説明

医用画像表示装置

【課題】医用画像情報の検索時間の短縮と検索操作の効率化を可能とする医用画像表示装置の提供。
【解決手段】医用画像診断装置1で発生された被検体の医用画像データ61を記憶する記憶部6と、人体の模擬画像と前記被検体の医用画像データ61の収集年月日を選択するためのカレンダーとを表示する表示部4と、前記被検体の医用画像データ61に対応する前記模擬画像の部位と、前記模擬画像の部位に対応して前記カレンダーに表示された前記被検体の医用画像データ61の収集年月日とを選択する選択部5と、前記選択部5によって選択された前記部位と前記医用画像データ61の収集年月日とに基づいて前記記憶部6から所望の医用画像データ61を検索する検索部8とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像診断装置内に記憶された被検体の画像情報を検索・表示する医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用診断装置において、保存された医用画像データ及び患者情報データを閲覧するための患者情報・画像リスト表示用アプリケーションが存在する。このアプリケーションは、通常、取得した患者情報を一覧表に、まとめて表示する。しかし、近年のハードウェアの性能の向上により、保存される医用画像データが大量に発生するようになったので、患者情報の一覧表のデータ量が膨大になっている。このため、所望の画像を得るために画像データ検索を行っても医用画像データが多いため、操作者が所望の患者情報データを見つけるのに時間がかかる。
【0003】
そこで、検査時間を短縮する従来の方法は2つある。第1の方法は、一覧表に表示された患者情報データの各項目(カラム)を用いた表示順序の変更である。第2の方法は、撮影日の直接入力による日付指定でのデータの絞込みを行う方法である。しかし、第1の方法では、患者情報データの表示順序が変更されるだけであり、一覧表に表示される患者情報のデータ量には変化がない。その為、目的の患者情報データに辿り着くまでスクロール作業などを行う必要がり、手間と時間とがかかる。第2の方法では、撮影日の直接入力による日付指定によるデータの絞込みは撮影日の入力に手間がかかるうえ、打ち間違え等が生じる。また、この場合、操作者は文字情報のみで患者情報データを絞り込まなければならず、視覚的に判断ミスを犯しやすい。
【特許文献1】特開2005−80969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、医用画像情報の検索時間の短縮と検索操作の効率化を可能とする医用画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、ある局面において、医用画像診断装置で発生された被検体の医用画像データを記憶する記憶部と、人体の模擬画像と前記被検体の医用画像データの収集年月日を選択するためのカレンダーとを表示する表示部と、前記被検体の医用画像データに対応する前記模擬画像の部位と、前記模擬画像の部位に対応して前記カレンダーに表示された前記被検体の医用画像データの収集年月日とを選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記部位と前記医用画像データの収集年月日とに基づいて前記記憶部から所望の医用画像データを検索する検索部とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、医用画像情報の検索時間の短縮と検索操作の効率化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0008】
図1は本実施形態におけるシステム構成を示す図である。
医用画像診断装置1はX線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置等の医用画像データを収集するための装置である。
CPU(Central Processing Unit)2は本実施形態における医用画像表示装置の全ての処理を統括する。
RAM(Random Access Memory)3は、CPU2によって実行される各種プログラムやこれら各種プログラムによって処理されたデータ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
表示部4は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等からなるモニタを備えている。
選択部5は、マウス等のポインティングデバイスを備え、表示部4上に表示されるカーソルやポインターの座標を検出し、検出した座標をCPU2に出力する。また、選択部5はCRT又はLCD等により構成される表示部4を覆うように設けられたタッチパネルを備えるものとしてもよく、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号としてCPU2に出力する。更に、選択部5は、カーソルキー及び各種機能キーを備えたキーボードを備えるものとしてもよい。
【0009】
記憶部6は、プログラムや各種データ等が記憶されている記録媒体を有している。この記録媒体は磁気的記録媒体、光学的記録媒体等である。記憶部6は医用画像データ61、患者情報データ62、詳細患者情報データ63、人体を模した画像I(以下、「人体画像」と称する)等を記憶している。医用画像データ61は診断装置1で収集された医用画像データである。
【0010】
患者情報データ62は、患者のID番号、患者の氏名、患者の年齢、患者の体重、撮影日、撮影部位等の項目からなる。撮影日は医用画像データの収集日である。撮影日の項目には画像が撮影された年月日等のテキスト情報が入力されている。撮影部位の項目には頭部、首部、胸部、腹部、腰部、腕部、足部といった情報が入力されている。患者詳細情報データ63には患者情報データ62に含まれる項目の他、患者の身体情報、撮影方法、読影をしての所見等の項目からなる。患者情報データ62と詳細患者情報データ63と医用画像データ61とは患者のID番号や患者氏名等によって対応付けて記憶されている。所望の患者情報データ62を選択部5により選択すると、選択した患者情報データ62に対応する医用画像データ61又は詳細患者情報データ63が別の画面に表示される。
【0011】
図2は人体画像Iを説明するための図である。図2に示すように、この人体画像Iは幾つかの撮影部位領域に分割されている。撮影部位領域は頭部I1、首部I2、胸部I3、腹部I4、腰部I5、腕部I6、足部I7等の領域に分かれている。選択部5を介してこの撮影部位領域内を選択すると、撮影部位領域に対応した検索条件(検索キー)がCPU2によって検索部7に送信される。以下に説明するように、この撮影部位領域は検索条件として用いるので、撮影部位を「検索部位」と称することもある。
【0012】
カレンダー生成部7は、操作者の必要に応じて複数の種類のカレンダーCを生成する。ここでいうカレンダーCとは、1年又は1月の日々を曜日によって配列した所謂七曜表だけでなく、1年の月々のみを適当な順序で配列した表も含む。これらカレンダーCは年月日や曜日等を含む画像からなる。カレンダーに表示された年月日は選択部5により選択可能である。カレンダーの年月日等が表示されている画面上の座標と医用画像の収集年月日とは対応しており、選択部5を介してこれら画面上に表示されている年月日等を選択すると、年月日等に対応した検索条件(検索キー)がCPU2によって検索部7に送信される。カレンダーCの種類としては、一年分のカレンダーを表示する一年表示カレンダーC1、複数年分のカレンダーを表示する複数年表示カレンダーC2、複数年表示カレンダーの月を上・中・下旬に分けて表示する上中下旬カレンダーC3とがある。
【0013】
検索部8は、撮影部位領域の選択信号を受信すると、検索条件(検索キー)に基づいて記憶部6に記憶されている患者情報データ62から所望の患者情報データ62を検索する。また、検索部8は、検索ボタンの選択信号を受信すると、検索条件に基づいて患者情報データ62から所望の患者情報データ62を検索する。
【0014】
以下、図3を参照しながら本実施形態の検索処理の一動作例を説明する。
表示部4はRAM3に書き込まれているカレンダーC、記憶部6に記憶されている人体画像Iと患者情報データ62の一覧、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2とを一画面上に表示部4に表示する(ステップS01)。ステップS01で表示される画面を初期画面と呼ぶことにする。図4はこの初期画面の一例を示した図である。図4の左上の領域11には人体画像I、左下の領域12にはカレンダーC、画面上部にはカレンダー切替ボタンB1と、検索ボタンB2、残りの領域13には患者情報データ62の一覧が表示されている。ここで、初期画面のカレンダーCは2005年の一年表示C1のものとして説明する。
【0015】
図5は2005年の一年表示カレンダーC1の具体例を示す図である。この一年表示カレンダーC1は1月から始まる2005年のカレンダーである。この一年表示カレンダーC1は選択部5により選択可能な日と月等とから構成される。操作者が選択部5を介してカレンダー切替ボタンB1を選択すると、画面の領域12に表示されているカレンダーが切替わる。例えば、カレンダー切替ボタンB1が1つの場合、カレンダー切替ボタンが選択されると、画面の領域12に表示されているカレンダーが、一年表示C1、複数年表示C2、上中下旬表示のカレンダーC3という様に順番に切り替わる。また、カレンダー切替ボタンB1を複数用意し、一年表示C1に対応するカレンダー切替ボタン、複数年表示C2に対応するカレンダー切替ボタン、上中下旬表示C3に対応するカレンダー切替ボタンとしてもよい。操作者が選択部5を介して検索ボタンB2が選択されると、決定された検索条件に従って、検索が開始される。
【0016】
操作者は選択部5を用いて初期画面に表示されている人体画像Iの所望の撮影部位領域(I1〜I7)を直接選択する(ステップS02)。検索部8は、選択された撮影部位領域に対応する検索条件(検索キー)に基づいて患者情報データ62から所望の撮影部位情報を有している患者情報データ62を検索する(ステップS03)。例えば、ステップS02で頭部領域が選択された場合、検索部8は、頭部領域に対応する検索条件に基づいて、記憶部6から撮影部位データとして頭部に対応する情報を有している患者情報データ62を検索する。
【0017】
カレンダー生成部7は、検索された患者情報データ62から撮影日データを読み取り、その撮影日データに対応するカレンダーの日を、撮影日データに対応しない日と区別できるように丸で囲む(ステップS04)。日を丸で囲むことによって、この日が撮影日である患者情報データ61が検索部8によって検索されたことを明示する。なお、この明示方法として、例えば、撮影日データに対応する日を撮影日データに日とは異なる色で表示する、撮影日データに対応する日の彩色、輝度を変更する、又は文字を太くする、ブリンクさせるなどとしてもよい。
【0018】
検索が終了すると、表示部4は人体画像I、丸で囲んだ一年表示のカレンダー、検索された患者情報データ62の一覧、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2とを同時に一画面上に表示する(ステップS05)。図9は撮影部位を選択した後の表示画面の一例である。図6に示すように、検索された患者情報データ62の一覧には所望の撮影部位情報(図6では頭部)を有している患者情報データ62しか表示されていない。また、左下に表示されているカレンダーC1には検索された患者情報データの撮影日データに対応する撮影日が明示されている。
【0019】
操作者は検索された患者情報データ62の数に応じて、更にカレンダーC1で検索された患者情報データに対して検索を行うかを決める(ステップS06)。検索された患者情報データ62の数が一画面で表示できるほど少ない場合、これ以上検索をしなくても容易に所望の患者情報データ62を見つけることができるので終了となる。
【0020】
一年表示のカレンダーC1で検索をする場合(A)は、すでに表示部4上に一年表示のカレンダーが表示されているのでそのまま次の処理に進む(ステップS07)。複数年表示のカレンダーC2で検索行う場合(B)又は上中下旬表示のカレンダーC3で検索を行う場合(C)は、選択部5を介してカレンダー切替ボタンを選択することにより所望のカレンダーに切替える(ステップS08)。
【0021】
以下、一年表示のカレンダーでの検索処理(A)の一動作例について図7を参照しながら説明する。
操作者は、選択部5を介して、所望の患者情報データ62に含まれる撮影日データに対応するカレンダーC上の日及び月を選択する(ステップSA1)。選択する日又は月の数は1つでも複数でもよいし、日と月とを両方選択してもよい。
【0022】
操作者は、所望の日及び月を選択し終わったら、選択部5を用いて表示部4上に表示されている検索ボタンを選択する(ステップSA2)。
【0023】
検索部8は、検索ボタンの選択信号を受信すると、選択された日及び月に対応する検索条件に基づいて記憶部6に記憶されている患者情報データ62から所望の撮影日情報を有する患者情報データ62を検索する(ステップSA3)。例えば操作者が2005年3月4日に対応する“4”を選択した場合、検索部8は、2005年3月4日に対応する検索条件に基づいて、記憶部6に記憶されている患者情報データ62の中から撮影日データ2005年3月4日に対応する患者情報データ62を検索する。また、2005年3月に対応する“3”が選択された場合、検索部8は2005年3月に対応する検索条件に基づいて、記憶部6に記憶されている患者情報データ62を検索する。
【0024】
検索が終了すると、表示部4は人体画像I、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2、丸で囲まれた一年表示のカレンダーC1、検索された患者情報データ62の一覧とを同時に一画面上に表示する(ステップSA4)。ここで表示されるカレンダーC1はステップSA1におけるカレンダーC1と同様である。
【0025】
操作者は、検索された患者情報データ62の一覧に所望の患者情報データ62がある否かを判断(ステップSA5)する。所望の患者情報データ62がない場合はステップSA1に戻り検索し直すことが可能である。所望の患者情報データ62がある場合は検索終了となる。
【0026】
次に、図8を参照しながら、複数年表示のカレンダーC2での検索処理(B)の一動作例について説明する。
操作者がカレンダー切替えボタンB1を選択することにより複数年表示のカレンダーC2に切替えると、カレンダー生成部7は、一覧表示されている患者情報データ62に含まれる撮影日データに基づいて、複数年表示のカレンダーを生成する(ステップSB1)。図9は複数年表示カレンダーC2の具体例を示す図である。この複数年表示カレンダーC2は1月から始まっており、2004年と2005年を表示したカレンダーである。複数年表示カレンダーは月と年とが表示される。この月と年とは選択部5により一つ一つ直接選択可能である。なお、図9のカレンダーは2年分表示の例を示しているが、何年分表示でもよい。一覧表示されている患者情報データ62の撮影日データに対応する月は対応しない月と区別できるように明示されている。明示の仕方はステップS04と同様である。
【0027】
表示部4は人体画像I、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2、丸で囲まれた複数年表示のカレンダーC2、検索された患者情報データ62の一覧とを同時に一画面上に表示する(ステップSB2)。図10はステップSB2における表示画面の一例である。図10に示す様に、検索された患者情報データ62の撮影日に対応するカレンダーC2上の月が丸で囲まれて表示される。
【0028】
操作者は、選択部5を介して、所望の患者情報データ62に含まれる撮影日データに対応する月及び年を選択する(ステップSB3)。選択する月及び年の数は1つでも複数でもよいし、月と年とを両方選択してもよい。
操作者は、所望の月及び年を選択し終わったら、選択部5を介して表示部4上に表示されている検索ボタンを選択する(ステップSB4)。
【0029】
検索部8は、検索ボタンの選択信号を受信すると、選択された月及び年に対応する検索条件に基づいて、記憶部6から所望の撮影日データを有する患者情報データ62を検索する(ステップSB5)。例えばステップSB3で2004年12月に対応する“12”が選択された場合、検索部8は、2004年12月に対応する検索条件に基づいて、記憶部6から撮影日データ2004年12月に対応する患者情報データ62を検索する。2004年が選択された場合も同様に検索部8によって検索されるので説明は省略する。
【0030】
検索が終了すると、表示部4は人体画像I、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2、丸で囲まれた複数年表示のカレンダー、検索された患者情報データ62の一覧とを同時に一画面上に表示する(ステップSB6)。ここで表示されるカレンダーC3はステップSB2におけるカレンダーC2と同様である。
【0031】
操作者は、検索された患者情報データ62の一覧に所望の患者情報データ62がある否かを判断(ステップSB7)する。所望の患者情報データ62がない場合はステップSB3に戻り検索し直すことが可能である。所望の患者情報データ62がある場合は検索終了となる。
【0032】
次に、図11を参照しながら、上中下旬表示のカレンダーC3での検索処理(C)の一動作例について説明する。
操作者がカレンダー切替ボタンB1を選択することによって上中下旬表示のカレンダーC3に切替えると、カレンダー生成部7は、一覧表示されている患者情報データ62に含まれる撮影日データに基づいて、上中下旬表示のカレンダーC3を生成する(ステップSC1)。
【0033】
図12は上中下旬カレンダーC3を説明するための図である。この上中下旬表示カレンダーC3は1月から始まっており、2004年と2005年とを表示したカレンダーである。上中下旬カレンダーはC3上旬(カレンダーでは月の横に表示される上)と中旬(カレンダーでは月の横に表示される中)と下旬(カレンダーでは月の横に表示される下)と月と年とで構成される。例えば、上旬は1〜10日、中旬は11〜20日、下旬は21日〜末日に対応する。日・月・年・上旬・中旬・下旬は選択部5により直接選択可能である。なお、図12のカレンダーは2年分表示の例を示しているが、年数は何年分表示でもよい。一覧表示されている患者情報データ62の撮影日データに対応する上旬・中旬・下旬は対応しない上旬・中旬・下旬と区別できるように明示されている。なお、区別の仕方はステップS04又はSB1と同様である。
【0034】
表示部4は人体画像I、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2、カレンダー切替ボタンB1、丸で囲まれた上中下旬表示のカレンダーC3と検索された患者情報データ62の一覧とを同時に一画面上に表示する(ステップSC2)。図13はステップSC2における表示画面の一例である。図13に示す様に、検索された患者情報データ62の撮影日に対応するカレンダー上の上旬・中旬・下旬が丸で囲まれて表示される。
【0035】
操作者は、選択部5を介して、所望の参照したい患者情報データ62に含まれる撮影日データに対応する月・年・上旬・中旬・下旬を選択する(ステップSC3)。選択する月・年・上旬・中旬・下旬の数は1つでも複数でもよい。
【0036】
操作者は、所望の月・年・上旬・中旬・下旬を選択し終わったら、選択部5を介して表示部4上の検索ボタンを選択する(ステップSC4)。
検索部8は、検索ボタンの選択信号を受信すると、選択された月・年・上旬・中旬・下旬に対応する検索条件に基づいて、記憶部6から所望の撮影日データを有している患者情報データ62を検索する(ステップSC5)。例えばステップSC3で2005年8月上旬に対応する“上”が選択された場合、検索部8は、選択された2005年8月上旬に対応する検索条件に基づいて記憶部6から撮影日データ2005年8月1日〜2005年8月10日に対応する患者情報データ62を検索する。検索部8は、“中”が選択された場合は11日〜20日に、“下”が選択された場合は21日〜末日に対応する患者情報データ62を検索する。月・年が選択された場合はステップSB5と同様なので省略する。
【0037】
検索が終了すると、表示部4は人体画像I、カレンダー切替ボタンB1、検索ボタンB2、丸で囲まれた上中下旬表示のカレンダーC3、検索された患者情報データ62の一覧とを同時に一画面上に表示する(ステップSC7)。ここで表示される上中下旬カレンダーC3はステップSC2における上中下旬カレンダーC3と同様である。
【0038】
操作者は、検索された患者情報データ62の一覧に所望の患者情報データ11がある否かを判断(ステップSC8)する。所望の患者情報データ62がない場合はステップSC3に戻り検索し直すことが可能である。所望の患者情報データ62がある場合は検索終了となる。
【0039】
以下、検索を行った結果、検索された患者情報データ62に同一の患者(患者IDが同一)の患者情報データ62が複数検索される場合を説明する。図14は検索を行った結果、患者ID1(患者A)に関する患者情報データ62が複数検索された場合の表示例を示す図である。図14に示すように、同じ患者IDを有する複数の患者情報データ62のうち一つだけを選択部5により選択可能な特別な符号を付して表示する。この表示の仕方を縮小表示と呼ぶことにする。図14において、患者氏名の横に付してある特別な符号(+)を展開マークと称する。もちろん、この展開マークは(+)でなくほかのマークでもよく、また、その場所は患者氏名の横に限らない。なお、表示されていない患者ID“1”の患者情報データ62の撮影日に対応するカレンダーの日付は丸で囲んで表示してある。
【0040】
図15は、展開マークが選択部5によって直接選択された場合の表示例を示す図である。図15に示すように、展開マークが選択されると、表示部4は、図15では表示しなかった残りの患者情報データ62(図15では、上から2番目の患者情報データ62)を表示する。表示部4は、展開マークの代わりに選択部5により選択可能な縮小マーク(−)を表示する。もちろん、この縮小マークは(−)ではなく他のマークでもよく、また、その場所は患者氏名の横に限らない。縮小マークが選択されると、再び、図14のように同一の患者に関する複数の患者情報データ62を縮小表示する。
【0041】
また、検索処理の説明ではカレンダーを図5、図9、図12のように一月から順に表示したものを用いて説明したが、図16のような操作日の属する月から過去一年若しくは複数年表示のカレンダーを用いてもよい。図16は過去1年表示のカレンダーを示す図である。図16は、一例として、操作日の属する日が7月の場合における過去1年表示のカレンダーC4を示している。この他にも図示はしないが過去複数年カレンダー又は過去複数年上中下旬表示カレンダーであってもよい。この場合、カレンダーで検索できる撮影日データの期間が変わるだけで、検索処理の流れに変更はない。従って過去一年若しくは複数年表示のカレンダーを用いた検索処理の説明は省略する。
【0042】
なお、本実施形態では図3に示すように、先に人体画像Iを選択することで検索を行い、その次にカレンダーを選択して検索を行う例を示したが、先にカレンダーを選択して検索をし、その次に人体画像を選択して検索を行ってもよい。
【0043】
上述の検索処理では、選択部5を用いて各撮影部位の領域(I1〜I7)を選択することにより検索条件を決定していた。しかし、表示部4が各撮影部位をアイコンとして表示し、選択部5を用いて各撮影部位の各アイコンを選択することにより検索条件を決定してもよい。
【0044】
かくして本実施形態によれば、医用画像情報の検索時間の短縮と検索操作の効率化が可能である。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態におけるシステム構成を示す図。
【図2】本実施形態における人体画像の具体例を示す図。
【図3】本実施形態における検索処理の一動作例を示す図。
【図4】図3のステップS01における初期画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態における一年表示カレンダーC1の具体例を示す図。
【図6】図3のステップS06における表示画面の一例を示す図。
【図7】図3に続いて、一年表示のカレンダーC1での検索処理の一動作例を示す図。
【図8】図3に続いて、複数年表示のカレンダーC2での検索処理の一動作例を示す図。
【図9】本実施形態における複数年表示カレンダーC2の具体例を示す図。
【図10】図8のステップSB2における表示画面の一例を示す図。
【図11】図3に続いて、上中下旬表示のカレンダーC3での検索処理の一動作例を示す図。
【図12】本実施形態における上中下旬表示カレンダーC3の具体例を示す図。
【図13】図11のステップSC2における表示画面の一例を示す図。
【図14】本実施形態において、同一患者の患者情報データが複数検索されたときの縮小表示を説明する図。
【図15】図14の縮小表示を展開したときの表示例を示す図。
【図16】本実施形態における過去1年表示のカレンダーC4を示す図。
【符号の説明】
【0047】
1…医用画像診断装置、2…CPU、3…RAM、4…表示部、5…選択部、6…記憶部、7…カレンダー生成部、8…検索部、61…医用画像データ、62…患者情報データ、63…詳細患者情報データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置で発生された被検体の医用画像データを記憶する記憶部と、
人体の模擬画像と前記被検体の医用画像データの収集年月日を選択するためのカレンダーとを表示する表示部と、
前記被検体の医用画像データに対応する前記模擬画像の部位と、前記模擬画像の部位に対応して前記カレンダーに表示された前記被検体の医用画像データの収集年月日とを選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記部位と前記医用画像データの収集年月日とに基づいて前記記憶部から所望の医用画像データを検索する検索部とを具備する医用画像表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記医用画像データが収集された日の前記カレンダーの表示を通常の表示と異なる表示とすることを特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、検索された同一の被検体の医用画像データが複数あるとき、他のデータと区別可能に表示することを特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記複数の被検体の医用画像データを展開可能に表示することを特徴とする請求項3記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記選択部により、カレンダーの表示方式が適宜切替えることが可能であることを特徴とする請求項1記載の医用画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−68033(P2008−68033A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251748(P2006−251748)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】