説明

半導体チップの剥離装置、ダイボンディング装置、半導体チップの剥離方法、半導体装置の製造方法

【課題】本発明は、半導体装置の小型化に対応できる半導体装置を提供する。
【解決手段】ダイシングシートと対向配置される突上げ面を有する突上げ部材と、突上げ部材を上下移動させる突上げ部材移動手段とを備え、突上げ部材が、半導体チップとダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に対向配置される外周突上げ面71dを有する外周突上げ部材71と、貼着面の平面視中心部に対向配置される中心突上げ面を有する中心突上げ部材72とを備え、突上げ部材移動手段が、外周突上げ部材71のみを独立して上下移動させる外周突上げ部材移動手段と、中心突上げ部材72のみを独立して突き上げる中心突上げ面移動手段とを備える半導体チップの剥離装置7とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの剥離装置、ダイボンディング装置、半導体チップの剥離方法、半導体装置の製造方法に関し、特に、ダイシングシート上に貼着された半導体チップをダイシングシートから剥離する半導体チップの剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体装置の製造方法として、母基板上に複数の半導体チップを同時に形成し、母基板をダイシングシート上に貼着して、ダイシングシートに支持された状態の母基板を切断し、個々の半導体チップに分割する方法がある。このような方法では、個々の半導体チップに分割した後、半導体チップをダイシングシートから剥離して半導体チップをピックアップしている。
【0003】
ダイシングシート上に貼着された半導体チップの剥離装置および剥離方法としては、例えば、特許文献1に記載の装置および方法がある。特許文献1には、ダイシングシート上の半導体チップの粘着面積よりも小さい面によって、半導体チップをダイシングシートとともに突上げ、ダイシングシートから半導体チップを部分的に剥離する第1の剥離手段と、同第1の剥離手段にてダイシングシートから部分的に剥離した半導体チップの中央部をダイシングシートとともに突上げ、半導体チップの中央部を剥離する第2の剥離手段とを備えた半導体チップの剥離装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−124290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、携帯機器の小型・薄型化によって、携帯機器に組み込まれる半導体装置の小型・薄型化が要求されており、半導体チップの厚さも薄くなっている。半導体チップの厚みが薄いと、半導体チップをダイシングシートから剥離させて半導体チップをピックアップする際に、半導体チップにクラックが発生したり、ピックアップできなかったりする場合があり、問題となっていた。
【0006】
具体的には、例えば、特許文献1に記載の装置を用いた場合、半導体チップの厚みを薄くすると、半導体チップの貼着面積よりも小さい面によって半導体チップをダイシングシートとともに突上げた際に、半導体チップを突き上げる小さい面の形状に追従して半導体チップがしなるようになる。このため、半導体チップの貼着面積よりも小さい面によって半導体チップをダイシングシートとともに突上げても、半導体チップの外周部がダイシングシートから剥離されにくくなる。
【0007】
そして、半導体チップの貼着面積よりも小さい面によって、半導体チップをダイシングシートとともに突上げても、半導体チップの外周部がダイシングシートに貼着されていてダイシングシートから剥離されない場合、その後に、半導体チップの中央部をダイシングシートとともに突上げると、半導体チップ全体がダイシングシートとともに変形して大きく反らされる。この変形により、半導体チップにクラックが発生する場合があった。
【0008】
また、半導体チップの貼着面積よりも小さい面によって、半導体チップをダイシングシートとともに突上げても、半導体チップの外周部がダイシングシートに貼着されていてダイシングシートから剥離されない場合、その後に、半導体チップの中央部をダイシングシートとともに突上げても、半導体チップとダイシングシートとが貼着されている部分が多く残り、半導体チップをピックアップできない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。
その結果、半導体チップとダイシングシートとの貼着面の外周部に対向して配置される外周突上げ面を有する外周突上げ部材と、貼着面の中心部に対向して配置される中心突上げ面を有する中心突上げ部材とが備えられた半導体チップの剥離装置を用い、中心突上げ面を固定して外周突上げ面のみを上下移動させることにより、外周突上げ面と対向するダイシングシートを半導体チップから完全に剥離すれば、その後に、外周突上げ面を固定して前記中心突上げ面のみを突き上げることにより、半導体チップの厚みが薄くても、容易に半導体チップをダイシングシートから剥離でき、しかも半導体チップの剥離に起因する変形によって半導体チップにクラックが生じること防止できることを見出し、本発明を想到した。
【0010】
本発明の半導体チップの剥離装置は、ダイシングシート上に貼着された半導体チップを前記ダイシングシートから剥離する装置であって、前記ダイシングシートと対向配置される突上げ面を有する突上げ部材と、前記突上げ部材を上下移動させる突上げ部材移動手段とを備え、前記突上げ部材が、前記半導体チップと前記ダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に対向配置される外周突上げ面を有し、前記貼着面の平面視外周部に沿って等間隔に配置された複数の柱状の突上げブロックを有する外周突上げ部材と、前記貼着面の平面視中心部に対向配置される中心突上げ面を有する中心突上げ部材とを備え、前記突上げ部材移動手段が、前記外周突上げ部材のみを独立して上下移動させる外周突上げ部材移動手段と、前記中心突上げ部材のみを独立して突き上げる中心突上げ面移動手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半導体チップの剥離装置は、ダイシングシート上に貼着された半導体チップを前記ダイシングシートから剥離する装置であって、前記ダイシングシートと対向配置される突上げ面を有する突上げ部材と、前記突上げ部材を上下移動させる突上げ部材移動手段とを備え、前記突上げ部材が、前記半導体チップと前記ダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に対向配置される外周突上げ面を有し、前記貼着面の平面視外周部に沿って等間隔に配置された複数の柱状の突上げブロックを有する外周突上げ部材と、前記貼着面の平面視中心部に対向配置される中心突上げ面を有する中心突上げ部材とを備え、前記突上げ部材移動手段が、前記外周突上げ部材のみを独立して上下移動させる外周突上げ部材移動手段と、前記中心突上げ部材のみを独立して突き上げる中心突上げ面移動手段とを備えるものであるので、中心突上げ面を固定して外周突上げ面のみを上下移動させることにより、外周突上げ面と対向するダイシングシートを半導体チップから完全に剥離した後に、外周突上げ面を固定して前記中心突上げ面のみを突き上げる方法により、半導体チップをダイシングシートから剥離できる。
【0012】
したがって、本発明の半導体チップの剥離装置によれば、半導体チップの厚みが薄くても、容易に半導体チップをダイシングシートから剥離できる。よって、半導体チップを容易にピックアップできる。
また、本発明の半導体チップの剥離装置によれば、外周突上げ面と対向するダイシングシートを半導体チップから完全に剥離してから、外周突上げ面を固定して前記中心突上げ面のみを突き上げる方法により、半導体チップをダイシングシートから剥離できるので、半導体チップ全体がダイシングシートとともに大きく変形することを防止でき、半導体チップの剥離に起因する変形によって半導体チップにクラックが生じること防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の半導体チップの剥離装置の一例である突き上げユニットを備えたダイボンディング装置の全体構成を示した概略構成図である。
【図2】図2は、図1に示すダイボンディング装置に備えられた突き上げユニットを説明するための斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す突き上げユニット7の一部を拡大して示した拡大図であり、突き上げユニットを構成する外周突上げ部材および中心突上げ部材を示した斜視図である。
【図4A】図4Aは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図4B】図4Bは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図4C】図4Cは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図5A】図5Aは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図5B】図5Bは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図5C】図5Cは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図5D】図5Dは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6A】図6Aは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6B】図6Bは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6C】図6Cは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6D】図6Dは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6E】図6Eは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図6F】図6Fは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図7】図7は、本発明の半導体チップの剥離方法を用いて製造した半導体装置の一例を示した断面図である。
【図8】図8は、本発明の半導体チップの剥離装置である突き上げユニットの他の例を説明するための斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す突き上げユニットの一部を拡大して示した拡大図であり、突き上げユニットを構成する外周突上げ部材と中心突上げ部材と中間突上げ部材とを示した斜視図である。
【図10A】図10Aは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図10B】図10Bは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図10C】図10Cは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【図10D】図10Dは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。尚、本発明
は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施
形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実
際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の半導体チップの剥離装置の一例である突き上げユニットを備えたダイボンディング装置の全体構成を示した概略構成図である。
図1に示すダイボンディング装置10は、基板供給部1と治具供給部2とボンディング部3とピックアップ部4とアンローダ5とを有している。
【0016】
基板供給部1は、半導体装置の製造に用いる配線基板(図示略)を、基板搬送路6を通じて順次ボンディング部3に供給するものである。基板供給部1には、配線基板が収納されている。
また、治具供給部2は、ピックアップ部4に半導体ウエハ(図示略)を供給し、ピックアップ処理終了後のダイシングテープ(図示略)を収容するものである。治具供給部2には、図1に示すように、枠状のリング治具21が備えられている。リング治具21には、ダイシングテープ(図示略)貼り渡されている。ダイシングテープ(図示略)上には半導体ウエハが固定されている。
【0017】
ピックアップ部4は、搬送機構に接続されたエキスパンダ(図示略)と、突き上げユニット7(半導体チップの剥離装置)とを有している。エキスパンダは、治具供給部2から供給された半導体ウエハを保持するものである。突き上げユニット7は、配線基板(図示略)にボンディングされる半導体チップをダイシングシートから剥離するものである。突き上げユニット7は、エキスパンダに保持された半導体ウエハの下方に配置されている。
【0018】
ボンディング部3は、ピックアップ部4でダイシングテープから剥離された半導体チップを吸着コレット31により吸着保持してピックアップし、基板搬送路6によりボンディング部3に供給された配線基板に、半導体チップをボンディングするものである。
アンローダ部5は、基板搬送路6によりボンディング部3から送られた、半導体チップのボンディングが完了した配線基板を、順次、収容するものである。
【0019】
図2は、図1に示すダイボンディング装置10に備えられた突き上げユニットを説明するための斜視図である。また、図3は、突き上げユニット7の一部を拡大して示した拡大図であり、突き上げユニット7を構成する外周突上げ部材71および中心突上げ部材72を示した斜視図である。
突き上げユニット7は、ダイシングシート上に貼着された半導体チップをダイシングシートから剥離する装置である。
【0020】
突き上げユニット7は、ダイシングシート上に貼着された半導体チップを載置するステージ74と、ダイシングシートと対向配置される突上げ面を有する突上げ部材と、突上げ部材を上下移動させる突上げ部材移動手段とを備えている。
突上げ部材は、図2に示すように、半導体チップとダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に対向配置される外周突上げ面71dを有するものであり、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72とからなるものである。また、突上げ部材移動手段は、外周突上げ部材71のみを独立して上下移動させる外周突上げ部材移動手段と、中心突上げ部材72のみを独立して突き上げる中心突上げ面移動手段と、外周突上げ部材71および中心突上げ部材72を同時に突き上げる同時移動手段とを備えている。
【0021】
図2に示すように、突き上げユニット7のステージ74の略中央位置には、半導体チップの外形と略同じ内形形状を有する平面視略正方形の開口部74aが設けられている。したがって、開口部74aの形状が、ダイシングシートと半導体チップとの貼着面に対応する形状となっている。
本実施形態においては、半導体チップおよび開口部74aの平面形状が、略正方形である場合を例に挙げて説明するが、半導体チップおよび開口部74aの平面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、長方形、円形などであってもよい。
【0022】
開口部74aの周囲には、開口部74aの外形形状に沿って等間隔で吸着孔73が配置されている。より具体的には、開口部74aを構成する略正方形の辺の中央部外側に、それぞれ辺の延在方向を上下方向とする平面視略H形状の吸着孔73が設けられている。吸着孔73は、図示しない真空装置に接続されており、ステージ74上に配置されたダイシングテープをステージ74に吸着保持するように構成されている。
【0023】
また、開口部74a内には、外周突上げ部材71および中心突上げ部材72が配置されている。
外周突上げ部材71は、開口部74aの内側(ダイシングシートと半導体チップとの貼着面の平面視外周部)に沿って等間隔に配置された複数の平面視略正方形の四角柱状の突上げブロック71a、71bを有している。本実施形態においては、突上げブロック71a、71bは、略正方形の開口部74a内の四隅の位置に配置された隅部ブロック71aと、開口部74aの辺の中央部内側の位置に配置された中央ブロック71bとからなるものとされている。
【0024】
本実施形態においては、外周突上げ部材71が略正方形の貼着面の四隅の位置に配置された四角柱状の隅部ブロック71aを備えているので、貼着面の四隅の位置に配置されたダイシングシートを半導体チップから確実に剥離させることができ、半導体チップの厚みが薄くても、容易に半導体チップをダイシングシートから剥離できるとともに、半導体チップ全体がダイシングシートとともに大きく変形することを効果的に防止でき、半導体チップの剥離に起因する変形によって半導体チップにクラックが生じることより一層防止できる。
【0025】
なお、本実施形態においては、隅部ブロック71aと中央ブロック71bとは、同じ形状とされているが、隅部ブロック71aと中央ブロック71bとは、異なる形状であってもよい。例えば、隅部ブロック71aは、開口部74aの内側に沿って配置された平面視L字状のものであってもよい。また、中央ブロック71bは、開口部74aの内側に沿って配置された平面視略長方形のものであってもよい。
また、突上げブロック71a、71bの数は、特に限定されるものではなく、例えば、隅部ブロック71aのみであってもよい。また、突上げブロック71a、71bは、半導体チップをダイシングシートから剥離する際における半導体チップへの負荷の偏りを抑制できるため、等間隔で配置されていることが好ましいが、等間隔でなくてもよい。
【0026】
また、外周突上げ部材71は、隅部ブロック71aと中央ブロック71bとを連結する連結部71cを有している。連結部71cは、平面視で隅部ブロック71aと中央ブロック71bとの間に配置され、上面の位置が隅部ブロック71aおよび中央ブロック71bよりも低い位置(ダイシングシートとの対向面から離れた位置)とされたものである。したがって、本実施形態においては、隣接する突上げブロック71a、71b間の領域は、空間76となっている。空間76は、吸着孔73と同様に、図示しない真空装置に接続されている。
【0027】
このように本実施形態においては、外周突上げ部材71が、開口部74aの内側に沿って等間隔に配置された柱状の突上げブロック71a、71bを有するものであり、隣接する突上げブロック71a、71b間の領域に、真空装置に接続された空間76が設けられているので、空間76内を略真空にして空間76にダイシングテープを吸着保持させることにより、ステージ74に配置されたダイシングテープをより一層安定してステージ74に吸着保持させることができる。
【0028】
また、開口部74aの内側と開口部74a内に配置された外周突上げ部材71との間には、外周突上げ部材71の上下移動に支障を来たすことのないように所定の寸法で隙間7aが形成されている。本実施形態においては、図2に示すように、開口部74aの内側と外周突上げ部材71との間の隙間7aは、空間76と一体化されており、吸着孔73と同様に、ステージ74に配置されたダイシングテープをステージ74に吸着保持するものとして機能する。
【0029】
また、外周突上げ部材71は、半導体チップとダイシングシートとの貼着面の平面視外周部にダイシングシートと対向して配置される外周突上げ面71dを有するものである。本実施形態においては、外周突上げ面71dは、図2および図3に示すように、隅部ブロック71aの上面と、中央ブロック71bの上面とからなるものとされている。したがって、外周突上げ面71dは、開口部74aの内側(ダイシングシートと半導体チップとの貼着面の平面視外周部)に沿って等間隔に配置された複数の略正方形からなるものとされている。
【0030】
なお、本実施形態においては、突上げブロック71a、71bが四角柱状のものであり、外周突上げ面71dが複数の略正方形からなる場合を例に挙げて説明するが、突上げブロック71a、71bおよび外周突上げ面71dの形状は、上記の形状に限定されるものではない。例えば、突上げブロックは円柱状や多角柱状であってもよいし、外周突上げ面は複数の円形や多角形からなる形状であってもよい。また、突上げブロックの断面形状と、外周突上げ面の平面形状を決定する突上げブロックの上面形状とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、突上げブロックは、全て同じ形状であってもよいが、異なる形状のものが含まれていてもよいし、全て異なる形状であってもよい。
【0031】
また、各外周突上げ面71dの縁部には、突上げブロック71a、71bの上面の辺を所定の寸法および形状で面取りしてなる面取り部71eが形成されている。面取り部71eは、例えば、斜面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
本実施形態においては、外周突上げ面71dの縁部に面取り部71eが形成されているので、半導体チップをダイシングシートから剥離する際に、ダイシングシートに孔が形成されて、ダイシングテープがステージ74に安定して吸着保持されなくなることを防止できる。
【0032】
より詳細には、本実施形態においては、外周突上げ部材71が、柱状の突上げブロック71a、71bからなるものであり、隣接する突上げブロック71a、71b間の空間76を略真空にすることで、ダイシングテープをステージ74に吸着保持できるものである。このため、外周突上げ部材71を突き上げると、ダイシングシートが外周突上げ面71dに押し付けられて、ダイシングテープに外周突上げ面71dの縁部が食い込むことになる。
【0033】
外周突上げ面71dの縁部(特に、隅部ブロック71aの上面の開口部74aと対向する頂点部分)が尖っていると、外周突上げ部材71を突き上げることにより、ダイシングテープの外周突上げ面71dの縁部に接している部分に局所的に大きな負荷がかかり、孔が形成されてしまう恐れがある。
これに対し、本実施形態においては、外周突上げ面71dの縁部に面取り部71eが形成されているので、外周突上げ部材71を突き上げることによって生じるダイシングテープにおける局所的な負荷を低減することができ、ダイシングシートに孔が形成されることを防止することができる。
【0034】
また、中心突上げ部材72は、半導体チップとダイシングシートとの貼着面の平面視中心部にダイシングシートと対向配置される中心突上げ面72dを有するものである。中心突上げ部材72は、図2および図3に示すように、外周突上げ部材71の内側に沿って配置された平面視略正方形の四角柱状のものである。また、中心突上げ部材72の上面である中心突上げ面72dは、略正方形であり、隅部ブロック71aの上面と、中央ブロック71bの上面とからなる外周突上げ面71dに囲まれている。
【0035】
なお、本実施形態においては、中心突上げ部材72が四角柱状のものであり、中心突上げ面72dが略正方形である場合を例に挙げて説明するが、中心突上げ部材72および中心突上げ面72dの形状は、上記の形状に限定されるものではない。例えば、中心突上げ部材は円柱状や多角柱状であってもよいし、中心突上げ面は円形や多角形であってもよい。また、中心突上げ部材の断面形状と中心突上げ面の平面形状とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、中心突上げ部材72および中心突上げ面72dは、図2および図3に示すように、1つの部材からなるものとすることができるが、一体化された状態で突上げることのできる複数の部材からなるものであってもよい。
【0036】
外周突上げ部材71と中心突上げ部材72との間には、外周突上げ部材71および中心突上げ部材72の上下移動に支障を来たすことのないように、所定の寸法の隙間7bが形成されている。この隙間7bも空間76と一体化されており、吸着孔73と同様に、ステージ74に配置されたダイシングテープをステージ74に吸着保持するものとして機能する。
【0037】
「製造方法」
次に、半導体チップの剥離方法の一例として、図1に示すダイボンディング装置10を用いて、図7に示す半導体装置を製造する方法において、突き上げユニット7によりダイシングシート上に貼着された半導体チップをダイシングシートから剥離する方法を例に挙げて説明する。
【0038】
図7は、本発明の半導体チップの剥離方法を用いて製造した半導体装置の一例を示した断面図である。図7に示す半導体装置1Aは、BGA(Ball Grid Array)型の半導体装置であり、平面視略正方形の配線基板12と、配線基板12の一面12aに搭載された半導体チップ15と、配線基板12の他面12bに設けられた半田ボール19(外部端子)と、配線基板12の一面12aを覆う封止体11とを有している。
【0039】
配線基板12は、例えば、ガラスエポキシ基板の両面に所定の配線が形成されているものである。配線基板12の両面に形成された配線は、部分的にソルダーレジストなどの絶縁膜によって覆われている。配線基板12の一面12aに設けられた配線のうち、ソルダーレジストから露出された部位には、複数の接続パッド14が形成されている。また、配線基板12の他面12bに設けられた配線のうち、ソルダーレジストから露出された部位には、複数のランド18が形成されている。
【0040】
図7に示すように、接続パッド14とこれに対応するランド18とは、配線基板12の内部配線12cによりそれぞれ電気的に接続されている。ランド18は、配線基板12上に所定の間隔で格子状に複数配置されている。
また、配線基板12の一面12aの略中央部位の上方には、半導体チップ15が絶縁性の接着剤或いはDAF(Die Attached Film)等の固定部材13を介して貼着固定されている。
【0041】
半導体チップ15は、平面視略正方形の板状であり、一面には所望の回路、例えば論理回路や記憶回路が形成されている。また、半導体チップ15の一面の周辺近傍位置には、複数の電極パッド16が形成されている。半導体チップ15の電極パッド16は、それぞれ対応する配線基板12の接続パッド14と、導電性のワイヤ17により電気的に接続されている。
【0042】
配線基板12の一面12aには、半導体チップ15及びワイヤ17を覆うように、全面に封止体11が形成されている。封止体11には、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、配線基板12の他面12bに設けられた複数のランド18上には、それぞれ外部端子となる半田ボール19が搭載されている。
【0043】
次に、図7に示す半導体装置の製造方法について説明する。図4A〜図4C、図5A〜図5D、図6A〜図5Fは、図7に示す半導体装置を製造する製造方法の一例を説明するため断面図である。なお、図4A〜図4C、図5A〜図5D、図6A〜図5Fにおいて、図7に示す半導体装置や、図1に示すダイボンディング装置、図2および図3に示す突き上げユニットと同一の構成部分には同一の符号を付す。
【0044】
図7に示す半導体装置1Aを製造するには、まず、図4Aに示すように、図1に示す治具供給部2のリング治具21に貼り渡したダイシングテープ22上に、半導体ウエハ15aを貼着固定する。ダイシングテープ22としては、例えば、紫外線(UV)照射によって、ダイシングテープ22に含まれる粘着材の成分に化学反応が起こり、粘着力が低下する特性を有するUVテープが用いられている。
【0045】
図4Aに示すように、半導体ウエハ15aのダイシングテープ22側の面(図4Aにおいては下面)には、固定部材13が形成されている。したがって、半導体ウエハ15aは、固定部材13を介してダイシングテープ22に貼着固定されている。
また、図4Aに示すように、半導体ウエハ15aには、複数の半導体チップ領域15bが形成されている。半導体チップ領域15bは、それぞれダイシングライン15cで区画されている。半導体チップ領域15bのダイシングテープ22と反対側の面(図4Aにおいては上面)には、それぞれ所定の回路(図示略)と電極パッド16とが形成されている。
【0046】
次に、図4Bに示すように、半導体ウエハ15aを固定部材13と共にダイシングライン15cで切断する。これにより、半導体ウエハ15aは、半導体チップ15毎に分離される。半導体ウエハ15aと固定部材13とをダイシングライン15cで切断する方法としては、例えば、図示しないダイシング装置のダイシングテーブルに半導体ウエハ15aを載置し、高速で回転させたダイシングブレードを用いて、半導体チップ領域15b間に配置されたダイシングライン15cを研削することにより、半導体ウエハ15aを固定部材13と共に切断する方法などを用いることができる。
【0047】
次に、図4Cに示すように、図示しない紫外線(UV)照射機構により、半導体チップ15の貼着られているダイシングテープ22に、UV光を照射する。このようにダイシングテープ22にUVを照射することにより、ダイシングテープ22の粘着力を低下させて、ダイシングテープ22上に貼着固定された半導体チップ15を剥離し易くしておくことが好ましい。
【0048】
次に、ダイシングシート22上に貼着された半導体チップ15をダイシングシート22から剥離してピックアップするピックアップ工程について説明する。
ピックアップ工程においては、まず、半導体チップ15の貼着られているダイシングテープ22を、図1に示す治具供給部2のリング治具21からピックアップ部4のエキスパンダ(図示略)に供給する。そして、エキスパンダに接続された搬送機構により、ダイシングシート22から剥離させる半導体チップ15が、ピックアップ部4の突き上げユニット7のステージ74上における所定の位置に配置されるようにダイシングテープ22を移動させる。
【0049】
このことにより、図5Aに示すように、半導体チップ15とダイシングシート22との貼着面の平面視外周部に、ダイシングシート22と対向して突き上げユニット7の外周突上げ面71dが配置され、貼着面の平面視中心部に、ダイシングシート22と対向して突き上げユニット7の中心突上げ面72dが配置され、突き上げユニット7のステージ74に配置された半導体チップ15の略中心に対向してボンディング部3の吸着コレット31の中心が配置されるようにする。
【0050】
なお、本実施形態において用いられる吸着コレット31は、平面視円形のものであり、中心に吸着孔31aを有している。吸着孔31aには、図示しない真空装置が接続されている。そして、吸着孔31aに半導体チップ15を吸着保持させることにより、突き上げユニット7を用いてダイシングテープ22から一部または全部が剥離された半導体チップ15をピックアップできるようになっている。
【0051】
次に、本実施形態においては、図5Aに示すように、ステージ74に載置された半導体チップ15の貼着されたダイシングシート22を、図示しない真空装置を用いて、突き上げユニット7のステージ74に配置された吸着孔73と、空間76(図2および図3参照)と、開口部74aの内側と外周突上げ部材71との間の隙間7aと、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72との間の隙間7bとから吸引して、ステージ74上に密着させる。
【0052】
本実施形態においては、吸着孔73と、空間76と、隙間7a、7bとから吸引してダイシングテープ22を吸着保持しながら、後述する全体突上げ工程と外周部剥離工程と中心部剥離工程とを行う。したがって、全体突上げ工程と外周部剥離工程と中心部剥離工程において、ダイシングテープ22の位置がずれることを防止できる。また、全体突上げ工程と外周部剥離工程と中心部剥離工程において、吸着孔73と、空間76と、隙間7a、7bとからの吸引力を用いて、ダイシングシート22を変形させて半導体チップ15からの剥離を促進させることができ、半導体チップ15をダイシングテープ22から容易に剥離できる。
【0053】
次に、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72とを同時移動手段(図示略)により同時に突き上げて、図5Bに示すように、半導体チップ15とダイシングシート22との貼着面(本実施形態においては固定部材13とダイシングシート22との接している面)の平面視外周部にダイシングシート22と対向して配置された外周突上げ面71dと、貼着面の平面視中心部にダイシングシート22と対向して配置された中心突上げ面72dとを同時に突き上げる(全体突上げ工程)。
【0054】
全体突上げ工程を行うことにより、図5Bに示すように、ダイシングテープ22上に貼着された半導体チップ15の全体がダイシングテープ22とともに突上げられ、ステージ74上に密着されたダイシングテープ22と、半導体チップ15の貼着されているダイシングテープ22との間に段差が形成される。このとき、貼着面の平面視外周部に配置されているダイシングシート22は、突上げられた外周突上げ面71dの形状に追従しようとして引き伸ばされる。したがって、貼着面の外周部に配置されているダイシングシート22には、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用する。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0055】
次に、中心突上げ部材72を固定して外周突上げ部材71のみを外周突上げ部材移動手段(図示略)により上下移動させることにより、図5Cに示すように、中心突上げ面72dを固定して外周突上げ面71dを上下移動させる(外周部剥離工程)。本実施形態においては、中心突上げ面72dを全体突上げ工程において突上げたままとしたので、貼着面の平面視中心部は、外周部剥離工程においても全体突上げ工程において突上げられた状態のままとなる。これに対し、貼着面の平面視外周部は、外周突上げ面71dの上下移動により、突上げられたり戻されたりする。
【0056】
なお、本実施形態においては、外周部剥離工程において、中心突上げ面72dを全体突上げ工程において突上げたままとしたが、外周部剥離工程では、中心突上げ面72dを固定して外周突上げ面71dを上下移動させればよく、例えば、全体突上げ工程において突上げた中心突上げ面72dをステージ74の上面と同じ位置に戻し、中心突上げ面72dをステージ74の上面と同じ位置に固定して、外周突上げ面71dを上下移動させてもよい。
【0057】
本実施形態においては、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dがダイシングシート22から離れる方向(図5Cにおける下方向)に移動するとき、ダイシングシート22には、半導体チップ15から引き離す方向に吸着孔73と空間76と隙間7a、7bからの吸引力が作用する。この吸引力によって、ダイシングテープ22は、ダイシングシート22から離れる方向に移動する外周突上げ面71dに追従しようとする。このことにより、ダイシングシート22の全体突上げ工程において引き伸ばされた部分は収縮し、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとの間およびその近傍に対向して配置された部分は引き伸ばされる。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0058】
また、外周部剥離工程において、一旦ダイシングシート22から離れる方向に移動した外周突上げ面71dが、半導体チップ15に近づく方向(図5Cにおける上方向)に移動するとき、貼着面の外周部に配置されているダイシングシート22には、全体突上げ工程と同様に、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用し、外周突上げ面71dがダイシングシート22から離れる方向に移動した際に引き伸ばされた部分は収縮する。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0059】
このように、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dを上下方向に移動させると、ダイシングシート22に、ダイシングシート22を半導体チップ15から引き離す方向に作用する吸引力と、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力とが作用して、ダイシングシート22が引き伸ばされたり収縮したりして変形する。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進され、外周突上げ部材71の外周突上げ面71dと対向して配置されたダイシングテープ22が、容易かつ確実に半導体チップ15から剥離される。
【0060】
なお、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dを上下移動させる回数は1回以上であればよく、ダイシングテープ22の剥離されやすさなどに応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。なお、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dを上下移動させる回数は、全体突上げ工程において突上げた外周突上げ面71dをダイシングシート22から離れる方向に移動させた時点で、上下移動1回と数えるものとする。
【0061】
次に、外周突上げ部材71を固定して中心突上げ部材72のみを中心突上げ部材移動手段(図示略)により上下移動させることにより、図5Dに示すように、外周突上げ面71dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げる(中心部剥離工程)。本実施形態においては、外周突上げ面71dをステージ74の上面の高さから突き上げた状態で固定して、中心突上げ面72dのみを外周突上げ面71dの高さから突き上げる。
【0062】
したがって、本実施形態においては、ステージ74上に密着されたダイシングテープ22と、外周突上げ面71dに密着されたダイシングテープ22との間に段差が形成され、外周突上げ面71dに密着されたダイシングテープ22と、中心突上げ面72dに密着されたダイシングテープ22との間にも段差が形成される。
【0063】
このとき、貼着面の中心部に配置されているダイシングシート22は、突上げられた中心突上げ面72dの形状に追従しようとして引き伸ばされる。したがって、貼着面の中心部に配置されているダイシングシート22には、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用する。この引張り力によって、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。その結果、中心突上げ面72dと接しているダイシングシート22の外周部から中心部に向かって、ダイシングシート22が半導体チップ15から剥離され、半導体チップ15とダイシングテープ22の貼着面積が十分に小さくなる。
【0064】
なお、本実施形態においては、ダイシングシート22を効果的に引き伸ばすために、中心部剥離工程において、外周突上げ面71dを全体突上げ工程において突上げた高さに固定したが、中心部剥離工程では、外周突上げ面71dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げればよく、例えば、外周部剥離工程において突上げた外周突上げ面71dをステージ74の上面と同じ位置に固定して、中心突上げ面72dのみを突き上げてもよい。
【0065】
次に、図5Dに示すように、図示しない真空装置を用いて、吸着コレット31の吸着孔31aから吸引することで、吸着コレット31に半導体チップ15を吸着させて、ダイシングテープ22から半導体チップ15をピックアップする。半導体チップ15をピックアップすることにより、半導体チップ15はダイシングテープ22から完全に剥離される。
【0066】
次に、配線基板12に半導体チップ15をボンディングするボンディング工程を行う。ボンディング工程を行うには、まず、図7に示す半導体装置1Aの半導体装置に用いられる配線基板12となる図6Aに示す配線母基板12dを用意する。配線母基板12dは、図1に示すダイボンディング装置10の基板供給部1から基板搬送路6を通じてボンディング部3に供給され、ボンディング部3に保持されている。配線母基板12dは、MAP(Mold Array Process)方式で処理されるものである。
【0067】
配線母基板12dの周囲には、図6Aに示すように、枠部23が設けられている。枠部23には、所定の間隔で図示しない位置決め孔が設けられている。この位置決め孔を用いることによって、ダイボンディング装置10の搬送機構による搬送・位置決めが可能とされている。枠部23の内側には、複数の製品形成部12fがマトリクス状に配置されている。製品形成部12fは、切断分離した後で、配線基板12となる部位である。隣接する製品形成部12fの間には、ダイシングライン12gが形成されている。
なお、各製品形成部12fは、図7に示す配線基板2となるものであるため、配線基板2と同じ部材については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0068】
次に、図1に示すダイボンディング装置10を用いて、ピックアップ部4でダイシングテープ22から剥離された半導体チップ15を、ボンディング部3の吸着コレット31により吸着保持し、図6Bに示すように、製品形成部12fの一面12aの略中央位置に、それぞれ搭載する。製品形成部12fに搭載された半導体チップ15は、図6Bに示すように、半導体チップ15の製品形成部12f側に配置された固定部材13によって貼着固定される。
【0069】
次いで、図6Cに示すように、半導体チップ15の周囲近傍に形成された電極パッド16(図7参照)と、それに対応する製品形成部12fの接続パッド14とを導電性のワイヤ7により結線する。
次に、図6Dに示すように、配線母基板12dの半導体チップ15側の面(一面12a)に、複数の製品形成部12fを一括的に覆う封止体11を形成する。
【0070】
次に、例えば複数の吸着孔の形成されたボールマウントツールを用いて、複数の半田ボール19を吸着保持する。次いで、吸着保持された半田ボール19にフラックスを転写形成し、配線母基板12dの他面12bに格子状に配置された複数のランド18上に、複数の半田ボール19を一括搭載する。その後、配線母基板12dをリフローすることで外部端子となる半田ボール19が形成される。
【0071】
次に、半田ボール9の搭載された配線母基板12dを切断し、図6Fに示すように、製品形成部12f毎に分離して配線基板12とする。
具体的には、配線母基板12dの封止体11側の面にダイシングテープ34に貼着し、ダイシングテープ34によって配線母基板12dを支持する。その後、図示略のダイシング装置のダイシングブレードを用いて、ダイシングライン12gに沿って縦横に切断し、製品形成部12f毎に切断分離する。
そして、切断分離後、ダイシングテープ34からピックアップすることで、図7に示す半導体装置1Aが得られる。
【0072】
本実施形態の突き上げユニット7は、中心突上げ面72dを固定して外周突上げ面71dのみを上下移動させることにより、外周突上げ面71dと対向するダイシングシート22を半導体チップ15から完全に剥離した後に、外周突上げ面71dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げる方法により、半導体チップ15をダイシングシート22から剥離できる。したがって、本実施形態の突き上げユニット7によれば、半導体チップ15の厚みが薄くても、容易に半導体チップ15をダイシングシート22から剥離でき、半導体チップ15を容易にピックアップできる。
【0073】
また、本実施形態の突き上げユニット7によれば、外周突上げ面71dと対向するダイシングシート22を半導体チップ15から完全に剥離してから、外周突上げ面71dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げる方法により、半導体チップ15をダイシングシート22から剥離できるので、半導体チップ15全体がダイシングシート22とともに大きく変形することを防止でき、半導体チップ15の剥離に起因する変形によって半導体チップ15にクラックが生じること防止できる。
【0074】
また、本実施形態の突き上げユニット7は、突上げ部材移動手段が、外周突上げ部材71および中心突上げ部材72を同時に突き上げる同時移動手段を備えているので、外周部剥離工程の前に、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとを同時に突き上げる全体突上げ工程を行うことができ、より一層容易に半導体チップ15をダイシングシート22から剥離できる。
【0075】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の半導体チップの剥離装置である突き上げユニットの他の例を説明するための斜視図である。また、図9は、図8に示す突き上げユニットの一部を拡大して示した拡大図であり、突き上げユニットを構成する外周突上げ部材と中心突上げ部材と中間突上げ部材とを示した斜視図である。
【0076】
第1実施形態においては、突上げ部材が、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72とからなる突き上げユニット7を例に挙げて説明したが、突上げ部材は、図8に示す本実施形態の突き上げユニット70のように、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72に加えて中間突上げ部材77を備えるものであってもよい。
【0077】
中間突上げ部材77は、図8および図9に示すように、平面視で外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとの間に配置される中間突上げ面77dを有するものである。中間突上げ面77dは、図8および図9に示すように、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとの間から外周突上げ面71dの突上げブロック71a、71b間に延在して配置された井桁形状のものとなっている。したがって、中間突上げ面77dの中央には、開口が形成されており、開口内には、図8および図9に示すように、中心突上げ面72dが配置されている。
【0078】
なお、本実施形態においては、中間突上げ面77dが井桁形状のものを例に挙げて説明したが、中間突上げ面は、井桁形状に限定されるものではなく、例えば、O字型やロ字型であってもよい。
【0079】
また、井桁形状の中間突上げ面77dの端部(開口部74aと対向する部分)には、中間突上げ部材77の上面の辺を所定の寸法および形状で面取りしてなる面取り部77eが形成されている。面取り部77eは、例えば、斜面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
本実施形態においては、井桁形状の中間突上げ面77dの端部に面取り部77eが形成されているので、半導体チップ15をダイシングシート22から剥離する際にダイシングシート22に孔が形成されて、ダイシングテープ22がステージ74に安定して吸着保持されなくなることを効果的に防止できる。
【0080】
また、本実施形態においては、突上げ部材移動手段が、外周突上げ部材71または中心突上げ部材72とともに中間突上げ部材77を上下移動させる中間突上げ面移動手段(図示略)を備えている。また、本実施形態においては、同時移動手段(図示略)が、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72と中間突上げ部材77とを同時に突き上げるものとされている。
【0081】
次に、本実施形態の突き上げユニット70を用いてダイシングシート上に貼着された半導体チップをダイシングシートから剥離する方法について、図10A〜図10Dを用いて説明する。なお、図10A〜図10Dにおいて、図7に示す半導体装置や、図1に示すダイボンディング装置、図2および図3に示す突き上げユニットと同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態においては、半導体チップの剥離方法の一例として、図7に示す半導体装置を製造する方法において、突き上げユニット70によりダイシングシート上に貼着された半導体チップをダイシングシートから剥離する方法を例に挙げて説明する。なお、本実施形態の半導体装置を製造する方法は、図8および図9に示す突き上げユニット70を備えるダイボンディング装置10を用いて、半導体チップ15をダイシングテープ22から剥離する工程以外の工程は、第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ工程についての説明を省略する。
【0083】
まず、第1実施形態と同様にして、エキスパンダに接続された搬送機構により、ダイシングシート22から剥離させる半導体チップ15が、ピックアップ部4の突き上げユニット7のステージ74上における所定の位置に配置されるようにダイシングテープ22を移動させる。
【0084】
次に、本実施形態においては、図示しない真空装置を用いて、突き上げユニット7のステージ74に配置された吸着孔73と、空間76(図8および図9参照)と、開口部74aの内側と外周突上げ部材71との間の隙間7aと、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72との間の隙間7b(すなわち、外周突上げ部材71と中間突上げ部材77との間の隙間、および中間突上げ部材77と中心突上げ部材72との間の隙間)とから吸引して、図10Aに示すように、ステージ74上にダイシングテープ22を密着させる。
【0085】
次に、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72と中間突上げ部材77とを同時移動手段(図示略)により同時に突き上げて、図10Bに示すように、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dと中間突上げ面77dとを同時に突き上げる(全体突上げ工程)。
全体突上げ工程においては、第1実施形態と同様に、貼着面の平面視外周部に配置されているダイシングシート22が、突上げられた外周突上げ面71dの形状に追従しようとして引き伸ばされ、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0086】
次に、中心突上げ部材72および中間突上げ部材77を固定して外周突上げ部材71のみを外周突上げ部材移動手段(図示略)により上下移動させることにより、図10Cに示すように、中心突上げ面72dと中間突上げ面77dとを固定して外周突上げ面71dを上下移動させる(外周部剥離工程)。本実施形態においては、中心突上げ面72dおよび中間突上げ面77dを全体突上げ工程において突上げたままとしたので、貼着面の平面視中心部は、外周部剥離工程においても全体突上げ工程において突上げられた状態のままとなる。これに対し、貼着面の平面視外周部は、外周突上げ面71dの上下移動により、突上げられたり戻されたりする。
【0087】
なお、本実施形態においては、外周部剥離工程において、中心突上げ面72dおよび中間突上げ面77dを全体突上げ工程において突上げたままとしたが、外周部剥離工程では、中心突上げ面72dを固定して外周突上げ面71dを上下移動させればよく、例えば、全体突上げ工程において突上げた中心突上げ面72dおよび中間突上げ面77dをステージ74の上面と同じ位置に戻し、中心突上げ面72dをステージ74の上面と同じ位置に固定して、外周突上げ面71dを上下移動させてもよいし、全体突上げ工程において突上げた中間突上げ面77dをステージ74の上面と同じ位置に戻し、中心突上げ面72dを全体突上げ工程において突上げたままの位置に固定して、外周突上げ面71dを上下移動させてもよい。
【0088】
本実施形態においては、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dがダイシングシート22から離れる方向(図10Cにおける下方向)に移動するとき、第1実施形態と同様に、ダイシングテープ22は、ダイシングシート22から離れる方向に移動する外周突上げ面71dに追従しようとする。このことにより、ダイシングシート22の全体突上げ工程において引き伸ばされた部分は収縮し、外周突上げ面71dと中間突上げ面77dとの間およびその近傍に対向して配置された部分は引き伸ばされる。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0089】
なお、本実施形態においては、中間突上げ面77dが、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとの間から外周突上げ面71dの突上げブロック71a、71b間に延在して配置された井桁形状のものであるので、中間突上げ面77dの外周部に接するダイシングシート22の距離が長く、例えば、中間突上げ面77dがロ字型である場合と比較して、中間突上げ面77dの外形に沿って形成される段差の距離が長くなる。したがって、本実施形態においては、外周部剥離工程において、中間突上げ面77dの外形に追従しようとして引き伸ばされるダイシングシート22の面積が広いものとなり、ダイシングシート22の広い範囲に、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用するので、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離がより一層促進される。
【0090】
しかも、本実施形態においては、外周突上げ面71dと中心突上げ面72dとの間に中間突上げ面77dが配置されているので、ダイシングテープ22は、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dがダイシングシート22から離れる方向(図10Cにおける下方向)に移動するとき、上記の吸引力によって中間突上げ面77dに押し付けられる。したがって、本実施形態の外周部剥離工程においては、半導体チップ15とダイシングシート22との貼着面の外周部に配置されたダイシングテープ22のうち、中間突上げ面77dに対向している領域は、上記の吸引力によって吸引されないし、上記の吸引力が付与されても中間突上げ面77dと対向する半導体チップ15が中間突上げ面77dによって支えられているため、上記の吸引力による半導体チップ15の過度の変形が防止される。したがって、外周部剥離工程において、半導体チップ15にクラックなどの損傷が発生することを効果的に防止できる。
【0091】
また、外周部剥離工程において、一旦ダイシングシート22から離れる方向に移動した外周突上げ面71dが、半導体チップ15に近づく方向(図10Cにおける上方向)に移動するとき、貼着面の外周部に配置されているダイシングシート22には、全体突上げ工程と同様に、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用し、外周突上げ面71dがダイシングシート22から離れる方向に移動した際に引き伸ばされた部分は収縮する。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進される。
【0092】
このように、本実施形態においても、外周部剥離工程において、外周突上げ面71dを上下方向に移動させると、ダイシングシート22に、ダイシングシート22を半導体チップ15から引き離す方向に作用する吸引力と、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力とが作用して、ダイシングシート22が引き伸ばされたり収縮したりして変形する。その結果、ダイシングシート22からの半導体チップ15の剥離が促進され、外周突上げ部材71の外周突上げ面71dと対向して配置されたダイシングテープ22が、容易かつ確実に半導体チップ15から剥離される。
【0093】
次に、外周突上げ部材71および中間突上げ部材77を固定して中心突上げ部材72のみを中心突上げ部材移動手段(図示略)により上下移動させることにより、図10Dに示すように、外周突上げ面71dおよび中間突上げ面77dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げる(中心部剥離工程)。本実施形態においては、外周突上げ面71dおよび中間突上げ面77dをステージ74の上面の高さから突き上げた状態で固定して、中心突上げ面72dのみを外周突上げ面71dの高さから突き上げる。
【0094】
したがって、本実施形態においては、ステージ74上に密着されたダイシングテープ22と、外周突上げ面71dおよび中間突上げ面77dに密着されたダイシングテープ22との間に段差が形成され、外周突上げ面71dおよび中間突上げ面77dに密着されたダイシングテープ22と、中心突上げ面72dに密着されたダイシングテープ22との間にも段差が形成される。
【0095】
このとき、貼着面の中心部に配置されているダイシングシート22は、突上げられた中心突上げ面72dの形状に追従しようとして引き伸ばされる。したがって、貼着面の中心部に配置されているダイシングシート22には、貼着されている半導体チップ15との配置をずらそうとする引張り力が作用する。この引張り力によって、半導体チップ15の剥離が促進され、中間突上げ面77dと接しているダイシングシート22の外周部、および中心突上げ部材72と接しているダイシングシート22の外周部から中心部に向かって、ダイシングシート22が半導体チップ15から剥離され、半導体チップ15とダイシングテープ22の貼着面積が十分に小さくなる。
【0096】
次に、図10Dに示すように、第1実施形態と同様にして、ダイシングテープ22から半導体チップ15をピックアップする。半導体チップ15をピックアップすることにより、半導体チップ15はダイシングテープ22から完全に剥離される。
【0097】
本実施形態の突き上げユニット70においても、中心突上げ面72dを固定して外周突上げ面71dのみを上下移動させることにより、外周突上げ面71dと対向するダイシングシート22を半導体チップ15から完全に剥離した後に、外周突上げ面71dを固定して中心突上げ面72dのみを突き上げる方法により、半導体チップ15をダイシングシート22から剥離できる。したがって、半導体チップ15の厚みが薄くても、容易に半導体チップ15をダイシングシート22から剥離でき、半導体チップ15を容易にピックアップできる。
また、本実施形態の突き上げユニット70においても、半導体チップ15全体がダイシングシート22とともに大きく変形することを防止でき、半導体チップ15の剥離に起因する変形によって半導体チップ15にクラックが生じること防止できる。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、BGA型の半導体装置の製造方法を例に挙げて説明したが、本発明は薄い厚さのチップをダイシングテープからピックアップし、リードフレームに搭載する半導体装置の製造方法に適用しても良い。
また、上述した実施形態においては、ピックアップした半導体チップを、配線基板に搭載する場合について説明したが、MCP(Multi Chip Package)型の半導体装置のように、配線基板に搭載された半導体チップ上に、ピックアップした半導体チップを積層する場合に適用しても良い。
【0099】
また、開口部74a内の面積における、外周突上げ面71d、中心突上げ面72d、中間突上げ面77d、空間76、開口部74aの内側と外周突上げ部材71との間の隙間7a、外周突上げ部材71と中心突上げ部材72との間の隙間7bのそれぞれの面積の占める割合は、ダイシングテープ22の厚みや剥離しやすさなどに応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0100】
1…基板供給部、1A…半導体装置、2…治具供給部、3…ボンディング部、4…ピックアップ部、5…アンローダ、6…基板搬送路、7、70…突き上げユニット(半導体チップの剥離装置)、7a、7b…隙間、10…ダイボンディング装置、11…封止体、12…配線基板、12a…一面、12b…他面、12c…内部配線、12d…配線母基板、12f…製品形成部、12g、15c…ダイシングライン、13…固定部材、14…接続パッド、15…半導体チップ、15a…半導体ウエハ、15b…半導体チップ領域、16…電極パッド、17…ワイヤ、18…ランド、19…半田ボール(外部端子)、21…リング治具、22、34…ダイシングテープ、23…枠部、31…吸着コレット、31a…吸着孔、71…外周突上げ部材、71a…隅部ブロック(突上げブロック)、71b…中央ブロック(突上げブロック)、71c…連結部、71d…外周突上げ面、72…中心突上げ部材、72d…中心突上げ面、73…吸着孔、74…ステージ、74a…開口部、76…空間、71e、77e…面取り部、77…中間突上げ部材、77d…中間突上げ面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイシングシート上に貼着された半導体チップを前記ダイシングシートから剥離する装置であって、
前記ダイシングシートと対向配置される突上げ面を有する突上げ部材と、前記突上げ部材を上下移動させる突上げ部材移動手段とを備え、
前記突上げ部材が、前記半導体チップと前記ダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に対向配置される外周突上げ面を有し、前記貼着面の平面視外周部に沿って等間隔に配置された複数の柱状の突上げブロックを有する外周突上げ部材と、
前記貼着面の平面視中心部に対向配置される中心突上げ面を有する中心突上げ部材とを備え、
前記突上げ部材移動手段が、前記外周突上げ部材のみを独立して上下移動させる外周突上げ部材移動手段と、前記中心突上げ部材のみを独立して突き上げる中心突上げ面移動手段とを備えることを特徴とする半導体チップの剥離装置。
【請求項2】
隣接する前記突上げブロック間の領域に、真空装置に接続された空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項3】
前記突上げ部材が、平面視で前記外周突上げ面と前記中心突上げ面との間に配置される中間突上げ面を有する中間突上げ部材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項4】
前記突上げ部材移動手段が、前記外周突上げ部材または前記中心突上げ部材とともに前記中間突上げ部材を上下移動させる中間突上げ面移動手段を備え、
前記同時移動手段が、前記外周突上げ部材と前記中心突上げ部材と前記中間突上げ部材とを同時に突き上げるものであることを特徴とする請求項3に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項5】
前記外周突上げ部材が、複数の柱状の突上げブロックを有するものであり、
前記中間突上げ面が、前記外周突上げ面と前記中心突上げ面との間から前記突上げブロック間に延在して配置された井桁形状のものであることを特徴とする請求項4に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項6】
前記ダイシングシート上に貼着された半導体チップを載置するステージと、
前記ステージに設けられた開口部とを有し、
前記開口部内に、前記突上げ部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項7】
前記開口部の周囲に、前記開口部の外形形状に沿って等間隔で、真空装置に接続された吸着孔が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体チップの剥離装置。
【請求項8】
配線基板にボンディングされる半導体チップをダイシングシートから剥離するピックアップ部と、
前記ピックアップ部で剥離された前記半導体チップをピックアップし、前記半導体チップを前記配線基板にボンディングするボンディング部とを備え、
前記ピックアップ部が、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の半導体チップの剥離装置を備えていることを特徴とするダイボンディング装置。
【請求項9】
ダイシングシート上に貼着された半導体チップを前記ダイシングシートから剥離する方法であって、
前記半導体チップと前記ダイシングシートとの貼着面の平面視外周部に前記ダイシングシートと対向して配置された外周突上げ面を、前記貼着面の平面視中心部に前記ダイシングシートと対向して配置された中心突上げ面を固定して上下移動させる外周部剥離工程と、
前記外周突上げ面を固定して前記中心突上げ面のみを突き上げる中心部剥離工程とを備えることを特徴とする半導体チップの剥離方法。
【請求項10】
前記外周部剥離工程の前に、前記外周突上げ面と前記中心突上げ面とを同時に突き上げる全体突上げ工程を備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体チップの剥離方法。
【請求項11】
前記全体突上げ工程が、前記外周突上げ面と、前記中心突上げ面と、平面視で前記外周突上げ面と前記中心突上げ面との間に配置された中間突上げ面とを同時に突き上げる工程であり、
前記外周部剥離工程が、前記中心突上げ面および前記中間突上げ面を固定して前記外周突上げ面のみを上下移動させる工程であり、
前記中心部剥離工程が、前記外周突上げ面および前記中間突上げ面を固定して前記中心突上げ面のみを突き上げる工程であることを特徴とする請求項10に記載の半導体チップの剥離方法。
【請求項12】
前記外周突上げ面が、前記貼着面の平面視外周部に沿って等間隔に配置された複数の柱状の突上げブロックの上面からなるものであり、
隣接する前記突上げブロック間の領域に設けられた空間から吸引して、前記ダイシングテープを吸着保持しながら、前記全体突上げ工程と前記外周部剥離工程と前記中心部剥離工程とを行うことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の半導体チップの剥離方法。
【請求項13】
前記半導体チップの貼着された前記ダイシングシートをステージに載置する工程と、
前記ステージに設けられた前記開口部の周囲に、前記開口部の外形形状に沿って等間隔で配置された吸着孔から吸引して、前記ダイシングテープを吸着保持しながら、前記全体突上げ工程と前記外周部剥離工程と前記中心部剥離工程とを行うことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれか一項に記載の半導体チップの剥離方法。
【請求項14】
ダイシングシート上に貼着された半導体チップを前記ダイシングシートから剥離してピックアップするピックアップ工程と、
配線基板に前記半導体チップをボンディングするボンディング工程とを備え、
前記ピックアップ工程において、請求項10〜請求項13のいずれか一項に記載の半導体チップの剥離方法を用いて、前記半導体チップを前記ダイシングシートから剥離することを特徴とする半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【公開番号】特開2012−59829(P2012−59829A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200006(P2010−200006)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】