説明

半導体装置、およびドライバ制御方法

【課題】半導体装置内のドライバ部(データ伝送路を駆動するドライバ部)において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置では、ドライバ2のプルアップ側において、抵抗素子が直列に挿入されたPchトランジスタP1、P2、P3を用意し、Pchトランジスタ側のON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを選択可能に構成する。また、ドライバ2のプルダウン側においても、抵抗素子が直列に挿入されたNchトランジスタN1、N2、N3を用意し、Nchトランジスタ側のON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを選択可能に構成する。そして、これらを任意に組み合わせる事で、線形なI−V特性をもつドライバ2を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置、およびドライバ制御方法に関し、特に、電源終端(線路の終端部で電源に抵抗でプルアップする方式)を有するインターフェースにおいて、線形なI−V特性をもつドライバを提供することにより、伝送特性を改善をすると共に、線形なI−V特性をもつドライバを各種条件に適合できる、半導体装置、およびドライバ部制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動作スピードが高速になり、反射による波形品質の劣化を防ぐため、図6に示す様に、ドライバ21側からレシーバ22側にデータ伝送路23を介してデータを送信する場合に、レシーバ22側において、終端電圧Vttと終端抵抗RttによりVtt終端が行われる場合があった。
【0003】
図7は、データ伝送路23におけるシミュレーション波形を示す図であり、Eyeパターン(アイダイアグラム)を示したものである。図7(A)は、終端電圧Vttの電圧レベルを電源電圧VDDの1/2にした場合のEyeパターンを示し、図7(B)は、終端電圧Vttの電圧レベルを電源電圧VDDにした場合のEyeパターンを示している。通常、信号のLowレベル/Highレベルを判定する基準電圧VRefは、“Lowレベルと基準電圧VRefのマージン”と“Highレベルと基準電圧VRefのマージン”が等しくなる様に、電源電圧VDDの1/2のレベルに設定されている事が一般的である。
【0004】
Vtt終端時の信号振幅は終端抵抗Rttの抵抗値に依存し、抵抗値が大きいほど信号振幅は大きくなり、Vtt終端がされていない場合は、信号はフル振幅する。図7(A)のシミュレーション結果が示す様に、Vtt終端する場合は、Eyeパターンの信号クロスポイントaが基準電圧VRefレベルと等しくなるようにする必要があるので、終端電圧Vttは電源電圧VDDの1/2のレベル、すなわち、基準電圧VRefレベルと等しくする必要がある。
【0005】
しかし近年、携帯電話を代表とする携帯機器向けに、低消費電力に対する要求が強く、半導体装置においても低消費電力化のため、電源電圧を低電圧化する必要がある。一方、信号処理速度向上等の観点から、信号の高速化に対する要求も強いので、低電圧化と高速化の両方を実現する必要がある。
【0006】
この様な状況において、電源電圧の低電圧化と共に基準電圧VRefも小さくなるのでレシーバの感度や動作速度等を考慮すると、基準電圧VRefレベルを電源電圧VDDの1/2のレベルよりも高く出来れば、低電圧化と高速化の実現性が増してくる。この様な背景の下、Vtt終端のVttレベルを電源電圧と等しくすると、図7(B)のシミュレーション結果が示す様に、Eyeパターンが電源電圧VDD側(図では上側)にシフトするので、基準電圧VRefレベルを電源電圧VDDの1/2のレベルよりも高く設定できる。
【0007】
しかしながら、図7のシミュレーション結果は、ドライバ部モデルをトランジスタのON抵抗としてモデル化しているので、ドライバ部のプルアップ/プルダウンの電流と電圧の関係(I−V特性)が、線形特性を持っている時の結果である。しかし、実際のトランジスタのI−V特性は非飽和領域と飽和領域を持つ様な特性を示し、常に線形特性をもっている訳ではない。これらの特性を図8に示す。
【0008】
シミュレーション結果から明らかな様に、Vttレベルを電源電圧VDDと等しくすると、Highレベルの定常状態は電源電圧と等しいレベルになり、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなる様に、終端抵抗Rttの抵抗値とドライバトランジスタのON抵抗値を決める必要がある。
【0009】
ここで、電源電圧VDDの1/2のレベル(図8;○で示すaのポイント)でドライバトランジスタのON抵抗を合わせ込んだ(プルアップ側とプルダウン側のON抵抗による分圧レベルが1/2VDDレベルになるように合わせ込んだ)モデル「トランジスタモデル」と、上記ON抵抗としてモデル化した「抵抗素子モデル」を用い、Vttレベルを電源電圧VDDと等しくした時のシミュレーション結果を図9に示す。
【0010】
図9(A)は、抵抗素子モデルを使用した場合のEyeパターンを示し、図9(B)は、トランジスタモデルのEyeパターンを示している。図9(A)に示す抵抗素子モデルにおけるEyeパターンでは、信号に対称性があるが、図9(B)に示すトランジスタモデルでは、 Eyeパターンに対称性がなくなり(ジッタが生じる)と共に、LOWベルにおける波形の変動が目立っている。
【0011】
図9に示すシミュレーション結果から、非線形なI−V特性をもつドライバ部では、Lowレベルの定常状態は期待していた以上に安定性が下がってしまう。
この場合、終端抵抗Rttの抵抗値を小さくすることで定常状態のLowレベルを期待値に合わすことができる。そのシミュレーション結果を図10に示す。図10(A)は、抵抗素子モデルの場合のEyeパターンを示し、図10(B)は、トランジスタモデルの場合のEyeパターンを示す。
【0012】
図10(B)に示すトランジスタモデルのシミュレーション結果からも明らかな様に、終端抵抗Rttの抵抗値を小さくした場合でも、非線形なI−V特性をもつドライバ部では、Eyeパターンの対称性がなくなり、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題点がある。その理由は、ドライバ部のプルアップ(Pchトランジスタ)/プルダウン(Nchトランジスタ)の動作点を見れば明らかである。図2にPchトランジスタとNchトランジスタの動作点に関する図を示している。
【0013】
図2から明らかな様に、非線形なI−V特性をもつドライバ部にて、終端電圧Vttを電源電圧VDDと等しくした場合、ドライバ部のプルアップ(Pchトランジスタ)の動作点は主に、ターゲットのON抵抗値よりも低い所で動作しており、プルダウン(Nchトランジスタ)の動作点は主に、ターゲットのON抵抗値よりも高い所で動作している。これが原因で、Eyeパターンの対称性がなくなってしまう。
【0014】
以上、述べて来た問題を解決する為には、終端抵抗Rttの抵抗値と基準電圧VRefレベルを考慮し、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなる様なON抵抗値で線形なI−V特性をもつドライバ部が必要になる。
【0015】
また、その他の問題点として、反射の影響を少なくするため、ドライバ部とレシーバ間の接続条件に応じて終端抵抗Rttの抵抗値は変わり、また、基準電圧VRefレベルも、レシーバの設計によって変わるので、それらに適するドライバ部のターゲットON抵抗の抵抗値も変わってくる。このため、ドライバ部のターゲットON抵抗の抵抗値を調整できることが必要になる
【0016】
なお、本発明に関連する従来技術の半導体装置がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の半導体装置には、レシーバ側に終端抵抗素子がないシステムにおいて、ドライバ部の出力インピーダンスと信号線の特性インピーダンスが等しくなる様に、トランジスタのON抵抗Rsを決定し、線形性を持たせる技術が開示されている。
【0017】
しかしながら、本発明は、レシーバ側に終端抵抗素子がある事を前提とするものであり、特に終端抵抗素子は、VDDにつられたシステムに特化したものである。つまり本発明は、特許文献1の半導体装置のようにドライバ部の出力インピーダンスと信号線の特性インピーダンスをマッチングさせる必要がないという点で、特許文献1の従来技術とは異なるものである。
【特許文献1】特開2003−69413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述したように、半導体装置のドライバ部においては、終端抵抗Rttの抵抗値と基準電圧VRefレベルを考慮し、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなる様なON抵抗値で線形なI−V特性をもつドライバ部が必要になる。
【0019】
また、その他の問題点として、反射の影響を少なくするため、ドライバ部とレシーバ間の接続条件に応じて終端抵抗Rttの抵抗値は変わり、また、基準電圧VRefレベルも、レシーバの設計によって変わるので、それらに適するドライバ部のターゲットON抵抗の抵抗値も変わってくる。このため、ドライバ部のターゲットON抵抗の抵抗値を調整できることが必要になる
【0020】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、半導体装置のドライバ部(データ伝送路を駆動するドライバ部)において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することにより、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる、半導体装置、およびドライバ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の半導体装置は、電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、前記ドライバ部は、プルアップ側が、前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成され、プルダウン側が、前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成され、前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部を、備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、ドライバ部のプルアップ側において、抵抗素子が直列に挿入されたトランジスタを複数種類用意し、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。また、ドライバ部のプルダウン側においても、抵抗素子が直列に挿入されたトランジスタを複数種類用意し、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。そして、これらを任意に組み合わせる事で、線形なI−V特性をもつドライバ部を実現する。
これにより、半導体装置において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0022】
また、本発明の半導体装置は、電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、前記ドライバ部は、プルアップ側が、前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のPchトランジスタと、前記Pchトランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記Pchトランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成され、プルダウン側が、前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のNchトランジスタと、前記Nchトランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記Nchトランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成され、前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部を、備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、ドライバ部のプルアップ側において、抵抗素子が直列に挿入されたPchトランジスタを複数種類用意し、PchトランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。また、ドライバ部のプルダウン側においても、抵抗素子が直列に挿入されたNchトランジスタを複数種類用意し、NchトランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。そして、これらを任意に組み合わせる事で、線形なI−V特性をもつドライバ部を実現する。
これにより、半導体装置において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0023】
また、本発明の半導体装置は、電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、前記ドライバ部は、プルアップ側のPchトランジスタであって、ソースが電源側に接続され、ドレインが共通接続される、ON抵抗値がそれぞれ異なる第1群のPchトランジスタと、前記第1群のPchトランジスタのドレイン側にソースが接続され、ドレインが異なる抵抗値の抵抗素子を介して前記データ伝送路に共通接続される抵抗素子選択用の第2群のPchトランジスタと、プルダウン側のNchトランジスタであって、ソースがグランド側に接続され、ドレインが共通接続される、ON抵抗値がそれぞれ異なる第3群のNchトランジスタと、前記第3群のNchトランジスタのドレイン側にソースが接続され、ドレインが異なる抵抗値の抵抗素子を介して前記データ伝送路に共通接続される抵抗素子選択用の第4群のNchトランジスタと、前記第1群のPchトランジスタおよび第3群のNchトランジスタのゲートレベルを変更して、前記第1群の内のいずれかのPchトランジスタおよび前記第3群のうちのいずれかのNchトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部と、前記第2群のPchトランジスタおよび第4群のNchトランジスタのゲートレベルを変更して、前記第2群の内のいずれかのPchトランジスタおよび前記第4群のうちのいずれかのNchトランジスタを選択して抵抗素子を選択する抵抗用トランジスタ選択部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、ドライバ部のプルアップ側において、第1群のPchトランジスタからPchトランジスタを選択してON抵抗値を設定し、第2群のPchトランジスタを選択して抵抗素子の抵抗値を設定する。また、ドライバ部のプルダウン側において、第3群のNchトランジスタからNchトランジスタを選択してON抵抗値を設定し、第4群のNchトランジスタを選択して抵抗素子の抵抗値を設定する。
これにより、半導体装置において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0024】
また、本発明の半導体装置は、前記抵抗用トランジスタ選択部には、前記第2群のPchトランジスタ、および第4群のNchトランジスタの中から所望のトランジスタを選択するためのヒューズまたはアンチヒューズを備えること、を特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、第2群のPchトランジスタ、および第4群のNchトランジスタを選択するためのヒューズまたはアンチヒューズを備える。
これにより、2群のPchトランジスタ、および第4群のNchトランジスタ中から所望のトランジスタを容易に選択することができる。
【0025】
また、本発明の半導体装置は、電源電圧VDDと基準電圧VRefを基に、ドライバ部出力のLowレベルと基準電圧VRefのマージンと、ドライバ部出力のHighレベルと基準電圧VRefのマージンとが等しくなるLowレベルを判定するためのVIL判定基準電圧VLoを発生するVIL判定基準電圧発生ブロックと、レシーバ側の終端抵抗Rttの抵抗値と、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗値と、該Nchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値とにより決まる信号のLowレベルと、前記VIL判定基準電圧発生ブロックにより生成されるVIL判定基準電圧VLoとを比較するVILレベル判定ブロックと、前記VILレベル判定ブロックによる比較結果を基に、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗の調整を、ドライバ部のLow出力レベルが前記VIL判定基準電圧VLoと等しくなるまで繰り返す出力BUFコントロール部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、VIL判定基準電圧発生ブロックは、「ドライバ部出力のLowレベルと基準電圧VRefのマージン」と、「ドライバ部出力のHighレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなるLowレベルを判定するためのVIL判定基準電圧VLoを発生する。VILレベル判定ブロックは、レシーバ側の終端抵抗Rttの抵抗値と、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗値と、Nchトランジスタに接続された抵抗値とにより決まる信号のLowレベルと、VIL判定基準電圧VLoとを比較する。出力BUFコントロール部は、VILレベル判定ブロックによる比較結果を基に、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗の調整を、ドライバ部のLow出力レベルがVIL判定基準電圧VLoと等しくなるまで繰り返す。
これにより、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わり得る終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗を適宜変更可能になると共に、「ドライバ部出力のLowレベルと基準電圧VRefのマージン」と、「ドライバ部出力のHighレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなるように、NchトランジスタのON抵抗値と、抵抗素子の値を設定することができる。
【0026】
また、本発明の半導体装置は、前記ドライバ部のドライバレプリカであって、前記BUFコトロールにより求めたドライバ部におけるNchトランジスタ側のON抵抗値を予め設定し、これに等しいPchトランジスタ側のON抵抗値を求めるためのドライバレプリカと、電源電圧VDDを基に、1/2VDDレベルの電圧を生成する1/2VDDレベル発生部と、前記ドライバレプリカ内のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、前記1/2VDDレベル発生部で発生された1/2VDDレベルとを比較する1/2VDDレベル判定ブロックと、前記1/2VDDレベル判定ブロックの出力を基に、前記分圧レベルが前記1/2VDDレベルになるように前記ドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を調整すると共に、該ドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を基に前記ドライバ部のPchトランジスタ側をON抵抗値を調整する出力BUFコントロール部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、ドライバレプリカを使用して、PchトランジスタのON抵抗値と、抵抗素子の値を設定する。この場合に、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗値と、抵抗素子の値とをドライバレプリカに予め設定する。そして、ドライバレプリカ内のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、1/2VDDレベル(電源電圧VDDの1/2の電圧レベル)とを比較し、前記分圧レベルが1/2VDDレベルになるようにドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を調整する。調整完了後、ドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を基に、ドライバ部のPchトランジスタ側をON抵抗値を調整する。
これにより、ドライバレプリカを使用して、Pchトランジスタ側のON抵抗値と、抵抗素子の抵抗値とを容易に設定することができる。
【0027】
また、本発明の半導体装置は、前記レシーバ側がODT機能を備える場合のドライバ部であって、電源電圧VDDを基に1/2VDDレベルの電圧を生成する1/2VDDレベル発生部と、前記ODT機能をOFFにした状態において、前記ドライバ部のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、前記1/2VDDレベル発生部で発生された1/2VDDレベルとを比較する1/2VDDレベル判定ブロックと、前記1/2VDDレベル判定ブロックの出力を基に、前記分圧レベルが前記1/2VDDレベルになるように前記Pchトランジスタ側のON抵抗値を調整するBUFコトロール部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の半導体装置では、ドライバ部において、Nchトランジスタ側のON抵抗値と抵抗素子の抵抗値の調整が完了した後に、ODT機能をOFF状態し、ドライバ部のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、1/2VDDレベル(電源電圧VDDの1/2のレベル)とを比較し、分圧レベルが1/2VDDレベルになるようにPchトランジスタ側のON抵抗値を調整する。
これにより、ドライバレプリカを使用することなく、Pchトランジスタ側のON抵抗値と、抵抗素子の値とを容易に設定することができる。
【0028】
また、本発明のドライバ制御方法は、電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置におけるドライバ制御方法であって、プルアップ側を、前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成する手順と、プルダウン側を、前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、で構成する手順と、前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択手順と、含むことを特徴とする。
上記手順を含む本発明のドライバ制御方法では、ドライバ部のプルアップ側において、抵抗素子が直列に挿入されたトランジスタを複数種類用意し、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。また、ドライバ部のプルダウン側においても、抵抗素子が直列に挿入されたトランジスタを複数種類用意し、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値とを複数種類の値から選択可能に構成する。そして、これらを任意に組み合わせる事で、線形なI−V特性をもつドライバ部を実現する。
これにより、半導体装置において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【発明の効果】
【0029】
本発明の半導体装置においては、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。
【0030】
このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタのON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0031】
また、線形なI−V特性を持つドライバ部を提供する事により、Eyeパターンの対称性を持たせることができ、ウインドウ幅の歪を改善できる。また、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」を等しくできる。
【0032】
また、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わり得る終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗を適宜変更可能となる。
【0033】
また、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わりえる終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗に関し、イニシャライズ時に、そのシステムに適した調整を行う事が可能となる。
【0034】
さらに、トランジスタのON抵抗値は温度や電源電圧等の変動によっても変化するので、実動作中に定期的なON抵抗値調整を行う事によっても、効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図であり、ドライバ部の構成を示す図である。
【0037】
図1に示す様に、ドライバ部1は、ドライバ2と、駆動トランジスタ選択部3とで構成されている。また、ドライバ2は、プルアップ側のPchトランジスタ(Pch MOS FET)P1、P2、P3と、プルダウン側のNchトランジスタ(Nch MOS FET)N1、N2、N3とで構成されている。なお、PchトランジスタP1、P2、P3は、それぞれ異なるON抵抗値を持つPchトランジスタである(同一の場合もある)。また、NchトランジスタN1、N2、N3もそれぞれ異なるON抵抗値を持つPchトランジスタである(同一の場合もある)。
【0038】
そして、プルアップ側のPchトランジスタP1、P2、P3のソース側は電源VDDに接続され、プルダウン側のNchトランジスタN1,N2、N3のソース側はグランド(GND)に接続されている。
【0039】
また、PchトランジスタP1のドレインと、NchトランジスタN1のドレインとの間には、抵抗素子Rsp1と抵抗素子Rsn1とが直列に挿入されている。PchトランジスタP2のドレインと、NchトランジスタN2のドレインとの間には、抵抗素子Rsp2と抵抗素子Rsn2とが直列に挿入されている。PchトランジスタP3のドレインと、NchトランジスタN3のドレインとの間には、抵抗素子Rsp3と抵抗素子Rsn3とが挿入されている。
【0040】
また、抵抗素子Rsp1と抵抗素子Rsn1の接続点と、抵抗素子Rsp2と抵抗素子Rsn2の接続点と、抵抗素子Rsp3と抵抗素子Rsn3の接続点とは共通接続されており、この共通接続点はドライバ部2の出力信号線a(データ伝送路)に接続されている。
【0041】
なお、図中の符号Ron_p1はPchトランジスタP1のON抵抗値、Ron_p2はPchトランジスタP2のON抵抗値、Ron_p3はPchトランジスタP3のON抵抗値を示している。また、Ron_n1はNchトランジスタN1のON抵抗値、Ron_n2はNchトランジスタN2のON抵抗値、Ron_n3はNchトランジスタN3のON抵抗値を示している。
【0042】
そして、駆動トランジスタ選択部3により、各トランジスタのゲートレベルを任意に変更して、駆動するトランジスタを選択することにより、トランジス部のON抵抗値(トランジスタのON抵抗と抵抗素子を合わせ抵抗値)を変更できるように構成されている。
【0043】
このように、図1に示す構成例では、ドライバ2のトランジスタと直列に抵抗素子を挿入し、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値は数種類の値から選択可能に構成し、これらを任意に組み合わせることで、線形なI−V特性をもつドライバ部を実現する。例えば、ドライバ部のターゲットON抵抗値(目標とする抵抗値)よりも低いトランジスタのON抵抗と抵抗素子を組み合わせ、線形なI−V特性をもつドライバ部を実現する。
【0044】
図2は、PchトランジスタおよびNchトランジスタの動作点に関する図である。
図2に示すように、プルダウン側のNchトランジスタについては、出力抵抗Routを、ターゲット抵抗R_targetの特性(直線性のある特性)に近づけるために、NchトランジスタN1(ON抵抗値がRon_n1)と抵抗素子Rsn1を選択するか(Rout=Ron_n1+Rsn1)、または、NchトランジスタN2(ON抵抗値がRon_n2)と抵抗素子Rsn2を選択する(Rout=Ron_n2+Rsn2)。この場合、NchトランジスタN2と抵抗素子Rsn2を選択する方が(Rout=Ron_n2+Rsn2)、より直線性を得ることができる。
【0045】
同様にして、プルアップ側のPchトランジスタについては、出力抵抗Routを、ターゲット抵抗R_taRgetの特性(直線性のある特性)に近づけるために、PchトランジスタP1(ON抵抗値がRon_p1)と抵抗素子Rsp1を選択するか(Rout=Ron_p1+Rsp1)、または、PchトランジスタP2(ON抵抗値がRon_p2)と抵抗素子Rsp2を選択する(Rout=Ron_p2+Rsp2)。この場合、PchトランジスタP2と抵抗素子Rsp2を選択する方が(Rout=Ron_p2+Rsp2)、より直線性を得ることができる。
【0046】
なお、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値の組み合わせに関しては、どこまで線形特性を実現する必要があるのかと言うことと、低いトランジスタのON抵抗値を実現するためのトランジスタ・サイズ(Wサイズ)増大による設計へのインパクトによるトレード・オフの関係がある。
【0047】
例えば、図2に示す例おいて、「RON_n1>RON_n2」、「Rsn1<Rsn2」の関係があり、NchトランジスタN2と抵抗素子Rsn2を選択することにより、より線形性を有するI−V特性をもつドライバ部を実現するためには、より大きなトランジスタサイズ(Wサイズ)が必要になる。
【0048】
また、トランジスタのON抵抗と抵抗素子の抵抗値の和が、ドライバ部のターゲットON抵抗値よりも大きくなるように選択する場合は、実用的なドライバ部のターゲットON抵抗値としては、数10Ωから100Ω程度の範囲にあると考えられる。
【0049】
なお、図1に示す構成においては、駆動トランジスタ選択部3により、各トランジスタのゲートレベルを任意に変更して、駆動するトランジスタを選択する例を示したが、トランジスタ・抵抗素子選択用手段としては、ヒューズや、アンチヒューズを用いることもできる。
【0050】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態においては、駆動トランジスタ選択部3により、プルアップ側のPchトランジスタおよび抵抗素子と、プルダウン側のNchトランジスタおよび抵抗素子とを選択することにより、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善することができる。また、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0051】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図であり、ドライバ部の構成を示す図である。
【0052】
図3に示すドライバ部4は、ドライバ5と、駆動トランジスタ選択部6と、抵抗用トランジスタ選択部7とで構成されている。
【0053】
ドライバ部4は、プルアップ側のPchトランジスタ(Pch MOS FET)P1、P2、P3(それぞれ異なるON抵抗値を持つ)と、抵抗素子選択用のPchトランジスタP4、P5、P6とを有している。また、プルダウン側のNchトランジスタ(Nch MOS FET)N1、N2、N3(それぞれ異なるON抵抗値を持つ)と、抵抗素子選択用のNchトランジスタN4、N5、N6とを有している。なお、PchトランジスタP1、P2、P3は、それぞれ異なるON抵抗値を持つPchトランジスタである(同一の場合もある)。また、NchトランジスタN1、N2、N3もそれぞれ異なるON抵抗値を持つNchトランジスタである(同一の場合もある)。
【0054】
そして、プルアップ側のPchトランジスタP1、P2、P3のソース側は電源VDDに接続され、プルダウン側のNchトランジスタN1,N2、N3のソース側はグランド(GND)に接続されている。
【0055】
PchトランジスタP1のドレインにはPchトランジスタP4のソースが接続され、PchトランジスタP1とP4とが直列に接続される。また、PchトランジスタP4のドレインには、抵抗素子Rsp1が接続される。PchトランジスタP2のドレインにはPchトランジスタP5のソースが接続され、PchトランジスタP2とP5とが直列に接続される。PchトランジスタP5のドレインには、抵抗素子Rsp2が接続される。また、PchトランジスタP3のドレインにはPchトランジスタP6のソースが接続され、PchトランジスタP3とP6とが直列に接続される。また、PchトランジスタP6のドレインには、抵抗素子Rsp3が接続される。なお、抵抗素子Rsp1、Rsp2、Rsp3はそれぞれ異なる抵抗値を持つ抵抗素子である(同一の抵抗値の場合もある)。
【0056】
そして、PchトランジスタP1、P4の接続点と、PchトランジスタP2、P5の接続点と、PchトランジスタP3、P6の接続点は、信号線aにより共通接続されている。
【0057】
一方、NchトランジスタN1のドレインとNchトランジスタN4のソースとが接続され、NchトランジスタN1とN4が直列に接続される。また、NchトランジスタN4のドレインには抵抗素子Rsn1が接続される。NchトランジスタN2のドレインとNchトランジスタN5のソースとが接続され、NchトランジスタN2とN5が直列に接続される。また、NchトランジスタN5のドレインには抵抗素子Rsn2が接続される。NchトランジスタN3のドレインとNchトランジスタN6のソースとが接続され、NchトランジスタN3とN6が直列に接続される。また、NchトランジスタN6のドレインには抵抗素子Rsn3が接続される。なお、抵抗素子Rsn1、Rsn2、Rsn3はそれぞれ異なる抵抗値を持つ抵抗素子である(同一の抵抗値の場合もある)。
【0058】
また、NchトランジスタN1、N4の接続点と、NchトランジスタN2、N5の接続点と、NchトランジスタN3、N6の接続点は、信号線cにより共通接続されている。
【0059】
また、抵抗素子Rsp1と抵抗素子Rsn1は直列に接続され、抵抗素子Rsp2と抵抗素子Rsn2は直列に接続され、抵抗素子Rsp3と抵抗素子Rsn3は直列に接続され、各接続点は信号線b(データ伝送路に相当)により共通接続されている。
【0060】
なお、図中の符号Ron_p1はPchトランジスタP1のON抵抗値、Ron_p2はPchトランジスタP2のON抵抗値、Ron_p3はPchトランジスタP3のON抵抗値を示している。Rsel_p4はPchトランジスタP4のON抵抗値、Rsel_p5はPchトランジスタP5のON抵抗値、Rsel_p6はPchトランジスタP6のON抵抗値を示している。Ron_n1はNchトランジスタN1のON抵抗値、Ron_n2はNchトランジスタN2のON抵抗値、Ron_n3はNchトランジスタN3のON抵抗値を示している。Rsel_n4はNchトランジスタN4のON抵抗値、Rsel_n5はNchトランジスタN5のON抵抗値、Rsel_n6はNchトランジスタN6のON抵抗値を示している。
【0061】
上記構成において、駆動トランジスタ選択部3により、プルアップ側のPchトランジスタP1、P2、P3のゲートレベルを任意に変更して、データ伝送路を駆動するトランジスタを選択する。これにより、プルアップ側のトランジス部のON抵抗値を変更できるように構成されている。
【0062】
また、駆動トランジスタ選択部3により、プルダウン側のNchトランジスタN1、N2、N3のゲートレベルを任意に変更して、データ伝送路を駆動するトランジスタを選択する。これにより、ププルダウン側のトランジス部のON抵抗値を変更できるように構成されている。
【0063】
また、抵抗用トランジスタ選択部7は、トランジスタP4、P5、P6のゲートレベルを任意に変更して、トランジスタを選択することにより、抵抗素子Rsp1、Rsp2、Rsp3のいずれかを選択する。また、抵抗用トランジスタ選択部7は、トランジスタN4、N5、N6のゲートレベルを任意に変更して、トランジスタを選択することにより、抵抗素子Rsn1、Rsn2、Rsn3のいずれかを選択する。
【0064】
このように、ドライバ5のプルアップ側において、PchトランジスタP1、P2、P3からPchトランジスタを選択してON抵抗値を設定し、PchトランジスタP4、P5、P6からPchトランジスタを選択して抵抗素子の抵抗値を設定する。また、プルダウン側において、NchトランジスタN1、N2、N3からNchトランジスタを選択してON抵抗値を設定し、NchトランジスタN4、N5、N6からNchトランジスタを選択して抵抗素子の抵抗値を設定する。
【0065】
これにより、半導体装置において、線形なI−V特性をもつドライバ部を提供することができ、信号の伝送特性を改善すると共に、線形なI−V特性をもつドライバ部を各種条件に適合できように制御できる。このため、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタ側のON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0066】
なお、図3に示す構成においては、抵抗用トランジスタ選択部7により、各トランジスタのゲートレベルを任意に変更して、抵抗素子を選択する例を示したが、抵抗素子を選択する手段としては、ヒューズや、アンチヒューズを用いることもできる。
【0067】
なお、前述した第1群のPchトランジスタは、PchトランジスタP1、P2、P3が相当し、第2群のPchトランジスタは、PchトランジスタP4、P5、P6が相当する。また、前述した第3群のNchトランジスタは、NchトランジスタN1、N2、N3が相当し、第4群のNchトランジスタは、NchトランジスタN4、N5、N6が相当する。
【0068】
[第3の実施の形態]
上述した第1の実施の形態、および第2の実施の形態では、終端抵抗Rttの抵抗値や基準電圧VRef値から、半導体メーカが適宜、トランジおよび抵抗素子の最適な組み合わせを選ぶ例について説明したが、本発明の第3の実施の形態では、ドライバ部出力のON抵抗が最適になるような調整機能をもつ構成例について説明する。
【0069】
終端抵抗Rttの抵抗値は、ドライバ部とレシーバを接続するデータ伝送線路の特性インピーダンスによって変わり、また、消費電流低減の観点から、少々波形品質を悪化させても問題が生じない範囲の中で、終端抵抗値を高めに設定する場合がある。
【0070】
また、基準電圧VRefはレシーバの性能に依存する所があり、同じ電源電圧をもつインターフェースにおいても、基準電圧値はそれぞれ固有の値を持つ可能性もある。この様な背景の下、第1および第2の実施の形態のように、半導体メーカが適宜最適な設定になる様にドライバ部のON抵抗を決めても良いが、本発明の第3の実施の形態では、終端抵抗Rttの抵抗値と基準電圧VRefから、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」が等しくなる様なドライバ部のON抵抗値を調整できる機能を有する構成例について説明する
【0071】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図であり、レシーバがODT(On-Die Termination)機能を有していない場合の例である。
【0072】
図4に示す例では、図1や図3に示したような構成を持つドライバ部11と、電源電圧VDDと基準電圧VRefから、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなる様なLowレベルを判定するための「VIL判定基準電圧VLo」を発生するVIL判定基準電圧発生ブロック12を有する。
【0073】
また、終端抵抗Rttの抵抗値と、ドライバ部11のNch側のON抵抗値とで決まる信号のLowレベルと、VIL判定基準電圧発生ブロック12で生成されたVIL判定基準電圧VLoとを比較する機能を有するVILレベル判定ブロック13を有する。
【0074】
また、ドライバ部11のNch側のON抵抗値を基に、これに等しいPch側のON抵抗値を求めるためのドライバレプリカ14と、1/2VDDレベル発生部15と、1/2VDDレベル判定ブロック16とを有している。
【0075】
また、VILレベル判定ブロック13や1/2VDDレベル判定ブロック16の結果を反映し、ドライバ部11やドライバレプリカ14のON抵抗を、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した方法により調整可能な出力BUFコントロール部17を有している。
【0076】
(Nch側のON抵抗値調整手順の説明)
次に、終端抵抗Rttの抵抗値に応じて、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」が等しくなる様に、ドライバ部11のNch側のON抵抗を調節する手法について説明する。
【0077】
調整手順としては、ドライバ部11のLowレベル出力時すなわち、NchトランジスタとNchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値を調整し、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」が等しくなる様なON抵抗を決定し、その後、ドライバ部11のHighレベル出力時すなわち、PchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値を調整し、ドライバ部11のLowレベル出力側と同じON抵抗に調節する。下記にその手順を説明する。
第1の手順として、VIL判定基準電圧の生成を行う。
「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」が等しくなる様なLowレベルとは、電源電圧VDDとLowレベルの中間電圧が基準電圧VRefと等しくなるレベルであり、VIL判定基準電圧発生ブロック12により生成する。
【0078】
その生成方法としては、電源電圧VDDとVIL判定基準電圧を抵抗素子r1、r2(r1=r2)により分圧し、この分圧レベルと基準電圧VRefが等しいかどうかをコンパレータCP1で比較し、電源電圧VDDとVIL判定基準電圧の分圧レベルと基準電圧VRefが等しくなる様に、VIL判定基準電圧VLoを生成する。
【0079】
第2の手順として、ドライバ部のLow出力レベルの判定を行う。
VIL判定基準電圧発生ブロック12にてVIL判定基準電圧VLoを生成した後、VIL判定基準電圧VLoとドライバ部のLow出力レベルとを、VILレベル判定ブロック13内のコンパレータCP2により比較し、その結果を受けて、出力BUFコントロール部17はドライバ部11のNch側のON抵抗の調整を、第1および第2の実施の形態で説明した方法を用いて行う。この動作は、ドライバ部のLow出力レベルがVIL判定基準電圧VLoと等しくなるまで繰り返される。
【0080】
第3の手順として、手順2で求めたNchトランジスタ側のON抵抗を基に、PchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗値の調整を行う。このPchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗値の調整には、ドライバレプリカ14が使用される。
【0081】
ドライバ部のNchトランジスタとNchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値の調整が完了した後、そのON抵抗と等しくなる様に、PchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗素子のON抵抗の調整を行う。
【0082】
このために、ドライバレプリカ14のNchトランジスタとNchトランジスタに接続された抵抗素子の設定は、出力BUFコントロール部17によってドライバ部11と同じになるように設定にされる。
【0083】
そして、ドライバレプリカ14のNch側のON抵抗とPch側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、1/2VDDレベル発生部15で発生された1/2VDDレベルとを、1/2VDDレベル判定ブロック16で比較する。
【0084】
そして、その結果を受けて、出力BUFコントロール部17は、ドライバレプリカ14のPchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値の調整を行う。
【0085】
この動作は、ドライバレプリカ14のNch側のON抵抗とPch側のON抵抗とで決まる分圧レベルが、1/2VDDレベルと等しくなるまで繰り返される。
【0086】
このように、本発明の第3の実施の形態においては、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わり得る終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗を適宜調整可能になると共に、「ドライバ部出力のLowレベルと基準電圧VRefのマージン」と、「ドライバ部出力のHighレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなるように、ドライバ部のON抵抗を設定することができる。
【0087】
[第4の実施の形態]
第3の実施の形態では、レシーバ側にODT機能を有しない例について説明したが、本発明の第4の実施の形態では、レシーバ側にODT機能を備える場合の例について説明する。
【0088】
図5は、レシーバ側がODT機能を備える場合の構成例であり、基本構成および基本動作は図4に示す構成例と同じであるが、レシーバ側のODT機能をON/OFFさせることで、図4に示すドライバレプリカ14を削減することができる。
【0089】
NchトランジスタとNchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値の調整を行う場合は、図4に示した例と同じ手順で行う。
PchトランジスタとPchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値の調整を行う場合は、まずレシーバのODTをOFFにする。
【0090】
その後、ドライバ部11のNch側のON抵抗とPch側のON抵抗による分圧値と、1/2VDDレベルとを1/2VDDレベル判定ブロック16により比較し、出力BUFコントロール部17は、分圧値が1/2VDDレベルと等しくなるまで、Pch側のON抵抗の調整を繰り返す。これにより、ドライバレプリカを使用することなく、Pchトランジスタ側のON抵抗値と、抵抗素子の値とを設定することができる。
【0091】
[具体例の説明]
上記具体例として、電源電圧が1.2Vで基準電圧VRefが電源電圧の0.7倍とした場合、基準電圧VRefは0.84Vとなり、「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」は「1.2V−0.84V=0.36V」となるので、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とが等しくなる様なLowレベルは、「0.84V−0.36V=0.48V」にする必要がある。
【0092】
この時、ドライバ部のターゲットON抵抗値は、レシーバ側の終端抵抗値によって左右され、例えば終端抵抗値が60Ωの場合、ドライバ部のターゲットON抵抗値は40Ωになる。
【0093】
ドライバ部のON抵抗値がターゲットのON抵抗値よりも低い場合は、Lowレベルは目標の0.48Vよりも低くなり、ドライバ部のON抵抗値がターゲットのON抵抗値よりも大きい場合は、Lowレベルは目標の0.48Vよりも高くなる。
【0094】
ドライバ部のターゲットON抵抗40Ωを実現する為には、ドライバ部のI/O特性をどこまで線形性を持たせるかにもよるが、トランジスタのON抵抗値や抵抗素子の抵抗値として、20Ωから30Ω程度の間で数Ω刻みの物を用意しておき、上記方法によって、最適なものを選択する。
【0095】
またこれまで述べてきた様に、ドライバ部のターゲットON抵抗値は、レシーバ側の終端抵抗値や基準電圧VRef値によっても変わるので、実用的なドライバ部のターゲットON抵抗値として、数10Ωから100Ω程度を達成できる様に、トランジスタのON抵抗値や抵抗素子の抵抗値も、数10Ωから100Ω程度のものを、実用的な刻みで用意しておくと良い。
【0096】
なお、ドライバ部のON抵抗値調整に関しては、システム起動時のイニシャライズ・シーケンスにて毎回行い、そのシステムに適した調整を行う。また、トランジスタのON抵抗値は温度や電源電圧等の変動によっても変化するので、実動作中に定期的な調整を行う事によっても、効果が得られる。
【0097】
以上説明したように、本発明の半導体装置においては、終端抵抗値や基準電圧VRef値が変わったとしても、線形特性をもつ最適なドライバトランジスタのON抵抗値を任意に決定出来るので、終端条件や基準電圧VRef値が変わったとしても、Eyeパターンの対称性を確保でき、Low側のウインドウ幅が狭くなってしまう問題を解決出来る。
【0098】
また、線形なI−V特性を持つドライバ部を提供する事により、Eyeパターンの対称性を持たせることができ、ウインドウ幅の歪を改善できる。また、「Lowレベルと基準電圧VRefのマージン」と「Highレベルと基準電圧VRefのマージン」とを等しく出来る。
【0099】
また、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わり得る終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗を適宜変更可能である。
【0100】
また、伝送線路の特性インピーダンス等によって変わりえる終端抵抗Rttの抵抗値やレシーバの性能に依存する基準電圧VRef値によって決まるドライバ部のON抵抗に関し、イニシャライズ時に、そのシステムに適した調整を行う事が可能である。
【0101】
さらに、トランジスタのON抵抗値は温度や電源電圧等の変動によっても変化するので、実動作中に定期的なON抵抗値調整を行う事によっても、効果が得られる。
【0102】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の半導体装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の半導憶装置の利用分野として、低電圧化と高速化が要求される携帯機器やDVD・TV等のデジタル機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図2】PchトランジスタとNchトランジスタの動作点を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図6】ドライバとレシーバによるデータ伝送について説明するための図である。
【図7】データ伝送路におけるEyeパターンの例を示す図である。
【図8】ドライバにおけるプルアップ/プルダウン電流と電圧の関係(I−V特性)を示す図である。
【図9】抵抗素子モデルとトランジスタモデルにおけるEyeパターンの例を示す図である。
【図10】終端抵抗Rttの抵抗値を小さくした場合のEyeパターンの例を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1、4・・・ドライバ部、2、5・・・ドライバ、3、6・・・駆動トランジスタ選択部、7・・・抵抗用トランジスタ選択部、11・・・ドライバ部、12・・・VIL判定基準電圧発生ブロック、13・・・VILレベル判定ブロック、14・・・ドライバレプリカ、15・・・1/2VDDレベル発生部、16・・・1/2VDDレベル判定ブロック、17・・・出力BUFコントロール部、21・・・ドライバ、22・・・レシーバ、23・・・データ伝送路、P1〜P6・・・Pchトランジスタ、N1〜N6・・・Nchトランジスタ、Rsp1,Rsp2,Rsp3・・・抵抗素子、Rsn1,Rsn2,Rsn3・・・抵抗素子、Rtt・・・終端抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、
前記ドライバ部は、
プルアップ側が、
前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、
前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成され、
プルダウン側が、
前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、
前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成され、
前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部を、
備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、
前記ドライバ部は、
プルアップ側が、
前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のPchトランジスタと、
前記Pchトランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記Pchトランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成され、
プルダウン側が、
前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のNchトランジスタと、
前記Nchトランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記Nchトランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成され、
前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部を、
備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置であって、
前記ドライバ部は、
プルアップ側のPchトランジスタであって、ソースが電源側に接続され、ドレインが共通接続される、ON抵抗値がそれぞれ異なる第1群のPchトランジスタと、
前記第1群のPchトランジスタのドレイン側にソースが接続され、ドレインが異なる抵抗値の抵抗素子を介して前記データ伝送路に共通接続される抵抗素子選択用の第2群のPchトランジスタと、
プルダウン側のNchトランジスタであって、ソースがグランド側に接続され、ドレインが共通接続される、ON抵抗値がそれぞれ異なる第3群のNchトランジスタと、
前記第3群のNchトランジスタのドレイン側にソースが接続され、ドレインが異なる抵抗値の抵抗素子を介して前記データ伝送路に共通接続される抵抗素子選択用の第4群のNchトランジスタと、
前記第1群のPchトランジスタおよび第3群のNchトランジスタのゲートレベルを変更して、前記第1群の内のいずれかのPchトランジスタおよび前記第3群のうちのいずれかのNchトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択部と、
前記第2群のPchトランジスタおよび第4群のNchトランジスタのゲートレベルを変更して、前記第2群の内のいずれかのPchトランジスタおよび前記第4群のうちのいずれかのNchトランジスタを選択して抵抗素子を選択する抵抗用トランジスタ選択部と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
前記抵抗用トランジスタ選択部には、
前記第2群のPchトランジスタ、および第4群のNchトランジスタの中から所望のトランジスタを選択するためのヒューズまたはアンチヒューズを備えること、
を特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
電源電圧VDDと基準電圧VRefを基に、ドライバ部出力のLowレベルと基準電圧VRefのマージンと、ドライバ部出力のHighレベルと基準電圧VRefのマージンとが等しくなるLowレベルを判定するためのVIL判定基準電圧VLoを発生するVIL判定基準電圧発生ブロックと、
レシーバ側の終端抵抗Rttの抵抗値と、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗値と、該Nchトランジスタに接続された抵抗素子の抵抗値とにより決まる信号のLowレベルと、前記VIL判定基準電圧発生ブロックにより生成されるVIL判定基準電圧VLoとを比較するVILレベル判定ブロックと、
前記VILレベル判定ブロックによる比較結果を基に、ドライバ部のNchトランジスタのON抵抗の調整を、ドライバ部のLow出力レベルが前記VIL判定基準電圧VLoと等しくなるまで繰り返す出力BUFコントロール部と、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ドライバ部のドライバレプリカであって、前記BUFコトロールにより求めたドライバ部におけるNchトランジスタ側のON抵抗値を予め設定し、これに等しいPchトランジスタ側のON抵抗値を求めるためのドライバレプリカと、
電源電圧VDDを基に、1/2VDDレベルの電圧を生成する1/2VDDレベル発生部と、
前記ドライバレプリカ内のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、前記1/2VDDレベル発生部で発生された1/2VDDレベルとを比較する1/2VDDレベル判定ブロックと、
前記1/2VDDレベル判定ブロックの出力を基に、前記分圧レベルが前記1/2VDDレベルになるように前記ドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を調整すると共に、該ドライバレプリカのPchトランジスタ側のON抵抗値を基に前記ドライバ部のPchトランジスタ側をON抵抗値を調整する出力BUFコントロール部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記レシーバ側がODT機能を備える場合のドライバ部であって、
電源電圧VDDを基に1/2VDDレベルの電圧を生成する1/2VDDレベル発生部と、
前記ODT機能をOFFにした状態において、前記ドライバ部のNchトランジスタ側のON抵抗値と、Pchトランジスタ側のON抵抗とで決まる分圧レベルと、前記1/2VDDレベル発生部で発生された1/2VDDレベルとを比較する1/2VDDレベル判定ブロックと、
前記1/2VDDレベル判定ブロックの出力を基に、前記分圧レベルが前記1/2VDDレベルになるように前記Pchトランジスタ側のON抵抗値を調整するBUFコトロール部と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
電源終端されたデータ伝送路にデータを伝送するためのドライバ部を備える半導体装置におけるドライバ制御方法であって、
プルアップ側を、
前記データ伝送路をHighレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、
前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成する手順と、
プルダウン側を、
前記データ伝送路をLowレベルに駆動するためのON抵抗値が異なる複数のトランジスタと、
前記トランジスタのそれぞれに対して直列に接続される抵抗素子であって、前記トランジスタの出力側に一端が接続されると共に他端が前記データ伝送路に接続される複数の抵抗素子と、
で構成する手順と、
前記プルアップ側およびプルダウン側のそれぞれにおいて、前記複数のトランジスタの内のいずれかのトランジスタを選択する駆動トランジスタ選択手順と、
含むことを特徴とするドライバ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−100340(P2009−100340A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271144(P2007−271144)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】