説明

半導体集積回路、液晶駆動回路及び液晶表示装置

【課題】実装面積の増加を抑制しつつ、検査コストを低減させることができる半導体集積回路等を提供すること。
【解決手段】第1のDA変換器10と、第2のDA変換器11と、第1のDA変換器10の出力を増幅する増幅器12と、第2のDA変換器11の出力を入力するオペアンプ13とを備えた半導体集積回路1において、第2のDA変換器11の出力を増幅する増幅器としてオペアンプ13を機能させる通常モードと、第2のDA変換器11の出力を第1のDA変換器10の出力と比較する比較器としてオペアンプ13を機能させる検査モードとを切替える切替え器14とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DA(デジタル−アナログ)変換器及びDA変換器の出力を増幅する増幅器を備えた半導体集積回路、液晶駆動回路及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体集積回路においては、例えば、液晶パネルに設けられた画素を駆動させるための駆動信号を出力する液晶駆動回路のように、複数のDA変換器とこれらのDA変換器の出力を増幅する複数の増幅器とを備えるものが知られている。
【0003】
この種の半導体集積回路は、例えば、図14に示すように、複数の基準電圧を生成する抵抗ラダー回路101と、複数のDA変換器102a〜102nと、各DA変換器102a〜102nの出力を増幅する増幅器103a〜103nとを備えている。
【0004】
DA変換器102a〜102nは、それぞれ複数のスイッチを備えて構成され、外部から入力されるデジタル信号(以下、「入力デジタル信号」とする。)に応じて複数のスイッチのうち一のスイッチを選択して、入力デジタル信号に応じた電圧を出力する。
【0005】
増幅器103a〜103nは、それぞれオペアンプにより構成され、反転入力ノードと出力ノードとが接続されて非反転入力ノードに入力されたアナログ信号を電流増幅して出力するボルテージフォロアとして機能する。
【0006】
かかる半導体集積回路(以下「デバイス」とも呼ぶ)は、製造時に所定の検査用のデジタル信号を入力して各DA変換器102a〜102nを動作させ、増幅器103a〜103nから所望のアナログ電圧値が出力するか否かを判定して、その良否が判定される。
【0007】
しかしながら、かかる良否判定では、出力ノード104a〜104nの全てに検査用プローブを接続して所望のアナログ電圧値が正常に出力されているかを判定することになるため、出力ノード数が増大するにつれて必要となる検査用プローブ数も増大する。半導体検査装置では一度に測定可能な検査用プローブの数に上限があるため、一度に測定可能なデバイス数を減少させ、検査コストの増大を招いていた。
【0008】
そこで、図15に示すように、2つのDA変換器の出力を比較する比較器105を設け、各DA変換器の出力電圧を変化させて比較器105から出力される電圧を検出することにより、各DA変換器の良否を判定する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−279132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、別途比較器105が必要となることから、半導体集積回路における実装面積が増大してしまい、製造コストを増大させてしまうことになる。
【0011】
そこで、本発明は、実装面積の増加を抑制しつつ、検査コストを低減させることができる半導体集積回路、液晶駆動回路及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1のDA変換器と、第2のDA変換器と、前記第1のDA変換器の出力を増幅する増幅器と、前記第2のDA変換器の出力を入力するオペアンプと、前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替える切替え器と、を備えた半導体集積回路とした。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体集積回路において、前記検査モードのときに、前記オペアンプの非反転入力ノードに前記第1のDA変換器の出力を入力するとともに、前記オペアンプの反転入力ノードに前記第2のDA変換器の出力を入力する第1検査モードと、前記オペアンプの非反転入力ノードに前記第2のDA変換器の出力を入力するとともに、前記オペアンプの反転入力ノードに前記第1のDA変換器の出力を入力する第2検査モードとを切替える第2の切替え器を備えたものである。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路において、n個(nは2以上の整数)の前記第1のDA変換器と、n個の前記第2のDA変換器と、各前記第1のDA変換器の出力を増幅するn個の前記増幅器と、各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個の前記オペアンプと、n個の前記切替え器と、を備えたものである。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の半導体集積回路において、前記n個のオペアンプの出力がすべてHレベル又はLレベルのときに正常検出を示す信号を出力し、前記n個のオペアンプの出力がいずれか一つでもLレベル又はHレベルのときに異常検出を示す信号を出力する論理回路を備えたものである。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、n個(nは2以上の整数)の第1のDA変換器と、n個の第2のDA変換器と、各前記第1のDA変換器の出力を増幅して液晶パネルに出力するn個の増幅器と、各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個のオペアンプと、前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替えるn個の切替え器と、を備えた液晶駆動回路とした。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、液晶パネルと、この液晶パネルに設けられた画素を駆動させるための駆動信号を出力する液晶駆動回路とを備え、前記液晶駆動回路は、n個(nは2以上の整数)の第1のDA変換器と、n個の第2のDA変換器と、各前記第1のDA変換器の出力を増幅して液晶パネルに出力するn個の増幅器と、各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個のオペアンプと、前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替えるn個の切替え器と、を備えた液晶表示装置とした。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、実装面積の増加を抑制しつつ、デバイス検査時に出力ノードへのプローブ数を削減することが可能となり、同時に測定可能なデバイス数を増加させることができる。これにより1デバイスあたりのテスト時間を短縮し、検査コストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の半導体集積回路の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の半導体集積回路の動作を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態の半導体集積回路の構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態の液晶駆動回路を備えた液晶表示装置の構成を示す図である。
【図5】図4に示す液晶駆動回路の構成を示す図である。
【図6】図4に示す液晶駆動回路の構成を示す図である。
【図7】図4に示す液晶駆動回路の構成を示す図である。
【図8】図4に示す液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図9】図4に示す液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図10】図4に示す液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図11】図4に示す液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図12】他の液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図13】他の液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【図14】DA変換器及び増幅器を備えた従来の半導体集積回路の構成を示す図である。
【図15】DA変換器及び増幅器を備えた従来の半導体集積回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.半導体集積回路の概要
2.液晶駆動回路及びそれを備えた液晶表示装置の構成及び動作
3.その他の実施形態
【0021】
[1. 半導体集積回路の概要]
本実施形態の半導体集積回路の概要について図面を参照して具体的に説明する。図1及び図3は本実施形態の半導体集積回路の構成を示す図、図2は本実施形態の半導体集積回路の動作を説明するための図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の半導体集積回路1は、第1のDA変換器10と、第2のDA変換器11と、第1のDA変換器10の出力を増幅する増幅器12と、第2のDA変換器11の出力を入力するオペアンプ13とを備えている。
【0023】
第1及び第2のDA変換器10,11は、それぞれ外部から入力されるデジタル制御信号に基づいた電圧値のアナログ信号を出力する。各DA変換器10,11は、それぞれ異なる電圧に接続された複数のスイッチを備えており、これらのスイッチをデジタル制御信号に基づいて制御することによって当該デジタル制御信号に応じた電圧値のアナログ信号を出力する。
【0024】
増幅器12は、オペアンプから構成され、オペアンプの非反転入力ノードを入力とし、反転入力ノードを出力ノードに接続してボルテージフォロアを構成している。
【0025】
さらに、半導体集積回路1には、増幅器としてオペアンプ13を機能させる通常モードとオペアンプ13を比較器として機能させる検査モードとを切替える切替え器14を備えている。
【0026】
そして、通常モード時においては、オペアンプ13は第2のDA変換器11の出力を電流増幅して出力ノード16から出力し、検査モード時においては、オペアンプ13は第2のDA変換器11の出力を第1のDA変換器10の出力と比較する。
【0027】
具体的には、通常モード時においては、図2(a)に示すように、オペアンプ13の非反転入力ノードを入力とし、反転入力ノードを出力ノードに接続してボルテージフォロアを構成する。また、検査モード時においては、図2(b)に示すように、オペアンプ13の反転入力ノードに第1のDA変換器10の出力を入力するとともに、オペアンプ13の非反転入力ノードに第2のDA変換器11の出力を入力する。
【0028】
このように通常モード時には、オペアンプ13を増幅器として機能させつつも、検査モード時にはオペアンプ13を比較器として機能させるようにしている。そのため、別途比較器を用意する必要が無く、実装面積の増加を抑制することができる。
【0029】
また、検査モード時には、第1のDA変換器10から出力させる電圧を第2のDA変換器11から出力させる電圧よりも低い関係となるように設定し、この関係を維持しつつも第1及び第2のDA変換器10,11から出力させる電圧を順次増加させていく。このとき各DA変換器10が正常であれば、オペアンプ13の出力はHレベル(高電位レベル)となり、異常であればLレベル(低電位レベル)となる。従って、オペアンプ13の出力を出力ノード16で検出することで各DA変換器10,11の良否を判定することができる。
【0030】
また、第1のDA変換器10が異常で電圧が最小電圧に固定されているときには、第2のDA変換器11の出力よりも常に電圧が低くなる。第2のDA変換器11が異常で電圧が最大電圧のときにも同様のことが言える。そのため、上記のような電圧を各DA変換器10,11から出力させたのでは、各DA変換器10,11の異常が検出できない場合がある。
【0031】
そこで、上記検査の後、第1のDA変換器10から出力させる電圧を第2のDA変換器11から出力させる電圧よりも高い関係となるように設定し、この関係を維持しつつも第1及び第2のDA変換器10,11から出力させる電圧を順次増加させていく。このとき各DA変換器10が正常であれば、オペアンプ13の出力はLレベルとなり、異常であればHレベルとなり、上記検査と合わせて、出力ノード16で検出することで各DA変換器10,11の良否を判定することができる。
【0032】
また、図3に示すように、複数の第1のDA変換器10a,10b、複数の第2のDA変換器11a,11b、複数の増幅器12a,12b、複数のオペアンプ13a,13b、複数の切替え器14a,14bを設けた場合には、検査モード時の出力を共通にできる。すなわち、複数の第2のDA変換器11a,11bの出力を論理積(AND)回路17に入力して、このAND回路17の出力を出力ノード18に接続する。
【0033】
そして、各オペアンプ13a,13bが正常なときには出力ノード18の出力がHレベルとなり、異常であればLレベルとなる。このように一つの端子で各DA変換器10,11の良否を判定することで半導体集積回路1の検査時に必要なプローブを可及的に低減させることができ、従って、検査コストをより低減することができる。
【0034】
なお、上記オペアンプは、2つの入力間の電位差によって動作し、裸利得が高い差動増幅回路などを用いることができ、同様の機能を持つ回路であればどのような回路構成であってもよい。このことは以下においても同様である。
【0035】
[2.液晶駆動回路及びそれを備えた液晶表示装置の構成及び動作]
以下、本実施形態の半導体集積回路を液晶駆動回路(以下においてはソースドライバ回路を例に挙げる)に適用した場合の具体的な一例を説明する。なお、以下においてはまず液晶駆動回路を備えた液晶表示装置の構成を説明し、その後、液晶駆動回路の構成及び動作を説明する。図4は液晶駆動回路を備えた液晶表示装置の構成を示す図、図5〜図7は液晶駆動回路の構成を示す図、図8〜図11は液晶駆動回路の動作モードを説明するための図である。
【0036】
[2.1.液晶駆動装置の構成]
図4に示すように、液晶表示装置20は、液晶パネル21、複数のソースドライバ回路23(液晶駆動回路の一例に相当)を有する水平駆動回路22、複数のゲートドライバ回路25を有する垂直駆動回路24、インターフェイス(I/F)回路26を有している。
【0037】
液晶パネル21は、透明な画素電極とTFTとを配置した半導体基板と、表示部全体に一つの透明な電極を形成した対向基板とを有しており、これらの基板間に液晶が封入された構造を有している。そして、スイッチング機能をもつTFTを制御することによって、各画素電極に画素階調に応じた電圧を印加し、各画素電極と対向基板の電極との間の電位差を発生させることにより液晶の透過率を変化させて画像を表示する。
【0038】
なお、この液晶パネル21は、これらの画素電極が垂直方向及び水平方向にマトリックス状に配置されている。また、液晶パネル21の半導体基板上には、垂直方向に配列された各画素電極を接続して各画素電極へ階調電圧を印加するための複数のデータ線と、TFTのスイッチングさせるための制御信号を印加する走査線とが配置されている。
【0039】
各画素電極への階調電圧の印加は、データ線を介し、ソースドライバ回路23から出力される駆動信号によって行われる。すなわち、この駆動信号によって、画像表示の1フレーム期間にデータ線に接続される全ての画素電極への階調電圧の印加が行われ、画素電極が駆動され液晶パネル21に画像が表示される。
【0040】
ソースドライバ回路23は、I/F回路26から出力される信号に基づいて、データ線に駆動信号を水平ライン毎に順次切り替えて出力する。
【0041】
ゲートドライバ回路25は、水平ライン毎にTFTをスイッチングさせるための制御信号を順次出力し、これにより一水平ラインずつオンしながらソースドライバ回路23から出力される駆動信号に基づいて液晶パネル21に画像を表示していく。
【0042】
[2.2.ソースドライバ回路の構成]
ソースドライバ回路23は、図5に示すように、信号処理部30、ラインバッファ31、レベルシフタ32、DA(デジタル−アナログ)変換ブロック33、増幅ブロック34などから構成される。
【0043】
信号処理部30は、I/F回路26を介して各種制御信号やデジタル映像信号が入力され、デジタル映像信号に応じた画素データをライン毎に順次ラインバッファ31へ入力する。また、信号処理部30は、増幅ブロック34等に各種制御信号を出力する。例えば、信号処理部30は、I/F回路26を介して入力される制御信号に基づいてTEST制御信号を増幅ブロック34へ出力する。このTEST制御信号には、後述するようにTESTイネーブル信号やTESTモード切替信号などが含まれる。
【0044】
ラインバッファ31は、信号処理部30から入力される各ラインの画素データ(ここでは、12ビットのデータとする)を保持し、所定のタイミングでライン毎に画素データを順次レベルシフタ32へ出力する。
【0045】
レベルシフタ32は、ラインバッファ31から出力される各画素データのレベルを液晶パネル21の液晶とTFTのトランジスタ能力とに応じたレベルにシフトして、デジタル駆動信号を生成する。
【0046】
DA変換ブロック33は、レベルシフタ32から出力される各デジタル駆動信号をアナログ駆動信号に変換する複数のDA変換器41,42(図6,図7等参照)を備えている。各DA変換器41,42は後述するように抵抗ラダー回路における各基準電圧ノードに接続された複数のスイッチを備えており、これらのスイッチを制御することによって、所望の電圧を出力する。
【0047】
増幅ブロック34は、DA変換ブロック33の各DA変換器41,42に対応して増幅器を備えており、各DA変換器41,42から出力されるアナログ駆動信号をそれぞれ電流増幅して液晶パネル21に出力して、液晶パネル21の各画素を駆動する。また、増幅ブロック34は、信号処理部30から出力されるTEST制御信号に基づいて、検査モードで動作し、DA変換器41,42の良否を示すTEST出力信号を出力する。
【0048】
[2.3.DA変換ブロック及び増幅ブロックの具体的構成]
上述のように構成されたソースドライバ回路23について、その特徴的部分であるDA変換ブロック33及び増幅ブロック34の具体的構成及び動作について説明する。
【0049】
図6及び図7に示すようにDA変換ブロック33は、第1の抵抗ラダー回路40a、第2の抵抗ラダー回路40b、第1のDA変換器41−a1,b1,・・・,an,bn、第2のDA変換器42−a1,b1,・・・,an,bnを備える。なお、以下において、第1のDA変換器41−a1,b1,・・の任意の一つ又は全部を示すときには第1のDA変換器41とし、第2のDA変換器42−a1,b1,・・の任意の一つ又は全部を示すときには第2のDA変換器42とする場合がある。
【0050】
第1の抵抗ラダー回路40aは、共通電圧Vcomよりも高い基準電圧Vp1〜Vp4を生成する回路であり、第2の抵抗ラダー回路40bは、共通電圧Vcomよりも低い基準電圧Vn1〜Vn4を生成する回路である。なお、ここでは、理解を容易にするために各抵抗ラダー回路40a,40bの基準電圧ノードをそれぞれ4つ(Vp1〜Vp4、Vn1〜Vn4)とするが、実際にはDA変換するビット数を乗じた数の電圧ノードが存在する。
【0051】
このように、DA変換ブロック33には、第1及び第2のDA変換器41,42に用いる基準電圧として、各基準電圧ノードの電圧が異なる第1及び第2の抵抗ラダー回路40a,40bが設けられている。
【0052】
各DA変換器41,42は、抵抗ラダー回路の各基準電圧ノードに接続された複数のスイッチを備えており、これらのスイッチのうち何れかのスイッチを短絡することによって基準電圧ノードを選択し、当該選択した基準電圧ノードの電圧を出力する。
【0053】
すなわち、第1のDA変換器41−a1,a2,・・・、及び第2のDA変換器42−a1,a2,・・・は、抵抗ラダー回路40aの各基準電圧ノード(Vp1〜Vp4)に接続された複数のスイッチを備え、Vp1〜Vp4のうちいずれかの基準電圧を出力する。また、第1のDA変換器41−b1,b2,・・・、及び第2のDA変換器42−b1,b2,・・・は、抵抗ラダー回路40bの各基準電圧ノード(Vn1〜Vn4)に接続された複数のスイッチを備え、Vn1〜Vn4のうちいずれかの基準電圧を出力する。
【0054】
これらのDA変換器41,42は、レベルシフタ32から出力される各デジタル駆動信号に基づいて内部のスイッチを制御し、デジタル駆動信号に応じた電圧を出力することでアナログ駆動信号を生成して出力する。
【0055】
また、増幅ブロック34は、複数の増幅部34aを備えている。各増幅部34aには、増幅器43−a1,a2,b1,b2と、オペアンプ44−a1,a2,b1,b2と、第1の切替え器45−a1,a2,b1,b2と、第2の切替え器46−a1,a2,b1,b2、否定論理積(NAND)回路47とを備えている。
【0056】
なお、以下において、増幅器43−a1,a2,b1,b2の任意の一つ又は全部を示すときには増幅器43とし、オペアンプ44−a1,a2,b1,b2の任意の一つ又は全部を示すときにはオペアンプ44とする場合がある。また、第1の切替え器45−a1,a2,b1,b2の任意の一つ又は全部を示すときには第1の切替え器45とし、第2の切替え器46−a1,a2,b1,b2、の任意の一つ又は全部を示すときには第2の切替え器46とする場合がある。
【0057】
増幅器43は、オペアンプから構成され、オペアンプの非反転入力ノード(+)を入力とし、反転入力ノード(-)を出力ノードに接続してボルテージフォロアを構成しており、第1のDA変換器41から出力されるアナログ駆動信号を電流増幅する。
【0058】
第1の切替え器45は、信号処理部30から出力されるTESTイネーブル信号に基づいて、オペアンプ44の出力ノードと第2の切替え器46の何れかをオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続する。具体的には、TESTイネーブル信号がHレベルの時には、第2の切替え器46をオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続し、TESTイネーブル信号がLレベルの時には、オペアンプ44の出力ノードをオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続する。
【0059】
第2の切替え器46は、信号処理部30から出力されるTESTモード切替信号に基づいて、オペアンプ44の非反転入力ノード(+)への入力と第1の切替え器45への入力とを切替える。具体的には、TESTモード切替信号がLレベルの時に、第1のDA変換器41の出力をオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続し、第2のDA変換器42の出力を第1の切替え器45に接続する。また、TESTモード切替信号がHレベルの時に、第2のDA変換器42の出力をオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続し、第1のDA変換器41の出力を第1の切替え器45に接続する。
【0060】
NAND回路47は、オペアンプ44−a1,a2,b1,b2の出力の否定的論理積をとる回路である。すなわち、NAND回路47は、これらのオペアンプ44の出力がすべてHレベルのときにLレベルの信号を出力し、これらのオペアンプ44の出力がいずれか一つでもLレベルのときにHレベルの信号を出力する。
【0061】
また、ソースドライバ回路23には、複数の増幅部34aにおける各NAND回路47の出力の論理和をとる複数の論理和(OR)回路48が設けられている。図7に示すように、このOR回路48の出力は他のOR回路48の出力とNAND回路47の出力が入力され、最終段のOR回路48xにより複数の増幅部34a全てのNAND回路47の出力の論理和が出力される。従って、複数の増幅部34aのいずれかのNAND回路47からHレベルの信号が出力されたときには、最終段のOR回路48xからHレベルの信号が出力され、それ以外のときには最終段のOR回路48xからLレベルの信号が出力される。なお、初段のOR回路48aは、一方の入力ノードが接地電位に接続される。
【0062】
[2.4.DA変換ブロック及び増幅ブロックの動作]
上述のように構成されたソースドライバ回路23について、DA変換ブロック33及び増幅ブロック34の動作を中心に具体的に説明する。
【0063】
ソースドライバ回路23は、外部から入力された制御信号に基づいて、通常モードの動作に加え、検査モードで動作することによりDA変換器41,42の良否の判定が可能となっている。また、検査モードでは第1検査モードと第2検査モードでの動作により精度よくDA変換器41,42の良否を可能としている。
【0064】
[2.4.1.通常モードの動作]
まず、通常モードの動作について説明する。通常モード時において、ソースドライバ回路23には表示すべき画像に応じたデジタル映像信号が入力され、信号処理部30は入力するデジタル映像信号に基づいて表示すべき画像の各ラインの画素データをラインバッファ31へ順次入力する。
【0065】
ラインバッファ31は表示する画像のライン毎に各画素に対応したデジタル駆動信号を出力し、レベルシフタ32でレベルを調整後、DA変換ブロック33に入力される。
【0066】
DA変換ブロック33では、上記各画素に対応したデジタル駆動信号をアナログ駆動信号に変換して増幅ブロック34へ出力する。
【0067】
従って、各第1のDA変換器41から各増幅器43へアナログ駆動信号が入力され、各増幅器43により電流増幅されて出力される。
【0068】
また、このとき、増幅ブロック34には、信号処理部30からLレベルのTESTイネーブル信号と、LレベルのTESTモード切替信号が入力される。そのため、第2の切替え器46により、第2のDA変換器42の出力ノードがオペアンプ44の非反転入力ノード(+)に接続され、第1の切替え器45により、オペアンプ44の出力ノードがオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続される。すなわち、オペアンプ44は、第2のDA変換器42の出力を電流増幅するボルテージフォロアとして機能する。
【0069】
このように通常モードでは、図8に示すように、オペアンプ44によりボルテージフォロアが構成され、第2のDA変換器42から出力されるアナログ駆動信号はオペアンプ44により電流増幅されて出力される。また、第1のDA変換器41から出力されたアナログ駆動信号は増幅器43により電流増幅されて出力される。
【0070】
なお、液晶パネル21に共通電圧Vcomよりも低いアナログ駆動信号を出力するときにはDA変換器41−b1,・・・bn、42−b1,・・・bnが動作し、液晶パネル21に共通電圧Vcomよりも高いアナログ駆動信号を出力するときにはDA変換器41−a1,・・・an、42−a1,・・・anが動作する。また、図示しないが、ソースドライバ回路23には、増幅器43−a1と43−b1の出力、43−a2と43−b2の出力、オペアンプ44−a1と44−b1の出力、44−a2と44−b2の出力をそれぞれ入れ替える切換え器が備えられている。
【0071】
[2.4.2.検査モード]
次に、検査モードについて説明する。この検査モードは、さらにオペアンプ44への入力が互いに入れ替わる第1検査モードと第2検査モードがあり、図示しない半導体検査装置によって実行されるものである。半導体検査装置は、ソースドライバ回路23の入力端子に制御信号を入力し、出力端子TEST−OUTから出力される電圧を検出することによってDA変換ブロック33の良否を検出する。
【0072】
検査モードは、半導体検査装置からソースドライバ回路23に検査開始を示す制御信号が入力されたときに通常モードから移行して開始され、検査終了を示す制御信号が入力されたときに終了して通常モードに移行する。
【0073】
半導体検査装置から検査開始を示す制御信号が入力されると、信号処理部30は、HレベルのTESTイネーブル信号を増幅ブロック34へ入力する。
【0074】
HレベルのTESTイネーブル信号が増幅ブロック34に入力されると、第1の切替え器45は、オペアンプ44の出力ノードと反転入力ノード(-)との接続を切り離し、反転入力ノード(-)を第2の切替え器46へ接続する。これにより、オペアンプ44は、第1のDA変換器41の出力と第2のDA変換器42の出力とを比較する比較器として機能する。
【0075】
また、信号処理部30は、半導体検査装置から入力される制御信号に応じて、TESTモード切替信号をHレベル又はLレベルのいずれかにして増幅ブロック34へ入力する。
【0076】
LレベルのTESTモード切替信号が増幅ブロック34へ入力されると、第2の切替え器46は、第1検査モードで動作する。すなわち、第2の切替え器46は、第2のDA変換器42の出力ノードをオペアンプ44の非反転入力ノード(+)に接続し、第1のDA変換器41の出力ノードを第1の切替え器45を介してオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続する。
【0077】
また、HレベルのTESTモード切替信号が増幅ブロック34へ入力されると、第2の切替え器46は、第2検査モードで動作する。すなわち、第2の切替え器46は、第2のDA変換器42の出力ノードを第1の切替え器45を介してオペアンプ44の反転入力ノード(-)に接続し、第1のDA変換器41の出力ノードをオペアンプ44の非反転入力ノード(+)に接続する。
【0078】
(第1検査モード)
第1検査モードでは、上述のようにオペアンプ44の非反転入力ノード(+)には第2のDA変換器42の出力ノードが接続され、オペアンプ44の反転入力ノード(-)には第1の切替え器45を介して第1のDA変換器41の出力ノードが接続される。
【0079】
そして、図9(a)に示すように、第1のDA変換器41にはCodeAのデジタル駆動信号が入力され、この第1のDA変換器41によりアナログ駆動信号に変換されて増幅器43の入力ノードとオペアンプ44の反転入力端子(-)に入力される。また、第2のDA変換器42にはCodeBのデジタル駆動信号が入力され、この第2のDA変換器42によりアナログ駆動信号に変換されてオペアンプ44の非反転入力端子(+)に入力される。
【0080】
この状態で、CodeAによるアナログ駆動信号の電圧レベルがCodeBによるアナログ駆動信号の電圧レベルよりも低くなるように、図10に示す出力順でCodeA及びCodeBが出力されるように映像デジタル信号を入力する。すなわち、(CodeA:CodeB)が、(00:01)、(01:10)、(10:11)の関係で順次入力されるようにする。これにより、各DA変換器41,42が正常なときには、第1のDA変換器41から出力されるアナログ駆動信号の電圧レベルはVn1→Vn2→Vn3と変化し、第2のDA変換器42から出力されるアナログ駆動信号の電圧レベルはVn2→Vn3→Vn4と変化する。Vn1<Vn2<Vn3<Vn4の関係にあるため、オペアンプ44からはHレベルの電圧が継続して出力されて、正常検出を示す信号がNAND回路47から出力される。すなわち、NAND回路47の出力電圧がLレベルとなる。
【0081】
しかし、第1のDA変換器41又は第2のDA変換器42が異常であるときには、基本的に上記出力動作が行なわれず、オペアンプ44からはHレベルの電圧が継続して出力されず、NAND回路47の出力電圧が一時的又は継続的にHレベルとなる。すなわち、NAND回路47から異常検出を示す信号が出力される。その結果、OR回路48xを介して出力端子TEST−OUTから出力される電圧が一時的又は継続的にHレベルとなる。
【0082】
従って、第1検査モード中に出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にLレベルのときにDA変換ブロック33が良品であると判定し、出力端子TEST−OUTの電圧が一時的又は継続的にHレベルのときにDA変換ブロック33が不良品であると判定できる。
【0083】
(第2検査モード)
第2検査モードでは、上述のようにオペアンプ44の反転入力ノード(-)には第1の切替え器45を介して第2のDA変換器42の出力ノードが接続され、オペアンプ44の非反転入力ノード(+)には第1のDA変換器41の出力ノードが接続される。
【0084】
そして、図9(b)に示すように、第1のDA変換器41にはCodeAのデジタル駆動信号が入力され、この第1のDA変換器41によりアナログ駆動信号に変換されて増幅器43の入力ノードとオペアンプ44の非反転入力端子(+)に入力される。また、第2のDA変換器42にはCodeBのデジタル駆動信号が入力され、この第2のDA変換器42によりアナログ駆動信号に変換されてオペアンプ44の反転入力端子(-)に入力される。
【0085】
この状態で、CodeBによるアナログ駆動信号の電圧レベルがCodeAによるアナログ駆動信号の電圧レベルよりも低くなるように、図10に示す出力順でCodeA及びCodeBが出力されるように映像デジタル信号を入力する。すなわち、(CodeA:CodeB)が、(01:00)、(10:01)、(11:10)の関係で順次入力されるようにする。各DA変換器41,42が正常なときには、第1のDA変換器41の出力電圧レベルはVn2→Vn3→Vn4と変化し、第2のDA変換器42の出力電圧レベルはVn1→Vn2→Vn3と変化し、オペアンプ44からはHレベルの電圧が継続して出力されて、正常検出を示す信号がNAND回路47から出力される。すなわち、NAND回路47の出力電圧がLレベルとなる。
【0086】
しかし、第1のDA変換器41又は第2のDA変換器42が異常であるときには、基本的に上記動作が行なわれず、オペアンプ44からはHレベルの電圧が継続して出力されず、NAND回路47の出力電圧が一時的又は継続的にHレベルとなる。すなわち、NAND回路47から異常検出を示す信号が出力される。その結果、OR回路48xを介して出力端子TEST−OUTから出力される電圧が一時的又は継続的にHレベルとなる。
【0087】
従って、第2検査モード中に出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にLレベルのときにDA変換ブロック33が良品であると判定し、出力端子TEST−OUTの電圧が一時的又は継続的にHレベルのときにDA変換ブロック33が不良品であると判定できる。
【0088】
この第2検査モードは、第1検査モードで検出できない不良を検出することができる。例えば、第2のDA変換器42の一部のスイッチが故障してVp4の電位ノードに常に接続されているようなときには、第1の検査モードでは常にオペアンプ44の出力がHレベルとなり、出力端子TEST−OUTからLレベルの信号が出力される。一方、このような場合に第2検査モードでは、一時的又は継続的にオペアンプ44からLレベルの信号が出力されることになり、出力端子TEST−OUTから一時的又は継続的にHレベルの信号が出力される。同様に、第2検査モードで検出できない不良を第1検査モードで検出することが可能である。
【0089】
従って、第1検査モードと第2検査モードを実行することにより、DA変換ブロック33の不良の検出を精度よく行うことができる。
【0090】
この第1検査モードと第2検査モードを連続実行することにより、半導体検査装置では、出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にLレベルのときにだけ、DA変換ブロック33が良品であると判定でき、その他の場合には不良品であると判定することができる。
【0091】
なお、第1検査モード又は第2検査モードのいずれかの検査モードを設けずに、図11に示すように、CodeA>CodeBの状態とCodeA<CodeBの状態とで検査を行うようにしてもよい。この場合、図12に示すように、オペアンプ44−a1,b1,a2,b2の出力の論理和をとるOR回路50を設けると共に、このOR回路50の出力とNAND回路47の出力とを選択して出力する第3の切替え器51を設ける。
【0092】
そして、CodeA<CodeBの状態のときには第3の切替え器51を制御してNAND回路47の出力をOR回路48に入力し、CodeA>CodeBの状態のときには第3の切替え器51を制御してOR回路50の出力をOR回路48に入力する。このようにすることで、DA変換ブロック33が良品である場合には、出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にLレベルとなり、それ以外の場合には一時的又は継続的にHレベルとなり、第2の切替え器46を設ける必要がない。
【0093】
また、図6及び図7等の回路構成では、オペアンプ44の出力をNAND回路47に入力して、DA変換ブロック33の正常時に出力端子TEST−OUTからLレベルを出力させるようにしたが、これに限られない。例えば、NAND回路47に代えてAND回路を設け、DA変換ブロック33の正常時に出力端子TEST−OUTからHレベルを出力させるようにしてもよい。この場合、OR回路48に代えてAND回路を用いることにより、DA変換ブロック33の正常時には出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にHレベルとなり、異常時には一時的又は継続的に出力端子TEST−OUTからLレベルを出力させることができる。
【0094】
このようにソースドライバ回路23には、n個(nは整数)の第1のDA変換器41、n個の第2のDA変換器42、第1のDA変換器41の出力を増幅するn個の増幅器43、第2のDA変換器42の出力を入力するn個のオペアンプ44が設けられている。
【0095】
そして、ソースドライバ回路23には、半導体検査装置から出力される制御信号に基づき、第2のDA変換器42の出力を増幅する増幅器としてオペアンプ44を機能させる通常モードと、第2のDA変換器2の出力を第1のDA変換器41の出力と比較する比較器としてオペアンプ44を機能させる検査モードとを切替える第1の切替え器45を有している。
【0096】
このように本実施形態におけるソースドライバ回路23では、オペアンプ44を増幅器に加え比較器としても機能させることとしているので、別途比較器を設ける必要がなく、また複数の比較器の出力を論理回路で集約して出力するようにしている。従って、実装面積の増加を抑制しつつデバイス検査時に出力ノードへのプローブ数を大幅に削減することが可能となり、同時に測定可能なデバイス数を増加させることができ、1デバイスあたりのテスト時間を短縮し、検査コストを削減することが可能となる。
【0097】
また、ソースドライバ回路23には、検査モードのときに、オペアンプ44の反転入力ノード(-)に第1のDA変換器41の出力を入力するとともに、オペアンプ44の非反転入力ノード(+)に第2のDA変換器42の出力を入力する第1検査モードと、オペアンプ44の反転入力ノード(-)に第2のDA変換器42の出力を入力するとともに、オペアンプ44の非反転入力ノード(+)に第1のDA変換器41の出力を入力する第2検査モードとを切替える第2の切替え器46とを設けている。
【0098】
このように第1検査モードと第2検査モードとを設けることにより、半導体検査装置による検出を容易に行うことができる。すなわち、半導体検査装置では、第1検査モードと第2検査モードを連続的に実施し、出力端子TEST−OUTの電圧が継続的にLレベル又はHレベルのときにだけ、DA変換ブロック33が良品であると判定でき、その他の場合には不良品であると判定できる。
【0099】
特に、図6等に示すように、増幅ブロック34を複数の増幅部34aに分けて、複数のオペアンプ44の出力を論理回路(例えば、NAND回路47)に入力して、各増幅部34aの出力を論理回路で論理和や論理積をとる場合には、その論理回路の構成を簡易にすることができ、ソースドライバ回路23の実装面積の増加を抑制することができる。
【0100】
また、検査モードにおいて、上述のようにDA変換器41,42から出力させる電圧を順次増加又は減少させていくようにしているので、オペアンプ44の比較器としての応答性を高めることができ、検査速度を向上させることができる。その結果、1デバイスあたりのテスト時間を短縮し、検査コストを削減することが可能となる。
【0101】
[3.その他の実施形態]
上述においては、2種類の抵抗ラダー回路40a,40bにより、高電圧側のDA変換器41a,42aと低電圧側のDA変換器41b、42bとを設けることとしたが、これに限られない。例えば、図13に示すように低電圧側から高電圧側にかけて基準電圧を生成する抵抗ラダー回路40’を設けるようにしてもよい。
【0102】
また、検査モード時にオペアンプ44から同じレベルの電圧が出力されたときに、DA変換ブロック33を良品として判定するようにしたが、これに限られない。例えば、隣接するオペアンプ44への入力を交互に入れ替えるようにして、隣接するオペアンプ44同士で互いに異なる電圧が出力されたときにDA変換ブロック33を良品と判定するようにしてもよい。
【0103】
本発明に係る実施の一形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形は可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 半導体集積回路
10 第1のDA変換器
11 第2のDA変換器
12 増幅器
13 オペアンプ
20 液晶表示装置
23 ソースドライバ回路(半導体集積回路の一例)
30 信号処理部
31 ラインバッファ
32 レベルシフタ
33 DA変換ブロック
34 増幅ブロック
40a,40b 抵抗ラダー回路
41 第1のDA変換器
42 第2のDA変換器
43 増幅器
44 オペアンプ
45 第1の切替え器
46 第2の切替え器
47 否定論理積回路
48 論理和回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のDA変換器と、
第2のDA変換器と、
前記第1のDA変換器の出力を増幅する増幅器と、
前記第2のDA変換器の出力を入力するオペアンプと、
前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替える切替え器と、を備えた半導体集積回路。
【請求項2】
前記検査モードのときに、前記オペアンプの非反転入力ノードに前記第1のDA変換器の出力を入力するとともに、前記オペアンプの反転入力ノードに前記第2のDA変換器の出力を入力する第1検査モードと、前記オペアンプの非反転入力ノードに前記第2のDA変換器の出力を入力するとともに、前記オペアンプの反転入力ノードに前記第1のDA変換器の出力を入力する第2検査モードとを切替える第2の切替え器を備えた請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
n個(nは2以上の整数)の前記第1のDA変換器と、
n個の前記第2のDA変換器と、
各前記第1のDA変換器の出力を増幅するn個の前記増幅器と、
各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個の前記オペアンプと、
n個の前記切替え器と、を備えた請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記n個のオペアンプの出力がすべてHレベル又はLレベルのときに正常検出を示す信号を出力し、前記n個のオペアンプの出力がいずれか一つでもLレベル又はHレベルのときに異常検出を示す信号を出力する論理回路を備えた請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
n個(nは2以上の整数)の第1のDA変換器と、
n個の第2のDA変換器と、
各前記第1のDA変換器の出力を増幅して液晶パネルに出力するn個の増幅器と、
各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個のオペアンプと、
前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替えるn個の切替え器と、を備えた液晶駆動回路。
【請求項6】
液晶パネルと、この液晶パネルに設けられた画素を駆動させるための駆動信号を出力する液晶駆動回路とを備え、
前記液晶駆動回路は、
n個(nは2以上の整数)の第1のDA変換器と、
n個の第2のDA変換器と、
各前記第1のDA変換器の出力を増幅して液晶パネルに出力するn個の増幅器と、
各前記第2のDA変換器の出力を入力するn個のオペアンプと、
前記第2のDA変換器の出力を増幅する増幅器として前記オペアンプを機能させる通常モードと、前記第2のDA変換器の出力を前記第1のDA変換器の出力と比較する比較器として前記オペアンプを機能させる検査モードとを切替えるn個の切替え器と、を備えた液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−171627(P2010−171627A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11153(P2009−11153)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】