説明

半製品の繊維複合材料製品から、(部分的に)環状であり繊維で強化された、ポリマーを含有する成形品を生産する方法

繊維複合材料の半製品から、(部分的に)環状であり繊維で強化された、ポリマーを含有する成形品を生産する方法であって、回転可能なドラム3の上に多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を配置して、該部品が、半製品を収容するための環状のチャネル19、25、33、45、50を備えたループ状の鋳型を形成するようにするステップ、ループ状の鋳型のチャネルに半製品を付与するステップ、遠心力によりマトリクス材は外側に押し進められてチャネル内に存在する空気は内側に移動するような方法で、ドラムを回転させるステップ、ポリマー環を形成するために加熱手段を用いて半製品を硬化させるステップ、ループ状の鋳型からポリマー環を取り出すステップ、を含んでなる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維複合材料半製品から、繊維強化プラスチックを含んでなる環状または部分的に環状の部材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(D1)からは、筒状部材を製造する方法であって、CFRP複合材料が遠心機の鋳型キャビティの中に配置される方法が知られている。この製法において、樹脂は開孔部を経由して遠心機のキャビティ内に入れられる。遠心力に基づいて複合材料の均等な含浸が達成される。
【0003】
特許文献2(D2)では、複合材料が遠心機の鋳型キャビティの中に配置される、繊維複合材料部材を製造するための方法およびデバイスについて説明されている。続いて、キャビティは空にされて回転され、その結果遠心機の中央領域のコンテナからの樹脂はキャビティ内へ移動される。
【0004】
特許文献3は、回転成形用の装置であって、該装置の中心に設けられた注入ダクトにチャネル経由で接続された多数の鋳型キャビティを備えた装置を開示している。遠心力の結果、注入ダクトからの樹脂混合物は鋳型キャビティ内に押し進められる。キャビティを満たす工程の際に、鋳型に含まれていた空気は回転軸の方向に押しのけられ、通気チャネル経由で放出される。
【0005】
特許文献4には、PU材料から環状部材を製造するための回転成形装置が記載されている。キャビティ内に補強ワイヤを入れることが可能となっている。
さらに、特許文献5からは、少なくとも部分的に環状の部材を製造するための巻線方法が知られており、該方法は2つの鋳型部品を含んでなるリールを使用し、該リールは長手方向軸上で回転可能であって一方向の炭素繊維が表面領域に巻きつけられるようになっている。この製法では、巻線形状は工程管理デバイスの移動制御システムにより制御され、被成形物品の側面部の領域では、中間部の場合よりも多数の繊維層が重ねて巻き付けられる。リールのキャビティはカバーによって閉止され、注入口を経由して液体プラスチックで充填される。
【0006】
特許文献6には、製品を製造するための遠心成形方法が記載されており、この方法において成形される原料は遠心機内に置かれる。製品の均一厚さを保証するために、遠心機内に、より正確には原料によって囲まれる体積の内側に化合物が置かれる。この配置された化合物から、遠心機運転中の成形プロセスの際に、被成形材料に対して付加的な力が加わる;言いかえれば、材料を遠心機の外側壁と接触させるように、材料に対して内側から圧力が加わる。
【0007】
特許文献7には、半製品にマトリクス材を含浸させる方法が記載されており、該方法では、マトリクス材は、該半製品上または該半製品内で、空気の混合を伴うことなく極めて大きな運動エネルギーで遠心される。
【0008】
特許文献8には、小型部材を製造するためのプレート鋳型遠心機が記載されており、該遠心機は、共通の中心軸上で一緒に回転し、かつマトリクス材用の中央に設置された共通の供給チャネルによって供給を受ける、順に重ねて配列された数個のプレート鋳型を含んでなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−247770 A1号公報明細書
【特許文献2】米国特許第5,393,215 B1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第29 19 498 A1号明細書
【特許文献4】米国特許第5,906,836 B1号明細書
【特許文献5】独国特許第39 35 133 C2号明細書
【特許文献6】国際公開第02/058917 A2号パンフレット
【特許文献7】独国特許出願公開第2 138 353 A号明細書
【特許文献8】独国実用新案第1 886 051 U号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、繊維複合材料半製品から、繊維強化プラスチックを含んでなる環状部材を製造する方法であって、該方法によって複雑な断面形状を備えた部材を製造することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は請求項1に記載の特徴部分によって達成される。さらなる実施形態は従属する下位の請求項において提示されている。
本発明によれば、繊維複合材料半製品から、環状または部分的に環状であって繊維強化プラスチックを含んでなる半製品または部材を製造する方法が提供され、該方法は、
(a)回転可能なドラム(3)の上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を配置して、ドラムの径方向または長手方向のうち少なくともいずれか一方の方向に伸びる環状または部分的に環状のチャネル部(19、25、33、45、50)を備えたリール状の鋳型を形成するようにするステップ、
(b)リール状の鋳型のチャネル部(19、25、33、45、50)の中に半製品材料を多層として付与するステップ、
(c)ステップ(a)および(b)を少なくとも1回反復して、回転可能なドラム上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を追加する一方で既存のチャネル部から続くさらなるチャネル部を形成し、かつチャネル部の中に半製品材料を配置するステップであって、作成された連続チャネル部は少なくとも一部分が製造される部材の鋳型を提供することを特徴とするステップ、
(d)個々のチャネル部への半製品材料の挿入とともに、または少なくとも1つのチャネル部を形成した後に、チャネル部(19、25、33、45、50)の中にマトリクス材を配置するステップ、
(e)半製品材料およびマトリクス材が入ったチャネル部(19、25、33、45、50)を形成した後に、ドラム(3)を回転させて、遠心力の結果としてマトリクス材が外側に向かって押し進められ、かつチャネルに含まれた空気が径方向に内側へ移されるようにするステップ、
(f)プラスチック環を形成するために加熱してチャネル(19、25、33、45、50)に含まれたマトリクス材を硬化させるステップ、
(g)環状の半製品または部材を硬化させた後に、鋳型部品構成物を部分に分けて、硬化した環状の半製品または部材を取り出すステップ、
を包含する。
【0012】
本発明によって、このように鋳型ツールまたは互いに接合するチャネル部の段階的作成が提供され、前記段階的作成において、専用処理ステップにおいていくつかのチャネル部のうち1つが完成する度に、繊維複合材料部材に使用される繊維半製品または半製品材料は、その都度作成されたチャネル部の中に挿入される。
【0013】
本発明により、ドラムの回転に先立って、多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を配置するステップおよびリール状鋳型のチャネルに半製品を多層として付与するステップが、交互に数回行なわれてもよい。
【0014】
本発明による方法では、特に、2つの隣接した鋳型部品について、前記2つの鋳型部品がポジティブロック方式で相互作用して、ドラムの径方向に外側に位置している鋳型部品が、径方向に内側に位置している鋳型部品に、ドラムの軸方向を向いて装着されるように、かつ外側に位置している鋳型部品の、軸方向を向いている側壁がチャネル部の側壁を形成するように、設計がなされてもよい。
【0015】
それぞれ形成された鋳型部品構成物の上に2つの鋳型部品が設けられて、該鋳型部品の2つの向かい合った側壁であってドラムの径方向に沿って伸びる側壁が、鋳型部品によって既に形成されているチャネル部から続くチャネル部を形成して部材のウェブを形成するように、かつ、鋳型部品の対応する受承表面上に周方向に伸びるカバー要素が付与され、該カバー要素は、形成されたチャネル部を径方向に外側へ向かって閉止して、ドラムの回転中にマトリクス材がチャネルから逸脱するのを該端部ピースが防止するようになされてもよい。
【0016】
この配置構成では、カバー要素の表面および鋳型部品のうち少なくとも一方の上面はドラムの軸線方向に伸びるチャネル部を形成し、該チャネル部はドラムの径方向に沿って伸びるチャネル部から続いて部材のウェブを形成し、かつ、軸線方向に伸びるフランジを形成するために、軸線方向に伸びるチャネル部の中へ半製品材料が注入されマトリクス材が導入される。
【0017】
さらに、本発明によれば、多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を含んでなる環状チャネルを備えたリール状の鋳型の形成において、マトリクス材をチャネル内へ導入するために少なくとも1つの供給チャネルが形成される。この配置構成では、供給チャネルはドラムの内部からチャネル内へ通じることができる。別例として、または追加として、チャネルからドラム外部の周辺に通じる供給チャネルが形成されてもよい。
【0018】
本発明による方法によれば、リール状の鋳型の上に設けられた端部ピースまたはカバーが使用されて、該端部ピースまたはカバーが外側でチャネルを径方向に閉止して、ドラムの回転中にマトリクス材がチャネルから逸脱するのを端部ピースが防止するようになされてもよい。
【0019】
本発明によれば、プラスチック環の完成後、前記の環が部分に分けられてもよく、また前記の環が取りだされてもよい。
マトリクス材として樹脂または金属溶融物が使用可能である。さらに、粗紡、織物、織り込み繊維スクリム、プレプレグ材またはヤーンのうち少なくともいずれかの選択または組み合わせが、半製品として使用可能である。
【0020】
鋳型部品は繊維強化材料を含んでなることができる。
鋳型部品の配置構成は、リール状鋳型のチャネルが、製造すべき部材のための少なくとも1つのビードおよび少なくとも1つのウェブを含んでなる組み合わせのための鋳型を形成するような方法で形成されるように、提供することができる。
【0021】
多数の環状または部分的に環状の鋳型部品の、回転可能なドラム上への配置は、同一のドラム上でドラムの長手方向に隣り合って、繊維複合材料半製品を含んでなるいくつかの部材が製造されてドラムから取り外されるように行われてもよい。
【0022】
本発明による方法を用いて、特にいくつかの硬化型の半製品または部材は、同一のドラム上での並行プロセスで製造可能である、すなわち、多数の環状または部分的に環状の鋳型部品の、回転可能なドラム上への配置は、同一のドラム上において鋳型部品が配置され、かつドラムの長手方向に繊維複合材料の半製品を含んでなるいくつかの形成された半完成製品または部材が製造されてドラムから取り外されるように行われてもよい。
【0023】
本発明によれば、このように繊維複合材料の半製品から繊維強化プラスチックを含有する環状または部分的に環状の半製品または部材の製造が提供される。本発明による方法は、鋳型部品を用いてチャネル部から段階的に構築されるチャネルを提供し、前記チャネル部は、製造すべき部材の鋳型を徐々に形成するようになっている。チャネルは部分から段階的に形成されるが、段階的に、チャネル部分の製造後、それぞれについて繊維複合材料部材を製造するための半製品材料が前記チャネル部分の中に挿入される。これは、繊維複合材料部材の製造に必要な繊維配向を伴ってチャネル内に半製品材料を挿入できることを意味している。この配置構成では、例えば、巻線方法を用いてチャネル部に繊維材料を挿入することが可能である。上記のことは、特に、それぞれ形成されたチャネル部が、ドラムの軸上で回転対称をなして伸びるように形成され、かつ径方向に外側に向かって開口していることにより、繊維もしくは繊維糸、また繊維を含んでなる乾燥もしくは含浸された半製品を挿入するための入口を提供するように形成される場合に、可能である。本発明によれば、さらに、チャネル部の形成後にマトリクス材が同チャネル部の中に導入されるか、またはいくつかのチャネル部の形成後に、マトリクス材が該チャネル部の中に導入される。半製品の配置は、特に、製造すべき半製品または部材における繊維配向に相当する所定の繊維配向を伴って行なわれるので、複雑な所定の鋳型、例えば径方向に伸びるウェブおよび前記に軸方向に隣接するフランジを含んでなる鋳型の製造は、回転法を用いて技術的に可能である。
【0024】
以下に、添付の図面を参照しながら本発明の典型的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】回転可能なドラム上における配置構成のための、本発明により提供されたドラムおよびいくつかの環状または部分的に環状な鋳型部品の立体分解斜視図。
【図2】ドラム上に環状または部分的に環状な鋳型部品の典型的な完成構造を備えた、回転可能なドラムの長手方向の部分断面図。
【図3a】回転可能なドラム上に配置された2つの環状鋳型部品を備えた、前記回転可能なドラムの支持領域を示す図。鋳型部品は、固定アングル環によって側面方向に支持されると同時に、製造すべきフレーム要素の内側フランジを形成するために半製品が付与されている。
【図3b】回転可能なドラムの支持領域を示す図。該支持領域上では、図3aに示す状態から開始して、製造すべきフレーム要素の内側ビードをさらに形成するために、さらに2つの環状鋳型部品が配置されている。
【図3c】回転可能なドラムの支持領域を示す図。該支持領域上では、図3bに示す状態から開始して、製造すべきフレーム要素のウェブをさらに形成するために、それまで配置されていた鋳型部品との交換で別の環状鋳型部品が配置されている。
【図3d】回転可能なドラムの支持領域を示す図。該支持領域上では、図3cに示す状態から開始して、さらに2つの環状鋳型部品が既に配置されている鋳型部品と交換に配置され、かつ2つのさらなる環状鋳型部品が、製造すべきフレーム要素の前段階で形成されたウェブを伸ばすために配置されている。
【図3e】回転可能なドラムの支持領域を示す図。該支持領域上では、既に配置されている環状鋳型部品を備えた図3dに示す状態から開始して、さらに、製造すべきフレーム要素の外側フランジが巻かれている。
【図3f】回転可能なドラムの支持領域を示す図。該支持領域上では、図3eに示す状態から開始して、配置された鋳型部品群の終端となる環状カバー要素が配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、ドラム3および前記ドラム3の上に配置されたいくつかの環状または部分的に環状の鋳型部品を備えた、本発明により提供される製造デバイス1の分解斜視図を示しており、本発明による方法の1つの適用例において、該鋳型部品を使用して、回転可能なドラム上に配置するための航空機胴体用の環状フレーム要素を形成することができる。配置された鋳型部品のうち少なくとも1つは、1つまたはいくつかの外側表面を含んでなり、該表面上に半製品材料を配置することができる。
【0027】
本発明による方法により、または本発明によるデバイスを用いて、単にプロファイル(例えばフレーム要素)を製造することが可能であるだけでなく、同時にいくつかのプロファイルを製造することも可能である。例として、図2は、2つのプロファイルの同時製造を示す。このことは、機械の処理量および本発明による製造デバイスで製造することができる時間あたりの部材数を増加させる。
【0028】
いくつかの鋳型セグメントに区分する結果、回転対称ではない半製品または部材を製造することも可能である。例えば、楕円形の基本断面を含んでなる部材を製造することができる。さらに、閉じていない基本断面、および例えば形状が部分的に楕円形である、または部分的に放物線状である基本断面を含んでなる部材を製造することも可能である。
【0029】
具体的には、下記のものすなわち:粗紡、織物、織り込み繊維スクリム、プレプレグ材またはヤーンのうち少なくともいずれかを、1または複数の半製品として使用することができる。半製品とともにマトリクス材が使用される。マトリクス材に関しては樹脂または金属溶融物が使用されるが、マトリクス材は半製品がそれぞれのチャネル部に配置された後にチャネルマトリクス材料内に配置される。マトリクス材は、例えばプレプレグ材の場合には半製品と一緒にドラムに併せて付与されてもよい。
【0030】
説明のために、ドラム3には長手方向Lが付されており(図2)、長手方向Lはドラムの対称軸と一致する。ここから径方向Rおよび周方向Uが得られる。図3a〜3fは、本発明による様々な方法に関連したステップにおける改変適用例についての、ドラム上への環状または部分的に環状の鋳型部品の一連の付与を示す。この配置構成では、図2は、回転可能なドラム上に完成した構造の環状または部分的に環状の鋳型部品を備えた、該ドラムの長手方向の部分断面図を示しており、前記構造は図3a〜3fのステップに示されている。
【0031】
繊維強化プラスチックを含んでなる繊維複合材料半製品から環状または部分的に環状の半製品または部材を製造するための本発明の方法によれば、回転可能なドラム上への、多数の環状または部分的に環状の鋳型部品の最初の配置は、鋳型部品がドラムの周方向に伸び、その結果として半製品を受入れるための環状レセプタクルまたはチャネル部を備えたリール状の鋳型が形成され、続いてリール状の鋳型の環状レセプタクルの中に半製品が多層をなして付与されるような方法で行われる。環状レセプタクルは、製造すべき部材の少なくとも一部を形成するのに使用される形状に作られる。
【0032】
図3a〜3fに示された典型的な実施形態では、最初に回転可能なドラム3の支持領域または支持エリア5の上に2つの環状鋳型部品11、12が配列されるが、該鋳型部品は、現在説明している典型的な実施形態では製造工程の間に交換することができず、したがって、基礎鋳型部品と呼ぶこともできる。回転可能なドラム3の支持エリア5は、ドラムの周面上に配置されたスリーブの周面であってもよい。鋳型部品11、12はそれぞれ、第1のドラム端部3aの側を向いている第1の側方表面11aまたは12aと、第2のドラム端部3bの側を向いている第2の側方表面11b、12bとを含んでなる。基礎鋳型部品11、12の径方向に内側の表面11c、12cは、ドラム3の支持エリア5の上に載っている。
【0033】
記載の典型的な実施形態では、外側の周面11d、12dは、部分的に半製品材料を配置または巻き付けすることが可能な輪郭を含んでなり、該輪郭はさらなる鋳型部品を受承するのに適している。上記効果に対して、ここで記載されている適用例では、各例の鋳型部品は径方向に外側に位置している該当する角部に凹部13または14を含んでなり、その結果として前記凹部はドラム3の上の鋳型部品11、12が対応して配置されて一続きの凹部15を形成する。ドラム端部3a、3bの方向に見ると、この凹部15の境界は、第1の鋳型部品11の最初は露出している径方向に伸びる側方表面11bであって第2のドラム端部の側を向いている側方表面11bと、反対側の、第2の鋳型部品12の最初は露出している径方向に伸びる側方表面14aであって第1のドラム端部3aの側を向いている側方表面14aとによって定められる。それぞれのドラム端部3a、3bの側を向いている側方表面11a、12bそれぞれの上に、鋳型部品11および12は、外側に向かって、すなわち長手方向Lの方向に見ると、固定アングル18、17で支持されている。
【0034】
図に示された適用例では、径方向Rの方向に伸びる所定厚さの半製品材料が、レセプタクル15に挿入される。完成した部材を硬化させるステップの後、この半製品層19は、製造すべきフレーム要素の内側ビードを形成することになり、層の厚さは内側ビードの厚さに相当する(図3a)。
【0035】
さらなるステップでは、第1および第2の鋳型部品21または22が、内側ビードを形成するために提供された層19の上に配置されるが、後続ステップにおいて鋳型部品21または22は他の鋳型部品に置き換えられるので、これらの鋳型部品は中間鋳型部品と呼ぶこともできる。図に示された典型的な実施形態では、第1の中間鋳型部品21は、第1の中間鋳型部品21が第2の中間鋳型部品22を径方向に外側で覆うように設計されて凹部15の中に配置されており、また第2の鋳型部品22は、第1の中間鋳型部品21の径方向に内側の凹部に受承されている。この配置構成において、第2の中間鋳型部品22および第2の基礎鋳型部品12は、第1の中間鋳型部品22と、基礎鋳型部品12の隣接した径方向に伸びる側壁14aとの間に径方向に伸びるチャネルまたは間隙23が残り、該チャネルはさらにドラム3の周方向Uに伸びるように、設計されかつ互いに対して配置されている。さらなるステップでは、同様に、半製品材料23aがこの径方向に伸びる間隙23の中に挿入されるかまたは該間隙上に配置される結果、径方向に伸びる半製品ウェブ25が得られ、該ウェブは製造すべき部材において該部材の軸方向に位置して、製造すべきフレーム要素の内側ビードの端部への繋ぎのカラーを形成する。第1の中間鋳型部品21の第1の径方向に伸びる側方表面21a(側方表面21aは第1のドラム端部3aの側を向いている)は、基礎鋳型部品11の、前記側方表面21aに面している側方表面または凹部壁11bに支えられている(図3b)。
【0036】
さらなるステップでは、第1の中間鋳型部品21は第3の中間鋳型部品30に置き換えられるが、第3の中間鋳型部品30も中間ステップで使用されるだけであり、従ってその後交換される(図3c)。第3の鋳型部品30は、第1の鋳型部品11に沿って側方部36においてドラム3の軸方向Lに伸び、さらに軸方向に第1の鋳型部品11を越えて第2の基礎鋳型部品12の部分に沿って伸び、この部分に支えられている。第3の鋳型部品30の取り付けまたは安定化については、第2の基礎鋳型部品12に面する側において、前記第3の鋳型部品30は、周方向Uに伸びかつドラムの軸側を向いている突部35を含んでなる。さらに、第2の基礎鋳型部品12は、第3の鋳型部品30に面する側に、周方向の突部35をポジティブロック方式で受承し、かつ第3の中間部品をドラム3の軸方向Lに固定するための、溝27を含んでなる。第3の鋳型部品30は、該部品の第1の径方向に伸びる側壁30aであって第1のドラム端部3aの側を向いている側壁30aと、第1の基礎鋳型部品11の側方表面11bまたは凹部壁との間に、前記側壁が径方向かつ周方向Uに伸びるチャネルまたは間隙33を提供するように設計されて凹部15に位置付けられ、該チャネルまたは間隙33の中に、さらなるステップにおいて内側ビードの形成のために材料層19から90度をなして続く半製品材料34が挿入される(図3c)。
【0037】
さらなるステップにおいて、第1の外形鋳型部品41および第2の外形鋳型部品42が鋳型部品構造物上に配置される(図3d)が、第1の外形鋳型部品41および第2の外形鋳型部品42は、該部品の間に径方向Rに伸びる間隙またはチャネル43を形成するように設計されてそれまでに確立された鋳型部品構造物上に配置され、間隙またはチャネル43は径方向に伸びる間隙33から続いて同じ幅で伸びる(図3e)。この配置構成において、間隙43は、第1の外形鋳型部品41または第2の外形鋳型部品42の、向かい合う互いに相対する径方向に伸びる側方表面41b、42aの間に形成される。続いて、再び、マトリクス材または半製品材料のうち少なくともいずれか一方が間隙33の中に挿入され、その結果、製造すべき部材において径方向に伸びる半製品ウェブ45が得られ、該ウェブは前記部材において間隙33の結果として生じるウェブの延長部分に相当する。
【0038】
第1の外形鋳型部品41は、その内側周面に支持エリア41cを備え、支持エリア41cは、第1の外形鋳型部品41をドラム3の第1の端部3aから既存の鋳型構造物上へと長手方向Lに摺動させることができるように、設計され、特にそのような内側半径を備えている。同様に、第2の外形鋳型部品42は、その内側周面に支持エリア42cを含んでなり、支持エリア42cは、第2の外形鋳型部品42をドラム3の第2の端部3bの方向から既存の鋳型構造物上へと長手方向Lに摺動させることができるように、設計され、特にそのような内側半径を備えている(図3d)。鋳型部品41および42を、ねじれに対して、および周方向Uに作用する力に対して強化するために、前記鋳型部品41および42は、同部品の外側面であって第1のドラム端部3aまたは第2のドラム端部3bの側を向いている外側面にリブ41aまたは42bを含んでなる。さらに、鋳型部品41および42はその内側表面41cまたは42cに、環状またはその他のタイプの突部45、46を含んでなり、該突部は前記内側表面41cまたは42cから内側に向かって、すなわちドラムの中心軸に向かって突出している。鋳型部品41、42が、ドラム3に既に配置されている鋳型部品の配置構成物の上へと摺動されると、前記突部はそれぞれの鋳型部品11または30の、それぞれドラム端部3a、3bの側を向いている側方表面に支えられることになり、所与の適用例におけるそれぞれの鋳型部品41または42は、前記鋳型部品11または30の上へと、それぞれのドラム端部3aまたは3bの方向から押し進められる。
【0039】
図に示された典型的な実施形態では、第1のドラムに極めて近い鋳型部品41は、幅がドラムの軸方向に伸び、内部が間隙43に接続しているレセプタクルまたは凹部またはチャネル50を含んでなる。さらに、半製品材料がチャネル50の中に挿入され、半製品材料は間隙43に挿入された材料から続く。製造すべき部材においては、間隙43に挿入された材料は、ドラム3の軸方向に伸びる環状外側フランジを形成する。
【0040】
図3a〜3fによる適用例の鋳型構造物を閉止するために、第1のドラム端部3aの方向から環状カバー要素60または端部ピースが、前記鋳型構造物の上へ、第1のドラム端部3aの方向から見ると最も外側のチャネル50の向こう側に位置する停止面45に対して摺動されて、その結果環状カバー要素60の対応する設計により該カバー要素がチャネル50を覆う(図3f)。カバー要素60の下でチャネル50は終端となり、カバー要素60がチャネル50を閉止する結果、ドラム3が回転されたときにカバー要素60はマトリクス材がチャネルから出るのを防止する。
【0041】
鋳型構造物において、このように、一体となった鋳型部品、特に一体として製造済みの鋳型部品を使用することが可能である。本願における適用例において、このことは鋳型部品11、12、41、42に当てはまる。さらに、いくつかの(すなわち少なくとも2個の)円周部品であって配置されたときに周方向Uに閉じる環を共に形成する部品を含んでなる鋳型部品を使用することも可能である。本願における適用例において、これは鋳型部品21、22、30に当てはまる。上記のうちのいくつかは、運動学的な理由から摺動させることによって意図された位置に移動させることができない鋳型部品である。周方向に組み立てられるこれらの鋳型部品では、前記鋳型部品は互いに周方向に取り付けられ、またこの目的のために、例えば、周方向に配置された前記部品の端部に取り付けられた連結要素または周方向ストラップを使用することが可能である。
【0042】
本発明によれば、部材は、前記部材どうしが相対的に配置されたときに、形成されるべき一続きのチャネルコースであって少なくとも径方向に伸びる部分を含んでなるチャネルコースが生じる形状に、製造されることが好ましい。この配置構成では、単一部品である鋳型部品の組み合わせ、または単一部品として製造済みの複数の鋳型部品が使用され、鋳型部品は運動学的な理由から必ず周方向に伸びる。
【0043】
記載された適用例の鋳型部品の特徴は、他の適用例すなわち製造すべき異なる設計の部材については、鋳型構造物の構成および生じる運動学的状況に応じて、異なる方式で組み合わされてもよい。
【0044】
この配置構成では、特に、半製品を配置する中間ステップにのみ使用され、その後は半製品材料が配置されるべきチャネルを引き続き延ばすために他の鋳型部品で置換される、鋳型部品21または22のような鋳型部品を提供することも可能である。
【0045】
半製品材料は、例えば、織り込みスクリムまたは繊維マットとして層をなして配置されてもよいし、それぞれ用意されたチャネル内でヤーンまたは粗紡として巻かれてもよく、このようにして前記チャネル内に配置できる。この配置構成では、特に、所定の向きでチャネル部の中に挿入されるべき半製品の繊維または糸剤またはヤーンまたは粗紡が提供されてもよい。
【0046】
それぞれ用意されるチャネルは、それぞれの鋳型の設計で使用される鋳型部品を用いて、前記チャネルをその後一定の方法で、換言すれば例えば同じ巻線技術または付与技術を使用して、半製品材料で充填することができるような方式で設計されることが好ましい。しかしながら、それぞれ用意されるチャネルを充填する場合に異なる付与方法の組み合わせを使用することも可能である。
【0047】
周方向および径方向に伸びる、作出すべきチャネルは、ドラムの軸方向断面で見た場合にある部分は径方向または軸方向に伸び、適用可能な場合は軸方向領域と径方向領域との間の相応の移行を伴う。特定の場合には、ドラムの軸方向断面で見た場合に断面が軸方向Lまたは径方向Rに対して横切るように伸びるチャネルを形成することも可能である。
【0048】
多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を、半製品を受承するためのチャネル部19、25、33、45、50から形成された環状チャネルとともにリール状の鋳型を形成するように、回転可能なドラム3の上に配置するとともに、または配置後に、加えてリール状の鋳型のチャネルの中に半製品を多層として付与した後に、任意選択で、半製品材料で満たされたチャネル内へのマトリクス材の配置が行なわれる。半製品が既に適切な量のマトリクス材を含む場合、このステップは行われなくてもよい。
【0049】
これは、チャネル部19、25、33、45、50の作製後に段階的に、または多数のチャネル部19、25、33、45、50の作製後もしくはチャネル部19、25、33、45、50により形成されるチャネル全体の作製後に、特に環状カバー要素60の配置後に、行われる。
【0050】
この配置構成では、例えばプレプレグ材がマトリクス材として使用される場合、半製品は既にマトリクス材を含むことができる。
別例として、または追加として、鋳型部品の構築中または構築後に、マトリクス材のリザーバを備えたマトリクス材供給デバイスと連通するマトリクス材供給チャネルが形成されて、鋳型部品によって形成されたチャネル19、25、33、45、50の中へマトリクス材供給デバイスによってマトリクス材が挿入可能とされてもよい。マトリクス材供給デバイスは、鋳型部品によって形成されたチャネル19、25、33、45、50から、ドラム内側の領域またはドラム外側の周囲領域へと供給チャネルが伸びることができるように、ドラム3aの内側に位置していてもドラム3の外側に位置していてもよい。
【0051】
鋳型部品によって形成されたチャネル19、25、33、45、50の中に半製品材料およびマトリクス材が配置された後、ドラムが回転されて、遠心力によりマトリクス材が外側に向かって押され、かつチャネルに含まれていた空気が径方向に内側に向かって移動されて、チャネル充填物が高品質プラスチック製品の作製用に整えられる。
【0052】
チャネル19、25、33、45、50から空気を移動または脱出させるために、鋳型部品どうしの間の間隙の結果として作られた、または他の手段、例えば最も内側に位置する鋳型部品の中にドレン管またはカニューレを挿入することによって得られる、追加の出口チャネルが形成されてもよい。出口チャネルは、鋳型部品によって形成されたチャネル19、25、33、45、50の最も内側の位置から伸びる。出口チャネルはドラム3の内部へ伸び、内側端部で開口してもよいし、レセプタクル内に達してもよい。供給チャネルが、鋳型部品から形成されたチャネル19、25、33、45、50の径方向に最も内側の位置において前記チャネル19、25、33、45、50の中に達する場合、出口チャネルは供給チャネルと同一であってもよい。
【0053】
さらなるステップでは、鋳型部品によって形成されたチャネル19、25、33、45、50の中にある半製品材料およびマトリクス材の硬化は、プラスチックの環または部分環を形成するための加熱、およびリール状の鋳型からのプラスチック環の除去または鋳型部品を含んでなる鋳型部品構造物の除去を伴って行われる。
【0054】
本発明によって使用される鋳型部品は回転対称または部分的に回転対称である必要はなく、換言すれば、鋳型部品は周方向に平行なエッジを備える必要はなく;むしろ、鋳型部品は、例えば周方向Uで見た場合にランプ形であってもよく、このランプ形は本発明では「環状または部分的に環状」という表示に包含される。製造すべき部材の設計に応じて、鋳型部品は形状が非対称的であってもよい。重要な部分は、段階的な方式で互いに連結される上記部材で構成され、該方式により該部材の間に、半製品の挿入またはマトリクス材の導入のうち少なくともいずれか一方のためのチャネルが形成されるようになされる。チャネルは周方向および径方向に構成要素を有し、ドラムの回転中にマトリクス材に遠心効果が及ぶようになっている。
【0055】
鋳型部品、例えば基礎鋳型部品および中間鋳型部品ならびにその他の鋳型部品の特徴は、所定形状の部材の製造を本発明によって行うことが可能な前記鋳型部品の配置構成を達成することができるように、前記鋳型部品に対して提供される場合もあれば提供されない場合もある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維複合材料の半製品から、繊維強化プラスチックを含有する環状または部分的に環状の半製品または部材を製造する方法であって、
(a)回転可能なドラム(3)の上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を配置するステップであって、該ドラムが、ドラムの径方向または長手方向のうち少なくともいずれか一方に伸びる環状または部分的に環状のチャネル部(19、25、33、45、50)を備えたリール状の鋳型を形成するようになされるステップ、
(b)リール状の鋳型のチャネル部(19、25、33、45、50)に半製品材料を多層として付与するステップ、
(c)ステップ(a)および(b)を少なくとも1回反復して、回転可能なドラム上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を追加する一方で既存のチャネル部から続くさらなるチャネル部を形成し、かつチャネル部の中に半製品材料を配置するステップであって、作成された連続チャネル部は少なくとも一部分が製造される部材の鋳型を提供することを特徴とするステップ、
(d)個々のチャネル部への半製品材料の挿入とともに、または少なくとも1つのチャネル部を形成した後に、チャネル部(19、25、33、45、50)の中にマトリクス材を入れるステップ、
(e)半製品材料およびマトリクス材が入ったチャネル部(19、25、33、45、50)の形成後に、ドラム(3)を回転させて、遠心力の結果としてマトリクス材が外側に向かって押し進められ、かつチャネルに含まれた空気が径方向に内側へ移されるようにするステップ、
(f)チャネル(19、25、33、45、50)に含まれたマトリクス材を硬化させるステップ、
(g)環状の半製品または部材を硬化させた後に、鋳型部品の配置構成物を部分に分け、かつ硬化した環状の半製品または部材を取り出すステップ
を含み、チャネル部は径方向に外側に向かって開口している凹部であることを特徴とする方法。
【請求項2】
繊維複合材料の半製品から、繊維強化プラスチックを含有する環状または部分的に環状の半製品または部材を製造する方法であって、
(a)回転可能なドラム(3)の上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を配置するステップであって、該ドラムが、ドラムの径方向または長手方向のうち少なくともいずれか一方に伸びる環状または部分的に環状のチャネル部(19、25、33、45、50)を備えたリール状の鋳型を含んでなるようになされるステップ、
(b)リール状の鋳型のチャネル部(19、25、33、45、50)に半製品材料を多層として付与するステップ、
(c)ステップ(a)および(b)を少なくとも1回反復して、回転可能なドラム上に少なくとも1つの環状または部分的に環状の鋳型部品を追加する一方で既存のチャネル部から続くさらなるチャネル部を形成し、かつチャネル部の中に半製品材料を配置するステップであって、作成された連続チャネル部は少なくとも一部分が製造される部材の鋳型を提供することを特徴とするステップ、
(d)個々のチャネル部への半製品材料の挿入とともに、または少なくとも1つのチャネル部を形成した後に、チャネル部(19、25、33、45、50)の中にマトリクス材を入れるステップ、
(e)半製品材料およびマトリクス材が入ったチャネル部(19、25、33、45、50)の形成後に、ドラム(3)を回転させて、遠心力の結果としてマトリクス材が外側に向かって押し進められ、かつチャネルに含まれた空気が径方向に内側へ移されるようにするステップ、
(f)チャネル(19、25、33、45、50)に含まれたマトリクス材を硬化させるステップ、
(g)環状の半製品または部材を硬化させた後に、鋳型部品の配置構成物を部分に分け、かつ硬化した環状の半製品または部材を取り出すステップ
を含み、
2つの隣接した鋳型部品(12、30)について、前記2つの鋳型部品がポジティブロック方式で相互作用して、ドラム(3)の径方向に外側に位置している鋳型部品(30)が、径方向に内側に位置している鋳型部品(12)に対してドラム(3)の軸線方向に装着されるように、かつ外側に位置している鋳型部品(30)の、軸線方向を向いている側壁がチャネル部(34a)の側壁を形成するように、設計されることを特徴とする方法。
【請求項3】
チャネル部は径方向に外側に向かって開口している凹部であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
それぞれ形成された配置構成の鋳型部品(11、30)の上に2つの鋳型部品が設けられて、該鋳型部品(41、42)の2つの向かい合った側壁であってドラム(3)の径方向に沿って伸びる側壁が、鋳型部品(11、30)によって既に形成されているチャネル部(33)から続く部材ウェブを形成するようにチャネル部(43)を形成し、かつ、鋳型部品(41、42)の対応する受承表面上に、周方向に伸びるカバー要素(60)が付与され、該カバー要素(60)は形成されたチャネル部を径方向に外側へ向かって閉止して、ドラム(3)の回転中にマトリクス材がチャネルから逸脱するのを端部ピース(60)が防止するようになされることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
カバー要素(60)の表面および鋳型部品(11、30)のうち少なくとも一方の上面はドラム(3)の軸線方向に伸びるチャネル部(50)を形成し、該チャネル部(50)はドラム(3)の径方向に沿って伸びるチャネル部から続いて部材のウェブを形成することと、軸方向に伸びるフランジを形成するために、軸方向に伸びるチャネル部(50)の中へ半製品材料が注入されマトリクス材が導入されることとを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を含んでなる環状チャネル(19、25、33、45、50)を備えたリール状の鋳型の形成において、少なくとも1つの供給チャネルがチャネル(19、25、33、45、50)の中へマトリクス材を導入するために形成され、該供給チャネルを介してマトリクス材がチャネル部(19、25、33、45、50)の中へ導入されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
供給チャネルはドラムの内部からチャネル内へ通じていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項8】
チャネルからドラム外部の周辺に通じる供給チャネルが形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項9】
チャネル部への半製品材料の挿入は、巻線方法または敷設方法によって行われることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
マトリクス材は、プレプレグ材の半製品材料を挿入することによりチャネル部(19、25、33、45、50)の中へ導入されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
マトリクス材として、樹脂、熱可塑性物質、または金属溶融物が使用されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
所定の繊維配向を備えた繊維材料が半製品として使用されることと;該半製品は、所定の繊維配向を備えた製造すべき環状の半製品または部材であって繊維強化プラスチックを含んでなる半製品または部材を提供するために、所定の方法でチャネル部の中に挿入されることと;粗紡、織物、織り込み繊維スクリム、プレプレグ材またはヤーンのうち少なくともいずれかが半製品として使用されることとを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
鋳型部品は繊維強化材料を含んでなることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
環状の鋳型のチャネル(19、25、33、45、50)は、前記チャネル(19、25、33、45、50)が、製造すべき部材のための少なくとも1つのビードおよび少なくとも1つのウェブを含んでなる組み合わせのための鋳型を形成するような方法で形成されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
回転可能なドラム(3)の上に多数の環状または部分的に環状の鋳型部品を配置するステップは、同一のドラム(3)上でドラム(3)の長手方向(L)に隣り合って、繊維複合材料の半製品を含んでなるいくつかの部材が製造されてドラム(3)から取り外されるように行われることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【公表番号】特表2011−509200(P2011−509200A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541754(P2010−541754)
【出願日】平成21年1月12日(2009.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000121
【国際公開番号】WO2009/087115
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(509203120)エアバス オペラツィオンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (67)
【Fターム(参考)】