説明

半導体装置

【課題】大電力用途の半導体装置に用いるトランジスタには、高いドレイン電流を確保するためのチャネル領域を有する構造が必要である。その一例のトランジスタとして、縦型(トレンチ型)トランジスタも検討されているが、ドレイン電流のオンオフ比がとれず、良好なトランジスタ特性が得られないという課題がある。
【解決手段】導電性を有する基板上において、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層を、基板と酸化物半導体層の間に設けられた第1の電極と酸化物半導体層上に設けられた第2の電極とで挟持し、絶縁層を介した酸化物半導体層の島状の領域の側面上に、ゲート電極としての機能を有する導電層を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する本発明の技術分野は、酸化物半導体を用いた半導体装置に関する。特に開示する本発明の技術分野は、酸化物半導体を用いたトランジスタを有する半導体装置に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
フラットパネルディスプレイに代表される液晶表示装置や発光表示装置において、その多くに用いられているトランジスタは、ガラス基板上にて、アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどのシリコン半導体によって構成されている。
【0004】
そのシリコン半導体に代わって、酸化物半導体をトランジスタに用いる技術が注目されている。
【0005】
例えば、酸化物半導体として、一元系金属酸化物である酸化亜鉛や、ホモロガス化合物であるIn−Ga−Zn系酸化物があり、それらを用いてトランジスタを作製し、表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が、特許文献1及び特許文献2で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記表示装置の画素スイッチング素子などに用いられるボトムゲート型トランジスタは、横型トランジスタである。横型トランジスタは、ドレイン電流の経路となるチャネル領域が薄く、大電力用途の半導体装置には応用することが難しい。それゆえ、大電力用途の半導体装置に用いるトランジスタには、より高いドレイン電流を確保する構造が好ましい。
【0008】
また、大電力用途の半導体装置に用いるトランジスタとしては、縦型(トレンチ型)トランジスタも検討されている。しかしながらシリコンを用いて構成される縦型トランジスタは、ドレイン電流のオンオフ比がとれず、良好なトランジスタ特性が得られないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、導電性を有する基板と、基板上に形成された第1の導電層と、第1の導電層上に形成された第2の導電層と、第2の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層の島状の領域の上面に形成された第3の導電層と、酸化物半導体層上及び第3の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、第1の絶縁層を介した酸化物半導体層の島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する第4の導電層と、第1の絶縁層上及び第4の導電層上に形成され、層間絶縁層としての機能を有する第2の絶縁層と、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を介した第3の導電層上に形成され、第1の絶縁層及び第2の絶縁層に設けられた開口部を介して第3の導電層に接続される第5の導電層と、を有する半導体装置である。
【0010】
本発明の一態様において、隣接する、酸化物半導体層の島状の領域の間では、酸化物半導体層が、第1の絶縁層を介して第4の導電層と重畳する半導体装置が好ましい。
【0011】
本発明の一態様において、隣接する、酸化物半導体層の島状の領域の間では、第3の導電層が、第1の絶縁層を介して第2の絶縁層と重畳する半導体装置が好ましい。
【0012】
本発明の一態様において、第4の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0013】
本発明の一態様において、第5の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0014】
本発明の一態様において、第2の導電層及び第3の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0015】
本発明の一態様において、第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0016】
また本発明の一態様は、導電性を有する基板と、基板上に形成された第1の導電層と、第1の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層の島状の領域の上面に形成された第2の導電層と、酸化物半導体層上及び第2の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、第1の絶縁層を介した酸化物半導体層の島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する第3の導電層と、第1の絶縁層上及び第3の導電層上に形成され、層間絶縁層としての機能を有する第2の絶縁層と、第1の絶縁層及び第2の絶縁層を介した第2の導電層上に形成され、第1の絶縁層及び第2の絶縁層に設けられた開口部を介して第2の導電層に接続される第4の導電層と、を有する半導体装置である。
【0017】
本発明の一態様において、隣接する、酸化物半導体層の島状の領域の間では、酸化物半導体層が、第1の絶縁層を介して第3の導電層と重畳する半導体装置が好ましい。
【0018】
本発明の一態様において、第3の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0019】
本発明の一態様において、第4の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0020】
本発明の一態様において、第2の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0021】
本発明の一態様において、第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0022】
また本発明の一態様は、導電性を有する基板と、基板上に形成された第1の導電層と、第1の導電層上に形成された第2の導電層と、第2の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、酸化物半導体層の島状の領域の上面に形成された第3の導電層と、酸化物半導体層上及び第3の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と、絶縁層を介した酸化物半導体層の島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する導電層と、絶縁層を介した第3の導電層上に形成され、絶縁層に設けられた開口部を介して第3の導電層に接続される導電層とを構成する第4の導電層と、を有する半導体装置である。
【0023】
本発明の一態様において、隣接する、酸化物半導体層の島状の領域の間では、酸化物半導体層が、第1の絶縁層を介して、ゲート電極としての機能を有する第4の導電層と重畳する半導体装置が好ましい。
【0024】
本発明の一態様において、ゲート電極としての機能を有する第4の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0025】
本発明の一態様において、絶縁層に設けられた開口部を介して第3の導電層に接続される第4の導電層が互いに接続されている半導体装置が好ましい。
【0026】
本発明の一態様において、第2の導電層及び第3の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0027】
本発明の一態様において、第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置が好ましい。
【0028】
本発明の一態様は、一方の面に凸部及び凹部が形成された酸化物半導体層と、凹部の表面に接して形成された、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と、絶縁層上に接して形成された、ゲート電極としての機能を有する第1の導電層と、凸部の上面に接して形成された、低抵抗領域としての機能を有する第2の導電層と、酸化物半導体層の他方の面に接して形成された、低抵抗領域としての機能を有する第3の導電層と、第3の導電層が形成された、平坦な表面を有する第4の導電層と、第4の導電層が形成された、平坦な表面を有し且つ導電性を有する基板と、を有する半導体装置である。
【0029】
本発明の一態様において、第3の導電層が、凹部の表面に露出するように形成された半導体装置が好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様である半導体装置は、良好なトランジスタ特性を得ることができ、より高いドレイン電流を確保することができる。さらに本発明の一態様である半導体装置は、複数のデバイスを並列に接続して、単位面積あたりの出力電流を大きくすることができる。また本発明の一態様である半導体装置では、トランジスタが形成される基板として熱伝導性の高い金属基板を用いることで、放熱機能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図2】本発明の一態様を説明するための斜視図。
【図3】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図4】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図5】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図6】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図7】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図8】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図9】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図10】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図11】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図12】本発明の一態様を説明するための上面図及び断面図。
【図13】本発明の一態様を説明するためのブロック図。
【図14】本発明の一態様を説明するためのブロック図。
【図15】本発明の一態様の応用製品を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明の構成は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0033】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0034】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0035】
「ソース」や「ドレイン」の機能は、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0036】
オン電流とは、トランジスタがオン状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。例えば、n型のトランジスタの場合には、ゲート電圧がトランジスタの閾値電圧よりも高いときにソース電極とドレイン電極との間に流れる電流である。そして、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときに、ソース電極とドレイン電極の間に流れる電流をいう。
【0037】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置について、上面図及び断面図を用いて説明する。
【0038】
図1(A)は、トランジスタ110を有する半導体装置の上面図であり、図1(B)は、図1(A)のA−B間における断面図である。
【0039】
図1(A)は、基板上に、複数の導電層、複数の絶縁層及び酸化物半導体層を積層した際の上面図である。図1(A)では特に、酸化物半導体層10、導電層11、導電層12、導電層13のレイアウト図について示している。なお図1(A)において絶縁層は図示を省略している。また図1(A)では、導電層及び酸化物層について上面から見た際、重畳する部分を点線で示している。
【0040】
図1(A)中、トランジスタ110は基板上で、ドット状に複数個設けられている。図1(A)では、トランジスタ110を基板上に、3×3個を配置する例を示したが、配置するトランジスタの数は一例として10個以上10000個以下とすることが好ましい。本発明の一形態である半導体装置では、トランジスタ110の一つを流れる電流量の総和が半導体装置で流すことができる電流量となる。そのため、一つのトランジスタ110の一つを流れる電流量が十分でなくても、半導体装置が具備するトランジスタ数を増やすことで、流れる電流量を増やすことができる。
【0041】
なおドット上に複数個設けられるとは、図1(A)に示すようにトランジスタ110が縦横にマトリクス状に設ける構成としても良いし、ジグザクに設ける構成としてもよい。特にマトリクス状に設ける構成とすることで、半導体装置内を引き回す配線のレイアウト面積を小さくすることができる。またマトリクス状に設ける構成とすることで、同じサイズのトランジスタ110を並べて設ける構成とすることができ、トランジスタ間の特性のばらつきを低減することができる。
【0042】
また図1(A)中、導電層12は一例として、複数のトランジスタ110に接続されるように、格子状に設けられる。導電層12はトランジスタ110のゲート電極として機能させることができる。導電層12は、外部の素子に接続するために、導電層を延設し、外部の素子と接続するための端子に接続して用いることもできる。なお図1(A)では複数のトランジスタ110のゲートに接続され、外部の素子と接続するための端子Gを表している。
【0043】
また図1(A)中、導電層13は一例として、各トランジスタ110に接続されるように設けられる。導電層13はトランジスタ110のソースまたはドレインとして機能する領域に接続される電極として機能させることができる。導電層13は、外部の素子に接続するための端子に接続して用いることもできる。なお図1(A)では複数のトランジスタ110のドレイン(またはソース)に接続され、外部の素子と接続するための端子Dを表している。
【0044】
次いでトランジスタ110の断面図について図1(B)を用いて説明する。
【0045】
図1(B)に示す断面図では、基板100、導電層101、導電層102、酸化物半導体層103、導電層104、絶縁層105、導電層106、絶縁層107及び導電層108を有するトランジスタ110が3つ並んだ構成例を示している。
【0046】
また図1(B)では、酸化物半導体層103において、導電層102上に接して設けられる領域の他、絶縁層105に接する側の表面に複数設けられる、島状の領域103iを表している。また図1(B)では、島状の領域103iには、断面とした際、側面にテーパー形状151を有することを表している。
【0047】
図1(B)に示す断面図のようなトランジスタ110の構成とすることで、導電層106に印加される電位によって、導電層102上に接して設けられる領域の酸化物半導体層及び島状の領域103iの酸化物半導体層、を流れる電流の電流量を制御することができる。したがって導電層102上に接して設けられる領域の酸化物半導体の厚さを増やすといった簡単な設計変更により、高電圧がトランジスタ110に印加された際のリーク電流を低減することができる。
【0048】
また図1(B)では、絶縁層105及び絶縁層107に開口部152(コンタクトホール)が設けられていることを表している。開口部152では導電層104と導電層108とが接続される構成を示している。
【0049】
基板100は、導電性を有する基板、例えば金属基板を用いる。金属基板は、電気伝導性及び熱伝導性の高い材料であることが好ましい。基板100としては、ステンレス基板または銅基板を用いることが好ましい。
【0050】
従って本実施の形態における基板100は放熱機能を備えた基板とすることができる。放熱機能を備えた基板100上には、図1(A)に示すように、トランジスタ110を複数設けられる。複数のトランジスタ110を流れる電流により熱が発生した場合、基板100は発生した熱を効率的に外部に放出することができる。
【0051】
なお基板100は、外部に延設しておくことで放熱機能をより高めることができる。例えば図2に示す斜視図のように、トランジスタ110が設けられた基板100は、筐体200から外部に延設しておけばよい。
【0052】
また基板100からは、図2に示すように、外部の素子に接続するために、図1(A)で示した端子D、端子Gの他、基板100の一部を筐体の外部に延設する構成にできる。この構成の場合、基板100より延設される電極は、複数のトランジスタ110のソース(またはドレイン)に接続される端子Sとして用いることができる。
【0053】
導電層101は、導電性を有する材料を用いればよい。導電層101は、トランジスタ110のソース及びドレインの一方として機能する領域に接続される電極(第1の電極という)となる。導電層101としては、耐熱性が比較的高いタングステン(W)を用いることが好適である。
【0054】
導電層102は、導電性を有する材料を用いればよい。導電層102は、トランジスタ110に印加される電界によってホットキャリア等が生じることで、トランジスタ110が劣化することを抑制する低抵抗領域として機能するものである。導電層102としては、酸化物半導体層にドーパントとしてリン(P)またはボロン(B)をイオン注入法またはイオンドーピング法を用いて注入し、導電性を高めた層を用いることが好ましい。
【0055】
なお酸化物半導体層に注入するドーパントとしては、他にもヘリウム、アルゴン、キセノンなどの希ガスや、窒素、リン、ヒ素、アンチモンなどの15族原子などを用いることができる。
【0056】
なおドーパントが注入される酸化物半導体層の材料としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0057】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイド系の元素を適用することもでき、例えばランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、イッテルビウム(Yb)などのいずれか一種あるいは複数種を有してもよい。
【0058】
例えば、酸化物半導体層の材料として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
【0059】
酸化物半導体層103は、チャネル形成領域として機能する酸化物半導体材料を用いればよい。酸化物半導体層103には、導電層102の説明で列挙した金属酸化物を用いることができる。
【0060】
特に酸化物半導体層103には、In−Ga−Zn系酸化物を用いることが好適である。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、電界効果移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。ドレイン耐圧は酸化物半導体層の膜厚に依存するため、ドレイン耐圧を高くするためには、酸化物半導体層の膜厚は厚い方が好ましく、所望のドレイン耐圧に見合う膜厚を選択することができる。例えば、酸化物半導体層103の膜厚は、3μm以上4μm以下とすることが良い。
【0061】
なお酸化物半導体層103には、上述のIn−Ga−Zn系酸化物の他の材料でもよい。例えば、In−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系の金属酸化物は、トランジスタ110の電界効果移動度を、In−Ga−Zn系酸化物よりもさらに大きくすることができるため好適である。
【0062】
酸化物半導体層103は単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態をとる。
【0063】
好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
【0064】
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
【0065】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0066】
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
【0067】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
【0068】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動を低減することが可能である。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0069】
なお酸化物半導体層103は、平坦な表面上に形成されることが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が0nm以上1nm以下、好ましくは0nm以上0.3nm以下、より好ましくは0nm以上0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
【0070】
なお、Raは、JIS B0601で定義されている算術平均粗さを面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、以下の式(1)にて定義される。
【0071】
【数1】

【0072】
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて評価可能である。
【0073】
さらに、酸化物半導体層103は、水素などの不純物が十分に除去されることで高純度化され、且つ十分な酸素が供給されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体層103の水素濃度は5×1019atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望ましくは5×1017atoms/cm以下とする。なお酸化物半導体層103中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定されるものである。このように、水素濃度が十分に低減されて高純度化され、十分な酸素の供給により酸素欠乏に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位が低減された酸化物半導体層103では、水素等のドナーに起因するキャリア密度が1×1010/cm以上1×1013/cm以下となる。このように、i型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体を用いることで、極めてオフ電流の小さいトランジスタ110とすることができる。
【0074】
さらに、チャネル形成領域である酸化物半導体層103の形状は、膜厚横方向の長さよりも膜厚縦方向の長さを大きくした形状とすることが好適である。水素等のドナーに起因するキャリア密度が1×1013/cm以下であるi型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体において、酸化物半導体層の膜厚を大きくすることで、ドレイン電流のオンオフ比などのトランジスタ特性を良好にすることができる。これは、酸化物半導体層103の形状を、膜厚横方向の長さよりも膜厚縦方向の長さを大きくした形状とすることにより、酸化物半導体層103内に充分な空乏層が形成されるためである。
【0075】
導電層104は、導電性を有する材料を用いればよい。導電層104は、トランジスタ110のソース及びドレインの他方として機能する領域に接続される電極(第2の電極という)となる。そのため導電層104としては、導電層101と同様に、耐熱性が比較的高いタングステン(W)を用いることが好適である。
【0076】
また導電層104は、導電層102と同様に、トランジスタ110に印加される電界によってホットキャリア等が生じることで、トランジスタ110が劣化することを抑制する低抵抗領域として機能する層でもよい。そのため導電層104としては、導電層102と同様に、酸化物半導体層にドーパントとしてリン(P)またはボロン(B)をイオン注入法またはイオンドーピング法を用いて注入し、導電性を高めた層を用いることが好ましい。
【0077】
または前述の低抵抗領域として機能する層と第2の電極として機能する層を積層する構成としてもよい。または他の導電層と積層する構成としてもよい。一例としては、酸化物半導体層103と接する方から順に低抵抗領域として機能する層、耐熱性が比較的高い材料であるタングステン(W)の順に積層する構成とすればよい。
【0078】
なお本発明の一態様において、導電層104が積層して設けられる酸化物半導体層103は、図1(B)に示すように、側面がテーパー形状151の断面を有する島状の領域103iを有する。
【0079】
絶縁層105は、ゲート絶縁層としての機能を有する。絶縁層105は、high−k材料の絶縁材料を用いることが好適である。具体的に絶縁層105には、酸化シリコン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムを用いることが好適である。
【0080】
さらに、絶縁層105は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。絶縁層105にhigh−k材料を用いることで、ゲートリーク電流を低減できる。なお絶縁層105には、酸化物半導体層103と接する部分が酸素を含むことが好ましく、特に好ましくは酸化シリコン膜により形成する。従って、酸化シリコン次いで酸化ジルコニウムの順に積層する構造、または酸化シリコン次いで酸化ハフニウムの順に積層する構造の絶縁層を用いることで、酸化物半導体層103に酸素を供給することができ、トランジスタ特性を良好にすることができる。
【0081】
導電層106は、導電性を有する材料を用いればよい。導電層106は、トランジスタ110のゲートとして機能する電極となる。導電層106には、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、イットリウムから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金などを用いることができる。また、導電層106は、単層構造、または二層以上の積層構造とすることができる。なお導電層106は、耐熱性及び導電性の高い材料を選択することが好適である。
【0082】
絶縁層107は、層間絶縁層としての機能を有する。絶縁層107は、絶縁層105と同じ材料を用いることができる。
【0083】
導電層108は、各トランジスタ110間の第2の電極の電気的接続をとるための層である。従って導電層108は、導電性を有する材料で構成すればよく、例えば導電層106と同じ材料を用いることができる。なお導電層108は、絶縁層105及び絶縁層107に形成される開口部152を介して導電層104と接続される構成となる。なお導電層108は、各トランジスタ110間の電気的接続をとるため、引き回される配線が他の導電層と比べて長い。そのため導電層108は、電気伝導性の高い銅(Cu)で構成することが好ましい。さらに好ましくは、導電層108は、タングステンと該タングステン上に銅を積層することで構成することが好適である。
【0084】
以上説明したように本発明の一形態における半導体装置は、図1(B)に示すように基板100上に複数のトランジスタ110を有する構成となる。トランジスタ110は、第1の電極としての機能を有する導電層101と第2の電極として機能する導電層104との間にチャネル形成領域として機能する酸化物半導体層103を有する。トランジスタ110は、絶縁層105を介した導電層106の電圧の印加により、電流量が制御される。トランジスタ110は、チャネル形成領域が膜厚縦方向に形成され、第1の電極および第2の電極間を流れるドレイン電流が膜厚縦方向である縦型(トレンチ型)トランジスタである。
【0085】
図1(B)に示すトランジスタ110は、ゲートとして機能する導電層106に円環状に周りを覆われる構造となり、効率よくドレイン電流を確保することができる。そのため高いドレイン電流を生み出すことができる。また、基板100上に複数設けられるトランジスタ110の第1の電極及び第2の電極をそれぞれ接続することで、トランジスタを電気的に並列に接続する構成を実現することができ、トランジスタ110を流れる電流の総和を増やすことで、半導体装置が流すことができる出力電流を大きくすることができる。
【0086】
ここで、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタ110のドレイン耐圧について説明する。
【0087】
半導体中の電界があるしきい値に達すると、衝突イオン化が生じ、空乏層内で高電界により加速されたキャリアが結晶格子に衝突し、電子と正孔の対を生成する。さらに電界が高くなると、衝突イオン化により発生した電子と正孔の対もさらに電界によって加速され、衝突イオン化を繰り返し、電流が指数関数的に増加するアバランシェ降伏が生じる。衝突イオン化は、キャリア(電子、正孔)が半導体のバンドギャップ以上の運動エネルギーを有することにより発生する。衝突イオン化の起こりやすさを示す衝突イオン化係数とバンドギャップには相関があり、バンドギャップが大きいほど衝突イオン化が小さくなる傾向が知られている。
【0088】
酸化物半導体のバンドギャップは、3.15eVであり、シリコンのバンドギャップの1.12eVとくらべると、大きいため、アバランシェ降伏が起こりにくい。このため、酸化物半導体を用いたトランジスタはドレイン耐圧が高くなり、高電界が印加されてもオン電流の指数関数的急上昇が生じにくい。
【0089】
次に、酸化物半導体を用いたトランジスタのホットキャリア劣化について説明する。
【0090】
ホットキャリア劣化とは、高速に加速された電子がチャネル中のドレイン近傍でゲート絶縁膜中に注入されて固定電荷となることや、ゲート絶縁膜界面にトラップ準位を形成することにより、しきい電圧の変動やゲートリーク等のトランジスタ特性の劣化が生じることであり、ホットキャリア劣化の要因としては、チャネルホットエレクトロン注入(CHE注入)とドレインアバランシェホットキャリア注入(DAHC注入)がある。
【0091】
シリコンはバンドギャップが狭いため、アバランシェ降伏によって雪崩的に電子が発生しやすく、ゲート絶縁膜への障壁を越えられるほど高速に加速される電子数が増加する。しかしながら、本実施の形態で示す酸化物半導体は、バンドギャップが広いため、アバランシェ降伏が生じにくく、シリコンと比べてホットキャリア劣化の耐性が高い。以上より、本明細書で示すような酸化物半導体を用いたトランジスタは高いドレイン耐圧を有すると言える。それゆえ、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(Insulated−Gate Field−Effect Transistor(IGFET))などのパワーデバイスに好適である。
【0092】
次いで図1(A)、(B)で説明したトランジスタ110の作製工程について図3乃至図9を用いて説明する。図3乃至図9では、上面図及び該上面図の断面図を示してトランジスタ110の作製行程を説明する。
【0093】
まず図3(A)には、基板100の上面図を示している。図3(B)には、図3(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0094】
なお基板100は、図1(B)で説明したように、ステンレス基板または銅基板を用いることが好ましい。なお基板100は、平坦な表面を有することが好適である。具体的には、後に酸化物半導体層103が形成される導電層102の表面の平均面粗さ(Ra)が0nm以上1nm以下、好ましくは0nm以上0.3nm以下、より好ましくは0nm以上0.1nm以下となる平坦性を有することが好適である。なお平坦な表面は、基板100の表面に、CMP(Chemical Mechanical polish)などの平坦化工程を施すことで得ることができる。
【0095】
次いで基板100の上に導電層101を形成する。図4(A)には、基板100上に導電層101が形成された上面図を示している。図4(B)には、図4(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0096】
導電層101は、物理蒸着法(PVD法)であるスパッタリング法、真空蒸着法、または化学蒸着法(CVD法)で基板100上に形成する。なお導電層101は、平坦な表面を有することが好適である。具体的には、後に酸化物半導体層103が形成される導電層102の表面の平均面粗さ(Ra)が0nm以上1nm以下、好ましくは0nm以上0.3nm以下、より好ましくは0nm以上0.1nm以下となる平坦性を有することが好適である。なお平坦な表面は、導電層101の表面に、CMP(Chemical Mechanical polish)などの平坦化工程を施すことで得ることができる。
【0097】
なお導電層101は、図1(B)で説明したように、耐熱性が比較的高いタングステン(W)を用いることが好適である。
【0098】
次いで導電層101の上に導電層102を形成する。図5(A)には、導電層101上に導電層102が形成された上面図を示している。図5(B)には、図5(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0099】
導電層102は、スパッタリング法、塗布法、印刷法等により酸化物半導体層を導電層101上に形成しておき、次いで該酸化物半導体層に低抵抗領域とするためのドーパントをイオン注入法またはイオンドーピング法を用いて注入し、得ることができる。すなわち得られる導電層102は、低抵抗化した酸化物半導体層による低抵抗領域である。なお導電層102は、平坦な表面を有することが好適である。具体的には、平均面粗さ(Ra)が0nm以上1nm以下、好ましくは0nm以上0.3nm以下、より好ましくは0nm以上0.1nm以下の表面上に形成するとよい。なお平坦な表面は、導電層102の表面に、CMP(Chemical Mechanical polish)などの平坦化工程を施すことで得ることができる。
【0100】
次に、導電層102上に酸化物半導体層103Dを形成する。さらに、形成した酸化物半導体層103D上に導電層104Dを形成する。図6(A)には、酸化物半導体層103D及び酸化物半導体層103D上の導電層104Dが形成された上面図を示している。図6(B)には、図6(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0101】
なお図6(A)、(B)で説明する、酸化物半導体層103D及び導電層104Dは、島状に加工する前の、図1(B)で示した酸化物半導体層103及び導電層104に相当する。すなわち、後の工程において酸化物半導体層103D及び導電層104Dは、酸化物半導体層103及び導電層104となる。従って、図面では、酸化物半導体層103及び酸化物半導体層103D、並びに導電層104及び導電層104Dを同じハッチングとして説明している。
【0102】
酸化物半導体層103Dは、スパッタリング法、塗布法、印刷法等により導電層102上に形成する。そして、酸化物半導体層103D上に導電層104Dを形成する。
【0103】
なお導電層104Dは、導電層101と同様にしてタングステン、または導電層102と同様にして低抵抗化した酸化物半導体層による低抵抗領域を形成すればよい。またはタングステン膜と低抵抗化した酸化物半導体層による低抵抗領域とを積層する構成としてもよい。
【0104】
なお酸化物半導体層103Dに水素がなるべく含まれないようにするために、前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で図5(A)、(B)までの工程を経た基板100を予備加熱し、基板100に吸着した水素、水、水酸基または水素化物などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。
【0105】
なお、酸化物半導体層103Dをスパッタリング法により形成する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、導電層102の表面に付着しているゴミや酸化膜を除去することで、導電層102と酸化物半導体層103Dとの界面における抵抗を低減することができるため好ましい。逆スパッタとは、アルゴン雰囲気下で基板にRF電源を用いて電圧を印加し基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウムなどを用いてもよい。また、アルゴン雰囲気に酸素、亜酸化窒素などを加えた雰囲気で行っても良い。アルゴン雰囲気に塩素、四フッ化炭素などを加えた雰囲気で行っても良い。
【0106】
本実施の形態において酸化物半導体層103Dは、In−Ga−Zn系酸化物半導体ターゲットを用いたスパッタリング法により形成する。また、酸化物半導体層103Dは、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガス(代表的にはアルゴン)及び酸素雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。また、スパッタリング法を用いる場合、SiOを2重量%以上10重量%以下含むターゲットを用いて形成してもよい。
【0107】
酸化物半導体層103Dを形成する際に用いるスパッタガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が、濃度ppm程度、濃度ppb程度まで除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0108】
酸化物半導体膜をスパッタリング法で作製するためのターゲットとして、酸化亜鉛を主成分とする金属酸化物のターゲットを用いることができる。また、金属酸化物のターゲットの他の例としては、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲット(組成比として、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]、In:Ga:Zn=1:1:0.5[mol数比])を用いることができる。また、In、Ga、及びZnを含む酸化物半導体ターゲットとして、In:Ga:Zn=1:1:1[mol数比]、またはIn:Ga:Zn=1:1:2[mol数比]の組成比を有するターゲットを用いることもできる。酸化物半導体ターゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。充填率の高い酸化物半導体ターゲットを用いて形成した酸化物半導体層は緻密な膜となる。
【0109】
酸化物半導体層103Dは、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処理室内に残留する水分を除去しつつ、水素、水、水酸基または水素化物などが除去されたスパッタリングガスを導入し、金属酸化物をターゲットとして導電層102上に形成する。処理室内に残留する水素、水、水酸基または水素化物などを除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した処理室は、例えば、水素、水、水酸基または水素化物など(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)などが排気されるため、酸化物半導体層103Dに含まれる不純物の濃度を低減できる。また、基板を加熱しながら酸化物半導体層103Dを形成してもよい。
【0110】
なお酸化物半導体層103Dは、形成後に加熱処理を行うことによって、水素等のドナーに起因するキャリア密度が1×1013/cm以下であるi型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体となる。
【0111】
次に、フォトリソグラフィ工程により導電層104D上にレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いて導電層104となる導電層104D及び酸化物半導体層103となる酸化物半導体層103Dをエッチングする。フォトリソグラフィ工程を用いる場合は、当該エッチングにより、レジストマスクを後退させつつエッチングすることでテーパー形状とすることができ、後に形成される絶縁層105の段差被覆性を向上させることができる。
【0112】
図7(A)には、酸化物半導体層103及び酸化物半導体層103上の導電層104が形成された上面図を示している。図7(B)には、図7(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。図7(B)に示すようにエッチングにより加工され、酸化物半導体層103及び導電層104は表面で凸部161及び凹部162が形成される。そして酸化物半導体層103及び酸化物半導体層103上の導電層104による島状の領域103iを形成することができる。
【0113】
島状の領域103iは、側面がテーパー形状151の断面を有する。なお図7(B)に示す島状の領域103iの上部となる導電層104の断面の長さW1は1.5μm以上2μm以下とすることが好適である。また酸化物半導体層103の凸部161における厚さL1は、3μm以上4μm以下とすることが好適である。島状の領域103iの底面とテーパー形状151の側面がなす角度θは、60°以上70°以下となるように形成されることが好適である。
【0114】
なお島状の領域103iの形状を決める凹部162の断面の形状は、図7(B)では上底が下底よりも大きい台形状を示したが、他の形状とすることもできる。例えば凹部162の断面の形状は、U字状としてもよいし、鋸歯状としてもよいし、矩形状としてもよい。凹部162の断面の形状は、後に形成する絶縁層等の段差被覆性を考慮した形状とすればよい。
【0115】
なお、ここでの酸化物半導体層103D及び導電層104Dのエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。所望の形状の酸化物半導体層103及び導電層104を形成するために、材料に合わせてエッチング条件(エッチング液、エッチング時間、温度など)を適宜調節する。
【0116】
次に、酸化物半導体層103及び導電層104上に絶縁層105Dを形成する。さらに、絶縁層105D上に導電層を形成し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより導電層106を形成する。図8(A)には、絶縁層105D及び導電層106が形成された上面図を示している。図8(B)には、図8(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0117】
なお図8(A)、(B)で説明する、絶縁層105Dは、開口部152を有する前の図1(B)で示した絶縁層105に相当する。すなわち、後の工程において絶縁層105Dは、絶縁層105となる。従って、図面では、絶縁層105D及び絶縁層105を異なる符号を付して説明している。
【0118】
絶縁層105Dの形成には、物理蒸着法(PVD法)であるスパッタリング法、真空蒸着法、または化学蒸着法(CVD法)を用いることができる。図1(B)に示すトランジスタ110は、縦型トランジスタであり、チャネル形成領域となる酸化物半導体層は膜厚縦方向に長くなっている。このため、スパッタリング法等の物理蒸着法で形成するよりも化学蒸着法で形成するほうが、絶縁層105Dの被覆性は良くなる。
【0119】
ここでは、化学蒸着法であるプラズマCVD法を用いて絶縁層105Dとして酸化シリコン膜(SiO(x>0))を形成する。また絶縁層105Dは、単層構造でも積層構造でもよく、上記形成した酸化シリコン膜(SiO(x>0)上にプラズマCVD法で窒化シリコン膜(SiN(y>0))を形成してもよい。
【0120】
絶縁層105Dには水素や水などの不純物は少ないことが好ましく、例として、プラズマCVD法で酸化シリコン膜を形成する際に、プラズマCVD装置の反応室内に残留しているまたは反応室の内壁に吸着している水素や水などの不純物を除去したのち、反応室の内壁を加熱しながら形成することで、水素や水などの不純物を低減させることができる。
【0121】
スパッタリング法で絶縁層105Dを形成する場合には、ターゲットとしてシリコンターゲットまたは石英ターゲットを用い、スパッタガスとして酸素または、酸素及びアルゴンの混合ガスを用いて行う。
【0122】
また導電層106は、スパッタリング法を用いて、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、イットリウムから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金などで形成する。また、導電層106は、単層構造、または二層以上の積層構造とすることができる。
【0123】
なお導電層106は、レジストマスクを形成し、エッチングを行い、レジストマスクを除去して形成する。なお形成された導電層106の表面を、CMP(Chemical Mechanical polish)などの平坦化工程で平坦化することが好ましい。
【0124】
次に、絶縁層105D及び導電層106上に絶縁層を形成し、当該絶縁層及び絶縁層105Dに開口部152を形成することで、絶縁層107を形成する。そして開口部を埋めるように導電層を形成し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより導電層108を形成する。図9(A)には、導電層108が形成された上面図を示している。図9(B)には、図9(A)の上面図における一点鎖線A−B間の断面図を示している。
【0125】
なお図1(B)では、酸化物半導体層103が導電層102上で断面図の水平方向に残存するように設ける構成について示したが、他の構成とすることも可能である。
【0126】
例えば図10に示す断面図のように酸化物半導体層103が導電層102上で断面図の水平方向に切り離されて設けられる構成としてもよい。
【0127】
図10に示す断面図のようなトランジスタ310の構成とすることで、島状の領域103iの酸化物半導体層への導電層106による電界の制御により、各トランジスタ310を流れる電流量を制御することができる。図10に示す構成では、基板100の水平方向に設けられた導電層102により、各トランジスタ310を接続しており、半導体装置を流れる電流量は各トランジスタ310を流れる電流量の総和で見積もられる。そのため、複数のトランジスタ310は、島状の領域103iの酸化物半導体層の形状のばらつきを小さくすることで、半導体装置を流れる電流量の総和を容易に見積もることができる。
【0128】
また別の構成として、導電層101と酸化物半導体層103との間の導電層102を設けない構成とすることも可能である。例えば図11に示す断面図のように、導電層101上に直接酸化物半導体層103を形成する構成としてもよい。
【0129】
図11に示す断面図のようなトランジスタ410の構成とすることで、導電層102を形成する工程を削減することができ、製造期間の短縮、製造コストの削減を図ることができる。
【0130】
以上説明した本発明の一態様である半導体装置は、良好なトランジスタ特性を得ることができ、より高いドレイン電流を確保することができる。さらに本発明の一態様である半導体装置は、複数のデバイスを並列に接続して、単位面積あたりの出力電流を大きくすることができる。また本発明の一態様では、トランジスタが形成される基板として熱伝導性の高い金属基板を用いることで、放熱機能を高めた半導体装置とすることができる。
【0131】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、または置き換えなどを自由に行うことができる。
【0132】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の半導体装置とは異なる構成について説明する。説明したトランジスタと、構成の異なるトランジスタについて説明する。
【0133】
図12(A)は、半導体装置が有するトランジスタ210の上面図であり、図12(B)は、図12(A)のA−B間における断面図である。
【0134】
図12(A)に示す上面図では、酸化物半導体層20、導電層21、導電層22のレイアウト図について示している。
【0135】
なお、図12(A)で示す酸化物半導体層20は図1(A)の酸化物半導体層10に対応する。また図12(A)で示す導電層21は図1(A)の導電層11に対応する。また図12(A)で示す導電層22は図1(A)の導電層12に対応する。
【0136】
図12(A)に示す上面図のレイアウトが、図1(A)に示す上面図のレイアウトと異なる点は、図12(B)にも示すように、導電層104に接続する導電層と、ゲート電極としての機能を有する導電層106とが同じ導電層22により形成される点にある。言い換えれば図12(A)では、図1(A)で示した導電層13の機能を、導電層22で兼用する。
【0137】
なお図12(A)では、トランジスタ210から延在する導電層22は、異なる外部の素子と接続するために、トランジスタ210上で交差しないよう櫛歯状に設けられる構成となる。具体的には、図12(A)に示すように、端子Gと端子Dは交差しないように設けられる。
【0138】
次いでトランジスタ210の断面図について図12(B)を用いて説明する。
【0139】
図12(B)に示す断面図では、トランジスタ210が、基板100、導電層101、導電層102、酸化物半導体層103、導電層104、絶縁層105、導電層106及び導電層208を有する構成を示している。また図12(B)では、酸化物半導体層103において、島状の領域103iを表している。また図12(B)では、島状の領域103iには、断面とした際、側面にテーパー形状151を有することを表している。また図12(B)では、絶縁層105に開口部152(コンタクトホール)が設けられていることを表している。
【0140】
図12(B)に示すトランジスタ210の断面図が、図1(B)に示すトランジスタ110の断面図と異なる点は、上述したように、図1(B)における絶縁層107及び導電層108を削減し、導電層106と同じ層に導電層104に接続される導電層208を形成する点にある。従って絶縁層107及び導電層108を形成する作製工程を削減することができ、製造期間の短縮、製造コストの削減を図ることができる。
【0141】
以上説明した本発明の一態様である半導体装置は、良好なトランジスタ特性を得ることができ、より高いドレイン電流を確保することができる。さらに本発明の一態様である半導体装置は、複数のデバイスを並列に接続して、単位面積あたりの出力電流を大きくすることができる。また本発明の一態様では、トランジスタが形成される基板として熱伝導性の高い金属基板を用いることで、放熱機能を高めた半導体装置とすることができる。
【0142】
上述の効果に比べて本発明の一態様における半導体装置は、導電層及び絶縁層の形成を削減することができる。そのため、製造コストの削減または低コスト化を図ることができる。
【0143】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、または置き換えなどを自由に行うことができる。
【0144】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1及び実施の形態2で説明した絶縁ゲート電界効果トランジスタを具備するインバータ及びコンバータ等の電力変換回路の構成の一形態について説明する。本実施の形態では、図13(A)、(B)においてDC−DCコンバータの回路構成の一例を示し、図14においてインバータの回路構成の一例を示す。
【0145】
図13(A)に示すDC−DCコンバータ501は、一例としてチョッパー回路を用いた降圧型のDC−DCコンバータである。DC−DCコンバータ501は、容量素子502、IGFET503、制御回路504、ダイオード505、コイル506及び容量素子507を有する。
【0146】
図13(A)に示すDC−DCコンバータ501は、制御回路504によるIGFET503のスイッチング動作により動作する。DC−DCコンバータ501により、入力端子IN1とIN2に印加される入力電圧V1は、出力端子OUT1とOUT2より降圧されたV2として負荷508に出力することができる。DC−DCコンバータ501が具備するIGFET503には、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。そのため、スイッチング動作によって大きな出力電流を流すことができ、且つオフ電流を低減することができる。従って消費電力が低減され、高速な動作が可能なDC−DCコンバータとすることができる。
【0147】
図13(A)では非絶縁型の電力変換回路の一例としてチョッパー回路を用いた降圧型のDC−DCコンバータを示したが、他にもチョッパー回路を用いた昇圧型のDC−DCコンバータ、チョッパー回路を用いた昇圧降圧型のDC−DCコンバータが具備するIGFETにも上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。そのため、スイッチング動作によって大きな出力電流を流すことができ、且つオフ電流を低減することができる。従って消費電力が低減され、高速な動作が可能なDC−DCコンバータとすることができる。
【0148】
次いで図13(B)に示すDC−DCコンバータ511は、一例として絶縁型の電力変換回路であるフライバックコンバータの回路構成である。DC−DCコンバータ511は、容量素子512、IGFET513、制御回路514、一次コイル及び二次コイルを具備する変圧器515、ダイオード516及び容量素子517を有する。
【0149】
図13(B)に示すDC−DCコンバータ511は、制御回路514によるIGFET513のスイッチング動作により動作する。DC−DCコンバータ511により、入力端子IN1とIN2に印加される入力電圧V1は、出力端子OUT1とOUT2より昇圧または降圧されたV2として負荷518に出力することができる。DC−DCコンバータ511が具備するIGFET513には、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。そのため、スイッチング動作によって大きな出力電流を流すことができ、且つオフ電流を低減することができる。従って消費電力が低減され、高速な動作が可能なDC−DCコンバータとすることができる。
【0150】
なお、フォワード型のDC−DCコンバータが具備するIGFETにも上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。
【0151】
図14に示すインバータ601は、一例としてフルブリッジ型のインバータである。インバータ601は、IGFET602、IGFET603、IGFET604、IGFET605及び制御回路606を有する。
【0152】
図14に示すインバータ601は、制御回路606によるIGFET602乃至IGFET605のスイッチング動作により動作する。入力端子IN1とIN2に印加される直流電圧V1は、出力端子OUT1とOUT2より交流電圧V2として出力することができる。インバータ601が具備するIGFET602乃至IGFET605には、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。そのため、スイッチング動作によって大きな出力電流を流すことができ、且つオフ電流を低減することができる。従って消費電力が低減され、高速な動作が可能ないインバータとすることができる。
【0153】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、または置き換えなどを自由に行うことができる。
【0154】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で説明した電力変換回路の用途について説明する。実施の形態2で説明したコンバータまたはインバータ等の電力変換回路は、例えば、バッテリー等の電力で駆動する電気推進車両等に使用することができる。
【0155】
図15を参照して、電気推進車両の応用例について説明する。
【0156】
図15(A)は、電力変換回路を具備する電気推進車両の応用例として、電動自転車1010を示している。電動自転車1010は、モーター部1011に電流を流すことによって動力を得るものである。また電動自転車1010は、モーター部1011に流す電流を供給するためのバッテリー1012、及び電力変換回路1013を有する。なお図15(A)では、バッテリー1012を充電するための手段として特に図示しないが、別途発電機等を設けて充電する構成でもよい。実施の形態2で説明した電力変換回路は、電力変換回路1013に用いることができる。そのため電力変換回路1013が具備するIGFETにより消費電力が低減され、高速な動作を実現することができ、不具合の低減された電動自転車1010の駆動を実現できる。なお、図15(A)ではペダルを図示したが、なくてもよい。
【0157】
図15(B)は、電力変換回路を具備する電気推進車両の応用例として、電気自動車1020を示している。電気自動車1020は、モーター部1021に電流を流すことによって動力を得るものである。また電気自動車1020は、モーター部1021に流す電流を供給するためのバッテリー1022、及び電力変換回路1023を有する。なお図15(B)では、バッテリー1022を充電するための手段として特に図示しないが、別途発電機等を設けて充電する構成でもよい。実施の形態2で説明した電力変換回路は、電力変換回路1023に用いることができる。そのため電力変換回路1023が具備するIGFETにより消費電力が低減され、高速な動作を実現することができ、不具合の低減された電気自動車1020の駆動を実現できる。
【0158】
なお、本実施の形態において、各々の図で述べた内容は、別の実施の形態で述べた内容に対して、適宜、組み合わせ、または置き換えなどを自由に行うことができる。
【符号の説明】
【0159】
10 酸化物半導体層
11 導電層
12 導電層
13 導電層
20 酸化物半導体層
21 導電層
22 導電層
100 基板
101 導電層
102 導電層
103 酸化物半導体層
103D 酸化物半導体層
103i 島状の領域
104 導電層
104D 導電層
105 絶縁層
105D 絶縁層
106 導電層
107 絶縁層
108 導電層
110 トランジスタ
151 テーパー形状
152 開口部
161 凸部
162 凹部
200 筐体
208 導電層
210 トランジスタ
310 トランジスタ
410 トランジスタ
501 DC−DCコンバータ
502 容量素子
503 IGFET
504 制御回路
505 ダイオード
506 コイル
507 容量素子
508 負荷
511 DC−DCコンバータ
512 容量素子
513 IGFET
514 制御回路
515 変圧器
516 ダイオード
517 容量素子
518 負荷
601 インバータ
602 IGFET
603 IGFET
604 IGFET
605 IGFET
606 制御回路
1010 電動自転車
1011 モーター部
1012 バッテリー
1013 電力変換回路
1020 電気自動車
1021 モーター部
1022 バッテリー
1023 電力変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する基板と、
前記基板上に形成された第1の導電層と、
前記第1の導電層上に形成された第2の導電層と、
前記第2の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の前記島状の領域の上面に形成された第3の導電層と、
前記酸化物半導体層上及び前記第3の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層を介した前記酸化物半導体層の前記島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する第4の導電層と、
前記第1の絶縁層上及び前記第4の導電層上に形成され、層間絶縁層としての機能を有する第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層を介した前記第3の導電層上に形成され、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層に設けられた開口部を介して前記第3の導電層に接続される第5の導電層と、を有する半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、隣接する、前記酸化物半導体層の前記島状の領域の間では、前記酸化物半導体層が、前記第1の絶縁層を介して前記第4の導電層と重畳する半導体装置。
【請求項3】
請求項1において、隣接する、前記酸化物半導体層の前記島状の領域の間では、前記第3の導電層が、前記第1の絶縁層を介して前記第2の導電層と重畳する半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記第4の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記5の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、前記第2の導電層及び前記第3の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置。
【請求項8】
導電性を有する基板と、
前記基板上に形成された第1の導電層と、
前記第1の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の前記島状の領域の上面に形成された第2の導電層と、
前記酸化物半導体層上及び前記第2の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層を介した前記酸化物半導体層の前記島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する第3の導電層と、
前記第1の絶縁層上及び前記第3の導電層上に形成され、層間絶縁層としての機能を有する第2の絶縁層と、
前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層を介した前記第2の導電層上に形成され、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層に設けられた開口部を介して前記第2の導電層に接続される第4の導電層と、を有する半導体装置。
【請求項9】
請求項8において、隣接する、前記酸化物半導体層の前記島状の領域の間では、前記酸化物半導体層が、前記第1の絶縁層を介して前記第3の導電層と重畳する半導体装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9において、前記第3の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれか一において、前記4の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項12】
請求項8乃至請求項11のいずれか一において、前記第2の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置。
【請求項13】
請求項8乃至請求項12のいずれか一において、前記第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置。
【請求項14】
導電性を有する基板と、
前記基板上に形成された第1の導電層と、
前記第1の導電層上に形成された第2の導電層と、
前記第2の導電層上に、側面がテーパー形状の断面を有する複数の島状の領域が表面にドット状に設けられた酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の前記島状の領域の上面に形成された第3の導電層と、
前記酸化物半導体層上及び前記第3の導電層上に形成され、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と、
前記絶縁層を介した前記酸化物半導体層の前記島状の領域の側面上に形成され、ゲート電極としての機能を有する導電層と、前記絶縁層を介した前記第3の導電層上に形成され、前記絶縁層に設けられた開口部を介して前記第3の導電層に接続される導電層とを構成する第4の導電層と、を有する半導体装置。
【請求項15】
請求項14において、隣接する、前記酸化物半導体層の前記島状の領域の間では、前記酸化物半導体層が、前記絶縁層を介して、ゲート電極としての機能を有する前記第4の導電層と重畳する半導体装置。
【請求項16】
請求項14または請求項15において、ゲート電極としての機能を有する前記第4の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項17】
請求項14乃至請求項16のいずれか一において、前記絶縁層に設けられた開口部を介して前記第3の導電層に接続される前記第4の導電層が互いに接続されている半導体装置。
【請求項18】
請求項14乃至請求項17のいずれか一において、前記第2の導電層及び前記第3の導電層は、リンまたはボロンを有する酸化物半導体層を有する導電層である半導体装置。
【請求項19】
請求項14乃至請求項18のいずれか一において、前記第1の導電層は、タングステンを有する導電層である半導体装置。
【請求項20】
一方の面に凸部及び凹部が形成された酸化物半導体層と、
前記凹部の表面に接して形成された、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と、
前記絶縁層上に接して形成された、ゲート電極としての機能を有する第1の導電層と、
前記凸部の上面に接して形成された、低抵抗領域としての機能を有する第2の導電層と、
前記酸化物半導体層の他方の面に接して形成された、低抵抗領域としての機能を有する第3の導電層と、
前記第3の導電層が形成された、平坦な表面を有する第4の導電層と、
前記第4の導電層が形成された、平坦な表面を有し且つ導電性を有する基板と、を有する半導体装置。
【請求項21】
請求項20において、前記第3の導電層が、前記凹部の表面に露出するように形成された半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−42117(P2013−42117A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150130(P2012−150130)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】