説明

半導体装置用ソケット

【課題】半導体装置の電極密度が高密度化された場合であっても、コンタクト端子の配列における狭ピッチ化に容易に対応しインピーダンス整合を図ることができ、しかも、大幅な設計変更することなくコンタクト端子ごとの配置の変更も容易にできること。
【解決手段】信号ラインに対応した金属製アッパハウジング10のセル10aiにおいて、電気絶縁性を有するアダプタ24の端部と電気絶縁性を有するロアハウジング12の内面との間には、環状の空気層Aiが互いに同一の構成を有するコンタクト端子20aiのスリーブ20Sの周囲に形成され、また、接地ラインに対応したセル10aiにおいては、コンタクト端子20aiの接点部20CT2がロアハウジング12の透孔12aiに挿入され、その接点部20CT1がセル10aiの内面に当接する導電性のカラー22の小径孔22bに挿入されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器などに実装される電子装置としての半導体装置において、一般に、実装される以前の段階でその潜在的欠陥を除去するための試験が半導体装置用ソケットを介してなされる。このような試験、または、実装に供される半導体装置用ソケットは、一般に、ICソケットと称され、例えば、特許文献1にも示されるように、プリント配線基板(テストボード、または、実装基板)上に配される。
【0003】
半導体装置用ソケットが、比較的高周波数帯域、例えば、1GHz以上のRF信号が伝送される伝送路内に設けられる場合、ICソケットにおいて比較的高周波数帯域の信号の伝送性能を高めるためにインピーダンス整合を図るとともに、コンタクト端子の可動端子部における接点部とその半田付け固定端子部の基端部との間の長さをより短くしインダクタンスを減少させることにより、比較的高周波数帯域の信号の伝送性能が高められることが知られている。
【0004】
また、ICソケットにおいては、例えば、特許文献1における図9にも示されるように、互いに重ね合わされた第1基板および第2基板からなるホルダ基板と、第1基板および第2基板内の各開口部に収容される複数の接触子とを含んで構成されるものが提案されている。
【0005】
斯かる構成においては、ホルダ基板は、表面処理が施された導電性材料で作られている。また、所謂、スプリングプローブ等からなる各信号用接触子が、例えば、被検査物としての半導体装置における所定の信号ラインに対応し、ホルダ基板においてその厚さ方向に貫通する各開口部に、絶縁性パイプ部材を介して個別に収容されている。これにより、各信号用接触子の外径を大きくすることができるので伝送信号の減衰が抑制されるとともに、高周波電気信号を伝送する信号ラインのインピーダンスが所定の値に調整されることとなる。その際、各信号用接触子が収容される各開口部に対し所定の間隔をもって隣接した位置には、半導体装置における所定の接地ラインおよび電源ラインに対応した各開口部が形成されている。各開口部内には、信号用接触子の最大直径よりも大なる最大直径を有するアース用接触子、および、信号用接触子の直径と同一の直径を有する給電用接触子が収容されている。
【0006】
アース用接触子は、導電性パイプ部材を介して開口部内に収容されている。また、給電用接触子は、絶縁性パイプ部材を介して開口部内に収容されている。アース用接触子の最大直径は、上述したように、信号用接触子および給電用接触子の最大直径に比して大に設定されている。
【0007】
さらに、特許文献1における図2および図8にも示されるように、互いに同一の直径を有する信号用接触子、アース用接触子、および、給電用接触子のみが各開口部に収容されるもの、あるいは、互いに同一の直径を有する信号用接触子、アース用接触子、および、給電用接触子が、それぞれ、インピーダンス補正部材を介して各開口部に収容されるものも提案されている。
【0008】
インピーダンスが不整合となる場合がある第1基板および第2基板の厚さは、極力薄く製作されることが要望されるとともに、第1基板および第2基板の曲げ剛性の大きさは、半導体装置の電極部の電極数の増大に応じて接触子の数量が増大する場合、複数個の接触子の位置精度を低下させず、かつ、第1基板および第2基板が撓まないような値であることが要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−156530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、半導体装置においては、半導体装置の電極部における電極間ピッチが狭小とされ、その電極部の高密度化の傾向がある。従って、半導体装置の電極部の高密度化に伴い、例えば、ICソケットにおけるコンタクト端子の数量が約1000本を越える場合がある。
【0011】
このような場合、特許文献1に示されるように、互いに同一の直径を有する信号用接触子、アース用接触子、および、給電用接触子が、それぞれ、インピーダンス補正部材を介して各開口部に収容される場合、信号ライン、電源ライン、および、接地ラインすべてにおいて共通のインピーダンス補正部材が用いられているのでインピーダンス補正部材の材質に高い絶縁性と耐熱性が要される。即ち、その最適な材料選定において、制限が多くなる。また、アース用接触子の周囲は絶縁性の部材に取り囲まれているため、ホルダ基板を導電性部材とした場合でもホルダ基板とグランド導通させることができず、インピーダンスの調整が困難となる虞がある。
【0012】
また、絶縁性を有する共通のインピーダンス補正部材の材料として一般的な樹脂材料およびセラミックス等が用いられた場合には、比誘電率が大きくなりインピーダンスの設定値を比較的大きくできない。さらに、電源ラインの電流容量を増大させるように、接触子の先端が通過するホルダ基板の孔径を比較的大に設定した場合もインピーダンスの設定値を比較的大きくできない。
【0013】
仮に、上述のインピーダンスの設定値を大きくした場合、接触子の配置間隔をより狭くできないので半導体装置の電極部における高密度化に対応できないという問題を伴う。
【0014】
さらに、半導体装置における信号ライン、電源ライン、および、接地ラインの設計変更に伴うICソケットにおける信号用接触子、アース用接触子、および、給電用接触子の配置の変更が要求される場合、特許文献1に示されるような構成においては信号用接触子ごとの交換は困難なので対応できないという問題も伴う。
【0015】
以上の問題点を考慮し、本発明は、半導体装置用ソケットであって、半導体装置の電極密度が高密度化された場合であっても、コンタクト端子の配列における狭ピッチ化に容易に対応しインピーダンス整合を図ることができ、しかも、大幅な設計変更することなくコンタクト端子ごとの配置の変更も容易にできる半導体装置用ソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置用ソケットは、構成が互いに同一とされるコンタクト端子が通過する開口端を有し、コンタクト端子が接続される半導体装置における少なくとも信号ラインおよび接地ラインに対応したコンタクト端子を個別に収容するコンタクト端子用セルを複数個有するコンタクト端子収容部を備える導電性材料製のアッパハウジングと、コンタクト端子用セルの開口端を覆うようにアッパハウジングに配され、コンタクト端子の一端が挿入される孔をコンタクト端子用セルに対応させて有する電気的絶縁性材料製のロアハウジングと、信号ラインに対応したコンタクト端子用セルにおけるコンタクト端子の周囲に形成される空気層と、接地ラインに対応したコンタクト端子用セルにおける前記コンタクト端子の外面とコンタクト端子用セルの内面との間に内面に当接するように配される導電性のカラー部材と、を備え、信号ラインに対応したコンタクト端子用セルにおけるインピーダンスが、空気層の容積に応じて設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る半導体装置用ソケットによれば、電気的絶縁性材料製のロアハウジングと、導電性材料製のアッパハウジングとを備え、アッパハウジングが、構成が互いに同一とされるコンタクト端子が通過する開口端を有し、コンタクト端子が接続される半導体装置における少なくとも信号ラインおよび接地ラインに対応したコンタクト端子を個別に収容するコンタクト端子用セルを複数個有するコンタクト端子収容部を有し、また、信号ラインに対応したコンタクト端子用セルにおけるインピーダンスが、コンタクト端子の周囲に形成される空気層の容積に応じて設定されるので半導体装置の電極密度が高密度化された場合であっても、コンタクト端子の配列における狭ピッチ化に容易に対応しインピーダンス整合を図ることができ、しかも、大幅な設計変更することなくコンタクト端子ごとの配置の変更も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例の要部を示す部分断面図である。
【図2】図1に示される例における変形例の要部を示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例の要部を示す図4におけるIII−III線に沿って示される一部断面図を含む外観図である。
【図4】図3に示される例における平面図である。
【図5】図3に示される例におけるアッパハウジングを示す正面図である。
【図6】比較例における要部を示す部分断面図である。
【図7】本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例の要部を示す一部断面図を含む外観図である。
【図8】図7における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図9】図7に示される例に備えられる押圧機構ユニットを示す正面図である。
【図10】図9に示される例における平面図である。
【図11】本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例の要部を示す図12におけるXI−XI線に沿って示される一部断面図を含む外観図である。
【図12】図11に示される例における平面図である。
【図13】図11に示される例におけるアッパハウジングを示す正面図である。
【図14】本発明に係る半導体装置用ソケットの第4実施例の要部を示す一部断面図を含む外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図3は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第1実施例の要部を示す。
【0020】
図3において、半導体装置用ソケットは、例えば、テストボードとしてのプリント配線基板PB上に複数個、配置されている。なお、図3においては、代表的に、プリント配線基板PB上における1個の半導体装置用ソケットが示されている。
【0021】
プリント配線基板PBは、例えば、ガラスエポキシ樹脂で作られ、後述するコンタクト端子20aiの配置に対応し格子状に形成される複数の電極パッドからなる電極群(不図示)を一方の表面部の略中央部に有している。その周囲には、後述する小ねじBS1が挿入される透孔が4箇所に形成されている。
【0022】
半導体装置用ソケットは、プリント配線基板PB上に、上述の4本の小ねじBS1と4個のナットNuおよびスプリングワッシャSWで締結されることにより固定され、コンタクト端子20ai(i=1〜n,nは正の整数)を協働して内側に収容するアッパハウジング10およびロアハウジング12と、後述する各コンタクト端子20aiの接点部に対し装着される半導体装置DVの各電極部DVaを位置決めする位置決めプレート14と、プリント配線基板PBの裏面側に配されアッパハウジング10およびロアハウジング12と協働してプリント配線基板PBを狭持する補強板18と、を主な要素として構成されている。
【0023】
アッパハウジング10は、導電性金属材料、例えば、銅合金、または、アルミニウム合金材料で作られている。アッパハウジング10は、図4に示されるように、位置決めプレート14が昇降動可能に配される凹部10ARをその略中央部に有している。凹部10ARの周囲における各角部の4箇所には、小ネジBS1が挿入される透孔10aが形成されている。相対向する一対の透孔10a相互間には、それぞれ半導体装置DVが後述する半導体装置載置部14Aに載置されているか否かをセンサなどで確認する際に用いられる、略十字状に交差した浅い溝が形成されている。また、アッパハウジング10における一方の相対向する辺において、その溝と透孔10aとの間には、後述する小ねじがねじ込まれる雌ねじ孔10fsが形成されている。さらに、後述するベース部材30の孔に嵌合される位置決めピン10PAが、アッパハウジング10における一方の相対向する辺における溝に隣接して、設けられている。
【0024】
位置決めプレート14は、その中央部に、被検査物としての半導体装置DVが着脱可能に載置される半導体装置載置部14Aを有している。半導体装置載置部14Aには、位置決め用窪み14Gi(i=1〜n,nは正の整数)が所定の深さで形成されている。各位置決め用窪み14Giの底部を形成する部分には、後述するコンタクト端子20aiの接点部が移動可能に挿入される細孔14Gai(i=1〜n,nは正の整数)が形成されている。
【0025】
半導体装置DVは、例えば、BGA型のパッケージ内に集積回路を備えるものとされる。半導体装置DVの底部には、複数個の電極部DVa(図1および図8参照)が縦横に形成されている。半導体装置DVが半導体装置載置部14Aに位置決めされるとき、図1に拡大されて示されるように、半導体装置DVの各電極部DVaが、半導体装置載置部14Aに形成される各位置決め用窪み14Gi(i=1〜n,nは正の整数)内に挿入される。
【0026】
位置決めプレート14における半導体装置載置部14Aの周辺とアッパハウジング10の凹部10ARを形成する底部との間には、位置決めプレート14をその底部に対し離隔する方向に付勢するコイルスプリング16が、例えば、4箇所に設けられている。また、位置決めプレート14は、複数本の小ネジBS2が位置決めプレート14の孔を介してアッパハウジング10の雌ねじ孔にねじ込まれることにより、凹部10ARを形成する底部から所定の高さの位置に維持される。これにより、位置決めプレート14は、複数本の小ネジBS2に案内され、昇降動可能に支持されることとなる。
【0027】
プリント配線基板PBの表面に当接されるアッパハウジング10のコンタクト端子収容部10Cの周囲を形成する底部には、ロアハウジング12の連結部が挿入される凹部10BRが開口している。アッパハウジング10の凹部10BRの周囲を形成する底面には、図5に示されるように、複数本の位置決めピン10PBが所定の間隔をもって形成されている。
【0028】
ロアハウジング12は、例えば、樹脂材料で成形されており、凹部10BRに挿入される連結部12Bと、連結部12Bに連なりアッパハウジング10のコンタクト端子収容部10Cの底部に当接されるコンタクト端子整列部12Aとから構成されている。
【0029】
ロアハウジング12における連結部12Bは、小ネジBS3がねじ込まれる雌ねじ孔を有している。これにより、図3に示されるように、小ネジBS3がアッパハウジング10の孔を介してロアハウジング12の雌ねじ孔にねじ込まれることにより、ロアハウジング12がアッパハウジング10に固定される。
【0030】
コンタクト端子整列部12Aは、図1に部分的に拡大して示されるように、コンタクト端子収容部10Cのセル10ai(i=1〜n,nは正の整数)に対応した透孔12ai(i=1〜n,nは正の整数)を有している。透孔12aiは、コンタクト端子20aiのスリーブ20Sの端部を受け止める大径部と、大径部に連なりコンタクト端子20aiの接点部20CT2が通過する小径部とからなる。
【0031】
アッパハウジング10のコンタクト端子収容部10C内には、図1に拡大して示されるように、半導体装置DVの電極部DVaに対応した所定の間隔でセル10aiが縦横に形成されている。各セル10aiの中心軸線は、プリント配線基板PBの表面に対し略垂直方向に延びている。セル10aiの下端は、プリント配線基板PBの表面に向けて開口し、また、セル10aiの上端は、その中間部分の直径よりも小なる直径を有する細孔10bを有している。略円柱状の各セル10aiは、互いに同一構造を有している。
【0032】
また、各セル10aiに収容されるコンタクト端子20aiも互いに同一の構造を有している。
【0033】
コンタクト端子20aiは、半導体装置DVの電極部DVaに対し選択的に当接する接点部20CT1と、プリント配線基板PBのコンタクトパッドに当接する接点部20CT2と、接点部20CT1の基端部と接点部20CT2の基端部とを互いに離隔する方向に付勢するコイルスプリング(不図示)を収容し、接点部20CT1と接点部20CT2を互いに近接または離隔可能に連結するスリーブ20Sとを含んで構成されている。
【0034】
図1において、アッパハウジング10の各セル10aiにおいて、コンタクト端子20aiは、その左端から順次、例えば、2本の信号ライン、2本の電源ライン、2本の接地ラインの伝送路の一部を構成する。
【0035】
2本の信号ラインにおいては、それぞれ、コンタクト端子20aiの接点部20CT2がロアハウジング12の透孔12aiに挿入され、その接点部20CT1がインピーダンス調整部材としてのアダプタ24の小径孔24bに挿入されている。これにより、接点部20CT1の先端は、後述するアダプタ24の大径孔24aおよび小径孔24bを介して
位置決めプレート14の位置決め用窪み14Gi内に挿入されている。一方、接点部20CT2の先端は、アッパハウジング10およびロアハウジング12がプリント配線基板PBに対し固定されていない場合、図1に拡大して示されるように、ロアハウジング12の透孔12aiを通じてプリント配線基板PBのコンタクトパッドに向けて所定量、突出している。
【0036】
アダプタ24は、電気的絶縁材料、例えば、樹脂材料で円筒状に成形され、異径断面部を有している。アダプタ24は、接点部20CT1が挿入される小径孔24bと、小径孔24bに連通されスリーブ20Sの一端部が嵌合される大径孔24aとを内側に有している。また、アダプタ24の外周部は、セル10aiの内周面に当接し、セル10aiの上端部に形成される細孔10bに嵌合する段差部を先端部に有している。アダプタ20における中心軸線に沿った長さは、コンタクト端子20aiの接点部20CT1およびスリーブ20Sの端部を支持できる所定の長さに設定されている。
【0037】
信号ラインに対応したセル10aiにおいて、アダプタ24の端部とロアハウジング12の内面との間には、環状の空気層Aiがスリーブ20Sの周囲に形成されている。
【0038】
セル10aiにおいて、アダプタ24におけるインピーダンスの値Zoは、式(1)により得られる値に設定される。
Zo=60(Er)−1/2logd1/d2 …(1)
【0039】
但し、Erは、樹脂材料の比誘電率、d1は、大径孔24aおよび小径孔24bの直径、d2は、アダプタ24の外径である。
【0040】
また、セル10aiにおいて、環状の空気層Aiにおけるインピーダンスの値Zoは、式(1)におけるErが1.0、d1、d2が、それぞれ、セル10aiの内径の値、スリーブ20Sの外径の値が代入されて算出される。
【0041】
アッパハウジング10が金属材料により形成されているのでアダプタ24の材質は、比誘電率を優先した材料選定が可能となり、従って、簡易的なインピーダンス値の調整が可能となる。
【0042】
2本の電源ラインにおいては、それぞれ、コンタクト端子20aiの接点部20CT2がロアハウジング12の透孔12aiに挿入され、その接点部20CT1がインピーダンス調整部材としてのアダプタ24の小径孔24bに挿入されている。セル10aiにおいて、アダプタ24の端部とロアハウジング12の内面との間には、組み合わせチューブがスリーブ20Sの周囲に巻装されていてもよい。組み合わせチューブの外周部とセル10aiの内周面との間には、所定の隙間が形成されている。組み合わせチューブは、Cu、Al等の導電性材料から形成された導電性チューブ28の外周部に、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等の絶縁材料等から形成される絶縁性チューブ26が嵌合されたものとされる。
【0043】
電源ピン等の伝送特性を重視しないピンに導電性チューブ28を設けることで、導体抵抗を下げ、電流容量を向上させる事が可能となる。絶縁性チューブ26を導電性チューブ28の外周に被せる事で、アッパハウジング10との絶縁性を強化する事が可能となる。なお、絶縁性チューブ26のかわりに導電性チューブ28の外周に絶縁膜を形成させても良い。
【0044】
2本の接地ラインにおいては、コンタクト端子20aiの接点部20CT2がロアハウジング12の透孔12aiに挿入され、その接点部20CT1が後述するカラー22の小径孔22bに挿入されている。これにより、接点部20CT1の先端は、カラー22の大径孔22aおよび小径孔22bを介して位置決めプレート14の位置決め用窪み14Gi内に挿入されている。一方、接点部20CT2の先端は、アッパハウジング10およびロアハウジング12がプリント配線基板PBに対し固定されていない場合、図1に拡大して示されるように、ロアハウジング12の透孔12aiを通じてプリント配線基板PBのコンタクトパッドに向けて所定量、突出している。
【0045】
カラー22は、例えば、導電性金属材料で円筒状に成形され、異径断面部を有している。カラー22は、接点部20CT1が挿入される小径孔22bと、小径孔22bに連通されスリーブ20Sの一端部が嵌合される大径孔22aとを内側に有している。また、カラー22の外周部は、セル10aiの内周面に当接し、セル10aiの上端部に形成される細孔10bに嵌合する段差部を先端部に有している。カラー22における中心軸線に沿った長さは、アダプタ24の長さよりも長く、ロアハウジング12の内面に近接するような所定の長さに設定されている。
【0046】
斯かる構成において、各コンタクト端子20aiを収容するアッパハウジング10およびロアハウジング12がプリント配線基板PBに対し固定される場合、各コンタクト端子20aiの接点部20CT2の先端がプリント配線基板PBのコンタクトパッドに当接することにより、接点部20CT2がスリーブ20S内に押し込まれる。これにより、各コンタクト端子20aiのコイルスプリングによる反力の合力がアッパハウジング10全体で受け止めるのでコイルスプリングによる反力の合力によってアッパハウジング10の反りが生じる虞がなく、各コンタクト端子20aiの位置精度が比較的高精度に保たれる。
【0047】
一方、比較例として、例えば、図6に示されるように、複数個のスプリングプローブとしてのコンタクト端子2ai、コンタクト端子4aiが、複数個の透孔6aiを有する上部支持板6および複数個の透孔1aiを有する下部支持板1と、円柱状のセルを縦横に有する中間部材8とからなるハウジングにより収容される場合がある。上部支持板6および下部支持板1とは、それぞれ、樹脂材料で比較的薄く成形され、中間部材8が導電性材料で成形されている。
【0048】
このような場合にあっては、各コンタクト端子2aiを収容する上部支持板6および下部支持板1と、中間部材8とがプリント配線基板PBに対し固定される場合、各コンタクト端子2aiの一方の接点部の先端がプリント配線基板PBのコンタクトパッドに当接することにより、一方の接点部がスリーブ内に押し込まれる。これにより、各コンタクト端子2aiのコイルスプリングによる反力の合力が上部支持板6に作用するので破線で示されるように、上部支持板6が反る虞がある。
【0049】
上述の本発明に係る半導体装置用ソケットにおいて、半導体装置DVを位置決めプレート14の半導体装置載置部14Aに装着するにあたっては、例えば、図示が省略されるロボットハンドにより保持され半導体装置DVが、半導体装置載置部14Aに載置される。これにより、半導体装置DVの電極部DVaがコンタクト端子の接点部20CT1に対し位置決めされる。その後、半導体装置DVがロボットハンドによりコンタクト端子のコイルスプリングの付勢力に抗して所定量、下降せしめられ保持される。
【0050】
そして、所定の雰囲気の中で、所定の検査信号が、プリント配線基板PBおよびコンタクト端子群を通じて半導体装置DVに供給されることにより、半導体装置DVに対する試験が実行される。
【0051】
さらに、使用済みのコンタクト端子20aiを新たなコンタクト端子に交換する場合、あるいは、信号ライン、電源ライン、および、接地ラインの設計変更に伴いコンタクト端子を交換するにあたっては、先ず、アッパハウジング10、ロアハウジング12、および、補強板18が、スプリングワッシャSWおよびナットNuに対し小ネジBS1が外されることにより、プリント配線基板PBから取り外された後、次に、ロアハウジング12がアッパハウジング10から取り外される。これにより、コンタクト端子20aiがアッパハウジング10のセル10aiから取り外し可能となる。そして、新たなコンタクト端子20aiがアッパハウジング10のセル10aiに挿入された後、再度、アッパハウジング10、ロアハウジング12、および、補強板18が、上述したように、スプリングワッシャSWおよびナットNu、小ネジBS1でプリント配線基板PBに取付けられることにより、コンタクト端子20aiの交換が容易に完了することとなる。
【0052】
なお、上述のカラー22の長さは、斯かる例に限られることなく、例えば、図2に拡大されて示されるように、カラー22´における中心軸線に沿った長さが、コンタクト端子20aiの接点部20CT1およびスリーブ20Sの端部を支持できる所定の長さに設定されてもよい。カラー22´の小径孔には、コンタクト端子20aiの接点部20CT1が挿入されている。これにより、コンタクト端子20aiの接点部20CT1の先端が位置決めプレート14の細孔14Gai内に挿入されている。
【0053】
斯かる場合においては、セル10aiにおけるカラー22´の下方には、環状の空気層Aiが形成されることとなる。なお、図2において、図1に示される例において同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0054】
従って、本実施例においては、アッパハウジングおよびロアハウジングの穴は、コンタクト端子の種別に関わらず同一形状とする事が可能となり、コンタクト端子に流す信号種別によりコンタクト用収容穴や使用するコンタクト端子の作り分けを行う必要がなくなり、設計・加工・組立が容易となる。また、上述のアダプタ、カラー、チューブは、共通化可能な部品であり、金型成形等の生産性の高い手法にて、事前に大量生産を行う事も可能となる。アッパハウジングに関しても、グリットアレイ等の標準的なピン配置の製品に対しては、金型成形等の生産性の高い手法にて、事前に大量生産を行う事も可能となる。
【0055】
図7は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第2実施例の要部を示す。
【0056】
図7に示される例においては、図3に示される半導体装置用ソケットに加えて、所謂、図9および図10に示されるような、クラムシェルタイプの押圧機構ユニットを備えるものとされる。
【0057】
なお、図7に示される例、および、後述する他の実施例においては、図3に示される例において同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0058】
図7においては、ベース部材30およびリッド部材32を含んでなる押圧機構部が、上述のアッパハウジング10の上端面に固定される。従って、クラムシェルタイプの押圧機構ユニットを備えるICソケットにおいて、図3に示される半導体装置用ソケットを共用することができる。
【0059】
押圧機構部は、図9および図10に示されるように、アッパハウジング10の上端面に載置されるベース部材30と、ベース部材30の端部に回動可能に支持され装着された半導体装置の電極面を上述のコンタクト端子20ai群に対して押圧する押圧体36を移動可能に有するリッド部材32とを含んで構成されている。
【0060】
ベース部材30の外形寸法は、アッパハウジング10の外形寸法と略同一となるように設定されている。ベース部材30の中央部には、上述の位置決めプレート14の半導体装置載置部14Aに連通している開口部30Aが形成されている。開口部30Aの周辺における4隅には、それぞれ、固定用小ネジ(不図示)が挿入される孔30aがアッパハウジング10の雌ねじ孔10fsに対応して設けられている。これにより、ベース部材30は、固定用小ネジが孔30aを介して雌ねじ孔10fsにねじ込まれることにより、アッパハウジング10に固定されることとなる。
【0061】
リッド部材32は、その一端部で支持軸44を介してベース部材30に回動可能に支持されている。その支持軸44には、リッド部材32の他端部をベース部材30から離隔する方向に付勢するねじりコイルバネ42が巻装されている。リッド部材32の他端部には、図7に示されるように、リッド部材32をベース部材30に保持する状態、あるいは、図9に示されるように、リッド部材32を解放状態とするラッチ部材34が回動可能に設けられている。ラッチ部材34は、その一端部がリッド部材32に回動可能に支持され、その他端が選択的にベース部材30の係止部30Nに係合される。ラッチ部材34は、図9において時計回り方向にコイルスプリングで付勢されている。
【0062】
リッド部材32の内面側における中央部の開口部内には、押圧体36が小ネジBS4により支持され、移動可能に設けられている。押圧体36は、その開口部内に配される複数のコイルスプリング40により、その外部の先端がリッド部材32から離隔する方向に付勢されている。押圧体36における中央部には、押圧用突起部36Pが形成されている。
【0063】
斯かる構成において、半導体装置を試験するにあたっては、先ず、図9に示される状態において、半導体装置DVがベース部材30の開口部30Aを通じて位置決めプレート14の半導体装置載置部14Aに装着されることとなる。次に、図7に示されるように、リッド部材32が開口部30Aに対し閉められた状態において、図8に拡大されて示されるように、押圧用突起部36Pにより半導体装置DVがコンタクト端子20ai群に対して押圧せしめられ保持される。そして、所定の試験が実行されることとなる。
【0064】
図11は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第3実施例の要部を示す。
【0065】
図3に示される第1実施例においては、アッパハウジング10のコンタクト端子収容部10Cが、アッパハウジング10と一体に成形されているのに対し、一方、図11に示される例においては、後述するコンタクト端子収容部を有するコンタクト端子用カートリッジが互いに嵌め合わされるアッパリッド部材10´UL、および、ベース部材10´Dからなるハウジング10´に対し着脱可能に配されるものとされる。 なお、図11、図12および図13においては、図3に示される例における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0066】
半導体装置用ソケットは、プリント配線基板PB上に配されコンタクト端子20ai(i=1〜n,nは正の整数)を協働して内側に収容するアッパハウジング50およびロアハウジング12´からなるコンタクト端子用カートリッジと、各コンタクト端子20aiの接点部に対し装着される半導体装置DVの各電極部DVaを位置決めする位置決めプレート14と、ハウジング10´およびコンタクト端子用カートリッジと協働してプリント配線基板PBを狭持する補強板18と、を主な要素として構成されている。
【0067】
ハウジング10´におけるアッパリッド部材10´UL、および、ベース部材10´Dは、導電性金属材料、例えば、銅合金、アルミニウム合金や、または、絶縁性材料、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)などで作られている。ハウジング10´のベース部材10´Dは、図11に示されるように、コンタクト端子用カートリッジが着脱可能に配される開口部10´ARをその略中央部に有している。ハウジング10´のベース部材10´Dの底面には、図13に示されるように、複数本の位置決めピン10´PBが所定の間隔をもって形成されている。
【0068】
ベース部材10´Dにおける開口部10´ARの周囲において、各角部の4箇所には、小ネジBS1の頭部が挿入される透孔10´aが形成されている。相対向する一対の透孔10´a相互間には、それぞれ、半導体装置DVが後述する半導体装置載置部14Aに載置されているか否かをセンサなどで確認する際に用いられる、略十字状に交差する浅い溝が形成されている。
【0069】
また、ベース部材10´Dにおける一方の相対向する辺において、その溝と透孔10´aとの間には、後述する小ねじがねじ込まれる雌ねじ孔10´fsが形成されている。さらに、ベース部材30の孔に嵌合される位置決めピン10´PAが、ハウジング10´のベース部材10´Dにおける一方の相対向する辺における溝に隣接して、設けられている。
【0070】
後述するコンタクト端子用カートリッジの上部周縁を覆うアッパリッド部材10´ULの外周部は、開口部10´AR内に所定の隙間をもって配されている。アッパリッド部材10´ULは、その中央部に位置決めプレート14が露出する開口部を有している。
【0071】
また、アッパリッド部材10´ULにおける各角部には、透孔が形成されている。各透孔には、図12に示されるように、アッパリッド部材10´ULおよびコンタクト端子用カートリッジを介してベース部材10´Dの雌ねじ孔にねじ込まれる小ネジBS6が挿入される。
【0072】
コンタクト端子用カートリッジは、図11および図12に示されるように、開口部10´ARを形成する内面に対し所定の隙間をもって配され、アッパハウジング50およびロアハウジング12´を含んで構成されている。アッパハウジング50におけるコンタクト端子収容部50Cの周囲を形成する底部には、ロアハウジング12´の連結部が挿入される凹部が開口している。
【0073】
ロアハウジング12´は、例えば、樹脂材料で成形されており、上述の凹部に挿入される連結部12´Bと、連結部12´Bに連なりアッパハウジング50のコンタクト端子収容部50Cの底部に当接されるコンタクト端子整列部12´Aとから構成されている。
【0074】
ロアハウジング12´における連結部12´Bは、小ネジBS5がねじ込まれる雌ねじ孔を有している。これにより、図11に示されるように、小ネジBS5がアッパハウジング50の孔を介してロアハウジング12の雌ねじ孔にねじ込まれることにより、コンタクト端子用カートリッジが、一体化される。また、一体化されたコンタクト端子カートリッジは、上述の4本の小ネジBS6がアッパリッド部材10´ULの透孔(不図示)、コンタクト端子カートリッジの孔(不図示)を通じて雌ねじ孔にねじ込まれるによりベース部材10´Dに固定される。従って、アッパリッド部材10´ULにより一部が覆われるコンタクト端子カートリッジは、プリント配線基板PB上におけるベース部材10´Dの開口部10´AR内に固定されることとなる。
【0075】
コンタクト端子整列部12´Aは、コンタクト端子収容部50Cのセル50ai(i=1〜n,nは正の整数)にそれぞれ対応した透孔を複数個有している。各透孔は、コンタクト端子20aiのスリーブ20Sの端部を受け止める大径部と、大径部に連なりコンタクト端子20aiの接点部20CT2が通過する小径部とからなる。
【0076】
アッパハウジング50のコンタクト端子収容部50C内には、半導体装置DVの電極部DVaに対応した所定の間隔でセル50aiが縦横に形成されている。各セル50aiの中心軸線は、プリント配線基板PBの表面に対し略垂直方向に延びている。セル50aiの下端は、プリント配線基板PBの表面に向けて開口し、また、セル50aiの上端は、その中間部分の直径よりも小なる直径を有する細孔50bを有している。略円柱状の各セル50aiは、互いに同一構造を有している。
【0077】
また、各セル50aiに収容されるコンタクト端子20aiも互いに同一の構造を有している。
【0078】
図11において、アッパハウジング50の各セル50aiにおいて、コンタクト端子20aiは、半導体装置DVの電極部DVaの伝送路に対応した例えば、2本の信号ライン、2本の電源ライン、2本の接地ラインの伝送路の一部を構成する。信号ライン、電源ライン、接地ラインにおける各コンタクト端子20aiと共に用いられるアダプタ24、組み合わせチューブ、カラー22の構成は、それぞれ、図1に示される例における構成と同一とされる。
【0079】
斯かる構成において、各コンタクト端子20aiを収容するアッパハウジング50およびロアハウジング12‘からなるコンタクト端子用カートリッジがプリント配線基板PBに対し固定される場合、各コンタクト端子20aiの接点部20CT2の先端がプリント配線基板PBのコンタクトパッドに当接することにより、接点部20CT2がスリーブ20S内に押し込まれる。これにより、各コンタクト端子20aiのコイルスプリングによる反力の合力がアッパハウジング50全体で受け止めるのでコイルスプリングによる反力の合力によってアッパハウジング50の反りが生じる虞がなく、各コンタクト端子20aiの位置精度を比較的高精度に保たれる。
【0080】
また、使用済みのコンタクト端子20aiを新たなコンタクト端子に交換する場合、あるいは、信号ライン、電源ライン、および、接地ラインの設計変更に伴いコンタクト端子を交換するにあたっては、先ず、コンタクト端子用カートリッジが、アッパリッド部材10´ULが取り外されることにより、プリント配線基板PB上のハウジング10´のベース部材10´Dから取り外された後、次に、ロアハウジング12´がアッパハウジング50から取り外される。これにより、コンタクト端子20aiがアッパハウジング50のセル50aiから取り外し可能となる。そして、新たなコンタクト端子20aiがアッパハウジング50のセル50aiに挿入された後、再度、アッパハウジング50、ロアハウジング12´が互いに組みつけられたコンタクト端子用カートリッジが、上述したように、アッパリッド部材10´ULがコンタクト端子用カートリッジを介してベース部材10´Dに対し固定されることによって、コンタクト端子用カートリッジがプリント配線基板PB上のハウジング10´に固定されることにより、コンタクト端子の交換が容易に完了することとなる。
【0081】
図14は、本発明に係る半導体装置用ソケットの第4実施例の要部を示す。
【0082】
図14に示される例においては、図11に示される半導体装置用ソケットに加えて、所謂、上述した図9および図10に示される例のような、クラムシェルタイプの押圧機構ユニットを備えるものとされる。
【0083】
なお、図14に示される例においては、図9、および、図10、図11に示される例において同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【符号の説明】
【0084】
10、50 アッパハウジング
10C コンタクト端子収容部
10ai セル
12、12´ ロアハウジング
14 位置決めプレート
20ai コンタクト端子
22 カラー
24 アダプタ
26 銅製チューブ
28 樹脂製チューブ
Ai 空気層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成が互いに同一とされるコンタクト端子が通過する開口端を有し、該コンタクト端子が接続される半導体装置における少なくとも信号ラインおよび接地ラインに対応した該コンタクト端子を個別に収容するコンタクト端子用セルを複数個有するコンタクト端子収容部を備える導電性材料製のアッパハウジングと、
前記コンタクト端子用セルの開口端を覆うように前記アッパハウジングに配され、前記コンタクト端子の一端が挿入される孔を該コンタクト端子用セルに対応させて有する電気的絶縁性材料製のロアハウジングと、
前記信号ラインに対応したコンタクト端子用セルにおける前記コンタクト端子の周囲に形成される空気層と、
前記接地ラインに対応したコンタクト端子用セルにおける前記コンタクト端子の外面と該コンタクト端子用セルの内面との間に該内面に当接するように配される導電性のカラー部材と、を備え、
前記信号ラインに対応したコンタクト端子用セルにおけるインピーダンスが、前記空気層の容積に応じて設定されることを特徴とする半導体装置用ソケット。
【請求項2】
前記信号ラインに対応したコンタクト端子用セルのインピーダンスは、前記コンタクト端子の外面と該コンタクト端子用セルの内面との間に、電気的絶縁性を有し該コンタクト端子を位置決めするアダプタおよび前記空気層の比誘電率に応じて所定値に設定されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用ソケット。
【請求項3】
前記半導体装置における電源ラインに対応したコンタクト端子用セルに配されたコンタクト端子は、該コンタクト端子用セルの内面に対向する絶縁層および該絶縁層に被覆された導電性部材を介して該コンタクト端子用セル内に配されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体装置用ソケット。
【請求項4】
前記アッパハウジングは、前記ロアハウジングの材質の強度よりも大なる強度を有する金属材料で成形され、該アッパハウジングにおけるコンタクト端子用セルに配されたコンタクト端子の中心軸線に沿った厚さは、該ロアハウジングの厚さよりも大に設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の半導体装置用ソケット。
【請求項5】
前記半導体装置は、前記アッパハウジングの端面に対向して配される位置決めプレートの半導体装置載置部に着脱可能に配されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の半導体装置用ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−98219(P2012−98219A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247777(P2010−247777)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】