説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体装置及びその製造方法において、半導体装置の収量を増加させると共に、製造工程の簡略化を図る。
【解決手段】半導体基板10の表面における所定の領域内に複数のパッド電極12を形成した後、半導体基板10の表面に接着剤層14を介して支持体15を貼り合わせる。次に、半導体基板10であって上記所定の領域と重畳する領域に開口部10Aを形成する。そして、開口部10A内で各パッド電極12と電気的に接続された配線層18を形成する。その後、所定の工程を経て、最後に、半導体基板10及び支持体15を含む積層体を、開口部10Aの外側に延びるダイシングラインDLに沿ってダイシングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、チップサイズパッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新たなパッケージ技術として、チップサイズパッケージ(Chip Size Package)が注目されている。チップサイズパッケージは、半導体チップの外形寸法と略同サイズの外形寸法を有する小型パッケージである。
【0003】
チップサイズパッケージの一つとして、BGA(Ball Grid Array)型の半導体装置が知られている。以下に、このBGA型の半導体装置の構成例について説明する。
【0004】
図14の断面図に示すように、この半導体装置を構成する半導体基板110の表面には、絶縁膜111が配置され、その上に、パッド電極112が配置されている。パッド電極112は、半導体基板110に形成された不図示の電子デバイスと接続されている。パッド電極112はパッシベーション膜となる絶縁膜113に覆われている。さらに、半導体基板110の表面には、接着剤層114を介して、支持体115が貼り合わされている。
【0005】
一方、半導体基板110の裏面からは、パッド電極112とダイシングラインDLに重畳する領域に開口部110Aが設けられ、その開口部110A内から半導体基板110の裏面上にかけて、絶縁膜116が形成されている。パッド電極112と重畳する絶縁膜111,116には、パッド電極112の一部を露出する開口部117が設けられている。絶縁膜116上には、開口部117を通してパッド電極112と接続された配線層118が配置されている。配線層118は、絶縁膜119及び保護膜120に覆われている。配線層118と重畳する絶縁膜119及び保護膜120には、配線層118の一部を露出する開口部が設けられている。その開口部内では、配線層118上に例えば金メッキ等のメッキ層121が配置されている。さらに、メッキ層121上にはバンプ電極122が配置されている。
【0006】
また、半導体基板110の開口部110Aでは、ダイシングラインDLに沿って、支持体115の厚さ方向の途中に至る溝123が形成されており、保護膜120は、その溝123を覆っている。この構成により、ダイシング後の半導体装置において、半導体基板110の側面に、水分等の浸入によりパッド電極112を腐食させるようなダメージ層が生じる恐れがなくなる。また、半導体基板110とダイシングブレードとの接触時の衝撃によるパッド電極112と配線層118との接続不良を防ぐことができる。
【0007】
上記構成の半導体基板110を裏面側からみた場合の平面構成は、図15のようになる。この図のY−Y線に沿った断面は、図14の断面図に対応している。なお、説明の便宜上、図15では、図14の構成要素のうち、半導体基板110、開口部110A、開口部117、バンプ電極122、及びダイシングラインDLのみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
【0008】
なお、BGA型の半導体装置については、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2005−72554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、パッド電極112の腐食、配線層118との接続不良を防ぐために、ダイシングラインDLに沿って溝123を形成し、これを保護膜120で覆う場合、ダイシングラインDLを挟む2つのパッド電極112の間では、溝123の開口径に応じた領域を確保する必要がある。即ち、従来例の半導体装置では、1つの半導体装置を構成するのに必要な半導体基板110の平面的な面積が大きくなる。これにより、1つのウェハ状の半導体基板110から分離される半導体装置の数、即ち半導体装置の収量が低下していた。また、溝123を形成するために半導体装置の製造工程が煩雑化し、製造コストが増大していた。また、パッド電極はガードリングの外側に配置されるため、半導体装置の信頼性が低下していた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主な特徴は以下の通りである。本発明の半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の表面に接着剤層を介して貼り合わされた支持体と、半導体基板に形成された開口部と、開口部内で支持体上に配置された複数のパッド電極と、開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の半導体装置は、絶縁膜に覆われた半導体基板と、半導体基板に形成された開口部と、開口部内で絶縁膜上に配置された複数のパッド電極と、開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体装置は、上記構成において、開口部は、半導体基板の中央に形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面における所定の領域内に複数のパッド電極を形成する工程と、半導体基板の表面に接着剤層を介して支持体を貼り合わせる工程と、半導体基板であって所定の領域と重畳する領域に開口部を形成する工程と、開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層を形成する工程と、半導体基板及び支持体を含む積層体を、開口部の外側に延びるダイシングラインに沿ってダイシングする工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記工程において、パッド電極を形成した後、半導体基板及びパッド電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、ダイシングの後、支持体を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記工程において、上記所定の領域及び開口部は、半導体基板の中央に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、パッド電極は、半導体装置の端部、即ちダイシングラインの近くに配置されていないため、従来例のようなダイシングラインに沿った溝の形成が不要となる。これにより、1つの半導体装置の形成に必要な半導体基板の面積が従来例に比して小さくなり、1つのウェハ状の半導体基板において、半導体装置の収量が増加する。また、溝を形成しないため、製造工程が簡略化され、結果として製造コストが低下する。また、パッド電極はガードリング内に配置されるため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態による半導体装置について、図面を参照して説明する。最初に、この半導体装置の構成について説明する。図1は、本実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。図1では、ウェハ状の半導体基板10に形成される複数の半導体装置のうち、1つの半導体装置を中心に示している。この半導体装置の断面構成は、図2に示す概略の平面図におけるX−X線に沿った断面に対応している。
【0018】
図1に示すように、半導体装置を構成する半導体基板10の表面には、BPSG膜等の絶縁膜11が配置され、その上に、アルミニウム等からなる複数のパッド電極12が配置されている。なお、前記パッド電極12はアルミニウムに銅を含むものであってもよく、さらには銅からなるものであってもよい。これらのパッド電極12は、それぞれ、半導体基板10に形成された不図示の電子デバイスと接続されると共に、ダイシングラインDLより離れた所定の領域内にまとまって配置されている。
【0019】
なお、半導体基板10は、平面的には、例えば正方形あるいは略正方形の形状を有している。
【0020】
これらのパッド電極12は、パッシベーション膜となるシリコン窒化膜等の絶縁膜13に覆われている。そして、半導体基板10の表面には、有機樹脂等からなる接着剤層14を介して、支持体15が貼り合わされている。支持体15は、例えばガラスからなるものとするが、その他の材料、例えば樹脂、シリコンからなるものであってもよい。
【0021】
さらに、半導体基板10には、複数のパッド電極12が配置された所定の領域と重畳する領域に、開口部10Aが形成されている。即ち、開口部10A内に複数のパッド電極12がまとまって配置されている。また、開口部10Aは、半導体基板10によって切れ目なく囲まれており、ダイシングラインDLと重畳しない領域に形成されている。開口部10Aは、平面的には、例えば約200μm〜500μmを一辺とした正方形の形状を有している。さらにいえば、開口部10Aは、半導体装置の中央あるいは略中央、即ち、ダイシングラインDLから離れた位置に形成されることが好ましい。この開口部10A内には、シリコン酸化膜等からなり半導体基板10の裏面上に延びる絶縁膜16が形成されている。
【0022】
各パッド電極12の一部と重畳する絶縁膜11,16の領域には、開口部17が設けられている。各開口部17は、平面的には、例えば約20μm〜80μmを一辺とした正方形の形状を有している。
【0023】
絶縁膜16上には、各開口部17を通して各パッド電極12と接続された配線層18が配置されている。配線層18は所望のパターンを有して形成されている。配線層18は、例えばアルミニウムからなるが、これ以外の材料、例えば銅を含むものであってもよく、さらには銅からなるものであってもよい。この配線層18は、不図示の電子デバイスに対する遮光膜として兼用することもできる。配線層18は、シリコン酸化膜等の絶縁膜19、及び有機樹脂等からなる保護膜20に覆われている。
【0024】
配線層18と重畳する絶縁膜19及び保護膜20には、配線層18の一部を露出する開口部が設けられている。その開口部内では、配線層18上に例えば金メッキ等のメッキ層21が配置され、メッキ層21上には、ハンダや金等からなるバンプ電極22が配置されている。このメッキ層21は、配線層18とバンプ電極22を良好に接続させる機能を有する。
【0025】
この半導体装置では、パッド電極12とダイシングラインDLとの離間距離が、従来例よりも大きくなるため、ダイシングの際に半導体基板10に不図示のダイシングブレードによる切削面が形成されても、半導体装置の側面からの水分等の浸入によるパッド電極12の腐食は生じにくくなる。
【0026】
また、パッド電極12とダイシングラインDLとの離間距離が、従来例よりも大きくなるため、ダイシングの際に、半導体基板10とダイシングブレードの接触時の衝撃によるパッド電極12と配線層18との接続不良を防ぐことができる。
【0027】
即ち、この半導体装置では、従来例のように、パッド電極112の腐食、配線層118との接続不良を回避するべく、ダイシングラインDLに沿って支持体115の厚さ方向の途中に至る溝123を形成する必要がない。
【0028】
従って、従来例のような溝123を形成する領域を必要としない分だけ、1つの半導体装置の形成に必要な半導体基板10の面積が、従来例に比して小さくなり、1つのウェハ状の半導体基板10において、半導体装置の収量が増加する。また、従来例のような溝123を形成しないため、製造工程が簡略され、結果として製造コストが低下する。
【0029】
また、この半導体装置では、その側面において、従来例における開口部110Aの側壁のような傾斜面は存在しないため、従来例に比して裏面の面積を大きくすることができる。これにより、半導体基板10の機械的強度が従来例に比して高くなり、半導体装置の実装時における機械的強度も高くなる。また、配線層18を、不図示の電子デバイスに対する遮光膜として兼用する場合、該配線層18の面積及びパターンの自由度を、従来例に比して大きくすることができ、遮光性を高めることができる。
【0030】
また、パッド電極12は、半導体基板10の端部を囲む不図示のガードリングより内側に配置されるため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【0031】
この半導体基板10を裏面側からみた場合の平面構成は、図2のようになる。この図のX−X線に沿った断面は、図1の断面図に対応している。なお、説明の便宜上、図2では、図1の構成要素のうち、半導体基板10、開口部10A、開口部17、バンプ電極22、及びダイシングラインDLのみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
【0032】
以下に、上記構成の半導体装置の製造方法について図面を参照して説明する。図3乃至図7は、この半導体装置の断面図であり、ウェハ状の半導体基板10に形成される複数の半導体装置のうち、1つの半導体装置が形成される予定の領域を中心に示している。
【0033】
最初に、図3に示すように、例えば約100〜700μmの膜厚を有したシリコン基板からなる半導体基板10を準備する。半導体基板10の表面には、トランジスタ等の不図示の電子デバイスを形成する。この電子デバイスは、BPSG膜等の絶縁膜11に覆われる。
【0034】
次に、絶縁膜11上であって、ダイシングラインDLから離れた所定の領域内に、電子デバイスと電気的に接続された複数のパッド電極12が形成される。
【0035】
この所定の領域は、半導体装置が形成される予定の領域の中央あるは略中央であることが好ましい。以下の説明では、所定の領域は、半導体装置が形成される予定の領域の中央であるものとして説明する。
【0036】
次に、パッド電極12及び絶縁膜11の表面を覆って、シリコン窒化膜等のパッシベーション膜13が形成される。その後、パッシベーション膜13上に、有機樹脂等を含む接着剤の塗布により接着剤層14が形成され、この接着剤層14を介して、半導体基板10の表面に対向して支持体15が貼り合わされる。支持体15は、光を透過する材料、又は光を透過しない材料からなり、例えば約100〜700μmの厚さを有している。ここでは、支持体15は、例えばガラス基板からなるものとして説明するが、これ以外の材料、例えば樹脂、シリコンからなるものであってもよい。
【0037】
次に、図4に示すように、支持体15と貼り合わされた半導体基板10に対して裏面研削を行い、その厚さを、例えば約50μm〜150μmに至るまで薄くする。
【0038】
さらに、半導体基板10であって、複数のパッド電極12が形成された所定の領域と重畳する領域をエッチングして除去する。これにより、半導体基板10には、複数のパッド電極12が形成された所定の領域と重畳する領域に、開口部10Aが形成される。即ち、開口部10A内に複数のパッド電極12が存在する。また、開口部10Aは、ダイシングラインDLと重畳しない領域に形成される。開口部10Aの底部では、絶縁膜11が露出される。
【0039】
なお、開口部10A内における半導体基板10の側壁は、支持体15に向かってテーパー状に形成されることが好ましい。これにより、後の工程において半導体基板10及び支持体15を覆って形成される各層の被覆性が向上する。
【0040】
次に、開口部10A内から半導体基板10の裏面上を覆って、シリコン酸化膜等の絶縁膜16を形成する。
【0041】
その後、図5に示すように、開口部10A内で重なり合う2つの絶縁膜11,16の一部をエッチングして、各パッド電極12の一部を露出する開口部17を形成する。
【0042】
次に、図6に示すように、絶縁膜11,16の開口部17を通してパッド電極12と接続し、半導体基板10の開口部10A内から半導体基板10の裏面上に延びる配線層18を形成する。この配線層18は、例えばアルミニウムからなるが、これ以外の材料、例えば銅を含むものであってもよく、さらには銅からなるものであってもよい。
【0043】
次に、図7に示すように、配線層18を、フォトリソグラフィ工程等により形成された不図示のマスクを用いて、エッチング工程等により、所望のパターンにパターニングする。図の例では、配線層18は、ダイシングラインDLとは重畳せず、配線層18の端は、ダイシングラインDLよりも内側(開口部10Aに近い側)に存在している。
【0044】
その後、配線層18を覆って、シリコン酸化膜等の絶縁膜19を形成する。絶縁膜19には、配線層18の一部を露出する開口部を形成し、その開口部内に、配線層18と接続する金メッキ等のメッキ層21を形成する。さらに、絶縁膜19及びメッキ層21を覆って、有機樹脂等からなる保護膜20を形成する。そして、保護膜20に、メッキ層21を露出する開口部を形成し、その開口部内のメッキ層21上に、ハンダや金等からなるバンプ電極22を形成する。メッキ層21は、平面的には、円形あるいは四角形や多角形等の円形以外の形状に形成され、その上に形成されたバンプ電極22も、メッキ層21の上記形状を反映して、円形あるいは四角形や多角形等の円形以外の形状に形成される。図の例では、メッキ層21及びバンプ電極22は、円形に形成されるものとして図示している。
【0045】
ここで、上述した半導体基板10の開口部10A、絶縁膜11,16の開口部17、ダイシングラインDLの配置関係について、半導体基板10を裏面側からみると、図8のようになる。この図のX−X線に沿った断面は、図3乃至図7の断面図に対応している。なお、説明の便宜上、図8では、図3乃至図7の構成要素のうち、半導体基板10、開口部10A、開口部17、配線層18、バンプ電極22、及びダイシングラインDLのみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
【0046】
その後、半導体基板10及び支持体15を含む積層体を、ダイシングラインDLに沿ってダイシングすることにより、複数の半導体装置に分離する。ここで、パッド電極12とダイシングラインDLとは大きく離間しているため、ダイシングの際に半導体基板10及び支持体15にダイシングブレードによる切削面が形成されても、半導体装置の側面からの水分等の浸入によるパッド電極12の腐食は生じにくくなる。また、半導体基板10とダイシングブレードの接触時の衝撃によるパッド電極12と配線層18との接続不良も生じにくくなる。
【0047】
なお、絶縁膜11,16の開口部17、配線層18、及びバンプ電極22の配置関係は、図2及び図8に示したような平面構成に限定されず、以下に示す変形例のような配置関係であってもよい。図9乃至図13は、本発明の実施形態による半導体装置の変形例を示す概略の平面図である。これらの半導体装置の断面構成は、図1の断面構成と同様であり、その製造方法は図3乃至図7に示した工程と同様であるため、その説明を省略する。
【0048】
例えば、半導体装置のパッド電極12は、図9に示すように、長方形の形状を有して形成されてもよい。
【0049】
また、図10に示すように、半導体基板10の開口部10Aと絶縁膜11,16の開口部17の形成領域を最小化するべく、開口部10Aと開口部17を円形に形成してもよい。
【0050】
また、図11に示すように、正方形の半導体基板10上に、絶縁膜11,16の開口部17とバンプ電極22が、それぞれ10個配置される構成として、配線層18と同様の材質及び製造方法によって形成される配線層58が、リード状に延びて、半導体基板10の開口部10A内において、絶縁膜11,16の開口部17を通して、各パッド電極12と接続されてもよい。この例では、正方形の開口部10A内に、複数の長方形の開口部17のうちの一部が、半導体基板10の開口部10Aの一辺に沿って配置され、その辺に直交する辺に沿って、他の開口部17が配置されている。
【0051】
あるいは、図12に示すように、長方形の半導体基板10上に、絶縁膜11,16の開口部17とバンプ電極22が、それぞれ10個配置されてもよい。
【0052】
また、図13のように、長方形の半導体基板10上に、絶縁膜11,16の開口部17とバンプ電極22が、それぞれ12個配置されてもよい。この場合、リード状に延びる配線層のパターンの自由度を高めるため、配線層18と同様の材質及び製造方法によって形成される配線層68は、バンプ電極22の形成領域では、円状の形状を有していることが好ましい。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で変更が可能なことは言うまでもない。
【0054】
例えば、上記実施形態では、配線層18,58,68とバンプ電極22との間にメッキ層21が形成されたが、このメッキ層21は必ずしも形成されなくともよく、配線層18,58,68とバンプ電極22が直接接続されてもよい。例えば配線層18,58,68が、銅からなる材料によって形成された場合、配線層18,58,68にバンプ電極22が直接接続されても、それらの材料の性質上、良好な接続を得ることができる。
【0055】
また、上記実施形態において、バンプ電極22は必ずしも形成される必要はない。例えば、バンプ電極22の替わりに、銀等を含む不図示の導電性ペーストが形成されるものであってもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、支持体15に、パッド電極12を露出する開口部を設け、支持体15の表面に、該開口部を通してパッド電極12と接続する配線層又は電極を形成してもよい。この構成では、支持体15の表面上に、他の半導体装置を積層して、上記配線層又は電極を介して、2つの半導体装置を電気的に接続することができる。
【0057】
また、上記実施形態において、半導体基板10と支持体15を含む積層体をダイシングした後に、支持体15を除去してもよい。即ち、上記実施形態は、最終的に支持体15を含まない半導体装置についても適用される。その場合には、支持体15に替わって、絶縁膜13が、充分な機械的強度を有する程度に厚く形成されてもよい。さらに、絶縁膜13上に保護膜を形成してもよい。この保護膜の材料は、特に限定されないが、例えば有機樹脂からなる。
【0058】
さらに、絶縁膜13に、あるいは絶縁膜13及びその上層の保護膜に、パッド電極12を露出する開口部を設け、絶縁膜13の表面、あるいは保護膜の表面に、該開口部を通してパッド電極12と接続する配線層又は電極を形成してもよい。この構成では、絶縁膜13の表面上、あるいは保護膜の表面上に、他の半導体装置を積層して、上記配線層又は電極を介して、2つの半導体装置を電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態による半導体装置及びその製造方法を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図13】本発明の実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図14】従来例による半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図15】従来例による半導体装置及びその製造方法を示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
10,110 半導体基板 10A,17,110A,117 開口部
11,13,16,19,111,113,116,119 絶縁膜
12,112 パッド電極 14,114 接着剤層
15,115 支持体 18,118 配線層
20,120 保護膜 21,121 メッキ層
22,122 バンプ電極
123 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の表面に接着剤層を介して貼り合わされた支持体と、
前記半導体基板に形成された開口部と、
前記開口部内で前記支持体上に配置された複数のパッド電極と、
前記開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁膜に覆われた半導体基板と、
前記半導体基板に形成された開口部と、
前記開口部内で前記絶縁膜上に配置された複数のパッド電極と、
前記開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記半導体基板の中央に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板の表面における所定の領域内に複数のパッド電極を形成する工程と、
前記半導体基板の表面に接着剤層を介して支持体を貼り合わせる工程と、
前記半導体基板であって前記所定の領域と重畳する領域に開口部を形成する工程と、
前記開口部内で各パッド電極と電気的に接続された配線層を形成する工程と、
前記半導体基板及び前記支持体を含む積層体を、前記開口部の外側に延びるダイシングラインに沿ってダイシングする工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記パッド電極を形成した後、前記半導体基板及び前記パッド電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記ダイシングの後、前記支持体を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記所定の領域及び前記開口部は、前記半導体基板の中央に形成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−103300(P2010−103300A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273229(P2008−273229)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【出願人】(501464440)三洋半導体製造株式会社 (49)
【Fターム(参考)】