説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】PoP構造の上パッケージの構成の自由度を向上させることができると共に、比較的低コストで製造することが可能である、半導体装置を提供する。
【解決手段】基板12と、この基板12上に実装された半導体チップ11と、基板12の上面及び半導体チップ11が絶縁材15により封止されて成るパッケージ10と、このパッケージ10の上面に露出したモールド材32と、一端がこのモールド材32に接続され、他端が基板12に電気的に接続され、モールド材32との接続部から基板12との接続部まで、同一材料により一体に形成され、モールド材32との接続部がパッケージ10の上面に露出したリード31とを含む、半導体装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを含むパッケージから成る半導体装置及びその製造方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
電子機器において、半導体チップを用いた部品の小型化を目的として、半導体チップを含むパッケージを複数個積層した、所謂PoP(Package on Package)構造が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
PoP構造では、複数個のパッケージを横に並べた構造と比較して、実装面積で有利であり、伝送経路が短くなる、という利点を有している。
【0004】
従来から提案されているPoP構造では、下パッケージの半導体チップの周囲に設けられた、半田ボールや配線等によって、下パッケージと上パッケージとの接続を行っている。
この構成の場合、上パッケージは、半田ボール等の接続部に対応して、大きいサイズで形成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許公開第2006/082620号(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した、下パッケージの半導体チップの周囲に設けられた、半田ボールや配線等によって下パッケージと上パッケージとの接続を行う構成では、下パッケージの大きさに合わせて上パッケージを設計することが必要になる。
そのため、上パッケージを規格化したり、上パッケージに汎用品等の任意のパッケージを使用したりすることが難しくなる。そして、下パッケージに新規開発品を用いると、上パッケージも下パッケージに合わせて新規に開発する必要が生じることがある。
【0007】
特に、半田ボールによって下パッケージと上パッケージとの接続を行う構成では、接続部の大きさが、半田ボールのピッチやサイズで決まる。
パッケージの反りを考慮した確実な接続を確保するためには、大きめのピッチとサイズが必要であり、これに伴いパッケージの外形サイズも大きくなる。
【0008】
また、上パッケージの半導体チップが下パッケージの半導体チップよりも小さい場合には、上パッケージの半導体チップから下パッケージとの接続部までの距離が長くなる。
この場合に、下パッケージとの接続部と上パッケージとの間を、中継基板に形成した配線層を用いて接続することが考えられる。例えば、下パッケージに、基板のパッドから上面まで貫通するビアホールを形成して、ビアホール内に導電層を埋め込み、この導電層と上パッケージとの間を、中継基板に形成された配線層で接続すればよい。
【0009】
しかしながら、中継基板を使用する場合、また、ビアホール内の導電層と、中継基板の配線層とを、それぞれ別々の工程で形成する必要があり、製造工程数が煩雑になってしまう。このため、製造コストが高くなったり、生産性が落ちたりする。
【0010】
上述した問題の解決のために、本発明においては、PoP構造の上パッケージの構成の自由度を向上させることができると共に、比較的低コストで製造することが可能である、半導体装置及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の半導体装置は、基板と、この基板上に実装された半導体チップと、基板の上面及び半導体チップが絶縁材により封止されて成るパッケージと、このパッケージの上面に露出したモールド材とを含む。
また、一端がこのモールド材に接続され、他端が基板に電気的に接続され、モールド材との接続部から基板との接続部まで、同一材料により一体に形成され、モールド材との接続部がパッケージの上面に露出したリードとを含む。
【0012】
上述の本発明の半導体装置の構成によれば、モールド材と、一端がこのモールド材に接続され、他端が基板に電気的に接続され、モールド材との接続部から基板との接続部まで、同一材料により一体に形成されたリードを用いている。
これにより、従来公知の技術を用いて、容易に、かつ安価に、基板からパッケージの上面までを電気的に接続することが可能になる。
そして、リードのモールド材との接続部がパッケージの上面に露出しているので、このパッケージの上面に露出した、モールド材との接続部に、他のパッケージを電気的に接続して、PoP構造のパッケージを作製することが可能になる。
また、リードによって、基板との接続部の真上から、他のパッケージとの接続部を離すことが可能になる。そのため、例えば他のパッケージが小さくても、接続することが可能になる。
【0013】
本発明の半導体装置は、基板と、この基板上に実装された第1の半導体チップと、基板の上面及び第1の半導体チップが絶縁材により封止されて成る第1のパッケージと、この第1のパッケージの上面に露出したモールド材とを含む。
また、一端がこのモールド材に接続され、他端が基板に電気的に接続され、モールド材との接続部から基板との接続部まで、同一材料により一体に形成され、モールド材との接続部が第1のパッケージの上面に露出したリードを含む。
さらに、第2の半導体チップと、この第2の半導体チップが絶縁材により封止されて成り、第1のパッケージの表面に露出した、リードのモールド材との接続部上に電気的に接続された、第2のパッケージとを含む。
【0014】
上述の本発明の半導体装置の構成によれば、モールド材と、一端がこのモールド材に接続され、他端が基板に電気的に接続され、モールド材との接続部から基板との接続部まで、同一材料により一体に形成されたリードを用いている。
これにより、従来公知の技術を用いて、容易に、かつ安価に、基板から第1のパッケージの上面までを電気的に接続することが可能になる。
そして、リードのモールド材との接続部が第1のパッケージの上面に露出していて、このモールド材との接続部に第2のパッケージを電気的に接続しているので、PoP構造のパッケージが構成されている。
また、リードによって、基板との接続部の真上から、第2のパッケージとの接続部を離すことが可能になる。そのため、例えば第2のパッケージが小さくても、接続することが可能になる。
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体チップを実装する工程と、一端がモールド材に接続され、モールド材との接続部から他端まで同一材料により一体に形成された、リードの他端の部分を、基板に電気的に接続する工程とを含む。
さらに、リードのモールド材との接続部及びモールド材が上面に露出するように、基板の上面、半導体チップ、リード、並びにモールド材を絶縁材により封止して、パッケージを形成する工程を含む。
【0016】
上述の本発明の半導体装置の製造方法によれば、一端がモールド材に接続され、モールド材との接続部から他端まで同一材料により一体に形成された、リードの他端の部分を、基板に電気的に接続している。そして、リードのモールド材との接続部及びモールド材が上面に露出するように、基板の上面、半導体チップ、リード、並びにモールド材を絶縁材により封止して、パッケージを形成する。
これにより、容易に、かつ安価に、基板からパッケージの上面までを電気的に接続することが可能になる。
そして、リードのモールド材との接続部をパッケージの上面に露出させるので、このパッケージの上面に露出した、モールド材との接続部に、他のパッケージを電気的に接続して、PoP構造のパッケージを作製することが可能になる。
また、リードによって、基板との接続部の真上から、第2のパッケージとの接続部を離すことが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
上述の本発明によれば、容易に、かつ安価に、基板からパッケージの上面までを電気的に接続することが可能になるので、PoP構造のパッケージを、安いコストで構成し、安いコストで製造することが可能になる。
【0018】
また、本発明によれば、リードによって、基板との接続部の真上から、他のパッケージ(第2のパッケージ)との接続部を離すことが可能になるので、他のパッケージ(第2のパッケージ)の構成の自由度を向上することができる。
これにより、例えば、小さいパッケージや、汎用品のパッケージ、規格品のパッケージを、他のパッケージ(第2のパッケージ)として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の半導体装置の第1の実施の形態の概略構成図(一部側面を示す断面図)である。
【図2】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図3】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図4】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図5】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図6】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図7】図1の半導体装置の製造方法を示す製造工程図である。
【図8】ペリフェラルパッケージの構成をTSOPとした場合の図7のパッケージの平面図である。
【図9】A〜C ペリフェラルパッケージの製造方法を示す製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.変形例
【0021】
<1.第1の実施の形態>
本発明の半導体装置の第1の実施の形態の概略構成図(一部側面を示す断面図)を、図1に示す。
この半導体装置は、第1のパッケージ(下パッケージ)10と第2のパッケージ(上パッケージ)20とが積層された、PoP構造となっている。
【0022】
第1のパッケージ(下パッケージ)10は、第1の半導体チップ11がモールド樹脂15に封止されて成る。
第1の半導体チップ11は、インターポーザ基板12の上に、絶縁性又は導電性のペースト13によって、ダイボンドされている。
インターポーザ基板12は、コア材に、水平方向及び上下方向に配線層17が形成されて成る。配線層17のうち、インターポーザ基板12の表面に露出した配線層がパッド17Aとなる。そして、インターポーザ基板12の上面がモールド樹脂15で完全に封止されて、第1のパッケージ(下パッケージ)10が構成されている。
インターポーザ基板12の上面及び下面には、インターポーザ基板12から露出した配線層17の一部を覆うように、絶縁材(ソルダレジスト等)18が形成されている。
さらに、インターポーザ基板12の下面には、下面側に露出した配線層17に接続された半田ボール16が、多数形成されている。
また、第1の半導体チップ11の上面に形成された電極パッド(図示せず)と、インターポーザ基板12の上面の配線層17との間を、金線14のワイヤによって、電気的に接続している。
【0023】
第2のパッケージ(上パッケージ)20は、第2の半導体チップ21がモールド樹脂24に封止されて成る。
第2の半導体チップ21は、コア材22の上下両面に絶縁材27が形成された基板の、上面の絶縁材27上に配置されている。この基板には、その上面や下面において、絶縁材27の内部や絶縁材27がない部分に、配線層26が形成されている。また、配線層26は、コア材の一部を貫通しているプラグ層を含む。配線層26のうち、基板の上面に露出した配線層がパッド26Aとなる。そして、基板の上面がモールド樹脂24で完全に封止されて、第2のパッケージ(上パッケージ)20が構成されている。
さらに、基板の下面に露出した配線層26に接続されて、半田ボール25が形成されている。
また、第2の半導体チップ21の上面に形成された電極パッド(図示せず)と、基板の上面のパッド26Aとの間を、金線23のワイヤによって、電気的に接続している。
【0024】
なお、第1のパッケージ10の金線14及び半田ボール16や、第2のパッケージ20の金線23は、図1に示した全てのものが同一断面に存在するわけではない。図1では、これらの部品14,16,23については、側面から見たように、異なる断面に存在するものを併せて示している。
【0025】
本実施の形態においては、特に、第1のパッケージ10のインターポーザ基板12の上面のパッド17Aと、第2のパッケージ20の半田ボール25との間を、第1のパッケージ10内に設けられたペリフェラルパッケージ30によって、電気的に接続している。
ペリフェラルパッケージ30は、モールド樹脂32と、このモールド樹脂32から延びるリードフレーム31とから成る。
そして、このペリフェラルパッケージ30は、モールド樹脂32と、リードフレーム31のモールド樹脂32付近の部分(接続部)とが、第1のパッケージ10のモールド樹脂15の表面に露出している。第2のパッケージ20の半田ボール25は、第1のパッケージの表面に露出した、リードフレーム31のモールド樹脂32付近の接続部上に、電気的に接続されている。
また、ペリフェラルパッケージ30のリードフレーム31は、ガルウイング状に曲げて成形されている。そして、リードフレーム31の一端がモールド樹脂32に接続されて固定されており、リードフレーム31の他端の先端部が第1のパッケージ10のインターポーザ基板12の上面のパッド17Aに接続されている。リードフレーム31は、一端のモールド樹脂32との接続部から、他端のパッド17Aの接続部まで、同一材料により一体に形成されている。
【0026】
ペリフェラルパッケージは、従来から製造されている構成を活用することが可能であり、安価に製造することができる。
通常のペリファラルパッケージでは、モールド樹脂内に半導体チップがモールドされ、リードフレームと半導体チップとがモールド樹脂内のワイヤ等により電気的に接続されている。
本実施の形態のペリフェラルパッケージ30では、モールド樹脂32内に半導体チップやワイヤを含まないので、モールド樹脂32をその分薄く形成すればよい。そのため、例えば、モールド樹脂32用の金型を、薄いモールド樹脂32に対応した構成に変えれば、通常のペリファラルパッケージの製造ラインで製造することが可能である。
【0027】
ペリフェラルパッケージ30のモールド樹脂32から延びるリードフレーム31の配置は、特に限定されない。リードフレーム31が左右の2方向に延びるLQFP(Low profile Quad Flat Package)であっても、リードフレーム31が前後左右の4方向に延びるTSOP(Thin Small Outline Package)であっても良い。
【0028】
また、図1では、ペリフェラルパッケージ30のモールド樹脂32とリードフレーム31とがほぼ同じ厚さになっているが、これらの厚さが多少異なっていて、どちらかが厚くても構わない。
【0029】
ペリフェラルパッケージ30のリードフレーム31は、ガルウイング形状に限定されず、その他の形状としても構わない。また、図1ではリードフレーム31の中間部が斜め方向に延びて形成されているが、リードフレームの中間部を、上下方向に延びる形状、もしくは上下方向に近い方向に延びる形状、とすることも可能である。
リードフレームがいずれの形状であっても、一端のモールド樹脂との接続部から、他端の基板との接続部までが、同一材料により一体に形成されていればよい。
【0030】
第1のパッケージ10の第1の半導体チップ11と、第2のパッケージ20の第2の半導体チップ21とは、特に構成が限定されるものではなく、各種の機能を有する半導体チップを使用することができる。
具体的には、例えば、第1の半導体チップ11を演算処理回路として、第2の半導体チップ21を記憶回路とすることが考えられる。
【0031】
本実施の形態の半導体装置は、例えば以下に説明するようにして、製造することができる。
まず、図2に示すように、インターポーザ基板12を用意する。インターポーザ基板12は、コア材に、水平方向及び上下方向に配線層17が形成されて成る。配線層17のうち、インターポーザ基板12の表面の配線層17がパッド17Aとなる。
次に、図3に示すように、ダイボンド工程として、第1の半導体チップ11を、導電性又は絶縁性のペースト13によって、インターポーザ基板12上にダイボンドする。
次に、図4に示すように、ワイヤボンド工程として、第1の半導体チップ11上の電極パット(図示せず)と、インターポーザ基板12のインナーリードパターン(配線層17)とを、金線14で結線する。
次に、図5に示すように、リードフレーム31及びモールド樹脂32から成るペリフェラルパッケージ30を、リードフレーム31の先端部において、導電性ペーストでインターポーザ基板12の表面に露出したパッド17Aにダイボンドする。
次に、図6に示すように、モールド工程として、第1の半導体チップ11、金線14、ペリフェラルパッケージ30(31,32)を、インターポーザ基板12の片面のみに、モールド樹脂15を用いて封止して、パッケージを形成する。このとき、金型の壁面にペリフェラルパッケージ30の上面が接するようにして、ペリフェラルパッケージ30のモールド樹脂32及びリードフレーム31をパッケージの上面に露出させる。
次に、図7に示すように、ボール搭載工程として、外部端子となる、はんだボール16をインターポーザ基板12の裏面にマウントして、リフロー法で固着させる。これにより、図1に示した第1のパッケージ(下パッケージ)10が完成する。
【0032】
ここで、ペリフェラルパッケージ30(31,32)の構成をTSOPとした場合の図7のパッケージ(第1のパッケージ10)の平面図を図8に示す。
図8に示すように、ペリフェラルパッケージ30のモールド樹脂32の左右の縁の部分に形成された略円形の穴に、リードフレーム31の一端の略円形の部分が埋め込まれている。リードフレーム31は、モールド樹脂32との接続部付近が、第1のパッケージ10のモールド樹脂15の表面に露出している。
【0033】
その後は、第1のパッケージ(下パッケージ)10の上面に露出した、ペリフェラルパッケージ30のリードフレーム31(特に、図8の略円形の先端部)に、第2のパッケージ(上パッケージ)20の下面の半田ボール25を接続する。
このようにして、図1に示した本実施の形態の半導体装置を製造することができる。
【0034】
なお、ペリフェラルパッケージ30は、以下に説明するようにして、製造することができる。
図9Aに示すように、直線形状に延びたリードフレーム31を用意する。
次に、図9Bに示すように、モールド工程として、リードフレーム31の一端部をモールド樹脂32で封止する。
次に、図9Cに示すように、リードフォーミング工程として、リードフレーム31のモールド樹脂32よりも外側の外部リード部を、所定のガルウイング形状にフォーミングする。
このようにして、リードフレーム31及びモールド樹脂32から成る、ペリフェラルパッケージ30を製造することができる。
【0035】
上述の本実施の形態の半導体装置の構成によれば、リードフレーム31の一端部をモールド樹脂32で封止して固定してペリフェラルパッケージ30を構成している。そして、リードフレーム31の他端部をインターポーザ基板12の上面側のパッド17Aに電気的に接続して、リードフレーム31のモールド樹脂32との接続部と、モールド樹脂32とを、第1のパッケージ10の上面に露出させている。リードフレーム31は、一端のモールド樹脂32との接続部から、他端のパッド17Aとの接続部まで、同一材料により一体に形成されている。
これにより、従来公知のペリフェラルパッケージの製造技術を用いて、容易に、かつ安価に、リードフレーム31及びモールド樹脂32から成るペリフェラルパッケージ30を製造することができる。そして、リードフレーム31が、モールド樹脂32との接続部からパッド17Aとの接続部まで、同一材料により一体に形成されているので、安い材料コストで、インターポーザ基板12から第1のパッケージ10の上面までを電気的に接続することができる。
【0036】
さらに、リードフレーム31のモールド樹脂32との接続部が第1のパッケージ10の上面に露出していて、この接続部に第2のパッケージ20の半田ボール25を電気的に接続することにより、PoP構造のパッケージが構成されている。
従って、本実施の形態の構成により、PoP構造のパッケージを、安いコストで構成し、安いコストで製造することが可能になる。
【0037】
また、リードフレーム31によって、インターポーザ基板12のパッド17Aとの接続部の真上から、第2のパッケージ20との接続部を離すことが可能である。これにより、第2のパッケージ20の構成の自由度を向上することができる。
例えば、第2のパッケージ20が第1のパッケージ10と比較して小さくても、接続することが可能になる。
例えば、汎用品のパッケージや規格品のパッケージを、第2のパッケージとして使用することができる。汎用品や規格品を使用することにより、パッケージの開発費を抑制することや、パッケージの開発期間を短縮することが可能になる。
【0038】
また、図1では第1のパッケージ10と第2のパッケージ20とを接続した状態としているが、本実施の形態の構成を利用して、例えば、汎用品や規格品の第2のパッケージ20に対応する第1のパッケージ10単体を製造して、販売することも可能になる。
【0039】
<2.変形例>
上述の実施の形態では、第2のパッケージ20とペリフェラルパッケージ30との接続を、第2のパッケージ20の基板の下面に形成された半田ボール25によって行っていた。
本発明では、第2のパッケージと、第1のパッケージの上面(ペリフェラルパッケージ)との電気的接続は、半田ボールに限定されず、その他の構成で行っても構わない。例えば、平面電極パッド(LGA;Land Grid Array)、ピン(PGA;Pin Grid Array)、異方性導電膜等が挙げられる。
【0040】
上述の実施の形態では、第1の半導体チップ11、第2の半導体チップ21を、それぞれ、モールド樹脂15、モールド樹脂24で封止して、リードフレーム31の一端にモールド樹脂32を接続していた。
本発明において、半導体チップを封止する絶縁材や、リードの一端に接続するモールド材は、モールド樹脂に限定されるものではなく、他の材料の絶縁材(セラミック等)やモールド材を使用することも可能である。絶縁材やモールド材として、モールド樹脂を使用した場合には、比較的容易に安価で封止することができる。
【0041】
上述の実施の形態では、コア材に水平方向及び上下方向に配線層17が形成されたインターポーザ基板12を、第1のパッケージの基板として使用していた。
本発明では、その他の構成の基板を、第1のパッケージ(下パッケージ)用の基板として使用することも可能である。
半導体チップを基板に実装することができ、かつ、基板の上面に形成された、配線層やパッドに、リードを電気的に接続することが可能であり、下面等でパッケージの外部と電気的に接続することが可能な構成であればよい。
【0042】
上述の実施の形態では、パッケージを2個積層して、PoP構造のパッケージとしていた。本発明では、パッケージを積層する個数を3個以上とすることも可能である。
本発明の特徴である、リードとモールド材から成る接続部材は、積層されたn(nは2以上の自然数)個のパッケージのうち、下から1番目から(n−1)番目までのパッケージに使用することが可能である。
【0043】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【符号の説明】
【0044】
10 第1のパッケージ、11 第1の半導体チップ、12 インターポーザ基板、13 ペースト、14,23 金線、15,24,32 モールド樹脂、16,25 半田ボール、17,26 配線層、20 第2のパッケージ、21 第2の半導体チップ、30 ペリフェラルパッケージ、31 リードフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に実装された半導体チップと、
前記基板の上面及び前記半導体チップが絶縁材により封止されて成るパッケージと、
前記パッケージの上面に露出したモールド材と、
一端が前記モールド材に接続され、他端が前記基板に電気的に接続され、前記モールド材との接続部から前記基板との接続部まで、同一材料により一体に形成され、前記モールド材との接続部が前記パッケージの上面に露出したリードとを含む
半導体装置。
【請求項2】
前記基板の上面に形成され、前記リードの他端が電気的に接続されたパッドをさらに含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
基板と、
前記基板上に実装された第1の半導体チップと、
前記基板の上面及び前記第1の半導体チップが絶縁材により封止されて成る第1のパッケージと、
前記第1のパッケージの上面に露出したモールド材と、
一端が前記モールド材に接続され、他端が前記基板に電気的に接続され、前記モールド材との接続部から前記基板との接続部まで、同一材料により一体に形成され、前記モールド材との接続部が前記第1のパッケージの上面に露出したリードと、
第2の半導体チップと、
前記第2の半導体チップが絶縁材により封止されて成り、前記第1のパッケージの表面に露出した、前記リードの前記モールド材との接続部上に電気的に接続された、第2のパッケージとを含む
半導体装置。
【請求項4】
前記基板の上面に形成され、前記リードの他端が電気的に接続されたパッドをさらに含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2の半導体チップの下面に形成され、前記第1のパッケージの上面に露出した、前記リードの前記モールド材との接続部上に電気的に接続された、半田ボールをさらに含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
基板上に半導体チップを実装する工程と、
一端がモールド材に接続され、前記モールド材との接続部から他端まで同一材料により一体に形成された、リードの前記他端の部分を、前記基板に電気的に接続する工程と、
前記リードの前記モールド材との接続部、及び前記モールド材が上面に露出するように、前記基板の上面、前記半導体チップ、前記リード、並びに前記モールド材を絶縁材により封止して、パッケージを形成する工程とを含む
半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−119558(P2012−119558A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269105(P2010−269105)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】