説明

包装容器の製造法

【課題】容器内容物を外部から保護す酸素バリア性を有し、低コストで製造できる包装容器の製造法を提供する。
【解決手段】注出口栓は、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒5及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部6を有するスパウト10と、スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブ8とからなる注出口栓であって、注出孔を容器内側から覆い、基部6及びプルタブ8に亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルム13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などを充填する容器用の包装容器の製造法器に関する。
【背景技術】
【0002】
ジュースや牛乳などの液体食品などを充填したいくつかの容器においては、前もって折り目線が付されたウェブ状包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの縦線方向に縦シールし、チューブ状包装材料内に食品を充填し、所定間隔毎に横断方向の横シールにより密封し、横シール帯域中間で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳むことにより最終形状の容器を得る。
【0003】
包装容器は、種々の注出口栓を有する。破断可能なように封止された液体用紙容器の注出孔に設けられるスパウトと、スパウトを覆うキャップと、スパウトに内蔵された開封手段、例えば、開封刃及びプルリングなどとからなる注出口栓及びその液体用包装容器である。(特許文献1及び2参照)
【0004】
【特許文献1】実開昭63-86021号公報
【特許文献2】特開平08-183555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
破断可能なように封止された容器注出孔に設けられるスパウトと、スパウトを覆うキャップと、スパウトに内蔵された開封刃やプルリングなど開封手段とからなる注出口栓及びその液体用包装容器は、容器本体と相俟って容器内容物を外部酸素などから保護する酸素バリア性の必要がある。
しかも、注出口栓及び液体用包装容器は、低いコストで製造できなければならない。
【0006】
本発明は、上記の必要性、切望に応えるものであり、容器内容物を外部から保護す酸素バリア性を有し、低コストで製造できる包装容器の製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決する本発明の包装容器の製造法による注出口栓は、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブとからなる注出口栓であって、
注出孔を容器内側から覆い、基部及びプルタブに亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルムを有する。
【0008】
この発明の包装容器の製造法による液体用包装容器は、折り目線を有するウェブ状積層包装材料がチューブ状に成形され、包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、チューブ状包装材料内に内容物が充填され、所定間隔毎に包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、折り目線に沿って折り畳むことにより形成される包装容器であって、
包装容器の頂壁の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブとからなる注出口栓を有し、
注出口栓が注出孔を容器内側から覆い、基部及びプルタブに亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルムを備える。
【0009】
この発明の包装容器の製造法は、所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料が準備し、
ウェブ状積層包装材料を所定間隔ごとに穿孔して注出孔を形成し、
容器内側に対応する注出孔内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルムを載置した第1金型を配設し、容器外側に対応する注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型を配設し、
キャビティ・ゲートから溶融樹脂をキャビティに射出して注出口栓の注出筒及びスパウトを成形し、
ウェブ状積層包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、
オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成し、
チューブ状包装材料内に内容物を充填し、
所定間隔毎に包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封されて横シール帯域を形成し、
横シール帯域で切断して枕状予備成形体を得、
折り目線に沿って折り畳んで包装容器を得、
スパウトを覆うようにキャップを配設して、包装容器を製造する方法であって、
注出口栓が、包装容器の頂壁の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトを覆うキャップと、スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブとからなる注出口栓を有し、
注出口栓が注出孔を容器内側から覆い、基部及びプルタブに亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルムを備える。
【0010】
この発明の特徴において、キャビティ・ゲートが設けられた第1金型を用い、キャビティ・ゲートに対向する位置にガスバリアフィルムが溶融樹脂用の通過孔を有する。
【0011】
この発明の特徴において、キャビティ・ゲートが設けられた第1金型を用い、ガスバリアフィルムが射出溶融樹脂の圧力により破断可能なフィルムである。
【0012】
この発明の好ましい態様において、ガスバリアフィルムがアルミニウム箔を含む。
【0013】
この発明の好ましい態様において、ガスバリアフィルムがポリエチレン樹脂の内外層とアルミニウム箔中間層とからなる。
【0014】
この発明の好ましい態様において、ガスバリアフィルムが、金属酸化物蒸着フィルム、ポリアミド、EVOH又はポリ(メタ)アクリル酸とポリアルコールとのブレンドポリマーのフィルムを含む。
【発明の効果】
【0015】
以上の本発明によれば、以下の有利な効果が得られる。
本発明では、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、好ましくはスパウトを覆うキャップと、スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブとからなる注出口栓であり、注出孔を容器内側から覆い、基部及びプルタブに亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルムを有する。
容器の器壁がない注出孔及び、ガスバリア性のないプラスチックからなるスパウトにおいて、外部酸素ガスなどが浸透する恐れがある。この発明において、注出孔をガスバリア性のフィルムで覆っているので、容器内容物を外部酸素ガスなどから保護し、このバリアフィルムが、基部及びプルタブに亘って射出成形により形成されているので、安価にかつ確実のバリア性を付与することができる。
【0016】
注出孔を容器内側から覆うガスバリアフィルムが、注出口栓と一体成形されるので、開封時にプルタブを引き上げると、プルタブの弱め線で破断し、プルタブと共に、一体化されたガスバリアフィルムも引き上げられる。開封時に、正確に設計通りにスパウトから離脱し、飲用時に容器内部に残留若しくは落下することを防止することができる。
【0017】
ガスバリアフィルムが注出孔を容器内側から覆い、ガスバリアフィルムが注出口栓と一体成形されるので、ガスバリアフィルムと基部とでスパウトを容器壁に固定し、開封時及び飲用時にスパウトが容器から外れたり歪んだりさせなく、信頼性を高めることができる。
【0018】
この発明の製造法による注出口栓及び液体用包装容器では、注出口栓の構成要素(ガスバリアフィルム、注出筒及びスパウト)が一体化されているので、この構成要素を直接にウェブ状積層包装材料の注出孔に射出成形(インジェクション成型)法により成形でき、注出口栓及び液体用包装容器は、低いコストで製造することができる。
【0019】
この発明の製造法による注出口栓及び液体用包装容器は、容器内容物を外部から保護し、低コストで製造されることができる。また、開封時に開封手段が設計通りにスパウトから離脱し、飲用時に容器内部に残留若しくは落下することがない高い信頼性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ1)を示すの断面図である。
図2は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ2)を示すの断面図である。
図3は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ3)を示すの断面図である。
図4は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(溶融樹脂の射出前0)を示すの断面図である。
図5は、この発明の製造法による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ1)を示すの断面図である。
図6は、この発明の製造法による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ2)を示すの断面図である。
図7は、この発明による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ3)を示すの断面図である。
図8は、注出口栓の参考例の射出成形を示す断面図である。
図9は、注出口栓の参考例の射出成形工程を示すの断面図である。
図10は、この発明の製造法による包装容器の包装充填装置例の概略斜視図である。
図11は、注出口栓がない包装容器例(A)及び、この発明による包装容器例(B)の斜視図である。
図12は、キャップを外した注出口栓付き包装容器例(A)及びこの発明による包装容器例(B)の斜視図である。
図13は、この発明の製造法による注出口栓のスパウト部分の外観斜視図である。
【0021】
図10に示される包装充填装置によって、包装容器を製造する。この装置例では、ウェブ状(帯状)の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などのバリア層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0022】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段としての送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経てウェブ状包装積層材料1は、パンチング装置40によって所定間隔ごとに穿孔され注出孔が形成される。
引き続き、注出口栓のスパウト部分形成用インジェクション成形装置41によって注出孔の注出口栓のスパウト部分が形成されてる。
【0023】
インジェクション成形装置41による注出口栓の参考例の射出成形を示す断面図である図8及び、その注出口栓の参考例の射出成形工程を示すの断面図である図9を参照し用いて、この発明による実施例の注出口栓の射出成形の工程を説明する。
【0024】
図8に、参考例のスパウト部分形成用インジェクション成形装置例を示す。
このスパウト部分形成用インジェクション成形装置によって参考例の注出口栓のスパウト部分が形成される。
この装置では、容器内側に対応する注出孔内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルム13を載置した第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。キャビティ・ゲート17から溶融樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなど)をキャビティに射出して注出口栓の注出筒5及びスパウト10を成形し、ガスバリアフィルム13と一体化する。
【0025】
参考例の注出口栓の図9を参照して、この発明による実施例の射出成形工程を説明する。
ウェブ状積層包装材料1を矢印の方向に搬送し、ウェブ状積層包装材料1をパンチング装置(図示せず)で所定間隔ごとに穿孔して注出孔42を形成する。
【0026】
容器内側に対応する注出孔42内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルム13を載置した第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔42外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。
キャビティ・ゲート(図示せず)から溶融樹脂をキャビティに射出して注出口栓の注出筒5及びスパウト10を成形する。
【0027】
続いて、図10に示すように、シーリングテープ貼着装置3に送られ、シーリングテープ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってシーリングテープが貼着される。
帯状包装積層材料1の縁部にシーリングテープを接合する際、帯状包装積層材料とシーリングテープとを挟んで、一方側に、プレッシャローラを配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを配設する。
【0028】
包装積層材料が搬送されるに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料及びシーリングテープを挟んだ状態で押圧されて回転させ、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0029】
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室(図示せず)に送られる。そして、包装積層材料1は、成形リング7によって徐々に変形させられてチューブ状(筒状)の形状にされる。包装積層材料1は、縦シール装置20によって縦方向にシールされ、充填パイプ(図示せず)を介して供給された流動性食品が包装積層材料1内に充填される。
【0030】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置20によってシーリングテープと共に押し当てて縦シールする際、帯状包装積層材料の一の縁部と他方の縁部とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設し、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0031】
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横シール装置(図示せず)に送られ、挟まれて横方向にシールされ、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状予備成形体21が形成される。
枕状予備成形体21は、最終成形装置(図示せず)によって最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
図11(A)に、注出孔42に注出口栓がない包装容器例の外観斜視図を示す。図11(B)に、実施例による包装容器例の斜視図を示す。この例において、包装容器14の頂壁3に注出筒5及びスパウト10が一体的に形成され、キャップ2で覆われている
【0032】
図10に示す包装充填装置例では、最終成形装置の製造ライン下流側にキャップ装着装置を備える。
図12(A)、(B)に示すように、包装容器14の頂壁3の注出筒5及びスパウト10の上方から、キャップ装着装置によってキャップ11が装着される。
【0033】
図1〜図4を参照して、中央にキャビティ・ゲート17が設けられた第1金型15を用い、キャビティ・ゲート17に対向する位置にガスバリアフィルム13が溶融樹脂用の通過孔13aを有する態様を説明する。
図4に示すように、容器内側に対応する注出孔内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルム13を載置した第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。
包装材料1に形成された孔を挟んで、注出筒5のキャビティ、容器壁と接合する基部6のキャビティ、スパウトを封止するプルタブ8のキャビティ、プルタブ8を引っ張るプルリング9のキャビティが形成される。プルタブ8の外周に弱め線60が形成され、破断可能なプルタブとからなる。
【0034】
図1に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19をキャビティに射出する。キャビティ・ゲート17に対向する位置にガスバリアフィルム13が溶融樹脂用の通過孔13aを有するので、溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の上面を流れる。図1に示す状態では、プルタブ8のキャビティを矢印に示すように溶融樹脂19が射出されて流動する。
【0035】
図2に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19を更にキャビティに射出する。ガスバリアフィルム13が溶融樹脂用の通過孔13aを通過して、溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の上面を流れ、弱め線60に、プルリング9のキャビティに到達する。
【0036】
図3に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19を更にキャビティに射出する。ガスバリアフィルム13が溶融樹脂用の通過孔13aを通過して、溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の上面を流れ、弱め線60のスリットを通過し、また、プルリング9のキャビティを満たす。
この態様では、ガスバリアフィルム13を概ね破断すること無くキャビティに射出することができ、バリア性をより完全に付与することができる。
更に、溶融樹脂19を更にキャビティに射出して、注出口栓の注出筒及びスパウトを成形する。
【0037】
図4〜図7を参照して、中央にキャビティ・ゲート17が設けられた第1金型15を用い、キャビティ・ゲートが設けられた第1金型を用い、ガスバリアフィルムが射出溶融樹脂の圧力により破断可能なフィルムである態様を説明する。
【0038】
この実施例によるフィルムは、ガスバリア性を有する材料が用いられ、それらが積層された材料であってもよい。ガスバリア性を有する材料には、酸素などのガス、芳香などに関して遮断性を有するバリア性包装材料であって、アルミニウムなどの金属箔、エチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロンなどのポリアミド(PA)、ケイ素酸化物(SiOx)などを蒸着したプラスチックフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)などがある。
【0039】
図4に示すように、注出孔内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルム13を載置した第1金型15を配設し、注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。
注出筒5のキャビティ、容器壁と接合する基部6のキャビティ、スパウトを封止するプルタブ8のキャビティ、プルタブ8を引っ張るプルリング9のキャビティが形成される。プルタブ8の外周に弱め線60が形成され、破断可能なプルタブとからなる。
【0040】
図5に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19をキャビティに射出する。ガスバリアフィルム13を溶融樹脂が押し上げ、溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の下面を流れる。図5に示す状態では、プルタブ8のキャビティを矢印に示すように溶融樹脂19が射出されて流動する。
【0041】
図6に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19を更にキャビティに射出する。ガスバリアフィルム13を溶融樹脂が更に押し上げ、溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の下面を流れ、一部は弱め線60に、ガスバリアフィルム13を破ってプルリング9のキャビティに到達する。
【0042】
図7に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂19を更にキャビティに射出する。溶融樹脂19はガスバリアフィルム13の下面を流れ、弱め線60の隙間を通過しガスバリアフィルム13を破って注出筒5のキャビティに到達し、また、プルリング9のキャビティを満たす。
この態様では、ガスバリアフィルム13を一部破断がするが、ガスバリアフィルム13によって、バリア性を良好に付与することができる。
更に、溶融樹脂19を更にキャビティに射出して、注出口栓の注出筒5及びスパウト10の成形を完了する。
【0043】
図13に、この実施例による注出口栓のスパウト部分の外観を示す。
注出口栓例は、容器の注出孔に設けられ、外周に凸ねじ山を有する注出筒5及び、注出筒5と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部6を有する円筒状のスパウト10と、スパウト10内部底面に形成されたプルタブ8と、プルタブ8に連結し開封時に使用されるプルリング9とからなる。
【0044】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明は、ジュース、牛乳などの飲料を包装充填する注出口栓付き液体用包装容器の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ1)を示すの断面図である。
【図2】図2は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ2)を示すの断面図である。
【図3】図3は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ3)を示すの断面図である。
【図4】図4は、この発明の製造法による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造(溶融樹脂の射出前0)を示すの断面図である。
【図5】図5は、この発明の製造法による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ1)を示すの断面図である。
【図6】図6は、この発明の製造法による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ2)を示すの断面図である。
【図7】図7は、この発明の製造法による注出口栓の別実施例のスパウト部分の製造(射出溶融樹脂の流れ3)を示すの断面図である。
【図8】図8は、注出口栓の参考例の射出成形を示す断面図である。
【図9】図9は、注出口栓の参考例の射出成形工程を示すの断面図である。
【図10】図10は、この発明の製造法による包装容器の包装充填装置例の概略斜視図である。
【図11】図11は、注出口栓がない包装容器例(A)及び、この発明による包装容器例(B)の斜視図である。
【図12】図12は、キャップを外した注出口栓付き包装容器例(A)及びこの発明による包装容器例(B)の斜視図である。
【図13】図13は、この発明の製造法による注出口栓のスパウト部分の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
5 ・・ 注出筒
6 ・・ 基部
7 ・・ スパウト
8 ・・ プルタブ
9 ・・ プルリング
10 ・・ スパウト
13 ・・ バリアフィルム
15 ・・ 第1金型
16 ・・ 第2金型
17 ・・ ゲート
19 ・・ 溶融樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料が準備し、
ウェブ状積層包装材料を所定間隔ごとに穿孔して注出孔を形成し、
容器内側に対応する注出孔内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルムを載置した第1金型を配設し、容器外側に対応する注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型を配設し、
キャビティ・ゲートから溶融樹脂を該キャビティに射出して注出口栓の注出筒及びスパウトを成形し、
ウェブ状積層包装材料をチューブ状に成形し、該包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、
該オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成し、
該チューブ状包装材料内に内容物を充填し、
所定間隔毎に該包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封されて横シール帯域を形成し、
横シール帯域で切断して枕状予備成形体を得、
該折り目線に沿って折り畳んで包装容器を得、
該スパウトを覆うようにキャップを配設して、包装容器を製造する方法であって、
該注出口栓が、該包装容器の頂壁の注出孔に設けられた注出筒及び、該注出筒と一体化して該注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、該スパウトを覆うキャップと、該スパウトを封止するように内蔵された破断可能なプルタブとからなる注出口栓を有し、
該注出口栓が該注出孔を容器内側から覆い、該基部及び該プルタブに亘って射出成形により一体成形されたガスバリアフィルムを備え、
該キャビティ・ゲートが設けられた該第1金型を用い、且つ、該キャビティ・ゲートに対向する位置に該ガスバリアフィルムが溶融樹脂用の通過孔を有する、又は、該ガスバリアフィルムが射出溶融樹脂の圧力により破断可能なフィルムである、
ことを特徴とする包装容器の製造法。
【請求項2】
該ガスバリアフィルムがアルミニウム箔を含む、請求項1記載の包装容器の製造法。
【請求項3】
該ガスバリアフィルムがポリエチレン樹脂の内外層とアルミニウム箔中間層とからなる、請求項2記載の包装容器の製造法。
【請求項4】
該ガスバリアフィルムが、金属酸化物蒸着フィルム、ポリアミド、EVOH又はポリ(メタ)アクリル酸とポリアルコールとのブレンドポリマーのフィルムを含む、請求項1記載の包装容器の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−35290(P2013−35290A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−185956(P2012−185956)
【出願日】平成24年8月25日(2012.8.25)
【分割の表示】特願2007−303836(P2007−303836)の分割
【原出願日】平成19年11月24日(2007.11.24)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】