説明

半導体装置

【課題】簡単制御と低電圧で試験することができ、テスト時間の増大を回避し、Vtアンバランスの大きいセンスアンプを効率よく検出する。
【解決手段】相補の第1(BLT/BLB)、第2(LIOT/B)、及び第3のデータ線対(MIOT/B)と、前記第1のデータ線対に接続される第1のアンプ(SA)と、前記第1と第2のデータ線対間の接続を制御する第1のスイッチ対(Yスイッチ)と、前記第2と第3のデータ線対間の接続を制御する第2のスイッチ対(401、402)と、前記第2のデータ線対を第1の電圧にプリチャージする第1プリチャージ回路403とを備え、テスト制御信号(TSAVTCHCKT)がテスト動作を示すとき、前記第2のスイッチ対(401、402)を非導通とし、前記第1のプリチャージ回路403により前記第2のデータ線対に印加される前記第1の電圧が、前記第1のスイッチ対を介して、第1のアンプに印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、ディスターブ試験等に好適な半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データの保持にリフレッシュ動作を要するDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)は、メモリセルが1トランジスタと1キャパシタで構成されることから、集積度が高く、PC、サーバ等のメインメモリとして採用されている。
【0003】
以下では、DRAMについて概説しておく。図1は一般的なDRAMの構成の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、メモリアレイ1、Xデコーダ及びXタイミング生成回路2、Yデコーダ及びYタイミング生成回路3、デコーダ制御回路4、DLL(Delay Locked Loop:遅延同期ループ)9、データラッチ回路5、入出力インタフェース6、内部クロック(CLK)生成回路7、制御信号生成回路8を備えている。メモリアレイ1はバンク0〜バンクmを備え、各バンクは、メモリマット列1、2、3を備えている。なお、バンク構成、バンク内のメモリマット構成等はかかる構成に制限されるものでないことは勿論である。
【0004】
制御信号生成回路8は、コマンド信号(/CS(チップセレクト)、/RAS(ロウアドレスストローブ)、/CAS(カラムアドレスストローブ)、/WE(ライトエネーブル))を入力し、該コマンドをデコードするコマンドデコーダ(不図示)、DRAMの動作モード(レイテンシやバースト長、テストモード等)が設定されるモードレジスタ(不図示)を備えている。制御信号生成回路8は、コマンドデコード結果にしたがって制御信号を生成し、Xデコーダ及びXタイミング生成回路2、Yデコーダ及びYタイミング生成回路3、デコーダ制御回路4等に出力する。なお、信号名の前の記号「/」は、Lowレベルのとき活性状態であることを示す。
【0005】
入力したアドレス信号(ADD)のロウアドレス(Xアドレス)がXデコーダ2でデコードされ、サブワードドライバ(SWD)によりワード線WLが選択される。ワード線WLが選択されると、メモリセル(MC)からビット線(BL)にデータが読み出され、センスアンプ(SA)で増幅される。アドレス(ADD)のカラムアドレス(Yアドレス)はYデコーダ3でデコードされ、選択されたカラム選択信号がアクティブとされ、ビット線(BL)、センスアンプ(SA)を選択する。
【0006】
センスアンプ(SA)で増幅された出力(読み出しデータ)は、データラッチ回路5、入出力インタフェース6に転送され、DQピンより外部に出力される。DQピン(DQ端子)は複数ピンであり、所謂複数のI/O端子である。データストローブ信号DQS、/DQSは外部からデータを入力する際に、データをラッチするためのトリガ信号となる。データマスク信号DMは、例えば、データをマスクするための制御信号である。データを入力するのと同時に、データマスク信号DMをHighとすると、当該データのメモリセルへの書き込みはマスク(インヒビット)され、書き込みは行われない。データマスク信号DMは、半導体装置の外部端子であり、複数のデータマスク信号DMの端子で構成される。それぞれのデータマスク信号DMは、対応する複数のDQ端子で構成される複数のグループのうちのいずれかのグループに対応付けられる。
【0007】
メモリセルにデータを書き込む場合、データマスク信号DMをLowとして、DQピンにデータを入力すると、入出力インタフェース6、データラッチ回路5を介して、センスアンプ(SA)に書き込みデータが転送される。センスアンプ(SA)は、ビット線(BL)を書き込みデータに即して駆動し、該ビット線(BL)に接続され、選択されたワード線に接続するメモリセルにデータを書き込む。
【0008】
図2は、一般的な1交点方式(オープンビット線型セル)のDRAMの構成例を模式的に示す図である。図2を参照して、DRAMにおける基本的なデータ読み出し動作の一例を以下に説明する。
【0009】
初期状態では、DRAMは非選択状態であり、全てのワード線(SWLm)は全てLow電位である。イコライズ制御信号EQCSはHigh電位にあり、センスアンプの電源線PCS、NCSは、VBLP電位にイコライズされている。VBLPはビット線イコライズ電位である。イコライズ回路209は、PCSとプリチャージ電源間に接続され信号EQCSをゲートに受けるNMOSトランジスタN1と、NCSと、プリチャージ電源間に接続され信号EQCSをゲートに受けるNMOSトランジスタN2と、PCSとNCS間に接続され信号EQCSをゲートに受けるNMOSトランジスタN3を備え、PCSとVARY電源線間にはゲートにRSAEP1Tを受けるNMOSトランジスタ208を備え、NCSとVSSSA電源線間には、ゲートにRSAENTを受けるNMOSトランジスタ212を備えている。
【0010】
センスアンプ205a〜205dは同一構成とされる。センスアンプ205aは、PCSにソースが接続され、各ゲートが他方のトランジスタのドレインに交差接続されたPMOSトランジスタ213、214と、ソースがNCSに接続され、各ゲートが他方のトランジスタのドレインに交差接続されたNMOSトランジスタ215、216と、を備え、PMOSトランジスタ213とNMOSトランジスタ215のドレインがBLTaに接続され、PMOSトランジスタ214とNMOSトランジスタ216のドレインがBLBaに接続されている。
【0011】
初期状態で信号ABLEQBはLow電位であり、全てのビット線対(BLT/BLB)がVBLP電位にイコライズされている。
【0012】
ビット線対のプリチャージ及びイコライズを行うイコライズ回路(プリチャージ回路)206a〜206dは同一構成とされる。イコライズ回路206aはビット線BLTaとプリチャージ電源VBLP間に接続され、イコライズ制御信号ABLEQBをゲートに受けるPMOSトランジスタP1と、ビット線BLBaとプリチャージ電源VBLP間に接続さ信号ABLEQをゲートに受けるPMOSトランジスタP2と、ビット線BLTaとビット線BLBa間に接続され、イコライズ制御信号ABLEQBをゲートに受けるPMOSトランジスタP3を備えている。センスアンプとイコライズ回路からなるセンスアンプ部202はメモリマット0と1で共有される。
【0013】
ここで、VBLP電位は、一般に、メモリセルHigh電位VARYの1/2とされる。以下では、
VBLP=0.5×VARY ・・・(1)
とするが、かかる値に制限されるものでないことは勿論である。
【0014】
センスアンプの活性化信号RSAEP1T、RSAENTはともにLow電位である。
【0015】
DRAMにアクセスコマンド(例えばアクティブコマンド)が入力され、Xアドレスを受け付けると、XデコーダでXアドレスをデコードし、該当するメモリマットを選択する。具体的には、図2のメモリマット0が選択された場合、イコライズ制御信号ABLEQBがHigh電位となり、ビット線BLTaとBLBa、BLTbとBLBb、BLTcとBLBc、BLTdとBLBd、…をイコライズしているイコライズ回路206a、206b、206c、206d・・・のPMOSトランジスタP1〜P3が非導通(オフ)となり、各ビット線対は、VBLP電位でフローティング状態となる。
【0016】
メモリセル207に蓄えたデータを読み出す時は、複数のワード線のうち、外部より入力されたXアドレスをデコードして得られる1本のワード線SWLmを選択する。選択されたワード線SWLmはサブワードドライバ回路204によりHigh電位に駆動される。
【0017】
メモリセル207a〜207d…は同一構成とされる。メモリセル207aは、セルトランジスタ210aとキャパシタ2llaから構成されており、セルトランジスタ210aはゲートがワード線SWLmに、ソース/ドレインの一方がキャパシタ2llaに、他方がビット線BLTaに接続されている。その他のメモリセルも同様の構成である。
【0018】
ワード線SWLmがHigh電位になると、ワード線SWLmに接続された複数のセルトランジスタ210a、210b、210c、210d・・・が導通状態(オン状態)となり、各々のソース/ドレインに接続されたビット線BLTa、BLTb、BLTc、BLTd…と、キャパシタ2lla、2llb、2llc、2lld…がそれぞれ接続される。このとき、ビット線の寄生容量Cbと、メモリセルの容量Csとが容量結合され、電荷再配分により、メモリセルに蓄積された電荷が、ビット線上に、微小電位ΔVという形で出力される。例えばメモリセル207の電位(キャパシタ211の端子電圧)がVARYであったとすると、ビット線の電位は、以下で与えられる。
【0019】

【0020】
センスアンプは、読み出し対象のメモリセルのつながっていないビット線BLB(リファレンス)と、メモリセルのつながったビット線BLTの間の微小電位差(ΔVを増幅する。
【0021】
ビット線対BLT/BLB上に上記微小電位差(ΔV)が出力されたのち、センスアンプの起動信号RSAENTをHigh電位とすると、センスアンプ205のNMOSトランジスタ215、216のソース電位NCSが接地電位VSSSAに引き抜かれる。このとき、NMOSトランジスタ216のゲート−ソース間電圧(gate to source voltage)Vgs_216は、NMOSトランジスタ215のVgs_215よりもΔV分大きい(Vgs_216=Vgs_215+ΔV)ので、NMOSトランジスタ216がビット線BLBaを引き抜く能力(放電能力)の方が、NMOSトランジスタ215がビット線BLTaを引き抜く能力(放電能力)より高い。
【0022】
また、RSAEP1TをHigh電位にすることにより、センスアンプ205のPMOSトランジスタ213、214のソース電位PCSがVARY電位にチャージされる。このとき、PMOSトランジスタ213のゲート−ソース間電位Vgs_213は、PMOSトランジスタ214のVgs_214よりもΔVだけ大きく(Vgs_213=Vgs_214+ΔV)、PMOSトランジスタ213がビット線BLTaを引き上げる能力(充電能力)の方が、PMOSトランジスタ214がビット線BLBaを引き上げる能力(充電能力)よりも高い。
【0023】
よって、ビット線BLBaは、よりLow電位にディスチャージされ、BLTaは、よりHigh電位にチャージされ、最終的には、BLBaはVSSSAと同電位にディスチャージされ、BLTaはVARYと同電位にチャージされることになる。
【0024】
センスアンプでビット線対BLBa/BLTa上に出力された読み出しデータは、カラム選択信号YSnで選択され導通状態とされたYスイッチ(カラムスイッチ)217、218を介して、対応するローカル入出力線対(「LIO線対」という)LIOT/LIOBに伝達される。
【0025】
但し、実際には、トランジスタが導通する闘値電圧Vt分だけ、ゲート−ソース間電圧Vgsにオフセットがかかる。
【0026】
トランジスタの実効的なゲート−ソース間電圧Vgs’は
Vgs’=Vgs−Vt
となる。例えばセンスアンプのNMOSトランジスタ215、216の闘値をそれぞれ、Vt_215、Vt_216とすると、NMOSトランジスタ215、216の実効的なゲート−ソース間電圧の差は、次式で表される。
【0027】
Vgs’_216−Vgs’_215
=(Vgs_215+ΔV−Vt_216)−(Vgs_215−Vt_215)
=ΔV−ΔVt ・・・(3)
【0028】
但し、
ΔVt=Vt_216−Vt_215 ・・・(4)

【0029】
ΔVtは「Vtアンバランス」と呼ばれる。ΔVtが大きいほど対となる2つのNMOSの実効的なVgsの差が小さくなり、センスアンプの感度が落ちることになる。ΔVt=0が理想であるが、トランジスタの形状の誤差は、トランジスタ製造プロセスにおける不純物イオンの注入量のばらつき等により、必ずしもその特性を同じとすることはできない。
【0030】
次に、関連技術(参考技術)として、階層IO方式とSWC回路について図3、図4を用いて説明しておく。図3は、階層型入出力線(MIO線、LIO線)の配置の一例を模式的に示す図である。図3において、RWBUSはチップ内データ転送を行うためのバスである。バスドライバ(BUSD)<k>301は、RWBUSに接続するk番目のバスドライバ回路である。バスドライバ回路<k>301に、メイン入出力線対(「MIO線対」という)MIOT/MIOB)のデータを増幅するためのメインアンプ回路(MA)<k>302が接続されている。メイン入出力線対はグローバル入出力線対とも呼ばれる。
【0031】
メインアンプ回路<k>302は、アレイ内のk番目のMIO線対MIOT<k>、MIOB<k>に接続している。メインアンプ回路(MA)<k>302はMIO線対MIOT<k>、MIOB<k>に差動で接続され、バスドライバ(BUSD)<k>301に接続する。書き込み時、メインアンプ回路(MA)<k>302のライトアンプ(不図示)は、バスドライバ(BUSD)<k>301からの出力を受け、差動出力信号をMIO線対MIOT<k>、MIOB<k>に出力する。読み出し時、メインアンプ回路(MA)<k>302のデータアンプ(不図示)は、MIO線対MIOT<k>、MIOB<k>の信号を差動で受け、CMOSレベルに変換してバスドライバ(BUSD)<k>301に出力する。
【0032】
図3では、MIO線対(MIOT<k>、MIOB<k>)には、m+1個の接続回路(SWC)303(SWC<0>〜SWC<m>))が接続されている。SWCはMIO線対とLIO線対のクロス部である。複数のSWC回路303の中で入力されたXアドレスをデコードすることにより選択されるセンスアンプ列に対応したSWCが選択され、LIO線対とMIO線対が接続される。すなわち、m+1個のSWC回路303(SWC<0>〜SWC<m>)のうち、ロウアドレス信号(Xアドレス)をデコードすることにより選択されるワード線WLから、データを読み出すセンスアンプ列SA<0>、SA<1>、SA<0>、・・・SA<n>に対応したSWC回路が選択され、それ以外は非選択となるように論理が構成されている。SWC<0>は、LIO線対LIOT<0>、LIOB<0>と接続される。SWC<1>は、LIO線対LIOT<1>、LIOB<1>と接続される。同様にして、SWC<m>は、LIO線対LIOT<m>、LIOB<m>と接続される。図3の例では、ワード線WLが選択されると、SWC<0>(303)が選択される。LIO線対は、カラムデコーダ(Yデコーダ)から出力されるn+1本のYスイッチ制御信号(カラム選択信号)YS<0>〜YS<n>により、Yスイッチ(カラムスイッチ)317、318(図2の217、218に対応する)の導通/非導通が制御され、n+1個のカラムのセンスアンプSA<0>〜SA<n>のうちの1つが選択され、選択された1つのセンスアンプSAが接続される。なお、各カラムのYスイッチ対は、ビット線対BLT/BLBとLIO線対LIOT/LIOBとの間に接続され、ゲート電極が共通接続されてYスイッチ制御信号YSに接続されたNMOSトランジスタ対(317、318)からなる。
【0033】
なお、図3では、簡単のために、全てのセンスアンプSA<0>、SA<1>、…、SA<n>、…が、各々、対応するカラム選択信号YS<0>、YS(1>、…、YS<n>、…によって、1対のLIO線対LI0T<0>、LIOB<0>に接続されるとするが、1つのYS<n>によって、複数のセンスアンプSAが、複数のLIO線対と接続されても構わない。
【0034】
複数のSWC回路のうち入力されたXアドレスをデコードすることにより選択されるセンスアンプ列に対応したSWCが選択され、LIO線対とMIO線対が接続される。
【0035】
MIO線対は、通常、High電位にプリチャージ・イコライズされており、データを読みだす時はプリチャージをオフにして、High電位のフローティング状態とした上で、接続回路(SWC)を介してLIO線対と接続する。
【0036】
MIO線対に読み出されたデータはメインアンプ(MA)302のデータアンプ(不図示)で増幅し、バスドライバ回路(BUSD)301に転送し、リードライトバス(RWBUS)を駆動する。リードライトバス(RWBUS)に転送されたデータは図1のデータラッチ回路5でラッチされ入出力インタフェース6を介してシリアルデータに変換され、DQ端子から出力される。DQ端子からの書き込みデータは、図1の入出力インタフェース6でパラレルデータに変換され、データラッチ回路5を介して、図3のリードライトバス(RWBUS)に転送され、メインアンプ(MA)(主増幅回路)302内のライトバッファ(不図示)でMIO線対に駆動出力される。図3において、メインアンプ302からバスドライバ回路(BUSD)301側以降の動作についてはその詳細な説明は省略する。
【0037】
図4は、MIO線対とLIO線対の接続にパスゲートを用いた一般的はSWC回路の構成例を示す図である。図4を参照すると、SWC回路は、LIOTとMIOTとの間には、並列接続されたPMOSトランジスタP12、NMOSトランジスタN12からなるCMOS構成のパスゲート402を備え、LIOBとMIOBとの間には、並列接続されたPMOSトランジスタP11、NMOSトランジスタN11からなるCMOS構成のパスゲート401を備えている。SWC回路は、さらに、LIO対のイコライズを制御する制御信号ABLEQTを入力して反転した信号ALIOPRBを出力するインバータ406と、ALIOPRBを反転するインバータ407を備え、ALIOPRBは、パスゲート401、402のNMOSトランジスタN11、N12のゲートに入力され、インバータ407の出力信号はパスゲート401、402のPMOSトランジスタゲートP11、P12に入力される。
【0038】
SWC回路は、さらに、制御信号DIOEQTと、インバータ406の出力信号ALIOPRBを入力するNAND回路405を備え、LIOTとLIOB間には、ALIOPRBがLow電位のとき活性化しLIOT/LIOBを電圧VBLPにプリチャージ・イコライズするプリチャージ回路403と、NAND回路405の出力信号DIOEQBがLow電位のとき活性化しLIOT/LIOBを電圧VIOにプリチャージ・イコライズするプリチャージ回路404とを備えている。VIOは、アレイ内のHigh側電位(例えばビット線のHigh電位)であり、一般に、VIO>VBLPである(例えばVIOはVBLPの2倍)。
【0039】
プリチャージ回路403は、ABLEQTがHigh電位のとき、したがって、ALIOPRBがLow電位のとき、LIOTとVBLP間のPMOSトランジスタP31、LIOBとVBLP間のPMOSトランジスタP32、LIOTとLIOB間のPMOSトランジスタP33が導通し、LIOT/LIOBを電圧VBLPにイコライズし、ALIOPRBがHigh電位のとき、PMOSトランジスタP31〜P33が全て非導通となり、プリチャージ・イコライズ動作は停止する。
【0040】
プリチャージ回路404は、ABLEQTがLow電位であり(アクティブ時)、且つDIOEQBがHigh電位(LIOT/LIOBがBLT/BLBと接続するデータ転送時)のときに、LIOTとVIOP間のPMOSトランジスタP41、LIOBとVIO間のPMOSトランジスタP42、LIOTとLIOB間のPMOSトランジスタP43が導通し、LIOT/LIOBを電圧VIOにイコライズし、ALIOPRBとDIOEQTの少なくとも1方がLow電位のとき、DIOEQBがHigh電位となり、PMOSトランジスタP41〜P43が全て非導通となり、プリチャージ・イコライズ動作は停止する。
【0041】
図4に示したLIO線対(LIOT/LIOB)が非選択のとき、対応するABLEQTはHigh電位であり、ALIOPRBがLow電位となって、パスゲート401、402が非導通とされ、LIO線対とMIO線対は非接続とされている。ALIOPRBがLowのとき、非選択のLIO線対(LIOT/LIOB)のイコライザ403が活性化して、該非選択のLIO線対(LIOT/LIOB)はVBLP電位にプリチャージされる。
【0042】
また、LIO線対(LIOT/LIOB)の非選択時には、NAND回路405は、Low電位の制御信号ALIOPRBを受け、NAND回路405の出力信号DIOEQBがHigh電位であり、プリチャージ回路404を構成するPMOSトランジスタP41、P42、P43はいずれも非導通である。DIOEQTは、読み出し/書き込み時のLIO線対のプリチャージを制御する信号であり、通常は、High電位である。
【0043】
図4に示したLIO線対(LIOT/LIOB)が選択されると、ABLEQTはLow電位、ALIOPRBがHigh電位となって、NAND回路405の2入力がHighとなるため、その出力信号DIOEQBはLow電位となり、プリチャージ回路404を活性化させ、LIO線対(LIOT/LIOB)をVIO電位にプリチャージさせる。VIO電位は、通常、MIO対線(MIOT/MIOB)のプリチャージ電位と同じ電位に設定される。
【0044】
読み出し/書き込みを行う場合には、DIOEQTがLow電位となり、NAND回路405の出力DIOEQBがHigh電位となってLIO線対(LIOT/LIOB)のプリチャージ回路404が非活性化し、LIO線対(LIOT/LIOB)がVIO電位でHighフローティングとなる。
【0045】
この状態で、カラム選択信号YSを選択し、LIO線対とセンスアンプを接続する動作となっている。
【0046】
図5は、図1、図2、図3、図4を参照して説明した関連技術の動作の一例を示すタイミング図である。CKは外部クロック信号、CMDはコマンドである。CMDの「ACT」はアクティブコマンド、「RD」はリードコマンド、「PRE」はプリチャージコマンドである。BADDはバンクアドレス信号、ADDはアドレス信号(Xはロウアドレス、Yはカラムアドレスである)、DQS、#DQSは相補のデータストローブ信号、DQはデータである。MCBATはバンク選択信号(Highでアクティブ)、ABLEQTは、LIO線対の選択時にLow、非選択時にHighの信号である。SWLはワード線(サブワードドライバ回路で駆動されるワード線)である。Memory Cellの欄のBLT、BLBは選択メモリセルに接続するビット線の電位である。DIOEQTは、読み出し/書き込み時のLIO線対のプリチャージを制御する信号である。YSはカラムデコーダから出力されるカラム選択信号である。
【0047】
図5において、ACTコマンドが入力され、バンクアドレスBADD、Xアドレスが入力されると、MCBATがHighとなり、この遷移を受け、ABLEQTがLowとなる。また、XアドレスをXデコーダでデコードした結果選択されたワード線SWLがHigh電位となる。この結果、選択ワード線SWLに接続するメモリセルに接続するビット線BLTと相補のビット線BLBには差電位(ΔV)が生じ、この差電位ΔVがセンスアンプで差動増幅され、BLTがHigh電位、BLBがLow電位に保持される。
【0048】
RDコマンドが入力され、バンクアドレス、Yアドレス(カラムアドレス)の入力を受けカラムデコーダで選択されたカラムのカラム選択信号YSがHigh電位となる。このとき、DIOEQTはLow電位となり、図4のプリチャージ回路404を非活性化する。なお、図4のプリチャージ回路403は、ABLEQTがLow電位になった時点(ALIOPRBがHigh電位になった時点)から非活性状態である。ビット線対BLB/BLTは、導通状態のカラムスイッチを介して、フローティング状態のLIO線対LIOT/LIOBと電気的に接続し、LIOT/LIOB間に差電位が生じる。またLIOT/LIOB間に差電位は、SWC回路を介してMIOT/MIOBに伝達され、メインアンプで差動増幅され、バスドライバ(図3の301)を介してリードライトバス(RWBUS)に転送され、パラレル/シリアル変換され、DQ端子からクロックの立ち上がり、立ち下りエッジに同期して出力される(4クロックで1つのDQから8ビットデータがシリアルに出力される)。
【0049】
特に制限されないが、図5の例では、バースト長=8とされる。なお、tRCDはRAS・CAS遅延時間である。CLは、CASレイテンシ(CL)である(特に制限されないが、図5では、CL=6)。
【0050】
カラム選択信号YSがHigh電位からLowと電位なったのち、DIOEQTはHigh電位となり、NAND回路405の出力DIOEQBはLow電位となり、プリチャージ回路404が活性化し、LIO線対LIOT/LIOBを電圧VIOにプリチャージ・イコライズする。つづいて、PREコマンドが入力されると、MCBATがLowとなり、ABLEQTがHighとなる。ABLEQTがHightなると、LIOT線対がプリチャージ回路403によりVBLPにプリチャージ・イコライズされる。
【0051】
なお、特許文献1にはセンスアンプのディスターブ試験の回路と方法として、活性化されたセンスアンプにセル対極レベル(VPLT)配線、ビット線バランスレベル(VBLR)配線からLIO線対LIOT/LIOB、ビット線対BLT/BLBのパスでディスターブ電圧を印加することにより、不具合があるセンスアンプを検出可能とし、さらに、ディスターブ試験用の電圧は、VPLT、VBLRの印加レベルを調節することにより無段階に調節し、きめ細かくセンスアンプの不具合を検出できようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2005−116047号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0053】
以下に、本発明者によりなされた参考技術の分析を与える。
【0054】
近年、集積度が512Mbit→1Gbit→2Gbitと進み、これに伴って微細化プロセスも進行している。メモリセル容量Csは小さくなり、ビット線寄生容量Cbは大きくなる傾向にある。センスアンプが増幅するべき微小電位差ΔVは小さくなってきている。また、製品の低電圧化により、メモリセルアレイの電位が、1.8V→1.4V→1.2V→1.0Vと低下してきている。これも、センスアンプ増幅する微小電位差ΔVを小さくする要因となっている。
【0055】
一方で、微細化によってVtアンバランスΔVtは大きくなる方向にある。集積度が進むにつれて、ΔVtによるセンスアンプの感度低下が問題となってきている。
【0056】
ΔVtは、不純物イオンの注入ばらつき等によって発生するため、正規分布となる。ΔVtの大きいセンスアンプは、ウエハー検査工程で検出し、冗長センスアンプで救済するか、組立後の選別工程でリジェクトすべきものである。
【0057】
検査工程では、
(A)メモリセルに書き込むデータパタンを工夫して周囲のクロストークノイズを利用する方法や、
(B)データマスク信号を利用してHighフローティングのMIO(メイン入出力線)線の電荷を、ビット線に流入させる方法
等が採用されてきた。
【0058】
しかしながら、上記(A)の方法は、複雑なデータパタンを書き込む必要があるため、テスト時間の増大を招きコストが増大する。
【0059】
また、上記(B)の方法は、MIO線の電荷をより多くするため、電源電圧を高くする必要があり、トランジスタの耐圧の問題を生じる等の問題がある。
【0060】
このように、Vtアンバランスの大きいセンスアンプを効率よく検出することがは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0061】
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解消するために、概略、以下の構成とされる(ただし、以下の構成に制限されるものでないことは勿論である)。
【0062】
本発明の1つの側面によれば、それぞれがデータを相補に伝送する第1のデータ線対、第2のデータ線対、及び第3のデータ線対と、
前記第1のデータ線対に接続されるアンプと、
制御端子に入力される選択信号により導通と非導通が制御され、前記第1のデータ線対と前記第2のデータ線対間の接続を制御する第1のスイッチ対と、
前記第2のデータ線対と前記第3のデータ線対間の接続を制御する第2のスイッチ対と、
前記第2のデータ線対を共通又は個別にプリチャージする第1のプリチャージ回路と、
を少なくとも備え、さらに、
動作モードがテスト、ノーマル動作のいずれであるかを指示するテスト制御信号に基づき、テスト動作時、前記第2のスイッチ対を非導通とし、且つ、前記第1のプリチャージ回路を作動させる制御を行う制御回路を備え、
テスト時に、前記第1のプリチャージ回路から前記第2のデータ線対に印加された電圧が、選択信号で導通状態とされた前記第1のスイッチ対を介して、前記第1のデータ線対の前記アンプに印加される、半導体装置が提供される。
【0063】
本発明によれば、ノーマル動作時において例えばスタンバイ時(カラム選択非活性時)に作用するローカルIO線対のイコライズ回路を、テストモードがアクティブ時(カラム選択活性化時)に作用させて、ローカルIO線対側からセンスアンプへのディスターブ試験を行う。
【0064】
ローカルIO線のイコライズを制御する制御回路に、テスト制御信号を入力し、カラム選択信号(YS)が活性化時に、イコライズ回路により予め定められたプリチャージ電位に設定制御されたLIO線対から、事前にライトされたデータを保持しているセンスアンプへディスターブを掛けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、メインIO線からのディスターブを行わないため、シンプルな制御と低電圧で試験することができる。この結果、本発明によれば、複雑なデータパタンを書き込む必要をなくしテスト時間の増大を回避することができる。さらに、本発明によれば、コスト増大を抑制することができ、Vtアンバランスの大きいセンスアンプを効率よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】DRAMの構成例を示す図である。
【図2】センスアンプの構成を示す図である。
【図3】階層IO方式の構成を模式的に示す図である。
【図4】関連技術の接続回路(SWC)の構成を説明する図である。
【図5】関連技術の動作の一例を示すタイミング図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態の構成を説明する図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態のタイミング波形を示す図である。
【図8】本発明の別の例示的な実施形態の構成を説明する図である。
【図9】本発明のさらに別の例示的な実施形態の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本発明の課題を解決する本発明の好ましい態様(Preferred Modes)の代表的な一例は、以下に示される。但し、本願の請求内容はこの技術思想に限られず、本願の請求項に記載の内容であることは言うまでもない。
【0068】
本発明の好ましい態様(Preferred Modes)の一例によれば、それぞれがデータを相補に伝送するビット線対(BLT/BLB:請求範囲の第1のデータ線対)、LIO線対(LIOT/LIOB:請求範囲の第2のデータ線対)、及びMIO線対(MIOT/MIOB:請求範囲の第3のデータ線対)と、前記ビット線対(BLT/BLB)に接続されるアンプ(SA)と、制御端子に入力される選択信号により導通と非導通が制御され、ビット線対(BLT/BLB)とLIO線対(LIOT/LIOB)間の接続を制御する第1のスイッチ対(図3の317、318)と、LIO線対(LIOT/LIOB)とMIO線対(MIOT/MIOB)間の接続を制御する第2のスイッチ対(図6の401、402)と、LIO線対(LIOT/LIOB)をプリチャージする第1のプリチャージ回路(図6の403、あるいは、図8の408、あるいは、図9の901)と、を少なくとも備えており、さらに、動作モードがテスト、ノーマル動作のいずれであるかを指示するテスト制御信号(図6のTSAVTCHKT、図8のTSAVTCHKB、あるいは図9のTSAVTCHKTB、TSAVTCHKNB)に基づき、テスト動作時、前記第2のスイッチ対(401、402)を非導通とし、且つ、前記第1のプリチャージ回路(図6の403、図8の408、図9の901)を作動させる制御を行う制御回路(イコライズ制御回路)を備え、テスト時に、第1のプリチャージ回路からLIO線対(LIOT/LIOB)に印加された電圧が、選択信号(YS)で導通状態とされた前記第1のスイッチ対(図3の217、218)を介してビット線対(BLT/BLB)のセンスアンプ(SA)に印加される。
【0069】
本発明の一態様において、LIOT線対からセンスアンプにディスターブ試験用の電圧を与える第1のプリチャージ回路は、スタンバイ時、あるいはプリチャージコマンド入力時にLIO線対をプリチャージ・イコライスするプリチャージ回路(図6の403)を併用する構成としてもよい。本発明の一態様においては、通常動作時のスタンバイ時に作用するローカルIO線対のイコライズ回路を、テストモードがアクティブ時(カラム選択活性化時)に作用させて、ローカルIO線対側からセンスアンプへのディスターブ試験を行う。ローカルIO線のイコライズを制御する制御回路に、テスト制御信号を入力し、カラム選択信号(YS)が活性化時に、イコライズ回路により予め定められたプリチャージ電位に設定制御されたLIO線対から、事前にライトされたデータを保持しているセンスアンプへディスターブを掛ける。
【0070】
本発明の態様の一つにおいて、制御回路は、イコライズ動作を制御する第1の制御信号(ABLEQT)と、テスト制御信号(TSAVTCHKT)とを入力とする第1の論理回路(601)を備え、前記第1の論理回路(601)の出力信号が、直接又は間接に、前記第1のプリチャージ回路(403)及び前記第2のスイッチ対(401、402)の制御端子に供給される。テスト制御信号(TSAVTCHKT)がノーマル動作を示す値(例えばLow電位)の場合、前記第1の論理回路(601)は、前記第1の制御信号(ABLEQT)に対応する値(反転値)の信号を、前記第1のプリチャージ回路(403)及び前記第2のスイッチ対(401、402)の制御端子に伝達し、前記第1のプリチャージ回路(403)を活性化し且つ前記第2のスイッチ対(401、402)を非導通とするか、又は、前記第1のプリチャージ回路(403)を非活性とし且つ前記第2のスイッチ対(401、402)を導通させる。前記テスト制御信号(TSAVTCHKT)がテスト動作を示す値(例えばHigh電位)の場合、前記第1の論理回路(601)は、前記第1の制御信号の値によらず、予め定められた固定値(Low電位)を出力し、前記第1の論理回路(601)から出力される前記固定値は、前記第1のプリチャージ回路(403)を活性化し、且つ前記第2のスイッチ対(401、402)を非導通とし、第1のプリチャージ回路(403)よりプリチャージ・イコライズされた前記LIO線対の電圧が、カラム選択信号(YS)により導通状態とされた前記第1のスイッチ対(カラムスイッチ)を介して、ビット線対のセンスアンプに印加される。
【0071】
本発明の態様の一つにおいて、活性化時にLIO線対を予め定められた第2の電圧(VIO)にプリチャージ及びイコライズする第2のプリチャージ回路(404)をさらに備え、前記制御回路は、イコライズ動作を制御する第2の制御信号(DIOEQT)と、前記第1の論理回路(601)の出力信号(ALIOPRB)とを入力し、出力信号(DIOEQB)が前記第2のプリチャージ回路(404)の制御端子(トランジスタP41〜P54のゲート)に入力され、前記第2のプリチャージ回路(404)の活性化を制御する第2の論理回路(405)をさらに備えている。前記第2の制御信号(DIOEQT)が非活性状態(例えばHigh電位)のとき、前記第2の論理回路(405)は、前記第1の論理回路(601)の出力信号(ALIOPRB)に対応する値(反転値)の信号を出力し、前記第1の論理回路(601)の出力信号(ALIOPRB)が前記第1のプリチャージ回路(403)を非活性化させる値(High電位)のとき、前記第2のプリチャージ回路(404)を活性化させ、カラム選択信号(YS)によりカラムスイッチが導通し、ビット線対(BLT/BLB)とLIO線対(LIOT/LIOB)が電気的に接続する間、第2の制御信号(DIOEQT)が活性化され(Low電位)、前記第2の論理回路(405)の出力信号(DIOEQB)により、前記第2のプリチャージ回路(404)によるLIO線対のプリチャージ・イコライズ動作を停止させる制御が行われる。
【0072】
本発明の別の態様において、LIOT線対からセンスアンプにディスターブ試験用の電圧を与える第1のプリチャージ回路として、専用のプリチャージ回路(図8の408)を用意してもよい。専用のプリチャージ回路(図8の408)は、テスト制御信号(TSAVTCHKB)の活性化時、活性化されてLIOT線対をプリチャージ・イコライズし、このとき、第2のスイッチ対(401、402)は非導通に設定される。
【0073】
あるいは、本発明のさらに別の態様において、LIOT線対からセンスアンプにディスターブ試験用の電圧を与える第1のプリチャージ回路は、別の専用のプリチャージ回路(図9の901)として備え、LIO線対のLIOT/LIOBに個別に電圧を設定する構成としてもよい。この態様において、第1のプリチャージ回路(図9の901)は、第1のテスト制御信号(TSAVTCHKTB)により、導通と非導通が制御され、導通時、LIO線対のLIOT/LIOBの一方を第1の電圧(VLIOTP)へプリチャージする第1のトランジスタ(912)と、第2のテスト制御信号(TSAVTCHKNB)により、導通と非導通が制御され、導通時、LIO線対のLIOT/LIOB2の他方を第2の電圧(VLIONP)へプリチャージする第2のトランジスタ(913)とを備えている。制御回路は、前記第1テスト制御信号(TSAVTCHKTB)と前記第2のテスト制御信号(TSAVTCHKNB)の論理演算結果を出力する第1の論理回路(902)と、前記第1の制御信号(ABLEQT)を入力する反転回路からなる第2の論理回路(406)と、前記第2の論理回路(406)の出力信号(ALIOPRB)と、第2の制御信号(DIOEQT)と、前記第1の論理回路(902)の出力信号を入力する第3の論理回路(802)と、前記第1の論理回路(902)の出力信号(TSAVTCHKORT)と前記第2の論理回路(406)の出力信号を入力する第4の論理回路(801)と、を備えている。第2のプリチャージ回路(403)は、前記第2の論理回路(406)の出力信号(ALIOPRB)により活性化が制御され、第3のプリチャージ回路(404)は、前記第3の論理回路(802)の出力信号(DIOEQB)により活性化が制御され、前記第2のスイッチ対(401、402)は、前記第4の論理回路(801)の出力信号により導通と非導通が制御される。
【0074】
本発明によれば、メインIO線からのディスターブを行わないため、シンプルな制御と低電圧で試験できる。
【0075】
本発明によれば、LIO線をイコライズしながらカラム選択信号YSを選択することで、vtアンバランスの大きいセンスアンプのデータ破壊を加速させる。ウェハー検査工程で、この加速方法を使用することで、不良セルを冗長セルに置換し、不良品を救済することができる。本発明によれば、パッケージ封入後の選別工程で、この加速方法を実施することで、顧客クレームとなる不良品のリジエクトが可能となる。
【0076】
Yスイッチが選択されたときに相補BL線対に接続される相補LIO線対をイコライズしながら、ある電位にプリチャージしておくことで、LIO線からセンスアンプをディスターブし、Vtアンバランスがあるセンスアンプのデータ破壊を加速させることができる。この結果、コスト増やトランジスタの耐圧の問題を生じることなく品質を向上させることができる。以下、具体的な実施例に即して説明する。
【0077】
<実施形態1>
図6は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。本実施形態において、メモリデバイスの全体構成は図1、センスアンプの構成は図2、階層IO線の構成は図3に示した構成の同一とされるため、説明は省略する。
【0078】
図6と、関連技術として説明した図4と比較すると、図4のインバータ406が、図6のNOR回路601に置き換わっており、NOR回路601には、テスト制御信号TSAVTCHKTと、ABLEQTが入力されている。ABLEQTは、図4、図5を参照して説明したABLEQTと同一である。
【0079】
テスト制御信号(センスアンプVtチェックテスト信号)TSAVTCHKTは、通常(テスト動作時以外)、Low電位である。NOR回路601は、その一方の入力TSAVTCHKTがLow電位のとき、他方の入力ABLEQTを反転するインバータとして機能し、ABLEQTの反転信号をALIOPRBとして出力する。TSAVTCHKTがLow電位の場合、図6の回路は、図4の回路と動作は変わらない。すなわち、図5を参照して説明した図4の回路動作と同一とされる。
【0080】
TSAVTCHKTは、MRS(Mode Register Set)コマンドと、テストモードコードを外部から入力することにより、セット/リセットされる信号である。MRSコマンドは、DRAMのモードレジスタの動作モードを設定するコマンドであり、図1の/CS、/RAS、/CAS、/WE、バンクアドレスBA等の値を予め定められた所定値とすることで、DRAMのコマンドデコーダでMRSコマンドであることが判別され、TSACHKTを選択するためのコード情報(パラメータ)は、例えば予め定められたアドレスビット情報を用いて指定され、コマンドデコーダでこのコード情報をデコードした結果、制御信号TSAVTCHKTが生成される。
【0081】
図6において、TSAVTCHKTがHigh電位のとき、NOR回路601の出力ALIOPRBはABLEQTの値によらず、Low電位となり、パストランジスタ401、402は非導通となり、プリチャージ回路403が作動する。またALIOPRBがLow電位のとき、NAND回路405の出力DIOEQBはDIOEQTの値によらず、High電位となり、プリチャージ回路404のPMOSトランジスタP41〜P43は非導通となり、プリチャージ・イコライズ動作を停止する。
【0082】
図7は、図6に示した本実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0083】
まず、ACTコマンド(アクティブコマンド)とともに、バンクアドレス、Xアドレス(ロウアドレス)を入力し、ワード線及びLIO線対(LIOT/LIOB)の選択を行う。
【0084】
次にWriteコマンド(WR)ともに、Yアドレス(カラムアドレス)及びデータを入力し、MIO線、選択されたLIO線対を介してカラム選択信号のHighパルスによりチエック対象のビット線のセンスアンプにデータを書き込む(図7のNormal Write)。
【0085】
次にMRSコマンドとともにTSACHKTを選択するためのコードを入力する。これによって、TSAVTCHKTがHigh電位となり、図6のNOR回路601の出力信号AL1OPRBがLow電位となる。
【0086】
ALIOPRBがLow電位となることで、パスゲート401、402は非導通となり、MIO線対とLIO線対は互いに電気的に分断される。
【0087】
また、LIO線プリチャージ回路403のPMOSトランジスタP31〜P33は導通し、LIO線対(LIOT/LIOB)はVBLP電位にプリチャージ・イコライズされる。
【0088】
NAND回路405は、一方の入力がLow電位となるので、出力信号DIOEQBはDIOEQTの状態に関わりなく、High電位に固定され、プリチャージ回路404のPMOSトランジスタP41〜P43は非導通ととなり、プリチャージ・イコライズ動作を停止する。
【0089】
この状態で、ReadコマンドまたはWriteコマンドとYアドレスを入力すると、Yアドレスをデコードしてカラム選択線YS線が選択され、選択されたカラム選択YS線はHigh電位となり、カラムスイッチが導通し、LIO線対(LIOT/LIOB)とBit線対(BLT/BLB)が接続される。
【0090】
このとき(YSがHighのとき)、LIO線対(LIOT/LIOB)はVBLP電位にプリチャージされているので、High電位にあるビット線BLTの電位は低下し、Low電位にあるビット線BLBの電位は上昇する(図7の「SA Disturb Sequencence」で示す期間のYSの立ち上がりエッジの後のBLTとBLBの電位変化参照)。
【0091】
すなわち、センスアンプの対となるトランジスタ(例えば図2のNMOSトランジスタ215と216)のゲート−ソース間電位VgSの差ΔVgsが小さくなる。
【0092】
ここで、
ΔVgs<ΔVt
となると、センスアンプは、今までと逆方向に増幅を行い、元のデータ(メモリセルの保持データ)を破壊することになる。ただし、ΔVtは、前記Vtアンバランスであり、図2の場合、NMOSトランジスタ216と215の閾値電圧の差Vt_216−Vt_215である。ΔVtが大きいほど、データ破壊に対する耐久性は弱い。
【0093】
例えば図7において、「SA with large Vt−Offset (Data Collapse)」の矢線で示すビット線対BLT、BLBは、カラム選択信号YSがHighになる前(YスイッチがオンしBLB/BLTがLIOT/LIOBに接続する前)の値と、YSがHighになった後(YスイッチがオンとなりBLB/BLTがLIOT/LIOBに接続した後)の値とが反転している。カラム選択信号YSがHighのとき、ワード線はHighであり(図5のRDコマンドの動作参照)、ビット線対BLT、BLBにデータが読み出されたメモリセルに対して、当該読み出しデータを反転した値のデータが書き込まれ、メモリセルの保持データが破壊される。一方、図7の「Normal SA」の矢線で示す例では、Yスイッチがオンする前と後でビット線対BLT、BLBの値は変わらない。
【0094】
その後、MRSコマンドと共に、TSAVTCHKTを非選択にするコードを入力すると、TSAVTCHKTがLow電位となり、通常動作(ノーマル動作)と同じ状態に戻る。
【0095】
この後、ReadコマンドとYアドレスを入力し、メモリセルに保持されるデータが破壊されているかチェックを行う。
【0096】
本実施形態においては、メモリアレイ近傍のSWC回路に対して、インバータをNORに変えて配線を1本追加するだけでよいことから、回路面積の増大、チップの増大を抑制している。
【0097】
なお、図7では、説明のため、ACT(LIO線対の電圧VIOのプリチャージ)→WRITE(メモリセルへのデータ書き込み)→MRS(テスト動作エントリ:TSAVTCHKT=High)→RD(ディスターブ)→MRS(テスト動作エグジット:TSAVTCHKTを=Low)→READ(メモリセルのチェック読み出し)という動作サイクルの説明をしたが、動作シーケンスは、図7に示したシーケンスに限定されるものではない。
【0098】
例えば、最初に、全メモリセルに対してWRITE動作を実行した後、TSAVTCHKTをHighとして、連続READでカラム選択信号YSを順番に選択していくようにしてもよい。
【0099】
あるいは、複数のカラム選択信号YSを同時に選択することで、纏めて複数のセンスアンプにディスターブをかける等してもよい。
【0100】
本発明によらないVtアンバランスの検出方法と比べて、本発明によれば、個々のセンスアンプの実力を直接評価することができる。また、本発明によれば、メモリセルに書き込むデータパタンを工夫する必要がないため、長いテスト時間を必要としない。
【0101】
また、MIO線の電荷を用いる方法と異なり、本発明によれば、LIO線を直接駆動するため、電源電圧を高くする必要がなく、トランジスタの耐圧の問題も発生することなく、Vtアンバランスの大きなセンスアンプを検出することができる。
【0102】
また本実施形態では、TSACHKVT信号がHigh電位になることにより、LIO線対がVBLP電位にプリチャージされる回路構成が例示されているが、以下に例示するように、その他の電位にプリチャージしても良い。
【0103】
<実施形態2>
図8は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。本実施形態では、LIO線対をプリチャージする電位を、図6に示した前記実施形態とは相違して、VBLP以外の電位としている。図8を参照すると、本実施形態では、図6の前記実施形態の構成に、プリジャージ回路408が追加されており、制御回路として、図6のNOR回路601が、図4のインバータ406で置き換えられ、テスト制御信号として、図6のTSAVTCHKTの代わりに、TSAVTCHKBが用いられている。また、本実施形態においては、図4、図6の2入力NAND回路405の代わりに、3入力NAND回路802を備え、さらに、TSAVTCHKBとALIOPRBを入力するNAND回路801を備え、NAND回路801の出力信号によってパスゲート401、402の導通、非導通を制御している。ここで、TSAVTCHKBは、図6のTSAVTCHKTの相補の信号であり、通常動作時はHigh電位となっており、TSAVTCHKBをゲートに受けるプリジャージ回路408のPMOSトランジスタP51〜P53は非導通状態となっている。
【0104】
図8において、VLIOP電位はレギュレータ(不図示)等を用いて発生される任意の電位からなる。あるいは、VLIOP電位は低位側電源電圧VSSに直結することも可能である。
【0105】
本実施形態では、テスト制御信号TSAVTCHKBは、図6のTSAVTCHKTの相補の信号であり、通常動作時、High電位となっており、プリジャージ回路408のPMOSトランジスタP51〜P53は非導通状態であり、プリジャージ回路408は非活性状態となっている。
【0106】
MRSコマンドとともに、TSAVTCHKBを選択するためのコードを入力する。これによって、TSAVTCHKBがLow電位になると、NAND回路802の出力DIOEQBがHigh電位となり、プリチャージ回路404のPMOSトランジスタP41〜P43は非導通状態となり、プリチャージ・イコライズ動作を停止する。また、TSAVTCHKBがLow電位になると、NAND回路801の出力がHigh電位となり、第1、第2のパスゲート回路401、402がともに非導通(オフ)となり、MIO線対とLIO線対が電気的に分離される。
【0107】
TSAVTCHKBがLow電位のとき、プリチャージ回路408のPMOSトランジスタP51〜P53が導通するので、LIO線対(LIOT/LIOB)は、VLIOP電位にプリチャージされることになる。
【0108】
本実施形態よれば、プリチャージ回路408を、Vtアンバランスの大きいセンスアンプを検出するための専用回路として設計することができる。このため、センスアンプに対してより効果的なディスターブをかけることが出来る。
【0109】
なお、図8において、ディスターブ時、TSAVTCHKBがHigh電位からLow電位となると、第1、第2のパスゲート401、402を非導通とする構成としてもよい。
【0110】
<実施形態3>
図9は、本発明の第3の本実施形態の構成を示す図である。本実施形態では、プリチャージ時のLIO線電位をLIOT/LIOB個別に設定できるようにしている。この場合、LIO線対(LIOT/LIOB)同士のイコライズは行わず、個別にプリチャージのみを行うことで不良を検出するようにしている。
【0111】
図9を参照すると、本実施形態のSWC回路は、プリチャージ回路901は、VL1OTPにソースが接続されドレインがLIOTに接続され、TSAVTCHKVTBをゲートに入力するPMOSトランジスタ912と、VLIONPにソースが接続されドレインがLIOBに接続され、TSAVTCHKBBをゲートに入力するPMOSトランジスタ913を備えている。入力信号TSAVTCHKTBとTSAVTCHKNBは、個別のコードをMRSコマンドと共に入力することで、個別に制御され、使用時はLow電位、未使用時はHigh電位となる信号である。さらに、SWC回路は、TSAVTCHKTBとTSAVTCHKNBを入力するAND回路902を備えている。
【0112】
AND回路902の出力信号TSAVTCHKORTは、図8のTSAVTCHKBと同様の接続構成とされる。すなわち、AND回路902の出力信号TSAVTCHKORTは、ABLEQTをインバータ406で反転したALIOPRBとともに、NAND回路801に入力され、NAND回路801の出力は、パスゲート401、402のPMOSトランジスタのゲートに入力され、NAND回路801の出力をインバータ407で反転した信号は、パスゲート401、402のNMOSトランジスタのゲートに入力される。
【0113】
ALIOPRBはLIO線対(LIOT/LIOB)のプリチャージ回路403の活性化/非活性化を制御する。ALIOPRBがLow電位のとき、プリチャージ回路403は活性化し、LIO線対(LIOT/LIOB)を、VBLP電位にプリチャージ・イコライズする。AND回路902の出力とALIOPRBとDIOEQTを入力するNAND回路802の出力信号DIOEQBは、プリチャージ回路404の活性化/非活性化を制御する。DIOEQBがLowのとき、プリチャージ回路404が活性化し、LIO線対(LIOT/LIOB)をVIOにプリチャージ・イコライズする。
【0114】
TSAVTCHKTB又はTSAVTCHKNBがLow電位になると、TSAVTCHKORTがLow電位となり、NAND回路801の出力がHigh電位となり、パスゲート401、402が非導通となり、MIO線対とLIO線対が電気的に分離し、またNAND回路802の出力信号DIOEQBがHigh電位となり、プリチャージ回路404が非活性化される。TSAVTCHKTBがLow電位になると、LIOTは、導通状態のPMOSトランジスタ912によってVILOTP電位にプリチャージされるが、TSAVTCHKNBがHigh電位であれば、PMOSトランジスタ913が非導通(オフ)であるため、LIOBは、High電位のフローティング状態となる。
【0115】
TSAVTCHKNBがLow電位になると、LIOBはPMOSトランジスタ913よってVILONP電位にプリチャージされるが、TSAVTCHKTBがHigh電位であれば、PMOSトランジスタ912が非導通(オフ)であるため、LIOTはHigh電位のフローティング状態となる。このようにして、LlOT、L1OB個々に電位を印加することが可能である。また、TSAVTCHKTB、TSAVTCHKNBを同時にLow電位にし、VLIOTP、VLIONPの電位を異なる電位にしておけば、LIOT、LIOBを異なる電位に、プリチャージすることも可能である。
【0116】
LIO線対を所定の電位にプリチャージしながらYSを選択することでセンスアンプ内の対となるMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧Vgsの差を小さくすることができる。LIO線と直接駆動するため、関連技術と比べて、データパタンに工夫がいらず、電源電圧を高くする必要がないため、Vtアンバランスの大きいセンスアンプを効率よく検出することができる。
【0117】
本発明の技術思想は、様々な半導体装置に適用することができる。例えば、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Control Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Circuit)、メモリ(Memory)等の半導体装置全般に、本発明を適用することができる。このような本発明が適用された半導体装置の製品形態としては、例えば、SOC(システムオンチップ)、MCP(マルチチップパッケージ)やPOP(パッケージオンパッケージ)などが挙げられる。これらの任意の製品形態、パッケージ形態を有する半導体装置に対して本発明を適用することができる。また、トランジスタは、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)であれば良く、MOS(Metal Oxide Semiconductor)以外にもMIS(Metal−Insulator Semiconductor)、TFT(Thin Film Transistor)等の様々なFETに適用できる。トランジスタ等の様々なFETに適用できる。更に、装置内に一部のバイポーラ型トランジスタを有しても良い。更に、PMOSトランジスタ(P型チャネルMOSトランジスタ)は、第2導電型のトランジスタ、NMOSトランジスタ(N型チャネルMOSトランジスタ)は、第1導電型のトランジスタの代表例である。
【0118】
本発明は、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
1 メモリアレイ
2 Xデコーダ及びXタイミング生成回路
3 Yデコーダ及びYタイミング生成回路
4 デコーダ制御回路
5 データラッチ回路
6 入出力インタフェース
7 内部クロック(CLK)生成回路
8 制御信号生成回路
9 DLL(Delay Locked Loop:遅延同期ループ)
11 メモリマット0
12 センスアンプ部
13 メモリマット1
14 サブワードドライバ回路
18 PMOSトランジスタ
19 イコライズ回路
20 NMOSトランジスタ
201 メモリマット0
202 センスアンプ部
203 メモリマット1
204 サブワードドライバ回路
205a〜205d センスアンプ
206a〜206d プリチャージ・イコライズ回路
207a〜207d メモリセル
208、212 NMOSトランジスタ
209 プリチャージ・イコライズ回路
210a〜210d セルトランジスタ
211a〜211d キャパシタ
213、214、912、913 PMOSトランジスタ
215、216 NMOSトランジスタ
301 バスドライバ(BUSD)
302 メインアンプ(MA)
303 SWC回路
304 センスアンプ(SA)
217、218、317、318 カラムスイッチ(Yスイッチ)
401、402 パスゲート(トランスファゲート)
403、404、408 プリチャージ・イコライズ回路
405 NAND
406、407 インバータ
601 NOR回路
801、802 NAND回路
901、902 プリチャージ回路
912、913 PMOSトランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがデータを相補に伝送する第1のデータ線対、第2のデータ線対、及び第3のデータ線対と、
前記第1のデータ線対に接続されるアンプと、
制御端子に入力される選択信号により導通と非導通が制御され、前記第1のデータ線対と前記第2のデータ線対間の接続を制御する第1のスイッチ対と、
前記第2のデータ線対と前記第3のデータ線対間の接続を制御する第2のスイッチ対と、
前記第2のデータ線対の各線を共通又は個別にプリチャージする第1のプリチャージ回路と、
を少なくとも備え、さらに、
動作モードがテスト、ノーマル動作のいずれであるかを指示するテスト制御信号に基づき、テスト動作時、前記第2のスイッチ対を非導通とし、且つ、前記第1のプリチャージ回路を活性化させる制御を行う制御回路を備え、
テスト時に、前記第1のプリチャージ回路から前記第2のデータ線対に印加されたプリチャージ電圧が、選択信号で導通状態とされた前記第1のスイッチ対を介して、前記第1のデータ線対の前記アンプに印加される、半導体装置。
【請求項2】
前記第1のプリチャージ回路は、ノーマル動作時、前記第2のデータ線対が選択されない場合に活性化され前記第2のデータ線対を予め定められた電圧にプリチャージ・イコライズし、前記第2のデータ線対が選択された場合に非活性とされるプリチャージ回路を、テスト用として併用したものである、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1のプリチャージ回路は、
前記第2のデータ線対が選択されないときに活性化して前記第2のデータ線対をプリチャージ・イコライズし、前記第2のデータ線対が選択されたときに非活性とされる第2のプリチャージ回路と、
前記第2のデータ線対が選択され、前記第2のスイッチ対の非選択時に活性化して前記第2のデータ線対をプリチャージ・イコライズし、前記第2のスイッチ対の非選択時に非非活性とされる第3のプリチャージ回路とは別の専用回路として設けられている、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記制御回路は、
イコライズ動作を制御する第1の制御信号と、前記テスト制御信号とを入力とする第1の論理回路を備え、
前記第1の論理回路の出力信号が、直接又は間接に、前記第1のプリチャージ回路及び前記第2のスイッチ対の制御端子に供給され、
前記テスト制御信号がノーマル動作を示す値のとき、
前記第1の論理回路は、前記第1の制御信号に対応する値の信号を、前記第1のプリチャージ回路及び前記第2のスイッチ対の制御端子に伝達し、前記第1のプリチャージ回路を活性化し且つ前記第2のスイッチ対を非導通とするか、又は、前記第1のプリチャージ回路を非活性とし且つ前記第2のスイッチ対を導通させ、
前記テスト制御信号がテスト動作を示す値のとき、
前記第1の論理回路は、前記第1の制御信号の値によらず、予め定められた固定値を出力し、前記第1の論理回路から出力される前記固定値は、前記第1のプリチャージ回路を活性化し、且つ前記第2のスイッチ対を非導通とし、
前記第1のプリチャージ回路よりプリチャージ・イコライズされた前記第2のデータ線対の電圧が、前記選択信号により導通状態とされた前記第1のスイッチ対を介して、前記第1のデータ線対の前記アンプに印加される、請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項5】
活性化時に前記第2のデータ線対を予め定められた第2の電圧にプリチャージ及びイコライズする第2のプリチャージ回路をさらに備え、
前記制御回路は、
イコライズ動作を制御する第2の制御信号と、前記第1の論理回路の出力信号とを入力し、出力信号が前記第2のプリチャージ回路の制御端子に入力され、前記第2のプリチャージ回路の活性化を制御する第2の論理回路をさらに備え、
前記第2の制御信号が非活性状態のとき、前記第2の論理回路は、前記第1の論理回路の出力信号に対応する値の信号を出力し、前記第1の論理回路の出力信号が前記第1のプリチャージ回路を非活性化させる値のとき、前記第2のプリチャージ回路を活性化させ、前記選択信号により前記第1のスイッチ対が導通し、前記第1のデータ線対と前記第2のデータ線対が電気的に接続するとき、前記第2の制御信号が活性化され、前記第2の論理回路の出力信号により、前記第2のプリチャージ回路を非活性化させ前記第2のデータ線対のプリチャージ・イコライズ動作を停止させる、請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の制御信号は、プリチャージコマンドの入力に応答して、活性化され、アクティブコマンドの入力に応答して非活性化され、
前記第2の制御信号は、少なくとも前記選択信号が活性化し、前記第1のデータ線対と前記第2のデータ線対間でデータの転送が行われる期間に、活性化される、請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
ノーマル動作において、
アクティブコマンドの入力に応答して、前記第1の制御信号が非活性化し、前記第1のプリチャージ回路による前記第2のデータ線対のプリチャージ・イコライズ動作が停止し、前記第2のスイッチ対は導通状態とされ、前記第2のプリチャージ回路による前記第2のデータ線対の前記第2の電圧のプリチャージ・イコライズ動作が行われ、
次に入力される書き込みコマンドに応答して、外部端子から前記第3のデータ線対に転送されたデータが、導通状態の前記第2のスイッチを介して、前記第2のデータ線対に転送され、前記選択信号により導通状態とされた前記第1のスイッチ対を介して、前記第1のデータ線対の前記アンプに転送され、
つづいて入力される第1のモードレジスタ設定コマンドに応答して、前記テスト制御信号がテスト動作を示す値をとり、前記第1の論理回路の出力信号は前記固定値をとり、前記第1のプリチャージ回路は活性化状態、前記第2のスイッチ対は非導通状態とされ、前記第2のプリチャージ回路は非活性化され、前記選択信号により、前記第1のスイッチ対が導通時、前記第1のプリチャージ回路による前記第2のデータ線対のイコライズ電圧である前記第1の電圧が前記第1のスイッチ対を介して前記第1のデータ線対の前記アンプに印加され、
次に入力される第2のモードレジスタ設定コマンドに応答して、前記テスト制御信号がノーマル動作をとり、前記第1のプリチャージ回路が非活性化され、前記第2のプリチャージ回路が活性化され、前記第2のスイッチ対が導通状態とされ、
次に入力される読み出しコマンドの入力に応答して、前記第1のデータ線対の前記アンプに保持されたデータが、選択信号で導通状態とされた前記第1のスイッチ対を介して前記第2のデータ線対に転送され、さらに、導通状態とされた前記第2のスイッチ対を介して前記第3のデータ線対に転送された後に外部端子に出力される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1のプリチャージ回路は、その制御端子に前記テスト制御信号が入力され、前記テスト制御信号により直接活性化と非活性化が制御され、
前記第2のデータ線対をそれぞれ第2、第3の電圧にイコライズする第2、第3のプリチャージ回路を備え、
前記制御回路は、
前記第1の制御信号を入力する反転回路からなる第1の論理回路と、
前記第1の論理回路の出力信号と、第2の制御信号と、前記テスト制御信号を入力する第2の論理回路と、
前記テスト制御信号と前記第1の論理回路の出力信号を入力する第3の論理回路と、
を備え、
前記第2のプリチャージ回路は前記第1の論理回路の出力信号で活性化と非活性化が制御され、
前記第3のプリチャージ回路は前記第2の論理回路の出力信号で活性化と非活性化が制御され、
前記第2のスイッチ対は、前記第3の論理回路の出力信号により導通と非導通が制御され、前記テスト制御信号がテスト動作を示し、且つ、前記第1の制御信号が前記第1のプリチャージ回路を非活性化させる値のとき、前記第2のスイッチは非導通とされ、
前記テスト制御信号がノーマル動作を示すか又は前記第1の制御信号が前記第1のプリチャージ回路を活性化させる値のとき、前記第2のスイッチは導通状態に設定される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1のプリチャージ回路は、
第1のテスト制御信号により、導通と非導通が制御され、導通時、前記第2のデータ線対の一方のデータ線を第1の電圧へプリチャージする第1のトランジスタと、
第2のテスト制御信号により、導通と非導通が制御され、導通時、前記第2のデータ線対の他方のデータ線を第2の電圧へプリチャージする第2のトランジスタと、
を備え、
活性化時、前記第2のデータ線対を第3の電圧にプリチャージ・イコライズする第2のプリチャージ回路と、
活性化時、前記第2のデータ線対を第4の電圧にプリチャージ・イコライズする第3のプリチャージ回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記第1テスト制御信号と前記第2のテスト制御信号の論理演算結果を出力する第1の論理回路と、
前記第1の制御信号を入力する反転回路からなる第2の論理回路と、
前記第2の論理回路の出力信号と、第2の制御信号と、前記第1の論理回路の出力信号を入力する第3の論理回路と、
前記第1の論理回路の出力信号と前記第2の論理回路の出力信号を入力する第4の論理回路と、
を備え、
前記第2のプリチャージ回路は、前記第2の論理回路の出力信号により、活性化と非活性化が制御され、
前記第3のプリチャージ回路は、前記第3の論理回路の出力信号により、活性化と非活性化が制御され、
前記第2のスイッチ対は、前記第4の論理回路の出力信号により導通と非導通が制御され、
前記第1及び第2のテスト制御信号がテスト動作を示し、且つ、前記第1の制御信号が前記第3のプリチャージ回路を非活性とする値のとき、前記第2のスイッチは非導通とされ、前記第1、第2のプリチャージ回路によりそれぞれプリチャージされた前記第2のデータ線対の一方のデータ線の第1の電圧と他方のデータ線の第2の電圧が、前記選択信号によって導通状態とされた前記第1のスイッチを介して前記第1のデータ線対のアンプに与えられる請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記アンプは、第1端子同士が接続されて第1の電源線に接続され、第2端子が前記第1のデータ線対にそれぞれ接続され、制御端子が相手の第2端子と交差接続された第1導電型の第1のトランジスタ対と、
第1端子同士が接続されて第2の電源線に接続され、第2端子が前記第1のデータ線対にそれぞれ接続され、制御端子が相手の第2端子と交差接続された第2導電型の第1のトランジスタ対と、
を備えている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1のデータ線対、前記第2のデータ線対、前記第3のデータ線対が、ビット線対、複数の前記ビット線対にカラムスイッチを介して接続するローカル入出力線対、複数の前記ローカル入出力線対に接続回路を介して接続するグローバル入出力線対からなる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−38374(P2012−38374A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176078(P2010−176078)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】