説明

半導体装置の製造方法、および半導体装置

【課題】半導体チップ上の同一の電極に複数本のワイヤを接続する構造において、電極面積を抑制することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】まず、図3(a)〜図3(d)に示すように、半導体チップ1上の電極3にボールボンディングを行って接続部7aを形成した後、図3(e)〜図3(g)に示すように、インナーリード4aにウェッジボンディングを行う。続いて、図3(h)、図3(i)に示すように、ボール11bを接続部7aに直上から圧着するボールボンディングを行って接続部7bを形成した後、図3(j)〜図3(l)に示すように、インナーリード4aにウェッジボンディングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、および半導体装置に関し、特にリードフレーム/配線基板を用いた半導体チップのパッケージ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の形態として、リードフレームを用いたQFP(クワッド・フラット・パッケージ)などが広く用いられてきている。以下、図面を用いて、従来の一般的なQFP型半導体装置について説明する。
【0003】
図17は従来の一般的なQFP型半導体装置の断面図、図18は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造図である。このQFP型半導体装置は、図17、図18に示すように、集積回路が形成された半導体チップ1がリードフレームのダイパッド部2に搭載されている。また、ダイパッド部2の周辺には放射状にリードフレームのリード4が配置されており、インナーリード4aの先端がダイパッド部2に対して対向している。また、半導体チップ1の表面に形成された電極3とインナーリード4aとがワイヤ5で接続されている。また、半導体チップ1、ワイヤ5、インナーリード4aが一括して樹脂封止体6により樹脂封止され、インナーリード4aに連続したリードフレームのアウターリード4bが樹脂封止体6の外部でガルウィング型に曲げ成形されている。また、図18に示すダイパッドサポート24は、ダイパッド部2をリードフレームに保持する部材である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
続いて、従来の一般的なQFP型半導体装置の製造方法について説明する。
まず、金属板で形成されたリードフレームのダイパッド部2に半導体チップ1を搭載する(ダイボンド工程)。なお、リードフレームは、複数個の半導体装置を同時に、あるいは順次形成するために、各半導体装置に対応する矩形のパターンをフレーム枠で連結して複数個、同一平面上の左右方向ないし上下方向に配列したものである。各パターンは、ダイパッド部2を中央に配置し、複数本のリード4の外端部をフレーム枠に接続し、ダイパッド部2をダイパッドサポート24によりフレーム枠に保持する構造である。
【0005】
次に、半導体チップ1の表面に形成された電極3と、ダイパッド部2の周囲に配置されたインナーリード4aとをワイヤ5で接続する(ワイヤボンディング工程)。次に、半導体チップ1、ダイパッド部2、ワイヤ5、インナーリード4aを一括して封止樹脂で樹脂封止して、樹脂封止体6を形成する(樹脂封止工程)。
【0006】
最後に、アウターリード4bを所定の長さに合わせてフレーム枠から切断して個片に分離するとともに、アウターリード4bを所定の形状に加工して、半導体装置の完成品を得る。
【0007】
また、ワイヤボンディング方法としては、(1)キャピラリの先端から突出したワイヤの先端に放電によりボールを形成し、(2)熱と超音波を与えながら、そのボールをキャピラリで一方の接続点に押し付けて接続し(ボールボンディング)、(3)キャピラリからワイヤを引き出しながら他方の接続点に移動し、(4)熱と超音波を与えながらキャピラリの先端部でワイヤを他方の接続点にこすり付けて接続する(ウェッジボンディング)、超音波併用熱圧着ボンディング方式が現在の主流であり、一般的には半導体チップの電極側においてボールボンディングを行う。
【0008】
以上のように構成されたQFP型半導体装置において、近年、集積回路の高集積化、高密度化に伴い、多ピン化およびリードの狭ピッチ化が進んできた。しかしながら、多ピン化およびリードの狭ピッチ化が進んできたといってもQFP型半導体装置の外形やピン数は業界で標準化されている。そこで、QFP型半導体装置では、限られたピン数の中で高集積化された半導体チップを保持すべく、電源電極や接地電極などの共通化できる電極をまとめて同一のリードに接続している。図19は同一のインナーリード4aに複数の電極3からのワイヤ5を接続した状態を示す模式図である。図19(a)では同一のインナーリード4aに2本のワイヤ5を接続し、図19(b)では同一のインナーリード4aに3本のワイヤ5を接続している。
【非特許文献1】香山 晋、成瀬 邦彦 監修、「実践講座 VLSIパッケージング技術(下)」、株式会社日経BP、1993年5月31日発行、P165〜P170
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように、従来から、QFP型半導体装置においては、電源電極や接地電極などの共通化できる電極をまとめて同一のリードに接続していた。一方、半導体チップ1個当たりの回路規模が飛躍的に大きくなったため、電源電極および接地電極への安定した電流供給を確保するための配線が必要となってきた。反面、半導体組立技術の進歩と低コスト化の要求から、半導体装置の配線材料であるAuワイヤに代表される金属ワイヤは細線化が図られてきた。これらの相反する2つの課題に対し、1個の電極と1本のインナーリードとの接続に複数本のワイヤを使用することが行われている。
【0010】
しかしながら、通常、ワイヤの十分な接合を行うには一定以上の面積が必要になるため、複数本のワイヤを同一の電極に接続する場合、従来は、電極の面積を、複数本のワイヤをボールボンディングできる大きさにする必要があった。このことがチップ面積の縮小化を阻害していた。
【0011】
また、リードフレームのリードや、BGA(ボール・グリッド・アレイ)型半導体装置の配線基板の表層配線に、複数本のワイヤをボールボンディングにより接続する場合もあるが、この場合も同様に、リードまたは表層配線の面積を、複数本のワイヤをボールボンディングできる大きさにする必要があった。このことがパッケージ面積の縮小化を阻害していた。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、半導体チップ上の同一の電極又はリードフレームの同一のリードあるいは配線基板上の同一の表層配線に、複数本のワイヤを接続する構造において、電極面積またはパッケージ面積を抑制することができる半導体装置の製造方法、および半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法は、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを半導体チップ上の電極に圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、接続対象部材にウェッジボンディングを行う第1ボンディング工程と、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを、前記第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分に直上から圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、前記第1ボンディング工程における接続対象部材又はその接続対象部材とは異なる接続対象部材にウェッジボンディングを行う第2ボンディング工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、前記第2ボンディング工程を2回以上繰り返し行い、前記電極に複数本のワイヤを接続させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材に少なくとも1本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材とは異なる同一の接続対象部材に少なくとも2本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分に圧着してバンプを形成するバンプ形成工程を具備し、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程に際し、前記バンプにウェッジボンディングを行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項6記載の半導体装置の製造方法は、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを半導体チップの周囲に配置されたリードあるいは配線部材に圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、接続対象部材にウェッジボンディングを行う第1ボンディング工程と、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを、前記第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分に直上から圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、前記第1ボンディング工程における接続対象部材又はその接続対象部材とは異なる接続対象部材にウェッジボンディングを行う第2ボンディング工程と、を具備することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項7記載の半導体装置の製造方法は、請求項6記載の半導体装置の製造方法であって、前記第2ボンディング工程を2回以上繰り返し行い、前記リードあるいは前記配線部材に複数本のワイヤを接続させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項8記載の半導体装置の製造方法は、請求項7記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材に少なくとも1本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項9記載の半導体装置の製造方法は、請求項7記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材とは異なる同一の接続対象部材に少なくとも2本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項10記載の半導体装置の製造方法は、請求項6記載の半導体装置の製造方法であって、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分に圧着してバンプを形成するバンプ形成工程を具備し、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程に際し、前記バンプにウェッジボンディングを行うことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項11記載の半導体装置は、電極を有する半導体チップと、前記半導体チップが搭載されるチップ搭載部と、前記チップ搭載部の周囲に配置されるリード又は配線部材と、前記半導体チップが有する前記電極と前記リード又は配線部材とを接続するワイヤと、を備え、少なくとも前記半導体チップ、前記チップ搭載部、前記ワイヤおよび前記リード又は配線部材の前記ワイヤとの接続部分が樹脂封止された半導体装置であって、前記半導体チップが有する前記電極のうちの少なくとも1個に、複数本の前記ワイヤの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部はボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項12記載の半導体装置は、請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップが有する前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が、同一の前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項13記載の半導体装置は、請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、少なくとも1箇の前記半導体チップが有する少なくとも1箇の前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が、他方の前記半導体チップが有する電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項14記載の半導体装置は、請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、少なくとも1箇の前記半導体チップが有する少なくとも1箇の前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤの一部は、その他端が、他方の前記半導体チップが有する電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続され、他の一部は、その他端が、前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項15記載の半導体装置は、請求項11記載の半導体装置であって、前記チップ搭載部および前記リードは、金属板を加工して製作されるリードフレームの構成部材であることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項16記載の半導体装置は、請求項11記載の半導体装置であって、前記チップ搭載部および前記配線部材は、配線基板の構成部材であることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項17記載の半導体装置は、電極を有する半導体チップと、前記半導体チップが搭載されるチップ搭載部と、前記チップ搭載部の周囲に配置されるリード又は配線部材と、前記半導体チップが有する前記電極と前記リード又は配線部材とを接続するワイヤと、を備え、少なくとも前記半導体チップ、前記チップ搭載部、前記ワイヤおよび前記リード又は配線部材の前記ワイヤとの接続部分が樹脂封止された半導体装置であって、前記リード又は配線部材のうちの少なくとも1個に、複数本の前記ワイヤの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部はボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されていることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の請求項18記載の半導体装置は、請求項17記載の半導体装置であって、前記リード又は配線部材に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤの一部は、その他端が他方の前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の、厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続され、他の一部は、その他端が前記半導体チップが有する前記電極に、ウェッジボンディング法特有の、先端が厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の請求項19記載の半導体装置は、請求項17記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、前記リード又は配線部材に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が互いに異なる前記半導体チップの各々が有する前記電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする。
【0032】
また、本発明の請求項20記載の半導体装置は、請求項17記載の半導体装置であって、前記チップ搭載部および前記リードは、金属板を加工して製作されるリードフレームの構成部材であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の請求項21記載の半導体装置は、請求項17記載の半導体装置であって、前記チップ搭載部および前記配線部材は、配線基板の構成部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明の好ましい形態によれば、半導体チップ上の同一の電極に対して、電極の面積を拡大することなく2本以上のワイヤを接続することができる。よって、半導体チップ上の同一の電極に複数本のワイヤを接続する構造において、接続するワイヤ数にかかわらず常に電極の面積を最小にすることができ、チップ全体に占める電極の個数および面積を最小にすることが可能となる。通常、半導体チップにおいては、その外周部に電極が一列ないし複数列に配置されており、電極の個数および面積を最小にすることでチップサイズを小さくすることができる。また、複数本のワイヤを同一の電極に接続できるので、より細線化されたワイヤを用いながら、電源電極や接地電極への安定した電流容量を確保すると同時に、半導体チップの小型化を実現できるので、小型、高品質の半導体装置を安価に提供できるようになる。
【0035】
また、近年、機器の小型化の要求から1個の半導体装置(パッケージ)の中に複数個の半導体チップを内蔵することが行われてきており、QFP型の半導体装置では、各半導体チップ上の電極とリード(インナーリード)とをワイヤで接続すると共に、互いに異なる半導体チップ上の電極同士をワイヤで接続することが行われるようになってきた。同様に、配線基板を用いたBGA(ボール・グリッド・アレイ)型の半導体装置においても、1個のパッケージの中に複数個の半導体チップを内蔵して、各半導体チップ上の電極と配線基板上の表層配線(配線部材)とをワイヤで接続すると共に、互いに異なる半導体チップ上の電極同士をワイヤで接続することが行われるようになってきた。
【0036】
本発明の好ましい形態によれば、同一の電極からの複数本のワイヤをそれぞれ異なるリード(インナーリード)又は配線部材(配線基板の表層配線)に接続することや、同一の電極からの複数本のワイヤを互いに異なる半導体チップ上の電極同士の接続に用いることも可能となるため、チップサイズを大きくすることなく、複数本のワイヤが接続された電極を、例えば他方の半導体チップ上の電極とリードとの中継電極として使用することができるようになる。また、同一のリード(インナーリード)又は配線部材(配線基板の表層配線)からの複数本のワイヤをそれぞれ異なるリード又は配線部材に接続することや、同一のリード又は配線部材からの複数本のワイヤをそれぞれ異なる半導体チップ上の電極に接続することや、同一のリード又は配線部材からの複数本のワイヤをそれぞれ半導体チップ上の異なる電極に接続することが可能となるため、リードを大きくすることなく、すなわちパッケージを大きくすることなく、複数本のワイヤが接続されたリード又は配線部材を、例えば各半導体チップ上の複数の電極の電源として用いたり、互いに異なる半導体チップ上の電極同士の中継リード又は中継配線として使用することができるようになる。したがって、装置内の配線を簡略化することが可能となり、高集積、高密度、高品質な半導体装置をコンパクトかつ安価に提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体装置の断面図、図2(a)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための斜視図、図2(b)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための上面図、図2(c)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。なお、以下の説明において同一の部材には同一符号を付して、適宜説明を省略する。
【0038】
この半導体装置はQFP型の半導体装置であり、図1に示すように、集積回路が形成された半導体チップ1がリードフレームのダイパッド部(チップ搭載部)2に搭載されている。また、ダイパッド部2の周辺には放射状にリードフレームのリード4が配置されており、インナーリード4aの先端がダイパッド部2に対して対向している。また、半導体チップ1の表面に形成されている電極3とインナーリード4aとがワイヤ5で接続されている。また、半導体チップ1、ダイパッド部2、ワイヤ5、インナーリード4a(リード4のワイヤ接続部分)が一括して樹脂封止体6により樹脂封止され、インナーリード4aに連続したリードフレームのアウターリード4bが樹脂封止体6の外部でガルウィング型に曲げ成形されている。
【0039】
この半導体装置が従来のものと異なるのは、図2に示すように、半導体チップ1上の少なくとも1個の電極3に2本のワイヤ5a、5bの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部が、ボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されている点と、それらの2本のワイヤ5a、5bの他端が、同一のインナーリード4aに、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されている点である。
【0040】
続いて、同一の電極に2本のワイヤを接続する方法について、図3に示す工程断面図に沿って説明する。まず、図3(a)に示すように、ワイヤ供給装置であるキャピラリ9の先端から突出したワイヤ5aの先端とトーチ10との間で放電を行い、スパークによりボール11aを形成する。
【0041】
次に図3(b)〜図3(d)に示すように、半導体チップ1上の電極にボール11aを圧着して(ボールボンディング)、ボールボンディング側の接続部7aを形成する。その後、図3(e)〜図3(g)に示すように、ワイヤ5aを水平方向に折り曲げて引き出し、ワイヤ5aが所定の軌跡に沿って配線されるようにキャピラリ9を移動させ、接続対象部材であるインナーリード4aにワイヤ5aをこすり付けて(ウェッジボンディング)、ウェッジボンディング側の接続部8aを形成する。
【0042】
以上の第1ボンディング工程を行った後、第2ボンディング工程を行う。すなわち、まず、図3(h)に示すように、キャピラリ9の先端から突出したワイヤ5bの先端とトーチ10との間で放電を行い、スパークによりボール11bを形成する。
【0043】
次に図3(i)に示すように、接続部7a(第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分)に直上からボール11bを圧着して(ボールボンディング)、ボールボンディング側の接続部7bを形成する。その後、図3(j)〜図3(l)に示すように、ワイヤ5bを垂直方向に引き出して折り曲げ、ワイヤ5bが所定の軌跡に沿って配線されるようにキャピラリ9を移動させ、接続対象部材であるインナーリード4aにワイヤ5bをこすり付けて(ウェッジボンディング)、ウェッジボンディング側の接続部8bを形成する。なお、ここでは、第1ボンディング工程と第2ボンディング工程における接続対象部材は同一のインナーリード4aである。
【0044】
以上のように第1および第2ボンディング工程を行うことで、同一の電極に2本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続することができる。ワイヤボンディング工程で使用するワイヤには、一般的に、金や銅等の金属を原料とする直径φ15〜40μmのものが使われる。ボールボンディング法においてワイヤの一端に形成されるボールの直径はワイヤの直径の1.5倍〜4倍程度であり、接続点に接合されるときキャピラリの先端部で厚さが5〜60μm程度になるまで押しつぶされるので、ボールボンディング側の接続部は、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状になる。一方、ワイヤの他端は、キャピラリの先端周辺部で接続点にこすり付けるように潰すので、ウェッジボンディング側の接続部は、厚みの無い三日月状または楕円状の形状になる。
【0045】
また、例えば図3(g)に示すように、ボールボンディング側の接続部7aの上部にはワイヤ5aの一部が存在しているため、その上から圧着するボール11bとの接続ズレを防止するために、キャピラリ9によってボール11bを確実に保持しておく必要がある。これに対して、以下で説明する方法を実施すれば、容易に接続ズレを防止することができる。図4は、同一の電極に複数本のワイヤを重ねて接続するに際して接続ズレを防止する方法を説明するための工程断面図である。
【0046】
まず、第1ボンディング工程後、図4(a)に示すように、キャピラリ9の先端から突出したワイヤ5bの先端とトーチ10との間で放電を行い、スパークによりボール11bを形成する。次に図4(b)に示すように、平坦部12上にボール11bを押し付けて、ボール11bの下面に平坦面を形成する。次に図4(c)〜図4(d)に示すように、接続部7aに直上からボール11bを圧着してボールボンディング側の接続部7bを形成する。
【0047】
このように、第2ボンディング工程に際し、キャピラリ9から突出したワイヤ5bの先端にボール11bを形成した後、平坦部12にボール11bを押し付け、ボール11bの下面に平坦面を形成してボールボンディングを行う。
【0048】
この方法によれば、ボール11bの下面を平坦面としたので、接続部7aの上部に存在するワイヤ5aと接触しても接触ズレを防止することができ、確実な接合を実現できる。なお、平坦部12としては、例えばリードフレームの一部やワイヤボンド設備の一部の平坦面を用いることができる。また、後述するように本発明をBGA型の半導体装置に適用する場合には、配線基板の一部の平坦面を用いることができる。
【0049】
また、以下で説明する方法により接続ズレを防止してもよい。すなわち、図5(a)〜図5(c)に示すように、第1ボンディング工程後、まず、接続部7aに直上から、先端が円錐型の突起形状をしている加圧ツール13を押し当てて接続部7aを押し潰す。次に、図5(d)、図5(e)に示すように、押し潰した接続部7aに直上からボール11bを圧着してボールボンディング側の接続部7bを形成する。加圧ツール13の先端部が押し当てられた接続部7aの上部には円錐型の窪みができるため、ボール11bは確実にその窪みの中央に位置合わせされる。これにより更に確実な接合を実現できる。なお、加圧ツール13の先端部の円錐の開き角度は120〜170°の鈍角に設定するのが望ましい。
【0050】
このように、第2ボンディング工程においてボールボンディングを行う部分(接続部7a)に直上から加圧ツールを押し当てて該部分(接続部7a)を押し潰す工程をさらに含み、第2ボンディング工程に際し、その押し潰した部分にボールボンディングを行う。
【0051】
また、以下で説明する方法により接続ズレを防止してもよい。この方法は、加圧ツールの先端が球面型の突起形状をしている点のみが、上記した方法と異なる。すなわち、図6(a)〜図6(c)に示すように、第1ボンディング工程後、まず、接続部7aに直上から、先端が球面型の突起形状をしている加圧ツール14を押し当てて接続部7aを押し潰す。次に、図6(d)、図6(e)に示すように、押し潰した接続部7aに直上からボール11bを圧着してボールボンディング側の接続部7bを形成する。加圧ツール13の先端部が押し当てられた接続部7aの上部には球面型の窪みができ、接続部7aにボール11bを圧着する際に、まず、その窪みの中心部とボール11bが点接触するので、確実に位置合わせすることができる。また、窪みを球面型にすることで、空隙のない確実な接合を実現できる。なお、加圧ツール14の先端部の球面の半径はボール11bの半径の1.5〜5倍の範囲で設定することが望ましい。
【0052】
以上説明した方法によれば、ボールボンディング法によって形成した接続部上に、さらに他のワイヤの一端をボールボンディング法によって接続するに際し、接触ズレを防止することができる。
【0053】
なお、本実施の形態1では、同一の電極からの複数本のワイヤを同一のインナーリードに接続する場合について説明したが、それらのワイヤをそれぞれ異なるインナーリードに接続してもよい。
【0054】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。図7は本発明の実施の形態2に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。但し、前述した実施の形態1にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0055】
この半導体装置は、半導体チップ上の少なくとも1個の電極に3本のワイヤの一端がボールボンディング法により重ねて接続され、その3本のワイヤ5の他端が同一のインナーリード上の異なる位置にウェッジボンディング法により接続されている点が、前述した実施の形態1と異なる。すなわち、図7に示すように、半導体チップ1上の同一の電極には、ワイヤ5a〜5cのボールボンディング側の接続部7a〜7cが重ねて形成されている。また、同一のインナーリード4a上の異なる位置に、ワイヤ5a〜5cのウェッジボンディング側の接続部8a〜8cが形成されている。この接続は、実施の形態1で説明した第2ボンディング工程を2回繰り返すことで実現できる。この構成により、必要に応じて電流容量を調整することが可能となり、更に小型・高品質で低コストな半導体装置を提供することが可能となる。
【0056】
なお、本実施の形態2では、同一の電極に3本のワイヤを接続する場合について説明したが、第2ボンディング工程を2回以上繰り返すことで、同一の電極に3本以上のワイヤを接続することが出来る。
【0057】
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。図8は本発明の実施の形態3に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。但し、前述した実施の形態1、2にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0058】
この半導体装置は、半導体チップ上の少なくとも1個の電極に2本のワイヤの一端がボールボンディング法により重ねて接続され、その2本のワイヤの他端が、同一のインナーリード上の同一の接続点に、バンプを介して、ウェッジボンディング法により重ねて接続されている点が、前述した実施の形態1と異なる。
【0059】
すなわち、図8に示すように、ワイヤ5aのウェッジボンディング側の接続部上にバンプ15を形成し、そのバンプ15上に、ワイヤ5bのウェッジボンディング側の接続部を形成した構成となっている。このバンプ15は、キャピラリから突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分に圧着することで形成することができる。よって、このバンプ形成工程を、ワイヤ5bのウェッジボンディングを行う前に実行しておき、第2ボンディング工程に際し、そのバンプ15上にウェッジボンディングを行うことで、バンプ15上にワイヤ5bのウェッジボンディング側の接続部を形成することができる。
【0060】
本実施の形態3によれば、ボールボンディング側とウェッジボンディング側の両方において、従来、1本のワイヤしか接続することができなかった面積に複数本のワイヤを接続することが可能となり、半導体チップの縮小化と共にリードフレームの縮小化が可能となる。よって、配線の自由度が向上し、半導体装置の小型化に大きく寄与する。また、ウェッジボンディング法によって形成された接続部は前述したように厚みの無い三日月状または楕円状の形状であるので、これをそのまま垂直に重ねてボンディングする場合は各々のワイヤの接続状態を安定化することが重要である。これに対し、本実施の形態3のように、バンプを形成し、そのバンプ上にウェッジボンディングを行えば、ウェッジボンディングにより積み重ねられた各ワイヤの接続部はバンプを介し強固に接合されることになるので、接合信頼性の向上を実現することができる。
【0061】
なお、本実施の形態3では、ウェッジボンディング側の接続部を2つ重ねて接続する場合について説明したが、上記したバンプ形成工程を繰り返して、先に形成した接続部上にバンプを形成することで、ウェッジボンディング側の接続部を3つ以上重ねて接続することもできる。
【0062】
(実施の形態4)
続いて、本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら説明する。図9(a)は本発明の実施の形態4に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための上面図、図9(b)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。但し、前述した実施の形態1〜3にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0063】
この半導体装置は、垂直方向に積層された2個の半導体チップがダイパッド部に搭載されており、同一の電極からの複数本のワイヤがそれぞれ異なる接続対象部材に接続されている点が、前述した実施の形態1〜3と異なる。
【0064】
すなわち、図9に示すように、上方の半導体チップ1a上の同一の電極3aに2本のワイヤ5a、5bの一端がボールボンディング法により重ねて接続されており、ワイヤ5aの他端は、下方の半導体チップ1b上の電極3bにウェッジボンディング法により接続され、ワイヤ5bの他端は、インナーリード4aにウェッジボンディング法により接続されている。
【0065】
また、ここでは、キャピラリから突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、第1ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分(電極3b)に圧着してバンプ15を形成するバンプ形成工程を、ワイヤ5aのウェッジボンディングを行う前に実行しておき、バンプ15上にワイヤ5aのウェッジボンディング側の接続部8aを形成している。
【0066】
また、図10に示すように、下方の半導体チップ上の同一の電極に2本のワイヤを接続してもよい。すなわち、図10に示す半導体装置では、下方の半導体チップ1b上の同一の電極3bに2本のワイヤ5a、5bの一端がボールボンディング法により重ねて接続されており、ワイヤ5aの他端は、インナーリード4aにウェッジボンディング法により接続され、ワイヤ5bの他端は、上方の半導体チップ1a上の電極3aにウェッジボンディング法により接続されている。
【0067】
また、ここでは、キャピラリから突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分(電極3a)に圧着してバンプ15を形成するバンプ形成工程を、ワイヤ5bのウェッジボンディングを行う前に実行しておき、バンプ15上にワイヤ5bのウェッジボンディング側の接続部8bを形成している。
【0068】
なお、半導体チップ上の同一の電極に2本のワイヤを重ねて接続する場合について説明したが、無論、同一の電極に3本以上のワイヤを重ねて接続することもできる。また、同一の電極からの2本のワイヤのうちの一方を他の半導体チップ上の電極に接続し、他方をインナーリードに接続したが、この接続形態に限定されるものではなく、同一の電極からの複数本のワイヤ各々のウェッジボンディング側の接続対象部材は、他の半導体チップ上の同一の電極であってもよいし、他の半導体チップ上の異なる電極であってもよいし、同一のインナーリードであってもよいし、異なるインナーリードであってもよい。また、ウェッジボンディング側の接続対象部材が同一の場合、実施の形態3において説明したようにランドを形成することで、ウェッジボンディング側の接続部を同一の接続点に重ねて接続してもよい。
【0069】
また、ここでは、2個の半導体チップが垂直方向に配置されている場合について説明したが、2個の半導体チップが同一面上に並列に配置された構成においても同様に実施できる。また、3個以上の半導体チップが垂直方向に配置された構成や同一面上に並列に配置された構成においても同様に実施できる。また、並列配置と垂直方向の配置を組み合わせた構成においても同様に実施できる。
【0070】
本実施の形態4によれば、電源電極や接地電極への安定した電流容量の確保を図りながらワイヤの細線化を図ることができ、電極の数や面積、リードの本数やワイヤ接続部の面積、並びにチップ間接続のための中継リードなどを削減することができる。よって、半導体チップのサイズ縮小化・高集積化や、半導体装置の小型化・高集積化を行うことができ、低コストで高集積・高品質な半導体装置を提供することができる。
【0071】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、図面を参照しながら説明する。図11は本発明の実施の形態5に係る半導体装置の断面図である。但し、前述した実施の形態1〜4にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0072】
この半導体装置はBGA型の半導体装置であり、図11に示すように、樹脂基材からなり、少なくとも主面および主面とは反対側の底面に金属配線18を有する配線基板16のダイパッド部(チップ搭載部)17に、集積回路が形成された半導体チップ1が搭載されている。このダイパッド部17は、表層配線である主面側の金属配線18からなる。また、ダイパッド部17の周辺には放射状に接続パッド19が配置されており、接続パッド19の先端がダイパッド部17に対して対向している。この接続パッド19は、表層配線である主面側の金属配線(配線部材)18からなる。また、半導体チップ1の表面に形成されている電極3と接続パッド19とがワイヤ5で接続されている。また、主面側の金属配線18は、貫通ビア20を介して、底面側の金属配線18に電気的に接続している。また、樹脂封止体21が、少なくとも半導体チップ1、ダイパッド部17、ワイヤ5および表層配線(配線部材)のワイヤ5との接続部分(接続パッド19)を樹脂封止している。また、底面には半田ボール22が形成されており、この半田ボール22は、底面側の金属配線18に電気的に接続している。また、底面上の金属配線18が形成されていない領域には、レジスト23が形成されている。
【0073】
この半導体装置は、前述した実施の形態1と同様に、半導体チップ1上の少なくとも1個の電極3に2本のワイヤ5の一端がボールボンディング法により重ねて接続され、その2本のワイヤ5の他端が同一の接続パッド19(配線部材)にウェッジボンディング法により接続されている点で、従来のものと異なる。
【0074】
また、この半導体装置は、半導体装置の構成材料の一つである配線材料がリードフレームではなく配線基板であるという点のみで、前述した実施の形態1〜4と異なる。よって、前述した実施の形態1〜4におけるインナーリードを接続ランド(配線部材)に置き換えることで、前述した実施の形態1〜4における半導体装置と同様の構造を有する半導体装置を実施することができる。
【0075】
すなわち、BGA型の半導体装置において、実施の形態1と同様に、同一の電極に2本のワイヤを重ねて接続することができる(図3を参照)。また、その際、実施の形態1と同様に、ボールの下面に平坦面を形成してもよいし(図4を参照)、第2ボンディング工程においてボールボンディングを行う部分に直上から加圧ツールを押し当てて該部分を押し潰してもよい(図5、6を参照)。
【0076】
また、BGA型の半導体装置において、実施の形態2と同様に、半導体チップ上の少なくとも1個の電極に複数本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続することができる(図7を参照)。
【0077】
また、BGA型の半導体装置において、実施の形態3と同様に、半導体チップ上の少なくとも1個の電極からの複数本のワイヤの他端を、同一の接続パッド(配線部材)上の同一の接続点に、バンプを介して、ウェッジボンディング法により重ねて接続することができる(図8を参照)。
【0078】
また、パッケージ内に複数の半導体チップが内蔵されたBGA型の半導体装置において、実施の形態4と同様に、同一の電極からの複数本のワイヤをそれぞれ異なる接続対象部材に接続することができる(図9、10を参照)。
【0079】
したがって、BGAに代表される配線基板を配線材料に使用した半導体装置においても、低コストで高集積・高品質な半導体装置を提供することができる。
【0080】
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について、図面を参照しながら説明する。図12は本発明の実施の形態6に係る半導体装置の断面図、図13(a)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための上面図、図13(b)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。但し、前述した実施の形態1〜5にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0081】
この半導体装置は、配線基板の同一の接続パッド(配線部材)に、2本のワイヤの一端がボールボンディング法により重ねて接続されており、それらのワイヤがそれぞれ異なる半導体チップ上の電極に接続されている点で、前述した実施の形態5と異なる。
【0082】
すなわち本実施の形態6では、図12および図13に示すように、同一の接続パッド19に2本のワイヤ5a、5bの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部が、ボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されている。また、ダイパッド部(チップ搭載部)17には、垂直方向に積層された2個の半導体チップ1a、1bが搭載されている。そして、ワイヤ5aの他端が、下方の半導体チップ1bの電極3bに、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されており、ワイヤ5bの他端が、上方の半導体チップ1aの電極3aに、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されている。
【0083】
またここでは、キャピラリから突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、第1ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分(電極3b)に圧着してバンプ15を形成するバンプ形成工程を、ワイヤ5aのウェッジボンディングを行う前に実行しておき、バンプ15上にワイヤ5aのウェッジボンディング側の接続部8aを形成している。さらに、キャピラリから突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分(電極3a)に圧着してバンプ15を形成するバンプ形成工程を、ワイヤ5bのウェッジボンディングを行う前に実行しておき、バンプ15上にワイヤ5bのウェッジボンディング側の接続部8bを形成している。
【0084】
続いて、同一の接続パッドに2本のワイヤを接続する方法について、図14に示す工程断面図に沿って説明する。なお、ここでは、各ボンディング工程における接続対象部材である半導体チップ1a、1bの電極3a、3bの各々に予めランド15が形成されている場合について説明するが、ランド15を形成するタイミングは、各ボンディング工程におけるウェッジボンディングの実行前であればよい。
【0085】
まず、図14(a)に示すように、ワイヤ供給装置であるキャピラリ9の先端から突出したワイヤ5aの先端とトーチ10との間で放電を行い、スパークによりボール11aを形成する。
【0086】
次に図14(b)〜図14(d)に示すように、配線基板16の接続パッド19にボール11aを圧着して(ボールボンディング)、ボールボンディング側の接続部7aを形成する。その後、図14(e)〜図14(g)に示すように、ワイヤ5aを水平方向に折り曲げて引き出し、ワイヤ5aが所定の軌跡に沿って配線されるようにキャピラリ9を移動させ、接続対象部材である半導体チップ1bの電極3b上に形成したランド15にワイヤ5aをこすり付けて(ウェッジボンディング)、ウェッジボンディング側の接続部8aを形成する。
【0087】
以上の第1ボンディング工程を行った後、第2ボンディング工程を行う。すなわち、まず、図14(h)に示すように、キャピラリ9の先端から突出したワイヤ5bの先端とトーチ10との間で放電を行い、スパークによりボール11bを形成する。
【0088】
次に図14(i)に示すように、接続部7a(第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分)に直上からボール11bを圧着して(ボールボンディング)、ボールボンディング側の接続部7bを形成する。その後、図14(j)〜図14(l)に示すように、ワイヤ5bを垂直方向に引き出して折り曲げ、ワイヤ5bが所定の軌跡に沿って配線されるようにキャピラリ9を移動させ、接続対象部材である半導体チップ1aの電極3a上に形成したランド15にワイヤ5bをこすり付けて(ウェッジボンディング)、ウェッジボンディング側の接続部8bを形成する。
【0089】
このように第1および第2ボンディング工程を行うことで、同一の接続パッド(配線部材)に2本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続することができる。なお、複数本のワイヤの一端を重ねて接続する際に、実施の形態1と同様に、ボールの下面に平坦面を形成してもよいし(図4を参照)、第2ボンディング工程においてボールボンディングを行う部分に直上から加圧ツールを押し当てて該部分を押し潰してもよい(図5、6を参照)。
【0090】
以上のように、この半導体装置は、配線基板の同一の接続パッド(配線部材)に複数本のワイヤの一端がボールボンディング法により重ねて接続されており、その同一の接続パッドからのワイヤがそれぞれ異なる接続対象部材に接続されている点で、従来のものと異なる。
【0091】
なお、実施の形態2と同様に、同一の接続パッドに複数本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続することができる(図7を参照)。また、実施の形態3と同様に、同一の接続パッドからの複数本のワイヤの他端を、同一の半導体チップ上の同一の電極、または配線基板上の他の接続パッドに、バンプを介して、ウェッジボンディング法により重ねて接続することができる(図8を参照)。
【0092】
本実施の形態6によれば、BGAに代表される配線基板を配線材料に使用した半導体装置において配線基板上のワイヤ接続部の面積を容易に縮小することができ、低コストで高高品質な半導体装置を提供することができる。
【0093】
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について、図面を参照しながら説明する。図15は本発明の実施の形態7に係る半導体装置の断面図、図16(a)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための上面図、図16(b)は同半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図である。但し、前述した実施の形態1〜6にて説明した部材と同一の部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0094】
この半導体装置は、QFN(クワッド・フラット・ノンリード・パッケージ)型またはSON(スモール・アウトライン・ノンリード・パッケージ)型の半導体装置であり、図15および図16に示すように、垂直方向に積層された半導体チップ1a、1bがリードフレームのダイパッド部(チップ搭載部)25に搭載されている。また、ダイパッド部25の周辺には放射状にリードフレームのインナーリード(リード)26が配置されており、それらのインナーリード26の先端がダイパッド部25に対して対向している。また、半導体チップ1a、1bの表面に形成されている電極3a、3bとインナーリード(リード)26とがワイヤ5で接続されている。また、半導体チップ1、ダイパッド部25、ワイヤ5、インナーリード26が一括して樹脂封止体6により樹脂封止され、インナーリード26の下面は樹脂封止体6の下面から露出している。
【0095】
この半導体装置は、配線材料が配線基板ではなくリードフレームであるという点のみで、前述した実施の形態6と異なる。すなわち本実施の形態7では、図15および図16に示すように、同一のインナーリード(リード)26に2本のワイヤ5a、5bの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部が、ボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されている。そして、ワイヤ5aの他端が、下方の半導体チップ1bの電極3bに、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されており、ワイヤ5bの他端が、上方の半導体チップ1aの電極3aに、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されている。
【0096】
なお、このQFN型またはSON型の半導体装置において、同一のインナーリード(リード)に複数本のワイヤを重ねて接続する際に、実施の形態1と同様に、ボールの下面に平坦面を形成してもよいし(図4を参照)、第2ボンディング工程においてボールボンディングを行う部分に直上から加圧ツールを押し当てて該部分を押し潰してもよい(図5、6を参照)。
【0097】
また、このQFN型またはSON型の半導体装置において、実施の形態2と同様に、同一のインナーリード(リード)に複数本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続することができる(図7を参照)。
【0098】
また、このQFN型またはSON型の半導体装置において、実施の形態3と同様に、同一のインナーリード(リード)からの複数本のワイヤの他端を、同一の半導体チップ上の同一の電極、または他方のインナーリード(リード)に、バンプを介して、ウェッジボンディング法により重ねて接続することができる(図8を参照)。
【0099】
またここでは、QFN型またはSON型の半導体装置について説明したが、QFN型またはSON型の半導体装置と同様の内部構造を有するQFP型半導体装置などのリードフレームを用いた樹脂封止型半導体装置においても同様に、同一のリードに複数本のワイヤの一端をボールボンディング法により重ねて接続して、その同一のリードからのワイヤをそれぞれ異なる接続対象部材または同一の接続対象部材に接続することができる。
【0100】
本実施の形態7によれば、QFN、SON、QFPに代表されるリードフレームを配線材料に使用した半導体装置においてリード上のワイヤ接続部の面積を容易に縮小することができ、低コストで高品質な半導体装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明にかかる半導体装置の製造方法、および半導体装置によれば、半導体チップ上の同一の電極又はリードフレームの同一のリードあるいは配線基板上の同一の表層配線に複数本のワイヤを接続する構造において、電極面積又はパッケージ面積を抑制することができ、高集積、高密度な半導体チップを用いた半導体パッケージを高品質かつコンパクトに構成でき、QFPやBGAなどの半導体パッケージに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の断面図
【図2】同実施の形態1に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための図
【図3】同実施の形態1に係る半導体装置のワイヤボンディング工程を説明するための工程断面図
【図4】同実施の形態1に係る半導体装置のワイヤボンディング工程の他の例を説明するための工程断面図
【図5】同実施の形態1に係る半導体装置のワイヤボンディング工程の他の例を説明するための工程断面図
【図6】同実施の形態1に係る半導体装置のワイヤボンディング工程の他の例を説明するための工程断面図
【図7】本発明の実施の形態2に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図
【図8】本発明の実施の形態3に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための断面図
【図9】本発明の実施の形態4に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための図(その1)
【図10】同実施の形態4に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための図(その2)
【図11】本発明の実施の形態5に係る半導体装置の断面図
【図12】本発明の実施の形態6に係る半導体装置の断面図
【図13】同実施の形態6に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための図
【図14】同実施の形態6に係る半導体装置のワイヤボンディング工程を説明するための工程断面図
【図15】本発明の実施の形態7に係る半導体装置の断面図
【図16】同実施の形態7に係る半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造を説明するための図
【図17】従来の一般的なQFP型半導体装置の断面図
【図18】従来の一般的なQFP型半導体装置のワイヤボンディング部分の内部構造図
【図19】従来の一般的なQFP型半導体装置において同一のインナーリードに複数の電極からのワイヤを接続した状態を示す模式図
【符号の説明】
【0103】
1、1a、1b 半導体チップ
2、25 リードフレームのダイパッド部
3、3a、3b 電極
4 リードフレームのリード
4a、26 リードフレームのインナーリード
4b リードフレームのアウターリード
5、5a、5b、5c ワイヤ
6、21 樹脂封止体
7a、7b、7c ボールボンディング側の接続部
8a、8b、8c ウェッジボンディング側の接続部
9 キャピラリ
10 トーチ
11a、11b ボール
12 平坦部
13 加圧ツール(円錐型)
14 加圧ツール(球面型)
15 バンプ
16 配線基板
17 配線基板のダイパッド部
18 配線基板の金属配線
19 接続パッド
20 貫通ビア
22 半田ボール
23 レジスト
24 ダイパッドサポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを半導体チップ上の電極に圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、接続対象部材にウェッジボンディングを行う第1ボンディング工程と、
ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを、前記第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分に直上から圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、前記第1ボンディング工程における接続対象部材又はその接続対象部材とは異なる接続対象部材にウェッジボンディングを行う第2ボンディング工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、前記第2ボンディング工程を2回以上繰り返し行い、前記電極に複数本のワイヤを接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材に少なくとも1本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材とは異なる同一の接続対象部材に少なくとも2本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分に圧着してバンプを形成するバンプ形成工程を具備し、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程に際し、前記バンプにウェッジボンディングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを半導体チップの周囲に配置されたリードあるいは配線部材に圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、接続対象部材にウェッジボンディングを行う第1ボンディング工程と、
ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成して、そのボールを、前記第1ボンディング工程においてボールボンディングを行った部分に直上から圧着するボールボンディングを行い、その後ワイヤ供給装置を移動させ、前記第1ボンディング工程における接続対象部材又はその接続対象部材とは異なる接続対象部材にウェッジボンディングを行う第2ボンディング工程と、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の製造方法であって、前記第2ボンディング工程を2回以上繰り返し行い、前記リードあるいは前記配線部材に複数本のワイヤを接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材に少なくとも1本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7記載の半導体装置の製造方法であって、繰り返し行う前記第2ボンディング工程に際し、前記第1ボンディング工程における接続対象部材とは異なる同一の接続対象部材に少なくとも2本のワイヤをウェッジボンディングにより接続させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6記載の半導体装置の製造方法であって、ワイヤ供給装置から突出したワイヤの先端にボールを形成し、そのボールを、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程においてウェッジボンディングを行う部分に圧着してバンプを形成するバンプ形成工程を具備し、前記第1ボンディング工程ないし前記第2ボンディング工程に際し、前記バンプにウェッジボンディングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
電極を有する半導体チップと、
前記半導体チップが搭載されるチップ搭載部と、
前記チップ搭載部の周囲に配置されるリード又は配線部材と、
前記半導体チップが有する前記電極と前記リード又は配線部材とを接続するワイヤと、
を備え、少なくとも前記半導体チップ、前記チップ搭載部、前記ワイヤおよび前記リード又は配線部材の前記ワイヤとの接続部分が樹脂封止された半導体装置であって、
前記半導体チップが有する前記電極のうちの少なくとも1個に、複数本の前記ワイヤの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部はボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップが有する前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が、同一の前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、少なくとも1箇の前記半導体チップが有する少なくとも1箇の前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が、他方の前記半導体チップが有する電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項11記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、少なくとも1箇の前記半導体チップが有する少なくとも1箇の前記電極に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤの一部は、その他端が、他方の前記半導体チップが有する電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続され、他の一部は、その他端が、前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
前記チップ搭載部および前記リードは、金属板を加工して製作されるリードフレームの構成部材であることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項16】
前記チップ搭載部および前記配線部材は、配線基板の構成部材であることを特徴とする請求項11記載の半導体装置。
【請求項17】
電極を有する半導体チップと、
前記半導体チップが搭載されるチップ搭載部と、
前記チップ搭載部の周囲に配置されるリード又は配線部材と、
前記半導体チップが有する前記電極と前記リード又は配線部材とを接続するワイヤと、
を備え、少なくとも前記半導体チップ、前記チップ搭載部、前記ワイヤおよび前記リード又は配線部材の前記ワイヤとの接続部分が樹脂封止された半導体装置であって、
前記リード又は配線部材のうちの少なくとも1個に、複数本の前記ワイヤの一端の接続部が重ねて接続されており、それらの接続部はボールボンディング法特有の、厚みのあるコイン状に押しつぶされた突起部のほぼ中央からワイヤが導出される形状に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置であって、前記リード又は配線部材に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤの一部は、その他端が他方の前記リード又は配線部材に、ウェッジボンディング法特有の、厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続され、他の一部は、その他端が前記半導体チップが有する前記電極に、ウェッジボンディング法特有の、先端が厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項19】
請求項17記載の半導体装置であって、前記半導体チップを複数個備え、前記リード又は配線部材に一端が重ねて接続された複数本の前記ワイヤのうちの少なくとも一部は、その他端が互いに異なる前記半導体チップの各々が有する前記電極に、ウェッジボンディング法特有の厚みの無い三日月状または楕円状の形状をなして接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項20】
前記チップ搭載部および前記リードは、金属板を加工して製作されるリードフレームの構成部材であることを特徴とする請求項17記載の半導体装置。
【請求項21】
前記チップ搭載部および前記配線部材は、配線基板の構成部材であることを特徴とする請求項17記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−277751(P2008−277751A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29858(P2008−29858)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】