説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】半導体装置の高速伝送、多層化対応を図り、半導体チップ設計の制約を減らす。
【解決手段】半導体装置は、少なくとも2つの積層された半導体チップ1,2と、半導体チップ1,2同士を電気的に接続する接続構造とを有している。接続構造は、第1の半導体チップ1に設けられた第1の電極11と、第2の半導体チップ2に設けられた第2の電極21と、第1、第2の半導体チップ1,2の間に挟まれた接合ボード5とを有している。接合ボード5は、第1の電極11と対向する第1の接続電極52と、第2の電極2と対向する第2の接続電極53と、接合ボード5を貫通するスルーホール54と、スルーホール54と第1、第2の接続電極52、53とを電気的に接続する配線55,56とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に、表裏面に貫通する電極を有する半導体チップを相互に積み重ねた3次元LSIなどの半導体装置において、半導体チップ同志を電気的に接続させる接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子が形成された半導体チップを有する半導体装置(半導体パッケージ)において、複数の半導体チップを一つのパッケージに収めた構造の一例としてスタック構造が知られている。スタック構造の半導体装置では、半導体チップを、例えば2段に積層し、これを樹脂モールドしてパッケージとしている。スタック構造の半導体装置とその製造方法については、これまでにも多くの技術が開示されている(特許文献1〜4参照。)。
【0003】
特許文献1に開示されているような、フェイスアップ実装され、ワイヤーボンディング接続されたチップの上にさらに別のチップを積層して実装する構造は、上のチップが下のチップの電極を覆わない形状である必要があり、チップサイズの制約が大きい。
【0004】
これに対して、特許文献2,3に開示されているような、下層の半導体チップがフェイスダウン実装され、上層の半導体チップがワイヤーボンディング接続される構造は、上記のようなチップサイズの制約はなく、より自由度の高い構造が可能である。
【0005】
さらに、特許文献4には、半導体チップの表裏面を貫通する貫通電極を用いた積層半導体装置の接続方法が開示されており、各半導体チップに共通の貫通電極と相互接続用電極とを形成し、それらを任意の配線パターンを介して接続することで、半導体チップ間を接続する電極が半導体チップの積層方向への投影面において互いに異なる位置にある場合でも、半導体チップを相互接続させることができる。
【特許文献1】特開2000−188369号公報
【特許文献2】特開2000−299431号公報
【特許文献3】特開平11−219984号公報
【特許文献4】特開2001−127243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のスタック構造の積層半導体装置や貫通電極を用いた積層半導体装置では以下の問題があった。
【0007】
まず第1に、特許文献1〜3に示す従来のスタック構造の半導体装置は、フェイスダウン接続またはフェイスアップでワイヤーボンディング接続された半導体チップの上に、別の半導体チップをフェイスアップで積層し、ワイヤーボンディング接続する実装構造がとられており、配線の長いワイヤーを接続手段として使用しているため、伝送ロスが多く、高速伝送には適さない。また、3段以上に多層積層しようとした場合、上側の半導体チップほど小さくする必要があるためチップサイズの制約が大きくなってしまう。
【0008】
第2に、特許文献4に示す半導体装置では、半導体チップの表面に電極接続用の配線をする必要があり、半導体チップの配線パターン設計が煩雑になり、開発期間の長期化にもつながる。
【0009】
さらに、複数の半導体チップを積層し1パッケージ化した場合、個々の半導体チップの電極から電気信号を取り出せないため、故障解析などが煩雑になるという問題点もある。
【0010】
本発明は、以上の事情に基づきなされ、高速伝送が可能で、多層化にも対応でき、半導体チップ設計の制約を減らし、パターン設計を容易に行うことができる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体装置は、少なくとも2つの積層された半導体チップと、半導体チップ同士を電気的に接続する接続構造とを有する半導体装置である。そして、上記目的を達成するため、接続構造は、第1の半導体チップの一方の面に設けられた第1の電極と、第2の半導体チップの第1の電極と向き合う面に設けられた第2の電極と、第1、第2の半導体チップの間に挟まれた接合ボードとを有している。接合ボードは、第1の電極と対向し、第1の電極と電気的に接続する第1の接続電極と、第2の電極と対向し、第2の電極と電気的に接続する第2の接続電極と、接合ボードを貫通するスルーホールと、第1の接続電極の設けられた面を延び、スルーホールと第1の接続電極とを電気的に接続する第1の配線と、第2の接続電極の設けられた面を延び、スルーホールと第2の接続電極とを電気的に接続する第2の配線とを備えている。
【0012】
このように、本発明の半導体装置は、半導体チップ間に接合ボードを挟み、接合ボードに設けられた第1、第2の接続電極と、スルーホールと、配線とを介して半導体チップ同士の接続をとるので、半導体チップ同士を短距離で接続させることができる。また、半導体チップ間の接続位置が第1、第2の半導体チップの積層方向への投影面において互いに異なる場合でも、接合ボード側で調整を取ることができる。
【0013】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、少なくとも2つの半導体チップが、互いに電気的に接続され積層されて形成される半導体装置の製造方法である。本製造方法は、第1の半導体チップの一方の面に第1の電極を設けるステップと、第2の半導体チップの一方の面に第2の電極を設けるステップと、接合ボードの一方の面に第1の接続電極を、他方の面に第2の接続電極を設け、さらに接合ボードを貫通するスルーホールと、第1の接続電極の設けられた面を延び、スルーホールと第1の接続電極とを電気的に接続する第1の配線と、第2の接続電極の設けられた面を延び、スルーホールと第2の接続電極とを電気的に接続する第2の配線と、接合ボードを貫通する開口部とを設けるステップと、第1の半導体チップの第1の電極が形成された面に異方性導電接着剤を塗布するステップと、第1の半導体チップの上に、第1の電極と第1の接続電極とが接触し、異方性導電接着剤の一部が第1の半導体チップと接合ボードとの間に充填され、残りが開口部からはみ出るように、接合ボードを設置するステップと、接合ボードの上に、第2の電極が形成された面を接合ボードに向けて、第2の接続電極と第2の電極とが接触し、開口部からはみ出た異方性導電接着剤が接合ボードと第2の半導体チップとの間に充填されるように、第2の半導体チップを設置するステップと、接合ボードと第1、第2の半導体チップとに熱と圧力を加え、接合ボードと第1、第2の半導体チップの各々とを接着固定し、第1の電極と第1の接続電極との間および第2の電極と第2の接続電極との間を電気的に接合させるステップとを有している。
【0014】
このため、半導体チップ間の接合を従来とほとんど変わらない加工工数で実現できるとともに、半導体装置の軽量化にも寄与する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したとおり、本発明の半導体装置は、ワイヤボンディング等の経路距離の長い接続構造が不要であるため、信号の高速伝送が可能となり、多層化への対応も容易となる。また、隣接する半導体チップ間の接続位置の調整は、半導体チップ間に挟まれた接合ボードでおこなうことができるので、半導体チップへの配線の追加等によって位置調整を図る必要がなくなり、半導体チップのパターン設計を行うときの制約が減り、パターン設計を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図を、図2には、半導体チップ間に設けられる接合ボードの斜視図を、図3には、図2に示す接合ボードの図中A部の部分拡大斜視図を各々示す。なお、図1については右側の部分を対象に説明するが、左側部分も同様である。
【0017】
半導体装置は2つの積層された半導体チップ(第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2)と、第1、第2の半導体チップ1、2を電気的に接続する接続構造を有している。接続構造は、以下に述べる第1の電極11と、第2の電極21と、接合ボード5とを有している。
【0018】
第1の半導体チップ1の表面には第1の電極11が形成されている。同様に第2の半導体チップ2の第1の半導体チップ1と向き合う表面には第2の電極21が形成されている。第1の電極11と第2の電極21はパッド電極であり、第1、第2の半導体チップ1,2の積層方向への投影面において互いに異なる位置にある。
【0019】
接合ボード5が、第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2との間に挟まれて配置されている。接合ボード5は基板である板体51を有し、板体51には第1の電極11と対向し、第1の電極11と電気的に接続する第1の接続電極52と、第2の電極21と対向し、第2の電極21と電気的に接続する第2の接続電極53とが設けられている。第1、第2の接続電極52,53は突起電極である。第1、第2の電極11,12および第1、第2の接続電極52、53の電極材料は特に制限はなく、Al、Au、Cu、Sn、Sn・Pb合金などの一般的な材料を用いることができる。また、第1、第2の電極11,12を突起電極、第1、第2の接続電極52、53をパッド電極としてもよい。
【0020】
接合ボード5は、接合ボード5(板体51)を貫通するスルーホール54を備えている。接合ボード5の第1の接続電極52の設けられた面には、スルーホール54と第1の接続電極52とを電気的に接続する第1の配線である配線55が延びている。同様に、接合ボード5の第2の接続電極53の設けられた面には、スルーホール54と第2の接続電極53とを電気的に接続する第2の配線である配線56が延びている。以上の構成によって、第2の電極21は、第2の接続電極53、配線56、スルーホール54、配線55、第1の接続電極52を通って、第1の電極11と電気的に接続することができる。
【0021】
接合ボード5の中央付近には、接合ボード5を貫通する開口部57が設けられている。開口部57を含む第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2との間は異方性導電接着剤よりなる接着剤58が充填され、第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2とを固定している。ここで、異方性導電接着剤とは、高分子材料よりなり,熱圧着加工により,圧着部における厚み方向に対しては導通性を、圧着部の面内方向に対しては絶縁性を示す、電気的異方性を有する接着剤である。
【0022】
第1の半導体チップ1および第2の半導体チップ2の外側には、配線60によって第2の接続電極53と接続された評価用パッド電極61が設けられている。
【0023】
このような接続構造を用いることによって、第1、第2の半導体チップの積層方向への投影面において互いに異なる位置にある第1、第2の電極11,12間が短距離で接続され、高速伝送が可能になり、多層化にも対応が容易となる。また、第1、第2の半導体チップ1,2上には第1、第2の電極11,12さえ設置すればよく、接続用の配線が不要であるので、半導体チップ設計上の制約が減り、パターン設計を容易におこなうことができる。さらに、評価用パッド電極61を用いることで半導体チップ毎の電気評価が可能になり、従来の積層半導体装置の欠点が解消される。
【0024】
なお、平面的に大きく離れた任意の第1、第2の電極を選択的に接続する場合であっても、同様な構成が可能である。図4には、このような場合に適用される接合ボードの斜視図を示す。第1、第2の接続電極52,53、スルーホール54、評価用パッド電極61の配置は図2、3と同様である。第2の接続電極53、スルーホール54、配線56の個々の要素を531、541、561等の符号で区別すると、図4では互いに離れた第2の接続電極531とスルーホール542とが配線561で、第2の接続電極532とスルーホール541とが配線562で接続されている。第2の接続電極533,534とスルーホール544、543も同様である。なお、ここでは第2の接続電極53とスルーホール54とを結ぶ配線56を長く形成しているが、逆に第1の接続電極52とスルーホール54とを結ぶ配線55を長く形成してもよく、両者が混在していてもよい。このように接合ボード5b上に任意の配線パターンを設ければ、第1の半導体チップ1の任意の電極と第2の半導体チップ2の任意の電極とを選択的に接続することができ、半導体チップのパターン設計を一層容易におこなうことができる。
【0025】
次に、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を、図5のフロー図および図6のステップ図を参照して説明する。
【0026】
まず、あらかじめ、第1の半導体チップ1の一方の面に第1の電極11を設け、同様に第2の半導体チップ2の一方の面に第2の電極21を設ける(ステップ501)。また、接合ボード5の一方の面に第1の接続電極52を、他方の面に第2の接続電極53を設け、さらに接合ボード5を貫通するスルーホール54と、第1の接続電極52の設けられた面を延び、スルーホール54と第1の接続電極52とを電気的に接続する第1の配線である配線55と、第2の接続電極53の設けられた面を延び、スルーホール54と第2の接続電極21とを電気的に接続する第2の配線である配線56と、接合ボード5を貫通する開口部57とを設ける(ステップ502)。
【0027】
次に、同図(a)に示すように、第1の半導体チップ1の第1の電極11が形成された面に異方性導電接着剤よりなる接着剤58を塗布する(ステップ503)。接着剤58の塗布は、ディスペンサー7などにより接着剤58を滴下させておこなう。。
【0028】
次に、同図(b)、(c)に示すように、第1の半導体チップ1の上に、第1の電極11と第1の接続電極52とが接触し、接着剤58の一部が第1の半導体チップ1と接合ボード5との間に充填され、残りが開口部57からはみ出るように、接合ボード5を設置する(ステップ504)。具体的には、接合ボード5を第1の半導体チップ1に対して位置決めし、接合ボード5の第1の接続電極52を第1の半導体チップ1の第1の電極11に接触させる。これによって、接着剤58は第1の半導体チップ1と接合ボード5との間に充填され、さらに残りの接着剤58が接合ボード5の開口部57からあふれ出る。
【0029】
次に、同じく同図(c)に示すように、接合ボード5の上に、第2の電極21が形成された面を接合ボード5に向けて、第2の接続電極53と第2の電極21とが接触し、開口部57からはみ出た接着剤58が接合ボード5と第2の半導体チップ2との間に充填されるように、第2の半導体チップ2を設置する(ステップ505)。
【0030】
さらに、接合ボード5と第1、第2の半導体チップ1,2とに熱と圧力を加え、接合ボード5と第1、第2の半導体チップ1,2の各々とを接着固定し、第1の電極11と第1の接続電極52との間および第2の電極21と第2の接続電極53との間を電気的に接合させる(ステップ506)。
【0031】
このように接合ボード5に開口部57を設ければ、接合ボード5を挟んだ半導体チップ1,2間の接合を従来とほとんど変わらない加工工数で実現できるとともに、半導体装置の軽量化にも寄与する。なお、ここでは異方性導電接着剤による製造方法を示したが、第1の電極11と第1の接続電極52、および第2の電極21と第2の接続電極53とを金属結合した後で、アンダーフィルを注入する製造方法でもよく、従来と同等の加工工数での製造が可能となる。
【0032】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。図7には、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図を、図8にはその要部拡大断面図を示す。半導体装置は第1の半導体チップ101と、第2の半導体チップ102と、第3の半導体チップ103とが積層されて形成されている。また、第1の半導体チップ101と第2の半導体チップ102との間には、開口部157aを有する接続ボード105aが挟まれ、接着剤158aによって固定されている。同様に、第2の半導体チップ102と第3の半導体チップ103との間には、開口部157bを有する接続ボード105bが挟まれ、接着剤158bによって固定されている。第1の半導体チップ101は基板124に接続し、接着剤158cによって固定されている。第3の半導体チップ103は内部接続用基板125に接続し、同様に接着剤158dによって固定されている。
【0033】
図8に示すように、第1の半導体チップ101には、下側の表面に第2の電極112が、上側の表面に第1の電極111が設けられ、第1の半導体チップ101を貫通する貫通電極131によって同軸上で接続されている。同様に、第2の半導体チップ102は下側の表面に第2の電極122が、上側の表面には第1の電極121が設けられ、第2の半導体チップ102を貫通する貫通電極132によって同軸上で接続されている。第1の半導体チップ101の第1の電極111と第2の半導体チップ102の第2の電極122は、第1、第2の半導体チップ101,102の積層方向への投影面において互いに異なる位置にある。
【0034】
接合ボード105aは第1の実施形態と同様に、第1の接続電極152と第2の接続電極153とを有しており、各々第1の電極111と第2の電極122に接続している。接合ボード105aはまた、第1の実施形態と同様に、接合ボード105aを貫通するスルーホール154と、配線155、156とを有している。以上の構成によって、第2の半導体チップ102の第2の電極122は、第2の接続電極153、配線156、スルーホール154、配線155、第1の接続電極152を通って第1の半導体チップ101の第1の電極111と電気的に接続され、さらに貫通電極131、第2の電極112を通って、図7に示す基板124と接続される。
【0035】
接合ボード105bについても接合ボード105aと全く同様である。これによって、第1、第2、第3の半導体チップ101、102、103は、内部接続用基板125および基板124のいずれとも接続される。
【0036】
このように、貫通電極を有する3層の半導体チップが積層される半導体装置においても、上下の貫通電極の間を第1の実施形態と全く同様の接続構造で電気的に接続することができる。
【0037】
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に評価用パッド電極161が設けられており(図8参照)、半導体チップ毎の電気評価が可能である。また、電極の形状(パッドまたは突起)や材料は第1の実施形態と同様に選定できる。また、ここでは第1の電極、第2の電極の位置が半導体チップ毎に異なるものとして、異なる接合ボード105a、105bを用いたが、電極の位置が同じであれば同一のものでもよく、第1の実施形態で用いた接合ボード5と同じでもかまわない。また、平面的に大きく離れた任意の第1、第2の電極を選択的に接続する場合、第1の実施形態の図4で説明したのと全く同様な構成を用いることができる。さらに、本実施形態は3層の半導体チップの積層半導体装置に限定されず、4層以上の積層半導体装置も同様に構成できる。
【0038】
第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、基本的には第1の実施形態の場合と同様である。まず、図9(a)に示すように、基板124に接着剤158cをディスペンサーなどを用い滴下する。そして、第1の半導体チップ101を基板124に対して位置決めし、熱と圧力を加え、第1の半導体チップ101を基板124と接合させる。
【0039】
次に、同図(b)、(c)に示すように、第1の半導体チップ101に同様に接着剤158aをディスペンサーなどを用い滴下し、接合ボード105aを第1の半導体チップ101に対して位置決めし、接合ボード105aの第1の接続電極152を第1の半導体チップ101の第1の電極111に接触させる。これによって、接着剤158aの一部は第1の半導体チップ101と接合ボード105aとの間に充填され、残りは接合ボード105aの開口部157aからあふれ出る。
【0040】
次に、同図(c)、(d)に示すように、第2の半導体チップ102を接合ボード105aに対して位置決めし、接合ボード105aの第2の接続電極153を第2の半導体チップ102の第2の電極122に接触させる。これによって、はみ出た接着剤158aは接合ボード105aと第2の半導体チップ102との間に充填される。この状態で、圧力と熱を加え接合ボード105aと第1、第2の半導体チップ101,102とを接合する。
【0041】
さらに、同様にして、接合ボード105bと第3の半導体チップ103も接合する。最後に、接着剤158dで内部接続用基板125を第1の第3の半導体チップ103に接合する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置に適用される接合ボードの斜視図である。
【図3】図2に示す接合ボードの部分拡大斜視図である。
【図4】図2に示す接合ボードの変形例を示す斜視図である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造手順を示すフロー図である。
【図6】図1に示す半導体装置の製造手順を示すステップ図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
【図8】図7に示す半導体装置の部分断面図である。
【図9】図7に示す半導体装置の製造手順を示すステップ図である。
【符号の説明】
【0043】
1,101 第1の半導体チップ
11 第1の電極
2、102 第2の半導体チップ
21 第2の電極
5、5b 接合ボード
51 板体
52 第1の接続電極
53,531,532,533,534 第2の接続電極
54,541,542,543,544 スルーホール
55 配線
56、561,562,563,564 配線
57 開口部
58 接着剤
60 配線
61 評価用パッド電極
124 基板
125 内部接続用基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの積層された半導体チップと、該半導体チップ同士を電気的に接続する接続構造とを有する半導体装置であって、該接続構造は、
第1の半導体チップの一方の面に設けられた第1の電極と、
第2の半導体チップの前記第1の電極と向き合う面に設けられた第2の電極と、
該第1、第2の半導体チップの間に挟まれた接合ボードであって、前記第1の電極と対向し、該第1の電極と電気的に接続する第1の接続電極と、前記第2の電極と対向し、該第2の電極と電気的に接続する第2の接続電極と、該接合ボードを貫通するスルーホールと、前記第1の接続電極の設けられた面を延び、該スルーホールと該第1の接続電極とを電気的に接続する第1の配線と、前記第2の接続電極の設けられた面を延び、該スルーホールと該第2の接続電極とを電気的に接続する第2の配線とを備えた接合ボードとを有する、半導体装置。
【請求項2】
前記第1の電極と前記第2の電極は、前記第1、第2の半導体チップの積層方向への投影面において互いに異なる位置に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1、第2の半導体チップの少なくともいずれかは、該半導体チップを貫通する貫通電極を有している、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1、第2の接続電極の少なくともいずれかは突起電極である、請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記接合ボードは、該接合ボードを貫通する開口部を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記接合ボードは、前記第1、第2の接続電極の少なくともいずれかと接続し、前記第1、第2の半導体チップの外側に延びるパッド電極をさらに有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
3以上の半導体チップが積層され、隣接する前記半導体チップ同士は前記接続構造で各々接続されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
少なくとも2つの半導体チップが、互いに電気的に接続され積層されて形成される半導体装置の製造方法であって、
第1の半導体チップの一方の面に第1の電極を設けるステップと、
第2の半導体チップの一方の面に第2の電極を設けるステップと、
接合ボードの一方の面に第1の接続電極を、他方の面に第2の接続電極を設け、さらに該接合ボードを貫通するスルーホールと、前記第1の接続電極の設けられた面を延び、該スルーホールと該第1の接続電極とを電気的に接続する第1の配線と、前記第2の接続電極の設けられた面を延び、該スルーホールと該第2の接続電極とを電気的に接続する第2の配線と、該接合ボードを貫通する開口部とを設けるステップと、
前記第1の半導体チップの前記第1の電極が形成された面に異方性導電接着剤を塗布するステップと、
前記第1の半導体チップの上に、前記第1の電極と前記第1の接続電極とが接触し、前記異方性導電接着剤の一部が前記第1の半導体チップと前記接合ボードとの間に充填され、残りが前記開口部からはみ出るように、前記接合ボードを設置するステップと、
前記接合ボードの上に、前記第2の電極が形成された面を該接合ボードに向けて、前記第2の接続電極と前記第2の電極とが接触し、前記開口部からはみ出た異方性導電接着剤が前記接合ボードと前記第2の半導体チップとの間に充填されるように、前記第2の半導体チップを設置するステップと、
前記接合ボードと前記第1、第2の半導体チップとに熱と圧力を加え、前記接合ボードと前記第1、第2の半導体チップの各々とを接着固定し、前記第1の電極と前記第1の接続電極との間および前記第2の電極と前記第2の接続電極との間を電気的に接合させるステップと、を有する半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−12890(P2006−12890A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183607(P2004−183607)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】