説明

化粧料

下記式(1)で表されるテトラキストリメチルシロキシシランを含むことを特徴とする化粧料。該化粧料は、優れた使用感及び安定性を有する。[(CHSiO]Si (1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は化粧料に関し、詳細には、テトラキストリメチルシロキシシランを含有し、皮膚にドライフィール感及び刺激性を与えず、塗布時の感触に優れ、且つ、経時安定性に優れた化粧料に関する。
【背景技術】
本発明者らは、化粧料に多用されているオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーンの問題点、即ち、化粧料製造工程上の問題及びドライフィール等、を解決すべく、メチルトリメチコン(以降、「M3T」という場合がある)を含有する化粧料の発明をした(WO01−15685)。しかし、ドライフィール等の問題は軽減されたものの、肌に施与した際の感触等、必ずしも十分満足の行くものではなかった。また、M3Tは、乳化型もしくは固形の化粧料とした場合、化粧料の感触及び安定性の点で改良すべき余地があった。そこで、本発明はこれらの問題を解決し、さらに改良された化粧料を提供することを目的とする。
【発明の開示】
即ち、本発明は、式(1)で表されるテトラキストリメチルシロキシシランを含むことを特徴とする化粧料である。
[(CHSiO]Si (1)
上記テトラキストリメチルシロキシシラン(以下「M4Q」という場合がある)を含む化粧料は知られている(特開平10−176059号公報、特開2000−281796号公報、WO 00/64401等)。しかし、これらの文献においてM4Qは、低沸点シリコーンの1つとして、上記環状シリコーンと同列に、もしくは、MQレジンの1つとして挙げられているに過ぎない。これらの文献には、上記環状シリコーンもしくはM3Tに比べたM4Qの有利な点を活かし、化粧料に応用することについては何ら記載乃至示唆されていない。さらに、これらの文献には、工業的に調製されたM4Qに含まれ得る皮膚刺激性の不純物についても何ら言及されていない。
上記本発明の化粧料は、好ましくは、式(2)で表されるメチルトリメチコン、又は1気圧、25℃において揮発性の溶媒をさらに含む。
[(CHSiO]SiCH (2)
前記揮発性溶媒は、珪素数が4又は5の直鎖状ジメチルポリシロキサン、珪素数が4〜6の環状ジメチルポリシロキサン、炭素数1〜3の1価アルコール及び炭素数10〜16の炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の化粧料の好ましい態様として、W/O型の乳化型化粧料、クレンジング料、皮膚洗浄料、顔料を含有する化粧料、油性化粧料、固形メイクアップ用化粧料、がある。これらの化粧料は、紫外線防御成分をさらに含有することが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(A)で示されるテトラアルコキシシランと下記化学式(B)で示されるヘキサメチルジシロキサンを、
Si(OR) (A)
(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基を表す。)
(CHSiOSi(CH (B)
下記工程(1)〜(4)、
(1)上記テトラアルコキシシラン1モルに対して、ヘキサメチルジシロキサン2〜10モルと、酸触媒0.01〜0.5モルを混合し、0℃以上30℃未満の温度にする工程、
(2)工程(1)で得られた系に、テトラアルコキシシラン1モルを加える工程、
(3)温度を0℃以上30℃未満に維持しながら、工程(2)で得られた系に、水2.5〜10.0モルを添加し、30分間〜5時間反応させる工程、及び
(4)30〜100℃の温度で、30分間〜5時間反応させる工程
を含む方法に従い反応させて得られるテトラキストリメチルシロキシシランを含むことを特徴とする化粧料にも関する。
上記方法で得られる化粧料は、下記式(3)で示される1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの含有量が、
[(CHSiO]SiOH (3)
化粧料総質量の約1質量%以下である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の化粧料は下記化学式(1)で表されるテトラキストリメチルシロキシシラン(M4Q)を含むことを特徴とする。
[(CHSiO]Si (1)
M4Qは化学的に不活性であり、且つ、安全性に優れている。また、環状シリコーンに特有なドライフィール(乾燥感)を皮膚に与えず、塗布した時の感触にも優れている。
M4Qは常圧下の沸点が222℃である。常圧下での沸点が190℃であるM3Tに比べて緩やかに揮発する。また、常温における粘度は、3.1mm/s程度である。なお、本発明において「揮発性」とは、1気圧、25℃において揮発性であることを意味する。M4Qは、化粧料中に0.1〜90質量%の範囲で任意に配合が可能であり、他の成分との組み合わせ、及び、剤形に依存して、適宜配合濃度を調整することが好ましい。M4Qの量が前記下限値未満ではM4Qの利点が活かせず、一方前記上限値を超えては、油性感が高くなりすぎる傾向がある。
M4QをM3Tと混合することによって、所望の揮発性を有し、皮膚に施与されたときにより快い感触を与える化粧料とすることができる。M4QとM3Tの配合量の比は化粧料の形態、所望の揮発特性に応じて適宜調整されるが、5:95〜90:10(質量%)の範囲にあるように配合することが好ましい。該範囲であれば所望の揮発性に調整可能であるだけでなく、所望の油性感を調整し、且つ、安定性の高い化粧料を得ることができる。例えば化粧下地では60:40〜40:60で配合される。
M4QとM3Tの合計の配合量は、化粧料の総量に対して、0.1〜90質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜60質量%の範囲にある。この範囲であれば、使用者がM4QとM3Tにより調整された好適な揮発性を実感することができる。
M3T以外にも、揮発性の各種溶媒とM4Qとを併用することによって、所望の揮発性を調整すると共に、M4Qの油性感を低減して、さっぱりした感触の塗布感の化粧料を調製することができる。例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールとの組み合わせが好ましく、特にエチルアルコールはM4Qとの共沸効果によって、さっぱりした感触を与えることが可能である。
一方、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィン、直鎖状揮発性シリコーン、テルペン類から選ばれる1種以上を配合することも好ましい。この内、特にイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカンは揮発速度が速く、M4Qと組み合わせると、持続的に揮発が継続するような剤型を作ることが可能となる。尚、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカンは肌上で閉塞されると皮膚刺激が発生する問題があるため、閉塞性が少なくなるように処方上の工夫をすることが好ましい。上記各揮発性溶媒と、M4Q、所望によりM4QとM3Tの混合物、とを質量比で、10:90〜90:10の範囲で用いることが好ましい。
また、慣用の揮発性シリコーンとM4Qを一緒に用いて、蒸発速度を制御したり、官能特性を変化させたりすることができる。前記慣用の揮発性シリコーンとしては、ドライフィールを起こさない限度の量の珪素数が4〜6の環状ジメチルポリシロキサン、及び、珪素数が4または5の直鎖状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。上記環状ジメチルポリシロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらの配合量については上記揮発性溶媒と同様である。
上記M4Qは、例えば乳化剤を併用して乳化型化粧料を調製した場合、経時安定性の高い該乳化型化粧料をもたらす。乳化型化粧料としてはO/W型及びW/O型があり、化粧料の用途および配合する油剤の量等に応じて、いずれの型にすべきか適宜選択することができる。使用する乳化剤としては、ノニオン性のシリコーン系界面活性剤、例えば分岐シリコーン型ポリグリセリル変性シリコーン、分岐シリコーン型ポリエーテル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリグリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン、グリセリル変性シリコーンの1種以上を配合することができ、特に分岐シリコーン型ポリグリセリル変性シリコーン、分岐シリコーン型ポリエーテル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリグリセリル変性シリコーンから選ばれる1種以上が好ましい。これらの成分は、本願発明の揮発性シリコーンとの相溶性に優れており、安定な乳化物を形成するのに役立つ。これら乳化剤のうち、HLB値が6以下のものは、W/O型乳化化粧料を調製するのに特に好ましい組合せである。また他の乳化剤と併用することにより、乳化剤全体としてHLB値が6以下となるようにしてもよい。上記乳化剤は化粧料の総量に対して、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。尚、これらの化合物の詳細は、例えば特開2002−179548号、特開2002−179797号、特開2002−179798号、特開2002−154917号、特開平7−252122号、特開平9−175928号、特公昭44−4679号、特開昭57−14797号、特開昭55−18424号公報、特開平10−182354号、特開2001−2555号、特開2000−63233号、特開平6−145023号、特開平7−187945号、特開平5−112424号、特開平9−71504号などの公報などに記載されている。
さらに、M4Qは溶解性に優れ、例えば、化粧料に多用されている各種シリコーン系の材料を高い濃度で溶解することができる。シリコーン系材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂、ポリアミド変性シリコーン、アクリル化シリコーン、アルキル・アクリル共変性シリコーン、シリコーン化プルラン、ウレタン変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどと組み合わせて用いることが好ましい。これらのシリコーン系材料は従来低粘度ジメチルポリシロキサンや環状シリコーン等に溶解して使用されてきたが、M4Qはこれらの材料をより高い濃度で溶解させることができ、結果としてキャリーオーバー成分の量が減らせることから、処方の自由度を上げられるメリットがある。これらの樹脂成分は化粧料中に化粧料の総量に対して0.3〜20質量%の範囲で使用することが好ましい。この範囲であれば、シリコーン樹脂の特性を生かした、化粧持続性に優れた製剤を得ることが可能である。尚、これらの化合物はシリコーン鎖またはシリコーン樹脂を各種の変性基で変性したシリコーン化合物にあたり、これらの詳細は、特開昭61−161211号、特開平4−312511号、特開平2−42008号、特開平9−25218号、特開2003−55155号、特開昭59−20360号、特開平9−110633号、特開平6−9332号、特開平10−29921号、フランス国特許第2708199号、特開平3−264510号、特開平4−66513号、特開平5−262987号、特開平5−194147号などの公報等に記載されている。
上記のM4Qの優れた溶解性は、油性汚れを溶解するためにも好適である。即ち、M4Qは油性の化粧料を除去するためのクレンジング料及び皮脂汚れを除去する洗浄料用途にも好適である。本発明の好ましい実施態様において、クレンジング料はM4Qとノニオン系界面活性剤を含む。M4Qはクレンジング料の総量に対して1〜50質量%の範囲で配合されることが好ましい。この範囲であれば効果的な洗浄能力を示すことができる。
ノニオン系界面活性剤としては、化粧品で一般に用いられているものであれば使用可能である。特にシリコーン系界面活性剤はM4Qとの相溶性に優れていることから好適に用いられる。シリコーン系界面活性剤としては、例えばジメチルポリシロキサン鎖に対して、ポリオキシアルキレン基、部分的にフッ素等の原子に置換されていてもよい炭素数2〜30のアルキル基、アルコール性水酸基、フェニル基、グリセリル基、ポリグリセリル基、糖変性基、オキサゾリン基、パーフルオロポリエーテル等からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性基を有し、且つ、ポリオキシアルキレン基、グリセリル基、ポリグリセリル基、糖変性基、パーフルオロポリエーテル基、アルコール性水酸基等の親水基を必須構成単位とする変性基を、ペンダント基、末端基、又はブロック単位として有しているものが挙げられる。例えば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(別名:ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、又はポリエーテル変性シロキサン)、アルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン(別名;ポリエーテルアルキル共変性シロキサン)、フッ素化ジメチコノール、パーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、パーフルオロアルコキシ・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、パーフルオロアルキル・ポリグリセリル共変性シリコーン、グリコシル変性シリコーン等が挙げられる。上記のポリエーテル変性オルガノポリシロキサンの例としては、信越化学工業社製のKF351、KF6011、KF6012、KF6015、KF6017、KF6026、FPD6131等が挙げられる。
また、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等のノニオン系界面活性剤も好ましく用いることができる。該ノニオン系界面活性剤の配合量としては、クレンジング料の総量に対して0.1〜25質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
該クレンジング料を、水を配合して乳化型とする場合には、O/Wタイプが好ましく、その場合は上記ノニオン系界面活性剤としてはHLB値が10以上のものを用いると、効果的な洗浄能力を有するため特に好ましい。
該クレンジング料は、水を配合していなくても構わない。水を配合しないオイルタイプのクレンジング料の場合は、油剤の屈折率を調整することにより、透明タイプの製剤を得ることが可能である。
該クレンジング料の形態としては、液状、スプレー状、シート状、ミスト状、ムース等が挙げられ、顔用、目廻り用、頭髪用、全身用等が挙げられる。
次に、洗浄料について説明する。洗浄料は、水洗浄設備のない場所においても、皮膚、頭皮の汚れ、及び化粧料を除去するためのものである(特開平5−201851号公報)。従来、当該用途には、環状シリコーンが使用されていた。しかし、既に延べたように、環状シリコーンはドライフィールと呼ばれる肌の乾燥感を生じ、また、皮脂成分を溶解する力が弱いという問題があった。これに対して、M4Qはドライフィールを起こさず、皮脂溶解力も高く、皮膚に刺激及び障害を与えることのない、良好な使用感の洗浄料を与える。
本発明の好ましい実施態様として、皮膚洗浄料はM4Qとメチルフェニルポリシロキサンを含む。該メチルフェニルポリシロキサンは化粧品で一般に使用されているものを使用することができるが、常温、常圧で液状のものが好ましい。該メチルフェニルポリシロキサンは、洗浄料の総量に対して0.5〜25質量%の範囲で用いることが好ましい。この範囲であれば、洗浄料を使用した後の油性感が少なく、感触を向上させることができる。
該洗浄料は、常圧での沸点が225℃以下であり、1気圧、25℃において揮発性の溶媒をさらに含むことが好ましい。該揮発性溶媒としては、上で述べた、メチルトリメチコン、環状シリコーン、直鎖状低分子シリコーンなどの揮発性シリコーン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコール、イソドデカンなどの軽質流動パラフィンなどが挙げられる。これらのうち、メチルトリメチコン、エチルアルコールは安全性が高く、皮脂成分との相溶性に優れていることから配合が好ましい。尚、水を配合することは可能であるが、皮脂や汚れを肌に再付着させてしまう場合があり、配合は洗浄料の総量に対して10質量%以下とすることが好ましく、含まないことが特に好ましい。洗浄料の組成として、洗浄料の総量に対して、M4Qが5〜70質量%、メチルフェニルポリシロキサンが0.5〜25質量%、揮発性溶媒が25〜94.5質量%の範囲とすることで、洗浄効果を高くすることができる。
該洗浄料の具体的な用途としては、クレンジング料、ドライシャンプーが挙げられ、その形態としては、液状、スプレー状、シート状のものが好適に用いられる。
M4Qは、顔料の分散能も高く、顔料を含む化粧料中の分散媒として好適に配合される。従来、この用途には、エステル油や環状シリコーンが使用されており、カラーベース方式と言われる、色ごとに顔料の分散ペーストを作成しておき、これらの組み合わせによって製品の色を合わせる。この方法のメリットは、色合わせが比較的容易にできることである。しかしながらエステル油は、分散の機械的エネルギーにより劣化が生じ、においや変色などといった問題を引き起こす場合がある。一方、環状シリコーンは機械的な力に対して安定であるが、その分散効率は悪く、顔料が均一に分散され難いという問題がある。これに対して、M4Qは機械的粉砕に対して安定であり、かつ着色顔料の分散効率も高く、分散溶媒として適していることが見出された。そこで各種の着色顔料を分散して化粧料に配合したところ、得られる化粧料は彩度が高く、鮮やかな色味を有することが見出された。
着色顔料としては、化粧品で用いられるものであれば任意のものが使用可能である。また、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。有色顔料の例としては、例えば酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、低次酸化チタン、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。タール色素の具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられ、天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。なかでも、タール色素及びそのレーキ、天然色素が好ましい。
これらの着色顔料は例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理、寒天処理、デオキシリボ核酸処理などで表面処理されていることが好ましく、さらに好ましくは、これらの処理を複数組み合わせて用いることが好ましい。なかでもM4Qによる分散特性に優れる表面処理として、Nε−ラウロイル−L−リジン処理、アルキルシラン処理、ペンダント処理が好ましく挙げられ、特に生産性、コストパフォーマンスに優れるNε−ラウロイル−L−リジン処理、アルキルシラン処理が好ましい。
分散液中のM4Qの配合量は、分散液の総質量に対して20〜90質量%の範囲であることが好ましい。また、着色顔料の分散性を向上させるために、界面活性剤を併用することが好ましく、特にM4Qと類似構造を持つシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては例えばジメチルシロキサン鎖に対して、ポリオキシアルキレン基、部分的に置換されていてもよい炭素数2〜30のアルキル基、アルコール性水酸基、フェニル基、グリセリル基、ポリグリセリル基、糖変性基、オキサゾリン基、パーフルオロポリエーテル等からなる群より選ばれる少なくとも1種の変性基を有し、且つ、ポリオキシアルキレン基、グリセリル基、ポリグリセリル基、糖変性基、パーフルオロポリエーテル基、アルコール性水酸基等の親水基を必須構成単位とする変性基を、ペンダント基、末端基、又はブロック単位として有しているものが挙げられる。例えば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(別名:ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、又はポリエーテル変性シロキサン)、アルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン(別名;ポリエーテルアルキル共変性シロキサン)、フッ素化ジメチコノール、パーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、パーフルオロアルコキシ・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、パーフルオロアルキル・ポリグリセリル共変性シリコーン、グリコシル変性シリコーン等が挙げられる。上記のポリエーテル変性オルガノポリシロキサンの例としては、信越化学工業社製のKF6012、KF6015、KF6017、KF6026、FPD6131等が挙げられる。また、他の分散剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等のノニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。これらの界面活性剤は、分散液の質量に対して0.1〜20質量%の範囲で配合することが好ましく、特に好ましくは0.5〜15質量%の範囲が挙げられる。
該分散液は、上記の各成分を粉砕機を用いて分散させる。分散液は顔料ごとに作製した後に、複数の分散液を適宜組み合わせて望みの色に調色することが好ましい。分散方法としては、ビーズミルやマイクロス(奈良機械製作所製)などの湿式媒体型粉砕機、ロールミル、ジェットミル、超音波粉砕機、アルティマイザーシステム(スギノマシン社製)などの高圧衝突式粉砕機、ディスパー、高速ホモジナイザー、ホモジナイザーなどの方法が挙げられる。このうち、湿式媒体型粉砕機を用いると、粉砕の程度が高く、かつ分散液として安定なものが得られ、生産性にも優れることから好ましい。また、湿式媒体型粉砕機は縦型であっても横型であっても構わず、連続式であってもバッチ式であっても構わない。これらの装置を用い、M4Qと顔料と場合により分散剤、油剤を混合し、粉砕を行う。粉砕条件としては、個々の装置の能力に依存するが、粉砕時間又は粉砕回数と平均粒子径又は色のグラフを作成し、グラフが安定した状態となる条件を設定することが、ロットごとの色の安定性を確保するのに役立つ。
M4Qが顔料分散媒として好適な化粧料の例としては、メイクアップ製品、特に口紅、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、アイシャドウ、ネイルカラー、ファンデーション、コンシーラー、チーク、染毛剤などが挙げられる。
上記各種の顔料に加えて、25℃で固形又はペースト状の油性物質を配合することによって、油性化粧料を得ることができる。従来、口紅等の油性化粧料において、色移り防止効果や持続性を高めるために、揮発性シリコーンを配合することが知られている(特開平8−92036号公報、特開平3−77162号公報、特開平10−29915号公報)。しかしながら、既に述べたように揮発性シリコーン、特に環状シリコーンは塗布時及び経時でユーザーにドライフィールを与える。これに対して、M4Qを使用することによって、ドライフィールを与えないだけでなく、上記環状シリコーンに比して揮発性が低いため経時安定性に優れ、顔料の分散性に優れるため、つや、光沢に優れ、彩度の高い油性化粧料が得られる。
本発明の好ましい実施態様において、油性化粧料はM4Qと、顔料と、ポリブテンとを含む。M4Qは、油性化粧料の総量に対して0.1〜60質量%の範囲、より好ましくは1〜50質量%の範囲で使用することが好ましい。この範囲であれば、製剤の安定化、色移り防止効果、彩度向上等のメリットが効果的に得られる。
顔料は、油性化粧料の総量に対して0.1〜50質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜35質量%の範囲で用いることが好ましい。この範囲であれば製剤の安定性が確保され、感触も好ましいものとなるメリットがある。
ポリブテンは、イソブテンとn−ブテンを共重合して得られるものが好ましく、さらに常温で液体〜ペーストの形状を持つものが好ましい。このようなポリブテンとしては、ポリブテンの平均分子量が500〜2700の範囲に入るものが好ましく、さらに好ましくは800〜1200の範囲に入るものが好ましい。平均分子量が500未満であると高温の安定性に問題が生じ、また2700以上ではべたつきが激しくなり感触的に好ましくない。本発明で用いるポリブテンは、安定性を向上させる目的で水素添加処理が行われていても、また精製処理が行われていても構わない。該ポリブテンの配合量としては、油性化粧料の総量に対して2〜40質量%が好ましい。2質量%未満ではM4Qの徐放性をコントロールできず、また40質量%を超えるとべたつきが増加して感触が悪くなる問題がある。
該油性化粧料は、従来公知の方法で製造することができる。例えばローラー、ビーズミル等の分散機を用いて製造しても良いし、また、ビーズミル等を用いてカラーベースを作成し、それを混合して製造しても良い。尚、M4Qは揮発性物質であることから、容器は密閉式の容器を用いる必要がある。
該油性化粧料は、口紅、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、チーク、コンシーラー、サンスクリーン剤、化粧下地料等に好適に用いられる。
上記顔料及び油性物質に加え、界面活性剤を用いて水分を配合することによって、固形メイクアップ用化粧料を調製することができる。本発明において、メイクアップ用化粧料の好ましい態様は、以下のとおりであり、ここで、各配合量は化粧料総質量に対する量である。
(A)10〜30質量%のM4Q、
(B)5〜10質量%の、多価アルコール又は糖類からなる群より選ばれる1種以上のポリオール化合物、
(C)1.5〜3.5質量%の、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、多糖アルキルエーテルからなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤、
(D)3〜7質量%の、25℃で固形又はペースト状の油性物質
(E)30〜45質量%の顔料、及び
(F)5〜25質量%の精製水
(B)ポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ヒアルロン酸又はその塩、トレハロース誘導体、ラフィノース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン等のグリコール類、多糖類等が挙げられる。トレハロース誘導体やラフィノース誘導体としては、これら糖のアルキルエーテル誘導体やアルケニルエーテル誘導体が挙げられ、特に炭素数1〜24のアルキルエーテル誘導体、炭素数3〜24のアルケニルエーテル誘導体が好ましい。また多糖類としては、カラギーナン、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム、デキストラン、セルロース等が挙げられる。該ポリオールを、固形状メイクアップ化粧料の総量に対して5〜10質量%の範囲で配合する。ポリオールの配合量が前記下限値未満であると塗布後に肌に突っ張りを感じる場合があり、前記上限値を超えるとべとつき感がでてくる場合があるため好ましくない。
(C)本発明の固形化粧料においては、上述した各種界面活性剤を使用することができるが、そのなかでも、安定性が優れ、好ましい感触が得られることから、イソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンから選ばれる少なくとも一種のものを使用することが好ましい。該界面活性剤の配合量は、固形状メイクアップ化粧料の総量に対して1.5〜3.5質量%の範囲である。配合量が上記下限値未満では、耐水性、耐皮脂性が弱くなる問題があり、上記上限値を超えるとべたつき感が発生する問題がある。
(D)固形又はペースト状の油性物質としては、例えば化粧品で従来使用されている油性溶剤や樹脂類以外に、他の油性溶剤に溶解して常温でペースト状となっている樹脂、粘剤類を含む。代表的なもので言えば、例えば、ホホバワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、ラノリン、ミツロウ、サラシミツロウ、オゾケライト、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、リシノール酸セチル、トリウンデシレン酸グリセリル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、乳酸セチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、パーム油、ヤシ油、牛脂、硬化油、馬油、シアバター、卵黄油やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリルシリコーン、アクリル酸ポリマー又はその塩、アクリル酸メタクリル酸共重合体又はその塩、ポリビニルピロリドンなどの樹脂類が挙げられる。該固形又はペースト状の油剤の配合量は、化粧料総質量に対して3〜7質量%である。配合量が前記下限値未満では、耐水性、耐皮脂性が得られにくく、前記上限値を超えると化粧料が除去しにくくなり感触が悪くなる問題がある。
(E)顔料は、固形状メイクアップ化粧料の総量に対して30〜45質量%の範囲で配合する。配合量が前記下限値未満の場合は、化粧料の安定性が不充分である場合があるので、油性ゲル化剤を併用して、前記下限値以上の料とすることが好ましい。一方、配合量が前記上限値を超えると化粧料の感触が悪くなり、また、除去し難くなる場合がある。
顔料は、通常の化粧料に使用されるものであれば、親水性顔料、撥水性顔料のいずれも用いることが可能であるが、特に撥水性顔料を用いることが好ましい。通常使用される顔料としては、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。
既に述べた有色顔料、タール色素、天然色素に加えて、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子低次酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子活性抑制型酸化セリウム等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、ポリアルキルシルセスキオキサン粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。これらの顔料は、上述と同様、各種表面処理が施されていてよい。
(F)精製水は、固形状メイクアップ化粧料の総量に対して5〜25質量%の範囲で配合する。精製水の配合量が前記下限値未満では感触に瑞々しさがなくなり、上記上限値を超えると製剤の安定性が損なわれる場合がある。また精製水としては、超純水、ミネラルウォーター、温泉水なども使用可能である。
得られる固形状メイクアップ化粧料は、外観は固形状で塗擦により流動化する剤型であり、気密性容器に充填して用いる。本発明の固形状メイクアップ化粧料の具体的な用途としては特に限定は無いがメイクアップ製品、特にファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ、口紅に好適であり、スキンケア製品、紫外線防御製品としては、日常用サンスクリーン製剤として好適である。
上述のように、M4Qは優れた特性を有する各種化粧料を調製するのに好適であるが、製造方法によって、副生物として発生する1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサン(以降、M3Q(OH)という場合がある)が感触面での大きな問題を引き起こすことが見出された。すなわち、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンは、液体として肌上にある時は、化粧料ではあまり好まれない強い上滑り感を示す。そして塗布後、約5分間くらいの間、肌にきしみ感を与え、さらに約10分が経過すると完全に揮発してしまい、もとの肌の感触に戻すという、極めて大きい感触の変化を与える。
そこで、種々の検討を行った結果、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの量が、化粧料中で1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.35質量%以下がさらに好ましいことが見出された。そして、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの含有量が上記の範囲になるためには、M4Q中に約3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは約1.0質量%以下であり、約0.5質量%以下であることがさらに好ましいことが分った。しかし、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンはM4Qと沸点が近く、合成方法によってはその混入量が3質量%より多くなり、蒸留精製で除くために相当の時間、エネルギー、及びコストがかかる。そこで、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの残存が最小になるようなM4Qの製造方法を検討した。その結果、下記一般式(A)で示されるテトラアルコキシシランと下記化学式(B)で示されるヘキサメチルジシロキサンを、
Si(OR) (A)
(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基を表す。)
(CHSiOSi(CH (B)
下記工程(1)〜(4)を含む方法、
(1)上記テトラアルコキシシラン1モルに対して、ヘキサメチルジシロキサン2〜10モルと、酸触媒0.01〜0.5モルを混合し、0℃以上30℃未満の温度にする工程、
(2)工程(1)で得られた系に、テトラアルコキシシラン1モルを加える工程、
(3)温度を0℃以上30℃未満に維持しながら、工程(2)で得られた系に、水2.5〜10.0モルを添加し、30分間〜5時間反応させる工程、及び
(4)30〜100℃の温度で、30分間〜5時間反応させる工程
に従い反応させることにより製造したものは、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの量が少なく、蒸留等により精製しなくとも、上記約3質量%以下を達成でき、化粧料に好適であることを見出した。なお、本発明において、M4Qの純度は、例えばガスクロマトグラフ分析を使用し、面積100分率を用いて定量することができ、その詳細は実施例に示す。
式(A)において、Rは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、その例としてエチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基を挙げることができるが、Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、特にエチル基ないしイソプロピル基が好ましい。
該テトラアルコキシシランは、常法により合成したものを精製して用いる事ができるが、テトラクロロシランとアルコールとから脱塩酸反応により合成した反応液を精製することなく用いることもできる。テトラクロロシランとアルコールから脱塩酸反応により得られる未精製のテトラアルコキシシランは、一般に高純度であり、不純物としてアルコールと少量にジシロキサンを含有する。本反応に用いる未精製のテトラアルコキシシランの純度が50%以上であれば問題ないが、80%以上の純度である事が好ましく、特に好ましくは90%以上の純度であることが望ましい。
上記製造方法ではテトラアルコキシシラン1モルに対してヘキサメチルジシロキサン2〜10モルを用いることが好ましく、さらに好ましくは2.5〜5.0モルである。ヘキサメチルジシロキサンが2.0モル未満だと反応中間体であるアルコキシ体(1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−メトキシトリシロキサン({(CHSiO}SiOCH、以下M3Q(OMe)と略す)や1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−エトキシトリシロキサン({(CHSiO}SiOCHCH、以下M3Q(OEt)と略す)等)の残存量が増加するため反応収率が低下し、10.0モルを超えても収率の向上は期待できず、ポット収率(全原料の合計質量あたりの収率)が低下してしまう問題がある。
上記工程(1)において、炭素数1〜6の1価低級アルコールを上記テトラアルコキシシラン1モルに対して0.5〜10.0モルを加えることが好ましい。該アルコールは炭素数1〜6の1価低級アルコールであり、具体例としてメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノールが挙げられるが、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノールである。
ここで用いる1価低級アルコールの使用量は、テトラアルコキシシラン1.0モルに対して0.5〜10モルであることが好ましく、特に好ましくは1〜5モルである。1価低級アルコールの量が0.5モル未満であると加水分解反応に必要な水の分散性が不足し、反応中間体の残存量増加や高沸点物の生成量が増加するため、収率が低下する。10モルを超えるとポット収率が低下してしまう問題がある。
テトラアルコキシシランとして、化学式Si(OCHで示されるテトラメトキシシランを用いる場合、テトラメトキシシラン1モルに対してヘキサメチルジシロキサン2.0〜10.0モル、メタノール、エタノール、イソプロパノールから選択される1価低級アルコール1.0〜5.0モル、酸触媒0.01〜0.5モル、水2.5〜10.0モルを用い、水を添加する工程は温度0℃以上30℃未満で30分〜5時間反応し、水の添加終了後に温度30〜100℃で30分〜5時間反応させ加水分解縮合反応する方法が好ましい。
また、テトラアルコキシシランにおけるRがメチル基を除くシラン、特にテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランである場合、加水分解反応の進行と共にエタノール、あるいはプロパノールが副生し、水とアルコキシシランとの分散性が良くなるため、溶剤としての1価低級アルコールを使用しなくても良いメリットがある。ポット収率の点から見ると、1価低級アルコールを必要としない合成方法が特に好ましい。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。特に、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸を用いることが好ましい。酸触媒の使用量は、テトラアルコキシシラン1モルに対して0.01〜0.5モル用いることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.4モル用いることが望ましい。酸触媒の量が0.01モル未満であると反応速度が遅くなるため反応時間が長くなり、0.5モルを超えると高沸点物の生成量が増加するため、収率が低下する問題がある。
この反応で用いる水は、水単独で用いる事ができるが、炭素数1〜6の1価低級アルコールを添加した水を用いることもできる。水に1価低級アルコールを添加する場合の該アルコールとルては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。また、1価低級アルコールの合計使用最は先に述べたモル比の範囲内であることが好ましい。
この反応で用いる水の使用量は、テトラアルコキシシラン1モルに対して2.5〜10.0モルを用いることが好ましく、さらに好ましくは3.0〜8.0モルである。トリアルコキシシランが2.5モル未満であると反応中間体であるアルコキシ体(M3Q(OMe)、M3Q(OEt)等)の残留量が増加するため収率が低下し、10モルを超えても収率の向上は期待できず、ポット収率が低下してしまう問題が発生する。
この反応は、先ずヘキサメチルジシロキサンと所望により炭素数1〜6の1価低級アルコールを混合し、さらに酸触媒とテトラアルコキシシラン類を混合することが好ましい。ヘキサメチルジシロキサン、アルコール、酸触媒、テトラアルコキシシランは同時に混合しても良いが、水を加える前に反応混合物の温度を0℃以上30℃未満、好ましくは0℃以上25℃、特に好ましくは0℃以上15℃することが好ましい。該温度が前記下限値未満の状態で水を添加すると反応速度が遅くなるため反応時間が長くなりすぎ、前記上限値を超えた状態で水を添加すると目的物、M4Q、の収率が低下してしまうため好ましくない。
M4Qの生成収率をより向上させるためには、ヘキサメチルジシロキサンと必要に応じて1価低級アルコールを混合し、混合物の温度を0℃以上30℃未満とする。好ましくは0〜25℃、特に好ましくは0〜15℃とすることが好ましい。これに前記温度が30℃以上にならないように、好ましくは25℃を超えないように、特に好ましくは15℃を超えないように酸触媒を添加し、その温度で10分〜1時間撹拌する。次いでテトラアルコキシシランを反応混合物の温度が0℃以上30℃未満を保つ速度で、好ましくは0〜25℃を保つ速度で、特に好ましくは0〜15℃を保つ速度で添加し、その温度で10分〜1時間撹拌してから水を添加することが好ましい。
この反応は更に水を加えて加水分解を行うが、水を加えると発熱するため、反応混合物の温度が0℃以上30℃未満を維持するように冷却しながら加えることが好ましい。水を添加する際に内温が0℃未満となると反応速度が遅くなるために反応時間が長くなりすぎ、30℃以上になると目的物の収率が低下してしまう問題がある。好ましくは0〜25℃を維持するように添加することであり、特に好ましくは0〜15℃を維持するように添加する。水の添加が終了してからは、さらに0℃以上30℃未満で10分〜5時間撹拌を続けることが好ましい。
また、この反応は上記工程後、更に反応混合物の温度を30〜100℃、好ましくは40〜80℃となるよう加熱し、30分〜5時間、好ましくは1時間〜3時間撹拌を続けることが好ましい。こうすることによって反応中間体であるアルコキシ体(M3Q(OMe)、M3Q(OEt)等)とM3Q(OH)の残留量が低下し、目的物であるM4Qの収率が向上する。
この方法では、反応後に分液により水層を分離、有機層を重曹水などの塩基水溶液で中和を行う事が好ましい。更に洗液が中性となるまで有機層を水洗し、蒸留精製を行うか、または、水洗後の反応液を無水硫酸ナトリウムや塩化カルシウムなどの乾燥剤を加えて脱水した後に、蒸留精製する。
以下、参考のために、従来の合成方法について述べる。M4Qを得るための合成方法は、メチルトリメチコン(M3T)の合成方法が参考となる。従来M3Tを製造する方法としては、下記の方法が知られている。
1.メチルトリクロロシランとトリメチルクロロシランを、メタノールの存在下に共加水分解する方法(国際公開WO2001−15658号、特開2002−68930号公報)。
2.メチルトリクロロシランとヘキサメチルジシロキサンを、過塩素酸触媒の存在下に反応させる方法(Dokl.Akad.Nauk SSSR、227、607〜610(1976))。
3.メチルトリエトキシシランとヘキサメチルジシロキサンを、酸性のイオン交換樹脂の存在下に反応させる方法(J.Organomet.Chem.,340,31−36(1988))。
4.メチルトリアルコキシシランとヘキサメチルジシロキサンを、カルボン酸と酸触媒の存在下反応させる方法(特開平11−217389号公報)。
5.メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン及びメタノール中に濃硫酸を添加した後、水とメタノールの混合物を滴下して反応させる方法(国際公開WO2001−15658号公報、特開2002−68930号公報)。
1の方法では、大量の水が必要であり、且つ反応の選択性が低いため収率が非常に低いという問題がある。
2の方法は、取り扱いの困難な過塩素酸を触媒として用いる必要があり、工業的な製造方法として適していない。
3の方法では、反応率を上げるために大過剰のヘキサメチルジシロキサンを用いる必要がある。また、メチルトリメチコンの合成においても反応中間体の1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−エトキシトリシロキサン({(CHSiO}Si(OCHCH)CH、以下M2T(OEt)と略す)が大量に残るという欠点がある。さらに、ケイ素上にトリメチルシロキシ基を導入する場合、メチルトリメチコンの時にはトリメチルシロキシ基を3個導入することになるが、2個目よりも3個目の反応性が低くなる。テトラキストリメチルシロキシシランを合成する場合にはトリメチルシロキシ基を4個導入することになるため、4個目のトリメチルシロキシ基の反応性が、メチルトリメチコン合成における3個目のトリメチルシロキシ基の反応性よりもさらに低くなると考えられる。従って、テトラキストリメチルシロキシシランを同様に合成した場合、反応中間体のM3Q(OEt)の残留量がより多くなると考えられ、高純度なテトラキストリメチルシロキシシランを得る方法としては適していない。
4の方法では、メチルトリメチコンの合成において反応中間体のM2T(OEt)が残ってしまうことから、テトラキストリメチルシロキシシランを同様に合成した場合、反応中間体のM3Q(OEt)の残留量がより多くなると考えられ、高純度なテトラキストリメチルシロキシシランを効率良く得る方法として満足すべきものではない。
5の方法では、上記と同様にメチルトリメチコンの合成において反応中間体の{(CHSiO}Si(CH)OCH(以下M2T(OMe)と略す)が残ってしまうことから、テトラキストリメチルシロキシシランを同様に合成した場合、反応中間体のM3Q(OMe)の残留量がより多くなると考えられ、高純度なテトラキストリメチルシロキシシランを効率良く得る方法として満足すべきものではない。
上記従来の方法に対して、本発明における方法によれば、後述の実施例表1及び2に示すように、精製前でM3Q(OH)の量がほぼ3質量%以下のものを得ることができる。なお、調製されたM4Q中の不純物は、ガスクロマトグラフィーにより分析することができ、分析条件例を以下に示す。
島津製ガスクロマトグラフィー装置GC14B
カラム充填剤 商品名SE30、液相3%品、
カラム内径5mm、長さ3m、
検出器TCD、インジェクション温度80℃、
オーブン温度80℃での保持時間1分、昇温速度15℃/分、最終温度300℃
上記条件で分析したとき、M3Q(OMe)が6.2分、M3Q(OEt)が6.3分、M3Q(OH)が6.6分、M4Qが7.5分、高沸点成分は10.5分〜13.0分の間に数本検出される。
最終的に得られるM4Qの物性データの一例を以下に示す。
外観 ;無色透明な液体
沸点 ;215℃(1気圧)、89.5〜90.0℃/1.3kPa
粘度 ;(25℃);3.1mm/s
比重 ;(25℃);0.864
屈折率;(25℃);1.387
凝固点;−70℃以下
該M4Qは、上述の各種化粧料に好適に配合される。なお、本発明の化粧料は、上記の各成分以外に、通常化粧料に使用される各種の成分、例えば、紫外線防御成分、油剤、防腐剤、香料、保湿剤、増粘剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
紫外線防御成分としては、無機系および有機系のものを使用することが可能である。無機系の紫外線防御成分の例としては、例えば二酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、活性封鎖型酸化セリウムなどの金属酸化物、水酸化鉄などの金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレークなどの金属フレーク類、炭化珪素などのセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が5〜100nmの範囲にある微粒子金属酸化物もしくは微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。また、上記の顔料のように各種の表面処理がされていても構わない。
また、有機系紫外線防御成分の例としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。また、有機系紫外線防御成分がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50pmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線防御成分を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。
上記の紫外線防御成分のうち、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いので、好ましい。特に、無機系と有機系を併用することが好ましい。また、UV−Aに対応したものとUV−Bに対応したものを組み合わせて用いることも好適である。
本発明で用いる慣用の油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコール系の油剤としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
また、ジメチルオルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、アルコール性水酸基含有オルガノポリシロキサン、メチルまたはフェニル以外のアルキル変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン等のシリコーン油はM4Qとの相溶性に優れることから好ましく用いることができる。また、これらのシリコーンのシリコーン鎖長に制限はなく、重合度で1〜30000位の範囲であれば用いることが可能である。
フッ素変性シリコーン、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタンなどのフルオロカーボン、フルオロアルコール、パーフルオロアルキルアルキルエーテルなどのフッ素系油剤を配合することも可能であり、特徴のある製剤が得られる。特にフッ素変性シリコーン、パーフルオロアルキルビフェニル変性シリコーンやパーフルオロポリエーテルが汎用性に富むことから好ましい。
保湿剤としては、例えばソルビトール、マルトース、マルチトール等の糖アルコール等、ステロールとして、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、ラフィノース、トレハロース、キシリトール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、エチルグルコシド等が挙げられる。
増粘剤としては、アラビアゴム、トラガカント、アラビノガラクタン、ローカストビーンガム(キャロブガム)、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、スメクタイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系増粘剤などが挙げられる。また、他の増粘剤として、油溶性ゲル化剤があり、例えば、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムモンモリナイト等の有機変性粘土鉱物等から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を用いることができる。
界面活性剤としては、上述のノニオン性の他に、アニオン性、カチオン性のものを、製剤の種類によって適宜使用することができる。アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種、または2種以上配合することが好ましい。
これらの生理活性成分としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,E,パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、またキレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
溶媒の例としては、精製水、ミネラルウォーター、海洋深層水等の水以外に、軽質流動イソパラフィン、エーテル類、LPG、N−メチルピロリドン、次世代フロン等が挙げられる。
既に述べたもの以外にも、M4Qを含む化粧料は、スキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品、香料製品等であってよい。例えば、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、化粧下地料、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、クレンジング料、洗顔料、アクネ対策化粧料、エッセンスなどの基礎化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、リップクリーム、口紅などのメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、ボディーパウダー、育毛剤、デオドラント、脱毛剤、石鹸、ボディーシャンプー、入浴剤、ハンドソープ、香水などがあげられる。また、製品の形態についても特に限定は無く、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状等であってよい。
【実施例】
以下、実施例、比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、以下で配合量の単位は特に断らない限り質量%を用いている。
製造実施例(テトラキストリメチルシロキシシランの製造)
表1、表2に示される仕込み比にて、下記工程1〜6に従って加水分解反応を行いテトラキストリメチルシロキシシランを得た。
下記工程により、テトラキストリメチルシロキシシランを製造した。
(工程1)1000mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計、及び攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ヘキサメチルジシロキサンとアルコールを仕込み、氷水浴で冷却し内温を10℃とした。
(工程2)ここに、酸触媒を内温10℃に保って30分で滴下し、そのまま10℃の温度で30分間撹拌した。
(工程3)続いて、アルコキシシランを内温10℃に保って45分で滴下し、そのままの温度で1時間撹拌した。
(工程4)水を内温10℃に保って1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5〜25℃で1時間撹拌した。
(工程5)内温が50℃になるよう加熱し、2時間撹拌した。
(工程6)得られた反応液を分液して水層を分離した後、有機層を重曹水、ついで水により洗浄した。(得られた有機層をガスクロマトグラフィー分析した結果を表1、表2に示す。)
[ガスクロマトグラフィー分析条件]
使用装置:島津製GC14B
カラム充填剤:商品名SE30(液相3%品、カラム内径5mm、長さ3m)
検出器:TCD
カラムインジェクション温度:80℃、80℃での保持時間1分、昇温速度15℃/分、最終温度300℃
得られた有機層を蒸留して沸点89.5〜90.0℃/1.3kPaの留分を取り出し、純度99.5%以上のテトラキストリメチルシロキシシランを得た。
[蒸留条件]
蒸留装置は充填剤マクマホンを用い、内径2.5cm、長さ70cmの蒸留塔を使用した。不純物、及び目的物の同定は、マススペクトルとNMR分析で行った。


表中、M3Q(OMe)は{(CHSiO}SiOCHであり、
M3Q(OEt)は{(CHSiO}SiOCHCHであり、
M3Q(OH)は{(CHSiO}SiOH、即ち1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンである。また、収率は目的物であるテトラキストリメチルシロキシシランと、反応に使用したテトラアルコキシシランのモル比率から求めた。
製造比較例
表3に示される仕込み比にて上記工程1〜6に従って加水分解反応を行い、蒸留条件を変化させてM3Q(OH)を多く含む留分を回収した上で、精製テトラキストリメチルシロキシシランにて微調整を行い、M3Q(OH)を35%、テトラキストリメチルシロキシシランを65%含む溶液を得た。その溶液のGC分析結果を表4に示す。


以下に本発明の化粧料の実施例および比較例を示す。尚、以下で用いるテトラキストリメチルシロキシシラン(M4Q)は製造実施例1で製造されたものである。また、メチルトリメチコン(M3T)は信越化学工業製TMF−1.5を用いた。
実施例1(クレンジングジェル)
下記の処方と製造方法に従ってクレンジングジェルを作成した。
処方
(1)エタノール 3.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ジメチコン(注1) 8.0
(4)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(5)ポリエーテル変性ポリシロキサン(注2) 7.0
(6)P.O.E(60モル)硬化ヒマシ油 1.0
(7)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(8)ビタミンE(アセテート) 0.1
(9)オレイルアルコール 0.3
(10)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.5
(11)カルボキシビニルポリマー 0.2
(12)メチルパラベン 0.3
(13)水酸化カリウム 0.4
(14)フェノキシエタノール 0.2
(15)精製水 to 100
注1:シリコンKF−96−100cs(信越化学工業社製)
注2:シリコンKF−351(信越化学工業社製)
製造方法
(1)〜(9)の油成分を均一に混合溶解させる。次に(10)〜(15)を均一に混合分散させ、先に混合溶解させた油成分を加える。ホモジナイザーで混合分散させた後、チューブに充填して製品を得た。
実施例2(クレンジングジェル)
下記の処方に従って実施例1と同様にしてクレンジングジェルを作成した。
処方
(1) エタノール 3.0
(2) グリセリン 5.0
(3) ジメチコン(注1) 5.0
(4) テトラキストリメチルシロキシシラン 10.0
(5) メチルトリメチコン(M3T) 8.0
(6) ポリエーテル変性ポリシロキサン(注2) 7.0
(7) P.O.E(60モル)硬化ヒマシ油 1.0
(8) ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(9) ビタミンE(アセテート) 0.1
(10)オレイルアルコール 0.3
(11)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.5
(12)カルボキシビニルポリマー 0.2
(13)メチルパラベン 0.3
(14)水酸化カリウム 0.4
(15)フェノキシエタノール 0.2
(16)精製水 to 100
注1:シリコンKF−96−100cs(信越化学工業社製)
注2:シリコンKF−351(信越化学工業社製)
比較例1
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに揮発性環状5量体シリコーンを用いた他は全て実施例1を繰り返した。
比較例2
ポリエーテル変性ポリシロキサン、P.O.E(60モル)硬化ヒマシ油の代わりにシリコンKF−96−100cs(信越化学工業社製)を用いた他は全て実施例1を繰り返した。
上記各クレンジング料を下記評価基準に従い官能特性評価を行った。
[官能特性評価基準]
専門パネラーを各評価品目ごとに20名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、各評価項目において優れていると判断したパネラーの数から、下記に示す分類によって評価を行った。以降の官能評価においても、総て下記評価基準を使用した。

評価結果を下表に示す。


上表の結果より、本発明の実施例は比較例と比べてメイク汚れがよく落ち、且つ、ドライフィールを感じさせず使用感に優れることが判る。
実施例3(ドライシャンプー)
下記の処方と製造方法により、ドライシャンプーを製造した。
処方(ドライシャンプー)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 47
(2)メチルトリメチコン 残 量
(3)エタノール 12
(4)メチルフェニルポリシロキサン 8
(信越化学工業社製KF56)
(5)イソノナン酸イソノニル 2
(6)メントール 0.1
(7)香料 適 量
(8)ハイビスカスエキス 0.2
(9)アロエエキス 0.1
製造方法
各成分を均一に溶解し、容器に充填した。
比較例3
実施例3のテトラキストリメチルシロキシシランとメチルトリメチコンの代わりに5量体環状シリコーンを用いた他はすべて実施例3と同様にして調製した。
実施例4(シート状洗浄料)
下記の処方と製造方法により、シート状洗浄料を得た。
処方(シート状洗浄料)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 残 量
(2)エタノール 20
(3)メチルフェニルポリシロキサン 4
(信越化学工業社製KF56)
(4)1,3−ブチレングリコール 10
(5)メントール 0.1
(6)香料 適 量
製造方法
各成分を均一に溶解した後、分注器を用いて不織布に溶液を注ぎ、パウチ包装で密閉した。
実施例5(シート状洗浄料)
下記の処方に従い実施例4と同様にして、シート状洗浄料を得た。
処方(シート状洗浄料)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 残 量
(2)メチルトリメチコン(M3T) 25
(3)エタノール 15
(4)メチルフェニルポリシロキサン 4
(信越化学工業社製KF56)
(5)1,3−ブチレングリコール 10
(6)メントール 0.1
(7)香料 適 量
比較例4
実施例4のテトラキストリメチルシロキシシランの代わりに、環状4量体揮発性シリコーンを用いた他はすべて実施例4と同様にして調製した。
各洗浄料を、上述の官能特性評価の分類に従い評価した結果を下表に示す。

上表の結果より、本発明の実施例は比較例と比べて汚れがよく落ち、且つ、ドライフィールを感じさせず使用感に優れることが判る。
尚、実施例3〜5で使用した香料の処方を下表に示す。

実施例6(口紅)
以下の処方と製造方法に従って口紅を製造した。着色顔料としては、Nε−ラウロイル−L−リジン8質量%処理顔料を使用し、雲母チタンについては同10%処理顔料を用いた。また、酸化チタンについてはオクチルシラン8質量%処理したものを用いた。
(着色顔料分散液の製造)
表面処理赤色201号30質量部に対して、70質量部のテトラキストリメチルシロキシシランを混合した。次いでサンドミルを用いて2パスさせ、分散液Aを作成した。
また、表面処理赤色202号30質量部に対して、70質量部のテトラキストリメチルシロキシシランを混合した。次いでサンドミルを用いて2パスさせ、分散液Bを作成した。
処方
(成分A)
(1)分散液A 3
(2)分散液B 8
(3)テトラキストリメチルシロキシシラン 30
(成分B)
(4)セレシン 18
(5)ヒマシ油 残 量
(6)ポリブテン 8
(7)アルキル変性シリコーン 1
(成分C)
(8)処理酸化チタン 1
(成分D)
(9)処理雲母チタン 14
製造方法
成分Bを混合溶解した後、成分Aを混合し、ここに成分Cを分散、混練し、最後に成分Dを加え均一に分散する。これを脱気した後、金型に流し込み、冷却固化させ製品を得た。
比較例5
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに環状5量体シリコーン(デカメチルシクロペンタシロキサン)を用いた他は全て実施例6を繰り返した。
比較例6
実施例8で用いた分散液A及び分散液Bについてサンドミルでの粉砕を行わず、攪拌のみ行った溶液を用い、製造方法を下記に変更した以外は全て実施例6を繰り返した。
製造方法
成分Bを混合溶解した後、成分Cと混合し分散、混練した後、成分A、成分Dを加え分散する。これを脱気した後、金型に流し込み、冷却固化させ製品を得た。
下表に本発明の実施例6及び比較例5、6の官能特性評価結果を示す。

上表の実施例及び比較例との比較から、本発明の実施例は色が鮮やかで透明感があり、塗布感がなめらかで色落ちがしにくいことが判った。これに対して比較例5は従来分散剤として使用されてきた環状シリコーンを用いた例であるが、同じ製造条件でも分散の程度が低く、製品の色調に違いがでていることがわかる。また、比較例6は分散を実施しなかった場合の例であるが、口紅として使用できる以前の品質であった。
実施例7(口紅)
下記の処方と製造方法に従って口紅を調製した。
顔料としては、Nε−ラウロイル−L−リジン5質量%処理顔料を使用した。
処方
(成分A)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 40
(2)トリメチルシロキシケイ酸 2
(成分B)
(3)セレシン 18
(4)ヒマシ油 残 量
(5)ポリブテン 8
(成分C)
(6)処理赤色202号 1
(7)処理酸化チタン 1
(8)処理雲母チタン 15
【0038】
製造方法
成分Bを混合溶解した後、成分Cを分散、混練し、さらに事前に溶解させた成分Aを加え均一に分散する。これを脱気した後、金型に流し込み、冷却固化させ口紅を得た。
【実施例8】
下記の処方に従って実施例7と同様にして口紅を調製した。
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 20
(2)メチルトリメチコン(M3T) 20
(3)トリメチルシロキシケイ酸 3
(4)セレシン 8
(5)ヒマシ油 17
(6)ポリブテン 10
(7)メチルフェニルポリシロキサン 5
(FZ−209:日本ユニカー社製)
(8)赤色202号 1
(9)酸化チタン 1
(10)雲母チタン 15
比較例7
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに、環状5量体揮発性シリコーン(デカメチルシクロペンタシロキサン)を用いた他は全て実施例7を繰り返した。
比較例8
ポリブテンの代わりに、セレシンを用いた他は全て実施例7を繰り返した。
比較例9
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製KF96A、100cs)を用いた他は全て実施例7を繰り返した。
実施例7、8と比較例7〜9の官能特性評価結果を下表に示す。

上表の結果から、本発明の実施例は比較例と比べて各項目で優れた性能を有していることが判る。比較例7はテトラキストリメチルシロキシシランの代わりに従来使用されている環状シリコーンを使用した場合の例であるが、乾燥感が感じられ、色の鮮やかさにも差が出ていることが判る。また、比較例8はポリブテンの代わりにセレシンを用いた場合であるが、評価は悪いものであった。比較例9は揮発性物質を用いずに不揮発性のシリコーンを用いた場合であるが、全体として評価は悪くなった。
【実施例9】
下記の処方と製造方法に従って固形状ファンデーションを得た。顔料としては、Nε−ラウロイル−L−リジン5質量%処理顔料を使用した。
処方
[顔 料 部](38.2質量%)
(1)処理球状酸化チタン(平均一次粒子径0.4μm) 18
(2)処理酸化鉄(黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄の混合物) 1.7
(3)処理タルク 6
(4)処理マイカ 2
(5)Nε−ラウロイル−L−リジン 3.5
(6)ポリアルキル・メチルシルセスキオキサン 5
(平均一次粒子径4μm)
(7)オクチルシリル化微粒子酸化チタン 2
(平均一次粒子径10nm)
[液 状 部]
揮発性シリコーン(25質量%)
(8)テトラキストリメチルシロキシシラン 25
ポリオール(6.5質量%)
(9)1,3−ブチレングリコール 5
(10)マルチトール 1
(11)ラフィノース 0.5
界面活性剤(2質量%)
(12)イソステアリン酸ソルビタン 2
固形又はペースト状の油剤(5質量%)
(13)パラフィン 5
精製水(12.7質量%)
(14)精製水 12.7
油剤
(15)ジメチルポリシロキサン(6cs) 3
(16)メチルフェニルポリシロキサン 2
(17)パラメトキシケイ皮酸オクチル 2
(18)ジカプリル酸プロピレングリコール 2
(19)ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 0.5
生理活性成分
(20)クランベリーエキス 1
防腐剤
(21)パラベン 0.1
製造方法
油性液状部を80℃にて均一に混合溶解する。あらかじめ混合、粉砕した顔料部をこれに加え、80℃で均一に分散する。ここにあらかじめ80℃にて均一に混合、溶解した水性液状部を投入し、乳化分散を行う。次いで得られた乳化物を脱気し、金皿に充填し、密閉性容器にセットして、固形状ファンデーションを得た。
【実施例10】
下記の処方に従って、実施例9と同様にして固形状ファンデーションを得た。
処方
[顔 料 部](38.2質量%)
(1)処理球状酸化チタン(平均一次粒子径0.4μm) 18
(2)処理酸化鉄(黒酸化鉄、ベンガラ、黄酸化鉄の混合物) 1.7
(3)処理タルク 6
(4)処理マイカ 2
(5)Nε−ラウロイル−L−リジン 3.5
(6)ポリアルキル・メチルシルセスキオキサン 5
(平均一次粒子径4μm)
(7)オクチルシリル化微粒子酸化チタン 2
(平均一次粒子径10nm)
[液 状 部]
揮発性シリコーン(25質量%)
(8)テトラキストリメチルシロキシシラン 15
(9)メチルトリメチコン 10
ポリオール(6.5質量%)
(10)1,3−ブチレングリコール 5
(11)マルチトール 1
(12)ラフィノース 0.5
界面活性剤(2質量%)
(13)イソステアリン酸ソルビタン 2
固形又はペースト状の油剤(5質量%)
(14)パラフィン 5
精製水(12.7質量%)
(15)精製水 12.7
油剤
(16)ジメチルポリシロキサン(6cs) 3
(17)メチルフェニルポリシロキサン 2
(18)パラメトキシケイ皮酸オクチル 2
(19)ジカプリル酸プロピレングリコール 2
(20)ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 0.5
生理活性成分
(21)クランベリーエキス 1
防腐剤
(22)パラベン 0.1
比較例10
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに、揮発性環状5量体シリコーンを用いた他は全て実施例9を繰り返した。
比較例11
精製水の代わりに、テトラキストリメチルシロキシシランを用いた他は全て実施例9を繰り返した(テトラキストリメチルシロキシシラン37.7質量%配合)。
比較例12
実施例9のテトラキストリメチルシロキシシランの代わりに不揮発性のジメチルポリシロキサン(10cs)を用いた他は全て実施例9を繰り返した。
比較例13
実施例9のポリオールの代わりに流動パラフィンを用いた他は全て実施例9を繰り返した。
比較例14
実施例9のパラフィンの代わりに流動パラフィンを用いた他は全て実施例9を繰り返した。
比較例15
実施例9のパラフィンの量を10質量%に増量し、代わりに精製水を減らした以外は全て実施例9を繰り返した。
比較例16
実施例9のイソステアリン酸ソルビタンの量を1質量%に減量し、代わりに精製水を増やした以外は全て実施例9を繰り返した。
比較例17
実施例9のイソステアリン酸ソルビタンの量を5質量%に増やし、代わりに精製水を減らした以外は全て実施例9を繰り返した。
比較例18
実施例9の精製水の量を0質量%とし、代わりに1,3−ブチレングリコールの量を増量した以外は全て実施例9を繰り返した。
比較例19
実施例9のテトラキストリメチルシロキシシランの代わりに精製水を用いた他は全て実施例9を繰り返した。
比較例20
実施例9の顔料の配合量をそれぞれ1.3倍とし(顔料の総量:9.66質量%)、テトラキストリメチルシロキシシランの量を13.54質量%に減らした以外は全て実施例9を繰り返した。
比較例21
実施例9の顔料の配合量をそれぞれ1/4とし(顔料の総量:9.55質量%)、テトラキストリメチルシロキシシランの量を53.65質量%に増量した以外は全て実施例9を繰り返した。
各ファンデーションについて、以下の皮膚有用性評価を行った。
[皮膚有用性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、下表に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以って評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す。(満点:50点)

評価結果を以下に示す。

また、各ファンデーションの安定性を以下の安定性評価により評価を行った。
[安定性評価]
所定の方法で調製した実施例試料及び比較例試料を0℃、25℃及び45℃の恒温槽内に3週間放置し、いずれかの温度で分離凝集が見られるかどうかを下記の評価基準で判断して保存安定性を評価した。

結果を下表に示す。

上表に示した結果より、本発明の実施例は比較例と比べて肌なじみ、感触、耐水性、耐皮脂性、製剤の安定性に優れていることが判る。比較例10は揮発性の環状5量体シリコーンを用いた場合であるが、脂っぽさ、乾燥感において実施例の方が優れていることが判る。比較例11はM4Qを多く用いた場合の例であるが、油性感が出てしまったため評価が悪くなった。比較例12は揮発性溶媒を使用しない場合の例であるが、油性感が高く、べたつきが出て感触は悪くなった。比較例14は固型油を使用しない場合の例であるが、粘度が低く、容器からこぼれる問題があった。比較例15は固型油を多く用いた場合の例であるが、製剤が硬く、ケーキングしてしまう問題があった。比較例16は界面活性剤を少なく用いた場合の例であるが、製剤の安定性に問題があった。比較例17は界面活性剤を多く用いた場合の例であるが、感触的に問題があった。比較例18は精製水を用いない場合の例であるが、安定性、感触面共に評価が悪くなった。比較例19は精製水を多く用いた場合の例であるが、きしみ感がでて感触的に問題があった。比較例20は顔料の配合量を多くした場合の例であるが、製剤のバランスが崩れており感触、安定性共に悪い評価となった。比較例21は顔料の配合量を減らした場合の例であるが、感触面ではまあまあバランスがとれていたが、製剤のバランスが崩れているため容器から取りにくく安定性に問題があった。
実施例11:紫外線防御化粧下地料
シリコーン樹脂の一種であるトリメチルシロキシケイ酸を50質量%濃度でテトラキストリメチルシロキシシランに溶解した溶解液を調製し、下記表の処方に従って紫外線防御化粧下地料を作製した。
(成分A) (%)
(1)シリコーン処理微粒子酸化チタン 4
(2)メチルトリメチコン 10
(3)テトラキストリメチルシロキシシラン 15
(4)ポリエーテル変性シリコーン
(信越化学工業社製KF6017) 1
(成分B)
(5)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 6
(6)パーフルオロアルキルリン酸エステル
処理着色肌色マイカ 0.5
(成分C)
(7)架橋型オルガノポリシロキサン球状粉末(エラストマー) 4
(8)ジメチルポリシロキサン(KF96A−6) 2
(9)フッ素化ジメチコノール 1
(10)トリメチルシロキシケイ酸溶液 6
(11)パラメトキシケイ皮酸オクチル 3
(12)パーフルオロポリエーテル 0.5
(成分D)
(13)エチルアルコール 10
(14)精製水 残 量
(15)アロエエキス 1
(16)クランベリーエキス 1
(17)ハイビスカスエキス 0.5
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
[製 法]
工程1 成分Aをローラーミルにて粉砕しペースト化した。
工程2 成分Cを素混合し、ミキサーを用いて良く粉砕した。
工程3 成分Bと成分Cを混合し、良く分散した後成分Aを加え、更に良く混合した。
工程4 ついで、均一に溶解した成分Dを加え良く撹拌した後、ステンレスボールとともに容器に充填して製品を得た。
比較例22
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに環状6量体揮発性シリコーンを用いた他は全て実施例11を繰り返した。
【実施例12】
メチルトリメチコンの代わりにテトラキストリメチルシロキシシランを用いた他は全て実施例11を繰り返した。
比較例23
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりにメチルトリメチコンを用いた他は全て実施例11を繰り返した。
実施例13、14及び15:日中用美白クリーム
下記処方により美白クリームを調製した。尚、混合溶媒として、テトラキストリメチルシロキシシランとメチルトリメチコンの1:1混合溶媒を使用した。


KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF995(信越化学工業社製):デカメチルシクロペンタシロキサンシロキサン(D5)
[製 法]
工程1 成分Aを60℃で加熱溶解する。
工程2 成分Bを60℃で加熱溶解する。
工程3 成分Bに成分Aを撹拌しながら添加して乳化混合する。
工程4 ついで、撹拌しながら30℃まで冷却し、容器に充填して製品とした。
比較例24
実施例14の混合溶媒の代わりにエタノールを用いた他は、全て実施例14を繰り返した。
比較例25
実施例15の混合溶媒の代わりに軽質流動パラフィンを用いた他は、全て実施例15を繰り返した。
比較例26
実施例15の混合溶媒の代わりに製造比較例1で作製した1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンを35%含むテトラキストリメチルシロキシシランを用いた他は、全て実施例15を繰り返した。
比較例27
実施例15の混合溶媒の代わりに、前記の製造比較例で作製した1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンを35%含むテトラキストリメチルシロキシシランと、テトラキストリメチルシロキシシランを混合して得られた、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンを5%含むテトラキストリメチルシロキシシランを用いた他は、全て実施例15を繰り返した。
実施例16:サンスクリーン剤
下記の処方に従ってサンスクリーン剤を作製した。紫外線防御成分としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、処理微粒子酸化チタン、処理微粒子酸化亜鉛、処理黄色微粒子酸化チタンを用い、シリコーン樹脂としてトリメチルシロキシケイ酸を用いた。
尚、処理微粒子酸化チタンとしては、平均粒子径17nmのシリカ・アルミナで被覆された微粒子酸化チタンをオクチルトリメトキシシランにて8重量%の被覆量で被覆し、160℃にて加熱処理したものを用い、処理微粒子酸化亜鉛としては、平均粒子径50nmのシリカ処理微粒子酸化亜鉛をメチルハイドロジェンポリシロキサンにて3質量%の被覆量で被覆し170℃にて加熱処理したものを用いた。また、処理黄色微粒子酸化チタンとしてはシリカ処理した鉄ドーピング微粒子酸化チタンをメチルハイドロジェンポリシロキサンにて3質量%の被覆量で被覆し130℃にて加熱処理したものを用いた。
(成分A) (%)
処理微粒子酸化チタン 8.0
テトラキストリメチルシロキシシラン 9.0
メチルトリメチコン 3.0
(成分B)
処理黄色微粒子酸化チタン 0.8
処理微粒子酸化亜鉛 12.0
(成分C)
三次元架橋型オルガノポリシロキサン球状粉末(エラストマー)1.0
ジメチコノール 6.0
テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
トリメチルシロキシケイ酸 6.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
(成分D)
エチルアルコール 13.0
精製水 残 量
アロエエキス 0.5
成分Aをローラーミルを用いて粉砕しペースト化した。成分Cを素混合し、ミキサーを用いてよく粉砕した。成分Bと成分Cを混合し、よく分散した後、成分Aを加え、さらによく混合した。次いで均一に溶解した成分Dを加え、よく撹拌した後、ステンレスボールと共に容器に充填して製品を得た。
比較例28
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりに直鎖状4量体揮発性シリコーンを用いた他は全て実施例16を繰り返した。
【実施例17】
メチルトリメチコンの代わりにテトラキストリメチルシロキシシランを用いた他は全て実施例16を繰り返した。
比較例29
テトラキストリメチルシロキシシランの代わりにメチルトリメチコンを用いた他は全て実施例16を繰り返した。
実施例18:サンスクリーン剤(クリーム)
(成分) (%)
(1)メチルトリメチコン 3.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 17.0
(3)流動パラフィン 10.0
(4)KF6017 1.9
(5)KF6026 4.0
(6)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 7.0
(7)ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 0.8
(8)ビタミンEアセテート 0.1
(9)エタノール 1.0
(10)スメクタイト 1.2
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 量
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(8)及び(11)を加熱混合する。
B:成分(9)、(10)及び(13)を加熱し均一に分散混合する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(12)を添加しサンスクリーン剤(クリーム)を得た。
実施例19:サンスクリーン剤(クリーム)
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 18.0
(2)KF56 2.0
(3)流動パラフィン 1.5
(4)KF6012 4.0
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0
(6)1,3−ブチレングリコール 4.0
(7)塩化ナトリウム 1.0
(8)防腐剤 適 量
(9)香料 適 量
(10)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(6)を加熱混合する。
B:成分(7)〜(9)及び(11)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(10)を添加しサンスクリーン剤(クリーム)を得た。
実施例20:サンスクリーン剤(クリーム)
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 16.5
(2)メチルトリメチコン 1.0
(3)KP545 12.0
(4)トリイソオクタン酸グリセリル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
(6)KSG21 5.0
(7)KF6017 1.0
(8)親油化処理酸化亜鉛 20.0
(9)塩化ナトリウム 0.5
(10)1,3−ブチレングリコール 2.0
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 量
KP545(信越化学工業社製);アクリルシリコーン共重合樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン30%溶液
KSG21(信越化学工業社製):架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン/ジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
[製造方法}
A:成分(1)の一部に成分(3)を加えて均一にし、成分(8)を添加してビーズミルにて分散する。
B:成分(1)の残部に(2)及び(4)〜(7)を混合し、均一に混合する。
C:成分(9)〜(11)及び(13)を混合、溶解する。
D:BにCを加えて乳化し、A及び成分(12)を加添加してサンスクリーン剤(クリーム)を得た。
実施例21:サンスクリーン剤(化粧水)
(成分) (%)
(1)メチルトリメチコン 13.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 1.0
(3)KF615A 10.0
(4)スクワラン 1.5
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 3.0
(6)チタンTTO−S2 2.0
(7)ポリメチルシルセスキオキサン 0.7
(8)1,3−ブチレングリコール 10.0
(9)塩化ナトリウム 2.0
(10)L−プロリン 0.1
(11)2−ヒドロキシオクタン酸 1.0
(12)2−ヒドロキシプロパン酸 5.0
(13)水酸化ナトリウム 適 量
(14)防腐剤 適 量
(15)香料 適 量
(16)精製水 残 量
KF615A(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=14.0)
チタンTTO−S2(石原産業社製):疎水化処理超微粒子酸化チタン
[製造方法]
A:成分(8)〜(16)を均一溶解する。
B:成分(1)〜(5)を混合し、成分(6)、(7)を加えて均一にする。
実施例22:サンスクリーン剤(乳液)
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 25.0
(2)モノイソステアリン酸ジグリセリル 1.5
(3)ペンタイソステアリン酸デカグリセリル 1.5
(4)KF6012 0.5
(5)オリーブ油 1.0
(6)微粒子酸化チタン 7.0
(7)グリセリン 5.0
(8)塩化ナトリウム 1.5
(9)防腐剤 適 量
(10)香料 適 量
(11)精製水 残 量
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)を加熱混合し、成分(6)を均一分散する。
B:成分(7)〜(9)及び(11)を加熱混合する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(10)を添加しサンスクリーン剤(乳液)を得た。
実施例23:サンスクリーン剤(乳液)
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(2)エタノール 5.0
(3)KF56 3.0
(4)モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
(5)KF6012 0.5
(6)シリコーン樹脂 1.0
(7)パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0
(8)微粒子酸化チタン 8.0
(9)ソルビトール 2.0
(10)塩化ナトリウム 2.0
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコーン網状化合物(トリメチルシロキシケイ酸)の50%−メチルトリメチコン溶液
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体
(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(7)を加熱混合し、成分(8)を均一分散する。
B:成分(9)〜(11)及び(13)を加熱混合する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(12)を添加しサンスクリーン剤(乳液)を得た。
上記実施例11〜23および比較例22〜29の評価結果を下表に示す。

この評価結果より、本発明の実施例はいずれの評価項目においても優れた性能を示していることが判る。実施例は比較例に比べ、ドライフィールが少ないだけでなく、のびが良くて、適度なしっとり感があり感触面で優れていた。さらに、本発明の実施例は紫外線防御効果に優れていた。また、比較例26、27の結果より、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンが多いと、感触面、安全性面において問題があることが判る。そして比較例28の結果から、直鎖状の揮発性シリコーンは皮膚に刺激が感じられ、感触も悪いことが判る。
実施例24:サンタンクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 12.0
(2)メチルトリメチコン 3.0
(3)KF96A−100 5.0
(4)KP−562 0.5
(5)分岐シリコーン型ポリグリセリル変性シリコーン 2.2
(HLB=5)
(6)KF6026 6.0
(7)パルミチン酸 0.2
(8)ジメチルオクチルパラアミノ安息香酸 0.5
(9)4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン 0.5
(10)カオリン 0.5
(11)ベンガラ 0.2
(12)黄酸化鉄 0.3
(13)黒酸化鉄 0.1
(14)酸化チタンコーテッドマイカ 1.0
(15)L−グルタミン酸ナトリウム 3.0
(16)1,3−ブチレングリコール 5.0
(17)ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド 0.1
(18)酸化防止剤 適 量
(19)防腐剤 適 量
(20)香料 適 量
(21)精製水 残 量
KF96A−100(信越化学工業社製);粘度100mm/sのジメチルポリシロキサン
KP−562(信越化学工業社製):ベヘニル変性アクリルシリコーングラフト共重合体
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(9)及び(18)〜(19)を加熱溶解する。
B:成分(17)及び(21)の一部を加熱攪拌後、成分(10)〜(14)を添加し分散処理する。
C:成分(15)〜(16)及び(21)の残部を均一溶解し、Bと混合する。
D:攪拌下、AにCを徐添して乳化し、冷却して成分(20)を添加しサンタンクリームを得た。
以上のようにして得られたサンタンクリームは、温度や経時的に分離や粉体の凝集などの変化がなく安定性に優れるだけでなく、のびが良く、適度なしっとり感があることがわかった。
実施例25:ファンデーション
(成分) (%)
(1)メチルトリメチコン 30.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(3)KF96A−6 5.0
(4)KF6017 1.5
(5)KF6026 0.5
(6)オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム
塩変性モンモリロナイト 4.0
(7)疎水化処理酸化チタン* 10.0
(8)疎水化処理タルク* 6.0
(9)疎水化処理マイカ* 6.0
(10)疎水化処理ベンガラ* 1.6
(11)疎水化処理黄酸化鉄* 0.7
(12)疎水化処理黒酸化鉄* 0.2
(13)ジプロピレングリコール 5.0
(14)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.3
(15)2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.2
(16)塩酸 0.1
(17)香料 適 量
(18)精製水 残 量
KF96A−100(信越化学工業社製):粘度100mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
*:疎水化処理粉体;粉体に対して2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を加熱混合し、成分(7)〜(12)を添加して均一にする。
B:成分(13)〜(16)及び(18)を加熱溶解する。(水系のpHは9.0)
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(17)を添加しファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、温度や経時的に分離や粉体の凝集などの変化がなく安定性に優れるだけでなく、化粧持ちがよいことがわかった。
実施例26:ファンデーション
(成分) (%)
(1)KF96A−6 5.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 4.0
(3)メチルトリメチコン 11.0
(4)スクワラン 4.0
(5)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
(6)ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド 2.0
(7)α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
(8)KF6015 1.0
(9)ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
(10)疎水化処理酸化チタン* 5.0
(11)疎水化処理セリサイト* 2.0
(12)疎水化処理タルク* 3.0
(13)疎水化処理ベンガラ* 0.4
(14)疎水化処理黄酸化鉄* 0.7
(15)疎水化処理黒酸化鉄* 0.1
(16)硫酸マグネシウム 0.7
(17)グリセリン 3.0
(18)防腐剤 適 量
(19)香料 適 量
(20)精製水 残 量
KF6015(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.5)
*:疎水化処理粉体;粉体に対し、2%のステアリン酸処理したもの
[製造方法]
A:成分(1)〜(9)を加熱混合し、成分(10)〜(15)を添加して均一にする。
B:成分(16)〜(18)及び(20)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(19)を添加しファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、温度や経時的に分離や粉体の凝集などの変化がなく安定性に優れるだけでなく、化粧持ちがよいことがわかった。
実施例27:ファンデーション
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(2)メチルトリメチコン 3.0
(3)KF56 5.0
(4)モノイソステアリン酸ソルビタン 0.5
(5)モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.5
(6)KF6012 1.0
(7)パラメトキシケイ皮酸オクチル 3.0
(8)酸化チタン 10.0
(9)ベンガラ 0.13
(10)黄酸化鉄 0.3
(11)黒酸化鉄 0.07
(12)タルク 2.5
(13)ソルビトール 2.0
(14)硫酸マグネシウム 0.1
(15)エタノール 10.0
(16)防腐剤 適 量
(17)香料 適 量
(18)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(8)〜(12)を均一に混合する。
B:成分(1)〜(7)及び(16)を加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合する。
C:成分(13)〜(14)及び(18)を加温、Bに添加して乳化し、冷却して成分(15)及び(17)を加え、ファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、乳化状態が良好で、温度による影響をあまり受けず、経時的に分離したり、凝集したりすることなく、非常に安定性の優れたものであることがわかった。
実施例28:ファンデーション
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(2)KF96A−6 5.0
(3)流動パラフィン 3.0
(4)KF6015 3.0
(5)パルミチン酸 0.5
(6)アエロジルRY20 5.0
(7)酸化チタン 6.0
(8)ベンガラ 0.25
(9)黄酸化鉄 0.6
(10)黒酸化鉄 0.12
(11)セリサイト 8.03
(12)ジプロピレングリコール 10.0
(13)硫酸マグネシウム 2.0
(14)防腐剤 適 量
(15)酸化防止剤 適 量
(16)香料 適 量
(17)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6015(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.5)
アエロジルRY200(日本アエロジル社製):疎水化シリカ
(製造方法)
A:成分(7)〜(12)を均一に混合する。
B:成分(1)〜(6)及び(16)を70℃に加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合する。
C:成分(13)〜(15)及び(18)を70℃に加温、Bに添加して乳化し、冷却して成分(17)を加え、ファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、乳化状態が良好で、化粧持ちも優れ、また、温度による影響をあまり受けず、経時安定性の非常に優れたものであることがわかった。
実施例29:ファンデーション
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 9.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
(5)メチルトリメチコン 3.0
(6)KF96A−6 8.0
(7)パラメトキシ桂皮酸オクチル 3.0
(8)12−ヒドロキシステアリン酸 1.0
(9)FL−100 15.0
(10)FPD−6131 5.0
(11)KMP590 3.0
(12)フッ素化合物処理微粒子酸化チタン* 8.0
(13)フッ素化合物処理雲母チタン* 1.0
(14)フッ素化合物処理酸化チタン* 5.0
(15)フッ素化合物処理ベンガラ* 0.9
(16)フッ素化合物処理黄酸化鉄* 2.0
(17)フッ素化合物処理黒酸化鉄* 1.0
(18)エタノール 15.0
(19)グリセリン 3.0
(20)硫酸マグネシウム 1.0
(21)防腐剤 適 量
(22)香料 適 量
(23)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
FL−100(信越化学工業社製):トリフルオロプロピルメチルシリコーン
FPD−6131(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・トリフルオロプロピル・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=5.4)
KMP590(信越化学工業社製):球状シリコーン樹脂粉体
*:フッ素化合物処理粉体;パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン塩にて5%被覆したもの
[製造方法]
A:成分(10)〜(16)を均一に混合する。
B:成分(1)〜(9)を70℃に加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合する。
C:成分(17)〜(20)及び(22)を40℃に加温、Bに徐添して乳化し、冷却して成分(21)を加え、液状ファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、温度や経時的に変化がなく、安定性の非常に優れたものであることがわかった。
実施例30:ファンデーション
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 27.0
(2)KF56 3.0
(3)トリイソオクタン酸グリセリル 10.0
(4)KF6017 1.0
(5)KF6026 1.0
(6)モノイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
(7)疎水化処理混合粉体(注1) 18.0
(8)ベンガラ 1.2
(9)黄酸化鉄 2.6
(10)黒酸化鉄 0.2
(11)1,3−ブチレングリコール 7.0
(12)塩化ナトリウム 0.5
(13)防腐剤 適 量
(14)香料 適 量
(15)精製水 残 量
(注1)疎水化処理混合粉体
a)シリコーン処理微粒子酸化チタン 8.0
b)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 4.0
c)シリコーン処理タルク 3.0
d)シリコーン処理マイカ 3.0
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分a〜dを混合する。
B:成分(1)〜(6)を混合して加温溶解し、成分(7)〜(10)を均一に分散する。
C:成分(11)〜(13)及び(15)を混合した後、Bに加えて乳化する。
D:Cを冷却し、成分(14)を加えてファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、密着感に優れ、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、また、温度や経時的に変化がなく、安定性にも優れていることがわかった。
実施例31:ヘアクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 9.0
(2)メチルトリメチコン 1.0
(3)KF56 4.0
(4)スクワラン 5.0
(5)シリコーン樹脂 1.0
(6)ジオレイン酸グリセリル 2.0
(7)KF6017 2.0
(8)KF6026 4.0
(9)ソルビトール硫酸ナトリウム 2.0
(10)コンドロイチン硫酸ナトリウム 1.0
(11)ヒアルロン酸ナトリウム 0.5
(12)プロピレングリコール 3.0
(13)防腐剤 1.5
(14)ビタミンEアセテート 0.1
(15)酸化防止剤 適 量
(16)香料 適 量
(17)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコーン網状化合物(トリメチルシロキシケイ酸)の50%−メチルトリメチコン溶液
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)及び(13)〜(14)を加熱混合する。
B:成分(9)〜(12)及び(17)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(16)を添加し、ヘアクリームを得た。
以上のようにして得られたヘアクリームは、持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例32:マスカラ
(成分) (%)
(1)KP545 20.0
(2)パルミチン酸/エチルヘキサン酸デキストリン 8.0
(3)ポリエチレンワックス 4.0
(4)ミツロウ 7.0
(5)レシチン 0.5
(6)メチルトリメチコン 残 量
(7)テトラキストリメチルシロキシシラン 5.0
(8)イソドデカン 20.0
(9)酸化鉄 5.0
(10)アエロジルRY200 3.5
(11)タルク 10.0
KP545(信越化学工業社製);アクリルシリコーン共重合樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン30%溶液
アエロジルRY200(日本アエロジル社製):疎水化シリカ
[製造方法]
A:成分(1)〜(8)を混合し溶解する。
B:成分(9)〜(11)をAに加えローラーにて分散する。
以上のようにして得られたマスカラは、持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例33:スキンクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 20.0
(2)トリオクタン酸グリセリル 10.0
(3)KF6017 1.5
(4)KF6026 4.0
(5)フェニルジメチルステアリルアンモニウムクロリド 1.0
(6)1,3−ブチレングリコール 10.0
(7)マルチトール 10.0
(8)サポナイト 1.5
(9)防腐剤 適 量
(10)香料 適 量
(12)精製水 残 量
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)及び(9)を加熱混合する。
B:成分(6)〜(8)及び(11)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(10)を添加し、クリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例34:スキンクリーム
混合溶液としてメチルトリメチコン(M3T)とテトラキストリメチルシロキシシラン(M4Q)1:1混合溶液を用いた。
(成分) (%)
(1)混合溶液 10.0
(2)KF96A−6 5.0
(3)流動パラフィン 5.0
(4)水分散型シリコーンエラストマー球状粉末 2.0
(5)KF6017 3.0
(6)KF6026 5.0
(7)クエン酸ナトリウム 2.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)防腐剤 適 量
(10)香料 適 量
(11)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)を加熱混合する。
B:成分(6)〜(9)及び(11)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(10)を添加し、クリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、適度なしっとり感があり、持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例35:スキンクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 20.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)KF615A 1.0
(4)L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0
(5)ジプロピレングリコール 5.0
(6)グリセリン 5.0
(7)防腐剤 適 量
(8)香料 適 量
(9)精製水 残 量
KF615A(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=14.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(3)均一に混合する。
B:成分(5)〜(7)を加温し、均一にする。
C:成分(4)、(9)を均一に溶解する。
D:攪拌下、AにBを徐添、さらにCを加えて乳化し、成分(8)を添加しクリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、皮膚になじみやすく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例36:スキンクリーム
混合溶液としてメチルトリメチコンとテトラキストリメチルシロキシシランの7:3混合溶液を用いた。
(成分) (%)
(1)混合溶液 20.0
(2)KF56 5.0
(3)KF6012 1.5
(4)デキストリン脂肪酸エステル 1.0
(5)グリセリン 5.0
(6)塩化ナトリウム 1.0
(7)防腐剤 適 量
(8)香料 適 量
(9)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(4)を加熱混合する。
B:成分(5)〜(7)及び(9)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(8)を添加しクリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、使用性が非常に良いことがわかった。また、耐水性や耐汗性に優れて化粧持ちも良く、温度や経時的にも変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例37:スキンクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 18.0
(2)KF96A−100 2.0
(3)ポリプロピレングリコール(3)ミリスチルエーテル 0.5
(4)KF6017 1.4
(5)KF6026 2.5
(6)疎水化処理微粒子酸化チタン* 1.0
(7)グリセリン 3.0
(8)70%ソルビトール 5.0
(9)クエン酸 25.0
(10)塩化ナトリウム 0.6
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)32%アンモニア水 4.5
(14)精製水 残 量
KF96A−100(信越化学工業社製):粘度100mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
*:疎水化処理微粒子酸化チタン;ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)及び(12)を混合した後、成分(6)を混合攪拌する。
B:成分(7)〜(11)及び(13)〜(14)を均一溶解する。
C:AにBを徐添して乳化し、クリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、大量のクエン酸を含有するにもかかわらず、塗布中はのびが良く、温度や経時的に変化のない安定性にも非常に優れていることがわかった。
実施例38:スキンクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 15.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 1.0
(3)KF96A−6 4.0
(4)KF6012 5.0
(5)POE(5)オクチルドデシルエーテル 1.0
(6)モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 0.5
(7)サンスフェアSZ−5 4.0
(8)シリコーン処理微粒子酸化チタン 5.0
(9)流動パラフィン 2.0
(10)マカデミアンナッツ油 1.0
(11)オウゴンエキス* 1.0
(12)ゲンチアナエキス** 0.5
(13)エタノール 5.0
(14)1,3−ブチレングリコール 2.0
(15)防腐剤 適 量
(16)香料 適 量
(17)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
サンスフェアSZ−5(旭硝子社製):無水ケイ酸処理酸化亜鉛;酸化亜鉛を50%内包した粒子径0.01〜10μmのシリカ;
*:オウゴンエキス;50%1,3−ブチレングリコール水で抽出したもの
**:ゲンチアナエキス;20%エタノール水で抽出したもの
[製造方法]
A:成分(7)〜(10)を均一に混合分散する。
B:成分(1)〜(6)を混合し、Aを加える。
C:成分(11)〜(15)及び(17)を混合した後、Bを加えて乳化する。
D:Cを冷却し、成分(16)を加えてクリームを得た。
以上のようにして得られたクリームは、密着感に優れ、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、また、温度や経時的に変化がなく、安定性にも優れていることがわかった。
実施例39:ハンドクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 1.0
(2)メチルトリメチコン 11.0
(3)αオレフィンオリゴマー 10.0
(4)シリコーン樹脂 5.0
(5)KF6017 1.9
(6)KF6026 4.0
(7)ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド 0.8
(8)ビタミンEアセテート 0.1
(9)ポリエチレングリコール4000 1.0
(10)グリセリン 10.0
(11)スメクタイト 1.2
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(14)精製水 残 量
シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が1.15のシリコーン網状化合物(トリメチルシロキシケイ酸)の70%−メチルトリメチコン溶液
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(8)及び(12)を加熱混合する。
B:成分(9)〜(11)及び(14)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(13)を添加し、ハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、塗布膜の持ちが良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例40:ハンドクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 30.0
(2)流動パラフィン 10.0
(3)アミノ変性シリコーンガム 15.0
(4)KF6017 4.0
(5)ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 0.8
(6)ビタミンEアセテート 0.1
(7)ポリエチレングリコール4000 1.0
(8)グリセリン 10.0
(9)スメクタイト 1.2
(10)防腐剤 適 量
(11)香料 適 量
(12)精製水 残 量
アミノ変性シリコーンガム:アミン当量70000g/mol
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
[製造方法]
A:成分(1)、(3)を加熱混合溶解し、成分(2)、(4)〜(6)、(10)を加熱添加する。
B:成分(7)〜(9)及び(12)を加熱混合する。
C:BをAに徐添し、乳化した後、冷却し、成分(11)を加えてハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、水仕事から効果的に皮膚を保護し、温度安定性の非常に優れたものであることがわかった。
実施例41:ハンドクリーム(O/W)
(成分) (%)
(1)KP545 5.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 4.5
(3)メチルトリメチコン 0.5
(4)KSG16 2.5
(5)αオレフィンオリゴマー 5.0
(6)ワセリン 5.0
(7)トリイソオクタン酸グリセリル 3.0
(8)KF6017 0.5
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
(10)セピゲル305 2.0
(11)1,3−ブチレングリコール 5.0
(12)グリセリン 5.0
(13)防腐剤 適 量
(14)香料 適 量
(15)精製水 残 量
KP545(信越化学工業社製);アクリルシリコーン共重合樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン30%溶液
KSG16(信越化学工業社製):架橋型ジメチルポリシロキサン/ジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
セピゲル305;軽質流動イソパラフィン(SEPPIC社製)
[製造方法]
A:成分(1)〜(8)を均一に混合する。
B:成分(9)〜(12)及び(14)を均一に混合する。
C:AにBを加えて乳化し、成分(13)を添加してO/Wハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、密着感に優れ、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時的にも非常に安定であることがわかった。
実施例42:ハンドクリーム(O/W)
(成分) (%)
(1)KP545 5.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 4.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 1.0
(4)KP561 8.0
(5)セタノール 1.0
(6)トリイソステアリン酸グリセリル 5.0
(7)ステアリン酸 3.0
(8)モノステアリン酸グリセリル 1.5
(9)KF6015 0.7
(10)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(11)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
(12)水酸化ナトリウム(1%水溶液) 10.0
(13)1,3−ブチレングリコール 5.0
(14)防腐剤 適 量
(15)香料 適 量
(16)精製水 残 量
KP545(信越化学工業社製);アクリルシリコーン共重合樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン30%溶液
KF6015(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.5)
KP561(信越化学工業社製):アクリルシリコーン共重合樹脂:ステアリル変性アクリレートシリコーン
[製造方法]
A:成分(1)〜(10)を混合、加熱溶解する。
B:成分(11)〜(13)及び(15)を混合、加熱する。
C:AにBを加えて乳化し、冷却して成分(14)を添加し、O/Wハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、密着感に優れ、つやのある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時的にも非常に安定であることがわかった。
実施例43:保湿クリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 5.0
(2)メチルトリメチコン 5.0
(3)KF56 3.0
(4)流動パラフィン 5.0
(5)テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール 3.0
(6)2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
(7)KF6017 1.0
(8)KMP594 2.5
(9)アエロジルR972 2.0
(10)ステアリン酸亜鉛 2.0
(11)ビタミンEアセテート 3.0
(12)ポリエチレングリコール400 1.0
(13)乳酸ナトリウム 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 5.0
(15)防腐剤 適 量
(16)香料 適 量
(17)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KMP594(信越化学工業社製):球状シリコーンエラストマー樹脂粉体
アエロジルR972(日本アエロジル社製):疎水化シリカ
[製造方法]
A:成分(1)〜(7)及び(10)〜(11)を均一に混合し、成分(8)〜(9)を加えて均一に分散する。
B:成分(12)〜(15)及び(17)を加えて溶解する。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分(16)を加えて保湿クリームを得た。
以上のようにして得られた保湿クリームは、のびが良く、しっとり感があり、べたつきがなく、温度や経時による変化もない、使用性も安定性にも非常に優れていることがわかった。
実施例44:アフターシェーブクリーム
(成分) (%)
(1)メチルトリメチコン 30.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 5.0
(3)KF6017 2.9
(4)KF6026 5.0
(5)ポリエチレングリコール(分子量:400) 5.0
(6)L−グルタミン酸ナトリウム 2.0
(7)アラントイン 0.1
(8)アロエ抽出物 適 量
(9)エタノール 3.0
(10)防腐剤 適 量
(11)酸化防止剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 量
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(4)を混合、加熱溶解する。
B:成分(5)〜(11)及び(13)を混合、加熱する。
C:AにBを加えて乳化し、冷却して成分(12)を添加しアフターシェーブクリームを得た。
以上のようにして得られたアフターシェーブクリームは、塗布後もしっとり感を保ち、安定性にも非常に優れていることがわかった。
実施例45:アイリンクルクリーム
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 3.0
(2)メチルトリメチコン 17.0
(3)KF7312J 5.0
(4)KF6017 2.0
(5)KF6026 5.0
(6)コンドロイチン硫酸ナトリウム 2.0
(7)乳酸ナトリウム 1.0
(8)グリセリン 50.0
(9)防腐剤 適 量
(10)酸化防止剤 適 量
(11)香料 適 量
(12)精製水 残 量
KF7312J(信越化学工業社製):シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコーン網状化合物(トリメチルシロキシケイ酸)の50%−デカメチルシクロペンタシロキサン溶液
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)及び(10)を加熱混合する。
B:成分(6)〜(9)及び(12)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(11)を添加し、アイリンクルクリームを得た。
以上のようにして得られたアイリンクルクリームは、塗布膜の持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例46:アイシャドウ
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 12.0
(2)メチルトリメチコン 3.0
(3)KF96A−6 10.0
(4)KF6012 2.0
(5)PEG(10)ラウリルエーテル 0.5
(6)LL処理酸化クロム** 6.2
(7)シリコーン処理群青* 4.0
(8)LL処理チタン被覆マイカ** 6.0
(9)塩化ナトリウム 2.0
(10)プロピレングーコール 8.0
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
(13)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
*:シリコーン処理;粉体に対して3%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
**:LL処理;粉体に対して5%のNε−ラウロイル−L−リジン(味の素社製アミホープLL)にて被覆処理したもの。
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)を混合し、成分(6)〜(8)を添加して均一に分散する。
B:成分(9)〜(11)及び(13)を均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分(12)を添加してアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたアイシャドウは、艶が良く、化粧持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例47:アイライナー
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 5.0
(2)メチルトリメチコン 17.0
(3)KF96A−6 5.0
(4)ホホバ油 2.0
(5)KF6017 1.0
(6)シリコーン処理黒酸化鉄(注) 20.0
(7)エタノール 5.0
(8)防腐剤 適 量
(9)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
(注)シリコーン処理黒酸化鉄;黒酸化鉄に対し、2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
[製造方法]
A:成分(1)〜(5)を加温混合し、成分(6)を添加して均一に分散する。
B:成分(7)〜(9)を加温溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、アイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、艶が良く、化粧持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例48:アイライナー
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 32.0
(2)KF96A−6 5.0
(3)シリコーン処理黒酸化鉄 20.0
(4)ビタミンEアセテート 0.2
(5)ホホバ油 2.0
(6)ベントナイト 3.0
(7)KF6012 2.0
(8)エタノール 10.0
(9)1,3−ブチレングリコール 10.0
(10)防腐剤 適 量
(11)香料 適 量
(12)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6012(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=7.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(2)、(4)〜(7)を混合し、成分(3)を加えて均一に混合分散する。
B:成分(8)〜(10)及び(12)を混合する。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分(11)を加えてアイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、艶が良く、化粧持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例49:制汗剤
(成分) (%)
(1)メチルトリメチコン 26.0
(2)テトラキストリメチルシロキシシラン 4.0
(3)KF6026 1.0
(4)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン
(20E.O.) 0.5
(5)アルミニウムジルコニウム四塩化水和物のグリシン塩 20.0
(6)精製水 残 量
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
[製造方法]
A:成分(1)と(2)を混合する。
B:成分(4)を(5)に溶解し、成分(3)を加える。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、制汗剤を得た。
以上のようにして得られた制汗剤は、のびが良く、べたつきがなく、しかも、あまり白くならず、さっぱりとした使用感を与えると共に、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例50:制汗剤
(成分) (%)
(1)KSG−21 20.0
(2)KSG−15 20.0
(3)テトラキストリメチルシロキシシラン 10.0
(4)メチルトリメチコン 20.0
(5)アルミニウムジルコニウム四塩化水和物 20.0
(Aluminum Zirconium Tetrachlorohydrex GLY)
(6)KF−96A−6 10.0
KSG21(信越化学工業社製):架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン/ジメチルポリシロキサン
KSG15(信越化学工業社製):架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン/デカメチルシクロペンタシロキサン
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
[製造方法]
A:成分(1)〜(4)、成分(6)を均一混合する。
B:成分(5)をAに加え混合分散する。
以上のようにして得られた制汗剤は、べたつきがなく、温度や経時的にも非常に安定であることがわかった。
実施例51:透明ゲル化粧料
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 10.0
(2)KF615A 10.0
(3)1,3−ブチレングリコール 10.0
(4)ポリエチレングリコール400 9.0
(5)2−ヒドロキシオクタン酸 1.0
(6)ソルビトール(70%水溶液) 10.0
(7)クエン酸 適 量
(8)クエン酸ナトリウム 適 量
(9)防腐剤 適 量
(10)香料 適 量
(11)精製水 残 量
KF615A(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=14.0)
(製造方法)
A:成分(3)〜(11)を均一溶解する。
B:成分(1)〜(2)を混合し、均一にする。
C:攪拌下、AをBに徐添、乳化して透明ゲル化粧料を得た。
以上のようにして得られた透明ゲル化粧料は、皮膚になじみやすく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例52:乳液
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 13.0
(2)KF96A−6 6.0
(3)スクワラン 5.0
(4)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
(5)α−モノオレイルグリセリルエーテル 1.0
(6)KF6017 2.0
(7)ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
(8)硫酸マグネシウム 0.7
(9)グリセリン 5.0
(10)防腐剤 適 量
(11)香料 適 量
(12)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
(製造方法)
A:成分(1)〜(7)を加熱混合する。
B:成分(8)〜(10)及び(12)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(11)を添加し乳液を得た。
以上のようにして得られた乳液は、低粘度でキメが細かく、のびが良く、適度なしっとり感やソフト感を有し、化粧持ちも非常に良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例53:乳液
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 11.0
(2)メチルトリメチコン 4.0
(3)KF96A−6 6.0
(4)スクワラン 5.0
(5)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
(6)α−モノオレイルグリセリルエーテル 1.0
(7)KF6026 1.5
(8)KF6017 1.0
(9)アルミニウムジステアレート 0.2
(10)デキストリン脂肪酸エステル 1.0
(11)硫酸マグネシウム 0.7
(12)グリセリン 5.0
(13)防腐剤 適 量
(14)香料 適 量
(14)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF6026(信越化学工業社製):ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキシプロピレンオレイルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HLB=4.7)
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
[製造方法]
A:成分(1)〜(10)を加熱混合する。
B:成分(11)〜(13)及び(15)を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(14)を添加し乳液を得た。
以上のようにして得られた乳液は、さっぱりとした使用感を与えると共に、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例54:乳液
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 10.0
(2)KF56 5.0
(3)スクワレン 5.0
(4)テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール 5.0
(5)KF6017 3.0
(6)KMP594 2.0
(7)アエロジルR972 0.5
(8)アスコルビン酸リン酸マグネシウム 1.0
(9)塩化ナトリウム 1.0
(10)ポリエチレングリコール11000 1.0
(11)プロピレングリコール 8.0
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(14)精製水 残 量
KF56(信越化学工業社製):メチルフェニルポリシロキサン
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KMP594(信越化学工業社製):球状シリコーンエラストマー樹脂粉体
アエロジルR972(日本アエロジル社製):疎水化シリカ
[製造方法]
A:成分(1)〜(4)を均一に混合し、成分(5)〜(6)を加えて均一に分散する。
B:成分(13)に成分(7)〜(9)を加えて溶解し、更に成分(10)、(11)を均一にした後添加する。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分(12)を加えて乳液を得た。
以上のようにして得られた乳液は、のびが良く、べたつきがなく、柔らかな塗布感を有し、温度や経時による変化もなく安定性にも非常に優れていることがわかった。
実施例55:美容液
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 12.0
(2)トリイソオクタン酸グリセリル 10.0
(3)KF6017 2.0
(4)KSG21 0.2
(5)グリセリン 10.0
(6)アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩 3.0
(7)塩化ナトリウム 2.0
(8)防腐剤 適 量
(9)香料 適 量
(10)精製水 残 量
KF6017(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=4.6)
KSG21(信越化学工業社製):架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン/ジメチルポリシロキサン
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を加熱混合する。
B:成分(5)〜(8)及び(10)を加熱し、均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分(9)を添加し、美容液を得た。
以上のようにして得られた美容液は、肌になじみが良く、また、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
実施例56:脱臭剤
(成分) (%)
(1)テトラキストリメチルシロキシシラン 3.0
(2)KF96A−6 4.0
(3)KF615A 1.0
(4)プロピレングリコール 31.0
(5)トリクロサン 0.1
(6)グリセリン 15.0
(7)防腐剤 適 量
(8)香料 適 量
(9)精製水 残 量
KF96A−6(信越化学工業社製):粘度6mm/sのジメチルポリシロキサン
KF615A(信越化学工業社製):ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB=14.0)
[製造方法]
A:成分(1)〜(3)を混合する。
B:成分(5)を(4)に溶解し、成分(6)〜(9)を混合する。
C:Aを激しく攪拌しながらBを加えて乳化する。
D:エアゾール缶にCを65部、噴射剤(n−ブタン、イソブタン、プロパン混合物)35部を加え、脱臭剤を得た。
以上のようにして得られた脱臭剤は、べたつきもなく、優れた安定性を有していることがわかった。
実施例57:エアゾール組成物(収斂、防臭剤)
(成分) (%)
(1)シリコーン処理マイカ 3.0
(2)クロルヒドロキシアルミニウム 2.0
(3)イソプロピルメチルフェノール 0.3
(4)セスキオレイン酸ソルビタン 0.2
(5)ミリスチン酸イソプロピル 5.0
(6)テトラキストリメチルシロキシシラン 5.0
(7)メチルトリメチコン 1.0
(8)香料 適 量
(9)噴射剤 残 量
[製造方法]
A:成分(1)〜(8)を混合する。
B:Aをエアゾール用缶に詰めた後、成分(9)を充填する。
以上のようにして得られた本発明品のエアゾール組成物は、防臭効果が高く、塗布時のべたつきがなく、又、再分散性が良好なため、非常に使用性に優れたものであることがわかった。
【産業上の利用可能性】
以上、詳細に述べたように、テトラキストリメチルシロキシシランは、化粧料に適度な揮発性を与え、顔料分散性、乳化安定性に優れ、化粧料に好適である。また、本発明の方法により得られるテトラキストリメチルシロキシシランは純度が高く、化粧料に配合するのに適する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるテトラキストリメチルシロキシシランを含むことを特徴とする化粧料。
[(CHSiO]Si (1)
【請求項2】
式(2)で表されるメチルトリメチコンをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の化粧料。
[(CHSiO]SiCH (2)
【請求項3】
1気圧、25℃において揮発性の溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記揮発性の溶媒が、珪素数が4又は5の直鎖状ジメチルポリシロキサン、珪素数が4〜6の環状ジメチルポリシロキサン、炭素数1〜3の1価アルコール及び炭素数10〜16の炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の化粧料。
【請求項5】
前記揮発性の溶媒が、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィンからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
乳化剤をさらに含み、化粧料がW/O型の乳化型化粧料である請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項7】
前記乳化剤が、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、フッ素化ジメチコノール、パーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、パーフルオロアルコキシ・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、パーフルオロアルキル・ポリグリセリル共変性シリコーン、及び、グリコシル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の化粧料。
【請求項8】
ノニオン系界面活性剤をさらに含み、化粧料がクレンジング料である請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項9】
前記ノニオン系界面活性剤が、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、フッ素化ジメチコノール、パーフルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、パーフルオロアルコキシ・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、ポリグリセリル変性シリコーン、パーフルオロアルキル・ポリグリセリル共変性シリコーン、及び、グリコシル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の化粧料。
【請求項10】
メチルフェニルポリシロキサンをさらに含み、化粧料が洗浄料である請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項11】
顔料をさらに含む請求項1〜5のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項12】
ポリブテンをさらに含み、化粧料が油性化粧料である請求項11記載の化粧料。
【請求項13】
水と、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、及び多糖アルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤をさらに含み、化粧料が固形メイクアップ化粧料である請求項11記載の化粧料。
【請求項14】
多価アルコール及び糖類からなる群より選ばれる1種以上のポリオール化合物をさらに含む請求項13記載の化粧料。
【請求項15】
シリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂、又はこれらのうちの2つ以上のものの混合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項16】
紫外線防御成分をさらに含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項記載の化粧料。
【請求項17】
下記一般式(A)で表されるテトラアルコキシシランと下記化学式(B)で有らされるヘキサメチルジシロキサンを、
Si(OR) (A)
(Rは炭素原子数1〜10の1価炭化水素基を表す。)
(CHSiOSi(CH (B)
下記工程(1)〜(4)、
(1)上記テトラアルコキシシラン1モルに対して、ヘキサメチルジシロキサン2〜10モルと、酸触媒0.01〜0.5モルを混合し、0℃以上30℃未満の温度にする工程、
(2)工程(1)で得られた系に、テトラアルコキシシラン1モルを加える工程、
(3)温度を0℃以上30℃未満に維持しながら、工程(2)で得られた系に、水2.5〜10.0モルを添加し、30分間〜5時間反応させる工程、及び
(4)30〜100℃の温度で、30分間〜5時間反応させる工程
を含む方法に従い反応させて得られるテトラキストリメチルシロキシシランを含むことを特徴とする化粧料。
【請求項18】
テトラアルコキシシランがテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及びテトラプロポキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項17に記載の化粧料。
【請求項19】
工程(1)において、テトラアルコキシシラン1モルに対して0.5〜10モルの炭素原子数が1〜6の1価低級アルコールをさらに混合することを特徴とする請求項17または18に記載の化粧料。
【請求項20】
1価低級アルコールが、メタノール、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項19に記載の化粧料。
【請求項21】
酸触媒が硫酸、メタンスルホン酸及びトリフロロメタンスルホン酸からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項17〜20のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項22】
下記式(3)で表される1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−トリメチルシロキシ−3−ヒドロキシトリシロキサンの含有量が、
[(CHSiO]SiOH (3)
化粧料総質量の1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項記載の化粧料。

【国際公開番号】WO2004/082644
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【発行日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503733(P2005−503733)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003623
【国際出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】