説明

半導体発光装置及びその製造方法

【課題】電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、発光部10dと第1導電部30aと絶縁層20と第2導電部30bと封止部50と光学層60とを備えた半導体発光装置が提供される。発光部は、第1半導体層、発光層及び第2半導体層を含む半導体積層体10と、第2主面10aの側で第1、第2半導体層に接続された第1、第2電極14、15と、を含む。第1導電部は、第1電極に接続され、第2半導体層と離間しつつ第2半導体層の一部12pを覆う第1柱部31aを含む。絶縁層20は第2半導体層と第1柱部との間に設けられる。第2導電部は第2電極に接続され第2主面の上に立設される。封止部は第1、第2導電部の側面を覆う。光学層は、半導体積層体の第1主面10bに設けられ、波長変換部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型で低消費電力の発光装置として、青色LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子と、蛍光体と、を組み合わせることで白色光を発する白色LED発光装置が開発されている。
【0003】
例えば、LEDチップをリードフレームや導電性基板にダイボンドしてワイヤーボンドを行った後、LEDチップ表面に蛍光体を塗布する構成の半導体発光装置が知られている。しかしながら、このような半導体発光装置においては、LEDチップの他に、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材が必要であるため、装置が大きくなり小型化の妨げとなる。
【0004】
半導体発光素子において、例えば、放熱性や発光効率の向上のために、n形半導体層に設けられるn側電極の面積は、p形半導体層に設けられるp側電極よりも小さく設定されることが多い。半導体発光素子を小型化したときに、例えばn形電極が小さくなり接続がし難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−210874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、絶縁層と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を備えた半導体発光装置が提供される。前記発光部は、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、前記第1半導体層の側の第1主面と前記第2半導体層の側の第2主面とを有し、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出した半導体積層体と、前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続された第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続された前記第1導電部であって、前記第2半導体層と離間しつつ前記第2半導体層の前記第2主面の側の一部を覆い前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記絶縁層は、前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部と、前記第1柱部と、の間に設けられる。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記光学層は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられた光学層であって、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、発光部と、第1導電部と、絶縁層と、第2導電部と、封止部と、光学層と、を有する半導体発光装置の製造方法が提供される。前記発光部は、第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、前記第1半導体層の側の第1主面と前記第2半導体層の側の第2主面とを有し、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出した半導体積層体と、前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続された第2電極と、を含む。前記第1導電部は、前記第1電極に電気的に接続された前記第1導電部であって、前記第2半導体層と離間しつつ前記第2半導体層の前記第2主面の側の一部を覆い前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む。前記絶縁層は、前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部と、前記第1柱部と、の間に設けられる。前記第2導電部は、前記第2電極に電気的に接続され、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む。前記封止部は、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う。前記波長変換部は、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられた光学層であって、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む。前記製造方法は、前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部を覆う前記絶縁層を形成し、前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部を覆う前記絶縁層の上に、前記第1導電部の少なくとも一部となる導電膜を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図2】図2(a)〜図2(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図4】図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、第2の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図9】図9(a)〜図9(c)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
【図10】第3の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図11】第3の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図12】第4の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図13】第5の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
【図14】図14(a)及び図14(b)は、第6の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
【図15】第7の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図1(b)は模式的平面図であり、図1(a)は、図1(b)のA−A’線断面図である。
【0012】
図1(a)及び図1(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置110は、発光部10dと、第1導電部30aと、第2導電部30bと、絶縁層20と、封止部50と、光学層60と、を備える。
【0013】
発光部10dは、半導体積層体10と、第1電極14と、第2電極15と、を含む。
半導体積層体10は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含む。
【0014】
半導体積層体10においては、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2半導体層12の側の第2主面10aにおいて第1半導体層11の一部が露出している。
【0015】
すなわち、半導体積層体10は、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、を有している。第2主面10bの側に第2半導体層12が配置され、第1主面10bの側に、第1半導体層11が配置される。第2半導体層12及び発光層13の面積は、第1半導体層11の面積よりも小さく、第2主面10aの側において、第1半導体層11の一部は、第2半導体層12及び発光層13に覆われていない。
【0016】
第1導電形は例えばn形であり、第2導電形は例えばp形である。ただし、実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。すなわち、第1半導体層11は、n形半導体層である。第2半導体層12は、p形半導体層である。
【0017】
第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13には、例えば、窒化物半導体を用いることができる。第1半導体層11は、例えばGaNを含むn形クラッド層である。第2半導体層12は、例えばp形クラッド層である。発光層13は、例えば量子井戸層と、量子井戸層に積層された障壁層と、を有する。発光層13は、例えば、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を有することができる。
【0018】
ここで、第2主面10aから第1主面10bに向かう方向をZ軸方向とする。すなわち、Z軸方向は、第1半導体層11、発光層13及び第2半導体層12の積層方向である。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0019】
半導体積層体10は、例えば、サファイアなどの基板の上に、第1半導体層11となる結晶、発光層13となる結晶、及び、第2半導体層12となる結晶が順次成長され、その後、所定の領域の、第1半導体層11の一部、発光層13、及び、第2半導体層12が除去されて形成される。
【0020】
第1電極14は、第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続される。第2電極15は、第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続される。第1電極14は、例えばn側電極であり、第2電極15は、例えばp側電極である。発光部10dにおいて、第1電極14と第2電極15とを介して、半導体積層体10に電流を供給することで、発光層13から光(発光光)が放出される。
【0021】
このように、発光部10dは、第1主面10bと、第1主面10bとは反対側の第2主面10aと、第2主面10aに設けられた第1電極14と及び第2電極15と、を有する。
【0022】
第1導電部30aは、第1電極14に電気的に接続される。第1導電部30aは、第1柱部31aを含む。第1柱部31aは、第2半導体層12と離間しつつ第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆い、第2主面10aの上に立設される。第1柱部31aは、例えばZ軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0023】
絶縁層20は、第2半導体層12の第2主面10aの側の上記の一部12pと、第1柱部31aと、の間に設けられる。絶縁層20によって、第2半導体層12と第1柱部31aとは電気的に遮断される。
【0024】
絶縁層20は、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続を実現するために、第1電極14の少なくとも一部の上には設けられていない。絶縁層20は、例えば、第1開口部20o1を有し、第1開口部20o1において、第1導電部30aと第1電極14との電気的な接続が行われる。なお、第1開口部20o1は、絶縁層20を貫通する孔を含むことができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1開口部20o1は、絶縁層20の端部のうち、第1電極14の端部から後退し、第1電極14を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第1開口部20o1は、絶縁層20のうちで第1電極14の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第1開口部20o1の数は、任意である。
【0025】
第2導電部30bは、第2電極15に電気的に接続される。第2導電部30bは、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む。第2柱部31bは、Z軸方向に沿って延在する部分を少なくとも含む。
【0026】
本具体例では、第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向に沿った、半導体積層体10の辺の方向が、X軸方向に設定されている。
【0027】
なお、絶縁層20は、第2電極15の少なくとも一部をさらに露出する。これにより、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続が行われる。すなわち、絶縁層20は、例えば、第2電極15の側の第2開口部20o2を有し、第2開口部20o2において、第2導電部30bと第2電極15との電気的な接続が行われる。この場合も、第2開口部20o2は、絶縁層20を貫通する孔を含む。また、第2開口部20o2は、第2電極15の端部から後退し第2電極15を露出させる部分を便宜的に含むことができる。すなわち、第2開口部20o2は、絶縁層20のうちで第2電極15の少なくとも一部を露出させる部分を含むことができ、その形状は任意である。第2開口部20o2の数は、任意である。
【0028】
封止部50は、第1導電部30aの側面、及び、第2導電部30bの側面を覆う。すなわち、封止部50は、第1柱部31aの側面、及び、第2柱部31bの側面を覆う。封止部50は、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対の側の第1端面31aeを露出する。また、封止部50は、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対の側の第2端面31beを露出する。なお、第1端面31aeは、第1柱部31aの半導体積層体10とは反対の側の端面である。また、第2端面31beは、第2柱部31bの半導体積層体10とは反対の側の端面である。
【0029】
光学層60は、半導体積層体10の第2主面10aとは反対側の第1主面10bに設けられる。光学層60は、蛍光体層61(波長変換部)を含む。蛍光体層61は、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。
【0030】
本具体例では、光学層60は、例えば蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けられた透光部62と、を含む。透光部62は、発光層13から放出される発光光に対する透光性を有する。透光部62は、例えばレンズ作用や屈折作用などの光の進行方向を変化させる作用を有することができる。これにより、発光層13で発生した光の放射角や色ずれを調整することができる。透光部62は必要に応じて設けられ、透光部62は場合によっては省略できる。
【0031】
蛍光体層61は、例えば透光性の樹脂と、この樹脂に分散された蛍光体と、を含む。蛍光体は、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。なお、蛍光体層61は、複数種の蛍光体を含むことができる。蛍光体には、例えば、黄色光を放出する蛍光体、緑色光を放出する蛍光体、及び、赤色光を放出す蛍光体など、任意の色を放出する蛍光体を用いることができる。また、蛍光体層61は、波長が異なる蛍光体を含む積層された複数の層を含むこともできる。
【0032】
半導体発光装置110においては、第1導電部30a、第1電極14、第2導電部30b及び第2電極15を介して、半導体積層体10に電流が供給され、これにより、発光層13から光(発光光)が放出される。発光光は、例えば、青色光、紫色光及び紫外光などの比較的短い波長の光とすることができる。
【0033】
発光層13から放出された例えば青色の発光光は、光学層60の内部に進行し、蛍光体層61によって例えば黄色の光に波長が変換される。そして、発光層13から放出された例えば青色の発光光と、蛍光体層61で得られた例えば黄色の光と、が合成される。これにより、半導体発光装置110は、白色光を発光することができる。
【0034】
なお、発光層13から放出される発光光の波長、及び、蛍光体層61で変換された光の波長は任意である。また、半導体発光装置110から出射する光の色は、白色の他、任意の色とすることができる。
【0035】
本具体例では、発光部10dは、半導体積層体10の第2主面10aの側の第1電極14及び第2電極15を除く部分に設けられた保護層18をさらに含む。保護層18は、半導体積層体10の端部を覆う。保護層18には、絶縁材料を用いることができる。これにより、例えば、第1電極14と第2電極15との間の絶縁性が向上する。保護層18は、半導体積層体10の端部の全部を覆うこともできる。また、保護層18は、半導体積層体10の端部の一部を覆うこともできる。この保護層18には、例えば酸化シリコンなどを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、保護層18には任意の絶縁材料を用いることができる。また、保護層18は必要に応じて設けられ、場合によっては省略できる。
【0036】
第2電極15は積層構造を有することができる。例えば、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層(図示しない)を含むことができる。これにより、発光層13から放出され、第2主面10aの側に進行する光が反射層で反射され、光を光学層60の側に効率良く進行させることができる。
【0037】
本具体例では、第1導電部30aは、第1接続部32aをさらに含む。第1接続部32aは、絶縁層20の少なくとも一部を覆い、第1電極14と第1柱部31aとを電気的に接続する。第1接続部32aは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0038】
また、第2導電部30bは、第2接続部32bをさらに含むことができる。第2接続部32bは、第2電極15と第2柱部31bとを電気的に接続する。第2接続部32bは、例えばX−Y平面に沿って延在する部分を含むことができる。
【0039】
第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bには、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、及び、Al(アルミニウム)などの金属を用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1柱部31a、第1接続部32a、第2柱部31b及び第2接続部32bに用いられる材料は任意である。
【0040】
封止部50は、第1接続部32aの側面、第1柱部31aの側面、第2接続部32bの側面、及び、第2柱部31bの側面を覆う。封止部50には、例えばエポキシ樹脂などの樹脂を用いることができる。封止部50に用いられる樹脂は、例えば石英フィラーやアルミナフィラーなどのフィラーを含有することができる。これにより、封止部50の熱伝導率を上昇させることができ、これにより放熱性を高め、半導体積層体の温度上昇を抑制でき、発光効率を向上できる。
【0041】
第2半導体層12の第2主面10aの側の上記の一部12pと、第1柱部31aと、の間に設けられる絶縁層20には、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。
【0042】
半導体発光装置110においては、第1導電部30aの第1柱部31aが、絶縁層20を介して第2半導体層12の一部を覆う構成が採用されている。これにより、第1柱部31aの半導体積層体10とは反対側の端面(第1端面31ae)の面積は、第1電極14の面積よりも大きく設定される。
【0043】
発光部10dにおいては、高い放熱性や高い発光効率を得るために、半導体積層体10に設けられる2つの電極の一方の面積が大きく、他方が小さく設定される。本具体例では、n形半導体の第1半導体層11に接続される第1電極14の面積(Z軸方向からみたときの第1電極14の面積)は、p形半導体の第2半導体層12に接続される第2電極15の面積(Z軸方向からみたときの第2電極15の面積)よりも小さく設定されている。
【0044】
一方、半導体発光装置110の外部と、半導体発光装置110と、の電気的な接続は、第1導電部30a及び第2導電部30bを介して行われる。
このため、半導体発光装置110において良好な接続性を得るためには、封止部50から露出する第1導電部30aの第1端面31aeの面積、及び、封止部50から露出する第2導電部30bの第2端面31beの面積をできるだけ大きくすることが望ましい。また、第1端面31aeと第2端面31beとの間隔は、例えば、第1端面31aeの辺の長さ(例えばX軸方向に沿った辺の長さ)程度に広く設定されることが望ましい。
【0045】
半導体発光装置110が小型化され、その外形(特に、X−Y平面に対して平行な面の面積)が小さくなった場合において、良好な接続性を維持することが重要である。
【0046】
例えば、n形半導体の第1半導体層11に接続される第1電極14の面積が、p形半導体の第2半導体層12に接続される第2電極15の面積よりも小さく設定されており、第1電極14に接続される第1導電部30aの第1端面31aeの面積が第1電極14の面積と同じように小さい比較例においては、接続性が劣化する場合がある。このため、接続不良が発生し易い。また、接続性が劣化し易いことが、半導体発光装置110の小型化を妨げる。
【0047】
本実施形態に係る半導体発光装置110においては、第1半導体層11用の第1電極14に接続される第1導電部30aの第1柱部31aが、第2半導体層12と離間しつつ、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う。これにより、第1柱部31aの断面積(X−Y平面で切断したときの断面積)を、第1電極14の面積よりも大きくできる。そして、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pと、第1柱部31aと、の間に設けられた絶縁層20によって、第1柱部31aと第2半導体層12とが電気的に遮断される。このような構成を採用することで、第1電極14の面積が小さい場合においても、第1電極14に接続される第1柱部31a(第1導電部30a)の第1端面31aeの面積が大きくでき、良好な接続性を実現できる。
【0048】
このように、本実施形態に係る半導体発光装置110によれば、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0049】
このような構成の効果は、半導体発光装置110が小型化され、その外形(特に、X−Y平面に対して平行な面)が小さくなった場合において、特に効果的に発揮される。そして、第1電極14の面積が、第2電極15の面積よりも小さい場合に、特に効果的に発揮される。
【0050】
なお、半導体発光装置110を例えばプリント配線基板に搭載する場合、量産型のプリント配線基板の配線技術における精度から、第1端面31aeと第2端面31beとの間隔は、例えば200マイクロメートル(μm)以上とすることが望ましい。ただし、実施形態はこれに限らず、第1端面31aeと第2端面31beとの間隔は任意である。
【0051】
また、第1導電部30aの側面と半導体発光装置110の外面との距離、及び、第2導電部30bの側面と半導体発光装置110の外面との距離は、例えば、封止部50に用いられる樹脂に含まれるフィラーの径以上とすることが望ましい。例えば、第1端面31aeと、半導体発光装置110の外面(Z軸方向に沿った面)と、の距離、及び、第2端面31beと、半導体発光装置110の外面(Z軸方向に沿った面)と、の距離は、一般的な熱硬化性樹脂の場合には例えば50μm以上とすることが望ましい。ただし、実施形態はこれに限らず、第1端面31aeと半導体発光装置110の外面との距離、及び、第2端面31beと半導体発光装置110の外面との距離は、任意である。
【0052】
半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面の大きさは、下面電極タイプの電子部品の最小サイズとされることができる。例えば、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、600μm×300μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば600μm×300μm×300μmの直方体とすることができる。また、半導体発光装置110のX−Y平面に平行な面は、1000μm×500μmの長方形とすることができる。例えば、半導体発光装置110の外形は、例えば1000μm×500μm×500μmの直方体とすることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、半導体発光装置110のX−Y平面に対して平行な面の大きさ及び形状、並びに、半導体発光装置110の大きさ及び形状は、任意である。
【0053】
本実施形態に係る半導体発光装置110においては、第1導電部30a(例えば第1柱部31a)及び第2導電部30b(例えば第2柱部31b)の断面積(X−Y平面で切断した時の断面積)を大きくすることができる。すなわち、発光部10dにおいて熱の放熱経路である第1導電部30a及び第2導電部30bの断面を大きくすることができる。第1導電部30a(例えば第1柱部31a)及び第2導電部30b(例えば第2柱部31b)として、熱伝導率が高い例えば金属を用いることで、半導体積層体10において発生する熱の放熱経路の熱抵抗が小さくなり、放熱性が高まる。
【0054】
なお、半導体発光装置110と接続される例えばプリント配線板と、半導体発光装置110と、の電気的な接続は、第1導電部30aの第1端面31aeとプリント配線板の電極との間、及び、第2導電部30bの第2端面31beとプリント配線板の電極との間、を例えばはんだ材を用いて接続することによって行われる。はんだ材の熱伝導率は、第1導電部30a及び第2導電部30bに用いられる例えば銅の熱伝導率の1/7程度と小さい。このため、放熱性を高めるためには、はんだ接合部の断面積を大きくすることが効果的である。
【0055】
本実施形態に係る半導体発光装置110においては、第1導電部30aの第1端面31aeの面積、及び、第2導電部30bの第2端面31beの面積を大きくすることができるので、はんだ接合部の断面積が大きくできる。このため、半導体発光装置110の構成により、放熱性が向上できる。
【0056】
半導体積層体10の厚さは、例えば5μm以上6μm以下程度と薄く、さらに、半導体積層体10の熱伝導率は金属よりも低い。このため、発光層13で発生した熱のうちの一部が、半導体積層体10中をX−Y平面に沿った方向に伝わり、半導体積層体10において熱が蓄積され易く、発光層13では温度が上昇し易い。
【0057】
このとき、本実施形態に係る半導体発光装置110においては、発光層13に対向する位置(すなわち、第2半導体層12に対向する位置)に、熱伝導率が高い第2導電部30bを設けることで、半導体積層体10で発生する熱を、効率的にZ軸方向及びX−Y平面方向に伝導させ、発光層13の昇温を抑制することができる。また、発光層13の温度を均一化することができる。
【0058】
なお、第1導電部30a及び第2導電部30bの熱伝導経路の断面積を大きくするほど、放熱効果は大きくなる。例えば、第1柱部31aの断面積(第1柱部31aをX−Y平面で切断したときの断面積)及び第2柱部31bの断面積(第2柱部31bをX−Y平面で切断したときの断面積)を大きくするほど放熱効果が大きくなる。また、第1接続部32a及び第2接続部32bを設ける場合は、第1接続部32a及び第2接続部32bの厚さ(Z軸方向に沿った厚さ)を大きくするほど放熱効果が大きくなる。
【0059】
このように、本実施形態に係る半導体発光装置110によれば、さらに、放熱性を向上でき、発光効率が向上でき、信頼性を向上できる。
【0060】
以下、半導体発光装置110の構成の例についてさらに説明する。
半導体発光装置110のX軸方向に沿った辺の長さは、例えば600μmとすることができる。半導体発光装置110のY軸方向に沿った辺の長さは、例えば300μmとすることができる。以下では、半導体発光装置110のX軸方向に沿った辺の長さが600μmであり、Y軸方向に沿った辺の長さが300μmである場合についての構成の例について説明する。
【0061】
第1半導体層11のX軸方向に沿った辺の長さは、例えば570μmとすることできる。また、第1半導体層11のY軸方向に沿った辺の長さは、例えば270μmとすることができる。
【0062】
なお、X軸方向は、第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向に沿った、半導体積層体10の辺の方向とされている。
X軸方向(第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向)に沿った半導体発光装置110の長さは、Y軸方向(第1柱部31aから第2柱部31bに向かう方向と、第2主面10aから第1主面10bに向かう方向と、に対して直交する方向)に沿った半導体発光装置110の長さよりも長く設定することができる。
【0063】
また、X軸方向に沿った第1半導体層11の長さは、Y軸方向に沿った第1半導体層11の長さよりも長く設定することができる。
これにより、X軸方向に沿って第1端面31aeと第2端面31beとを配置したときにおいて、第1端面31aeのサイズと第2端面31beのサイズと、を大きく設定できる。これにより、電極の接続性がより向上できる。
【0064】
蛍光体層61には、例えば、光を吸収し、その光の波長よりも長い波長を有する光を放出する蛍光体の粒子を混合した樹脂を用いることができる。この蛍光体は、例えば、青色光、紫光、及び、紫外光の少なくともいずれかの光を吸収し、その光よりも長い波長を有する光を放出する。また、蛍光体が混合される樹脂には、例えばシリコーン樹脂が用いられる。蛍光体層61の厚さは、例えば200μmとされる。蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂には、例えば、屈折率が約1.5のメチルフェニルシリコーンを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、蛍光体層61に含まれる樹脂及び蛍光体は任意である。
【0065】
なお、既に説明したように、第2電極15は、導電層と、その導電層と第2半導体層12との間に設けられた反射層を含むことができる。この反射層は、例えばAg及びAlの少なくともいずれかを含有することができる。この反射層の厚さは、例えば0.3μmとすることができる。この反射層は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けることができる。これにより、発光層13から放出された発光光を効率的に第1主面10bに向けて反射することができる。ただし、反射層が設けられる領域は、任意であり、例えば、反射層は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部の領域に設けても良い。
【0066】
また、第2電極15は、上記の反射層と、第2半導体層12と、の間に設けられたコンタクト電極層をさらに含んでも良い。このコンタクト電極層は、例えば、Au層(金層)と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層(ニッケル層)と、を含むことができる。なお、Ni層の厚さは0.1μmとすることができ、Au層の厚さは0.1μmとすることができる。
【0067】
第1電極14は、例えば、Au層と、Au層と第1半導体層11との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第1電極14は、例えば、第1半導体層11の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第1電極14が設けられる領域は任意であり、第1電極14は第1半導体層11の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
なお、第1電極14は、導電層と、導電層と第1半導体層11との間に設けられた反射層と、を含んでも良い。このように、第1電極14は積層構造を有することができる。
【0068】
第2電極15の導電層は、例えば、Au層と、Au層と第2半導体層12との間に設けられたNi層と、を含むことができる。このAu層の厚さは例えば0.1μmとすることができ、このNi層の厚さは0.1μmとすることができる。第2電極15は、例えば、第2半導体層12の第2主面10aの側の実質的に全部の領域に設けられることができる。ただし、第2電極15が設けられる領域は任意であり、第2電極15は第2半導体層12の第2主面10aの側の少なくとも一部に設けられる。
【0069】
第1導電部30aに含まれる第1接続部32aには、例えばCu等の金属が用いられる。第1接続部32aは、第1層と、第2層と、を含むことができる。第1層は、第2層と第1電極14との間に設けられる。すなわち、第1層は第1電極14に接する。第1層は、例えばシード層であり、第2層は、例えばメッキ層である。第1層の面積は、第1電極14の面積と同等か、第1電極14の面積以下とすることができる。第2層の面積は、例えば、250μm×150μmとすることができる。第1層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第2層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0070】
第2導電部30bに含まれる第2接続部32bには、例えばCu等の金属が用いられる。第2接続部32bは、第3層と、第4層と、を含むことができる。第3層は、第4層と第2電極15との間に設けられる。すなわち、第3層は第2電極15に接する。第3層は、例えばシード層であり、第4層は、例えばメッキ層である。第3層は、第1層と同層であり、第3層には、第1層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第4層は第2層と同層であり、第4層には、第2層に用いられる材料と同じ材料を用いることができる。第3層の面積は、第2電極15の面積と同等か、第2電極15の面積以下とすることができる。第4層の面積は、例えば、250μm×350μmとすることができる。第3層の厚さは、例えば約1μmとすることができる。第4層の厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0071】
ただし、第1〜第4層の面積、形状及び厚さは任意である。また、第1接続部32a及び第2接続部32bは、単層の薄膜でも良く、上記のように、積層膜でも良い。また、第1接続部32aは、第1層及び第2層に積層された他の層をさらに有しても良い。また、第2接続部32bは、第3層及び第4層に積層された他の層をさらに有しても良い。
【0072】
第1柱部31aには、例えばCu等の金属を用いることができる。第1柱部31aのX−Y平面で切断したときの断面は、例えば、200μm×150μmの長方形とすることができる。第1柱部31aの厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば60μm程度とすることができる。第1接続部32aによって、第1電極14と第1柱部31aとが電気的に接続される。
【0073】
第2柱部31bには、例えばCu等の金属を用いることができる。第2柱部31bのX−Y平面で切断したときの断面は、例えば、200μm×150μmの長方形とすることができる。第2柱部31bの厚さ(Z軸方向に沿った長さ)は、例えば60μm程度とすることができる。第2接続部32bによって、第2電極15と第2柱部31bとが電気的に接続される。
【0074】
第1柱部31a及び第2柱部31bに用いられる材料、断面の形状、断面積及び厚さは上記に限らず任意である。
【0075】
封止部50には、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。封止部50の厚さは、第1柱部31a及び第2柱部31bの厚さと同程度であり、例えば、60μm程度である。封止部50は、第1導電部30aの第1端面31ae、及び、第2導電部30bの第2端面31beを露出しつつ、第1導電部30aの側面(第1柱部31aの側面及び第1接続部32aの側面)、及び、第2導電部30bの側面(第2柱部31bの側面及び第2接続部32bの側面)を覆う。封止部50は、さらに、第1接続部32a及び第2接続部32bの半導体積層体10とは反対側の面を覆うことができる。さらに、封止部50は、半導体積層体10の第2主面10aの側の全体を覆うことができる。
【0076】
なお、後述するように、封止部50は、第1封止層と第2封止層とを含むことができる。第1封止層は、第2封止層と半導体積層体10との間に設けられる。このように、封止部50は、2層構造を有することができる。第1封止層には、例えばポリイミドを用いることができる。第2封止層には、例えばエポキシ系熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0077】
以下、半導体発光装置110の製造方法の例について説明する。
図2(a)〜図2(e)、図3(a)〜図3(e)、及び、図4(a)〜図4(e)は、第1の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
本製造方法は、複数の半導体発光装置110をウェーハレベルで一括して製造する方法である。
【0078】
図2(a)に表したように、半導体積層体10が形成された基板10sが用いられる。なお、基板10sには、例えばサファイア基板が用いられる。基板10sのサイズは、例えば直径が4インチであり、基板10sの厚さは、例えば500μm程度である。なお、半導体積層体10の形成方法は、例えば以下である。すなわち、基板10s上に、窒化物半導体の、第1半導体層11となる結晶膜、発光層13となる結晶膜、及び、第2半導体層12となる結晶膜が、エピタキシャル成長され、これらの結晶膜が、例えばRIE(Reactive Ion Etching)処理によりエッチングされ、第2主面10aの側に第1半導体層11の一部を露出させる。さらに、これらの結晶膜が、例えばRIE処理により加工され、個別化され、複数の半導体積層体10が形成される。
【0079】
次に、図2(b)に表したように、半導体積層体10の第2主面10aに、第1電極14及び第2電極15となる膜を形成し、所定の形状にこの膜を加工し、第1電極14及び第2電極15を形成する。さらに、保護層18を形成する。なお、図2(b)においては、煩雑さを避けるために、保護層18は図示されていない。
【0080】
具体的には、例えば、半導体積層体10の第2主面10aに、コンタクト電極層となる膜を形成する。すなわち、厚さが0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。これにより、コンタクト電極層となる膜が形成される。Ni膜及びAu膜の形成には例えばスパッタ法を用いることができる。さらに、このAu膜の上に、反射層となる層が形成される。すなわち、反射層として、Ag及びAlの少なくともいずれかを含む、例えば厚さが0.3μmの膜が形成される。この場合にもスパッタ法を用いることができる。これにより、反射層となる膜が形成される。
【0081】
さらに、反射層となる膜の上に、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜が形成される。すなわち、反射層となる膜の上に、例えば0.1μmのNi膜を形成し、その上に厚さが0.1μmのAu膜を形成する。このNi膜及びAu膜の形成にも、例えばスパッタ法を用いることができる。
【0082】
上記のコンタクト電極層となる膜、反射層となる膜、第1電極14及び第2電極15の導電層となる導電膜を所定の形状に加工する。これにより、第1電極14及び第2電極15が形成される。なお、上記の各膜の加工には、例えばリフトオフ法などの任意の方法を用いることができる。なお、コンタクト電極層、反射層、及び、第1電極14の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。また、コンタクト電極層、反射層、及び、第2電極15の導電層は、互いに異なるパターン形状を有することができる。
【0083】
さらに、第1電極14の少なくとも一部を除く領域、及び、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に、保護層18となる、例えば、厚さが0.3μmのSiO膜を例えばCVD法により形成し、例えばドライエッチングやウエットエッチングによって加工し、保護層18を形成する。
【0084】
次に、図2(c)に表したように、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20を形成する。この絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部を除く領域、及び、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に形成される。なお、本具体例では、絶縁層20は、複数の半導体積層体10どうしの間にも設けられる。
【0085】
絶縁層20には、例えばポリイミドやPBO(ポリベンゾオキサゾール)が用いられる。すなわち、例えば、半導体積層体10の第2主面10aの全面に、絶縁層20となるポリイミド膜を形成し、例えばマスクを用いた露光と、現像と、を行うことにより、選択的に絶縁層20を形成する。加工された絶縁層20は、必要に応じてベーキングされる。
【0086】
そして、この後、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜を形成する。この導電膜は、第2導電部30bの少なくとも一部となることもできる。さらに、この導電膜は、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように、形成されることができる。具体的には以下の処理が行われる。
【0087】
すなわち、図2(d)に表したように、例えば、基板10sの第2主面10aの側の全面に、第1接続部32aの第1層、及び、第2接続部32bの第3層、となるシード層33を形成する。シード層33は、例えば、蒸着法やスパッタ法などの物理的被着法により形成される。シード層33は、後述するメッキ工程における給電層として機能する。シード層33には、例えば、Ti膜とCu膜との積層膜を用いることができる。なお、シード層33のTi層により、Cu膜と、レジストやパッド(第1電極14及び第2電極15)と、の密着強度を高めることができる。Ti層の厚さは、例えば0.2μm程度とされる。一方、シード層33のCu膜は、主に給電に寄与する。Cu膜の厚さは、0.2μm以上とすることが望ましい。
【0088】
次に、図2(e)に表したように、第1接続部32aに対応する領域、及び、第2接続部32bに対応する領域以外の領域に、第1レジスト層37を形成する。第1レジスト層37には、例えば、感光性の液状レジストやドライフィルムレジストを用いることができる。第1レジスト層37は、まず、第1レジスト層37となる膜を形成した後に、所定の開口部を有する遮光マスクを用いた露光と、現像と、を実施することにより形成される。なお、必要に応じて第1レジスト層37はベーキングされる。
【0089】
次に、図3(a)に表したように、第1レジスト層37が設けられていない領域に、第1接続部32aの第2層、及び、第2接続部32bの第4層、となる接続部導電膜32fを形成する。接続部導電膜32fは、例えば、電気メッキ法により形成される。電気メッキ法においては、例えば、硫酸銅と硫酸とからなるメッキ液中に、上記の被加工体が設けられた基板10sを浸漬し、シード層33と直流電源の負極とを接続し、基板10sの被メッキ面と対向するように設置したアノードとなるCu板と直流電源の陽極とを接続する。そして、負極と陽極との間に電流を通電し、Cuのメッキを行う。メッキ工程において、メッキ膜の厚さは時間の経過と共に増加し、メッキ膜の厚さが必要な厚さに達したときに通電が停止されてメッキが完了する。これにより、メッキ膜からなる接続部導電膜32fが、第1レジスト層37の開口部に形成される。
【0090】
第1電極14に対応する位置のシード層33(第1層)と、第1電極14に対応する位置の接続部導電膜32f(第2層)と、が第1接続部32aとなる。第2電極15に対応する位置のシード層33(第3層)と、第2電極15に対応する位置の接続部導電膜32f(第4層)と、が第2接続部32bとなる。
【0091】
第1接続部32aが、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に形成された、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜に相当する。そして、本具体例では、この導電膜となるシード層33及び接続部導電膜32fは、第2導電部30bの少なくとも一部となる導電膜にもなる。さらに、この導電膜となるシード層33及び接続部導電膜32fは、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように形成されている。
【0092】
この後、第1接続部32a(第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に形成された、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜)の上に、第1柱部31aを形成する。具体的には、例えば以下の処理が行われる。
【0093】
図3(b)に表したように、第1柱部31aに対応する領域、及び、第2柱部31bに対応する領域以外の領域に第2レジスト層38を形成する。第2レジスト層38に用いられる材料、及び、第2レジスト層38の形成には、第1レジスト層37に関して説明した材料及び方法を採用することができる。
【0094】
次に、図3(c)に表したように、第2レジスト層38が設けられていない領域に、第1柱部31a及び第2柱部31bとなる柱部導電膜31fを形成する。柱部導電膜31fも、例えば、電気メッキ法により形成される。柱部導電膜31fの形成には、接続部導電膜32fの形成に関して説明した材料及び方法を適用することができる。第1接続部32aに接続される部分の柱部導電膜31fが第1柱部31aとなり、第2接続部32bに接続される部分の柱部導電膜31fが第2柱部31bとなる。
【0095】
次に、図3(d)に表したように、第1レジスト層37及び第2レジスト層38を除去する。さらに、露出したシード層33を、例えば、酸洗浄により除去する。なお、接続部導電膜32fに覆われているシード層33は、第1層及び第3層として残存し、それぞれ第1接続部32a及び第2接続部32bに含まれる。
【0096】
次に、図3(e)に表したように、基板10sの第2主面10aの側の面に、封止部50となる樹脂層50fを形成する。樹脂層50fには、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば、印刷等の手法によって、第1柱部31a及び第2柱部31bが埋没する程度の厚さで、基板10sの第2主面10aの側の面に樹脂層50fとなる膜を形成し、加熱して硬化させ樹脂層50fを形成する。樹脂層50fの硬化の際の加熱条件は、例えば、150℃程度で2時間程度とされる。
【0097】
次に、図4(a)に表したように、樹脂層50fの表面を研削し、第1柱部31a及び第2柱部31bを露出させる。これにより、封止部50が形成される。なお、この研削において、樹脂層50fの研削と共に、第1柱部31aの一部と、第2柱部31bの一部と、を研削することができ、これにより、第1柱部31aの第1端面31ae、及び、第2柱部31bの第2端面31beは、封止部50の第2主面10aとは反対の側の面を含む面内に配置される。
【0098】
なお、上記の研削には、例えば、回転研磨ホイールを用いることができる。回転研削によって、平坦性を確保しながら研削を実施することができる。なお、研削後に、必要に応じて、乾燥が行われる。
【0099】
次に、図4(b)に表したように、半導体積層体10から基板10sを除去する。すなわち、例えば、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10に含まれる層(例えばGaN層)にレーザ光を照射し、この層の少なくとも一部を分解することで、半導体積層体10から基板10sを分離する。このレーザ光には、例えば、GaNの禁制帯幅に基づく禁制帯幅波長よりも短い波長を有するレーザ光を用いることができる。例えば、Nd:YAGの三倍高調波レーザを用いることができる。ただし、用いられるレーザ光は任意である。
【0100】
次に、図4(c)に表したように、本具体例では、半導体積層体10の第1主面10bに、光学層60の一部となる透光部62を形成する。すなわち、半導体積層体10の第1主面10bに、例えば、液状の透明樹脂層を印刷等によって塗布し、所定の形状を有する型をこの透明樹脂層に押し付け、透明樹脂層を所定の形状に変形させた後に、型を離型し、必要に応じて加熱及び紫外線照射の少なくともいずれかの処理を施して硬化させ、透光部62を形成する。この方法を採用することにより、所望の形状を有する型を用いることで任意の形状を有する透光部62を容易に形成することができる。
【0101】
次に、図4(d)に表したように、透光部62を覆うように蛍光体層61となる蛍光体膜61fを形成する。蛍光体膜61fは、例えば、蛍光体の粒子と、シリコーン樹脂と、が混合された樹脂材料を、透光部62を覆うように、スピンコートまたは印刷により塗布し、その後、樹脂材料を加熱硬化して形成される。この樹脂材料には、例えば、150℃で1時間の加熱により硬化する材料が用いられる。
【0102】
そして、図4(e)に表したように、封止部50となる樹脂層50f、及び、蛍光体層61となる蛍光体膜61fを切断し、複数の半導体積層体10のそれぞれを分離する。これにより、複数の半導体発光装置110が一括して製造できる。なお、上記の切断には、例えばダイサによるダイシング法を採用することができる。
【0103】
上記の製造方法においては、ウェーハレベルで一括して、電極、封止部及び光学層を形成することができ、生産性が高い。また、ウェーハレベルでの検査も可能となる。これにより生産性高く半導体発光装置を製造できる。また、リードフレーム、導電性基板及びボンディングワイヤなどのような部材を必要としないため、小型化が容易にできる。また、低コスト化も可能になる。
【0104】
なお、図4(b)に関して説明した、半導体積層体10から基板10sを分離する工程において、絶縁層20となる膜に高い温度が加わる場合があることがある。すなわち、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10にレーザ光を照射する際に、絶縁層20となる膜が加熱されることがある。このときの加熱による絶縁層20となる膜の劣化を抑制するために、絶縁層20となる膜には、耐熱性の高い材料を用いることが望ましい。
【0105】
例えば、絶縁層20には、封止部50に用いられる樹脂よりも耐熱性が高い樹脂を用いることが、より望ましい。すなわち、絶縁層20の熱分解温度は、封止部50の熱分解温度よりも高いことが、より望ましい。例えば、絶縁層20には、熱分解温度が380℃程度以上のポリイミドを用いることができ、封止部50には、例えば、熱分解温度が280℃以上300℃以下程度のエポキシ樹脂を用いることができる。なお、熱分解温度は、例えば、加熱によって重量が一定の割合(例えば5パーセント)で減少するときの温度を採用することができる。
【0106】
また、絶縁層20となる膜がフィラーを含んだ場合においては、絶縁層20となる膜に加わる高温によってフィラーに起因した不良が発生することがある。この不良を抑制するため、絶縁層20に含まれるフィラーの含有率は、封止部50に含まれるフィラーの含有率よりも低く設定されることが望ましい。例えば、絶縁層20には、実質的にフィラーを含まないポリイミドを用いることができる。
【0107】
図5(a)〜図5(c)、及び、図6(a)〜図6(c)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0108】
図5(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110aにおいては、透光部62が凸レンズの形状を有している。
【0109】
さらに、透光部62の厚さが一定であっても良い。すなわち、透光部62は、レンズ作用を有する他、半導体積層体10の温度上昇を抑制する作用を有することもできる。すなわち、蛍光体層61においては、波長変換の際に一部のエネルギーが吸収され発熱するが、透光部62を蛍光体層61と半導体積層体10との間に設けることで、蛍光体層61を半導体積層体10から離すことができ、半導体積層体10の温度の上昇を抑制できる。
このように、透光部62の形状は任意である。
【0110】
図5(b)に表したように、別の半導体発光装置110bにおいては、光学層60には、蛍光体層61が設けられているが、透光部62が設けられていない。このように、透光部62は、必要に応じて設けられる。
【0111】
図5(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110cにおいては、光学層60は、蛍光体を含む蛍光体層61と、蛍光体層61の半導体積層体10とは反対側に設けられた硬質膜63と、を有する。硬質膜63は、蛍光体層61の硬度よりも高い硬度を有する。硬質膜63は透光性を有する。硬質膜63には、例えば硬度の高いシリコーン樹脂を用いることができる。硬質膜63の形成には、例えば、スピンコート法または印刷法を採用できる。また、硬質膜63には、例えば窒化シリコンや酸化シリコンなどを用いることができる。この場合には、硬質膜63は、例えばスパッタなどの方法によって形成される。ただし、硬質膜63の材料及び形成方法は任意である。
【0112】
硬質膜63を設けることで、半導体発光装置110cの発光面(光学層60の側の面)において高い硬度が得られるため、例えば、半導体発光装置110cのハンドリングが容易になる。
【0113】
例えば、蛍光体層61に用いられるシリコーン樹脂の硬度が低い場合において、光学層60の最表面(半導体積層体10から最も離れた面)に蛍光体層61が露出していると、例えば、半導体発光装置をコレットでピックアップする際に、蛍光体層61がコレットに密着し適切な実装が行われ難い場合がある。このとき、蛍光体層61よりも硬度が高い硬質膜63を蛍光体層61の上に設けることで、良好な実装がより実施し易くなる。
【0114】
図6(a)、図6(b)及び図6(c)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置110d、110e及び110fにおいては、第1接続部32a及び第2接続部32bが設けられていない。この場合にも、第1柱部31aと、第2半導体層12と、の間に絶縁層20が設けられ、絶縁層20を介して、第1柱部31aの一部は、第2半導体層12の一部12pに対向している。これにより、第1導電部30aの第1端面31aeの面積は、第1電極14の面積よりも大きくできる。半導体発光装置110d、110e及び110fによっても電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置が提供できる。
【0115】
なお、図6(a)に例示した半導体発光装置110dにおいては、透光部62は、凸レンズの形状を有しているが、半導体発光装置110のように、透光部62の形状を凹レンズの形状としても良い。また、透光部62の厚さは一定としても良い。
【0116】
なお、図6(b)に例示した半導体発光装置110eは、透光部62が省略される例であり、図6(c)に例示した半導体発光装置110fは、図5(c)に関して説明した硬質膜63が設けられる例である。
【0117】
(第2の実施の形態)
図7(a)及び図7(b)は、第2の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図7(b)は模式的平面図であり、図7(a)は、図7(b)のB−B’線断面図である。
【0118】
図7(a)及び図7(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置120においては、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beと、は非対称である。これ以外は、半導体発光装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0119】
本具体例では、第1導電部30aの第1端面31aeの第2導電部30b側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。一方、第2導電部30bの第2端面31beの第1導電部30aとは反対側の2つの角部に、X軸方向に対して傾斜した斜めの辺が設けられている。すなわち、第1端面31aeの形状と、第2端面31beの形状と、は互いに、並進の関係を有するが、非対称の関係を有する。すなわち、第1端面31aeと第2端面31beとは、Y軸方向に平行な軸に関して線対称でない。
【0120】
このような構成により、半導体発光装置120がZ軸方向に関して回転された場合においても、第1導電部30aと第2導電部30bとが互いに判別できる。
【0121】
半導体発光装置120によれば、電極の接続性を高く維持し、小型化に適し、さらに、小型化したときに特に問題となり易い、電極の判別が容易な半導体発光装置が提供できる。
【0122】
図8(a)〜図8(c)及び図9(a)〜図9(c)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的平面図である。
これらの図は、Z軸方向に沿って半導体発光装置をみたときの、第1端面31ae及び第2端面31beの形状を例示している。
【0123】
図8(a)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置120aにおいては、第1端面31aeの大きさは、第2端面31beの大きさよりも小さい。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0124】
なお、このように、第1端面31aeの大きさを第2端面31beの大きさとは異ならせる場合には、p形半導体層に接続される電極の端面を、n形半導体層に接続される電極の端面のよりも大きくすることが望ましい。p形半導体層の方がn形半導体層よりも高温になり易いため、この構成を採用することで、高温になり易いp形半導体層の熱をより放熱し易くできる。
【0125】
図8(b)に表したように、別の半導体発光装置120bにおいては、第1端面31aeは4つの端面を含む。すなわち、第1端面31aeは、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む。一方、第2端面31beは1つである。このように、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とを異ならせることができる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。なお、本具体例においては、第1〜第4サブ端面31ae1〜31ae4を含む第1端面31aeの全体の形状は、第2端面31beの形状と、線対称または点対称の関係を有しているが、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なることで、第1端面31aeと第2端面31beとは非対称とされる。
【0126】
図8(c)に表したように、別の半導体発光装置120cにおいては、第1端面31aeは1つである。一方、第2端面31beは、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2の2つの面を含む。このように、この場合も、第1端面31aeに含まれる面の数と、第2端面31beに含まれる面の数とが異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。なお、本具体例においては、第1端面31aeの形状は、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体の形状と、非対称である。なお、本具体例においては、第2半導体層12に接続され、第5及び第6サブ端面31be1及び31be2を含む第2端面31beの全体の面積は、第1半導体層11に接続される第1端面31aeの面積よりも大きく設定されている。
【0127】
図9(a)に表したように、別の半導体発光装置120dにおいては、第1端面31aeは円形であり、第2端面31beは長方形である。このように、第1端面31aeのパターン形状と、第2端面31beのパターン形状と、が異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0128】
図9(b)に表したように、別の半導体発光装置120eにおいては、第1端面31aeは6角形であり、第2端面31beは四角形である。このように、第1端面31aeのパターン形状と、第2端面31beのパターン形状と、が異なる。これによって、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。さらに、本具体例では、第1端面31aeは、異方性を有する多角形のパターン形状を有している。パターン形状が異方性を有することから、そのパターン形状から電流の流れる方向を直感的に把握することも可能になり、これによって、第1端面31aeと第2端面31beとがより判別し易くできる。
【0129】
図9(c)に表したように、別の半導体発光装置120fにおいては、第1端面31aeの半導体発光装置の外形に対する配置と、第2端面31beの半導体発光装置の外形に対する配置と、が非対称である。すなわち、本具体例では、第1端面31aeの辺と外形の1つの辺との間の距離が、第2端面31beの辺と外形の1つの辺との間の距離よりも短く設定されている。このように、第1端面31aeの配置(例えば半導体発光装置の外形に対する配置)と、第2端面31beの配置(例えば半導体発光装置の外形に対する配置)と、を非対称にすることで、第1端面31aeと第2端面31beとが判別できる。
【0130】
このように、第1端面31aeと第2端面31beとが非対称であることは、例えば、第1端面31aeの大きさが、第2端面31beの大きさとは異なる場合を含む。また、例えば、第1端面31aeの数が、第2端面31beの数とは異なる場合を含む。また、例えば、第1端面31aeのパターン形状が、第2端面31beのパターン形状とは異なる場合を含む。また、例えば、第1端面31aeの配置が、第2端面31beの配置と非対称である場合を含む。
【0131】
なお、上記の第1端面31aeと第2端面31beとが非対称である構成は、既に説明した実施形態のいずれかに係る半導体発光装置においても適用でき、同様の効果を発揮することができる。
【0132】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0133】
図10に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置130においては、第1導電部30aは、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeに設けられた第1表面層71aをさらに有し、第2導電部30bは、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beに設けられた第2表面層71bをさらに有する。これ以外は、半導体発光装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0134】
第1表面層71aは、例えば第1柱部31aに用いられる材料の濡れ性よりも高い濡れ性を有する。第2表面層71bは、例えば第2柱部31bに用いられる材料の濡れ性よりも高い濡れ性を有する。第1表面層71a及び第2表面層71bは、酸化防止層の機能を有することができる。
【0135】
第1表面層71a及び第2表面層71bには、例えば、水溶性プリフラックス、無電解Ni/Ajuメッキ、及び、AuSnメッキなどの少なくともいずれかの処理が行われた層を用いることができる。これにより、第1導電部30aの第1端面31ae、及び、第2導電部30bの第2端面31beにおけるはんだとの濡れ性が向上できる。これにより、半導体発光装置130の実装性が向上する。
【0136】
図11は、第3の実施形態に係る別の半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0137】
図11に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光装置131においては、第1導電部30aの半導体積層体10とは反対側の第1端面31aeに設けられた第1接続部材72aと、第2導電部30bの半導体積層体10とは反対側の第2端面31beに設けられた第2接続部材72bと、をさらに備える。これ以外は、半導体発光装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0138】
なお、本具体例では、第1導電部30aが第1表面層71aを有し、第2導電部30bが第2表面層71bを有しているが、第1表面層71a及び第2表面層71bは必要に応じて設けられ、場合によっては省略しても良い。
【0139】
第1接続部材72a及び第2接続部材72bには、はんだを用いることができる。半導体発光装置131においては、第1接続部材72a及び第2接続部材72bをさらに設けることで、半導体発光装置131の実装性がさらに向上する。
【0140】
上記の第1表面層71a及び第2表面層71b、並びに、第1接続部材72a及び第2接続部材72bは、既に説明した実施形態のいずれかに係る半導体発光装置においても設けることができ、同様の効果を発揮することができる。
【0141】
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0142】
図12に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置140においては、第1導電部30aの第1柱部31aは、第1柱部31aの側面に設けられた第1粗面化部31asを有している。そして、第2導電部30bの第2柱部31bは、第2柱部31bの側面に設けられた第2粗面化部31bsを有している。これ以外は、半導体発光装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0143】
第1粗面化部31as及び第2粗面化部31bsは、例えば、図3(d)に関して説明した工程において、第1レジスト層37及び第2レジスト層38を除去した後、第1柱部31aの側面及び第2柱部31bの側面を、ソフトエッチングすることで形成できる。このソフトエッチングには、例えば、過酸化水素―硫酸系のソフトエッチング液を用いることができる。
【0144】
また、第1粗面化部31as及び第2粗面化部31bsは、例えば、図3(c)に関して説明した工程において、第2レジスト層38の側面を粗面化し、第2レジスト層38の粗面化された側面の凹凸を、柱部導電膜31fに転写することで形成できる。
【0145】
第1柱部31aの側面に第1粗面化部31asを設け、第2柱部31bの側面に第2粗面化部31bsを設けることで、第1柱部31aと封止部50との密着性、及び、第2柱部31bと封止部50との密着性が向上し、信頼性が向上できる。
【0146】
第1粗面化部31as及び第2粗面化部31bsは、既に説明した実施形態のいずれかに係る半導体発光装置においても設けることができ、同様の効果を発揮することができる。
【0147】
(第5の実施の形態)
図13は、第5の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図は、図1(b)のA−A’線断面に相当する断面図である。
【0148】
図13に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置150においては、半導体積層体10が設けられていない領域において、封止部50が2層構造を有している。
【0149】
すなわち、封止部50は、光学層60の側の第1封止層51と、第1封止層51よりも光学層60から遠い第2封止層52と、を有する部分を有する。第1封止層51には、第2封止層52に用いられる材料とは異なる材料が用いられる。
【0150】
例えば、第1封止層51は、第2封止層52の耐熱性よりも高い耐熱性を有することができる。すなわち、第1封止層51の熱分解温度は、第2封止層52の熱分解温度よりも高い。例えば、第1封止層51には、熱分解温度が380℃程度以上のポリイミドを用いることができ、第2封止層52には、例えば、熱分解温度が280℃以上300℃以下程度のエポキシ樹脂を用いることができる。
【0151】
また、第1封止層51に含まれるフィラーの含有率は、第2封止層52に含まれるフィラーの含有率よりも低く設定されることができる。例えば、第1封止層51には、実質的にフィラーを含まないポリイミドを用いることができる。一方、第2封止層52には、フィラーを含むエポキシ樹脂を用いることができる。
【0152】
第1封止層51には、例えば、絶縁層20に用いられる材料と同じ材料を用いることができ、第1封止層51と、絶縁層20と、は一括して形成することができる。
【0153】
既に説明したように、半導体積層体10から基板10sを分離する工程において、半導体積層体10どうしの間の領域において、封止部50の内の半導体積層体10に近い部分に高温が加わる場合がある。すなわち、基板10sの半導体積層体10とは反対側の面から、基板10sを介して、半導体積層体10にレーザ光を照射する際に、半導体積層体10どうしの間の領域において、封止部50が加熱され、封止部50の半導体積層体10に近い部分が特に高温になる。このとき、封止部50を2層構造とし、第1封止層51の耐熱性を第2封止層52よりも高くすることで、この加熱による封止部50の特性の劣化が抑制できる。
【0154】
また、第1封止層51に含まれるフィラーの含有率を、第2封止層52に含まれるフィラーの含有率よりも低く設定することで、封止部50に加わる高温によってフィラーに起因した不良が発生することを抑制できる。
【0155】
なお、第1封止層51及び第2封止層52の積層構成は、既に説明した実施形態のいずれかに係る半導体発光装置においても設けることができ、同様の効果を発揮することができる。
【0156】
(第6の実施の形態)
図14(a)及び図14(b)は、第6の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式図である。
すなわち、図14(b)は模式的平面図であり、図14(a)は、図14(b)のC−C’線断面図である。
【0157】
図14(a)及び図14(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置160は、X−Y平面内(第2主面10aから第1主面10bに向かう方向であるZ軸方向に対して垂直な平面内)において、半導体積層体の少なくとも1つの辺に対向して設けられた周辺積層部10pをさらに備える。
【0158】
周辺積層部10pは、半導体積層体10に用いられる材料からなる。周辺積層部10pは、封止部50と光学層60とに覆われる。
【0159】
本具体例では、周辺積層部10pは、X−Y平面内において、半導体積層体10の4つの辺に対向して設けられる。すなわち、周辺積層部10pは、X−Y平面内において、半導体積層体10を取り囲んでいる。本具体例においては、周辺積層部10pのパターン形状は環状である。
【0160】
周辺積層部10pを設けることで、例えば図4(e)に関して説明した、例えばダイシングによる複数の半導体積層体10のそれぞれの分離の際に、半導体積層体10に加わる応力を低減できる。すなわち、ダイシングの際の衝撃が周辺積層部10pによって吸収され、衝撃が半導体積層体10に加わることが抑制できる。これにより、半導体積層体10に含まれる半導体層に欠陥が発生することが抑制され、高い発光効率を維持できる。
【0161】
本具体例は、周辺積層部10pがX−Y平面内において半導体積層体10を取り囲む例であるが、実施形態はこれに限らず、周辺積層部10pのパターン形状は任意である。例えば、周辺積層部10pは、半導体積層体10の4つの辺のそれぞれに対向する分断された4つの帯状のパターン形状を有していても良い。また、周辺積層部10pは、半導体積層体10の全ての辺に対向して設けられる必要はなく、周辺積層部10pは、半導体積層体10の少なくとも1つの辺に対向して設けられれば良い。また、周辺積層部10pは、半導体積層体10の少なくとも1つの辺の全ての長さに沿って設けられなくても良く、周辺積層部10pは、半導体積層体10の少なくとも1つの辺の少なくとも一部に対向して設けられれば良い。
【0162】
なお、このような周辺積層部10pは、既に説明した実施形態のいずれかに係る半導体発光装置に設けられることができ、同様の効果を発揮することができる。
【0163】
(第7の実施の形態)
図15は、第7の実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を例示するフローチャート図である。
本実施形態は、上記の実施形態に係るいずれかの半導体発光装置を製造する方法である。すなわち、本製造方法は、第1導電形の第1半導体層11と、第2導電形の第2半導体層12と、第1半導体層11と第2半導体層12との間に設けられた発光層13と、を含み、第1半導体層11の側の第1主面10bと第2半導体層12の側の第2主面10aとを有し、第2半導体層12及び発光層13が選択的に除去されて第2主面10aにおいて第1半導体層11の一部が露出した半導体積層体10と、第2主面10aの側において第1半導体層11に電気的に接続された第1電極14と、第2主面10aの側において第2半導体層12に電気的に接続された第2電極15と、を含む発光部10dと、第1電極14に電気的に接続された第1導電部30aであって、第2半導体層12と離間しつつ第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆い第2主面10aの上に立設された第1柱部31aを含む第1導電部30aと、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pと、第1柱部31aと、の間に設けられた絶縁層20と、第2電極15に電気的に接続され、第2主面10aの上に立設された第2柱部31bを含む第2導電部30bと、第1導電部30aの側面及び第2導電部30bの側面を覆う封止部50と、半導体積層体10の第1主面10bに設けられた光学層であって、発光層13から放出された発光光を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部(蛍光体層61)を含む光学層60と、を有する半導体発光装置の製造方法である。
【0164】
図15に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20を形成する(ステップS110)。すなわち、例えば、図2(c)に関して説明した処理を行う。
【0165】
なお、既に説明したように、絶縁層20は、第1電極14の少なくとも一部を除く領域、及び、第2電極15の少なくとも一部を除く領域に形成することができる。また、絶縁層20は、複数の半導体積層体10どうしの間にも設けることができる。
【0166】
そして、図15に表したように、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜を形成する(ステップS120)。すなわち、例えば、図2(d)、図2(e)及び図3(a)に関して説明した処理を行う。
【0167】
すなわち、ステップS120は、例えば、シード層33を形成する工程、第1接続部32aに対応する領域、及び、第2接続部32bに対応する領域以外の領域に、第1レジスト層37を形成する工程、並びに、第1レジスト層37が設けられていない領域に、第1接続部32aの第2層、及び、第2接続部32bの第4層、となる接続部導電膜32fを形成する工程を含むことができる。
【0168】
なお、既に説明したように、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜は、第2導電部30bの少なくとも一部となることもできる。さらに、この導電膜は、絶縁層20に覆われていない第1電極14の少なくとも一部と、絶縁層20に覆われていない第2電極15の少なくとも一部と、を覆うように、形成されることができる。
【0169】
これにより、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置を製造することができる。
【0170】
そして、既に説明したように、上記の絶縁層20の形成(ステップS110)と、上記の導電膜の形成(ステップS120)と、は、複数の半導体積層体10が設けられた基板10sにおいて、複数の半導体積層体10について一括して実施されることができる。これにより、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置を高い生産性で製造することができる。
【0171】
なお、本実施形態に係る製造方法は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に形成された、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜(第1接続部32a)の上に、第1柱部31aを形成する工程をさらに備えることができる。すなわち、図3(b)及び図3(c)に関して説明した処理をさらに実施することができる。
【0172】
また、図6(a)〜図6(c)に関して説明した半導体発光装置110d、110e及び110fのように、接続部導電膜32fが省略される場合には、ステップS120における第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に、第1導電部30aの少なくとも一部となる導電膜を形成する工程は、第2半導体層12の第2主面10aの側の一部12pを覆う絶縁層20の上に、第1柱部31aを形成する工程となる。この方法においても、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置を製造することができる。
【0173】
赤色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる赤色の蛍光体は、これに限定されない。
S:Eu、
S:Eu+顔料、
:Eu、
Zn(PO:Mn、
(Zn,Cd)S:Ag+In
(Y,Gd,Eu)BO
(Y,Gd,Eu)
YVO:Eu、
LaS:Eu,Sm、
LaSi:Eu2+
α−sialon:Eu2+
CaAlSiN:Eu2+
CaSiN:Eu2+
CaSiN:Ce2+
Si:Eu2+
CaAlSiN:Eu2+
(SrCa)AlSiN:EuX+
Sr(SiAl(ON):EuX+
【0174】
緑色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる緑色の蛍光体は、これに限定されない。
ZnS:Cu,Al、
ZnS:Cu,Al+顔料、
(Zn,Cd)S:Cu,Al、
ZnS:Cu,Au,Al,+顔料、
Al12:Tb、
(Al,Ga)12:Tb、
SiO:Tb、
ZnSiO:Mn、
(Zn,Cd)S:Cu、
ZnS:Cu、
ZnSiO:Mn、
ZnS:Cu+ZnSiO:Mn、
GdS:Tb、
(Zn,Cd)S:Ag、
ZnS:Cu,Al、
S:Tb、
ZnS:Cu,Al+In
(Zn,Cd)S:Ag+In
(Zn,Mn)SiO
BaAl1219:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn、
LaPO:Ce,Tb、
ZnSiO:Mn、
ZnS:Cu、
3(Ba,Mg,Eu,Mn)O・8Al
La・0.2SiO・0.9P:Ce,Tb、
CeMgAl1119:Tb、
CaSc:Ce、
(BrSr)SiO:Eu、
α−sialon:Yb2+
β−sialon:Eu2+
(SrBa)YSi:Eu2+
(CaSr)Si:Eu2+
Sr(SiAl)(ON):Ce 。
【0175】
青色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる青色の蛍光体はこれに限定されない。
ZnS:Ag、
ZnS:Ag+顔料、
ZnS:Ag,Al、
ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、
ZnS:Ag+In
ZnS:Zn+In
(Ba,Eu)MgAl1017
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO)6Cl:Eu、
Sr10(PO)6Cl:Eu、
(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al1017
10(Sr,Ca,Ba,Eu)・6PO・Cl
BaMgAl1625:Eu 。
【0176】
黄色の蛍光体として例えば以下が挙げられる。ただし、実施形態に用いられる黄色の蛍光体はこれに限定されない。
Li(Eu,Sm)W
(Y,Gd),(Al,Ga)12:Ce3+
LiSrSiO:Eu2+
(Sr(Ca,Ba))SiO:Eu2+
SrSiON2.7:Eu2+
【0177】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BInAlGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むものや、導電形などを制御するために添加される各種のドーパントのいずれかをさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0178】
以上説明したように、実施形態によれば、電極の接続性を高く維持し、小型化に適した半導体発光装置及びその製造方法を提供することができる。
【0179】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0180】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施の形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光部に含まれる半導体層、発光層、電極、導電層、反射層及びコンタクト電極層、並びに、半導体発光装置に含まれる導電部、柱部、接続部、絶縁層、封止部、封止層、光学層、波長変換部、蛍光体層、蛍光体、透光部及び硬質膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0181】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光装置及びその製造方法も、本発明の実施の形態の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0182】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0183】
10…半導体積層体、 10a…第2主面、 10b…第1主面、 10d…発光部、 10p…周辺積層部、 10s…基板、 11…第1半導体層、 12…第2半導体層、 12p…一部、 13…発光層、 14…第1電極、 15…第2電極、 18…保護層、 20…絶縁層、 20o1、20o2…第1及び第2開口部、 30a…第1導電部、 30b…第2導電部、 31a…第1柱部、 31ae…第1端面、 31ae1〜31ae4…第1〜第4サブ端面、 31as…第1粗面化部、 31b…第2柱部、 31be…第2端面、 31be1、31be2…第5及び第6サブ端面、 31bs…第2粗面化部、 31f…柱部導電膜、 32a…第1接続部、 32b…第2接続部、 32f…接続部導電膜、 33…シード層、 37…第1レジスト層、 38…第2レジスト層、 50…封止部、 50f…樹脂層、 51…第1封止層、 52…第2封止層、 60…光学層、 61…蛍光体層(波長変換部)、 61f…蛍光体膜、 62…透光部、 63…硬質膜、 71a、71b…第1及び第2表面層、 72a、72b…第1及び第2接続部材、 110、110a〜110f、120、120a〜120f、130、131、140、150、160…半導体発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、前記第1半導体層の側の第1主面と前記第2半導体層の側の第2主面とを有し、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出した半導体積層体と、
前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、
前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続された第2電極と、
を含む発光部と、
前記第1電極に電気的に接続された第1導電部であって、前記第2半導体層と離間しつつ前記第2半導体層の前記第2主面の側の一部を覆い前記第2主面に立設された第1柱部を含む前記第1導電部と、
前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部と、前記第1柱部と、の間に設けられた絶縁層と、
前記第2電極に電気的に接続された第2導電部であって、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、
前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、
前記半導体積層体の前記第1主面に設けられた光学層であって、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む前記光学層と、
を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1導電部は、
前記絶縁層の少なくとも一部を覆い、前記第1電極と前記第1柱部とを電気的に接続する第1接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面と、前記第2導電部の前記半導体積層体とは反対側の第2端面と、は、非対称であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1導電部は、前記第1導電部の前記半導体積層体とは反対側の第1端面に設けられ、前記第1柱部に用いられる材料の濡れ性よりも高い濡れ性を有する第1表面層をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第1柱部は、前記第1柱部の側面に設けられた第1粗面化部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記封止部は、前記光学層の側の第1封止層と、前記第1封止層よりも前記光学層から遠い第2封止層と、を含む部分を有し、
前記第1封止層は、前記第2封止層の耐熱性よりも高い耐熱性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に対して垂直な平面内において、前記半導体積層体の少なくとも1つの辺に対向して設けられ、前記半導体積層体に用いられる材料からなり、前記封止部と前記光学層とに覆われた周辺積層部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記光学層は、蛍光体を含む蛍光体層と、前記蛍光体層の前記半導体積層体とは反対側に設けられ前記蛍光体層の硬度よりも高い硬度を有する硬質膜と、を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項9】
第1導電形の第1半導体層と、第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた発光層と、を含み、前記第1半導体層の側の第1主面と前記第2半導体層の側の第2主面とを有し、前記第2半導体層及び前記発光層が選択的に除去されて前記第2主面において前記第1半導体層の一部が露出した半導体積層体と、前記第2主面の側において前記第1半導体層に電気的に接続された第1電極と、前記第2主面の側において前記第2半導体層に電気的に接続された第2電極と、を含む発光部と、前記第1電極に電気的に接続された第1導電部であって、前記第2半導体層と離間しつつ前記第2半導体層の前記第2主面の側の一部を覆い前記第2主面の上に立設された第1柱部を含む前記第1導電部と、前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部と、前記第1柱部と、の間に設けられた絶縁層と、前記第2電極に電気的に接続された第2導電部であって、前記第2主面の上に立設された第2柱部を含む第2導電部と、前記第1導電部の側面及び前記第2導電部の側面を覆う封止部と、前記半導体積層体の前記第1主面に設けられた光学層であって、前記発光層から放出された発光光を吸収し、前記発光光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換部を含む前記光学層と、を有する半導体発光装置の製造方法であって、
前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部を覆う前記絶縁層を形成し、
前記第2半導体層の前記第2主面の側の前記一部を覆う前記絶縁層の上に、前記第1導電部の少なくとも一部となる導電膜を形成することを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁層の形成と、前記導電膜の形成と、は、
複数の前記半導体積層体が設けられた基板において、前記複数の半導体積層体について一括して実施されることを特徴とする請求項9記載の半導体発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−258671(P2011−258671A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130519(P2010−130519)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】