説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】電極層の電気伝導度の向上と、電極層の表面へのC原子の析出の抑制とを両立させることができる半導体装置およびその製造方法をを提供する。
【解決手段】電極層16は、炭化珪素基板90上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する。Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。電極層16の少なくとも炭化珪素基板90に接する側はSiおよびNiの化合物を含む。電極層16の表面側においてC原子濃度はNi原子濃度よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、より特定的には、炭化珪素基板を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素基板を用いた半導体装置の製造方法において、炭化珪素基板上にオーミック電極を形成する技術の開発が行なわれている。
【0003】
たとえば特開平7−99169号公報(特許文献1)によれば、SiC基体(炭化珪素基板)の上にNi−Si合金層、あるいはSi、Ni積層体を形成しておくと、SiC基体からのSiの供給なしにNiSi2(Ni33原子%、Si67原子%)が形成でき、SiC基体に対してオーミック接触をする電極が得られる、とされている。またこの公報によれば、Niが原子比で33%以下ではSiが余剰となり伝導性を阻害し、67%以上あるとNiSi2とSiCとの界面に余剰のNiが存在し、不連続な界面となってしまう、とされている。またこの公報によれば、SiをSiCから供給するのでないため、余剰になったCがNi中に拡散して電極の表面にグラファイトとして析出する現象も生じない、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−99169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、Ni原子およびSi原子を有する電極(電極層)の形成に際して、電極層の電気伝導度を高くするためには、Niの割合を高める必要がある。しかしNiの割合が高められると、電極層形成のためのアニールの際に、炭化珪素基板から電極層の表面へと多くのC原子が析出してしまう。このため、電極層の電気伝導度の低減と、電極層の表面へのC原子の析出の抑制とを両立させることが困難であった。
【0006】
それゆえ本発明の目的は、電極層の電気伝導度の向上と、電極層の表面へのC原子の析出の抑制とを両立させることができる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体装置は炭化珪素基板および電極層とを有する。電極層は、炭化珪素基板上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する。Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。電極層の少なくとも炭化珪素基板に接する側はSiおよびNiの化合物を含む。電極層の表面側においてC原子濃度はNi原子濃度よりも小さい。
【0008】
この半導体装置によれば、電極層においてNi原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。これによりこのパーセンテージが67%未満である場合に比して電極層の電気伝導度を高めることができる。またこの半導体装置によれば、電極層の表面側においてC原子濃度はNi原子濃度よりも小さい。これにより、電極層の表面側に接する金属パッド層が形成された場合に、この金属パッド層が剥離しにくくなる。
【0009】
好ましくは電極層の表面側において、C原子濃度は3%未満である。
好ましくは半導体装置は、電極層の表面側に接する金属パッド層を有する。金属パッド層は好ましくはAl層である。好ましくは金属パッド層は、電極層上に形成された密着層と、密着層上に形成された本体層とを含む。密着層は、Ti、TiW、およびTiNのいずれかから作られている。
【0010】
好ましくは電極層の表面側におけるSi原子濃度は30%より小さい。これにより電極層の電気伝導度をより高めることができる。
【0011】
本発明の半導体装置の製造方法は、以下の工程を有する。炭化珪素基板が準備される。炭化珪素基板上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する材料層が形成される。Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。材料層をレーザ光でアニールすることによって、少なくとも炭化珪素基板に接する側がSiおよびNiの化合物を含む電極層が形成される。
【0012】
この半導体装置の製造方法によれば、電極層の材料となる材料層において、Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。これによりこのパーセンテージが67%未満である場合に比して電極層の電気伝導度を高めることができる。またこの半導体装置の製造方法によれば、レーザ光が用いられることによってアニールが短時間で行なわれる。これにより、より長時間に渡るアニールが行われた場合に比して、C原子の拡散を抑制することができる。よって電極層の表面側におけるC原子濃度を低くすることができる。これにより、電極層の表面側に接する金属パッド層が形成された場合にこの金属パッド層が剥離しにくくなる。
【0013】
好ましくは、電極層の上に金属パッド層が形成される。金属パッド層は好ましくはAl層を含む。好ましくは金属パッド層を形成する工程は、電極層上に密着層を形成する工程と、密着層上に本体層を形成する工程とを含む。密着層は、Ti、TiW、およびTiNのいずれかから形成される。
【0014】
材料層を形成する工程は、SiおよびNiの混合層を形成する工程を含んでもよい。また材料層を形成する工程は、Si層およびNi層を積層する工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述したように本発明によれば、電極層の電気伝導度の低減と、電極層の表面へのC原子の析出の抑制とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法の第1の工程(A)および第2の工程(B)を概略的に示す断面図である。
【図3】図1の半導体装置の変形例を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3における半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図6】第1の比較例の半導体装置の原子濃度プロファイルである。
【図7】第2の比較例の半導体装置の原子濃度プロファイルである。
【図8】第3の比較例の半導体装置の原子濃度プロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態の半導体装置は、炭化珪素基板90と、電極層16と、金属パッド層19とを有する。
【0018】
電極層16は、炭化珪素基板90上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する。Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。より具体的には、電極層16の材料の概略的な組成は、67原子%以上のNiと、その実質的な残部であるSiとの混合物である。ただし必要に応じて電極層16の材料にNiおよびSi以外の添加物が加えられていてもよい。また電極層16の材料は、工業的な製造方法において不可避的にともなわれる不純物を含み得る。
【0019】
好ましくは、電極層16におけるSi原子の数は、Ni原子およびSi原子の総数の10%以上である。
【0020】
電極層16の少なくとも炭化珪素基板90に接する側はSiおよびNiの化合物、すなわちニッケルシリサイドを含む。これにより電極層16と炭化珪素基板90とはオーミックに接続されている。すなわち電極層16はオーミック電極としての機能を有する。
【0021】
電極層16の炭化珪素基板90に接する側(図中、下側)においては、上記の化合物はおおよそNi2Siである。つまり、電極層16の炭化珪素基板90に接する側においては、NiおよびSiの総原子数対するNi原子数の比率は、おおよそ、3分の2すなわちほぼ67%である。この比率は、電極層16の表面側(図中、上側)においてより高くなっており、極端な場合100%に近い値であってもよい。すなわち、工業的な製造方法における不可避的な不純物、または外部環境からの不可避的な付着物を別とすれば、電極層16の表面側が実質的にNiから構成されていてもよい。この場合、電極層16の表面側の電気伝導度は、Siを有意に含む場合に比して、より高くなる。
【0022】
電極層16の表面側において、C原子濃度はNi原子濃度よりも小さい。好ましくはこのC原子濃度は3%未満であり、より好ましくは1%未満である。より好ましくは、電極層16の表面側に実質的にC原子が存在しない。すなわち外部環境からの不可避的なC原子の付着を別とすれば、電極層16の表面側が実質的にNiから構成されていてもよい。
【0023】
ここで表面側における原子濃度とは、電極層16の表面(図中の上面)から深さ5nmまでの領域における全原子数に対する特定の原子の数の比率である。この原子濃度は、深さ方向の分解能が高い元素分析によって測定することができ、たとえばSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)によって測定することができる。なお測定の準備作業において電極層16の表面が大気に暴露さていた場合は、電極層16の表面を洗浄する必要がある。この洗浄は、たとえば、アセトンなどの有機溶剤を用いた超音波洗浄である。
【0024】
好ましくは、電極層16自体の表面は、エッチングまたは研磨などによる物質除去が行われていない面である。これにより電極層16の形成工程がより簡便化されている。ただしこの場合でも、電極層16の形成後に外部環境から電極層16の表面に付着した汚染物質は除去されていてよい。この除去は、たとえば上述したような洗浄によって行われ得る。
【0025】
金属パッド層19は電極層16の表面側に接している。金属パッド層19は好ましくはAl層またはAl−Si層である。
【0026】
次に本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図2(A)を参照して、まず炭化珪素基板90が準備される。次に、炭化珪素基板90上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する材料層50aが形成される。Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。材料層50aは、SiおよびNiの混合層である。この混合層の形成は、たとえば、Siからなるターゲットと、Niからなるターゲットとを同時にスパッタすることによって行うことができる。
【0027】
好ましくは、材料層50aにおけるSi原子の数は、Ni原子およびSi原子の総数の10%以上である。
【0028】
さらに図2(B)を参照して、アニール処理として、材料層50a(図2(A))が形成された炭化珪素基板90上へレーザ光が照射される。このアニールによって材料層50aから電極層16(図2(B))が形成される。このアニールは、電極層16の少なくとも炭化珪素基板90に接する側がSiおよびNiの化合物すなわちニッケルシリサイドを含むものとなるように行われる。
【0029】
好ましくはレーザ光の波長は、炭化珪素のバンドギャップに対応する波長である386nm以下である。これにより炭化珪素基板90の表面においてレーザ光の吸収が生じる。このようなレーザ光としては、たとえば、YAGレーザまたはYVO4レーザの第3高調波である波長355nmの光を用いることができる。
【0030】
またレーザ光の出力密度は、0.5J/cm2以上1.5J/cm2以下であり、より好ましくは、0.7J/cm2以上1.3J/cm2以下である。これにより、十分なアニールの作用を得るとともに、レーザ光によるダメージの発生を抑えることができる。
【0031】
またレーザ光のパルス幅は、10ns以上10μs以下とされ、より好ましくは50ns以上1μs以下とされる。これにより、実用的なパルス幅を有するレーザを用いつつ、十分に短い時間でアニールを行うことができる。
【0032】
再び図1を参照して、電極層16の上に金属パッド層19が形成される。金属パッド層19は好ましくはAl層である。以上により本実施の形態の半導体装置が得られる。
【0033】
本実施の形態の半導体装置によれば、電極層16においてNi原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。これによりこのパーセンテージが67%未満である場合に比して電極層16の電気伝導度を高めることができる。またこの半導体装置によれば、電極層16の表面側はSi原子濃度およびNi原子濃度の和よりも小さいC原子濃度を有する。これにより、電極層16の表面側に接する金属パッド層19が形成された場合にこの金属パッド層19が剥離しにくくなる。
【0034】
好ましくは電極層16の表面側におけるSi原子濃度は30%より小さい。これにより電極層16の電気伝導度をより高めることができる。
【0035】
また本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、電極層16の材料となる材料層50aにおいて、Ni原子の数はNi原子およびSi原子の総数の67%以上である。これによりこのパーセンテージが67%未満である場合に比して電極層16の電気伝導度を高めることができる。
【0036】
またレーザ光が用いられることによってアニールが短時間で行なわれる。これにより、たとえばランプアニールのように、より長時間に渡るアニールが行われた場合に比して、C原子の拡散を抑制することができる。よって電極層16の表面側におけるC原子濃度を低くすることができる。これにより、電極層16の表面側に接する金属パッド層19が形成された場合に金属パッド層19が剥離しにくくなる。
【0037】
好ましくは、電極層16または材料層50aのNi原子の数はNi原子およびSi原子の総数の70%以上である。これにより上述した作用効果をより確実に得ることができる。また好ましくはNi原子の数はNi原子およびSi原子の総数の90%以下である。これにより炭化珪素基板90からのC原子の拡散をより抑制することができる。
【0038】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
図3を参照して、本変形例の半導体装置の金属パッド層19Vは、電極層16上に形成された密着層19aと、密着層19a上に形成された本体層19bとを含む。密着層19aは、Ti、TiW、およびTiNのいずれかから作られている。本体層19bは、好ましくはAl層またはAl−Si層である。
【0039】
本変形例によれば、金属パッド層19Vの電極層16への密着性をより高めることができる。
【0040】
(実施の形態2)
主に図4を参照して、本実施の形態においては材料層50a(図2(A))の代わりに材料層50bが形成される。材料層50bを形成する工程はSi層51およびNi層52を積層する工程を含む。好ましくは、形成される積層体の最上層はNi層52とされる。これにより、アニール後に得られる電極層16の表面側におけるNi原子の比率を高めることができるので、電極層16の表面側の電気伝導度を高めることができる。
【0041】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0042】
本実施の形態によれば、実施の形態1において行われたようなNiおよびSiの混合層の形成が不要となる。
【0043】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、上述した実施の形態1または2の半導体装置のより詳しい構造の一例について説明する。
【0044】
図5を参照して、本実施の形態の半導体装置は、縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、炭化珪素基板90と、電極層16と、金属パッド層19と、ゲート絶縁膜15と、ゲート電極17とを有する。炭化珪素基板90は、n+層11、n-層12、pボディ層13、n+ソース領域14、p+領域18を有する。
【0045】
電極層16は、炭化珪素基板90の一方面(図中の上面)上において、n+ソース領域14およびp+領域18の各々にオーミックに接するように設けられている。電極層16の厚さは、たとえば100〜200nm程度である。
【0046】
ゲート電極17は、炭化珪素基板90の一方面(図中の上面)上にゲート絶縁膜15を介して設けられており、pボディ層13の表面側であるチャネル領域13Aに対向している。また炭化珪素基板90の他方面(図中の下面)上にはドレイン電極20が設けられている。
【0047】
本実施の形態によれば、電気伝導度の高い電極層16と、剥離しにくい金属パッド層19とを有する縦型MOSFETが得られる。
【0048】
なお炭化珪素基板90のドレイン電極20に面する側にpコレクタ層が形成されることによって、縦型MOSFETの代わりに縦型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が構成されてもよい。また炭化珪素基板に形成されたトレンチ内にゲート絶縁膜を介してゲート電極が埋め込まれる構造(トレンチゲート構造)が用いられてもよい。
【0049】
(比較例)
SIMSを用いた濃度プロファイルデータを参照しつつ、本発明に対する比較例について説明する。なお金属層の表面上への金属パッド層の形成は行わなかったので、濃度プロファイルにおけるスパッタ時間0の近傍が電極層の表面に対応する。またスパッタレートは約10nm/分とされた。また測定の前には、表面の洗浄処理が行われた。以下に、比較例について具体的に説明する。
【0050】
(第1の比較例)
材料層50aの代わりにNi層が用いられた。またレーザアニールの代わりにランプアニールが用いられた。
【0051】
図6を参照して、電極層の表面(グラフの横軸の0近傍)において、半分以上の原子がC原子であった。また電極層全体に渡ってC原子およびSi原子の各々が有意な比率で存在していた。またNi原子が、深い方へ、すなわち炭化珪素基板内へ拡散していた。
【0052】
(第2の比較例)
材料層50b(図4)として、Niが80原子%、Siが20原子%となるような積層体が用いられた。またレーザアニールの代わりにランプアニールが用いられた。
【0053】
図7を参照して、第1の比較例と同様に、電極層の表面(グラフの横軸の0近傍)において、半分以上の原子がC原子であった。
【0054】
(第3の比較例)
材料層50a(図2(A))の代わりに、よりNi比率の低い層が用いられた。具体的には、Ni65原子%、Si35原子%の組成を有する混合層が用いられた。またレーザアニールの代わりにランプアニールが用いられた。得られた電極層の平均的な電気伝導度は、本発明の実施例のものに比して低かった。
【0055】
図8を参照して、電極層全体に渡ってSi原子が有意な比率で存在していた。すなわち電極層中に実質的にNiからなる部分は存在しなかった。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
16 電極層、19 金属パッド層、50a,50b 材料層、51 Si層、52 Ni層、90 炭化珪素基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素基板と、
前記炭化珪素基板上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する電極層とを備え、
前記Ni原子の数は前記Ni原子および前記Si原子の総数の67%以上であり、
前記電極層の少なくとも前記炭化珪素基板に接する側はSiおよびNiの化合物を含み、
前記電極層の表面側においてC原子濃度はNi原子濃度よりも小さい、半導体装置。
【請求項2】
電極層の表面側において、C原子濃度は3%未満である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電極層の表面側に接する金属パッド層をさらに備える、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属パッド層はAl層を含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属パッド層は、前記電極層上に形成された密着層と、前記密着層上に形成された本体層とを含み、前記密着層は、Ti、TiW、およびTiNのいずれかから作られている、請求項3または4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電極層の表面側におけるSi原子濃度は30%より小さい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
炭化珪素基板を準備する工程と、
前記炭化珪素基板上に接し、かつNi原子およびSi原子を有する材料層を形成する工程とを備え、
前記Ni原子の数は前記Ni原子および前記Si原子の総数の67%以上であり、さらに
前記材料層をレーザ光でアニールすることによって、少なくとも前記炭化珪素基板に接する側がSiおよびNiの化合物を含む電極層を形成する工程を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記電極層の上に金属パッド層を形成する工程をさらに備える、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記金属パッド層はAl層を含む、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記金属パッド層を形成する工程は、前記電極層上に密着層を形成する工程と、前記密着層上に本体層を形成する工程とを含み、前記密着層は、Ti、TiW、およびTiNのいずれかから形成される、請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記材料層を形成する工程はSiおよびNiの混合層を形成する工程を含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記材料層を形成する工程はSi層およびNi層を積層する工程を含む、請求項7〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−99598(P2012−99598A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245149(P2010−245149)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】