医用画像フィルミング装置およびその方法
【課題】 患者の関心部位を撮影した一連の複数画像からなるシリーズ画像を配置する行と列からなるマトリックス状のレイアウト及び前記シリーズ画像の配置方向を自動的に決定して、前記レイアウトの設定及び画像配置の手間を省くと共に読影が容易な医用画像フィルミング装置およびその方法を提供する。
【解決手段】 患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースの患者リストから画像をフィルミングする対象患者を指定する(ステップS1,S2)。この指定した患者のシリーズ画像を前記データベースから選択し(ステップS3)、この選択したシリーズ画像の撮影部位に対応するレイアウトを前記データベースから取得して(ステップS4)、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する(ステップS5)。この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置して(ステップS6)、医用画像をフィルミングする。
【解決手段】 患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースの患者リストから画像をフィルミングする対象患者を指定する(ステップS1,S2)。この指定した患者のシリーズ画像を前記データベースから選択し(ステップS3)、この選択したシリーズ画像の撮影部位に対応するレイアウトを前記データベースから取得して(ステップS4)、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する(ステップS5)。この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置して(ステップS6)、医用画像をフィルミングする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置で撮影された複数枚の画像をフィルミングする医用画像フィルミング装置およびその方法に関し、特に時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚のシリーズ画像を容易に比較検討できるようにするための医用画像フィルミング装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療施設では、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置で被検者の関心部位を連続する多数の断層画像をシリーズデータとして撮影し(以下、これらの画像をシリーズ画像と呼ぶ)、前記シリーズ画像を一枚のフィルム上に露光記録し、それを読影医が観察することによって診断している。
【0003】
この場合、時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために、前記シリーズ画像を並列に配置する方法をとっている。
例えば、造影検査などのように同じ位置で時相を変えて撮影を実施した場合、造影剤を使用していない撮影画像と造影剤を使用した撮影画像とをフィルム上に並べて配置したり、造影フェーズの異なる撮影画像をフィルム上に並べて配置する。
これに対して、造影しない検査のように、時相に無関係な撮影を実施した場合は、走査順にシリーズ画像をフィルム上に配置している。
【0004】
このように、読影医が読影しやすいようにするためには、フィルム上に撮影条件の異なるシリーズ画像を並列に配置する必要がある。
この要求に対して、時間的、あるいは位置的に連続して撮像した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために、複数枚の画像を一枚のフィルム上に露光記録する際の編集作業を容易にした医用画像診断装置が特許文献1に開示されている。
【0005】
この特許文献1に開示されている医用画像診断装置は、通信回線で接続されたX線CT装置やMRI装置等の医用画像診断装置とレーザ画像記録装置とから構成され、画像メモリに記憶されている前記医用画像診断装置で撮影した関心部位の一連の画像の中からフィルムに露光記録するための着目画像をマウスやキーボード等の入力装置で選択し、CRT表示器に前記選択された着目画像を配置したレイアウト画像を重ね合わせ表示する。この処理の過程において、前記入力装置で着目画像の格納指令、消去指令、露光指令が入力される。
前記格納指令に基づき、伝送された画像がレーザ画像記録装置の記録用メモリに格納され、消去指令に基づき該当画像が前記記録用メモリから消去され、露光記録指令に基づき、記録用メモリの内容がレーザ記録装置によってフィルム上に露光記録される。
前記着目画像には、時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために選択した画像も含まれる。
【特許文献1】特開平7-265271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されている医用画像のフィルミングには、オペレータの操作が多いため、以下の課題がある。
すなわち、フィルミングする画像の選択指示、フィルムに露光記録する画像を配置する行と列からなるマトリックスフォアマット(以下、レイアウトと呼ぶ)の設定指示、露光記録しようとする前記着目画像の格納指示、前記着目画像が不適当の場合の該着目画像の消去指示、この消去指示により消去された画像に替わる新たな着目画像の選択指示およびこの画像の格納指示、前記全ての着目画像が適当かどうかを判断し、前記レイアウトに配置した画像が適当であると判断した場合にフィルムに露光記録するプリント指示等、非常に多くの指示がオペレータに依存しており、前記指示に多大な手間を要すると共に指示ミスも懸念される。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであって、X線CT装置やMRI装置等で撮影した画像をフィルム等の記録媒体に記録するシリーズ画像を配置する画像配置レイアウト及び前記シリーズ画像の配置方向を該シリーズ画像の付帯情報から自動的に決定して、前記レイアウトの設定及び画像配置の手間を省くと共に読影が容易な医用画像フィルミング装置およびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の医用画像フィルミング装置及びその方法は、以下によって達成される。
(1)医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング装置であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースと、このデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する手段と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する手段と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する手段と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する手段とを備えて医用画像をフィルミングするものである。
【0009】
このように構成することにより、前記データベースを用いてフィルミングする画像の対象患者を指定することにより、画像配置レイアウト、このレイアウトにフィルミングするシリーズ画像の配置方向及びこの配置方向に基づいて前記レイアウトに画像が自動的に配置されるので、従来技術によるオペレータの各種設定、指示が非常に少なくなり、これによって画像配置の手間が大幅に低減される。
【0010】
前記指定した患者のシリーズ画像のシリーズ数が一つの場合は、前記シリーズ画像の走査順に前記レイアウトの行方向又は列方向に配置する。
【0011】
前記取得したレイアウトは前記部位別のレイアウトから取得したレイアウトであって、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が二つ以上の場合、スライス厚及び画像間隔が小さい方のシリーズ画像の画像を間引いて前記スライス厚及び画像間隔が最も大きい方のシリーズ画像の撮影位置に合わせる。
【0012】
このようにして複数のシリーズ画像の撮影位置を合わせ、前記取得したレイアウトの行数、列数及びシリーズ画像のシリーズ数から以下に基づいて画像の配置方向を決定し、画像を配置する。
1)前記取得したレイアウトの行数と列数が等しいレイアウトにおける前記選択したシリーズ画像の配置方向を、予め前記データベースに設定しておいた行方向か列方向かの優先度で決定する。
なお、前記レイアウトに空行又は空列が生じた場合は、これらの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置するようにすれば、フィルム等の記録媒体を有効に活用できる。
2)前記取得したレイアウトの行数と列数が前記シリーズ画像のシリーズ数の倍数の場合は、シリーズ数に近い行又は列の方向に画像を配置する。
3)前記取得したレイアウトの行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数の場合は、行方向に画像を配置する。
4)前記取得したレイアウトの列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数の場合は、列方向に画像を配置する。
【0013】
前記取得したレイアウトが前記のいずれにも該当しない場合は、予め前記データベースに設定したおいたレイアウト候補の中から選択し、前記1),2),3),4)の配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する。
前記レイアウト候補の中から選択したレイアウトに空行又は空列が生じた場合は、これらの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置しても良い。
また、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が2シリーズで、かつ前記2シリーズの画像を前記選択したレイアウトに配置できない場合は、前記レイアウトの左上から右下に向う方向に配置する。
【0014】
このように各シリーズ画像を配置することにより、例えば、造影検査における造影剤が有る画像と造影剤が無い画像、心臓検査の心電同期撮影における心拍のタイミングの相違の画像、治療前と治療後の同じ位置における画像等を自動的に並列に配置することができるようになり、画像配置の手間が省けると共に画像比較が容易となり読影医の読影効率の向上に寄与するものである。
【0015】
前記データベースから選択されたシリーズ画像にスキャノグラム画像を併置する場合は、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置するか、前記シリーズ画像の一列又は一行に配置する。
さらに、前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する。
このように、スキャノグラム画像をシリーズ画像に併置し、さらに前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインを該スキャノグラム上に描画することによって、撮影位置は一目瞭然となり、読影が容易になる。
【0016】
本発明の医用画像フィルミング方法は、医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング方法であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する工程と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する工程と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像の配置方向を決定する工程と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する工程と、からなる。
このような工程により、医用画像をフィルミングすることによって、画像配置レイアウトの設定及び画像配置の手間を省くと共に読影が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像及びその付帯情報と画像配置レイアウトを有するデータベースからシリーズ画像を配置するレイアウトを自動的に選択して前記シリーズ画像の配置方向及びこの配置方向に基づいて前記レイアウトに画像が自動的に配置されるので、従来技術によるオペレータの各種設定、指示がほとんどなく、画像配置の手間を大幅に低減することができる。
また、スキャノグラム画像をシリーズ画像に併置し、さらに前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインを該スキャノグラム上に描画することによって、撮影位置は一目瞭然となり、読影が容易になる。
このように各シリーズ画像を配置することにより、例えば、造影検査における造影剤が有る画像と造影剤が無い画像、心臓検査の心電同期撮影における心拍のタイミングの相違の画像、治療前と治療後の同じ位置における画像等を自動的に並列に配置することができるようになり、画像配置の手間が省けると共に画像比較が容易となり読影医の読影効率の向上大きくに寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る医用画像フィルミング装置及びその方法の好ましい実施の形態について、X線CT装置で撮影した画像のフィルミングを例にあげて、以下、添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明による医用画像フィルミング装置を画像診断装置(本実施例ではX線CT装置)あるいは医用画像ワークステーション1に搭載し、ネットワーク2を介してプリンタ3に接続した例を示す図である。
上記本発明の医用画像フィルミング装置4は、図2に示すように、画像診断装置あるいは医用画像ワークステーション1のハードディスク5またはメモリ6に格納されているシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報や前記シリーズ画像をフィルミングする撮影部位別のレイアウトを含むオペレータが選択可能なレイアウトを読み込み、前記シリーズ画像及び付帯情報からフィルミングデータを生成して前記レイアウトに前記シリーズ画像を配置し、これを前記ハードディスク5あるいはメモリ6に格納する。
【0020】
このようにして生成された前記フィルミングデータは、画像に変換して前記付帯情報と共に表示装置7に表示したり、あるいは前記プリンタ3に伝送しプリントして医師の読影に供するものである。
前記プリンタには、一般にレーザ画像記録装置(レーザイメージャーとも称される)が用いられ、この装置でフィルミングされた画像をフィルムに露光記録する方法が取られる。
【0021】
前記画像及び付帯情報は患者毎にデータベース化されて前記ハードディスク5あるいはメモリ6に格納されており、読影対象患者の画像フィルミング時は、前記データベースの患者リストを読み出し、このリストの中から前記患者を選択することにより自動的に前記患者の画像がフィルミングされる。
【0022】
前記画像には、被検者の関心部位を撮影した連続する多数の断層画像、撮影位置を決めるために撮影したスキャノグラム画像等があり、前記付帯情報には、撮影日時、撮影部位、X線出力、スライス厚、画像間隔(画像間の距離)、撮影サイズ、撮影枚数、シリーズ数(撮影部位における一連の多数の断層画像からなるシリーズの数)、造影剤の有無、スキャノグラム画像の位置、心電同期検査の有無等の情報がある。
【0023】
また、予め決めておき、これらをハードディスク5に記憶しておくものには、撮影部位毎に設定した画像配置レイアウト(例えば、画像記録媒体がフィルムの場合、このフィルムに配置するコマ様式は、図3に示すような行と列からなるマトリックスフォーマットで、以下、部位毎のレイアウトと呼ぶ場合がある)と、前記撮影部位毎の画像配置レイアウトが後述の画像配置方向ルール以外の場合に操作者に提示するレイアウト候補とがある。
さらに、前記レイアウトの行数と列数が等しい場合の画像の配置方向の優先度(行方向か列方向かの優先度)も前記データベースに入れておく。
【0024】
図4は、上記本発明の医用画像フィルミング装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
この医用画像フィルミング装置4は、各構成要素の動作を制御する中央処理装置(CPU)8と、本フィルミング装置の制御プログラム等を格納する主メモリ9と、表示用の画像データや付帯情報データを一時記憶する表示メモリ10と、表示装置7の画面上のソフトスイッチ(後述する)を操作するマウス11及びそのコントローラ12と、各種パラメータ設定用のキーやスイッチを備えたキーボード13と、上記各構成要素を接続する共通バス14とから構成される。
【0025】
前記構成のフィルミング装置4には、外部記憶装置としての上記のハードディスク5が接続され、このハードディスク5に格納されているフィルミングするための元となる画像データ及び付帯情報データとレイアウト等を前記主メモリ9に読み出してフィルミング処理を行ない、該処理された画像及び付帯情報データは前記表示メモリ10に格納されると共に必要に応じて前記ハードディク5にも格納される。
そして、前記表示メモリ10からの画像データや付帯情報データに対応した画像や付帯情報をCRTディスプレイなどの表示装置7に表示したり、あるいは前記プリンタ3に伝送してプリントする。
なお、本医用画像のフィルミングを実行するプログラムは、前記ハードディスク5に格納しておき、フィルミング装置4の起動時に上記CPU8で上記主メモリ9に読み出して、前記プログラムによりフィルミング処理を行う。
【0026】
本発明は、上記の医用画像フィルミング装置と後述のフィルミングソフトウェアを用いて、時間的、あるいは位置的に異なる画像を比較できるように画像記録媒体に並列表示して、読影医の読影を支援するもので、本実施形態では代表的なものとして下記の例を取り上げた。
(1)造影剤有無の画像フィルミング
1)造影剤無しにおける位置的相違の比較
2)造影剤有無の位置的及び時間的相違の比較
(2)スキャノグラム画像をシリーズ画像に対応付けし、該シリーズ画像の位置的相違の比較
(3)スライス厚、画像間隔の異なるシリーズ画像の位置的相違の比較
(4)心電同期撮影画像の時間的、位置的相違の比較
【0027】
《医用画像のフィルミング》
以下、上記(1)〜(4)の例について本発明による医用画像のフィルミングをフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0028】
[1]メインフローチャート
図5にメインフローチャートを示す。
本発明による医用画像のフィルミングは、患者情報からフィルミングするシリーズ画像を選択し(ステップS1,ステップS2,ステップS3)、この選択したステップシリーズ画像を記録媒体に配置するマトリックスフォアマット(以下、レイアウト又は画像配置レイアウトと呼び、これらは内容により使い分けて用いることにする)と前記シリーズ画像を前記レイアウトに配置する方向を決定し(ステップS4,S5)、前記決定したレイアウト及び配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する(ステップS6)工程とからなり、さらに前記レイアウトに配置した画像を記録媒体に記録、あるいは表示装置に表示して(ステップS7)、医師の診断に供与するものである。
以下、上記各ステップの順に詳細に説明する。
【0029】
[ステップS1]患者リスト表示
画像フィルミング装置4を起動し、ハードディスク5から主メモリ9にフィルミングプログラムを読み出し、図4の入力装置(マウス11、キーボード13)により患者リストを読み出してこれを表示装置7に表示する。
表示装置7には、図6に示すように、患者リストとフィルミングソフトスイッチが表示される。
【0030】
〔ステップS2〕画像フィルミング対象患者の指定
前記患者リストの中から画像をフィルミングする対象患者をマウス11で指定し、前記フィルミングソフトスイッチをクリックして患者を選択する。
さらに、スキャノグラム画像も併置して画像の撮影位置関係を示す必要がある場合には、操作者は前記情報をキーボード13から入力し、これを主メモリ9に記憶しておく。
さらにまた、後述のステップS4で決定したレイアウトの行数と列数が同じ場合、行方向と列方のどちらの方向に画像配置するか、その優先度も決めておく。
なお、前記スキャノグラム画像併置の要否及び前記優先度は、予め前記データベースに格納しておき、必要時に読み出して用いても良い。
【0031】
[ステップS3]フィルミング画像の選択
前記選択した患者のデータベースの撮影条件から撮影プロトコルを主メモリ9に読み込み、該撮影プロトコルからフィルミングする画像は、心電同期検査か、造影検査か等の検査条件を判断し、該検査条件の付帯情報からフィルミングする画像を選択する。なお、一人の患者の検査条件は一つの場合が多いが、複数の検査条件の画像を有する場合もあるので、この場合は前記検査条件を前記表示装置7に表示してマウス11又はキーボード13で前記検査条件を指定して、フィルミングする画像を選択する。
【0032】
[ステップS4]画像配置レイアウトの決定
前記患者のデータベースから前記選択したフィルミングする画像の撮影部位を取得し、この撮影部位に対応する画像配置のレイアウトを前記ハードディスク5に記憶してある撮影部位毎の画像配置レイアウトファイルから選択する。
前記画像配置レイアウトは、前記図3に示したように、行と列からなるマトリックスフォアマットで、例えば行方向の位置にシリーズデータの区分を設定し、列方向の位置に断層画像の連続方向での位置や時間を設定して、前記レイアウトに画像を配置する。
ここで、行方向とは、画像表示される線形な一つの方向であれば良く、列方向とは、画像表示される線形で行方向と直交した一つの方向であれば良い。
【0033】
〔ステップS5〕画像配置方向の決定
前記選択した撮影部位に対応する画像配置レイアウトの行数及び列数と前記撮影部位の画像のシリーズ数とを比較して画像配置レイアウトを決定する。
この画像配置レイアウトの決定方法、及び前記決定方法と異なるレイアウトを選択した場合、スキャノグラム画像との併置が必要な場合、あるいはフィルミングする画像のシリーズが一つの場合については、後述のサブフローチャートで詳細に説明する。
【0034】
[ステップS6]画像のフィルミング
前記決定したレイアウトと画像配置方向に基づいて、時間的、あるいは位置的に異なる画像を配置し、これにシリーズ番号や造影剤有無等の付帯情報を付与して画像をフィルミングする。
【0035】
[ステップS7]フィルミング画像等の記録、表示
前記フィルミングした画像、付帯情報を前記ハードディスク5に記憶したり、前記画像等を図4の表示メモリに記憶し、これを表示装置7に表示したり、図1に示したプリンタで記録媒体にプリントする。
前記記録媒体がフィルムの場合は、前記プリンタにフィルムに露光記録するレーザーイメージャーを用い、本発明の医用画像フィルミング装置から前記レーザーイメージャーに前記フィルミング画像等を伝送して前記フィルムに露光記録する。
【0036】
〔2〕サブフローチャート
図7は、上記ステップS4の画像配置レイアウトの決定からステップS6の画像のフィルミングまでの詳細なフローチャートで、上記ステップS2とS3で選択した患者及びフィルミング画像を用いて、以下の手順を踏んで医用画像をフィルミングする。
【0037】
〔ステップS4-1〕撮影部位の取得
ステップS3で選択したフィルミングするシリーズ画像の撮影部位を上記データベースから取得する。
【0038】
〔ステップS4-2〕部位レイアウトの取得
部位別のレイアウトが格納されている前記データベースのファイルから前記部位に対応するレイアウトを取得する。
【0039】
〔ステップS4-3〕シリーズ数の判定
ステップS3で選択したシリーズ画像のシリーズ数が単数か、二つ以上の複数かを判定し、単数の場合はステップS4-4に進み、複数の場合はステップS4-5に進む。
【0040】
〔ステップS4-4〕シリーズ数が単数の場合
この場合は、シリーズ画像を走査順に行方向又は列方向に配置する。
図8に行方向に配置した例を示す。
なお、図7のフローチャートでは省略したが、スキャノグラム画像との併置が必要な場合は、該スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置する。
【0041】
〔ステップS4-5〕複数のシリーズ画像のスライス厚、画像間隔の比較
各撮影シリーズで画像のスライス厚や画像間の距離(画像間隔)等が異なる場合、行方向あるいは列方向に並べた画像の位置が異なることがある。
そこで、各撮影シリーズでの撮影位置を合わせるために、前記スライス厚、画像間隔を比較し、これらが異なる場合はステップS4-6に、同じ場合はステップS4-7に進む。
【0042】
〔ステップS4-6〕スライス厚、画像間隔が異なる場合
スライス厚、画像間隔が異なる場合は、該スライス厚、画像間隔を最大のシリーズ画像に合わせるために画像を間引いて、画像の位置関係を同じにする。
図9にその一例を示す。この例において、シリーズ1はスライス厚が10mm、画像間隔が10mmの画像を10枚撮影したもの、、シリーズ2はスライス厚が5mm、画像間隔が5mmの画像を20枚撮影したもので、シリーズ1のスライス厚及び画像の間隔に合わせてシリーズ2の画像を10枚間引いたものである。
これにより、シリーズ1とシリーズ2の同じ位置の画像を隣接して配置することができ、画像の比較が容易になる。
【0043】
〔ステップS4-7〕取得したレイアウトへの画像配置方向の決定
ステップS4-2で取得レイアウトの行数、列数とステップS3で選択した画像のシリーズ数とを比較し、以下の手順で前記レイアウトへの画像の配置方向を決める。
【0044】
〔ステップS4-8〕レイアウトの行数と列数が同じか
レイアウトの行数と列数が同じ場合はステップS4-9に進み、異なる場合はステップS4-10に進む
【0045】
〔ステップS4-9〕レイアウトの行数と列数が同じ場合
ステップS2で操作者が設定した優先度で配置方向を決定する。
このレイアウトで空行又は空列ができる場合は、ここには三次元画像や断面変換画像(multi plannar reconstruction;MPR)などの解析画像を配置することができるようにするという意図を含んでおり、記録媒体を有効に活用することができる。
図10は、4行×4列のレイアウトの例で、行方向の位置にシリーズデータの区分を設定し、列方向の位置に断層画像の連続方向での位置や時間を設定した例である。
この例では、シリーズ数が3であるので、1列の空列ができるのが、この列には前記解析画像を配置する。
【0046】
〔ステップS4-10〕行数と列数がシリーズ数の倍数か
レイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数の場合はステップS4-11に進み、異なる場合はステップS4-12に進む
【0047】
〔ステップS4-11〕行数と列数がシリーズ数の倍数の場合
画像の配置方向をシリーズ数に近い方にする。図11に一例を示す。
この例は、レイアウトの行列数は4行×2列、シリーズ数が2で、行数、列数共にシリーズ数の倍数であるが、列数がシリーズ数と同じであるので列方向に画像は配置される。
【0048】
〔ステップS4-12〕行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数か
行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数かを比較し、倍数の場合はステップS4-13に進み、倍数でない場合はステップS4-14に進む。
【0049】
〔ステップS4-13〕行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数
画像の配置方向を行方向にする。図12(a)に一例を示す。
レイアウトの行列数は3行×4列で、シリーズ数が3の場合であるので、シリーズ数は行数の一倍であるために画像の配置方向は行方向となる。
【0050】
〔ステップS4-14〕列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数か
列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数かを比較し、倍数の場合はステップS4-15に進み、倍数でない場合はステップS4-16に進む。
【0051】
〔ステップS4-15〕列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数
画像の配置方向を列方向にする。図12(b)に一例を示す。
レイアウトの行列数は4行×3列で、シリーズ数が3の場合であるので、シリーズ数は列数の一倍であるために画像の配置方向は列方向となる。
【0052】
〔ステップS4-16〕レイアウト候補の提示
取得した部位レイアウトが前記ステップS4-8〜S4-15のルールに該当しない場合がある。すなわち、部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方及び該行数、列数のいずれもがシリーズ数の倍数でない場合は、オペレータにいくつかのレイアウトの候補を前記データベースから読み出して、これを表示装置7に表示する。
例えば、図13(a)に示すように、シリーズ数が3で、取得したレイアウトが5行×4列の場合、行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数のいずれもがシリーズ数の倍数でないので、図13(b)に示すようなレイアウトの候補をハードディスク5から読み出し、これを表示装置7に表示する。
【0053】
〔ステップS4-17〕レイアウトの選択
ステップS4-16で表示装置7に表示したレイアウトの候補の中から適当なレイアウトを選択する。
表示装置7に表示された図13(b)は、左側にはレイアウトの行列数を、右側には選択されたレイアウト図を示している。
レイアウトの候補として、1のグループには列数がシリーズ数の倍数となる5行×3列と5行×6列、2のグループには行数がシリーズ数の倍数となる6行×4列と3行×4列、3のグループには行数と列数のいずれもがシリーズ数の倍数ではない5行×4列(部位毎に設定しておいたレイアウト)とが表示されており、この中から操作者がレイアウトを選択するもので、例えば1のグループの5行×3列をマウス11で選択し、ソフトスイッチOKをクリックすると、同図に示すように5行×3列のレイアウト画面が表示される。
この場合、操作者が選択するレイアウトの統計を随時とっておき、選択した回数の多いものから順に表示したり、最初に表示するレイアウトを予め決めておき、このレイアウトを表示することによってレイアウトの視認性が高まり、操作性の向上を図ることができる。
【0054】
〔ステップS4-18〕画像配置方向の決定
上記ステップS4-17で選択したレイアウトに画像を配置する方向は、上記ステップS4-8〜S4-15のルールに従う。
図13(b)で5行×3列のレイアウトを選択した場合は、画像の配置方向は列方向となる。
なお、操作者がステップS4-8〜S4-15のルール以外のレイアウトを選択した場合は、シリーズ数に近い方向(シリーズ数が行数に近ければ行方向に、シリーズ数が列数に近ければ列方向)に画像を配置する。
例えば、図13(b)の3のグループの5行×4列のレイアウトを選択した場合は、シリーズ数(3シリーズ)が列数(4列)に近いので画像の配置方向は列方向となる。
この例を図14に示す。この例では、1列の空列ができるが、ここにはステップS4-9で説明したように、三次元画像やMPR画像などの解析画像を配置しても良い。
なお、シリーズ数が2シリーズ、全画像をオペレータが選択したレイアウトに配置でき、かつ上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない場合の画像配置方向は、レイアウトの左上から右下に向う方向とする。
【0055】
〔ステップS4-19〕スキャノグラム画像併置の要否
上記各ステップを経て決定したレイアウトに画像を配置する際、ステップS1で入力しておいたスキャノグラム画像併置の情報又は前記データベースの情報を主メモリ9に読み出し、前記情報からスキャノグラム画像併置の要否を判断する。
スキャノグラム画像の併置が必要な場合は、下記のステップS4-20、あるいはステップS4-21でシリーズ画像に併置する。
【0056】
〔ステップS4-20〕各シリーズの先頭又は末尾に配置
スキャノグラム画像を各シリーズの先頭又は末尾に配置する。
【0057】
〔ステップS4-21〕一列又は一行に配置
スキャノグラム画像を一列又は一行に配置する。
【0058】
このように、スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する。
これにより、画像の撮影位置が一目瞭然となる。
【0059】
以上によって決定したレイアウト、配置方向に基づいてシリーズ画像を配置する。
【0060】
《フィルミング画像例》
以上に述べた画像配置例に加え、本発明でフィルミングした主な画像配置例について説明する。
なお、以下の画像例におけるスキャノグラム画像の併置については、この併置を設定した場合のみ画像配置の要件とする。
【0061】
〔画像配置例1〕図15
撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無しの2シリーズ、取得したレイアウトは5行×3列であるので、上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない。
したがって、シリーズ数は2シリーズであるので、ステップS4-18に基づき、画像の配置方向は左上から右下に向って走査する方向となる。
【0062】
〔画像配置例2〕図16
撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り1シリーズの2シリーズで、ステップS4-1、S4-2により取得したレイアウトは5行×4列である。
この場合は、列数がシリーズ数の倍数であるので、配置方向は列方向となる(ステップS4-15)。なお、次頁以降(記録媒体が2つ以上の場合)にも配置する画像がある場合は、上記と同様の方法で画像を配置する。
図16において、左端の列には造影無しのシリーズ画像1〜5、左から2番目の列には造影有りのシリーズ画像1〜5、右から2番目の列には造影無しのシリーズ画像6〜9、右端の列には造影有りのシリーズ画像6〜9の配置例である。
【0063】
〔画像配置例3〕図17
撮影部位は腹部で、図17(a)に示すように、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り2シリーズの3シリーズ、取得したレイアウトは5行×4列であり、
レイアウトの行数と列数は等しくなく、シリーズ数も行数、列数のいずれの倍数でもない。すなわち、上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない。
したがって、図17(b)に示すように、表示装置7にレイアウト選択画面を表示する。この選択画面には、過去に選択したレイアウトの頻度が高い、5行×4列、5行×3列、6行×4列、3行×4列、5行×6列の順に並べ、この中から5行×4列を選択した例である(ステップS4-16からS4-18)。
このように、表示装置7に選択したレイアウトを表示することによりレイアウトを視覚的に認識できるようになる。
この選択したレイアウトに、図17(c)に示すように、画像をサムネイル表示することにより画像配置はより具体的になる。
図17(c)において、左端の列には造影無しのシリーズ1、左から2番目の列には造影有りのシリーズ2、右から2番目の列には造影有りのシリーズ3の画像を配置している。なお、右端は空列となるが、この列には三次元画像や断面変換画像などの解析画像を配置しても良い。
【0064】
〔画像配置例4〕図18、図19
ステップS1で入力しておいたスキャノグラム画像併置の情報又は前記データベースの情報を主メモリ9に読み出し、前記情報からスキャノグラム画像併置要の場合の画像配置例を図18、図19に示す。
図18は、シリーズ数が3で、4行×3列のレイアウトにスキャノグラム画像を併置した例である。
この例では、スキャノグラム画像を各シリーズの先頭に配置し、そのシリーズのスライスラインを表示している。
この配置例において、スキャノグラム画像に表示するスライスラインは、各シリーズの画像をレイアウトに配置する画像のみとする。
これは、操作者が画像を削除したり、ステップS4-6によって自動的に画像が間引かれたり(後述の画像配置例5で詳述)、一定間隔でスキップして画像を配置するなどの方法により、記録媒体に配置しない画像がある場合には、その画像のスライスラインをスキャノグラム画像に表示しないためである。
図19は、シリーズ数が3で、5行×4列のレイアウトにスキャノグラム画像を併置した例である。
この例では、スキャノグラム画像を左端の一列に配置し、前記スキャノグラム画像の右側に配置する3シリーズの画像のスライスラインをスキャノグラム画像上に表示している。
【0065】
上記の例のように、シリーズ画像とスキャノグラム画像を併置し、該スキャノグラム画像上にスライスラインを表示することにより、シリーズの各画像の撮影位置は一目瞭然となる。
【0066】
〔画像配置例5〕図9
スライス厚、画像間隔が異なる場合は、ステップS4-6で説明したように、該スライス厚、画像間隔を最大のシリーズ画像に合わせるために画像を間引いて、画像の位置関係を同じにする。
図9に示した例は、2シリーズ、5行×4列のレイアウトにシリーズ2の画像を間引いてシリーズ1のスライス厚及び画像の間隔に合わせて配置したものである。これにより、シリーズ1とシリーズ2の同じ位置の画像を隣接して配置することができ、画像の比較が容易になる。
【0067】
〔画像配置例6〕図20
図20は、心臓検査において、心拍の周期毎に該心拍のタイミングの異なる画像をシリーズ画像として配置した例である。
前記心拍のタイミングには、図21(a)に示す心時相・絶対値法と、図21(b)に示す心時相・相対値法とがある。
心時相・絶対値法は、心電波形の特徴点の一つであるR点からの時間の絶対値で表わすものであり、図21(a)に示すように、例えばR点から200ms手前(-200ms)と、R点から600ms手前(-600ms)におけるタイミングで撮影するものである。
これに対して、心時相・相対値法は、図21(b)に示すように、撮影タイミングを心拍周期の相対値で表わすもので、例えばR点から心拍周期の40%のタイミングと、80%のタイミングで撮影するものである。
図20(a)は、心時相・絶対値法で撮影したシリーズ画像の配置例で、シリーズ数はシリーズ1(-600ms)とシリーズ2(-200ms)の2シリーズ、レイアウトは5行×4列の場合である。
この場合は、シリーズ数が列数の倍数であるので、画像の配置方向は列方向となり、左端にはシリーズ1の画像1〜5、左端から2番目の列にはシリーズ2の画像1〜5、右端から2番目にはシリーズ1の画像6〜10、右端にはシリーズ2の画像6〜10が配置される。
図20(b)は、心時相・相対値法で撮影したシリーズ画像の配置例で、シリーズ数はシリーズ1(R-R40%)とシリーズ2(R-R80%)の2シリーズ、レイアウトは5行×4列の場合である。
この場合もシリーズ数が列数の倍数であるので、画像の配置方向は列方向となり、左端にはシリーズ1の画像1〜5、左端から2番目の列にはシリーズ2の画像1〜5、右端から2番目にはシリーズ1の画像6〜10、右端にはシリーズ2の画像6〜10が配置される。
このように、異なるタイミングで撮影した画像を隣接して配置することによって、心拍のタイミングの相違による画像の比較が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による医用画像フィルミング装置を画像診断装置あるいは医用画像ワークステーションに搭載し、ネットワークを介してプリンタに接続した例を示す図。
【図2】本発明による医用画像フィルミング装置と画像診断装置あるいは医用画像ワークステーションのハードディスクまたはメモリ及び表示装置との接続関係を示す図。
【図3】行と列からなるマトリックスフォアマットによる画像配置レイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の医用画像フィルミング装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】本発明による医用画像のフィルミング処理を実行するソフトウェアのメインフローチャート図。
【図6】患者リストの表示例を示す図。
【図7】本発明による医用画像のフィルミング処理を実行するソフトウェアのサブフローチャート図。
【図8】シリーズ画像のシリーズ数が単数の場合における画像配置例。
【図9】画像を間引いて撮影位置を合わせた画像配置例。
【図10】レイアウトの行数と列数が同じ場合の画像配置例。
【図11】レイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例。
【図12】(a)は行数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例、(b)は列数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例。
【図13】部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方若しくはいずれか一方がシリーズ数の倍数でない場合のレイアウトの選択例。
【図14】部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方及び該行数、列数のいずれもがシリーズ数の倍数でない場合の レイアウトを選択し、このレイアウトに画像を配置した例。
【図15】撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無しの2シリーズ、取得したレイアウトは5行×3列における画像配置例。
【図16】撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り1シリーズの2シリーズで、5行×4列のレイアウトに画像を配置した例。
【図17】撮影部位は腹部で、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り2シリーズの3シリーズ、取得した5行×4列のレイアウトへの画像配置例。
【図18】スキャノグラム画像を各シリーズの先頭に配置し、そのシリーズのスライスラインを表示した例。
【図19】スキャノグラム画像を一列に配置し、行方行の各シリーズ画像のスライスラインを表示した例。
【図20】心臓検査における心拍タイミングの異なる画像をシリーズ画像として配置した例。
【図21】心拍のタイミングを示す心時相・絶対値法と心時相・相対値法の説明図。
【符号の説明】
【0069】
1 画像診断装置又は画像ワークステーション、2 ネットワーク、3 プリンタ、4 医用画像フィルミング装置、5 ハードディスク、6 メモリ、7 表示装置、8 中央処理装置(CPU)、9 主メモリ、10 表示メモリ、11 マウス、12 コントローラ、13 キーボード、14 共通バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置で撮影された複数枚の画像をフィルミングする医用画像フィルミング装置およびその方法に関し、特に時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚のシリーズ画像を容易に比較検討できるようにするための医用画像フィルミング装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医療施設では、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置で被検者の関心部位を連続する多数の断層画像をシリーズデータとして撮影し(以下、これらの画像をシリーズ画像と呼ぶ)、前記シリーズ画像を一枚のフィルム上に露光記録し、それを読影医が観察することによって診断している。
【0003】
この場合、時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために、前記シリーズ画像を並列に配置する方法をとっている。
例えば、造影検査などのように同じ位置で時相を変えて撮影を実施した場合、造影剤を使用していない撮影画像と造影剤を使用した撮影画像とをフィルム上に並べて配置したり、造影フェーズの異なる撮影画像をフィルム上に並べて配置する。
これに対して、造影しない検査のように、時相に無関係な撮影を実施した場合は、走査順にシリーズ画像をフィルム上に配置している。
【0004】
このように、読影医が読影しやすいようにするためには、フィルム上に撮影条件の異なるシリーズ画像を並列に配置する必要がある。
この要求に対して、時間的、あるいは位置的に連続して撮像した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために、複数枚の画像を一枚のフィルム上に露光記録する際の編集作業を容易にした医用画像診断装置が特許文献1に開示されている。
【0005】
この特許文献1に開示されている医用画像診断装置は、通信回線で接続されたX線CT装置やMRI装置等の医用画像診断装置とレーザ画像記録装置とから構成され、画像メモリに記憶されている前記医用画像診断装置で撮影した関心部位の一連の画像の中からフィルムに露光記録するための着目画像をマウスやキーボード等の入力装置で選択し、CRT表示器に前記選択された着目画像を配置したレイアウト画像を重ね合わせ表示する。この処理の過程において、前記入力装置で着目画像の格納指令、消去指令、露光指令が入力される。
前記格納指令に基づき、伝送された画像がレーザ画像記録装置の記録用メモリに格納され、消去指令に基づき該当画像が前記記録用メモリから消去され、露光記録指令に基づき、記録用メモリの内容がレーザ記録装置によってフィルム上に露光記録される。
前記着目画像には、時間的、あるいは位置的に連続して撮影した関心部位の複数枚の画像を容易に比較検討できるようにするために選択した画像も含まれる。
【特許文献1】特開平7-265271号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されている医用画像のフィルミングには、オペレータの操作が多いため、以下の課題がある。
すなわち、フィルミングする画像の選択指示、フィルムに露光記録する画像を配置する行と列からなるマトリックスフォアマット(以下、レイアウトと呼ぶ)の設定指示、露光記録しようとする前記着目画像の格納指示、前記着目画像が不適当の場合の該着目画像の消去指示、この消去指示により消去された画像に替わる新たな着目画像の選択指示およびこの画像の格納指示、前記全ての着目画像が適当かどうかを判断し、前記レイアウトに配置した画像が適当であると判断した場合にフィルムに露光記録するプリント指示等、非常に多くの指示がオペレータに依存しており、前記指示に多大な手間を要すると共に指示ミスも懸念される。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであって、X線CT装置やMRI装置等で撮影した画像をフィルム等の記録媒体に記録するシリーズ画像を配置する画像配置レイアウト及び前記シリーズ画像の配置方向を該シリーズ画像の付帯情報から自動的に決定して、前記レイアウトの設定及び画像配置の手間を省くと共に読影が容易な医用画像フィルミング装置およびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の医用画像フィルミング装置及びその方法は、以下によって達成される。
(1)医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング装置であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースと、このデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する手段と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する手段と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する手段と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する手段とを備えて医用画像をフィルミングするものである。
【0009】
このように構成することにより、前記データベースを用いてフィルミングする画像の対象患者を指定することにより、画像配置レイアウト、このレイアウトにフィルミングするシリーズ画像の配置方向及びこの配置方向に基づいて前記レイアウトに画像が自動的に配置されるので、従来技術によるオペレータの各種設定、指示が非常に少なくなり、これによって画像配置の手間が大幅に低減される。
【0010】
前記指定した患者のシリーズ画像のシリーズ数が一つの場合は、前記シリーズ画像の走査順に前記レイアウトの行方向又は列方向に配置する。
【0011】
前記取得したレイアウトは前記部位別のレイアウトから取得したレイアウトであって、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が二つ以上の場合、スライス厚及び画像間隔が小さい方のシリーズ画像の画像を間引いて前記スライス厚及び画像間隔が最も大きい方のシリーズ画像の撮影位置に合わせる。
【0012】
このようにして複数のシリーズ画像の撮影位置を合わせ、前記取得したレイアウトの行数、列数及びシリーズ画像のシリーズ数から以下に基づいて画像の配置方向を決定し、画像を配置する。
1)前記取得したレイアウトの行数と列数が等しいレイアウトにおける前記選択したシリーズ画像の配置方向を、予め前記データベースに設定しておいた行方向か列方向かの優先度で決定する。
なお、前記レイアウトに空行又は空列が生じた場合は、これらの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置するようにすれば、フィルム等の記録媒体を有効に活用できる。
2)前記取得したレイアウトの行数と列数が前記シリーズ画像のシリーズ数の倍数の場合は、シリーズ数に近い行又は列の方向に画像を配置する。
3)前記取得したレイアウトの行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数の場合は、行方向に画像を配置する。
4)前記取得したレイアウトの列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数の場合は、列方向に画像を配置する。
【0013】
前記取得したレイアウトが前記のいずれにも該当しない場合は、予め前記データベースに設定したおいたレイアウト候補の中から選択し、前記1),2),3),4)の配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する。
前記レイアウト候補の中から選択したレイアウトに空行又は空列が生じた場合は、これらの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置しても良い。
また、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が2シリーズで、かつ前記2シリーズの画像を前記選択したレイアウトに配置できない場合は、前記レイアウトの左上から右下に向う方向に配置する。
【0014】
このように各シリーズ画像を配置することにより、例えば、造影検査における造影剤が有る画像と造影剤が無い画像、心臓検査の心電同期撮影における心拍のタイミングの相違の画像、治療前と治療後の同じ位置における画像等を自動的に並列に配置することができるようになり、画像配置の手間が省けると共に画像比較が容易となり読影医の読影効率の向上に寄与するものである。
【0015】
前記データベースから選択されたシリーズ画像にスキャノグラム画像を併置する場合は、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置するか、前記シリーズ画像の一列又は一行に配置する。
さらに、前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する。
このように、スキャノグラム画像をシリーズ画像に併置し、さらに前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインを該スキャノグラム上に描画することによって、撮影位置は一目瞭然となり、読影が容易になる。
【0016】
本発明の医用画像フィルミング方法は、医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング方法であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する工程と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する工程と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像の配置方向を決定する工程と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する工程と、からなる。
このような工程により、医用画像をフィルミングすることによって、画像配置レイアウトの設定及び画像配置の手間を省くと共に読影が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像及びその付帯情報と画像配置レイアウトを有するデータベースからシリーズ画像を配置するレイアウトを自動的に選択して前記シリーズ画像の配置方向及びこの配置方向に基づいて前記レイアウトに画像が自動的に配置されるので、従来技術によるオペレータの各種設定、指示がほとんどなく、画像配置の手間を大幅に低減することができる。
また、スキャノグラム画像をシリーズ画像に併置し、さらに前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインを該スキャノグラム上に描画することによって、撮影位置は一目瞭然となり、読影が容易になる。
このように各シリーズ画像を配置することにより、例えば、造影検査における造影剤が有る画像と造影剤が無い画像、心臓検査の心電同期撮影における心拍のタイミングの相違の画像、治療前と治療後の同じ位置における画像等を自動的に並列に配置することができるようになり、画像配置の手間が省けると共に画像比較が容易となり読影医の読影効率の向上大きくに寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る医用画像フィルミング装置及びその方法の好ましい実施の形態について、X線CT装置で撮影した画像のフィルミングを例にあげて、以下、添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明による医用画像フィルミング装置を画像診断装置(本実施例ではX線CT装置)あるいは医用画像ワークステーション1に搭載し、ネットワーク2を介してプリンタ3に接続した例を示す図である。
上記本発明の医用画像フィルミング装置4は、図2に示すように、画像診断装置あるいは医用画像ワークステーション1のハードディスク5またはメモリ6に格納されているシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報や前記シリーズ画像をフィルミングする撮影部位別のレイアウトを含むオペレータが選択可能なレイアウトを読み込み、前記シリーズ画像及び付帯情報からフィルミングデータを生成して前記レイアウトに前記シリーズ画像を配置し、これを前記ハードディスク5あるいはメモリ6に格納する。
【0020】
このようにして生成された前記フィルミングデータは、画像に変換して前記付帯情報と共に表示装置7に表示したり、あるいは前記プリンタ3に伝送しプリントして医師の読影に供するものである。
前記プリンタには、一般にレーザ画像記録装置(レーザイメージャーとも称される)が用いられ、この装置でフィルミングされた画像をフィルムに露光記録する方法が取られる。
【0021】
前記画像及び付帯情報は患者毎にデータベース化されて前記ハードディスク5あるいはメモリ6に格納されており、読影対象患者の画像フィルミング時は、前記データベースの患者リストを読み出し、このリストの中から前記患者を選択することにより自動的に前記患者の画像がフィルミングされる。
【0022】
前記画像には、被検者の関心部位を撮影した連続する多数の断層画像、撮影位置を決めるために撮影したスキャノグラム画像等があり、前記付帯情報には、撮影日時、撮影部位、X線出力、スライス厚、画像間隔(画像間の距離)、撮影サイズ、撮影枚数、シリーズ数(撮影部位における一連の多数の断層画像からなるシリーズの数)、造影剤の有無、スキャノグラム画像の位置、心電同期検査の有無等の情報がある。
【0023】
また、予め決めておき、これらをハードディスク5に記憶しておくものには、撮影部位毎に設定した画像配置レイアウト(例えば、画像記録媒体がフィルムの場合、このフィルムに配置するコマ様式は、図3に示すような行と列からなるマトリックスフォーマットで、以下、部位毎のレイアウトと呼ぶ場合がある)と、前記撮影部位毎の画像配置レイアウトが後述の画像配置方向ルール以外の場合に操作者に提示するレイアウト候補とがある。
さらに、前記レイアウトの行数と列数が等しい場合の画像の配置方向の優先度(行方向か列方向かの優先度)も前記データベースに入れておく。
【0024】
図4は、上記本発明の医用画像フィルミング装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
この医用画像フィルミング装置4は、各構成要素の動作を制御する中央処理装置(CPU)8と、本フィルミング装置の制御プログラム等を格納する主メモリ9と、表示用の画像データや付帯情報データを一時記憶する表示メモリ10と、表示装置7の画面上のソフトスイッチ(後述する)を操作するマウス11及びそのコントローラ12と、各種パラメータ設定用のキーやスイッチを備えたキーボード13と、上記各構成要素を接続する共通バス14とから構成される。
【0025】
前記構成のフィルミング装置4には、外部記憶装置としての上記のハードディスク5が接続され、このハードディスク5に格納されているフィルミングするための元となる画像データ及び付帯情報データとレイアウト等を前記主メモリ9に読み出してフィルミング処理を行ない、該処理された画像及び付帯情報データは前記表示メモリ10に格納されると共に必要に応じて前記ハードディク5にも格納される。
そして、前記表示メモリ10からの画像データや付帯情報データに対応した画像や付帯情報をCRTディスプレイなどの表示装置7に表示したり、あるいは前記プリンタ3に伝送してプリントする。
なお、本医用画像のフィルミングを実行するプログラムは、前記ハードディスク5に格納しておき、フィルミング装置4の起動時に上記CPU8で上記主メモリ9に読み出して、前記プログラムによりフィルミング処理を行う。
【0026】
本発明は、上記の医用画像フィルミング装置と後述のフィルミングソフトウェアを用いて、時間的、あるいは位置的に異なる画像を比較できるように画像記録媒体に並列表示して、読影医の読影を支援するもので、本実施形態では代表的なものとして下記の例を取り上げた。
(1)造影剤有無の画像フィルミング
1)造影剤無しにおける位置的相違の比較
2)造影剤有無の位置的及び時間的相違の比較
(2)スキャノグラム画像をシリーズ画像に対応付けし、該シリーズ画像の位置的相違の比較
(3)スライス厚、画像間隔の異なるシリーズ画像の位置的相違の比較
(4)心電同期撮影画像の時間的、位置的相違の比較
【0027】
《医用画像のフィルミング》
以下、上記(1)〜(4)の例について本発明による医用画像のフィルミングをフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0028】
[1]メインフローチャート
図5にメインフローチャートを示す。
本発明による医用画像のフィルミングは、患者情報からフィルミングするシリーズ画像を選択し(ステップS1,ステップS2,ステップS3)、この選択したステップシリーズ画像を記録媒体に配置するマトリックスフォアマット(以下、レイアウト又は画像配置レイアウトと呼び、これらは内容により使い分けて用いることにする)と前記シリーズ画像を前記レイアウトに配置する方向を決定し(ステップS4,S5)、前記決定したレイアウト及び配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する(ステップS6)工程とからなり、さらに前記レイアウトに配置した画像を記録媒体に記録、あるいは表示装置に表示して(ステップS7)、医師の診断に供与するものである。
以下、上記各ステップの順に詳細に説明する。
【0029】
[ステップS1]患者リスト表示
画像フィルミング装置4を起動し、ハードディスク5から主メモリ9にフィルミングプログラムを読み出し、図4の入力装置(マウス11、キーボード13)により患者リストを読み出してこれを表示装置7に表示する。
表示装置7には、図6に示すように、患者リストとフィルミングソフトスイッチが表示される。
【0030】
〔ステップS2〕画像フィルミング対象患者の指定
前記患者リストの中から画像をフィルミングする対象患者をマウス11で指定し、前記フィルミングソフトスイッチをクリックして患者を選択する。
さらに、スキャノグラム画像も併置して画像の撮影位置関係を示す必要がある場合には、操作者は前記情報をキーボード13から入力し、これを主メモリ9に記憶しておく。
さらにまた、後述のステップS4で決定したレイアウトの行数と列数が同じ場合、行方向と列方のどちらの方向に画像配置するか、その優先度も決めておく。
なお、前記スキャノグラム画像併置の要否及び前記優先度は、予め前記データベースに格納しておき、必要時に読み出して用いても良い。
【0031】
[ステップS3]フィルミング画像の選択
前記選択した患者のデータベースの撮影条件から撮影プロトコルを主メモリ9に読み込み、該撮影プロトコルからフィルミングする画像は、心電同期検査か、造影検査か等の検査条件を判断し、該検査条件の付帯情報からフィルミングする画像を選択する。なお、一人の患者の検査条件は一つの場合が多いが、複数の検査条件の画像を有する場合もあるので、この場合は前記検査条件を前記表示装置7に表示してマウス11又はキーボード13で前記検査条件を指定して、フィルミングする画像を選択する。
【0032】
[ステップS4]画像配置レイアウトの決定
前記患者のデータベースから前記選択したフィルミングする画像の撮影部位を取得し、この撮影部位に対応する画像配置のレイアウトを前記ハードディスク5に記憶してある撮影部位毎の画像配置レイアウトファイルから選択する。
前記画像配置レイアウトは、前記図3に示したように、行と列からなるマトリックスフォアマットで、例えば行方向の位置にシリーズデータの区分を設定し、列方向の位置に断層画像の連続方向での位置や時間を設定して、前記レイアウトに画像を配置する。
ここで、行方向とは、画像表示される線形な一つの方向であれば良く、列方向とは、画像表示される線形で行方向と直交した一つの方向であれば良い。
【0033】
〔ステップS5〕画像配置方向の決定
前記選択した撮影部位に対応する画像配置レイアウトの行数及び列数と前記撮影部位の画像のシリーズ数とを比較して画像配置レイアウトを決定する。
この画像配置レイアウトの決定方法、及び前記決定方法と異なるレイアウトを選択した場合、スキャノグラム画像との併置が必要な場合、あるいはフィルミングする画像のシリーズが一つの場合については、後述のサブフローチャートで詳細に説明する。
【0034】
[ステップS6]画像のフィルミング
前記決定したレイアウトと画像配置方向に基づいて、時間的、あるいは位置的に異なる画像を配置し、これにシリーズ番号や造影剤有無等の付帯情報を付与して画像をフィルミングする。
【0035】
[ステップS7]フィルミング画像等の記録、表示
前記フィルミングした画像、付帯情報を前記ハードディスク5に記憶したり、前記画像等を図4の表示メモリに記憶し、これを表示装置7に表示したり、図1に示したプリンタで記録媒体にプリントする。
前記記録媒体がフィルムの場合は、前記プリンタにフィルムに露光記録するレーザーイメージャーを用い、本発明の医用画像フィルミング装置から前記レーザーイメージャーに前記フィルミング画像等を伝送して前記フィルムに露光記録する。
【0036】
〔2〕サブフローチャート
図7は、上記ステップS4の画像配置レイアウトの決定からステップS6の画像のフィルミングまでの詳細なフローチャートで、上記ステップS2とS3で選択した患者及びフィルミング画像を用いて、以下の手順を踏んで医用画像をフィルミングする。
【0037】
〔ステップS4-1〕撮影部位の取得
ステップS3で選択したフィルミングするシリーズ画像の撮影部位を上記データベースから取得する。
【0038】
〔ステップS4-2〕部位レイアウトの取得
部位別のレイアウトが格納されている前記データベースのファイルから前記部位に対応するレイアウトを取得する。
【0039】
〔ステップS4-3〕シリーズ数の判定
ステップS3で選択したシリーズ画像のシリーズ数が単数か、二つ以上の複数かを判定し、単数の場合はステップS4-4に進み、複数の場合はステップS4-5に進む。
【0040】
〔ステップS4-4〕シリーズ数が単数の場合
この場合は、シリーズ画像を走査順に行方向又は列方向に配置する。
図8に行方向に配置した例を示す。
なお、図7のフローチャートでは省略したが、スキャノグラム画像との併置が必要な場合は、該スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置する。
【0041】
〔ステップS4-5〕複数のシリーズ画像のスライス厚、画像間隔の比較
各撮影シリーズで画像のスライス厚や画像間の距離(画像間隔)等が異なる場合、行方向あるいは列方向に並べた画像の位置が異なることがある。
そこで、各撮影シリーズでの撮影位置を合わせるために、前記スライス厚、画像間隔を比較し、これらが異なる場合はステップS4-6に、同じ場合はステップS4-7に進む。
【0042】
〔ステップS4-6〕スライス厚、画像間隔が異なる場合
スライス厚、画像間隔が異なる場合は、該スライス厚、画像間隔を最大のシリーズ画像に合わせるために画像を間引いて、画像の位置関係を同じにする。
図9にその一例を示す。この例において、シリーズ1はスライス厚が10mm、画像間隔が10mmの画像を10枚撮影したもの、、シリーズ2はスライス厚が5mm、画像間隔が5mmの画像を20枚撮影したもので、シリーズ1のスライス厚及び画像の間隔に合わせてシリーズ2の画像を10枚間引いたものである。
これにより、シリーズ1とシリーズ2の同じ位置の画像を隣接して配置することができ、画像の比較が容易になる。
【0043】
〔ステップS4-7〕取得したレイアウトへの画像配置方向の決定
ステップS4-2で取得レイアウトの行数、列数とステップS3で選択した画像のシリーズ数とを比較し、以下の手順で前記レイアウトへの画像の配置方向を決める。
【0044】
〔ステップS4-8〕レイアウトの行数と列数が同じか
レイアウトの行数と列数が同じ場合はステップS4-9に進み、異なる場合はステップS4-10に進む
【0045】
〔ステップS4-9〕レイアウトの行数と列数が同じ場合
ステップS2で操作者が設定した優先度で配置方向を決定する。
このレイアウトで空行又は空列ができる場合は、ここには三次元画像や断面変換画像(multi plannar reconstruction;MPR)などの解析画像を配置することができるようにするという意図を含んでおり、記録媒体を有効に活用することができる。
図10は、4行×4列のレイアウトの例で、行方向の位置にシリーズデータの区分を設定し、列方向の位置に断層画像の連続方向での位置や時間を設定した例である。
この例では、シリーズ数が3であるので、1列の空列ができるのが、この列には前記解析画像を配置する。
【0046】
〔ステップS4-10〕行数と列数がシリーズ数の倍数か
レイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数の場合はステップS4-11に進み、異なる場合はステップS4-12に進む
【0047】
〔ステップS4-11〕行数と列数がシリーズ数の倍数の場合
画像の配置方向をシリーズ数に近い方にする。図11に一例を示す。
この例は、レイアウトの行列数は4行×2列、シリーズ数が2で、行数、列数共にシリーズ数の倍数であるが、列数がシリーズ数と同じであるので列方向に画像は配置される。
【0048】
〔ステップS4-12〕行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数か
行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数かを比較し、倍数の場合はステップS4-13に進み、倍数でない場合はステップS4-14に進む。
【0049】
〔ステップS4-13〕行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数
画像の配置方向を行方向にする。図12(a)に一例を示す。
レイアウトの行列数は3行×4列で、シリーズ数が3の場合であるので、シリーズ数は行数の一倍であるために画像の配置方向は行方向となる。
【0050】
〔ステップS4-14〕列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数か
列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数かを比較し、倍数の場合はステップS4-15に進み、倍数でない場合はステップS4-16に進む。
【0051】
〔ステップS4-15〕列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数
画像の配置方向を列方向にする。図12(b)に一例を示す。
レイアウトの行列数は4行×3列で、シリーズ数が3の場合であるので、シリーズ数は列数の一倍であるために画像の配置方向は列方向となる。
【0052】
〔ステップS4-16〕レイアウト候補の提示
取得した部位レイアウトが前記ステップS4-8〜S4-15のルールに該当しない場合がある。すなわち、部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方及び該行数、列数のいずれもがシリーズ数の倍数でない場合は、オペレータにいくつかのレイアウトの候補を前記データベースから読み出して、これを表示装置7に表示する。
例えば、図13(a)に示すように、シリーズ数が3で、取得したレイアウトが5行×4列の場合、行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数のいずれもがシリーズ数の倍数でないので、図13(b)に示すようなレイアウトの候補をハードディスク5から読み出し、これを表示装置7に表示する。
【0053】
〔ステップS4-17〕レイアウトの選択
ステップS4-16で表示装置7に表示したレイアウトの候補の中から適当なレイアウトを選択する。
表示装置7に表示された図13(b)は、左側にはレイアウトの行列数を、右側には選択されたレイアウト図を示している。
レイアウトの候補として、1のグループには列数がシリーズ数の倍数となる5行×3列と5行×6列、2のグループには行数がシリーズ数の倍数となる6行×4列と3行×4列、3のグループには行数と列数のいずれもがシリーズ数の倍数ではない5行×4列(部位毎に設定しておいたレイアウト)とが表示されており、この中から操作者がレイアウトを選択するもので、例えば1のグループの5行×3列をマウス11で選択し、ソフトスイッチOKをクリックすると、同図に示すように5行×3列のレイアウト画面が表示される。
この場合、操作者が選択するレイアウトの統計を随時とっておき、選択した回数の多いものから順に表示したり、最初に表示するレイアウトを予め決めておき、このレイアウトを表示することによってレイアウトの視認性が高まり、操作性の向上を図ることができる。
【0054】
〔ステップS4-18〕画像配置方向の決定
上記ステップS4-17で選択したレイアウトに画像を配置する方向は、上記ステップS4-8〜S4-15のルールに従う。
図13(b)で5行×3列のレイアウトを選択した場合は、画像の配置方向は列方向となる。
なお、操作者がステップS4-8〜S4-15のルール以外のレイアウトを選択した場合は、シリーズ数に近い方向(シリーズ数が行数に近ければ行方向に、シリーズ数が列数に近ければ列方向)に画像を配置する。
例えば、図13(b)の3のグループの5行×4列のレイアウトを選択した場合は、シリーズ数(3シリーズ)が列数(4列)に近いので画像の配置方向は列方向となる。
この例を図14に示す。この例では、1列の空列ができるが、ここにはステップS4-9で説明したように、三次元画像やMPR画像などの解析画像を配置しても良い。
なお、シリーズ数が2シリーズ、全画像をオペレータが選択したレイアウトに配置でき、かつ上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない場合の画像配置方向は、レイアウトの左上から右下に向う方向とする。
【0055】
〔ステップS4-19〕スキャノグラム画像併置の要否
上記各ステップを経て決定したレイアウトに画像を配置する際、ステップS1で入力しておいたスキャノグラム画像併置の情報又は前記データベースの情報を主メモリ9に読み出し、前記情報からスキャノグラム画像併置の要否を判断する。
スキャノグラム画像の併置が必要な場合は、下記のステップS4-20、あるいはステップS4-21でシリーズ画像に併置する。
【0056】
〔ステップS4-20〕各シリーズの先頭又は末尾に配置
スキャノグラム画像を各シリーズの先頭又は末尾に配置する。
【0057】
〔ステップS4-21〕一列又は一行に配置
スキャノグラム画像を一列又は一行に配置する。
【0058】
このように、スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する。
これにより、画像の撮影位置が一目瞭然となる。
【0059】
以上によって決定したレイアウト、配置方向に基づいてシリーズ画像を配置する。
【0060】
《フィルミング画像例》
以上に述べた画像配置例に加え、本発明でフィルミングした主な画像配置例について説明する。
なお、以下の画像例におけるスキャノグラム画像の併置については、この併置を設定した場合のみ画像配置の要件とする。
【0061】
〔画像配置例1〕図15
撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無しの2シリーズ、取得したレイアウトは5行×3列であるので、上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない。
したがって、シリーズ数は2シリーズであるので、ステップS4-18に基づき、画像の配置方向は左上から右下に向って走査する方向となる。
【0062】
〔画像配置例2〕図16
撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り1シリーズの2シリーズで、ステップS4-1、S4-2により取得したレイアウトは5行×4列である。
この場合は、列数がシリーズ数の倍数であるので、配置方向は列方向となる(ステップS4-15)。なお、次頁以降(記録媒体が2つ以上の場合)にも配置する画像がある場合は、上記と同様の方法で画像を配置する。
図16において、左端の列には造影無しのシリーズ画像1〜5、左から2番目の列には造影有りのシリーズ画像1〜5、右から2番目の列には造影無しのシリーズ画像6〜9、右端の列には造影有りのシリーズ画像6〜9の配置例である。
【0063】
〔画像配置例3〕図17
撮影部位は腹部で、図17(a)に示すように、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り2シリーズの3シリーズ、取得したレイアウトは5行×4列であり、
レイアウトの行数と列数は等しくなく、シリーズ数も行数、列数のいずれの倍数でもない。すなわち、上記ステップ4-8からS4-15のいずれにも該当しない。
したがって、図17(b)に示すように、表示装置7にレイアウト選択画面を表示する。この選択画面には、過去に選択したレイアウトの頻度が高い、5行×4列、5行×3列、6行×4列、3行×4列、5行×6列の順に並べ、この中から5行×4列を選択した例である(ステップS4-16からS4-18)。
このように、表示装置7に選択したレイアウトを表示することによりレイアウトを視覚的に認識できるようになる。
この選択したレイアウトに、図17(c)に示すように、画像をサムネイル表示することにより画像配置はより具体的になる。
図17(c)において、左端の列には造影無しのシリーズ1、左から2番目の列には造影有りのシリーズ2、右から2番目の列には造影有りのシリーズ3の画像を配置している。なお、右端は空列となるが、この列には三次元画像や断面変換画像などの解析画像を配置しても良い。
【0064】
〔画像配置例4〕図18、図19
ステップS1で入力しておいたスキャノグラム画像併置の情報又は前記データベースの情報を主メモリ9に読み出し、前記情報からスキャノグラム画像併置要の場合の画像配置例を図18、図19に示す。
図18は、シリーズ数が3で、4行×3列のレイアウトにスキャノグラム画像を併置した例である。
この例では、スキャノグラム画像を各シリーズの先頭に配置し、そのシリーズのスライスラインを表示している。
この配置例において、スキャノグラム画像に表示するスライスラインは、各シリーズの画像をレイアウトに配置する画像のみとする。
これは、操作者が画像を削除したり、ステップS4-6によって自動的に画像が間引かれたり(後述の画像配置例5で詳述)、一定間隔でスキップして画像を配置するなどの方法により、記録媒体に配置しない画像がある場合には、その画像のスライスラインをスキャノグラム画像に表示しないためである。
図19は、シリーズ数が3で、5行×4列のレイアウトにスキャノグラム画像を併置した例である。
この例では、スキャノグラム画像を左端の一列に配置し、前記スキャノグラム画像の右側に配置する3シリーズの画像のスライスラインをスキャノグラム画像上に表示している。
【0065】
上記の例のように、シリーズ画像とスキャノグラム画像を併置し、該スキャノグラム画像上にスライスラインを表示することにより、シリーズの各画像の撮影位置は一目瞭然となる。
【0066】
〔画像配置例5〕図9
スライス厚、画像間隔が異なる場合は、ステップS4-6で説明したように、該スライス厚、画像間隔を最大のシリーズ画像に合わせるために画像を間引いて、画像の位置関係を同じにする。
図9に示した例は、2シリーズ、5行×4列のレイアウトにシリーズ2の画像を間引いてシリーズ1のスライス厚及び画像の間隔に合わせて配置したものである。これにより、シリーズ1とシリーズ2の同じ位置の画像を隣接して配置することができ、画像の比較が容易になる。
【0067】
〔画像配置例6〕図20
図20は、心臓検査において、心拍の周期毎に該心拍のタイミングの異なる画像をシリーズ画像として配置した例である。
前記心拍のタイミングには、図21(a)に示す心時相・絶対値法と、図21(b)に示す心時相・相対値法とがある。
心時相・絶対値法は、心電波形の特徴点の一つであるR点からの時間の絶対値で表わすものであり、図21(a)に示すように、例えばR点から200ms手前(-200ms)と、R点から600ms手前(-600ms)におけるタイミングで撮影するものである。
これに対して、心時相・相対値法は、図21(b)に示すように、撮影タイミングを心拍周期の相対値で表わすもので、例えばR点から心拍周期の40%のタイミングと、80%のタイミングで撮影するものである。
図20(a)は、心時相・絶対値法で撮影したシリーズ画像の配置例で、シリーズ数はシリーズ1(-600ms)とシリーズ2(-200ms)の2シリーズ、レイアウトは5行×4列の場合である。
この場合は、シリーズ数が列数の倍数であるので、画像の配置方向は列方向となり、左端にはシリーズ1の画像1〜5、左端から2番目の列にはシリーズ2の画像1〜5、右端から2番目にはシリーズ1の画像6〜10、右端にはシリーズ2の画像6〜10が配置される。
図20(b)は、心時相・相対値法で撮影したシリーズ画像の配置例で、シリーズ数はシリーズ1(R-R40%)とシリーズ2(R-R80%)の2シリーズ、レイアウトは5行×4列の場合である。
この場合もシリーズ数が列数の倍数であるので、画像の配置方向は列方向となり、左端にはシリーズ1の画像1〜5、左端から2番目の列にはシリーズ2の画像1〜5、右端から2番目にはシリーズ1の画像6〜10、右端にはシリーズ2の画像6〜10が配置される。
このように、異なるタイミングで撮影した画像を隣接して配置することによって、心拍のタイミングの相違による画像の比較が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による医用画像フィルミング装置を画像診断装置あるいは医用画像ワークステーションに搭載し、ネットワークを介してプリンタに接続した例を示す図。
【図2】本発明による医用画像フィルミング装置と画像診断装置あるいは医用画像ワークステーションのハードディスクまたはメモリ及び表示装置との接続関係を示す図。
【図3】行と列からなるマトリックスフォアマットによる画像配置レイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の医用画像フィルミング装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】本発明による医用画像のフィルミング処理を実行するソフトウェアのメインフローチャート図。
【図6】患者リストの表示例を示す図。
【図7】本発明による医用画像のフィルミング処理を実行するソフトウェアのサブフローチャート図。
【図8】シリーズ画像のシリーズ数が単数の場合における画像配置例。
【図9】画像を間引いて撮影位置を合わせた画像配置例。
【図10】レイアウトの行数と列数が同じ場合の画像配置例。
【図11】レイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例。
【図12】(a)は行数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例、(b)は列数がシリーズ数の倍数の場合の画像配置例。
【図13】部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方若しくはいずれか一方がシリーズ数の倍数でない場合のレイアウトの選択例。
【図14】部位別のレイアウトの行数と列数が等しくなく、かつ行数と列数の両方及び該行数、列数のいずれもがシリーズ数の倍数でない場合の レイアウトを選択し、このレイアウトに画像を配置した例。
【図15】撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無しの2シリーズ、取得したレイアウトは5行×3列における画像配置例。
【図16】撮影部位は頭部、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り1シリーズの2シリーズで、5行×4列のレイアウトに画像を配置した例。
【図17】撮影部位は腹部で、シリーズ数は造影無し1シリーズと造影有り2シリーズの3シリーズ、取得した5行×4列のレイアウトへの画像配置例。
【図18】スキャノグラム画像を各シリーズの先頭に配置し、そのシリーズのスライスラインを表示した例。
【図19】スキャノグラム画像を一列に配置し、行方行の各シリーズ画像のスライスラインを表示した例。
【図20】心臓検査における心拍タイミングの異なる画像をシリーズ画像として配置した例。
【図21】心拍のタイミングを示す心時相・絶対値法と心時相・相対値法の説明図。
【符号の説明】
【0069】
1 画像診断装置又は画像ワークステーション、2 ネットワーク、3 プリンタ、4 医用画像フィルミング装置、5 ハードディスク、6 メモリ、7 表示装置、8 中央処理装置(CPU)、9 主メモリ、10 表示メモリ、11 マウス、12 コントローラ、13 キーボード、14 共通バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング装置であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースと、このデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する手段と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する手段と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する手段と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する手段と、を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項2】
請求項1において、前記指定した患者のシリーズ画像のシリーズ数が一つにおける画像を、前記シリーズ画像の走査順に前記レイアウトの行方向又は列方向に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像のフィルミング装置。
【請求項3】
請求項1において、前記取得したレイアウトは前記部位別のレイアウトであることを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項4】
請求項3において、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が二つ以上における前記シリーズ画像の中でスライス厚及び画像間隔が小さい方のシリーズ画像の画像を間引いて前記スライス厚及び画像間隔が最も大きい方のシリーズ画像の撮影位置に合わせる手段を備えたことを特徴とする医用画像のフィルミング装置。
【請求項5】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数と列数が等しいレイアウトにおける前記選択したシリーズ画像の配置方向は、予め前記データベースに設定しておいた行方向か列方向かの優先度で決定する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項6】
請求項5において、前記レイアウトの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項7】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向をシリーズ数に近い行又は列の方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項8】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向を行方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項9】
請求項4において、前記取得したレイアウトの列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向を列方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項10】
請求項4において、前記取得したレイアウトが前記請求項5,7,8,9のいずれにも該当しない場合は、前記データベースに予め設定しておいた前記部位別のレイアウト以外のレイアウトを選択し、前記請求項5,7,8,9の配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項11】
請求項10において、前記レイアウトの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項12】
請求項10において、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が2シリーズで、かつ前記2シリーズの画像を前記選択したレイアウトに配置できない場合の配置方向は、前記レイアウトの左上から右下に向う方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項13】
請求項1において、前記データベースから前記選択されたシリーズ画像に対応するスキャノグラム画像を選択する手段と、この選択されたスキャノグラム画像と前記シリーズ画像とを併置する手段と、を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項14】
請求項13において、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項15】
請求項13において、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の一列又は一行に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項16】
請求項14又は15において、前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項17】
医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する請求項1ないし16のいずれか一項に記載の医用画像フィルミング装置の医用画像フィルミング方法であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する工程と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する工程と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像の配置方向を決定する工程と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する工程と、からなることを特徴とする医用画像フィルミング方法。
【請求項1】
医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する医用画像フィルミング装置であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースと、このデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する手段と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する手段と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する方向を決定する手段と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する手段と、を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項2】
請求項1において、前記指定した患者のシリーズ画像のシリーズ数が一つにおける画像を、前記シリーズ画像の走査順に前記レイアウトの行方向又は列方向に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像のフィルミング装置。
【請求項3】
請求項1において、前記取得したレイアウトは前記部位別のレイアウトであることを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項4】
請求項3において、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が二つ以上における前記シリーズ画像の中でスライス厚及び画像間隔が小さい方のシリーズ画像の画像を間引いて前記スライス厚及び画像間隔が最も大きい方のシリーズ画像の撮影位置に合わせる手段を備えたことを特徴とする医用画像のフィルミング装置。
【請求項5】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数と列数が等しいレイアウトにおける前記選択したシリーズ画像の配置方向は、予め前記データベースに設定しておいた行方向か列方向かの優先度で決定する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項6】
請求項5において、前記レイアウトの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項7】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数と列数がシリーズ数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向をシリーズ数に近い行又は列の方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項8】
請求項4において、前記取得したレイアウトの行数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が行数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向を行方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項9】
請求項4において、前記取得したレイアウトの列数がシリーズ数の倍数又はシリーズ数が列数の倍数における前記選択したシリーズ画像の配置方向を列方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項10】
請求項4において、前記取得したレイアウトが前記請求項5,7,8,9のいずれにも該当しない場合は、前記データベースに予め設定しておいた前記部位別のレイアウト以外のレイアウトを選択し、前記請求項5,7,8,9の配置方向に基づいて前記選択したシリーズ画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項11】
請求項10において、前記レイアウトの空行又は空列に前記シリーズ画像の解析画像を配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項12】
請求項10において、前記選択したシリーズ画像のシリーズ数が2シリーズで、かつ前記2シリーズの画像を前記選択したレイアウトに配置できない場合の配置方向は、前記レイアウトの左上から右下に向う方向とする手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項13】
請求項1において、前記データベースから前記選択されたシリーズ画像に対応するスキャノグラム画像を選択する手段と、この選択されたスキャノグラム画像と前記シリーズ画像とを併置する手段と、を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項14】
請求項13において、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の先頭又は末尾に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項15】
請求項13において、前記スキャノグラム画像を前記シリーズ画像の一列又は一行に配置する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項16】
請求項14又は15において、前記スキャノグラム画像に隣接する画像のスライスラインをスキャノグラム上に描画する手段を備えたことを特徴とする医用画像フィルミング装置。
【請求項17】
医用画像診断装置で患者の関心部位を時間的、あるいは位置的に連続して撮影した複数枚のシリーズ画像を行と列からなるマトリックス状のレイアウトに配置する請求項1ないし16のいずれか一項に記載の医用画像フィルミング装置の医用画像フィルミング方法であって、前記患者のシリーズ画像を含む画像及びその付帯情報と前記部位別のレイアウトを含むレイアウトを有するデータベースから指定した患者のフィルミングするシリーズ画像を選択する工程と、この選択したシリーズ画像に対応するレイアウトを前記データベースから取得する工程と、この取得したレイアウトに前記シリーズ画像の配置方向を決定する工程と、この決定した配置方向に基づいて前記取得したレイアウトに前記シリーズ画像を配置する工程と、からなることを特徴とする医用画像フィルミング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−204400(P2006−204400A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17811(P2005−17811)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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