確実に所望の方向に押込み、折り曲げることができ、外表面の端部を金型のキャビティーに合わせて寸法精度良く正確に形成することができるからである。
【0010】
樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型に、前記予備代の少なくとも一部が該金型から出た状態で前記樹脂フィルムをインサートするインサート工程を設ける。こうしたインサート工程を設けたため、後の一体化工程で、予備代を金型で押し込んで折込線を屈曲させることができる。また、予備代をインサートする金型に沿わせる必要がないため、予備代が屈曲している場合に、その屈曲程度にかかわらず、樹脂フィルムを金型に正確にインサートすることができる。そのため、予備代の屈曲程度を厳密に制御する必要がなく、予備代の屈曲程度の自由度を高めることができる。また、外表面と内表面の境界部分の形状の設計変更が容易である。
【0011】
樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型で、樹脂フィルムの予備代を押し込んで折込線で屈曲させる工程を設ける。こうした予備代の屈曲工程を設けたため、製品の外表面と内表面との交差角が例えば30度以下の鋭い鋭角となるような場合であっても、仮絞り段階では60度以上の鋭角や直角、鈍角として形成しておくことができる。仮絞り段階で30度以下の鋭い鋭角とする場合には、樹脂フィルムの仮絞り金型から樹脂フィルムを取り出す際に容易に脱型することができないためスライド機構などの特殊な機構を備えたアンダーカット処理用の金型を用いる必要があるが、60度以上の鋭角や直角、鈍角として形成しておけば、こうした特殊な仮絞り用金型を用いる必要がなくなる。そのため、製造が容易になり、製品の価格を低く抑えることができる。
したがって、折込線形成工程で形成する予備代の折込線での屈曲角度を、外表面側と予備代との間で90度を超え180度未満の角度とすることは好ましい。
【0012】
予備代を折込線で屈曲させる一体化工程で、前記キャビティの他の一部を形成する金型と、予備代の先端との接触の際の接触角度を、該金型のキャビティ面に対して予備代が0度より大きく85度以下とすることができる。金型のキャビティ面に対する予備代の角度が0度より大きく85度以下としたため、金型との接触で予備代を確実に内表面側に折り込ませることができる。
そして、樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程を設けているため、加飾が容易な樹脂フィルムで表面を覆う樹脂成形体でなる加飾成形体を得ることができ、予備代も確実に樹脂成形体と一体化させておくことができる。
こうした製造方法によると、大判のシート状の樹脂フィルムに複数個分の予備代を形成して切断すれば個別に分割することができ、樹脂フィルムの大量生産を実現することができる。よって製造コストを低くすることができ、廉価な加飾成形体を得ることができる。
【0013】
一体化工程においては、キャビティの一部となる金型とキャビティの他の一部となる金型との型締めの際に、折込線を挟んで樹脂フィルムの外表面側がキャビティの一部となる金型に沿って配置し、折込線を挟んで樹脂フィルムの内表面側となる予備代がキャビティの他の一部となる金型に沿って配置させることができる。
こうして樹脂フィルムを金型に対して配置すれば、樹脂成形体の外表面と内表面の外表面に隣接する部分を樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い樹脂成形体を得ることができる。また、予備代を内表面で露出させることができるため、加飾成形体が上側ケースと下側ケースでなり、これらを組み合わせた部品などの場合は、樹脂フィルムが露出した内表面どうしを重ね合わせることができ、重ね合わせ部分に隙間やバリのない精度の良い組み合わせ部品を得ることができる。
【0014】
樹脂フィルムに、樹脂成形体の内部に向かう筒状の貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の先端に前記予備代を設けることができる。樹脂フィルムに、樹脂成形体の内部に向かう筒状の貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の先端に前記予備代を設けたため、加飾成形体の貫通孔の部分においても見た目の良い加飾成形体を得ることができる。
【0015】
樹脂フィルムの折込線は、圧空成形法で形成することができる。樹脂フィルムから複雑な立体形状を成形する場合に、圧縮成形法を用いると、複雑な立体形状に即した雄金型と雌金型を用意して、かつ金型のスライド機構が必要となる。しかし、圧空成形法では雄金型又は雌金型の一方を用意するだけで良く、圧縮成形法より金型コストを低くすることができる。また、樹脂フィルムを仮絞りする工程では1サイクル当たりの時間を短縮し、量産性を高め、廉価な加飾成形体を得ることができる。
【0016】
なお、人目につく外表面とは、人目にさらされる加飾の対象となる表面のことであり、人目につかない内表面とは、陰に隠れ通常は視認の対象とならない表面のことをいう。そのため、本発明の対象とする加飾成形体は、外表面が樹脂フィルムで覆われ、内表面は樹脂フィルムの覆いのない構造となる場合が一般的であるが、本発明の特徴の一つに内表面の一部にも樹脂フィルムを設けていることが挙げられるように、本発明は内表面に樹脂フィルムを有することを排除するものではない。またこれと同様に、外表面の全体が樹脂フィルムで覆われている必要はなく、デザイン面などの観点から外表面の一部のみを樹脂フィルムで覆うような場合も本発明の範囲に含めるものとする。
【0017】
また、本発明は、人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体であって、樹脂フィルムが外表面から内表面に膨出する予備代を有し、内表面の一部が予備代で覆われている加飾成形体を提供する。
樹脂フィルムが外表面から内表面に膨出する予備代を有し、内表面の一部が予備代で覆われているため、見映えの良い加飾成形体が実現されている。
【0018】
また、外表面と内表面との境界から内表面に至る部分の全体に予備代が設けられているものとすることができる。即ち、予備代が外表面に隣接する部分の全体に設けられているため、外表面の内表面に接する際の部分を見映え良くすることができる。
【0019】
予備代の表面が内表面と略面一な面を形成することができる。予備代の表面が内表面と略面一な面を形成するため、予備代を内表面で露出させることができる。すなわち、加飾成形体が上側ケースと下側ケースでなりこれらを組み合わせた部品などとして利用される場合には、樹脂フィルムが露出した内表面どうしを重ね合わせ部分とすることができ、重ね合わせ部分に隙間やバリのない精度の良い組み合わせ部品を得ることができる。
あるいはまた、予備代の表面を内表面の内部に埋没したものとすることができる。予備代の表面が内表面の内部に埋没したため、予備代を樹脂成形体の内部に隠すことができ、樹脂フィルムと樹脂成形体との固着力を高めることができる。
【0020】
こうした加飾成形体については、樹脂成形体の肉厚を貫通する貫通孔を有しており、この貫通孔の先端に予備代を有しているものとすることができる。こうした予備代を有するため、貫通孔を有する樹脂成形体においても貫通孔が視認される外表面をなす場合でも、貫通孔の内部を見映え良く加飾することができる。
【0021】
さらに、部分的に重複する予備代部分を有するものとすることができる。即ち、予備代を樹脂成形体の底面で折り重ねることができる。このようにすれば、予備代を樹脂成形体形状に合わせて切り取る必要が無く、見映えの良い加飾成形体を実現することができる。例えば、平面視で矩形状に形成された樹脂成形体の外表面を樹脂フィルムで覆う場合、樹脂成形体の底面における長尺と短尺に挟まれたコーナー部では、長尺側から延びる予備代と短尺側から延びる予備代とを折り重ねることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の加飾成形体の製造方法及び加飾成形体では、樹脂フィルムを樹脂成形体における外表面の面縁に合わせて容易に屈曲させることができ、樹脂成形体の外表面における面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができる。また、加飾成形体の外表面を確実に樹脂フィルムで覆うことができ、見映えの良い加飾成形体を製造することができる。
また、複雑な金型や製造工程を採用する必要がなく、製造が容易であり、製造コストを安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成については、同一符号を付して重複説明を省略する。
また、各実施形態では、小型操作リモコン用のケースで上下に分かれる上側ケースに本発明を適用する例を説明するが、これ以外の例えば装飾部品や機能部品にも適用することができる。
【0024】
第1実施形態〔図1〜図9〕
第1実施形態の加飾成形体11を図1〜図9に示す。図1(A)は加飾成形体11の斜視図、図1(B)は加飾成形体11のSD−SD線断面図、図2は加飾成形体11の底面図、図4〜図9は加飾成形体11の製造方法を示す説明図である。本実施形態の加飾成形体11は、樹脂成形体12と、加飾層を有する樹脂フィルム13と、を備えている。
この加飾成形体11は上述のように上側ケースであり、図3で示すように、別の加飾成形体でなる下側ケース10と組み合わせて組み合わせ部品を形成するものである。
【0025】
樹脂成形体12は内部に空洞を有する矩形状に形成されている。この樹脂成形体12は、樹脂フィルム13を通じて人目につく外表面12aと、人目につかない内表面とを有し、内表面は、下側ケースと接触する底面12bと空洞内の内形面12cとを有している。
【0026】
樹脂フィルム13は樹脂成形体12の外表面12aを覆うものであり、その裏面に形成された図外の加飾層で樹脂成形体12を加飾するものである。この樹脂フィルム13は、樹脂成形体12の外表面12aから樹脂成形体12の底面12bに屈曲して延び、底面12bを覆う部分は予備代13aとなっている。予備代13aは、外表面12aと底面12bとの境界となる外表面12aの端部(面端)から内表面にかけて樹脂フィルム13が延伸して設けられるもので、加飾成形体11の人目につく部分と人目につかない部分の境界の見映えの悪さを解消するものである。底面12bのコーナー部分では予備代13aが互いに折り重なる重複部13bが形成されている。
【0027】
樹脂成形体12には、変形し難い剛性を必要とする場合には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂(EP)樹脂、メラミン樹脂(MF)樹脂、フェノール樹脂(PF)樹脂、ユリア樹脂(UF)樹脂などが挙げられる。またこれらのアロイ樹脂やブレンド樹脂を用いることもでき、その他にソフトタッチ感を必要とする場合には熱可塑性エラストマーや熱硬化性ゴムを用いることができる。
【0028】
樹脂フィルム13には、PET樹脂フィルム、PBT樹脂フィルム、PC樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、PMMA樹脂フィルム、PA樹脂フィルム、PU樹脂フィルムなどを用いることができる。またこれらの樹脂フィルムを用いた積層シート、アロイ樹脂フィルム、ブレンド樹脂フィルム、種々の皮革シートなどとすることもできる。
樹脂フィルム13への加飾は、その裏面に文字や図形、模様などを印刷して形成したり、金属蒸着を行って金属調フィルムとすることができる。
樹脂フィルム13の厚さとしては、50μm〜500μmが好ましい。50μm未満では形状保持性が乏しく樹脂フィルム13の仮絞りの際の予備代13aの形状保持が困難である。また、500μmを超えると仮絞りし難くなり、樹脂成形体との一体化もし難くなる。
樹脂フィルム13の樹脂成形体12との固着力を高めるために、樹脂フィルム13の裏面に接着剤、粘着剤、プライマーなどを塗布することができる。
【0029】
加飾成形体11の製造方法について説明する。
大判のシート状樹脂フィルム13から仮絞りした樹脂フィルム13を形成する。まずこの樹脂フィルム13の仮絞り工程を説明する。
最初に、図4で示すように、シート状の樹脂フィルム13をクランプ14で固定しヒーター15により加熱軟化させる。
次に、図5で示すように、圧縮ボックス16の内部に加熱軟化した樹脂フィルム13と雄型17をセットして、圧縮ボックス16の注入口16aより圧縮空気を矢示方向に流し込み、樹脂フィルム13を雄型17に密着させる。その後樹脂フィルム13を冷却して圧縮ボックス16から取り出す。こうして圧縮ボックス16を用いた圧空成形法で樹脂フィルム13を樹脂成形体12に対応する立体形状に仮絞りする。この雄型17は、括れ部分から膨出した頭部17aを有し樹脂成形体12の外形形状と略同形状を有しているため、仮絞りされた樹脂フィルム13は、側面13dと括れ部13eを有している。本実施形態では圧空成形法を用いているが、プレス成形法、真空成形法を用いることもできる。
【0030】
その後、図6で示すように、切断具18を用いて括れ部13eの辺りで樹脂フィルム13を切断する。得られる樹脂フィルム13は、外表面となる側面13dに対して折込線13cで内側に屈曲し、樹脂成形体12の底面12aを覆うこととなる予備代13aを形成することになる。この予備代13aの折込線13cでの屈曲角度が、外表面となる側面13dと予備代13aとの間で90度を超える鈍角となっている。
【0031】
次に、この仮絞りした樹脂フィルム13に樹脂成形体12を一体成形する工程を説明する。
先ず、図7で示すように、立体形状の樹脂フィルム13を、樹脂成形体12を成形するキャビティの一部となる金型19aにインサートする。このとき、この樹脂フィルム13の予備代13aは、その少なくとも一部がインサート金型19aからはみ出した状態でインサートされる。そして、樹脂フィルム13をインサートした際の側面13dと予備代13aの間の角度Aは、先述のとおり90度を超え180度未満の鈍角とすることが好ましい。この角度Aが180度以上であると、後の工程で、キャビティの他の一部となる金型19bで予備代13aを屈曲させる際に、予備代13aの屈曲が所望の向きと反対向きに屈曲するおそれもあるからである。また、角度Aが90度以下であると、予備代13aがアンダーカット形状となり、樹脂フィルム13の仮絞り成形時にスライド機構などを備えた特殊な金型を用いる必要が生じ、仮絞り工程が困難になるからである。
次に、樹脂成形体12を形成するキャビティの他の一部となる金型(押し込み金型)19bで、樹脂フィルム13の予備代13aを押し込んで折込線13cでさらに屈曲させる。このとき、押し込み金型19bと予備代13aの先端との接触の際の接触角度Bは、押し込み金型19bのキャビティ面19cに対して0度より大きく85度以下であることが好ましい。
この角度Bが85度を超えると、後の工程で、押し込み金型19bで予備代13aを屈曲させる際に、予備代13aの屈曲がスムーズに進まず、予備代13aがつぶれる恐れがある。また、角度Bが0度または予備代13aの先端が接触しないほどに屈曲していると、予備代13aを押し込み金型19bで押し込むことができなくなり、折込線13cを外表面と内表面との境界に正確に位置させることが困難になる。
【0032】
そして、図8で示すように、インサート金型19aと押し込み金型19bを型締めする。この型締めにより樹脂フィルム13の予備代13aを折込線13cから内側にさらに屈曲させる。この予備代13aの屈曲工程で、押し込み金型19bで予備代13aを押し込んで折込線13cを完全に折り込み、折込線13cを金型19a,19bの端部に沿って位置させることが好ましい。しかしながら、折込線13cを完全に折り込まずに金型19a,19bの端部からやや外れて位置させても、溶融樹脂の流入時に樹脂フィルム13を金型19a,19bに沿わせることも可能である。
その後、押し込み金型19bの注入口Gより溶融樹脂を流し込み樹脂成形体12を形成させて、樹脂成形体12と樹脂フィルム13とを一体成形する。このとき同時に予備代13aを内表面側で樹脂成形体12と一体化させる。なお、本実施形態では射出成形法で樹脂成形体12を形成しているが、圧縮成形法で樹脂成形体12を形成することもできる。
最後に図9で示すように、金型19a,19bを開き、加飾成形体11を脱型する。
このような製造方法によって加飾成形体11を得る。
【0033】
加飾成形体11の製造方法及び加飾成形体11によれば、樹脂フィルム13に対し樹脂成形体12における外表面12aの面縁(外表面12aと底面12bとで形成する角部)と整合する折込線13cを形成するため、樹脂フィルム13を樹脂成形体12における外表面12aの面縁に合わせて容易に屈曲させることができる。よって樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができる。そしてこの折込線13cによって樹脂フィルム13の予備代13aが樹脂フィルム13の裏面側に屈曲して樹脂成形体12の底面12bを覆っているため、樹脂フィルム13の縁を樹脂成形体12の外表面12aから樹脂成形体12の内形面12c側に回すことができる。よって外観上は樹脂フィルム13の縁を視認し難くすることができ、見映えを良い加飾成形体11を製造することができる。
加飾成形体11では、樹脂フィルム13の予備代13aを樹脂フィルム13の全縁に設けるため、樹脂成形体12の外表面12aを樹脂フィルム13で包むことができ、見映えの良い加飾成形体11を実現することができる。さらに樹脂フィルム13の全縁に設けた予備代13aを樹脂成形体12形状に合わせて切り取ること無く、樹脂成形体12の底面12b上で折り重ねているため、樹脂フィルム13の切り取りによって生じる縁も無く、見映えの良い加飾成形体11を実現することができる。
【0034】
圧空成形法にて樹脂フィルム13における樹脂成形体12の外表面12aを覆う部分と折込線13cを同時に形成することができ、樹脂フィルム13の折込線13cを樹脂成形体12における外表面12aの面縁に合わせ易くすることができる。よって樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができ、樹脂フィルム13の予備代13aも樹脂成形体12の内形面12c側へ確実に回すことができる。
【0035】
樹脂フィルム13の折込線13cを形成した後にその折込線13cの外側に予備代13aを形成するため、予備代13aを確実に設けることができ、樹脂フィルム13と樹脂成形体12とを一体成形する際に樹脂フィルム13を折込線13cで裏面側に屈曲させることができる。よって外観上は樹脂フィルム13の縁を視認し難くすることができ、見映えを良い加飾成形体11を製造することができる。
【0036】
樹脂フィルム13を樹脂成形体12成形用金型19a,19bにインサートする前に折込線13cの位置で裏面側に暫定屈曲させるため、樹脂成形体12の成形工程において樹脂フィルム13を折込線13cの位置で裏面側に屈曲させ易くすることができ、樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができる。
【0037】
樹脂成形体12成形用金型19a,19bの型締め動作により暫定屈曲させた樹脂フィルム13の予備代13aを折込線13cで樹脂フィルム13の裏面側に屈曲するため、樹脂成形体12の成形時に樹脂フィルム13を折込線13cの位置で裏面側に屈曲させ易くすることができ、樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができる。
【0038】
樹脂フィルム13を圧空成形法で立体成形するため、雄型9のみの利用で立体形成することができ、金型コストを小さくすることができる。さらに樹脂フィルム13を立体成形する工程では1サイクル当たりの時間を短縮して量産性を高めることができ、廉価な加飾成形体11を得ることができる。
【0039】
第1実施形態の第1変形例〔図10〕
図10で示すように、樹脂成形体12の側面が傾斜しており、外表面と内表面の境界が鋭い鋭角になるような加飾成形体を形成することができる。
樹脂フィルム13の側面13dと予備代13aとでなす角度Aを90度を超える角度としておくことができるため、スライド機構を備えた特殊な金型を用いる必要がなく樹脂フィルム13の仮絞りを行うことができる。
【0040】
第1実施形態の第2変形例〔図11〕
第1実施形態の加飾成形体11では樹脂フィルム13の予備代13aを樹脂成形体12の底面12bに固着し内表面に露出させる例を示したが、図11で示すように、加飾成形体20では、予備代13aを樹脂成形体12の底面12bの内部に埋設することができる。
このようにすれば、樹脂成形体12の外表面12aを覆う樹脂フィルム13の予備代13aを樹脂成形体12の底面12bの内部に隠すことができ、外観上樹脂フィルム13の縁を視認し難い見映えの良い加飾成形体20を実現することができる。また、樹脂フィルム13の予備代13aと樹脂成形体12との固着力を高めることもできる。
【0041】
第1実施形態の第3変形例〔図12〕
第1実施形態の加飾成形体11では、予備代13aが樹脂成形体12の底面12bの全体を覆っていたが、第3変形例の加飾成形体21では、図12の断面図で示すように、予備代13aが底面12bの一部を覆うようにし、その予備代13aの表面が内表面と略面一な面を形成していもよい。樹脂成形体12の底面12bには樹脂フィルム13の厚さに相当する段差面22が形成され、その段差面22の立壁22aに樹脂フィルム13における予備代13aの縁が固着しているため、樹脂フィルム13の縁を樹脂成形体12の段差面22に対し強固に固着することができ、樹脂フィルム13の予備代13aを樹脂成形体12から剥がれ難くすることができる。
【0042】
第1実施形態の第4変形例〔図13,図14〕
第1実施形態の加飾成形体11では樹脂成形体12における外表面12aの全面を覆う樹脂フィルム13を用いる例を示したが、本実施形態の加飾成形体23では、図13の斜視図や図14の底面図で示すように、帯状の樹脂フィルム24を樹脂成形体12の長辺に沿って一体成形することができる。この樹脂フィルム24の短手側には、樹脂成形体12の底面12bを覆って固着する予備代24aを設けてある。
この加飾成形体23のように、人目につく外表面の全体を樹脂フィルム24で覆わずに外表面の一部を樹脂フィルムで覆うことも可能である。
加飾成形体23においても樹脂フィルム24の短手側に樹脂成形体12における外表面12aの面縁と整合する折込線を形成すれば、加飾成形体11と同様の製造方法により、樹脂フィルム24を折込線で容易に屈曲させて樹脂成形体12の外表面12aにおける面縁の形状を金型のキャビティーに合わせて正確に形成することができる。加飾成形体23では樹脂フィルム24の長手側の縁が樹脂成形体12の外表面12aに表れることになるが、樹脂フィルム24のカットバリは発生せず、樹脂成形体12の縁との合わせもないため、見映えの良い加飾成形体23とすることができる。
【0043】
第2実施形態〔図15〜図22〕
第2実施形態の加飾成形体31を図15〜図21に示す。図15は加飾成形体31の斜視図、図16は加飾成形体31の底面図、図17は加飾成形体31のSE−SE線断面図、図18〜図22は加飾成形体31の製造方法を示す説明図である。本実施形態の加飾成形体31が先に説明した加飾成形体11と異なるのは、加飾成形体31に貫通孔32dを有することである。
【0044】
樹脂成形体32は先に説明した樹脂成形体12と同様に、内部に空洞を有する矩形状に形成され、樹脂フィルム33に覆われて人目につく外表面32aと、人目につかない内表面とを有し、内表面は下側ケースと接触する底面32bと、空洞内の内形面32cと、を有している。樹脂成形体12と異なるのは、樹脂成形体32に肉厚を貫通する貫通孔32dが形成されている点である。この貫通孔32dは、1つの矩形状の貫通孔32d1と2つの円形状の貫通孔32d2が設けられている。なお、この貫通孔32dには押釦スイッチやディスプレイなどが装着される。
【0045】
樹脂フィルム33は、その裏面に図外の加飾層が形成されており、樹脂成形体32の外表面32aを覆って加飾するものである。先の実施形態で示した樹脂フィルム13と異なるのは、樹脂フィルム33の予備代33fが、樹脂成形体32に形成された貫通孔32dの垂直壁部33hから内形面32cに延びている点である。
樹脂フィルム33は、外表面32aから底面32bに屈曲して延び、樹脂成形体32の底面32bを覆う予備代33aを形成している。この予備代33aは樹脂フィルム33の全縁に設けられており、また、コーナー部分では予備代33aが重なり合う重複部33bを形成している。
【0046】
加飾成形体31の製造方法について説明する。
最初に樹脂フィルム33を形成する。先ず、大判の樹脂フィルム33をクランプ14で固定しヒーター15により加熱軟化させる。
次に、図18で示すように、圧縮ボックス16の内部に加熱軟化した樹脂フィルム33と雄型34をセットして、圧縮ボックス16の注入口16aより圧縮空気を矢示方向に流し込み、樹脂フィルム33を雄型34に密着させる。その後樹脂フィルム33を冷却して圧縮ボックス16から取り出す。このように圧縮ボックス16を用いた圧空成形法で樹脂フィルム33を立体形状に形成し、同時に折込線33d,33eも形成する。
ここで用いる雄型34の突起部分は、樹脂成形体32の外形形状と略同形状であり、この雄型34に沿って成形された樹脂フィルム33には、側面33gから伸びて予備代33dとなる括れ部33iと、貫通孔32dに対応する垂直壁部33hから伸びて予備代33fとなる括れ部33cが設けられている。
その後、切断具18を用いて、括れ部33c,33iの辺りを切断する。この切断によって折込線33dから樹脂フィルム33の裏面側に屈曲し、内表面にたたみ込まれる予備代33aと、折込線33eから樹脂フィルム33の裏面側に屈曲し、内形面32cにたたみ込まれる予備代33fとを形成する。こうして図19で示すような樹脂フィルム33を得る。
【0047】
次に、樹脂成形体32と樹脂フィルム33とを一体成形して加飾成形体31を形成する。
先ず、図20で示すように、前述の樹脂フィルム33を、樹脂成形体32を成形するキャビティの一部となる金型35aにインサートする。このとき、この樹脂フィルム33の予備代33a,33fは、このインサート金型35aからはみ出した状態でインサートされる。本実施形態でも、樹脂フィルム33をインサートした際の側面33gと予備代33aの間の角度Aは、90度を超え180度未満の鈍角とすることが好ましい。また、垂直壁部33hと予備代33fの間の角度A’も90度を超え180度未満の鈍角とすることが好ましい。
次に、樹脂成形体32を形成するキャビティの他の一部となる金型35bで、樹脂フィルム33の予備代33aを押し込んで折込線33dでさらに屈曲させるとともに、樹脂フィルム33の予備代33fを押し込んで折込線33eでさらに屈曲させる。このとき、キャビティの他の一部を形成する押し込み金型35bと予備代33a,33fの先端との接触の際のそれぞれの接触角度B,B’(図示せず)は、押し込み金型35bのキャビティ面35c,35dに対して予備代33a,33fが0度より大きく85度以下であることが好ましい。
【0048】
そして、図21で示すように、インサート金型35aと押し込み金型35bを型締めする。この型締めにより樹脂フィルム33の予備代33aが折込線33dで、予備代33fを折込線33eで、それぞれ樹脂フィルム33の裏側に屈曲させる。
そして押し込み金型35bの注入口Gより樹脂成形体32を形成する溶融樹脂を流し込み、樹脂成形体32と樹脂フィルム33とを一体成形する。このとき、予備代33a,33fも内表面側で樹脂成形体32と一体化させる。
最後に図22で示すように、金型35a,35bを開き、加飾成形体31を脱型する。
このような製造方法によって加飾成形体31を得る。
【0049】
加飾成形体31の製造方法及び加飾成形体31によれば、予備代33fが樹脂成形体32の貫通孔32dの垂直壁部33hだけでなく、そこから内形面32cにまで延在するため、外観上樹脂フィルム33の縁を視認し難くすることができ、貫通孔32d部分で樹脂成形体32が視認されない見映えの良い加飾成形体31を実現することができる。また、予備代33aが樹脂成形体32の内形面32cに延在するため、樹脂成形体32の外表面の端部で樹脂成形体32が視認されない見映えの良い加飾成形体31を実現することができる。
【0050】
第3実施形態〔図23〕
本実施形態における加飾成形体41は、先の実施形態で示し加飾成形体11とは樹脂フィルム43の製造方法が異なるものである。本実施形態では、樹脂フィルム43の仮絞り工程において、図5で示す雄型17に代えて図23で示す雄型47を用いる。この雄型47には屈曲した予備代を形成するようなくびれが形成されていない代わりに、樹脂フィルム43の肉厚を押圧して折込線43aを形成する突起47bが設けられている。
後の工程で、樹脂フィルム43に形成された曲げ部43bを切断すれば、折込線43aから下が予備代43cとなる。
こうして得た樹脂フィルム43は、それ以降の工程においては第1実施形態で示した樹脂フィルム13と同様に処理して本実施形態の加飾成形体41を得ることができるが、予備代43cはインサート金型19aにインサートする前に折込線43aで折り込んでおくことが好ましい。
樹脂フィルム43に凹みを形成して得た折込線43aを設けたため、折込線43aの部分で樹脂フィルム43を撓みやすくすることができる。
【0051】
第3実施形態の第1変形例
上記折込線43aは、雄型47にて樹脂フィルム43の仮絞りの際に形成したが、別の工程において形成することができる。また、突起47bで押圧して形成したが、刃物のようなもので切削して折込線の部分を薄肉にして形成することもできる。
【0052】
本実施形態で説明した種々の変更は、それ以外の他の実施形態に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1(A)は第1実施形態の加飾成形体を示す斜視図。図1(B)は、図1(A)のSD−SD線断面図。
【図2】図1で示す加飾成形体の底面図。
【図3】図1の加飾成形体を別の加飾成形体と組み合わせた組み合わせ部品の図1(B)相当の断面図。
【図4】樹脂フィルムの加熱工程を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図5】樹脂フィルムの圧空成形工程を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図6】樹脂フィルムの切り取り工程を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図7】樹脂フィルムをインサート金型にインサートした状態を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図8】インサート金型と押し込み金型とを型締めした状態を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図9】インサート金型と押し込み金型とを引き離す状態を示す第1実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図10】第1実施形態の第1変形例である加飾成形体の製造方法を説明する図7相当の製造工程説明図。
【図11】第1実施形態の第2変形例である加飾成形体の図2相当の断面図。
【図12】第1実施形態の第3変形例である加飾成形体の図2相当の断面図。
【図13】第1実施形態の第4変形例である加飾成形体の斜視図。
【図14】図13の加飾成形体の底面図。
【図15】第2実施形態の加飾成形体を示す斜視図。
【図16】図15で示す加飾成形体の底面図。
【図17】図15のSE−SE線断面図。
【図18】第2実施形態の加飾成形体の製造工程を示す図5相当の製造工程説明図。
【図19】第2実施形態の加飾成形体の製造工程を示す図6相当の製造工程説明図。
【図20】第2実施形態の加飾成形体の製造工程を示す図7相当の製造工程説明図。
【図21】インサート金型と押し込み金型とを型締めした状態を貫通孔を有する部分の断面で示す第2実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図22】インサート金型と押し込み金型とを引き離す状態を貫通孔を有する部分の断面で示す第2実施形態の加飾成形体の製造工程説明図。
【図23】第3実施形態の加飾成形体の製造工程を示す図5相当の製造工程説明図。
【図24】従来の加飾成形体を示す斜視図。
【図25】図24のSA−SA線断面図。
【図26】従来の他の加飾成形体を示す斜視図。
【図27】図26のSB−SB線断面図。
【図28】従来のまた別の加飾成形体を示す斜視図。
【図29】図28のSC−SC線断面図。
【符号の説明】
【0054】
1 加飾成形体(従来例)
2 樹脂成形体
2a 底面
3 樹脂フィルム
3a カットバリ
4 加飾成形体(従来例)
5 樹脂成形体
5a 底面
6 樹脂フィルム
7 加飾成形体(従来例)
8 樹脂成形体
8a 鍔部
9 樹脂フィルム
10 下側ケース
11 加飾成形体(第1実施形態)
12 樹脂成形体
12a 外表面
12b 底面
12c 内形面
13 樹脂フィルム
13a 予備代
13b 重複部
13c 折込線
13d 側面
13e 括れ部
14 クランプ
15 ヒーター
16 圧縮ボックス
16a 注入口
17 雄型
17a 頭部
18 切断具
19a インサート金型(キャビティの一部となる金型)
19b 押し込み金型(キャビティの他の一部となる金型)
19c キャビティ面
20 加飾成形体(第1実施形態の第2変形例)
21 加飾成形体(第1実施形態の第3変形例)
22 段差面
22a 立壁
23 加飾成形体(第1実施形態の第4変形例)
24 樹脂フィルム
24a 予備代
31 加飾成形体(第2実施形態)
32 樹脂成形体
32a 外表面
32b 底面
32c 内形面
32d 貫通孔
32d1,32d2 貫通孔
32e 孔壁面
33 樹脂フィルム
33a,33f 予備代
33b 重複部
33c,33i 括れ部
33d,33e 折込線
33g 側面
33h 垂直壁部
34 雄型
35a インサート金型
35b 押し込み金型
35c,35d キャビティ面
41 加飾成形体(第3実施形態)
42 樹脂成形体
43 樹脂フィルム
43a 折込線
43b 曲げ部
43c 予備代
47 雄型
47a 頭部
47b 突起
A,A’,B,B’ 角度
G 注入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体の製造方法であって、
樹脂フィルムに、前記外表面から内表面に膨出する予備代を設け、かつ外表面と予備代の境界に折込線を設ける折込線形成工程と、
樹脂成形体を成形するキャビティの一部となる金型に、前記予備代の少なくとも一部が該金型から出た状態で、前記樹脂フィルムをインサートするインサート工程と、
樹脂成形体を形成するキャビティの他の一部となる金型で、樹脂フィルムの予備代を押し込んで折込線で屈曲させ、かつ樹脂成形体の成形と樹脂フィルムとの一体化にともなって予備代を内表面側で樹脂成形体と一体化する一体化工程と、を実行する加飾成形体の製造方法。
【請求項2】
折込線形成工程が、樹脂フィルムを樹脂成形体に対応する形状に仮絞りし、外表面に対して樹脂フィルムの裏側に折込線で屈曲する予備代を設ける工程を含む請求項1記載の加飾成形体の製造方法。
【請求項3】
折込線形成工程において、折込線での予備代の屈曲角度を、外表面側と予備代との間で90度を超え180度未満の角度とする請求項2記載の加飾成形体の製造方法。
【請求項4】
予備代を折込線で屈曲させる一体化工程において、前記キャビティの他の一部を形成する金型と予備代の先端との接触の際の接触角度を、該金型のキャビティ面に対して予備代が0度より大きく85度以下とする請求項1〜請求項3何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
【請求項5】
一体化工程において、キャビティの一部となる金型とキャビティの他の一部となる金型との型締めの際に、折込線を挟んで樹脂フィルムの外表面側がキャビティの一部となる金型に沿って配置し、折込線を挟んで樹脂フィルムの内表面側となる予備代がキャビティの他の一部となる金型に沿って配置する請求項1〜請求項4何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
【請求項6】
樹脂フィルムに、樹脂成形体の内部に向かう筒状の貫通孔を設けるとともに、この貫通孔の先端に前記予備代を設ける請求項1〜請求項5何れか1項記載の加飾成形体の製造方法。
【請求項7】
人目につく外表面と人目につかない内表面とを有し外表面の少なくとも一部が樹脂フィルムで覆われて加飾された加飾成形体であって、
樹脂フィルムが外表面から内表面に膨出する予備代を有し、内表面の一部が予備代で覆われている加飾成形体。
【請求項8】
外表面と内表面との境界から内表面に至る部分の全体に予備代が設けられている請求項7記載の加飾成形体。
【請求項9】
予備代の表面が内表面と略面一な面を形成する請求項7または請求項8記載の加飾成形体。
【請求項10】
予備代の表面が内表面の内部に埋没している請求項7または請求項8記載の加飾成形体。
【請求項11】
肉厚を貫通する貫通孔を有しており、この貫通孔の先端に前記予備代を有している請求項7〜請求項10何れか1項記載の加飾成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−115864(P2010−115864A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290787(P2008−290787)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】