説明

医療用溶液を貯蔵および混合する容器および方法

【課題】医療用溶液を貯蔵する容器および、このような溶液を患者に投与する前に滅菌混合する方法を提供する。
【解決手段】成分を貯蔵する容器および方法であって、これら成分は、合わせて混合されて最終溶液を形成し、成分のうち1種は脂質を含む。ある実施態様において、容器は、少なくとも2個のチャンバを規定する内部を含む。第1チャンバは、脂質含有液体を含む。第2チャンバは、脂質を含有しない液体を含む。第1チャンバおよび第2チャンバは、開封可能なシールで分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、一般的に医療用製品および手順に関する。より詳細には、本発明は、医療用溶液を貯蔵する容器と、このような溶液を患者に投与する前に滅菌混合する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
容器に医療用溶液を貯蔵することは、もちろん公知である。様々なこのような溶液は、このような容器に収容され、貯蔵される。このような医療用溶液は、例えば、非経口溶液、経腸性溶液、透析溶液、栄養物、ならびに、遺伝子治療剤および化学療法剤を含む薬理学的薬剤を含み得る。
【0003】
これらの溶液は、ガラスまたはプラスチックのいずれかから構成され得る。プラスチック容器は、堅固であるか可撓性であるかのいずれかであり得る。可撓性容器は、プラスチックフィルムから構成される。
【0004】
現在、医療処置に使用される溶液は非常に様々であるが、しかし、少なくとも特定の医療用溶液を貯蔵する能力を制限し得る、多数の問題が存在する。例えば、安定性、適合性、または他の懸念のために、多数の医療用溶液は、予め混合され得ない。むしろ、個々の成分が別々に貯蔵されなければならない。典型的には、これらの成分は、分離した容器に貯蔵されて、使用の前に混合されるか、または可撓性の容器の分離した区画に貯蔵されて、次いで使用に先立って混合されるかのいずれかである。例えば、アミノ酸溶液およびデキストロース溶液は、分離した容器または区画に貯蔵することを必要とする。
【0005】
成分を分離した容器に貯蔵し、次いでそれらを合わせて混合することの不利な点の1つは、混合プロセスが、系および/またはプロセスの無菌性を損ない得ることである。さらに、このような混合プロセスは、労働集約的プロセスをもたらす。さらにまた、混合プロセスの間に、分離した容器から患者のための最終容器に、ある量の溶液を添加するべきであるために、誤りが起こり得る。
【0006】
分離した容器の不利点を処理するために、複数のチャンバを含む可撓性容器を提供することが公知である。この目的のために、このような容器は、2個以上のチャンバを規定する内部を有する。このような容器を形成する1つの方法は、内部を2個のチャンバに分割する熱シールを備えることである。このような容器は、例えば、米国特許第4,396,488号、同第4,770,295号、同第3,950,158号、同第4,000,996号、および同第4,226,330号に開示されている。
【0007】
選択的連通と、分離したチャンバに貯蔵された2種の成分の混合とを行い得るために、熱シールの間に脆いバルブを使用することもまた公知である。例えば、米国特許第4,396,488号を参照のこと。
【0008】
しかし、このような脆い構造のバルブは、特に、混合時間、微粒子物質の発生、開口の困難さ、均一混合を達成する困難さ、および費用を含む多数の理由から望ましくない。脆いバルブの代替物が、米国特許第3,950,158号、同第4,000,996号、および同第4,226,330号に開示されている。これらの特許において、複数チャンバ容器が開示され、この容器は、けがき線(これは、圧力の適用下で壊れる)のような弱い線を備える。
【0009】
米国特許第4,770,295号は、可撓性の熱可塑性材料の2枚のシート間に配設された選択的に開口可能なシール線を開示する。シール線は強くない開口力に耐えるが、特定の力の適用下で開口する。
【0010】
さらに、プラスチック容器にティアタブまたはティアストリップを使用することが公知である。米国特許第2,991,000号および同第3,983,994号を参照のこと。これらの系の不利点は、それらが比較的複雑なシール構造の使用を含むことである。
【0011】
医療工業で使用するための容器の構成における他の多数の問題がまた、取り組まれるべきである。例えば典型的には、容器および溶液を製造した後に、容器および溶液を滅菌することが必須である。典型的に、製品は、蒸気滅菌またはオートクレービングによって滅菌される。オートクレービング滅菌は、容器の形成に使用されたフィルムならびに容器内のチャンバ間のシールの熱特性を変化させ得る。またさらに、加熱滅菌は、溶液が特定の条件に維持されなければ、容器に収容された溶液に、悪影響を与え得る。例えば、このような組成物はデキストロースである。
【0012】
もちろん、いかなる複数チャンバ容器の間のシールが外部ストレスに耐え得ることは必須である。このようなストレスは、例えば、自身の締め付け、または偶発的なバッグの落下により1個以上のチャンバに適用され得る圧力を含み得る。従って、シールは、十分に強くなければならない。しかしその一方で、シールは、混合しようとする前に容器に収容された溶液を混合出来ないほどに強くてはならない。
【0013】
またさらに、直面する問題は(特に、非経口栄養溶液に関しては)、溶液を構成する成分が、互いに適合性であり得ないだけでなく、容器を構成する材料とも適合性であり得ないことである。例えば、脂質は、容器を作るのに使用される典型的なプラスチック材料に収容され得ない。脂質は、特定の材料をプラスチックの外部に浸出し得る;脂質がポリ塩化ビニル材料に収容された場合、可塑剤を浸出し得る。可塑剤の浸出は、毒性の問題を引き起こし得る。さらに、可塑剤が浸出された場合、プラスチックは堅固になる。従って、これまで市販で入手可能な脂質製品は、ガラス容器のみに収容されている。
【0014】
潜在的に生活を支える治療法の1つの形態は、総合的な非経口栄養または過栄養である。典型的には、総合的な栄養要求物を患者に提供する非経口栄養溶液は、脂質成分、炭水化物成分、タンパク質成分、ビタミン、および無機物を含む。
【0015】
多数の安定性および関連する問題のために、総合的な非経口栄養溶液は、使用直前の状態で貯蔵され得ない。よって、使用に先立って溶液を混合することが必要である。
【0016】
これまで、単一の容器において、非経口栄養溶液に必須であり得る、全てのベース成分を貯蔵することが不可能でるために、非経口栄養溶液を混合する自動化化合機(compounder)を使用することが公知である。このような化合機において、溶液容器は化合機に吊り下げられ、そしてポンプまたはバルブを使用して、その内の溶液が化合されて必須成分(例えば、脂質、炭水化物、およびアミノ酸)の全てを含む最終溶液を形成する。米国特許第4,653,010号、および同第4,467,944号は、このような自動化化合機の実施態様を開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の要旨
本発明は、医療用溶液を貯蔵する容器および方法を提供する。より詳しくは、本発明は、最終溶液を形成するために合わせて混合されるべき成分を貯蔵する容器および方法を提供し、この成分の1種は脂質を含む。
【0018】
この目的のために、本発明は、少なくとも2個のチャンバを規定する内部を含む容器を提供する。第1チャンバは脂質含有液体を含む。第2チャンバは、脂質を含まない液体を含む。第1および第2チャンバは開口可能なシールで分離されている。
【0019】
ある実施態様においては、開口可能なシールが剥離可能なシールである。
【0020】
ある実施態様においては、第2チャンバが、デキストロース、アミノ酸、水、ビタミン、および電解質からなる群から選択される、少なくとも1種の成分を含む。
【0021】
ある実施態様においては、2個の開口可能なシールで分離された、3個の分離したチャンバが提供される。
【0022】
ある実施態様においては、第1チャンバおよび第2チャンバの各々が、チャンバとの選択的な流体の連通を行い得るアクセスポートを含む。
【0023】
ある実施態様においては、第2チャンバの液体が、アミノ酸を含み、そして、第3チャンバが、デキストロースを含有する液体をその内部に含む。
【0024】
ある実施態様においては、アクセスポートが、ポリ塩化ビニルを含有しない材料から構成される。
【0025】
本発明の別の実施態様においては、ポリ塩化ビニルを含有しない可撓性プラスチック材料から構成される本体を有する容器が提供される。本体は、少なくとも第1チャンバおよび第2チャンバを規定する。第1チャンバは、脂質含有液体を含み、そして、第2チャンバが、アミノ酸、デキストロース、ビタミン、および電解質からなる群から選択される、少なくとも1種の成分を含有する液体を含む。開口可能なシールが、第1チャンバおよび第2チャンバの間に配設される。
【0026】
本発明はまた、栄養を患者に提供する方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:少なくとも2個のチャンバを含む容器を提供する工程、ここで、第1チャンバは脂質含有液体を含み、第2チャンバは脂質を含まない第2の液体を含み、チャンバは開口可能なシールで分離されている;第1チャンバと第2チャンバとの間に配設されたシールを開口する工程;第1の液体と第2の液体とを容器の内部で混合する工程;および得られた液体を患者に投与する工程。
【0027】
ある実施態様において、得られた液体が、患者に非経口的に投与される。
【0028】
本発明の別の実施態様において、過栄養を患者に提供するための方法が提供され、この方法は、以下の工程を包含する:脂質成分、デキストロース成分、およびアミノ酸成分を含み、成分の各々が別々のチャンバに収容される容器を提供する工程;成分を容器の内部で混合する工程;および得られた液体を患者に投与する工程。
【0029】
さらに、本発明の実施態様において、脂質を含有する液体を含む、可撓性のプラスチック容器が提供される。
【0030】
またさらに、本発明は、過栄養溶液を健康装置に提供する方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する:複数チャンバ(multi-chambered)容器を提供する工程;チャンバの1個を脂質を含有する液体で満たす工程;別のチャンバをアミノ酸を含有する液体で満たす工程;異なるチャンバをデキストロースを含有する液体で満たす工程;および複数チャンバ容器を健康装置に提供する工程。
【0031】
ある実施態様において、チャンバが実質的に同時に満たされる。
【0032】
ある実施態様において、アミノ酸が最初に容器に満たされる。
【0033】
ある実施態様において、デキストロースが最初に容器に満たされる。
【0034】
ある実施態様において、この方法は、満たされた容器を滅菌する工程を包含する。
【0035】
ある実施態様において、満たされた容器がオートクレーブされる。
【0036】
本発明の利点は、本発明が、総合的な非経口栄養溶液のためのベース成分の全てを貯蔵する容器を提供することである。
【0037】
さらに、本発明の利点は、本発明が、ある実施態様においては、アミノ酸中の電解質、デキストロース中のカルシウム、およびデキストロース中の微量元素を含む容器を提供することである。
【0038】
さらにまた、本発明の利点は、脂質を含有する医療用溶液を貯蔵するための容器を提供することである。
【0039】
さらに、本発明の利点は、医療用溶液の化合の安全性を改善する方法を提供することである。
【0040】
さらに、本発明の利点は、非経口栄養溶液を調製し、自動化化合機を必要としない容器および方法を提供することである。
【0041】
本発明の別の利点は、未使用の特別注文の総合的な非経口栄養溶液の廃棄を低減する方法および容器を提供することである。
【0042】
さらに、本発明は、以下をも提供する:
1.少なくとも2個のチャンバを規定する内部を含む容器であって:
第1チャンバが脂質を含有する液体を含み;
第2チャンバが脂質を含有しない液体を含み;
該第1および第2チャンバが開口可能なシールで分離されている、容器。
2.前記開口可能なシールが、剥離可能なシールである、項目1に記載の容器。
3.前記第2チャンバが、デキストロース、アミノ酸、水、ビタミン、および電解質からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む、項目1に記載の容器。
4.2個の開口可能なシールで分離される、3個の分離したチャンバを含む、項目1に記載の容器。
5.前記第1チャンバおよび第2チャンバの各々が、該チャンバとの選択的な流体の連通を行い得るアクセスポートを含む、項目1に記載の容器。
6.前記容器が、RF応答性層および非RF応答性層を含むプラスチックフィルムで構成される、項目1に記載の容器。
7.前記第2チャンバ内の前記液体が、アミノ酸を含み、前記第3チャンバが、デキストロースを含有する液体をその内部に含む、項目4に記載の容器。
8.前記アクセスポートが、ポリ塩化ビニルを含有しない材料で構成される、項目5に記載の容器。
9.前記開口可能なシールが、永久的でかつ開口しない該シールの部分を含む、項目1に記載の容器。
10.前記第1チャンバ内の前記液体が、脂質エマルジョンである、項目1に記載の容器。
11.ポリ塩化ビニルを含有しない可撓性プラスチック材料で構成された本体を有し、該本体が、脂質含有液体を含むチャンバを規定する、容器。
12.以下を含む容器:
ポリ塩化ビニルを含有しない可撓性プラスチック材料で構成された本体であって、少なくとも第1チャンバおよび第2チャンバを規定する本体;
脂質含有液体を含む該第1チャンバ;
アミノ酸、デキストロース、ビタミン、および電解質からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含有する液体を含む該第2のチャンバ;
該第1チャンバと該第2チャンバとの間に配設された開口可能なシール。
13.前記開口可能なシールが、剥離可能なシールである、項目12に記載の容器。
14.2個の開口可能なシールで分離される、3個の分離したチャンバを含む、項目12に記載の容器。
15.前記第1チャンバおよび第2チャンバの各々が、該チャンバとの選択的な流体の連通を行い得るアクセスポートを含む、項目12に記載の容器。
16.栄養を患者に提供する方法であって、以下の工程を包含する、方法:
少なくとも2個のチャンバを含む容器を提供する工程であって、ここで、第1チャンバは、第1の脂質含有液体を含み、そして第2チャンバは、脂質を含有しない第2の液体を含み、該チャンバが開口可能なシールで分離される工程;
該第1チャンバと該第2チャンバとの間の該シールを開口する工程;
該第1の液体と該第2の液体とを該容器の内部で混合する工程;および
得られた液体を患者に投与する工程。
17.前記容器が、3個のチャンバと第3のチャンバの第3の液体とを含む、項目16に記載の方法。
18.前記得られた液体が、患者に非経口的に投与される、項目16に記載の方法。
19.過栄養を患者に提供する方法であって、以下の工程を包含する、方法:
脂質成分、デキストロース成分、およびアミノ酸成分を含む複数チャンバ容器を提供する工程であって、ここで、該成分の各々は該複数チャンバ容器の分離したチャンバに収容される工程;
該容器の内部で該成分を混合する工程;および
得られた流体を患者に投与する工程。
20.前記得られた流体が、患者に非経口的に投与される、項目19に記載の方法。
21.過栄養溶液を健康装置に提供する方法であって、以下の工程を包含する、方法:
複数チャンバ容器を提供する工程;
1個のチャンバを、脂質を含有する液体で満たす工程;
別のチャンバを、アミノ酸を含有する液体で満たす工程;
異なるチャンバを、デキストロースを含有する液体で満たす工程;および
該複数チャンバ容器を健康装置に提供する工程。
22.前記チャンバが、実質的に同時に満たされる、項目21に記載の方法。
23.前記アミノ酸が、前記容器に最初に満たされる、項目21に記載の方法。
24.前記デキストロースが、前記容器に最初に満たされる、項目21に記載の方法。
25.満たされた容器を滅菌する工程を包含する、項目21に記載の方法。
26.前記満たされた容器が、オートクレーブされる、項目25に記載の方法。
【0043】
さらに、本発明の利点は、注文と栄養溶液のような医療用溶液の患者への投与との間の回転時間(turn around time)を短縮する方法および容器を提供することである。
【0044】
さらにまた、本発明の利点は、総合的な非経口栄養を患者に提供する、より安全な方法を提供することである。
【0045】
またさらに、本発明の利点は、栄養溶液を化合する製薬労働者を削減することである。
【0046】
また、本発明の利点は、総合的な非経口栄養溶液の注文の簡素化を手助けすることである。
【0047】
さらに、本発明の利点は、本発明が、医療用溶液を調製する間の汚染の危険性を、製薬操作を最小化することにより低減することである。
【0048】
本発明のさらなる特徴および利点は、現在好ましい実施態様の詳細な説明および図面に記載され、またそれらから明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
現在好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、好ましくは、複数チャンバ容器を提供し、この容器は、使用に先立って分離して貯蔵されるべき、製品の複数の液体成分を収容するのに使用され得る。本発明の独特の構造のために、成分は使用に先立って混合され得、容器ならびに方法は、脂質を他の成分と同一の構造内に貯蔵し得る。従って、ある実施態様において、本発明は、過栄養溶液の少なくとも3種のベース溶液を使用に先立って1つの容器に貯蔵し得る。本発明は、好ましい実施態様において、複数チャンバ容器を提供するが、本発明に従って、脂質含有液体を含む単一のチャンバを有する容器が意図されることが留意されるべきである。
【0050】
図1を参照して、本発明の1つの実施態様を例示する。好ましくは、容器10は、少なくとも3個のチャンバ12、14、および16を含む。チャンバ12、14、および16は、液体および/または溶液の分離した貯蔵のために設計される。3個のチャンバ12、14、および16は、図1に例示する本発明の実施態様に存在するが、より多い、またはより少ないチャンバが使用され得ることが留意されるべきである。
【0051】
好ましくは、剥離可能なシール18および20は、それぞれチャンバ12と14との間、ならびにチャンバ14と16との間に備えられる。そのような剥離可能なシールは、1993年3月16日出願、「剥離可能なシールおよびこれを有する容器」と題された米国特許出願第08/033,233号に開示される。この出願の開示は、本明細書中で参考として援用される。剥離可能なシールにより、チャンバの選択的開口が可能となり、チャンバに含まれた液体の選択的混合が可能となる。
【0052】
本発明に従って、少なくとも1個のチャンバ16は、脂質を含有する液体を貯蔵し得る。好ましい実施態様において、容器10は、第1チャンバ12にデキストロースを、第2チャンバにアミノ酸14を、第3チャンバに脂質16を含む。
【0053】
次に図2を参照して、本発明の別の実施態様を例示する。図1に例示した実施態様と同様に、好ましくは、容器110は、少なくとも3個のチャンバ112、114、および116を含む。チャンバ112、114、および116は、液体および/または溶液を分離して貯蔵するように設計される。3個のチャンバ112、114、および116が、図2に例示される本発明の実施態様に存在するが、より多い、またはより少ないチャンバが使用され得ることが留意されるべきである。図1の実施態様にあるように、好ましくは、剥離可能なシール118および120は、それぞれチャンバ112と114との間、ならびにチャンバ114と116との間に備えられる。
【0054】
次に図3を参照して、本発明の容器10および110を構築するのに使用されるフィルム21の実施態様の断面図を例示する。例示した好ましい実施態様において、フィルム21は、4個の層22、24、26、および28の構造を含む。
【0055】
この観点から、例示の実施態様において、外側層または第1の層22は、PCCEコポリエステルのようなポリエステル材料から構成される。所望であれば、他の高融点の可撓性材料が使用され得る。PCCEコポリエステル材料は、Ecdel 9965の名称でEastman Kodakから購入され得る。外側層22の代表的な厚さは、例えば、0.39ミル〜0.71ミル、例えば0.55ミルであり得る。
【0056】
接着層24は、第1の層22を第3の層26に固定するために設けられる。好ましくは、接着層は、マレイン酸で化学的に修飾されたEVAコポリマーのような、反応性の高いポリマー接着剤である。このような材料は、Bynel E-361の名称でDuPontから入手可能である。接着層24は、様々な厚みを有し得、例えば0.20ミル〜0.60ミル、例えば0.40ミルである。
【0057】
第3の層26は、好ましくは、EVAコポリマーのような、RF応答性ポリマーである。このような材料は、Elvax 3182-2の名称でDuPontから入手可能である。好ましくは、第3の層は、約5.56ミル〜約6.84ミル、例えば6.20ミルの厚みを有する。
【0058】
このフィルムもまた、以下から構成される封止層28を含む:1)滅菌温度で熱的に安定であるが、外側層の融点より低い温度で融解する、バルクポリオレフィン(このようなポリマーは、好ましくはFina Oil and ChemicalのZ9450のようなポリプロピレン-エチレンコポリマーである);および2)より可撓性の、フリーラジカル耐性の封止層を提供し、そして封止層に2個の融点(エラストマーが低い方の値を有する)を与える熱可塑性エラストマー(このようなポリマーは、好ましくは、スチレン-エチレン-ブテン-スチレンブロックコポリマーであり、例えば、Shell Oil and ChemicalのKraton G-1652である)。封止層は、好ましくは、約1.28ミル〜約1.92ミル、例えば1.60ミルの厚さを有する。
【0059】
封止層28は、シールが破裂した場合にチャンバ(例えば12、14)の間に連通が提供されるように、容器10の溶液側に隣接する。
【0060】
図3に例示するように構成された4層フィルムは、少なくとも1つのRF応答性の層26と、1つの非RF応答性の層28とを有する。シールを形成するために、RF領域は、シールバー(図4を参照して、本明細書中で後に記載される)を加熱し、このシールバーは、RF応答性の層26を加熱し、次いで、この層26は、非RF応答性の層28を加熱して層を軟化させるが、液化させない。得られた粘着性結合は、シート30の非RF応答性の層28と、シート30aの対応する非RF応答性の層28との間の接触から延伸するが、永久的な結合をもたらし得る層間の溶融は生じない。
【0061】
剥離可能なシールをラジオ周波数溶接または他の加熱封止技術を好ましい実施態様に使用して形成するために、ダイ40(図4に例示する)が使用される。ダイ40はシールバー42を含み、シールバーは、ベース44に対して実質的に垂直に突出するように形作られ、シールバー42は、一体的にベース44上に配置される。ベース44はさらに、ベース44中の穴を介して挿入される留具(図示せず)で、製造成分(図示せず)に、固定され得る。ダイ40のシールバー44は、剥離可能なシールを形成するために使用され、ここで、シールバー42はRFエネルギーを使用してエネルギーを与えられ得る。
【0062】
シールバー42は、例示されるように、実質的に等価な幅(図4中で「X」で示す)を有し、好ましい実施態様においては約3/8インチの幅を有する。シールバー42はさらに、活性化力を制御し、そしてシールの強度を増大するために、アール付けされた(radiused)角48と、溝49とを有する。滅菌温度の間、内部層(それ自身と緊密に接触する)は、低い方の融点の材料の溶融によって、共に溶接され得る。この現象により、ダイ42がより狭い表面積を有し得、よって、圧力パラメーターのより大きい制御を与え、高い方の融点の材料が溶融する危険性(これは、実際に熱シールとなり得る)を低減する。例示される好ましい実施態様において、半径寸法は、1/16インチである。本発明のシールバー42を使用して形成される剥離可能なシールは、それに働く外部力によって破裂しにくい結合となる。
【0063】
実施例によって、ただしこれに限定しないが、剥離シールの形成方法の実施例が与えられる。好ましい実施態様において、内部層は、SEBSとエチレンポリプロピレンとを含有する。SEBSは約127℃の融点を有し、エチレンポリプロピレンは約140℃の融点を有する。図4に例示されるダイは、最初に50℃の温度まで加熱され、容器に対向する位置に促して、所望のシールを形成する。次いで、ダイは、128℃〜131℃の間の温度に達するに十分なRFエネルギーでエネルギーを与えられる。これにより剥離シールが形成される。
【0064】
好ましい実施態様において、剥離シールは、容器10の長さに対して永久的なシールであるように、形成される。
【0065】
本発明に従って、そして容器10の構造を考慮して、容器は脂質を収容し得る。この点から、脂質は、容器10を構成するのに使用されるフィルムから、いかなる成分をも浸出しない。本発明はまた、容器10に脂質を満たし得、容器をレトルト(滅菌)し得る。これまで、市販で入手可能な脂質はプラスチック容器に貯蔵され得ず、常に、ガラス中でレトルトされた。
【0066】
図1に例示するように、好ましくは、各チャンバ12、14、および16は、アクセスポートまたは管状ポート31、32、および34を含み得る。例示された実施態様において、ポート31は、注入部位であり、ポート32は、投与部位である。ポート31および32は、任意の数の方法で構成され得る。例えば、ある実施態様において、チャンバ12および14に対するポート31および32は、DEHPで可塑化された透明なPVC膜から構成される。ポート31および32内部の無菌性を維持するために、注入キャップがポートを覆って固定され得る。
【0067】
しかし、チャンバ18を考慮して、これは、脂質を収容するように設計され、アクセスポート34は、PVCを含有しない材料から構成される。例えば、ブレンド物(好ましくは、ポリプロピレン、SEBS、およびEVAのブレンド物)が使用され得る。好ましい実施態様において、ポート34は、以下の処方を有する3層共押出物(co-extrusion)である:
外部層(125μ):
35% PP Fortilene 4265
25% Tafmer A4085
10% Kraton FG1924
10% Macromelt TPX16-159
20% EVA Escorene UL00328 (28% VA)
中間層(580μ):
35% PP Fortilene 4265
25% Tafmer A4085
10% Kraton FG1924
10% Macromelt TPX16-159
20% EVA Escorene UL00328 (28% VA)
内部層(125μ):
50% EVA Escorene UL00119 (19% VA)
50% EVA Escorene UL00328 (28% VA)
好ましい実施態様において、アクセスポート31、32、および34の全ては、上記のような非PVC材料から構成される。
【0068】
管状ポート31、32および34は、容器10と、特にチャンバ12、14、および16と流体が連通し得るように、容器に配置される。この目的のために、ポート31、32および34は、膜を含み得、この膜は、容器の内容物を投与セットを介して患者に送達するために、例えば、投与セットのカニューレまたはスパイクによって穴が開けられる。もちろん、3個より多いか、または少ないポートが使用され得る。
【0069】
ある実施態様において、付加的ポート(図示せず)が、アクセスポート31、32および34に対向する、容器10の末端に配設される。この付加的ポートにより、ミクロ要素またはミクロ栄養素の容器を加えることが可能となる。
【0070】
好ましくは、全てのポートは容器の一方の末端に配設される。これにより、より効率的に製造し得、同時に全てのチャンバを満たし得る。
【0071】
ある実施態様において、容器10は、2個の剥離シールで分離された3個のチャンバを備えた3リットルユニットである。ある実施態様において、容器のチャンバは、デキストロース(10〜70%)、アミノ酸(5.5〜20%、電解質を有するか、または有しない)、および脂質(10%〜30%)を含むように設計される。満たされた容器は、酸素バリアの小袋(overpouch)中に配設され、そしてオートクレーブされるように設計される。使用に先立って、使用者はシールを開封し、そして溶液を混合する。このような容器10は、少なくとも12ヶ月の保管期限(shelf life)を有すると考えられる。
【0072】
容器10は、微量元素、ビタミン、および/または電解質と共に予めパッケージされ得ることもまた留意されるべきである。例えば、微量元素は、デキストロースと同じチャンバにパッケージされ得る。
【0073】
実施例によって、但しこれに制限されないが、総合的な非経口栄養を患者に提供する容器の例を、以下に示す。
【表A】

【0074】
Acute1=電解質を有しない以下の処方 800/225/800構成
Acute1E=電解質を有する以下の処方
【表B】

【0075】
Acute2E(電解質を有する) 800/225/800構成
【表C】

【0076】
Acute3=電解質を有しない以下の処方 800/225/800構成
Acute3E=電解質を有する以下の処方
【表D】

【0077】
Acute4E(電解質を有する) 800/400/800構成
高脂質処方
【表E】

【0078】
非Acute1E(電解質を有する) 800/225/800構成
【表F】

【0079】
末梢神経性1E(電解質を有する) 800/400/800構成
【表G】

【0080】
浸透圧濃度:約670mOsm/L
1.70kgの患者を仮定する。
【0081】
これらの8個の容器は、全成人患者の80〜90%に適合すると考えられる。
【0082】
実施例によって、しかしこれに限定しないが、本発明の例を以下に示す。
【実施例】
【0083】
実施例1
この研究の目的は、本発明の容器の実施態様に関して、レトルトされた脂質エマルジョンの長期保存についての、予備的な抜き取り情報を提供することであった。
【0084】
この研究において、試験物品は、2個の非-PVCポートチューブを備えたフィルムセット(本明細書中で前述した)から調製された500mlユニットであった。ユニットを20%脂質エマルジョンで満たし、箔の小袋中に配設し、窒素および滅菌蒸気で、30、40、または50分間のいずれかでパージした。試験物品中に貯蔵した20%脂質エマルジョンのアリコート、ガラス瓶中に貯蔵した20%脂質エマルジョン、および標的抽出物を添加した(spiked)ガラス瓶中に貯蔵した20%脂質エマルジョンを標的抽出物について分析した。
【0085】
脂質エマルジョンサンプル中の、Irganox(登録商標)1076、2-エチルヘキサン酸、および25-クラウン-5は、それぞれ0.57μg/mL、0.44μg/mL、および0.24μg/mLである、本方法の見積もり検出限界より下のレベルであった。1、2-ビス(sec-ブトキシカルボキシ)エタン(SBCE)、および2,6-ジ-t-ブチル(butyle)-4-メチルフェノール(BHT)をサンプル中に、それぞれ0.28μg/mL、および0.095μg/mLの見積もり検出限界近傍のレベルで検出した。滅菌時間の長さに起因する、抽出レベルの明白な差異はなかった。さらに、試験物品中に貯蔵した20%脂質エマルジョンの抽出物の全イオンクロマトグラムにおいて、非標的抽出物は観測されなかった。
【0086】
標的抽出物に対する感度を増進するために、脂質エマルジョン抽出物を選択的イオンモニタリング質量スペクトル検出を用いて分析し、その一方、全イオンモニタリング質量分光測定を用いて添加の非標的化合物に対する抽出物をスクリーニングした。両方の分析において、この方法の感度を制限する因子は、20%脂質エマルジョンの濃縮である。原則的には、最終溶液中の脂質エマルジョン濃度がより低いので、この方法の感度は、3個のチャンバの容器システムでより大きい。
【0087】
別の研究において、標的抽出物のレベルが決定された。脂質エマルジョン溶液中の抽出物レベルは、脂質エマルジョンの抽出と、選択イオン質量分光測定を備えたガスクロマトグラフィーによる分析とによって決定された。本研究の意図は、容器に貯蔵した20%脂質エマルジョン中の2-エチルヘキサン酸、1,2-ビス(sec-ブトキシカルボキシ)エタン(SBCE)、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)、25-クラウン-5エーテル、およびIrganox(登録商標)1076の蓄積についての予備的情報を提供することであった。さらに、サンプル抽出物は、全イオン質量分光測定を備えたガスクロマトグラフィーによって分析された。
【0088】
これらのユニットは、アルミニウムのクリンプでシールされた2個の非PVCポートチューブを有した。フィルムは、以下の構成成分で共押出しされた:ポリプロピレン-Kraton(登録商標)(溶液接触)/ポリ(エチレンビニルアセテート)(EVA)/無水マレイン酸修飾EVA(接着層)/PCCE。PCCEは、テトラメチレングリコールとのポリ(シクロへキシレンジメチレンシクロヘキサンジカルボキシレート)コポリマーである。試験物品を20%脂質エマルジョンで満たし、箔の小袋中に配設し、窒素でパージし、そしてシールした。次いで、ユニットを30、40、または50分間のいずれかで蒸気滅菌し、そして分析した。
【0089】
以下のサンプル抽出方法を、本研究の一部として発展させた。20%脂質エマルジョンサンプルとガラス中に貯蔵された20%脂質エマルジョンとの1.0mLのアリコートを、0.9%の塩化ナトリウム15mLを含有する125mLの分液漏斗に移した。容積測定的にピペットで取った、31.3μg/mLのジ-n-オクチルフタレート(DOP)内部標準溶液の1.0mLアリコート、20mLのメタノール、および40mLの塩化メチレンを添加した。サンプルを抽出し、そして塩化メチレンを200mLのZymark TurboVap(登録商標)回収チューブ中に回収した。次いで、サンプルを第2部分の40mLの塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン画分をプールし、N2蒸気下で約1mLに濃縮して、分析した。
【0090】
GC標準液を以下の様に調製した:ガラス中に貯蔵された1mLの20%脂質エマルジョンと、15mLの0.9%塩化ナトリウムとを含有する125mLの分液漏斗に、各標準溶液の1.0mLのアリコートを添加した。標準液を抽出して、分析した。さらに、STD-Hを添加した脂質エマルジョンの抽出物を分析した。
【表H】

【0091】
選択イオンモニタリング質量スペクトル検出を備えたガスクロマトグラフィー(GC/MS-SIM)を使用した。装置条件は以下の通りであった:
ガスクロマトグラフ: HP5890
検出器: 質量選択的検出器 HP5790
カラム: DB-5、30m×0.32mm×0.25μm(フィルム)
プログラム: 40℃で1分、5℃/分で210℃まで、
20℃/分で300℃まで、25分間維持。
注入ポート: 250℃、ガラスウールプラグを有する。
伝達ライン: 310℃
注入容積: 2μL、30秒間絶え間なく。
モード: EI+
モニターされたイオン(m/z):
時間(分):
5.00(2-EHA) 73、88、および116
20.00(BHT) 57、205、および220
27.00(SBCE) 45、89、および151
30.00(25-クラウン-5) 71、72、および100
42.30(DEHP) 149、167、および279
46.00(Irganox(登録商標)1076) 219、515、および530
滞留時間: 100m秒

全イオン質量スペクトルの検出を備えるガスクロマトグラフィー(GC/MS):
ガスクロマトグラフ: HP5890
検出器: 質量選択的検出器 HP5790
カラム: DB-5、30m×0.32mm×0.25μm(フィルム)
プログラム: 40℃で1分、5℃/分で210℃まで、
20℃/分で300℃まで、25分間維持。
注入ポート: 250℃、ガラスウールプラグを有する。
伝達ライン: 310℃
注入容積: 2μL、30秒間絶え間なく。
モード: EI+
スキャン範囲(m/z): 35〜650

脂質エマルジョンサンプル中の2-EHA、Irganox(登録商標)1076、および25-クラウン-5のレベルは、この方法の見積もり検出限界を下回った。検出限界は、添加された標準液(STD-L)の信号-ノイズ比を3倍して計算した。
【0092】
BHTのGC保持時間で、サンプルおよびコントロール脂質エマルジョンの抽出物に小さいピークが観測された。SBCEのGC保持時間で、サンプルの抽出物に小さいピークが観測された。次いで、添加された脂質標準液(STD-L)中の内部標準液に対する分析物の相対的応答から、脂質エマルジョン中のBHTとSBCEとの濃度を決定した。
【0093】
これらのBHTおよびSBCEのレベルは、この方法の見積もり検出限界の近傍であった。個々の標的抽出物に対する添加物回収(spike recovery)は、計算されなかった。20%脂質エマルジョンサンプルにおける各標的抽出物のレベルを表1に示す。20%脂質エマルジョンにおける各抽出物の見積もり検出限界を表2に示す。
表1 20%脂質エマルジョンサンプルおよびコントロールにおける標的抽出物レベル(μg/mL)
【0094】
【表1】

ここで、「<d.l.」は、表2に示す検出限界未満である。
表2 20%脂質エマルジョンにおける標的抽出物の見積もり検出限界(μg/mL)
【0095】
【表2】

抽出された脂質エマルジョンサンプルの全イオンモニタリングGC/MS分析において、さらなる抽出物は観測されなかった。
【0096】
本研究は、レトルトされた20%脂質エマルジョン中の標的抽出物の蓄積についての予備的データを提供した。脂質エマルジョンサンプル中の2-EHA、Irgonox(登録商標)1076、および25-クラウン-5は、この方法の検出限界を下回るレベルであった。SBCEおよびBHTは、検出限界近傍のレベルでサンプル中で検出された。抽出物レベルにおいて、滅菌時間長さに起因する明白な差異はなかった。さらに、20%脂質エマルジョンの抽出物の全イオンクロマトグラムにおいて、非標的抽出物は見られなかった。
【0097】
標的抽出物に対する感度を増進するために、脂質エマルジョン抽出物を、選択的イオンモニタリング質量スペクトル検出を用いて分析し、一方で、全イオンモニタリング質量分光測定を用いて、さらなる非標的化合物に対して抽出物をスクリーニングした。両方の分析において、この方法の感度を制限する因子は、20%脂質エマルジョンからオイル抽出物を濃縮し得ないことであった。原則として、混合溶液における脂質エマルジョン濃度がより低いので、この方法の感度は、3個のチャンバのRTU容器でより大きい。
【0098】
実施例2
本実施例は、長期間の貯蔵ならびにデキストロース、アミノ酸および脂質エマルジョンの静脈内投与のための本発明の容器システムの実施態様を分析した。容器の1つの実施態様は、2つの剥離可能なシールで仕切られた3つのチャンバを有する2-Lの非ポリ(塩化ビニル)(PVC)ユニットである。1つのチャンバは800mLのデキストロース溶液(10〜70%)を含有し、第2チャンバは800mLのアミノ酸溶液(5.5〜10%、電解質を含む、または含まない)を含有し、そして第3チャンバは400mLまでの脂質エマルジョン(10または30%)を含有する。充填した容器を箔でオーバーパウチ(foil overpouch)して配置し、窒素でパージし、そして蒸気滅菌する。使用する前に、顧客は剥離シールをはがし、3つの溶液を混合する。生じる全非経口栄養(TPN)溶液の最大脂質エマルジョン濃度は4%である。
【0099】
本容器は、次の構成物:ポリプロピレン-クレイトン(登録商標)(Kraton(登録商標))(溶液接触)/ポリ(エチレン酢酸ビニル)(EVA)/無水マレイン酸修飾EVA(結合(tie)層)/PCCEを有する、共押出成形されたフィルムから構成される。PCCEはテトラメチレングリコールを含むポリ(シクロへキシレン-ジメチレンシクロヘキサンジカルボキシレート)コポリマーである。容器のデキストロースおよびアミノ酸溶液を含むチャンバ上にポートおよびメンブレンチューブアセンブリを含むPVCを取り付け、そして脂質エマルジョンを含むチャンバ上に非PVCポートおよびプラグアセンブリを取り付ける。
【0100】
試験物品を以下のように満たした:1)デキストロース溶液に使用する容器のチャンバを、注入のために800mLの水で満たし、2)アミノ酸溶液に使用する容器のチャンバを、注入のために800mLの水で満たし、そして3)脂質エマルジョンに使用する容器のチャンバを、注入のために400mLの20%脂質エマルジョンで満たした。満たされたユニットを箔でオーバーパウチして配置し、そしてオートクレーブした。合計12ユニットを本研究のために製作した。
【0101】
本研究の設計は、:2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール 1,2-ビス(sec-ブトキシカルボキシ)エタン、25-クラウン-5 エーテル、ミリスチン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸、Irganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1076、AO330、1,2-ビス(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、アルミニウム、揮発性有機化合物、ならびに脂質含有溶液中のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルのオリゴマーに関して以前開発した方法に従う。容器の抽出可能な内容物(burden)に到達するために、3個のチャンバを有する試験物品の剥離シールを開き、3種の溶液を、シクロヘキサノンを除くすべての分析の前に混合した。脂質の抽出手順の間、シクロヘキサノンの予測された損失のために、水で満たされたチャンバを隔離する剥離シールだけを開き、混合し、そしてシクロヘキサノンについてアッセイした。
【0102】
揮発性有機化合物、準揮発性化合物、アルミニウム、抗酸化剤、ならびにオリゴマー性のポリプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルのアッセイをユニット番号601、602、および604で行った。揮発性有機化合物に関する試験物品をサンプリングした直後、ユニットを室温でさらに48時間静置し、生成物の取り扱いおよび投与から予測される、容器システム全体の脂質溶液の潜在的相互作用を模倣した。次いで、三種の試験物品からの溶液をアルミニウムについてサンプリングし、別々のガラス容器に移し、そして分析に要するまで冷蔵保存した。ユニットチャンバのアミノ酸およびデキストロースのチャンバからのプールされた水のサンプルについてシクロヘキサノンのアッセイを行った。
【0103】
脂質エマルジョンコントロール溶液をNANOpure水(NANOpure water)で見かけの濃度4%に希釈し、既知の標的化合物を添加した希釈脂質エマルジョンとともに適切に分析した。
【0104】
3つの容器およびコントロール脂質エマルジョンからの2つのアリコートを、以下の表3に列挙した方法を用いて、質量スペクトル検出を有するパージおよびトラップガスクロマトグラフィー(GC/MS)により、揮発性有機化合物について分析した。
【0105】
全イオンクロマトグラムで観察された主な揮発性有機化合物はシクロヘキサノンであった。水で満たされたチャンバ中のシクロヘキサノンのレベルを3つの容器中で決定した。シクロヘキサノンに加えて、4-メチル-2-ペンタノンおよびトルエンが、容器システム中に貯蔵した脂質エマルジョンに特有の化合物として検出された。サンプル溶液中で検出されたr-メチル-2-ペンタノンおよびトルエンは、GC保持時間および質量スペクトルが、標準物質のそれと同じであった。
【0106】
以前の研究で、4-メチル-2-ペンタノンおよびトルエンが容器の印刷に用いられた熱間スタンプ箔からの溶液中に蓄積し得る物質として同定された。容器に貯蔵された脂質溶液中の4-メチル-2-ペンタノンおよびトルエンのレベルを、d5-クロロベンゼン内部標準の応答から決定した。容器に貯蔵された脂質溶液中の4-メチル-2-ペンタノンおよびトルエンのレベルは以下のようである。
【表I】

【0107】
標的の準揮発性化合物2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル-フェノール(BHT)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール(DtBEP)、1,2-ビス(sec-ブトキシカルボキシ)エタン(SBCE)、25-クラウン-5 エーテル(25-C-5)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、2-エチルヘキサン酸(2-EHA)、および1,2-ビス(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)を、既知の標的抽出物を添加した3つのユニット、コントロール脂質、およびエマルジョンそれぞれからの2つのアリコート中で決定した。
【0108】
脂質エマルジョンサンプルおよび4%脂質エマルジョンコントロールのアリコート(5.0-mL)を、0.9%塩化ナトリウム(15mL)を含む125-mLの分液ロートに移した。メスピペットで計りとった、ジ-n-オクチルフタレート(DOP)内部標準溶液(30.3mg/mL)のアリコート(1.0-mL)、20mLのメタノールおよび40mLの塩化メチレンを添加した。サンプルを抽出し、そして塩化メチレンを200mLのZymar Turbo Vap(登録商標)採取チューブに採取した。次いで、サンプルを40-mLの第2の塩化メチレン部分で抽出した。塩化メチレン画分をプールし、窒素気流下で約1mLに濃縮し、そして表4に列挙したGC/MS-SIMシステムによって分析した。
【0109】
添加された脂質コントロールを、4%コントロール脂質エマルジョンに標的抽出化合物を添加することによって調製し、以下の濃度(μg/mL)を生じた:
【表J】

【0110】
次いで、添加脂質コントロールを抽出し、濃縮し、そしてサンプルに対して使用した同様の方法で分析した。
【0111】
潜在的な非標的抽出物をスクリーニングするために、それぞれの3つのユニットおよびコントロール脂質からの抽出物を、表5に列挙した機器条件を用いた全イオンスキャンニングGC/MSモードで分析した。
【0112】
標的抽出物に対する応答を、2-EHA(0.58μg/mL)の添加およびIrganox(登録商標)1076を除いて、各添加レベルで分析した。2-EHAに対するより低い感度は、2-EHAに対して、対応するより高感度の限界をもたらす。コントロール脂質エマルジョンを添加するために使用された標準溶液としての添加脂質コントロール溶液のGC/MS解析ではIrganox(登録商標)1076は全く観測されなかった。この結果は、利用したGC/MS条件がIrganox(登録商標)1076の検出に適切でなかった可能性を示す。以前の研究では、Irganox(登録商標)1076は、フィルムから調製した容器に貯蔵および密閉滅菌処理した20%脂質エマルジョンのサンプルでは、0.57μg/mLの検出限界において、検出されなかった。
【0113】
DEHPを除いて、容器からの抽出物中の標的抽出物の濃度は、添加された最も低いレベルの濃度より顕著に低いレベルにおいて、検出も観測もされなかった。サンプル抽出物中のDEHPレベルは、2.1μg/mLで1度反復したもの以外を添加したほぼ最低レベルであった。
【0114】
各標的抽出物について、応答が観測された最低添加濃度のクロマトグラムにおける3回のノイズに対するシグナルの比から、検出限界を計算した。標的抽出物に対する応答がこの検出限界を越えて観測されるサンプルでは、この抽出物の濃度は、3つのレベルで分析した添加脂質抽出物の応答の線形回帰解析から決定した。
【0115】
検出限界および定量計算を、添加脂質コントロールからの応答を用いて行ったので、添加物回収率の訂正は不要または行わなかった。3つの容器からの2組のアリコートで観測され、そして検出限界を計算された標的抽出物のレベルは、μg/mLで、以下のようである:
【表K】

【0116】
(a)ここで、dlは検出限界未満のレベルを示す。
(b)ここで、N/Aは数値が決定され得なかったことを示す。
【0117】
潜在的非標的抽出物に対するスクリーニングのために、サンプル抽出物について発生する全イオンクロマトグラムをコントロールのそれと比較した(図5参照)。サンプルに特有の4つのピーク(図5に標識したA、B、C、およびD)をサンプルのクロマトグラム中で観測した。これらのピークは容器中に貯蔵した脂質溶液中でのみ観測されたので、これらの化合物はC容器システムに関連した非標的抽出物であるように思われる。サンプル中に観測された最も大きなピークであるピークBの質量スペクトルを図6に示す。
【0118】
シクロヘキサノン
3つのRTU容器からの、プールした水で満たされたチャンバの2組のアリコートのシクロヘキサノンのレベルを、フレームイオン化検出器を有する、直接水溶液を注入する、ガスクロマトグラフィー(GC/FID)を用いて決定した。サンプル中のシクロヘキサノンのレベルを定量するために、水中のシクロヘキサノン標準を、0.034μg/mL、0.135μg/mL、3.37μg/mL、および6.74μg/mLの濃度で調製した。356μg/mLのシクロヘキサノン標準溶液のうちの10-μg/mLのアリコートを各標準の1-mLのアリコートおよび内部標準として使用するためのサンプルに添加した。GC/FIDの機器条件を表6に列挙する。
【0119】
3つの容器の水で満たされたチャンバ中のシクロヘキサノンのレベルをシクロヘキサノン標準の応答から構築した線形回帰線から決定した。シクロヘキサノン分析の結果は以下のようである:
【表L】

【0120】
アルミニウム
室温で48時間容器に貯蔵し、テフロン(登録商標)瓶に移した脂質エマルジョン混合物のサンプル、4%脂質エマルジョンコントロール溶液、および水コントロールを黒鉛化炉原子吸光分析によりアルミニウムについて分析した。
【0121】
アルミニウムは、水コントロールでは検出限界の0.0009μg/mLより大きなレベルで検出されなかった。ユニット番号601に貯蔵された脂質エマルジョン溶液中で観測されたアルミニウムレベルは、4%脂質エマルジョンコントロール物品中のアルミニウムレベルよりもわずかに高かったが、一方、ユニット番号602および604に貯蔵された脂質エマルジョン溶液中で観測されたアルミニウムレベルは、4%脂質エマルジョンコントロール物品中で観測されたアルミニウムレベルとほぼ同じであった。サンプルおよびコントロール物品中のアルミニウム濃度は以下のようである:
【表M】

【0122】
抗酸化剤ならびにオリゴマー性のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニル
3つの脂質エマルジョンサンプルの50-mLアリコート2組、および4%脂質エマルジョンコントロール液の50-mLアリコートを、0.9%塩化ナトリウム(25mL)およびメタノール(60mL)を含む別々のロートに移した。この混合物を2つの90mL塩化メチレン部分で抽出した。有機画分を200mLのZymark TurboVap(登録商標)エバポレーションチューブに回収し、そして濃縮し、有機溶媒を除去した。生じたオイルを10-mLのメスフラスコに移し、そしてテトラヒドロフラン(THF)と混合し、TurboVap(登録商標)チューブのリンスを行った。次いで10-mLのメスフラスコをTHFを用いて容量まで希釈した。
【0123】
抽出物の3-mLのアリコートを、分離するための高速回転シリカゲルプレート(4mm)を用いるChromatotron(登録商標)薄層クロマトグラフィーシステムに付与した。サンプルおよび溶出溶媒を、水平から約45°の変位にある回転プレートの中央に付与する。プレートが回転すると、溶媒の前線が外側へ進み、そして組成物が同心円の帯状になって分離される。その帯がプレートの外側端に到達すると、溶出液がプレートから離れ、Chromatotron(登録商標)のハウジングの最下端の小さい流れ口(spout)を通って流出する。
【0124】
分析者が溶出液を分析のために集める。最初の3つの溶離液(45mL)を集めた。これらの画分には所望の抗酸化剤およびオリゴマー性物質が含まれていた。溶離液を、分析前に窒素気流下で1mLに濃縮した。
【0125】
添加脂質コントロールを、4%コントロール脂質エマルジョン溶液の50-mLアリコートに抽出物を加えることによって調製した。抗酸化剤アッセイに対する標的抽出化合物は、Irganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1076、およびAO330の標準物質からなった。抗酸化剤を、脂質エマルジョン中で約0.5μg/mL、約0.9μg/mL、および約1.8μg/mLの濃度で分析した。オリゴマー性のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルアッセイに対する標的抽出物質はフィルムの有機溶媒抽出物からなった。
【0126】
フィルム抽出物は、約10gのフィルムを計量し、細片に切って2つの別々の三角フラスコに入れることにより調製した。75-mLのペンタンのアリコートをそれぞれのフラスコに加え、そして超音波処理器(sonicator)中に15分間設置した。次いで、ペンタン抽出物を、別々の丸底フラスコにデカンテーションした。同じフィルムをペンタンでさらに2回抽出した。それぞれのさらなるペンタン抽出物を、それぞれのフラスコ内で先の抽出物と合わせた。次いでペンタン抽出物を窒素気流下でエバポレートし、乾燥させた。残渣(73.4mg)を50mLのTHFに溶解し、ストック標準を調製した。このストック標準を希釈し、脂質エマルジョン中の7.34μg/mL、14.7μg/mL、および29.4μg/mLの濃度でペンタン抽出可能な物質の分析を行った。次いでこれらの添加した脂質溶液を抽出し、Chromatotron(登録商標)で精製し、そして試験およびコントロールの物品に関して記載したものと同様に分析した。
【0127】
容器からの脂質エマルジョン混合物からの精製した抽出物、コントロール物品および添加コントロールを、高温GCによりIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1076、およびAO330抗酸化剤について、そして紫外線(UV)および屈折率(RI)検出を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりオリゴマー性のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルについてアッセイした。高温GCおよびゲル浸透クロマトグラフィーの条件を表7および8にそれぞれ記載する。
【0128】
生成物中のIrganox(登録商標)1010、Irganox(登録商標)1076、およびAO330抗酸化剤のレベルは、検出を妨害する抽出物中の残留脂質エマルジョンの存在のために、容器ユニットからのアリコート中で決定できなかった。サンプルの抽出物中には、オリゴマー性のプロピレンまたはエチレン酢酸ビニルは全く観測されなかった。オリゴマー性のプロピレンまたはエチレン酢酸ビニルに対する検出限界は、GPC/RIクロマトグラムで、ノイズに対するシグナルの比の3倍において計算された。オリゴマー性のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルについての検出限界は5.6μg/mLである。
【0129】
結論
2-L容器からの脂質エマルジョン混合物の3つのユニットを、揮発性有機化合物、標的化および非標的化準揮発性有機化合物、アルミニウム、抗酸化剤、ならびにオリゴマー性のプロピレンおよびエチレン酢酸ビニルについて分析した。標的準揮発性有機抽出物は、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル-フェノール(BHT)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール(DtBEP)、1,2-ビス(sec-ブトキシカルボキシ)エタン(SBCE)、25-クラウン-5エーテル(25-C-5)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、2-エチルヘキサン酸(2-EHA)、および1,2-ビス(2-エチルヘキシル)フタレート(DEHP)を含んだ。選択された抽出物のイオンモニタリングGC/MS分析は標的化抽出物について増強された感度に、代表的には0.02μg/mLより小さな検出限界を与える。提案した容器システム中で貯蔵された脂質エマルジョン中で観測された揮発性および標的化準揮発性化合物の量は、低いレベルで存在した。
【0130】
定量した抽出物のうち、シクロヘキサノンは最も高濃度で容器中に存在した。シクロヘキサノンは容器システム抽出物ではなく、むしろポートおよびメンブレンチューブアセンブリのシーリングからのプロセシングの残渣である。これらのシクロヘキサノンレベルを、3つの容器の水で満たされたチャンバ中で決定した。以下の表は、容器システム中の抽出物に関する濃度範囲および検出限界を要約する。
【表N】

【0131】
(a) n.d.は決定されなかったことを表す。
(b) <d.l.は検出限界よりも低いことを表す。
(c) n/aは、残留脂質エマルジョンによる目的化合物の分析の妨害のために、 利用できないことを表す。
【0132】
容器システム中の潜在的な非標的抽出物質をスクリーニングするために、準揮発性分析からの抽出物を、GC/MSにより全イオンスキャニングモードで分析した。容器抽出物からの全イオンクロマトグラムにおいて、4つの未知のピークが観測された。質量スペクトルのフラグメンテーションパターンに基づくと、この4つの化合物は構造的に類似しているように思われる。明らかな奇数の分子量は、フラグメントイオンを荷電する数個の偶数質量の存在と合わせて、未知化合物が奇数個の窒素原子を含むことを示唆する。
【0133】
【表3】

【0134】
【表4】

【0135】
【表5】

【0136】
【表6】

【0137】
【表7】

【0138】
【表8】

本明細書中に記載した好ましい実施態様への種々の変更および改変が当業者には明白であることが理解されるべきである。このような変更および改変は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そしてその付随する利点を減少させることなくなされ得る。したがって、このような変更および改変が添付の請求の範囲によって包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】図1は、本発明の容器の、ある実施態様の透視図を例示する。
【図2】図2は、本発明の容器の、他の実施態様の透視図を例示する。
【図3】図3は、本発明の容器を構成するのに使用されるフィルムの、ある実施態様の断面図を例示する。
【図4】図4は、図1の容器のシールを形成するのに使用されるダイの実施態様の末端図(end view)を例示する。
【図5】図5は、実施例1に従うサンプル抽出物から得られた全イオンクロマトグラム(chromagram)を例示する。
【図6】図6は、図5のピークBの質量スペクトルを例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の医療用溶液を貯蔵および混合する容器および方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−142560(P2008−142560A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1621(P2008−1621)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【分割の表示】特願平10−513784の分割
【原出願日】平成9年9月9日(1997.9.9)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】