説明

医用画像撮影装置

【課題】安全かつ効率的な造影撮影を可能にする医用画像撮影装置を提供する。
【解決手段】X線CT装置やMRI装置等である医用画像撮影装置が、インジェクタ200から、造影剤を患者90に注入しているときの注入圧Prなどを含む注入情報Uを逐次取得する注入情報取得部34と、患者90を撮影して得られる画像における造影剤に対応する所定部分の画素値Gを、撮影ごとに取得する画素値取得部35と、造影剤の注入圧Prの経時変化と、画素値Gの経時変化とを、同一画面に逐次更新して表示させる表示制御部38とを備える構成とする。造影撮影の間、造影剤の注入圧と造影剤の染まり具合の経時変化を瞬時に把握することができ、これらの状況に応じて造影撮影を中止したり、適切な処置を施しながら造影撮影を続行したりすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者に造影剤を注入して撮影する医用画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic
Resonance Imaging)装置などの医用画像撮影装置において、被検者に造影剤を注入して撮影するいわゆる造影撮影を行なうことで、より明確な診断を可能にする手法は一般化されている(特許文献1等参照)。特に、精密検査や確定診断を行なう際には、造影撮影は略必須なものとなってきており、最近ではルーチン(routine)検査として用いられることも少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−148919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、造影撮影は、通常、造影剤(自動)注入装置で造影剤を押し出すようにして被検者の体内に注入するため、何らかの事情でその注入圧が高くなると、造影剤が被検者の体内に漏れて思わぬ事故に発展する場合もある。そのため、造影剤の注入圧が時間の経過とともに高くなるような場合には、造影剤の注入を止めて造影撮影を中止することは非常に重要である。
【0005】
一方、造影剤の注入圧が時間経過とともに高くなるような場合であっても、その注入圧の上昇傾きによっては、最後まで造影剤を注入しても安全であると判断できる場合があり、また、造影剤の染まり具合や造影撮影の進行状況によっては、造影剤の注入を止めても撮影を続行できると判断できる場合もある。このような場合には、適切な処置を施しながら造影撮影を続行し、再撮影を不要にして被検者への負担を抑えることもまた重要である。
【0006】
したがって、造影撮影の間、造影剤の注入圧と造影剤の染まり具合の経時変化を瞬時に把握できるようにして、安全かつ効率的な造影撮影を行なうことは重要である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、造影撮影の間、造影剤の注入圧と造影剤の染まり具合の経時変化を瞬時に把握できるようにして、安全かつ効率的な造影撮影を可能にする医用画像撮影装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点では、本発明は、被検者を撮影する撮影部を有している医用画像撮影装置であって、該医用画像撮影装置と接続されており、前記被検者に造影剤を注入する注入装置から、造影剤注入時の注入圧を含む注入情報を逐次取得する注入情報取得手段と、前記被検者を撮影して得られる画像における造影剤に対応する所定部分の画素値を、撮影に応じて逐次取得する画素値取得手段と、画像を表示する表示装置と、前記注入圧の経時変化と前記画素値の経時変化とを同一画面に逐次更新して表示するよう、前記表示装置を制御する表示制御手段とを備えている医用画像撮影装置を提供する。
【0009】
第2の観点では、本発明は、前記表示制御手段が、前記注入圧の経時変化を表すグラフ(graph)と前記画素値の経時変化を表すグラフとを、横軸を共通の時刻として表示するよう、前記表示装置を制御する上記第1の観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0010】
第3の観点では、本発明は、前記表示制御手段が、設定された各撮影のタイミング(timing)を表すグラフを、横軸を共通の時刻としてさらに表示するよう、前記表示装置を制御する上記第2の観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0011】
第4の観点では、本発明は、前記注入圧が所定の上限値を超えているか否かを、前記注入情報の取得に応じて逐次判定する注入圧判定手段と、前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定されたときに、その旨を報知する報知手段とをさらに備えている上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0012】
第5の観点では、本発明は、前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定されたときに、設定された造影剤注入計画および撮影計画の実施をともに中止するよう、前記注入装置および前記撮影部を制御する撮影制御手段をさらに備えている上記第4の観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0013】
第6の観点では、本発明は、前記注入情報が、前記被検者に注入された造影剤の注入開始からの総注入量の指標値を含んでおり、前記総注入量の指標値が所定値以上であるか否かを判定する注入量判定手段と、前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定され、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値以上であると判定されたときには、設定された造影剤注入計画の実施は中止するが、設定された撮影計画の実施は続行し、前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定され、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値未満であると判定されたときには、前記造影剤注入計画および撮影計画の実施をともに中止するよう、前記注入装置および前記撮影部を制御する撮影制御手段とをさらに備えている上記第4の観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0014】
第7の観点では、本発明は、前記注入情報が、前記被検者に注入された造影剤の注入開始からの総注入量の指標値を含んでおり、前記総注入量の指標値が所定値以上であるか否かを判定する注入量判定手段と、前記注入装置から、設定された造影剤注入計画の実施を中止したことを示す情報を取得し、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値以上であると判定されたときには、設定された撮影計画の実施を続行し、前記注入装置から前記造影剤注入計画の実施を中止したことを示す情報を取得し、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が前記所定値未満であると判定されたときには、前記撮影計画の実施を中止するよう、前記撮影部を制御する撮影制御手段とをさらに備えている上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0015】
第8の観点では、本発明は、少なくとも前記注入圧に基づいて、造影撮影の危険度を特定する危険度特定手段をさらに備えている上記第1の観点から第7の観点のいずれか一つの観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0016】
第9の観点では、本発明は、前記撮影部が、X線CT撮影を行なう上記第1の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の医用画像撮影装置を提供する。
【0017】
第10の観点では、本発明は、前記表示装置が、前記撮影部に設けられている上記第9の観点の医用画像撮影装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、医用画像撮影装置が、造影剤の注入圧の経時変化と、被検者を撮影して得られる画像に含まれる所定の部位における造影剤に対応する画素値の経時変化とを、同一画面に逐次更新して表示させる制御手段を備えているので、造影撮影の間、造影剤の注入圧と造影剤の染まり具合の経時変化を瞬時に把握することができ、これらの状況に応じて造影撮影を中止したり、適切な処置を施しながら造影撮影を続行したりすることができる。これにより、安全かつ効率的な造影撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の医用画像撮影装置の一実施形態であるX線CT装置を含む医用画像撮影システム(system)の概略構成を示すブロック(Block)図である。
【図2】造影剤情報の一例を示す図である。
【図3】注入情報の一例を示す図である。
【図4】医用画像撮影システムにおける造影撮影処理の流れを示すフローチャート(flow chart)である。
【図5】スキャン計画を実施するときの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】造影撮影中の所定時点における表示画面の一例を示す図である。
【図7】造影撮影終了時点における表示画面の一例を示す図である。
【図8】造影撮影中に注入圧が異常圧まで上昇した場合における表示画面の第1例を示す図である。
【図9】造影撮影中に注入圧が異常圧まで上昇した場合における表示画面の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の医用画像撮影装置の一実施形態であるX線CT装置を含む医用画像撮影システムの概略構成を示すブロック図である。
【0022】
この医用画像撮影システム1は、X線CT装置100と、インジェクタ(injector)(注入装置)200とを備えている。
【0023】
X線CT装置100は、ガントリ(gantry)10と、テーブル(table)20と、操作コンソール(console)30とを備えている。
【0024】
ガントリ10は、対向配置されたX線管とX線検出器とを搭載する回転部(図示省略)を有している。ガントリ10は、このX線管とX線検出器との間の撮影空間に搬送された患者(被検者)90に対して、回転部を回転させながらX線を照射してその透過X線を検出するスキャン(scan)(撮影)を行い、投影データ(data)を収集する。
【0025】
テーブル20は、患者90を載置してガントリ10の開口部である撮影空間に搬送する。
【0026】
操作コンソール30は、操作者からの操作に応じて造影撮影条件、すなわちインジェクション計画(造影剤注入計画)およびスキャン計画(撮影計画)を受け付けて設定する。また、操作コンソール30は、設定されたインジェクション計画およびスキャン計画が実施されるよう、ガントリ10、テーブル20、インジェクタ200に制御信号を送って制御する。さらに、操作コンソール30は、ガントリ10で収集された投影データを取得して画像を再構成し、その再構成画像を表示する。本例では、操作コンソール30は、インジェクション計画およびスキャン計画が実施されている間、造影剤注入時の注入圧と造影剤の染まり具合の経時変化を同一画面に表示する。また、操作コンソール30は、造影剤の注入に関する異常を検知し、そのときの状況に応じて、インジェクション計画の実施の中止やスキャン計画の実施の中止あるいは続行をするべく各部を制御する。以下、操作コンソール30の主な構成要素について詳細に説明する。
【0027】
操作コンソール30は、撮影条件設定部31と、撮影制御部(撮影制御手段)32と、造影剤情報取得部(造影剤情報取得手段)33と、注入情報取得部(注入情報取得手段)34と、画素値取得部(画素値取得手段)35と、注入圧判定部(判定手段)36と、注入量判定部(注入量判定手段)37と、表示制御部(表示制御手段)38と、報知部(報知手段)39と、表示装置310とを備えている。
【0028】
撮影条件設定部31は、操作者からの操作に応じて撮影条件を設定する。撮影条件としては、インジェクタ200により実行されるインジェクション計画と、X線CT装置100により実行されるスキャン計画とがある。インジェクション計画には、造影剤の予定注入量および予定注入速度などが含まれている。スキャン計画には、スキャン範囲あるいはスライス(slice)位置、X線管電圧、X線管電流、造影剤注入開始からスキャン開始までのディレイタイム(delay time)、スキャンの回数、各スキャンのタイミングなどが含まれている。また、後述するように、画素値取得部35が、患者90をスキャンして得られた画像における造影剤に対応する所定部分の画素値を取得する際の、この所定部分の設定もスキャン計画に含まれる。
【0029】
撮影制御部32は、設定されたインジェクション計画およびスキャン計画が実施されるよう、ガントリ10、テーブル20、およびインジェクタ200に制御信号を送って制御する。また、撮影制御部32は、インジェクション計画およびスキャン計画の実施中に、患者90への造影剤の注入を中止する、あるいは中止すべき事態が発生したとき、これに対応する制御を行う。撮影制御部32は、上記の事態が発生したときに行う制御のモード(mode)として、2種類の制御モードを有しており、操作者がいずれかの制御モードを選択できるようになっている。第1の制御モードでは、上記の事態が発生したとき、インジェクション計画およびスキャン計画の実施をともに中止にするよう制御する。第2の制御モードでは、上記の事態が発生したとき、インジェクション計画の実施は中止するが、その時点で患者90に注入された造影剤の量が所定レベルに達していたらスキャン計画の実施を続行し、達していなかったらスキャン計画の実施を中止するよう制御する。これらの制御モードについては、後ほどより具体的に説明する。
【0030】
造影剤情報取得部33は、患者90に注入する造影剤に関する造影剤情報をX線CT装置100の外部から取得する。本例では、X線CT装置100に接続されているインジェクタ200から造影剤情報Jを取得する。
【0031】
図2は、造影剤情報の一例を示す図である。本例では、造影剤情報Jは、図2に示すように、製品番号、製品名、商品名、製造元、製造番号といった製造に関する情報のほか、造影剤の種類(例えばヨード(iodine),ガドリニウム(Gadolinium)など)、濃度、内容量、消費期限、注入圧上限値といった造影剤そのものに関する情報を含んでいる。なお、注入圧上限値は、造影剤を注入する際にその注入圧が超えてはいけない上限値を示すもので、例えば造影剤の製造メーカ(maker)等が設定する値である。
【0032】
注入情報取得部34は、患者90に造影剤を注入するインジェクタ200から、造影剤の注入圧Prを含む注入情報Uを逐次取得する。
【0033】
図3は、注入情報Uの一例を示す図である。本例では、注入情報Uは、図3に示すように、患者90に造影剤を注入しているときの注入圧および注入速度、その時点で患者90に注入された造影剤の注入開始からの総注入量、設定された予定注入量に対するこの総注入量の割合(以下、注入割合という)、造影剤の注入開始からの経過時間などを含んでいる。
【0034】
また、注入情報取得部34は、緊急情報として、インジェクタ200から注入中断報知情報Eを受け取って取得する。この注入中断報知情報Eは、インジェクタ200がインジェクション計画の実施を途中で中止したときに、その旨を知らせる情報であり、インジェクション計画の実施を中止するのと略同時に、インジェクタ200から出力される。このインジェクタ200によるインジェクション計画の実施の中止は、例えば、操作者が患者90の造影剤漏出などを発見してインジェクタ200の緊急停止ボタン(図示なし)を押したときや、インジェクタ200に装填されたシリンジ(syringe)が離脱したり、注入圧が異常圧まで上昇したりして、安全機能が働いたときなどに行われる。
【0035】
画素値取得部35は、患者90をスキャンして得られる画像における造影剤に対応する所定部分の画素値Gを、スキャンが行われるごとに逐次取得する。この所定部分は、例えば大動脈や門脈に相当する部分であり、操作者により事前に設定される。これにより、患者90の造影剤の染まり具合を知ることができる。
【0036】
注入圧判定部36は、取得した注入情報Uに含まれる注入圧Prが所定の上限値を超えているか否かを、注入情報Uの取得に応じて逐次判定する。これにより、造影剤の注入圧が異常圧まで上昇しているか否かを判定することができる。本例では、この所定の上限値を、造影剤情報Jに含まれる注入圧の注入圧上限値PrLとする。なお、この所定の上限値は、操作者が設定する値であってもよい。
【0037】
注入量判定部37は、注入圧判定部36により注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたとき、または、注入情報取得部34により注入中断報知情報Eが取得されたときに、その時点で患者90に注入された造影剤の量が所定レベルに達しているか否かを判定する。注入量判定部37は、例えば、次に示すような判定を行う。
【0038】
第1例では、注入情報Uに含まれる総注入量(注入量の指標値)Acが所定量(所定値)Ath以上であるという第1の条件を満たすか否かを判定する。
【0039】
第2例では、注入情報Uに含まれる注入割合(注入量の指標値)Rcが所定割合(所定値)Rth以上であるという第2の条件を満たすか否かを判定する。
【0040】
第3例では、上記第1および第2の条件の両方を満たすか否かを判定する。
【0041】
第4例では、上記第1および第2の条件のうち少なくとも一方の条件を満たすか否かを判定する。
【0042】
これにより、造影剤の注入圧が異常圧まで上昇した場合、または、インジェクタ200が緊急的にインジェクション計画の実施を途中で中止した場合に、その時点で造影剤の注入を中止しても造影撮影が続行可能であるほど十分な量の造影剤が患者90に注入されたか否かを判定することができる。なお、注入情報Uに総注入量Acおよび注入割合Rcのうちいずれか一方しか含まれていない場合には、その一方の情報のみを基に判定する。また、所定量Athおよび所定割合Rthは操作者により設定可能であり、所定量Athは、例えば30〜300〔mL〕の範囲内、所定割合Rthは、例えば30〜100〔%〕の範囲内で設定可能とする。本例では、注入量判定部37は、第1例の判定を行なうこととし、所定量Athを50〔mL〕とする。
【0043】
ここで、撮影制御部32が有する制御モードについて、より具体的に説明する。第1の制御モードでは、注入圧判定部36により注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたときに、インジェクション計画およびスキャン計画の実施をともに中止するよう、インジェクタ200、ガントリ10およびテーブル20を制御する。また、注入情報取得部34が注入中断報知情報Eを受け取って取得したときに、スキャン計画の実施を中止するよう、ガントリ10およびテーブル20を制御する。
【0044】
第2の制御モードでは、注入圧判定部36により注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定され、かつ、注入量判定部37により総注入量Acが所定量Ath以上であると判定されたときには、インジェクション計画の実施は中止するが、スキャン計画の実施は続行するよう、インジェクタ200、ガントリ10およびテーブル20を制御する。一方、注入圧判定部36により注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定され、かつ、注入量判定部37により総注入量Acが所定量Ath未満であると判定されたときには、インジェクション計画およびスキャン計画の実施をともに中止するよう、インジェクタ200、ガントリ10およびテーブル20を制御する。また、注入情報取得部34により注入中断報知情報Eが取得され、かつ、注入量判定部37により総注入量Acが所定量Ath以上であると判定されたときには、インジェクション計画の実施は中止するが、スキャン計画の実施は続行するよう、インジェクタ200、ガントリ10およびテーブル20を制御する。一方、注入情報取得部34により注入中断報知情報Eが取得され、かつ、注入量判定部37により総注入量Acが所定量Ath未満であると判定されたときには、スキャン計画の実施を中止するよう、ガントリ10およびテーブル20を制御する。なお、本例では、第2の制御モードが選択されているものとして説明する。
【0045】
表示制御部38は、逐次取得された注入情報Uおよび画素値Gに基づいて、注入圧Prの経時変化と、画素値Gの経時変化とを、同一画面に逐次更新して表示するよう、表示装置310を制御する。本例では、表示制御部38は、注入圧Prの経時変化を表すグラフと、画素値Gの経時変化を表すグラフとを、横軸を共通の時刻として、同一画面に表示するよう表示装置310を制御する。表示制御部38は、さらに、設定されたスキャン計画による各スキャンのタイミングを表すグラフを、横軸を上記2つのグラフと共通の時刻として、同一画面に表示するよう表示装置310を制御する。
【0046】
報知部39は、注入圧判定部36により注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたときに、その旨を報知する。本例では、注入圧の異常を示すメッセージ(message)を、表示装置310の表示画面に表示する。なお、報知の方法としては、スピーカ(speaker)からアラーム(alarm)音や音声を出力したり、ランプ(lamp)を点灯させたりする方法なども考えられる。
【0047】
なお、操作コンソール30の表示装置310とは別に、表示装置がガントリ10に設けられている場合には、表示制御部38は、ガントリ10の表示装置にもこれらグラフを表示するよう制御してもよい。また、報知部39は、ガントリ10の表示装置にもメッセージを表示するようにしてもよい。通常、ガントリ10は検査室に設置されており、操作コンソール30は操作室に設置されている。操作者は、造影剤の注入を開始してからスキャンを開始するまでの間、造影剤漏出などの事態に備え、検査室で被検者である患者90の様子を伺うことがある。この際、操作者がガントリ10に設けられた表示装置でこれらのグラフを見ることができれば、患者90を観察しながら、造影剤の注入圧や警告の有無、スキャンのタイミングなどを知ることができ、注入圧の異常に対する早期発見や、操作室へのスムーズ(smooth)な退避などが可能となり、非常に便利である。
【0048】
インジェクタ200は、X線CT装置100の操作コンソール30からの制御を受けて、設定されたインジェクション計画を実施し、患者90に造影剤を注入する。インジェクタ200は、造影剤の入ったシリンジ210が装填可能に構成されている。造影剤を注入する際には、シリンジ210をインジェクタ200に装填し、シリンジ210と患者90とを注射針付きのチューブ(tube)でつなぐ。そして、シリンジ210のピストン(piston)部を押圧し、中の造影剤を押し出すようにして患者90に注入する。シリンジ210は、その中の造影剤に関する造影剤情報が書き込まれたシリンジICタグ(tag)211を付帯している。インジェクタ200は、ICタグに記憶されたデータを読み取るシリンジ用リーダ(reader)(読取部)201を有しており、シリンジ210が装填されると、そのシリンジ用リーダ201でシリンジ210が付帯するシリンジICタグ211から造影剤情報Jを読み取る。読み取られた造影剤情報Jは、操作コンソール30に送られる。
【0049】
また、インジェクション200は、緊急停止ボタンが押されたり、注入圧の異常上昇、シリンジの離脱等により安全機能が働いたりして、インジェクション計画の実施を中止したとき、その旨を示す注入中断報知情報Eを操作コンソール30に出力する。
【0050】
これより、医用画像撮影システム1における造影撮影処理の流れの一例について説明する。
【0051】
図4は、医用画像撮影システム1における造影撮影処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ステップ(step)S1では、操作者は、被検者である患者90をテーブル20に案内して載置させ、操作コンソール30を操作してスカウトスキャン(scout scan)の開始要求を入力する。撮影制御部32は、この開始要求に応答して、ガントリ10およびテーブル20に制御信号を送り、患者90のスカウトスキャンが行われる。表示制御部38は、このスカウトスキャンによって得られたスカウト像を、表示装置310の表示画面に表示させる。
【0053】
ステップS2では、操作者は、表示されたスカウト像を参照しながら、操作コンソール30を操作して、インジェクション計画およびスキャン計画を入力する。撮影条件設定部31は、これらの計画を撮影条件として設定する。
【0054】
ここで操作者は、インジェクタ200にシリンジ210を装填する。シリンダ210が装填されると、インジェクタ200は、シリンジ用リーダ201でシリンジ210が付帯するシリンジICタグ211から造影剤情報Jを読み取り、その情報を操作コンソール30に送る。
【0055】
ステップS3では、造影剤情報取得部33は、インジェクタ200から送られてきた造影剤情報Jを取得し、表示制御部38は、その内容を表示装置310の表示画面に表示させる。
【0056】
その後、操作者は、表示された造影剤情報Jの内容を確認した後、シリンジ210と患者90とをチューブ(tube)でつなぎ、造影撮影の準備を完了させる。そして、操作者は、操作コンソール30を操作して造影撮影の開始要求を入力する。
【0057】
ステップS4では、撮影制御部32は、この開始要求に応答して、設定されたインジェクション計画およびスキャン計画が実施されるよう、ガントリ10、テーブル20、およびインジェクタ200に制御信号を送る。
【0058】
なお、スキャン計画を実施するときの処理の流れは、例えば図5に示すような流れとなる。まず、ステップT1では、撮影制御部32は、現時点がスキャンのタイミングであるか否かを判定する。ここで、スキャンのタイミングであると判定されたときには、ステップT2に進み、撮影制御部32はスキャンが行われるようガントリ10、テーブル20を制御する。一方、スキャンのタイミングでないと判定されたときにはステップT5に進む。そして、ステップT3では、画素値取得部35は、スキャンによって得られた投影データを基に画像再構成を行い、ステップT4では、画素値取得部35は、その再構成画像における造影剤に対応する所定部分の画素値を取得する。ステップT5では、スキャン計画をすべて実施したか否かを判定し、すべて実施したと判定されたときにはスキャン計画実施完了となる。一方、すべては実施していないと判定されたときには、ステップT1に戻り、処理を継続する。
【0059】
インジェクタ200は、撮影制御部32からの制御信号に基づいて、インジェクション計画を実施する。また、インジェクタ200は、少なくともインジェクション計画を実施している間、造影剤の注入情報Uを操作コンソール30に送り続ける。
【0060】
図4に戻り、造影撮影処理の流れの説明を続ける。
【0061】
ステップS5では、注入情報取得部34はこの注入情報Uを取得する。
【0062】
ステップS6では、注入圧判定部36は、注入情報Uに含まれる注入圧Prが、造影剤情報Jに含まれる注入圧上限値PrLを超えているか否かを判定する。ここで、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されると、注入圧が異常圧に達していると判断し、ステップS7に進み、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていないと判定されると、注入圧は異常圧に達していないと判断し、ステップS8に進む。
【0063】
ステップS7では、報知部39が、その旨を表す警告メッセージを表示装置310の表示画面に表示する。そして、撮影制御部32は、インジェクション計画の実施を中止するよう、インジェクタ200を制御する。その後、ステップS9に進む。
【0064】
ステップS8では、注入情報取得部34により注入中断報知情報Eが取得されたか否かを判定する。ここで、注入中断報知情報Eが取得されたと判定されると、インジェクタ200がインジェクション計画の実施を中止したと判断し、ステップS9に進み、注入中断報知情報Eが取得されなかったと判定されると、インジェクタ200はインジェクション計画を実施中であると判断し、ステップS10に進む。
【0065】
ステップS9では、注入情報Uに含まれる総注入量Acが所定量Ath以上であるか否かを判定する。ここで、総注入量Acが所定量Ath以上であると判定されると、造影撮影が続行可能なほど十分な造影剤が患者90に注入されたと判断し、ステップS12に進む。一方、総注入量Acが所定量Ath未満であると判定されると、造影撮影が続行可能なほど十分な造影剤が患者90に注入されていないと判断し、ステップS14に進む。
【0066】
ステップS10では、インジェクション計画の実施が既に完了しているか否かを判定する。ここで、完了していないと判定されると、インジェクション計画およびスキャン計画ともに実施中と判断し、ステップS11に進む。一方、完了していると判定されると、少なくともインジェクション計画は既に完了していると判断し、ステップS12に進む。
【0067】
ステップS11では、表示制御部38が、現時点までの注入圧Prの経時変化を表すグラフと、画素値Gの経時変化を表すグラフ(TDC)と、各スキャンのタイミングを表すグラフとを、横軸を共通の時刻として、表示装置310の画面に(更新して)表示させる。なお、注入圧Prの経時変化を表すグラフには、造影剤情報Jに含まれる注入圧上限値PrLを示す直線も描かれる。そして、ステップS5に戻り、処理を継続する。
【0068】
ステップS12では、スキャン計画の実施が既に完了しているか否かを判定する。ここで、完了していないと判定されると、スキャン計画のみ実施中と判断し、ステップS13に進む。一方、完了していると判定されると、インジェクション計画およびスキャン計画ともに完了したと判断し、ステップS15に進む。
【0069】
ステップS13では、現時点までの画素値Gの経時変化を表すグラフ(TDC)と、各スキャンのタイミングを表すグラフとを、横軸を共通の時刻として、表示装置310の画面に(更新して)表示させる。そして、ステップS12に戻り、処理を継続する。
【0070】
ステップS14では、撮影制御部32が、スキャン計画の実施を中止するよう制御する。そして、ステップS15に進む。
【0071】
ステップS15では、表示制御部38が、スキャンして得られた投影データに基づいて再構成された再構成画像を表示装置310の画面に表示させる。
【0072】
図6は、造影撮影中の所定時点における表示画面の一例を示す図であり、図7は、造影撮影の終了時点における表示画面の一例を示す図である。本例では、これらの図に示すように、造影剤の注入開始からの経過時間tを横軸にとり、上段に注入圧Prの経時変化のグラフCp、中段に画素値Gの経時変化のグラフすなわちタイムデンシティカーブ(time density curve)TDC、下段にスキャンのオン/オフ(on/off)のタイミングを表すグラフStを表している。また本例では、表示装置310の同一画面に、造影剤情報Jに含まれる造影剤の商品名あるいは製品名、濃度、内容量などを表示するとともに、その時点における造影剤の注入速度や総注入量などを表示する。
【0073】
操作者は、注入圧PrのグラフCpから、その時点における注入圧Pr、これまでの注入圧Prの推移、直近の注入圧Prの上昇/下降の傾きなどを瞬時に理解することができる。これにより、その時点における造影剤の注入に関する危険性を把握したり、今後の危険性の変化を予想したりすることができる。また、操作者は、画素値GのグラフTDCから、その時点における画素値G、これまでの画素値Gの推移、直近の画素値Gの上昇/下降の傾きなどを瞬時に理解することができる。これにより、その時点における造影剤の染まり具合を把握したり、今後の造影剤の染まり具合の変化を予想したりすることができる。また、操作者は、各スキャンのタイミングを表すグラフStと、注入圧PrのグラフCpあるいは画素値GのグラフTDCとから、造影撮影の進行状況、例えば、造影撮影が全体の約何%完了し、約何%残っているかなどを直感的に知ることができる。
【0074】
操作者は、これらの情報を基に、造影撮影を監視し、インジェクション計画の実施を中止すべきか続行すべきか、スキャン計画の実施を中止すべきか続行すべきかなど、状況に応じた判断を行なうことができる。例えば、図6に示すように、造影剤の注入開始から約20秒経過した時点において、曲線Cp1のように、それまでの注入圧Prの変化が緩やかで上昇傾きも小さい場合には、造影剤の注入に関して危険性はなく、このままインジェクション計画の実施を続行してもよいと判断できる。一方、曲線Cp2のように、注入圧Prの直近での上昇傾きが大きくなり、間もなく注入圧上限値PrLを超えると予想されるが、画素値Gは既に200を超えており、この時点で造影剤の注入を中止しても、その後のスキャンで読影に有効な画像が得られる可能性が高い。そこで、インジェクション計画の実施は中止するが、スキャン計画の実施は続行してもよいなどと判断できる。
【0075】
図8は、造影撮影中に注入圧が異常圧まで上昇した場合における表示画面の第1例を示す図であり、図9は、その第2例を示す図である。
【0076】
第1例では、図8に示すように、造影剤の注入開始から約20秒後に注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えて異常圧となっている。この場合、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えた時点での造影剤の総注入量Acは66〔mL〕であり、所定量Athである50〔mL〕以上である。そのため、この第1例では、インジェクション計画の実施は中止されるが、スキャン計画の実施は続行される。
【0077】
一方、第2例では、図9に示すように、造影剤の注入開始から約12秒後に注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えて異常圧となっている。この場合、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えた時点での造影剤の総注入量Acは40〔mL〕であり、所定量Athである50〔mL〕未満である。そのため、この第2例では、インジェクション計画の実施とともに、スキャン計画の実施も中止される。
【0078】
以上、本実施形態によれば、X線CT装置100が、造影剤の注入圧Prの経時変化と、患者90を撮影して得られる画像に含まれる所定の部位における造影剤に対応する画素値Gの経時変化とを、同一画面に逐次更新して表示させる表示制御部37を備えているので、造影撮影の間、造影剤の注入圧Prと造影剤の染まり具合の経時変化を瞬時に把握することができ、これらの状況に応じて造影撮影を中止したり、適切な処置を施しながら造影撮影を続行したりすることができる。これにより、安全かつ効率的な造影撮影が可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、X線CT装置100が、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えているか否かを判定する注入圧判定部36と、この判定で注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたときに、その旨を報知する報知部39とを備えているので、操作者が注入圧Prの上昇に気が付かず、患者90が危険な状態になった場合に、それを操作者に知らせることができ、より安全な造影撮影を行なうことができる。
【0080】
また、本実施形態では、撮影制御部32が、注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたとき、または、注入中断報知情報Eが取得されたときに、結果的に、インジェクション計画およびスキャン計画の実施をともに中止するよう制御する、第1の制御モードを有しているので、造影剤の注入に異常が発生したとき、インジェクション計画やスキャン計画の実施を自動的に中止することができ、より安全な造影撮影を行なうことができる。
【0081】
また、本実施形態では、患者90に注入された造影剤の量が所定レベルに達しているか否かを判定する注入量判定部37をさらに備え、撮影制御部32は、
注入圧Prが注入圧上限値PrLを超えていると判定されたとき、または、注入中断報知情報Eが取得されたときに、結果的に、インジェクション計画の実施は中止するが、その時点で患者90に注入された造影剤の量が所定レベルに達していたらスキャン計画の実施を続行し、達していなかったらスキャン計画の実施を中止するよう制御する、第2の制御モードを有しているので、造影剤の注入に異常が発生しても、造影撮影を一律に中止するのではなく、撮影の続行が可能と判断できるケースであれば、インジェクション計画の実施だけを中止して、スキャン計画の実施を続行するよう制御することができ、これにより、再撮影を極力なくし、被曝や造影剤注入量の増大などを防いで、被検者への負担を抑えることができる。
【0082】
また、本実施形態では、その注入圧上限値PrLは、シリンジ210が付帯するシリンジICタグ211から直接読み取った造影剤情報Jであるから、上限値の人為的な設定ミスを抑えることができ、より安全な造影撮影を行なうことができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、造影剤情報Jの読取りに、非接触読取りで、かつ汚れに強く、自動読取りが容易である、ICタグとそのリーダによるRFID(Radio Frequency IDentification)の手法を用いているので、薬液や体液による汚れが発生し易い医療現場において、情報の読取りを好適に行なうことができる。
【0084】
なお、本実施形態では、造影剤情報Jの読取りに、ICタグとそのリーダによるRFIDの手法を用いているが、他の手法、例えばバーコード(barcode)とそのリーダによる読取手法を用いてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、注入量判定部37が行なう判定として、第1例の判定を採用しているが、もちろん、他の第2〜第4例の判定を採用してもよい。
【0086】
また、本実施形態では、造影剤情報Jと注入情報Uとに基づいて、注入圧Prの異常判定を行なっているが、これら造影剤情報Jと注入情報Uとに基づいて、造影撮影におけるその時点での危険度を特定する危険度特定部を備える構成とし、表示制御部38がこの特定された危険度を表示装置310の表示画面に表示させるようにしてもよい。例えば、注入圧上限値に対する実際の注入圧の割合、直近の所定時間における注入圧の変動率、あるいはこれらの組合せ別に危険度を対応付けして記憶しておく。そして、この記憶された情報を参照して、造影剤情報Jに含まれる上限値Prに対する、注入情報Uに含まれる注入圧Prの割合や、直近の所定時間における注入圧Prの変動率、あるいはこれらの組合せに対応する危険度を特定する。このようにすれば、操作者が、現在行なっている造影撮影におけるその時点での危険性を数値で把握することができる。
【0087】
なお、本実施形態では、医用画像撮影装置としてX線CT装置を例に説明したが、本発明は、造影撮影を行なうものであれば他のモダリティ(modality)にも同様に適用できる。例えば、本発明は、MRI装置、ANGIO(angiography)装置、PET(positron emission tomography)装置、SPECT(single
photon emission computed tomography)装置、超音波装置などにも適用できる。
【符号の説明】
【0088】
1 医用画像撮影システム
100 X線CT装置
10 ガントリ
20 テーブル
30 操作コンソール
31 撮影条件設定部
32 撮影制御部
33 造影剤情報取得部
34 注入情報取得部
35 画素値取得部
36 注入圧判定部
37 注入量判定部
38 表示制御部
39 報知部
310 表示装置
90 患者
200 インジェクタ
201 シリンジ用リーダ
210 シリンジ
211 シリンジICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者を撮影する撮影部を有している医用画像撮影装置であって、
該医用画像撮影装置と接続されており、前記被検者に造影剤を注入する注入装置から、造影剤注入時の注入圧を含む注入情報を逐次取得する注入情報取得手段と、
前記被検者を撮影して得られる画像における造影剤に対応する所定部分の画素値を、撮影に応じて逐次取得する画素値取得手段と、
画像を表示する表示装置と、
前記注入圧の経時変化と前記画素値の経時変化とを同一画面に逐次更新して表示するよう、前記表示装置を制御する表示制御手段とを備えている医用画像撮影装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記注入圧の経時変化を表すグラフと前記画素値の経時変化を表すグラフとを、横軸を共通の時刻として表示するよう、前記表示装置を制御する請求項1に記載の医用画像撮影装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、設定された各撮影のタイミングを表すグラフを、横軸を共通の時刻としてさらに表示するよう、前記表示装置を制御する請求項2に記載の医用画像撮影装置。
【請求項4】
前記注入圧が所定の上限値を超えているか否かを、前記注入情報の取得に応じて逐次判定する注入圧判定手段と、
前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定されたときに、その旨を報知する報知手段とをさらに備えている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の医用画像撮影装置。
【請求項5】
前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定されたときに、設定された造影剤注入計画および撮影計画の実施をともに中止するよう、前記注入装置および前記撮影部を制御する撮影制御手段をさらに備えている請求項4に記載の医用画像撮影装置。
【請求項6】
前記注入情報は、前記被検者に注入された造影剤の注入開始からの総注入量の指標値を含んでおり、
前記総注入量の指標値が所定値以上であるか否かを判定する注入量判定手段と、
前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定され、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値以上であると判定されたときには、設定された造影剤注入計画の実施は中止するが、設定された撮影計画の実施は続行し、前記注入圧判定手段により前記注入圧が前記上限値を超えていると判定され、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値未満であると判定されたときには、前記造影剤注入計画および撮影計画の実施をともに中止するよう、前記注入装置および前記撮影部を制御する撮影制御手段とをさらに備えている請求項4に記載の医用画像撮影装置。
【請求項7】
前記注入情報は、前記被検者に注入された造影剤の注入開始からの総注入量の指標値を含んでおり、
前記総注入量の指標値が所定値以上であるか否かを判定する注入量判定手段と、
前記注入装置から、設定された造影剤注入計画の実施を中止したことを示す情報を取得し、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が所定値以上であると判定されたときには、設定された撮影計画の実施を続行し、前記注入装置から前記造影剤注入計画の実施を中止したことを示す情報を取得し、かつ、前記注入量判定手段により前記総注入量の指標値が前記所定値未満であると判定されたときには、前記撮影計画の実施を中止するよう、前記撮影部を制御する撮影制御手段とをさらに備えている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の医用画像撮影装置。
【請求項8】
少なくとも前記注入圧に基づいて、造影撮影の危険度を特定する危険度特定手段をさらに備えている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の医用画像撮影装置。
【請求項9】
前記撮影部は、X線CT撮影を行なう請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の医用画像撮影装置。
【請求項10】
前記表示装置は、前記撮影部に設けられている請求項9に記載の医用画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−92388(P2011−92388A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248697(P2009−248697)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】