説明

動力駆動車両

圧縮ガスエンジン4と、風抵抗エンジン3、3′と、転向装置と、伝動系11と車輪123とを含む動力駆動車両を提供する。圧縮ガスエンジン4は、圧縮ガスにより駆動されて主動力を出力する主動力出力軸120を備える。風抵抗エンジン3、3′は、動力駆動車両の走行時に前方からの流体の抵抗により駆動されて補助動力を出力するインペラ軸45、45′を備える。伝動系11は、直接に、主動力出力軸120から出力された主動力により駆動される。伝動系11は、転向装置による方向変換の後、インペラ軸45、45′から出力された補助動力により駆動される。車輪123は、伝動系11の出力により駆動される。動力駆動車両の伝動系11は、第一転向装置及び第二転向装置を介することなく、直接に、圧縮ガスエンジン4から出力した主動力により駆動されるため、圧縮ガスエンジン4から出力した主動力の伝達経路を有効に短縮し、伝動過程におけるエネルギー損失を低減させ、主動力の伝達効率を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力駆動車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願の出願人は、厳重な環境汚染を防止し、動力駆動車両の走行中に発生した風抵抗気流(wind resistance airflow)を直接に利用するために、アメリカで特許出願(特許番号:US 7641005 B2)を提出した。この発明は、インペラチャンバーと該インペラチャンバー内に設置されるインペラ及びベーンとを含む左右対称に配置される左側風エアエンジン(風力空気圧エンジン:wind-powered pneumatic engine)及び右側風エアエンジンを備えるエンジンを開示した。この発明では、圧縮ガスを主動力に、走行中に生じた風抵抗を補助動力にし、この主動力と補助動力によってインペラ及びベーンを駆動して回転させて駆動力が出力される。この出力した動力を中央主動力出力用ギアボックスにおいて変換することにより得られる動力で動力駆動車両を駆動して走行させる。
【0003】
上記発明は、初めて、高圧ガスを主動力にするとともに風抵抗気流を直接に補助動力として利用する風エアエンジン及び動力駆動車両を開示した。この動力駆動車両では、風抵抗気流を電力に変換する必要がないため、複雑な機械−電気エネルギー変換システムが不要となる。したがって、動力駆動車両の構成を簡素化することができ、エネルギー節約や燃油代替品の研究には全く新しい手段を提供することができる。
【0004】
また、本願の出願人は、風エアエンジンの性能をより最適化させ、風エアエンジン及び動力駆動車両の作動効率を向上させるために、前述特許出願(特許番号US 7641005 B2)を基にして、アメリカで特許出願(出願番号:12/377513(WO 2008/022556)を提出した。この特許出願には、それぞれ独立して作動し、第二インペラを備える左側風抵抗エンジン(wind resistance engine)及び右側風抵抗エンジンと、当該左側風抵抗エンジン及び右側風抵抗エンジンの周囲に装着され、第一インペラを備える複数の第一圧縮ガスエンジンとを含む複合式風エアエンジンが開示されている。左側風抵抗エンジン及びその周囲に装着される第一圧縮ガスエンジンと、右側風抵抗エンジン及びその周囲に装着される第一圧縮ガスエンジンとから出力された動力は、左側動力出力軸、右側動力出力軸、転向ホイール及び歯車により伝達された後、主動力として出力される。
【0005】
しかしながら、上記圧縮ガスを主動力源とする風エアエンジン及び動力駆動車両は全く斬新な技術であるため、このような風エアエンジン及び当該風エアエンジンを使用した動力駆動車両の構成は更に改善する余地がある。特に動力性能については、如何にしてより良く圧縮ガス及び風抵抗気流を利用し、主動力と補助動力との組み合わせを最適化させることにより、主動力の利用効率を向上することができることなど、更なる改善をする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第一の目的は、従来の技術に存在する問題を解決し、構成が簡単で、伝動効率の高い動力駆動車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この目的を達成するために、圧縮ガスエンジン(compressed air engine)と風抵抗エンジン(wind resistance engine)と転向装置(逆動装置:reversing device)と伝動系(drive train)と車輪とを含む動力駆動車両を提供する。上記圧縮ガスエンジンは、圧縮ガスにより駆動されて主動力を出力する主動力出力軸を備え、上記風抵抗エンジンは、動力駆動車両の走行時に発生した前方からの抵抗流体により駆動されて補助動力を出力するインペラ軸を備える。上記伝動系は、直接に、上記主動力出力軸から出力された主動力により駆動される。上記伝動系は、上記転向装置において上記インペラ軸から出力された補助動力を方向変換した動力により駆動される。上記車輪は上記伝動系からの出力により駆動される。
【0008】
上記風抵抗エンジンは、対称的に配置された第一風抵抗エンジン及び第二風抵抗エンジンを備える。上記転向装置は、互いに逆の方向に回転する第一風抵抗エンジンのインペラ軸と第二風抵抗エンジンのインペラ軸から出力された補助動力が同一の補助動力出力軸に伝達されるように方向変換するための第一転向装置と、上記補助動力出力軸から出力された補助動力が上記伝動系に伝達されるように方向変換するための第二転向装置と、を備える。
【0009】
上記第一転向装置は、転向ホイールとコンベヤベルトとを備えており、当該転向ホイールとコンベヤベルトにより、互いに逆の方向に回転する上記第一風抵抗エンジンのインペラ軸及び第二風抵抗エンジンインのペラ軸から出力された補助動力が上記補助動力出力軸に伝達されるように方向変換する。上記転向ホイールは同期ホイール、チェーンホイール又はプーリとしてもよく、これに対応して、上記コンベヤベルトは同期ベルト、チェーン又はプーリとしても良い。
【0010】
上記第二転向装置は、互いに噛み合う第一伝動かさ歯車と第二伝動かさ歯車とを備える。上記第一伝動かさ歯車が補助動力出力軸に固定され、上記第二伝動かさ歯車が上記主動力出力軸に固定される。上記第二伝動かさ歯車により伝動系が駆動される。上記第二転向装置はカルダン軸(cardan shaft)とする。上記動力駆動車両は、上記補助動力出力軸の出力に接続された第一クラッチ装置を含む。
【0011】
上記第一クラッチ装置の出力が上記主動力出力軸の入力に接続され、上記主動力出力軸の出力と伝動系との間に第二クラッチ装置が設けられる。
【0012】
上記主動力出力軸の出力と伝動系の間に第二クラッチ装置が設けられる。
【0013】
上記圧縮ガスエンジンは、ハウジングと、主動力出力軸と、当該主動力出力軸に固定されるとともに上記ハウジング内に位置するインペラ本体とを備える。上記ハウジングには、ハウジング内のインペラ本体にガスを噴入するための噴気インレットが設けられる。上記インペラ本体における、ハウジング内表面に密接する円周面(外周面:circumference surface)には、複数の作動チャンバーが設けられる。圧縮ガスが上記噴気インレットから作動チャンバーに噴入すると、上記インペラ本体が回転し、噴入した圧縮ガスが一時的に作動チャンバー内に格納されるように、上記作動チャンバーが上記ハウジングの内表面によって密封される。上記ハウジングには、インペラ本体がさらに回転するように作動チャンバー内に一時的に格納されている圧縮ガス(気体)を膨張させて外部へ噴出するための噴気アウトレットが更に設けられる。複数の作動チャンバーは、上記主動力出力軸の軸線回りに同一の円周上に均一(等間隔)に分布している。
【0014】
上記噴気インレットと噴気アウトレットとが同一の円周上に交互に分布している。
【0015】
更に、上記ハウジングにサイレンサーチャンバーを設けており、上記噴気アウトレットとサイレンサーチャンバーとが連通し、上記サイレンサーチャンバーが、ハウジングに設けられる一次排気口を介してハウジングの外部に連通する。
【0016】
上記サイレンサーチャンバーは、連続した一つの、又は、断続した複数のサイレンサーグルーブ(溝:grooves)である。
【0017】
上記サイレンサーチャンバーは、ハウジングにおいて同一の円周上に均一に分布している断続した複数のサイレンサーグルーブである。
【0018】
主動力出力軸の軸線に直交する断面においては、作動チャンバーは、環状となるように端部同士が接続(首尾接続:connected end to end )された三本の曲線からなる三角形の形状を有する。
【0019】
複数の上記作動チャンバーは互いに同じ形状の断面を有し、各作動チャンバーに対応する複数の頂点が、主動力出力軸の軸線を中心とする同一の円周上に位置する。
【0020】
上記した圧縮ガスエンジンは動力駆動車両に適用することができる。すなわち、上記圧縮ガスエンジンと、圧縮ガス容器と、噴気システムと、伝動系と車輪とを含む動力駆動車両において、噴気システムは吸気口及び噴気ノズルを備え、圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して噴気システムの吸気口に接続され、噴気ノズルが圧縮ガスを噴気インレットから圧縮ガスエンジンの作動チャンバーに噴入し、主動力出力軸はクラッチ装置を介して伝動系に接続され、伝動系は車輪に接続される。
【0021】
本発明は、動力駆動車両の伝動系が、第一転向装置及び第二転向装置を介することなく、直接に、圧縮ガスエンジンから出力した主動力により駆動されるため、圧縮ガスエンジンから出力した主動力の伝達経路を有効に短縮し、伝動過程におけるエネルギー損失を低減させ、主動力の伝達効率を向上することができる効果を奏する。また、第一転向装置及び第二転向装置は、主動力に対して方向変換することなく、補助動力のみに対して方向変換する構成とされているため、第一転向装置及び第二転向装置への要求が大いに緩和され、更に第一転向装置及び第二転向装置の製造コストを低減することができる効果も奏する。
【0022】
本発明の第二の目的は、持続的に安定して作動できる噴気ノズル、圧縮ガスエンジン並びに動力駆動車両を提供することにある。
【0023】
本発明は、この目的を達成するために、軸方向に貫通するキャビティーを備える噴気ノズル本体が含まれる噴気ノズルを提供する。上記噴気ノズル本体にヒーターが設けられる。上記ヒーターは電気ヒーター、マイクロ波ヒーター、太陽熱ヒーターから選択される。上記ヒーターは、上記噴気ノズル本体に巻き付けられた電熱線であってもいい。
【0024】
更に、上記噴気ノズル本体に断熱層が設けられるている。上記ヒーターは断熱層と噴気ノズル本体との間に位置する。
【0025】
また、本発明は、軸方向に貫通するキャビティーが形成された噴気ノズル本体を備える噴気ノズルを含む噴気システムを提供する。上記噴気ノズル本体にヒーターが設けられている。上記ヒーターは、電気ヒーター、マイクロ波ヒーター、太陽熱ヒーターから選択される。上記ヒーターは上記噴気ノズル本体に巻き付けられた電熱線であってもいい。
【0026】
更に、上記噴気ノズル本体に断熱層が設けられており、上記ヒーターが断熱層と噴気ノズル本体との間に位置する。
【0027】
また、本発明は、圧縮ガス容器と、噴気システムと、圧縮ガスエンジンと、伝動系と車輪とを含む動力駆動車両を提供する。上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して噴気システムの吸気口に接続され、上記噴気ノズルは圧縮ガスを噴気インレットから圧縮ガスエンジンに噴入し、上記圧縮ガスエンジンから出力した主動力により、車輪に接続する上記伝動系が駆動される。上記圧縮ガスエンジンは、その内表面によって密閉式インペラ室を形成するハウジングと、主動力出力軸と、当該主動力出力軸に固定されるとともに上記インペラ室の内部に位置するインペラ本体とを備える。上記ハウジングには、上記インペラ本体にガスを噴入するための上記噴気ノズルを備える噴気インレットと、ガスを噴出するための噴気アウトレットと、が設けられる。上記インペラ本体における、ハウジング内表面に密接する円周面には、複数の作動チャンバーが設けられる。圧縮ガスが上記噴気インレットから作動チャンバーに噴入すると、上記インペラ本体が回転し、噴入した圧縮ガスが一時的に作動チャンバー内に格納されるように、上記作動チャンバーが上記ハウジングの内表面によって密封される。上記ハウジングには噴気口が設置されており、作動チャンバー内に一時的に格納されている圧縮ガスが当該噴気口に到達すると、膨張して外部へ噴出することでインペラ本体をさらに回転させる。
【0028】
本願の出願人が、圧縮ガスエンジンを使用した動力駆動車両について運行テストを行ったところ、運行時間が長くなると、動力不足の現象がよく現れると発見した。このような状況になると、出願人はテストを停止し、動力駆動車両の各部分に対して検査しなければならず、繰り返して検査を行った結果、噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷するため、正常にガスを噴出できないことはその原因だと発見した。そこで、出願人は上記したヒーターを備える噴気ノズルを設計することで、動力駆動車両が長時間で作動しても噴気ノズル側に低温で水蒸気が凝結し結氷することがないため、噴気ノズル、圧縮ガスエンジン及び動力駆動車両が持続的に安定して作動できるようになれる。
【0029】
本発明の第三の目的は、持続的に安定して作動できる圧縮ガスエンジン及び動力駆動車両を提供することにある。
【0030】
本発明は、この目的を達成するために、ハウジングと、主動力出力軸を介してハウジング内に設置されるインペラ本体と、ハウジングに設けられる噴気ノズル装着用の噴気ノズル座とを含む圧縮ガスエンジンを提供する。ここで、上記噴気ノズル座に、噴気ノズルを加熱するためのヒーターが設けられている。
【0031】
上記ヒーターは、電気ヒーター、太陽熱ヒーター、マイクロ波ヒーターから選択される。
【0032】
上記ヒーターは噴気ノズル座内に嵌入される電気抵抗線であってもいい。
【0033】
上記ハウジングの内表面によって密閉なインペラ本体室が形成される。上記インペラ本体が上記主動力出力軸に固定され上記インペラ本体室の内部に位置する。上記ハウジングに、噴気インレットと、ガスを噴出するための噴気アウトレットとが設けられる。上記噴気ノズル座に設けられた噴気ノズルが上記噴気インレットに進入して上記インペラ本体にガスを噴射する。
【0034】
上記インペラ本体における、ハウジング内表面に密接する円周面には、複数の作動チャンバーが設けられる。ガスが噴気ノズルから作動チャンバーに噴入すると、上記インペラ本体が回転し、また、噴入した圧縮ガスが一時的に作動チャンバー内に格納されるように、上記作動チャンバーが上記ハウジングの内表面によって密封される。上記噴気アウトレットは、作動チャンバー内に一時的に格納されている圧縮ガスが膨張して外部へ噴出すると、インペラ本体がさらに回転するように構成されている。
【0035】
上記複数の作動チャンバーは主動力出力軸の軸線回りに同一の円周上に均一に分布しており、上記の噴気インレット及び噴気アウトレットは主動力出力軸の軸線回りに同一の円周上に交互に分布している。
【0036】
上記噴気ノズル座に二つの噴気ノズルを設けてもいい。ここで、上記二つの噴気ノズルは同一の上記噴気インレットに進入しており、その軸線が鋭角をなしている。
【0037】
上記圧縮ガスエンジンは動力駆動車両に適用することができる。すなわち、圧縮ガス容器と、噴気システムと、圧縮ガスエンジンと、伝動系と車輪とを含む動力駆動車両において、上記噴気システムは吸気口及び噴気ノズルを備え、圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して噴気システムの吸気口に接続され、上記噴気ノズルは噴気ノズル座に設置され、圧縮ガスが噴気インレットから圧縮ガスエンジンに噴入され、圧縮ガスエンジンの出力した主動力はクラッチ装置を介して伝動系に伝達され、伝動系が車輪に接続される。
【0038】
本願の出願人が圧縮ガスエンジンを使用した動力駆動車両について運行テストを行ったところ、運行時間が長くなると、動力不足の現象がよく現れることを発見した。このような状況が現れると、出願人はテストを停止し、動力駆動車両の各部分に対して検査しなければならず、検査をした結果、噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷しているため、正常にガスを噴出できないことはその原因だと発見した。そこで、出願人は上記噴気ノズルを加熱できる噴気ノズル座を設計することで、動力駆動車両が長時間で作動しても、噴気ノズル側に低温で凝結し結氷することがなく、噴気ノズル、圧縮ガスエンジン及び動力駆動車両は持続的に安定して作動できるようになれる。
【0039】
本発明の第四の目的は、動力駆動車両が上下に揺れる時などの振動・衝撃力を再利用できる動力駆動車両作動エネルギー再利用システム(Bumpiness kinetic energy recycling system)、緩衝システム及び動力駆動車両を提供することにある。
【0040】
本発明は、この目的を達成するために、シリンダー本体と、ピストンと、連結棒とを含む動力駆動車両作動エネルギー再利用システムを提供する。ここで、上記ピストンは、シリンダー本体のインナーキャビティーに位置するとともに、シリンダー本体のインナーキャビティーを第一作動室及び第二作動室に仕切り、シリンダー本体の内壁に摺動自在に密着する。上記連結棒の一端が、動力駆動車両の車輪が上下に揺れる時に生じる振動・衝撃力を受けるための外力受け入れ部であり、もう一端が、第一作動室に入っているとともに上記ピストンに連結され、ピストンに対して往復作動をするように作用するための動力付与部となる。上記シリンダー本体には、第一作動室と連通する換気孔と、第二作動室と連通する吸気孔及び排気孔とが設けられる。また、第二作動室内に空気を吸入するように、上記吸気孔に第一チェックバルブを設けている。上記排気孔は、ピストンの往復作動時に生じた圧縮ガスを排出するためのものである。
【0041】
上記動力駆動車両作動エネルギー再利用システムは更に第二チェックバルブを含み、上記排気孔の出力が第二チェックバルブに接続され、第二チェックバルブを介して圧縮ガスを排出する。
【0042】
また、本発明は、緩衝ばねと、車体サポートフレームに固定的に連結される上ばね座と、車輪軸に活動自在に支持される下ばね座とを含み、上記動力駆動車両作動エネルギー再利用システムを使用した動力駆動車両緩衝システムを提供する。この動力駆動車両緩衝システムにおいて、緩衝ばねが前記上ばね座と下ばね座との間に位置し、上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座に連結され、上記シリンダー本体が上ばね座に連結される。上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座にヒンジで連結され、その動力付与部がピストンにヒンジで連結される。
【0043】
また、本発明は、車体サポートフレームと、当該車体サポートフレームに設置される圧縮ガスエンジンと、伝動系と、車輪と、動力駆動車両緩衝システムとを含む動力駆動車両を提供する。ここで、上記圧縮ガスエンジンと伝動系と車輪からの動力の出力が順次に接続される。上記動力駆動車両緩衝システムは、ロッカー・アームと、緩衝ばねと、車体サポートフレームに固定的に連結される上ばね座と、車輪軸に活動自在に支持される下ばね座と、上記動力駆動車両作動エネルギー再利用システムとを含む。緩衝ばねが前記上ばね座と下ばね座との間に位置し、上記ロッカー・アームの第一端が車輪軸に回転自在に連結され、ロッカー・アームの第二端が車体サポートフレームに活動自在に連結される。上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座に連結され、上記シリンダー本体が上ばね座に連結される。
【0044】
また、本発明は、車体サポートフレームと、車体サポートフレームに設置される圧縮ガスエンジンと、伝動系と、車輪と、動力駆動車両緩衝システムとを含む動力駆動車両を提供する。ここで、上記圧縮ガスエンジンと、伝動系と車輪からの動力出力が順次に接続される。上記動力駆動車両緩衝システムは、ロッカー・アームと、緩衝ばねと、車体サポートフレームに固定的に連結される上ばね座と、車輪軸に活動自在に支持される下ばね座と、上記動力駆動車両作動エネルギー再利用システムとを含む。緩衝ばねが前記上ばね座と下ばね座との間に位置し、上記ロッカー・アームの一端が車輪軸に回転自在に連結され、もう一端が上記連結棒の外力受け入れ部にヒンジで連結される。上記シリンダー本体が車体サポートフレームに設置され、上記ロッカー・アームの中部は車体サポートフレームにヒンジで連結される。
【0045】
本発明は、動力駆動車両作動エネルギー再利用システムが設けられているため、動力駆動車両が上下に揺れる時の振動・衝撃力を適時にピストン作動用の動力とすることができ、第二作動室内において圧縮ガスを発生させて格納することができるので、動力駆動車両が上下に揺れる時に生じたエネルギーを再利用できるように圧縮ガスとして変換することができる効果を奏する。この構成では、圧縮ガスの消耗量を低減することができるとともに、連結棒によってピストンを押して圧縮ガスを発生すること自体で緩衝作用を持っている。
【0046】
本発明の第五の目的は、圧縮ガス容器から釈放されたガスが確実に安定して作動できるガス減圧貯蔵装置、噴気システム及び動力駆動車両を提供することにある。
【0047】
本発明は、この目的を達成するために、圧縮ガスを受取るための吸気口とガスを排出するための排気口とを備えるガス貯蔵容器と、ガス貯蔵容器に吸入されたガスを加熱するための熱交換装置と、を含むガス減圧貯蔵装置を提供する。
【0048】
上記ガス減圧貯蔵装置は更に減圧弁を含み、圧縮ガスは減圧弁で減圧された後ガス貯蔵容器に入る。上記熱交換装置は、ガス貯蔵容器内のガスと熱交換することでこのガスを加熱させるための第一媒体を格納する第一熱交換ユニットを含む。上記ガス減圧貯蔵装置は更にクーラーと第一循環ポンプとを含み、上記第一熱交換ユニットと、クーラーと第一循環ポンプとにより内循環冷却システムが構成されており、第一媒体が第一熱交換ユニットとクーラーとの間において循環し、クーラーが外気と熱交換する。上記第一熱交換ユニットは、ガス貯蔵容器の周囲を取り囲んだ第一温度調節室を備える。第一媒体がこの第一温度調節室とガス貯蔵容器との間に格納されている。クーラーの両端がいずれも前記第一温度調節室に連結される。
【0049】
上記熱交換装置は更に第二熱交換ユニットを含み、吸気口、第一熱交換ユニット、第二熱交換ユニット及び排気口が順次に配置されている。第二熱交換ユニットはガス貯蔵容器の周囲を取り囲んだ第二温度調節室と、ガス貯蔵容器と第二温度調節室との間に格納される第二媒体と、第二温度調節室に装着され、ガス貯蔵容器内のガスと熱交換する第二媒体を加熱するヒーターとを備えている。上記第二温度調節室が放熱器に連結され、第二媒体が第二温度調節室と放熱器との間において循環し、放熱器が外気と熱交換する。
【0050】
上記減圧弁は、ハウジングと、バルブコアと、調節ブロックと、弾性体とを含み、バルブコアがハウジング内部に位置し、ハウジングが、ガスをハウジング内部に入るよう導くためのガスガイドポートと、ハウジング内部とガス貯蔵容器とを連結するガスパイプラインとを備え、バルブコアは密封端及び調節端を備え、弾性体は調節ブロックとバルブコアの調節端との間に配置されている。調節ブロックはハウジングに固定される。バルブコアは第一位置及び第二位置を備え、第一位置においてバルブコアの密封端によりガスパイプライン及びガスガイドポートが密封され、第二位置においては、バルブコアの密封端がガスパイプライン及びガスガイドポートから離れる。
【0051】
また、本発明は、圧縮ガスを貯蔵するための圧縮ガス容器と、分配器と、噴気ノズルとガス減圧貯蔵装置とを含む噴気システムを提供する。上記圧縮ガス容器からの出力がパイプラインを介してガス減圧貯蔵装置の吸気口に接続され、上記ガス減圧貯蔵装置の排気口には、分配器を介して噴気ノズルが接続される。
【0052】
また、本発明は、ガス貯蔵容器と、減圧弁と、熱交換装置と、クーラーと第一循環ポンプとを含む動力駆動車両冷却システムを提供する。上記ガス貯蔵容器は減圧弁で減圧された後の圧縮ガスを貯蔵する。上記第一熱交換ユニット、クーラー及び第一循環ポンプは内循環冷却システムを構成する。第一媒体が第一熱交換ユニットとクーラーとの間で循環し、クーラーは外気と熱交換する。
【0053】
また、本発明は、ハウジングと、当該ハウジング内に設置されるインペラ本体と、噴気システムとを含む圧縮ガスエンジンを提供する。ここで、上記噴気ノズルの出力が、上記ハウジング内のインペラ本体に圧縮ガスを噴入するためである。
【0054】
また、本発明は、車輪と、伝動系と圧縮ガスエンジンとを含む動力駆動車両を提供する。この動力駆動車両において、上記圧縮ガスエンジンから出力した動力が伝動系、車輪との順に伝達される。
【0055】
本発明の出願人が圧縮ガスエンジンを使用した動力駆動車両について運行テストを行う時、運行時間が長くなると、動力不足の現象が現れることを発見した。このような状況が現れると、出願人はテストを停止し、動力駆動車両の各部分に対して検査しなければならない。繰り返して検査の結果、噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷するため正常にガスを噴出できないのがその要因となっていると分かった。そして、それに対して分析を行い、作動している減圧弁にも結氷しやすくなる場合があることをさらに発見した。そこで、本発明は、熱交換装置を設け、ガス貯蔵容器にインプットされたガスを加熱することにより、結氷現象を回避することができ、また、クーラーを設けることで外気の気温を低くさせてエネルギーを節約することもでき、また、ヒーターを設けることで、圧縮ガスがより安定して作動することができるとともに動力駆動車両の加熱問題を解決できる効果をそうする。
【0056】
本発明の第六の目的は、圧縮ガス容器から釈放されたガスが確実に安定して作動できるガス減圧貯蔵装置、噴気システム及び動力駆動車両を提供することにある。
【0057】
本発明は、この目的を達成するために、圧縮ガスを受けるための吸気口とガスをアウトプットするための排気口とを備えるガス貯蔵容器と、ガス貯蔵容器内にインプットされたガスを加熱するための熱交換装置と、を含むガス減圧貯蔵装置を提供する。
【0058】
上記ガス減圧貯蔵装置は更に減圧弁を含み、圧縮ガスが減圧弁で減圧された後にガス貯蔵容器に入る。上記熱交換装置が第一熱交換ユニットを含み、上記第一熱交換ユニット内に第一媒体が収容され、上記第一媒体がガス貯蔵容器内のガスと熱交換してこのガスが加熱される。上記ガス減圧貯蔵装置は更にクーラー及び第一循環ポンプを含み、上記第一熱交換ユニット、クーラー及び第一循環ポンプが内循環冷却システムを構成し、第一媒体が第一熱交換ユニットとクーラーとの間で循環し、クーラーが外気と熱交換する。上記第一熱交換ユニットは第一温度調節室を備え、第一温度調節室がガス貯蔵容器の周囲を取り囲み、第一媒体がこの第一温度調節室とガス貯蔵容器との間に収容され、クーラーの両端がいずれもこの第一温度調節室に連結される。
【0059】
上記熱交換装置は更に第二熱交換ユニットを含み、吸気口、第一熱交換ユニット、第二熱交換ユニット及び排気口は順次に配置されており、第二熱交換ユニットが第二温度調節室、第二媒体及びヒーターを備え、第二温度調節室はガス貯蔵容器の周囲を取り囲み、第二媒体はガス貯蔵容器と第二温度調節室との間に収容され、ヒーターは第二温度調節室に配置され第二媒体を加熱し、第二媒体はガス貯蔵容器内のガスと熱交換する。上記第二温度調節室は放熱器に連結され、第二媒体は第二温度調節室と放熱器との間で循環し、放熱器は外気と熱交換する。
【0060】
上記減圧弁は、ハウジングと、バルブコアと、調節ブロックと弾性体とを備える。ここで、バルブコアがハウジング内部に位置し、ハウジングはハウジング内部へガスを導くためのガスガイドポートと、ハウジング内部とガス貯蔵容器とを接続するガスパイプラインとを備える。バルブコアが密封端及び調節端を備え、弾性体が調節ブロックとバルブコアの調節端との間に位置し、調節ブロックがハウジングに固定され、バルブコアが第一位置及び第二位置を備え、第一位置において、バルブコアの密封端がガスパイプライン及びガスガイドポートを密封するが、第二位置においては、バルブコアの密封端がガスパイプライン及びガスガイドポートから離れる。
【0061】
また、本発明は、圧縮ガスを貯蔵するための圧縮ガス容器と、分配器と、噴気ノズルと、ガス減圧貯蔵装置とを含んで構成される噴気システムを提供する。上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介してガス減圧貯蔵装置の吸気口に接続され、上記ガス減圧貯蔵装置の排気口に分配器を介して噴気ノズルが接続される。
【0062】
また、本発明は、ガス貯蔵容器と、減圧弁と、熱交換装置と、クーラーと第一循環ポンプとを含んで構成される動力駆動車両冷却システムを提供する。上記ガス貯蔵容器が減圧弁で減圧された圧縮ガスを受け、上記第一熱交換ユニット、クーラー及び第一循環ポンプが内循環冷却システムを構成し、第一媒体が第一熱交換ユニットとクーラーの間で循環し、クーラーが外気と熱交換する。
【0063】
また、本発明は、ハウジングと、当該ハウジング内に配設されるインペラ本体と噴気システムとを含んで構成される圧縮ガスエンジンを提供する。上記噴気ノズルの出力が上記ハウジング内のインペラ本体に圧縮ガスを噴気するために用いられる。
【0064】
また、本発明は、車輪と、伝動系と圧縮ガスエンジンとを含んで構成される動力駆動車両を提供する。上記圧縮ガスエンジンから出力した動力が伝動系、車輪の順に伝達される。
【0065】
本発明の出願人が圧縮ガスエンジンを使用した動力駆動車両について運行テストを行ったところ、運行時間が長くなると、動力不足の現象が現れることを発見した。このような状況が現れると、出願人はテストを停止し、動力駆動車両の各部分に対して検査しなければならない。繰り返して検査の結果、噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷するため正常にガスを噴出できないことはその原因だと分かった。そして、それに対して分析を行い、作動している減圧弁にも結氷しやすくなる場合があることをさらに発見した。そこで、本発明は、熱交換装置を設け、ガス貯蔵容器にインプットされたガスを加熱することにより、結氷現象を回避することができ、また、クーラーを設けることで外気の気温を低くさせてエネルギーを節約することもでき、また、ヒーターを設けることで、圧縮ガスがより安定して作動することができるとともに動力駆動車両の加熱問題を解決できる効果を奏する。
【0066】
本発明の第七の目的は、圧縮ガス容器から釈放されたガスが確実に安定して作動できる減圧弁、圧縮ガス供給システム及び冷却システムを提供する。
【0067】
本発明は、この目的を達成するために、第一調節弁と第二調節弁とを含んで構成される減圧弁を提供する。この減圧弁においては、第一調節弁が、キャビティーを備える第一弁座、第一バルブプラグ、第一弾性体、第一ガスパイプライン、第二ガスパイプライン及び第三ガスパイプラインを含み、第一バルブプラグがこのキャビティー内に位置してこのキャビティーを第一チャンバー及び第二チャンバーに仕切り、第二ガスパイプラインの一端が第一ガスパイプラインと連通し、第二ガスパイプラインのもう一端が第二チャンバーと連通し、第三ガスパイプラインの一端が第二チャンバーと連通し、第三ガスパイプラインのもう一端が第一チャンバーと連通し、第一チャンバーがパイプラインを介してガスをアウトプットし、第一弾性体が第二チャンバー内に位置され、第一弾性体の一端が第一弁座に固定され、第一弾性体のもう一端が第一バルブプラグに固定され、第一ガスパイプラインが第一チャンバーと接続部を備え、第一バルブプラグがこの接続部を塞ぐ第一状態とこの接続部から離れる第二状態を有し、第二調節弁が第三ガスパイプラインに設けられ、第二調節弁が第二弁座と、第二弁座に対して移動可能な、制御される第二バルブプラグとを備え、第二バルブプラグがその移動軌跡において第三ガスパイプラインを遮断させるための位置と当該第三ガスパイプラインを導通させるための位置をもっており、第二ガスパイプラインの直径が第三ガスパイプラインの直径よりも小さく、第一ガスパイプラインの直径が第三ガスパイプラインの直径よりも大きくなる。
【0068】
上記第一バルブプラグは、本体部と、本体部に対して直線移動可能で、本体部よりも直径が小さい密封部とを含み、上記第一調節弁は更に第二弾性体を含み、上記第二弾性体の両端がそれぞれ上記密封部と本体部に当接し、上記第一ばねが上記本体部に固定される。
【0069】
上記本体部の上面には弾力のある第一密封リングを設けている。上記本体部の側面が、弾力のある第二密封リングを介して第一弁座に密着する。上記第二弁座は第二バルブプラグに螺合する。
【0070】
また、本発明は、圧縮ガス容器と、減圧弁と、熱交換装置とパイプラインとを含んで構成される圧縮ガス供給システムを提供する。上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して減圧弁に接続され、減圧弁で減圧されてアウトプットされた作動ガスがアウトプットパイプラインにインプットされ、上記熱交換装置が減圧弁を加熱するために用いられる。上記熱交換装置は冷却液が収容されている容器を備え、上記減圧弁が上記冷却液内に浸されている。上記圧縮ガス供給システムは更にクーラーと第一循環ポンプとを含み、上記の容器とクーラーと第一循環ポンプが互いに連通し、冷却液を媒体として循環冷却システムを構成し、クーラーにより外気と熱交換する。
【0071】
上記圧縮ガス供給システムは更に放熱器と第二循環ポンプとを含み、上記ヒーターと放熱器と第二循環ポンプとが互いに連通しており、循環放熱システムを構成し、放熱器により外気と熱交換する。
【0072】
また、本発明は、圧縮ガス容器と、減圧弁と、冷却液が収容されている容器とを含んで構成される圧縮ガス動力駆動車両冷却システムを提供する。上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して減圧弁に接続され、減圧弁で減圧されてアウトプットされた作動ガスがアウトプットパイプラインにインプットされ、上記減圧弁が上記冷却液内に浸されている。上記容器とクーラーと第一循環ポンプが互いに連通し、冷却液を媒体として循環冷却システムを構成しており、クーラーにより外気と熱交換する。
【0073】
本発明の出願人が圧縮ガスエンジンを使用した動力駆動車両について運行テストを行ったところ、運行時間が長くなると、動力不足の現象が現れることを発見した。このような状況が現れると、出願人はテストを停止し、動力駆動車両の各部分に対して検査しなければならない。繰り返して検査の結果、噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷するため正常にガスを噴出できないことはその要因となっていると分かった。そして、それに対して分析を行い、作動している減圧弁にも結氷しやすくなる場合があることをさらに発見した。そこで、本発明は、熱交換装置を設け、インプットされたガスを加熱することにより、結氷現象を回避することができ、また、クーラーを設けることで外気の気温を低くさせてエネルギーを節約することもでき、また、ヒーターを設けることで、圧縮ガスがより安定して作動することができるとともに動力駆動車両の加熱問題を解決できる効果を奏する。また、第二制御弁を設けることで、調圧弁のパイプラインへの制御を実現でき、第三ガスパイプラインの直径が第一ガスパイプラインの直径より小さくなると、流量増幅の役割を果たし、パイプラインへの精確な制御を実現できる効果を奏する。
【0074】
本発明の第八の目的は、持続走行能力を有効に向上できる風電動力(wind power)駆動車両を提供することにある。
【0075】
本発明は、この目的を達成するために、蓄電池と、主動力出力軸を備える第一モータと、風抵抗エンジンと、伝動系と、車輪とを含んで構成される風電動力駆動車両を提供する。この風電動力駆動車両においては、上記蓄電池がモータに主動力を提供し、上記モータが主動力出力軸から出力された主動力により上記伝動系を駆動し、上記伝動系の出力により車輪が駆動され、上記風抵抗エンジンがハウジングと回転軸を介して当該ハウジング内に設置されたインペラとを備え、上記ハウジングに外部からの風抵抗気流を受けるための吸気口とガスを排出するための排気口が設けられており、風抵抗気流がハウジング内に入るとインペラが駆動されて回転することで補助動力を生じ、この補助動力が上記回転軸を介して出力される。
【0076】
上記風電動力駆動車両は更に転向装置を含み、上記インペラ軸から出力された補助動力を転向装置において方向変換した動力により上記伝動系が駆動され、上記伝動系の出力により車輪が駆動される。
【0077】
上記風抵抗エンジンは対称的に配置された第一風抵抗エンジン及び第二風抵抗エンジンを含み、上記転向装置は第一転向装置及び第二転向装置を含み、上記第一転向装置は、互いに逆の方向に回転する第一風抵抗エンジンのインペラ軸と第二風抵抗エンジンのインペラ軸とから出力された補助動力が同一の補助動力出力軸に伝達されるように方向変換し、上記第二転向装置は上記補助動力出力軸から出力した補助動力が上記伝動系に伝達されるように方向変換する。
【0078】
上記第一転向装置は、転向ホイール及びコンベヤベルトを含み、この転向ホイール及びコンベヤベルトにより、互いに逆の方向に回転する上記第一風抵抗エンジンのインペラ軸と第二風抵抗エンジンのインペラ軸とから出力された補助動力が上記補助動力出力軸に伝達されるように方向変換する。
【0079】
上記第二転向装置は互いに噛み合う第一伝動かさ歯車及び第二伝動かさ歯車を含み、第一伝動かさ歯車が補助動力出力軸に固定され、上記第二伝動かさ歯車が伝動系を駆動する。上記第二転向装置はカルダン軸である。
【0080】
上記第二伝動かさ歯車が上記主動力出力軸に固定されている。上記風電動力駆動車両は更に第一クラッチ装置を含み、上記補助動力出力軸の出力が第一クラッチ装置に接続される。上記第一クラッチ装置の出力が上記主動力出力軸の入力に接続され、上記主動力出力軸の出力と伝動系との間に第二クラッチ装置を設けている。
【0081】
上記風電動力駆動車両は更に制動エネルギー再利用システムを含み、上記制動エネルギー再利用システムが第一伝動機構及び第一発電機を含み、上記第一伝動機構の入力端が上記伝動系に動力的に接続され、上記第一伝動機構の出力端が上記発電機の入力端に接続される。また、減速時の制動エネルギーを電力に再生して蓄えるように上記発電機の出力端が蓄電池に接続される。
【0082】
上記風電動力駆動車両は慣性力再利用システムを更に含み、上記慣性力再利用システムが第二伝動機構及び第二発電機を含み、上記第二伝動機構の入力端が上記伝動系に動力的に接続され、上記第二伝動機構の出力端が上記第二発電機の入力端に接続される。また、動力駆動車両が惰性で走行している時に、伝動系から出力した動力が上記第二伝動機構を介して上記第二発電機に伝達され、上記第二発電機で生じた電力が蓄電池に輸送されるように、上記第二発電機の出力端が蓄電池に接続されるている。
【0083】
また、本発明は、シリンダー本体と、ピストンと、連結棒とを含む動力駆動車両作動エネルギー再利用システムを提供する。ここで、上記ピストンは、シリンダー本体のインナーキャビティーに位置するとともに、シリンダー本体のインナーキャビティーを第一作動室及び第二作動室に仕切り、シリンダー本体の内壁に摺動自在に密着する。上記連結棒の一端が、動力駆動車両の車輪が上下に揺れる時に生じる振動・衝撃力を受けるための外力受け入れ部であり、もう一端が、第一作動室に入っているとともに上記ピストンに連結され、ピストンに対して往復作動をするように作用するための動力付与部となる。上記シリンダー本体には、第一作動室と連通する換気孔と、第二作動室と連通する吸気孔及び排気孔とが設けられる。また、第二作動室内に空気を吸入するように、上記吸気孔に第一チェックバルブを設けている。上記排気孔は、ピストンの往復作動時に生じた圧縮ガスを排出するためのものである。上記動力駆動車両作動エネルギー再利用システムは更に第二チェックバルブを含み、上記排気孔の出力が第二チェックバルブに接続され、第二チェックバルブを介して圧縮ガスをアウトプットする。
【0084】
また、本発明は、緩衝ばねと、車体サポートフレームに固定的に連結される上ばね座と、車輪軸に活動自在に支持される下ばね座と、動力駆動車両作動エネルギー再利用システムとを含む動力駆動車両緩衝システムを提供する。ここで、緩衝ばねが前記上ばね座と下ばね座との間に位置し、上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座に連結され、上記シリンダー本体が上ばね座に連結される。上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座にヒンジで連結され、その動力付与部がピストンにヒンジで連結される。
【0085】
また、本発明は、車体サポートフレームと、当該車体サポートフレームに設置される圧縮ガスエンジンと、伝動系と、車輪と、動力駆動車両緩衝システムとを含む動力駆動車両を提供する。ここで、上記圧縮ガスエンジンと伝動系と車輪とが動力的に接続される。上記動力駆動車両緩衝システムは、ロッカー・アームと、緩衝ばねと、車体サポートフレームに固定的に連結される上ばね座と、車輪軸に活動自在に支持される下ばね座とを含む。緩衝ばねが前記上ばね座と下ばね座との間に位置し、上記ロッカー・アームの第一端が車輪軸に回転自在に連結され、ロッカー・アームの第二端が車体サポートフレームに活動自在に連結される。更に、動力駆動車両作動エネルギー再利用システムが備えられる。上記連結棒の外力受け入れ部が下ばね座に連結され、上記シリンダー本体が上ばね座に連結される。
【0086】
従来の動力駆動車両では、80キロメートル以上の時速で走行している時、エネルギー消耗の70%以上は風抵抗を克服するために用いられている。本発明は、初めて、電気自動車に風抵抗エンジンを設けることにより、直接的に動力駆動車両が走行過程で受ける風抵抗気流を補助動力として利用して、抵抗を動力にすることにより、大いに動力駆動車両の走行抵抗を低減させ、電気自動車の持続走行能力を向上する効果を奏する。また、慣性力再利用システムを設けることにより、発電機により簡易減速時の制動エネルギーを再利用して圧縮ガスを発生させて備蓄しておくことで、電気自動車の持続走行能力を向上することができる効果を奏する。
【0087】
本発明の第九の目的は、ガスが圧縮ガスエンジンに吸気される時に作動するとともに、圧縮ガスエンジンから排気される時にも作動する構成を提供することができる。
【0088】
本発明は、この目的を達成するために、ハウジングと、主動力出力軸と、当該主動力出力軸に固定されるとともに上記ハウジング内に位置するインペラ本体とを備える圧縮ガスエンジンを提供する。上記ハウジングには、ハウジング内のインペラ本体にガスを噴入するための噴気インレットが設けられる。上記インペラ本体における、ハウジング内表面に密接する円周面には、複数の作動チャンバーが設けられる。ガスが上記噴気インレットから作動チャンバーに噴入すると、上記インペラ本体が回転し、噴入したガスが一時的に作動チャンバー内に格納されるように、上記作動チャンバーが上記ハウジングの内表面によって密封される。上記ハウジングには、インペラ本体がさらに回転するように、作動チャンバー内に一時的に格納されている圧縮ガスを膨張させて外部へ噴出するための噴気アウトレットが更に設けられる。
【0089】
複数の作動チャンバーは、上記主動力出力軸の軸線回りに同一の円周上に均一に分布している。上記噴気インレットと噴気アウトレットとが同一の円周上に交互に分布している。上記ハウジングにサイレンサーチャンバーを更に設けており、上記噴気アウトレットとサイレンサーチャンバーとが連通し、上記サイレンサーチャンバーが、ハウジングに設けられる一次排気口を介してハウジングの外部に連通する。上記サイレンサーチャンバーは、連続した一つの又は断続した複数のサイレンサーグルーブである。上記サイレンサーチャンバーは、ハウジングにおいて同一の円周上に均一に分布している断続した複数のサイレンサーグルーブである。主動力出力軸の軸線に直交する断面においては、作動チャンバーは、首尾接続された三本の曲線からなる三角形の形状を有する。複数の上記作動チャンバーは互いに同じ形状の断面を有し、各作動チャンバーに対応する複数の頂点が、主動力出力軸の軸線を中心とする同一の円周上に位置する。
【0090】
上記した圧縮ガスエンジンは動力駆動車両に適用することができる。すなわち、上記圧縮ガスエンジンと、圧縮ガス容器と、噴気システムと、伝動系と車輪とを含む動力駆動車両において、噴気システムは吸気口及び噴気ノズルを備え、圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して噴気システムの吸気口に接続され、噴気ノズルが圧縮ガスを噴気インレットから圧縮ガスエンジンの作動チャンバーに噴入し、主動力出力軸はクラッチ装置を介して伝動系に連結され、伝動系は車輪に連結される。
【0091】
本発明の構成によると、圧縮ガスが圧縮ガスエンジンの作動チャンバーに噴入するとインペラ本体が駆動されて回転し、そして、作動チャンバーがハウジングの内表面により密封されているため、圧縮ガスエンジンの作動チャンバーに噴入した圧縮ガスが一時的に圧縮して収容され、上記作動チャンバーが噴気アウトレットの位置に回転すると圧縮されたガスがまた膨張して噴出され、運動量保存の法則により、必然にインペラ本体が更に駆動されて回転するようになる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】動力駆動車両において圧縮ガス容器と噴気システムと圧縮ガスエンジンが接続されている態様を示す構成模式図である。
【図2】動力駆動車両において減圧弁がオフにされている態様を示す構成模式図である。
【図3】動力駆動車両において減圧弁がオンにされている態様を示す構成模式図である。
【図4】図3のA−A線での断面図である。
【図5】動力駆動車両の構成の概要を示す模式図であり、ここで、車輪が二つだけ図示されている。
【図6】動力駆動車両の構成を示す平面模式図である。
【図7】風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンが一体に組立されている態様を示す平面模式図である。
【図8】風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンが一体に組立されている態様を示す正面模式図である。
【図9】動力駆動車両の圧縮ガスエンジンの平面模式図である。
【図10】動力駆動車両の圧縮ガスエンジンの正面模式図である。
【図11】動力駆動車両緩衝システムの構成模式図である。
【図12】図11の符号Aの示す箇所の一部拡大図である。
【図13】図11の符号Bの示す箇所の一部拡大図である。
【図14】シリンダー本体の第二作動室における吸気時の態様を示す構成図である。
【図15】動力駆動車両緩衝システムの他の実施形態の構成図である。
【図16】並列連結されている風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンとの原理図である。
【図17】直列連結されている風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンとの原理図である。
【図18】噴気ノズルの構成図である。
【図19】動力駆動車両の第二の実施形態の平面図である。
【図20】動力駆動車両の第三の実施形態の平面図である。
【図21】動力駆動車両の第四の実施形態の平面図である。
【図22】動力駆動車両の第四の実施形態における風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンの構成を表す平面図である。
【図23】動力駆動車両の第五の実施形態における風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンとの構成を表す平面図である。
【図24】動力駆動車両の第六の実施形態の平面図である。
【図25】動力駆動車両の第六の実施形態において減圧弁がオフにされている態様を示す構成図である。
【図26】動力駆動車両の第六の実施形態において減圧弁がオンにされている態様を示す構成図である。
【図27】動力駆動車両の第六の実施形態において減圧弁、圧縮ガス容器、分配器と伝動機構の連結関系を示す構成模式図である。
【図28】他の風抵抗エンジンを使用した動力駆動車両の平面図である。
【図29】図28の風抵抗エンジンを模式的に示す正面断面図である。
【図30】図28の風抵抗エンジンを模式的に示す側面断面図である。
【図31】図28の風抵抗エンジンの平面図である。
【図32】動力駆動車両の更なる実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図1〜図8に示すように、本実施形態の動力駆動車両は、噴気システム、圧縮ガスエンジン4、風抵抗エンジン3、3′、伝動系11及び車輪123を含む。噴気システムが噴気ノズル60を備え、圧縮ガスエンジン4が主動力出力軸120を備え、噴気システムの噴気ノズル60が圧縮ガスエンジン4にガスを噴き出し、圧縮ガスエンジン4がガスを圧縮して膨張させ、その主動力出力軸120を駆動して回転させ、主動力出力軸120が伝動系11を介して車輪123を回転させる。伝動系11は順次に連結された変速器112、カルダン式動力伝達装置113及びドライブアクスル114を含んでもよい。圧縮ガスエンジン4の主動力出力軸120と伝動系11との間に第一クラッチ装置56を設けており、ドライブアクスル114が車輪123に連結される。
【0094】
図1〜図4に示すように、噴気システムは圧縮ガスを貯蔵する圧縮ガス容器20、ガス減圧貯蔵装置、分配器30及び噴気ノズル60を含み、上記圧縮ガス容器20の出力がパイプライン3を介してガス減圧貯蔵装置の吸気口に接続され、上記ガス減圧貯蔵装置の排気口が分配器30を介して噴気ノズル60に接続され、分配器30がガス減圧貯蔵装置からアウトプットされたガスを複数の経路に分岐してそれぞれ対応する噴気ノズル60を介して噴き出す。ガス減圧貯蔵装置がガス貯蔵容器及び熱交換装置を含む。ガス貯蔵容器が第一気室2を備え、第一気室2が第一吸気口21及び第一排気口22を備え、第一吸気口21がガスをインプットするためのものであり、第一排気口22はガスをアウトプットするためのものである。パイプライン3の両端がそれぞれ圧縮ガス容器20と第一気室2の第一吸気口21に接続され、パイプライン3が一本又は複数本であってもよく、パイプライン3の断面積が圧縮ガス容器20の断面積と第一気室2の断面積よりも小さくなる。熱交換装置が第一熱交換ユニット40を含み、第一熱交換ユニット40が第一気室2に設けられ、第一熱交換ユニット40が第一温度調節室41及び第一媒体42を含み、この第一温度調節室41が第一気室2の周囲を取り囲み、第一媒体42が第一温度調節室41と第一気室2との間に収容される。この第一媒体42が液体(例えば水)、空気、または、熱交換作用を持つ他の媒体であれば良い。第一媒体42の温度が第一気室2内のガスの温度を上回り、圧縮ガス容器20内の圧縮ガスがパイプライン3を介して第一気室2に釈放されると、第一媒体42と熱交換を行い、加熱された後に第一気室2の第一排気口22からアウトプットされる。第一気室2は良い熱伝導性能を有する材料により製作してもよく、これにより第一気室2内のガスが第一媒体42と熱交換することができる。第一温度調節室41は、熱量が外気に釈放されないように、熱伝導ができない又は熱伝導性能の悪い材料により製作されればいい。
【0095】
第一熱交換ユニット40がクーラー5に連結され、クーラー5の両端がそれぞれ第一温度調節室41に連結されることにより、冷却循環ループを形成している。クーラー5に、第一循環ポンプ51と、この第一循環ポンプ51の開閉を制御するための第一循環ポンプスイッチ52とが設けられている。第一気室内2のガスと熱交換した後、第一温度調節室41内の第一媒体42の温度が低下し、この第一媒体42がクーラー5と第一温度調節室41との間で循環し、冷凍空調器が外気を循環させてクーラー5と熱交換し、即ち、外気の気温を下げることで、冷却の目的を達成することができる。
【0096】
圧縮ガス容器20からアウトプットしたガスが、ガス減圧貯蔵装置の第一熱交換ユニット40で加熱された後、噴気ノズル60により噴き出されることで、低温で噴気ノズル60に水蒸気が凝結し結氷することを回避することができる。また、第一熱交換ユニット40を冷凍空調器に接続することにより、冷却後の第一媒体42を循環媒体とし、外気の気温を下げる目的を達成することができるため、エネルギーを節約することができる。
【0097】
図1〜図4に示すように、噴気システムは第一気室2内の気圧を設定の気圧に維持するための気圧調節器6を更に含んでもよい。気圧調節器6がハウジング610、バルブコア620、弾性体630、ロッキングブロック640及び調節ブロック650を含む。ハウジング610がファスナー14により第一気室2の第一吸気口21に装着され、ハウジング610の一部が第一気室2内部に位置し、ハウジング610のほかの部分が第一気室2の外部に出ている。ハウジング610は、軸方向にこのハウジングを貫通するハウジングチャンバー611と、径方向にこのハウジングを貫通するガスパイプライン612とを備え、このハウジングチャンバー611が吸気パイプライン613と連通し、この吸気パイプライン613がパイプライン3と連通し、このガスパイプライン612が第一気室2と連通する。バルブコア620がハウジングチャンバー611の内部に設置され、且つこのハウジングに摺動可能に密着する。バルブコア620のハウジング610の軸方向における両端がそれぞれ密封端621及び調節端622であり、この密封端621がガスパイプライン612及び吸気パイプライン613を密封できる。弾性体630がハウジング610の軸方向に伸縮変形でき、弾性体630の両端がそれぞれバルブコア620の調節端620及び調節ブロック650に当接し、調節ブロック650がハウジング610に螺合し、ロッキングブロック640がハウジング610に螺合し、且つ調節ブロック650を弾性体630にしっかり押し付け、調節ブロック650及びロッキングブロック640がそれぞれ、軸方向に貫通する第一、第二ガスガイド口651、641を備え、第一、第二ガスガイド口651、641が互いに連通し、ガスをハウジングチャンバー611内に導き込み、且つバルブコア620の調節端622に働きかける。第一ガスガイド口651の孔径が第二ガスガイド口641の孔径より小さくなる。バルブコアの密封端621が円台形で、外周面に弾力のある密封リング623が固定される。バルブコアの調節端の外周面にも弾性の密封リング623が固定される。ハウジング610の軸線に直交する断面において、バルブコアの密封端621の断面積が調節端622の断面積より小さくなる。密封端621に作用する圧力がパイプライン3からインプットされたガスの気圧を含み、調節端622に作用する圧力が第一気室2内のガスの気圧及び弾性体630の弾力力を含む。弾性体は、例えば、ばね又はハウジング610の軸方向に伸縮変形できる他の部品であればいい。
【0098】
気圧調節器の作動原理が次の通りである。パイプライン3でインプットされたガスの気圧が安定する時、バルブコア620とハウジング610との間に減圧チャンネル614が形成され、パイプライン3内のガスが減圧チャンネル614、ガスパイプライン612を介して第一気室2に入る。パイプラインでインプットされたガスの気圧が設定気圧を上回る時、このインプットガスの気圧によりバルブコア620が調節端622側に押されて移動し、減圧チャンネル614の体積が増大し、第一気室2内の気圧が低下する。パイプラインでインプットされたガスの気圧が設定気圧より小さくなると、調節端622に作用する力が密封端621に作用する力を上回り、バルブコアが密封端621側に移動し、減圧チャンネル614の体積を減少させ、第一気圧室2内の気圧が増大する。パイプライン3でインプットされたガスの気圧が変化すると、バルブコアが密封端621及び調節端622に作用する力の変化に応じて直線移動して第一気室2内の気圧が設定気圧に維持させる。気圧調節器がオフにされると、ガスパイプライン612及び吸気パイプライン613が密封端621により密閉され、パイプライン3内のガスが第一気室2に入ることができない。この気圧調節器を設けることにより、ガス減圧貯蔵装置がアウトプットしたガスの気圧を設定気圧に維持することができる。
【0099】
調節ブロック640を締め付けたり緩めたりすることにより、弾性体630のプレストレス力を調節でき、気圧調節器の初期設定気圧を変更できる。
【0100】
ガス減圧貯蔵装置は第二気室7及び第二熱交換ユニット8を更にを含んでもいい。気流方向において、第一気室2が第二気室7の前に位置する。第二気室7が第二吸気口71及び第二排気口72を備え、第二吸気口71が第一気室2の第一排気口22に接続される。第二熱交換ユニット8が第二温度調節室81、第二媒体82及びヒーター83を含み、第二温度調節室81が第二気室7の周囲を取り囲み、第二媒体82が第二温度調節室81と第二気室7との間に収容され、第二媒体82が例えば液体又は空気である。ヒーター83が第二媒体82を加熱し、このヒーター83が例えば太陽熱ヒーター、電気ヒーター若しくはマイクロ波ヒーター、又は媒体を加熱するための他のものである。ヒーターの数が一つでもいいし複数でもいい。ヒーターの種類も1種類でもいいし複数の種類でもいい。第二温度調節室81が加熱空調器の放熱器9に接続されることで、加熱循環ループを形成する。放熱器9に、第二循環ポンプ901及び第二循環ポンプ901の開閉を制御するための第二循環ポンプスイッチ902を設けられている。加熱後の第二媒体82が第二温度調節室81と放熱器9の間で循環し、加熱空調器が外気を循環して放熱器9と熱交換を行い、即ち、外気の気温を上昇させ、加熱の目的を達成する。この第二熱交換ユニット8により、第一熱交換ユニット40による加熱に加えて、更にガスを加熱する。それにより、噴気システムの噴気ノズルに水蒸気が凝結し結氷することを確実に回避することができる。第二気室7の第二吸気口71にも減圧弁6を設けてもよい。
【0101】
なお、第一温度調節室41及び第二温度調節室81がパイプラインで接続されて循環ループを形成し、この循環ループに、第三循環ポンプ903及び第三循環ポンプ903の開閉を制御するための第三循環ポンプスイッチ904が設けられている。
【0102】
熱交換装置は、熱交換によりガス貯蔵容器内のガスへの加熱を実現できる第一熱交換ユニットのみを含んでもよく、この第一熱交換ユニットの数が一つでも良いし複数でもよい。また、熱交換装置は、ヒーターを備える第二熱交換ユニットのみを含んでもよく、この第二熱交換ユニットの数が一つでも良いし複数でもよい。また、熱交換装置は第一熱交換ユニットと第二熱交換ユニットの両方を含んでよい。第一熱交換ユニットが採用される場合、ガスを加熱できるだけでなく、冷却後の第一媒体を媒体として動力駆動車両内の温度を下げる目的を達成できる。第二熱交換ユニットが採用される場合は、加熱後の第二媒体を媒体として動力駆動車両内の温度を上昇させる目的を達成できる。
【0103】
図6〜図8に示すように、二つの風抵抗エンジン、即ち、第一風抵抗エンジン3と第二風抵抗エンジン3′が対称的に配置されている。第一風抵抗エンジンは、第一ハウジング117、第一インペラチャンバー43、複数の第一インペラ44及び第一インペラ軸45を含み、第一インペラチャンバー43が第一ハウジング117により取り囲まれて形成される。複数の第一インペラ44がそれぞれ第一インペラ軸45に固定され、第一インペラチャンバー43内に位置する。第一ハウジング117に、動力駆動車両が走行する時に前方からの抵抗流体を取り入れるための第一吸気口1が設けられており、この第一吸気口1が外側開口部及び内側開口部を備え、外側開口部のサイズが内側開口部よりも大きくなる。第一吸気口1が第一インペラチャンバー43と連通し、第一吸気口1を介して抵抗流体を第一インペラチャンバー43内に導入し、第一インペラ44及び第一インペラ軸45を回転させ、第一インペラ軸45により補助動力を出力する。第二風抵抗エンジン3′は、第二ハウジング117′、第二インペラチャンバー43′、第二インペラ44′、第二インペラ軸45′、抵抗流体を取り入れるための第二吸気口1′を備える。
【0104】
第一インペラチャンバー43と第二インペラチャンバー43′が連通せずに独立して設けられている。第一インペラ軸45と第二インペラ軸45′が平行して互いに逆方向で回転する。第一インペラ軸45に第一伝動歯車46が固定され、第二インペラ軸45′に第二伝動歯車118が固定される。動力駆動車両が更に第一転向装置、第二転向装置及び補助動力出力軸を含む。第一転向装置が転向歯車119及びコンベヤベルト47を含み、第二転向装置が、軸線が直交して噛み合う第一伝動かさ歯車49と第二伝動かさ歯車50とを含み、転向歯車119と第一伝動歯車46とが噛合して軸線が平行し、コンベヤベルト47が、三角形状に配置される第一伝動かさ歯車49、第二伝動歯車118及び転向歯車119に張設されている。第一伝動かさ歯車49が補助動力出力軸130に固定される。第一転向装置による方向変換の後、第一インペラ軸45及び第二インペラ軸45′の出力した動力が補助動力出力軸130に伝達され、また、第二転向装置による方向変換の後、この補助動力出力軸130の出力した動力が動力駆動車両の伝動系11に伝達される。風抵抗エンジンの数は二つとされているが、一つでもいいし、二つ以上でもよい。風抵抗エンジンのインペラチャンバー内に、インペラ軸上に固定さた複数のインペラが配置されており、抵抗流体によりインペラ及びインペラ軸が駆動されて回転する。
【0105】
図16が示すように、転向装置による方向変換の後、風抵抗エンジンのインペラ軸から出力された動力は直接に動力駆動車両の伝動系に対する駆動に用いられてもよいが、また、図17が示すように、転向装置による方向変換の後、圧縮ガスエンジンの主動力出力軸と直列連結して動力駆動車両の伝動系に対する駆動に用いられても良い。
【0106】
図6〜図8に示すように、圧縮ガスエンジン4は第一、第二風抵抗エンジン3、3′と独立して設けられ、第一、第二風抵抗エンジン3、3′の後方に位置する。圧縮ガスエンジン4が主動力出力軸120を備え、第二伝動かさ歯車50がこの主動力出力軸120の端部に固定される。互いに直交して噛み合う第一、第二伝動かさ歯車49、50による垂直方向変換の後、第一、第二風抵抗エンジン3、3′の出力した動力が圧縮ガスエンジンの主動力出力軸120に伝達される。
【0107】
図8が示すように、動力駆動車両は更に第一クラッチ装置160を備えており、第一、第二風抵抗エンジン3、3′の出力した動力がこの第一クラッチ装置160を介して補助動力出力軸130に出力される。動力駆動車両の起動時には、風抵抗エンジンからの動力出力がなく、また、第一クラッチ装置160が切られているため補助動力出力軸130が主動力出力軸120に従って回転することがない。従って、動力駆動車両の起動負荷を低減することができる。動力駆動車両の正常な走行時には、第一クラッチ装置160が入れられているため、補助動力出力軸130の出力した動力が主動力出力軸120の出力した動力ととともに動力駆動車両の伝動系11に対する駆動に用いられる。この第一クラッチ装置160は、例えば、従来のワンウェイクラッチ、オーバーランニングクラッチ等であるが、切ったり入れたりすることができる他のクラッチ装置であってもよい。
【0108】
図6〜図10に示すように、圧縮ガスエンジン4が、更にハウジング及びこのハウジング70内部に位置する円形のインペラ本体74を備える。ハウジングが環状のサイドケーシング72、上蓋板73及び下蓋板73′を含み、上蓋板73と下蓋板73′がそれぞれ環状のサイドケーシング72の上端開口と下端開口に固定されることで、このサイドケーシング72、上蓋板73及び下蓋板73′によって密封したインペラ本体室68が形成される。インペラ本体74がこのインペラ本体室68内部に位置し、且つこのインペラ本体74の中部が主動力出力軸120に外嵌固定している。インペラ本体74の、サイドケーシング72の内表面に密着する円周面に溝を形成することにより、主動力出力軸120の軸線回りに同一の円周上に均一に分布するチャンバー69を形成する。主動力出力軸120軸線に直交する断面においては、作動チャンバー69が首尾接続された三本の曲線からなる三角状を形成している。作動チャンバー69は同一の円周上に形成されているが、もちろん、複数の円周上に形成されていてもよい。作動チャンバーはインペラ本体の軸方向に貫通する貫通溝として構成されてもよい。上蓋板の内表面、下蓋板の内表面及びサイドケーシングの内表面によりこの作動チャンバーが密封されている。作動チャンバーはインペラ本体の円周面の中央に設られた貫通しない溝として構成されてもいい。この場合は、この作動チャンバーがサイドケーシングの内表面により密封される。勿論、このような構成の作動チャンバーは、上蓋板の内表面及びサイドケーシングの内表面により密封されてもいいし下蓋板の内表面及びサイドケーシングの内表面により密封されてもいい。即ち、作動チャンバーはハウジングの内表面により密封される。
【0109】
サイドケーシング72の内表面には、更に、複数の噴気インレット67と複数の噴気アウトレット64が設けられ、噴気インレット67と噴気アウトレット64が交替に分布している。サイドケーシング72の内部には、更に、環状の一次サイレンサーチャンバー63が設けられ、サイドケーシング72の外表面には複数の一次排気口65が設けられている。一つの噴気アウトレット64が一つの一次排気口65に対応する。噴気アウトレット64が一次サイレンサーチャンバー63を介して一次排気口65と連通する。噴気インレット67は、噴気アウトレット64、一次排気口65及び一次サイレンサーチャンバー63と連通していない。主動力出力軸120の軸線を中心とする円周上において、噴気アウトレット64がそれに対応する一次排気口65とある角度でずらされている。サイドケーシング72には、噴気インレット67のそれぞれに対応する位置に噴気ノズル座71が固定されている。噴気ノズル座71毎に、上記噴気インレット67に入っている二つの噴気ノズル60が固定されている。一つの噴気ノズル60に一本の噴気管54が接続され、且つ噴気インレット67毎に入っている二つの噴気ノズル60の軸線が鋭角を為している。圧縮ガス容器20の圧縮ガスが噴気管54、噴気ノズル60を介して作動チャンバー69に輸送される。各作動チャンバー69では、噴気ノズル60から噴入されたガスがインペラ本体74を駆動して回転させ、且つ作動チャンバー69内に圧縮されて一時的に収容される。噴気アウトレット64に移動すると、作動チャンバー69内に一時的に収容されている圧縮ガスが膨張して噴気アウトレット64から高速に噴出され、噴出による反作用力で再度にインペラ本体74が駆動されて回転するようになる。インペラ本体74が回転すると、主動力出力軸120も回転して動力駆動車両の伝動系11を駆動する。
【0110】
各作動チャンバー69では、噴気ノズル60が噴入したガスが取り入れられてから噴気アウトレット64がガスを排気するまでの期間に、取り入れられたガスが作動チャンバー69内に圧縮されて一時的に収容される。噴出時の反作用力を増大させて動力駆動車両に対してより大きな動力を提供することができるからである。作動チャンバー69がハウジングの内表面により密封されるため、圧縮ガスが作動チャンバー69内に圧縮されて一時的に収容されやすくなる。なお、圧縮ガスエンジンにインプットされた圧縮ガスが凝結することを防止するために、噴気ノズル座71に噴気ノズル60を加熱するための第一ヒーター77を設けることができる。第一ヒーター77が噴気ノズル座71内に嵌入した電熱線であってもいい。図18に示すように、噴気ノズル60が噴気ノズル本体617を含む。噴気ノズル本体617が軸方向に貫通するキャビティー618を備える。噴気ノズル本体617に第二ヒーター615が設けられ、第二ヒーター615が上記噴気ノズル本体617に巻き付けられた電熱線である。噴気ノズル本体には、更に断熱層616が設けられる。この断熱層616と噴気ノズル本体617との間に上記第二ヒーター615が位置する。第一、第二ヒーターは電気ヒーター、マイクロ波ヒーター及び太陽熱ヒーターから選択される。
【0111】
動力駆動車両が更に第一モータ53を含む。第一モータ53がベルト伝動機構5を介して圧縮ガスエンジン4の主動力出力軸120と動力的に接続される。ベルト伝動機構51がプーリ511及びそのプーリ511に巻き付けるベルト512を含む。
【0112】
図6〜図8に示すように、動力駆動車両が更に圧縮ガス再利用システムを含む。この圧縮ガス再利用システムが、圧縮ガスエンジンの一次排気口65と風抵抗エンジンのインペラチャンバー43、43′とを連通するためのものである。圧縮ガス再利用システムが、一次排気管57、二次サイレンサーチャンバー59及び二次排気管58を含む。一次排気管57のインレットが対応する一次排気口65と連通する。一次排気管57のアウトレットが二次サイレンサーチャンバー59に集合される。二次サイレンサーチャンバー59が二次排気管58のインレットと連通する。二次排気管58のアウトレットが第一インペラチャンバー43及び第二インペラチャンバー43′の両方と連通する。圧縮ガスエンジンの噴出口64から高速で噴出されたガスが、順次に一次サイレンサーチャンバー63、一次排気口65を介して一次排気管57に入り、二次サイレンサーチャンバー59で消音処理されてから二次排気管58に入り、最後、第一、第二インペラチャンバー43、43′に入り、これにより第一、第二インペラを駆動して回転させる。このようにして圧縮ガスを再利用することにより、エネルギーを有効に節約でき、動力駆動車両の駆動力をさらに向上させることができる。
【0113】
図6、図11〜図14に示すように、動力駆動車両が更に動力駆動車両緩衝システムを含む。この動力駆動車両緩衝システムが動力駆動車両作動エネルギー再利用システム19、緩衝器及び調圧弁を含む。緩衝器が、ロッカー・アーム18、車体サポートフレーム122に固定的に連結されるする上ばね座97、下ばね座121及び緩衝ばね96を含む。このロッカー・アーム18の一端がロッカー・アーム軸85を介して車体サポートフレーム122に回転自在に装着され、このロッカー・アーム18のもう一端が車輪軸123に回転自在に連結されるとともに下ばね座121に固定される。緩衝ばね96が上ばね座97と下ばね座121との間に固定される。動力駆動車両作動エネルギー再利用システムが、シリンダー本体89、ピストン93及び連結棒87を含む。ピストン93がシリンダー本体89のインナーキャビティーに位置してシリンダー本体89のインナーキャビティーを第一作動室128及び第二作動室92に仕切り、ピストン93がシリンダー本体89の内壁に摺動自在に密接する。上記連結棒87の一端が、動力駆動車両の車輪が上下に揺れる時の振動・衝撃力を取り入れる外力受け入れ部であり、上記連結棒87のもう一端が、第一作動室128に入って上記ピストン93に連結され、ピストン93が往復作動するように駆動するための動力付与部である。上記シリンダー本体89には、第一作動室128と連通する換気孔88が設けられ、さらに、第二作動室92と連通するための吸気孔110及び排気孔95が設けられる。上記吸気孔110には、第二作動室92内に空気を吸入するための第一チェックバルブ171が設けられる。上記排気孔95が、ピストン93が往復作動する時に生じた圧縮ガスをアウトプットするために用いられる。
【0114】
第一チェックバルブ171が片持ちばりのように吸気孔110に設けられたばね板である。図13に示すように、ピストン93が下へ移動して第二作動室92にガスが吸気されると、このばね板が下へ湾曲し、吸気孔110がオープンされるようになる。また、図14に示すように、ピストンが上へ移動して第二作動室92において空気が圧縮されると、シリンダー本体89のリミットサーフェス(limiting surface)170により、このばね板が上へ湾曲できなく、吸気孔110が密封されるようになる。
【0115】
シリンダー本体89の上端が連結軸94を介して上ばね座97に連結され、ピストン93がこのシリンダー本体89に摺動自在に密接し、連結棒87の上端が上側連結棒軸90を介してピストン93に回転自在に連結される。連結棒87の下端が下側連結棒軸86を介して下ばね座121に回転自在に連結される。
【0116】
調圧弁が、弁体99、この弁体99の内部に設けられたチェックバルブ104、調圧ばね102、調圧ネジ101、調圧締付ネジ100を含む。この弁体の内部に給気パイプライン103が備えられている。排気孔95には、排気導管105を介して給気パイプライン103が接続される。チェックバルブ104がこの給気パイプライン103と排気導管105との接続部に設けられる。圧力が設定値に達しない時、チェックバルブ104がこの接続部を塞ぐことで、排気導管105内のガスが給気パイプラインに入ることができない。調圧ばね102の一端がチェックバルブ104に当接し、調圧ばね102のもう一端が調圧ネジ101に当接し、調圧ネジ101が調圧締付ネジ100により押し付けられる。調圧ネジを回すことにより、調圧ばねの圧縮変形量を調節でき、さらに、給気パイプラインに入ったガスの圧力を調節する目的を達成することができる。動力駆動車両が走行中で振動すると、連結棒87が作動し、そしてピストン93がシリンダー本体89内において作動し、第二作動室92の体積が小さくなるため、その中の空気が圧縮される。圧縮されたガスが調圧弁の設定圧力値に達すると、ガスがパイプラインを介して圧縮ガス容器21に輸送される。
【0117】
図15に、動力駆動車両緩衝システムの第二の実施形態が示される。図15に示すように、動力駆動車両緩衝システムは、動力駆動車両作動エネルギー再利用システム、緩衝器及び調圧弁を含む。緩衝器が、ロッカー・アーム18、上ばね座97、下ばね座121及び緩衝ばね96を含む。このロッカー・アーム18は、その中央部においてロッカー・アーム軸85を介して車体サポートフレーム122にヒンジで連結される。ロッカー・アーム18の一端が車輪123に連結される。上ばね座97が車体サポートフレーム122に固定される。下ばね座121が車輪軸1231に摺動自在に支持される。緩衝ばね96が上ばね座97と下ばね座121との間に固定される。動力駆動車両作動エネルギー再利用システムがシリンダー本体89、ピストン93及び連結棒87を含む。シリンダー本体89が連結軸94を介して車体サポートフレーム122にヒンジで連結される。連結棒87の一端が下側連結棒軸86を介してロッカー・アーム18のもう一端にヒンジで連結される。連結棒87のもう一端が上側連結棒軸90を介してピストン93にヒンジで連結される。それ以外、本実施形態の動力駆動車両作動エネルギー再利用システムの他の構成は以上で説明した構成と同じである。
【0118】
図19に、本発明の動力駆動車両の第二の実施形態が示される。本実施形態は、第一の実施形態との違いとして主に、第一、第二風抵抗エンジン3、3′が横置きエンジンであり、第一、第二インペラ軸45、45′が水平的に取付けられ、主動力出力軸120に垂直する。第一の実施形態では、図8に示すように、第一、第二風抵抗エンジン3、3′が縦置きエンジンであり、第一、第二インペラ軸45、45′が垂直に取付けられる。第二の実施形態では、第一、第二風抵抗エンジンの第一、第二インペラ軸から出力された動力が第一回の方向変換で同軸出力に変換されたが、同軸出力された回転方向が伝動系に必要な回転方向に互いに垂直であるため、直接に伝動系に出力することができない。第一、第二風抵抗エンジンの出力した動力は、第二転向装置において伝動系と一致する回転方向に変換されなければならない。
【0119】
図20に、本発明の動力駆動車両の第三の実施形態が示される。本実施形態は第一の実施形態との違いとして主に、第一、第二風抵抗エンジン3、3′の両方に共通の補助動力出力軸130と、圧縮ガスエンジン4の主動力出力軸120との間に第二クラッチ装置111が設けられており、この第二クラッチ装置111により、風抵抗エンジンと圧縮ガスエンジンとの動力接続/遮断を実現することができる。
【0120】
図21及び図22に、本発明の動力駆動車両の第四の実施形態が示される。本実施形態の動力駆動車両は電気駆動を主駆動として、風抵抗エンジン3による駆動を補助駆動とする。動力駆動車両は、第一蓄電池115、第一発電機180、モータ108、第二蓄電池181、変速器112、カルダン式動力伝達装置113、ドライブアクスル114及び前、後車輪123を含む。第一蓄電池115及び第二蓄電池129を直列接続してなる蓄電池はモータ108に接続され、第一発電機180において減速するように車輪を制動する時に発生した制動エネルギーを取り入れて電力に変換し、生成した電力が蓄電池に蓄えられる。モータ108が主動力出力軸120を備え、この主動力出力軸120が第一クラッチ装置56を介して変速器112に連結され、変速器112、カルダン式動力伝達装置113、ドライブアクスル114及び車輪123が順次に動力的に接続される。風抵抗エンジン3は以上に説明した各手段を備え、その動力が二回の方向変換を経て補助動力出力軸130に出力される。主動力出力軸120と補助動力出力軸130との間に第二クラッチ装置111が設けられている。動力駆動車両は、更に加熱空調器及びヒーターを含んでもいい。この加熱空調器が液体加熱室118及びコイル124を備え、液体加熱室118及びコイル124によって加熱循環ループが形成される。この加熱循環ループに循環ポンプ31及び循環ポンプスイッチ32が配置されている。ヒーターは液体を加熱するためのものであり、液体加熱室118に設けられる。ヒーターは電気ヒーター34、マイクロ波ヒーター35、太陽熱ヒーター33を含む。太陽熱ヒーター33が太陽熱を収集するための集熱板28を含む。加熱空調器はコイル124によって外気と熱交換することにより加熱を行う。マイクロ波ヒーター35及び電気ヒーター34が動力駆動車両の電源により給電される。なお、本実施形態の動力駆動車両はベルト伝動機構9と発電機セット116とが含まれる慣性力再利用システムを更に備える。ベルト伝動機構9が動力駆動車両の伝動軸に動力的に接続される。動力駆動車両が惰性で走行しているときに、伝動軸の動力がベルト伝動機構により発電機セット116に伝達され、発電機セットの電力が蓄電池に出力される。このようにして慣性力の再利用を実現することができる。
【0121】
図23に本発明の動力駆動車両の第五の実施形態が示される。本実施形態は第四の実施形態との違いとして主に、風抵抗エンジンが縦置きエンジンであり、即ち、第一、第二インペラ軸45、45′が垂直に取付けられ、そして、異なった平面にある主動力出力軸に垂直する。第一、第二インペラ軸45、45′の出力した動力が二回の方向変換を経て伝動系と一致する回転方向に変換される。
【0122】
図24〜図27に示すように、動力駆動車両の分配器30と圧縮ガス容器20との間に、制御弁300及び制御器400を含む減圧弁40が設けられている。制御弁300が第一弁座301、第一バルブプラグ302及び弾力装置303を含む。第一弁座301がキャビティー304を備え、第一バルブプラグ302がこのキャビティー304内に位置するとともに、この第一弁座301に摺動自在に密接し、第一バルブプラグ302がこのキャビティー304内に位置するとともに、このキャビティー304を第一チャンバー305及び第二チャンバー306に仕切る。制御弁300は、更に、第一ガスパイプライン307、第二ガスパイプライン308、第三ガスパイプライン309及び第四ガスパイプライン310を含む。第一ガスパイプライン307が圧縮ガス容器20からインプットした圧縮ガスを取り入れ、第二ガスパイプライン308の一端が第一ガスパイプライン307と連通し、第二ガスパイプライン308のもう一端が第二チャンバー306と連通し、第三ガスパイプライン309の一端が第二チャンバー306と連通し、第三ガスパイプライン309のもう一端が第一チャンバー305と連通し、第一チャンバー305が第四ガスパイプライン310を介して分配器30に接続される。第一ガスパイプライン307の断面積が第二ガスパイプライン308の断面積と第三ガスパイプライン309の断面積より大きくなる。第二ガスパイプライン308の断面積が第三ガスパイプライン309の断面積より小さくなる。第一バルブプラグ302が第一弁座301に対して密封位置及び開放位置を有する。密封位置にある時、第一バルブプラグ302が第一ガスパイプライン307と第一チャンバー305との接続部を塞ぐことで、第一ガスパイプライン307と第一チャンバー305とが互いに連通しなくなる。開放位置にある時、第一バルブプラグ302が第一ガスパイプライン307と第一チャンバー305との接続部から離れることで、第一ガスパイプライン307と第一チャンバー305とが連通するようになる。
【0123】
第一バルブプラグ302は、柱状の本体部311と、針状の頭部が形成され、柱状本体部311よりも直径が小さくなる密封部312とを含む。この本体部311は、その外周面に装着された弾性の第一密封リング316を介して第一弁座301に摺動自在に嵌め合いされている。この本体部311が軸方向に貫通するインナーキャビティー317を備え、この密封部312がこのインナーキャビティー317に位置しこの本体部311に対して直線的移動が可能であり、且つこの密封部312が第一チャンバー305に入っている。弾力装置303は、第一弾性体313及び第二弾性体314を含み、第一弾性体313がこのインナーキャビティー317内に位置し、第一弾性体313の両端がそれぞれ密封部312及び位置決めブロック315に当接し、第二弾性体314が第二チャンバー306内に位置し、第二弾性体314の両端がそれぞれ第一弁座301の底部301A及び位置決めブロック315に固定され、この位置決めブロック315がこのインナーキャビティー317の底部に螺合固定される。本体部311の頂部の端面に弾性の第二密封リング318を固定している。
【0124】
制御器40は、第三ガスパイプライン309に設けられ、第三ガスパイプライン309における流量を制御するためのものである。ここで、流量を制御するのは、流量有り状態と流量無し状態との間の変化を制御し、あるいは、大流量と小流量との間の変化を制御することを意味する。制御器400は、第二本体部404とこの第二本体部404の先端に位置する錐状体405とが含まれる第二バルブプラグ402と、ガス流路406が含まれる第二弁座401とを備える。このガス流路406の吸気口407及び排気口408が第三ガスパイプライン309に接続される。また、このガス流路406には、上記錐状体に合致する錐状の制御チャンバー410が設けられる。第二本体部404がこの制御チャンバー410に螺合される。ねじにより錐状体と制御チャンバーとの間の第二間隙403の大きさを調整することで、第三ガスパイプラインにおけるガスの流量を制御することができる。勿論、制御器は他の従来のガス流量制御装置であってもよい。第二バルブプラグ402が伝動機構の出力端に接続され、伝動機構の入力端に動力駆動車両の制御スイッチが接続される。伝動機構500は動力的に接続される第一伝動機構501と第二伝動機構502とを含む。第一伝動機構501は上記制御スイッチと第二伝動機構502と接続させる。第二伝動機構502は例えばベルト伝動機構であり、駆動プーリ503と、この駆動プーリ503よりも直径が小さくなる従動プーリ504とを含む。ベルト505が駆動プーリ503と従動プーリ504に張設される。制御スイッチが操作されると、第一伝動機構501が作動し、駆動プーリ503がそれにより回転するようになり、さらに、ベルト505により従動プーリ504を回転させる。従動プーリ504の回転に応じて、第二バルブプラグ402が回転するため、第二バルブプラグ402が第二弁座401に対して締めたり緩めたりされるようになる。即ち、第一バルブプラグと第一弁座との間の第二間隙403の大きさを変更することにより、第三ガスパイプラインにおける流量を調整することができる。第二間隙403が0になると、制御器400がオフされ、第三ガスパイプライン309が遮断される。
【0125】
圧縮ガスが減圧弁に入っていない状態において、第一弾性体313及び第二弾性体314の弾力により、密封部312の頭部が第一ガスパイプライン307と第一チャンバー305との接続部を塞ぎ、この時に、第二密封リング318と第一弁座301の頂部301Bとの間に間隙がある(又は、第二密封リング318がこの頂部301Bに接触している)。圧縮ガスがこの減圧弁に入ると、圧縮ガスが第一ガスパイプライン307及び第二ガスパイプライン308を経由して第二チャンバー306内に充気される。充気の過程において、制御スイッチ7がオフされている場合に、第二チャンバー306内の気圧により第一バルブプラグ302が引き続き頂部301Bへ移動し、第二密封リング318がこの頂部301Bに当接する(又は、第二密封リング318が弾性変形後に頂部301Bに押し付けられる)まで、密封部の頭部が安定的に上記接続部を塞ぐ(密封部312の外周面320が第一ガスパイプライン307の内壁321に密着する)ようにする。制御スイッチ7がオンされると、第二バルブプラグ402が緩められ、第三ガスパイプライン309が導通し、第二チャンバー306内のガスが第三ガスパイプライン309を経由して第一チャンバー305へアウトプットされるため、第二チャンバー306内の気圧が低下する。すると、第一バルブプラグの密封部が圧縮ガスの気圧により上記接続部から離れ、圧縮ガスが第一チャンバー305及び第四ガスパイプライン310を経由して分配器30に入る。圧縮ガスが第一チャンバーを介して第四ガスパイプラインに入る際に、第一バルブプラグ302が全体として第一弁座の底部301Aへ移動する。第一バルブプラグ302に作用する力が平衡すると、本体部311と密封部312が互いに平衡状態の位置にあり、密封部の外周面320と第一ガスパイプラインの内壁321との間に圧縮ガスが通過するための第一間隙319が形成される。圧縮ガス容器からの給気が停止されると、第一バルブプラグの密封部が第一弾性体及び第二弾性体により第一ガスパイプラインと第一チャンバーとの接続部を塞ぎ、密封部が第一ガスパイプラインの内壁に密着するようになる。
【0126】
制御器の操作により、第三ガスパイプラインにおけるガスの流量や気圧を変更することができ、密封部が上又は下へ移動し、第一ガスパイプライン内壁と密封部の外周面との間の第一間隙が変更され、そして、第四ガスパイプラインにおけるガスの流量や気圧への調節が実現できるため、操作が容易になる。
【0127】
第一弾性体及び第二弾性体は、例えば伸縮可能なばねとされているが、弾性スリーブ、弾性板又は他の第一バルブプラグの摺動方向に伸縮変形又は弾性変形可能な部品であってもよい。
【0128】
減圧弁を設けることにより、圧縮ガス容器における圧縮ガスを調圧して分配器にアウトプットすることができる。第二弾性体313は、減圧弁がオフされている状態で第一バルブプラグ302と第一弁座301間の剛性衝撃力を効果的に低減する緩衝の役割を果たすとともに、密封部の第一ガスパイプラインへの密封性を向上することができる。第二ガスパイプライン308の断面積が第三ガスパイプライン309の断面積よりも小さくなるため、流量制御弁の全てのガス流路への制御を行うことができるとともに、流量を増幅する役割を果たし、制御の精度を向上することができる。
【0129】
分配器が二つの場合は、当該二つの分配器に対応する二つの上記減圧弁が同一の制御スイッチにより制御される。ここで、図27に示すように、第二伝動機構は、二つの減圧弁の第二バルブプラグをそれぞれ駆動する二つの従動プーリを備える。勿論、ガス分配器にインプットされた圧縮ガスの流量や気圧に対して多段制御を行う二つ以上の直列連結した減圧弁を備えてもよい。
【0130】
なお、図24及び図27に示すように、上記減圧弁40が全体として熱交換媒体600に設置されていてもよい。この場合は、この熱交換媒体が減圧弁内のガスと熱交換を行うことで、このガスが加熱されてから分配器によりアウトプットされる。熱交換媒体600は、冷却空調器のクーラー5の循環媒体として、減圧弁内のガスと熱交換して冷却され、冷却された熱交換媒体がクーラー内で循環し、外気温度を下げる役割を果たす。この熱交換媒体は、例えば、揮発されにくい、冷却効果のよい防腐性の冷却液である。冷却液が容器506に格納され、減圧弁がこの冷却液内に浸り、そして、容器506と第三クーラー507と第三循環ポンプ508が互いに連通し、冷却液を媒体として循環冷却システムを構成している。この循環冷却システムにおいて、第三クーラー507と外気との熱交換により、外気を冷却させる役割を果たす。ガスが調圧弁からアウトプットパイプライン513を経由して分配器30にアウトプットされる。このアウトプットパイプライン513には、例えば、電気ヒーター、マイクロ波ヒーター、太陽熱ヒーターなどの加熱装置514が設けられてもよい。加熱装置514が第三放熱器509及び第四循環ポンプ510と互いに連通して循環散熱システムを構成しており、第三放熱器509と外気との熱交換により、環境温度を高める役割を果たす。
【0131】
図28〜図31は、動力駆動車両の風抵抗エンジンの他の実施形態を示す。風抵抗エンジン3は、ハウジング801と、このハウジング801に囲まれるインペラチャンバー802と、補助動力出力軸130と、複数組のインペラ804とを備える。各組のインペラ804は複数のインペラを含む。各インペラは上記補助動力出力軸130に固定されるとともに互いにずらして設置されている。上記インペラチャンバー802には、動力駆動車両の走行時に生じた前方からの抵抗流体を取り入れるための吸気口805が形成されている。この吸気口805が外側から内側へ小さくなるラッパ口のような形状とされている。各組のインペラ804はこの吸気口805内に位置し、且つ、外側から内側へ直径が順次に小さくなる。補助動力出力軸130が圧縮ガスエンジン4の主動力出力軸120と同一の軸線を持ち、且つ、主動力出力軸120と補助動力出力軸130との間に第三クラッチ装置150が設けられている。なお、上記インペラチャンバーは一つの第一排気口806と、対称的に設置される二つの第二排気口807とを備える。第一排気口806が、インペラ804の後側でハウジング801の側部に開口される。吸気口805が補助動力出力軸130と同一の軸線を持つ。第一排気口806の軸線と補助動力出力軸130の軸線とが角度をなす。第二排気口807が、インペラ804の後側でハウジング801の端部に開口される。第二排気口807の軸線と補助動力出力軸130の軸線とが角度をなす。圧縮ガスエンジンの構成は前記の通りである。
【0132】
起動時に、第三クラッチ装置150が切られ、主動力出力軸120が補助動力出力軸130から分離される。圧縮ガスエンジン4は、風抵抗エンジン3のインペラを駆動する必要がなく、直接に動力駆動車両の伝動系を駆動するため、有効に起動時の負荷を低減することができる。走行時に、第三クラッチ装置が入れられ、主動力出力軸120が補助動力出力軸130と動力的に接続される。各組のインペラが抵抗流体により駆動されて回転し、それに応じて補助動力出力軸130が回転するようになる。補助動力出力軸130の動力が主動力出力軸120を介して動力駆動車両の伝動系に伝達される。
【0133】
補助動力出力軸120が主動力出力軸130と同一の軸線であるため、補助動力出力軸の動力は方向変換して出力する必要がなくなる。したがって、構成を簡素化し、動力伝達の経路を短縮し、エネルギーの消耗を低減することが出来る。複数組のインペラ804を採用しているため、動力駆動車両の前方からの抵抗流体をより有効に利用できる。
【0134】
本実施形態では、圧縮ガスエンジンを主動力、風抵抗エンジンを補助動力として説明したが、図32に示すように、圧縮ガスエンジンのかわりにモータ108が用いられ、モータの主動力出力軸が補助動力出力軸と動力的に接続される構成であってもよい。
【0135】
圧縮ガス容器と、減圧弁と、熱交換装置とアウトプットパイプラインとを備える圧縮ガス供給システムにおいて、上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して減圧弁に接続され、減圧弁で減圧されてアウトプットされた作動ガスがアウトプットパイプラインにインプットされ、上記熱交換装置が減圧弁を加熱するために用いられる。熱交換装置は冷却液が収容されている容器を備え、上記減圧弁が上記冷却液内に浸されている。圧縮ガス供給システムは更にクーラーと第一循環ポンプとを備え、上記の容器とクーラーと第一循環ポンプが互いに連通し、冷却液を媒体として循環冷却システムを構成し、クーラーにより外気と熱交換する。上記熱交換装置は加熱装置を含み、上記加熱装置が上記アウトプットパイプラインを加熱するために用いられる。更に、上記圧縮ガス供給システムは放熱器と第二循環ポンプとを含み、上記ヒーターとクーラーと第二循環ポンプとが互いに連通しており、循環放熱システムを構成し、放熱器により外気と熱交換する。
【0136】
また、圧縮ガス容器と、減圧弁と、冷却液が収容されている容器とを備える圧縮ガス動力駆動車両冷却システムにおいて、上記圧縮ガス容器の出力がパイプラインを介して減圧弁に接続され、減圧弁で減圧されてアウトプットされた作動ガスがアウトプットパイプラインにインプットされ、上記減圧弁が上記冷却液内に浸されており、上記容器とクーラーと第一循環ポンプが互いに連通し、冷却液を媒体として循環冷却システムを構成しており、クーラーにより外気と熱交換する。上記減圧弁が図2〜図4、図25、図26に示すような減圧弁である。
【0137】
以上は、具体的な実施形態を使って本発明を詳しく説明したが、言うまでもなく、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスエンジンと、風抵抗エンジンと、転向装置と、伝動系と、車輪とを含んでおり、
上記圧縮ガスエンジンは、圧縮ガスにより駆動されて主動力を出力する主動力出力軸を備え、
上記風抵抗エンジンは、動力駆動車両の走行時に前方からの流体の抵抗により駆動されて補助動力を出力するインペラ軸を備え、
上記伝動系は、直接に、上記主動力出力軸から出力された主動力により駆動され、
上記伝動系は、上記転向装置において上記インペラ軸から出力された補助動力を方向変換した動力により駆動され、
上記車輪は、上記伝動系からの出力により駆動されることを特徴とする動力駆動車両。
【請求項2】
上記風抵抗エンジンは、対称的に配置された第一風抵抗エンジンと第二風抵抗エンジンとを含み、
上記転向装置は、
互いに逆の方向に回転する第一風抵抗エンジンのインペラ軸と第二風抵抗エンジンのインペラ軸とから出力された補助動力が補助動力出力軸に伝達されるように方向変換するための第一転向装置と、
上記補助動力出力軸から出力した補助動力が上記伝動系に伝達されるように方向変換するための第二転向装置と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力駆動車両。
【請求項3】
上記第一転向装置は、転向ホイール及びコンベヤベルトを含み、当該転向ホイール及びコンベヤベルトにより、互いに逆の方向に回転する上記第一風抵抗エンジンのインペラ軸と上記第二風抵抗エンジンのインペラ軸から出力された補助動力が上記補助動力出力軸に伝達されるように方向変換することを特徴とする請求項2に記載の動力駆動車両。
【請求項4】
上記第二転向装置は、互いに噛み合う第一伝動かさ歯車及び第二伝動かさ歯車を含み、
上記第一伝動かさ歯車が補助動力出力軸に固定され、
上記第二伝動かさ歯車によって伝動系が駆動されることを特徴とする請求項3に記載の動力駆動車両。
【請求項5】
上記第二伝動かさ歯車が上記主動力出力軸に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の動力駆動車両。
【請求項6】
上記第二転向装置がカルダン軸であることを特徴とする請求項2又は3に記載の動力駆動車両。
【請求項7】
上記補助動力出力軸の出力に接続された第一クラッチ装置を備えていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の動力駆動車両。
【請求項8】
上記第一クラッチ装置の出力に上記主動力出力軸の入力が接続され、
上記主動力出力軸の出力と伝動系との間には第二クラッチ装置が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の動力駆動車両。
【請求項9】
上記主動力出力軸の出力と伝動系との間には第二クラッチ装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の動力駆動車両。
【請求項10】
上記圧縮ガスエンジンは、更に、ハウジングと、上記主動力出力軸に固定されるとともに上記ハウジング内に位置するインペラ本体とを備え、
上記ハウジングには、上記インペラ本体にガスを噴入するための噴気インレットが設けられており、
上記インペラ本体における、ハウジングの内表面に密接する円周面には、複数の作動チャンバーが設けられており、
圧縮ガスが上記噴気インレットから上記作動チャンバーに噴入すると上記インペラ本体が回転し、噴入した圧縮ガスが一時的に上記作動チャンバーに格納されるように、上記作動チャンバーが上記ハウジングの内表面によって密封されており、
上記ハウジングには、更に、インペラ本体がさらに回転するように作動チャンバー内に一時的に格納されている圧縮ガスを膨張させて外部へ噴出するための噴気アウトレットが設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の動力駆動車両。
【請求項11】
複数の作動チャンバーが上記主動力出力軸の軸線回りに同一の円周上に均一に分布していることを特徴とする請求項10に記載の動力駆動車両。
【請求項12】
上記噴気インレットと噴気アウトレットとが同一の円周上に交互に分布していることを特徴とする請求項10に記載の動力駆動車両。
【請求項13】
上記ハウジングには、更に、上記噴気アウトレットに連通し、ハウジングに設けられた一次排気口を介してハウジングの外部に連通するサイレンサーチャンバーが設けられていることを特徴とする請求項10に記載の動力駆動車両。
【請求項14】
上記サイレンサーチャンバーは連続した一つのまたは断続した複数のサイレンサーグルーブであることを特徴とする請求項13に記載の動力駆動車両。
【請求項15】
上記サイレンサーチャンバーは、ハウジングにおいて同一の円周上に均一に分布している、断続した複数のサイレンサーグルーブであることを特徴とする請求項14に記載の動力駆動車両。
【請求項16】
作動チャンバーは、主動力出力軸の軸線に直交する断面において、首尾接続された三本の曲線からなる三角形の形状を構成することを特徴とする請求項10に記載の動力駆動車両。
【請求項17】
複数の上記作動チャンバーは互いに同じ形状の断面を有し、各作動チャンバーに対応する複数の頂点が、主動力出力軸の軸線を中心にする同一の円周上に位置することを特徴とする請求項16に記載の動力駆動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2012−525526(P2012−525526A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507598(P2012−507598)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/CN2010/072407
【国際公開番号】WO2010/124660
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511262843)
【氏名又は名称原語表記】CONG,Yang
【住所又は居所原語表記】Flat 30C,Block B,Qing Tian Hua Ting,Shang Bao Lu,Fu Tian District,Shenzhen,Guangdong 518034,China
【Fターム(参考)】