説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】2枚のシリコン基板を重ね合わせて接着し、2枚のシリコン基板のそれぞれに形成されたバンプ電極同士を電気的に接続する半導体装置において、樹脂によるバンプ保護性能の低下を防ぎ、また、バンプ電極間の接続性の低下を防ぐ。
【解決手段】第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上のそれぞれに、上面の高さが揃ったバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300を形成した後、第1シリコン基板100と第2シリコン基板101とをそれぞれの基板に形成されたバンプ電極同士が電気的に接続されるように接着させる。その際、ダミーバンプ240を対向するシリコン基板上の耐熱性樹脂膜300に接着するように配置することで、バンプ電極同士の良好な電気的接続と、耐熱性が高くボイドがない樹脂膜によるバンプ保護性能を併せ持った半導体装置を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、バンプ電極を介して複数枚の半導体基板同士を電気的に接続する半導体装置およびその製造に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の小型化、高性能化を実現する方法の一つとして、単結晶シリコンからなる半導体基板(以下、シリコン基板という)を積層し、微細な電極配線を使ってシリコン基板同士を電気的に接続する実装技術が発展している。
【0003】
上記した実装技術のうち、最近注目されている手法として、バンプ電極と呼ばれるシリコン基板同士を接続する微細な電極、および、シリコン貫通電極(Through Silicon Via)と呼ばれるシリコン基板を貫通する電極を使用して、複数枚のシリコン基板に形成された集積回路同士を電気的に接続する手法がある。
【0004】
上記の手法を採用した半導体装置の場合、シリコン基板に加わる熱または衝撃などによる応力によって、シリコン基板同士を接続するバンプ電極の接続信頼度が劣化する。そのため、バンプ電極の周囲を樹脂などの絶縁体で封止することによってバンプ電極を保護し、バンプ電極の接続信頼度を確保する技術もまた必要となる。
【0005】
シリコン基板上に形成するバンプ電極材料として現在広く用いられているのは、スズ(Sn)または鉛(Pb)などを主成分としたハンダ材料である。シリコン基板上に形成した、ハンダ材料からなるバンプ電極を、ハンダ材料の融点以上に加熱し、接続先の基板上に形成した対向するバンプ電極に接合することでそれぞれ別のシリコン基板上に形成された集積回路同士を電気的に接続することが可能となる。また、このようなハンダ材料を用いたバンプ電極の保護には、プロセス温度の制約からエポキシ系樹脂を用い、熱膨張係数を調整するためにフィラーと呼ばれる酸化シリコンの微粒子を添加するのが一般的である。
【0006】
しかし、ハンダ材料は融点が低いため、電気的な長期の信頼性が低くなると言う問題がある。例えば現在電子部品用で広く用いられている鉛フリーハンダ材料であるスズ(Sn)−銀(Ag)−銅(Cu)材料の融点は220℃程度である。これは集積回路の内部配線として広く用いられているアルミニウム(Al)の融点(660℃)と比較して大幅に低いため、エレクトロマイグレーションと呼ばれる電流に起因した電気的な接続不良が発生しやすい問題がある。特に、バンプ電極が微細化し、電流密度が高くなる状況では深刻な信頼度低下を引き起こす。
【0007】
そこで、バンプ電極の材料として、エレクトロマイグレーション信頼度の高い金属材料を用いる手法が提案されている。
【0008】
例えば、特許文献1(米国特許公開2007/0207592号公報)には、バンプ電極の部材に銅(Cu)を用いる方法が開示されている。銅は融点が1084℃と高く、アルミニウムに比べてもエレクトロマイグレーション信頼度が高いことが知られている。これにより、バンプ電極が微細化し、バンプ電極の電流密度が高くなっても、銅を主体とするバンプ電極を用いた装置ではエレクトロマイグレーション信頼度の低下を防いで接続することが可能となる。以下では、特許文献1に記載された手法を従来例1と呼ぶ。
【0009】
特許文献2(特開2003−100801号公報)には、一方のシリコン基板上にバンプ電極とダミーバンプを形成し、もう一方のシリコン基板上に金属配線と保護膜を形成し、シリコン基板同士の貼り合わせ時にバンプ電極が金属配線と接合され、ダミーバンプが保護膜と接合され、接合後にバンプ保護用の樹脂を注入することが記載されている。以下、特許文献2に記載された手法を従来例2と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公開2007/0207592号公報
【特許文献2】特開2003−100801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来例1では、シリコン基板上に耐熱性樹脂であるベンゾシクロブテンからなる膜を成膜してパターニングした後、バリアメタル膜と銅膜を形成後、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法を用いてベンゾシクロブテン上の余分な銅膜、バリアメタル膜を除去し、周囲を耐熱性樹脂膜で囲まれた銅からなる微細バンプ電極を形成する方法が示されている。さらに、このようにして形成したバンプ同士に250℃から350℃に加熱し、直径200mmのシリコン基板あたり10kN(キロニュートン)の荷重をかけることで、バンプ同士を接合させる方法が開示されている。
【0012】
しかし、上記従来例1の場合、CMP法を用いてバンプを形成した場合、CMP時にバンプの一部が削れ、また、隣接するバンプ間のベンゾシクロブテン(樹脂膜)が局所的に削れるなどしてシリコン基板表面の平坦性が低下し、シリコン基板同士を貼り合わせたときにバンプの接続信頼度が低下する問題がある。
【0013】
CMP法を用いた研磨による平坦性を向上させるためにバンプの周囲にダミーバンプを設置すればこの問題は解決可能であるが、1つのバンプ当たりの接合荷重を一定に保つためには、バンプの設置数を増やした分、シリコン基板に加える荷重を増やす必要がある。シリコン基板表面を平坦に保つためにシリコン基板当たりのバンプ数が膨大になった場合、市販されている貼り合わせ装置の最大荷重(100kN程度)では十分な銅バンプ同士の接合が得られず、バンプ電極の接続信頼度が低下する問題がある。
【0014】
この問題を解決するための手法が、従来例2に開示されている。
【0015】
図18は、上記従来例2におけるシリコン基板貼り合わせ後の半導体装置と同様の構造を有する半導体装置の要部断面図を比較例として示すものである。シリコン基板102上に金属配線200を複数形成した後、一部の金属配線200上にバンプ電極231を形成し、他の金属配線200上にダミーバンプ241方を形成する。これとは別に、シリコン基板103上に金属配線201および保護膜310を順次形成する。金属配線201の上面の一部は保護膜310から露出するものとする。このようにして準備したシリコン基板102、103に対し、シリコン基板102上のバンプ電極231とシリコン基板103上の金属配線201が接続されるように貼り合わせを行うことで、シリコン基板102とシリコン基板103を電気的に接続することが可能となる。この際、シリコン基板102上のダミーバンプ241はシリコン基板103上に形成された絶縁物である保護膜310と接するため、ダミーバンプ241を金属配線201に接合させる場合に比べ、金属接合を形成するための接合エネルギー、すなわちシリコン基板を接着する貼り合わせ装置で加える荷重を低減することができる。
【0016】
図19は、上記従来例2において、図18を用いて説明した方法により貼り合わせたシリコン基板間に、バンプ保護のためのアンダーフィル樹脂を形成(充填)した後の半導体装置の要部断面図である。シリコン基板102、103を貼り合わせた後、バンプ電極231を保護するために貼り合わせたシリコン基板の端部から、アンダーフィル樹脂の前駆体を流し込み、熱処理を行うことでシリコン基板102と103の間の隙間をアンダーフィル樹脂膜320で埋め込む。
【0017】
このように、一方のシリコン基板上にバンプ電極とダミーバンプを形成し、もう一方のシリコン基板上に金属配線と保護膜を形成し、シリコン基板貼り合わせ時にバンプ電極が金属配線と接合され、ダミーバンプが保護膜と接合され、接合後にバンプ保護用の樹脂を注入する上記従来例2は、以下のような課題を有している。
【0018】
第1に、シリコン基板の貼り合わせ時にバンプの周囲が絶縁膜で保護されていないため、シリコン基板を貼り合わせた後にシリコン基板の端部からバンプ保護用の樹脂を注入する必要がある。そのため、バンプの高さが低くなり、シリコン基板間の隙間が狭くなると、シリコン基板の端部から注入した樹脂が完全には充填されず、前記樹脂内部にボイドと呼ばれる空隙が発生し、バンプの接続信頼度が低下する。
【0019】
第2に、貼り合わせたシリコン基板の端部からバンプ保護用の樹脂を注入するため、樹脂の注入中は樹脂の粘度を低く維持する必要がある。一般的に、低粘度の樹脂は耐熱性が低いという傾向がある。例えば、注入用樹脂の代表例であるエポキシ系樹脂は、250℃程度から熱分解が始まり、体積収縮を生じる。したがって、貼り合わせたシリコン基板にエポキシ系樹脂を注入した後、次のシリコン基板を貼り合わせる際には、貼り合わせの温度を250℃以下にする必要がある。つまり、シリコン基板の貼り合わせおよび樹脂の注入を行った後、比較的高い温度が必要な銅バンプによる貼り合わせを行うと、先に形成したバンプ保護用の樹脂膜が体積収縮、変質し、バンプの接続信頼度が低下する。
【0020】
第3に、銅バンプのように接合時に溶融しないバンプ材料を用いる場合には、金属配線201と保護膜310の高さを完全に同一にするか、またはバンプ電極231とダミーバンプ241の高さを完全に同一にするなどの対策が必要がある。銅は融点が高く、代表的な接合温度(400℃以下)では、溶融状態とならない。そのため、バンプ電極231と金属配線201の合計高さとダミーバンプ241と保護膜310の合計の高さを揃えないと、シリコン基板貼り合わせ時に、バンプ電極に与えられる荷重がばらつき、バンプの接続信頼度が低下する。
【0021】
本発明の目的は上記課題を解決しようとするものであり、エレクトロマイグレーション信頼度に優れた銅をバンプ電極の材料に用いた半導体装置において、シリコン基板貼り合わせ時に必要とされる荷重を過剰に増やすことなく、接続信頼度が高いバンプ接合と耐熱性が高い樹脂膜によるバンプ保護を実現することにある。
【0022】
すなわち、本発明の目的は、半導体装置の信頼性を向上させることにある。
【0023】
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0025】
本願の一発明による半導体装置は、
一面に第1電極と第1絶縁膜が形成された第1基板と、一面に第2電極と第2絶縁膜が形成された第2基板とを積層し、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着することによって、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続した半導体装置であって、
前記第1絶縁膜の第1領域に前記第1電極が形成され、前記第1絶縁膜の第2領域に、前記第1電極と同一の材料で構成された第1ダミーバンプが形成され、前記第2絶縁膜の第1領域に前記第2電極が形成され、前記第2絶縁膜の第2領域に、前記第2電極と同一の材料で構成された第2ダミーバンプが形成され、
前記第1基板の前記一面に対して垂直な方向において、前記第1基板の前記一面から前記第1電極の上面までの距離と、前記第1基板の前記一面から前記第1ダミーバンプの上面までの距離と、前記第1基板の前記一面から前記第1絶縁膜の上面までの距離とは同一であり、前記第2基板の前記一面に対して垂直な方向において、前記第2基板の前記一面から前記第2電極の上面までの距離と、前記第2基板の前記一面から前記第2ダミーバンプの上面までの距離と、前記第2基板の前記一面から前記第2絶縁膜の上面までの距離とは同一であり、
前記第1ダミーバンプは前記第2絶縁膜に接し、前記第2ダミーバンプは前記第1絶縁膜に接し、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、またはベンゾシクロブテンのうち少なくとも一つを含んでいるものである。
【0026】
また、本願の一発明による半導体装置は、
一面に第1電極、第1ダミーバンプおよび第1絶縁膜が形成された第1基板と、一面に第2電極、第2ダミーバンプおよび第2絶縁膜が形成された第2基板とを積層し、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着することによって、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する半導体装置の製造方法において、
前記第1電極および前記第1ダミーバンプの形成工程は、
(a1)前記第1基板上の前記一面上に前記第1絶縁膜を形成する工程、
(a2)前記第1絶縁膜の第1領域および第2領域のそれぞれに開口部を形成する工程、
(a3)前記第1領域および前記第2領域の各開口部の内部を第1導電膜で埋め込む工程、
(a4)化学的機械研磨法を用い、前記第1領域および前記第2領域の各開口部に埋め込まれた前記第1導電膜の上面と前記第1絶縁膜の上面との間に段差が無くなるまで前記第1導電膜を研磨することで、前記第1領域の開口部の内部に前記第1導電膜からなる前記第1電極を形成し、前記第2領域の開口部の内部に前記第1導電膜からなる前記第1ダミーバンプを形成する工程、
を含み、
前記第2電極および前記第2ダミーバンプの形成工程は、
(b1)前記第2基板上の前記一面上に前記第2絶縁膜を形成する工程、
(b2)前記第2絶縁膜の第3領域および第4領域のそれぞれに開口部を形成する工程、
(b3)前記第3領域および前記第4領域の各開口部の内部を第2導電膜で埋め込む工程、
(b4)化学的機械研磨法を用い、前記第3領域および前記第4領域の各開口部に埋め込まれた前記第2導電膜の上面と前記第2絶縁膜の上面との間に段差が無くなるまで前記第2導電膜を研磨することで、前記第3領域の開口部の内部に前記第2導電膜からなる前記第2電極を形成し、前記第4領域の開口部の内部に前記第2導電膜からなる前記第2ダミーバンプを形成する工程、
を含み、
前記(a4)工程および前記(b4)工程の後、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着する際に、前記第1ダミーバンプを前記第2絶縁膜に接着し、かつ、前記第2ダミーバンプを前記第1絶縁膜に接着させるものである。
【発明の効果】
【0027】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0028】
本発明によれば、基板同士を電気的に接続させるバンプ電極の接続信頼度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1である積層半導体の製造工程を説明する要部断面図である。
【図2】図1に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図3】図2に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図4】図3に続く積層半導体の製造方法を説明する平面レイアウトである。
【図5】図4に続く積層半導体の製造方法を説明する平面レイアウトである。
【図6】図3に続く積層半導体の製造方法を説明する平面レイアウトである。
【図7】図6のA−A線における要部断面図である。
【図8】図6に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1である半導体装置の変形例を示す平面レイアウトである。
【図10】本発明の実施の形態1である半導体装置の変形例を示す平面レイアウトである。
【図11】本発明の実施の形態2である積層半導体の製造工程を説明する要部断面図である。
【図12】図11に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図13】図12に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図14】図13に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図15】本発明の実施の形態2である積層半導体の変形例の製造工程を説明する要部断面図である。
【図16】図15に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図17】図16に続く積層半導体の製造方法を説明する要部断面図である。
【図18】比較例として示す半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図20】比較例として示す製造工程中の半導体装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0031】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置は、主面に複数のバンプ電極およびそれらの周囲を囲む樹脂膜を形成した2枚のシリコンウエハを接着し、それぞれのシリコンウエハに形成された集積回路同士を、バンプ電極を介して電気的に接続した積層型の半導体装置である。
【0033】
以下、図1〜図9を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の製造方法を工程順に説明する。図1〜図3、図7および図8は発明の実施の形態1である積層半導体の製造工程を説明する要部断面図であり、図4〜図6は製造工程中の積層半導体のバンプの配置を示す平面レイアウトであり、図9は本実施の形態の半導体装置の変形例を示す平面レイアウトである。
【0034】
まず、図1に示すように、主面に金属配線200が形成された第1シリコン基板100を用意し、その主面に、金属配線200を覆うように耐熱性樹脂膜300を形成する。その後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて、金属配線200の一部が露出するようにバンプ開口部400を形成し、同工程により金属配線200以外の領域の第1シリコン基板100の主面の一部が露出するようにダミーバンプ開口部410を形成する。耐熱性樹脂膜300は例えばポリベンゾオキサゾール(PBO:polybenzoxazole)を主成分とする絶縁材料からなり、ここではその厚みを5μmとしている。
【0035】
また、第1シリコン基板100は、いわゆる前工程が完了したシリコン基板であり、その所定の領域には半導体素子およびそれらを接続する配線などからなる集積回路が形成されている。なお、図1には、第1シリコン基板100に形成された配線の一部(金属配線200)のみを示し、半導体素子や層間絶縁膜などの図示は省略している。すなわち、第1シリコン基板100は、主にシリコンからなる基板、前記基板の主面に形成された半導体素子、前記半導体素子を覆うように前記基板上に形成された層間絶縁膜などを含んでいる。前記層間絶縁膜の上部には金属配線200が形成されており、金属配線200は、前記層間絶縁膜内に形成された配線を介して前記半導体素子などに電気的に接続されている。
【0036】
なお、金属配線200は例えば主にアルミニウム(Al)からなる金属膜を第1シリコン基板100上にスパッタリング法で形成した後、前記金属膜をフォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いてパターニングすることで形成された配線である。
【0037】
次に、図2に示すように、耐熱性樹脂膜300の上面と、バンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410のそれぞれの内壁および底面とを覆うように、膜厚が70nm程度のTiN(窒化チタン)膜と膜厚500nm程度の銅膜からなる金属膜210とを第1シリコン基板100側から順にスパッタリング法により堆積する。このTiN膜は、銅膜の接着性を確保する機能を有する。また、このTiN膜は、後の工程でバンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410の内部に埋め込んだ銅膜が耐熱性樹脂膜300内に拡散することを防ぐために形成するバリア導体膜である。このバリア導体膜は、高融点金属およびその化合物で構成されていてもよい。例えば当該バリア導体膜を、TiN膜およびTi膜の積層膜としてもよい。
【0038】
このように、銅膜と耐熱性樹脂膜300との間、銅膜と金属配線200との間、銅膜と第1シリコン基板100との間のそれぞれにTiN膜を介在させることにより、耐熱性樹脂膜300、金属配線200および第1シリコン基板100のそれぞれと銅膜との接着性を向上させている。なお、図2ではTiN膜および銅膜をまとめて金属膜210として示している。
【0039】
次に、図3に示すように、CMP法を用いて耐熱性樹脂膜300の上部の銅膜およびTiN膜からなる金属膜210を研磨し、耐熱性樹脂膜300の上面を露出させる。その後、バンプ開口部400に埋め込まれた銅膜とTiN膜からなる金属膜210の上面と耐熱性樹脂膜300の上面との間に段差がなくなるまで研磨を行う。
【0040】
ここまでの工程により、耐熱性樹脂膜300に形成されたバンプ開口部400に埋め込まれた金属膜210からなるバンプ電極230と、ダミーバンプ開口部410に埋め込まれた金属膜210からなるダミーバンプ240とが形成される。バンプ電極230はその底部に形成された金属配線200と電気的に接続され、金属配線200を介して第1シリコン基板100に形成された半導体素子(図示しない)などと電気的に接続されているのに対し、ダミーバンプ240の底面は金属配線200と電気的に接続されておらず、第1シリコン基板100の上面に形成された層間絶縁膜(図示しない)に接している。バンプ電極230およびダミーバンプ240のそれぞれの側面は上述したバリア導体膜により覆われており、周囲の耐熱性樹脂膜300とは直接接していない。
【0041】
ダミーバンプ240は電気的に他の電極または配線などと絶縁されており、半導体装置内の回路に接続されておらず、電気的には意味が無い導電層であるが、上述したCMP法による研磨工程において、ダミーバンプ240は耐熱性樹脂膜300の上面が過剰に削れることにより、耐熱性樹脂膜300の上面の高さがバンプ電極230の上面の高さよりも低くなることを防ぐ役割を有している。
【0042】
仮に、広い領域にかけてバンプ電極230およびダミーバンプ240が存在せず耐熱性樹脂膜300が形成されているような場合には、耐熱性樹脂膜300の上面の高さがバンプ電極230の上面の高さよりも低くなる。これは、耐熱性樹脂膜300が、銅などの金属からなるバンプ電極230またはダミーバンプ240よりもCMP法により削られやすい性質を有するためである。
【0043】
例えば、図20に比較例として示すように、隣り合うバンプ電極230間の広い領域にダミーバンプなどの金属層が形成されておらず、金属層よりもCMP法により研磨されやすい耐熱性樹脂膜300などの樹脂膜のみが形成されている場合、耐熱性樹脂膜300の上面が凹むように研磨されるために耐熱性樹脂膜300と他のバンプとの上面の高さが揃わなくなる。なお、図20は比較例として示す積層半導体の製造工程における要部断面図であり、図20に示す製造工程中の半導体装置は図1〜図3を用いて説明した方法とほぼ同様の方法で形成されており、シリコン基板100a上に形成された耐熱性樹脂膜300と、その開口部400に埋め込まれ、開口部400の底部に形成された金属配線200と電気的に接続されたバンプ電極230とを有している。ただし、図3に示す製造工程中の半導体装置と異なり、比較例である図20の製造工程中の半導体装置にはダミーバンプが形成されていない。
【0044】
この場合、後の工程においてシリコン基板100aと他のシリコン基板とを貼り合わせて積層半導体を形成する際、前記他のシリコン基板との界面では上面が凹んだ耐熱性樹脂膜300が前記他のシリコン基板に接着されず、貼り合わせたシリコン基板同士の接着信頼度が低下する問題がある。なお、貼り合わせたシリコン基板同士はそれらの界面に形成されたバンプ電極230を介して電気的に接続されるものとする。
【0045】
しかし、上記のように耐熱性樹脂膜300の接着性が悪化すれば、貼り合わせたシリコン基板同士を電気的に接続するバンプ電極230の接続信頼度も低下するため、半導体装置が正常に動作しなくなる虞がある。また、図20に示すように、耐熱性樹脂膜300の凹むように研磨された上面の端部に隣接して形成されたバンプ電極230は、隣接する耐熱性樹脂膜300の上部が削られることでその上部の一部が削られやすくなり、他のバンプ電極230よりも上面の高さが低くなる虞がある。このような場合にも、上記積層半導体を形成した際に貼り合わせたシリコン基板のそれぞれに形成されたバンプ電極230同士の接続信頼度が低下してしまう。
【0046】
本実施の形態の半導体装置では、図3に示すように、近傍にバンプ電極230が配置されていない領域であっても、バンプ電極230と同層に適度にダミーバンプ240を配置することにより、上記研磨工程によって耐熱性樹脂膜300の高さがバンプの高さよりも低くなることを防いでいる。つまり、バンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面の高さを同一にし、バンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面を含む面を平坦にすることができる。すなわち、第1シリコン基板100の主面に対して垂直な方向において、第1シリコン基板100の主面からバンプ電極230の上面までの距離と、第1シリコン基板100の主面ダミーバンプ240の上面までの距離と、第1シリコン基板100の主面から耐熱性樹脂膜300の上面までの距離とを同一にすることができる。言い換えれば、バンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面を含む平坦な面を第1シリコン基板100の主面に沿って形成することができる。
【0047】
図4は、第1シリコン基板100上に形成された耐熱性樹脂膜300およびバンプ電極230(図3参照)およびダミーバンプ240(図3参照)を含む複数のバンプ250を示す平面レイアウトであり、図5は、図4の一部の領域であって、ダイシングラインDLにより区分けされ、後の工程で一つのチップとなる領域を拡大して示す平面レイアウトである。
【0048】
図4および図5に示すように、バンプ250は、第1シリコン基板100のダイシングラインDLに沿って格子状に形成されている。つまり、バンプ250は第1シリコン基板100の主面に沿う方向である第1方向に沿って複数並んで形成されており、また、第1方向に直交し、第1シリコン基板100の主面に沿う方向である第2方向に沿って複数並んで形成されている。ただし、図5に示すように、バンプ250は第1方向において必ずしも一定の間隔を空けて並んで配置されているわけではなく、第2方向においても必ず等間隔で配置されているわけではない。なお、図4および図5ではダイシングラインDLを破線で示している。
【0049】
次に、所定の領域に集積回路が形成された第2シリコン基板101を用意し、第2シリコン基板101に対して上記図1から図5と同様の処理を施す。すなわち、第2シリコン基板101上に形成した耐熱性樹脂膜300にバンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410を形成した後、バンプ開口部400内にバンプ電極230を形成する。また、ダミーバンプ開口部410内にダミーバンプ240を形成する。第2シリコン基板101の上面とバンプ電極230との間には金属配線200が形成されており、バンプ電極230は金属配線200を介して第2シリコン基板101に形成された前記集積回路などに電気的に接続されている。
【0050】
第2シリコン基板101上のバンプ電極230およびダミーバンプ240は第1シリコン基板100上のバンプ電極230およびダミーバンプ240と同様に形成されているため、第2シリコン基板101上のバンプ電極230およびダミーバンプ240のそれぞれの上面の高さは同一となっている。すなわち、第2シリコン基板101上のバンプ電極230およびダミーバンプ240のそれぞれの上面を含む面は平坦な面であり、第2シリコン基板101の主面と平行に形成されている。
【0051】
次に、図6および図7に示すように、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を重ね合わせて加熱・圧着し、2枚のシリコン基板の主面のそれぞれに形成されたバンプ電極230同士の電気的接続と、耐熱性樹脂膜300同士の接着とを同時に行う。つまり、第1シリコン基板100の主面側および第2シリコン基板101の主面側を対向させて第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を貼り合わせて接着する。
【0052】
図6は第1シリコン基板100(図示しない)および第2シリコン基板101(図示しない)の接着面(界面)における各バンプの平面レイアウトである。図6にはバンプ電極230およびダミーバンプ240の接着面のみを示し、他の耐熱性樹脂膜300の接着面などは示していない。つまり、図6は第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を貼り合わせた際の、両シリコン基板の主面に形成されたバンプ電極230およびダミーバンプ240の平面視における配置を示す図である。図7は、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を貼り合わせて形成した積層半導体の要部断面図であり、図6のA−A線における要部断面図に相当する。
【0053】
図7に示すように、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を接着させて積層半導体を形成する際は、それぞれのシリコン基板の主面同士を対向させて接触させた状態で、それぞれのシリコン基板の裏面から圧力を加えることで圧着する。このとき、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上にそれぞれ形成された各ダミーバンプ240の上面は耐熱性樹脂膜300の上面と接着させる。つまり、第1シリコン基板100の主面に形成されたダミーバンプ240の上面は、第2シリコン基板101の主面のダミーバンプ240およびバンプ電極230には接着されず、第2シリコン基板101の主面に形成された耐熱性樹脂膜300に接着される。同様に、第2シリコン基板101の主面に形成されたダミーバンプ240の上面は、第1シリコン基板100の主面のダミーバンプ240、バンプ電極230には接着されず、第1シリコン基板100の主面に形成された耐熱性樹脂膜300に接着される。バンプ電極230同士の間の接着は、高温かつ高圧であるほど確実になり、接続信頼度が高くなる。ここでは樹脂膜の耐熱性(熱分解温度)とシリコン基板を貼り合わせる装置の性能から、圧着の際の温度は350℃とし、両シリコン基板に加える荷重は30kNとする。
【0054】
第1シリコン基板100上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面は第1シリコン基板100の主面と平行で平坦な面内に含まれており、同様に第2シリコン基板101上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面は第2シリコン基板101の主面と平行で平坦な面内に含まれている。すなわち、前記積層半導体において、第1シリコン基板100上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面を含む表面と、第2シリコン基板101上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300のそれぞれの上面を含む表面とが接着している界面は、第1シリコン基板100の主面と平行な平面である。言い換えれば、第1シリコン基板100上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300を含む第1の層と、第2シリコン基板101上に形成されたバンプ電極230、ダミーバンプ240および耐熱性樹脂膜300を含む第2の層とが接着している界面は、第1シリコン基板100の主面と平行な平面である。
【0055】
このため、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101のそれぞれの主面同士を接着した積層半導体を構成する第1シリコン基板100および第2シリコン基板101の間にはボイド(空隙)が形成されておらず、各基板上の耐熱性樹脂膜300同士およびバンプ電極230同士はそれぞれ十分な接着強度を有している。
【0056】
図6では、図7に示す第1シリコン基板100上に形成されたバンプ電極230と、第2シリコン基板101上に形成されたバンプ電極230とが接する界面をバンプ電極500として示している。つまり、バンプ電極500のレイアウトパターンはバンプ電極230の上面のパターンである。
【0057】
同様に、図6では第1シリコン基板100上に形成されたダミーバンプ240と、第2シリコン基板101上に形成された耐熱性樹脂膜300とが接する界面をダミーバンプ510として示している。つまり、ダミーバンプ510のレイアウトパターンは、第1シリコン基板100上に形成されたダミーバンプ240の上面のパターンである。
【0058】
同様に、図6では第2シリコン基板101上に形成されたダミーバンプ240と、第1シリコン基板100上に形成された耐熱性樹脂膜300とが接する界面をダミーバンプ511として示している。つまり、ダミーバンプ511のレイアウトパターンは、第2シリコン基板101上に形成されたダミーバンプ240の上面のパターンである。
【0059】
図6に示すように、バンプ電極同士を接着させるために、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上のそれぞれのバンプ電極230(図7参照)のレイアウトパターン(バンプ電極500)は重なるようにレイアウトされている。つまりバンプ電極230のレイアウトであるレイアウトパターン(バンプ電極500)は、前記積層半導体を構成するシリコン基板の主面を対向させたときにバンプ電極230同士が対向するように配置されている。したがって、シリコン基板同士を貼り合わせた際に、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上に形成されたそれぞれのバンプ電極230同士は互いに接続される。
【0060】
一方、第1シリコン基板100上のダミーバンプ240(図7参照)のレイアウトパターン(ダミーバンプ510)および第2シリコン基板101上のダミーバンプ240(図7参照)のレイアウトパターン(ダミーバンプ511)は、前記積層半導体を構成するシリコン基板の主面を対向させたときに平面視において重ならないように配置されている。したがって、シリコン基板同士を貼り合わせた際に、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上に形成されたそれぞれのダミーバンプ240同士は接続されない。
【0061】
図6に示すダミーバンプの平面レイアウトでは、ダミーバンプ510、511およびバンプ電極500は格子状(マトリクス状)に並んでおり、特定のダミーバンプの第1方向および第2方向の最近接位置に、異なるシリコン基板上に設置されたバンプがレイアウトされている。つまり、第1方向において複数のバンプが所定の間隔を空けて等間隔に並んで配置されており、第2方向においても、複数のバンプが所定の間隔を空けて等間隔に並んで配置されている。
【0062】
ここで、バンプ電極500間の最短距離をS1と定義し、バンプ電極500とダミーバンプ510の最短距離をS2、同一シリコン基板上のダミーバンプ510間の最短距離をS3と定義する。また、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上のそれぞれ異なるシリコン基板上に形成されたダミーバンプ510およびダミーバンプ511間の最短距離をS4と定義する。本実施の形態では、S2およびS4をS1と同じ長さにしている。
【0063】
次に、図8に示すように、図7に示した積層半導体に対し、フォトリソグラフィとドライエッチング技術を用いて、第1シリコン基板100の表面であって、半導体素子が形成されていない方の面(裏面)に裏面絶縁膜290を形成する。続いて、裏面絶縁膜290の底部から、半導体素子が形成されている面(表面)に向けて、第1シリコン基板100に開口部(シリコン貫通孔)を設ける。つまり、シリコン貫通孔は裏面絶縁膜290を貫通し、第1シリコン基板100の裏面から第1シリコン基板100の内部に達するものである。なお、裏面絶縁膜290を形成する前に、必要に応じて第1シリコン基板100の裏面を薄化してもよい。
【0064】
続いて化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法を用いシリコン貫通孔の内壁を覆うように酸化シリコン膜を形成する。ただし、このときシリコン貫通孔の内部を完全には埋め込まないように前記酸化シリコン膜を形成する。その後、ドライエッチング技術を用いてシリコン貫通孔の底部の酸化膜を除去し、前記酸化シリコン膜からなる絶縁膜272を形成をシリコン貫通孔の内壁に形成する。続いてスパッタ法とメッキ法を用いてシリコン貫通孔の内部にTiNからなるバリアメタル膜および銅膜を順次埋め込む。
【0065】
続いて、CMP法を用いて第1シリコン基板100の裏面上に形成されたTiNからなるバリアメタル膜および銅膜を除去し、裏面絶縁膜290を露出させることで、裏面絶縁膜290を貫通し、第1シリコン基板100の裏面から、第1シリコン基板100の表面に形成された半導体素子に対して電気的接続を行うための貫通電極270を形成する。このように半導体素子または金属配線などの形成(いわゆる前工程)が完了した後に貫通電極270を形成する方法は、一般的にビア・ラスト法と呼ばれる。貫通電極を形成する方法は図1〜図3を用いて説明したバンプの形成方法とほぼ同様であるが、貫通電極270と第1シリコン基板100との間には絶縁膜272を形成することで貫通電極270と第1シリコン基板100とが電気的に導通することを防いでいる。
【0066】
続いて、貫通電極270を形成した第1シリコン基板100の裏面にハンダバンプ260を形成した後、ダイシング装置によって積層半導体装置を複数のチップ(半導体チップ)に個片化する。
【0067】
続いて、個片化したチップをフリップチップボンダを用いて、金属配線201が形成されたチップ搭載部材120上に搭載し、ハンダバンプ260と金属配線201を電気的に接続させることで本実施の形態の半導体装置が完成する。なお、貫通電極270は第1シリコン基板100の主面に接して形成された導体膜、または第2シリコン基板101上に形成されたバンプ電極230などの導電体に直接接してはいない。ここでは、貫通電極270は、第1シリコン基板100の主面上に形成された半導体素子などが有する電極にコンタクトプラグを介して形成された配線であって、耐熱性樹脂膜300よりも下層に形成された配線に接することで前記半導体素子に電気的に接続された電極であるものとする。
【0068】
裏面絶縁膜290はハンダバンプ260と第1シリコン基板100とが電気的に導通することを防ぐために設けられている。第1シリコン基板100の主面に沿う方向において、ハンダバンプ260は貫通電極270よりも大きい幅で形成されるため、裏面絶縁膜290により第1シリコン基板100の裏面を覆っていなければ、ハンダバンプ260と第1シリコン基板100とが電気的に接続されて半導体装置が正常に動作しなくなる虞がある。
【0069】
また、図8では第1シリコン基板100上に形成された耐熱性樹脂膜300、バンプ電極230およびダミーバンプ240を含む層をバンプ形成層280として示している。同様に、第2シリコン基板101上に形成された耐熱性樹脂膜300、バンプ電極230およびダミーバンプ240を含む層をバンプ形成層281として示している。
【0070】
上記のようにして製造された半導体装置において、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101は各シリコン基板上に形成された耐熱性樹脂膜およびバンプ電極およびダミーバンプ、つまりバンプ形成層280とバンプ形成層281とによって接着しており、各シリコン基板上に形成された半導体素子は、バンプ電極230(図示しない)と貫通電極270とハンダバンプ260とチップ搭載部材120上に形成された金属配線201とを介して、半導体装置の外部と電気的に接続されている。
【0071】
次に、本実施の形態の半導体装置の効果を、比較例1および比較例2を用いて説明する。比較例1および比較例2の半導体装置は、本実施の形態の半導体装置に対してバンプの配置が異なることを除いては、製造工程およびレイアウトに差違のない半導体装置である。具体的には、比較例1はダミーバンプを全く設けない半導体装置であり、比較例2は、第1シリコン基板上および第2シリコン基板上に形成したそれぞれのダミーバンプが、シリコン基板同士を貼り合わせた際に互いに接着するようにダミーバンプを配置した半導体装置である。
【0072】
本発明者らは、このようにして形成した比較例1および比較例2の半導体装置に対し、赤外線顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用い、積層半導体の接合面に発生したボイド(空隙、隙間)の評価を行った。その結果、比較例1では、バンプが近傍に存在せず、樹脂膜同士が接着されるべき領域において、白くムラになったコントラストが観察されたが、本実施の形態の半導体装置および比較例2の半導体装置においてはそのような白くムラになったコントラストは観察されなかった。
【0073】
比較例1の接着面近傍の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、各シリコン基板上の耐熱性樹脂膜同士の間に隙間が存在しており、超音波深傷装置で観察された白いムラは樹脂膜間に発生した隙間(空隙)に起因して現れていることが分かった。一方、本実施の形態の半導体装置と比較例2に対し、同様の観察を行ったが、樹脂膜間に隙間は観察されなかった。このように比較例1において耐熱性樹脂膜間に隙間が生じるのは、図3を用いて説明した工程に対応する研磨工程において、比較例1ではダミーバンプを設けないため、近傍にダミーバンプおよびバンプ電極が存在しない広い領域が形成され、その領域の耐熱性樹脂膜の表面が過剰に研磨されることに起因する。
【0074】
主に金属からなるバンプ電極およびダミーバンプに比べ耐熱性樹脂膜はCMP法の研磨により削られやすい性質を有しているため、バンプ密度が低い領域ではバンプの上面の高さよりも耐熱性樹脂膜の上面の高さが低くなり、凹んだような形状になる可能性がある。このように耐熱性樹脂膜の表面が凹み、耐熱性樹脂膜およびバンプの高さが均一でないシリコン基板同士の主面を対向させて接着しても、耐熱性樹脂膜の凹みにより接着面積が十分に確保できず、接着強度が低下してしまう。接着強度が低いために接着信頼度が低い半導体装置では、接着したシリコン基板同士が剥がれやすくなることでバンプ電極同士の電気的接続が切断され、半導体装置が正常に動作しなくなる問題がある。
【0075】
このように、シリコン基板同士を接着して形成する積層半導体を有する半導体装置では、接着信頼度を向上させるため、第1シリコン基板上に形成された耐熱性樹脂膜、バンプ電極およびダミーバンプのそれぞれの上面から第1シリコン基板までの距離を一定にすることが重要となる。同様に、第2シリコン基板上に形成された耐熱性樹脂膜、バンプ電極およびダミーバンプのそれぞれの上面から第2シリコン基板までの距離を一定にすることが重要である。言い換えれば、シリコン基板上に形成された耐熱性樹脂膜、バンプ電極およびダミーバンプのそれぞれの上面の高さを揃え、平坦にすることが好ましい。
【0076】
なお、本願でいう耐熱性樹脂膜、バンプ電極またはダミーバンプなどの上面とは、それぞれの層の表面のうち、その層が形成されているシリコン基板の主面に対して垂直な方向において、当該シリコン基板の主面から最も遠い表面までの距離をいうものとする。ただし、前述した各層の上面(最上面)には、湾曲して高低差を有する曲面も含み、例えば上述した比較例1の半導体装置の耐熱性樹脂膜のようにバンプの近傍に比べてバンプから離れた位置の面が凹んでいるような場合には、凹んだ領域の面を耐熱性樹脂膜の上面の一部であるものとして定義する。本実施の形態ではダミーバンプを耐熱性樹脂膜と同層の所定の位置に複数配置しているため、耐熱性樹脂膜の上面には湾曲するような箇所はなく、平坦に研磨されている。このため、耐熱性樹脂膜の上面の高さは、いずれの領域においてもバンプの上面の高さよりも低くなっていない。
【0077】
なお、図6または図8などに示す第2シリコン基板101のように、断面図において主面を下側に向けて配置されている基板の主面に形成されている層については、その層の上面は図の下側に向かって配置されているものとして説明する。つまり、図8では第2シリコン基板101の主面は第2シリコン基板101の裏面よりも第1シリコン基板100に近い方に位置し、第2シリコン基板101の主面上に形成されたバンプ形成層281の上面は図において第2シリコン基板101の下側に設けられている。したがって、第2シリコン基板101上のバンプ形成層281の上面は1シリコン基板100上のバンプ形成層280の上面に接している。
【0078】
次に、上記の半導体装置に対して、走査型電子顕微鏡を用いて各シリコン基板上のバンプ電極同士の接着状態を評価した。その結果、本実施の形態の半導体装置および比較例1の半導体装置においては、バンプ電極間には良好な接着が確認できた。これに対し、比較例2の半導体装置においては、2枚のシリコン基板上にそれぞれ形成されたバンプ電極同士の間に一部隙間があり、十分な接着が得られていないことが分かった。これは、比較例2の半導体装置において、ダミーバンプ同士の接続数がバンプ電極同士の接続数よりも大幅に多いため、シリコン基板同士の接着の際にバンプ電極一つ当たりの荷重が減少し、バンプ電極同士の接着面で確実な接着が得られなかったためである。このように例えば銅からなるバンプなどの金属層同士が接合する面積の割合が大きくなった場合、各バンプ電極に掛かる圧力が低くなることでバンプ電極同士が接続されないために半導体装置が正常に動作しなくなる問題がある。
【0079】
また、複数のシリコン基板を貼り合わせる方法としては、一方のシリコン基板上にバンプ電極とダミーバンプを形成し、もう一方のシリコン基板上に保護膜と前記保護膜から露出する金属配線とを形成し、シリコン基板貼り合わせ時にバンプ電極が金属配線と接合され、ダミーバンプが保護膜と接合され、接合後にシリコン基板間の隙間にバンプ保護用の樹脂を注入する方法が考えられるが、この方法は以下の課題を有している。
【0080】
第1に、シリコン基板の貼り合わせ時にバンプの周囲が絶縁膜で保護されていないため、シリコン基板を貼り合わせた後にシリコン基板の端部からバンプ保護用の樹脂を注入する必要がある。そのため、バンプの高さが低くなり、シリコン基板間の隙間が狭くなると、シリコン基板の端部から注入した樹脂が完全には充填されず、前記樹脂内部にボイドと呼ばれる空隙が発生し、バンプの接続信頼度が低下する。
【0081】
第2に、貼り合わせたシリコン基板の端部からバンプ保護用の樹脂を注入するため、樹脂の注入中は樹脂の粘度を低く維持する必要がある。一般的に、低粘度の樹脂は耐熱性が低い傾向がある。例えば、注入用樹脂の代表例であるエポキシ系樹脂は、250℃程度から熱分解が始まり、体積収縮を生じる。したがって、貼り合わせたシリコン基板にエポキシ系樹脂を注入した後、次のシリコン基板を貼り合わせる際には、貼り合わせの温度を250℃以下にする必要がある。つまり、シリコン基板の貼り合わせおよび樹脂の注入を行った後、比較的高い温度が必要な銅バンプによる貼り合わせを行うと、先に形成したバンプ保護用の樹脂膜が体積収縮、変質し、バンプの接続信頼度が低下する。
【0082】
第3に、銅バンプのように接合時に溶融しないバンプ材料を用いる場合には、金属配線と保護膜の高さを完全に同一にしたり、バンプ電極とダミーバンプの高さを完全に同一にしたりする必要がある。銅は融点が高く、代表的な接合温度(400℃以下)では、溶融状態とならない。そのため、バンプ電極と金属配線の合計高さとダミーバンプと保護膜の合計高さを揃えないと、シリコン基板貼り合わせ時に、バンプ電極に与えられる荷重がばらつき、バンプの接続信頼度が低下する。
【0083】
本発明は、第1シリコン基板上および第2シリコン基板上のそれぞれに形成された耐熱性樹脂膜と、耐熱性樹脂膜と高さが揃ったバンプ電極とを有するシリコン基板同士を、バンプ電極同士が電気的に接続されるように接着させて形成する半導体装置に適用するものである。このような接着を行う際、本実施の形態のように、バンプ電極の近傍に耐熱性樹脂膜と高さが揃ったダミーバンプを設け、ダミーバンプを対向する基板上の耐熱性樹脂膜に接着させることにより、良好なバンプ電極同士の接続と耐熱性が高くボイドのない樹脂膜によるバンプ保護を併せ持った接続信頼度の高い接着面を有する半導体装置を実現することが可能となる。
【0084】
つまり、各シリコン基板上に形成したダミーバンプを、対向するシリコン基板上に形成した絶縁膜(耐熱性樹脂膜)に接続し、当該絶縁膜と同層のダミーバンプに接続しないことで、積層半導体を構成するシリコン基板同士の接着面におけるバンプ同士、すなわち金属層同士の接着面積を低減することを可能としている。金属層同士の接着面積を低減することにより、バンプ電極一つ当たりの接着に必要な加重を低減することができるため、ダミー電極を多数配置しても、低い加重でシリコン基板同士を接着することが可能になり、また、バンプ電極同士の接続信頼度を向上させることができる。
【0085】
シリコン基板の主面または裏面を他のシリコン基板の主面または裏面に接着し、それぞれのシリコン基板同士をバンプ電極を介して電気的に接続する方法としては、図18に示すように、一方のシリコン基板102上に形成されたバンプ電極231を、他方のシリコン基板103上に形成された金属配線201と接続させた後、図19に示すようにシリコン基板102、103間に樹脂を流し込んで埋め込むことが考えられる。なお、図18および図19は比較例の半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【0086】
このとき、バンプ電極231の同層に、バンプ電極231と同様にシリコン基板102上に形成されたダミーバンプ241を形成しておき、シリコン基板102および103を貼り合わせる際にシリコン基板103上に形成しておいた保護膜310に接続させることで、バンプの配置に起因するシリコン基板の撓みの発生を防ぐことが考えられる。この場合、ダミーバンプ241はバンプ電極231と高さ、つまりシリコン基板102の主面からシリコン基板102の主面に対して垂直な方向における距離が同一になるように形成する必要があるため、バンプ電極231と同様にシリコン基板102上に金属電極200を介して配置されている。
【0087】
このようにバンプ電極231およびダミーバンプ241を形成したシリコン基板102と他のシリコン基板103を接着し、その後にバンプ電極231およびダミーバンプ241と同層の領域であってシリコン基板102および103間の隙間にバンプ保護のためのアンダーフィル樹脂などの樹脂を流し込んで形成(充填)する場合、樹脂が完全に埋め込まれずに空隙(ボイド、隙間)が形成される可能性がある。
【0088】
貼り合わせたシリコン基板同士の間に空隙が形成されれば、シリコン基板同士の接着強度が低下することで接着したシリコン基板が剥がれ、バンプ電極231と金属配線201との電気的接続が断たれることにより半導体装置が正常に動作しなくなる。また、空隙がバンプ電極231に接して形成され、空隙内に残る水分によってバンプ電極231が腐食することでバンプ電極231が導通しなくなり、半導体装置の信頼性が低下する問題がある。
【0089】
また、貼り合わせたシリコン基板の端部からバンプ保護用の樹脂を注入するため、樹脂の注入中は樹脂の粘度を低く維持する必要がある。一般的に、低粘度の樹脂は耐熱性が低いという傾向があり、粘度が低く250℃程度で堆積収縮を起こすエポキシ系樹脂などを基板間に注入した際は、それ以降の製造工程で生じる温度を250℃以下にする必要がある。つまり、シリコン基板の貼り合わせおよび樹脂の注入を行った後、比較的高い温度が必要な銅バンプによる貼り合わせを行うと、先に形成したバンプ保護用の樹脂膜が体積収縮して変質し、バンプ電極の接続信頼度が低下する。
【0090】
また、銅バンプのように接合時に溶融しないバンプ材料を用いる場合には、金属配線201と保護膜310の高さを完全に同一にするか、またはバンプ電極231とダミーバンプ241の高さを完全に同一にするなどの対策が必要がある。銅は融点が高く、代表的な接合温度(400℃以下)では、溶融状態とならない。そのため、バンプ電極231と金属配線201の合計高さとダミーバンプ241と保護膜310の合計の高さを揃えないと、シリコン基板貼り合わせ時に、バンプ電極に与えられる荷重がばらつき、バンプの接続信頼度が低下する。
【0091】
本実施の形態の半導体装置では、耐熱性樹脂膜に形成した開口部内にバンプ電極およびダミーバンプを形成し、シリコン基板同士を接着させる際に各シリコン基板の耐熱性樹脂膜同士も接着するため、シリコン基板同士の接着工程の後に端部から樹脂を注入する必要が無い。このため、樹脂の注入不良に起因したバンプの接続信頼度の低下および半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【0092】
また、本実施の形態の半導体装置では、シリコン基板同士の接着工程の後に端部から樹脂を注入する必要が無いため、樹脂前駆体の粘度に対する制約が緩く、比較的粘度が高い耐熱性樹脂材料をバンプ保護用の樹脂材料として用いることが可能となる。粘度が高い樹脂は耐熱性が高い傾向があるため、第1シリコン基板(第1基板)と第2シリコン基板(第2基板)の接着により形成した積層半導体に対し、チップ搭載部材(第3基板)を、銅バンプ接合で必要とされる高温(例えば250℃以上)で接着しても、第1基板と第2基板の間に形成したバンプ保護用の樹脂膜が変質しない。したがって、バンプの接続信頼度低下を抑制することができる。
【0093】
また、本実施の形態の半導体装置では、第1基板上に形成したバンプ電極(第1電極)、ダミーバンプ(第1ダミーバンプ)および耐熱性樹脂膜(第1絶縁膜)の高さを揃えている。また、第2シリコン基板(第2基板)上に形成したバンプ電極(第2電極)、ダミーバンプ(第2ダミーバンプ)および耐熱性樹脂膜(第2絶縁膜)の高さを揃えている。したがって、第1電極と第2電極とが電気的に接続されるように第1基板および第2基板を接着させると、同時に第1ダミーバンプと第2絶縁膜とが接着し、第2ダミーバンプと第1絶縁膜とが接着するため、第1電極と第2電極に与えられる荷重がばらつかず、バンプの接続信頼度の低下を抑制することができる。
【0094】
また、本実施の形態の半導体装置では第1ダミーバンプおよび第2ダミーバンプを設けることで第1電極および第1絶縁膜の高さを一定に保ち、かつ、第2電極および第2絶縁膜の高さを一定に保つことを可能にしている。したがって、第1基板と第2基板を接着させた際に、第1絶縁膜と第2絶縁膜の高さのばらつきに起因する接着面の隙間が発生しないため、バンプ電極の接続信頼度の低下を抑制できる。また、第1ダミーバンプは第2絶縁膜に接着し、第2ダミーバンプは第1絶縁膜に接着しているため、ダミーバンプ数を増やしても第1基板と第2基板の接着に必要な荷重の増大を抑制できる。したがって、バンプ一つ当たりの接続荷重低下によるバンプの接続信頼度低下を抑制できるため、第1電極および第2電極の間の電気的接続が接続信頼度を高めることができる。
【0095】
本実施の形態では図6を用いて説明したように、バンプ電極500間の最短距離(S1)、バンプ電極500とダミーバンプ510の最短距離(S2)および同一シリコン基板上のダミーバンプ510間の最短距離(S3)を全て同じ長さであるものとしたが、これらの長さは必ずしも全て同一にする必要はない。比較例1の半導体装置において、バンプ電極が配置されていない領域の赤外線顕微鏡写真に見られたボイド(隙間、空隙)に相当する白いムラは、バンプ電極の端部からS1の5倍離れた距離から発生していることが判明している。すなわち、比較例1のような積層半導体であって、耐熱性樹脂膜の上面において、任意の点からS1の5倍の距離内にダミーバンプまたはバンプ電極が存在していない領域を有するような半導体装置では、耐熱性樹脂膜の表面が凹み、シリコン基板同士を貼り合わせた際にシリコン基板間にボイド(隙間)が生じる虞がある。
【0096】
言い換えれば、第1電極(第1シリコン基板上に形成されたバンプ電極500)同士の間の最短距離をS1とし、前記第1電極と第1ダミーバンプ(第1シリコン基板上に形成されたダミーバンプ510)との間の最短距離をS2とし、第1ダミーバンプ同士の間の最短距離をS3とした場合に、S2およびS3がS1の5倍以上の長さだとシリコン基板間にボイドが生じ、貼り合わせたシリコン基板間の接続信頼度が低下する可能性がある。
【0097】
よって、ボイドの発生を抑制するためには、S2およびS3をS1の5倍未満の長さにすることが好ましい。また、レイアウト的な制約がなければ、CMP法により研磨する面の平坦性の観点からは、S2およびS3をS1と同程度にすることがより望ましい。さらに、バンプ電極500の接続信頼度に悪影響を与えない範囲で、ダミーバンプ510、511を適宜間引いて配置することも可能である。
【0098】
一方、第1シリコン基板100上および第2シリコン基板101上のそれぞれ異なるシリコン基板上に形成されたダミーバンプ510およびダミーバンプ511間の最短距離(S4)が短すぎると、シリコン基板を貼り合わせたときの合わせずれにより、ダミーバンプ510とダミーバンプ511とが接着し、バンプ電極にかかるべき接合時の荷重の一部が失われ、バンプ電極同士の接着の確実性が低下する虞がある。したがって、S4の長さはシリコン基板を貼り合わせる装置の合わせずれ(合わせ精度)よりも大きくする必要がある。合わせずれは1μm未満の範囲で生じる可能性が高くなるため、本実施の形態ではダミーバンプ510およびダミーバンプ511間の最短距離(S4)を1μm以上の長さとしている。
【0099】
また、図6に示し本実施の形態の半導体装置では、第1シリコン基板100(図示しない)上に形成されたダミーバンプ510の上下左右の最近接位置に第2シリコン基板101(図示しない)上に形成されたダミーバンプ511が配置されているが、ダミーバンプのレイアウトはこれに限定される物ではない。例えば、図9に示す本実施の形態の半導体装置の変形例のように、第1シリコン基板100(図示しない)上に形成されたダミーバンプ510の第1方向(図の左右方向)および第2方向(図の上下方向)の最近接位置には、同じ第1シリコン基板100上に形成されたダミーバンプ510を配置することも可能である。
【0100】
つまり、第1方向または第2方向において、隣り合うダミーバンプ510の間にダミーバンプ511を配置せず、例えばダミーバンプ511を、第1方向において隣り合うダミーバンプ510同士の中間点から第2方向に向かってS3の半分の長さだけ移動した位置に配置するレイアウトも考えられる。言い換えれば、任意のダミーバンプ510と、そのダミーバンプと第1方向において隣り合うダミーバンプ510に対して第2方向において隣り合うダミーバンプ510との間にダミーバンプ511を配置するようなレイアウトでも、前述した白いムラ(ボイド、空隙、隙間)の発生を防ぎ、シリコン基板同士の接着信頼度を向上させることができる。
【0101】
また、上述したようにS2およびS3をS1の5倍未満の長さにするというバンプ配置に関するレイアウト制限を遵守すれば、数種類のレイアウトを混在させることも可能である。例えば、自動レイアウトツールを用い、チップ内のバンプ電極の配置密度をある程度平準化するようにダミーバンプを配置することで、CMP平坦度を向上させることも可能である。
【0102】
また、本実施の形態ではダミーバンプ510、511の平面レイアウト形状を正方形としたが、これ以外の形状でも同様の効果が期待できる。ダミーバンプ510、511の平面視における形状は例えば図10(a)に示す長方形などの四角形、図10(b)に示す六角形、図10(c)に示す八角形、図10(d)に示す十六角形または図10(e)に示す円形であってもよい。また、ダミーバンプ510、511の平面視における形状は図図10(f)に示す2つの長方形の組み合わせた形状である十字形、図10(g)に示すL字形または図10(h)に示すT字形などを採用してもよい。ただし、銅メッキの埋込み形状およびCMP時の平坦性の観点からは、多角形および円形の場合には、その外接円の直径がバンプ電極の外接円の直径と同程度であり、2つの長方形を組み合わせた図形の場合には、その長方形の短辺長がバンプ電極の外接円の直径と同程度であることが望ましい。
【0103】
図10(a)〜(h)は本実施の形態の半導体装置に用いるダミーバンプ510、511の変形例を示す平面レイアウトである。図10(a)〜(h)は順に、平面視におけるダミーバンプ510、511の形状が四角形の場合、四角形の場合、六角形の場合、八角形の場合、十六角形の場合、円形の場合、十字形の場合、L字形の場合およびT字形の場合の平面レイアウトを示している。
【0104】
なお、ダミーバンプ510、511は周囲の耐熱樹脂膜300などに応力を与えないようにする観点から、三角形のような鋭角な角部を有するパターンよりも、円形のように角がないパターンを有する方が好ましい。したがって、平面視におけるダミーバンプ510、511のパターンは、図10(a)に示すような四角形(長方形)を採用する場合に比べ、図10(c)に示す正八角形のようなパターンを採用する場合の方が、シリコン基板上に生じる応力を低減することができる。
【0105】
また、前記実施の形態では、耐熱性樹脂膜300としてポリベンゾオキサゾールを用いたが、他の耐熱性樹脂を用いることも可能である。ポリイミドまたはベンゾシクロブテンなどの樹脂も利用可能である。また、樹脂が感光性を有していれば、エッチングなどの工程を省略できるので、工程数削減が可能となる。
【0106】
また、前記実施の形態では、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101を貼り合わせた後に、第1シリコン基板100に貫通電極270を裏面から形成する、いわゆる裏面ビアラストプロセスを採用したがこれ以外の方法、例えば、前工程の一部として貫通電極を形成する方法、でも本手法は有効である。
【0107】
また、本実施の形態では、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101の両方に半導体素子が形成された例について説明したが、本願発明の有効性はこれに限定される物ではなく、半導体素子が形成されたシリコン基板と半導体素子が形成されていない基板(配線基板)とを接着する場合などにも利用可能である。
【0108】
(実施の形態2)
本実施の形態では、半導体素子が形成されたシリコン基板の表面と半導体素子が形成されていない裏面との接着により得られる半導体装置の例を図11〜図14を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態1にてすでに説明した構成と同一の符号を付された構成および同一の機能を有する部分については、説明を省略する。図11〜図14は本実施の形態の積層半導体の製造工程を説明する要部断面図である。
【0109】
まず、図11に示すように、第1シリコン基板100の半導体素子が形成されていない裏面に、例えば酸化シリコン膜からなる裏面絶縁膜330を形成した後、前記実施の形態1にて図8を用いて説明した方法と同様の方法により、第1シリコン基板100の半導体素子が形成されている主面と電気的接続を取るための貫通電極270を形成する。貫通電極270は、裏面絶縁膜330を貫通し、第1シリコン基板100の主面に形成された半導体素子にコンタクトプラグを介して形成された配線(図示しない)に達する電極である。なお、図11において、半導体素子および層間絶縁膜などの図示は省略する。
【0110】
なお図11では、前記実施の形態1で説明した第1シリコン基板100と異なり第1シリコン基板100の上下を逆さまにして示している。すなわち、図11〜図14に示す第1シリコン基板100の下の面が第1シリコン基板100の主面であり、上の面であって裏面絶縁膜330が形成されている面が第1シリコン基板100の裏面である。この後の工程の説明では、第1シリコン基板100の裏面側を上方として説明する。つまり、例えば後述する耐熱性樹脂膜300は第1シリコン基板100上に形成されているものとする。
【0111】
続いて、第1シリコン基板100の裏面上に裏面絶縁膜330を介してポリベンゾオキサゾールからなる耐熱性樹脂膜300を形成した後、フォトリソグラフィおよびエッチング技術を用いて耐熱性樹脂膜300を加工することで、貫通電極270の上面を露出するバンプ開口部400を形成し、同工程により裏面絶縁膜330の上面の一部を露出するダミーバンプ開口部410を形成する。なお、第1シリコン基板100の薄化を行った場合には、その後の搬送のために第1シリコン基板100を支持基板に固定する場合があるが、当該支持基板などの図示は省略する。
【0112】
次に、図12に示すように、バンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410のそれぞれの内壁および底部を覆うように、耐熱性樹脂膜300上、裏面絶縁膜330上、および貫通電極270上にスパッタリング法により膜厚70nm程度のTiN膜と膜厚500nm程度の銅膜からなる金属膜210を第1シリコン基板100の裏面側から順に堆積する。
【0113】
次に、図13に示すように、CMP法により金属膜210を研磨し、耐熱性樹脂膜300の上面を露出させることで、バンプ開口部400内の金属膜210からなるバンプ電極230と、ダミーバンプ開口部410内の金属膜210からなるダミーバンプ240とを形成する。このとき、耐熱性樹脂膜300の上面、バンプ電極230の上面およびダミーバンプ240の上面の間に段差がなくなるようにCMPを行う。ここでは、前記実施の形態1で説明したように、所定の間隔でダミーバンプ240を複数配置していることにより、耐熱性樹脂膜300の上面が削れすぎてバンプ電極230およびダミーバンプ240のそれぞれの上面よりも高さが低くなることを防いでいる。
【0114】
次に、図14に示すように、所定の領域に集積回路が形成された第2シリコン基板101を用意し、第2シリコン基板101に対して前記実施の形態1において図1〜図5を用いて説明した工程と同様の処理を施す。すなわち、第2シリコン基板101上の耐熱性樹脂膜300にバンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410を形成した後、バンプ開口部400内にバンプ電極230を形成し、また、ダミーバンプ開口部410にダミーバンプ240を形成する。第2シリコン基板101上において、バンプ電極230の底部は金属配線200を介して第2シリコン基板101の主面の半導体素子などに電気的に接続されているが、ダミーバンプ240は金属配線200には接続されておらず、前記半導体装置とも電気的に絶縁されている。
【0115】
続いて、第1シリコン基板100の裏面と第2シリコン基板101の主面とを対向させて貼り合わせて加熱・圧着し、第1シリコン基板100および第2シリコン基板101のそれぞれに形成されたバンプ電極230同士の電気的接続と、それぞれのシリコン基板に形成された耐熱性樹脂膜300同士の接着とを同時に行う。この際、第1シリコン基板100上に形成されたダミーバンプ240は第2シリコン基板101上に形成された耐熱性樹脂膜300の上面と接着させ、第2シリコン基板101上に形成されたダミーバンプ240は第1シリコン基板100上に形成された耐熱性樹脂膜300の上面と接着させる。ここでは、2枚のシリコン基板を貼り合わせた後のバンプ電極230およびダミーバンプ240の平面レイアウトは図6に示す平面レイアウトと同一であるものとする。
【0116】
その後、貫通電極270を形成したシリコン基板上にハンダバンプを形成した後、ダイシング装置によって積層半導体装置を個片化し、図8と同様にチップ搭載部材120に搭載すれば、本実施の形態の半導体装置が完成する。このとき、第1シリコン基板100に形成された貫通電極270は、図8と同様にハンダバンプ260とチップ搭載部材120上に形成された金属配線201とを介して半導体装置の外部と電気的に接続されている。ただし、貫通電極270は第1シリコン基板100内の半導体素子の配線に接続されているため、貫通電極270とハンダバンプ260は直接接触していない。つまり、貫通電極270は第1シリコン基板100の裏面の反対側の上面に達していない。ここでは、貫通電極270と電気的に接続された電極であって、第1シリコン基板100の上面に露出する電極とハンダバンプ260とが直接接することで、貫通電極270とハンダバンプ260とが前記電極を介して電気的に接続されているものとする。
【0117】
上記のようにして製造された半導体装置について、本発明者らが耐熱性樹脂膜に生じるボイド評価およびバンプ接合状態の分析を行ったところ、前記実施の形態1と同等のバンプ接続信頼度が得られることが判明した。
【0118】
このことから、前記実施の形態1とは異なり、本実施の形態のようにシリコン基板の主面と裏面を接着させても前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。前記実施の形態1のようにシリコン基板の主面同士を対向させた接着しか行わない場合にはシリコン基板の積層数が2層に限定されるが、本実施の形態に基づきシリコン基板の主面と他のシリコン基板の裏面との接着を行えば3層以上の基板の積層も実施可能となる。
【0119】
また、本実施の形態では、シリコン基板の主面と他のシリコン基板の裏面とを接着しているが、前記実施の形態1に示したシリコン基板の主面同士を接着する方法と本実施の形態の半導体装置の製造方法と組み合わせることにより、汎用性の高い積層構造を実現することが可能である。その一例を図15〜図17に示す。図15〜図17は本実施の形態2の変形例である積層半導体の製造方法を示す要部断面図である。
【0120】
まず、図15に示すように、前記実施の形態1の半導体装置の製造方法に基づき第1シリコン基板100および第2シリコン基板101のそれぞれの主面同士を対向させて接着し、第2シリコン基板101の裏面に貫通電極270を形成する。続いて、図11を用いて説明した工程と同様の工程により、第2シリコン基板101の裏面上にバンプ開口部400およびダミーバンプ開口部410を有する耐熱性樹脂膜300を形成する。
【0121】
次に、図16に示すように、図12および図13を用いて説明した工程に基づき、バンプ開口部400内およびダミーバンプ開口部410内のそれぞれにバンプ電極230およびダミーバンプ240を形成する。
【0122】
次に、図17に示すように、第2シリコン基板101の裏面に、第2シリコン基板101とほぼ同様に形成され、半導体素子、耐熱性樹脂膜300、バンプ電極230およびダミーバンプ240を有する第3シリコン基板104の主面を接着することで、シリコン基板が3層積層された半導体装置を形成することが可能となる。
【0123】
なお、図15〜図17を用いて説明した本実施の形態の半導体装置の変形例では、バンプ電極とダミーバンプとのレイアウト、形状、耐熱性樹脂膜および材料などは、前記実施の形態1と同様の構成としている。ただし、本実施の形態の構成はこれに限られず、前記実施の形態1において図9または図11(a)〜(h)などを用いて説明した応用例は、本実施の形態においても同様に適用可能である。
【0124】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、バンプを介してシリコン基板同士を電気的に接続する半導体装置の製造技術に適用して有効である。
【符号の説明】
【0126】
100 第1シリコン基板
100a シリコン基板
101 第2シリコン基板
102、103 シリコン基板
104 第3シリコン基板
120 チップ搭載部材
200、201 金属配線
210 金属膜
230、231 バンプ電極
240、241 ダミーバンプ
250 バンプ
260 ハンダバンプ
270 貫通電極
280、281 バンプ形成層
290、330 裏面絶縁膜
300 耐熱性樹脂膜
310 保護膜
320 アンダーフィル樹脂膜
400 バンプ開口部
410 ダミーバンプ開口部
500 バンプ電極
510、511 ダミーバンプ
DL ダイシングライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に第1電極と第1絶縁膜が形成された第1基板と、一面に第2電極と第2絶縁膜が形成された第2基板とを積層し、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着することによって、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続した半導体装置であって、
前記第1絶縁膜の第1領域に前記第1電極が形成され、前記第1絶縁膜の第2領域に、前記第1電極と同一の材料で構成された第1ダミーバンプが形成され、前記第2絶縁膜の第1領域に前記第2電極が形成され、前記第2絶縁膜の第2領域に、前記第2電極と同一の材料で構成された第2ダミーバンプが形成され、
前記第1基板の前記一面に対して垂直な方向において、前記第1基板の前記一面から前記第1電極の上面までの距離と、前記第1基板の前記一面から前記第1ダミーバンプの上面までの距離と、前記第1基板の前記一面から前記第1絶縁膜の上面までの距離とは同一であり、前記第2基板の前記一面に対して垂直な方向において、前記第2基板の前記一面から前記第2電極の上面までの距離と、前記第2基板の前記一面から前記第2ダミーバンプの上面までの距離と、前記第2基板の前記一面から前記第2絶縁膜の上面までの距離とは同一であり、
前記第1ダミーバンプは前記第2絶縁膜に接し、前記第2ダミーバンプは前記第1絶縁膜に接し、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、またはベンゾシクロブテンのうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1基板および前記第2基板は半導体ウエハまたは半導体チップであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は耐熱性樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は感光性樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1電極、前記第1ダミーバンプ、前記第2電極および前記第2ダミーバンプは銅を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ダミーバンプおよび前記第2ダミーバンプの平面レイアウト形状は四角形、六角形、八角形、十六角形、円形、十字形、L字形またはT字形であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1電極および前記第1ダミーバンプ間の最短距離と、前記第1ダミーバンプ同士の間の最短距離とは、いずれも前記第1電極同士の間の最短距離の5倍未満の長さであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1ダミーバンプおよび前記第2ダミーバンプ間の最短距離は1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
一面に第1電極、第1ダミーバンプおよび第1絶縁膜が形成された第1基板と、一面に第2電極、第2ダミーバンプおよび第2絶縁膜が形成された第2基板とを積層し、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着することによって、前記第1電極と前記第2電極とを電気的に接続する半導体装置の製造方法において、
前記第1電極および前記第1ダミーバンプの形成工程は、
(a1)前記第1基板上の前記一面上に前記第1絶縁膜を形成する工程、
(a2)前記第1絶縁膜の第1領域および第2領域のそれぞれに開口部を形成する工程、
(a3)前記第1領域および前記第2領域の各開口部の内部を第1導電膜で埋め込む工程、
(a4)化学的機械研磨法を用い、前記第1領域および前記第2領域の各開口部に埋め込まれた前記第1導電膜の上面と前記第1絶縁膜の上面との間に段差が無くなるまで前記第1導電膜を研磨することで、前記第1領域の開口部の内部に前記第1導電膜からなる前記第1電極を形成し、前記第2領域の開口部の内部に前記第1導電膜からなる前記第1ダミーバンプを形成する工程、
を含み、
前記第2電極および前記第2ダミーバンプの形成工程は、
(b1)前記第2基板上の前記一面上に前記第2絶縁膜を形成する工程、
(b2)前記第2絶縁膜の第3領域および第4領域のそれぞれに開口部を形成する工程、
(b3)前記第3領域および前記第4領域の各開口部の内部を第2導電膜で埋め込む工程、
(b4)化学的機械研磨法を用い、前記第3領域および前記第4領域の各開口部に埋め込まれた前記第2導電膜の上面と前記第2絶縁膜の上面との間に段差が無くなるまで前記第2導電膜を研磨することで、前記第3領域の開口部の内部に前記第2導電膜からなる前記第2電極を形成し、前記第4領域の開口部の内部に前記第2導電膜からなる前記第2ダミーバンプを形成する工程、
を含み、
前記(a4)工程および前記(b4)工程の後、前記第1基板の前記一面と前記第2基板の前記一面とを接着する際に、前記第1ダミーバンプを前記第2絶縁膜に接着し、かつ、前記第2ダミーバンプを前記第1絶縁膜に接着させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1基板および前記第2基板は半導体ウエハまたは半導体チップであることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、またはベンゾシクロブテンのうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は耐熱性樹脂を含むことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜は感光性樹脂を含むことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1電極、前記第1ダミーバンプ、前記第2電極および前記第2ダミーバンプは銅を含むことを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1ダミーバンプおよび前記第2ダミーバンプの平面レイアウト形状は四角形、六角形、八角形、十六角形、円形、十字形、L字形またはT字形であることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1電極および前記第1ダミーバンプ間の最短距離と、前記第1ダミーバンプ同士の間の最短距離とは、いずれも前記第1電極同士の間の最短距離の5倍未満の長さであることを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1ダミーバンプおよび前記第2ダミーバンプ間の最短距離は1μm以上であることを特徴とする請求9記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−222184(P2012−222184A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87061(P2011−87061)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、立体構造新機能集積回路(ドリームチップ)技術開発/多機能高密度三次元集積化技術・三次元回路再構成可能デバイス 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】