説明

半導体素子の製造方法

【課題】被処理基板のエッチングにおける面内均一性を向上させるとともに、丸みのある滑らかな底面を有する素子分離用トレンチを形成することができる半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板51に素子分離用トレンチ59を形成するためのパターニングが施されたハードマスク57を形成する工程と、該ハードマスクをエッチング用マスクとして、希ガス、ハロゲンガス、および酸化性ガスを含むプロセスガスを供給し、所定の深さよりも浅い深さまでシリコン基板51をエッチングする第一工程と、該第一工程の後に、希ガス、ハロゲンガス、酸化性ガス、および堆積性ガスを含むプロセスガスを、シリコン基板51の中央領域および周縁領域にそれぞれ流量を制御して供給し、所定の深さD2までシリコン基板51をエッチングして素子分離用トレンチ59を形成する第二工程と、を備える製造方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シリコン基板上に素子分離用トレンチが設けられた半導体素子の製造方法に関するものであって、特に、プラズマを利用したエッチングによって素子分離用トレンチを形成する半導体素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、フラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read‐Only Memory)や大規模集積回路(LSI:Large Scale Integrated circuit)といった半導体素子の製造において、動作速度の高速化や低消費電力化を実現するために、製造プロセスのさらなる微細化が、求められている。製造プロセスのさらなる微細化を進めるに当たり、トランジスタ素子間の分離のために形成される素子分離構造の微細化が、大きな技術的課題となっている。素子分離構造の微細化を実現する一つの技術として、STI(Shallow Trench Isolation)が、従来から知られている。STIによる素子分離構造を備える半導体素子の製造方法として、特開2004−172488号公報が、開示されている。STIにおいては、プラズマを利用したプラズマエッチングによってシリコン基板に素子分離用トレンチを形成する方法が、広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−172488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
STIにおける素子分離用トレンチの形成方法について、図20を用いて説明する。図20は、従来の方法により素子分離用トレンチを形成した後の被処理基板Wを概略的に示す概略断面図である。なお、以下の説明において、幅方向とは、図における紙面左右方向に相当する方向を示す。
【0005】
従来の素子分離用トレンチを有する半導体素子の製造方法においては、まず、シリコン基板101をエッチングするためのハードマスク102を形成する。次に、ハードマスク102をマスクとし、シリコン基板101の主表面108から下方向へ向けてエッチングを行って素子分離用トレンチ103を形成する。そうすると、被処理基板Wは、図20に示す状態となる。この場合、素子分離用トレンチ103は、トレンチの幅方向両側に位置するトレンチ壁面105、106により構成される。そして、素子分離用トレンチ103の深さは、シリコン基板101の主表面108からエッチングにより最も下方向へ削れた部分である底端部104までに亘る深さDとなる。
【0006】
シリコン基板101に素子分離用トレンチ103を形成する工程においては、シリコンをエッチングするためのプロセスガスとして、Arガスと、HBrガスと、Oガスとを含むプロセスガスが、従来から広く用いられている。
【0007】
処理においては、被処理基板Wの中央領域と周縁領域とを均一に処理することが好ましい。すなわち、上記の素子分離用トレンチ103において、被処理基板Wの中央領域に形成された素子分離用トレンチ103の深さDと、被処理基板Wの周縁領域に形成された素子分離用トレンチ103の深さDとをできるだけ等しくすることが好ましい。ここで、従来のトレンチ形成方法によりArガス、HBrガス、およびOガスを含むプロセスガスを用いてシリコン基板をエッチングすると、被処理基板Wの中央領域と周縁領域とに形成される素子分離用トレンチ103の深さDが、大きく異なってしまうこととなる。具体的には、被処理基板Wの中央領域に形成された素子分離用トレンチ103の深さが、被処理基板Wの周縁領域に形成されたものよりも相対的に深くなる。すなわち、シリコン基板101のエッチング処理が、いわゆるセンターファースト(Center fast)となってしまう。この場合、シリコン基板101に対するエッチング処理がセンターファーストとなることを防ぐために、被処理基板Wの中央領域および周縁領域に供給するプロセスガスの流量比を変更しても、センターファーストの改善は困難であった。具体的には、被処理基板Wの中央領域に対して、周縁領域へのプロセスガスの供給量を大きくしても、依然としてセンターファーストの傾向は変わらず、その結果、処理における面内均一性を向上させることはできなかった。
【0008】
また、上記のようにArガス、HBrガス、およびOガスを含むプロセスガスを用いてシリコン基板をエッチングすると、図20に示すように、素子分離用トレンチ103の底端部104が尖った形状となってしまう。このようにトレンチ底面に底端部104が形成された状態のまま、この基板上に例えばトランジスタ素子等が形成されて駆動された場合、この底端部104において電界集中が起こり、基板上に形成されたトランジスタ素子等の電気特性の劣化を引き起こす原因となる。
【0009】
この発明の目的は、被処理基板における面内均一性を向上させるとともに、丸みのある滑らかな底面を有する素子分離用トレンチを形成することができる半導体素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、シリコン基板に所定の深さを有する素子分離用トレンチが形成された半導体素子の製造方法に関するものである。この発明は、シリコン基板に素子分離用トレンチを形成するためのパターニングが施されたハードマスクを形成する工程と、ハードマスクをマスクとしてシリコン基板をエッチングし、素子分離用トレンチを形成する工程とを備える。ここで、素子分離用トレンチを形成する工程は、希ガス、ハロゲンガス、および酸化性ガスを含むプロセスガスをシリコン基板に供給し、上記所定の深さよりも浅い深さまでシリコン基板をエッチングする第一工程と、第一工程の後に、希ガス、ハロゲンガス、酸化性ガス、および堆積性ガスを含むプロセスガスを、シリコン基板の中央領域およびシリコン基板の周縁領域にそれぞれ流量を制御して供給し、上記所定の深さまでシリコン基板をエッチングして素子分離用トレンチを形成する第二工程とを有する。
【0011】
この構成によれば、第一工程において、希ガス、ハロゲンガス、および酸化性ガスを含むプロセスガスを用いてシリコン基板をエッチングすることによって、シリコン基板を上記所定の深さよりも浅い深さまで効率的に削ることができる。第二工程において、希ガス、ハロゲンガス、酸化性ガス、および堆積性ガスを含むプロセスガスを用い、且つシリコン基板の中央領域および周縁領域に供給するプロセスガスの流量を制御してシリコン基板をエッチングすることによって、中央領域および周縁領域に形成される素子分離用トレンチの深さのバランスを調整することが可能となる。そうすると、エッチング処理によるセンターファーストの傾向を抑制して、面内均一性を向上させることができる。さらに、第二工程において堆積性ガスを用いることによって、底端部の形状に丸みを帯びさせることができる。
【0012】
さらに好ましくは、堆積性ガスは、CFガスを含む。また、希ガスは、Arガスを含む。また、第一工程または第二工程において供給されるハロゲンガスは、HBrガスを含む。また、酸化性ガスは、Oガスを含む。
【0013】
さらに好ましくは、ハードマスクを形成する工程は、シリコン基板上に下層からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、有機誘電体膜、反射防止膜を順次積層し、シリコン基板上にマスキング層を形成する工程と、マスキング層上にフォトレジストを形成する工程と、フォトレジストをマスクとしてマスキング層をエッチングする工程とを有する。
【0014】
さらに好ましくは、マイクロ波によるプラズマは、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)により生成される。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、第一工程において、希ガス、ハロゲンガス、および酸化性ガスを含むプロセスガスを用いてシリコン基板をエッチングすることによって、シリコン基板を上記所定の深さよりも浅い深さまで効率的に削ることができる。第二工程において、希ガス、ハロゲンガス、酸化性ガス、および堆積性ガスを含むプロセスガスを用い、且つシリコン基板の中央領域および周縁領域に供給するプロセスガスの流量を制御してシリコン基板をエッチングすることによって、中央領域および周縁領域に形成される素子分離用トレンチの深さのバランスを調整することが可能となる。そうすると、エッチング処理によるセンターファーストの傾向を抑制して、面内均一性を向上させることができる。さらに、第二工程において堆積性ガスを用いることによって、底端部の形状に丸みを帯びさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられるプラズマ処理装置の構成を概略的に示す概略断面図である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置に備えられるスロットアンテナ板を板厚方向から見た図である。
【図3】この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法のフローチャートを示す。
【図4】この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられる被処理基板の概略断面図であり、シリコン基板をエッチングするためのハードマスクを形成する前の状態を示す。
【図5】図4に示す被処理基板にハードマスクを形成するためのエッチング処理を行った後の状態を示す概略断面図である。
【図6】図5に示す被処理基板に、この発明の一実施形態に係る酸化膜除去工程を行った後の状態を示す概略断面図である。
【図7】図6に示す被処理基板に、この発明の一実施形態に係る第一工程を行った後の状態を示す概略断面図である。
【図8】図7に示す被処理基板に、この発明の一実施形態に係る第二工程を行って素子分離用トレンチを形成した後の状態を示す概略断面図である。
【図9】第二工程を行っている途中の状態の被処理基板を概略的に示す図であり、図7中の領域IXを拡大した拡大図である。
【図10】表1に示すプロセス条件による第一工程の後に被処理基板の中央領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。
【図11】図10に示す被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。
【図12】図10に示す被処理基板に表1に示すプロセス条件による第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図10に相当するトレンチを示している。
【図13】図11に示す被処理基板に表1に示すプロセス条件による第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図11に相当するトレンチを示している。
【図14】表2に示すプロセス条件による第一工程後に被処理基板の中央領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。
【図15】図14に示す被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。
【図16】図14に示す被処理基板に表3に示すプロセス条件による第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図14に相当するトレンチを示している。
【図17】図15に示す被処理基板に表3に示すプロセス条件による第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図15に相当するトレンチを示している。
【図18】表3に示すプロセス条件によって最終的に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、被処理基板の中央領域に形成された素子分離用トレンチの写真である。
【図19】表3に示すプロセス条件によって最終的に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、被処理基板の周縁領域に形成された素子分離用トレンチの写真である。
【図20】従来の方法により素子分離用トレンチを形成した後の被処理基板Wを概略的に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。まず、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられるプラズマ処理装置11の構成について、図1〜図2を用いて説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられるプラズマ処理装置11の構成を概略的に示す概略断面図である。図2は、図1に示すプラズマ処理装置11に備えられるスロットアンテナ板20を、板厚方向から見た図である。なお、理解の容易の観点から、部材のハッチングを一部省略している。
【0018】
図1〜図2を参照して、この発明に係る半導体素子の製造方法に用いられるプラズマ処理装置11は、マイクロ波をプラズマ源とするマイクロ波プラズマ処理装置である。プラズマ処理装置11は、その内部で被処理基板Wにプラズマ処理を行う処理空間を有する処理容器12と、処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガス等を供給するガス供給機構13と、処理容器12内に設けられ、その上に被処理基板Wを保持する保持台14と、処理容器12の外部に設けられ、プラズマ励起用のマイクロ波を発生させるマイクロ波発生器15と、マイクロ波発生器15により発生させたマイクロ波を処理容器12内に導入する導波管16および同軸導波管17と、同軸導波管17の下方端部に連結されており、同軸導波管17によって導入されたマイクロ波を径方向に伝播する誘電体板18と、誘電体板18の下方側に配置されており、誘電体板18によって伝播されたマイクロ波を放射するスロット19を複数有するスロットアンテナ板20と、スロットアンテナ板20の下方側に配置されており、スロット19から放射されたマイクロ波を径方向に伝播すると共に処理容器12内に透過させる誘電体窓21と、プラズマ処理装置11全体を制御する制御部(図示せず)とを備える。制御部は、ガス供給機構13におけるガス流量、処理容器12内の圧力等、被処理基板Wをプラズマ処理するためのプロセス条件を制御する。なお、理解の容易の観点から、図1において、スロット19の開口形状を概略的に示している。
【0019】
処理容器12は、被処理基板Wを収容可能な構成となっている。処理容器12は、保持台14の下方側に位置する底部22と、底部22の外周から上方向に延びる側壁23と、側壁23の上方側に載置するようにして配置され、その上に誘電体窓21を載置可能な環状部材24とを含む。側壁23は、円筒状である。処理容器12の底部22の径方向の中央側には、排気用の排気孔25が設けられている。処理容器12の上部側は開口しており、処理容器12の上部側において、誘電体窓21が、処理容器12の上部側開口を覆うように配置されている。そして、誘電体窓21と、処理容器12、具体的には処理容器12を構成する環状部材24との間に介在するOリング31によって、処理容器12は、完全に密封される。
【0020】
側壁23は、底部22の外周から連なって上方向に延び、円筒状である下壁部26と、下壁部26の上方側に載置するようにして配置される円筒状のジャケット部27と、ジャケット部27の上方側に載置するようにして配置される円筒状の上壁部28とを含む。すなわち、側壁23は、底部22側である下方側から順に、下壁部26、ジャケット部27、上壁部28を積み重ねて構成されている。
【0021】
保持台14は、円板状の被処理基板Wをその上に載置するようにして保持する。保持台14には、RF(radio frequency)バイアス用の高周波電源43がマッチングユニット44および給電棒45を介して電気的に接続されている。このバイアス用高周波電源43は、被処理基板Wに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.56MHzの高周波を後述する所定のパワーで出力する。マッチングユニット44は、バイアス用高周波電源43側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、処理容器12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容しており、この整合器の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
【0022】
マイクロ波発生器15は、中心導体29aおよび外周導体29bから構成される同軸導波管17およびモード変換器30を介して、マイクロ波を導入する導波管16の上流側に接続されている。同軸導波管17を構成し、いずれも円筒状である中心導体29aおよび外周導体29bは、径方向の中心を一致させ、中心導体29aの外径面と、外周導体29bの内径面との間隔を開けるようにして、図1中の紙面上下方向に延びるようにして配置される。
【0023】
スロットアンテナ板20は、薄板状であって、円板状である。スロットアンテナ板20の板厚方向の両面は、それぞれ平らである。スロットアンテナ板20には、板厚方向に貫通する複数のスロット19が複数設けられている。スロット19は、一方方向に長い第一のスロット19aと、第一のスロット19aと直交する方向に長い第二のスロット19bとが、隣り合って一対となるように形成されている。具体的には、隣り合う2つのスロット19a、19bが一対となって、略ハ字状となるように配置されて構成されている。すなわち、スロットアンテナ板20は、一方方向に延びる第一のスロット19aおよび一方方向に対して垂直な方向に延びる第二のスロット19bから構成されるスロット対32を有する構成である。なお、スロット対32の一例については、図2中の点線で示す領域で図示している。スロットアンテナ板20の径方向の中央には、貫通孔33が設けられている。スロットアンテナ板20は、径方向の中心を基準とした回転対称性を有する。
【0024】
誘電体窓21は、略円板状であって、所定の板厚を有する。誘電体窓21は、たとえば石英やアルミナ等といった誘電体から構成されている。誘電体窓21は、下側を処理容器12の環状部材24の上に載せるようにして取り付けられる。誘電体窓21の径方向の中央には、板厚方向、すなわち、図1中の紙面上下方向に貫通する貫通孔34が設けられている。貫通孔34は、上側領域の径が下側領域の径よりも大きくなるように形成されている。誘電体窓21のうち、プラズマ処理装置11に備えられた際にプラズマを生成する側となる下面35の径方向外側領域には、環状に連なり、誘電体窓21の板厚方向内方側、ここでは、図1における紙面上方向に向かってテーパ状に凹む誘電体窓凹部36が設けられている。
【0025】
処理容器12内には、ガス供給機構13によりプラズマ処理用のプロセスガスが供給される。プラズマ処理装置11においては、制御部により、処理容器12の温度が、処理に適した温度に設定される。マイクロ波発生器15により発生させたマイクロ波は、同軸導波管17を通って、誘電体板18に伝播され、スロットアンテナ板20に設けられた複数のスロット19から誘電体窓21に放射される。誘電体窓21を透過したマイクロ波は、誘電体窓21の直下に電界を生じさせ、処理容器12内にプラズマを生成させる。誘電体窓21の直下で生成されたプラズマは、誘電体窓21から離れる方向、すなわち、保持台14に向かう方向に拡散していく。そして、拡散したプラズマによって、保持台14に載置された被処理基板Wを含む領域に、プラズマ拡散領域が、形成される。被処理基板Wに対してプラズマエッチング等のプラズマ処理を行う。プラズマ処理装置11において処理に供されるマイクロ波プラズマは、比較的に低電子温度のプラズマを生成することができるため、被処理基板Wへのプラズマダメージを低減させることができる。また、上記した構成のスロットアンテナ板20および誘電体板18を含む構成を、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA:Radial Line Slot Antena)と呼称する。
【0026】
次に、処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガスを供給するガス供給機構13の構成について説明する。ガス供給機構13は、処理容器12内の中央に配置され、被処理基板Wの中央領域に向かってプロセスガスを供給するガス供給口37を有するセンターガス供給部材としてのインジェクター38と、上記の中央領域とは異なる周縁領域から径方向内側に向けてプロセスガスを噴出させて、被処理基板Wにプロセスガスを供給するガス供給口39を有するアウターガス供給部材40とを含む。
【0027】
センターガス供給部材は、同軸導波管17を構成する中空状の中心導体29aの中空部分を、ガスの供給路としている。インジェクター38は、誘電体窓21の内方側に配置されている。具体的には、誘電体窓21に設けられた貫通孔34のうち、径の小さな下側領域は、インジェクター38におけるガス供給口37となり、径の大きな上側領域は、インジェクター38を載置するようにして受け入れる受け入れ凹部41となる。
【0028】
次に、アウターガス供給部材40の構成について説明する。処理容器12内において、アウターガス供給部材40は、被処理基板Wの真上領域を避けるようにして、誘電体窓21と保持台14との間に配置されている。アウターガス供給部材40は、円環状であって、中空状である。アウターガス供給部材40の内径寸法は、被処理基板Wの外径寸法よりもやや大きくなるように構成されている。アウターガス供給部材40の中空部分については、その断面の形状が略矩形状となるように構成されている。アウターガス供給部材40のガス供給口39は、円環状のアウターガス供給部材40のうち、内側の壁面42を丸穴状に開口するようにして複数設けられている。複数のガス供給口39は、所定の間隔を空けて、略等配となるように設けられている。
【0029】
インジェクター38およびアウターガス供給部材40はそれぞれ、処理容器12外から処理容器12内にプラズマ処理用のプロセスガス等を供給する。ガス供給口37、39から供給されるガスのそれぞれの流れ方向については、図1中の矢印FおよびFで図示している。すなわち、処理容器12内に供給されるプロセスガスは、インジェクター38によって被処理基板Wの中央領域に供給され、アウターガス供給部材40によって被処理基板Wの周縁領域に供給される。上記の制御部によって、インジェクター38およびアウターガス供給部材40から供給されるプロセスガスの種類や流量比を制御することが可能となっている。
【0030】
次に、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法について、図3〜図8を用いて説明する。図3は、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法のフローチャートを示す。図4は、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられる被処理基板Wの概略断面図であり、シリコン基板51をエッチングするためのハードマスク57の形成前の状態を示す。図5は、図4に示す被処理基板Wにハードマスク57を形成するためのエッチング処理を行った後の状態を示す概略断面図である。図6は、図5に示す被処理基板Wに、この発明の一実施形態に係る酸化膜除去工程を行った後の状態を示す概略断面図である。図7は、図6に示す被処理基板Wに、この発明の一実施形態に係る第一工程を行った後の状態を示す概略断面図である。図8は、図7に示す被処理基板Wに、この発明の一実施形態に係る第二工程を行って素子分離用トレンチ59を形成した後の状態を示す概略断面図である。
【0031】
図3〜図8を参照して、この発明の一実施形態に係る半導体素子の製造方法は、シリコン基板51に素子分離用トレンチ59を形成するためのハードマスク57を形成するハードマスク形成工程と、酸化膜除去工程と、ハードマスク57をマスクとしてシリコン基板51をエッチングし、素子分離用トレンチ59を形成する素子分離用トレンチ形成工程とを備える。
【0032】
以下、各工程の詳細な内容について、説明する。ハードマスク形成工程においては、まず、シリコン基板51上において、下層からシリコン酸化膜52と、シリコン窒化膜53と、有機誘電体膜54と、反射防止膜55とを順次積層してマスキング層60を形成する(図3(A))。ここで、シリコン基板51は、300mmウエハとして説明をする。シリコン窒化膜53と有機誘電体膜54とは、シリコン基板51をエッチングするためのハードマスク57を構成する薄膜層である。シリコン酸化膜52は、シリコン基板51上にシリコン窒化膜53を効果的に固着させるための薄膜層である。反射防止膜55は、フォトレジスト56をパターニングする工程であるフォトリソグラフィーにおけるパターニングの寸法精度の向上等のために被処理基板Wに形成される。また、このようにシリコン窒化膜53および有機誘電体膜54を含む多層のマスキング層によってハードマスク57を構成することにより、後述する素子分離用トレンチ形成工程において、ハードマスク57が早期にエッチングされてしまうことを防ぐことができる。
【0033】
次に、反射防止膜55上にフォトレジスト56を塗布し、フォトリソグラフィーによってパターニングして、マスキング層60をエッチングするためのフォトレジスト56を形成する(図3(B))。そうすると、フォトレジスト56に開口63が形成され、被処理基板Wは図4に示す状態となる。この開口63が、後述する方法によって形成される素子分離用トレンチ59に相当する領域であり、素子分離用トレンチ59の幅は、開口63によることとなる。
【0034】
次に、上記フォトレジスト56をマスクとしてマスキング層60をエッチングする(図3(C))。この工程においては、まず、前述の処理容器12内に、ハロゲンガス等によって構成されたプロセスガスを供給する。そして、マイクロ波発生器15によってスロットアンテナ板20へとマイクロ波を給電し、処理容器12内にプラズマを生成させる。生成されたプラズマによって、フォトレジスト56をマスクとして、反射防止膜55、有機誘電体膜54、シリコン窒化膜53の三層の薄膜に対してエッチング処理を行う(三層エッチング:Trilayer etching)。その結果、図5に示すように、有機誘電体膜54とシリコン窒化膜53とから構成されるハードマスク57が、形成される。このように形成されたハードマスク57は、フォトレジスト56に対応してパターニングされている。したがって、ハードマスク57には、フォトレジスト56に形成された開口63に相当する開口64が、形成される。なお、この実施形態においては、図5に示すように、シリコン酸化膜52が、この工程後もシリコン基板51上に残留する。
【0035】
次に、シリコン酸化膜52をエッチングする酸化膜除去工程について説明する。酸化膜除去工程は、シリコン基板51をエッチングするメインエッチングの前処理として、開口64に相当する領域のシリコン酸化膜52を選択的にエッチングしてシリコン基板51上から除去する工程である(図3(D))。
【0036】
酸化膜除去工程においては、プロセスガスとして、希ガスとしてのArガスと、ハロゲンガスとしてのClガスとを含む混合ガスが、前述のガス供給機構13から被処理基板Wに供給される。このときに、プラズマ処理装置11に備えられた制御部によって、希ガスの流量およびハロゲンガスの流量を制御してプロセスガスを被処理基板Wに供給する。それと同時に、インジェクター38から被処理基板Wの中央領域に供給されるプロセスガスの流量と、アウターガス供給部材40から被処理基板Wの周縁領域に供給されるプロセスガスの流量との比率が、制御部によって制御される。
【0037】
ここで、ガス供給機構13から供給されるプロセスガスの総流量に対するインジェクター38から供給されるプロセスガスの流量の百分率を、RDC(Radical Distribution Control)として定義する。例えば、インジェクター38からプロセスガスの総流量の5%の流量のプロセスガスが供給される場合、RDC5のプロセス条件ということになる。
【0038】
酸化膜除去工程においては、処理容器12内へ供給されるプロセスガスが、RDC5となるように制御されている。すなわち、インジェクター38から総流量の5%の流量のプロセスガスが供給され、且つ、アウターガス供給部材40から総流量の95%の流量のプロセスガスが供給されていることとなる。
【0039】
このようにプロセス条件を制御し、図5に示す被処理基板Wをエッチングすることによって、開口64に相当する領域のシリコン酸化膜52が、選択的にエッチングされ、シリコン基板51上から除去される。そうすると、被処理基板Wは、図6に示す状態となる。
【0040】
次に、素子分離用トレンチ形成工程について説明する。この実施形態に係る素子分離用トレンチ形成工程は、最終的に形成される素子分離用トレンチ59の深さよりも浅い深さまでシリコン基板51をエッチングする第一工程(図3(E))と、第一工程の後に、さらにシリコン基板51をエッチングして素子分離用トレンチ59を形成する第二工程(図3(F))とを有する。まず、素子分離用トレンチ形成工程における第一工程について説明する。
【0041】
第一工程においては、プロセスガスとして、希ガスとしてのArガスと、ハロゲンガスとしてのHBrガスと、酸化性ガスとしてOガスとを含む混合ガスが、ガス供給機構13から被処理基板Wへ供給される。また、被処理基板Wに供給されるプロセスガスは、RDC20となるように制御される。第一工程において、シリコン基板51は、供給されるプロセスガスに含まれるHBrガスによって積極的にエッチングされる。そのため、シリコン基板51は、シリコン基板51の主表面68から下方向へ向けて効率的に削り取られていく。その結果、図7に示すようなトレンチ58が、シリコン基板51に形成される。この時、生成される反応生成物は、主としてSiBrOであると考えられる。
【0042】
第一工程後に形成されるトレンチ58は、図7に示すように、トレンチ底面に、主表面68から最も下方向へ削れた部分である底端部61を有する形状となる。より具体的に言えば、トレンチ58においては、トレンチ58の幅方向両側に位置しトレンチ58を形成する壁面であるトレンチ壁面66、67が、下方へ延在するにつれて互いにトレンチの幅方向中央側へ向けて屈曲して延び、トレンチの底面において底端部61を形成するように交わっている。この場合、トレンチ58の深さは、シリコン基板51の主表面68から、底端部61までに亘る深さDとなる。第一工程においては、トレンチ58の深さDが最終的に形成される素子分離用トレンチ59の70%〜90%の深さとなるように、シリコン基板51へのエッチング処理が行われる。
【0043】
ここで、第一工程においては、上記のようにHBrガスのみをエッチャントとしてシリコン基板51をエッチングするため、ハードマスク57を構成する有機誘電体膜54が早期にエッチングされてしまうことを防ぎつつ、比較的短時間で効率的に主表面68から深さDまでシリコン基板51を削ることができる。すなわち、この第一工程によって、後述する第二工程に用いられるハードマスク57を十分に確保しつつ、最終的な素子分離用トレンチ59の概形を効率的に形成することができる。したがって、ハードマスク57を構成するマスキング層60を、プロセス条件や用途に応じてより薄く形成することも可能となる。
【0044】
なお、第一工程のエッチング処理においては、被処理基板Wの中央領域におけるエッチング速度が、周縁領域よりも相対的に速くなり易い。したがって、第一工程後に形成されたトレンチ58において、被処理基板Wの中央領域に形成されるトレンチ58の深さDが、周縁領域に形成されたものよりも相対的に深くなる傾向がある。すなわち、第一工程においては、シリコン基板51に対するエッチング処理が、センターファーストとなる傾向がある。
【0045】
また、第一工程後に形成されたトレンチ58においては、図7に示すように、トレンチ58の底端部61が尖った形状となる。このようにトレンチ58に底端部61が形成される理由について、以下に考察する。プラズマエッチングによってトレンチを形成していく過程において、形成されたトレンチの深さDが深くなっていくと、トレンチの底面に到達するイオンが、底面における幅方向の中央領域に集中し易くなる。すなわち、トレンチの深さDが深くなると、トレンチ底面の中央領域のエッチング速度が、トレンチ壁面66、67側の領域よりも高まってしまうこととなる。これにより、上記の構成のプロセスガスを用いてシリコン基板51をエッチングした場合、図7に示すように、トレンチの底面の中央領域がより積極的に削られることとなる。その結果、トレンチの底面の形状が、トレンチ側壁66、67から中央部に向けて下方へと落ち込み、中央部において底端部61を形成する形状となってしまうものと考えられる。
【0046】
第一工程後に形成されたトレンチ58の形状を修正しつつ最終的な素子分離用トレンチ59を形成するために、この実施形態に係る製造方法においては、第一工程の後に以下に説明する第二工程が導入される。次に、この発明の一実施形態に係る第二工程について説明する。
【0047】
第二工程においては、プロセスガスとして、希ガスとしてのArガスと、ハロゲンガスとしてのHBrガスと、酸化性ガスとしてのOガスと、堆積性ガスとしてCFガスとを含む混合ガスが、ガス供給機構13から処理容器12内へと供給される。そして、シリコン基板51に対してさらにエッチング処理を行い、図8に示す素子分離用トレンチ59を形成する。
【0048】
ここで、第二工程においては、Arガスの流量が600〜1000sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)となるように制御され、Oガスの流量が15〜20ccmの範囲内となるように制御され、CFガスの流量が15〜30ccmの範囲内となるように制御される。さらに、処理容器12内へと供給されるプロセスガスは、RDC5〜40の範囲内となるように制御される。さらに好ましくは、RDC15〜25の範囲内となるように制御される。
【0049】
第二工程においてCFガスを含むプロセスガスを用い、且つプロセスガスの流量を上記のように制御することによって、図8に示すように、丸みのある滑らかな底面62を有する素子分離用トレンチ59が、形成される。より具体的に言えば、素子分離用トレンチ59の幅方向両側に位置するトレンチ壁面66、67が、下方へと延在するにつれて滑らかな曲面を形成するようにトレンチの幅方向中央に向けて屈曲し、緩やかな丸みを帯びたトレンチ底面62を形成するように、トレンチ底部において互いに滑らかに交わっている。素子分離用トレンチ59の深さは、シリコン基板51の主表面68から、底面62の下端部までに亘る深さDとなる。また、第二工程後に形成される素子分離用トレンチ59の深さDは、後述するように、被処理基板Wの中央領域および周縁領域においてほぼ均一となる。
【0050】
このように、素子分離用トレンチ形成工程を、上記の第一工程および第二工程の二つの工程から構成することによって、被処理基板Wの面内均一性を向上させることができるとともに、丸みのある滑らかなトレンチ底面62を有する素子分離用トレンチ59を形成することができる。
【0051】
これについては、以下のようなメカニズムで上記した効果を奏していると考えられる。以下に図7〜図9を用いて考察する。図9は、第二工程を行っている途中の状態の被処理基板Wを概略的に示す図であり、図7中の領域IXを拡大した拡大図である。
【0052】
第二工程において、上記のプロセス条件により図7に示す被処理基板Wをエッチングすると、第一工程と同様に、主にHBrがエッチャントとしてシリコン基板51と反応する。その結果、シリコンは、主として反応生成物であるSiBrOとして放出され、徐々に削り取られていく。一方、堆積性ガス(デポ系ガス)であるCFに関しては、その一部が、エッチングの過程においてCFxといったフロロカーボンポリマーを生成する。このように生じたフロロカーボンポリマーは、付着性が強く揮発しにくい性質を持つため、トレンチの壁面に付着して堆積していく。つまり、CFは、シリコン基板51と反応してSiBrOを放出させるHBrとは異なり、堆積性のフロロカーボンポリマーを生成する。この結果、図9に示すように、第二工程の過程において、堆積物65が、トレンチの底面69およびトレンチ壁面66,67に堆積していく。この堆積物65は、シリコン基板51をエッチングから保護する働きをする。すなわち、堆積物65は、シリコン基板51のエッチング速度を下げる保護膜として機能する。
【0053】
このように、第二工程においては、シリコン基板51をエッチングすると同時に、シリコン基板51のエッチング速度を下げる保護膜を生成させてトレンチの底面69およびトレンチ壁面66,67に堆積させる。このように生成された保護膜は、被処理基板Wの中央領域および周縁領域に形成された素子分離用トレンチ59内に同様に堆積していく。
【0054】
ここで、Arガスの流量は、600〜1000sccm程度の範囲内に制御されることが好ましい。Arガスの流量をこのように制御することによって、フロロカーボンポリマーを、被処理基板上から効果的に排気することができるためである。
【0055】
また、好ましくは、第二工程において、第一工程よりもOガスの供給量を増加させる。そうすると、トレンチ壁面66,67の表面が改質され、表面に酸化膜が形成されることとなる。このように形成された酸化膜は、エッチング保護膜として機能するため、トレンチ壁面66,67が横方向に過剰にエッチングされることを抑制することができる。
【0056】
また、フロロカーボンポリマーは、被処理基板Wの中央領域に堆積しやすい傾向があることから、RDCによる制御性を考慮すると、CFガスは、15〜30sccmの範囲内で供給することが好ましい。
【0057】
ここで、第二工程において、堆積性のフロロカーボンポリマーを生成するCFガスの流量と、処理容器12内へと供給されるプロセスガスのRDCとを変化させると、中央領域および周縁領域のエッチング速度、すなわち形成される素子分離用トレンチの深さを変化させることができる。そして、これらのプロセス条件を最適化すると、シリコン基板51の中央領域と周縁領域との間におけるエッチング速度の差を相対的に小さくすることができる。すなわち、第二工程のプロセス条件を制御することによって、被処理基板Wの中央領域および周縁領域に形成される素子分離用トレンチの深さDのバランスを調整することが可能となる。したがって、エッチング処理によるセンターファーストの傾向を抑制して、面内均一性を向上させることができる。
【0058】
また、トレンチの底面69に保護膜が生成されることによって、底面69の中央領域のエッチング速度と、底面69におけるトレンチ壁面66,67側の領域のエッチング速度との差が、相対的に小さくなる。したがって、図7に示すようにトレンチ中央部が積極的に削られることを防ぐことができるため、図8に示すような丸みのある滑らかな底面62を有する素子分離用トレンチ59が、形成されることとなる。
【0059】
すなわち、第二工程は、第一工程後に形成されたトレンチ58におけるセンターファーストの傾向および底端部の尖りを修正するようにシリコン基板51をエッチングし、最終的な素子分離用トレンチ59に仕上げるための工程である。この製造工程によれば、最終的に被処理基板Wにおける面内均一性を向上させることが可能となるとともに、丸みのある滑らかな底面62を有する素子分離用トレンチ59を形成することができる。
【0060】
次に、以下の表1〜表3に示す具体的なプロセス条件により素子分離用トレンチを形成した実験結果について説明する。この実験は、以下の表に示すプロセス条件において、第二工程のRDC(表中のR、R、R)をそれぞれ変化させて素子分離用トレンチを形成した実験である。まず、表1に示すプロセス条件により素子分離用トレンチを形成した実験結果について説明する。
【0061】
【表1】

【0062】
表1に示すプロセス条件によって第一工程を行った結果、被処理基板の中央領域に、197nmの深さを有するトレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、190nmの深さを有するトレンチが、形成された。すなわち、第一工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、7nmとなっている。
【0063】
ここで、上記第一工程後に、表1に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=40に制御して素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、280nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、256nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、24nmとなった。
【0064】
これに対し、上記第一工程後に、表1に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=20に制御して素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、262nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、260nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、2nmとなった。
【0065】
これらの実験から得られた結果より、表1に示すプロセス条件において、第二工程のRDCを変化させると、被処理基板の中央領域および周縁領域に形成される素子分離用トレンチの深さのバランスが変化し、且つ、表1のプロセス条件においてRDC20とするようにプロセス条件を最適化することによって、被処理基板の中央領域と周縁領域との差を小さくさせることが可能となることが明らかとなった。すなわち、この製造工程によれば、プロセス条件を最適化することによって、被処理基板の面内均一性を向上させることができることが実証された。
【0066】
次に、表1に示すプロセス条件により形成された素子分離用トレンチの形状について、図10〜図13を用いて説明する。図10は、表1に示すプロセス条件による第一工程の後に被処理基板の中央領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。図11は、図10に示す被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。図12は、図10に示す被処理基板に、表1に示すプロセス条件においてR=20として第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図10に相当するトレンチを示している。図13は、図11に示す被処理基板に、表1に示すプロセス条件においてR=20として第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図11に相当するトレンチを示している。なお、図中の白点線71は、シリコン基板の表面、すなわち、シリコン基板とシリコン基板上に積層されたシリコン酸化膜との境界線を示している。また、図12および図13中の異物70は、処理後の残留物であり、この工程の処理に何ら影響を及ぼすものではない。
【0067】
図10〜図13を参照して、表1に示すプロセス条件による第一工程後に形成されたトレンチの形状を見ると、被処理基板の中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの双方において、底端部が尖った形状となっていることがわかる。
【0068】
これに対して、表1に示すプロセス条件において、R=20として第二工程を行った後に形成されたトレンチの形状を見ると、図12および図13から明らかなように、第一工程後のトレンチに形成されていた底端部が丸みを帯びた形となり、滑らかな底面を有する形状となっている。
【0069】
この実験から得られた上記の結果より、この製造工程によれば、プロセス条件を最適化することによって、丸みのある滑らかな底面を有する素子分離用トレンチを形成することができることが実証された。なお、表1に示すプロセス条件において、R=40として素子分離用トレンチを形成したときの形状に関しても、ほぼ同様の結果であったため、詳細な説明は省略する。
【0070】
次に、表2に示すプロセス条件により素子分離用トレンチを形成した実験結果について説明する。
【0071】
【表2】

【0072】
表2に示すプロセス条件によって第一工程を行った後に被処理基板の中央領域に形成されたトレンチの深さは、184nmであった。また、被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチの深さは、168nmであった。すなわち、第一工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、16nmとなっている。
【0073】
ここで、上記第一工程後に、表2に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=20として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、250nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、233nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、17nmとなった。
【0074】
これに対し、上記第一工程後に、表2に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=5として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、245nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、237nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、8nmとなった。
【0075】
これらの実験から得られた結果より、表2に示すプロセス条件においてRDCを変化させると、被処理基板の中央領域および周縁領域に形成される素子分離用トレンチの深さのバランスが変化し、且つ、表2のプロセス条件においてRDC5とするようにプロセス条件を最適化することによって、被処理基板の中央領域と周縁領域との差を小さくさせることが可能となることが明らかとなった。すなわち、この製造工程によれば、プロセス条件を最適化することによって、被処理基板の面内均一性を向上させることができることが実証された。
【0076】
次に、表2に示すプロセス条件により形成された素子分離用トレンチの形状について、図14〜図17を用いて説明する。図14は、表2に示すプロセス条件による第一工程の後に被処理基板の中央領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。図15は、図14に示す被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。図16は、図14に示す被処理基板に、表2に示すプロセス条件においてR=5として第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図14に相当するトレンチを示している。図17は、図15に示す被処理基板に、表2に示すプロセス条件においてR=5として第二工程を行った後に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真であり、図15に相当するトレンチを示している。
【0077】
図14〜図17を参照して、表2に示すプロセス条件による第一工程後に形成されたトレンチの形状を見ると、被処理基板の中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの双方において、底端部が尖った形状となっていることがわかる。
【0078】
これに対して、表2に示すプロセス条件において、R=5として第二工程を行った後に形成されたトレンチの形状を見ると、図16および図17から明らかなように、第一工程後のトレンチに形成されていた底端部が丸みを帯びた形となり、滑らかな底面を有する形状となっている。
【0079】
この実験から得られた上記の結果より、このような製造工程によれば、プロセス条件を最適化することによって、丸みのある滑らかな底面を有する素子分離用トレンチを形成することができることが実証された。なお、表2に示すプロセス条件において、R=20として素子分離用トレンチを形成したときの形状に関しても、ほぼ同様の結果であったため、詳細な説明は省略する。
【0080】
次に、上記の実験に対する比較対象として実施された以下の実験について説明する。この実験は、第二工程において、堆積性ガスであるCFガスを用いる代わりに、堆積性ガスではないClガスを用い、以下の表3に示すプロセス条件により素子分離用トレンチを形成した実験である。また、この実験においては、表3に示す第二工程のRDCを、R=5、10、20、40と変化させて素子分離用トレンチの形成を行った。
【0081】
【表3】

【0082】
表3に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=5として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、237nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、206nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、31nmとなった。
【0083】
また、表3に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=10として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、231nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、207nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、24nmとなった。
【0084】
また、表3に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=20として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、224nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、200nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、24nmとなった。
【0085】
また、表3に示すプロセス条件において、第二工程のRDCをR=40として素子分離用トレンチを形成した結果、被処理基板の中央領域に、234nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。また、被処理基板の周縁領域には、209nmの深さを有する素子分離用トレンチが、形成された。すなわち、第二工程後においては、被処理基板中央領域および周縁領域に形成されたトレンチの深さの差は、25nmとなった。
【0086】
これらの結果より、上記した表1に示すプロセス条件且つ第二工程においてRDC20として素子分離用トレンチを形成した結果(中央領域と周縁領域のトレンチの深さの差:2nm)、および表2に示すプロセス条件且つ第二工程においてRDC5として素子分離用トレンチを形成した結果(中央領域と周縁領域のトレンチの深さの差:8nm)と比較すると、表3に示すプロセス条件においては、エッチング処理がよりセンターファーストとなっていることが明らかである。
【0087】
さらに、表3に示すプロセス条件において、第二工程におけるRDCをR=5〜40まで変化させて素子分離用トレンチを形成したが、被処理基板中央領域および周縁領域におけるトレンチの深さの差を小さくすることができなかった。すなわち、表3に示すプロセス条件においては、第二工程におけるRDCを制御しても、被処理基板中央領域および周縁領域におけるトレンチの深さのバランスを調整することが不可能であり、面内均一性を向上させることができないことが明らかとなった。
【0088】
表3に示すプロセス条件により形成された素子分離用トレンチの形状について、図18〜図19を用いて簡単に説明する。図18は、表3に示すプロセス条件においてR=5として第二工程を行った後に、被処理基板の中央領域に形成された素子分離用トレンチを電子顕微鏡によって撮影した写真である。図19は、図18に示す被処理基板の周縁領域に形成された素子分離用トレンチの顕微鏡写真である。
【0089】
図18〜図19を参照して、表3に示すプロセス条件による第一工程後に形成されたトレンチの形状を見ると、被処理基板の周縁領域に形成されたトレンチに関しては、図19に示すように、尖った底端部は形成されなかったが、図18に示すように、被処理基板の中央領域に形成されたトレンチにおいて、尖った底端部が形成されていることがわかる。
【0090】
比較検証のために実施された上記の実験から得られた結果より、被処理基板における面内均一性を向上させ、且つ丸みのある滑らかな底面を有する素子分離用トレンチを形成するために、第二工程においてCFガスのような堆積性ガスを含むプロセスガスを用い、且つ、上記のようにプロセス条件を最適化することが必要であることが実証された。
【0091】
なお、上記の実施形態においては、希ガスとしてArガス、ハロゲンガスとしてClガスやHBrガス、酸化性ガスとしてOガス、堆積性ガスとしてCFガスを用いている。これにより、この実施形態に係る半導体素子の製造方法に用いられるプロセスガスを、比較的に安価であり、且つ取り扱いが容易なこれらの汎用ガスによって構成することが可能となるため、製造コストを抑えることができる。
【0092】
また、上記の実施形態においては、図1に示すように、アウターガス供給部材40によって矢印Fの方向、すなわち、アウターガス供給部材40から中心に向けて略水平方向にプロセスガスを噴出させて、被処理基板Wの周縁領域にプロセスガスを供給する場合について述べたが、これに限らず、矢印Fの方向が被処理基板に向けて傾斜するように、アウターガス供給部材40が構成されてもよい。また、アウターガス供給部材40を用いることなく、処理容器12の側壁23にプロセスガスの供給口を設け、側壁23から被処理基板Wに向けてプロセスガスを供給する構成であってもよい。
【0093】
また、上記の実施形態においては、プロセスガスに含まれる希ガスとしてArガスを用いた場合について述べたが、これに限らず、He等のその他の希ガスを用いてもよい。
【0094】
また、上記の実施形態においては、第二工程で用いられるプロセスガスに加える堆積性ガスとしてCFガスを用いた場合について述べたが、これに限らず、CxFy(x、yは、いずれも正の整数)で表される如何なるフロロカーボン系ガスが用いられてもよい。すなわち、堆積性ガスとして、炭素およびフッ素を含む如何なるガスを適用してもよい。また、この他に、CHF、CH、CHF等のCHxFy(x、yは、いずれも正の整数)で表されるハロメタン系ガスが、用いられてもよい。
【0095】
また、上記の実施形態においては、第一工程および第二工程においてハロゲンガスとしてHBrガスを含むプロセスガスを用いた場合について述べたが、これに限らず、Clガス等のその他のハロゲンガスを含むプロセスガスを用いてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態においては、シリコン基板をエッチングするためのハードマスクが、シリコン酸化膜と、シリコン窒化膜と、有機誘電体膜と、反射防止膜とを含む多層のマスキング層によって構成された場合について述べたが、これに限らず、ハードマスクが、シリコン基板上に下層からシリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを順次積層して形成したマスキング層によって構成されてもよいし、上記した用途に適する材料であればその他の如何なる材料によって構成されてもよい。
【0097】
また、上記の実施形態においては、RLSAを採用することとしたが、これに限らず、マイクロ波をプラズマ源とする種々のマイクロ波プラズマ処理装置に適用することもできる。なお、上記の実施の形態においては、マイクロ波をプラズマ源とするマイクロ波プラズマ処理装置の場合について説明したが、これに限らず、用いるプラズマを平行平板型プラズマ、ICP(Inductively−Coupled Plasma)、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ等としてもよい。
【0098】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0099】
11 プラズマ処理装置、12 処理容器、13 ガス供給機構、14 保持台、15 マイクロ波発生器、16 導波管、17 同軸導波管、18 誘電体板、19,19a,19b スロット、20 スロットアンテナ板、21 誘電体窓、22 底部、23 側壁、24 環状部材、25 排気孔、26 下壁部、27 ジャケット部、28 上壁部、29a 中心導体、29b 外周導体、30 モード変換器、31 Oリング、32 スロット対、33,34 貫通孔、35 下面、36 誘電体窓凹部、37,39 ガス供給口、38 インジェクター、40 アウターガス供給部材、41 受け入れ凹部、42 壁面、43 バイアス用高周波電源、44 マッチングユニット、45 給電棒、51,101 シリコン基板、52 シリコン酸化膜、53 シリコン窒化膜、54 有機誘電体膜、55 反射防止膜、56 フォトレジスト、57,102 ハードマスク、58 トレンチ、59,103 素子分離用トレンチ、60 マスキング層、61,104 底端部、62,69 底面、63,64 開口、65 堆積物。66,67,105,106 トレンチ壁面、68,108 主表面、70 異物、71 点線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理によりシリコン基板に所定の深さを有する素子分離用トレンチが形成された半導体素子の製造方法であって、
前記シリコン基板に前記素子分離用トレンチを形成するためのパターニングが施されたハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクをマスクとして前記シリコン基板をエッチングし、前記素子分離用トレンチを形成する工程と、を備え、
前記素子分離用トレンチを形成する工程は、希ガス、ハロゲンガス、および酸化性ガスを含むプロセスガスを前記シリコン基板に供給し、前記所定の深さよりも浅い深さまで前記シリコン基板をエッチングする第一工程と、
前記第一工程の後に、希ガス、ハロゲンガス、酸化性ガス、および堆積性ガスを含むプロセスガスを、前記シリコン基板の中央領域および周縁領域にそれぞれ流量を制御して供給し、前記所定の深さまで前記シリコン基板をエッチングして前記素子分離用トレンチを形成する第二工程と、を有する、半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記堆積性ガスは、炭素およびフッ素を含む、請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記堆積性ガスは、CFガスを含む、請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記希ガスは、Arガスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
前記ハロゲンガスは、HBrガスを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記酸化性ガスは、Oガスを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記プラズマ処理におけるプラズマは、ラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)により生成される、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記ハードマスクを形成する工程は、シリコン基板上に下層からシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、有機誘電体膜、反射防止膜を順次積層し、前記シリコン基板上にマスキング層を形成する工程と、
前記マスキング層上にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストをマスクとして前記マスキング層をエッチングする工程と、を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図20】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−174854(P2012−174854A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34623(P2011−34623)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】