説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】アンダーフィル内にボイドを発生することなく、十分なハンダバンプの接続信頼性と半導体装置の実装基板への2次実装信頼性を実現することを可能にする、半導体装置を提供する。
【解決手段】表面に電極パッドを有する基板11と、この電極パッドに電気的に接続するように、基板11上に設置された半導体チップ12と、基板11上に形成され、かつ、基板11及び半導体12チップの間にも充填されている、第1の樹脂層21と、この第1の樹脂層21上に積層され、第1の樹脂層21よりも弾性率が大きい、第2の樹脂層22を含む、半導体装置10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の電子機器の小型化、高機能化・高速化が進んでいる。それに伴い、こうした電子機器向けのIC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)等の半導体チップを搭載した半導体装置のさらなる小型化、高速化及び高密度化が要求されている。
半導体装置の小型化、高速化及び高密度化は、消費電力の増加を招き、単位体積当たりの発熱量も増加する傾向にある。
【0003】
従来、半導体チップの実装構造として、半導体チップの電極が形成された面をフェイスダウンにした状態で、基板にハンダバンプを用いてフリップチップ実装する構造が知られている。
【0004】
フリップチップ実装された半導体装置は、半導体チップ及び基板の熱膨張率の差異によっては、発熱によりハンダバンプによる接合部に応力が発生し、接続信頼性を低下させる、という問題がある。
また、同様に、半導体チップをフリップチップ実装した半導体装置の反り量が大きいと、半導体装置を実装基板に実装する際の2次実装信頼性を低下させる、という問題がある。
【0005】
このような問題に対して、半導体チップと基板との間の隙間をアンダーフィルにて充填し硬化させると共に、基板の一部を樹脂層で覆う構成の半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
即ち、例えば、図7Aに半導体装置の斜視図を示し、図7Bに図7AのA−A´における断面図を示すように、基板101と、その上の半導体チップ102との間の隙間を、アンダーフィル105により充填している。
基板101及び半導体チップ102は、基板101の表面(図中上面)の電極パッド103と、半導体チップ102の下面のハンダバンプ104とによって、電気的に接続されている。アンダーフィル105は、電極パッド103及びハンダバンプ104が接続された部分以外に充填されている。
そして、半導体チップ102の周囲の基板101を樹脂層110で覆って、半導体装置100を構成している。
また、基板101の裏面(図中下面)側には、ハンダボール106が形成されている。
【0007】
この構成とすることにより、アンダーフィルと基板上の樹脂層によって、ハンダバンプにかかる応力が緩和されるため、接続信頼性が向上する。また、基板の外力に対する変形を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−335740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、基板表面状態やアンダーフィル塗布量等のバラツキにより、アンダーフィルが半導体チップと基板の間に浸入する際に空気を巻き込み、ボイドを生じることがある。アンダーフィル内にボイドが存在した場合、半導体装置を実装基板に実装する際にハンダバンプが電気ショートすることが考えられる。
【0010】
特に、基板の電極パッド及び半導体チップのバンプの接続部について、その個数が増大することや、その間隔が狭くなることにより、アンダーフィル内にボイドが生じやすくなる。
【0011】
また、アンダーフィルと封止用の樹脂層との材料の選定によっては、ハンダバンプの応力が大きくなって、ハンダバンプの接続信頼性低下や半導体装置の反り量が大きくなり、半導体装置の実装基板への2次実装信頼性を低下することも考えられる。
【0012】
上述した問題の解決のために、本発明においては、アンダーフィル内にボイドを発生することなく、十分なハンダバンプの接続信頼性と半導体装置の実装基板への2次実装信頼性を実現することを可能にする、半導体装置及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の半導体装置は、表面に電極パッドを有する基板と、この電極パッドに電気的に接続するように、基板上に設置された半導体チップと、基板上に形成され、かつ、基板及び半導体チップの間にも充填されている、第1の樹脂層とを含む。
さらに、第1の樹脂層上に積層され、第1の樹脂層よりも弾性率が大きい、第2の樹脂層を含む。
【0014】
本発明の半導体装置の製造方法は、基板表面に形成された電極パッドに電気的に接続するように、基板上に半導体チップを設置する工程と、基板上及び、基板と半導体チップとの間に、トランスファーモールド法により、第1の樹脂層を形成する工程とを含む。
そして、第1の樹脂層上に積層して、トランスファーモールド法により、第1の樹脂層よりも弾性率が大きい、第2の樹脂層を形成する工程を含む。
【0015】
上述の本発明の半導体装置の構成によれば、基板上に形成された第1の樹脂層を、基板と半導体チップとの間にもトランスファーモールド法にて充填している。これにより、基板と半導体チップとの間にアンダーフィルを使用しないため、基板表面状態やアンダーフィル塗布量等のバラツキにより、アンダーフィルが半導体チップと基板の間に浸入する際に空気を巻き込み、ボイドを生じることがなくなる。
また、第1の樹脂層の上に、第1の樹脂層よりも弾性率が大きい第2の樹脂層を積層している。これにより、弾性率の小さい第1の樹脂層によって、基板と半導体チップとの接続部に発生する応力を低減することができ、弾性率の大きい第2の樹脂層によって半導体装置の反り量を低減することが可能になる。
【0016】
上述の本発明の半導体装置の製造方法によれば、基板上及び、基板と半導体チップとの間に、第1の樹脂層を形成し、この第1の樹脂層上に積層して、第1の樹脂層よりも弾性率が大きい第2の樹脂層を形成する。
これにより、上述したように、基板と半導体チップの間にボイドの発生がなく、基板と半導体チップとの接続部に発生する応力を低減することができ、半導体装置の反り量を低減することが可能な半導体装置を製造することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
上述の本発明によれば、基板と半導体チップの間にボイドの発生がなく、基板と半導体チップとの接続部に発生する応力を低減すると共に半導体装置の反り量を低減することが可能である。
従って、本発明により、半導体チップと基板との接続部の接続信頼性と、基板への2次実装信頼性とを向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体装置の概略構成図(断面図)である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図3】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図4】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の半導体装置の概略構成図(断面図)である。
【図6】シミュレーションの結果を示す図である。
【図7】A、B 従来提案されている半導体装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.変形例
4.シミュレーション
【0020】
<1.第1の実施の形態>
本発明の半導体装置の第1の実施の形態の概略構成図(断面図)を、図1に示す。
この半導体装置10は、基板11上に半導体チップ12が設けられて構成されている。
基板11の上面には、図示しないが、電極パッドが形成されており、この電極パッドに、半導体チップ12の下面に形成されたハンダバンプ13が接続されていることにより、基板11の電極パッドと半導体チップ12とが電気的に接続されている。
また、基板11の下面には、ハンダボール14が設けられている。
【0021】
本実施の形態の半導体装置10においては、特に、基板11上に形成する樹脂層を、下層の第1の樹脂層21と上層の第2の樹脂層22とを積層した構成としている。さらに、第1の樹脂層21を、基板11と半導体チップ12との間の隙間にもトランスファーモールド法にて充填している。
これにより、基板11と半導体チップ12との間にアンダーフィルを使用しないため、基板表面状態やアンダーフィル塗布量等のバラツキにより、アンダーフィルが半導体チップと基板の間に浸入する際に空気を巻き込み、ボイドを生じることがなくなる。
【0022】
そして、上層の第2の樹脂層22は、下層の第1の樹脂層21よりも、弾性率が大きい構成としている。
これにより、弾性率の小さい第1の樹脂層21によってハンダバンプ13に発生する応力を低減することができる。また、弾性率の大きい第2の樹脂層22によって、半導体装置10の反り量を低減することができる。
【0023】
第1の樹脂層21の厚さは、基板11の表面から半導体チップ12の下面までの高さよりも大きくなっており、基板11と半導体チップ12の間の隙間には、第1の樹脂層21のみが充填されている。
【0024】
第2の樹脂層22は、半導体チップ12よりも外側に形成されている。
そして、第2の樹脂層22の上面は、半導体チップ12の上面よりも下方の位置に形成されており、半導体チップ12の上面が露出している。
これにより、半導体チップ12の上面が第2の樹脂層22で覆われている構成と比較して、半導体チップ12の上面から放熱しやすくなる。
【0025】
第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22には、従来から封止樹脂として用いられている樹脂を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂において、弾性率を変えるには、例えば、ベースのエポキシ樹脂の化学構造や分子量、もしくは、樹脂に含有させるフィラー(カーボンやシリカ等)の粒子径や含有率を変えればよい。
【0026】
第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22は、好ましくは、従来使用されていたアンダーフィルと比較して、弾性率が大きい構成とする。
【0027】
第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22は、好ましくは、トランスファーモールド法により形成された構成とする。
これにより、基板11と半導体チップ12との間の隙間に充填された第1の樹脂層21において、ボイドの発生を抑制することができるので、半導体装置10を実装基板に実装する際にハンダバンプが電気ショートすることがなくなる。
【0028】
本実施の形態において、半導体チップ12の構成は、特に限定されるものではなく、各種の半導体チップを使用することができる。
例えば、CPU(中央処理装置)やMPU(マイクロプロセッサ)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の半導体チップを使用することができる。
【0029】
本実施の形態において、基板11の構成は特に限定されない。
特に、コア材を含まないコアレス基板の場合には、基板11が柔らかく反りやすいので、第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22を基板11上に形成することによって、基板11を補強して、反りを抑制することが有効である。
【0030】
本実施の形態の半導体装置10は、例えば、以下に説明するようにして、製造することができる。
【0031】
まず、図2に示すように、基板11の表面の電極パッドに、半導体チップ12の下面のハンダバンプ13を接続して、基板11上に半導体チップ12を実装する。
【0032】
次に、トランスファーモールド法により、図3に示すように、基板11上に第1の樹脂層21を形成すると共に、基板11と半導体チップ12との間に第1の樹脂層21を充填する。このとき、第1の樹脂層21の厚さは、基板11から半導体チップ12の下面までの高さ以上とする。
続いて、トランスファーモールド法により、図4に示すように、半導体チップ12の周囲の第1の樹脂層21上に、第2の樹脂層22を形成する。
このとき、好ましくは、第2の樹脂層22の上面を、半導体チップ12の上面よりも下方に位置するようにして、半導体チップ12の上面を露出させる。
【0033】
その後、基板11の裏面に、ハンダボール14を形成する。
このようにして、図1に示した半導体装置10を製造することができる。
【0034】
上述の本実施の形態の半導体装置10の構成によれば、基板11上に、下層の第1の樹脂層21と上層の第2の樹脂層22とを積層した構成として、第1の樹脂層21を基板11と半導体チップ12との間の隙間にも充填している。そして、上層の第2の樹脂層22は、下層の第1の樹脂層21よりも、弾性率が大きい構成としている。
これにより、基板11と半導体チップ12との間にアンダーフィルを使用しないため、基板表面のラフネス状態やアンダーフィル塗布量等のバラツキにより、アンダーフィルが半導体チップと基板の間に浸入する際に空気を巻き込みボイドを生じることがない。
また、弾性率の小さい第1の樹脂層21によってハンダバンプ13に発生する応力を低減することができ、弾性率の大きい第2の樹脂層22によって、半導体装置10の反り量を低減することができる。
【0035】
このように、アンダーフィル内にボイドを発生させることなく、ハンダバンプ13に発生する応力を低減することができると共に、半導体装置10の反り量を低減することができる。これにより、ハンダバンプ13の接続信頼性と基板11への2次実装信頼性とを向上することができる。
【0036】
<2.第2の実施の形態>
本発明の半導体装置の第2の実施の形態の概略構成図(断面図)を、図5に示す。
この半導体装置20は、基板11上に接続された半導体チップ12の上に、半導体チップ12を冷却するための冷却部材17が設けられている。
冷却部材17と、半導体チップ12の周囲の第2の樹脂層22との間は、接着剤15により接続されている。
また、冷却部材17と半導体チップ12の上面との間は、熱インターフェース材料層16により接続されている。
【0037】
冷却部材17としては、従来から公知の各種冷却部材を使用することができる。
例えば、金属製ヒートシンク、水冷式ヒートシンク、ペルチェ素子、等が挙げられる。
【0038】
熱インターフェース材料層16に使用される材料は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シアネートエステル系樹脂、フェノール樹脂、ナフタレン系樹脂のいずれかの樹脂を主成分として、この主成分に、Ag,Pd,Cu,Al,Au,Mo,W等の元素や、ダイヤモンド、アルミナ、AlN、ムライト、BN、SiC等のセラミック材料を含有するものが挙げられる。
【0039】
その他の構成は、第1の実施の形態の半導体装置10と同様であるので、重複説明を省略する。
【0040】
上述の本実施の形態の半導体装置20の構成によれば、第1の実施の形態の半導体装置10と同様に、下層の第1の樹脂層21と上層の第2の樹脂層22とを積層し、第1の樹脂層21を基板11と半導体チップ12との間の隙間にも充填している。そして、上層の第2の樹脂層22は、下層の第1の樹脂層21よりも、弾性率が大きい構成としている。
【0041】
これにより、基板11と半導体チップ12との間にアンダーフィルを使用しないため、基板表面のラフネス状態やアンダーフィル塗布量等のバラツキにより、アンダーフィルが半導体チップと基板の間に浸入する際に空気を巻き込みボイドを生じることがない。
また、弾性率の小さい第1の樹脂層21によってハンダバンプ13に発生する応力を低減することができ、弾性率の大きい第2の樹脂層22によって、半導体装置10の反り量を低減することができる。
従って、ハンダバンプ13の接続信頼性と基板11への2次実装信頼性とを向上することができる。
【0042】
また、本実施の形態の半導体装置20の構成によれば、半導体チップ12の上面は第2の樹脂層22には覆われておらず、熱インターフェース材料層16を介して、冷却部材17に接続されている。
これにより、半導体チップ12の熱を、冷却部材17で効率良く冷却することができる。
【0043】
<3.変形例>
上述した各実施の形態では、半導体チップ12よりも外側の基板11上には、第1の樹脂層21及び第2の樹脂層22のみが形成されていた。
これに対して、半導体チップ12よりも外側の部分の基板11上に、さらに、キャパシタやレジスタ等の受動素子を設けて、この受動素子を第1の樹脂層21及び第2の樹脂層で覆う構成としてもよい。
本発明の半導体装置によれば、半導体装置の反り量を低減することができるため、これら受動素子の実装信頼性をも向上することができ、コアレス基板を用いても十分な実装信頼性を確保することが可能になる。
【0044】
図5に示した第2の実施の形態では、半導体チップ12の上に熱インターフェース材料層16を介して冷却部材17を接続していた。
本発明では、冷却部材を設ける場合の構成は、図5に示した構成に限定されるものではなく、その他の構成も可能である。例えば、半導体チップ上に、ヒートスプレッダを介して、ヒートシンクを接続する構成も可能である。冷却部材の大きさは、半導体チップ全面を冷却できれば良いので、半導体チップの上面と同程度以上であればよい。冷却部材の形状は、図5の平板状の他に、フィン等の突出部が設けられた構成としてもよい。
【0045】
上述の各実施の形態では、基板11と半導体チップ12とを、ハンダバンプ13を用いてフリップチップ接続していたが、本発明において、基板と半導体チップとの接続は、その他の構成とすることも可能である。
例えば、Au−AuスタッドバンプやAu−はんだ接続を用いることや、フリップチップ接続以外の接続方法とすることも可能である。
少なくとも、基板と半導体チップとの間に、第1の樹脂層を充填することが可能な構成であれば、本発明を適用することができる。
【0046】
<4.シミュレーション>
シミュレーションを用いて、本発明の半導体装置の構成と、従来の半導体装置の構成とで、特性を比較した。
基板上に半導体チップが接続され、基板と半導体チップとの間を、第1の樹脂(従来の構成の場合はアンダーフィル)として、基板の半導体チップよりも外側の部分に、キャパシタ等の受動素子が接続されたモデルを用いて、シミュレーションを行った。
そして、シミュレーションを行って、基板に接続されたハンダバンプに発生する応力と、半導体装置全体の反り量とを、それぞれ求めた。
第1の樹脂、第2の樹脂、アンダーフィルの特性は、表1に示すように設定した。
第1の樹脂のガラス転移温度Tg以下の弾性率は、表2に示すように、値を変えた5つの例を設定した。
【0047】
【表1】

【表2】

【0048】
シミュレーションを行った結果として、第1の樹脂の弾性率と、ハンダバンプの応力及び反り量との関係を、図6に示す。
従来の半導体装置の構成については、ハンダバンプに発生する応力を白抜き三角で示し、反り量を白抜き丸で示している。
本発明の半導体装置の構成については、ハンダバンプに発生する応力を黒三角で示し、反り量を黒丸で示した。
【0049】
図6に示す結果より、本発明の半導体装置のハンダバンプに発生する応力と反り量が従来の半導体装置に比べ小さく信頼性が向上することがわかる。
また、第1の樹脂の弾性率が第2の樹脂の弾性率よりも大きい場合には、反り量の改善効果が小さくなることがわかる。
【0050】
さらに、この条件では、第1の樹脂の弾性率を500kgf/mm以上にすれば、ハンダバンプにかかる応力を十分に小さくできることがわかる。
そして、反り量も考慮すると、応力と反り量を共に十分に小さくできる、第1の樹脂の弾性率の範囲は、800〜1500kgf/mm程度と考えられる。
【0051】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【符号の説明】
【0052】
10,20 半導体装置、11 基板、12 半導体チップ、13 ハンダバンプ、14 ハンダボール、16 熱インターフェース材料層、17 冷却部材、21 第1の樹脂層、22 第2の樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に電極パッドを有する基板と、
前記電極パッドに電気的に接続するように、前記基板上に設置された半導体チップと、
前記基板上に形成され、かつ、前記基板及び前記半導体チップの間にも充填されている、第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層上に積層され、前記第1の樹脂層よりも弾性率が大きい、第2の樹脂層とを含む
半導体装置。
【請求項2】
前記第2の樹脂層の上面は、前記半導体チップの上面よりも下方に位置している請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップ上に設けられ、前記半導体チップの熱を放熱するための冷却部材と、前記冷却部材を熱的に接続する熱インターフェース材料層とをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
基板表面に形成された電極パッドに電気的に接続するように、前記基板上に半導体チップを設置する工程と、
前記基板上及び、前記基板と前記半導体チップとの間に、トランスファーモールド法により、第1の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層上に積層して、トランスファーモールド法により、前記第1の樹脂層よりも弾性率が大きい、第2の樹脂層を形成する工程とを含む
半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2の樹脂層の上面が、前記半導体チップの上面よりも下方に位置するように、前記第2の樹脂層を形成する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−104706(P2012−104706A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252910(P2010−252910)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】