説明

包装体製造方法及び包装体

【課題】シールされた端部での密封性がより高められた包装体を製造する包装体製造方法を提供する。
【解決手段】筒状フィルムに内容物を充填する充填工程St3と、内容物が充填された筒状フィルムに対して、筒状フィルムの長手方向に所定間隔毎の内容物の不在部を扁平に形成するしごき工程St4と、不在部を、扁平な面を横断する方向に集束する集束工程St5と、横断する方向に長尺なテープ部材であり、且つ長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材を、集束された不在部もしくは集束される不在部を挟むように配置し、不在部に重ねるテープ部材供給工程St6と、テープ部材が重ねられた不在部を横断する方向に、テープ部材と共にシールをし、不在部にシールされたシール部位を形成する第1のシール工程St7とを備える包装体製造方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体製造方法及び包装体に関するものであり、特にシールされた部分の耐圧強度が補強された包装体についての包装体製造方法及び包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ソーセージやスティックチーズ等の内容物が充填された筒状フィルムを密封し個々の包装体を得る場合の密封手段として、筒状フィルムの端部を金属製のワイヤクリップで結紮、する方法、すなわち所定長さの直線状のワイヤーを金型を用いて丸く潰す方法が知られている。ところが、金属製のワイヤクリップで結紮する方法では、充填物に混入しては困る金属の異物の有無を知る製品検査において、金属探知機が金属製のワイヤクリップを探知する不便がある。また、ワイヤクリップによる結紮だけでは集束されて折り畳まれたフィルムの間を汚れた空気が貫通するため、筒状フィルムの不在部をシールしてから集束したり、筒状フィルムを集束してから端部をシールしたりする方法が行われるようになってきた。かかるシール方法においては、シールされた部分あるいはその近傍で、集束に負う強制的な折り曲げや、押圧加熱によりシールされる部分のフィルムの厚さが減り、微細な孔(以下、ピンホールともいう。)が生じることがある。そのため次のような方策が試みられている。
(1)シールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うために、補強テープを集束部分の外側に相対する2方向から添える技術は、本発明の出願人が既に特許文献3及び特許文献4として出願しているものである。しかしながら、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であるため、この凹凸表面と補強テープとの均一な密着が得られないことがあり、厚さを補う効果はあるものの、ピンホールを抑える効果が小さいこともあった。
(2)シールされる部分の筒状フィルムの厚さを補い且つ筒状フィルムの端部の密封性をより高めるために、1枚の補強テープを用いて、集束部分の外側に添える技術は、本発明の出願人が既に特許文献1として出願しているものである。しかしながら、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であるため、この凹凸表面と補強テープとの均一な密着が得られないことがあり、厚さを補い且つ密着性を高める効果はあるものの、ピンホールを抑える効果が小さいこともあった。
(3)シールされる部分の筒状フィルムの厚さを補い且つ筒状フィルムの端部の密封性をより高めるために、2枚の補強テープを用いて、集束部分の外側に添える技術は、本発明の出願人が既に特許文献2として出願しているものである。しかしながら、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であるため、この凹凸表面と補強テープとの均一な密着が得られないことがあり、厚さを補い且つ密着性を高める効果はあるものの、ピンホールを抑える効果が小さいこともあった。
(4)シールされる部分の筒状フィルムの厚さを補い且つ筒状フィルムの端部の密封性をより高めるために、補強テープを用いて、集束部分の外側にU字状に添える技術は、本発明の出願人が既に特許文献5として出願しているものである。しかしながら、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であるため、この凹凸表面と補強テープとの均一な密着が得られないことがあり、より確実な密封性状と厚さを補う効果はあるものの、ピンホールを抑える効果が小さいこともあった。
【0003】
【特許文献1】特開2006−69647号公報
【特許文献2】特開2006−69648号公報
【特許文献3】特開2005−231639号公報
【特許文献4】特許第2516885号公報
【特許文献5】特開2005−343541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シールされる部分の筒状フィルムの厚さを補い且つ密封性状を目指す手段により製造される包装体では、集束部に補強テープを添えて装着し、集束部と補強テープを単に添えるだけでは、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であるため、この凹凸面と補強テープとの均一な密着が得られないことがあり、ピンホールを抑える効果が小さいこともあり、包装体の密封が充分でないことが永らくあった。
【0005】
そこで、本発明は、シールされた端部、すなわち集束部での密封性をより高める包装体を製造する包装体製造方法及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の態様としての包装体製造方法は、例えば図1、図3、および図5に示すように、筒状フィルムF1に内容物C1を充填する充填工程(St3)と;内容物C1が充填された筒状フィルムF1に対して、筒状フィルムF1の長手方向に所定間隔毎の内容物の不在部15bを扁平に形成するしごき工程(St4)と;不在部15bを、扁平な面を横断する方向に集束する集束工程(St5)と;前記横断する方向に長尺なテープ部材120であり、且つ長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材120を、前記集束された不在部15bもしくは前記集束される不在部15bを挟むように配置し、不在部15bに重ねるテープ部材供給工程(St6)と;テープ部材120が重ねられた不在部15bを前記横断する方向に、テープ部材120と共にシールをし、不在部15bにシールされたシール部位121を形成する第1のシール工程(St7)とを備える。
【0007】
このように構成すると、筒状フィルムの集束された不在部もしくは集束される不在部が重ねられたテープ部材(tape member)と共にシールされ、テープ部材により挟まれシール部位が形成されたシール部分を不在部に有する包装体が製造される。
包装体の不在部がテープ部材により挟まれ、テープ部材がシールにより袋状に形成されることにより、内容物の圧力を受けても、テープ部材で不在部の変形が抑えられるので密封性が高く、且つ不在部にピンホールの生じ難い包装体となる。また、長手方向の熱収縮性が幅方向の熱収縮性よりも大きなテープ部材を用いたので、包装体の不在部にピンホールが形成されにくい包装体を製造することができる。
長尺とは、長手方向に細長いことをいう。ここでは、不在部の扁平な面を横断する方向に細長いことをいう。テープ部材とは、長手方向の長さと幅の比が1よりはるかに大きく形成されているテープ部材、および長手方向の長さと幅の比が1より大きいが、1に近い(例えば、2、3程度の)部材を含むものをいう。
【0008】
また、本発明に係る第2の態様としての包装体製造方法は、例えば図1、図3および図5に示すように、第1の態様としての包装体製造方法において、テープ部材供給工程(St6)が、1枚のテープ部材120を、集束された不在部15bを囲って挟むように配置するものである。
【0009】
このように構成すると、包装体の不在部が1枚の長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材(tape member)により囲って挟まれ、テープ部材がシールにより袋状に形成されることにより、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ部材の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うので、密封性があり且つ不在部にピンホールの生じ難い包装体となる。
【0010】
また、本発明に係る第3の態様としての包装体製造方法は、例えば、図1、図3および図5に示すように、第1の態様としての包装体製造方法において、テープ部材供給工程(St6)が、2枚のテープ部材120を、集束された不在15b部を挟むように配置するものである。
【0011】
このように構成すると、包装体の不在部が2枚の長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材(tape member)により挟まれ、テープ部材がシールにより袋状に形成されることにより、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であってもこの凹凸表面とテープ部材の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うので、密封性があり且つ不在部にピンホールの生じ難い包装体となる。
【0012】
本発明に係る第4の態様としての包装体製造方法は、例えば図1、図3、および図5に示すように、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様としての包装体製造方法において;筒状フィルムF1を切断する切断工程(St9)を備え;シール部位121は、前記横断する方向に細長い帯状の溶着部分129−1、129−2と、溶着部分129−1、129−2に挟まれた切断するための未溶着部分128とを含み;切断工程(St9)は、未溶着部分128で筒状フィルムF1を切断する。
【0013】
このように構成すると、筒状フィルムが未溶着部分で切断がされるので、包装体の切断箇所に柔らかい部分が形成され、包装体の切断箇所が他の包装体を傷つける可能性が軽減される。
【0014】
また、本発明に係る第5の態様としての包装体製造方法は、例えば図3、図5、または図8、図11に示すように、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様としての包装体製造方法において、重ねられたテープ部材120、220が冠状態もしくは閉じた環状態となるように、前記横断する方向と交差する方向にシールする第2のシール工程(St8、St18a、St18b)を備える。
典型的には、第2のシール工程は、重ねたテープ部材が冠状態もしくは閉じた環状態となるように、横断する方向に直角に縦断する方向にシールする。
【0015】
このように構成すると、重ねられたテープ部材(tape member)が、冠状態もしくは閉じた環状態となるようにシールするので、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であってもこの凹凸表面とテープ部材の表面との均一な密着が得られ且つシールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体となる。
【0016】
また、本発明に係る第6の態様としての包装体製造方法は、第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様としての包装体製造方法において、前記テープ部材の長手方向の熱収縮率(MD)が10%から35%である。
このように構成すると、テープ部材(tape member)の長手方向の熱収縮率が10%から35%であるので、包装体の集束された端部にピンホールがより形成されにくい包装体を製造することができる。
【0017】
前記目的を達成するため、本発明に係る第7の態様としての包装体110は、例えば図1、図3、および図6に示すように、内容物C1が充填され、端部116が集束された筒状フィルムF1と;充填された内容物C1と;端部116を包み、端部116おいて筒状フィルムF1に溶着され、且つ端部116をシールするテープ部材120であり、且つ長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材120とを備える。
【0018】
このように構成すると、テープ部材(tape member)により端部が挟まれ、テープ部材が端部において筒状フィルムに溶着され端部をシールし、テープ部材によりシールされる端部が、テープ部材により袋状に囲まれた包装体となる。この包装体の集束された端部において、長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材により袋状に囲まれることにより、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ部材の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体となる。
【0019】
また、本発明に係る第8の態様としての包装体は、第7の態様としての包装体において、前記テープ部材の長手方向の熱収縮率(MD)が10%から35%である。
このように構成すると、テープ部材(tape member)の長手方向の熱収縮率が10%から35%であるので、包装体の集束された端部にピンホールがより形成されにくい包装体とすることができる。
【0020】
また、本発明に係る第9の態様としての包装体は、第7の態様または第8の態様としての包装体において、前記テープ部材が、前記端部のシールの後に加熱処理される。
このように構成すると、テープ部材(tape member)が、包装体の集束された端部のシールの後に加熱処理されるので、長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材が、集束された端部により強く密着するため、密封性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本第1の発明によれば、筒状フィルムの集束された不在部もしくは集束される不在部がテープ部材と共にシールされ、シールされた不在部に、テープ部材により挟まれたシール部分が形成された包装体が製造される。この包装体の集束された端部がテープ部材により挟まれ、テープ部材がシールにより袋状に形成されることにより、内容物の圧力を受けても、テープ部材で端部の変形が抑えられるので密封性が高く、且つ端部にピンホールの生じ難い包装体となる。また、長手方向の熱収縮性が幅方向の熱収縮性よりも大きなテープ部材を用いたので、この包装体の集束された端部にピンホールが形成されにくい包装体を製造することができる。
【0022】
本第2の発明によれば、テープ部材により端部が挟まれ、テープ部材が端部おいて筒状フィルムに溶着され端部をシールし、テープ部材によりシールされる端部が、テープ部材により袋状に囲まれた包装体となる。包装体の集束された端部が長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きなテープ部材により袋状に囲まれることにより、集束された筒状フィルムの表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ部材の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムの厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0024】
図1の構成図を参照して、本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置1について説明する。図1(a)は、包装体製造装置1の全体構成を示す構成図である。図1(b)は、集束装置70の構成を説明する部分斜視図であり、図1(c)は、超音波溶着装置100およびテープ供給装置90の構成を説明する部分斜視図である。
図1(a)の紙面上の上下は実際の鉛直方向の上下に対応し、後述の筒状フィルムF1は図中、上から下に流れるように走行する。すなわち、上が充填包装作業における筒状フィルムF1の走行方向の上流側、下が走行方向の下流側となる。ロール状に巻かれた帯状のフィルムFは、原反21として回転自在に支持されている。原反21から引き出された帯状フィルムFは、ガイドローラ22A、22Bに案内されて走行し、フォーミングプレート11に導かれる。この原反21とガイドローラ22A、22Bにより原反供給装置20が構成されている。帯状フィルムFの材質は、加熱溶着させるため塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましく、他のオレフィン系樹脂でもよい。また、帯状フィルムは単層としても多層としてもよい。
【0025】
フォーミングプレート11は、上下に開口する円筒形状を有している。また、周方向の一箇所で縦方向に延びる円周方向の隙間を持っている。フォーミングプレート11の上端縁は湾曲しつつ傾斜しており、帯状フィルムFは、その内面に沿うように案内されることにより側縁部で重ね合わせ部を持ち連続する筒状フィルムF1に形成される。フォーミングプレート11の下流側である下方には、案内筒12が垂下され、筒状フィルムF1はその筒状の形を保ったまま下流に走行するよう案内される。
【0026】
案内筒12に案内された筒状フィルムF1の重ね合わせ部は、縦シール装置13により、押圧されながら溶着され、縦シールされる。縦シール装置13による溶着手段は超音波溶着が好適であるが、これ以外にも抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いることができる。また、縦シールは、いわゆる合掌貼りシールであってもよいし、封筒貼りシールであってもよい。
【0027】
包装体製造装置1の上部には、縦シールされた筒状フィルムF1に内容物C1を充填するポンプ31とノズル32とを備える充填装置30が設けられている。ノズル32は、フォーミングプレート11の上方に設置されたポンプ31に接続され、先端が案内筒12内へ導入されている。ノズル32の先端は、縦シール装置13より下流側で開口している。なお、ポンプ31は、フォーミングプレート11の上方ではなく、内容物C1を適宜補充し易い他の位置に設置し、配管(不図示)によりノズル32と連接されていてもよい。特に、練状食品のように比較的重量のある内容物C1を充填するときには、地上に設置された容器(不図示)に貯留された練状食品を、ポンプ31によりノズル32の位置に圧送して供給するのがよい。
【0028】
案内筒12及びノズル32の下流側に、送り装置である送りローラ14が設けられている。送りローラ14では、縦シールされた筒状フィルムF1内に内容物C1が充填された筒状体15aを、一対の円柱状の送りローラ14が内容物C1を押圧した状態で筒状フィルムF1を下方へ連続して狭圧しながら搬送する。
【0029】
送りローラ14の下流側には、しごき装置40が設けられている。しごき装置40のしごきローラ41は、図1において紙面に垂直方向に延びる筒状の外面を有し、その直角方向の長さは少なくとも折り幅よりも長いものであり、腕体42により支持されている。なお、「折り幅」とは筒状体15aを扁平にしたときの幅、言い換えれば筒状体15aの円周長の半分の長さをいう。腕体42はその一端42aを中心に揺動可能で、中間部でピン等を介して横部材43が接続されている。一対の横部材43が近接方向に移動すると、一対のしごきローラ41により筒状体15aは狭圧され扁平に形成される。横部材43が離間方向へ後退すると、しごきローラ41は筒状体15aを狭圧することはなくなる。このように、走行する筒状体15aに走行方向で、所定の距離だけ内容物C1の不在部15bを形成する。所定の距離とは、充分なシール機能を有する端部を包装体110に形成するために不在部15bに必要な距離である。しごき装置40は、筒状体15aに内容物C1の不在部15bを扁平に形成できればよく、ローラに限られず、例えば、平らな部材で筒状体15aを両側から押しつぶし、内容物を上下に振り分けるようなものであってもよい。このような押しつぶしも、ここで言う「しごき」の概念に含まれるものとする。
【0030】
しごき装置40の下流側には、超音波溶着装置100が設置される。また、超音波溶着装置100の上下に2組の集束板71a、72a、71b、72bを有する集束装置70が超音波溶着装置100と共に設置される。さらに、筒状体15aとともにシールされ、シールされる部分を補強するテープ部材としてのテープ120(図3(c))をシールされる部分に供給するテープ供給装置90が、筒状体15aの中心軸から見て超音波溶着装置100および集束装置70と直交する方向に設置される。
【0031】
図1(b)の部分斜視図に示すように、集束装置70は、組となった集束板71、72(71a、bをまとめて71と、72a、bをまとめて72という。)がそれぞれ扁平な筒状フィルムF1の幅方向に筒状フィルムF1を挟む。対向した集束板71a(b)、72a(b)は、互いに近接し、次いで離れる往復動をする。この往復動はしごき装置40の往復動とは直交した方向で行われる。すなわち、図1(a)では、集束装置70も紙面上を往復するように描かれているが、実際には紙面に垂直な方向の往復運動をする。集束板71、72には、筒状フィルムF1側の対向縁にV字状の集束溝74a、74b、75a、75b(図3(a))が形成されている。対向する集束板71、72が近接したときには、左右の集束板71、72が重なり、それぞれの集束溝74a、b、75a、bの溝底同士で、一つの小さな空間を形成する。集束溝74a、b、75a、bの溝底にU字状の切り欠き(図示せず)を形成すれば、集束板71、72が近接したときに、U字の底同士で円形の空間が形成されるので、好適である。
【0032】
超音波溶着装置100は、ホーン50とアンビル60が、筒状フィルムF1を挟んで、互いに対向して配置されている。超音波ホーン50およびアンビル60は、集束板71、72の往復動と同じ方向に往復動をする。すなわち、図1(a)の紙面に垂直な方向の往復運動をする。集束装置70の集束板71、72が近接した時に、ホーン50とアンビル60も近接する。ホーン50とアンビル60とは、不在部15bを狭圧するとともに筒状フィルムF1を溶着して、集束板71、72で、扁平な面を横断する方向に集束された不在部15bをシールする。
【0033】
図1(c)の部分斜視図および図3の部分斜視図を参照して、テープ供給装置90及び超音波溶着装置100について説明する。テープ供給装置90は、シールされる部分の補強用のテープ120(図3(c))を供給する装置であり、巻き取られたテープ(不図示)と、テープ120を送り出す一対のロ−ラ93と、テープ120を所定の長さに切断するカッター(不図示)と、切断されたテープ120をU字形に保持して不在部15bに重ねる保持具91とを有する。この場合、テープ120は保持具91によりU字形に保持されているので、図中、テープ120を上方から鉛直下方に見た場合、U字に置いた状態に見える。なお、U字は逆さまに見える。所定の長さとは、適切なシール機能を持つ端部116(図6)を包装体110に形成するのに、テープ素材として必要な長さである。切断されたテープ120を保持する保持具91の面94は、筒状体15aが走行する方向を向いており、上方から鉛直下方に見た場合、U字形に形成され、U字形の面94にはテープ120を吸い付けるため空気を吸引する吸引口92が形成されている。面94がU字形とは、保持具91において筒状体15aと対向する面が、U字に窪んでいる状態を示し、滑らかな半円形あるいは半楕円形を含んだ形状であることがこのましい。吸引口92は、不図示の吸引ポンプに接続され、空気を吸引する。保持具91は、一対のローラ93により回転支持されつつテープ120が送り込まれると、吸引口92より空気を吸引し、その吸引力によりテープ120をU字形の面94に吸い付け、テープ120をU字形にすると共に保持する。保持具91は、テープ120を保持してU字形の面94の方向に張り出し、テープ120を不在部15bに重ねる。
【0034】
テープ120(図3(c))の寸法等は、包装体110の設計仕様に合わせて適宜決めることができるが、テープ120の幅は10〜100mm、厚さは10〜300μmとするのが好適である。テープ120は、熱収縮性を有し、テープ120の長手方向の熱収縮率は、10%から35%のものである。テープ120の長手方向の熱収縮率は、幅方向(長手方向に直角な方向)の熱収縮率より大きい。テープ120は必要に応じて複数枚重ねられてもよいし、また、テープ120の材質は塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましいが、オレフィン系樹脂であってもよい(以下の実施の形態において同じ)。また、テープ120は、単層あるいは多層からなる構成としてもよいし、テープ120の材質はフィルムの材質(即ち、帯状フィルム、筒状フィルム)と同じであることが好ましいが、溶着可能な異なる材質であってもよい(以下の実施の形態において同じ)。ここで、熱収縮率とは、JIS Z1709に準拠して検体を沸騰水中に30分間浸漬した後の収縮による検体の長さの減少率をいう。
【0035】
ホーン50とアンビル60とは、水平方向に長い圧着面を有するホーン51とアンビル65、および、鉛直方向に長い圧着面を有するホーン56とアンビル66とにより構成される。ホーン51とホーン56とはT字形を横に倒した形の圧着面51a、56aを形成するように、ホーン56の上下方向の中間位置に、ホーン51が水平方向から接続する。同様に、アンビル66の上下方向の中間位置に、アンビル65が水平方向から接続する。ホーン51とホーン56とは、あるいは、アンビル65とアンビル66とは、別々に製造されたホーンあるいはアンビルを並べてもよいし、並べた上で互いに一体化してもよいし、あるいは、一体として製造されてもよい。ホーン51とアンビル65で圧着する部分と、ホーン56とアンビル66とで圧着する部分との厚さが異なるときには、ホーン51とホーン56とを一体とし、アンビル65とアンビル66とを一体とし、ホーン51/ホーン56とアンビル65/アンビル66とを別体とする。ホーン51/ホーン56とアンビル65/アンビル66とを離間して配置して、これらを圧着できる構造とする。なお、ホーン51とホーン56とが一体で構成され、超音波振動を発する超音波振動子(不図示)を共有して構成されるときには、アンビル65とアンビル66とを分けて配置し、圧着面65aと圧着面66aとを離間して配置することが好ましい。
【0036】
また、図2(a)の斜視図および(b)の側面図に示すように、アンビル65の圧着面65aは、その中央部を横断する中央横断部64 と、中央横断部64 の両側に形成され中央横断部64 より逃げた両端部62と、中央横断部64 と両端部62との間に形成された溝である窪み63とを有し、側面(y方向)から見ると、あるいは断面が、漢字の「山」の字を横にしたような形にすることが好ましい。ここで、中央横断部64 より逃げた両端部62とは、ホーン51とアンビル65とが圧着のために近接(被溶着物を介して接触)したときに、中央横断部64 が被溶着物を圧着するのに対し、両端部62では、被溶着物を介して接触するほどには近接せず、両端部62は、ホーン51の圧着面51aから少し離れて、圧着面から引いた位置になることを意味する。アンビル65の圧着面65aが中央横断部64 と両端部62と窪み63とを有することにより、後述するように、包装体110(図1(a))の端部のシールが補強され、耐圧強度が高くなる。
【0037】
以下、図1を参照して、説明を続ける。ホーン51とアンビル65とは、集束された不在部15bを横断してシールする(第1のシール)。一方、ホーン56とアンビル66とは、上方より鉛直下方に見てU字形に曲げられたテープ120(図3(c))のU字形の開いた部分を閉じるようにテープ120をシールする(第2のシール)。ホーン56とアンビル66は、集束された不在部15bより僅かに外側でテープ120をシールする(第2のシール)。なお、超音波溶着装置100の代わりに、抵抗加熱溶着装置、高周波誘電加熱溶着装置、レーザー加熱溶着装置、その他種々の溶着装置を用いることができる。いずれの溶着装置においても、テープ120と共に集束された不在部15bを横断するシール(第1のシール)とU字形のテープ120の開いた部分を閉じるようなシール(第2のシール)とを施すように構成される。このようにシールされた部分の方向を、シールの方向として、第1のシールの方向及び第2のシールの方向が定まる。
【0038】
集束装置70、テープ供給装置90および超音波溶着装置100より、不在部15bを形成した所定の間隔分、すなわち、1つの包装体分の長さだけ下流側に、切断装置80が設けられている。切断装置80はカッター81を備える。カッター81は板状であり、切断される筒状フィルムF1(不在部15b)が存在する側に鋭利な刃部が設けられている。カッター81も、集束装置70および超音波溶着装置100と同様に、往復動をする。カッター81の往復動も、超音波溶着装置100および集束装置70と同様に、図1(a)の紙面に垂直な方向の往復動をする。したがって、共通の駆動装置(不図示)により駆動する構成とするのが、構成が単純化されて好ましい。
【0039】
また、集束装置70、テープ供給装置90および超音波溶着装置100並びに切断装置80は、筒状体15aが下方に送られるのと同じ速さで下方に移動しつつ不在部15bを集束し、テープ120を供給してシールすると共に切断し、切断した後、不在部15bを開放して上の位置に戻る、いわゆる「拝み運動(ボックスモーション)」をするのが好ましい。そこで、集束装置70、テープ供給装置90および超音波溶着装置100並びに切断装置80が、共通の上下に移動する架台(不図示)上に設置されると、構成が簡単になる。
【0040】
続いて、図1に示す本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置1を用いた包装体110の製造について説明する。帯状フィルムFは原反21から所定の速度で引き出され、ガイドローラ22A、22Bにより所定の張力をかけられて、走行するよう案内され、フォーミングプレート11に到達する。所定の速度とは、帯状フィルムFにしわ等を生じさせることなく帯状フィルムFを引き出すことのできる速度である。所定の張力とは、帯状フィルムFにしわ等を生じさせることなく、帯状フィルムFを溶着をすることができる張力である。
【0041】
フォーミングプレート11に到達した帯状フィルムFは、側縁部で重ね合わせ部を持つ筒状に形成され、縦シール装置13によって重ね合わせ部が溶着される。このようにして、縦シールされた筒状フィルムF1が形成される。この筒状フィルムF1内には、ポンプ31からノズル32を経て内容物C1が充填される。内容物C1が充填された筒状体15aは、送りローラ14によって下流側へ搬送される。一対の送りローラ14は、筒状体15aを局部的に押しつぶすように狭圧して搬送するが、押しつぶされた筒状体15aは、送りローラ14の位置を通過した後は内容物C1による内圧により元の筒形に復帰する。
【0042】
筒状体15aは、一対のしごきローラ41により間けつ的に所定の長さにわたり狭圧され、内容物C1のない不在部15bが所定の間隔をもって形成される。所定の長さとは、包装体に適切なシール機能を持つ端部を形成するために不在部15bに必要な長さである。
【0043】
ここで、図3の部分斜視図をも参照して、包装体の集束、シールおよび切断について説明する。図3(a)に示すように、扁平にされた不在部15bを扁平な面を横断する方向に集束装置70にて集束する。図3(b)に示すように、集束されることにより不在部15bは細くまとめられる。
【0044】
一方、図4の部分斜視図に示すように、テープ供給装置90では、テープ120がロ−ラ93により狭圧されながら保持具91側に送られ(図4(a)参照)、所定の長さに切断される(図4(b)参照)。所定の長さとは、保持具91のU字形の面94に沿った長さより長く、保持具91のU字形の面94よりはみ出すようなテープ120の長さである。テープ120がU字形の面94よりはみ出している長さは、はみ出している部分が垂れ下がることがないが、はみ出している部分で第2のシールを行い、第2のシール部位122を形成できる長さとする。テープの材質、厚さなどによっても異なるが、1mm以上、15mm以下とするのが適当であり、好ましくは3mm以上、また好ましくは10mm以下とする。切断されたテープ120は、保持具91の吸引口92により吸引されU字形に形成されると共に保持される(図4(c)参照)。なお、テープ120の幅に比べ、保持具91の幅は狭く、保持具91はテープ120の幅の中央ではなく、下寄りの位置を吸引支持する。あるいは、上寄りの位置を吸引保持してもよい。
【0045】
そこで、図3(c)に示すように、U字形にされたテープ120が集束された不在部15bに、不在部15bを囲って挟むように重ねられる。ここで、重ねられるとは、集束された不在部15bが、テープ120のU字形の底の部分になるように、テープ120を不在部15bに近づける、あるいは接触させることをいう。すなわち、保持具91が不在部15bの方向にせり出てくる。
【0046】
そこで、ホーン50とアンビル60により、テープ120と不在部15bを挟み、溶着する。図3(d)に示すように、ホーン51と56およびアンビル65と66とが一体で成形されているので、第1のシールと第2のシールが同時に施される。これらのシールにより、テープ120と不在部15bとは一体にシールされ、不在部15bを横断する方向に長い帯状の第1のシール部位121と、不在部15bを横断する方向と直角に交差する方向に長い帯状の第2のシール部位122が、それぞれ形成される。また、テープ120と不在部15bとは、第1のシールによって一体にシールされるので、筒状体15aの長手方向での内容物C1、および、空気や水分の流通が封止される。よって、筒状体15aは密封性の包装体110となる。また、テープ120は、第1のシールで横断方向にシールされ、さらに第2のシールで横断方向に直角な方向にシールされ、2つのシール(第1のシール、第2のシール)により囲まれる閉じた環状態になることにより、内容物C1の充填された筒状フィルムF1方向に開口した2つの袋123、124となる。
【0047】
第1のシール部位121は、不在部15bを横断する方向に長い2層の帯状の溶着部分129−1、129−2と、溶着部分129−1、129−2に挟まれる同方向に長い1層の帯状の未溶着部分128を含んで形成される。集束装置70(図7A(a)、(b))の離間した集束板71、72の間に超音波溶着装置200が配置され、この超音波溶着装置200において第1のシール部位121の第2のシール方向の幅が機械的干渉のないように制約される。未溶着部分128は、この制約の下で第2のシール方向の幅は好ましくは3mm以下の設計自由度を持ち、更に好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは0.75mmになるよう、第1のシールが管理される。
未溶着部分128の第2のシール方向の幅が3mmを超えると、未溶着部分128を第1のシール方向と平行に且つ直線的に切断できなくなり、切断部が波打つような形状になるので好ましくない。当該幅が1.5mmを超え3mm以下であるときには、包装体製造装置1を高速で運転する際に、包装体110が振動する頻度が多くなっても、当該振動は第1のシール方向と略平行であるので、切断部に波打つような形状は生じない。当該幅を1.5mm以下とすると切断部をきれいに仕上げることができ、当該幅を0.75mmとすると切断部をさらにきれいに仕上げることができる(以下の実施の形態において同じ)。
【0048】
ここで、保持具91がテープ120の幅の中央ではなく、下寄りの位置でテープ120を保持しており、ホーン51とアンビル65とがテープ120の幅の中央をシールするので、保持具91とホーン51あるいはアンビル65とは干渉しない。すなわち、ホーン51およびアンビル65と保持具91とは機械的干渉がないように上下方向にずらして設置されている。ホーン50とアンビル60とでテープ120を挟むと、保持具91は吸引口92からの吸引を停止し、不在部15bの周囲から後退する。なお、ホーン61とアンビル65とによる第1のシールと、ホーン56とアンビル66とによる第2のシールとは、同時でなく、別々に行われてもよく、第1のシールが先に行われても、第2のシールが先に行われてもよい。
【0049】
なお、ホーン51とアンビル65が圧着するのは、集束された不在部15bをテープ120が囲って挟んだものである。一方、ホーン56とアンビル66が圧着するのは、テープ120だけである。よって、ホーン51とアンビル65で圧着するものの方が厚くなる。そこで、アンビル66の圧着面66aを、アンビル65の圧着面65aよりも、ホーン56側に張り出させる。アンビル66の圧着面66aが張り出すことにより、より薄い被溶着物(テープ120)を圧着し、また、より厚い被溶着物(集束された不在部15bとテープ120)への押圧が大き過ぎて、耐圧強度が小さくなることがないように、圧着することができる。なお、圧着面の位置の調整はホーン51の圧着面51aとホーン56の圧着面56aで行ってもよい。
【0050】
ここで、図2(c)の側面図に示すように、アンビル65の圧着面65aに中央横断部64 と両端部62と窪み63とが形成されている場合には、中央横断部64 でテープ120と不在部15bとを圧着し、その際に溶けた溶融物Sが窪み63に溜まり、その溶融物Sが圧着シールされた部分の両側に付着する。そのため、圧着シールされた部分は、両側の溶融物Sが付着し、厚くなった部分で補強され、耐圧強度が高くなる。また、圧着シールされた部分は、溶融物Sが流れ出た分だけ薄く形成されており、後段の切断装置80において切断し易くなる。
【0051】
図3(e)に示すように、筒状体15aは、超音波溶着装置100(図1(c))にて第1のシールと第2のシールとが施された後、切断装置80により第1のシール部位121の帯状の未溶着部分128で、この未溶着部分128をなぞるように直線的に切断される。このとき、第2のシール部位122も、未溶着部分128を切断する線によって上下に同時に切断され、切断後、上側の第2のシール部位122−1、下側の第2のシール部位122−2となる。また、テープ120は、横断する方向にシールする第1のシールにより形成される第1のシール部位121の溶着部分129−1、−2と、横断する方向と交差する方向にシールする第2のシールにより形成された第2のシール部位122−1、−2とにより、2つのシール(第1のシール、第2のシール)により囲まれる閉じた環状態となる。筒状体15aは、前述のように切断されることにより、1本の包装体110となり、包装体製造装置1から搬出され、例えばボイルやレトルトなどの必要な加熱処理を経て、製品として出荷される。また、テープ120は、2つの袋123、124の底で切断されることになるので、それぞれが包装体110の端部116を囲む袋(閉じた環状態)となる(図6参照)。なお、包装体110(図1(a))の加熱処理は、60〜120℃程度の温度で行われ、この加熱処理により包装体110の端部116(図6)を囲む袋状のテープ120が熱収縮し、テープ120は前述の熱収縮性を有するので、テープ120と筒状フィルムF1の密着度が増し、端部116の密封性が向上する。
【0052】
以上のように、本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置1によれば、包装体110の端部のシールされた部分が、テープ120の袋に囲まれることになる。シールされた部分が袋で囲まれることにより、例えばボイルして内容物C1が膨張し、かつ、筒状フィルムF1が収縮するときのように、内容物C1により包装体110に内圧が作用した場合において、シールされた部分の変形はテープ120の袋により抑止される。したがって、シールされた部分の筒状フィルムF1に作用する応力は低減され、シールされた部分が損傷を受けにくい包装体110となる。すなわち、耐圧強度が高められることになる。更に、テープを筒状フィルムと一体にシールする従来の包装体(不図示)では、調理のため特にボイル加熱される包装体においては、テープが捲くれ、外観を損ねることが多かったのに対し、テープ120を袋状とすることで捲くれることを防止することができる。
【0053】
さらに、テープ120は、熱収縮性を有し、その長手方向の熱収縮率は、10%から35%のものであり、テープ120の長手方向の熱収縮率は、幅方向の熱収縮率より大きいので、包装体110の集束した端部のテープ120による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。供給されたテープ120の捻れが小さいのでテープ供給装置90(図1、図4)によるテープ120の供給が確実に行える。
【0054】
本実施の形態の包装体製造装置1によれば、筒状フィルムF1の集束された不在部15bがテープ120と共にシールされ、シールされた不在部15bに、テープ120により挟まれたシール部分が形成された包装体110が製造される。包装体110の切断されたシール部分である端部116が、前述の熱収縮性を有するテープ120により挟まれ、テープ120が第1のシール部位129−1および第2のシール部位122−1により袋状に形成されることにより、集束された筒状フィルムF1の表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ120の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムF1の厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体110となる。
効果として、未溶着部分128を切断するので切断刃に付加される力が、溶着部分129を切断する場合より小さいので、確実に切断することができる。また、副次的に、切断刃の交換までの寿命も延びる。切断刃としては、回転刃、片刃、両刃、押し切り刃等を用いることができる。
【0055】
続いて、図5のフロー図、図1および図3を参照して、本発明の第2の実施の形態である包装体110の製造方法について説明する。ここでは、本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置1を用いているが、包装体製造装置1に限られず、いかなる製造装置により包装体を製造してもよい。
【0056】
まず、帯状フィルムFをフォーミングプレート11等により側縁部を重ね合わせて筒状に形成して筒状フィルムF1を形成する(ステップSt1)(筒状フィルム形成工程)。筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部を縦シールする(縦シール工程)ことにより、縦シールされた筒状体15aを成形する(ステップSt2)(筒状体成形工程)。そして、筒状体の中に、筒状体中に挿入したノズル32から内容物C1を充填する(ステップSt3)(充填工程)。
【0057】
内容物C1を充填した筒状体15aをしごくことにより、所定の間隔をもって、所定の長さを有する内容物のない不在部15bを扁平に形成する(ステップSt4)(しごき工程)。形成した不在部15bを、扁平な面に沿った方向に集束する(ステップSt5)(集束工程)。テープ120を供給し集束して細くなった不在部15bにテープ120を重ねる(ステップSt6)(テープ部材供給工程)。テープ120はU字形で、その底に不在部15bが入っているように重ねられる。テープ120は、熱収縮性を有し、その長手方向の熱収縮率は、10%から35%のものである。テープ120の長手方向の熱収縮率は、幅方向(長手方向に直角な方向)の熱収縮率より大きい。
【0058】
不在部15bの上下方向の中央部で、テープ120と共に不在部15bを横断方向にシール(第1のシール)し、第1のシール部位121を形成する(ステップSt7)(第1のシール工程)。このシールにより、テープ120と不在部15bとは一体になり、また、筒状フィルムF1の長手方向での内容物C1、および、空気や水分の流通が封止される。よって、密封性の高い包装体110となる。
【0059】
U字形としたテープ120の開いた部分をシール(第2のシール)し、第2のシール部位122を形成する(ステップSt8)(第2のシール工程)。すなわち、筒状フィルムF1の走行方向の第2のシールにより、テープ120は不在部15bを囲む閉じた環状態となる。横断シール(第1のシール)と併せて、テープ120は内容物C1が充填された筒状フィルムF1方向に開口した、底がつながった2つの袋状となる。なお、第1のシールと第2のシールとは、どちらが先にシールされてもよく、あるいは、前述のように同時にシールされてもよい。
【0060】
次に、第1のシール部位121で切断され、1本の包装体となる(ステップSt9)(切断工程)。第1のシールがされた部分で切断されるので、テープ120は端部のシールされた部分を囲む2つの袋123、124となる。
【0061】
上記の作業(ステップSt1〜St9)の間、帯状フィルムF、筒状フィルムF1は連続的に送り続ける(St10)。すなわち、テープの重ね合わせ(ステップSt6)も、第1のシール(ステップSt7)も、第2のシール(ステップSt8)も、帯状フィルムF、筒状フィルムF1を送りながら作業する。
【0062】
上述の本発明の第2の実施の形態である包装体110の製造方法によれば、テープ120が包装体110の端部のシール(第1のシールおよび第2のシール)された部分を囲む袋123、124となることで、シールされた部分の内圧による変形を抑え、シールされた部分を補強する効果を有することとなる。テープ120は、前述のような熱収縮性を有するので、包装体110の集束した端部のテープ120による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。供給されたテープ120の捻れが小さいのでテープ供給工程(ステップSt6)の操作が確実に行える。
【0063】
本実施の形態の包装体製造方法によれば、筒状フィルムF1の集束された不在部15bがテープ120と共にシールされ、シールされた不在部15bに、テープ120により挟まれたシール部分が形成された包装体110が製造される。包装体110の切断されたシール部分である端部116が、前述の熱収縮性を有するテープ120により挟まれ、テープ120が第1のシール部位129−1および第2のシール部位122−1により袋状に形成されることにより、集束された筒状フィルムF1の表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ120の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムF1の厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体110となる。
【0064】
続いて、図6を参照して本発明の第3の実施の形態である包装体110について説明する。図6(a)は包装体110の正面図、図6(b)は包装体110の筒状フィルムF1が縦シールされた方向から見た図(上面図)、図6(c)は包装体110を長手方向から見た図(側面図)であり、(d)、(e)は包装体110の端部116の部分詳細図である。。内容物C1を包んでいる筒状フィルムF1は、帯状フィルムFの側縁部が重ね合わせられ、縦シールされて成形されている。縦シール部114に沿って、重ね合わせられた余剰分117が筒状フィルムF1に重なっている。筒状フィルムF1の材質は塩化ビニリデン系樹脂であるが、これ以外のオレフィン系樹脂であってもよく、筒状フィルムF1は単層であっても多層であってもよい。包装体110は、包装体製造装置1(図1)により製造することができる。
【0065】
筒状フィルムF1は、図中、右側と左側に、それぞれ長手方向の端部116を有する。まず、図中、右側の端部116について説明する。
図中、右側の端部116は集束され、シールされると共にテープ120で囲まれている。テープ120は、筒状フィルムF1の集束された端部116を挟んで囲み、端部116の末端部111および一方の側部112をシールして袋状(閉じた環状態)としている。すなわち、集束して細くなった端部116を包装体110の横方向(長手方向と直交する方向)からテープ120で挟み、包装体110の長手方向の末端部111をシール(第1のシール)し、第1のシール部位121−1を形成し、また、挟んで重ねた一方の側部112をシール(第2のシール)し、第2のシール部位122−1を形成する。第1のシール部位121−1は、末端部111の末端111aを含んだ箇所に形成された帯状の未溶着部分128−1と、未溶着部分128−1の末端111aとは反対側に接する帯状の溶着部分129−1から形成される。未溶着部分128−1と溶着部分129−1とは、端部116を横断する方向(横方向)に形成されている。図中、左側の端部116についても前述の説明のうち、符号の末尾に「−1」を「−2」に変更したものが該当する。ただし、左側の端部116の集束、テープ供給、第1のシール、第2のシール、切断の一連の工程は、前述の右側の端部116に対する当該一連の工程の前に行われる。
【0066】
包装体110は、図1(a)に示すごとく、長手方向に連結されて連続する包装体110が切断装置80(図1(a))によりシール後に切断されたものである。したがって、本包装体110の第1のシール部位121−1、第2のシール部位122−1は、本包装体110の直上流側の他の包装体110(図6に不図示)の第1のシール部位121−2、第2のシール部位122−2と一体として形成された第1のシール部位121(図3(d))、第2のシール部位122(図3(d))であったものが、切断されたものである。
【0067】
また、前述のように、第1のシール部位121は、本包装体110と本包装体110の直上流側の他の包装体110(図6に不図示)との間の不在部15b(図1(a))に形成される。さらに、第1のシール部位121は、2層の帯状の溶着部分129−1(本包装体110の要素)、溶着部分129−2(直上流側の他の包装体の要素)と、溶着部分129−1、129−2に挟まれる1層の帯状の未溶着部分128を含んで形成され、未溶着部分128において切断され、未溶着部分128は、未溶着部分128−1(本包装体110の要素)と未溶着部分128−2(直上流側の他の包装体の要素)とに分離されたものである。
【0068】
テープ120は、熱収縮性を有し、その長手方向の熱収縮率は、10%から35%のものである。また、テープ120の長手方向の熱収縮率は、幅方向の熱収縮率より大きい。長手方向の末端部111では、筒状フィルムF1と共にシールされ、包装体110の端部を密封している。テープ120の材質は塩化ビニリデン系樹脂であるが、これ以外のオレフィン系樹脂であってもよく、テープ120は単層であっても多層であってもよい。また、テープ120の材質はフィルム(即ち、帯状フィルムF、筒状フィルムF1)の材質と同じであることが好ましいが、溶着可能な異なる材質であってもよい。
【0069】
テープ120は袋となることにより、内容物C1の膨張あるいは筒状フィルムF1の収縮により、内圧が作用したときに、筒状フィルムF1の端部116が変形することを抑制する。すなわち、耐圧強度を高めた包装体110となる。また、テープ120が捲くれて外観を損ねることのない包装体110となる。テープ120は、前述のような熱収縮性を有するので、包装体110の集束した端部のテープ120による締まりが確実に行え、端部116のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。なお、内容物C1は代表的にはソーセージやスティックチーズ等であるが、これ以外の食品でもよいし、食品以外の例えばコーキング材などの建築資材や化粧品等であってもよい。
【0070】
筒状フィルムF1及びテープ120の色は同じでもよく異なっていてもよい。色彩に変化をもたせることにより包装体110の識別が容易になる。例えば、筒状フィルムF1が橙色でテープ120が赤色、筒状フィルムF1が金色でテープ120が赤色である包装体110などである。また、夏には青色等の寒色系を基調に清涼感を出し、冬には赤色や橙色等の暖色系を基調に温かみを出してもよい。加えて、グラデーション、スペクトル、玉虫色、幾何学模様などの模様により装飾した筒状フィルムF1やテープ120を使用して、よりカラフルな包装体110としてもよい。このようにカラフルな色彩を採用することにより、包装体110の識別が容易になることに加え、消費者の購買意欲を助長することにもなる。
【0071】
本第1の実施の形態の包装体製造装置1(図1)により製造した包装体110(図1)の密閉性を評価する検査を行った結果を表1、表2に示す。表1は、図1の包装体製造装置1により製造した包装体の密閉性を評価する検査の条件を示した表である。表2は、図1の包装体製造装置1により製造した包装体の密閉性を評価する検査の結果を示した表である。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
包装体110の筒状フィルムF1(図1)の素材は、塩化ビニリデン系樹脂の厚さ40μmのフィルムを使用している。テープ120の素材は、塩化ビニリデン系樹脂であり、厚さおよび幅は、表1に記載したとおりである。表1に記載したとおり、6種類の包装体の検体を用意し、番号1から3までは、表2に示す高熱収縮性を有するテープ120を使用したものであり、包装体110である。番号4から6までは、包装体110と比較するため、筒状フィルムの素材を同じとし、表2に示す低熱収縮性を有するテープを使用した包装体である。検体は、内容物C1(図1)が充填された後に、表1に示す条件で熱処理されている。
【0075】
表に示す、番号1から6までの検体に対して、色素浸漬を行った。具体的には、青色1号の0.4質量%水溶液を37℃に維持し、5日間、浸漬し、通常よりはるかに長時間に亘って浸漬する、検査を行った。検体の数は、各番号に対して、80本である。浸漬の終了後、包装体を冷却し、その後、包装体外部に色素が残らないように充分に洗浄し、更に乾燥させた。この包装体の包装を開封し、内容物に青色色素の付着が確認できるか目視することによって、包装体のピンホールの有無を確認した。ピンホールが発見された検体の数を、密閉性指数として表2に記載した。すなわち、密閉性指数とは80本のうちピンホールが発見された本数をいい、値が小さいほど密閉性が優れていることを表す。表2に示すように、検体の番号1〜3である高熱収縮性を有するテープ120を使用した包装体110(図1)の方が、低熱収縮性を有するテープを使用した包装体より、ピンホールの発生が少なく、密閉性の点で優れてことが判る。
【0076】
熱収縮率(MD)をテープ120(図3(c))の長手方向の熱収縮率、熱収縮率(TD)をテープ120の幅方向の熱収縮率とする。熱収縮率(TD)は、好ましくは5%以上であり、熱収縮率(TD)の熱収縮率(MD)に対する比は好ましくは0.3〜0.7、特に好ましくは0.35〜0.5である。0.35〜0.5とすることにより包装体110(図1)の端部116(図6)の密閉性をより高めることができる。熱収縮率(TD)の絶対値が5%未満では、包装体110の加熱処理(60〜120℃程度)時に端部116が包装体110の長手方向に略直線とならず曲がることがあり商品の見栄えが悪くなる。熱収縮率(TD)の熱収縮率(MD)に対する比が0.3未満では、包装体110の加熱処理時に端部116が包装体110の長手方向に略直線とならず曲がることがあり商品の見栄えが悪くなり、またこの比が0.7を超えると、包装体110の端部116が加熱処理後に硬くなることがあるので好ましくない。
【0077】
図7A、図7Bは、本発明の第4の実施の形態である包装体製造装置101を表す。図7A(a)は、包装体製造装置101の全体構成を示す構成図である。図7A(b)は、集束装置70の構成を説明する部分斜視図であり、図7A(c)は、超音波溶着装置200およびテープ供給装置190の構成を説明する部分斜視図である。図7B(d)は、保持具が2段の場合のテープ供給装置と超音波溶着装置を説明する部分斜視図である。図7B(e)は、図7B(d)の2段の保持具の下側の保持具を説明する斜視図である。図7B(f)は、テープ供給装置の保持具のU字形の面の底に溝型が形成されていない場合を説明する部分斜視図である。
本包装体製造装置101は、第1の実施の形態の包装体製造装置1(図1)と、テープ供給装置190の保持具191、超音波溶着装置200のホーン150、とアンビル160が相違し、他の構成は同一である。以下、相違点を主に説明する。なお、テープ供給装置190により供給されるテープ部材としてのテープ220(図8(c))は、テープ120(図3(c))と同じである。
【0078】
ホーン150は、水平方向に長い圧着面を有するホーン155、および、ホーン155の両端に鉛直方向に長い圧着面を有する2つのホーン156、157により構成されている。アンビル160は、水平方向に長い圧着面を有するアンビル165、および、アンビル165の両端に鉛直方向に長い圧着面を有する2つのアンビル166、167により構成されている。ホーン155とホーン156、157とはH字形の圧着面155a、156a、157aを形成する。同様に、アンビル165の両端に、アンビル166、アンビル167が接続する。ホーン155、ホーン156およびホーン157は、別々に製造されたホーンを組み合わせてもよいし、組み合わせた上で互いに一体化してもよいし、あるいは、一体として製造されてもよい。また、アンビル165、アンビル166およびアンビル67は、別々に製造されたアンビルを組み合わせてもよいし、組み合わせた上で互いに一体化してもよいし、あるいは、一体として製造されてもよい。しかし、本実施の形態の包装体製造装置101では、テープ供給装置190側のホーン157とアンビル167とは、ホーン155、156、アンビル165、166とは別体とし、保持具191でテープを保持しつつ、ホーン155、156、アンビル165、166でシールし、その後、保持具191でのテープの保持を止め、保持具191を不在部115bから後退させた後に、ホーン157とアンビル167とでシールをする構成となっている。
【0079】
保持具191のU字形の面194の底に、テープ220(図8(c))がはめ込まれる細長い凹面の溝型195が形成されている。
保持具191は、一対のローラ193よりテープ220が送られると、吸引口192より空気を吸引し、その吸引力によりテープ220をU字形の面194に吸い付け、テープ220をU字形にすると共に支持する。その際、U字形の面194の底の溝型195にテープ220を確実に挿入するために、不図示のプラグアシストでテープ220を溝型195にはめ込んでもよい。保持具191は、テープ220を保持してU字形の面194の方向にせり出し、テープ220を不在部115bに重ねる。
【0080】
なお、図7B(d)、(e)の斜視図に示すように、テープ供給装置190が2段の保持具191a、191bを上下に有することは好適である。上下2段の保持具191a、191bでテープ220(図8(c))を保持することにより、テープ220の形状および位置が一定となる。よって、テープ220による包装体210の端部の集束部の密封性および耐圧強度を高める効果が、安定する。
【0081】
また、図7B(f)の斜視図に示すように、テープ供給装置190の保持具191の凹面形の面194の底部に、凹面の溝型195(図7A(c)参照)を形成しなくてもよい。特に、後述のように、横断方向のシール(第1のシール)をした後に保持具191側のシール(第2aのシール、第2bのシール)を行う場合には、凹面の溝型195(図7A(c)参照)を形成しなくてもテープ220(図8(c))の3辺にシールを施すことができる。この場合には、テープ供給装置190側のシール(第2bのシール)をするためのスペースをテープ220に確保するために、凹面形の面194を深く形成することが好ましい。
【0082】
ここで、図7A、図7Bに加え、図8の部分斜視図および図9の部分斜視図をも参照して、包装体210の集束、シールおよび切断について説明する。
図8(a)に示すように、扁平にされた不在部115bを扁平な面を横断する方向に集束装置170にて集束する。図8(b)に示すように、集束されることにより不在部115bは細くまとめられる。
【0083】
一方、図9の部分斜視図に示すように、テープ供給装置190では、テープ220が一対のロ−ラ193により狭圧されながら保持具191側に送られ(図9(a)参照)、所定の長さに切断される(図9(b)参照)。所定の長さとは、保持具の凹面形(U字形)の面194および凹面の溝型195に沿った長さより長く、保持具191の凹面形の面194よりはみ出すようなテープ220の長さである。テープ220が凹面形の面194よりはみ出している長さは、はみ出している部分が垂れ下がることがないが、はみ出している部分で第2aのシール(第2のシール)を行い第2aのシール部位222(図8(d)、(e)、(f)、(g)参照)を形成しえる長さとする。テープの材質、厚さなどによっても異なるが、はみ出す長さは、1mm以上、15mm以下とするのが適当であり、好ましくは3mm以上、また好ましくは10mm以下とする。切断されたテープ220は、保持具191の吸引口192により吸引され凹面形が重なった形に形成されると共に保持される。不図示のプラグアシストでテープを凹面の溝型195にはめ込み、テープ220の形状を整える(図9(c)参照)。なお、テープ220の幅に比べ、保持具191の幅は狭くてもよく、あるいは同じ幅でもよい。
図8(b)に示すように、集束されることにより不在部115bは細くまとめられる。
【0084】
次に、図8(c)に示すように、凹面形(U字形)が重なった形に形成されたテープ220が集束された不在部115bに、不在部115bを囲って挟むように重ねられる。
すなわち、テープ220は凹面形部226を有し、凹面形部226の底に形成された溝形の凹面形部227を有するように形成されている。ここで、重ねられるとは、集束された不在部115bが、テープ220の大きな凹面形の底の部分に位置するように、テープ220を不在部115bに近づける、あるいは接触させることをいう。すなわち、保持具191が不在部115bの方向にせり出てくる。
【0085】
次に、ホーン150とアンビル160により、以下のようにテープ220と不在部115bを挟み、溶着する。
先ず、図8(d)に示すように、ホーン155と156およびアンビル165と166とで、第1のシールと第2aのシール(第2aのシール工程)(第2のシール工程)が同時に施される。これらのシールにより、テープ220と不在部115bとは一体にシールされ、不在部115bを横断する方向に長い帯状の第1のシール部位221と、不在部115bを横断する方向と直角に交差する方向に長い帯状の第2のシール部位222が、それぞれ形成される。また、これらのシールにより、筒状体115aの長手方向での内容物C1、および、空気や水分の流通が封止される。よって、筒状体115aは、密封性の包装体210となる。テープ220は、保持具191で保持されることなく、シールされた所定の位置に留まる。次に、保持具191は、不在部115bの方向から後退する。
【0086】
第1のシール部位221は、不在部115bを横断する方向に長い2層の帯状の溶着部分229−1、229−2と、溶着部分229−1、229−2に挟まれる同方向に長い1層の帯状の未溶着部分228を含んで形成される。未溶着部分228は、この制約の下で第2のシール方向の幅は好ましくは3mm以下の設計自由度を持ち、更に好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは0.75mmになるよう、第1のシールが管理される。
図8(e)に、第2aのシール部位222、第1のシール部位221の溶着部分229−1、229−2、及び未溶着部分228の詳細を示す。
【0087】
図8(f)に示すように、保持具191が後退した後に、ホーン157とアンビル167とで、第2bのシール(第2のシール)を施し、第2bのシール部位223を形成する(第2bのシール工程)(第2のシール工程)。第2bのシールを施すことにより、テープ220は開口部を包装体210の内容物C1を含む方向に向けた袋状(第1のシール、第2aのシール、第2bのシールにより囲まれる冠状態)となる。すなわち、テープ220の鉛直下側(筒状体115aの下流側)で下方に開口した袋224とテープ220の鉛直上側(筒状体115aの上流側)で上方に開口した袋225の2つの袋となる。なお、第1のシールおよび第2aのシールを施した後に、テープ供給装置190側の第2bのシールをするときには、保持具191が凹面の溝型195を有さず、図1(c)に示した保持具91のような形状としてもよい。
【0088】
ここで、ホーン155とアンビル165が圧着するのは、集束された不在部115bをテープ220が挟んで囲ったものである。一方、ホーン156とアンビル166とが、および、ホーン157とアンビル167とが圧着するのは、テープ220だけである。よって、ホーン155とアンビル165で圧着するものの方が厚くなる。そこで、アンビル166、167の圧着面166a、167aを、アンビル165の圧着面165aよりも、ホーン156側に張り出させる。アンビル166、167の圧着面166a、167aが張り出すことにより、より薄い被溶着物(テープ220)を所定の押圧で圧着することができる。所定の押圧とは、素材により決まる、適切なシールを形成する圧着を可能とする押圧である。また、より厚い被溶着物(集束された不在部115bとテープ220)への押圧が大き過ぎて、シール後に薄くなり過ぎ、耐圧強度が小さくなることがない。なお、圧着面の位置の調整はホーン155の圧着面155aとホーン156、157の圧着面156a、157aで行ってもよい。
【0089】
図8(g)に示すように、超音波溶着装置200にて第1のシール、第2aのシールおよび第2bのシールが施された後、筒状フィルムF1は切断装置180により帯状の第1のシール部分221(図8(f))において切断される。具体的には第1のシール部分221の未溶着部分228で切断され、上側の未溶着部分228−1、下側の未溶着部分228−2となる。このとき、第2aのシール部位222も、未溶着部分228を切断する線によって上下に同時に切断され、切断後、上側の第2のシール部位222−1、下側の第2のシール部位222−2となる。また、第2bのシール部位223も、未溶着部分228を切断する線によって上下に同時に切断され、切断後、上側の第2bのシール部位222−1、下側の第2bのシール部位222−2となる(切断工程)。
【0090】
この場合、テープ220は、横断する方向にシールする第1のシール部位221の溶着部分229−1と、横断する方向と交差する方向にシールし切断された第2aのシール部分222−1、同方向にシールする切断された第2bのシール223−1により、閉じた冠状態となる。筒状体115aは、切断されることにより、1本の包装体210となり、包装体製造装置101から搬出され、例えばボイルやレトルトなどの加熱処理を経て、製品として出荷される。また、テープ220は、2つの袋224、225の底で切断されることになるので、それぞれが包装体210の端部216を囲む袋となる(図12参照)。なお、包装体210(図7A(a))の加熱処理は、60〜120℃程度の温度で行われ、この加熱処理により包装体210の端部216(図12)を囲む袋状のテープ220が熱収縮し、テープ220は前述の熱収縮性を有するので、テープ220と筒状フィルムF1の密着度が増し、端部216の密封性が向上する。
【0091】
本実施の形態の包装体210によれば、テープ220により端部216が挟まれ、テープ220が端部216おいて筒状フィルムF1に溶着され端部216をシールし、テープ220によりシールされる端部216が、テープ220により袋状に囲まれた包装体210となる。包装体210の端部216がテープ220により袋状に囲まれることにより、集束された筒状フィルムF1の表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ220の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムF1の厚さを補うので、密封性があり且つ端部216にピンホールの生じ難い包装体となる。
【0092】
以上のように、本発明の第4の実施の形態である包装体製造装置101によれば、前述の第1の実施の形態である包装体製造装置1(図1)の効果に加えて、袋状(冠状態)のテープ220の外縁に第1のシール部位221、第2aのシール部位222、第2bのシール部位223が施されるので、テープ220の外縁が薄くなる。すなわち、テープ220の外縁が柔らかくなり、端部216により他の包装体210の筒状フィルムF1を損傷する恐れがなくなるという効果を有する。
【0093】
なお、本実施の形態において、ここまでは、H字形の圧着面を有するホーン150とアンビル160とを備える超音波溶着装置200にて第1〜3のシール221〜223を施す実施例について説明したが、ホーン、アンビルの圧着面の形状はH字形に限られない。
【0094】
図10(a)の部分斜視図に示すように、集束して横断シール(第1のシール)することにより包装体210としての密封が得られるときには、H字形のホーン250とアンビル260とに切欠きを設けてもよい。ホーン250の第2aのシール用ホーン256と第2bのシール用ホーン257とに、第1のシール用ホーン255と接続する部分の上下に切欠きを設ける。同様に、アンビル260の第2aのシール用アンビル266と第2bのシール用アンビル267とに、第1のシール用アンビル265と接続する部分の上下に切欠きを設ける。その結果、ホーン250の圧着面255a、256a、257aおよびアンビル260の圧着面265a、266a、267aはH字形の縦棒を破線とした形状となる。
【0095】
図10(b)の部分図に示すように、このように切欠きを設けることにより、テープ供給装置290でテープを保持したままの状態で、3辺のシールを一度に施し、第1のシール部位321、第2aのシール部位322および第2bのシール部位323を一度に形成することができる。すなわち、ホーン250、アンビル260が近接する場合に、保持具291a、291bは、ホーン250、アンビル260の切欠きの位置にある。そのために、ホーン250、アンビル260と保持具291a、291bとが機械的に干渉することがなく、保持具291a、291bが不在部115b側にせり出したままで、ホーン250とアンビル260とにより不在部115bおよびテープをシールすることができる。
【0096】
図10(b)に示すように、シールされた部分は、不在部115bを横断する方向の第1のシール部位321と、第1のシール部位321と交差する方向で破線状に延びる第2aのシール部位322と第2bのシール部位323とにより構成されることになる。このように、途中でシールなされていない部分を含んでいても、シールを補強する効果があるので、シールされた部分の並んでいる方向を、シールの方向とし、シールがなされたと表現する。なお、H字形のホーン250およびアンビル260の切欠きは、テープ供給装置290の側、すなわち第2bのシール用ホーン257と第2bのシール用アンビル267にだけ設けてもよく、また、第1のシール用ホーン255および第1のシール用アンビル265の上側あるいは下側1箇所だけに設けてもよい。この場合には、テープ供給装置290は1段の保持具を有することになる。
【0097】
第1のシール部位321は、不在部115bを横断する方向に長い2層の帯状の溶着部分329−1、329−2と、溶着部分329−1、329−2に挟まれる同方向に長い1層の帯状の未溶着部分328を含んで形成される。未溶着部分328は、この制約の下で第2のシール方向の幅は好ましくは3mm以下の設計自由度を持ち、更に好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは0.75mmになるよう、第1のシールが管理される。
【0098】
あるいは、図10(c)に示すように、不在部115bを横断する第1のシール部位421と、テープの頂角部をシールする第2aのシール部位422および第2bのシール部位423とで、テープ220を袋状(第1のシール、第2aのシール、第2bのシールにより囲まれる冠状態)に形成してもよい。厳密には袋の側面が完全に閉じられていないが、このような場合も、袋の底が閉じられ、頂角部が閉じられているので、袋を形成する。また、1つの側面上の2つの頂角のシール部位422、423は、該側面の方向のシールとする。
【0099】
第1のシール部位421は、不在部115bを横断する方向に長い2層の帯状の溶着部分429−1、429−2と、溶着部分429−1、429−2に挟まれる同方向に長い1層の帯状の未溶着部分428を含んで形成される。未溶着部分128は、この制約の下で第2のシール方向の幅は好ましくは3mm以下の設計自由度を持ち、更に好ましくは1.5mm以下、特に好ましくは0.75mmになるよう、第1のシールが管理される。
【0100】
上述のように、3辺のシールを一度に施し、第1のシール321、421、第2aのシール322、422、第2bのシール323、423を一度に形成することができるように構成することで、ホーン250の各圧着部材255、256、257を一体で形成し、アンビル260の各圧着部材265、266、267を一体で形成することができる。また、一体として動作させることにより、超音波溶着装置300の動作機構を単純化できると共に、一度のシールで3辺をシールできるため、シール時間が短縮され、包装体製造装置1全体としての作業効率も向上する。
【0101】
本実施の形態の包装体製造装置101により製造された包装体210は、包装体210の切断されたシール部分である端部216が、前述の熱収縮性を有するテープ220により挟まれ、テープ220が第1のシール部位229−1、第2aのシール部位222−1および第2bのシール部位223−1により袋状に形成されることにより、集束された筒状フィルムF1の表面が凹凸であっても、この凹凸表面とテープ220の表面との均一な密着が得られ、且つシールされる部分の筒状フィルムF1の厚さを補うので、密封性があり且つ端部にピンホールの生じ難い包装体210となる。
【0102】
図11のフロー図、図7A、図7Bおよび図10を参照して、本発明の第5の実施の形態である、包装体210(図12)の製造方法について説明する。ここでは、本発明の第4の実施の形態である包装体製造装置101を用いているが包装体製造装置101に限られず、いかなる製造装置により包装体を製造してもよい。本実施の形態は、図に示すように、ステップSt11からSt17、さらにステップSt18a、St18b、St19、St20からなる。なお、供給されるテープ220は、テープ120(図3(c))と同じである。
【0103】
まず、ステップSt11からステップSt15までは、第3の実施の形態である、包装体110(図6)の製造方法のステップSt1からステップSt5(図5)までとそれぞれ同様であるので説明を省略する。
【0104】
筒状体115aの不在部115bを集束した後、テープ220を供給し集束して細くなった不在部115bにテープ220を重ねる(ステップSt16)(テープ部材供給工程)。テープ220は、U字の底に溝が形成されたU字形で、その底に不在部115bが入っているように重ねられる。不在部115bの上下方向の中央部で、テープ220と共に不在部115bを横断方向にシール(第1のシール)し、第1のシール部位221を形成する(ステップSt17)(第1のシール工程)。U字形のテープ220の開いた部分を閉じるように、第1のシールに交差する方向、すなわちテープ220を縦断する方向に第2aのシールをし、第2aのシール部位222を形成する(ステップSt18a)(第2aのシール工程)(第2のシール工程)、更に、第2aのシールに対して不在部115bを挟んだ反対側でテープ220を縦断する方向に第2bのシールをし、第2bのシール部位223を形成する(ステップSt8b)(第2bのシール工程)(第2のシール工程)。縦断方向の第2aのシールおよび第2bのシールとで、テープ220は不在部115bを挟んだ両側がシールされることになる。そして、横断シールと併せて、テープ220は内容物C1が充填された筒状体115a方向に開口した、底がつながった2つの袋状となる。なお、第1、第2a、第2bのシールは、いずれのシールが先にシールされてもよく、あるいは、前述のように同時にシールされてもよい。
【0105】
次に、第1のシールがされた第1のシール部位221で切断され、1本の包装体となる(ステップSt9)(切断工程)。第1のシールがされたシール部位221で切断されるので、テープ220は端部のシールされた部分を囲む2つの袋となる。切断の詳細は、第4の実施の形態(図7A、図7B)において切断に関し説明した通りである。
【0106】
上記の作業(ステップSt11〜St17、St18a、St18b、St19)の間、帯状フィルムF、筒状フィルムF1は連続的に送り続けられる(St20)。すなわち、テープの重ね合わせ(ステップSt16)も、第1のシール(ステップSt17)も、第2aのシール(ステップSt18a)も、第2bのシール(ステップSt18b)も、帯状フィルムF、筒状フィルムF1を送りながら作業する。
【0107】
上述の本発明の第5の実施の形態である包装体製造方法は、前述の第2の実施の形態である包装体製造方法(図5)の効果に加え、第1のシール、第2aのシール、第2bのシールにより、袋状となったテープ220の開口部以外の3辺がシールされた部分となり、これらの外縁部は、シールされることにより薄く形成されるので、柔らかく、輸送中等に包装体210の端部216(図12)により他の包装体210の筒状フィルムF1を損傷する恐れがなくなるという効果を有する。
【0108】
なお、これまでは、1枚のテープ220により端部を囲んでシールする包装体製造装置101あるいは包装体製造方法について説明したが、2枚以上のテープ220をシールすることにより、包装体210の端部の袋状(冠状態)のテープ220を構成してもよい。
【0109】
図12は、本発明の第6の実施の形態である包装体210を表す。図12(a)は包装体210の正面図、図12(b)は包装体210の筒状フィルムF1が縦シールされた方向から見た図(上面図)、図12(c)は包装体210を長手方向から見た図(側面図)、図12(d)、(e)は、包装体210の端部216の部分詳細図である。第3の実施の形態である包装体110(図6)との相違点を主として説明する。なお、包装体210は、包装体製造装置101(図7A(a))により製造することができる。
【0110】
筒状フィルムF1の長手方向の端部216は集束され、シールされると共に1枚のテープ218で囲まれ挟まれている。テープ218は、テープ120(図3(c))と同じものである。テープ218は、筒状フィルムF1の集束された端部216を囲って挟み、その外縁をシールして、袋状(冠状態)としている。すなわち、集束して細くなった端部216をテープ218で囲って挟み、包装体210の長手方向の末端部211を第1のシールをし、第1のシール部位221−1を形成し、また、挟んで重ねた一方の側部212を第2aのシールをし、第2のシール部位222−1を形成し、他方の側部213を第2bのシールをし、第2bのシール部位223−1を形成する。第1のシール部位221−1は、末端部211の末端211aを含んだ箇所に形成された帯状の未溶着部分228−1と、未溶着部分228−1の末端211aとは反対側に接する帯状の溶着部分229−1から形成される。未溶着部分228−1と溶着部分229−1とは、端部216を横断する方向(横方向)に形成されている。
図中、左側の端部216についても前述の説明のうち、符号の末尾に「−1」を「−2」に変更したものが該当する。ただし、左側の端部216の集束、テープ供給、第1のシール、第2aのシール、第2bのシール、切断の一連の工程は、前述の右側の端部116に対する当該一連の工程の前に行われる。
【0111】
包装体210は、図7A(a)に示すごとく、長手方向に連結されて連続する包装体210が切断装置80によりシール後に切断されたものである。したがって、本包装体210の第1のシール部位221−1、第2aのシール部位222−1、第2bのシール部位223−1は、本包装体210の直上流側の他の包装体210(図12に不図示)の第1のシール部位221−2、第2aのシール部位222−2、第2bのシール部位223−2と一体として形成された第1のシール部位221(図7B(d))、第2aのシール部位222(図7B(d))、第2bのシール部位223(図7B(d))であったものが、切断されたものである。
【0112】
また、前述のように、第1のシール部位221は、本包装体210と本包装体210の直上流側の他の包装体210(図12に不図示)との間の不在部115b(図7A(a))に形成される。さらに、第1のシール部位221は、2層の帯状の溶着部分229−1(本包装体110の要素)、溶着部分229−2(当該他の包装体の要素)と、溶着部分229−1、229−2に挟まれる1層の帯状の未溶着部分228を含んで形成され、未溶着部分228において切断され、未溶着部分228は、未溶着部分228−1(本包装体210の要素)と未溶着部分228−2(当該他の包装体の要素)とに分離されたものである。
【0113】
テープ218は袋状となることにより、内容物C1の膨張あるいは筒状フィルムF1の収縮により、内圧が作用したときに、筒状フィルムF1の端部216が変形することを抑制する。すなわち、密封性が高く、耐圧強度を高めた包装体210となる。また、テープ218が捲くれて外観を損ねることのない包装体となる。更に、袋状となったテープ218の3辺がシールされ、第1のシール部位221−1、第2のシール部位222−1、第2bのシール部位223−1が形成され、結果として薄く形成されているので、柔らかくなっており、輸送中等に他の包装体をテープ218の端部で損傷することがない。1枚のテープ218で、筒状フィルムF1の集束した長手方向の端部216を囲んで袋状に形成するのが包装体の製造上、装置等が複雑にならず、好適であるが、2枚以上のテープ218をシールして袋を形成してもよい。テープ218は、テープ120(図3(c))と同じような熱収縮性を有するので、包装体210の集束した端部のテープ218による締まりが確実に行え、端部216のシール部位に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0114】
図13は、本発明の第7の実施の形態である包装体製造装置201を表す。図13(a)は、包装体製造装置201の全体構成を示す構成図である。図13(b)は、集束装置70の構成を説明する部分斜視図であり、図13(c)は、包装体とテープ供給装置の関係を示す模式図、図13(d)は、超音波溶着装置300の構成を説明する部分斜視図である。本包装体製造装置201は、第4の実施の形態の包装体製造装置101(図7A(a))と、テープ供給装置390が相違し、他の構成は同一である。以下、相違点を主に説明する。なお、テープ供給装置390により供給されるテープ部材としてのテープ320a、320bは、テープ120(図3(c))と同じものである。
【0115】
図13(c)の部分斜視図に示すように、テープ供給装置390は、シールされる部分である不在部215bに2枚の補強用のテープ320a、320bを供給する装置である。2枚のテープ320a、320bは、不在部215bの集束された方向に鉛直な面に沿って集束される。テープ320aとテープ320bとが供給される面は、不在部215bを挟んだ反対側の面となる。テープ320aとテープ320bとは不在部215bを挟むように配置されている。
【0116】
ここで、図14(a)〜(c)の模式図を参照して、テープ供給装置390の詳細を説明する。ただし、テープ供給装置390は、2枚のテープ320a、320bを不在部215b(図13(c))に供給する他の構成であってもよく、図に示す構成には限られない。また、図に示すテープ供給装置では、いずれもテープをΩ字形に保持するが、テープを平面のまま保持しても、他の形状で保持してもよい。
【0117】
図14(a)に示すテープ供給装置390では、1枚のテープ320aは、一対の円筒形の送りローラ393aにより挟圧され定量的に送られ、円筒形のガイドローラ393cにより送り方向を調整された後、テープカッター396aで所定の長さに切断され、テープ保持具397aで保持される。テープ保持具397aのテープ320aを保持する面には、不図示の吸引口が設けられ、テープ320aを吸引することにより、テープ320aを保持具397aの面の形状に形成しつつ、保持する。吸引口は、不図示の吸引ポンプに連接され、空気を吸引することによりテープ320aを真空吸着する。保持具397aのテープ320aを保持する面394aは、Ω形をしている。平面とその平面に形成された凹面形の面とによりテープ320aを保持する。その窪んだ凹面形中に、不在部215b(図13(c))を通す構造となっている。他の1枚のテープ320bは、テープ320aと同様に、送りローラ393bにより定量送られ、ガイドローラ393dにより送り方向を調整された後、テープカッター396bで所定の長さに切断され、テープ保持具397bで保持される。テープ保持具397bは、テープ保持具397aと同様に、テープ320bを保持する面394bによりテープ320bをΩ形に形成しつつ保持する。ここで、2枚のテープ320a、320bの送りローラ393a、393bおよびテープカッター396a、396bの設置スペースを確保するために、保持具397aと保持具397bとは離間した位置でそれぞれテープ320a、320bを保持する。そこで、保持具397bは、円筒形の回転体398の外周に付設されており、回転体398がその軸399廻りに回転することにより、移動する。
すなわち、図14(a)に示すように、テープ320bを保持する保持具397bは、テープ320aを保持する保持具397aと中心軸399に対して90度の位置にある。すなわち、テープ320bは回転されることにより、不在部215bの方向に移動される。 そして、図14(a)の矢印方向に、回転体398が90度回転することにより、テープ320bを保持する保持具397bが保持具397aに対面する位置に移動する。そして、保持具397aが保持具397b側にせり出すことにより、2枚のテープ320a、320bの凹面形の部分で不在部215b(図13(c))を挟むことができる。
【0118】
このように、テープ供給装置390を構成することにより、第1のテープ供給装置391a、第2のテープ供給装置391bの保持具397a、397bで2枚のテープ320a、320bを確実にΩ字形に保持し、その上で、2つの保持具397a、397bが不在部215b(図13(c))を2枚のテープ320a、320bで挟み第1のシールをしやすくすると共に、2枚のテープ320a、320bの端部を重ね合わせてシール(第2aのシールおよび第2bのシール)し易くすることができる。また、片側から2枚のテープ320a、320bを供給できるので、包装体製造装置201の作業員のスペースを確保しつつ、2枚のテープ320a、320bを供給することができる。
【0119】
また、テープ供給装置は、図14(b)に示すテープ供給装置490であってもよい。
図に示すテープ供給装置490では、送りローラ493a、493bにより定量的に送られ、ガイドローラ493c、493dにより送り方向を調整された2枚のテープ320a、320bは、中子498の両側に別れ、中子498の外形に沿った形になる。中子498は、テープ320a、320bの供給される側に尖端を有する楕円筒形をしている。そこで、テープカッター496により2枚のテープ320a、320bを所定の長さに切断する。切断するのとほぼ同時に、2枚のテープ320a、320bが重なっている部分であって、切断する位置より中子498側の近傍をテープ320a、320bの幅に亘って、シーラー499でシール(第1のシール、第2aのシール、第2bのシール)する。シールは、超音波溶着、抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、その他種々の溶着でよい。なお、シールした後に、テープ320a、320bを切断してもよい。その後、中子498が切断・シールされたテープ320a、320bと共に90度回転し、保持具497に嵌入する。保持具497は、中子498の外形と嵌め合いとなる凹面形部494を有しており、中子498が嵌入すると、中子498の外周に沿っているテープ320a、320bを凹面形部494で保持する。テープ320a、320bが保持具497で保持されると、中子498は後退し、保持具497で保持され凹面形となったテープ320a、320bで囲まれた領域に空間が形成され、保持具497がその空間に筒状フィルムF1の不在部215b(図13(c))を納めるように、テープ320a、320bを移動させる。
【0120】
テープ供給装置490をこのように構成することにより、予め1端がシール(第2aのシール)され接合された2枚のテープ320a、320bを凹面形に形成し、その中に不在部215b(図13(c))を入れ、そこで、第1のシールと第2bのシールを施すことができる。また、片側から2枚のテープ320a、320bを供給できるので、包装体製造装置201の作業員のスペースを確保しつつ、2枚のテープ320a、320bを供給することができる。更に、テープ装置390に比べ、送りローラ493a、493bやガイドローラ493c、dのためのスペースを狭くすることができる。一方、テープ装置390では、テープ供給装置490に比べ、中子498の複雑な動きが不要であり、テープ供給装置としての機構が単純になる。
【0121】
また、テープ供給装置は、図14(c)に示すテープ供給装置590であってもよい。
図に示すテープ供給装置590では、2枚のテープ320a、320bを送りローラ593a、593bおよびガイドローラ593c、593dで保持具597a、597bに送り、所定の長さとなるように、テープカッター596a、596bで切断する。切断されたテープ320a、320bは、保持具597aおよび597bのΩ字形の面594a、594bでΩ形に保持される。保持具597a、597bで保持されたΩ字形のテープ320a、320bの凹面形となった部分に筒状フィルムF1の不在部215b(図13(c))が納まる。そこで、保持具597aおよび597bを互いに近接するように移動し、不在部215bにテープ320a、320bを重ねる。
【0122】
テープ供給装置590をこのように構成することにより、テープ供給装置390と同様に、第1のテープ供給装置591a、第2のテープ供給装置591bの保持具597a、597bで2枚のテープ320a、320bを確実にΩ字形に保持し、その上で、2つの保持具597a、597bが不在部215b(図13(c))を2枚のテープ320a、320bで挟み第1のシールをしやすくすると共に、2枚のテープ320a、320bの端部を重ね合わせてシール(第2aのシールおよび第2bのシール)し易くすることができる。また、テープ供給装置390に比べて単純な構成で2枚のテープ320a、320bを供給するテープ供給装置590が提供される。
【0123】
本第7の実施の形態である包装体製造装置201における、包装体の集束、シールおよび切断については、第4の実施の形態である包装体製造装置101(図7A(a))についての、包装体の集束、シールおよび切断についての説明が適用される。ただし、テープ220(図8(c))に関する説明は、下記が適用される。
すなわち、図15に示すように、相違点は、図13(d)のホーン150とアンビル160により溶着する前に、不在部215bが2枚のテープ320a、320bにより挟まれ、集束されることである。この態様となるように、2枚のテープ320a、320bが供給される。よって、本第7の実施の形態である包装体製造装置201により製造された包装体310の端部のシールされた部分が、2枚のテープ320a、320bの袋に囲まれることになり、第4の実施の形態である包装体製造装置101(図7A(a))により製造された包装体210(図12)と同様の効果を有する。
【0124】
続いて、図16に、本発明の第8の実施の形態である、包装体310(図17)の製造方法のフロー図を示す。ここでは、本発明の第7の実施の形態である包装体製造装置201(図13参照)を用いているが包装体製造装置201に限られず、いかなる製造装置により包装体を製造してもよい。本実施の形態は、図に示すように、ステップSt21からSt25、さらにステップSt26a、St27、St28a、St28b、St29、St30からなる。なお、供給されるテープ320a、320bは、テープ120(図3(c))と同じものである。
【0125】
まず、ステップSt21からステップSt25までは、第5の実施の形態である、包装体210の製造方法のステップSt11からステップSt15(図11)までと同様である。次に、2枚のテープ320a、320b(図13(c))を提供する(ステップSt26a)(テープ部材供給工程)。以下、ステップSt27(第1のシール工程)、ステップSt28a(第2aのシール工程)(第2のシール工程)、ステップSt28b(第2bのシール工程)(第2のシール工程)、ステップSt29(切断工程)、ステップSt30は、第5の実施の形態である、包装体310の製造方法のステップSt17、ステップSt18a、ステップSt18b、ステップSt19、ステップSt20(図11)とそれぞれ同様である。
本第8の実施の形態である包装体製造方法は、前述の本発明の第5の実施の形態である包装体製造方法(図11)の効果と同様の効果を有する。
【0126】
図17は、本発明の第9の実施の形態である包装体310を表す。図17(a)は包装体310の正面図、図17(b)は包装体310の筒状フィルムF1が縦シールされた方向から見た図(上面図)、図17(c)は包装体310を長手方向から見た図(側面図)、図17(d)、(e)は、包装体310の端部316の部分詳細図である。第6の実施の形態である包装体210(図12)との相違点を主として説明する。なお、包装体310は、包装体製造装置201(図13)により製造することができる。
【0127】
筒状フィルムF1の長手方向の端部316は集束され、シールされると共に2枚のテープ318a、318bで囲まれている。テープ318a、318bは、テープ120(図3(c))と同じものである。テープ318a、318bは、筒状フィルムF1の集束された端部316を挟み、その外縁をシールして、第1のシール部位321−1、第2aのシール部位322−1、第2bのシール部位323−1を形成し、袋状(第1のシール、第2aのシール、第2bのシールにより囲まれる冠状態)としている。第1のシール部位321−1は、末端部311の末端311aを含んだ箇所に形成された帯状の未溶着部分328−1と、未溶着部分328−1の末端311aとは反対側に接する帯状の溶着部分329−1から形成される。未溶着部分328−1と溶着部分329−1とは、端部316を横断する方向(横方向)に形成されている。すなわち、集束して細くなった端部をテープ318a、318bで挟み、包装体310の長手方向の末端311をシールし、また、挟んで重ねた側部312、313をシールする。長手方向の末端の第1のシール部位321では、筒状フィルムF1と共にシールされ、包装体310(図13(a))の端部316を密封している。
【0128】
本実施の形態の包装体310は、第6の実施の形態の包装体210(図12)と同様の効果を有し、2枚のテープ318a、318bは袋状となることにより、内容物C1の膨張あるいは筒状フィルムF1の収縮により、内圧が作用したときに、筒状フィルムF1の端部316が変形することを抑制する。すなわち、密封性が高く、耐圧強度を高めた包装体310となる。また、テープ318a、318bが捲くれて外観を損ねることのない包装体となる。更に、袋状となったテープ318a、318bの3辺311、312、313がシールされ、結果として薄く形成されているので、柔らかくなっており、輸送中等に他の包装体をテープ318a、318bの端部で損傷することがない。なお、内容物C1は代表的にはソーセージやスティックチーズ等であるが、これ以外の食品でもよいし、食品以外の例えばコーキング材などの建築資材や化粧品等であってもよい。テープ318a、318bは、前述のような、熱収縮性を有するので、包装体310の集束した端部のテープ318a、318bによる締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0129】
図18に筒状フィルムF1および2枚のテープ318a、318bのシールの形状の変形例を示す。テープ318a、318bは、テープ120(図3(c))と同様な、熱収縮性を有する。以下の場合、テープ318a、318bは、不在部215b(図13(a))を横断する方向にシールする2本の第1のシール部位(1本の第1のシール部位311aのみを図示)を形成する。さらに、図18(a)、(b)の場合は、横断する方向に直角な方向にシールするそれぞれ1本の第2aのシール部位、第2bのシール部位をそれぞれ2本に切断し(それぞれ切断した1本のシール部位322−1、323−1のみを図示)、図18(c)、(d)、(e)の場合は、同じく横断する方向に直角な方向にシールするそれぞれ2本の第2aのシール部位、第2bのシール部位(それぞれ1本の第2aのシール部位322−1、1本の第2bのシール部位323−1のみを図示)を形成し、閉じた冠状態となる。
【0130】
図18(a)に示す例は、末端311a付近を横断するシール321aを末端311aから少し内側にずらした例である。このように、シールされ薄く形成された部分が外縁に位置していなくても、その外縁に位置しているシールされていないテープ318a、318bの幅が狭いときには、他の包装体310の筒状フィルムF1(図17)を損傷するほどの強度を有することがない。図に示すように、切断位置からずれたシールを有する包装体を前述の包装体製造装置1を用いて、あるいは、前述の包装体製造方法により製造するときには、第1のシールが2本の平行に施された第1のシール部位(1本の第1のシール部位321aのみ図示)からなり、その2本の第1のシール部位の間で筒状フィルムF1(図13(a))を切断する。
【0131】
図18(b)に示す例は、横断するシール部位321aに加え、シール部位321aに直角に交差する方向の第2aのシール部位322−1、第2bのシール部位323−1を外縁から少し内側にずらした例である。
図18(c)に示す例は、3辺の第1のシール部位321a、第2aのシール部位322−1、第2bのシール部位323−1共に外縁から少し内側にずれ、外縁に達するシール部位のない例である。
図18(d)に示す例は、第2aのシール部位322−1、第2bのシール部位323−1だけを少し内側にずらした例である。いずれの例においても、テープ318a、318bは袋状に形成され、耐圧強度が高められる。また、シールされ薄く形成された部分が外縁に位置していなくても、その外縁に位置しているシールされていないテープ318a、318bの幅が狭いときには、他の包装体310の筒状フィルムF1(図17)を損傷するほどの強度を有することがない。
【0132】
図18(e)に示す例は、図中に示す例において、横断する第1のシール部位321aを直線状ではなく、内圧に対する膨らみに対応するように曲線状にしたものである。このように曲線にすることにより、内圧が第1のシール部位321aにより均一に作用することになり、耐圧強度が向上する。なお、シール部位の形状は、これらの変形例を組み合わせたもの、あるいは、その他の形状でもよく、上記に限られない。テープ318a、318bは、前述のような、熱収縮性を有するので、包装体310(図17)の集束した端部のテープ318a、318bによる締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0133】
図19A、図19Bの構成図を参照して、本発明の第10の実施の形態である包装体製造装置301について説明する。図19A(a)は、包装体製造装置301の全体構成を示す構成図である。図19B(b)は、横接合装置461とテープ重合装置450の構成を説明する部分斜視図(図19A(a)のZ1矢視)であり、図19B(c)は、図19B(b)と同じ横接合装置461とテープ重合装置450の構成を鉛直方向から示した部分断面図(図19A(a)のZ2−Z2矢視)であり、図19B(d)は、集束装置471、2次シール装置476及び切断装置481の構成を説明する部分斜視図(図19A(a)のZ3矢視)である。
図19A(a)の紙面上の上下は実際の鉛直方向の上下に対応し、後述の筒状フィルムF1は図中、上から下に流れるように走行する。すなわち、上が充填包装作業における筒状フィルムF1の走行方向の上流側、下が走行方向の下流側となる。ロール状に巻かれた帯状のフィルムFは、原反21として回転自在に支持されている。原反21から引き出された帯状フィルムFは、ガイドローラ22A、22Bに案内されて走行し、フォーミングプレート11に導かれる。この原反21とガイドローラ22A、22Bにより原反供給装置20が構成されている。帯状フィルムFの材質は、加熱溶着させるため塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましく、他のオレフィン系樹脂でもよい。また、帯状フィルムFは単層としても多層としてもよい。
【0134】
フォーミングプレート11は、上下に開口する円筒形状を有している。また、周方向の一箇所で縦方向に延びる円周方向の隙間を持っている。フォーミングプレート11の上端縁は湾曲しつつ傾斜しており、帯状フィルムFは、その内面に沿うように案内されることにより側縁部で重ね合わせ部を持ち連続する筒状フィルムF1に形成される。フォーミングプレート11の下流側である下方には、案内筒12が垂下され、筒状フィルムF1はその筒状の形を保ったまま下流に走行するよう案内される。
【0135】
案内筒12に案内された筒状フィルムF1の重ね合わせ部は、縦シール装置13により、押圧されながら溶着され、縦シールされる。縦シール装置13による溶着手段は超音波溶着が好適であるが、これ以外にも抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いることができる。また、縦接合は、いわゆる合掌貼りシールであってもよいし、封筒貼りシールであってもよい。
【0136】
包装体製造装置301の上部には、縦シールされた筒状フィルムF1に内容物C1を充填するポンプ31とノズル32とを備える充填装置30が設けられている。ノズル32は、フォーミングプレート11の上方に設置されたポンプ31に接続され、先端が案内筒12内へ導入されている。ノズル32の先端は、縦シール装置13より下流側で開口している。なお、ポンプ31は、フォーミングプレート11の上方ではなく、内容物C1を適宜補充し易い他の位置に設置し、配管によりノズル32と連接されていてもよい。特に、練状食品のように比較的重量のある内容物を充填するときには、地上に設置された容器に貯留された練状食品を、ポンプによりノズル32の位置に圧送して供給するのがよい。
【0137】
案内筒12及びノズル32の下流側に、送り装置である送りローラ14が設けられている。送りローラ14では、縦シールされた筒状フィルムF1内に内容物C1が充填された筒状体415aを、一対の円柱状の送りローラ14が内容物C1を押圧した状態で筒状フィルムF1を下方へ連続して狭圧しながら搬送する。
【0138】
送りローラ14の下流側には、しごき装置40が設けられている。
図19A(a)において、しごき装置40のしごきローラ41は、紙面に垂直方向に延びる筒状外面を有し、その直角方向の長さは少なくとも折り幅よりも長いものであり、腕体42により支持されている。なお、「折り幅」とは筒状体415aを扁平にしたときの幅、言い換えれば筒状体415aの円周長の半分の長さをいう。腕体42はその一端42aを中心に揺動可能で、中間部でピン等を介して横部材43が接続されている。また、しごきローラ41は、筒状体415aが扁平にされる際に帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fpが扁平になった筒状体415aの不在部415bの片面に収まるような向きに配置される(図19B(b)参照)。特に、片面の中央部に位置するように配置するとよい。このとき、帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fpは一対のしごきローラ41のいずれか一方の筒状長手方向の中央部分に配置されるのが好ましい。一対の横部材43が近接方向に移動すると、一対のしごきローラ41により筒状体415aは狭圧される。横部材43が離間方向へ後退すると、しごきローラ41は筒状体415aを狭圧することはなくなる。このように、走行する筒状体415aに走行方向で所定の距離だけ内容物C1の不在部415bを形成する。しごき装置40は、筒状体415aに内容物C1の不在部415bを扁平に形成できればよく、ローラに限られず、例えば、平らな部材で筒状体415aを両側から押しつぶし、内容物を上下に振り分けるようなものであってもよい。このような押しつぶしも、ここで言う「しごき」の概念に含まれるものとする。
【0139】
しごき装置40の下流側には、1次シール(第1のシール)を行う横接合装置461が設けられており、また、横接合装置461に隣接してテープ部材としてのテープ451をテープ451は、テープ120(図3(c))と同じものである。不在部415bに重ねるテープ重合装置450が設けられている(図19B(b)参照)。テープ重合装置450は、図19B(c)の部分平面図に示すように、不在部415bの帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fp(すなわち縦シールした側)に筒状体415aの進行方向に交差する方向でテープ451を供給する。そのため不在部415bの扁平にされた面に沿ったほぼ水平方向にロール状に巻かれたテープ451を所定長さだけ不在部415bに送り出すテープ送りローラ455と、送り出されたテープ451を所定長さで切断するカッター458と、送りローラ455とカッター458との間に配設されテープ451の巻き癖を矯正する押圧具456、457とを備える。このようにテープ重合装置450が水平方向に配置されるので、包装体製造装置301の全高が、テープ重合装置450のために高くなることはない。
【0140】
テープ送りローラ455は一対の円柱状のローラであり、それぞれの側面でテープ451を挟んで円周方向に回転することによりテープ451を不在部415bに送る。テープ451を所定長さだけ送るとテープ送りローラ455の回転が止まる。このとき送り出されたテープ451は一対のテープ送りローラ455に狭持され片持ち状態になっている。テープ送りローラ455では、連続的に走行する筒状フィルムF1に対し、不在部415b毎に所定長さのテープ451を供給し、重ねる。
【0141】
押圧具456、457は、中央が凸に湾曲した水平断面のテープ接触面を有する当て金456aとほぼ長方形状のテープ接触面を有する受け金457aとを備える。当て金456aは、不図示の駆動装置により受け金457aを押圧し、離れる往復動をする。受け金457aは、当て金456aにより押圧されると、当て金456aの湾曲に沿うように変形する。テープ送りローラ455により送られてきたテープ451は当て金456aと受け金457aによりテープ451がロール状に巻かれているのとは反対側の曲率をもって押圧され、巻き癖が矯正される。すなわち、テープ送りローラ455により送り出されたテープ451が、テープ送りローラ455の回転が止まり、不在部415bへの送り出しが停止したときに、当て金456aがテープ451を受け金457aとの間で押圧する。なお、当て金456aと受け金457aのテープ接触面はそれぞれ長方形状と中央が凸に湾曲した水平断面でなくてもよく、また受け金457aが往復動をしてテープを押圧してもよい。
【0142】
切断装置458はテープ451の幅方向に刃幅を持つ一対のカッター458a、458bを有し、それぞれの刃の間を通ってテープ451が不在部415bに送られる。テープ送りローラ455により所定長さのテープ451が不在部415bに送られると、一対のカッター458a、458bは近接してテープ451を切断する。テープ451が切断されるとカッター458a、458bは互いに離れ、カッター458a、458bの刃の間に再びテープ451が送られてくるのを待機する。テープ451は、1次シールが行われる前に切断装置458により切断されるが、1次シールが行われた後に切断されてもよい。
【0143】
なお、テープ重合装置450はロール状に巻かれたテープ451を適宜切断して供給するものに限らず、あらかじめ所定の長さに切断されたテープ451を供給するように構成されていてもよい。いずれの場合であってもテープ451の長さは少なくとも帯状フィルムFの側縁部が重ね合わせられた幅以上の長さを有し、より好ましくは折り幅の長さ以上として、テープ451で帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fpを覆う。なお、帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fpが、不在部415bの片面に収まっているので、特に片面の中央部に収まっているので、片側にテープ451を重ねることで、帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fpを覆うことができ、また、帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせられた部分Fp及びその近傍で、後述する溶着を均質に行うことができる。テープ451及び筒状フィルムF1の材質等は、包装体の設計仕様に合わせて寸法を適宜決めることができるが、テープ451の幅は5〜100mm、厚さは10〜300μmとするのが好適である。テープ451は必要に応じて複数枚重ねられてもよい。また、テープ451の材質は塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましいが、オレフィン系樹脂であってもよい。また、テープ451は、単層あるいは多層からなる構成としてよい。テープ451の材質はフィルム(即ち、帯状フィルムF、筒状フィルムF1)の材質と同じであることが好ましいが、溶着可能な異なる材質であってもよい。
【0144】
横接合装置461は、図19B(b)の詳細斜視図に示されるように、不在部415bの面の両側で互いに対向する超音波ホーン462とアンビル463を有する。また、不在部415bに対してテープ451が重ね合わせられた側に超音波ホーン462が設けられている。アンビル463の、超音波ホーン462に対向する対向面463aは平坦である。一方、超音波ホーン462は、不在部415bの幅方向に延びる二つの平行な突起部462aを有している。さらにこの二つの突起部462aには送られてきたテープ451を吸い寄せて保持するための吸引孔462bが設けられている。吸引孔462bは小孔であり不在部415bの幅方向に複数配列されており、不図示の吸引装置に連接され空気を吸引することによりテープ451を吸い寄せて保持する。テープ送りローラ455に狭持されて片持ち状態にあるテープ451は、吸引孔462bに吸い寄せられて保持され、切断装置458により切断されても、落下することがない。
【0145】
このように構成された超音波ホーン462とアンビル463とは互いに近接し、超音波ホーンの二つの突起部462aがアンビル463の対向面463aとの間でテープ451及び不在部415bを狭圧すると共に、超音波ホーン462が超音波エネルギーを放出することにより、テープ451を筒状フィルムF1に溶着する。図20に示すように、不在部415bに二つの細幅のシール帯である線状(以下、単に線状とも云う)の1次シール部位S1(第1のシール部位)を形成する。このように、超音波ホーン462でテープ451を保持するので、テープ451から外れて1次シールが行われることがない。超音波ホーン462とアンビル463との対向面の形状は、上記に限られず、例えば、超音波ホーン462の対向面62aもアンビル463の対向面463aと同様に平坦な形状として、ほぼ不在部415bの長さと同等な幅の帯状の1次シール部位を形成してもよい。なお、溶着手段としては超音波溶着が好適であるが、これ以外にも抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いてもよい。
【0146】
横接合装置461の下流側には集束接合装置470が設けられている。集束接合装置470は集束装置471と2次シール(第2のシール)を行う2次シール装置476とからなる。集束装置471は2次シール装置476の上下を挟むように配置されている。図19A(a)では、横接合装置461と集束接合装置470とが同じ向きに記載されているが、実際は集束接合装置470は横接合装置461と直交する向き(図19A(a)の紙面に垂直方向)に配置される。
【0147】
図19B(d)の詳細斜視図に示すように、集束装置471は、平行な集束板472、473を2次シール装置476の上下に有している。扁平な筒状フィルムF1(図19A(a))の幅方向に筒状フィルムF1を挟んで対向した集束板472、473は、互いに近接し、次いで離れる往復動をする。前述の通りに、この往復動は横接合装置461の往復動とは直交した方向で行われる。集束板472、473には、筒状フィルムF1側の対向縁にV字状の集束溝が形成されている。対向する集束板472、473が近接したときには、左右の集束板472、473が重なり、それぞれのV字溝の溝底同士で、一つの小さな空間を形成する。V字溝の溝底にU字状の切り欠きを形成すれば、集束板472、473が近接したときにU字の底同士で円形の空間が形成されるので、好適である。
【0148】
2次シール装置476について超音波ホーン477とアンビル478は、筒状フィルムF1(図19A(a))を挟んで対向して配置されている。超音波ホーン477は、集束板472、473の対向面と平行に延び、横接合装置461のアンビル462の二つの突起部462aの間隔の内側に入る、平行な二つの突起部477aを有している。超音波ホーン477とアンビル478とは、二つの突起部477aがアンビル478の対向面478aとの間で不在部415b及びテープ451を狭圧するとともに筒状フィルムF1を溶着して、集束板472、473で集束された不在部415bに二つの線状の2次シール部位S2(第2のシール部位)を、二つの1次シール部位S1の間に、形成するように、互いに近接し、次いで離れる往復動をする。もっとも、不在部415bは既に1次シールにより扁平に形成され集束されているので、2次シール部位S2の線の長さはごく短い。なお、2次シールとして説明したが、シール効果のない単なる溶着でもよい。また、線状に限らず湾曲した超音波ホーン477とアンビル478により溶着してもよく、あるいは、超音波溶着以外の抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段でもよい。また、集束された不在部415bを丁度囲い込むような二つの凹状部材又は一つの凹状部材と凹部を蓋する蓋部材で、集束された不在部415bの二つの位置Y1、Y2間全体を溶着するようにしてもよい。
【0149】
2次シール装置476中のアンビル478の高さの中間位置には、切断装置としてのカッター481aが設けられている。カッター481aは板状であり、切断される筒状フィルムF1(不在部415b)及びテープ451が存在する側に鋭利な刃部が設けられている。カッター481aも、2次シール装置476及び集束装置471と同様に、往復動をする。そこで、2次シール装置476、集束装置471及びカッター481aは、共通の駆動装置(不図示)により駆動する構成とすることにより構成が単純化されて好ましい。ただし、集束板472、473が互いに近接し、超音波ホーン477とアンビル478とが不在部415b及びテープ451を狭圧した後に、カッター481aが筒状フィルムF1及びテープ451を切断する位置に動くような構成とする。
【0150】
また、テープ重合装置450と横接合装置461、2次シール装置476、集束装置471及び切断装置481とは、筒状体415aが下方に送られるのと同じ速さで下方に移動しつつテープ451を重ねて不在部415bを挟み込み1次シール部位S1及び2次シール部位S2を形成し、切断した後、不在部415bを開放して上の位置に戻る、いわゆる「拝み運動(ボックスモーション)」をするのが好ましい。そこで、テープ重合装置450と横接合装置461、2次シール装置476、集束装置471及び切断装置481とが、共通の上下に移動する架台(不図示)上に設置されると、構成が簡単になる。
【0151】
続いて、図19A、図19Bに示す本発明の第10の実施の形態である包装体製造装置301を用いた包装体の製造について説明する。帯状フィルムFは原反21から所定の速度で引き出され、ガイドローラ22A、22Bにより所定の張力をかけられて、走行するよう案内され、フォーミングプレート11に到達する。
【0152】
フォーミングプレート11に到達した帯状フィルムFは、側縁部で重ね合わせ部を持つ筒状に形成され、縦シール装置13によって重ね合わせ部Fpが溶着される。このようにして、縦シールされた筒状フィルムF1が形成される。この筒状フィルムF1内には、ポンプ31からノズル32を経て内容物C1が充填される。内容物C1が充填された筒状体415aは、送りローラ14によって下流側へ搬送される。一対の送りローラ14は、筒状体415aを局部的に押しつぶすように狭圧して搬送するが、押しつぶされた筒状体415aは、送りローラ14の位置を通過した後は内容物C1による内圧により元の筒形に復帰する。
【0153】
筒状体415aは、一対のしごきローラ41により間けつ的に所定の長さにわたり狭圧され、帯状フィルムFの側縁部の重ね合わせ部Fpが片面に収まるように扁平にされて、内容物C1のない不在部415bが所定の間隔をもって形成される。
【0154】
ここで、図20をも参照して、包装体のシールと集束について説明する。図20(a)は、筒状体415aの不在部415bにテープ451を重ねて、1次シールを施し1次シール部位S1を形成する位置関係を説明する部分正面図であり、図20(b)は、1次シール後に集束して2次シールを施し2次シール部位S1を形成する位置関係を説明する部分正面図であり、図20(c)は、集束後に切断した包装体410を説明する部分正面図である。図20(a)に示すように、筒状体415aが下流側に送られ、不在部415bがテープ重合装置450にまで達すると、筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpを有する側の不在部415bに、テープ451が、筒状体415aの長手方向に交差する方向で供給される。このとき、筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpはテープ451によって覆われている。なお、筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpは不在部415bの全面にわたってテープ451で覆われているのが好ましいが、筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpが覆われていればよい。
【0155】
横接合装置461はテープ重合装置450に隣接して設けられており、不在部415bに対して供給されたテープ451は、超音波ホーン462の二つの突起部462aに設けられた吸引孔462bに吸い寄せられることにより超音波ホーン462上に保持される。テープ451は超音波ホーン462に保持された後に、所定の長さに切断される。テープ451を保持する超音波ホーン462と、アンビル463との間に不在部415bが挟まれ、超音波ホーン462から超音波エネルギーが放出され、テープ451が不在部415bに溶着されると共に、不在部415bに対して二つの線状の1次シール部位S1が形成される(図20(a)参照)。テープ451が筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpを覆っているので、弱部となり易い筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部Fpとその近傍において、1次シール部位S1と共にテープ451が溶着され、当該部分を補強することができる。
【0156】
続いて、図20(b)、図19B(d)を参照して、集束と2次シールについて説明する。1次シール部位S1が形成された不在部415b(図20(a))は、下流に送られ、集束接合装置470の位置に達する。集束接合装置470において、まず、不在部415bは、対向する集束板472、473により集束溝の溝底に、細く集束される。次に、集束された不在部415bを、2次シール装置476の超音波ホーン477の二つの突起部477a(図19A(a))とアンビル478の対向面478a(図19A(a))で挟み込み、二つの位置Y1、Y2(図19A(a))で2次シール部位S2が形成される。
【0157】
図20(c)、図19B(d)に示すように、2次シール部位S2が形成された直後に、切断装置のカッター481aによって、筒状フィルムF1は、離れた1次シール部位S1の中間において二つの2次シール部位S2を横切って切断される。このように、シール部位S1の間で切断されることにより、1個ずつの包装体410となる。この包装体410は、包装体製造装置301(図19A(a))から取り出され、次の工程に供給される。
【0158】
図19A(a)に戻り説明する。前述の通り、集束接合装置470及び切断装置481は、不在部415bが鉛直下方に送られる速さと同じ速さで下方に移動しながら、集束し、2次シール部位S2を形成し、切断を行う。その後、これらの装置の対向する部品同士は互いに離れ、上方に移動し、次の不在部415bに備える。また、テープ重合装置450及び横接合装置61もこれらに同調して移動する。このように、テープ重合装置450及び横接合装置461並びに集束接合装置470及び切断装置481が、筒状フィルムF1が送られる速さと同じ速さで移動しながら、作動する。よって、筒状フィルムF1の送りを停止することなく、連続的に包装体410の製造を行うことができるので、包装体410の作業速度を速めることができる。ただし、テープ重合装置450、横接合装置461、集束接合装置470及び切断装置481が上下に移動する構造ではなく、筒状フィルムF1を間歇的に送り、送りが停止している間に、テープ451を重ね、1次シール部位S1(第1のシール)を形成し、また、不在部415bを集束し、2次シール部位S2を形成し、切断する構成としてもよい。このように構成すると、包装体製造装置301の構成が簡単になり、大きさ、重量を軽減することができる。
【0159】
以上のように、本発明の第10の実施の形態である包装体製造装置301によれば、テープ451の筒状フィルムF1への溶着と筒状フィルムF1の1次シール(第1のシール)とが同時に行われ、テープと共に1次シールが行われた筒状フィルムF1の部分が補強される。したがって、後の工程でレトルトやボイル等の加熱処理が60〜120℃程度の温度で行われて筒状フィルムF1が熱収縮しても、包装体にピンホールが発生することが抑制される。
【0160】
テープ451は、熱収縮性を有し、その長手方向の熱収縮率は、10%から35%のものであり、テープ451の長手方向の熱収縮率は、幅方向の熱収縮率より大きいので、包装体410の集束した端部のテープ451による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。供給されたテープ451の捻れが小さいのでテープ重合装置450によるテープ451の供給が確実に行える。
【0161】
続いて、図21のフロー図を参照して、また図19A、図19Bを適宜参照して、本発明の第11の実施の形態である包装体製造方法について説明する。ここでは、本発明の第10の実施の形態である包装体製造装置301を用いているが包装体製造装置301に限られず、いかなる製造装置により包装体410(図22)を製造してもよい。まず、帯状フィルムFをフォーミングプレート11等により側縁部を重ね合わせて筒状に形成して筒状フィルムF1を形成する(ステップSt31)(筒状フィルム形成工程)。筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部を縦シールする(縦シール工程)ことにより、縦シールされた筒状体415aを成形する(ステップSt32)(筒状体成形工程)。そして、筒状体415aの中に、筒状体415a中に挿入したノズル32から内容物C1を充填する(ステップSt33)(充填工程)。
【0162】
内容物C1を充填した筒状体415aを、筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部が片面に収まるようにしごくことにより、所定の間隔をもって、所定の長さを有する内容物のない不在部415bを扁平に形成する(ステップSt34)(しごき工程)。所定の長さとは、充分なシール機能を有する端部が包装体410に形成される長さである。所定の間隔とは、包装体410の内容物C1が存在する長さに、当該所定の長さを足した長さである。筒状フィルムF1の側縁部の重ね合わせ部がある側の不在部415bに1枚のテープ451を重ねる(ステップSt35)(テープ部材供給工程)。テープ451は、テープ120(図3(c))と同じものである。テープ415を重ねた側から超音波溶着することにより、不在部415bに対して、筒状体415aの長手方向に所定の間隔をあけて線状に二つの1次シール部位S1を形成す(ステップSt36)(1次シール工程)(第1のシール工程)。なお、1次シール部位S1は筒状体415aの長手方向に所定の間隔にわたって帯状に形成してもよい。また、超音波溶着以外の抵抗加熱溶着、高周波誘電加熱溶着、レーザー加熱溶着、溶融樹脂滴吹付溶着、その他種々の溶着手段を用いてもよい。
【0163】
1次シール部位S1を形成した不在部415bを集束する(ステップSt37)(集束工程)。集束した箇所を、線状に1次シールし1次シール部位S1を形成した二つの位置の間で、この二つの位置とは別の二つの位置で2次シールし2次シール部位S2を形成する(ステップSt38)(2次シール工程)(第2のシール工程)。二つの2次シール部位S2の間を2次シール部位S2を横断して切断し、1個の包装体410が製造される(ステップSt39)(切断工程)。
【0164】
上記の作業(ステップSt31〜St39)の間、帯状フィルムF、筒状フィルムF1は連続的に送り続ける(ステップSt40)。すなわち、テープ451の供給(ステップSt35)も、1次シール(ステップSt36)も、不在部415bの集束(ステップSt37)も、2次シール(ステップSt38)も、筒状フィルムF1を送りながら作業する。
【0165】
上述の本発明の第11の実施の形態である包装体製造方法によれば、テープ451の筒状フィルムF1への溶着と筒状フィルムF1の1次シールとが同時に行われ、テープ415と共に1次シールが行われた筒状フィルムF1の部分が補強されるので、ピンホールの発生が抑制された包装体410を製造することができる。テープ451は、前述のような熱収縮性を有するので、包装体410の集束した端部のテープ451による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。供給されたテープ451の捻れが小さいのでテープ重合工程(ステップSt15)の操作が確実に行える。
【0166】
続いて、図22を参照して本発明の第12の実施の形態である包装体410について説明する。図22(a−1)は包装体410の正面図、図22(a−2)は包装体410の側面図、図22(a−3)は包装体製造過程におけるテープ451の形状と筒状フィルムF1の端部を示す図である。テープ451は、テープ120(図3(c))と同じものである。包装体410は、包装体製造装置301(図19A(a))により製造することができる。
なお、筒状フィルムF1及びテープ451は、二つのシール部位S1の間で切断されるので当該部分が包装体410の端部となる。内容物C1を包んでいる筒状フィルムF1は、帯状フィルムFの側縁部が重ね合わせられ、縦シールされて成形されている。帯状フィルムFの材質は塩化ビニリデン系樹脂であるが、これ以外のオレフィン系樹脂であってもよく、帯状フィルムFは単層であっても多層であってもよい。また、筒状フィルムF1の端部はシールされると共に集束されている。内容物C1は代表的にはソーセージやスティックチーズ等であるが、これ以外の食品でもよいし、食品以外の例えばコーキング材などの建築資材や化粧品等であってもよい。筒状フィルムF1の端部にはテープ451が配設されていて、このテープ451は、筒状フィルムF1の端部のシール部位S1と共に筒状フィルムF1に溶着された上で、集束されている。テープ451の材質は塩化ビニリデン系樹脂であるが、これ以外のオレフィン系樹脂であってもよく、テープ451は単層であっても多層であってもよい。また、テープ451の材質はフィルム(即ち、帯状フィルムF、筒状フィルムF1)の材質と同じであることが好ましいが、溶着可能な異なる材質であってもよい。
【0167】
上記のように構成された包装体410は、端部にテープ451が配設され1次シール部位S1と共に溶着されているので、1次シール部位S1が補強されている。その結果筒状フィルムF1へのピンホールの発生が抑制されている。また、テープ451は一部が筒状フィルムF1に溶着されているため、テープ451の端をつまんで折り返すことにより筒状フィルムF1に切れ目を生じさせ、これをきっかけとして筒状フィルムF1を剥離して内容物C1を容易に取り出すことができる。すなわち、筒状フィルムF1を剥離し易くなり、消費者が内容物C1を取り出すときの包装の開封を助ける役割も兼ね備える。テープ451は両端に配設されているため一度包装の開封に失敗しても反対側のテープ451を用いてもう一度包装の開封を試みることができる。テープ451は、前述のような熱収縮性を有するので、包装体410の集束した端部のテープ451による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0168】
続いて、図22(b−1)〜(b−3)及び図22(c−1)〜(c−3)を参照して本発明の第12の実施の形態である包装体の第1の変形例及び第2の変形例について説明する。図22(b−1)は第1の変形例である包装体411の正面図、図22(b−2)は第1の変形例である包装体411の側面図、図22(b−3)は第1の変形例である包装体411の製造過程におけるテープ452の形状と筒状フィルムF1の端部を示す図である。図22(c−1)は第2の変形例である包装体412の正面図、図22(c−2)は第2の変形例である包装体412の側面図、図22(c−3)は第2の変形例である包装体412の製造過程におけるテープ453の形状と筒状フィルムF1の端部を示す図である。第1の変形例である包装体411及び第2の変形例である包装体412は、図22(b−3)や図22(c−3)に示すように、テープ452、453の幅に変化をもたせている。幅に変化をもたせたテープ452、453を使用すれば包装体の端部を集束したときにテープ452、453がよりつまみ易くなるだけでなく、図22(b−2)に示すように、円柱状の包装体の中心軸方向から見たとき、星形や図22(c−2)に示すように果実状の形態を呈することとなり、消費者の購買意欲を惹起することができる。なお、テープ452、テープ453は、テープ120(図3(c))と同じものである。
【0169】
筒状フィルムF1及びテープ451、452、453の色は同じでもよく異なっていてもよい。例えば、筒状フィルムF1を金色にして両端のテープ451、452、453を赤色にする、筒状フィルムF1を金色にして一端のテープ451、452、453を赤色に他端のテープ451、452、453を白色にする等さまざま組合せを採用することができる。色彩に変化をもたせることにより包装体の識別が容易になる。例えば、筒状フィルムF1が橙色でテープ451、452、453が赤色、筒状フィルムF1が金色でテープ451、452、453が赤色である包装体などである。また、夏には青色等の寒色系を基調に清涼感を出し、冬には赤色や橙色等の暖色系を基調に温かみを出してもよい。加えて、グラデーション、スペクトル、玉虫色、幾何学模様などの模様により装飾した筒状フィルムF1やテープ451、452、453を使用して、よりカラフルな包装体としてもよい。また、テープ451、452、453は、ともに前述のような熱収縮性を有するので、包装体410〜412の集束した端部のテープ451〜453による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0170】
以下に、第12の実施の形態の筒状フィルムF1を成形したときに帯状フィルムFを重ね合わせた位置、テープ451を重ねた位置及び超音波シールのホーン462、463の位置を種々変えて包装体A〜Dを製造し、そのシール部位を観察した結果を示す。なお、テープ451は、前述のように、テープ120(図3(c))と同じものである。
【0171】
包装体Aでは、図23(a)に示すように、帯状フィルムFを重ね合わせた箇所Fp側にテープ451を重ね、テープ451側にホーン462を、筒状フィルムF1を挟んだ対向面にアンビル463を配置した状態で1次シールを行い包装体Aを製造した。
【0172】
包装体Bでは、図23(b)に示すように、帯状フィルムFを重ね合わせた箇所Fp側と反対の面にテープ451を重ね、テープ451側にホーン462を、筒状フィルムF1を挟んだ対向面にアンビル463を配置した状態で1次シールを行い包装体Bを製造した。
【0173】
包装体Cでは、図23(c)に示すように、帯状フィルムFを重ね合わせた箇所Fp側と反対の面にテープ451を重ね、テープ451側にアンビル463を、筒状フィルムF1を挟んだ対向面にホーン462を配置した状態で1次シールを行い包装体Cを製造した。
【0174】
包装体Dでは、図23(d)に示すように、帯状フィルムFを重ね合わせた箇所Fp側にテープ451を重ね、テープ451側にアンビル463を、筒状フィルムF1を挟んだ対向面にホーン462を配置した状態で1次シールを行い包装体Dを製造した。
【0175】
ここで、包装体A〜Dの筒状フィルムF1の素材は、塩化ビニリデン系樹脂の厚さ40μmの帯状フィルムFを使用し、テープ451の素材は筒状フィルムF1と同じ塩化ビニリデン系樹脂とし、テープの形状は長さ35mm、幅20mm、厚さ80μmのものを使用した。包装体A〜Dは、直径20mm、長さ150mmとし、魚肉ソーセージ用エマルジョンを内容物C1(図19A(a))として充填して製造した。
【0176】
この筒状フィルムF1とテープ451に対し超音波溶着により1次シールを施す条件としては、振動周波数15〜50kHz、振動子の振幅5〜35μm、公称出力300〜600Wとするのが好適であり、より好ましくは、振動周波数40kHz、振動子の振幅5〜15μm、公称出力300Wである。そこで、振動周波数40kHz、振動子の振幅15μm、公称出力300Wとして1次シールを行った。また、1次シール後に、不在部Ab〜Dbを集束して2次シールを施した。なお、振動子の振幅が35μmを超えると筒状フィルムF1やテープ451に溶融によるピンホールを生ずることがあり、また、5μm未満では溶着不足となることがある。ただし、公称出力と振動周波数は、労働安全衛生上の規制範囲内であれば、任意の値とすることができる。
【0177】
以下、図24を参照し、適宜、図23をも参照して説明する。
図24は、これらの包装体A〜D(図23)の縦シールされた端部を長手方向に切断し、1次シール部位S1(図20)の断面の拡大写真の輪郭線を捉えた包装体端部の長手方向断面の溶着状態を説明する模式断面図である。包装体Aの模式的断面図を図24(a)に、包装体Bの模式的断面図を図24(b)に、包装体Cの模式的断面図を図24(c)に、包装体Dの模式的断面図を図24(d)に示す。
【0178】
図24(a)に示すように、包装体Aにおいては、1次シールを行うことにより溶出したテープ451又は筒状フィルム491(筒状フィルムF1(図19A(a))と同じ材質のもの)が、筒状フィルム491の内部に向かって球状に成長し、固着していた。すなわち、筒状フィルム491の1次シール部位S1(図20)が形成された箇所は充分な厚さを有し、また、筒状フィルム491は1次シール部位S1で球状に成長した部分を間に有することにより、鋭角に折れた部分を有していない。そのために、弱部あるいは応力集中部が存在せず、レトルト・ボイル等の加熱工程により筒状フィルム491に熱応力が生じても筒状フィルム91にピンホールが生じることが抑制されると考えられる。なお、図24(a)〜(d)において、「外耳」とは筒状フィルムを重ね合わせた部分であって筒状フィルム491の外側に存在する部分を指す。
【0179】
図24(b)に示すように、包装体Bにおいては、1次シールを行うことにより溶出したテープ451及び筒状フィルム491が、筒状フィルム491の外側であって筒状フィルム491と外耳492との間に向かって成長し、固着していた。また、1次シール部位S1(図20)における2枚の筒状フィルム491間のなす角が、包装体Aと比較して鋭角になっていた。
【0180】
図24(c)に示すように、包装体Cにおいては、1次シールを行うことにより溶出したテープ及び筒状フィルムが、筒状フィルム491の外側であって筒状フィルム491とテープ451との間に向かって成長し、固着していた。また、1次シール部位S1(図20)における2枚の筒状フィルム491間のなす角が、包装体Aと比較して鋭角になっていた。
【0181】
図24(d)に示すように、包装体Dにおいては、1次シールを行うことにより溶出したテープ451及び筒状フィルム491が、筒状フィルム491の外側であってテープ451と外耳492との間に向かって成長し、固着していた。また、1次シール部位S1(図20)における2枚の筒状フィルム491間のなす角が、包装体Aと比較して鋭角になっていた。
【0182】
上記の包装体A〜Dにおけるピンホール形成抑制の確認を、次のように行った。青色色素である食用色素青色一号の0.4質量%水溶液を85℃に上昇させ、この水溶液中に包装体A〜Dを投入し、1時間のボイル加熱を行った。ボイル加熱が終了した後、包装体A〜Dを冷却し、その後、包装体A〜Dの外部に色素が残らないように充分に洗浄し、更に乾燥させた。この包装体A〜Dの包装を開封し、内容物C1(図19A(a))に青色色素の付着が確認できるか目視することによって、包装体A〜Dのピンホールの有無を確認した。その結果、少ないサンプル数による観察結果ではあるが、包装体Aにおいてはピンホールは全く観察されなかった。また、包装体B、C、Dにおいては、ピンホールの形成が一部観察された。しかし、テープ451を重ねずに1次シールしたときよりは、ピンホールの形成が抑制されていた。また、テープ451は、前述のような熱収縮性を有するので、包装体A〜Dの集束した端部のテープ451による締まりが確実に行え、端部のシールされた部分に発生するピンホールの発生率を大幅に減少させることができる。
【0183】
以上の観察より、本発明に係る実施の形態の包装体A〜Dの製造においては、筒状フィルムF1を成形するときに帯状フィルムFを重ね合わせた側にテープ451を重ね、テープ451を重ねた側に超音波シールのホーン462、463を位置させるのが、最も好ましいと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0184】
【図1】本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置を説明する図である。図1(a)は、当該包装体製造装置の全体構成を説明する構成図である。図1(b)は、集束装置を説明する部分斜視図である。図1(c)は、テープ供給装置と超音波溶着装置を説明する部分斜視図である。
【図2】窪みを有するアンビルを説明する斜視図である。図2(a)は、アンビルの斜視図である。図2(b)は溶着している側面図である。図2(c)は、溶着による溶融物の流れと溶着された部分近傍を説明する側面図である。
【図3】包装体端部の製造過程を説明する部分斜視図である。図3(a)は不在部が集束されるところ、(b)は集束された不在部、(c)はテープが重ねられたところ、(d)、(e)は第1のシールと第2のシールが同時になされたところ、(f)は切断されたところを示す。
【図4】テープ供給装置でのテープの供給を説明する部分斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である包装体製造方法を説明するフロー図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態である包装体を説明する図であり、(a)は、正面図、(b)は、平面図、(c)は、側面図であり、(d)、(e)は包装体の端部の部分詳細図である。
【図7A】本発明の第4の実施の形態である包装体製造装置を説明する図である。図7A(a)は、当該包装体製造装置の全体構成を説明する構成図である。図7A(b)は、集束装置を説明する部分斜視図である。図7A(c)は、テープ供給装置と超音波溶着装置を説明する部分斜視図である。
【図7B】本発明の第4の実施の形態である包装体製造装置を説明する図である。図7B(d)は、保持具が2段の場合のテープ供給装置と超音波溶着装置を説明する部分斜視図である。図7B(e)は、図7B(d)の2段の保持具の下側の保持具を説明する斜視図である。図7B(f)は、テープ供給装置の保持具のU字形の面の底に溝型が形成されていない場合を説明する部分斜視図である。
【図8】包装体端部の製造過程を説明する部分斜視図である。(a)、(b)は集束された不在部、(c)はテープが重ねられたところ、(d)は第1のシールと第2aのシールがなされたところ、(e)は第1のシールと第2のシールの詳細を示し、(f)は第2bのシールがなされたところ、(g)は切断されたところを示す。
【図9】テープ供給装置でのテープの供給を説明する部分斜視図である。
【図10】一度に3辺のシールをする超音波溶着装置を説明する図である。(a)は、超音波溶着装置とテープ供給装置の部分斜視図である。(b)は、(a)に示す装置でシールした包装体端部のシール形状を説明する包装体の部分図である。(c)は、不在部を横断するシールとテープの頂角のシールとでテープがシールされた包装体の部分図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態である包装体製造方法を説明するフロー図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態である包装体を説明する三面図であり、(a)は、正面図、(b)は、平面図、(c)は、側面図であり、(d)、(e)は包装体の端部の部分詳細図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態である包装体製造装置を説明する図である。(a)は、本発明の第1の実施の形態である包装体製造装置の全体構成を説明する構成図である。(b)は、集束装置を説明する部分斜視図である。(c)は、テープ供給装置によるテープの供給を説明する部分斜視図である。(d)は、超音波溶着装置を説明する部分斜視図である。
【図14】テープ供給装置を説明する模式図である。(a)は、2つの保持具のうち一が、テープを保持後に回転移動して2つの保持具が互いに対向する位置となるテープ供給装置、(b)は、中子を利用して、保持具の凹面形にシールされた部分を凹面の底にしてテープを置くテープ供給装置、(c)は、対向する方向から2枚のテープが供給されるテープ供給装置を示す。
【図15】包装体端部の製造過程を説明する部分斜視図であり、2枚のテープで挟まれたところを示す。
【図16】本発明の第8の実施の形態である包装体製造方法を説明するフロー図である。
【図17】本発明の第9の実施の形態である包装体を説明する三面図であり、(a)は、正面図、(b)は、平面図、(c)は、側面図であり、(d)、(e)は包装体の端部の詳細図である。
【図18】図13の包装体のシール形状の変形例を示す包装体の部分図である。
【図19A】(a)は、本発明の第10の実施の形態である包装体製造装置の全体構成を説明する構成図である。
【図19B】(b)と(c)は、図19A(a)の包装体製造装置を構成する横接合装置とテープ重合装置の斜視図と断面図であり、(d)は、図19A(a)の包装体製造装置を構成する集束装置、2次シール装置及び切断装置の斜視図である。
【図20】包装体に形成されるシールの様子を(a)〜(c)の順に説明する部分正面図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態である包装体製造方法を示すフロー図である。
【図22】本発明の第12の実施の形態である包装体とその変形例を説明する図である。
【図23】図22の包装体の、1次シールを行うときの重ね合わせ部・テープ位置及びホーンとアンビルの方向を説明する部分斜視図である。
【図24】図22の包装体端部の長手方向断面の溶着状態を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
【0185】
C 内容物
F 帯状フィルム
F1 筒状フィルム
S 溶融物
S1 1次シール部位
S2 2次シール部位
1、101、201、301 包装体製造装置
11 フォーミングプレート
12 案内筒
13 縦シール装置
14 送りローラ
15a、115a、215a、415a 筒状体
15b、115b、215b、415b 不在部
20 原反供給装置
21 原反
22A、22B ガイドローラ
30 充填装置
31 ポンプ
32 ノズル
40 しごき装置
41 しごきローラ
42 腕体
42a 一端
43 横部材
50、150、250 ホーン
51、56、61、155、156、157、255、257 ホーン
51a、56a、155a、156a、157a、255a、256a、257a、265a、266a、267a 圧着面
60、160、166、167、260、265、266、267 アンビル
62 両端部
63 窪み
64 中央横断部
65、165 アンビル
66、166、167 アンビル
65a、166a アンビルの圧着面
70 集束装置
71、71a、71b、72、72a、72b 集束板
74a、74b、75a、75b 集束溝
80、180 切断装置
81 カッター
90、190、390 テープ供給装置
91、191、291a、292b 保持具
92、192 吸引口
93、193 ローラ
94、194 面
95、195 溝型
100、200 超音波溶着装置
110、210、310 包装体
111、211、311 末端部
111a、211a、311a 末端
112、212、213、312、313 側部
114 縦シール部
116、216、316 端部
117 余剰分
120、218、220、318a、318b、320a、320b テープ
121 第1のシール部位
122、122−1、122−2 第2のシール部位
123、124 袋
128、128−1、128−2 未溶着部分
129−1、129−2 溶着部分
221 第1のシール部位
222、222−1、222−2 第2aのシール部位
223、223−1、223−2 第2bのシール部位
224、225 袋
226、227 凹面形部
228、228−1、228ー2 未溶着部分
229−1、229−2 溶着部分
321、321−1、321−2、321a 第1のシール部位
322、322−1、322−2 第2aのシール部位
323、323−1 第2bのシール部位
328、328−1 未溶着部分
329−1、329−2 溶着部分
391a、391b、490、590、591a、591b テープ供給装置
393a、393b、493a、493b、593a、593b 送りローラ
393c、493c、493d、593c、593d ガイドローラ
396a、396b、496、596a、596b テープカッター
397a、397b、497、597a、597b 保持具
398 回転体
399 軸
450 テープ重合装置
451、452、453 テープ
455 送りローラ
456、457 押圧具
456a 当て金
457a 受け金
458 切断装置
458a、458b カッター
461 横接合装置
462 ホーン
462a 突起部
462b 吸引孔
463 アンビル
463a 対向面
470 集束接合装置
471 集束装置
472、473 集束板
476 2次シール装置
477 ホーン
477a 突起部
478 アンビル
478a 対向面
481 切断装置
481a カッター
491 筒状フィルム
494 凹面形部
498 中子
499 シーラ
594a、594b 面
597a、597b 保持具
A、B、C、D 包装体
C1 内容物
F 帯状フィルム
F1 筒状フィルム
S 溶融物
S1 1次シール部位
S2 2次シール部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状フィルムに内容物を充填する充填工程と;
内容物が充填された前記筒状フィルムに対して、前記筒状フィルムの長手方向に所定間隔毎の内容物の不在部を扁平に形成するしごき工程と;
前記不在部を、扁平な面を横断する方向に集束する集束工程と;
前記横断する方向に長尺なテープ部材であり、且つ長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きな前記テープ部材を、前記集束された不在部もしくは前記集束される不在部を挟むように配置し、前記不在部に重ねるテープ部材供給工程と;
前記テープ部材が重ねられた前記不在部を前記横断する方向に、前記テープ部材と共にシールをし、前記不在部にシールされたシール部位を形成する第1のシール工程とを備える;
包装体製造方法。
【請求項2】
テープ部材供給工程が、1枚の前記テープ部材を、前記集束された不在部を囲って挟むように配置するものである;
請求項1に記載の包装体製造方法。
【請求項3】
前記テープ部材供給工程が、2枚の前記テープ部材を、前記集束された不在部を挟むように配置するものである;
請求項1に記載の包装体製造方法。
【請求項4】
前記筒状フィルムを切断する切断工程を備え;
前記シール部位は、前記横断する方向に細長い帯状の溶着部分と、前記溶着部分に挟まれた切断するための未溶着部分とを含み;
前記切断工程は、前記未溶着部分で前記筒状フィルムを切断する;
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の包装体製造方法。
【請求項5】
前記重ねられたテープ部材が冠状態もしくは閉じた環状態となるように、前記横断する方向と交差する方向にシールする第2のシール工程を備える;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の包装体製造方法。
【請求項6】
前記テープ部材の長手方向の熱収縮率が10%から35%である;
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の包装体製造方法。
【請求項7】
内容物が充填され、端部が集束された筒状フィルムと;
前記充填された内容物と;
前記端部を包み、前記端部において前記筒状フィルムに溶着され、且つ前記端部をシールするテープ部材であり、且つ長手方向の熱収縮率が幅方向の熱収縮率よりも大きな前記テープ部材とを備える;
包装体。
【請求項8】
前記テープ部材の長手方向の熱収縮率が10%から35%である;
請求項7に記載の包装体。
【請求項9】
前記テープ部材が、前記端部のシールの後に加熱処理される;
請求項7または請求項8に記載の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−51523(P2009−51523A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218912(P2007−218912)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】