半導体用途のための結晶化処理
基板上に結晶半導体層を形成するための方法および装置が提供される。半導体層は気相堆積によって形成される。パルスレーザ溶融/再結晶化プロセスが半導体層を結晶層に変換するために実行される。レーザまたは他の電磁放射のパルスがパルス列に形成され、処置ゾーンにわたって均一に分配され、連続する隣接した処置ゾーンがパルス列にさらされて、堆積された材料を結晶材料に漸進的に変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は半導体デバイスの製造に関する。より具体的には、本明細書で説明される実施形態は、エネルギー、メモリ、論理、またはフォトニックデバイスのための結晶半導体層の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電エネルギー生成は2007年に最も急成長したエネルギー源であった。2008年に、設置光起電容量はおよそ2/3増加して約15GWとなった。いくつかの推定では、光起電力の世界市場は2008年と2013との間に32%の複合年率で成長し、22GW超に到達することになり、一方、設備容量は年当たり20〜30%の平均率で成長し、2013年までに35GWに到達する可能性がある。120000TWと推定されている利用可能な太陽資源により、この利用可能な資源の0.013%未満を使用すれば、電力源として化石燃料および核エネルギーに取ってかわることができる。2005年における総計の世界のエネルギー消費量の16TWは、地球に入射する利用可能な太陽エネルギーの0.02%未満である。
【0003】
非常に高い潜在性により、世界中の国および企業は、光起電発電の効率を向上させ、かつそのコストを低減するために競争している。典型的な太陽電池では、半導体材料が日光にさらされて、電子は移動性をもつ。移動性をもつ電子に駆動力を与えて集電体の方に流すために、半導体材料のある部分は電子豊富元素でドープされ、他の部分は電子不足元素でドープされる。電子は、電力を供給するために集電体から外部回路に流れ出る。
【0004】
半導体材料の結晶構造は、セルの光吸収特性と、セルが光を電気に変換する効率とに影響を与える。アモルファス半導体材料では、電子が移動する直線経路はほとんどなく、そのため、電子移動度が小さく、電子を移動可能にするのに必要とされるエネルギーが高い。したがって、アモルファスシリコン材料はより大きい間隙帯幅を有し、結晶シリコン材料によって吸収される光よりも短い波長を有する光を吸収する。微結晶材料またはナノ結晶材料は、平均してより高い電子移動度と、より低い間隙帯幅とを生じさせる何らかの結晶構造を有する。多結晶材料および単結晶材料は、さらに、より高い移動度とより低い間隙帯幅とを有する。
【0005】
入射スペクトルのうちの多くを取り込むために様々なモフォロジを有する吸収体を含むことが望ましいが、吸光度の利益を生成するには、わずかな量の、例えば、アモルファス材料しか必要でない。アモルファス材料が多すぎると、電子がアモルファス材料中を比較的ゆっくり移動して、電子が進むとともにエネルギーを失うので、効果が低下することになる。電子は、エネルギーを失うとともに、ショックレー−リード−ホール再結合しやすくなり、原子の伝導帯から価電子帯に落下して戻り、「正孔」、すなわち局所的電子欠乏と再結合し、電子を移動させた吸収太陽エネルギーを失う。
【0006】
したがって、この効果を低減するには、太陽電池中で多結晶および単結晶モフォロジを最大にすることが望ましい。しかし、これは、一般に、結晶を成長させる必要があることに起因して多結晶および単結晶材料の生成が遅いので問題である。比較的遅い生成速度のため、所与の生産能力への大型投資が必要とされ、効率的な太陽電池およびパネルを生成するコストが押し上げられる。
【0007】
多結晶および単結晶材料の生成は、さらに、3Dメモリなどのメモリ用途、およびフォトニックデバイスなどの様々な半導体デバイスの垂直モノリシック集積化に有用である。
【0008】
したがって、多結晶および単結晶半導体相を効率的に高速で製造する方法への必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
本明細書で説明される実施形態は、固体材料をエネルギーのパルスにさらして固体材料を漸進的に溶融し、溶融材料を形成し、溶融材料を再結晶化させることによって固体材料の構造を再編成する方法を提供する。
【0010】
他の実施形態は、漸進的に溶融させることによって太陽電池の活性層に大きい結晶ドメインを形成するステップと、空間的に均一なレーザ光のパルスを使用して活性層を再結晶化させるステップとを含む、太陽電池を形成する方法を提供する。
【0011】
他の実施形態は、基板上に第1の導電層を形成するステップと、基板上に多結晶または単結晶半導体層を形成するステップであり、基板上に半導体層を堆積させるステップと、半導体層をエネルギーのパルスにさらすことによって半導体層を漸進的に溶融し、溶融半導体層を形成するステップと、前溶融半導体層を再結晶化させるステップとを含むプロセスによって形成するステップと、基板上に第2の導電層を形成するステップとを含む、メモリデバイスを形成する方法を提供する。
【0012】
他の実施形態は、セラミック基板の上に化合物半導体層を形成するステップと、化合物半導体層を結晶化させるステップであり、エネルギーのパルスを化合物半導体層の方に誘導し、化合物半導体層を漸進的に溶融して溶融層を形成するステップと、溶融層を結晶化させて結晶化合物半導体層を形成するステップとによって結晶化させるステップとを含む、フォトニックデバイスを形成する方法を提供する。
【0013】
本発明の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上述で簡単に要約した本発明のより詳細な説明を、実施形態を参照して行うことができ、実施形態の一部が添付図面に示される。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明は他の同様に有効な実施形態を認めうるので、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでないことに留意するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】一実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図1B】本明細書で説明される一実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す図である。
【図2】別の実施形態による装置の概略断面図である。
【図3A】別の実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図3B】別の実施形態による薄膜太陽電池の概略断面図である。
【図4A】別の実施形態による処理システムの平面図である。
【図4B】別の実施形態による処理チャンバの概略断面図である。
【図5A】別の実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図5B】別の実施形態による結晶太陽電池の概略断面図である。
【図6】本明細書で説明される一実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す図である。
【図7】別の実施形態によるデバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指定するのに、可能である場合、同一の参照番号が使用される。ある実施形態で開示された要素は、特に詳述することなく、他の実施形態で有利に利用することができることが想定される。
【0016】
本明細書で説明する実施形態は、一般に、太陽電池と、メモリデバイスと、発光ダイオード(LED)などのフォトニックデバイスとを形成するための方法および装置を提供する。図1Aは一実施形態による方法100を要約する流れ図である。方法100は、一般に、基板上に結晶半導体層を迅速に形成するのに有用である。方法100を結晶または薄膜太陽電池製造プロセスで使用して、結晶半導体相を有する高効率太陽電池、メモリデバイス、論理デバイス、およびフォトニックデバイスを製作することができる。102において、半導体層が基板上に形成される。基板は薄膜太陽電池デバイスに使用することができ、基板は、基板の一方の表面に配置される電気コンタクト層を形成する透明導電被覆を有するガラス基板である。一般に、薄膜太陽電池では、透明またはほぼ透明な基板は最も高い日光吸収をもたらし、したがって、太陽電池の電力出力を改善する。上述のデバイスのうちの1つを形成するのに使用される半導体材料は、シリコン、ゲルマニウム、もしくは他の元素半導体などの元素、またはシリコン−ゲルマニウム、CIGS材料、もしくはlll/V族半導体などの化合物半導体を含むことができる。半導体材料は、さらに、電子豊富または電子不足層を形成するために、ホウ素などのp型ドーパント、またはリンなどのn型ドーパントでドープすることができる。半導体材料は、アモルファス、多結晶性、微結晶性、および大粒微結晶性を含む結晶モフォロジを有することができる。いくつかの実施形態では、半導体材料は太陽電池またはパネルの活性層を形成することができる。
【0017】
半導体材料は任意の好都合なプロセスを使用して基板上に形成することができる。ほとんどの実施形態では、プラズマ支援の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの気相堆積プロセスが使用される。1つの特定の実施形態では、プラズマ支援化学気相堆積が、シランなどのシリコン原料、水素ガス、およびオプションとしてアルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスを含む混合ガスからアモルファスシリコン層を堆積させるために使用される。ドープシリコン層を堆積させるためにボラン、ジボラン、ホスフィン、またはアルシンなどのドーパント源を混合ガスに追加することができる。太陽電池デバイスに真性シリコン層を形成するために使用される1つの例示的実施形態では、シランは、体積で約20:1以下の水素対シランの比で、約1sccm/L(リットル単位で、チャンバの処理体積で正規化された)と約10sccm/Lとの間の流量で処理チャンバに供給される。RF電力は、約15mW/cm2(平方センチメートル単位で、処理される基板の表面積で正規化された)と約200mW/cm2との間の電力レベルで、約1Torrと約4Torrとの間の圧力で、例えば、RF源をガス分配器に結合することによって混合ガスに印加することができる。半導体材料は約1μmまでの厚さに形成することができる。
【0018】
104において、半導体層は電磁放射のパルスにさらされる。複数の処置ゾーンが、一般に、基板上に画定され、パルスに連続してさらされる。一実施形態では、パルスはレーザ光のパルスとすることができ、各パルスは、周波数逓倍Nd:YAGレーザによって送出されるような約200nmと約1200nmとの間の波長、例えば約1064nmの波長を有する。赤外、紫外、および可視波長などの他の波長を使用することもできる。マイクロ波放射などの他のタイプの放射線を使用することもできる。パルスは、1つまたは複数の電磁放射源によって送出することができ、光学または電磁アセンブリを通して送出し、パルスの選択された特性を整形またはさもなければ修正することができる。
【0019】
106において、半導体層は電磁放射のパルスによる処置によって漸進的に溶融する。電磁放射、例えばレーザ光の各パルスは各々が突き当たる基板の部分を溶融するのに十分なエネルギーを有することができる。例えば、各パルスは約0.3J/cm2と約1.0J/cm2との間のエネルギーを送出することができる。単一パルスは基板表面に衝突し、エネルギーのほとんどを熱として基板材料に移送する。表面に衝突する最初のパルスは固体材料に衝突し、固体材料を融点以上の温度に加熱し、衝突した表面領域を溶融する。最初のパルスによって送出されるエネルギーに応じて、表面領域は約60Åと約600Åとの間の深さまで溶融し、表面に溶融材料の層を残すことができる。表面に到達する次のパルスは溶融した材料に衝突し、熱エネルギーを送出し、熱エネルギーは溶融した材料を通って下にある固体材料に伝搬し、固体材料のより多くを溶融する。このようにして、電磁放射の連続パルスは、連続パルスごとに半導体層を通って移動する溶融フロントを形成することができる。
【0020】
図1Bは、以下で説明する1つまたは複数の放出器224などの1つまたは複数の電磁放射デバイスによって基板表面に送出される均一な電磁エネルギーパルス1201〜120Nのアレイの一例の概略図である。各パルス(例えば、パルス1201、1202…120N)内で送出されるエネルギー量は時間の関数として変化することができ、したがって、各パルスのプロファイル(例えば、エネルギー対時間)は、溶融した材料へのエネルギーの送出を改善するために必要に応じて変化することができる。例えば、パルス1201の形状は、図1Bに示されたようにガウス形に整形される必要はなく、パルスの開始またはパルスの終了で多くのエネルギー(例えば、三角形に整形された)を送出するように構成することができる。
【0021】
各パルスはその前のパルスと同じエネルギー量を有することができ、または1つまたは複数のパルスは異なるエネルギー量を含むことができる。例えば、最初のパルスは、図1Bに示されるように、後続のパルスよりも低いエネルギー量を有することができるが、これは、最初のパルスは固相に到達するのに溶融した材料の層を通って伝搬する必要がないからである。実施形態によっては、半導体層の領域に送出される複数のパルスは第1の部分と第2の部分とを含むことができ、第1の部分の各パルスは異なるエネルギーを有し、第2の部分の各パルスは同じエネルギーを有する。上述のように、第1の部分は、第2の部分のパルスと異なるエネルギーをもつ1つのパルスのみを含むことができる。別の実施形態では、第1の部分は多数のパルスを有することができ、各々前のパルスよりも多くのエネルギーをもち、その結果、第1の部分のパルスは直前のものよりも多くのエネルギーを送出する。
【0022】
一実施形態では、各パルスは約1nsecと約50nsecとの間、例えば約20nsecと約30nsecとの間などの期間を有する。別の実施形態では、各パルスは約107W/cm2と約109W/cm2との間のパワーを送出する。パルスは静止期間によって分離することができ、静止期間は、各パルスによって送出されたエネルギーの一部が半導体層内で放散できるように選択することができる。一実施形態では、静止期間は、十分な熱が溶融した材料から離れたところに伝導されて溶融した材料の25%を再凝固させる前に、パルスが半導体層の表面に衝突するように選ばれる。別の実施形態では、各パルスは温度波を発生し、その一部は液体と固体との間の相境界を通って伝搬し、その一部は液相を通って後方に反射され、静止期間は、直ぐ前の第1のパルスからの反射温度波が表面に到達する前に第2のパルスが表面に衝突するように選ばれる。一実施形態では、パルスは時間的に重なり合い、その結果、直ぐ前の第1のパルスからの放射強度がゼロに減衰する前に、第2のパルスからの放射強度が表面に到着する。重なり係数は、第2のパルスからの放射強度が表面に衝突し始める時点における、表面に衝突している第1のパルスの百分率ピーク強度として定義することができる。一実施形態では、パルスは、約0%と約50%との間、例えば約10%と約40%との間、例えば約25%などの重なり係数を有することができる。
【0023】
図1Bに示されたパルスは、多くの実施形態で実施する場合があるように時間的に重なり合う。第1のパルス1201は、基板の表面に送出されたピーク強度IP1のエネルギーを有する。基板表面でのエネルギー強度はピーク強度IP1から減少するので、第1のパルスからのエネルギーが落ち込んでしまう前に、第2のパルス1202からのエネルギーが時間t0で基板表面に衝突し始める。時間t0で、第1のパルスからのエネルギー強度はI0である。したがって、上述で定義したように、最初の2つのパルスの重なり係数は100×(I0/IP1)である。したがって、第1のパルス1201および第2のパルス1202の付加効果のゆえに基板表面に入射した累積エネルギーは、累積エネルギー曲線121によって示されるように、非ゼロ最小値Iminに到達する。
【0024】
パルスが時間的に重なり合ういくつかの実施形態では、各パルスは溶融フロントを約60Åと約600Åとの間で延ばすことができるが、熱は液相から固相に伝導するので、溶融フロントが静止期間の間に約30Åと約100Åとの間で後退することがある。パルスの数、各パルスの強度および期間、ならびにパルスの重なり係数は、溶融されるべき材料の厚さ、処理環境の周囲圧力、溶融されるべき材料の結晶構造、および溶融されるべき材料の組成に相互依存する。
【0025】
パルスの不均一性は、処置ゾーン全体にわたる平均強度からの処置ゾーンの各ポイントの放射強度の平均百分率偏差として定義することができる。いかなる光学系によっても不変なレーザスポットは、当然、任意の時点でのガウス強度分布を有する。表面上のレーザスポットのガウス強度分布は、上述のようなパルスのガウスエネルギー−時間プロファイルと混同されるべきでないことに留意するべきである。2つのプロファイルは独立であり、強度分布は単一の時点で決定されるか、またはある期間にわたって平均され、エネルギー−時間プロファイルは、表面上のポイントに送出されるか、または表面にわたって平均されたある時間にわたるエネルギーを示す。不変のレーザスポットでは、処置ゾーンが、任意の所与の時点にガウススポットからピーク強度の少なくとも5%を受け取っているすべてのポイントとして規定される場合、任意の時点の処置ゾーンにわたる平均強度はピーク強度の約45%となることになり、ガウススポットの不均一性は約80%となることになる。
【0026】
一実施形態では、電磁放射の各パルスは基板の処置ゾーンにわたって空間的に均一また不均一に分布される。各パルスは、約5%未満、例えば約3%未満、または約1%と約2.5%との間の不均一性を有することがある。一実施形態では、各処置ゾーンは矩形形状を有することができ、実施形態によっては、各処置ゾーンは正方形形状を有することができる。1つの特定の実施形態では、各処置ゾーンは、各辺が約2cmの正方形であり、各レーザパルスは約2.5%未満の不均一性で4cm2処置ゾーンにわたって分布される。そのような実施形態では、処置ゾーンの表面は各パルスにより非常に均一な深さに溶融される。
【0027】
一実施形態では、電磁エネルギーの重なりパルスの列は電磁エネルギーの連続振幅変調ビームを形成し、振幅変調の周波数は、パルスの数および期間と、パルスをエネルギー列に形成するのに使用される光学カラムの特性とに関連する。パルス付加振幅変調エネルギービームは、上述のように所望の空間均一性を達成するためにさらに均質化することができる。
【0028】
108において、半導体層の溶融部分は再結晶化されて、多結晶、多重結晶(multicrystalline)、または単結晶層などの結晶層を形成する。溶融部分は半導体層の他の部分との固液界面で凝固し始める。電子移動度に関して上述したことと同様の理由で、結晶材料はアモルファス材料よりも良好に熱を伝導し、大粒をもつ結晶材料は小粒をもつ結晶材料よりも良好に熱を伝導するので、漸増的により多くの熱が隣接する結晶ドメインによって離れたところに伝導され、その結果、結晶ドメインとの相境界の近くでより早く凝固することになる。凝固が生じるとき、原子は固体ドメインの結晶構造に整列し、これにより、液相が凝固するにつれて液相を通して隣接する結晶構造が伝搬する。このようにして、再結晶化多結晶または単結晶処置ゾーンは各々次の処置ゾーンの再結晶化の種結晶になる。
【0029】
一実施形態では、溶融部分の再結晶化は、再結晶化動作中にエネルギーのパルスを送出することによって方向性をもって推進することができる。表面領域は、周囲環境への熱の放射および/または伝導により溶融層の内部領域よりも速く熱を失うことがあるので、エネルギーのパルスは、内部領域の前に表面領域が凝固しないように再結晶化が進行するように基板に送出することができる。再結晶化中に送出されるパルスは、層を再溶融させないようにするために溶融中に送出されるパルスと異なるプロファイルを有することになる。例えば、層を溶融するために各々期間DNを有するN個のパルスを送出することができ、再結晶化中に各々期間DMを有するM個のパルスを送出することができ、ここで、DN>DMである。同様に、各パルスで送出されるエネルギーの瞬間強度または量をより低くすることができ、かつ/またはパルスの周波数をより低くすることができる。溶融および再結晶化プロセスを制御することによって、再結晶化層の粒サイズを制御することができる。一実施形態では、処理された層の粒サイズが約1マイクロメートル(μm)よりも大きく、より好ましくは約1000μmよりも大きくなるように、処置プロセスを使用してシリコン層は再結晶化される。再結晶化層の粒サイズが大きくなると、キャリア再結合部位として作用する粒界表面積が低減されることによって、形成された太陽電池デバイスのキャリア寿命および効率が改善されることになることが考えられる。
【0030】
一実施形態では、結晶シードは、基板上に半導体層を形成する前に基板上に定着させることができる。溶融アニーリングは、結晶成長プロセスを開始するために結晶シードに接触する処置ゾーンから始めることができる。次に、処置は、電磁エネルギー送出位置を調整し、基板の端から端まで隣接処置ゾーンを形成し、層全体を再結晶化させることによって続行することができる。このようにして、気相から結晶相を堆積させることによるよりも迅速に半導体相を結晶モフォロジに変換することができる。一例では、アモルファスシリコン層用の2.2m×2.6mのPECVD堆積チャンバの堆積速度は約650オングストローム/min(Å/分)であり、同じチャンバでの微結晶シリコン膜の堆積速度は約360Å/分であることが見いだされている。したがって、気相堆積プロセスを使用するアモルファスシリコン層に対して、タンデム接合太陽電池の底部セルで使用される1.5ミクロン(μm)の微結晶シリコン層を形成するにはさらに52分を要することがある。したがって、溶融アニーリングデバイス(例えば、図4Aの参照番号455)が、生産システム490(図4A)による太陽電池のスループット以上の速度で全部の基板表面を処置することができる限り、生産ラインスループットは本明細書で説明するプロセスを使用して向上することができる。
【0031】
図2は、別の実施形態による装置200の概略断面図である。装置200は、本明細書の他の部分で説明するようなデバイスおよび層を形成するのに使用することができる。装置は、一般に、装置の中に配置された基板支持体202をもつチャンバ201を含む。電磁エネルギー源204はチャンバ内に配置するか、または別の実施形態ではチャンバの外に配置することができ、チャンバ壁のウィンドウを通してチャンバに電磁エネルギーを送出することができる。電磁エネルギー源204は、レーザビームまたはマイクロ波放射などの電磁エネルギーの1つまたは複数のビーム218を1つまたは複数の放出器224から光学アセンブリ206の方に誘導する。電磁アセンブリとすることができる光学アセンブリ206は、電磁エネルギーの1つまたは複数のビームを電磁エネルギーの列220に形成し、エネルギーの列220を修正器214の方に誘導する。修正器214は、基板支持体202の、またはその上に配置された基板の処置ゾーン222の方にエネルギーの列220を誘導する。一例では、装置200は約1分以内に2.2m×2.6mのデバイス(例えば5.72m2/min)、または1時間当たり60個の基板をアニールするように構成される。
【0032】
光学アセンブリ206は、ミラーとすることができる移動可能リフレクタ208と、リフレクタ208に位置合わせされた光学カラム212とを含む。リフレクタ208は、図2の実施形態では、反射されたビームを選択された場所の方に誘導するように回転するポジショナ210に取り付けられる。他の実施形態では、リフレクタは回転ではなく平行移動することができ、または平行移動および回転の両方を行うことができる。光学カラム212は、リフレクタ208で反射されたエネルギー源204からのエネルギーのパルスを、基板支持体202上の基板を処置するための所望のエネルギー列220に形成および整形する。パルスを形成および整形するための光学カラム212として使用することができる光学カラムは、2007年7月31日に出願され、米国特許出願公開第2009/0032511号として2009年2月5日に公開された同時係属米国特許出願第11/888,433号に説明されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
修正器214は、エネルギー列220を処置ゾーン222の方に誘導するための複数の光学セル216を含む。エネルギー列220は、エネルギー列220の伝搬の方向を基板支持体202および処置ゾーン222に実質的に垂直な方向に変更する光学セル216の1つの部分に入射する。基板支持体202に配置された基板が平坦であれば、エネルギー列220は修正器214を出て、やはり基板に実質的に垂直な方向に移動する。
【0034】
光学セル216は、レンズ、プリズム、リフレクタ、または放射の伝搬方向を変更するための他の手段とすることができる。連続処置ゾーン222は、リフレクタ208がエネルギー列220を連続光学セル216に誘導するように光学アセンブリ206を移動させることによってエネルギー源204からの電磁エネルギーのパルスで処置される。
【0035】
一実施形態では、修正器214は、基板支持体202にわって延びる光学セル216の2次元アレイとすることができる。そのような実施形態では、光学アセンブリ206は、エネルギー列220を所望の場所の上方の光学セル216の方に反射させることによって、エネルギー列220を基板支持体202の任意の処置ゾーン222に誘導するように作動させることができる。別の実施形態では、修正器214は、基板支持体の寸法以上の寸法をもつ一列の光学セル216とすることができる。一列の光学セル216は基板の一部の上に位置づけられ、エネルギー列220が光学セル216の端から端まで走査されて修正器214の下に置かれた基板の一部を所望に応じて複数回処置することができ、次に、一列の光学セル216は処置ゾーンの隣接する行を覆うように移動され、漸進的に行ごとに基板全体を処置することができる。
【0036】
図2のエネルギー源204は4つの個々のビームジェネレータを示しているが、これは、実施形態によってはパルス列中の個々のパルスが重なり合うことがあるためである。多数のビームまたはパルスジェネレータを使用して、重なり合うパルスを発生させることができる。単一のパルスジェネレータからのパルスは、実施形態によっては適切な光学系を使用することによって重なり合うようにすることもできる。1つまたは複数のパルスジェネレータの使用は、所与の実施形態で必要とされるエネルギー列の正確な特性によって決まることになる。
【0037】
エネルギー源204、光学アセンブリ206、および修正器214の相互依存機能はコントローラ226で管理することができる。コントローラは、まとめてエネルギー源204に、またはエネルギー源204の個々のエネルギージェネレータに結合することができ、エネルギー源への電力送出、エネルギージェネレータからのエネルギー出力、または両方を制御することができる。コントローラ226は、必要に応じて、光学アセンブリ206を移動させるためのアクチュエータ(図示せず)、および修正器214を移動させるためのアクチュエータ(図示せず)に結合することもできる。
【0038】
図3Aは、別の実施形態による方法300を要約する流れ図である。図3Aの方法300は、薄膜太陽電池などの垂直集積化モノリシック結晶半導体構造を形成するのに有用である。同様の方法は、例えば、メモリおよびフォトニックデバイスで見いだすことができるような任意の垂直集積化モノリシック結晶半導体材料を形成するのに使用することができる。
【0039】
302において、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる光変換ユニットが基板上に形成される。光変換ユニットは、シリコン、ゲルマニウム、CIGS半導体、またはこれらの組合せなどのドープ半導体から形成されるPIN接合を含むことができる。
【0040】
304において、p型半導体層が、プラズマ強化することができる物理または化学気相堆積などの気相堆積プロセスを使用して半導体材料を堆積させることによって基板上に形成され、ここで、気体は半導体源およびドーパント源を含む。p型半導体層はアモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。
【0041】
306において、p型層はレーザパルスを使用して溶融および再結晶化される。パルス列、またはパルスの群は、レーザパルスを光学的に付加し、得られたパルス列を均質化して空間的に均質化された可変パワー電磁エネルギービームを形成することによって形成される。各パルス列のパワーまたは単位時間当りのエネルギーの変動は、p型層を漸進的に溶融するように変化する電磁エネルギーをp型層に送出するように設計される。パルスまたはパルスの群からp型層に入射するエネルギーの速度がp型層による熱拡散の速度を越え、照射された部分の局所的温度が材料の融点よりも高い点に上昇すると、溶融区域がp型層に現れる。パルスのエネルギーが減少する場合、固相と溶融相との間の界面の近くのエネルギー入力の速度が、溶融相から固相への熱拡散の速度を下回り、溶融区域の一部は再凝固することができる。
【0042】
エネルギービームの振幅−時間関数の精密な細部は、再凝固が局所強度最小の間にどの程度生じるかを決定し、実行される溶融モードを選択するのに使用することができる。例えば、一実施形態では、エネルギービームは、約500Åだけ溶融フロントを進行させ、約10Åを再凝固させるように設計することができる。別の実施形態では、溶融フロントは各局所最大値により約500Åだけ進行することができ、各局所最小値により約400Åの再凝固が可能になる。パルスの1つまたは複数からの各連続エネルギー最大値は、層が実質的に溶融するまで、層内により深くまで約60Åと約600Åとの間で溶融フロントを進行させるように設計することができる。
【0043】
溶融/再結晶化プロセスにおいて、複数の処置ゾーンがp型層に画定され、各ゾーンはp型層を結晶材料に変換させるために連続して処置される。各処置ゾーンは、それぞれすぐ隣りの処置ゾーンの後で処置されて、溶融動作の後結晶成長を促すために処置ゾーンのエッジに結晶界面を準備する。一実施形態では、各処置ゾーンは、放射のエネルギー変調ビームに形成されうる電磁エネルギーの複数の重なりパルスにさらされる。各処置ゾーンの均一な処置では、上述のように、ビームのエネルギーはゾーンの端から端まで均一に空間的に分布する。
【0044】
一実施形態では、下層の近くのp型層の部分は、異なる型のドーパントの拡散および/または混合を最小にするために溶融されないままとすることができる。例えば、p型層が、下にある光変換ユニットのアモルファスn型層の上に形成される場合、界面でのp型ドーパントおよびn型ドーパントの混合または拡散を避けるためにp型層の約100Åに達するまでの溶融を避けることが望ましいことがある。p型層と下にある光変換ユニットとの間に緩衝層を使用する場合でさえ、薄いp型緩衝層を溶融させずにおくのは有用であることがある。
【0045】
一実施形態では、工程302の光変換ユニットと工程304のp型層との間に結晶材料の薄層を形成することが有用であることがある。約50Å未満の厚さである多結晶もしくは単結晶シリコンまたは他の半導体などの結晶材料を使用して、溶融材料を凝固させる間、p型層における結晶構造の成長を促進するのを援助する。結晶材料の層は連続または不連続とすることができ、堆積によってまたは局所再結晶化プロセスによって形成することができる。局所再結晶化プロセスにおいて、結晶材料は、例えば、レーザなどの電磁エネルギーのスポットビームにさらすことによって点(point)もしくはドット(dot)、線、または周期表層構造を形成することができる。
【0046】
p型層の再結晶化は、パルス周波数、パルスプロファイルの低減によるエネルギービームの変調によって、または光のより長い波長の使用によって促進させることができる。したがって、エネルギー入力の速度を低減および制御することによって、再結晶化が固体−溶融界面で進むので、p型層の表面区域は溶融状態を維持する。したがって、漸進的再結晶化プロセスを遂行することができ、結晶化は、下にある層の近くの溶融材料の場所から溶融材料の表面に進む。そのような漸進的再結晶化は、秩序的で方向性の結晶形成を促進することによって大きい結晶粒の形成を増強することができる。
【0047】
308において、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができるi型半導体層が、ドーパント源を除いて、p型層を形成するのに使用されるものと同様のプロセスを使用して基板上に形成される。i型層は、310において、工程306のものと同様のプロセスにおける溶融および再結晶化を行うことによって結晶層に変換される。最後に、n型半導体層が312において形成され、314において結晶形態に変換されて、本方法は完了する。
【0048】
方法300で形成される層の厚さは、特定の実施形態の必要に応じて約50μmまでとすることができる。太陽電池の実施形態では、層は、一般に、約2.5μm未満となることになり、場合によっては、約100Åから約500Åの薄さとすることができる。上述の溶融/再結晶化プロセスを使用して、太陽電池のバルクとして、独立型結晶太陽電池、またはタンデム薄膜セル内に薄いアモルファスセルをもつものとして、発電領域を形成することができる。
【0049】
図3Bは、図3Aの方法300により形成された基板350の概略側面図である。基板350は、2つの導電層374と356との間の2つの発電領域358および366と、保護層376および352と、強度増強層354とを含む。発電領域358および366の各々は、p型半導体層372、364と、i型半導体層370、362と、n型半導体層368、360とを含む。発電領域358および366の層は、一般に、広い波長スペクトルにわたって光を吸収しやすくするために異なる結晶モフォロジを有する。一実施形態では、層360、370、および372はアモルファスであり、層362、364、および368は微結晶性、多結晶性、多重結晶性、または単結晶性である。結晶層は、図3Aの方法300によりアモルファス層を堆積させ、次に、層の各々を再結晶化させることによって形成することができる。
【0050】
一実施形態では、n型半導体層360は酸素バリア性を与えるためにアモルファス層である。別の実施形態では、p型半導体層372およびi型半導体層370は各々より短い波長の光を収集するためにアモルファスである。代替の実施形態では、n型半導体層368はアモルファスであるが、n型半導体層360は光の広域スペクトルを収集しやすくするために結晶性である。
【0051】
図4Aは、別の実施形態による基板を処理するための生産システム490の平面図である。システム490は、基板コンベヤ450、458の集合体と、薄膜光起電デバイスを形成するのに使用することができる処理ステーション400、455とを含む。図4Aの実施形態では、各々を堆積ステーションとすることができる2群の処理ステーション400を2つの供給コンベヤ458と組み合わすことができ、2つの供給コンベヤ458は処理のために主コンベヤ450から基板を収集し、かつ次の処理ステージへの送出のために主コンベヤ450に処理済み基板を戻して置く。図4Aの実施形態は、処理ステーション400が堆積ステーションであり、処理ステーション455が熱処置ステーションであり、基板が処理ステーション400で処理された後、熱処置のために処理ステーション455に送出されるように構成される。各処理ステーション455は、図1Aおよび2に関連して上述したように結晶化工程を実行するための処理チャンバとすることができる。図3に関連して上述したように、処理ステーション400の各々を使用して、薄膜光起電デバイス用の基板にPIN接合を形成することができる。各処理ステーション400は、ロードロックチャンバ460に結合された移送チャンバ470と、プロセスチャンバ481〜487とを含む。ロードロックチャンバ460により、システムの外部の周囲環境と移送チャンバ470およびプロセスチャンバ481〜487内の真空環境との間で基板を移送することができるようになる。ロードロックチャンバ460は、1つまたは複数の基板を密閉しながら排気することができる1つまたは複数の領域を含む。ロードロックチャンバ460は、基板が周囲環境から入るとき排気し、処理ステーション400から周囲環境に基板を送出する間大気にする。移送チャンバ470はその中に配置された少なくとも1つの真空ロボット472を有し、真空ロボット472はロードロックチャンバ460とプロセスチャンバ481〜487との間で基板を移送するように構成される。図4Aの処理ステーション400では7つのプロセスチャンバが示されているが、各処理ステーション400は任意の好適な数のプロセスチャンバを有することができる。
【0052】
処理ステーション400の一実施形態では、プロセスチャンバ481〜487のうちの1つは太陽電池デバイスの第1のPIN接合320または第2のPIN接合330のp型シリコン層を堆積させるように構成され、プロセスチャンバ481〜487のうちの別の1つは第1または第2のPIN接合の真性シリコン層を堆積させるように構成され、プロセスチャンバ481〜487のうちの別のものは第1または第2のPIN接合のn型シリコン層を堆積させるように構成される。3つのタイプのチェンバプロセス(すなわち、p型プロセス、i型プロセス、およびn型プロセス)を有するプロセス構成はある程度の汚染制御の利点を有することができるが、一般に、2つのタイプのチェンバプロセス(すなわち、p型プロセスおよびi/n型プロセス)を有するプロセス構成よりも低い基板スループットを有することになり、一般に、処理チャンバのうちの1つまたは複数が保守点検のために停止されると、所望のスループットを維持することができない。
【0053】
図4Bは、太陽電池の1つまたは複数の膜を堆積させることができるPECVDチャンバ401などの処理チャンバの一実施形態の概略断面図である。一実施形態では、チャンバ401は、一般に、壁402と、底部404と、シャワーヘッド410、基板支持体430とを含み、これらはプロセス体積部406を画定する。プロセス体積部は、基板をPECVDチャンバ401の中におよび外に移送することができるようにバルブ408を通してアクセスされる。基板支持体430は、基板を支持するための基板受取り表面432と、基板支持体430を上昇および下降させるためのリフトシステム436に結合されたステム434とを含む。シャドウフレーム433は、上に形成された1つまたは複数の層、例えば導電層356を既に有することがあるデバイス基板303の周辺上にオプションとして配置することができる。基板受取り表面432へまたは基板受取り表面432から基板を移動させるために、リフトピン438が基板支持体430を通して移動可能に配置される。基板支持体430は、基板支持体430を所望の温度に維持するために加熱および/または冷却要素439をさらに含むことができる。基板支持体430は、基板支持体430の周辺でRF接地を行うための接地ストラップ431をさらに含むことができる。接地ストラップの例は、2000年2月15日にLaw等に発行された米国特許第6,024,044号、および2006年12月20日にPark等により出願された米国特許出願第11/613,934号に開示されており、これらは共に本開示と矛盾しない範囲で全体が参照により組み込まれる。
【0054】
シャワーヘッド410はバッキング板412にその周辺でサスペンション414によって結合される。シャワーヘッド410は、さらに、シャワーヘッド410の真直度/湾曲の撓み防止および/または制御に役立つように1つまたは複数の中心支持体416によってバッキング板に結合することができる。ガス源420はバッキング板412に結合され、バッキング板412を通して、およびシャワーヘッド410の複数の正孔411を通して基板受取り表面432にガスを供給する。真空ポンプ409がPECVDチャンバ401に結合され、プロセス体積部406を所望の圧力に制御する。RF電源422は、シャワーヘッド410にRFパワーを供給するためにバッキング板412および/またはシャワーヘッド410に結合され、その結果、電界がシャワーヘッドと基板支持体との間で生成され、その結果、プラズマがシャワーヘッド410と基板支持体430との間にガスから発生されうる。約0.3MHzと約200MHzとの間の周波数などの様々なRF周波数を使用することができる。一実施形態では、RF電源は13.56MHzの周波数で備えられる。シャワーヘッドの例は、2002年11月12日にWhite等に発行された米国特許第6,477,980号、2006年11月7日にChoi等に公開された米国特許公開第2005/0251990号、および2006年3月23日にKeller等に公開された米国特許公開第2006/0060138号に開示されており、これらはすべて本開示と矛盾しない範囲で全体が参照により組み込まれる。
【0055】
ガス源とバッキング板との間に誘導結合遠隔プラズマ源などの遠隔プラズマ源424をさらに結合することができる。基板の処理の合間に、洗浄ガスを遠隔プラズマ源424に供給することができ、その結果、チャンバ構成要素を洗浄するために遠隔プラズマが発生および供給される。洗浄ガスは、RF電源422でさらに励起して、シャワーヘッドに供給することができる。好適な洗浄ガスには、限定はしないが、NF3、F2、およびSF6が含まれる。遠隔プラズマ源の例は、1998年8月4日にShang等に発行された米国特許第5,788,778号に開示されており、これは本開示と矛盾しない範囲で参照により組み込まれる。
【0056】
図5Aは、別の実施形態による方法500を要約するプロセス流れ図である。方法500は結晶光起電デバイス550を形成するのに有用である。図5Bは、結晶基板551およびドープ層552を有する結晶光起電デバイス550の一部の概略断面図である。502において、基板は光起電デバイスを構築するために準備される。基板は、一般に、結晶基板551の表面に配置されたコンタクト部分553を有することになる。コンタクト部分553は導電性であり、一般に、金属から形成される。結晶基板551は、一般に、シリコン、シリコン−ゲルマニウム、CIGS、またはlll/V族化合物半導体などの半導体材料とすることになる。ドープシリコン基板は、単結晶性(例えば、Si<100>またはSi<111>)、微結晶性、多重結晶性、多結晶性、歪み型、またはアモルファスとすることができる。
【0057】
ドープ層552は、一般に、電子過剰または欠乏を生成するためにp型またはn型ドーパントでドープされた半導体層である。半導体材料は、結晶太陽電池を製作するために一般に使用される任意の半導体、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、CIGS、またはIII/V族化合物半導体などとすることができ、プラズマ強化の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの任意の好都合なプロセスで形成することができる。n型層では、ドナー型原子が基板形成プロセス中に結晶半導体基板内にドープされる。ドナー原子の好適な例には、限定はしないが、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)が含まれる。p型層では、ホウ素(B)またはアルミニウム(Al)などのアクセプタ型原子を基板形成プロセス中に結晶シリコン基板にドープすることができる。基板は、典型的には、約100μm厚と約400μm厚との間にある。
【0058】
504において、ドープ半導体層552が基板上に形成される。ドープ半導体層のドーパントの型は基板上のドープ層の型と反対である。したがって、基板551がp型ドープ層を特徴として備える場合、n型層が形成され、その逆も成立する。p型層およびn型層は、2つの層の間の界面の近くにPN接合領域を形成する。ドープ半導体層に使用される半導体材料は基板の半導体層と同じとすることも、または異なることも可能である。一実施形態では、基板のドープ層、およびその上に形成されるドープ半導体層は共にドープシリコン層である。ドープ半導体層は、プラズマ強化の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの任意の好都合なプロセスで形成することができる。一実施形態では、ドープ半導体層は、図4Bで説明したものと同様の装置でプラズマ化学気相堆積プロセスによって形成される。ドープ半導体層は、一般に、約50μm厚未満となることになり、多くの実施形態では約2μm厚以下となることになり、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。
【0059】
506において、ドープ半導体層は、上述で説明した装置200と同様の処置デバイスを使用して、上述の図1Aに関連してしたものと同様の熱プロセスを使用して結晶化される。一実施形態では、複数の処置ゾーンがドープ半導体層に画定され、各処置ゾーンはパルス電磁エネルギーにさらされ、処置ゾーンは漸進的に溶融され、次に、溶融部分は結晶化される。パルスはレーザまたはマイクロ波パルスとすることができ、パルスは、一般に、処置ゾーンにわたって均一な放射空間強度を生成するように均質化される。各パルスの瞬間強度、プロファイル、および期間は、ドープ半導体層を通して途中まで溶融フロントを移動させるように定められる。例えば、上述のように、各パルスは、溶融フロントをドープ半導体層内により深くまで約60Åと約600Åとの間で移動させることができる。同様に上述したように、パルスは重なり合うか、または静止期間によって分離することができる。
【0060】
送出されるパルスの数は終点に到達するように選択され、終点はドープ半導体層と下層との間の界面、またはその界面のある程度近傍とすることができる。終点に到達した後、溶融領域は、下にある結晶構造および隣接する結晶化処置ゾーンの結晶構造をシード材料として使用して結晶化することが可能になる。処置ゾーンは、電磁エネルギー、または基板、または両方を移動させることによって連続して処理され、その結果、各処置ゾーンはすぐ隣りに続いて処理される。
【0061】
508において、典型的にパターン化された電気コンタクト555が、光起電セルを完成させるために基板551上に配置された処置層552の表面556に形成される。デバイスの表面での光反射を低減するために反射防止層554を表面556の上に形成することもできる。このようにして、結晶光起電デバイスは、気相から結晶層を堆積させるための比較的遅いプロセスに依拠することなしに形成することができる。
【0062】
実施形態によっては、溶融終点は、p型ドーパントとn型ドーパントとが混合しないように界面からある距離に画定することができる。n型層のごく近傍のp型層、さらにn型層に接触するp型層を特徴とする実施形態では、溶融終点は層間界面から約20Å以下に画定することができる。薄い非溶融層が、ドーパント混合を防止するために緩衝域として結晶層間に残される。一実施形態では、緩衝層は、溶融相を通して緩衝層にサブ溶融パルスを誘導することによって結晶化させることもできる。複数の電磁エネルギーパルスは、溶融相が結晶化し始める前に送出される場合、溶融相の表面の方へ誘導することができ、溶融相を通って緩衝層に伝搬することができ、各パルスは十分なエネルギーを緩衝層に送出して、緩衝層を溶融することなしに、および著しいドーパント移動をもたらすことなしに緩衝層の原子構造を結晶構造に漸増的に再編成させる。
【0063】
一実施形態では、処置層と、基板に見いだされる下にある結晶層との間で原子の著しい移動なしに層を溶融および結晶化させるために、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる半導体層に処置プログラムを送出することができる。第1の群の電磁放射の1つまたは複数のパルスが、溶融プロセスを始めるためにドープ半導体層552の表面556に送出される。第1の群の各パルスは表面の一部を溶融するのに十分なエネルギーを有することになり、第1の群の他のパルスと同じエネルギー量を有することができ、または異なるエネルギー量を有することができる。第1の群のパルスは溶融相を形成し、溶融フロントは溶融相と固相との間の界面にある。
【0064】
第2の群の1つまたは複数のパルスが半導体層に送出され、半導体層を通って終点まで溶融フロントを進行させる。第2の群の各パルスは、溶融相を通って伝搬し、固相の一部を溶融するのに十分なエネルギーを固相に送出するのに足りるエネルギー量を有し、このように溶融フロントを進行させる。第2の群のパルスによって送出されたパワーは、一般に、第1の群のパルスによって送出されるものよりも高い。半導体層と下にある結晶層との間で原子が移動しないようにするために、溶融終点は、半導体層と下にある結晶層との間の界面から短い距離に画定される。溶融終点と界面との間の領域は緩衝層とすることができる。
【0065】
第2の群のパルスが送出された後、溶融フロントは終点に到達し、第3の群の1つまたは複数のパルスが半導体層に送出され、溶融させることなしに緩衝層を結晶化させる。第3の群の各パルスは、溶融相を通って伝搬し、溶融させることなしに、および半導体層と下にある結晶層との間で原子を実質的に移動させることなしに緩衝層の原子を漸増的に結晶化させるのに足りるエネルギーを緩衝層に送出するのに十分なエネルギー量を有する。第3の群のパルスを送出した後、溶融相は結晶化され、溶融相の結晶構造は、緩衝層および下にある結晶層の結晶構造から進展する。
【0066】
上述のように、第1および第2のパルスは重なり合うことができ、または静止期間によって分離することができ、重なり合いまたは分離の程度は、エネルギーの次のパルスが到着する前に溶融相の部分的再凝固を可能にするように選択される。第3の群のパルスは、同様に、重なり合うか、または分離することができるが、第3の群のパルスは溶融しないように設計されるので、第3の群のパルスの期間、強度、および周波数は、一般に、次のパルスが到着する前に、各パルスの後で緩衝層が周囲エネルギー状態に戻ることができるように選択されることになる。したがって、第3の群のパルスは第2の群のパルスよりも小さいパワーレベルを送出することができ、第1の群のパルスのパワーレベルよりも小さくすることができる。
【0067】
図6は、別の実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す。一実施形態では、異なる強度を有する多数のエネルギーパルスが、2つの層間の原子の移動を最小にしながら溶融/再結晶化プロセスを使用して、結晶層の上に形成された半導体層を結晶化させるのに有用となることがある。一例では、それぞれの強度I1、I2、およびI3を有するパルス601、602、および603が半導体層に送出される。一例では、図6に示されるように、パルス6021から602Nおよびパルス6031から603Nなどの1つまたは複数のパルスは一群のパルスを含むことができる。一実施形態では、第1のパルスタイプ601の強度I1は第2のパルスタイプ602の強度I2よりも低い。上述のように、第1のパルスタイプ601は半導体層に衝突し、その一部を溶かす。第2のパルスタイプ602は半導体の液体表面に衝突し、液相を通って伝搬し、下にある固相に衝突し、下にある固相の一部を溶融し、半導体層を通して溶融フロントを終点まで進行させる。第3のパルスタイプ603はパルスタイプ601および602のものよりも低い強度I3を有し、液相を通って伝搬し、緩衝層にエネルギーを送出し、溶融させることなしに緩衝層を漸増的に再結晶化させ、したがって、緩衝層から下にある結晶半導体層への原子の移動の機会を最小にする。図6の実施形態では、第2のパルスタイプのN個のパルスが時間的に重なり合うように示されている。第3のパルスタイプ603のM個のパルスは時間的に重なり合うことができ、または周囲エネルギーの期間によって分離することができる。
【0068】
一実施形態では、下にある結晶層に接触する厚さ1.5μmのアモルファスシリコン層がパルスレーザ処置を使用して結晶化される。アモルファスシリコン層は処置ゾーンに分割され、各処置ゾーンは1064nmレーザからの一連のパルスにさらされ、一連のパルスは、0.35J/cm2を送出する期間10nsの1つのパルスと、その後に続く、各々10nsの期間であり、各々0.5J/cm2を送出し、各々両側で25%だけパルスと重なり合う10個のパルスと、その後に続く、各々10nsの期間であり、各々0.3J/cm2を送出し、各々10nsの静止期間によって分離される5個のパルスとを含む。上述のパルスレーザ処置は、2つの層間の原子の移動を最小にしながらアモルファスシリコン層を結晶化させることになる。
【0069】
別の態様では、他のタイプのデバイスが、本明細書で説明されるものなどの迅速結晶半導体形成プロセスから利益を得ることができる。図7は一実施形態によるデバイス700の概略断面図である。デバイス700は、一般に、結晶半導体層704を含み、結晶半導体層704は2つの機能層702と706との間で多結晶または単結晶のモフォロジを有することができる。機能層702および706は各々金属層、例えば電極、金属酸化物層などの誘電体層、または半導体層とすることができる。
【0070】
一実施形態では、デバイス700はメモリデバイスとすることができ、機能層702および706は金属層であり、結晶半導体層704はメモリセルである。メモリセルは、上述の光起電デバイスの半導体層を形成するのに使用されるものと同様の方法で形成することができる。半導体層は物理または化学気相堆積によって形成され、図1A、3A、および5Aに関連して上述した溶融/再結晶化プロセスにより結晶化される。半導体層は、PNまたはPIN接合を形成するのに使用することができるホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウムなどのp型ドーパント、ならびにリンおよびヒ素などのn型ドーパントでドープすることができる。半導体材料は、IV族半導体、lll/V族(13/15族)半導体、またはll/VI族(12/16族)半導体などのメモリ用途に好適な任意の元素または化合物半導体材料とすることができる。いくつかの例示的な半導体には、限定はしないが、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、CIGS材料、ガリウム、アルミニウム、およびインジウムの窒化物またはリン化物、亜鉛、カドミウム、および水銀の硫化物、セレン化物、またはテルル化物などが含まれる。結晶シード層は、再結晶化プロセスを助成するためにアモルファス半導体層を形成する前に堆積させることができる。結晶シード層は、気相エピタキシまたは化学気相堆積などの結晶層を形成するのに好適な任意のプロセスによって形成することができる。
【0071】
実施形態によっては、複数の個別の電荷ストレージ粒子を結晶化層に埋め込むことができる。個別の電荷ストレージ粒子は、メモリセルに固定することができる電荷の密度を改善することができる。金属原子または原子クラスタとすることができる個別の電荷ストレージ粒子は、2つの結晶層の間にPVDまたはCVDなどの任意の好適な堆積プロセスによって堆積させることができ、またはイオンビームまたはプラズマ浸漬イオン注入によって注入することができる。堆積プロセスにおいて、第1の半導体層が基板上に形成され、個別の電荷ストレージ粒子が第1の半導体層上に堆積され、第2の半導体層が個別の電荷ストレージ粒子層上に形成される。第1および第2の半導体層は各々個別にアモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。次に、構造全体が上述のようにパルスエネルギー溶融プロセスによって再結晶化される。
【0072】
別の実施形態では、デバイス700は発光ダイオード(LED)などのフォトニックデバイスとすることができる。LEDの実施形態では、機能層702は、一般に、デバイスの活性部分に構造支持を与えるサファイアなどの誘電体基板である。機能層702は、機能層702とその上に形成されるべき結晶半導体層704との間の整合を容易にするために、機能層702の表面に形成された緩衝層または遷移層をさらに含むことができる。結晶半導体層704は、一般に、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、またはこれらの混合物などのIII族窒化物半導体である。したがって、機能層702の表面を処置して、緩衝層または遷移層として、窒化アルミニウムの薄層、またはアルミニウム、ガリウム、およびインジウムの窒化物の混合物の薄層を形成することができる。
【0073】
LEDの実施形態における結晶半導体層704は、一般に、III族窒化物層であり、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、および窒化インジウムを含むことができる。結晶半導体層704は、活性構成要素として、窒化インジウムガリウムなどの多重量子井戸材料を含む。結晶半導体層704は、一般に、窒化ガリウムなどの非ドープ窒化物層と、上述のものなどのn型ドーパントでドープされた窒化ガリウムとすることもできるn型ドープ窒化物層とをさらに含む。
【0074】
LEDの実施形態における機能層706は、一般に、p型ドーパントでドープされた窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウム層などのp型ドープIII族窒化物層である。
【0075】
LEDデバイスの層は、一般に、化学気相堆積プロセスおよび/または水素化物気相エピタキシ(HVPE)プロセスによって形成され、当技術分野で知られているように、ガリウム、インジウム、またはアルミニウムなどのIII族金属がIII族ハロゲン化金属を形成するために塩化水素などのハロゲン源にさらされ、次に、アンモニアなどの窒素源と混合されてIII族窒化物材料が形成される。そのようなプロセスによって堆積された層は、図1A、3A、および5Aに関連して上述したパルスエネルギー溶融結晶化プロセスを使用して、多結晶または単結晶モフォロジに結晶化することができる。
【0076】
多層半導体デバイスを形成するすべての事例では、本明細書で説明したパルスエネルギー溶融結晶化プロセスを使用して、デバイスのすべての半導体層を結晶化させることができ、または選択した層のみを結晶化することができることに留意するべきである。一実施形態では、アモルファス、微結晶、または多結晶モフォロジを有するデバイスのすべての半導体層を形成することができ、次に、すべての層は単一の漸進的パルスエネルギー溶融/再結晶化プロセスを使用して再結晶化される。別の実施形態では、結晶化させるように選択された個々の層は、後続の層を形成する前にパルスエネルギー溶融再結晶化プロセスにさらすことができる。パルスエネルギー溶融結晶化プロセス中に送出されるエネルギーの送出の制御および短い期間により隣接する層の結晶構造または組成に大きな影響を与えることなしに、一度に1つの層を結晶化または再結晶化させるプロセスを効果的に使用して個別に各層を処理することができることが考えられる。そのような方法を使用して、多結晶または単結晶モフォロジをもつ高効率結晶半導体構成要素を有するデバイスが費用対効果が大きく高スループットのプロセスで製造することができる。
【0077】
上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができる。
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は半導体デバイスの製造に関する。より具体的には、本明細書で説明される実施形態は、エネルギー、メモリ、論理、またはフォトニックデバイスのための結晶半導体層の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電エネルギー生成は2007年に最も急成長したエネルギー源であった。2008年に、設置光起電容量はおよそ2/3増加して約15GWとなった。いくつかの推定では、光起電力の世界市場は2008年と2013との間に32%の複合年率で成長し、22GW超に到達することになり、一方、設備容量は年当たり20〜30%の平均率で成長し、2013年までに35GWに到達する可能性がある。120000TWと推定されている利用可能な太陽資源により、この利用可能な資源の0.013%未満を使用すれば、電力源として化石燃料および核エネルギーに取ってかわることができる。2005年における総計の世界のエネルギー消費量の16TWは、地球に入射する利用可能な太陽エネルギーの0.02%未満である。
【0003】
非常に高い潜在性により、世界中の国および企業は、光起電発電の効率を向上させ、かつそのコストを低減するために競争している。典型的な太陽電池では、半導体材料が日光にさらされて、電子は移動性をもつ。移動性をもつ電子に駆動力を与えて集電体の方に流すために、半導体材料のある部分は電子豊富元素でドープされ、他の部分は電子不足元素でドープされる。電子は、電力を供給するために集電体から外部回路に流れ出る。
【0004】
半導体材料の結晶構造は、セルの光吸収特性と、セルが光を電気に変換する効率とに影響を与える。アモルファス半導体材料では、電子が移動する直線経路はほとんどなく、そのため、電子移動度が小さく、電子を移動可能にするのに必要とされるエネルギーが高い。したがって、アモルファスシリコン材料はより大きい間隙帯幅を有し、結晶シリコン材料によって吸収される光よりも短い波長を有する光を吸収する。微結晶材料またはナノ結晶材料は、平均してより高い電子移動度と、より低い間隙帯幅とを生じさせる何らかの結晶構造を有する。多結晶材料および単結晶材料は、さらに、より高い移動度とより低い間隙帯幅とを有する。
【0005】
入射スペクトルのうちの多くを取り込むために様々なモフォロジを有する吸収体を含むことが望ましいが、吸光度の利益を生成するには、わずかな量の、例えば、アモルファス材料しか必要でない。アモルファス材料が多すぎると、電子がアモルファス材料中を比較的ゆっくり移動して、電子が進むとともにエネルギーを失うので、効果が低下することになる。電子は、エネルギーを失うとともに、ショックレー−リード−ホール再結合しやすくなり、原子の伝導帯から価電子帯に落下して戻り、「正孔」、すなわち局所的電子欠乏と再結合し、電子を移動させた吸収太陽エネルギーを失う。
【0006】
したがって、この効果を低減するには、太陽電池中で多結晶および単結晶モフォロジを最大にすることが望ましい。しかし、これは、一般に、結晶を成長させる必要があることに起因して多結晶および単結晶材料の生成が遅いので問題である。比較的遅い生成速度のため、所与の生産能力への大型投資が必要とされ、効率的な太陽電池およびパネルを生成するコストが押し上げられる。
【0007】
多結晶および単結晶材料の生成は、さらに、3Dメモリなどのメモリ用途、およびフォトニックデバイスなどの様々な半導体デバイスの垂直モノリシック集積化に有用である。
【0008】
したがって、多結晶および単結晶半導体相を効率的に高速で製造する方法への必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
本明細書で説明される実施形態は、固体材料をエネルギーのパルスにさらして固体材料を漸進的に溶融し、溶融材料を形成し、溶融材料を再結晶化させることによって固体材料の構造を再編成する方法を提供する。
【0010】
他の実施形態は、漸進的に溶融させることによって太陽電池の活性層に大きい結晶ドメインを形成するステップと、空間的に均一なレーザ光のパルスを使用して活性層を再結晶化させるステップとを含む、太陽電池を形成する方法を提供する。
【0011】
他の実施形態は、基板上に第1の導電層を形成するステップと、基板上に多結晶または単結晶半導体層を形成するステップであり、基板上に半導体層を堆積させるステップと、半導体層をエネルギーのパルスにさらすことによって半導体層を漸進的に溶融し、溶融半導体層を形成するステップと、前溶融半導体層を再結晶化させるステップとを含むプロセスによって形成するステップと、基板上に第2の導電層を形成するステップとを含む、メモリデバイスを形成する方法を提供する。
【0012】
他の実施形態は、セラミック基板の上に化合物半導体層を形成するステップと、化合物半導体層を結晶化させるステップであり、エネルギーのパルスを化合物半導体層の方に誘導し、化合物半導体層を漸進的に溶融して溶融層を形成するステップと、溶融層を結晶化させて結晶化合物半導体層を形成するステップとによって結晶化させるステップとを含む、フォトニックデバイスを形成する方法を提供する。
【0013】
本発明の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上述で簡単に要約した本発明のより詳細な説明を、実施形態を参照して行うことができ、実施形態の一部が添付図面に示される。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明は他の同様に有効な実施形態を認めうるので、本発明の範囲を限定するものと考えるべきでないことに留意するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】一実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図1B】本明細書で説明される一実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す図である。
【図2】別の実施形態による装置の概略断面図である。
【図3A】別の実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図3B】別の実施形態による薄膜太陽電池の概略断面図である。
【図4A】別の実施形態による処理システムの平面図である。
【図4B】別の実施形態による処理チャンバの概略断面図である。
【図5A】別の実施形態による方法を要約する流れ図である。
【図5B】別の実施形態による結晶太陽電池の概略断面図である。
【図6】本明細書で説明される一実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す図である。
【図7】別の実施形態によるデバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指定するのに、可能である場合、同一の参照番号が使用される。ある実施形態で開示された要素は、特に詳述することなく、他の実施形態で有利に利用することができることが想定される。
【0016】
本明細書で説明する実施形態は、一般に、太陽電池と、メモリデバイスと、発光ダイオード(LED)などのフォトニックデバイスとを形成するための方法および装置を提供する。図1Aは一実施形態による方法100を要約する流れ図である。方法100は、一般に、基板上に結晶半導体層を迅速に形成するのに有用である。方法100を結晶または薄膜太陽電池製造プロセスで使用して、結晶半導体相を有する高効率太陽電池、メモリデバイス、論理デバイス、およびフォトニックデバイスを製作することができる。102において、半導体層が基板上に形成される。基板は薄膜太陽電池デバイスに使用することができ、基板は、基板の一方の表面に配置される電気コンタクト層を形成する透明導電被覆を有するガラス基板である。一般に、薄膜太陽電池では、透明またはほぼ透明な基板は最も高い日光吸収をもたらし、したがって、太陽電池の電力出力を改善する。上述のデバイスのうちの1つを形成するのに使用される半導体材料は、シリコン、ゲルマニウム、もしくは他の元素半導体などの元素、またはシリコン−ゲルマニウム、CIGS材料、もしくはlll/V族半導体などの化合物半導体を含むことができる。半導体材料は、さらに、電子豊富または電子不足層を形成するために、ホウ素などのp型ドーパント、またはリンなどのn型ドーパントでドープすることができる。半導体材料は、アモルファス、多結晶性、微結晶性、および大粒微結晶性を含む結晶モフォロジを有することができる。いくつかの実施形態では、半導体材料は太陽電池またはパネルの活性層を形成することができる。
【0017】
半導体材料は任意の好都合なプロセスを使用して基板上に形成することができる。ほとんどの実施形態では、プラズマ支援の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの気相堆積プロセスが使用される。1つの特定の実施形態では、プラズマ支援化学気相堆積が、シランなどのシリコン原料、水素ガス、およびオプションとしてアルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスを含む混合ガスからアモルファスシリコン層を堆積させるために使用される。ドープシリコン層を堆積させるためにボラン、ジボラン、ホスフィン、またはアルシンなどのドーパント源を混合ガスに追加することができる。太陽電池デバイスに真性シリコン層を形成するために使用される1つの例示的実施形態では、シランは、体積で約20:1以下の水素対シランの比で、約1sccm/L(リットル単位で、チャンバの処理体積で正規化された)と約10sccm/Lとの間の流量で処理チャンバに供給される。RF電力は、約15mW/cm2(平方センチメートル単位で、処理される基板の表面積で正規化された)と約200mW/cm2との間の電力レベルで、約1Torrと約4Torrとの間の圧力で、例えば、RF源をガス分配器に結合することによって混合ガスに印加することができる。半導体材料は約1μmまでの厚さに形成することができる。
【0018】
104において、半導体層は電磁放射のパルスにさらされる。複数の処置ゾーンが、一般に、基板上に画定され、パルスに連続してさらされる。一実施形態では、パルスはレーザ光のパルスとすることができ、各パルスは、周波数逓倍Nd:YAGレーザによって送出されるような約200nmと約1200nmとの間の波長、例えば約1064nmの波長を有する。赤外、紫外、および可視波長などの他の波長を使用することもできる。マイクロ波放射などの他のタイプの放射線を使用することもできる。パルスは、1つまたは複数の電磁放射源によって送出することができ、光学または電磁アセンブリを通して送出し、パルスの選択された特性を整形またはさもなければ修正することができる。
【0019】
106において、半導体層は電磁放射のパルスによる処置によって漸進的に溶融する。電磁放射、例えばレーザ光の各パルスは各々が突き当たる基板の部分を溶融するのに十分なエネルギーを有することができる。例えば、各パルスは約0.3J/cm2と約1.0J/cm2との間のエネルギーを送出することができる。単一パルスは基板表面に衝突し、エネルギーのほとんどを熱として基板材料に移送する。表面に衝突する最初のパルスは固体材料に衝突し、固体材料を融点以上の温度に加熱し、衝突した表面領域を溶融する。最初のパルスによって送出されるエネルギーに応じて、表面領域は約60Åと約600Åとの間の深さまで溶融し、表面に溶融材料の層を残すことができる。表面に到達する次のパルスは溶融した材料に衝突し、熱エネルギーを送出し、熱エネルギーは溶融した材料を通って下にある固体材料に伝搬し、固体材料のより多くを溶融する。このようにして、電磁放射の連続パルスは、連続パルスごとに半導体層を通って移動する溶融フロントを形成することができる。
【0020】
図1Bは、以下で説明する1つまたは複数の放出器224などの1つまたは複数の電磁放射デバイスによって基板表面に送出される均一な電磁エネルギーパルス1201〜120Nのアレイの一例の概略図である。各パルス(例えば、パルス1201、1202…120N)内で送出されるエネルギー量は時間の関数として変化することができ、したがって、各パルスのプロファイル(例えば、エネルギー対時間)は、溶融した材料へのエネルギーの送出を改善するために必要に応じて変化することができる。例えば、パルス1201の形状は、図1Bに示されたようにガウス形に整形される必要はなく、パルスの開始またはパルスの終了で多くのエネルギー(例えば、三角形に整形された)を送出するように構成することができる。
【0021】
各パルスはその前のパルスと同じエネルギー量を有することができ、または1つまたは複数のパルスは異なるエネルギー量を含むことができる。例えば、最初のパルスは、図1Bに示されるように、後続のパルスよりも低いエネルギー量を有することができるが、これは、最初のパルスは固相に到達するのに溶融した材料の層を通って伝搬する必要がないからである。実施形態によっては、半導体層の領域に送出される複数のパルスは第1の部分と第2の部分とを含むことができ、第1の部分の各パルスは異なるエネルギーを有し、第2の部分の各パルスは同じエネルギーを有する。上述のように、第1の部分は、第2の部分のパルスと異なるエネルギーをもつ1つのパルスのみを含むことができる。別の実施形態では、第1の部分は多数のパルスを有することができ、各々前のパルスよりも多くのエネルギーをもち、その結果、第1の部分のパルスは直前のものよりも多くのエネルギーを送出する。
【0022】
一実施形態では、各パルスは約1nsecと約50nsecとの間、例えば約20nsecと約30nsecとの間などの期間を有する。別の実施形態では、各パルスは約107W/cm2と約109W/cm2との間のパワーを送出する。パルスは静止期間によって分離することができ、静止期間は、各パルスによって送出されたエネルギーの一部が半導体層内で放散できるように選択することができる。一実施形態では、静止期間は、十分な熱が溶融した材料から離れたところに伝導されて溶融した材料の25%を再凝固させる前に、パルスが半導体層の表面に衝突するように選ばれる。別の実施形態では、各パルスは温度波を発生し、その一部は液体と固体との間の相境界を通って伝搬し、その一部は液相を通って後方に反射され、静止期間は、直ぐ前の第1のパルスからの反射温度波が表面に到達する前に第2のパルスが表面に衝突するように選ばれる。一実施形態では、パルスは時間的に重なり合い、その結果、直ぐ前の第1のパルスからの放射強度がゼロに減衰する前に、第2のパルスからの放射強度が表面に到着する。重なり係数は、第2のパルスからの放射強度が表面に衝突し始める時点における、表面に衝突している第1のパルスの百分率ピーク強度として定義することができる。一実施形態では、パルスは、約0%と約50%との間、例えば約10%と約40%との間、例えば約25%などの重なり係数を有することができる。
【0023】
図1Bに示されたパルスは、多くの実施形態で実施する場合があるように時間的に重なり合う。第1のパルス1201は、基板の表面に送出されたピーク強度IP1のエネルギーを有する。基板表面でのエネルギー強度はピーク強度IP1から減少するので、第1のパルスからのエネルギーが落ち込んでしまう前に、第2のパルス1202からのエネルギーが時間t0で基板表面に衝突し始める。時間t0で、第1のパルスからのエネルギー強度はI0である。したがって、上述で定義したように、最初の2つのパルスの重なり係数は100×(I0/IP1)である。したがって、第1のパルス1201および第2のパルス1202の付加効果のゆえに基板表面に入射した累積エネルギーは、累積エネルギー曲線121によって示されるように、非ゼロ最小値Iminに到達する。
【0024】
パルスが時間的に重なり合ういくつかの実施形態では、各パルスは溶融フロントを約60Åと約600Åとの間で延ばすことができるが、熱は液相から固相に伝導するので、溶融フロントが静止期間の間に約30Åと約100Åとの間で後退することがある。パルスの数、各パルスの強度および期間、ならびにパルスの重なり係数は、溶融されるべき材料の厚さ、処理環境の周囲圧力、溶融されるべき材料の結晶構造、および溶融されるべき材料の組成に相互依存する。
【0025】
パルスの不均一性は、処置ゾーン全体にわたる平均強度からの処置ゾーンの各ポイントの放射強度の平均百分率偏差として定義することができる。いかなる光学系によっても不変なレーザスポットは、当然、任意の時点でのガウス強度分布を有する。表面上のレーザスポットのガウス強度分布は、上述のようなパルスのガウスエネルギー−時間プロファイルと混同されるべきでないことに留意するべきである。2つのプロファイルは独立であり、強度分布は単一の時点で決定されるか、またはある期間にわたって平均され、エネルギー−時間プロファイルは、表面上のポイントに送出されるか、または表面にわたって平均されたある時間にわたるエネルギーを示す。不変のレーザスポットでは、処置ゾーンが、任意の所与の時点にガウススポットからピーク強度の少なくとも5%を受け取っているすべてのポイントとして規定される場合、任意の時点の処置ゾーンにわたる平均強度はピーク強度の約45%となることになり、ガウススポットの不均一性は約80%となることになる。
【0026】
一実施形態では、電磁放射の各パルスは基板の処置ゾーンにわたって空間的に均一また不均一に分布される。各パルスは、約5%未満、例えば約3%未満、または約1%と約2.5%との間の不均一性を有することがある。一実施形態では、各処置ゾーンは矩形形状を有することができ、実施形態によっては、各処置ゾーンは正方形形状を有することができる。1つの特定の実施形態では、各処置ゾーンは、各辺が約2cmの正方形であり、各レーザパルスは約2.5%未満の不均一性で4cm2処置ゾーンにわたって分布される。そのような実施形態では、処置ゾーンの表面は各パルスにより非常に均一な深さに溶融される。
【0027】
一実施形態では、電磁エネルギーの重なりパルスの列は電磁エネルギーの連続振幅変調ビームを形成し、振幅変調の周波数は、パルスの数および期間と、パルスをエネルギー列に形成するのに使用される光学カラムの特性とに関連する。パルス付加振幅変調エネルギービームは、上述のように所望の空間均一性を達成するためにさらに均質化することができる。
【0028】
108において、半導体層の溶融部分は再結晶化されて、多結晶、多重結晶(multicrystalline)、または単結晶層などの結晶層を形成する。溶融部分は半導体層の他の部分との固液界面で凝固し始める。電子移動度に関して上述したことと同様の理由で、結晶材料はアモルファス材料よりも良好に熱を伝導し、大粒をもつ結晶材料は小粒をもつ結晶材料よりも良好に熱を伝導するので、漸増的により多くの熱が隣接する結晶ドメインによって離れたところに伝導され、その結果、結晶ドメインとの相境界の近くでより早く凝固することになる。凝固が生じるとき、原子は固体ドメインの結晶構造に整列し、これにより、液相が凝固するにつれて液相を通して隣接する結晶構造が伝搬する。このようにして、再結晶化多結晶または単結晶処置ゾーンは各々次の処置ゾーンの再結晶化の種結晶になる。
【0029】
一実施形態では、溶融部分の再結晶化は、再結晶化動作中にエネルギーのパルスを送出することによって方向性をもって推進することができる。表面領域は、周囲環境への熱の放射および/または伝導により溶融層の内部領域よりも速く熱を失うことがあるので、エネルギーのパルスは、内部領域の前に表面領域が凝固しないように再結晶化が進行するように基板に送出することができる。再結晶化中に送出されるパルスは、層を再溶融させないようにするために溶融中に送出されるパルスと異なるプロファイルを有することになる。例えば、層を溶融するために各々期間DNを有するN個のパルスを送出することができ、再結晶化中に各々期間DMを有するM個のパルスを送出することができ、ここで、DN>DMである。同様に、各パルスで送出されるエネルギーの瞬間強度または量をより低くすることができ、かつ/またはパルスの周波数をより低くすることができる。溶融および再結晶化プロセスを制御することによって、再結晶化層の粒サイズを制御することができる。一実施形態では、処理された層の粒サイズが約1マイクロメートル(μm)よりも大きく、より好ましくは約1000μmよりも大きくなるように、処置プロセスを使用してシリコン層は再結晶化される。再結晶化層の粒サイズが大きくなると、キャリア再結合部位として作用する粒界表面積が低減されることによって、形成された太陽電池デバイスのキャリア寿命および効率が改善されることになることが考えられる。
【0030】
一実施形態では、結晶シードは、基板上に半導体層を形成する前に基板上に定着させることができる。溶融アニーリングは、結晶成長プロセスを開始するために結晶シードに接触する処置ゾーンから始めることができる。次に、処置は、電磁エネルギー送出位置を調整し、基板の端から端まで隣接処置ゾーンを形成し、層全体を再結晶化させることによって続行することができる。このようにして、気相から結晶相を堆積させることによるよりも迅速に半導体相を結晶モフォロジに変換することができる。一例では、アモルファスシリコン層用の2.2m×2.6mのPECVD堆積チャンバの堆積速度は約650オングストローム/min(Å/分)であり、同じチャンバでの微結晶シリコン膜の堆積速度は約360Å/分であることが見いだされている。したがって、気相堆積プロセスを使用するアモルファスシリコン層に対して、タンデム接合太陽電池の底部セルで使用される1.5ミクロン(μm)の微結晶シリコン層を形成するにはさらに52分を要することがある。したがって、溶融アニーリングデバイス(例えば、図4Aの参照番号455)が、生産システム490(図4A)による太陽電池のスループット以上の速度で全部の基板表面を処置することができる限り、生産ラインスループットは本明細書で説明するプロセスを使用して向上することができる。
【0031】
図2は、別の実施形態による装置200の概略断面図である。装置200は、本明細書の他の部分で説明するようなデバイスおよび層を形成するのに使用することができる。装置は、一般に、装置の中に配置された基板支持体202をもつチャンバ201を含む。電磁エネルギー源204はチャンバ内に配置するか、または別の実施形態ではチャンバの外に配置することができ、チャンバ壁のウィンドウを通してチャンバに電磁エネルギーを送出することができる。電磁エネルギー源204は、レーザビームまたはマイクロ波放射などの電磁エネルギーの1つまたは複数のビーム218を1つまたは複数の放出器224から光学アセンブリ206の方に誘導する。電磁アセンブリとすることができる光学アセンブリ206は、電磁エネルギーの1つまたは複数のビームを電磁エネルギーの列220に形成し、エネルギーの列220を修正器214の方に誘導する。修正器214は、基板支持体202の、またはその上に配置された基板の処置ゾーン222の方にエネルギーの列220を誘導する。一例では、装置200は約1分以内に2.2m×2.6mのデバイス(例えば5.72m2/min)、または1時間当たり60個の基板をアニールするように構成される。
【0032】
光学アセンブリ206は、ミラーとすることができる移動可能リフレクタ208と、リフレクタ208に位置合わせされた光学カラム212とを含む。リフレクタ208は、図2の実施形態では、反射されたビームを選択された場所の方に誘導するように回転するポジショナ210に取り付けられる。他の実施形態では、リフレクタは回転ではなく平行移動することができ、または平行移動および回転の両方を行うことができる。光学カラム212は、リフレクタ208で反射されたエネルギー源204からのエネルギーのパルスを、基板支持体202上の基板を処置するための所望のエネルギー列220に形成および整形する。パルスを形成および整形するための光学カラム212として使用することができる光学カラムは、2007年7月31日に出願され、米国特許出願公開第2009/0032511号として2009年2月5日に公開された同時係属米国特許出願第11/888,433号に説明されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
修正器214は、エネルギー列220を処置ゾーン222の方に誘導するための複数の光学セル216を含む。エネルギー列220は、エネルギー列220の伝搬の方向を基板支持体202および処置ゾーン222に実質的に垂直な方向に変更する光学セル216の1つの部分に入射する。基板支持体202に配置された基板が平坦であれば、エネルギー列220は修正器214を出て、やはり基板に実質的に垂直な方向に移動する。
【0034】
光学セル216は、レンズ、プリズム、リフレクタ、または放射の伝搬方向を変更するための他の手段とすることができる。連続処置ゾーン222は、リフレクタ208がエネルギー列220を連続光学セル216に誘導するように光学アセンブリ206を移動させることによってエネルギー源204からの電磁エネルギーのパルスで処置される。
【0035】
一実施形態では、修正器214は、基板支持体202にわって延びる光学セル216の2次元アレイとすることができる。そのような実施形態では、光学アセンブリ206は、エネルギー列220を所望の場所の上方の光学セル216の方に反射させることによって、エネルギー列220を基板支持体202の任意の処置ゾーン222に誘導するように作動させることができる。別の実施形態では、修正器214は、基板支持体の寸法以上の寸法をもつ一列の光学セル216とすることができる。一列の光学セル216は基板の一部の上に位置づけられ、エネルギー列220が光学セル216の端から端まで走査されて修正器214の下に置かれた基板の一部を所望に応じて複数回処置することができ、次に、一列の光学セル216は処置ゾーンの隣接する行を覆うように移動され、漸進的に行ごとに基板全体を処置することができる。
【0036】
図2のエネルギー源204は4つの個々のビームジェネレータを示しているが、これは、実施形態によってはパルス列中の個々のパルスが重なり合うことがあるためである。多数のビームまたはパルスジェネレータを使用して、重なり合うパルスを発生させることができる。単一のパルスジェネレータからのパルスは、実施形態によっては適切な光学系を使用することによって重なり合うようにすることもできる。1つまたは複数のパルスジェネレータの使用は、所与の実施形態で必要とされるエネルギー列の正確な特性によって決まることになる。
【0037】
エネルギー源204、光学アセンブリ206、および修正器214の相互依存機能はコントローラ226で管理することができる。コントローラは、まとめてエネルギー源204に、またはエネルギー源204の個々のエネルギージェネレータに結合することができ、エネルギー源への電力送出、エネルギージェネレータからのエネルギー出力、または両方を制御することができる。コントローラ226は、必要に応じて、光学アセンブリ206を移動させるためのアクチュエータ(図示せず)、および修正器214を移動させるためのアクチュエータ(図示せず)に結合することもできる。
【0038】
図3Aは、別の実施形態による方法300を要約する流れ図である。図3Aの方法300は、薄膜太陽電池などの垂直集積化モノリシック結晶半導体構造を形成するのに有用である。同様の方法は、例えば、メモリおよびフォトニックデバイスで見いだすことができるような任意の垂直集積化モノリシック結晶半導体材料を形成するのに使用することができる。
【0039】
302において、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる光変換ユニットが基板上に形成される。光変換ユニットは、シリコン、ゲルマニウム、CIGS半導体、またはこれらの組合せなどのドープ半導体から形成されるPIN接合を含むことができる。
【0040】
304において、p型半導体層が、プラズマ強化することができる物理または化学気相堆積などの気相堆積プロセスを使用して半導体材料を堆積させることによって基板上に形成され、ここで、気体は半導体源およびドーパント源を含む。p型半導体層はアモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。
【0041】
306において、p型層はレーザパルスを使用して溶融および再結晶化される。パルス列、またはパルスの群は、レーザパルスを光学的に付加し、得られたパルス列を均質化して空間的に均質化された可変パワー電磁エネルギービームを形成することによって形成される。各パルス列のパワーまたは単位時間当りのエネルギーの変動は、p型層を漸進的に溶融するように変化する電磁エネルギーをp型層に送出するように設計される。パルスまたはパルスの群からp型層に入射するエネルギーの速度がp型層による熱拡散の速度を越え、照射された部分の局所的温度が材料の融点よりも高い点に上昇すると、溶融区域がp型層に現れる。パルスのエネルギーが減少する場合、固相と溶融相との間の界面の近くのエネルギー入力の速度が、溶融相から固相への熱拡散の速度を下回り、溶融区域の一部は再凝固することができる。
【0042】
エネルギービームの振幅−時間関数の精密な細部は、再凝固が局所強度最小の間にどの程度生じるかを決定し、実行される溶融モードを選択するのに使用することができる。例えば、一実施形態では、エネルギービームは、約500Åだけ溶融フロントを進行させ、約10Åを再凝固させるように設計することができる。別の実施形態では、溶融フロントは各局所最大値により約500Åだけ進行することができ、各局所最小値により約400Åの再凝固が可能になる。パルスの1つまたは複数からの各連続エネルギー最大値は、層が実質的に溶融するまで、層内により深くまで約60Åと約600Åとの間で溶融フロントを進行させるように設計することができる。
【0043】
溶融/再結晶化プロセスにおいて、複数の処置ゾーンがp型層に画定され、各ゾーンはp型層を結晶材料に変換させるために連続して処置される。各処置ゾーンは、それぞれすぐ隣りの処置ゾーンの後で処置されて、溶融動作の後結晶成長を促すために処置ゾーンのエッジに結晶界面を準備する。一実施形態では、各処置ゾーンは、放射のエネルギー変調ビームに形成されうる電磁エネルギーの複数の重なりパルスにさらされる。各処置ゾーンの均一な処置では、上述のように、ビームのエネルギーはゾーンの端から端まで均一に空間的に分布する。
【0044】
一実施形態では、下層の近くのp型層の部分は、異なる型のドーパントの拡散および/または混合を最小にするために溶融されないままとすることができる。例えば、p型層が、下にある光変換ユニットのアモルファスn型層の上に形成される場合、界面でのp型ドーパントおよびn型ドーパントの混合または拡散を避けるためにp型層の約100Åに達するまでの溶融を避けることが望ましいことがある。p型層と下にある光変換ユニットとの間に緩衝層を使用する場合でさえ、薄いp型緩衝層を溶融させずにおくのは有用であることがある。
【0045】
一実施形態では、工程302の光変換ユニットと工程304のp型層との間に結晶材料の薄層を形成することが有用であることがある。約50Å未満の厚さである多結晶もしくは単結晶シリコンまたは他の半導体などの結晶材料を使用して、溶融材料を凝固させる間、p型層における結晶構造の成長を促進するのを援助する。結晶材料の層は連続または不連続とすることができ、堆積によってまたは局所再結晶化プロセスによって形成することができる。局所再結晶化プロセスにおいて、結晶材料は、例えば、レーザなどの電磁エネルギーのスポットビームにさらすことによって点(point)もしくはドット(dot)、線、または周期表層構造を形成することができる。
【0046】
p型層の再結晶化は、パルス周波数、パルスプロファイルの低減によるエネルギービームの変調によって、または光のより長い波長の使用によって促進させることができる。したがって、エネルギー入力の速度を低減および制御することによって、再結晶化が固体−溶融界面で進むので、p型層の表面区域は溶融状態を維持する。したがって、漸進的再結晶化プロセスを遂行することができ、結晶化は、下にある層の近くの溶融材料の場所から溶融材料の表面に進む。そのような漸進的再結晶化は、秩序的で方向性の結晶形成を促進することによって大きい結晶粒の形成を増強することができる。
【0047】
308において、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができるi型半導体層が、ドーパント源を除いて、p型層を形成するのに使用されるものと同様のプロセスを使用して基板上に形成される。i型層は、310において、工程306のものと同様のプロセスにおける溶融および再結晶化を行うことによって結晶層に変換される。最後に、n型半導体層が312において形成され、314において結晶形態に変換されて、本方法は完了する。
【0048】
方法300で形成される層の厚さは、特定の実施形態の必要に応じて約50μmまでとすることができる。太陽電池の実施形態では、層は、一般に、約2.5μm未満となることになり、場合によっては、約100Åから約500Åの薄さとすることができる。上述の溶融/再結晶化プロセスを使用して、太陽電池のバルクとして、独立型結晶太陽電池、またはタンデム薄膜セル内に薄いアモルファスセルをもつものとして、発電領域を形成することができる。
【0049】
図3Bは、図3Aの方法300により形成された基板350の概略側面図である。基板350は、2つの導電層374と356との間の2つの発電領域358および366と、保護層376および352と、強度増強層354とを含む。発電領域358および366の各々は、p型半導体層372、364と、i型半導体層370、362と、n型半導体層368、360とを含む。発電領域358および366の層は、一般に、広い波長スペクトルにわたって光を吸収しやすくするために異なる結晶モフォロジを有する。一実施形態では、層360、370、および372はアモルファスであり、層362、364、および368は微結晶性、多結晶性、多重結晶性、または単結晶性である。結晶層は、図3Aの方法300によりアモルファス層を堆積させ、次に、層の各々を再結晶化させることによって形成することができる。
【0050】
一実施形態では、n型半導体層360は酸素バリア性を与えるためにアモルファス層である。別の実施形態では、p型半導体層372およびi型半導体層370は各々より短い波長の光を収集するためにアモルファスである。代替の実施形態では、n型半導体層368はアモルファスであるが、n型半導体層360は光の広域スペクトルを収集しやすくするために結晶性である。
【0051】
図4Aは、別の実施形態による基板を処理するための生産システム490の平面図である。システム490は、基板コンベヤ450、458の集合体と、薄膜光起電デバイスを形成するのに使用することができる処理ステーション400、455とを含む。図4Aの実施形態では、各々を堆積ステーションとすることができる2群の処理ステーション400を2つの供給コンベヤ458と組み合わすことができ、2つの供給コンベヤ458は処理のために主コンベヤ450から基板を収集し、かつ次の処理ステージへの送出のために主コンベヤ450に処理済み基板を戻して置く。図4Aの実施形態は、処理ステーション400が堆積ステーションであり、処理ステーション455が熱処置ステーションであり、基板が処理ステーション400で処理された後、熱処置のために処理ステーション455に送出されるように構成される。各処理ステーション455は、図1Aおよび2に関連して上述したように結晶化工程を実行するための処理チャンバとすることができる。図3に関連して上述したように、処理ステーション400の各々を使用して、薄膜光起電デバイス用の基板にPIN接合を形成することができる。各処理ステーション400は、ロードロックチャンバ460に結合された移送チャンバ470と、プロセスチャンバ481〜487とを含む。ロードロックチャンバ460により、システムの外部の周囲環境と移送チャンバ470およびプロセスチャンバ481〜487内の真空環境との間で基板を移送することができるようになる。ロードロックチャンバ460は、1つまたは複数の基板を密閉しながら排気することができる1つまたは複数の領域を含む。ロードロックチャンバ460は、基板が周囲環境から入るとき排気し、処理ステーション400から周囲環境に基板を送出する間大気にする。移送チャンバ470はその中に配置された少なくとも1つの真空ロボット472を有し、真空ロボット472はロードロックチャンバ460とプロセスチャンバ481〜487との間で基板を移送するように構成される。図4Aの処理ステーション400では7つのプロセスチャンバが示されているが、各処理ステーション400は任意の好適な数のプロセスチャンバを有することができる。
【0052】
処理ステーション400の一実施形態では、プロセスチャンバ481〜487のうちの1つは太陽電池デバイスの第1のPIN接合320または第2のPIN接合330のp型シリコン層を堆積させるように構成され、プロセスチャンバ481〜487のうちの別の1つは第1または第2のPIN接合の真性シリコン層を堆積させるように構成され、プロセスチャンバ481〜487のうちの別のものは第1または第2のPIN接合のn型シリコン層を堆積させるように構成される。3つのタイプのチェンバプロセス(すなわち、p型プロセス、i型プロセス、およびn型プロセス)を有するプロセス構成はある程度の汚染制御の利点を有することができるが、一般に、2つのタイプのチェンバプロセス(すなわち、p型プロセスおよびi/n型プロセス)を有するプロセス構成よりも低い基板スループットを有することになり、一般に、処理チャンバのうちの1つまたは複数が保守点検のために停止されると、所望のスループットを維持することができない。
【0053】
図4Bは、太陽電池の1つまたは複数の膜を堆積させることができるPECVDチャンバ401などの処理チャンバの一実施形態の概略断面図である。一実施形態では、チャンバ401は、一般に、壁402と、底部404と、シャワーヘッド410、基板支持体430とを含み、これらはプロセス体積部406を画定する。プロセス体積部は、基板をPECVDチャンバ401の中におよび外に移送することができるようにバルブ408を通してアクセスされる。基板支持体430は、基板を支持するための基板受取り表面432と、基板支持体430を上昇および下降させるためのリフトシステム436に結合されたステム434とを含む。シャドウフレーム433は、上に形成された1つまたは複数の層、例えば導電層356を既に有することがあるデバイス基板303の周辺上にオプションとして配置することができる。基板受取り表面432へまたは基板受取り表面432から基板を移動させるために、リフトピン438が基板支持体430を通して移動可能に配置される。基板支持体430は、基板支持体430を所望の温度に維持するために加熱および/または冷却要素439をさらに含むことができる。基板支持体430は、基板支持体430の周辺でRF接地を行うための接地ストラップ431をさらに含むことができる。接地ストラップの例は、2000年2月15日にLaw等に発行された米国特許第6,024,044号、および2006年12月20日にPark等により出願された米国特許出願第11/613,934号に開示されており、これらは共に本開示と矛盾しない範囲で全体が参照により組み込まれる。
【0054】
シャワーヘッド410はバッキング板412にその周辺でサスペンション414によって結合される。シャワーヘッド410は、さらに、シャワーヘッド410の真直度/湾曲の撓み防止および/または制御に役立つように1つまたは複数の中心支持体416によってバッキング板に結合することができる。ガス源420はバッキング板412に結合され、バッキング板412を通して、およびシャワーヘッド410の複数の正孔411を通して基板受取り表面432にガスを供給する。真空ポンプ409がPECVDチャンバ401に結合され、プロセス体積部406を所望の圧力に制御する。RF電源422は、シャワーヘッド410にRFパワーを供給するためにバッキング板412および/またはシャワーヘッド410に結合され、その結果、電界がシャワーヘッドと基板支持体との間で生成され、その結果、プラズマがシャワーヘッド410と基板支持体430との間にガスから発生されうる。約0.3MHzと約200MHzとの間の周波数などの様々なRF周波数を使用することができる。一実施形態では、RF電源は13.56MHzの周波数で備えられる。シャワーヘッドの例は、2002年11月12日にWhite等に発行された米国特許第6,477,980号、2006年11月7日にChoi等に公開された米国特許公開第2005/0251990号、および2006年3月23日にKeller等に公開された米国特許公開第2006/0060138号に開示されており、これらはすべて本開示と矛盾しない範囲で全体が参照により組み込まれる。
【0055】
ガス源とバッキング板との間に誘導結合遠隔プラズマ源などの遠隔プラズマ源424をさらに結合することができる。基板の処理の合間に、洗浄ガスを遠隔プラズマ源424に供給することができ、その結果、チャンバ構成要素を洗浄するために遠隔プラズマが発生および供給される。洗浄ガスは、RF電源422でさらに励起して、シャワーヘッドに供給することができる。好適な洗浄ガスには、限定はしないが、NF3、F2、およびSF6が含まれる。遠隔プラズマ源の例は、1998年8月4日にShang等に発行された米国特許第5,788,778号に開示されており、これは本開示と矛盾しない範囲で参照により組み込まれる。
【0056】
図5Aは、別の実施形態による方法500を要約するプロセス流れ図である。方法500は結晶光起電デバイス550を形成するのに有用である。図5Bは、結晶基板551およびドープ層552を有する結晶光起電デバイス550の一部の概略断面図である。502において、基板は光起電デバイスを構築するために準備される。基板は、一般に、結晶基板551の表面に配置されたコンタクト部分553を有することになる。コンタクト部分553は導電性であり、一般に、金属から形成される。結晶基板551は、一般に、シリコン、シリコン−ゲルマニウム、CIGS、またはlll/V族化合物半導体などの半導体材料とすることになる。ドープシリコン基板は、単結晶性(例えば、Si<100>またはSi<111>)、微結晶性、多重結晶性、多結晶性、歪み型、またはアモルファスとすることができる。
【0057】
ドープ層552は、一般に、電子過剰または欠乏を生成するためにp型またはn型ドーパントでドープされた半導体層である。半導体材料は、結晶太陽電池を製作するために一般に使用される任意の半導体、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム合金、CIGS、またはIII/V族化合物半導体などとすることができ、プラズマ強化の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの任意の好都合なプロセスで形成することができる。n型層では、ドナー型原子が基板形成プロセス中に結晶半導体基板内にドープされる。ドナー原子の好適な例には、限定はしないが、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)が含まれる。p型層では、ホウ素(B)またはアルミニウム(Al)などのアクセプタ型原子を基板形成プロセス中に結晶シリコン基板にドープすることができる。基板は、典型的には、約100μm厚と約400μm厚との間にある。
【0058】
504において、ドープ半導体層552が基板上に形成される。ドープ半導体層のドーパントの型は基板上のドープ層の型と反対である。したがって、基板551がp型ドープ層を特徴として備える場合、n型層が形成され、その逆も成立する。p型層およびn型層は、2つの層の間の界面の近くにPN接合領域を形成する。ドープ半導体層に使用される半導体材料は基板の半導体層と同じとすることも、または異なることも可能である。一実施形態では、基板のドープ層、およびその上に形成されるドープ半導体層は共にドープシリコン層である。ドープ半導体層は、プラズマ強化の有無に関わらず、物理または化学気相堆積などの任意の好都合なプロセスで形成することができる。一実施形態では、ドープ半導体層は、図4Bで説明したものと同様の装置でプラズマ化学気相堆積プロセスによって形成される。ドープ半導体層は、一般に、約50μm厚未満となることになり、多くの実施形態では約2μm厚以下となることになり、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。
【0059】
506において、ドープ半導体層は、上述で説明した装置200と同様の処置デバイスを使用して、上述の図1Aに関連してしたものと同様の熱プロセスを使用して結晶化される。一実施形態では、複数の処置ゾーンがドープ半導体層に画定され、各処置ゾーンはパルス電磁エネルギーにさらされ、処置ゾーンは漸進的に溶融され、次に、溶融部分は結晶化される。パルスはレーザまたはマイクロ波パルスとすることができ、パルスは、一般に、処置ゾーンにわたって均一な放射空間強度を生成するように均質化される。各パルスの瞬間強度、プロファイル、および期間は、ドープ半導体層を通して途中まで溶融フロントを移動させるように定められる。例えば、上述のように、各パルスは、溶融フロントをドープ半導体層内により深くまで約60Åと約600Åとの間で移動させることができる。同様に上述したように、パルスは重なり合うか、または静止期間によって分離することができる。
【0060】
送出されるパルスの数は終点に到達するように選択され、終点はドープ半導体層と下層との間の界面、またはその界面のある程度近傍とすることができる。終点に到達した後、溶融領域は、下にある結晶構造および隣接する結晶化処置ゾーンの結晶構造をシード材料として使用して結晶化することが可能になる。処置ゾーンは、電磁エネルギー、または基板、または両方を移動させることによって連続して処理され、その結果、各処置ゾーンはすぐ隣りに続いて処理される。
【0061】
508において、典型的にパターン化された電気コンタクト555が、光起電セルを完成させるために基板551上に配置された処置層552の表面556に形成される。デバイスの表面での光反射を低減するために反射防止層554を表面556の上に形成することもできる。このようにして、結晶光起電デバイスは、気相から結晶層を堆積させるための比較的遅いプロセスに依拠することなしに形成することができる。
【0062】
実施形態によっては、溶融終点は、p型ドーパントとn型ドーパントとが混合しないように界面からある距離に画定することができる。n型層のごく近傍のp型層、さらにn型層に接触するp型層を特徴とする実施形態では、溶融終点は層間界面から約20Å以下に画定することができる。薄い非溶融層が、ドーパント混合を防止するために緩衝域として結晶層間に残される。一実施形態では、緩衝層は、溶融相を通して緩衝層にサブ溶融パルスを誘導することによって結晶化させることもできる。複数の電磁エネルギーパルスは、溶融相が結晶化し始める前に送出される場合、溶融相の表面の方へ誘導することができ、溶融相を通って緩衝層に伝搬することができ、各パルスは十分なエネルギーを緩衝層に送出して、緩衝層を溶融することなしに、および著しいドーパント移動をもたらすことなしに緩衝層の原子構造を結晶構造に漸増的に再編成させる。
【0063】
一実施形態では、処置層と、基板に見いだされる下にある結晶層との間で原子の著しい移動なしに層を溶融および結晶化させるために、アモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる半導体層に処置プログラムを送出することができる。第1の群の電磁放射の1つまたは複数のパルスが、溶融プロセスを始めるためにドープ半導体層552の表面556に送出される。第1の群の各パルスは表面の一部を溶融するのに十分なエネルギーを有することになり、第1の群の他のパルスと同じエネルギー量を有することができ、または異なるエネルギー量を有することができる。第1の群のパルスは溶融相を形成し、溶融フロントは溶融相と固相との間の界面にある。
【0064】
第2の群の1つまたは複数のパルスが半導体層に送出され、半導体層を通って終点まで溶融フロントを進行させる。第2の群の各パルスは、溶融相を通って伝搬し、固相の一部を溶融するのに十分なエネルギーを固相に送出するのに足りるエネルギー量を有し、このように溶融フロントを進行させる。第2の群のパルスによって送出されたパワーは、一般に、第1の群のパルスによって送出されるものよりも高い。半導体層と下にある結晶層との間で原子が移動しないようにするために、溶融終点は、半導体層と下にある結晶層との間の界面から短い距離に画定される。溶融終点と界面との間の領域は緩衝層とすることができる。
【0065】
第2の群のパルスが送出された後、溶融フロントは終点に到達し、第3の群の1つまたは複数のパルスが半導体層に送出され、溶融させることなしに緩衝層を結晶化させる。第3の群の各パルスは、溶融相を通って伝搬し、溶融させることなしに、および半導体層と下にある結晶層との間で原子を実質的に移動させることなしに緩衝層の原子を漸増的に結晶化させるのに足りるエネルギーを緩衝層に送出するのに十分なエネルギー量を有する。第3の群のパルスを送出した後、溶融相は結晶化され、溶融相の結晶構造は、緩衝層および下にある結晶層の結晶構造から進展する。
【0066】
上述のように、第1および第2のパルスは重なり合うことができ、または静止期間によって分離することができ、重なり合いまたは分離の程度は、エネルギーの次のパルスが到着する前に溶融相の部分的再凝固を可能にするように選択される。第3の群のパルスは、同様に、重なり合うか、または分離することができるが、第3の群のパルスは溶融しないように設計されるので、第3の群のパルスの期間、強度、および周波数は、一般に、次のパルスが到着する前に、各パルスの後で緩衝層が周囲エネルギー状態に戻ることができるように選択されることになる。したがって、第3の群のパルスは第2の群のパルスよりも小さいパワーレベルを送出することができ、第1の群のパルスのパワーレベルよりも小さくすることができる。
【0067】
図6は、別の実施形態によるエネルギーのパルスを概略的に示す。一実施形態では、異なる強度を有する多数のエネルギーパルスが、2つの層間の原子の移動を最小にしながら溶融/再結晶化プロセスを使用して、結晶層の上に形成された半導体層を結晶化させるのに有用となることがある。一例では、それぞれの強度I1、I2、およびI3を有するパルス601、602、および603が半導体層に送出される。一例では、図6に示されるように、パルス6021から602Nおよびパルス6031から603Nなどの1つまたは複数のパルスは一群のパルスを含むことができる。一実施形態では、第1のパルスタイプ601の強度I1は第2のパルスタイプ602の強度I2よりも低い。上述のように、第1のパルスタイプ601は半導体層に衝突し、その一部を溶かす。第2のパルスタイプ602は半導体の液体表面に衝突し、液相を通って伝搬し、下にある固相に衝突し、下にある固相の一部を溶融し、半導体層を通して溶融フロントを終点まで進行させる。第3のパルスタイプ603はパルスタイプ601および602のものよりも低い強度I3を有し、液相を通って伝搬し、緩衝層にエネルギーを送出し、溶融させることなしに緩衝層を漸増的に再結晶化させ、したがって、緩衝層から下にある結晶半導体層への原子の移動の機会を最小にする。図6の実施形態では、第2のパルスタイプのN個のパルスが時間的に重なり合うように示されている。第3のパルスタイプ603のM個のパルスは時間的に重なり合うことができ、または周囲エネルギーの期間によって分離することができる。
【0068】
一実施形態では、下にある結晶層に接触する厚さ1.5μmのアモルファスシリコン層がパルスレーザ処置を使用して結晶化される。アモルファスシリコン層は処置ゾーンに分割され、各処置ゾーンは1064nmレーザからの一連のパルスにさらされ、一連のパルスは、0.35J/cm2を送出する期間10nsの1つのパルスと、その後に続く、各々10nsの期間であり、各々0.5J/cm2を送出し、各々両側で25%だけパルスと重なり合う10個のパルスと、その後に続く、各々10nsの期間であり、各々0.3J/cm2を送出し、各々10nsの静止期間によって分離される5個のパルスとを含む。上述のパルスレーザ処置は、2つの層間の原子の移動を最小にしながらアモルファスシリコン層を結晶化させることになる。
【0069】
別の態様では、他のタイプのデバイスが、本明細書で説明されるものなどの迅速結晶半導体形成プロセスから利益を得ることができる。図7は一実施形態によるデバイス700の概略断面図である。デバイス700は、一般に、結晶半導体層704を含み、結晶半導体層704は2つの機能層702と706との間で多結晶または単結晶のモフォロジを有することができる。機能層702および706は各々金属層、例えば電極、金属酸化物層などの誘電体層、または半導体層とすることができる。
【0070】
一実施形態では、デバイス700はメモリデバイスとすることができ、機能層702および706は金属層であり、結晶半導体層704はメモリセルである。メモリセルは、上述の光起電デバイスの半導体層を形成するのに使用されるものと同様の方法で形成することができる。半導体層は物理または化学気相堆積によって形成され、図1A、3A、および5Aに関連して上述した溶融/再結晶化プロセスにより結晶化される。半導体層は、PNまたはPIN接合を形成するのに使用することができるホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウムなどのp型ドーパント、ならびにリンおよびヒ素などのn型ドーパントでドープすることができる。半導体材料は、IV族半導体、lll/V族(13/15族)半導体、またはll/VI族(12/16族)半導体などのメモリ用途に好適な任意の元素または化合物半導体材料とすることができる。いくつかの例示的な半導体には、限定はしないが、シリコン、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、CIGS材料、ガリウム、アルミニウム、およびインジウムの窒化物またはリン化物、亜鉛、カドミウム、および水銀の硫化物、セレン化物、またはテルル化物などが含まれる。結晶シード層は、再結晶化プロセスを助成するためにアモルファス半導体層を形成する前に堆積させることができる。結晶シード層は、気相エピタキシまたは化学気相堆積などの結晶層を形成するのに好適な任意のプロセスによって形成することができる。
【0071】
実施形態によっては、複数の個別の電荷ストレージ粒子を結晶化層に埋め込むことができる。個別の電荷ストレージ粒子は、メモリセルに固定することができる電荷の密度を改善することができる。金属原子または原子クラスタとすることができる個別の電荷ストレージ粒子は、2つの結晶層の間にPVDまたはCVDなどの任意の好適な堆積プロセスによって堆積させることができ、またはイオンビームまたはプラズマ浸漬イオン注入によって注入することができる。堆積プロセスにおいて、第1の半導体層が基板上に形成され、個別の電荷ストレージ粒子が第1の半導体層上に堆積され、第2の半導体層が個別の電荷ストレージ粒子層上に形成される。第1および第2の半導体層は各々個別にアモルファス、微結晶性、または多結晶性とすることができる。次に、構造全体が上述のようにパルスエネルギー溶融プロセスによって再結晶化される。
【0072】
別の実施形態では、デバイス700は発光ダイオード(LED)などのフォトニックデバイスとすることができる。LEDの実施形態では、機能層702は、一般に、デバイスの活性部分に構造支持を与えるサファイアなどの誘電体基板である。機能層702は、機能層702とその上に形成されるべき結晶半導体層704との間の整合を容易にするために、機能層702の表面に形成された緩衝層または遷移層をさらに含むことができる。結晶半導体層704は、一般に、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム、またはこれらの混合物などのIII族窒化物半導体である。したがって、機能層702の表面を処置して、緩衝層または遷移層として、窒化アルミニウムの薄層、またはアルミニウム、ガリウム、およびインジウムの窒化物の混合物の薄層を形成することができる。
【0073】
LEDの実施形態における結晶半導体層704は、一般に、III族窒化物層であり、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、および窒化インジウムを含むことができる。結晶半導体層704は、活性構成要素として、窒化インジウムガリウムなどの多重量子井戸材料を含む。結晶半導体層704は、一般に、窒化ガリウムなどの非ドープ窒化物層と、上述のものなどのn型ドーパントでドープされた窒化ガリウムとすることもできるn型ドープ窒化物層とをさらに含む。
【0074】
LEDの実施形態における機能層706は、一般に、p型ドーパントでドープされた窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウム層などのp型ドープIII族窒化物層である。
【0075】
LEDデバイスの層は、一般に、化学気相堆積プロセスおよび/または水素化物気相エピタキシ(HVPE)プロセスによって形成され、当技術分野で知られているように、ガリウム、インジウム、またはアルミニウムなどのIII族金属がIII族ハロゲン化金属を形成するために塩化水素などのハロゲン源にさらされ、次に、アンモニアなどの窒素源と混合されてIII族窒化物材料が形成される。そのようなプロセスによって堆積された層は、図1A、3A、および5Aに関連して上述したパルスエネルギー溶融結晶化プロセスを使用して、多結晶または単結晶モフォロジに結晶化することができる。
【0076】
多層半導体デバイスを形成するすべての事例では、本明細書で説明したパルスエネルギー溶融結晶化プロセスを使用して、デバイスのすべての半導体層を結晶化させることができ、または選択した層のみを結晶化することができることに留意するべきである。一実施形態では、アモルファス、微結晶、または多結晶モフォロジを有するデバイスのすべての半導体層を形成することができ、次に、すべての層は単一の漸進的パルスエネルギー溶融/再結晶化プロセスを使用して再結晶化される。別の実施形態では、結晶化させるように選択された個々の層は、後続の層を形成する前にパルスエネルギー溶融再結晶化プロセスにさらすことができる。パルスエネルギー溶融結晶化プロセス中に送出されるエネルギーの送出の制御および短い期間により隣接する層の結晶構造または組成に大きな影響を与えることなしに、一度に1つの層を結晶化または再結晶化させるプロセスを効果的に使用して個別に各層を処理することができることが考えられる。そのような方法を使用して、多結晶または単結晶モフォロジをもつ高効率結晶半導体構成要素を有するデバイスが費用対効果が大きく高スループットのプロセスで製造することができる。
【0077】
上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の他のおよびさらなる実施形態を本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体材料の構造を再編成する方法であって、
エネルギーのパルスに固体材料をさらし、固体材料を漸進的に溶融し、溶融材料を形成するステップと、
溶融材料を再結晶化するステップと
を含む方法。
【請求項2】
溶融材料を再結晶化するステップが、下にある層との界面の近くの溶融材料の場所から溶融材料の表面に溶融材料を漸進的に結晶化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各エネルギーパルスが固体材料の一部を溶融し、第1のエネルギーパルスによって溶融した固体材料の一部を再凝固できるように、第1のエネルギーパルスの送出と、第1のエネルギーパルスの直後の第2のエネルギーパルスの送出との期間を選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
溶融材料を漸進的に再結晶化するステップが、固体材料を通り進行する溶融フロントの方向と反対方向に溶融材料を通して結晶化フロントを進行させることにより、溶融材料から結晶固体を形成するエネルギーのパルスを溶融材料に送出することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
太陽電池を形成する方法であって、
空間的に均一なレーザ光のパルスを使用して活性層を漸進的に溶融および再結晶化することにより、太陽電池の活性層に大きい結晶ドメインを形成するステップを含む方法。
【請求項6】
均一に分配されたレーザ光の各パルスが活性層内で溶融フロントを延ばす、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
活性層が、p型ドープ半導体層、真性半導体層、およびn型ドープ半導体層を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
メモリデバイスを形成する方法であって、
基板上に第1の導電層を形成するステップと、
基板上に半導体層を堆積させることと、
半導体層をエネルギーのパルスにさらすことにより半導体層を漸進的に溶融し、溶融半導体層を形成することと、
溶融半導体層を再結晶化することと
を含むプロセスによって基板上に多結晶または単結晶半導体層を形成するステップと、
基板上に第2の導電層を形成するステップと
を含む方法。
【請求項9】
エネルギーのパルスが半導体材料を通して溶融フロントを進行させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
入射パルスによって溶融した半導体材料の一部を再凝固するように選択された期間が、次のパルスから複数のレーザパルスの各入射パルスを分離する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
複数のレーザパルスの各パルスが、隣接するパルスと少なくとも部分的に重なり合う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
フォトニックデバイスを形成する方法であって、
セラミック基板の上に化合物半導体層を形成するステップと、
化合物半導体層の方にエネルギーのパルスを誘導し、化合物半導体層を漸進的に溶融して溶融層を形成することと、
溶融層を結晶化して結晶化合物半導体層を形成することと
を含むプロセスによって化合物半導体層を結晶化するステップと
を含む方法。
【請求項13】
エネルギーのパルスを化合物半導体層の方に誘導するステップが、複数のレーザパルスを化合物半導体層の方に誘導することと、各パルスが化合物半導体層の一部を溶融するように選択されたエネルギーを有することと、化合物半導体層を通して溶融フロントを進行させることとを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物半導体層が、少なくともn型ドープ層、p型ドープ層、および多量子井戸層を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
入射パルスが溶融する化合物半導体層の一部よりも小さい溶融層の一部を再凝固するように選択された期間が、エネルギーの各入射パルスを、エネルギーの次のパルスから分離する、請求項12に記載の方法。
【請求項1】
固体材料の構造を再編成する方法であって、
エネルギーのパルスに固体材料をさらし、固体材料を漸進的に溶融し、溶融材料を形成するステップと、
溶融材料を再結晶化するステップと
を含む方法。
【請求項2】
溶融材料を再結晶化するステップが、下にある層との界面の近くの溶融材料の場所から溶融材料の表面に溶融材料を漸進的に結晶化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各エネルギーパルスが固体材料の一部を溶融し、第1のエネルギーパルスによって溶融した固体材料の一部を再凝固できるように、第1のエネルギーパルスの送出と、第1のエネルギーパルスの直後の第2のエネルギーパルスの送出との期間を選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
溶融材料を漸進的に再結晶化するステップが、固体材料を通り進行する溶融フロントの方向と反対方向に溶融材料を通して結晶化フロントを進行させることにより、溶融材料から結晶固体を形成するエネルギーのパルスを溶融材料に送出することを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
太陽電池を形成する方法であって、
空間的に均一なレーザ光のパルスを使用して活性層を漸進的に溶融および再結晶化することにより、太陽電池の活性層に大きい結晶ドメインを形成するステップを含む方法。
【請求項6】
均一に分配されたレーザ光の各パルスが活性層内で溶融フロントを延ばす、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
活性層が、p型ドープ半導体層、真性半導体層、およびn型ドープ半導体層を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
メモリデバイスを形成する方法であって、
基板上に第1の導電層を形成するステップと、
基板上に半導体層を堆積させることと、
半導体層をエネルギーのパルスにさらすことにより半導体層を漸進的に溶融し、溶融半導体層を形成することと、
溶融半導体層を再結晶化することと
を含むプロセスによって基板上に多結晶または単結晶半導体層を形成するステップと、
基板上に第2の導電層を形成するステップと
を含む方法。
【請求項9】
エネルギーのパルスが半導体材料を通して溶融フロントを進行させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
入射パルスによって溶融した半導体材料の一部を再凝固するように選択された期間が、次のパルスから複数のレーザパルスの各入射パルスを分離する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
複数のレーザパルスの各パルスが、隣接するパルスと少なくとも部分的に重なり合う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
フォトニックデバイスを形成する方法であって、
セラミック基板の上に化合物半導体層を形成するステップと、
化合物半導体層の方にエネルギーのパルスを誘導し、化合物半導体層を漸進的に溶融して溶融層を形成することと、
溶融層を結晶化して結晶化合物半導体層を形成することと
を含むプロセスによって化合物半導体層を結晶化するステップと
を含む方法。
【請求項13】
エネルギーのパルスを化合物半導体層の方に誘導するステップが、複数のレーザパルスを化合物半導体層の方に誘導することと、各パルスが化合物半導体層の一部を溶融するように選択されたエネルギーを有することと、化合物半導体層を通して溶融フロントを進行させることとを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物半導体層が、少なくともn型ドープ層、p型ドープ層、および多量子井戸層を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
入射パルスが溶融する化合物半導体層の一部よりも小さい溶融層の一部を再凝固するように選択された期間が、エネルギーの各入射パルスを、エネルギーの次のパルスから分離する、請求項12に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−512572(P2013−512572A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541167(P2012−541167)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057857
【国際公開番号】WO2011/066310
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057857
【国際公開番号】WO2011/066310
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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