説明

半導体発光装置、発光モジュール、および半導体発光装置の製造方法

【課題】生産性を向上させることができ、且つ、小型化を図ることができる半導体発光装置、発光モジュール、および半導体発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電形の第1半導体層12と、第2導電形の第2半導体層11と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられる発光層13と、を含み、前記発光層が放射する光を前記第2半導体層側の第1の主面から放射する積層体15と、前記積層体の前記第1の主面15aとは反対側の第2の主面15b側において、前記第1半導体層に接続される第1電極16と、前記積層体の前記第2の主面側において前記第2半導体層に接続される第2電極17と、前記第1電極に接続される第1配線部21と、前記第2電極に接続される第2配線部22と、前記積層体の前記第2の主面側に設けられ、前記第1配線部と、前記第2配線部と、を覆う封止部25と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、概ね、半導体発光装置、発光モジュール、および半導体発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光や白色光を放射する半導体発光装置は、照明機器、表示装置などの光源として使用されている。
この様な半導体発光装置には、基板などに実装した際に半導体発光装置の側面が出射面(光取り出し面)となるサイドビュー型と呼ばれているものがある。
サイドビュー型の半導体発光装置においては、半導体発光装置の実装面側に設けられた端子面と、基板に設けられた電極とをはんだ付けすることで実装が行われる。そのため、はんだ付け部分の視認が困難になるという問題がある。
そこで、側面にも端子面を露出させた半導体発光装置が提案されている。
しかしながら、単に側面に端子面を露出させると、外形形状が複雑となり生産性が悪くなったり、外形寸法が大きくなったりするという新たな問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−199253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、生産性を向上させることができ、且つ、小型化を図ることができる半導体発光装置、発光モジュール、および半導体発光装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体発光装置は、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられる発光層と、を含み、前記発光層が放射する光を前記第2半導体層側の第1の主面から放射する積層体と、前記積層体の前記第1の主面とは反対側の第2の主面側において、前記第1半導体層に接続される第1電極と、前記積層体の前記第2の主面側において前記第2半導体層に接続される第2電極と、前記第1電極に接続される第1配線部と、前記第2電極に接続される第2配線部と、前記積層体の前記第2の主面側に設けられ、前記第1配線部と、前記第2配線部と、を覆う封止部と、を備えている。そして、前記第1配線部は、前記第1の主面に交差する前記封止部の第1側面に露出する第1端子面と、前記第1側面に交差する前記封止部の第2側面に露出する第2端子面と、を有し、前記第2配線部は、前記第1側面に露出する第3端子面と、前記第2側面および前記第2側面と平行な前記封止部の第3側面の少なくともいずれかに露出する第4端子面と、を有し、前記第1端子面と、前記第2端子面と、は、連続して設けられ、前記第3端子面と、前記第4端子面と、は、連続して設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】(a)〜(d)は第1の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
【図2】(a)〜(c)は第1の実施形態に係る発光モジュールを例示するための模式図である。
【図3】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図4】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図5】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図6】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図7】(a)〜(c)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図8】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図9】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図10】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図11】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図12】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図13】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図14】第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図15】(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図16】(a)、(b)は第1の実施形態に係る発光モジュールの製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図17】(a)、(b)は第1の実施形態に係る発光モジュールの製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図18】(a)、(b)は第1の実施形態に係る発光モジュールの製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図19】(a)、(b)は第1の実施形態に係る発光モジュールの製造方法を例示するための模式工程断面図である。
【図20】(a)〜(d)は第2の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
【図21】(a)〜(c)は第2の実施形態に係る発光モジュールを例示するための模式図である。
【図22】(a)〜(d)は第3の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
【図23】(a)〜(c)は第3の実施形態に係る発光モジュールを例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
(半導体発光装置)
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
図1(a)、(b)は第1の実施形態に係る半導体発光装置10aを模式的に示す斜視図、図1(c)は図1(a)におけるA−A断面図、図1(d)は図1(a)におけるB−B断面図である。
図1(a)、(b)に示すように、半導体発光装置10aは、四角柱形状の外形を有し、封止部25と、透光部27と、を含む。
【0008】
図1(c)、(d)に示すように、半導体発光装置10aは、p形GaN層12(第1導電形の第1半導体層の一例に相当する)と、n形GaN層11(第2導電形の第2半導体層の一例に相当する)と、発光層13と、を含む積層体15を有する。発光層13は、p形GaN層12とn形GaN層11との間に設けられている。積層体15は、n形GaN層11側の第1の主面15aと、その反対側の第2の主面15bと、を有する。そして、積層体15は、発光層13が放射する光を第1の主面15aの側から放射する。
【0009】
積層体15から放射された光は、透光部27を透過して出射面27aを介して外部に放射される。透光部27の出射面27aは、積層体15の第1の主面15aと略平行となっている。
さらに、積層体15と透光部27との間に、レンズ26を設けることができる。レンズ26は、積層体15から放射される光を集光して指向性を向上させる。
一方、積層体15の第2の主面15b側には、p形GaN層12に電気的に接続されたp側電極16(第1電極の一例に相当する)と、n形GaN層11に電気的に接続されたn側電極17(第2電極の一例に相当する)と、が設けられている。n側電極17は、p形GaN層12および発光層13を選択的にエッチングして除去したn形GaN層11の表面に設けられている。
【0010】
さらに、積層体15およびp側電極16、n側電極17を覆う絶縁部18が設けられる。絶縁部18は、例えば、ポリイミドからなる。そして、絶縁部18に形成されたコンタクトホール18a、18bを介してp側電極16およびn側電極17に電気的に接続されたp側再配線部21およびn側再配線部22が設けられている。
【0011】
p側再配線部21の表面には、p側配線部23(第1配線部の一例に相当する)が設けられている。p側配線部23は、p側再配線部21を介してp側電極16に電気的に接続されている。一方、n側再配線部22の表面には、n側配線部24(第2配線部の一例に相当する)が設けられている。n側配線部24は、n側再配線部22を介してn側電極17に電気的に接続されている。
【0012】
p側配線部23は、積層体15の第2の主面15bに対して平行な方向に伸びており、封止部25の側面25aに対して略垂直に交差する側面25b(第1側面の一例に相当する)と側面25c(第2側面の一例に相当する)とに露出している。すなわち、封止部25の側面25bには、p側配線部23の端子面23a(第1端子面の一例に相当する)が露出している。
側面25bにつながる側面25cには、端子面23aにつながる端子面23b(第2端子面の一例に相当する)が露出している。すなわち、端子面23aと端子面23bとは連続して設けられている。
端子面23aは、封止部25の側面25bから突出しておらず、面一となっている。端子面23bは、封止部25の側面25cから突出しておらず、面一となっている。
【0013】
n側配線部24も同様に、積層体15の第2の主面15bに対して平行な方向に伸びており、封止部25の側面25aに対して略垂直に交差する側面25bと側面25d(第3側面の一例に相当する)とに露出している。すなわち、封止部25の側面25bには、n側配線部24の端子面24a(第3端子面の一例に相当する)が露出している。
【0014】
側面25bにつながる側面25dには、端子面24aにつながる端子面24b(第4端子面の一例に相当する)が露出している。すなわち、端子面24aと端子面24bとは連続して設けられている。
端子面24aは、封止部25の側面25bから突出しておらず、面一となっている。端子面24bは、封止部25の側面25dから突出しておらず、面一となっている。
端子面23a、23b、24a、24bは、基板などに設けられた電極と接続材を介して電気的に接続される。
【0015】
端子面23a、23b、24a、24bが側面から突出しないようにすれば、半導体発光装置10aの外面を平坦面とすることができる。そのため、複数の半導体発光装置10aを一括して形成し、個片化をすることが容易となる。また、個片化する際に無駄になる部分を少なくすることができる。
また、半導体発光装置10aを光源である積層体15とほぼ同じサイズとすることができるので、半導体発光装置10aの小型化を図ることができる。
なお、複数の半導体発光装置10aを一括して形成し、個片化をすることに関する詳細は後述する。
またさらに、端子面23a、23b、24a、24bが側面から突出しないようにすれば、接続材の這い上がりが阻害されることがない。そのため、良好なフィレットを形成することができる。
なお、半導体発光装置10aを基板に接続する際の詳細は後述する。
【0016】
p側再配線部21、n側再配線部22、p側配線部23、n側配線部24の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、銅を用いると、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁材料との優れた密着性が得られる。
封止部25は、四角柱形状を有し、p側配線部23と、n側配線部24とを覆うように設けられている。封止部25は、絶縁性材料から形成されるものとすることができる。封止部25の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを例示することができる。
【0017】
(発光モジュール)
図2は、半導体発光装置10aを有した発光モジュール201aを例示するための模式図である。図2(a)は発光モジュール201aの模式平面図、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図、図2(c)は図2(a)におけるD−D断面図である。
図2(a)〜(c)に示すように、発光モジュール201aには、半導体発光装置10aと、基板100とが設けられている。
【0018】
基板100の基体101の表面には、電極102a(第3電極の一例に相当する)、電極102b(第4電極の一例に相当する)が形成されている。基体101、並びに、電極102a、102bの上には、パターニングされた絶縁部103が設けられており、半導体発光装置10aとの電気的な接続を行う部分が露出している。その他、電極102a、102bに接続された配線パターンなどを適宜設けることができる。
【0019】
電極102a、102bは、平面視において、面積がなるべく大きくなるようにすることが好ましい。電極102a、102bの面積を大きくすれば、熱の広がりを助長することができるので、放熱性を向上させることができる。
絶縁部103は、白色の材料、例えば、白色のエポキシ系樹脂から形成されるものとすることができる。絶縁部103の色が白色であれば、発光層13から放射された光のうち、絶縁部103側に向かう光りを反射することができるので、光の損失を低減することが可能となる。
【0020】
半導体発光装置10aは、基板100上に設けられている。半導体発光装置10aの封止部25の側面25bと、透光部27の側面27bとは、基板100と対峙している。
そのため、積層体15の第1の主面15aと、透光部27の出射面27aとは、基板100に対して略垂直となる。その結果、図2(c)に示すように、積層体15から放射された光は、基板100に対して略平行な方向に放射される。この様な方向に光りを放射する半導体発光装置10aは、サイドビュー型と呼ばれている。すなわち、発光モジュール201aには、サイドビュー型の半導体発光装置10aが設けられている。サイドビュー型の半導体発光装置10aを有した発光モジュール201aは、例えば、液晶表示装置のバックライトにおいて、導光板の側面から光を照射するような用途に適している。前述したように、半導体発光装置10aは光源である積層体15とほぼ同じサイズとなっているので、発光モジュール201aの小型化、ひいては、発光モジュール201aが設けられる液晶表示装置などの小型化を図ることが可能となる。
【0021】
次に、半導体発光装置10aと、基板100との接続について例示をする。
図2(b)に示すように、半導体発光装置10aと、基板100とは接続材104a、104bを介して電気的に接続される。
この際、端子面23a、23bは、接続材104aを介して電極102aと電気的に接続される。端子面24a、24bは、接続材104bを介して電極102bと電気的に接続される。
接続材104a、104bは、例えば、はんだ、導電性ペーストなどとすることができる。
【0022】
ここで、半導体発光装置10aの中心位置からずれた位置に端子面23a、24aが設けられている。そのため、端子面23a、24aのみによる接続を行うようにすると、接続材104a、104bの供給量のバランスが悪い場合に、半導体発光装置10aが傾くことで光の放射方向がずれるおそれがある。
また、端子面23a、24aのみによる接続を行うようにすると、接続部分の面積が少ないことから、接続強度が不足するおそれがある。
そのため、半導体発光装置10aにおいては、端子面23b、24bによる接続をも行うようにしている。
【0023】
半導体発光装置10aを基板100に接続する際、接続材104aは、端子面23aに付着するのみならず、端子面23bを這い上がるようにして端子面23bにも付着する。また、接続材104bは、端子面24aに付着するのみならず、端子面24bを這い上がるようにして端子面24bにも付着する。
【0024】
前述したように、端子面23b、24bは側面から突出していないので、接続材104a、104bの這い上がりが阻害されることがない。そのため、良好なフィレット104a1、104b1を形成することができる。その結果、接続の信頼性、接続の強度などを向上させることができる。
【0025】
また、端子面23b、24bにおける接続材104a、104bの這い上がりの状態や、フィレット104a1、104b1の状態は視認することができるので、接続状態の確認を容易に行うことができる。そのため、検査精度の向上や、検査の容易化を図ることができる。
【0026】
また、半導体発光装置10aを基板100に接続する際、いわゆるダイボンディング法が用いられる場合がある。ダイボンディング法を用いる場合には、半導体発光装置10aと、基板100との間にある接続材104a、104bが押圧されることになる。この場合、接続材104a、104bに発生した応力は、半導体発光装置10aに設けられたp側配線部23、n側配線部24および封止部25により吸収される。そのため、ダイボンディング法を用いる場合であっても、積層体15に加わる応力を緩和することが可能となる。その結果、光出力の劣化や信頼度の劣化が生じることを抑制することができる。
【0027】
(半導体発光装置の製造方法)
図3〜図15は、半導体発光装置10aの製造方法を例示するための模式工程断面図である。
半導体発光装置10aの製造方法においては、例えば、基板5上に複数の半導体発光装置10aを一括して形成するようにすることができる。そのため、図3〜図15においては、基板5の一部の領域における半導体発光装置10aの形成を例示することにする。
【0028】
図3(a)は、基板5の主面上に、n形GaN層11、発光層13、およびp形GaN層12を含む積層体15を形成した状態を示す。図3(b)は、図3(a)に対応する平面図である。
基板5の主面上には、n形GaN層11が形成され、その上に発光層13、n形GaN層12が形成される。基板5には、例えば、サファイア基板を用いることができ、その主面上に、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)法を用いてGaN系窒化物半導体層であるn形GaN層11、発光層13、n形GaN層12を順次成長させる。
【0029】
この場合、n形GaN層11と基板5との間には、例えば、図示しないバッファ層を形成することができる。n形GaN層11は、n形不純物として、例えば、シリコン(Si)を含む。p形GaN層12は、p形不純物として、例えば、マグネシウム(Mg)を含む。発光層13は、例えば、GaNとInGaNとで構成される量子井戸構造を含み、青、紫、青紫などの光を放射する。また、AlGaNを材料とすることにより紫外光を放射することもできる。
積層体15の第1の主面15aは、n形GaN層11における基板5と接する面である。そして、p形GaN層12の表面が、積層体15の第2の主面15bとなる。
【0030】
次に、図4(a)及びその平面図である図4(b)に示すように、ダイシング領域d1、d2において、積層体15を貫通して基板5に達する溝を形成する。例えば、積層体15の表面に図示しないレジストマスクを形成し、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いてエッチングを行うことにより溝を形成する。ダイシング領域d1、d2は、ウェーハ状態の基板5上に、例えば、格子状に形成される。ダイシング領域d1、d2に形成された溝により、積層体15は、半導体発光装置10aに含まれる個々の単位に分離される。
なお、積層体15を個々の単位に分離する工程は、p形GaN層12を選択的にエッチングした後、あるいは、後述するp側電極16、n側電極17の形成後に行っても良い。
【0031】
次に、図5(a)及びその平面図である図5(b)に示すように、p形GaN層12および発光層13の一部を選択的に除去し、n形GaN層11の一部を第2の主面15bの側に露出させる。例えば、積層体15の表面に図示しないレジストマスクを形成し、RIE法を用いてエッチングを行うことでn形GaN層11の一部を第2の主面15bの側に露出させる。
図5(b)示すように、n形GaN層11の露出面11aは、積層体15の配列方向であってダイシング領域d2に沿った方向において、交互に逆方向に形成され、露出面11aがダイシング領域d1を挟んで向き合うように配置される。n形GaN層11の露出面の配置は、この例に限定される訳ではなく、ダイシング領域d2に沿って同じ方向に形成されても良い。
【0032】
次に、図6(a)及びその平面図である図6(b)に示すように、第2の主面15bの側にp側電極16とn側電極17を形成する。図6(b)に示すように、ダイシング領域d2に沿った方向において、p側電極16およびn側電極17の配置が交互に逆転するように形成される。p側電極16は、p形GaN層12の表面に形成される。p形GaN層12の表面に透明電極を形成後、p側電極16を形成しても良い。n側電極17は、例えば、チタン(Ti)およびアルミニウム(Al)の積層膜を用いて、n形GaN層11の露出面11aに形成される。
【0033】
p側電極16およびn側電極17は、例えば、スパッタ法、蒸着法等で形成される。p側電極16とn側電極17は、どちらを先に形成しても良い。また、同じ材料を用いて同時に形成することもできる。
【0034】
p側電極16は、発光層13から放射された光に対して反射性を有するものとすることが好ましい。p側電極16は、例えば、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を含むものとすることができる。また、p側電極16は、硫化や酸化を抑制するための金属保護膜を含む構成であってもよい。
【0035】
さらに、p側電極16とn側電極17との間、および、発光層13の端面(側面)に図示しないパッシベーション膜を形成しても良い。パッシベーション膜は、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法を用いて形成されたシリコン窒化膜やシリコン酸化膜とすることができる。p側電極16およびn側電極17と、積層体15との間のオーミックコンタクトを形成するために、必要に応じて活性化アニールを実施することができる。
【0036】
次に、図7(a)に示すように、基板5の主面上に露出している部分のすべてを絶縁部18で覆った後、コンタクトホール18a、18bを形成する。例えば、ウェットエッチング法を用いて絶縁部18を選択的に除去することで、コンタクトホール18a、18bを形成する。コンタクトホール18aはp側電極16に達し、コンタクトホール18bはn側電極17に達するように形成する。
【0037】
絶縁部18の形成には、例えば、感光性ポリイミド、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)などの有機材料を用いることができる。この場合、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁部18を直接露光し、現像することにより、コンタクトホール18a、18bを形成することができる。
あるいは、シリコン窒化膜やシリコン酸化膜などの無機膜を用いて、絶縁部18を形成することもできる。無機膜とする場合には、レジストマスクを用いたエッチングによって、コンタクトホール18a、18bを形成することができる。
【0038】
次に、図7(b)に示すように、絶縁部18の表面であって、積層体15とは反対の側に位置する配線面18cに、シードメタル19を形成する。シードメタル19は、コンタクトホール18aの内壁及び底部と、コンタクトホール18bの内壁及び底部にも形成される。
シードメタル19は、例えば、スパッタ法で形成される。シードメタル19は、例えば、絶縁部18側から順に積層されたチタン(Ti)および銅(Cu)の積層膜を含むものとすることができる。
次に、図7(c)に示すように、シードメタル19上にレジストマスク41を形成する。その後、電解銅(Cu)メッキを行うことでCu膜を形成する。メッキ電流はシードメタル19を経由して流れ、シードメタル19の表面にCu膜が形成される。
【0039】
これにより、図8(a)およびその平面図である図8(b)に示すように、絶縁部18の配線面18c上に、p側再配線部21とn側再配線部22が選択的に形成される。p側再配線部21及びn側再配線部22は、上記メッキにより同時に形成されたCu膜からなる。
p側再配線部21は、コンタクトホール18a内にも形成され、シードメタル19を介してp側電極16と電気的に接続される。n側再配線部22は、コンタクトホール18b内にも形成され、シードメタル19を介してn側電極17と電気的に接続される。
【0040】
ここで、ダイシング領域d1は、p側再配線部21の側面21bおよびn側再配線部22の側面22bに沿った方向(図8(b)の横方向)に延在する。そして、図1(a)および(b)における封止部25の側面25cにp側再配線部21の側面21bが、側面25dにn側再配線部22の側面22bが露出する。
ダイシング領域d2は、p側再配線部21の側面21aおよびn側再配線部22の側面22aに沿った方向(図8(b)の縦方向)に延在する。そして、図1(a)および(b)における封止部25の側面25bに、p側再配線部21の側面21aおよびn側再配線部22の側面22aが露出する。
【0041】
図8(b)に1点鎖線で示すエッジe1、e2、e3、e4は、それぞれダイシングブレードの両エッジで切断される境界を表す。そして、図8(b)中に示す側面21aおよび側面22aは、エッジe1、e2を越えてダイシング領域d2に張り出すように形成され、側面21bおよび側面22bは、エッジe3、e4を越えてダイシング領域d1に張り出すように形成される。
さらに、p側再配線部21におけるn側再配線部22に向き合う辺において、側面21aの側の角には切り欠き部21cが形成されている。切り欠き21cは、側面21aと側面22aとの間に設けられる。これにより、ダイシング後に封止部25から露出する側面21aと側面22aとの間の間隔を広げることが可能となり、基板などとの接続の際に、はんだなどによる短絡を回避することができる。
【0042】
一方、切り欠き21cを除くp側再配線部21とn側再配線部22との間隔は、プロセス上の限界まで近づけることができる。すなわち、封止部25の側面25bに露出する端子面23a、24aの間隔に制約を受けることなく、p側再配線部21の面積を広くできる。この結果、p側再配線部21とp側電極16とのコンタクト面積を広げて電流密度を低減し、さらに放熱性を向上させることができる。例えば、p側再配線部21とp側電極16との間を、複数のコンタクトホール18aを介して接続することが可能となる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る製造方法では、図8(b)に示すように、側面21aおよび側面22aは、ダイシング領域d2の一方の側に偏って存在せず、ダイシング領域d2の幅方向の両側に、交互に設けられる。同様に、側面21bおよび側面22bは、ダイシング領域d1の一方の側に偏って存在せず、ダイシング領域d1の幅方向の両側に、交互に設けられる。これにより、ダイシングブレードを用いてダイシング領域d2を切断する際に、メタルである側面21a及び側面22aを、ダイシングブレードの両側で均等に切断することができる。その結果、ダイシングブレードのエッジにかかる負荷を均等にすることができる。すなわち、ダイシングブレードの目詰まりや破損等を抑制し寿命を伸ばすことができる。
【0044】
なお、図8(b)に示す例では、エッジe1側の側面21aおよび側面22aと、エッジe2側の側面21aおよび側面22aとが、ダイシング領域d2の延在方向に交互に配置されているが、このようなレイアウトに限られる訳ではない。側面21aおよび側面22aが、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方に偏る配置でなければ良い。
【0045】
図9(a)は、p側再配線部21及びn側再配線部22の形成に使用したレジストマスク41を除去した状態を示す断面図である。レジストマスク41は、例えば、有機溶剤を用いたウェットアッシング法、もしくは酸素プラズマを用いたドライアッシング法などにより除去することができる。
続いて、図9(b)に示すように、配線部形成用のレジストマスク42を形成する。レジストマスク42は、前述のレジストマスク41よりも厚く形成する。なお、レジストマスク41を除去せずに残し、その上にレジストマスク42を重ねて形成しても良い。
【0046】
そして、図10(a)及びその平面図である図10(b)に示すように、p側配線部23とn側配線部24を形成する。例えば、レジストマスク42を用いて、選択的に電解Cuメッキを行う。この場合も、シードメタル19を介してメッキ電流が流れ、p側再配線部21およびn側再配線部22の上にCu膜が形成される。
【0047】
すなわち、p側配線部23は、レジストマスク42に形成された開口42a内であって、p側再配線部21の表面に形成される。n側配線部24は、レジストマスク42に形成された開口42b内であって、n側再配線部22の表面に形成される。p側配線部23及びn側配線部24は、電解Cuメッキにより同時に形成され、銅材料からなる。
【0048】
そして、p側配線部23およびn側配線部24の端面であって、ダイシング後に封止部25の側面25bに露出される端子面23a、および、端子面24aを形成するために、p側配線部23およびn側配線部24を、ダイシングブレードのエッジe1およびエッジe2を超えてダイシング領域d2上に張り出させる。同様に、p側配線部23およびn側配線部24の端面であって、ダイシング後に封止部25の側面25cと25dに露出される端子面23b、および、端子面24bを形成するために、p側配線部23およびn側配線部24を、ダイシングブレードのエッジe3およびエッジe4を超えてダイシング領域d1上に張り出させる。
【0049】
図10(b)に示すように、p側配線部23およびn側配線部24の張り出し部は、ダイシング領域d2の一方の側に偏らず、ダイシング領域d2の延在方向の両側に均等に設けられる。そして、ダイシング領域d2をダイシングブレードにより切断する際に、メタルであるp側配線部23およびn側配線部24を、ダイシングブレードの両方のエッジで均等に切断する。これにより、ダイシングブレードのエッジにかかる負荷が均等になり、目詰まりや破損等を抑制してダイシングブレードの寿命を伸ばすことができる。
【0050】
なお、図10(b)の例では、エッジe1側に張り出したp側配線部23およびn側配線部24と、エッジe2側に張り出したp側配線部23およびn側配線部24とが、ダイシング領域d2の延在方向に交互に配置されているが、このようなレイアウトに限られる訳ではない。すなわち、p側配線部23およびn側配線部24の張り出し部が、エッジe1及びエッジe2のいずれか一方側に偏って存在していなければ良い。
【0051】
そして、p側配線部23とn側配線部24との間隔は、封止部25の側面25bに露出する端子面23a、24aが、基板などとの接続時に接続材104a、104bにより短絡されないような寸法とされる。
【0052】
次に、レジストマスク42を、例えば、有機溶剤を用いたウェットアッシング法、もしくは酸素プラズマを用いたドライアッシング法などにより除去する。
図11(a)およびその平面図である図11(b)は、レジストマスク42を除去した状態を示している。
図11(a)に示すように、p側配線部23は、p側再配線部21よりも小さく形成される。このため、図11(b)中に示すように、切り欠き部21cを除いて、p側再配線部21が、p側配線部23の側からn側配線部24の側に延在するように形成される。
【0053】
次に、図12(a)に示すように、p側配線部23、n側配線部24、および、p側配線部23の側から延在したp側再配線部21の一部をマスクとして、シードメタル19の露出部をウェットエッチング法を用いて除去する。これにより、p側再配線部21とn側再配線部22との間が電気的に分断される。
次に、図12(b)に示すように、p側配線部23、n側配線部24、および、その間に露出した絶縁部18の表面を覆う封止部25を形成する。封止部25には、発光層13の発光に対して遮光性を付与するために、例えば、カーボンブラックを含有させることができる。また、発光層13の発光を反射する酸化チタン等の粉末を含有させてもよい。
【0054】
次に、図13(a)に示すように、基板5を除去する。基板5は、例えば、レーザーリフトオフ法によって除去する。例えば、基板5の裏面であって、積層体15の反対側に位置する主面からn形GaN層11に向けてレーザ光を照射する。レーザ光は、基板5に対して透過性を有し、n形GaN層11に吸収される波長を有する。そして、基板5とn形GaN層11との界面において、その界面近傍のn形GaN層11は、レーザ光のエネルギーを吸収し、ガリウム(Ga)と窒素(N)とに分解される。この分解反応により、基板5とn形GaN層11とが分離される。
【0055】
さらに、基板5の全体に渡り、設定された領域ごとに複数回に分けてレーザ光を照射する。これにより、積層体15の第1の主面15aから基板5が除去され、光取り出し効率の向上が可能となる。
【0056】
基板5から分離された積層体15は、第2の主面15bの側に設けられた封止部25によって支持される。すなわち、p側配線部23およびn側配線部24を構成するCu膜を十分に厚く形成し、p側配線部23およびn側配線部24の間を封止部25によって充填する。これにより、基板5を分離した状態におけるウェーハの機械的強度を確保することができる。
【0057】
さらに、封止部25、および、各再配線部、配線部を構成する金属は、基板5に比べて柔軟な材料である。このため、結晶成長の過程において積層体15に内在された応力を、基板5の剥離時に封止部25が吸収する。これにより、積層体15におけるクラックの発生等の結晶破壊を回避できる。
【0058】
次に、基板5が除去された積層体15の第1の主面15aを洗浄する。例えば、塩酸等で、第1の主面15aに残留したガリウム(Ga)を除去する。
さらに、例えば、KOH(水酸化カリウム)水溶液やTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等で、第1の主面15aをエッチングする。これにより、図13(b)に示すように、結晶面方位に依存したエッチング速度の違いに起因する凹凸が、第1の主面15aに形成される。あるいは、レジストマスクを用いたパターニングにより、第1の主面15aに凹凸を形成しても良い。この第1の主面15aに形成された凹凸により、光取り出し効率を向上させることができる。
【0059】
次に、図14に示すように、第1の主面15aの上、および、隣り合う積層体15の間に露出した絶縁部18の上に、透光部27を形成する。透光部27は、例えば、蛍光体粒子が分散された液状の透明樹脂を、印刷、ポッティング、モールド、圧縮成形などの方法によって供給した後、熱硬化させることにより形成する。透明樹脂には、発光層13の発光及び蛍光体が発する光に対する透過性を有する材料、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、液状ガラスなどを用いる。
この場合、第1の主面15aと透光部27との間に、レンズ26を形成しても良い。レンズ26には、発光層13が放射する光に対して透光性を有する材料、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ガラスなどを用いることができる。レンズ26は、例えば、グレースケールマスクを用いたエッチング法や、インプリント法によって形成することができる。
なお、第1の主面15aと透光部27との間にレンズ26を設けない構造であってもよい。
【0060】
次に、図15(a)および(b)に示すように、格子状に形成されたダイシング領域d1、d2の位置において、透光部27、絶縁部18及び封止部25を切断し、複数の半導体発光装置10aに個片化する。透光部27、絶縁部18及び封止部25は、例えば、ダイシングブレードもしくはレーザ照射を用いて切断することができる。
【0061】
この際、ダイシング領域d2、d1において、p側配線部23およびn側配線部24のダイシングブレードの幅(エッジe1およびエッジe2、エッジe3およびエッジe4)を越えた張り出した部分が切断される。これにより、封止部25の側面に、端子面23a、23b、24a、24b、が露出する。
同様に、p側再配線部21及びn側再配線部22において、ダイシング領域d2、d1に張り出した部分も切断される。これにより、封止部25の側面に、p側再配線部21の側面21a、21bおよびn側再配線部22の側面22a、22bも露出する(図1(a)参照)。
【0062】
ダイシング時には、基板5はすでに除去されている。さらに、ダイシング領域d1、d2には、積層体15が存在しないため、積層体15が受けるダメージを回避することができる。また、個片化後の半導体発光装置10aでは、積層体15の端部(側面)が絶縁部18で覆われ保護された構造が得られる。
なお、個片化された半導体発光装置10aは、ひとつの積層体15を含むシングルチップ構造でも、複数の積層体15を含むマルチチップ構造であってもよい。
【0063】
半導体発光装置10aは、個片化された段階で、必要な部分が樹脂で覆われ、且つ、基板などとの接続に用いられる端子面が露出した形態で完成する。このため、個々の半導体発光装置10aごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能となる。すなわち、半導体発光装置10aは、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。このため、生産性を高めることができ、その結果として価格低減が容易となる。
【0064】
(発光モジュールの製造方法)
次に、発光モジュール201aの製造方法について例示をする。
なお、各図の(a)は製造工程を例示するための模式平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
図16(a)、(b)に示すように、基板100の基体101の表面には、電極102a、102bが形成されている。電極102a、102bにおいて半導体発光装置10aと電気的な接続を行う部分は、絶縁部103から露出している。
【0065】
次に、図17(a)、(b)に示すように、電極102aの上に接続材104aを形成し、電極102bの上に接続材104bを形成する。例えば、電極102a、102bの上にメタルマスクを用いたスクリーン印刷法によりはんだを塗布し、接続材104a、104bを形成するようにすることができる。
次に、図18(a)、(b)に示すように、ダイボンディング法を用いて、基板100の上に半導体発光装置10aを搭載する。このとき、端子面23aと接続材104aとを対向させ、端子面23bと接続材104bとを対向させる。この状態で接続材104aと接続材104bを溶融し、その後凝固させる。これにより、端子面23a、23bは接続材104aを介して電極102aに、端子面24a、24bは接続材104bを介して電極102bに、接続される。
この様にして、図19(a)、(b)に示す様な発光モジュール201aが製造される。
【0066】
[第2の実施形態]
(半導体発光装置)
図20は、第2の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
図20(a)、(b)は第2の実施形態に係る半導体発光装置10bを模式的に示す斜視図、図20(c)は図20(a)におけるA−A断面図、図20(d)は図20(a)におけるB−B断面図である。
図20(a)〜(c)に示すように、半導体発光装置10bは、四角柱形状の外形を有し、封止部25と、透光部27と、を含む。
【0067】
図1に例示をした半導体発光装置10aの場合には、端子面23bが側面25cに露出し、端子面24bが側面25dに露出している。
これに対して、半導体発光装置10bの場合には、端子面23b、24bが側面25aに露出している。すなわち、半導体発光装置10bは、端子面23b、24bが露出する側面が半導体発光装置10aとは異なるものとなっている。
【0068】
半導体発光装置10bを基板100に接続する際、接続材104aは、端子面23aに付着するのみならず、端子面23bを這い上がるようにして端子面23bにも付着する。また、接続材104bは、端子面24aに付着するのみならず、端子面24bを這い上がるようにして端子面24bにも付着する。この場合、フィレット104a1、104b1が形成される位置が異なるものとなるが、前述した半導体発光装置10aが有する効果と同様の効果を得ることができる。
【0069】
半導体発光装置10bの製造方法は、前述した半導体発光装置10aの製造方法と同様とすることができる。すなわち、ダイシングブレードもしくはレーザ照射を用いて切断する際に、側面25aから端子面23b、24bが露出するようにすること以外は前述した半導体発光装置10aの製造方法と同様とすることができる。そのため、半導体発光装置10bの製造方法に関する詳細は省略する。
【0070】
(発光モジュール)
図21は、半導体発光装置10bを有した発光モジュール201bを例示するための模式図である。図21(a)は発光モジュール201bの模式平面図、図21(b)は図21(a)におけるA−A断面図、図21(c)は図21(a)におけるD−D断面図である。
図21(a)〜(c)に示すように、発光モジュール201bには、半導体発光装置10bと、基板100とが設けられている。
前述したように、半導体発光装置10bは、端子面23b、24bが露出する側面が半導体発光装置10aとは異なるものとなっている。そのため、発光モジュール201bは、フィレット104a1、104b1が形成される位置が、発光モジュール201aとは異なるものとなる。
しかしながら、フィレット104a1、104b1が形成される位置が異なるものとなっても、前述した発光モジュール201aが有する効果と同様の効果を得ることができる。 発光モジュール201bの製造方法は、前述した発光モジュール201aの製造方法と同様とすることができる。そのため、発光モジュール201bの製造方法に関する詳細は省略する。
【0071】
[第3の実施形態]
(半導体発光装置)
図22は、第3の実施形態に係る半導体発光装置を例示するための模式図である。
図22(a)、(b)は第3の実施形態に係る半導体発光装置10cを模式的に示す斜視図、図22(c)は図22(a)におけるA−A断面図、図22(d)は図22(a)におけるB−B断面図である。
図22(a)〜(c)に示すように、半導体発光装置10cは、四角柱形状の外形を有し、封止部25と、透光部27と、を含む。
【0072】
半導体発光装置10cの場合には、端子面23b1(第2端子面の一例に相当する)、端子面24b1(第4端子面の一例に相当する)が側面25aに露出している。また、端子面23b2(第2端子面の一例に相当する)が側面25cに露出し、端子面24b2(第4端子面の一例に相当する)が側面25dに露出している。すなわち、半導体発光装置10cは、端子面23b2、24b2が露出する側面が半導体発光装置10aと同じとなっており、端子面23b1、24b1が露出する側面が半導体発光装置10bと同じとなっている。この場合、フィレット104a1、104b1が、半導体発光装置10aの場合の位置と、半導体発光装置10bの場合の位置とに形成されることになるが、前述した半導体発光装置10a、10bが有する効果と同様の効果を得ることができる。
【0073】
半導体発光装置10cの製造方法は、前述した半導体発光装置10aの製造方法と同様とすることができる。すなわち、ダイシングブレードもしくはレーザ照射を用いて切断する際に、側面25aから端子面23b、24bが露出するようにし、側面25cから端子面23b2が露出するようにし、側面25dから端子面24b2が露出するようにすること以外は前述した半導体発光装置10aの製造方法と同様とすることができる。そのため、半導体発光装置10cの製造方法に関する詳細は省略する。
【0074】
(発光モジュール)
図23は、半導体発光装置10cを有した発光モジュール201cを例示するための模式図である。図23(a)は発光モジュール201cの模式平面図、図23(b)は図23(a)におけるA−A断面図、図23(c)は図23(a)におけるD−D断面図である。
図23(a)〜(c)に示すように、発光モジュール201bには、半導体発光装置10cと、基板100とが設けられている。
前述したように、半導体発光装置10cは、端子面23b1、23b2、24b1、24b2が露出する側面が半導体発光装置10aとは異なるものとなっている。そのため、発光モジュール201cは、フィレット104a1、104b1が形成される位置が、発光モジュール201aとは異なるものとなる。
しかしながら、フィレット104a1、104b1が形成される位置が異なるものとなっても、前述した発光モジュール201aが有する効果と同様の効果を得ることができる。 発光モジュール201cの製造方法は、前述した発光モジュール201aの製造方法と同様とすることができる。そのため、発光モジュール201cの製造方法に関する詳細は省略する。
【0075】
なお、前述した半導体発光装置の製造方法において、基板5を残すことにより機械的強度を高め、信頼性の高い構造を有する半導体発光装置、発光モジュールとすることもできる。
また、ダイシング領域d1に設けられた開口の内部にも封止部25を充填するようにすることもできる。
例えば、絶縁部18がポリイミドから形成された場合、ポリイミドは透光性を有するので絶縁部18の端面から光が漏れるおそれがある。ダイシング領域d1に設けられた開口の内部にも封止部25を充填するようにすれば、遮光性を有する封止部25により絶縁部18の端面を覆うことができるので、絶縁部18の端面から光が漏れることを抑制することができる。
また、p側再配線部の側面、n側再配線部の側面がエッジe1、e2を越えてダイシング領域d2に張り出さないようにすることもできる。この場合、配線部のみがエッジe1、e2を越えてダイシング領域d2に張り出すようにすることができる。
【0076】
以上に例示をした実施形態によれば、生産性を向上させることができ、且つ、小型化を図ることができる半導体発光装置、発光モジュール、および半導体発光装置の製造方法を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
10a〜10c 半導体発光装置、11 n形GaN層、12 p形GaN層、13 発光層、16 p側電極、17 n側電極、23 p側配線部、23a 端子面、23b 端子面、23b1 端子面、23b2 端子面、24 n側配線部、24a 端子面、24b 端子面、24b1 端子面、24b2 端子面、25 封止部、25a〜25d 側面、27 透光部、100 基板、101 基体、102a 電極、102b 電極、201a〜201c 発光モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられる発光層と、を含み、前記発光層が放射する光を前記第2半導体層側の第1の主面から放射する積層体と、
前記積層体の前記第1の主面とは反対側の第2の主面側において、前記第1半導体層に接続される第1電極と、
前記積層体の前記第2の主面側において前記第2半導体層に接続される第2電極と、
前記第1電極に接続される第1配線部と、
前記第2電極に接続される第2配線部と、
前記積層体の前記第2の主面側に設けられ、前記第1配線部と、前記第2配線部と、を覆う封止部と、
を備え、
前記第1配線部は、前記第1の主面に交差する前記封止部の第1側面に露出する第1端子面と、前記第1側面に交差する前記封止部の第2側面に露出する第2端子面と、を有し、
前記第2配線部は、前記第1側面に露出する第3端子面と、前記第2側面および前記第2側面と平行な前記封止部の第3側面の少なくともいずれかに露出する第4端子面と、を有し、
前記第1端子面と、前記第2端子面と、は、連続して設けられ、
前記第3端子面と、前記第4端子面と、は、連続して設けられている半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1端子面と、前記第2端子面と、前記第3端子面と、前記第4端子面と、は、露出する側面とそれぞれ面一に設けられる請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記封止部は、四角柱形状を有している請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置と、
第3電極と、第4電極と、を有する基板と、
を備え、
前記第3電極は、前記半導体発光装置の第1端子面と、第2端子面と、に接続され、
前記第4電極は、前記半導体発光装置の第3端子面と、第4端子面と、に接続される発光モジュール。
【請求項5】
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、前記発光層が放射する光を前記第2半導体層側の第1の主面から放射する積層体を、基板の上に複数形成する工程と、
前記積層体の前記第1の主面とは反対側の第2の主面側において、前記第1半導体層に第1電極を介して接続される第1配線部と、前記第2半導体層に第2電極を介して接続される第2配線部と、を形成する工程と、
前記第1配線部と、前記第2配線部と、を覆う封止部を形成する工程と、
前記複数の積層体毎に個片化する工程と、
を備え、
前記個片化する工程において、
前記第1配線部の第1端子面を前記第1の主面に交差する前記封止部の第1側面に露出させ、
前記第1配線部の第2端子面を前記第1側面に交差する前記封止部の第2側面に露出させ、
前記第2配線部の第3端子面を前記第1側面に露出させ、
前記第2配線部の第4端子面を前記第2側面および前記第2側面と平行な前記封止部の第3側面の少なくともいずれかに露出させ、
前記第1端子面と、前記第2端子面とを連続させ、
前記第3端子面と、前記第4端子面とを連続させる半導体発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−69815(P2013−69815A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206632(P2011−206632)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】