説明

半導体装置の製造方法

【課題】深い溝に埋め込まれる被加工層の表面に対する平坦化工程のプロセス管理を高い精度で行うことができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】被エッチング材10の主面を選択的にエッチングして第1の溝STとこの第1の溝STよりも深い第2の溝DTとを形成する工程と、第1の溝ST及び第2の溝DTにそれぞれ被加工材料を堆積させて被加工層を成膜する工程と、この被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、平坦化工程の後または途中で第1の溝STにおける被加工層14Sの厚みを測定する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、膜の表面を平坦化する平坦化工程のプロセス管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、半導体装置の微細化に伴い、絶縁膜や金属配線の上面の段差部分を選択的に平坦化して高精度な平坦面を形成する技術が必要不可欠となっている。平坦化技術として代表的なものは、絶縁膜や金属配線の上面を研磨する化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法である。CMP法では、スラリと呼ばれる研磨砥粒入りの溶剤と、研磨パッドと呼ばれる研磨布との複合作用により、半導体ウエハの段差部分が選択的に研磨されて平坦化される。他の平坦化技術としては、SOG(Spin On Glass)膜を用いたSOG法も知られている。
【0003】
CMP法は、従来一般的であったSOG法に比べて、平坦性に優れてはいるものの、パタン密度により研磨特性が左右されやすいという問題がある。具体的には、パタン密度の粗密差により、配線間のCMPプロセスでは製品領域内での膜厚差が生じ、メタルCMPプロセスや素子分離CMPプロセスにおいては、ディッシングやエロージョンと呼ばれる形状劣化現象が生じ、半導体集積回路特性のバラツキや歩留まり低下の原因となることが知られている。そのため、良好な研磨特性、すなわち優れた平坦性を実現するためには、安定したプロセス管理を行うことが重要である。このようなプロセス管理に関する先行技術文献としては、たとえば、特開平06−223325号公報(特許文献1)、特開2002−083792号公報(特許文献2)及び特開2002−270559号公報(特許文献3)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−223325号公報
【特許文献2】特開2002−083792号公報
【特許文献3】特開2002−270559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CMP工程のプロセス管理は、たとえば特許文献1に記載されるように、被加工層の厚みや立体形状を光学的に測定し、その測定結果に基づいて行うことができる。被加工層の厚みや立体形状は、分光法と呼ばれる方法を用いて測定することができる。しかしながら、深い溝に埋め込まれた絶縁材料や配線材料からなる被加工層の厚みや立体形状を分光法で測定することはむずかしいという問題がある。分光法による被加工層の解析は、被加工層の表面からの反射光と、被加工層の裏面からの反射光との位相差から生じる干渉光を利用するものである。溝が数十μmを超える深さを持つと、この溝に埋め込まれた被加工層の裏面(溝の底面)からの反射光強度が著しく減衰するので、裏面からの反射光を利用することがむずかしくなる。したがって、従来の方法では、深い溝に埋め込まれた被加工層の厚みや立体形状を測定することができないため、あるいは、その測定誤差による精度低下が懸念されたためにCMP工程のプロセス管理を高い精度で行うことは容易ではなかった。
【0006】
上記に鑑みて本発明の目的は、深い溝に埋め込まれる被加工層の表面に対する平坦化工程のプロセス管理を高い精度で行うことができる半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の半導体装置の製造方法は、被エッチング材の主面を選択的にエッチングして第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを形成する工程と、前記第1の溝及び前記第2の溝にそれぞれ被加工材料を堆積させて被加工層を成膜する工程と、前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、前記平坦化工程の後または途中で前記第1の溝における前記被加工層の厚みを測定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明による第2の半導体装置の製造方法は、被エッチング材の主面上に絶縁薄膜を形成する工程と、前記主面及び前記絶縁薄膜を選択的にエッチングして第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを形成する工程と、前記第1の溝及び前記第2の溝にそれぞれ被加工材料を堆積させて被加工層を形成する工程と、前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、前記平坦化工程の後または途中で前記第1の溝の開口周縁部の上方から見た顕微鏡像を得る工程と、前記第1の溝の開口周縁部の当該顕微鏡像に基づいて、当該開口周縁部付近における前記被エッチング材の露出領域の寸法を測定する工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明による第3の半導体装置の製造方法は、被エッチング材の主面上に絶縁薄膜を形成する工程と、前記主面及び前記絶縁薄膜を選択的にエッチングして溝を形成する工程と、前記溝に被加工材料を堆積させて被加工層を形成する工程と、前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、前記被加工物の表面に対する当該平坦化工程の後または途中で前記溝の開口周縁部の上方から見た顕微鏡像を得る工程と、前記溝の開口周縁部の当該顕微鏡像に基づいて、当該開口周縁部における前記被エッチング材の露出領域の寸法を測定する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、深い溝に埋め込まれた層の厚みを測定することがむずかしい状況でも、平坦化工程のプロセス管理を高い精度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第1の工程を概略的に示す断面図である。
【図2】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第2の工程を概略的に示す断面図である。
【図3】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第3の工程を概略的に示す断面図である。
【図4】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第4の工程を概略的に示す断面図である。
【図5】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第5の工程を概略的に示す断面図である。
【図6】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第6の工程を概略的に示す断面図である。
【図7】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第7の工程を概略的に示す断面図である。
【図8】実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造を形成するための第8の工程を概略的に示す断面図である。
【図9】膜厚測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図10】実施の形態1に係る平坦化工程管理用のトレンチ構造を概略的に示す断面図である。
【図11】シリコン基板上に成膜された絶縁膜の膜厚の実測値の時間的変化を表すグラフである。
【図12】半導体ウエハの一例を概略的に示す上面視図である。
【図13】従来の素子分離構造を形成するための第1の工程を概略的に示す断面図である。
【図14】従来の素子分離構造を形成するための第2の工程を概略的に示す断面図である。
【図15】従来の素子分離構造を形成するための第3の工程を概略的に示す断面図である。
【図16】従来の素子分離構造を形成するための第4の工程を概略的に示す断面図である。
【図17】従来の素子分離構造を形成するための第5の工程を概略的に示す断面図である。
【図18】従来の素子分離構造を形成するための第6の工程を概略的に示す断面図である。
【図19】本発明に係る実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第1の工程を概略的に示す断面図である。
【図20】実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第2の工程を概略的に示す断面図である。
【図21】実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第3の工程を概略的に示す断面図である。
【図22】実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第4の工程を概略的に示す断面図である。
【図23】実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第5の工程を概略的に示す断面図である。
【図24】実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち埋め込み導電層構造を形成するための第6の工程を概略的に示す断面図である。
【図25】(A)は、図24(A)の状態に対応するトレンチマークの上面視図であり、(B)は、図24(A)の状態に対応する埋め込み導電層構造の上面視図である。
【図26】(A)は、図24(B)の状態に対応するトレンチマークの上面視図であり、(B)は、図24(B)の状態に対応する埋め込み導電層構造の上面視図である。
【図27】本発明に係る実施の形態3の埋め込み導電層構造を形成するための第1の工程を概略的に示す断面図である。
【図28】実施の形態3の埋め込み導電層構造を形成するための第2の工程を概略的に示す断面図である。
【図29】実施の形態3の埋め込み導電層構造を形成するための第3の工程を概略的に示す断面図である。
【図30】本発明に係る実施の形態4の埋め込み絶縁膜構造を形成するための第1の工程を概略的に示す断面図である。
【図31】実施の形態4の埋め込み絶縁膜構造を形成するための第2の工程を概略的に示す断面図である。
【図32】実施の形態4の埋め込み絶縁膜構造を形成するための第3の工程を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る種々の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1〜図8は、本発明に係る実施の形態1の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造の形成工程を概略的に示す断面図である。以下、図1〜図8を参照しつつ、実施の形態1の製造工程について説明する。
【0014】
まず、図1に示されるように、被エッチング材である半導体基板10の主面上に酸化膜11Aを成膜する。半導体基板10としてはシリコン基板を使用することができるが、これに限定されるものではない。シリコン基板に代えて、たとえば、シリコン以外の単結晶半導体、多結晶半導体あるいは化合物半導体からなる構造を含むバルク基板やSOI(Silicon−On−Insulator)基板を使用してもよい。酸化膜11Aは、たとえば、公知の熱酸化法を用いて形成することができる。
【0015】
次に、図2に示されるように、半導体リソグラフィ(たとえば、フォトリソグラフィや紫外線リソグラフィ)を用いて、酸化膜11A上に、開口部を持つレジストパターン12を形成し、このレジストパターン12をマスクとして酸化膜11A及び半導体基板10の主面を選択的にドライエッチングすることにより平坦化工程管理用のトレンチ(溝)STを形成する。その後、レジストパターン12はウエットエッチングにより除去される。ここで、トレンチSTは、たとえば、上面視で一辺が50μm〜100μm程度の矩形状を有するように形成されればよい。また、トレンチSTの深さ(トレンチSTの上端から底面までの距離)は、このトレンチSTに埋め込まれる層(図示せず)を分光法で解析することが可能な範囲(数十μm以下)に設定されればよい。
【0016】
次に、図3に示されるように、半導体リソグラフィを用いて酸化膜11A上に開口部を持つレジストパターン13を形成し、このレジストパターン13をマスクとして酸化膜11A及び半導体基板10の主面を選択的にドライエッチングすることにより素子分離用のトレンチ(溝)DT(以下、ディープトレンチDTと呼ぶ。)を形成する。その後、レジストパターン13はウエットエッチングにより除去される。このディープトレンチDTの深さ(ディープトレンチDTの上端から底面までの距離)は、平坦化工程管理用のトレンチSTよりも深い。
【0017】
次に、図4に示されるように、熱酸化法を用いてトレンチST,DTの内壁(露出面)を酸化することにより熱酸化膜11S,11Dを形成する。熱酸化膜11Dは、トレンチDTの内壁がドライエッチングにより受けたダメージを回復させるためのものである。その後、図5に示されるように、たとえばLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマCVD法を用いて、全面に亘って高誘電率の絶縁材料を堆積させて絶縁膜(被加工層)14を形成し、トレンチST,DTの内部に絶縁材料を埋め込む。絶縁膜14は、たとえば、シリコン酸化膜や窒化膜で形成することができる。
【0018】
次に、CMP工程により絶縁膜14の表面を平坦化(研磨)しつつ絶縁膜14の表面を後退させる。この結果、図6に示されるように、トレンチST,DTの外に形成されていた絶縁材料が除去され、トレンチST,DTの内部に絶縁膜14S,14Dが埋め込まれる。トレンチSTと埋め込み絶縁膜14Sとからなるトレンチ構造は、CMP工程管理用のトレンチマーク20Sとして使用される。
【0019】
ここで、CMP工程のプロセス管理を行うために、CMP工程の後または途中でトレンチマーク20Sの絶縁膜14Sの厚みが光学的に測定される。絶縁膜14Sの厚み測定は、CMP工程の製造ラインから切り離された膜厚測定装置を用いてオフラインで行ってもよいし、もしくは、CMP工程の製造ライン中に組み込まれた膜厚測定装置を用いてインラインで(CMP工程を一時的に中断して)行ってもよい。
【0020】
図9は、絶縁膜14Sの厚みを測定可能な膜厚測定装置30の構成を概略的に示す図である。図9に示されるように、膜厚測定装置30は、半導体基板10を支持する支持台31と、この支持台31をX軸方向,Y軸方向またはZ軸方向に駆動して半導体ウエハ10を位置決めする駆動ステージ32と、この駆動ステージ32の動作を制御するステージ駆動制御部40とを備える。また、膜厚測定装置30は、可視光や紫外線などの光線を放出する光源33と、この光源33を駆動する光源駆動部41と、光源33の出射光を半導体ウエハ10へ導き、その反射光を光検出器42に入射させる光学系34〜37とを有する。光検出器42は、光学系36,35,37を経て入射された反射光を複数波長の光に分光し、分光された光を検出し、その検出結果を膜厚測定部43に出力する。膜厚測定部43は、光検出器42の出力に基づいてトレンチST内の絶縁膜14Sの厚みを測定することができる。
【0021】
光源33の出射光は、光学系34〜36により入射光ILに変換され、図7に示されるように絶縁膜14S,14Dに入射する。トレンチST内の絶縁膜14Sで反射した光OLsは、絶縁膜14Sの表面で反射した反射光と、絶縁膜14Sの裏面(トレンチSTの底面)で反射した反射光とを含む。絶縁膜14Sの表面からの反射光と、絶縁膜14Sの裏面からの反射光とは互いに干渉し、両者の干渉光の強度は、絶縁膜14Sの膜厚に応じて変化する。よって、膜厚測定部43は、その干渉光の強度の検出値を予め用意された基準値と比較することにより、絶縁膜14Sの膜厚及びその3次元分布を測定することができる。一方、ディープトレンチDT内の絶縁膜14Dで反射した光OLdは、絶縁膜14Dの表面で反射した表面反射光を含むが、絶縁膜14Dの裏面(ディープトレンチDTの底面)で反射した反射光をほとんど含まない。これは、ディープトレンチDTが数十μmを超える深さを有し、絶縁膜14Dの裏面からの反射光の減衰量や散乱量が大きいからである。
【0022】
膜厚測定部43は、トレンチマーク20Sにおける絶縁膜14Sの膜厚の測定値に基づいて、ディープトレンチDT内の絶縁膜14Dに対する平坦化工程が終点(end point)に達しているか否かを判定することができる。平坦化工程が終点に達していないと判定された場合(研磨不足の場合)は、さらにCMP工程が続行されて絶縁膜14S,14Dの表面が研磨される。一方、平坦化工程が終点に達していると判定された場合は、CMP工程は完了する。
【0023】
CMP工程が完了した後は、ウエットエッチングにより酸化膜11Aを除去する。この結果、図8に示されるような素子分離構造20Dが形成される。
【0024】
上記トレンチマーク20SのトレンチSTの深さに関しては、トレンチSTが深すぎると、トレンチSTの底面で反射した光の減衰量や散乱量が大きくなるので、膜厚の測定精度は低下し、終点検出感度も低下することとなる。一方、トレンチSTが浅すぎると、測定精度が平坦化工程時の研磨量のバラツキの影響を受けやすい。また、絶縁膜14の堆積当初の膜厚La(図10)も測定精度に影響を与えるものと考えられる。そこで、本発明者らは、絶縁膜14の堆積当初の膜厚Laに対するトレンチSTの深さLdの比率α(=Ld/La)に着目し、この比率αが測定精度に与える影響を実験により調べた。
【0025】
図11は、シリコン基板上に成膜された絶縁膜12の膜厚の実測値の時間的変化を表すグラフである。図11のグラフの横軸は、CMP工程の研磨時間(polishing time)を示し、グラフの縦軸は、TEOS(Tetra−Ethyl−Ortho−Silicate)を成膜材料としてプラズマCVD法により成膜された絶縁膜(シリコン酸化膜)の膜厚を示している。また、このグラフには、α=0%(Ld=0μm)、α=40%(La=5μm;Ld=2μm)、α=60%(La=5μm;Ld=3μm)及びα=80%(La=5μm;Ld=4μm)の各場合の膜厚の測定曲線が示されている。なお、α=0%の場合の測定曲線は、トレンチSTの外の領域に堆積された絶縁膜の膜厚の時間的変化を示すものである。
【0026】
図11に示されるように、研磨時間の進行とともにトレンチSTの外に形成された絶縁膜12の膜厚(α=0%)は次第に減少する。これに伴い、トレンチSTにおける絶縁膜12の膜厚も次第に減少している。このグラフによれば、比率αが大きいほど、トレンチSTにおける膜厚の測定精度が平坦化工程時の研磨量のバラツキの影響を受けにくく、膜厚測定値の挙動が安定していることが分かる。一方、比率αが小さいほど、膜厚が変化するタイミングが早いことが分かる。具体的には、α=0%の場合は、研磨開始直後から絶縁膜の膜厚変化を確認することができる。また、α=40%の場合は、研磨時間が約50秒で膜厚変化が確認され、α=60%の場合は、研磨時間が約180秒で膜厚変化が確認され、α=80%の場合は、研磨時間が約415秒で膜厚変化が確認された。
【0027】
図11のグラフによれば、比率αが40%〜80%の範囲内ではおおむね良好な測定曲線が得られていることが分かる。特に、比率αが60%を中心とする50%〜70%の範囲内にあるときには、良好な測定精度と終点検出感度が得られることが期待できる。なお、トレンチSTの深さLdについては、本実施の形態のトレンチSTの形成工程と同一工程で形成されたトレンチの深さを、予め、たとえば原子力間顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)や、焦点深度を光学的に測定する顕微鏡などを用いた段差測定機で測定しておくことにより、トレンチSTの深さLdを既知の値とすることができる。
【0028】
上記トレンチマーク20Sは、半導体ウエハのスクライブ領域内に形成されることが望ましい。図12(A),(B)は、上記半導体基板10を有する半導体ウエハWの一例を概略的に示す上面視図である。半導体ウエハWの上面には、複数のショット領域50,…,50が形成されており、各ショット領域50に、半導体集積回路を有するチップが形成されるチップ領域(製品領域)51が設けられている。チップ領域51,51間には、たとえば80μm〜100μm程度の幅の帯状のスクライブ領域52が形成されている。このスクライブ領域52は、チップを半導体ウエハWから分離(個片化)するための切断領域である。このようなスクライブ領域52内の空き領域52mに上記トレンチマーク20Sを形成すればよい。これにより、チップ領域51のレイアウトに影響を与えることなくトレンチマーク20Sを形成することができる。
【0029】
以上に説明したように実施の形態1では、素子分離用のディープトレンチDTが深いために、このディープトレンチDTにおける絶縁膜14Dの膜厚を高精度に測定することがむずかしい場合でも、トレンチマーク20Sの絶縁膜14Sの厚みの測定結果に基づいて、平坦化工程の終点に達したか否かを正確に判断することができる。したがって、平坦化工程のプロセス管理を高い精度で行うことができる。
【0030】
また、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、従来の製法のようにCMPに対するストッパ膜を形成せずに済むので、工程数を削減することができ、製造コストを下げることができるという利点がある。この点を図13〜図18を参照しつつ以下に説明する。図13〜図18は、従来の素子分離構造の形成工程を概略的に示す断面図である。従来の工程では、まず、図13に示されるように、シリコン基板60の主面を酸化して酸化膜61Aを形成した後に、この酸化膜61A上に窒化膜62をストッパ膜として形成する。その後、図14に示されるように、フォトリソグラフィとドライエッチングとにより半導体基板60にディープトレンチDTcを形成する。さらに、図15に示されるように、このディープトレンチDTcの内壁を熱酸化して熱酸化膜61Bを形成し、その後、全面に亘って絶縁材料を堆積して絶縁膜63を形成し、ディープトレンチDTc内に絶縁材料を埋め込む。その後、CMP工程により絶縁膜63の表面を平坦化(研磨)しつつ後退させる。このとき、窒化膜62は、CMPに対するストッパ膜として機能する。よって、図16に示されるように、ディープトレンチDTc内に埋め込まれた絶縁膜63Bが形成される。
【0031】
CMP工程の後は、ウエットエッチングにより窒化膜62を除去し(図17)、さらに酸化膜61Aを除去することにより図18に示すような素子分離構造が形成される。
【0032】
このように従来の工程では、CMP工程の後に窒化膜62を除去する工程が必要である。また、窒化膜62を除去することで絶縁膜63Bと半導体基板60との間に段差(図17)が形成されるので、この段差を除去するための工程管理が必要になる。さらには、窒化膜62の膜厚にバラツキが生じたとき、この膜厚のバラツキが、絶縁膜63Bと半導体基板60との間の段差(図17)のバラツキを生じさせ、ひいてはトランジスタなどの半導体装置の特性誤差を生じさせるという問題がある。
【0033】
これに対し、本実施の形態の製造工程では、CMP工程の終点検出用のストッパ膜を形成することなく、CMP工程の終点を高精度で検出することができ、これによりディープトレンチDTの深さに対する絶縁膜14Dの膜厚を最適化することができる。したがって、ストッパ膜を形成することに起因する全ての問題発生を確実に回避することができる。
【0034】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図19〜図24は、実施の形態2の半導体装置の製造工程のうち素子分離構造が形成された後の導電層形成工程を概略的に示す断面図である。図19〜図24を参照しつつ、実施の形態2の導電層形成工程について説明する。
【0035】
まず、図19に示されるように、被エッチング材である半導体基板10の主面上に数十nm〜数百nm程度の絶縁薄膜71Aを成膜する。絶縁薄膜71Aは、たとえば、公知の熱酸化法を用いて形成することができるが、これに限定されるものではない。次に、図20に示されるように、半導体ウエハの工程管理領域(たとえば、図12(B)のスクライブ領域52内の空き領域)において、半導体リソグラフィを用いて、半導体基板10の主面上にレジストパターン72を形成し、このレジストパターン72をマスクとして絶縁薄膜71A及び半導体基板10の主面を選択的にドライエッチングすることにより平坦化工程管理用のトレンチSTbを形成する。その後、レジストパターン72は除去される。なお、トレンチSTbは、たとえば、上面視で一辺が50μm〜100μm程度の矩形状を有するように形成されればよい。
【0036】
次に、図21に示されるように、素子分離構造で区画される素子領域(半導体素子が形成される領域)において、半導体リソグラフィを用いて半導体基板10の主面上にレジストパターン73を形成し、このレジストパターン73をマスクとして絶縁薄膜71A及び半導体基板10の主面を選択的にドライエッチングすることにより導電層埋め込み用のトレンチDTbを形成する。その後、レジストパターン73は除去される。
【0037】
次に、図22に示されるように、熱酸化法を用いてトレンチSTb,DTbの内壁(露出面)を酸化することにより熱酸化膜71S,71Dを形成する。続けて、図23に示されるように、たとえばLP−CVD法またはプラズマCVD法を用いて、全面に亘ってポリシリコンなどの導電材料を堆積させて導電層(被加工層)74を形成し、トレンチSTb,DTbの内部に導電材料を埋め込む。
【0038】
次に、CMP工程により導電層74の表面を平坦化(研磨)しつつ導電層74の表面を後退させる。図24(A)は、研磨時間tの時点での被研磨面の状態を概略的に示す断面図である。図24(A)に示されるように、被研磨面においては、トレンチSTb,DTbの外に形成されていた導電材料が除去されている。また、トレンチSTb,DTbの内部に導電層74S,74Dが埋め込まれている。トレンチDTbと埋め込み導電層74Dとからなるトレンチ構造80Dは、埋め込み導電層構造である。一方、トレンチSTbと埋め込み導電層74Sとからなるトレンチ構造は、CMP工程管理用のトレンチマーク80Sとして使用される。図25(A)は、研磨時間tの時点でのトレンチマーク80Sの上面視図であり、図26(A)は、研磨時間tの時点での埋め込み導電層構造80Dの上面視図である。
【0039】
ここで、CMP工程のプロセス管理を行うために、上記実施の形態1の場合と同様に膜厚測定装置30を用いて、CMP工程の後または途中でトレンチマーク80Sの導電層74Sの厚みを光学的に測定し、その測定結果を利用することができる。すなわち、膜厚測定装置30は、図24(A)に示されるように光ILを絶縁膜74Sに入射させ、その反射光OLsに基づいて研磨不足か否かを判定することができる。なお、本実施の形態では、ディープトレンチDTbは数十μmを超える深さを有し、導電層74Dの裏面で反射した光の減衰量や散乱量が大きいため、導電層74Dの膜厚を測定することはできない。
【0040】
図24(A)の状態からさらに研磨が続行されると、研磨時間t(>t)の時点で被研磨面は、図24(B)に示す状態に変化する。図25(B)は、研磨時間tの時点でのトレンチマーク80Sの上面視図であり、図26(B)は、研磨時間tの時点での埋め込み導電層構造80Dの上面視図である。図24(B)及び図25(B)に示されるように、トレンチSTbの開口周縁部付近で半導体基板10の主面の一部が絶縁薄膜71Aから露出して露出領域(過剰研磨領域)75Sを形成している。この露出領域75Sは、絶縁薄膜71Aの研磨速度が導電層74Sの研磨速度よりも小さいために生じたものである。互いに研磨速度の異なる絶縁薄膜71Aと導電層74Sとの境界部分においては、段差が生じやすく、研磨圧力が集中するので、半導体基板10の主面が露出しやすい。同様に、図24(B)及び図26(B)に示されるように、ディープトレンチDTbの開口周縁部付近でも、半導体基板10の主面の一部が絶縁薄膜71Aから露出して露出領域(過剰研磨領域)75Dを形成している。露出領域75S,75Dの寸法Db,Daは、研磨時間が進行するほど大きくなる。
【0041】
本実施の形態では、光学顕微鏡を用いて、CMP工程の後または途中でトレンチマーク80Sの上面の顕微鏡像、あるいは、埋め込み導電層構造80Dの上面の顕微鏡像を取得する。そして、取得した顕微鏡像に現れている露出領域75Sの寸法Dbあるいは露出領域75Dの寸法Daを測定する。露出領域75S,75Dのコントラストは、絶縁薄膜71A及び導電層74S,74Dのコントラストとは異なるので、露出領域75S,75Dを容易に識別することが可能である。露出領域75S,75Dの寸法(パターンを含む。)の測定は、目視で行うこともできるし、あるいは、顕微鏡像の画像データを画像処理して露出領域75S,75Dの境界線(輪郭)を自動検出し、その検出結果に基づいて行うことも可能である。
【0042】
なお、光学顕微鏡に代えて走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を使用してもよい。絶縁膜と半導体基板10の主面とは導電性が異なり、特に絶縁膜の表面はチャージアップ状態(サンプル表面から電子が消失し、正に帯電した状態)になりやすいので、SEM像に基づいて半導体基板10の露出領域75S,75Dを識別することができる。
【0043】
そして、露出領域75Sの寸法Dbあるいは露出領域75Dの寸法Daを予め用意された基準値と比較することにより、CMP工程が終点に達したか否かが判定される。平坦化工程が終点に達していないと判定された場合(研磨不足の場合)は、さらにCMP工程が続行される。一方、平坦化工程が終点に達していると判定された場合は、CMP工程は完了する。なお、トレンチマーク80S及び埋め込み導電層構造80Dの双方の顕微鏡像を取得し、これらの寸法Da,Dbの測定結果に基づいて終点検出を行ってもよい。
【0044】
上記したように実施の形態2では、露出領域75S,75Dの顕微鏡像に基づいて、CMP工程の終点検出を行うことができる。研磨時間の経過とともに、露出領域75S,75Dの寸法Db,Daは連続的に変化するので感度の高い終点検出を行うことができる。したがって、ディープトレンチDTb内の導電層74Dに対する平坦化工程のプロセス管理を高い精度で容易に行うことができる。
【0045】
上述したように、膜厚測定装置30を用いて導電層74Sの膜厚を光学的に測定し、その測定結果を使用した終点検出を行うことが可能である。しかしながら、過剰に研磨されて導電層74Sの膜厚が薄くなりすぎると、光学的測定値の誤差が大きくなり、終点検出を行うことがむずかしい場合がある。このような場合でも、本実施の形態では、露出領域75S,75Dの寸法Db,Daに基づいて終点検出を行うことができる。
【0046】
また、トレンチマーク80Sは、素子領域の回路パターンに依存しないので、半導体デバイスの種類に制約されないプロセス管理を行うことができる。さらに、トレンチマーク80Sの寸法やトレンチSTbの深さなどをデバイス構造に合わせて最適化できるため、高感度なプロセス管理を容易に実現することができる。
【0047】
なお、トレンチマーク80Sを形成しない場合でも、埋め込み導電層構造80Dの露出領域75Dの寸法Daの測定結果に基づいて平坦化工程のプロセス管理を行うことが可能である。
【0048】
また、本実施の形態のプロセス管理は、ディープトレンチ内に導電層を埋め込む場合だけでなく、ディープトレンチ内に絶縁膜を埋め込む場合にも応用することができる。たとえば、まず、半導体基板や層間絶縁膜などの被エッチング材の主面上に絶縁薄膜(たとえば、窒化膜)を成膜し、これら絶縁薄膜及び被エッチング材の主面を選択的にエッチングしてトレンチを形成する。次に、全面に亘ってシリコン酸化物などの絶縁材料を堆積して絶縁層を形成し、トレンチ内に絶縁材料を埋め込む。そして、この絶縁層の上面をCMP工程により平坦化する。このような平坦化工程でも、トレンチの開口周縁部付近で、過剰研磨された絶縁薄膜から被エッチング材の主面の一部を露出させることができる。その露出領域(過剰研磨領域)の寸法を測定すれば、その測定結果に基づいて平坦化工程の終点検出を行うことが可能である。
【0049】
実施の形態3.
次に、図27〜図29を参照しつつ、本発明に係る実施の形態3の半導体装置の製造方法について説明する。図27〜図29は、実施の形態1のトレンチマーク20S及び素子分離構造20D(図8)が形成された後に、埋め込み導電層構造を形成するための工程を概略的に示す断面図である。
【0050】
まず、図27に示されるように、素子分離構造20Dで区画された素子領域に電極埋め込み用のトレンチTeを有する半導体基板10を用意する。トレンチTe内壁には酸化膜91が形成されている。そして、図28に示されるように、たとえばLP−CVD法またはプラズマCVD法を用いて、全面に亘ってポリシリコンなどの導電材料を堆積させて導電層(被加工層)92を形成し、トレンチTeの内部に酸化膜91を介して導電材料を埋め込む。
【0051】
次に、CMP工程により導電層92の表面を平坦化(研磨)しつつ導電層92の表面を後退させる。この結果、図29に示されるように、トレンチTeの内部に埋め込み導電層92Eが形成される。このような埋め込み導電層92Eは、たとえば、ゲートトレンチ構造のゲート電極として利用することができる。
【0052】
次いで、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて、トレンチマーク20Sの上面の顕微鏡像を取得する。そして、この顕微鏡像の中に、トレンチマーク20Sの上に残留する導電材料が現れているか否かを判定する。導電層92の構成材料と絶縁膜14Sの構成材料とは互いに異種(異なる膜質)であり、且つ、互いに異なるコントラストを有するので、顕微鏡像に基づいて導電材料を容易に識別することが可能である。図29に示されるように、トレンチマーク20Sの絶縁膜14Sの上面の凹みに導電材料92Rが残留していることが確認された場合(研磨不足の場合)は、さらにCMP工程が続行される。一方、絶縁膜14Sの上面の凹みに導電材料92Rが残留していることが確認されない場合は、CMP工程が終点に達したと判定されてCMP工程は完了する。
【0053】
以上説明したように実施の形態3によれば、トレンチマーク20Sを利用して研磨不足の有無を容易に判定することができる。
【0054】
実施の形態4.
次に、図30〜図32を参照しつつ、本発明に係る実施の形態4の半導体装置の製造方法について説明する。図30〜図32は、実施の形態1のトレンチマーク20S及び素子分離構造20D(図8)が形成された後に、埋め込み絶縁膜構造を形成するための工程を概略的に示す断面図である。
【0055】
まず、図30に示されるように、素子分離構造20Dで区画された素子領域に絶縁膜埋め込み用のトレンチTdを有する半導体基板10を用意する。そして、図31に示されるように、たとえばLP−CVD法またはプラズマCVD法を用いて、全面に亘って高誘電率の絶縁材料を堆積させて絶縁膜(被加工層)97を形成し、トレンチTdの内部に絶縁材料を埋め込む。絶縁膜97は、たとえば、シリコン酸化膜や窒化膜で形成することができる。
【0056】
次に、CMP工程により絶縁膜97の表面を平坦化(研磨)しつつ絶縁膜97の表面を後退させる。この結果、図32に示されるように、トレンチTdの内部に埋め込み絶縁膜97Eが形成される。
【0057】
本実施の形態では、絶縁膜97の構成材料(絶縁材料)と絶縁膜14Sの構成材料とは互いに同種(同じ膜質)であり、且つ、互いにほぼ同じコントラストを有するので、顕微鏡像に基づいて絶縁材料の残留の有無を判定することはむずかしい。そこで、本実施の形態では、上記実施の形態1の場合と同様に膜厚測定装置30を用いて、トレンチマーク20Sにおける絶縁膜の厚みを光学的に測定し、その測定結果に基づいて終点検出を行う。すなわち、図32に示されるようにトレンチマーク20Sの上に絶縁材料97Rが残留している場合と、そうでない場合とでトレンチマーク20Sにおける絶縁膜の厚みが異なるので、膜厚測定装置30は、この厚みに違いに基づいて絶縁材料97Rの残留の有無を判定することができる。
【0058】
図32に示されるように、トレンチマーク20Sの絶縁膜14Sの上面の凹みに絶縁材料97Rが残留していると判定された場合(研磨不足の場合)は、さらにCMP工程が続行される。一方、絶縁膜14Sの上面の凹みに絶縁材料97Rが残留していないと判定された場合は、CMP工程が終点に達したと判定されてCMP工程は完了する。
【0059】
以上説明したように実施の形態4によれば、トレンチマーク20Sを利用して研磨不足の有無を容易に判定することができる。
【0060】
以上、図面を参照して本発明の種々の実施の形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
10 半導体基板、 11A,11S,11D 絶縁膜、 ST,STb トレンチ、 DT,DTb ディープトレンチ、 12,13 レジストパターン、 14,14S,14D 絶縁膜、 20S トレンチマーク、 20D 素子分離構造、 30 膜厚測定装置、 31 支持台、 32 駆動ステージ、 33 光源、 34〜37 光学系、 40 ステージ駆動制御部、 41 光源駆動部、 50 ショット領域、 51 チップ領域(製品領域)、 52 スクライブ領域、 71A 絶縁薄膜、 74,74S,74D 導電層、 75S,75D 露出領域(過剰研磨領域)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被エッチング材の主面を選択的にエッチングして第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを形成する工程と、
前記第1の溝及び前記第2の溝にそれぞれ被加工材料を堆積させて被加工層を成膜する工程と、
前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、
前記平坦化工程の後または途中で前記第1の溝における前記被加工層の厚みを測定する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法であって、前記被加工層の厚みの測定結果に基づいて、前記平坦化工程が終点に達しているか否かを判定する工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法であって、前記被加工層の厚みは、前記第1の溝における前記被加工層の表面に光を照射して前記被加工層の表面で反射した光と前記被加工層の裏面で反射した光との干渉光に基づいて測定されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記被加工層は、絶縁材料からなり、
前記第1の溝の深さは、前記被加工層の堆積当初の膜厚に対して40%〜80%の範囲内である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法であって、前記被加工層はシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記被エッチング材は、半導体基板であり、
前記第2の溝は、素子分離用の溝である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記被加工材料は、導電材料であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記被加工層が形成される前に、前記被エッチング材の当該主面上に絶縁薄膜を形成する工程と、
前記平坦化工程の後または途中で前記第1の溝の開口周縁部の上方から見た顕微鏡像を取得する工程と、
前記第1の溝の開口周縁部の当該顕微鏡像に基づいて、当該開口周縁部における前記被エッチング材の露出領域の寸法を測定する工程と、
をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
被エッチング材の主面上に絶縁薄膜を形成する工程と、
前記主面及び前記絶縁薄膜を選択的にエッチングして第1の溝と前記第1の溝よりも深い第2の溝とを形成する工程と、
前記第1の溝及び前記第2の溝にそれぞれ被加工材料を堆積させて被加工層を形成する工程と、
前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、
前記平坦化工程の後または途中で前記第1の溝の開口周縁部の上方から見た顕微鏡像を得る工程と、
前記第1の溝の開口周縁部の当該顕微鏡像に基づいて、当該開口周縁部付近における前記被エッチング材の露出領域の寸法を測定する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記平坦化工程の後に、前記第1の溝と前記第2の溝とを被覆するように、前記第1の溝に埋め込まれた被加工材料とは構成材料が異種の上部被加工層を成膜する工程と、
前記上部被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、
前記上部被加工層の表面に対する当該平坦化工程の後または途中で前記第1の溝の上方から見た顕微鏡像を得る工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体装置の製造方法であって、前記第1の溝の上方から見た当該顕微鏡像に基づいて、前記上部被加工層の表面に対する当該平坦化工程が終点に達したか否かを判定する工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記平坦化工程の後に、前記第1の溝と前記第2の溝とを被覆するように、前記第1の溝に埋め込まれた被加工材料とは構成材料が同種の上部被加工層を成膜する工程と、
前記上部被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、
前記上部被加工層の表面に対する当該平坦化工程の後または途中で前記第1の溝に埋め込まれた埋め込み層の厚みを測定する工程と、
前記埋め込み層の厚みの測定結果に基づいて、前記上部被加工層の表面に対する当該平坦化工程が終点に達しているか否かを判定する工程と、
をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
被エッチング材の主面上に絶縁薄膜を形成する工程と、
前記主面及び前記絶縁薄膜を選択的にエッチングして溝を形成する工程と、
前記溝に被加工材料を堆積させて被加工層を形成する工程と、
前記被加工層の表面を平坦化する平坦化工程と、
前記被加工物の表面に対する当該平坦化工程の後または途中で前記溝の開口周縁部の上方から見た顕微鏡像を得る工程と、
前記溝の開口周縁部の当該顕微鏡像に基づいて、当該開口周縁部における前記被エッチング材の露出領域の寸法を測定する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、前記平坦化工程は、化学機械研磨法により行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−64847(P2012−64847A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209148(P2010−209148)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】