包装用積層品、包装用積層品製造方法、及びそれから製造された包装容器
ポリマー基材フィルム、気相蒸着によって基材フィルム上に蒸着された無機酸化物を含むバリア層、を含む食品又は飲料の包装のためのバリアフィルム。無機酸化物層は、無機層に共有結合された、架橋されたオルガノポリシロキサンの治癒層でさらに被覆される。本発明は、バリアフィルムを含む多層包装用積層品、及びバリアフィルムを製造するための方法、及び前記フィルムから製造された包装容器にも関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマーの基材フィルムと、基材フィルム上部に配置された、気相蒸着法によって蒸着された無機酸化物を含むバリア層と、を含む食品又は飲料を包装するためのバリアフィルムに関する。本発明は、そのようなバリアフィルムを含む食品又は飲料を包装するための包装用積層品、及び前記包装用積層品から作製される包装容器にも関する。さらに本発明は、本発明のバリアフィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料の包装に関して、「保管寿命」、すなわち食品製品が使用前に密閉された及び保存されたパッケージ内で過ごすことができる期間、を延ばすために、包装された食品製品上の包装容器の外側から、包装材料を通過して透過する気体、蒸気、及び光による影響を最小化することが重要である。包装処理は無菌条件(すなわち食品製品並びに包装材料自身は除菌され、充填された包装容器は清浄な環境で製造される)の下で実行されてよく、それによって、包装材料の選択及び設計が適切であれば、たとえ周囲条件での保管であっても、食品製品が非常に長期間保存できるようになる。長期保存の一つの重要な因子は充填されかつ密閉された包装容器のガスバリア性であり、それは同様に包装用積層品自身のガスバリア性に大きく依存する。酸素は、食品製品の劣化を加速することによって、栄養性の値に有害な影響を与える。さらに、包装された内容物を最初に包装されたときと同じ体積及び湿度に保つために、包装用積層品の十分な水蒸気バリア性は長期保存に関わる重要な因子である。
【0003】
同様に、移動する極性及び非極性芳香族物質に対するバリア性は、保存期間及び包装された製品に依存して重要である。特にフルーツジュースに関して、そのような性質は非常に関連性がある。包装用積層品の一般的な性能において非常に重要なのは、長期保管後の及び厳しい気候条件での、積層品の一体性、すなわち積層品の層間の内部接着、である。
【0004】
ガスバリア機能、特に酸素バリア性、水蒸気バリア性、及び光バリア性、を提供するために、様々なフィルム及び多層積層包装材料が従来技術において提案されてきた。そのようなフィルム及び柔軟な多層積層品は、様々な食品製品を包装するための包装材料、バッグ、及びポーチとして使用される。特に、液体又は流動性食品製品、例えば牛乳、ジュース飲料又は加工トマト等、は高速連続充填、成形、及び密閉工程によってそのような柔軟材料内に包装され得る。そのような工程において、積層された材料の連続的なランニングウェブ(running web)は連続的なチューブに成形され、殺菌され、食品製品で充填され、密閉され、パッケージに切断される。密閉は、積層品の最も外側のポリマー層の発熱によって実行され、これらの最外熱溶着層は、密閉されたポーチ又はピロー形状のパッケージを形成するため、加圧下で不可逆的に互いに融解される。
【0005】
液体食品用使い捨てタイプの同様な堅い又はいくらか堅い包装容器は紙又は板紙のコア層を有する包装用積層品から製造されることが多い。そのような一般的にみられる包装容器の一つは、Tetra Brik Aseptic(登録商標)という商標で販売され、主に牛乳、フルーツジュース等の液体食品に使用されている。そのようなTetra Brik Aseptic(登録商標)包装容器は、同様に、ウェブから又は既成の白紙の包装材料からパッケージを成形、充填、及び密閉するタイプの最新の高速包装機によって一般的に製造される。ウェブから、例えば、包装容器は、ウェブの長手方向の両方の端部が重なり合った接合部においてウェブが互いに一体化されることによってチューブに再成形されて、製造される。チューブは目的とする液体食品製品で充填され、チューブ内の内容物のレベルよりも下方で、互いに離隔して繰り返されるチューブを横断する密閉部によって、個々のパッケージに分割される。パッケージは横断方向の密閉部内での切断によってチューブから分離され、板紙包装材料に準備された折り目線に沿って折り畳み成形することによって所定の幾何学的形態、通常平行六面体、を付与される。この連続的チューブ成形、充填、及び密閉包装工程の概念の主な利点は、ウェブがチューブ成形の直前に連続的に殺菌されてよく、したがって無菌包装工程の可能性を提供して、充填されたパッケージがたとえ周囲温度であっても、充填された製品内での微生物の成長のリスクなしに、長期間保存され得るようにすることである。Tetra Brik(登録商標)タイプの包装工程の他の重要な利点は最新の包装機における連続高速包装の可能性であり、これはコスト効率に大きく影響する。
【0006】
そのような既知の堅い包装容器における包装材料は、典型的には紙又は板紙のバルクコア層、及び外側の、熱可塑性の液密層を含む積層品である。包装容器を遮光及び気密、特に酸素を通さないもの、にするために、例えば無菌包装を目的として、及びフルーツジュースをパッケージングするために、これらの包装容器のための積層品は通常少なくとも一つの追加的な層、最も一般的にはアルミホイル、を備える。
【0007】
アルミニウムホイルのガスバリア層を有する包装用積層品には、例えば電子レンジ内での調理、加熱、又は解凍を意図する食品製品の包装等、特定の目的に関して、幾つかの欠点が存在する。そのような場合は、食品を電磁波に曝す前に包装用積層品は取り除かれる必要がある。アルミニウムホイルの他の欠点は、他の多くのバリア材料と比べて、比較的高価な材料であることである。
【0008】
ナノメートル厚みの無機酸化物コーティングの気相蒸着によって被覆されたポリマーフィルムは、酸素及び/又は水蒸気に対するバリア層として食品包装産業において幅広く使用される。食品包装産業において特に興味あるのは、ナノメートル厚みの、化学式がSiOx又はSiOxCyであるガラス状層であり、これは任意の反応蒸着法によって蒸着され得る。食品包装産業における他の興味ある無機酸化物バリア材料は、酸化アルミニウム(AlOx)である。さらに、例えばアルミニウム金属化層等、薄い、ナノメートル厚みの、金属化された層が、多層包装用積層品に酸素及び水蒸気バリアを提供するためによく使用される。しかしながら、アルミニウムホイルと比較して、これらのコーティングは酸素バリア性が低く、柔軟性も低い。
【0009】
全ての種類の気相蒸着層に共通する問題は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールの範囲のサイズの、ピンホール、クラック、及び他の欠陥の形成である。これらの欠陥は物質のそのままの透過、SiOx層を含む包装用積層品を通過する、特に酸素、典型的には約0.1cm3/m2/day/atm、及び水蒸気、典型的には約0.1g/m2/day、を引き起こす。そのようなクラック及び欠陥は気相蒸着被覆されたばかりの材料においても初期にある程度存在するが、多くは処理及びラミネート加工作業の間の、フィルム又はラミネート形成及び密閉されたパッケージへのヒートシールの間の、及びもちろん充填及び密閉された包装容器の出荷及び流通における、熱及び機械的なストレスに起因して生じる。特に、熱溶融ポリマーによる押出ラミネート並びにヒートシール操作は、気相蒸着バリア薄層にかなりの熱ストレスを与える。まとめると、層を無傷に保持し、かつ最終的に得られる充填され及び密閉された包装容器に所定のバリア性を提供するために、蒸着薄層に対する全ての種類の歪みはある特定のレベルを超えないことが求められる。このレベルは多くの場合満足されるが、そのようなフィルムのバリア性に関するロバストネスがますます要求されている。
【0010】
この問題をある程度低減するための一つの可能な方法は、酸化物層の欠陥の数を減らすために、非常に平滑かつ平坦な表面を有するポリマー基材フィルムを使うことである。しかしながら、この方法は、無機層上部表面のコーティングの質を改良するものではない。
【0011】
柔軟な包装及びポーチ材料において、並びにより堅い紙又は板紙包装用積層品において、フィルム又は積層品材料の歪み時の無機バリア材料の柔軟性及び強度に関する要求は非常に高い。特に、板紙又はボール紙包装容器に関して、積層品の同じ場所で厚い板紙積層品を幾度も曲げ折り畳むとき、バリア材料は厳しい条件下に置かれる。これは、折り畳み形成される包装の特定の場所、例えば積層品が一回以上折り畳まれ六角形形状のパッケージの上部及び底部部分を形成するところである、いわゆるK−クリースで起こる。したがって、そのような気相蒸着無機層の耐久性及び柔軟性、及び同様にそれらのバリア性を改良する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,224,441号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の目的は上述の問題を克服又は軽減することである。
【0014】
本発明の全般的な目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化物を含む気相蒸着層を有する、バリア性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる全般的な目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化物を含む気相蒸着層を有する、靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0016】
本発明の特定の目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化シリコン(SiOx又はSiOxCy)の気相蒸着層を有する、酸素バリア性及び水蒸気バリア性並びに靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0017】
本発明の特定の目的は、ポリマー基材層上に配置された酸化アルミニウム(AlOx)の気相蒸着層を有する、酸素バリア性及び水蒸気バリア性並びに靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、ポリマー基材層上部に配置された無機酸化物の気相蒸着層を備えたバリアフィルムを含む、バリア性及び靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料の無菌かつ長期包装のための柔軟性を有する多層包装用積層品を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、ポリマー基材層上部に配置された無機酸化物の気相蒸着層を備えたバリアフィルムを含む、バリア性及び靭性及び柔軟性が改良された、並びにバリア層と隣接するポリマー層との間の良好な接着によって良好な包装一体性を有する、食品又は飲料の無菌かつ長期包装のための堅い又はいくらか堅い多層包装用積層品を提供することである。
【0020】
本発明は、食品又は飲料製品で充填され、かつバリアフィルムを含む包装用積層品から製造された包装容器にも関する。
【0021】
加えて、本発明は、本発明の改良されたバリアフィルムの製造方法に関する。
【0022】
これらの目的は、添付されたクレームに定義される、バリアフィルム、柔軟な多層包装用積層品、及び堅い又はいくらか堅い食品又は飲料容器のための包装用積層品、包装容器、及び方法によって、本発明により達成される。
【0023】
これらの目的は、気相蒸着された無機酸化物層上のさらなるコーティングによって、本発明により達成され、前記コーティングは架橋されたオルガノポリシロキサンからなり、前記オルガノポリシロキサンは無機酸化物層に共有結合され、治癒層として機能する。
【0024】
そのような架橋治癒層は、気相蒸着された酸化シリコンコーティングの靭性、柔軟性、及びバリア性に対して特に有利な効果を有するが、有利な効果は、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、及び他の金属酸化物等、酸化シリコンと同様の化学的性質を有する任意の無機酸化物に関して予期される。有利な効果は、金属化された層が層表面に金属酸化物を含み、かつOH基を含む限り、金属化された層の靭性及びバリア性に関して同様に達成され得る。これは、例えば化学反応気相蒸着によって蒸着されるアルミニウム層に関してもそうであることが多い。一般的に、純金属の薄いコーティング又は金属及び金属酸化物の混合物は水蒸気に対するバリア性を提供し、要求される機能が水蒸気の内部への、多層フィルム又は包装用積層品を通過する移動を防ぐことであるときに、使用される。最も好ましいのは、特に金属化層の表面において、金属化コーティング内の金属が酸化アルミニウム(AlOx)と混合されたアルミニウム(Al)であることである。金属及び金属酸化物のそのような混合層はさらに金属的な外観を提供し、光に対するバリアも提供することが多い。
【0025】
架橋されたオルガノポリシロキサンのコーティングは、気相蒸着無機酸化物層とオルガノポリシロキサン層との間の界面上に均一にかつ高密度で分布された共有結合によって無機酸化物層に結合される。
【0026】
好ましくは、無機酸化物含有コーティングは物理気相蒸着(PVD)又は反応性気相蒸着(CVD)によって、及び、より好ましくは、プラズマ化学気相成長法(PECVD)によって蒸着され、金属又はシリコン化合物の気体が、酸化条件下で基板上に蒸着され、その結果アモルファス金属酸化物又はシリコン酸化物層を形成する。
【0027】
このタイプのコーティングは、コーティングされたフィルムにガスバリア性並びにある程度の水蒸気バリア性を与え、特定の用途において好ましいであろう透明なコーティングである。
【0028】
特に好ましい酸化シリコンコーティングは化学式SiOxCyを特に有し、式中炭素は共有結合され、xが0.1から2.5の間で変化し、yが0.1から2.5の間で変化してよい。そのような炭素含有コーティングは、ガスバリア性に加えて改良された水蒸気バリア性を有する。
【0029】
他の好ましいコーティングは、化学式SiOxCyNzの酸化シリコンコーティングであり、炭素原子及び窒素原子は共有結合され、xが0.1から2.5の間、yが0.1から2.5の間、及びzが0.1から2.5の間である。
【0030】
好ましくは、SiOxCyNzの単独のコーティングは厚みが5から100nmであり、キャリアガスとしてオルガノシリコン化合物及び窒素を含む処理ガス混合物を用いるPECVDによって蒸着される。
【0031】
本発明による薄い気相蒸着された無機酸化物含有層はナノメートル厚みであり、すなわち、例えば5から500nm、好ましくは5から200nm、さらに好ましくは5から100nm等、ナノメートルで扱うのが最も適する厚みを有する。
【0032】
さらなる好ましいコーティングは、化学式AlOxを有する酸化アルミニウムのコーティングであり、xは1.0から1.5まで変化し、好ましくはAl2O3である。好ましくは、そのようなコーティングの厚みは5から100nm、好ましくは5から30nmである。
【0033】
コスト的に有利であること、及びコーティングが得るバリア性及び柔軟性の利点のため、プラズマ化学気相成長法(PECVD)による蒸着は、無機酸化物コーティングの蒸着において好ましいが、他の気相蒸着法、すなわち任意の反応性蒸着又は電子ビーム反応性蒸着法又は任意の熱蒸着法、がこの発明において実施可能である。これらの方法は、通常バッチ工程であり、反応性蒸着操作に関して減圧又は真空下での反応チャンバを必要とする。PECVD法は米国特許第5,224,441号明細書にさらに完全に記述される。
【0034】
他方で、連続コーティング法でありコーティングされたフィルムの制御及び製造の実施をより容易にするので、大気圧プラズマ法による蒸着も有利であり望ましい。他に、そのような連続的かつ高度な望ましい大気圧気相蒸着コーティング法は、いわゆるフレームコーティング又は燃焼化学気相蒸着(CCVD)法である。
【0035】
ポリマー基材フィルムは、気相蒸着された材料を受けるための層を含み、前記層は良好な接着性及びコーティング品質を有する機能層を受けるのに適する材料で作られる。適切には、材料は−10℃以上のTg(ガラス温度)を有する熱可塑性ポリマー材料である。そのようなポリマー材料は、例えば一方ではポリエチレンと、異なる溶融挙動特性を有するので、一般的に熱生成コーティング操作のための基板層により適する。そのような高Tgポリマー材料の例は、ポリアミド(PA)、ポリアミドコポリマー、ポリエステル、及びポリエステルコポリマーからなる群から選択される。ポリエチレンテレフタレート(PET)及びコポリマー(PET−X)、例えばグリコール単位で修飾されたポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が例として挙げられる。これらのポリマーは全て室温よりも高いTgを有する。ポリプロピレンも、要求されるTg、すなわちちょうど約−10℃のTg、を有するポリマーである。好ましくは、基材フィルム又は層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリアミド(PA)、最も好ましくはポリアミド、で作られる。なぜなら、ポリアミドがコーティングの質及び性質を改良する気相蒸着されたコーティングを受ける平滑な表面を提供するためである。基材フィルムの厚みに対する現実的な要求は、厚み下限を約10μmとし得る一方で、コスト上の理由から、上限約30μmが合理的であると思われる。本発明において適切であるが非制限的であるポリアミドの例は、PA−6、PA−6,6、及びPA−6,6,6である。しかしながら、フィルム製造に適する全てのポリアミドも同様に本発明のフィルムの適切な基板である。
【0036】
治癒層コーティングは、三つのシラノール形成基を有する不飽和シランから本質的になる組成物からの架橋反応生成物である。組成物が本質的に不飽和シランのみ、場合により少量のみの同様な飽和シラン化合物と、からなることは、発明の結果において重要である。そのような少量とは、組成物の全シラン化合物の5重量%未満であり、好ましくは3重量%未満である。同様に、二つのシラノール形成基のみを有する少量の不飽和シランが組成物中に存在してよいが、全組成物の5重量%未満であり、好ましくは3重量%未満である。結論として、三つのシラノール形成基を有する不飽和シラン以外のシラン含有量は、全シランコーティング組成物の10重量%未満である。
【0037】
三つのシラノール形成基を有する不飽和の反応性シランは、一般的には化学式R−Si−X3で表されてよく、Rはフリーラジカル重合を行なうことができる官能基を含むラジカルであり、Xは加水分解性ラジカルである。代表的なR置換基は、ガンマメタクリルオキシプロピル、ガンマアクリルオキシプロピル、ビニル、又はアリルを含み得る。代表的なシラノール形成X置換基は、例えばメトキシ、エトキシ、イソブトキシ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、及びエトキシフェノキシ等、1−8個の炭素を有するアセトキシ及びアルコキシを含み得る。好ましくは、使用される反応性シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。これらの反応性シランは食品包装に関連する材料での使用に最も適する。最も好ましい反応性シランは、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランからなる群から選択される。
【0038】
コーティングされたが、非架橋のオルガノシロキサンオリゴマーの厚みは、1から50nm、好ましくは1から40nm、さらに好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmの範囲内である。架橋の後、コーティングされたオルガノポリシロキサンの厚みは架橋前と比較して当然小さい。
【0039】
本発明の第2の局面によれば、上述のバリアフィルムは多層柔軟性食品包装用積層品、並びに板紙又はボール紙のコア層、及び最も外側の、熱溶着可能な、熱可塑性ポリマー材料の液密層を含む、堅い又はいくらか堅い食品包装用積層品において有用である。
【0040】
本発明の第3の局面によれば、このように得られた包装用積層品は食品又は飲料の長期かつ無菌包装のための包装容器への置換に適する。
【0041】
本発明のさらなる局面によれば、本発明のバリアフィルムは、ポリマー基材フィルムを提供する段階と、基材フィルム上部に気相蒸着法によって無機酸化物を含むバリア層を蒸着する段階と、及び前記気相蒸着された無機層をさらにコーティングする段階とを含む方法によって製造され、前記さらにコーティングする段階は、溶媒に溶解された、三つのシラノール形成基を有する反応性不飽和シラン化合物から本質的になる組成物を提供する段階と、前記組成物を無機気相蒸着層上にコーティングする段階と、コーティングされた組成物を加水分解し縮合反応させ無機層と共有結合されるエチレン系不飽和オルガノシロキサンオリゴマーを提供する段階と、及び、最後に、コーティングされたオルガノシロキサンオリゴマーを硬化して架橋されたポリシロキサン層を提供する段階とを含む。化学反応の間に溶媒は自動的に蒸発されるので、別途の乾燥段階は通常必要ない。
【0042】
反応性シランコーティング組成物は、任意の適切な液体フィルムコーティング法によって、溶媒(好ましくはエタノール)中の反応性シランが1から10重量%、好ましくは2から6重量%、さらに好ましくは3から6重量%の溶液として、無機層の上部に液体フィルムとして塗布される。好ましくは、コーティング溶液は転写ローラーによって塗布され、該転写ローラーは溶液に浸漬され無機層フィルム上を転がる。コーティングの塗布において、コーティングされた組成物はマイクロメートル及びナノメートルサイズの無機層のクラック及びピンホール内部に浸透し、その後組成物は加水分解され、さらに縮合反応し、シラノール形成基がオルガノシラン組成物層の内部で部分的に縮合してオルガノシロキサンオリゴマーとなるようにし、並びに無機酸化物基板層表面上に形成されたヒドロキシ基と部分的に縮合するようにする。その後、オルガノシロキサンオリゴマーは炭素−炭素不飽和サイトにおいて架橋され、それによって、共有結合によって無機酸化物基板層に強く結合された、架橋されたポリオルガノシロキサン層が得られる。
【0043】
塗布された反応性シラン溶液の厚みは、縮合及び硬化の前に測定されたとき、1から50nmまで、好ましくは10から30nmまで変化してよい
【0044】
無機酸化物層とポリオルガノシロキサン層との間の界面における反応生成物は、二つの別個の層というよりもむしろハイブリッド材料であるとみなされてよい。二つの材料はバリアフィルムの全表面上に広がる近接して位置する共有結合によって互いに反応され、層間にはもはや明確な境界はない。結果的に、層は切り離すことは出来ず、バリアハイブリッド層内部のどの点においても互いに剥がれたり、又は分離したりしない。さらに、オルガノポリシロキサンのさらなる有機的性質に起因して、SiOx等単なる気相蒸着金属酸化物層の場合と比較して、その後押出ラミネート加工されるか又は他の方法で積層されるポリマー層との良好な接着性が得られる。
【0045】
好ましくは、硬化段階は放射エネルギーによる架橋によって実行され、好ましい実施形態によれば、治癒層コーティング組成物内に光開始剤を含有させるとともにUV放射が使用される。治癒層コーティング組成物内に含まれる光開始剤の濃度は、適切には1から10重量%であり、好ましくは2から5重量%であり、さらに好ましくは3から5重量%であり、最も好ましくは3から4重量%である。得られるコーティングされたバリア層の結果が良好であることから、アミノ官能基を有する光開始剤が好ましい。
【0046】
本発明のさらなる局面によれば、本発明の包装用積層品から製造される堅い包装容器が提供され、低酸素透過率、包装一体性、及び積層された層間の内部接着性等の性質を有し、その性質は液体食品包装用に今日販売されている従来技術のアルミニウムホイル包装容器と同じレベルである。
【0047】
以下に本発明の好ましい実施形態が図面を参照して記述される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1a】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図1b】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図1c】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図2a】本発明による包装用積層品の実施形態を各々概略的に示す。
【図2b】本発明による包装用積層品の実施形態を各々概略的に示す。
【図3】本発明による包装用積層品から製造された包装容器の例を示す。
【図4】連続的な成形、充填、及び密閉工程においてそのような包装容器が包装用積層品から如何に製造されるか、原理を示す。
【図5】基材フィルム上部へのSiOx又はSiOxCyのPECVDコーティング設備を示す。
【図6】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図7】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図8】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図9】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明のハイブリッドバリア層が如何に形成されるかを示す。図1aには無機酸化物(好ましくは酸化シリコン)層11のマイクロ−サイズ及びナノ−サイズの欠陥14;15が示され、図1bでは欠陥がオルガノシランモノマー/オリゴマーで充填される。ポリマーフィルムである基材フィルム12は、無機層の最適なバリア性を得るため好ましくは非常に平滑な表面を有する。加水分解の後、図1cにおいて、オルガノシランモノマー/オリゴマー単位は互いに、及び酸化物表面のヒドロキシ/シラノール基と縮合反応し、その後UV放射の外部源によって重合され酸化物基板表面上に架橋されたオルガノポリシロキサン層13を形成する。したがって、無機酸化物層内の欠陥に関連する気体及び蒸気透過は低減され、故に、ハイブリッド材料のバリア性は増加する。平行して、コーティングされ治癒された無機酸化物層の靭性は改良され、クラック開始歪み(COS)は高いレベルにシフトする。COSは、酸素透過がまだ影響を受けていない、バリア層に現れるクラックの量の増加に起因してそれが迅速に増加する前の、歪みレベルである。
【0050】
図2において、本発明により製造される柔軟性多層包装用積層品20aの第1の実施形態を断面で示す。
【0051】
積層品はPETの基材層21、外側の液密性かつ熱溶着性ポリオレフィンベース層22、23、及びPET基材層上に配置され、第1にPECVDによって気相蒸着された酸化シリコン層24−1、及び第2に架橋されたオルガノポリシロキサン24−2の共有結合層からなるハイブリッドバリア層24を含む。外側の液密性かつ熱溶着性層22、23は、好ましくはポリエチレン、より好ましくは従来の熱溶着品質を有する低密度ポリエチレン(LDPE)等の、ポリオレフィンを含む。さらに好ましくは、メタロセン触媒の存在下でエチレンモノマーをC4−C8のアルファ−オレフィンアルキレンモノマーと重合することによって製造されるリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、すなわちいわゆるメタロセン−LLDPE(m−LLDPE)が、熱溶着層の一つ又は両方に使用される。
【0052】
図2bは、本発明により製造される堅い又はいくらか堅い多層包装用積層品20bの第2の実施形態を断面で示す。包装用積層品の堅さは板紙又はボール紙のコア層25によって提供され、積層品は外側の熱溶着可能なかつ液密性の、好ましくは上述のような低密度ポリエチレン又はm−LLDPEである、熱可塑性ポリマー層22、23をさらに備える。上記図2aに記載されるバリア層24は、基材層21上に配置され、第1にPECVDによって気相蒸着された酸化シリコン層24−1、及び第2に架橋されたオルガノポリシロキサン24−2の共有結合された層からなる。バリア−コートされた基材層フィルムは、板紙包装用積層品内部に積層される層26によって積層されるとき、どちらの方向に向きを変えてもよい。積層される層は、好ましくは押し出されたポリオレフィン層であり、より好ましくは低密度ポリエチレン層である。
【0053】
図3は、長手方向のシール31に沿って及び横断方向のシール32において密閉され、その近傍でパッケージが前のパッケージから切り離された(図4の46)、Tetra Brik(登録商標)のタイプの充填された包装容器30、及び連続的に充填されるチューブ(図4の41)を各々示す。本発明の包装容器は、充填された製品をより容易に注ぐための、及びそれがまだ空になっていないとき場合によりパッケージを再度閉じるための開口器具33をさらに備えてよい。
【0054】
図4は本出願の導入部において記載された原理、すなわち包装材料のウェブが、重なり接合部43においてウェブの長手方向端部42、42’が互いに一体化されることによってチューブ41に形成されることを示す。チューブは目的の液体食品製品で充填され44、チューブ内に充填された内容物のレベルよりも下方で、チューブの、互いに離隔する繰り返される横断方向のシール45によって個々のパッケージに分割される。パッケージ46は横断方向のシール内の切断によって分離され、及び材料内に準備された折り目線にそって折り畳み成形することによって所定の幾何学的形状が付与される。
【0055】
図5は好ましい設備50、及び基材フィルム上へSiOxをコーティングする方法を概略的に示す。基材フィルム51は、有機シリコン化合物、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)又はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)等、のプラズマからのSiOx、ここでx=1.7−2.2、の連続的なプラズマ化学気相成長法(PECVD)で処理され、コーティングの厚みは5から500nm、好ましくは5から200nm、より好ましくは5から100nmとされ、バリアフィルム1cが形成される。
【0056】
本発明が上述の実施形態によって制限されることはなく、クレームの範囲の中で変更され得る。例えば、本発明のバリアフィルムがさらなるバリア性、又は靭性等の機能性を提供するさらなる層と組合わされてよいことは理解される。
【0057】
さらに、包装用積層品及びパッケージの一体性、すなわち層間の接着、をさらに強化するため、従来の接着促進表面処理、並びに従来の接着剤及びプライマーが使用され、及び特定の積層される材料構造に適合するように選択されてよいことも理解される。
【0058】
例
1.使用された化学物質及び材料
【0059】
【表1】
【0060】
治癒層コーティング試験は、プラズマ化学気相成長法(PECVD)による一般式SiOx、xは約1.7から約2.2、の酸化シリコンでコーティングされた12μm厚みのPETフィルム上で実行された。SiOxコーティングの厚み50nm及び10nmが各々試験された。
【0061】
表1.2に示されるように、試験された不飽和オルガノシランモノマーはMAPS及びVSであった。オルガノシランは濃度3から6重量%でエタノールに溶解され、さらに光開始剤が表1.2に列記されるように2から5重量%の量で溶液組成物内に含有された。オルガノシラン溶液組成物は溶液組成物に浸漬された後SiOx表面に接触された転写ローラーによってSiOx層上部に液体フィルムとして塗布された。塗布されたオルガノシランのコーティングの厚みは約25nmであった。
【0062】
【表2】
【0063】
2.非処理SiOx/PETフィルムの引張歪み下でのOTR
PECVD SiOx蒸着コートPETフィルムから取得されたフィルムサンプルは、一軸歪み力を受ける間酸素透過率(OTR)測定のため調製された。測定装置はMocon(登録商標)酸素拡散セルに取り付けられた歪み発生装置からなる。この配置は、OTRと、サンプルに与えられた一軸歪み力に応じたクラック開始歪み(COS)位置との同時測定を可能にする。COS臨界点を超える歪みにおいて、SiOx又はオルガノシラン/SiOx層の崩壊に起因して、サンプルを通過する酸素ガス拡散の程度は1オーダー増加した。OTRは公称歪み増加1.0%毎に測定された。
【0064】
非処理サンプルのOTR測定は、12μmPETフィルム上にPECVD蒸着された10及び50nm厚みのSiOx層に関して実施された。表2.1及び表2.2は、治癒オルガノシランコーティングの蒸着なしでの、平坦なSiOx/PETフィルムに関する各々のOTR測定点を記載する。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
3.オルガノシラン治癒フィルムの引張歪み下でのOTR
50nmSiOxでコーティングされた12μmPETフィルムのサンプルは、SiOx側にオルガノシラン層をコーティングしてその後巻き取る前にUV放射で硬化することによって、液体フィルムコーティングパイロットラインにおいてロール形態で調製された。MAPS−1及びMAPS−2は、2から5重量%の量の光開始剤PI−1及びPI−2を各々加えた、3重量%でエタノールに希釈されたガンマ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランの配合物であった。VS−1及びVS−2は、2から5重量%の量の光開始剤PI−1及びPI−2を各々加えた、3重量%でエタノールに希釈されたビニルトリメトキシシランの配合物であった(PI−1及びPI−2化合物については、表1.2を参照されたい)。四つのオルガノシラン配合物は、UV−硬化放射段階とコイル巻き取りよりも前に、約25nmの厚みで塗布されている。調製されたコイルから取得されたフィルムサンプルは、上述のような歪みが与えられたサンプルのOTRを測定する装置に取り付けられた。
【0068】
表3.1は、MAPS−1、MAPS−2、VS−1、及びVS−2配合物での各処理に関するOTRデータをまとめたものである。図6は公称歪みに応じたOTRデータの片対数グラフを示す。この図は、表2.2からのオルガノシラン処理なしで歪みを与えられたSiOx/PETサンプルから取得されたOTRデータを同様に示す。UV硬化オルガノシランの効果は、異なるサンプルのCOS位置を比較することによって明確に得ることができる。非処理のSiOx/PETサンプルが2%公称歪みにおいてCOSを有する一方で、MAPS処理及びVS処理のSiOx/PETサンプルは、光開始剤化合物、溶液内に混合された光開始剤化合物PI−1又はPI−2に応じて、3%、4%、及び5%を超えたところでCOSを示す。光開始剤No.2、すなわちアミノ官能性光開始剤は、COS及びOTRを最もよく改良した。
【0069】
【表5】
【0070】
図6は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された50nm厚みのSiOxバリアコーティングに歪みを与える間取得されたOTRデータの片対数プロットを示す。グラフは、非処理のSiOx/PETサンプル、及びオルガノシラン配合物MAPS−1、MAPS−2、VS−1、及びVS−2で処理されたSiOx/PETサンプルに関する、OTR挙動を示す。
【0071】
上記データから、VS−2治癒組成物(エタノール中に光開始剤PI−2を備えた3%ビニルシラン)が最も良い配合物であったことは明らかである。したがって、この特定の治癒組成物を有する八つの連続的な試験が結果の再現性を確認するために実行された。表3.2は、歪み下での、かつVS−2配合物で処理されたサンプルのOTR結果を記載する。図7の片対数プロットは、八つのVS−2処理されたSiOx/PETサンプルの挙動を図示する。比較を容易にするため、表2.2の非処理SiOx/PETサンプルのOTRデータが図7にプロットされた。
【0072】
【表6】
【0073】
図7は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた50nm厚みのSiOxバリアコーティングから測定されたOTRデータの片対数プロットを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された八つのSiOx/PETサンプルのOTR挙動を示す。公称歪みに対する非処理SiOx/PETサンプルの挙動も示す。
【0074】
図7は、OTRが臨界歪み(COS)よりも下で一定であり、この点を越えると著しく増加するときの、治癒されたサンプルの典型的な挙動を示す。八つのサンプルのうち、七つは5%でCOSを有し、一方で一つのサンプルは6%に達した。非処理の50nm厚みSiOx層に関して、挙動はオルガノシランで改質されたサンプルと大きく異なる:COSはおおよそ2%の公称歪みに局在化され、5%でのOTRは100cm3/m2/day/barに達する。
【0075】
ポリシロキサン形成の他の重要な特徴の一つは、治癒されたSiOx層の酸素バリア性の改善である。この改善は、図7に明確に示され、処理されたサンプルは全て、非処理サンプルの1.6cm3/m2/day/barと比較して非常に低いOTRを示す。
【0076】
各データ点の平均OTR測定は、表2.2からの非処理50nmSiOx/PETサンプルデータと比較して、VS−2オルガノシラン配合物の治癒効果の明確な結果を与える。これは図8に示され、線形プロットであるOTRデータを示す。
【0077】
図8は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた50nm厚みのSiOxバリアコーティングから測定されたOTRデータを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された八つのSiOx/PETサンプル、及び表2.2の非処理SiOx/PETサンプルの挙動からの、平均OTRデータを示す。
【0078】
コスト低減に関して、ポリマーフィルムを可能な限り薄い酸化物コーティングで被覆することは興味深い。この目的を達成するために、同様の検討が、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された10nmSiOxバリア層で実施された。その後のVS−2オルガノシラン処理及びUV硬化の後、フィルムサンプルは歪みOTR試験された。データは表3.3に表され、図9にプロットされた。この図には、表2.1の非処理サンプルのOTR測定結果もプロットされた。
【0079】
【表7】
【0080】
図9は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた10nm厚みのSiOxバリアコーティングから取得されたOTRデータを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された表3.3の三つのSiOx/PETサンプル、及び表2.1の非処理SiOx/PETサンプルの挙動からの、平均OTRを示す。
【0081】
処理されたサンプルの酸素バリア性はポリシロキサンハイブリッドの形成で増加し、対応するCOSは5から6%公称歪みの間である。厚いSiOx層と比較して改善は大幅なものではない。SiOx酸化物バリアの他の特徴の一つは、SiOx厚みに対するCOS位置依存性である。各々10nm及び50nmの厚みを有する非処理サンプルのCOS位置を見るとき、この依存性が明らかに分かる。10nm厚みのSiOx層のCOSは4%に位置し、一方で50nm厚みのSiOx層に対してのみ2%である(各々図6〜8、及び9)。この相違は、薄いSiOx層ではなぜ架橋されたオルガノシランの治癒効果が低いのかを説明するだろう。
【0082】
上述の例からの結論は以下のとおりである。50nm及び10nmの、非コートの、オルガノシランで治癒されていないSiOx/PETサンプルは、各々2及び4%においてCOSを有する。
【0083】
3%ビニルシランコーティングされた50nm及び10nmのSiOx/PETサンプルは、各々6%及び5.5%においてCOSを有する。
【0084】
3%VS−2をコーティングすることによって、50nmSiOx/PETのCOSの大幅な改善が得られ、一方で同じシランは10nmSiOx/PETのCOSの改善が小さい。
【0085】
3%VS−2をコーティングすることによって、10nm及び50nmのSiOx/PETサンプルの両方に関して酸素透過OTRの大幅な減少がさらに得られた。
【符号の説明】
【0086】
11 無機酸化物層
12 基材フィルム
13 オルガノポリシロキサン層
21 PETの基材層
22、23 熱溶着性ポリオレフィンベース層
24 ハイブリッドバリア層
【技術分野】
【0001】
本発明はポリマーの基材フィルムと、基材フィルム上部に配置された、気相蒸着法によって蒸着された無機酸化物を含むバリア層と、を含む食品又は飲料を包装するためのバリアフィルムに関する。本発明は、そのようなバリアフィルムを含む食品又は飲料を包装するための包装用積層品、及び前記包装用積層品から作製される包装容器にも関する。さらに本発明は、本発明のバリアフィルムを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料の包装に関して、「保管寿命」、すなわち食品製品が使用前に密閉された及び保存されたパッケージ内で過ごすことができる期間、を延ばすために、包装された食品製品上の包装容器の外側から、包装材料を通過して透過する気体、蒸気、及び光による影響を最小化することが重要である。包装処理は無菌条件(すなわち食品製品並びに包装材料自身は除菌され、充填された包装容器は清浄な環境で製造される)の下で実行されてよく、それによって、包装材料の選択及び設計が適切であれば、たとえ周囲条件での保管であっても、食品製品が非常に長期間保存できるようになる。長期保存の一つの重要な因子は充填されかつ密閉された包装容器のガスバリア性であり、それは同様に包装用積層品自身のガスバリア性に大きく依存する。酸素は、食品製品の劣化を加速することによって、栄養性の値に有害な影響を与える。さらに、包装された内容物を最初に包装されたときと同じ体積及び湿度に保つために、包装用積層品の十分な水蒸気バリア性は長期保存に関わる重要な因子である。
【0003】
同様に、移動する極性及び非極性芳香族物質に対するバリア性は、保存期間及び包装された製品に依存して重要である。特にフルーツジュースに関して、そのような性質は非常に関連性がある。包装用積層品の一般的な性能において非常に重要なのは、長期保管後の及び厳しい気候条件での、積層品の一体性、すなわち積層品の層間の内部接着、である。
【0004】
ガスバリア機能、特に酸素バリア性、水蒸気バリア性、及び光バリア性、を提供するために、様々なフィルム及び多層積層包装材料が従来技術において提案されてきた。そのようなフィルム及び柔軟な多層積層品は、様々な食品製品を包装するための包装材料、バッグ、及びポーチとして使用される。特に、液体又は流動性食品製品、例えば牛乳、ジュース飲料又は加工トマト等、は高速連続充填、成形、及び密閉工程によってそのような柔軟材料内に包装され得る。そのような工程において、積層された材料の連続的なランニングウェブ(running web)は連続的なチューブに成形され、殺菌され、食品製品で充填され、密閉され、パッケージに切断される。密閉は、積層品の最も外側のポリマー層の発熱によって実行され、これらの最外熱溶着層は、密閉されたポーチ又はピロー形状のパッケージを形成するため、加圧下で不可逆的に互いに融解される。
【0005】
液体食品用使い捨てタイプの同様な堅い又はいくらか堅い包装容器は紙又は板紙のコア層を有する包装用積層品から製造されることが多い。そのような一般的にみられる包装容器の一つは、Tetra Brik Aseptic(登録商標)という商標で販売され、主に牛乳、フルーツジュース等の液体食品に使用されている。そのようなTetra Brik Aseptic(登録商標)包装容器は、同様に、ウェブから又は既成の白紙の包装材料からパッケージを成形、充填、及び密閉するタイプの最新の高速包装機によって一般的に製造される。ウェブから、例えば、包装容器は、ウェブの長手方向の両方の端部が重なり合った接合部においてウェブが互いに一体化されることによってチューブに再成形されて、製造される。チューブは目的とする液体食品製品で充填され、チューブ内の内容物のレベルよりも下方で、互いに離隔して繰り返されるチューブを横断する密閉部によって、個々のパッケージに分割される。パッケージは横断方向の密閉部内での切断によってチューブから分離され、板紙包装材料に準備された折り目線に沿って折り畳み成形することによって所定の幾何学的形態、通常平行六面体、を付与される。この連続的チューブ成形、充填、及び密閉包装工程の概念の主な利点は、ウェブがチューブ成形の直前に連続的に殺菌されてよく、したがって無菌包装工程の可能性を提供して、充填されたパッケージがたとえ周囲温度であっても、充填された製品内での微生物の成長のリスクなしに、長期間保存され得るようにすることである。Tetra Brik(登録商標)タイプの包装工程の他の重要な利点は最新の包装機における連続高速包装の可能性であり、これはコスト効率に大きく影響する。
【0006】
そのような既知の堅い包装容器における包装材料は、典型的には紙又は板紙のバルクコア層、及び外側の、熱可塑性の液密層を含む積層品である。包装容器を遮光及び気密、特に酸素を通さないもの、にするために、例えば無菌包装を目的として、及びフルーツジュースをパッケージングするために、これらの包装容器のための積層品は通常少なくとも一つの追加的な層、最も一般的にはアルミホイル、を備える。
【0007】
アルミニウムホイルのガスバリア層を有する包装用積層品には、例えば電子レンジ内での調理、加熱、又は解凍を意図する食品製品の包装等、特定の目的に関して、幾つかの欠点が存在する。そのような場合は、食品を電磁波に曝す前に包装用積層品は取り除かれる必要がある。アルミニウムホイルの他の欠点は、他の多くのバリア材料と比べて、比較的高価な材料であることである。
【0008】
ナノメートル厚みの無機酸化物コーティングの気相蒸着によって被覆されたポリマーフィルムは、酸素及び/又は水蒸気に対するバリア層として食品包装産業において幅広く使用される。食品包装産業において特に興味あるのは、ナノメートル厚みの、化学式がSiOx又はSiOxCyであるガラス状層であり、これは任意の反応蒸着法によって蒸着され得る。食品包装産業における他の興味ある無機酸化物バリア材料は、酸化アルミニウム(AlOx)である。さらに、例えばアルミニウム金属化層等、薄い、ナノメートル厚みの、金属化された層が、多層包装用積層品に酸素及び水蒸気バリアを提供するためによく使用される。しかしながら、アルミニウムホイルと比較して、これらのコーティングは酸素バリア性が低く、柔軟性も低い。
【0009】
全ての種類の気相蒸着層に共通する問題は、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールの範囲のサイズの、ピンホール、クラック、及び他の欠陥の形成である。これらの欠陥は物質のそのままの透過、SiOx層を含む包装用積層品を通過する、特に酸素、典型的には約0.1cm3/m2/day/atm、及び水蒸気、典型的には約0.1g/m2/day、を引き起こす。そのようなクラック及び欠陥は気相蒸着被覆されたばかりの材料においても初期にある程度存在するが、多くは処理及びラミネート加工作業の間の、フィルム又はラミネート形成及び密閉されたパッケージへのヒートシールの間の、及びもちろん充填及び密閉された包装容器の出荷及び流通における、熱及び機械的なストレスに起因して生じる。特に、熱溶融ポリマーによる押出ラミネート並びにヒートシール操作は、気相蒸着バリア薄層にかなりの熱ストレスを与える。まとめると、層を無傷に保持し、かつ最終的に得られる充填され及び密閉された包装容器に所定のバリア性を提供するために、蒸着薄層に対する全ての種類の歪みはある特定のレベルを超えないことが求められる。このレベルは多くの場合満足されるが、そのようなフィルムのバリア性に関するロバストネスがますます要求されている。
【0010】
この問題をある程度低減するための一つの可能な方法は、酸化物層の欠陥の数を減らすために、非常に平滑かつ平坦な表面を有するポリマー基材フィルムを使うことである。しかしながら、この方法は、無機層上部表面のコーティングの質を改良するものではない。
【0011】
柔軟な包装及びポーチ材料において、並びにより堅い紙又は板紙包装用積層品において、フィルム又は積層品材料の歪み時の無機バリア材料の柔軟性及び強度に関する要求は非常に高い。特に、板紙又はボール紙包装容器に関して、積層品の同じ場所で厚い板紙積層品を幾度も曲げ折り畳むとき、バリア材料は厳しい条件下に置かれる。これは、折り畳み形成される包装の特定の場所、例えば積層品が一回以上折り畳まれ六角形形状のパッケージの上部及び底部部分を形成するところである、いわゆるK−クリースで起こる。したがって、そのような気相蒸着無機層の耐久性及び柔軟性、及び同様にそれらのバリア性を改良する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,224,441号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の目的は上述の問題を克服又は軽減することである。
【0014】
本発明の全般的な目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化物を含む気相蒸着層を有する、バリア性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0015】
本発明のさらなる全般的な目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化物を含む気相蒸着層を有する、靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0016】
本発明の特定の目的は、ポリマー基材層上に配置された無機酸化シリコン(SiOx又はSiOxCy)の気相蒸着層を有する、酸素バリア性及び水蒸気バリア性並びに靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0017】
本発明の特定の目的は、ポリマー基材層上に配置された酸化アルミニウム(AlOx)の気相蒸着層を有する、酸素バリア性及び水蒸気バリア性並びに靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料を包装するためのフィルムを提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、ポリマー基材層上部に配置された無機酸化物の気相蒸着層を備えたバリアフィルムを含む、バリア性及び靭性及び柔軟性が改良された、食品又は飲料の無菌かつ長期包装のための柔軟性を有する多層包装用積層品を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、ポリマー基材層上部に配置された無機酸化物の気相蒸着層を備えたバリアフィルムを含む、バリア性及び靭性及び柔軟性が改良された、並びにバリア層と隣接するポリマー層との間の良好な接着によって良好な包装一体性を有する、食品又は飲料の無菌かつ長期包装のための堅い又はいくらか堅い多層包装用積層品を提供することである。
【0020】
本発明は、食品又は飲料製品で充填され、かつバリアフィルムを含む包装用積層品から製造された包装容器にも関する。
【0021】
加えて、本発明は、本発明の改良されたバリアフィルムの製造方法に関する。
【0022】
これらの目的は、添付されたクレームに定義される、バリアフィルム、柔軟な多層包装用積層品、及び堅い又はいくらか堅い食品又は飲料容器のための包装用積層品、包装容器、及び方法によって、本発明により達成される。
【0023】
これらの目的は、気相蒸着された無機酸化物層上のさらなるコーティングによって、本発明により達成され、前記コーティングは架橋されたオルガノポリシロキサンからなり、前記オルガノポリシロキサンは無機酸化物層に共有結合され、治癒層として機能する。
【0024】
そのような架橋治癒層は、気相蒸着された酸化シリコンコーティングの靭性、柔軟性、及びバリア性に対して特に有利な効果を有するが、有利な効果は、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、及び他の金属酸化物等、酸化シリコンと同様の化学的性質を有する任意の無機酸化物に関して予期される。有利な効果は、金属化された層が層表面に金属酸化物を含み、かつOH基を含む限り、金属化された層の靭性及びバリア性に関して同様に達成され得る。これは、例えば化学反応気相蒸着によって蒸着されるアルミニウム層に関してもそうであることが多い。一般的に、純金属の薄いコーティング又は金属及び金属酸化物の混合物は水蒸気に対するバリア性を提供し、要求される機能が水蒸気の内部への、多層フィルム又は包装用積層品を通過する移動を防ぐことであるときに、使用される。最も好ましいのは、特に金属化層の表面において、金属化コーティング内の金属が酸化アルミニウム(AlOx)と混合されたアルミニウム(Al)であることである。金属及び金属酸化物のそのような混合層はさらに金属的な外観を提供し、光に対するバリアも提供することが多い。
【0025】
架橋されたオルガノポリシロキサンのコーティングは、気相蒸着無機酸化物層とオルガノポリシロキサン層との間の界面上に均一にかつ高密度で分布された共有結合によって無機酸化物層に結合される。
【0026】
好ましくは、無機酸化物含有コーティングは物理気相蒸着(PVD)又は反応性気相蒸着(CVD)によって、及び、より好ましくは、プラズマ化学気相成長法(PECVD)によって蒸着され、金属又はシリコン化合物の気体が、酸化条件下で基板上に蒸着され、その結果アモルファス金属酸化物又はシリコン酸化物層を形成する。
【0027】
このタイプのコーティングは、コーティングされたフィルムにガスバリア性並びにある程度の水蒸気バリア性を与え、特定の用途において好ましいであろう透明なコーティングである。
【0028】
特に好ましい酸化シリコンコーティングは化学式SiOxCyを特に有し、式中炭素は共有結合され、xが0.1から2.5の間で変化し、yが0.1から2.5の間で変化してよい。そのような炭素含有コーティングは、ガスバリア性に加えて改良された水蒸気バリア性を有する。
【0029】
他の好ましいコーティングは、化学式SiOxCyNzの酸化シリコンコーティングであり、炭素原子及び窒素原子は共有結合され、xが0.1から2.5の間、yが0.1から2.5の間、及びzが0.1から2.5の間である。
【0030】
好ましくは、SiOxCyNzの単独のコーティングは厚みが5から100nmであり、キャリアガスとしてオルガノシリコン化合物及び窒素を含む処理ガス混合物を用いるPECVDによって蒸着される。
【0031】
本発明による薄い気相蒸着された無機酸化物含有層はナノメートル厚みであり、すなわち、例えば5から500nm、好ましくは5から200nm、さらに好ましくは5から100nm等、ナノメートルで扱うのが最も適する厚みを有する。
【0032】
さらなる好ましいコーティングは、化学式AlOxを有する酸化アルミニウムのコーティングであり、xは1.0から1.5まで変化し、好ましくはAl2O3である。好ましくは、そのようなコーティングの厚みは5から100nm、好ましくは5から30nmである。
【0033】
コスト的に有利であること、及びコーティングが得るバリア性及び柔軟性の利点のため、プラズマ化学気相成長法(PECVD)による蒸着は、無機酸化物コーティングの蒸着において好ましいが、他の気相蒸着法、すなわち任意の反応性蒸着又は電子ビーム反応性蒸着法又は任意の熱蒸着法、がこの発明において実施可能である。これらの方法は、通常バッチ工程であり、反応性蒸着操作に関して減圧又は真空下での反応チャンバを必要とする。PECVD法は米国特許第5,224,441号明細書にさらに完全に記述される。
【0034】
他方で、連続コーティング法でありコーティングされたフィルムの制御及び製造の実施をより容易にするので、大気圧プラズマ法による蒸着も有利であり望ましい。他に、そのような連続的かつ高度な望ましい大気圧気相蒸着コーティング法は、いわゆるフレームコーティング又は燃焼化学気相蒸着(CCVD)法である。
【0035】
ポリマー基材フィルムは、気相蒸着された材料を受けるための層を含み、前記層は良好な接着性及びコーティング品質を有する機能層を受けるのに適する材料で作られる。適切には、材料は−10℃以上のTg(ガラス温度)を有する熱可塑性ポリマー材料である。そのようなポリマー材料は、例えば一方ではポリエチレンと、異なる溶融挙動特性を有するので、一般的に熱生成コーティング操作のための基板層により適する。そのような高Tgポリマー材料の例は、ポリアミド(PA)、ポリアミドコポリマー、ポリエステル、及びポリエステルコポリマーからなる群から選択される。ポリエチレンテレフタレート(PET)及びコポリマー(PET−X)、例えばグリコール単位で修飾されたポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が例として挙げられる。これらのポリマーは全て室温よりも高いTgを有する。ポリプロピレンも、要求されるTg、すなわちちょうど約−10℃のTg、を有するポリマーである。好ましくは、基材フィルム又は層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリアミド(PA)、最も好ましくはポリアミド、で作られる。なぜなら、ポリアミドがコーティングの質及び性質を改良する気相蒸着されたコーティングを受ける平滑な表面を提供するためである。基材フィルムの厚みに対する現実的な要求は、厚み下限を約10μmとし得る一方で、コスト上の理由から、上限約30μmが合理的であると思われる。本発明において適切であるが非制限的であるポリアミドの例は、PA−6、PA−6,6、及びPA−6,6,6である。しかしながら、フィルム製造に適する全てのポリアミドも同様に本発明のフィルムの適切な基板である。
【0036】
治癒層コーティングは、三つのシラノール形成基を有する不飽和シランから本質的になる組成物からの架橋反応生成物である。組成物が本質的に不飽和シランのみ、場合により少量のみの同様な飽和シラン化合物と、からなることは、発明の結果において重要である。そのような少量とは、組成物の全シラン化合物の5重量%未満であり、好ましくは3重量%未満である。同様に、二つのシラノール形成基のみを有する少量の不飽和シランが組成物中に存在してよいが、全組成物の5重量%未満であり、好ましくは3重量%未満である。結論として、三つのシラノール形成基を有する不飽和シラン以外のシラン含有量は、全シランコーティング組成物の10重量%未満である。
【0037】
三つのシラノール形成基を有する不飽和の反応性シランは、一般的には化学式R−Si−X3で表されてよく、Rはフリーラジカル重合を行なうことができる官能基を含むラジカルであり、Xは加水分解性ラジカルである。代表的なR置換基は、ガンマメタクリルオキシプロピル、ガンマアクリルオキシプロピル、ビニル、又はアリルを含み得る。代表的なシラノール形成X置換基は、例えばメトキシ、エトキシ、イソブトキシ、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ、及びエトキシフェノキシ等、1−8個の炭素を有するアセトキシ及びアルコキシを含み得る。好ましくは、使用される反応性シランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。これらの反応性シランは食品包装に関連する材料での使用に最も適する。最も好ましい反応性シランは、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランからなる群から選択される。
【0038】
コーティングされたが、非架橋のオルガノシロキサンオリゴマーの厚みは、1から50nm、好ましくは1から40nm、さらに好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmの範囲内である。架橋の後、コーティングされたオルガノポリシロキサンの厚みは架橋前と比較して当然小さい。
【0039】
本発明の第2の局面によれば、上述のバリアフィルムは多層柔軟性食品包装用積層品、並びに板紙又はボール紙のコア層、及び最も外側の、熱溶着可能な、熱可塑性ポリマー材料の液密層を含む、堅い又はいくらか堅い食品包装用積層品において有用である。
【0040】
本発明の第3の局面によれば、このように得られた包装用積層品は食品又は飲料の長期かつ無菌包装のための包装容器への置換に適する。
【0041】
本発明のさらなる局面によれば、本発明のバリアフィルムは、ポリマー基材フィルムを提供する段階と、基材フィルム上部に気相蒸着法によって無機酸化物を含むバリア層を蒸着する段階と、及び前記気相蒸着された無機層をさらにコーティングする段階とを含む方法によって製造され、前記さらにコーティングする段階は、溶媒に溶解された、三つのシラノール形成基を有する反応性不飽和シラン化合物から本質的になる組成物を提供する段階と、前記組成物を無機気相蒸着層上にコーティングする段階と、コーティングされた組成物を加水分解し縮合反応させ無機層と共有結合されるエチレン系不飽和オルガノシロキサンオリゴマーを提供する段階と、及び、最後に、コーティングされたオルガノシロキサンオリゴマーを硬化して架橋されたポリシロキサン層を提供する段階とを含む。化学反応の間に溶媒は自動的に蒸発されるので、別途の乾燥段階は通常必要ない。
【0042】
反応性シランコーティング組成物は、任意の適切な液体フィルムコーティング法によって、溶媒(好ましくはエタノール)中の反応性シランが1から10重量%、好ましくは2から6重量%、さらに好ましくは3から6重量%の溶液として、無機層の上部に液体フィルムとして塗布される。好ましくは、コーティング溶液は転写ローラーによって塗布され、該転写ローラーは溶液に浸漬され無機層フィルム上を転がる。コーティングの塗布において、コーティングされた組成物はマイクロメートル及びナノメートルサイズの無機層のクラック及びピンホール内部に浸透し、その後組成物は加水分解され、さらに縮合反応し、シラノール形成基がオルガノシラン組成物層の内部で部分的に縮合してオルガノシロキサンオリゴマーとなるようにし、並びに無機酸化物基板層表面上に形成されたヒドロキシ基と部分的に縮合するようにする。その後、オルガノシロキサンオリゴマーは炭素−炭素不飽和サイトにおいて架橋され、それによって、共有結合によって無機酸化物基板層に強く結合された、架橋されたポリオルガノシロキサン層が得られる。
【0043】
塗布された反応性シラン溶液の厚みは、縮合及び硬化の前に測定されたとき、1から50nmまで、好ましくは10から30nmまで変化してよい
【0044】
無機酸化物層とポリオルガノシロキサン層との間の界面における反応生成物は、二つの別個の層というよりもむしろハイブリッド材料であるとみなされてよい。二つの材料はバリアフィルムの全表面上に広がる近接して位置する共有結合によって互いに反応され、層間にはもはや明確な境界はない。結果的に、層は切り離すことは出来ず、バリアハイブリッド層内部のどの点においても互いに剥がれたり、又は分離したりしない。さらに、オルガノポリシロキサンのさらなる有機的性質に起因して、SiOx等単なる気相蒸着金属酸化物層の場合と比較して、その後押出ラミネート加工されるか又は他の方法で積層されるポリマー層との良好な接着性が得られる。
【0045】
好ましくは、硬化段階は放射エネルギーによる架橋によって実行され、好ましい実施形態によれば、治癒層コーティング組成物内に光開始剤を含有させるとともにUV放射が使用される。治癒層コーティング組成物内に含まれる光開始剤の濃度は、適切には1から10重量%であり、好ましくは2から5重量%であり、さらに好ましくは3から5重量%であり、最も好ましくは3から4重量%である。得られるコーティングされたバリア層の結果が良好であることから、アミノ官能基を有する光開始剤が好ましい。
【0046】
本発明のさらなる局面によれば、本発明の包装用積層品から製造される堅い包装容器が提供され、低酸素透過率、包装一体性、及び積層された層間の内部接着性等の性質を有し、その性質は液体食品包装用に今日販売されている従来技術のアルミニウムホイル包装容器と同じレベルである。
【0047】
以下に本発明の好ましい実施形態が図面を参照して記述される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1a】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図1b】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図1c】本発明によるバリアフィルム内のバリア層の形成段階を断面において概略的に示す。
【図2a】本発明による包装用積層品の実施形態を各々概略的に示す。
【図2b】本発明による包装用積層品の実施形態を各々概略的に示す。
【図3】本発明による包装用積層品から製造された包装容器の例を示す。
【図4】連続的な成形、充填、及び密閉工程においてそのような包装容器が包装用積層品から如何に製造されるか、原理を示す。
【図5】基材フィルム上部へのSiOx又はSiOxCyのPECVDコーティング設備を示す。
【図6】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図7】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図8】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【図9】例に記載されたハイブリッド層の各試験において酸素透過と公称歪みとの間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明のハイブリッドバリア層が如何に形成されるかを示す。図1aには無機酸化物(好ましくは酸化シリコン)層11のマイクロ−サイズ及びナノ−サイズの欠陥14;15が示され、図1bでは欠陥がオルガノシランモノマー/オリゴマーで充填される。ポリマーフィルムである基材フィルム12は、無機層の最適なバリア性を得るため好ましくは非常に平滑な表面を有する。加水分解の後、図1cにおいて、オルガノシランモノマー/オリゴマー単位は互いに、及び酸化物表面のヒドロキシ/シラノール基と縮合反応し、その後UV放射の外部源によって重合され酸化物基板表面上に架橋されたオルガノポリシロキサン層13を形成する。したがって、無機酸化物層内の欠陥に関連する気体及び蒸気透過は低減され、故に、ハイブリッド材料のバリア性は増加する。平行して、コーティングされ治癒された無機酸化物層の靭性は改良され、クラック開始歪み(COS)は高いレベルにシフトする。COSは、酸素透過がまだ影響を受けていない、バリア層に現れるクラックの量の増加に起因してそれが迅速に増加する前の、歪みレベルである。
【0050】
図2において、本発明により製造される柔軟性多層包装用積層品20aの第1の実施形態を断面で示す。
【0051】
積層品はPETの基材層21、外側の液密性かつ熱溶着性ポリオレフィンベース層22、23、及びPET基材層上に配置され、第1にPECVDによって気相蒸着された酸化シリコン層24−1、及び第2に架橋されたオルガノポリシロキサン24−2の共有結合層からなるハイブリッドバリア層24を含む。外側の液密性かつ熱溶着性層22、23は、好ましくはポリエチレン、より好ましくは従来の熱溶着品質を有する低密度ポリエチレン(LDPE)等の、ポリオレフィンを含む。さらに好ましくは、メタロセン触媒の存在下でエチレンモノマーをC4−C8のアルファ−オレフィンアルキレンモノマーと重合することによって製造されるリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、すなわちいわゆるメタロセン−LLDPE(m−LLDPE)が、熱溶着層の一つ又は両方に使用される。
【0052】
図2bは、本発明により製造される堅い又はいくらか堅い多層包装用積層品20bの第2の実施形態を断面で示す。包装用積層品の堅さは板紙又はボール紙のコア層25によって提供され、積層品は外側の熱溶着可能なかつ液密性の、好ましくは上述のような低密度ポリエチレン又はm−LLDPEである、熱可塑性ポリマー層22、23をさらに備える。上記図2aに記載されるバリア層24は、基材層21上に配置され、第1にPECVDによって気相蒸着された酸化シリコン層24−1、及び第2に架橋されたオルガノポリシロキサン24−2の共有結合された層からなる。バリア−コートされた基材層フィルムは、板紙包装用積層品内部に積層される層26によって積層されるとき、どちらの方向に向きを変えてもよい。積層される層は、好ましくは押し出されたポリオレフィン層であり、より好ましくは低密度ポリエチレン層である。
【0053】
図3は、長手方向のシール31に沿って及び横断方向のシール32において密閉され、その近傍でパッケージが前のパッケージから切り離された(図4の46)、Tetra Brik(登録商標)のタイプの充填された包装容器30、及び連続的に充填されるチューブ(図4の41)を各々示す。本発明の包装容器は、充填された製品をより容易に注ぐための、及びそれがまだ空になっていないとき場合によりパッケージを再度閉じるための開口器具33をさらに備えてよい。
【0054】
図4は本出願の導入部において記載された原理、すなわち包装材料のウェブが、重なり接合部43においてウェブの長手方向端部42、42’が互いに一体化されることによってチューブ41に形成されることを示す。チューブは目的の液体食品製品で充填され44、チューブ内に充填された内容物のレベルよりも下方で、チューブの、互いに離隔する繰り返される横断方向のシール45によって個々のパッケージに分割される。パッケージ46は横断方向のシール内の切断によって分離され、及び材料内に準備された折り目線にそって折り畳み成形することによって所定の幾何学的形状が付与される。
【0055】
図5は好ましい設備50、及び基材フィルム上へSiOxをコーティングする方法を概略的に示す。基材フィルム51は、有機シリコン化合物、例えばヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)又はテトラメチルジシロキサン(TMDSO)等、のプラズマからのSiOx、ここでx=1.7−2.2、の連続的なプラズマ化学気相成長法(PECVD)で処理され、コーティングの厚みは5から500nm、好ましくは5から200nm、より好ましくは5から100nmとされ、バリアフィルム1cが形成される。
【0056】
本発明が上述の実施形態によって制限されることはなく、クレームの範囲の中で変更され得る。例えば、本発明のバリアフィルムがさらなるバリア性、又は靭性等の機能性を提供するさらなる層と組合わされてよいことは理解される。
【0057】
さらに、包装用積層品及びパッケージの一体性、すなわち層間の接着、をさらに強化するため、従来の接着促進表面処理、並びに従来の接着剤及びプライマーが使用され、及び特定の積層される材料構造に適合するように選択されてよいことも理解される。
【0058】
例
1.使用された化学物質及び材料
【0059】
【表1】
【0060】
治癒層コーティング試験は、プラズマ化学気相成長法(PECVD)による一般式SiOx、xは約1.7から約2.2、の酸化シリコンでコーティングされた12μm厚みのPETフィルム上で実行された。SiOxコーティングの厚み50nm及び10nmが各々試験された。
【0061】
表1.2に示されるように、試験された不飽和オルガノシランモノマーはMAPS及びVSであった。オルガノシランは濃度3から6重量%でエタノールに溶解され、さらに光開始剤が表1.2に列記されるように2から5重量%の量で溶液組成物内に含有された。オルガノシラン溶液組成物は溶液組成物に浸漬された後SiOx表面に接触された転写ローラーによってSiOx層上部に液体フィルムとして塗布された。塗布されたオルガノシランのコーティングの厚みは約25nmであった。
【0062】
【表2】
【0063】
2.非処理SiOx/PETフィルムの引張歪み下でのOTR
PECVD SiOx蒸着コートPETフィルムから取得されたフィルムサンプルは、一軸歪み力を受ける間酸素透過率(OTR)測定のため調製された。測定装置はMocon(登録商標)酸素拡散セルに取り付けられた歪み発生装置からなる。この配置は、OTRと、サンプルに与えられた一軸歪み力に応じたクラック開始歪み(COS)位置との同時測定を可能にする。COS臨界点を超える歪みにおいて、SiOx又はオルガノシラン/SiOx層の崩壊に起因して、サンプルを通過する酸素ガス拡散の程度は1オーダー増加した。OTRは公称歪み増加1.0%毎に測定された。
【0064】
非処理サンプルのOTR測定は、12μmPETフィルム上にPECVD蒸着された10及び50nm厚みのSiOx層に関して実施された。表2.1及び表2.2は、治癒オルガノシランコーティングの蒸着なしでの、平坦なSiOx/PETフィルムに関する各々のOTR測定点を記載する。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
3.オルガノシラン治癒フィルムの引張歪み下でのOTR
50nmSiOxでコーティングされた12μmPETフィルムのサンプルは、SiOx側にオルガノシラン層をコーティングしてその後巻き取る前にUV放射で硬化することによって、液体フィルムコーティングパイロットラインにおいてロール形態で調製された。MAPS−1及びMAPS−2は、2から5重量%の量の光開始剤PI−1及びPI−2を各々加えた、3重量%でエタノールに希釈されたガンマ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランの配合物であった。VS−1及びVS−2は、2から5重量%の量の光開始剤PI−1及びPI−2を各々加えた、3重量%でエタノールに希釈されたビニルトリメトキシシランの配合物であった(PI−1及びPI−2化合物については、表1.2を参照されたい)。四つのオルガノシラン配合物は、UV−硬化放射段階とコイル巻き取りよりも前に、約25nmの厚みで塗布されている。調製されたコイルから取得されたフィルムサンプルは、上述のような歪みが与えられたサンプルのOTRを測定する装置に取り付けられた。
【0068】
表3.1は、MAPS−1、MAPS−2、VS−1、及びVS−2配合物での各処理に関するOTRデータをまとめたものである。図6は公称歪みに応じたOTRデータの片対数グラフを示す。この図は、表2.2からのオルガノシラン処理なしで歪みを与えられたSiOx/PETサンプルから取得されたOTRデータを同様に示す。UV硬化オルガノシランの効果は、異なるサンプルのCOS位置を比較することによって明確に得ることができる。非処理のSiOx/PETサンプルが2%公称歪みにおいてCOSを有する一方で、MAPS処理及びVS処理のSiOx/PETサンプルは、光開始剤化合物、溶液内に混合された光開始剤化合物PI−1又はPI−2に応じて、3%、4%、及び5%を超えたところでCOSを示す。光開始剤No.2、すなわちアミノ官能性光開始剤は、COS及びOTRを最もよく改良した。
【0069】
【表5】
【0070】
図6は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された50nm厚みのSiOxバリアコーティングに歪みを与える間取得されたOTRデータの片対数プロットを示す。グラフは、非処理のSiOx/PETサンプル、及びオルガノシラン配合物MAPS−1、MAPS−2、VS−1、及びVS−2で処理されたSiOx/PETサンプルに関する、OTR挙動を示す。
【0071】
上記データから、VS−2治癒組成物(エタノール中に光開始剤PI−2を備えた3%ビニルシラン)が最も良い配合物であったことは明らかである。したがって、この特定の治癒組成物を有する八つの連続的な試験が結果の再現性を確認するために実行された。表3.2は、歪み下での、かつVS−2配合物で処理されたサンプルのOTR結果を記載する。図7の片対数プロットは、八つのVS−2処理されたSiOx/PETサンプルの挙動を図示する。比較を容易にするため、表2.2の非処理SiOx/PETサンプルのOTRデータが図7にプロットされた。
【0072】
【表6】
【0073】
図7は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた50nm厚みのSiOxバリアコーティングから測定されたOTRデータの片対数プロットを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された八つのSiOx/PETサンプルのOTR挙動を示す。公称歪みに対する非処理SiOx/PETサンプルの挙動も示す。
【0074】
図7は、OTRが臨界歪み(COS)よりも下で一定であり、この点を越えると著しく増加するときの、治癒されたサンプルの典型的な挙動を示す。八つのサンプルのうち、七つは5%でCOSを有し、一方で一つのサンプルは6%に達した。非処理の50nm厚みSiOx層に関して、挙動はオルガノシランで改質されたサンプルと大きく異なる:COSはおおよそ2%の公称歪みに局在化され、5%でのOTRは100cm3/m2/day/barに達する。
【0075】
ポリシロキサン形成の他の重要な特徴の一つは、治癒されたSiOx層の酸素バリア性の改善である。この改善は、図7に明確に示され、処理されたサンプルは全て、非処理サンプルの1.6cm3/m2/day/barと比較して非常に低いOTRを示す。
【0076】
各データ点の平均OTR測定は、表2.2からの非処理50nmSiOx/PETサンプルデータと比較して、VS−2オルガノシラン配合物の治癒効果の明確な結果を与える。これは図8に示され、線形プロットであるOTRデータを示す。
【0077】
図8は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた50nm厚みのSiOxバリアコーティングから測定されたOTRデータを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された八つのSiOx/PETサンプル、及び表2.2の非処理SiOx/PETサンプルの挙動からの、平均OTRデータを示す。
【0078】
コスト低減に関して、ポリマーフィルムを可能な限り薄い酸化物コーティングで被覆することは興味深い。この目的を達成するために、同様の検討が、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された10nmSiOxバリア層で実施された。その後のVS−2オルガノシラン処理及びUV硬化の後、フィルムサンプルは歪みOTR試験された。データは表3.3に表され、図9にプロットされた。この図には、表2.1の非処理サンプルのOTR測定結果もプロットされた。
【0079】
【表7】
【0080】
図9は、PECVDによってPET12μmフィルム上に蒸着された歪みを与えた10nm厚みのSiOxバリアコーティングから取得されたOTRデータを示す。グラフは、VS−2オルガノシラン配合物で処理された表3.3の三つのSiOx/PETサンプル、及び表2.1の非処理SiOx/PETサンプルの挙動からの、平均OTRを示す。
【0081】
処理されたサンプルの酸素バリア性はポリシロキサンハイブリッドの形成で増加し、対応するCOSは5から6%公称歪みの間である。厚いSiOx層と比較して改善は大幅なものではない。SiOx酸化物バリアの他の特徴の一つは、SiOx厚みに対するCOS位置依存性である。各々10nm及び50nmの厚みを有する非処理サンプルのCOS位置を見るとき、この依存性が明らかに分かる。10nm厚みのSiOx層のCOSは4%に位置し、一方で50nm厚みのSiOx層に対してのみ2%である(各々図6〜8、及び9)。この相違は、薄いSiOx層ではなぜ架橋されたオルガノシランの治癒効果が低いのかを説明するだろう。
【0082】
上述の例からの結論は以下のとおりである。50nm及び10nmの、非コートの、オルガノシランで治癒されていないSiOx/PETサンプルは、各々2及び4%においてCOSを有する。
【0083】
3%ビニルシランコーティングされた50nm及び10nmのSiOx/PETサンプルは、各々6%及び5.5%においてCOSを有する。
【0084】
3%VS−2をコーティングすることによって、50nmSiOx/PETのCOSの大幅な改善が得られ、一方で同じシランは10nmSiOx/PETのCOSの改善が小さい。
【0085】
3%VS−2をコーティングすることによって、10nm及び50nmのSiOx/PETサンプルの両方に関して酸素透過OTRの大幅な減少がさらに得られた。
【符号の説明】
【0086】
11 無機酸化物層
12 基材フィルム
13 オルガノポリシロキサン層
21 PETの基材層
22、23 熱溶着性ポリオレフィンベース層
24 ハイブリッドバリア層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー基材フィルム(12)と、基材フィルム上に配置された、気相蒸着法によって蒸着された無機酸化物を含むバリア層(11)とを含む、食品又は飲料の包装のためのバリアフィルム(1c)であって、前記蒸着されたバリア層が、無機バリア層(11)に共有結合された、架橋されたオルガノポリシロキサンからなる治癒層(13)でさらにコーティングされることを特徴とする、バリアフィルム。
【請求項2】
前記無機バリア層(11)が少なくともその表面に金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバリアフィルム。
【請求項3】
前記無機バリア層(11)が酸化シリコン及び酸化アルミニウムからなる群から選択される酸化物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバリアフィルム。
【請求項4】
前記無機バリア層(11)が、その化学式(SiOxCy)中に共有結合された炭素をさらに含む酸化シリコンを含み、xが0.1から2.5であり、yが0.1から2.5であることを特徴とする、請求項3に記載のバリアフィルム。
【請求項5】
前記蒸着された無機バリア層(11)の厚みが5から500nm、好ましくは5から200nmであることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項6】
前記基材フィルム(12)が、気相蒸着された層を受けるポリマー層を含み、前記ポリマー層はポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリアミド(PA)からなる群から選択される材料から作製されることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項7】
前記蒸着された無機バリア層(11)がプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって蒸着されることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項8】
前記気相蒸着された無機バリア層(11)が大気圧プラズマコーティング又は燃焼化学気相蒸着(CCVD)法によって蒸着されることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項9】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、三つのシラノール形成基を有する不飽和オルガノシランから本質的になる組成物からの架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項10】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される反応性不飽和オルガノシランから本質的になる組成物から架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項11】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される反応性不飽和シランから本質的になる組成物からの架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から10の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項12】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)の厚みが、1から50nm、好ましくは1から40nm、より好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmであることを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム(1c)を含む食品又は飲料の包装のための多層包装用積層品(20a;20b)。
【請求項14】
板紙又はボール紙のコア層(25)と、最も外側の熱溶着可能なかつ液密性のポリオレフィンベースポリマーの層(22、23)とを含む、堅い又はいくらか堅い食品又は飲料容器のための包装用積層品(20b)であって、請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム(1c)をさらに含むことを特徴とする包装用積層品。
【請求項15】
請求項1から12の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルム(1c)を製造するための、
・ポリマー基材フィルム(12)を提供する段階と、
・基材フィルム上部に気相蒸着法によって無機酸化物を含むバリア層(11)を蒸着する段階と、
・前記気相蒸着された無機層をさらにコーティングする段階とを含む方法であって、
前記さらにコーティングする段階は、
・溶媒に溶解された、三つのシラノール形成基を有する反応性不飽和シラン化合物から本質的になる組成物を提供する段階と、
・前記組成物を無機気相蒸着層(11)上にコーティング(1b)する段階と、
・コーティングされた組成物を加水分解し縮合反応させ無機層と共有結合されるエチレン系不飽和オルガノシロキサンオリゴマーを提供する段階と、
・コーティングされたオルガノシロキサンオリゴマーを硬化して架橋されたオルガノポリシロキサン層(13)を提供する段階とを含むことを特徴とする、食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項16】
前記硬化段階が放射エネルギーでの架橋によって実行されることを特徴とする、請求項15に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項17】
治癒層コーティング組成物に光開始剤が添加され、硬化がUV放射によって実行されることを特徴とする、請求項16に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項18】
光開始剤が1から10重量%、好ましくは2から5重量%、より好ましくは3から5重量%の量で添加されることを特徴とする、請求項17に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項19】
反応性不飽和シラン化合物は1から10重量%、好ましくは2から6重量%、より好ましくは3から6重量%の濃度で溶媒に溶解されることを特徴とする、請求項15から18の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項20】
不飽和シラン化合物を有するコーティング組成物は、硬化前に測定されるとき、厚み1から50nm、好ましくは1から40nm、より好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmでコーティングされることを特徴とする、請求項15から19の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項21】
反応性不飽和シラン化合物が3から6重量%の濃度で溶媒に溶解され、硬化前に測定されるとき、厚み10から30nmでコーティングされることを特徴とする、請求項15から20の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項22】
反応性不飽和シラン化合物が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15から21の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項23】
反応性不飽和シラン化合物が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15から22の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項24】
請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム又は包装用積層品から製造された食品又は飲料の包装のための包装容器(30)。
【請求項1】
ポリマー基材フィルム(12)と、基材フィルム上に配置された、気相蒸着法によって蒸着された無機酸化物を含むバリア層(11)とを含む、食品又は飲料の包装のためのバリアフィルム(1c)であって、前記蒸着されたバリア層が、無機バリア層(11)に共有結合された、架橋されたオルガノポリシロキサンからなる治癒層(13)でさらにコーティングされることを特徴とする、バリアフィルム。
【請求項2】
前記無機バリア層(11)が少なくともその表面に金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバリアフィルム。
【請求項3】
前記無機バリア層(11)が酸化シリコン及び酸化アルミニウムからなる群から選択される酸化物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバリアフィルム。
【請求項4】
前記無機バリア層(11)が、その化学式(SiOxCy)中に共有結合された炭素をさらに含む酸化シリコンを含み、xが0.1から2.5であり、yが0.1から2.5であることを特徴とする、請求項3に記載のバリアフィルム。
【請求項5】
前記蒸着された無機バリア層(11)の厚みが5から500nm、好ましくは5から200nmであることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項6】
前記基材フィルム(12)が、気相蒸着された層を受けるポリマー層を含み、前記ポリマー層はポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリアミド(PA)からなる群から選択される材料から作製されることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項7】
前記蒸着された無機バリア層(11)がプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって蒸着されることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項8】
前記気相蒸着された無機バリア層(11)が大気圧プラズマコーティング又は燃焼化学気相蒸着(CCVD)法によって蒸着されることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項9】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、三つのシラノール形成基を有する不飽和オルガノシランから本質的になる組成物からの架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項10】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される反応性不飽和オルガノシランから本質的になる組成物から架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項11】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択される反応性不飽和シランから本質的になる組成物からの架橋された反応生成物であることを特徴とする、請求項1から10の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項12】
前記コーティングされたオルガノポリシロキサン層(13)の厚みが、1から50nm、好ましくは1から40nm、より好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmであることを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載のバリアフィルム。
【請求項13】
請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム(1c)を含む食品又は飲料の包装のための多層包装用積層品(20a;20b)。
【請求項14】
板紙又はボール紙のコア層(25)と、最も外側の熱溶着可能なかつ液密性のポリオレフィンベースポリマーの層(22、23)とを含む、堅い又はいくらか堅い食品又は飲料容器のための包装用積層品(20b)であって、請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム(1c)をさらに含むことを特徴とする包装用積層品。
【請求項15】
請求項1から12の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルム(1c)を製造するための、
・ポリマー基材フィルム(12)を提供する段階と、
・基材フィルム上部に気相蒸着法によって無機酸化物を含むバリア層(11)を蒸着する段階と、
・前記気相蒸着された無機層をさらにコーティングする段階とを含む方法であって、
前記さらにコーティングする段階は、
・溶媒に溶解された、三つのシラノール形成基を有する反応性不飽和シラン化合物から本質的になる組成物を提供する段階と、
・前記組成物を無機気相蒸着層(11)上にコーティング(1b)する段階と、
・コーティングされた組成物を加水分解し縮合反応させ無機層と共有結合されるエチレン系不飽和オルガノシロキサンオリゴマーを提供する段階と、
・コーティングされたオルガノシロキサンオリゴマーを硬化して架橋されたオルガノポリシロキサン層(13)を提供する段階とを含むことを特徴とする、食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項16】
前記硬化段階が放射エネルギーでの架橋によって実行されることを特徴とする、請求項15に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項17】
治癒層コーティング組成物に光開始剤が添加され、硬化がUV放射によって実行されることを特徴とする、請求項16に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項18】
光開始剤が1から10重量%、好ましくは2から5重量%、より好ましくは3から5重量%の量で添加されることを特徴とする、請求項17に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項19】
反応性不飽和シラン化合物は1から10重量%、好ましくは2から6重量%、より好ましくは3から6重量%の濃度で溶媒に溶解されることを特徴とする、請求項15から18の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項20】
不飽和シラン化合物を有するコーティング組成物は、硬化前に測定されるとき、厚み1から50nm、好ましくは1から40nm、より好ましくは1から30nm、最も好ましくは10から30nmでコーティングされることを特徴とする、請求項15から19の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項21】
反応性不飽和シラン化合物が3から6重量%の濃度で溶媒に溶解され、硬化前に測定されるとき、厚み10から30nmでコーティングされることを特徴とする、請求項15から20の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項22】
反応性不飽和シラン化合物が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ブテニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15から21の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項23】
反応性不飽和シラン化合物が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項15から22の何れか一項に記載の食品又は飲料の包装のためのバリアフィルムの製造方法。
【請求項24】
請求項1から12の何れか一項に記載のバリアフィルム又は包装用積層品から製造された食品又は飲料の包装のための包装容器(30)。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−523362(P2010−523362A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501374(P2010−501374)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003022
【国際公開番号】WO2008/122293
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(593205554)テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム (9)
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003022
【国際公開番号】WO2008/122293
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(593205554)テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム (9)
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
【Fターム(参考)】
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