説明

化粧板用樹脂組成物及びその化粧板用樹脂組成物を使用した化粧板

【課題】 従来のスチレンを使用した化粧板用樹脂組成物と同様に取り扱いができ、かつスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物及びこのスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物を用いた化粧板を提供すること。
【解決手段】 重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割合で含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)を必須成分とする化粧板用樹脂組成物及びこれを使用した化粧板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然木の木目模様など の種々の模様を表面に施した化粧板の塗料に用いられる化粧板用樹脂組成物に関し、詳しくは、従来のスチレンを使用した化粧板用樹脂組成物と同様に取り扱いができ、かつスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物を提供するとともに、このスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物を用いた化粧板を提供することである。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧板は、ベニヤ合板、スレート板 などに不飽和ポリエステル樹脂を、フローコーター法、フィルム法、ロールコーター法、刷毛塗り法、スプレー法等で 塗布して硬化することにより製造される。このように不飽 和ポリエステル樹脂を用いて成形される化粧板は、樹脂の粘度調整が容易であることや、樹脂の硬化性、塗膜の特性が良好なことから、スチレンを用いた樹脂が使用されている。
【0003】
フィルム成形法に基づく化粧合板について述べると、合板などの板状の基材に無地或は図柄を印刷した化粧紙をポリ酢酸ビニルエマルジョンの如き接着剤を用いて接着し、その上に不飽和ポリエステル樹脂よりなる樹脂液を塗布し、しかる後フィルムを塗布面に密着させてゴムローラーで樹脂液を均一に広げながら気泡を除去し、樹脂液が硬化した後にフィルムを剥がすことにより製造され、不飽和ポリエステル樹脂は不飽和ポリエステル中の不飽和結合とスチレンモノマーとの共重合反応により分子間に架橋が行われ、三次元網状構造を形成するものとなっている。しかしながら、スチレンを用いた樹脂で化粧板を 常温成形すると、スチレンを完全に重合させることが出来ず、微量のスチレンが化粧板の中に残留し、この化粧板を用いて家具等を組み立てた場合家具からスチレン臭気が発生する。近年、住宅の内装用建材に便用される塗料や接着剤等の樹脂組成物中に 含まれるホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、スチレン等の揮発性有機物質(VOC:volatile organic compounds)が、シックハウス症候群の原因の1つと考えられ、室内におけるこれらVOC物質の放散を減少させることが求められてきている。それに伴い、最近では、スチレンを使用しない材料の開発が社会的要求となってきた。
【0004】
特許文献1では、JAS規格F−1グレードに合格する無臭特殊化粧板の提供を目的に、ホルムアルデヒド系樹脂接着剤で硬化処理された合板等の木質系支持材料の表面にオーバーレイ層をホル ムアルデヒド系樹脂接着剤以外の接着剤にて貼り付け加工する際に、該接着剤の塗布と同時もしくは直前に木質系支持 材料の裏面から尿素の弱酸性水溶液を塗布含浸させた状態でオーバーレイ層を貼り付け熱圧処理することを特徴とする簡便な製造方法を提供している。また、特許文献2では、基材にパターン紙を接着しその上に不飽和ポリエステルとビニル化合物を主剤とする常温硬化型の塗装樹 脂を流し、その上面をフイルムで被覆させた状態でゴムロールで塗装樹脂を均一に広げながらフイルムと塗装樹脂を密着 させて気泡を除去してから硬化処理させるポリエステル樹脂化粧板の製造方法において、上記の硬化処理を約40℃以 上の加熱下での高キュアー状態と常温下での低キュアー状態の二段に分けて硬化させた後で、被覆フイルムをセパレートすることを特徴とする製造方法で、スチレン臭の少ないポリエステル樹脂化粧板を提供する方法が検討されている。
【0005】
ホルムアルデヒドを放散させる材料を含有せず、かつ紙間剥離が生じにくいポリエステル化粧板を与えるポリエステル化粧板用接着剤組成物について、特許文献3で検討され、ビニル樹脂 系エマルジョンおよび合成ゴム系ラテックスから選択される少なくとも一種の乳濁液(a)と、ポリアクリルアミド樹脂である水溶性樹脂(b)とからなり、上記乳濁液(a)の固形分100重量部に対して上記水溶性樹脂(b)の固形分1〜60重量部を含有することを特徴とするポリエステル化粧板の基材と化粧紙とを接着するために用いられる接着剤組成物が提供されている。
【0006】
一方、特許文献4では、木材単板1に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有するビニル重合性樹脂液を含浸した後、この木材単板1をその内部の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲となるように加熱して、含浸された重合性樹脂液を硬化させ、未反応残留スチレンが低含有状態とされた樹脂強化単板2を得る。この樹脂強化単板2を台板3に接着剤により接着し、その樹脂強化単板2の表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することで、特にスチレンモノマーの室内への放散を大幅に軽減することができる樹脂強化木質化粧板得られる製造方法が提供されている。
【0007】
特許文献5では、不飽和ポリエステル、スチレンおよび(メタ)アクリレート系不飽和単量体からなり、スチレンの不飽和基モル数 (B)を、不飽和ポリエステルの不飽和基モル数(A)および(メタ)アクリレート系不飽和単量体の不飽和基モル数(C)の合計で除した値〔B/(A+C)〕が1.1以下である化粧板塗料用不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いることによって、不飽和ポリエステル樹脂を用いて成形された化粧板において、スチレン臭気を発生しない樹脂組成物を提供する方法が提案されている。
これらいずれの検討も、化粧板に残存するスチレン量を減少させ、スチレンの発生臭気を低減させ、シックハウス症候群の原因の1つと考えられる室内におけるVOC物質の放散、特にスチレンの放散を減少させるという目的は同じであるが、材料にスチレンを使用していることからも、本発明の手段とは異なる。
【0008】
一方で、特許文献6では、低臭気で、常温および低温での硬化性に優れ、かつ短期施工性向上を目的に、6.67kPaにおける沸点が75℃以上の(メタ)アクリレートモノマー(A)20〜90質量部、ポリマーまたはラジカル重合性オリゴマー(B)10〜80質量部、および分散状態のワックス(C)[(A)成分および(B)成分の合計100質量部]を含んで成るアクリル系シラップ組成物を提案している。
【0009】
無臭化粧板用樹脂組成物、当該組成物を用いた化粧板の製造方法および製造装置を提供できる方法が、特許文献7で述べられている。具体的には、スチレンを使用せず、(メタ)アクリレート系化合物のモノマーを使用した化粧板用樹脂であって、特定の硬化剤を混合したときの発泡現象がなく、かつ、硬化物の色が従来のスチレン系の化粧板樹脂と同等な樹脂を提供するもので、その解決手段とされる無臭化粧板用樹脂組成物は、不飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルとグリシジル基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させた反応物と、不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート系化合物と、ケトンパーオキサイド系有機過酸化物、パーオキシエステル系有機過酸化物およびハイドロパーオキシド系有機過酸化物とを含有することを特徴とする。しかしながら、本発明が目的としているシックハウス症候群の原因の1つと考えられるスチレンの室内放散を減少させるためのスチレンを使用しない材料の開発という観点からは異なるものである。
【0010】
特許文献8では、低粘度、低臭気、低皮膚刺激性であり、表面硬化性が良く、かつ靭性に優れ、収縮率が小さく密着性に優れる硬化物を与え得るラジカル重合性樹脂組成物を提供する目的で、<ビニルエステルオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー>からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の(メタ)アクリレートオリゴマー、分子内に1個以上のマレイン酸エステル及び/またはフマル酸エステル単位を有するオリゴマー、および常圧における沸点が150℃以上の重合性モノマーであるを含むラジカル重合性樹脂組成物において、この組成物中に含まれる(メタ)アクリレート基と、マレイン酸エステル及び/またはフマル酸エステル単位のモル比が1:0.1〜1:2であることを特徴とするラジカル重合性樹脂組成物が提案されている。この公報における検討は、本発明に使用される必須成分とは異なるものであるばかりでなく、実施例における結果は、実際に化粧板を製造する上で実用的とは言い難い。
【0011】
特許文献9では、(メタ)アクリレート系モノマーを使用した不飽和ポリエステル樹脂であって、硬化剤の混合時の発泡がなく、強度のある硬化物を得られ、硬化時間も従来の同系の樹脂と同等な熱硬化性樹脂用不飽和ポリエステル組成物および該組成物から形成された樹脂を提供する方法として、A)不飽和ポリエステルと、B)1分子中に、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を少なくとも1個を有する、C)とは相異なる(メタ)アクリレート系化合物、及びC)炭素数が2以上6以下のジオール化合物と、アクリル酸またはメタアクリル酸と、マレイン酸またはフマル酸との反応物を含む熱硬化性樹脂用不飽和ポリエステル組成物が提案されている。この公報では、(メタ)アクリレート系モノマーを使用した不飽和ポリエステル樹脂において問題とされる硬化剤の混合時の発泡と、硬化時間の遅延抑制について着目し検討を行っているが、本発明の化粧板用樹脂組成物と比較すると、必須成分に異なりがある。
このように、最近になり、スチレンを使用することのない樹脂組成物の検討が行われはじめて来たが、目標達成には不十分である。
【0012】
【特許文献1】特開平10−244510号公報
【特許文献2】特開2000−37786号公報
【特許文献3】特開2000−212537号公報
【特許文献4】特開2002−178311号公報
【特許文献5】特開2002−371232号公報
【特許文献6】特開2002−234921号公報
【特許文献7】特開2003−183543号公報
【特許文献8】特開2004−10771号公報
【特許文献9】特開2003−261630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、不飽和ポリエステル樹脂を用いて成形された化粧板において、化粧板に残存するスチレン量を減少させ、スチレン揮発量を低減するため、従来のスチレンを使用した化粧板用樹脂組成物と同様に取り扱いができ、かつスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物を提供するとともに、このスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物を用いた化粧板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、化粧板用樹脂組成物について鋭意検討した結果、重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)、1分子に化2で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)を必須成分とし、重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)の配合量をa重量部、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)の配合量をb重量部、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)の配合量をc重量部とするとき、数1の(1)及び(2)を満足する範囲で含有して得られる化粧板用樹脂組成物を用いることにより、従来のスチレンを使用した化粧板用樹脂組成物と同様に取り扱いができ、かつスチレンを使用することのない化粧板用樹脂組成物が得られることを見出した。
【化1】

(式中R1は水素原子またはメチル基。R2は直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)

【数1】

【0015】
常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)が2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを用いることにより、本発明の効果を一層出来る化粧板用樹脂組成物を提供するものである。
【0016】
また、本発明の化粧板用樹脂組成物を用いることにより得られるスチレンを含まない化粧板を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の化粧板用樹脂組成物を用いることによりスチレンを含むことのない化粧板が得られる。従って本発明の化粧板用組成物は、家具、家屋の内装、店舗の内装等の健康面および居住性から低臭気化粧板が要求される分野に極めて有用であり、広範囲に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に使用する化粧板用組成物は、重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)、1分子に化3で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)を必須成分としてなり、多価アルコールと不飽和多塩基酸とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル樹脂(a))を、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)および1分子に化3で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)に溶解したものである。なお、不飽和ポリエステルを得るためのエステル化反応には、必要に応じて一価アルコールおよび飽和多塩基酸あるいは単官能カルボン酸を併用することができる。
【化2】

(式中R1は水素原子またはメチル基。R2は直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
【0019】
本発明の化粧板用組成物の必須成分のひとつである重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)の原料として用いられる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が使用され、これらは必要に応じて2種類以上を併用して用いることが出来る。
【0020】
また、不飽和ポリエステル樹脂(a)の原料として用いられる多塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物および、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物が使用される。なお、必要に応じて安息香酸、オクチル酸等の単官能カルボン酸を併用することができる。価格、取り扱い性に面から、マレイン酸またはその無水物が最も好ましい。これらの多価アルコール と多塩基酸のエステル化反応は公知の方法により行われ、不飽和ポリエステル樹脂が製造される。
【0021】
本発明の化粧板用組成物に使用される不飽和ポリエステル樹脂(a)は、重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有することが好ましく、この不飽和基1つ当たりの分子量は、以下の方法で理論的に求めることができる。
重合性不飽和多塩基酸として無水マレイン酸を0.55モル(分子量:98)、多塩基酸として無水フタル酸を0.45モル(分子量:148)、多価アルコールとしてプロピレングリコール、ジエチレングリコールをそれぞれ0.70モル(分子量:76)、0.35モル(分子量:106)を使用し、公知の方法で本発明の化粧板用組成物に使用される不飽和ポリエステル樹脂(a)を製造した場合、これらの多塩基酸と多価アルコールのそれぞれのモル数と分子量から求められる理論分子量とこれらの多塩基酸と多価アルコール とのエステル化反応から生じる縮合水(分子量:18)は、数2の(3)、(4)であり、縮合水を除く理論分子量は、(5)で示される。この理論分子量を重合性不飽和多塩基酸である無水マレイン酸の0.55モルで割り、数2の(6)で表されるように、重合性不飽和多塩基酸として無水マレイン酸を0.55モル(分子量:98)、多塩基酸として無水フタル酸を0.45モル(分子量:148)、多価アルコールとしてプロピレングリコール、ジエチレングリコールをそれぞれ0.70モル(分子量:76)、0.35モル(分子量:106)を使用して製造した不飽和ポリエステル樹脂(a)の不飽和基1つ当たりの分子量を理論的に求めることができる。
【数2】

【0022】
本発明の化粧板用組成物に使用される不飽和ポリエステル樹脂(a)は、重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有することが好ましい。160よりも小さいと、化粧板用組成物の反応性が高すぎるため、化粧板製造時に硬化発熱が高くなり、フィルムの劣化を招くとともに、化粧板用組成物の硬化収縮が大きく、得られた化粧板が反ることが予想される。また、400より大きくなると、化粧板用組成物の硬化性が低下し、化粧板製造時のフィルム剥離性及び表面乾燥性の悪化を招くようになるばかりでなく、化粧板中の残存溶剤量が多くなり、さらには化粧板の表面硬さや引っかき特性などが著しく低下するようになる。さらには180〜380の割り合いで含有することがより好ましい。
【0023】
本発明の化粧板用樹脂組成物には、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)が必須成分として使用される。一般に、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体は、揮発性が高く、かつ、毒性が強く人体に影響を及ぼすものが多く、そのような特性を有する材料を使用することは、本発明の目的とするシックハウス症候群に対応する化粧板用樹脂組成物の提供から大きく逸脱してしまう。そこで、揮発を抑制するために常圧における沸点が150℃以上とし、かつ、人体への影響を少なくするためにラットの急性経口毒性LD50が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)を必須成分として選定した。その代表例として、CH=CH−CO−、又はCH=C(CH)−CO−があるり、例えば、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルメタクリレート、Sラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ドデシルペンタデシルメタクリレート、シクリヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等があり、それぞれ単独使用あるいは必要に応じて2種類以上併用してもよい。本発明の化粧板用樹脂組成物では、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートおよび/または2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが最も好ましい。
【0024】
さらに本発明の化粧板用樹脂組成物には、1分子に化4で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)が必須成分として使用される。
【化3】

(式中R1は水素原子またはメチル基。R2は直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
【0025】
例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等があり、それぞれ単独使用あるいは必要に応じて2種類以上併用してもよい。本発明の化粧板用樹脂組成物では、価格及び得られる化粧板特性の観点から、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレートが好ましい。
【0026】
本発明の化粧板用樹脂組成物に必須成分であるマレイン酸および/またはフマル酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割り合いで含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)、1分子に化5で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)について、それぞれ不飽和ポリエステル樹脂(a)の配合量をa重量部、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)の配合量をb重量部、1分子に(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)の配合量をc重量部とするとき、数3の(7)及び(8)を満足する範囲で含有して用いられる。
【化4】

(式中R1は水素原子またはメチル基。R2は直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
【数3】

b+c重量部に対し、c重量部の割合が0.03より少ないと化粧板用組成物の硬化性が低下し、化粧板製造時のフィルム剥離性及び表面乾燥性の悪化を招くようになる。一方、0.30より多くなると、化粧板用組成物の粘度が高くなるとともに、ワックスの溶解性が低下するようになり、化粧板製造時の化粧板用組成物塗布性が悪化するようになる。また、a+b+c重量部に対し、a重量部の割合が0.45より少ないと、化粧板用組成物の硬化性が低下し、化粧板製造時のフィルム剥離性及び表面乾燥性の悪化を招くようになるばかりでなく、化粧板中の残存溶剤量が多くなり、さらには化粧板の表面硬さや引っかき特性などが著しく低下するようになる。一方、0.80より多くなると、化粧板用組成物の粘度が高くなるとともに、ワックスの溶解性が低下するようになり、化粧板製造時の化粧板用組成物塗布性が悪化するようになる。これらは、数4の(9)及び(10)を満足する範囲で含有して用いられることがより好ましい。
【数4】

【0027】
本発明の化粧板用樹脂組成物を使用した化粧板は、化粧板用樹脂組成物100gに40%メチルエ チルケトンパーオキサイド(日本油脂商品名:パーメックN)1.0gを加えてよく混合し、10cm×30cmの大きさの紙張り合板の上に8gを載せ、上からビニロンフィルムを被せた後、その上からゴムローラーで樹脂を均一に延ばし、含浸、脱泡した後、ビニロンフィルムを40%メチルエチルケトンパーオキサイド添加後60分経過してから剥がし化粧板を製造した。
【0028】
「フィルム剥離性」は、ビニロンフィルムを剥がす際の剥がしやすさを評価し、「化粧板耳部の表面乾燥性」については、ビニロンフィルムを剥がして得られた化粧板端部の化粧紙(耳部)に付着した化粧板用樹脂組成物のべたつきの有無を指触評価した。
【0029】
本発明の化粧板用樹脂組成物を製造する際に、硬化性を調整し、ゲル化を防止するために重合禁止剤が使用される。重合禁止剤に特に制限は無 く、ハイドロキノン、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ターシャリーブチルハイドロキノン、ジターシャリーブチルハイドロキノン、ターシャリーブチルカテコール、メトキシハイドロキノン、ベンゾキノン、ターシャリーブチルキノン、フェノチアジン等が使用される。
【0030】
本発明の化粧板用樹脂組成物を塗料に用いる際に使用される重合開始剤の有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものであり、またアゾ化 合物も有効である。具体例としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3 −イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピ ルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドが挙げられ、更にアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどのアゾ系の重合開始剤も使用することができる。
【0031】
また、本発明の化粧板用樹脂組成物を塗料に用いる際に使用される常温硬化剤としては、公知であるケトンパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ハイドロパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ジアシルパーオキサイドと還元剤の組み合わせが挙げられ、還元剤としての具体例としては、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸カリウム、ナフテン酸ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ナフテン酸バナジウム、オクテン酸バナジウム、バナジウムアセトナート、Liアセチルアセトナート等のレドックス作用を有する有機金属化合物や金属キレート錯体が好ましい。また、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、アセトブチロラクトン等のβ−ジケトン類をコバルト化合物と併用することで、2価または3価のアセチルアセトンコバルトが形成され、硬化促進に有効である。中でもポットライフ等の点でパーオキシエステルとコバルト塩の組み合わせが特に有効である。
【0032】
有機過酸化物触媒や、有機過酸化物と還元剤とを組合わせた重合開始剤(硬化剤)の使用量は、可使時間の設定によっても異なるが、一般には不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。重合開始剤の使用量が0.01重量部未満では、重合が不十分になり易く、また10重量部を超える量では経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こり易い。
【0033】
また、本発明の化粧板用組成物を塗料に用いる際は、顔料を添加し使用することができる。顔料の種類の制限は特に無く、従来より、不飽和ポリエステルをスチレンに溶解して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物を化粧板に用いる際に使用する公知の顔料を用いることができる。このような顔料としては、具体的には有機顔料、無機顔料のいずれでも使用できる。そのときの配合量として、化粧板用樹脂組成物100重量部に対し、多くとも60重量部以下、好ましくは40重量部以下の量を使用することができる。
【0034】
たとえば、有機顔料としては、ペンジシンエロー、ハンザエロー、リソールレッド、アリザリンレーキ、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF−5R、パーマネントレッド4R、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、レーキレッドC、パラレッド、ピーコックブルーレーキ、フタロシニアンブルー、フタロシニアングリーン、アニリンブラック、パーマネントエローHR、PVバイオレットBL、キナクリドン、ペリノン、アンスラキノン、クロモフタールエロー6G、クロモフタールエロー3G、クロモフタールエローGRなどが挙げられる。
【0035】
また無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白、カドミエロー、黄鉛、チタンエロー、ジンククロメート、黄土、クロムバーミリオン、赤口顔料、アンバー、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カドミウムレッド、鉛丹、紺青、群青、コバルトブルー、酸化クロームグリーン、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒などが挙げられる。
【0036】
以上説明した本発明の化粧板用組成物は、化粧板の紙の表面に積層され、樹脂硬化層となる。紙表面に硬化前の樹脂層を形成する方法としては特に限定されないが、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法を採用することができる。樹脂層の厚みは特に限定されないが、樹脂組成物の付着量として、50〜400g/m2の範囲が好ましい。
【0037】
樹脂層形成後は、ビニロン(ポリビニルアルコール)、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のフィルムを樹脂層の表面に被せて、重合を阻害する酸素を遮断しながら、室温程度の温度(10〜35℃程度)で20分〜5時間程度放置して硬化させるとよい。この一般的な硬化方法以外にも、不飽和ポリエステル樹脂分野における他の公知の硬化方法を採用することも可能である。また、賦形や転写のために上記フィルムに加工や印刷層を施しておいてもよい。硬化が終了すれば、フィルムを剥がすことにより化粧板が完成する。
【0038】
本発明は樹脂硬化層およびその原料である化粧板用組成物に特徴があるので、化粧板の基材、接着剤、紙等は、特にその素材を限定するものではない。化粧板の基材としては、特に限定されず、合板、パーティクルボード、MDF(Middle Density Fiber;中密度繊維板)等の木質系基材や、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、コンクリート、セメント板、ストレート、板紙、金属板等の無機基材がいずれも採用可能である。また、紙を基材に接着するための接着剤も、アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系、特に限定されない。紙としては、樹脂硬化層に導入されるヒドロキシル基との密着性がよいセルロース由来の紙が好ましいが、ヒドロキシル基との親和性を有する樹脂から得られる合成紙や、ヒドロキシル基との親和性を有する繊維から形成された不織布であっても構わない。また、意匠性に優れた彩色や模様が施されている化粧紙が好ましく使用され、立体的な模様(凹凸)のある化粧紙であってもよい。
【0039】
本発明に係る化粧板は、紙の表面に樹脂硬化層が形成されていればよく、その他の公知の各種層が積層されていても構わない。
【実施例】
【0040】
以下、実施例および比較例により本発明の内容を更に具体的にする。なお、各例中の「部」は重量基準 を示す。
【0041】
製造例1
不飽和ポリエステル樹脂(a−1)の製造
撹拌機、コンデンサ、窒素ガス導入管及び温度計を取り付けた3リットルの4つ口フラスコに、プロピレングリコール522g、ジエチレングリコール956g、無水フタル酸890g、無水マレイン酸884gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で6時間保温し、酸価32の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.06gを溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート994gに溶解し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を得た。この製造した不飽和ポリエステル樹脂(a−1)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、330.6であった。
【0042】
製造例2
不飽和ポリエステル樹脂(a−2)の製造
製造例1で不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を製造する際に使用したものと同様の装置を用い、プロピレングリコール877g、ジエチレングリコール487g、無水フタル酸844g、無水マレイン酸911gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で6時間保温し、酸価29の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.06gを溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート949gに溶解し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−2)を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a−2)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、306.3であった。
【0043】
製造例3
不飽和ポリエステル樹脂(a−3)の製造
製造例1と同様の方法で、プロピレングリコール326g、ジエチレングリコール1141g、無水フタル酸414g、無水マレイン酸1098gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で5時間保温し、酸価20の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.05gを溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート909gに溶解し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−3)を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a−3)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、243.5であった。
【0044】
製造例4
不飽和ポリエステル樹脂(a−4)の製造
製造例1と同様の方法で、プロピレングリコール1252g、無水マレイン酸1568gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で5時間保温し、酸価35の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.05gを溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート844gに溶解し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−4)を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a−4)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、158.3であった。
【0045】
製造例5
不飽和ポリエステル樹脂(a−5)の製造
製造例1と同様の方法で、ジエチレングリコール1391g、無水フタル酸925g、無水マレイン酸613gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で5時間保温し、酸価35の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.05gを溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート901gに溶解し、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−5)を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a−5)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、432.6であった。
【0046】
実施例1
化粧板用樹脂組成物(1)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレートを30.0g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを13.5g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.23g、アセトブチロラクトンを0.11g、ギ酸を0.15g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.03gを加えて、本発明の化粧板用樹脂組成物(1)を調製した。
【0047】
実施例2
化粧板用樹脂組成物(2)
実施例1で、不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を不飽和ポリエステル樹脂(a−2)とする以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(2)を調製した。
【0048】
実施例3
化粧板用樹脂組成物(3)
実施例1で、不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を不飽和ポリエステル樹脂(a−3)とする以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(3)を調製した。
【0049】
比較例1
化粧板用樹脂組成物(4)
製造例4で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−4)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレートを30.0g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを13.5g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.23g、アセトブチロラクトンを0.11g、ギ酸を0.15g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.03gを加えて、化粧板用樹脂組成物(4)を調製した。
【0050】
比較例2
化粧板用樹脂組成物(5)
比較例1で、不飽和ポリエステル樹脂(a−4)を不飽和ポリエステル樹脂(a−5)とする以外は同じ方法で、化粧板用樹脂組成物(5)を調製した。
【0051】
化粧板の製造
各種試験に用いる化粧板は、以下に示す方法で製造した。実施例1で得られた化粧板用樹脂組成物(1)100gに40%メチルエ チルケトンパーオキサイド(日本油脂商品名:パーメックN)1.0gを加えてよく混合し、10cm×30cmの大きさの紙張り合板の上に8gを載せ、上からビニロンフィルムを被せた後、その上からゴムローラーで樹脂を均一に延ばし、含浸、脱泡した後、ビニロンフィルムを40%メチルエチルケトンパーオキサイド添加後60分経過してから剥がし化粧板(A−1)を得た。実施例2〜3及び比較例1〜2で得られた化粧板用樹脂組成物(2)〜(5)についても、以下同様の方法で化粧板(A−2〜A−5)を作製した。
【0052】
各試験の測定方法について、以下に示す。
(1)化粧板用樹脂組成物の外観色
(2)粘度
(3)25℃常温ゲル化時間
JIS K6901に準拠して、化粧板用樹脂組成物の外観色、粘度及び25℃常温ゲル化時間を測定した。
(4)フィルム剥離性
ビニロンフィルムを剥がす際の剥がしやすさを評価した。
(5)化粧板耳部の表面乾燥性
ビニロンフィルムを剥がして得られた化粧板端部の化粧紙(耳部)に付着した化粧板用樹脂組成物のべたつきの有無を指触評価した。
(6)鉛筆硬度
化粧板作製後、25℃の温度で24時間放置した後、JIS K5400に準拠して
化粧板表面の鉛筆硬度を測定した。
表1に検討結果をまとめて示す。
【0053】
【表1】

【0054】
製造例6
不飽和ポリエステル樹脂(a−6)の製造
製造例1で不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を製造する際に使用したものと同様の装置を用い、プロピレングリコール877g、ジエチレングリコール487g、無水フタル酸844g、無水マレイン酸911gを仕込み、窒素ガスをゆっくり流しながらマントルヒータを用いて1時間で150℃に昇温し、さらに4時間かけて220℃に昇温した。その温度で6時間保温し、酸価31の不飽和ポリエステルを得た。これを130℃まで冷却した後保温しながら、ハイドロキノン0.06gを溶解したイソブチルメタクリレート949gに溶解し、イソブチルメタクリレートを25wt%含有する不飽和ポリエステル樹脂(a−6)を得た。この不飽和ポリエステル樹脂(a−6)の不飽和基1つ当たりの理論分子量は、306.3であった。
【0055】
実施例4
化粧板用樹脂組成物(6)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として2−ヒドロキシエチルメタクリレートを2.8gとイソブチルメタクリレートを32.4g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート(平均分子量504)を14.7g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.24g、アセトブチロラクトンを0.12g、ギ酸を0.16g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.08gを加えて、本発明の化粧板用樹脂組成物(6)を調製した。
【0056】
実施例5
化粧板用樹脂組成物(7)
実施例1で、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレート30.0gを2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.4gとイソブチルメタクリレート29.6gとする以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(7)を調製した。
【0057】
実施例6
化粧板用樹脂組成物(8)
実施例1で、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレート30.0gを2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.4gとイソブチルメタクリレート31.0gとし、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを8.0g添加する以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(8)を調製した。
【0058】
実施例7
化粧板用樹脂組成物(9)
実施例6で、不飽和ポリエステル樹脂(a−1)を不飽和ポリエステル樹脂(a−2)とする以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(9)を調製した。
【0059】
実施例8
化粧板用樹脂組成物(10)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.3gとイソブチルメタクリレートを24.1g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを14.3g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.24g、アセトブチロラクトンを0.12g、ギ酸を0.16g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.08gを加えて、本発明の化粧板用樹脂組成物(10)を調製した。
【0060】
実施例9
化粧板用樹脂組成物(11)
製造例6で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−6)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として2−ヒドロキシエチルメタクリレート24.1gとイソブチルメタクリレートを4.3g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを14.3g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.24g、アセトブチロラクトンを0.12g、ギ酸を0.16g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.08gを加えて、本発明の化粧板用樹脂組成物(11)を調製した。
【0061】
実施例10
化粧板用樹脂組成物(12)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレートを21.5g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを3.5g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.09gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.20g、アセトブチロラクトンを0.10g、ギ酸を0.13g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン0.9gを加えて、本発明の化粧板用樹脂組成物(12)を調製した。
【0062】
実施例11
化粧板用樹脂組成物(13)
実施例6で、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレート8.0gを1,4−ブタンジオールジメタクリレート8.0gとする以外は同じ方法で、本発明の化粧板用樹脂組成物(13)を調製した。
【0063】
比較例3
化粧板用樹脂組成物(14)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレートを55.8g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを32.1g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.13gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.30g、アセトブチロラクトンを0.15g、ギ酸を0.20g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.35gを加えて、化粧板用樹脂組成物(14)を調製した。
【0064】
比較例4
化粧板用樹脂組成物(15)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.07gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.16g、アセトブチロラクトンを0.08g、ギ酸を0.11g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン0.72gを加えて、化粧板用樹脂組成物(15)を調製した。
【0065】
比較例5
化粧板用樹脂組成物(16)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)としてイソブチルメタクリレートを7.1g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてネオペンチルグリコールジメタクリレートを24.5g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.09gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.21g、アセトブチロラクトンを0.11g、ギ酸を0.14g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン0.95gを加えて、化粧板用樹脂組成物(16)を調製した。
【0066】
比較例6
化粧板用樹脂組成物(17)
比較例5で、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として用いたイソブチルメタクリレートを31.6gとし、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)を用いない以外は同じ方法で、化粧板用樹脂組成物(17)を調製した。
【0067】
比較例7
化粧板用樹脂組成物(18)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル樹脂(a−1)100gに、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを21.5g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてポリエチレングリコール#200ジメタクリレートを22.0g添加した。これにパラフィンワックスPWA−130及びPWA−145をそれぞれ0.10gずつ溶解し、さらに、N,N−ジメチルアセトアセトアミド0.23g、アセトブチロラクトンを0.11g、ギ酸を0.15g及び6%ナフテン酸コバルトミネラルターペン1.03gを加えて、化粧板用樹脂組成物(18)を調製した。
【0068】
比較例8
化粧板用樹脂組成物(19)
比較例7で、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)として2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを42.0g、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)としてポリエチレングリコール#200ジメタクリレートを1.4g添加する以外は同じ方法で、化粧板用樹脂組成物(19)を調製した。
【0069】
化粧板の製造
各種試験に用いる化粧板は、以下に示す方法で製造した。実施例4で得られた化粧板用樹脂組成物(6)100gに40%メチルエ チルケトンパーオキサイド(日本油脂商品名:パーメックN)1.0gを加えてよく混合し、10cm×30cmの大きさの紙張り合板の上に8gを載せ、上からビニロンフィルムを被せた後、その上からゴムローラーで樹脂を均一に延ばし、含浸、脱泡した後、ビニロンフィルムを40%メチルエチルケトンパーオキサイド添加後60分経過してから剥がし化粧板(A−6)を得た。実施例5〜11及び比較例3〜8で得られた化粧板用樹脂組成物(7)〜(19)についても、以下同様の方法で化粧板(A−7〜A−19)を作製した。
【0070】
各試験の測定方法について、以下に示す。
(1)化粧板用樹脂組成物の外観色
(2)粘度
(3)25℃常温ゲル化時間
JIS K6901に準拠して、化粧板用樹脂組成物の外観色、粘度及び25℃常温ゲル化時間を測定した。
(4)フィルム剥離性
ビニロンフィルムを剥がす際の剥がしやすさを評価した。
(5)化粧板耳部の表面乾燥性
ビニロンフィルムを剥がして得られた化粧板端部の化粧紙(耳部)に付着した化粧板用樹脂組成物のべたつきの有無を指触評価した。
(6)鉛筆硬度
化粧板作製後、25℃の温度で24時間放置した後、JIS K5400に準拠して
化粧板表面の鉛筆硬度を測定した。
表2に検討結果をまとめて示す。
【0071】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割合で含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)を必須成分とする化粧板用樹脂組成物。
【化1】

(式中R1は水素原子またはメチル基。R2は直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表す。)
【請求項2】
重合性不飽和多塩基酸に起因する不飽和基1つ当たりの分子量が160〜400の割合で含有する不飽和ポリエステル樹脂(a)の配合量をa重量部、常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)の配合量をb重量部、1分子に化1で表される(メタ)アクリロイル基を2つ有し、かつ、分子量が1000以下である(メタ)アクリレート系重合性化合物(c)の配合量をc重量部とするとき、数1の(1)及び(2)を満足する範囲で含有して得られることを特徴とする請求項1記載の化粧板用樹脂組成物。
【数1】

【請求項3】
常圧における沸点が150℃以上で、かつ、急性経口毒性が5000mg/kg以上である1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレート系重合性単量体(b)が2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシプロピルメタクリレートである請求項1または2記載の化粧板用樹脂組成物。
【請求項4】
化粧紙を有する基材の上に、請求項1〜3記載の化粧板用樹脂組成物を塗布した後、フィルムを塗布面に密着させてローラーで化粧板用樹脂組成物を均一に広げながら気泡を除去し、化粧板用樹脂組成物が硬化した後にフィルムを剥がすことにより得られる化粧板。


【公開番号】特開2006−176715(P2006−176715A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373367(P2004−373367)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】