説明

印刷システム、印刷方法、コンピュータ、及びプリンタ

【課題】プリンタに依存する処理をプリンタ内部に局所化し、可搬型記憶媒体を利用する。
【解決手段】シンクライアントシステムでファイルを印刷する際、PC上でファイルをプリンタ非依存形式の中間ファイルに変換し、圧縮し、暗号化した後、シンクライアント端末に送信する。シンクライアント端末では、受信したデータを可搬型記憶媒体に格納する。可搬型記憶媒体をシンクライアント端末からプリンタに接続しなおした後、可搬型記憶媒体内のデータを復号し、展開することで中間ファイルを得る。その後、中間ファイルをそのプリンタで印刷可能な形式に変換し、印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムに関し、特にシンクライアントシステムにおける印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業の情報システム等において、利用者(ユーザ)が使う端末(クライアント)に最低限の機能しか持たせず、サーバ側でアプリケーションソフトウェアやファイル等の資源を管理するシステムが採用されている。このようなシステムを、シンクライアント(thin client)システムと呼ぶ。また、シンクライアントシステムにおけるクライアント側の端末をシンクライアント端末と呼ぶ。
【0003】
シンクライアントシステムでは、利用者(ユーザ)が使う端末には複雑で高価なPC(Personal Computer:パソコン)は使わずに、表示や入力等の最低限の機能のみを持った低価格な専用のコンピュータを配備し、アプリケーションソフトウェア等の資源はサーバで一元管理することにより、運用・管理コストの削減を図ることができる。そのため、シンクライアントシステムは、企業のように多くの端末を必要とする組織にとって大変有用である。
【0004】
しかし、シンクライアントシステムにおける印刷システムには、解決すべき課題が存在する。例えば、サーバルームに設置されているPCに対し、シンクライアント端末からネットワーク経由でリモートアクセスするシンクライアントシステムにおいて、利用者(ユーザ)が、外出先から無線LAN(Local Area Network)/VPN(Virtual Private Network)等でシンクライアントシステムに接続して利用する場合、シンクライアント端末の近くに利用可能なプリンタがあっても、プリンタがシンクライアントシステムを利用しているネットワーク(イントラネット)に接続されていないと、ファイルを印刷することができないという問題があった。
【0005】
また、利用者(ユーザ)が、シンクライアント端末を使用する場所を移動すると、その場所に設置されているプリンタに対応した専用のドライバを、サーバルームに設置されているPC、若しくはシンクライアント端末にインストールしないとファイルを印刷できないという問題もあった。
【0006】
関連する技術として、特開2000−284928号公報(特許文献1)に印刷処理システムが開示されている。
この関連技術では、印刷処理システムは、シンクライアントと、プリンタと、サーバと、これらを接続するネットワークとを備える。シンクライアントは、印刷データをサーバに送信するデータ入力部を備える。プリンタは、プリンタ記述言語を印刷する印刷部と、印刷能力情報を記憶する保存部と、その印刷能力情報を取得する印刷能力情報取得部と印刷能力情報をサーバに登録する印刷能力登録部とを備える。サーバは、印刷データをプリンタ記述言語に変換する印刷データ変換部と変換情報を検索する印刷データ変換情報検索部と、変換情報を提供する変換情報提供部と、変換情報を記憶する記憶部を備える。
【0007】
また、特開2006−244356号公報(特許文献2)にプリンタ装置及び情報処理装置が開示されている。
この関連技術では、本来、情報処理装置内にて実行される印刷ドライバ処理フローに対して、プリンタコントローラのホストカーネルからプリンタドライバのダイナミックリンクライブラリをシステムコールする構成をとることで、ドライバ処理をコントローラ内で代替実行し、プリンタ装置内で印刷処理を完結させる。
【0008】
また、特開2006−350528号公報(特許文献3)に印刷システムが開示されている。
この関連技術では、印刷者がサーバPC上の機密ファイルをクライアントPC上のシンクライアントから印刷する場合、サーバPC上でプリンタに非依存のメタ情報を採取し、クライアントPC上に転送後にクライアントPC上で印刷を実行する。また、サーバPCからクライアントPCにメタ情報を転送する際、サーバPC上でメタ情報を暗号化し、クライアントPC上でメタ情報を復号しながら印刷処理を実行する。
【0009】
また、特開2007−122159号公報(特許文献4)に印刷システムが開示されている。
この関連技術では、ホスト機器であるホストコンピュータで作成した印刷データを、着脱可能な不揮発性メモリを介して印刷装置に送り、印刷装置によって印刷処理を行う。具体的には、ホストコンピュータの印刷アプリケーションによって作成した印刷データと共に、印刷設定部によって設定した印刷制御の制御データを不揮発性メモリに送信し、当該不揮発性メモリを印刷装置に装着して不揮発性メモリから上記制御データを読み出し印刷制御を行う。例えば、自動印刷の設定や印刷有効期限の設定を行い、不揮発性メモリを介在することによってホストコンピュータで作成した印刷データを印刷装置により印刷させ、セキュリティを確保する。
【0010】
【特許文献1】特開2000−284928号公報
【特許文献2】特開2006−244356号公報
【特許文献3】特開2006−350528号公報
【特許文献4】特開2007−122159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
シンクライアントシステムにおける印刷システムでは、外出先から無線LAN/VPN等でシンクライアントシステムに接続して利用する場合、シンクライアント端末の近くに利用可能なプリンタがあっても、プリンタがシンクライアントシステムを利用しているネットワーク(イントラネット)に接続されていないと、ファイルを印刷できない。その理由は、プリンタがシンクライアントシステムを利用しているネットワーク(イントラネット)に接続されていない場合、印刷データをプリンタに送信することができないためである。
【0012】
また、シンクライアントシステムにおける印刷システムでは、シンクライアント端末を使用する場所を移動すると、そこに設置されているプリンタ専用のプリンタドライバをPCにインストールしないとファイルを印刷できない。その理由は、シンクライアント端末を使用する場所によって、プリンタの機種が変わる可能性があることについて何ら考慮されていないためである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の印刷システムは、サーバルームに設置されたコンピュータと、サーバルームの外部に設置されたプリンタと、サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末とを含む。コンピュータは、印刷対象のファイルからプリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成する中間ファイル生成手段と、中間ファイルを変換して変換済みデータを生成するデータ変換手段とを具備する。プリンタは、変換済みデータを取得し、変換済みデータを逆変換して中間ファイルを生成するデータ逆変換手段と、中間ファイルから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、印刷データを印刷する印刷手段とを具備する。シンクライアント端末は、ネットワークを介してコンピュータに接続され、印刷対象のファイルをプリンタで印刷する際、プリンタに対応したプリンタドライバを必要とせず、コンピュータに対して印刷対象のファイルを指定し、プリンタと直接通信することなく変換済みデータをプリンタに提供し、印刷を実行する。
【0014】
本発明の印刷方法は、サーバルームに設置されたコンピュータ上で、印刷対象のファイルからプリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成し、中間ファイルを変換して変換済みデータを生成するステップと、サーバルームの外部に設置されたプリンタ上で、変換済みデータを取得し、変換済みデータを逆変換して中間ファイルを生成し、中間ファイルから印刷データを生成し、印刷データを印刷するステップと、サーバルームの外部に設置され、ネットワークを介してコンピュータに接続されたシンクライアント端末上で、印刷対象のファイルをプリンタで印刷する際、プリンタに対応したプリンタドライバを必要とせず、コンピュータに対して印刷対象のファイルを指定し、プリンタと直接通信することなく変換済みデータをプリンタに提供し、印刷を実行するステップとを含む。
【0015】
本発明に係るコンピュータは、シンクライアントシステムにおいてサーバルームに設置されたコンピュータであって、サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末により指定された印刷対象のファイルに基づいて、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成する中間ファイル生成手段と、中間ファイルを変換して、プリンタに提供される変換済みデータを生成するデータ変換手段とを具備する。
【0016】
本発明に係るプリンタは、シンクライアントシステムにおいてサーバルームの外部に設置されたプリンタであって、サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末により指定された印刷対象のファイルに基づいて、サーバルームに設置されたコンピュータ上で生成された変換済みデータを、シンクライアント端末と直接通信することなく取得し、変換済みデータを逆変換して、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成するデータ逆変換手段と、中間ファイルから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、印刷データを印刷する印刷手段とを具備する。
【発明の効果】
【0017】
印刷するプリンタが変わってもPCやシンクライアント端末でプリンタドライバを入れ替えたりする必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の第1実施形態における印刷システムは、サーバルーム1と、外出先2と、ネットワーク3を含む。
【0019】
サーバルーム1は、シンクライアントシステムとしてPC10が設置されている場所である。すなわち、サーバルーム1は、PC10を少なくとも1つ含む。なお、サーバルーム1は、複数のPCを含むサーバ群と読み替えても良い。
【0020】
PC10は、シンクライアントシステムで使用するPCである。なお、PC10は、ブレードPC及び仮想PC等のいずれでも良い。すなわち、PC10の例として、PCの種別は問わない。PC10は、シンクライアントシステムにおけるサーバであると好適である。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0021】
PC10は、ファイル101と、制御情報102と、中間ファイル生成部103と、中間ファイル104と、データ変換部105と、変換済みデータ106とを含む。
【0022】
ファイル101は、利用者(ユーザ)が印刷したいと考えているファイルである。すなわち、ファイル101は、印刷予定のファイルである。なお、ファイル101は、予めPC10上に存在しているファイルに限らず、シンクライアント端末20からPC10に送信されたファイルでも良い。
【0023】
制御情報102は、ファイル101を印刷する際に使用する制御情報が含まれる。ここでは、制御情報は、有効期限、印刷回数、印刷が許可されたプリンタのID(Identification:識別情報)を含む。但し、実際には、これらの例に限定されない。制御情報102は、予め設定されていると好適であるが、印刷処理の際に毎回設定するようにしても良い。
【0024】
中間ファイル生成部103は、ファイル101を元に中間ファイル104を生成するための手段である。
【0025】
中間ファイル104は、プリンタの機種に依存しない形式のファイルである。プリンタの機種に依存しない形式の例として、PostScript(登録商標)がある。
【0026】
データ変換部105は、制御情報102及び中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成するための手段である。また、データ変換部105は、変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、制御情報102及び中間ファイル104を生成することも可能である。
【0027】
変換済みデータ106は、制御情報102及び中間ファイル104を、データ変換部105で変換(圧縮、暗号化)した結果、生成されたものである。
【0028】
外出先2は、サーバルーム1とは異なる場所である。外出先2は、ネットワーク3を介してサーバルーム1と接続されている。なお、外出先2は、シンクライアントシステムにおける端末群と読み替えても良い。
【0029】
外出先2は、シンクライアント端末20と、可搬型記憶媒体21と、プリンタ22と、印刷結果23とを含む。
【0030】
シンクライアント端末20は、ネットワーク3経由でPC10にアクセスするための端末である。ここでは、シンクライアント端末20は、変換済みデータ106を含む。シンクライアント端末20は、ネットワーク3経由でPC10にアクセスすることができ、変換済みデータ106の受信と、変換済みデータ106の可搬型記憶媒体21への格納ができれば、シンクライアント端末以外でも良く、種別は問わない。
【0031】
シンクライアント端末20内の変換済みデータ106は、ファイル101を印刷する際、PC10からシンクライアント端末20に送信されたものである。
【0032】
可搬型記憶媒体21は、シンクライアント端末20及びプリンタ22に着脱可能な記憶媒体(メディア)である。記憶媒体(メディア)の例として、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード(Secure Digital memory card)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)、及びICカード等が考えられる。ICカードは、「接触式」、「非接触式」を問わない。或いは、可搬型記憶媒体21は、USBケーブルやIEEE1394ケーブル等でシンクライアント端末20及びプリンタ22に接続される外部記憶装置(ストレージ)でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。可搬型記憶媒体21は、変換済みデータ106を格納するために十分な容量を持っていれば良く、種別は問わない。また、可搬型記憶媒体21には、セキュリティを高める目的で、指紋認証機能が付いた可搬型記憶媒体を使用しても良い。
【0033】
すなわち、シンクライアント端末20とプリンタ22の間では、通信以外の方法でデータのやり取りが行われている。ここでは、シンクライアント端末20とプリンタ22とは、可搬型記憶媒体21を介して、データのやり取りを行うものとする。また、他の方法として、QRコード(登録商標)を利用しても良い。例えば、シンクライアント端末20は、変換済みデータ106からQRコード(登録商標)を作成し、作成されたQRコード(登録商標)を表示する。プリンタ22は、シンクライアント端末20により表示されたQRコード(登録商標)を読み取り、読み取られたQRコード(登録商標)に基づいて変換済みデータ106を作成する。この場合、QRコード(登録商標)は、可搬型記憶媒体21に相当する。
【0034】
プリンタ22は、ファイル101を印刷するためのプリンタである。
【0035】
プリンタ22は、変換済みデータ106と、データ変換部105と、中間ファイル104と、制御情報102と、制御情報チェック部221と、印刷データ生成部222と、印刷データ223と、印刷部224とを含む。
【0036】
なお、実際には、プリンタ22は、PC10と同じ構成のPCを含んでいても良い。例えば、サーバルーム1と外出先2のそれぞれにPC10を設置し、外出先2側のPC10とプリンタ22が連携するようにする。外出先2側のPC10は、少なくとも1台あれば良い。この場合、外出先2側のPC10は、変換済みデータ106と、データ変換部105と、中間ファイル104と、制御情報102とを含む。プリンタ22は、制御情報チェック部221と、印刷データ生成部222と、印刷データ223と、印刷部224とを含む。
【0037】
変換済みデータ106は、プリンタ22に装着された可搬型記憶媒体21から読み込んだものである。
【0038】
データ変換部105は、PC10に含まれるデータ変換部105と同種のものであり、変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、制御情報102及び中間ファイル104を生成するための手段である。ここでは、データ変換部105は、制御情報チェック部221からの印刷許可の通知に応じて、中間ファイル104を印刷データ223に提供する。なお、データ変換部105は、PC10及びプリンタ22の各々の外部に設置されたデータ変換装置でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0039】
制御情報チェック部221は、制御情報102に含まれている有効期限、印刷回数、印刷許可されたプリンタのIDをチェックし、印刷の可否を判断するための手段である。制御情報チェック部221は、印刷の可否を判断した結果に応じて、データ変換部105に印刷の可否を通知する。但し、実際には、制御情報チェック部221は、印刷の可否を判断した結果に応じて、直接、印刷部224に印刷の可否を通知するようにしても良い。また、制御情報チェック部221は、印刷の可否を判断した結果に応じて、印刷データ生成部222に印刷の可否を通知するようにしても良い。
【0040】
印刷データ生成部222は、中間ファイル104を元に印刷データ223を生成するための手段である。なお、印刷部224は、制御情報チェック部221からの印刷許可の通知に応じて、中間ファイル104を元に印刷データ223を生成するようにしても良い。
【0041】
印刷データ223は、印刷部224により印刷可能なデータであり、ファイル101の内容を含む。
【0042】
印刷部224は、印刷データ223を印刷するための手段である。なお、印刷部224は、制御情報チェック部221からの印刷許可の通知に応じて、印刷データ223を印刷し、印刷結果23を出力するようにしても良い。
【0043】
印刷結果23は、ファイル101をプリンタ22で印刷した結果である。ここでは、印刷結果23は、印刷部224からの出力結果である。
【0044】
次に、データ変換部105の詳細について説明する。
図2A,図2Bを参照すると、データ変換部105は、データ圧縮/展開部1051と、データ暗号/復号部1052と、パスワード入力部1053を備える。なお、図2Aは、ファイルの圧縮及び暗号化を行う際の構成例を示す。図2Bは、ファイルの復号及び展開を行う際の構成例を示す。
【0045】
データ圧縮/展開部1051は、ファイルの圧縮及び暗号化を行う際に、制御情報102及び中間ファイル104を圧縮して圧縮済みデータを生成し、データ暗号/復号部1052に送る手段を持つ。また、データ圧縮/展開部1051は、ファイルの復号及び展開を行う際に、データ暗号/復号部1052から受け取ったデータを展開し、制御情報102及び中間ファイル104を出力する手段を持つ。
【0046】
データ暗号/復号部1052は、ファイルの圧縮及び暗号化を行う際に、データ圧縮/展開部1051から受け取った圧縮済みデータを、パスワード入力部1053から受け取ったパスワードで暗号化し、変換済みデータ106を出力する手段を持つ。また、データ暗号/復号部1052は、ファイルの復号及び展開を行う際に、変換済みデータ106を、パスワード入力部1053から受け取ったパスワードで復号し、データ圧縮/展開部1051に送る手段を持つ。
【0047】
パスワード入力部1053は、データ暗号/復号部1052で暗号化/復号を行う際に使用するパスワードを入力する手段を持つ。
【0048】
次に、制御情報102の詳細について説明する。
図3を参照すると、制御情報102は、「プリンタID」と、「有効期限」と、「印刷回数」を含む。
【0049】
「プリンタID」は、ファイル101の印刷を許可されたプリンタのIDを示す。プリンタIDが「−」になっているものは、どのプリンタでも印刷可能であることを表している。すなわち、プリンタIDの「−」は、全機種対応であることを示す。
【0050】
「有効期限」は、ファイル101を印刷できる期限を示す。有効期限を過ぎるとファイル101は印刷できなくなる。有効期限が「−」になっているものは、有効期限が設定されていないことを表している。すなわち、有効期限の「−」は、無期限であることを示す。
【0051】
「印刷回数」は、ファイル101を印刷可能な回数を示す。印刷回数は、1以上の値が設定される。
【0052】
次に、図4のフローチャートを参照して、本発明の第1実施形態の動作について詳細に説明する。
(1)ステップS101
まず、利用者(ユーザ)は、シンクライアント端末20からPC10上のファイル101、制御情報102(有効期限、印刷回数、プリンタID)を指定し、印刷を指示する。このとき、シンクライアント端末20は、PC10上のファイル101及び制御情報102(有効期限、印刷回数、プリンタID)を指定し、ファイル101の印刷をPC10に指示する。PC10は、シンクライアント端末20からの指示に応じて、印刷に関する処理を開始する。
(2)ステップS102
次に、PC10は、中間ファイル生成部103でファイル101をプリンタに依存しない中間ファイル104に変換する。このとき、中間ファイル生成部103は、シンクライアント端末20により指定されたファイル101を参照し、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイル104を生成する。
(3)ステップS103
更に、PC10は、データ変換部105で制御情報102及び中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成する。このとき、データ変換部105は、制御情報102及び中間ファイル104を参照し、所定の変換ルールに従い、変換済みデータ106を生成する。なお、データ変換部105は、変換済みデータ106を生成した後、制御情報102及び中間ファイル104を削除するようにしても良い。
(4)ステップS104
PC10は、変換済みデータ106を生成した後、ネットワーク3を介して、生成された変換済みデータ106をシンクライアント端末20に送信する。
(5)ステップS105
シンクライアント端末20は、ネットワーク3を介して、PC10から変換済みデータ106を受信し、受信された可搬型記憶媒体21を、シンクライアント端末20に装着された可搬型記憶媒体21に格納する。
(6)ステップS106
利用者(ユーザ)は、可搬型記憶媒体21をシンクライアント端末20から取り外し、プリンタ22に装着する。
(7)ステップS107
プリンタ22は、可搬型記憶媒体21に格納されている変換済みデータ106を読み込む。このとき、データ変換部105は、可搬型記憶媒体21にパスワードや指紋等の認証機能が付いている場合、認証を行う。
(8)ステップS108
プリンタ22は、データ変換部105で変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、制御情報102及び中間ファイル104を生成する。このとき、データ変換部105は、パスワードや指紋等の認証を行った結果、変換OK(変換許可)の場合、処理を継続する。
(9)ステップS109
なお、データ変換部105は、パスワードや指紋等の認証を行った結果、パスワード不正等で変換NG(変換禁止)の場合、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106はそのままとする。すなわち、プリンタ22は、変換NG(変換禁止)の場合、印刷終了となる。
(10)ステップS110
プリンタ22は、制御情報チェック部221で制御情報102の内容をチェックする。プリンタ22は、チェックの際、印刷回数が1より大きい場合、制御情報102の印刷回数を1減らし、可搬型記憶21内の変換済みデータ106を更新する。このとき、制御情報チェック部221は、チェックの際、印刷回数が1より大きい場合、印刷OK(印刷許可)と判断し、制御情報102の印刷回数をデクリメント(decrement)し、印刷回数をデクリメントされた制御情報102及び中間ファイル104をデータ変換部105に引き渡す。データ変換部105は、引き渡された制御情報102及び中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成し、生成された変換済みデータ106を、可搬型記憶21内の変換済みデータ106に上書きする。また、プリンタ22は、印刷回数が1の場合、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除する。なお、プリンタ22は、チェックで問題が発見された場合も、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除する。例えば、プリンタ22は、プリンタIDがプリンタ22を示していない場合、或いは、有効期限を過ぎている場合、印刷NG(印刷禁止)とし、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除する。
(11)ステップS111
プリンタ22は、チェックした結果、印刷OK(印刷許可)の場合、処理を継続する。また、プリンタ22は、印刷NG(印刷禁止)の場合、印刷終了となる。
(12)ステップS112
プリンタ22は、印刷データ生成部222で中間ファイル104をプリンタ22に依存した印刷データ223に変換する。このとき、印刷データ生成部222は、中間ファイル104を参照し、プリンタ22の機種に依存した形式の印刷データ223を生成する。印刷データ生成部222は、印刷データ223を生成した後、中間ファイル104を削除するようにしても良い。
印刷データ223に変換する。
(13)ステップS113
プリンタ22は、印刷部224で印刷データ223を印刷し、印刷結果23を得る。このとき、印刷部224は、印刷データ223に基づいて、印刷結果23を出力する。
【0053】
続いて、図5のフローチャートを参照して、印刷回数が残っている場合の動作について説明する。
(1)ステップS201
まず、利用者(ユーザ)は、可搬型記憶媒体21をプリンタ22に装着する。以後の処理(ステップS202〜ステップS208)は、前述した図4のステップS107〜ステップS113と同様である。
(2)ステップS202
プリンタ22は、可搬型記憶媒体21に格納されている変換済みデータ106を読み込む。このとき、データ変換部105は、可搬型記憶媒体21にパスワードや指紋等の認証機能が付いている場合、認証を行う。
(3)ステップS203
プリンタ22は、データ変換部105で変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、制御情報102及び中間ファイル104を生成する。このとき、データ変換部105は、パスワードや指紋等の認証を行った結果、変換OK(変換許可)の場合、処理を継続する。
(4)ステップS204
なお、データ変換部105は、パスワードや指紋等の認証を行った結果、パスワード不正等で変換NG(変換禁止)の場合、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106はそのままとする。すなわち、プリンタ22は、変換NG(変換禁止)の場合、印刷終了となる。
(5)ステップS205
プリンタ22は、制御情報チェック部221で制御情報102の内容をチェックする。プリンタ22は、チェックの際、印刷回数が1より大きい場合、制御情報102の印刷回数を1減らし、可搬型記憶21内の変換済みデータ106を更新する。このとき、制御情報チェック部221は、チェックの際、印刷回数が1より大きい場合、印刷OK(印刷許可)と判断し、制御情報102の印刷回数をデクリメント(decrement)し、印刷回数をデクリメントされた制御情報102及び中間ファイル104をデータ変換部105に引き渡す。データ変換部105は、引き渡された制御情報102及び中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成し、生成された変換済みデータ106を、可搬型記憶21内の変換済みデータ106に上書きする。また、プリンタ22は、印刷回数が1の場合、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除する。なお、プリンタ22は、チェックで問題が発見された場合も、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除する。
(6)ステップS206
プリンタ22は、チェックした結果、印刷OK(印刷許可)の場合、処理を継続する。また、プリンタ22は、印刷NG(印刷禁止)の場合、印刷終了となる。
(7)ステップS207
プリンタ22は、印刷データ生成部222で中間ファイル104をプリンタ22に依存した印刷データ223に変換する。このとき、印刷データ生成部222は、中間ファイル104を参照し、プリンタ22の機種に依存した形式の印刷データ223を生成する。印刷データ生成部222は、印刷データ223を生成した後、中間ファイル104を削除するようにしても良い。
(8)ステップS208
プリンタ22は、印刷部224で印刷データ223を印刷し、印刷結果23を得る。このとき、印刷部224は、印刷データ223に基づいて、印刷結果23を出力する。
【0054】
次に、図6のフローチャートを参照して、制御情報チェック部221の動作(図4のステップS110)について詳細に説明する。
(1)ステップS301
まず、プリンタ22は、制御情報102からプリンタID、有効期限、印刷回数を取得する。このとき、制御情報チェック部221は、プリンタID、有効期限、印刷回数を取得する。
(2)ステップS302
制御情報チェック部221は、取得されたプリンタIDとプリンタ22のプリンタIDとを比較し、取得されたプリンタIDとプリンタ22のプリンタIDとが一致しているか判断する。
(3)ステップS303
次に、制御情報チェック部221は、取得されたプリンタIDとプリンタ22のプリンタIDとが一致した場合、若しくは、制御情報102のプリンタIDに「−」が指定されている場合、有効期限をチェックする。
(4)ステップS304
制御情報チェック部221は、有効期限内の場合、若しくは、制御情報102の有効期限に「−」が指定されている場合、印刷回数をチェックする。
(5)ステップS305
まず、制御情報チェック部221は、印刷回数が1よりも大きい場合、制御情報102に保持されている印刷回数を1減らす。また、制御情報チェック部221は、データ変換部105に対し、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を更新するように指示する。
(6)ステップS306
次に、データ変換部105は、制御情報102及び中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成する。
(7)ステップS307
データ変換部105は、生成された変換済みデータ106で、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を更新し、制御情報チェック部221に通知する。制御情報チェック部221は、データ変換部105から通知を受けると、印刷OK(印刷許可)となる。すなわち、制御情報チェック部221は、印刷の可否の判断において、印刷OK(印刷許可)と判断する。
(8)ステップS308
制御情報チェック部221は、印刷回数が1の場合、データ変換部105に対し、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除するように指示する。データ変換部105は、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除し、制御情報チェック部221に通知する。但し、実際には、制御情報チェック部221は、直接、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除するようにしても良い。制御情報チェック部221は、データ変換部105から通知を受けると、印刷OK(印刷許可)となる。すなわち、制御情報チェック部221は、印刷の可否の判断において、印刷OK(印刷許可)と判断する。
(9)ステップS309
制御情報チェック部221は、取得されたプリンタIDとプリンタ22のプリンタIDとが一致しない場合、又は、有効期限のチェックで有効期限が期限切れの場合、データ変換部105に対し、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除するように指示する。データ変換部105は、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除し、制御情報チェック部221に通知する。但し、実際には、制御情報チェック部221は、直接、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除するようにしても良い。制御情報チェック部221は、データ変換部105から通知を受けると、印刷NG(印刷禁止)となる。すなわち、制御情報チェック部221は、印刷の可否の判断において、印刷NG(印刷禁止)と判断する。このとき、制御情報チェック部221は、データ変換部105に、可搬型記憶媒体21内の変換済みデータ106を削除するように指示する。
【0055】
図7のフローチャートを参照して、データ変換部105で圧縮、暗号化する場合の動作(図4のステップS103、図6のステップS306)について詳細に説明する。
(1)ステップS401
まず、データ変換部105は、データ圧縮/展開部1051で制御情報102及び中間ファイル104を圧縮する。このとき、データ圧縮/展開部1051は、制御情報102及び中間ファイル104を圧縮する。
(2)ステップS402
次に、データ変換部105は、パスワード入力部1053で暗号化用のパスワードを入力する。パスワード入力部1053は、利用者(ユーザ)により入力された暗号化用のパスワードを取得し、データ暗号/復号部1052に通知する。
(3)ステップS403
更に、データ変換部105は、データ暗号/復号部1052で圧縮したファイルを暗号化する。このとき、データ暗号/復号部1052は、暗号化用のパスワードに基づいて、圧縮したファイルを暗号化する。
(4)ステップS404
データ変換部105は、圧縮/暗号化されたファイルを変換済みデータ106として出力する。データ変換部105は、変換済みデータ106を出力した後、中間ファイル104を削除するようにしても良い。
【0056】
図8のフローチャートを参照して、データ変換部105で復号/展開する場合の動作(図4のステップS108)について詳細に説明する。
(1)ステップS501
まず、データ変換部105は、パスワード入力部1053で復号用のパスワードを入力する。パスワード入力部1053は、利用者(ユーザ)により入力された復号用のパスワードを取得し、データ暗号/復号部1052に通知する。なお、復号用のパスワードは、暗号化用のパスワードと同じでも良い。
(2)ステップS502
次に、データ変換部105は、データ復号/復号部1052で変換済みデータ106を復号する。このとき、データ復号/復号部1052は、復号用のパスワードに基づいて、変換済みデータ106を復号する。
(3)ステップS503
データ変換部105は、変換済みデータ106を復号できた場合、処理を継続する。また、データ変換部105は、パスワード不正等により、復号できなかった場合、データ変換失敗となり、処理完了となる。
(4)ステップS504
データ変換部105は、データ圧縮/展開部1051で復号されたファイルを展開する。このとき、データ圧縮/展開部1051は、データ復号/復号部1052から復号されたファイルを受け取ると、復号されたファイルを展開する。
(5)ステップS505
データ変換部105は、復号/展開されたファイルを制御情報102及び中間ファイル104として出力する。
【0057】
次に、本発明の第1実施形態の効果について説明する。
【0058】
第1の効果は、印刷するプリンタが変わってもPCやシンクライアント端末でプリンタドライバを入れ替えたりする必要がないことにある。その理由は、シンクライアントシステムでファイルを印刷する際、プリンタ非依存形式で印刷用中間ファイルを作成することで、プリンタに依存する処理をプリンタ内部に局所化することができるためである。
【0059】
第2の効果は、イントラネットに接続されていないプリンタでもファイルを印刷することができることにある。その理由は、PCからプリンタへのデータ転送手段として、可搬型記憶媒体を使用しているためである。
【0060】
第3の効果は、可搬型記憶媒体を使用することで、間違ったプリンタに印刷することを防止することができることにある。
【0061】
第4の効果は、印刷する際、ネットワーク転送量を減少できることにある。その理由は、PCからシンクライアント端末にデータを送信する際、データを圧縮し、転送量を少なくしているためである。
【0062】
第5の効果は、利用者が誤って可搬型記憶媒体を紛失しても、可搬型記憶媒体に格納されているデータを他者が印刷できないことにある。その理由は、データが暗号化されており、パスワードを知らないと印刷することができないためと、有効期限が切れると印刷時にデータが自動削除されるためと、印刷が許可されたプリンタ以外では印刷できないためである。
【0063】
第6の効果は、印刷回数を指定できることにある。その理由は、印刷回数を制御情報に保持し、プリンタで印刷する度に印刷回数を減らす仕組みが入っているためである。
【0064】
第7の効果は、印刷データの不正持ち出しを防止できることにある。その理由は、許可されたプリンタ以外では印刷できないように設定することができるためである。
【0065】
次に、本発明の第2実施形態の構成について詳細に説明する。
本実施形態では、シンクライアント端末からの印刷指示に応じて、サーバルームのPCから直接、外出先のプリンタに印刷データを送信し印刷するようにする。また、制御情報のチェックを行わない。従って、本実施形態では、可搬型記憶媒体21、制御情報102及び制御情報チェック部221が不要である。
【0066】
図9を参照すると、本発明の第2実施形態における印刷システムは、サーバルーム1と、外出先2と、ネットワーク3を含む。
【0067】
サーバルーム1は、シンクライアントシステムとしてPC10が設置されている場所である。すなわち、サーバルーム1は、PC10を少なくとも1つ含む。なお、サーバルーム1は、複数のPCを含むサーバ群と読み替えても良い。
【0068】
PC10は、シンクライアントシステムで使用するPCである。なお、PC10は、ブレードPC及び仮想PC等のいずれでも良い。すなわち、PC10の例として、PCの種別は問わない。PC10は、シンクライアントシステムにおけるサーバであると好適である。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0069】
PC10は、ファイル101と、中間ファイル生成部103と、中間ファイル104と、データ変換部105と、変換済みデータ106とを含む。
【0070】
ファイル101と、中間ファイル生成部103と、中間ファイル104は、第1実施形態と同じものである。
【0071】
データ変換部105は、中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成するための手段である。また、データ変換部105は、変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、中間ファイル104を生成することも可能である。入出力に制御情報102が無い点を除き、データ変換部105のデータ圧縮/展開部、データ暗号/復号部、パスワード入力部は、第1実施形態と同じものである。
【0072】
変換済みデータ106は、中間ファイル104を、データ変換部105で変換(圧縮、暗号化)した結果、生成されたものである。
【0073】
外出先2は、サーバルーム1とは異なる場所である。外出先2は、ネットワーク3を介してサーバルーム1と接続されている。なお、外出先2は、シンクライアントシステムにおける端末群と読み替えても良い。
【0074】
外出先2はシンクライアント端末20と、プリンタ22と、印刷結果23とを含む。
【0075】
シンクライアント端末20は、ネットワーク3経由でPC10にアクセスするための端末である。シンクライアント端末20は、ネットワーク3経由でPC10にアクセスすることができれば、シンクライアント端末以外でも良く、種別は問わない。
【0076】
プリンタ22は、ファイル101を印刷するためのプリンタである。
【0077】
プリンタ22は、変換済みデータ106と、データ変換部105と、中間ファイル104と、印刷データ生成部222と、印刷データ223と、印刷部224とを含む。
【0078】
なお、実際には、プリンタ22は、本実施形態のPC10と同じ構成のPCを含んでいても良い。例えば、サーバルーム1と外出先2のそれぞれにPC10を設置し、外出先2側のPC10とプリンタ22が連携するようにする。外出先2側のPC10は、少なくとも1台あれば良い。この場合、外出先2側のPC10は、変換済みデータ106と、データ変換部105と、中間ファイル104とを含む。プリンタ22は、印刷データ生成部222と、印刷データ223と、印刷部224とを含む。
【0079】
変換済みデータ106は、ネットワーク3経由でPC10から送信されたものである。
【0080】
データ変換部105は、PC10に含まれるデータ変換部105と同じものであり、変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、中間ファイル104を生成するための手段である。なお、データ変換部105は、PC10及びプリンタ22の各々の外部に設置されたデータ変換装置でも良い。
【0081】
印刷データ生成部222は、中間ファイル104を元に印刷データ223を生成するための手段である。
【0082】
印刷部224は、印刷データ223を印刷するための手段である。
【0083】
印刷結果23は、ファイル101をプリンタ22で印刷した結果である。
【0084】
次に、図10のフローチャートを参照して、本発明の第2実施形態の動作について詳細に説明する。
(1)ステップS601
まず、シンクライアント端末20からPC10上のファイル101を指定し、印刷を指示する。このとき、シンクライアント端末20は、PC10上のファイル101を指定し、ファイル101の印刷をPC10に指示する。PC10は、シンクライアント端末20からの指示に応じて、印刷に関する処理を開始する。
(2)ステップS602
次に、PC10は、中間ファイル生成部103でファイル101をプリンタに依存しない中間ファイル104に変換する。このとき、中間ファイル生成部103は、シンクライアント端末20により指定されたファイル101を参照し、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイル104を生成する。
(3)ステップS603
PC10は、データ変換部105で中間ファイル104を変換(圧縮、暗号化)し、変換済みデータ106を生成する。このとき、データ変換部105は、中間ファイル104を圧縮し、利用者(ユーザ)により入力されたパスワードに基づいて、圧縮された中間ファイル104を暗号化し、所定の変換ルールに従い、圧縮/暗号化された中間ファイル104から変換済みデータ106を生成する。なお、データ変換部105は、変換済みデータ106を生成した後、中間ファイル104を削除するようにしても良い。
(4)ステップS604
PC10は、中間ファイル104の暗号化で使用されたパスワードと変換済みデータ106をプリンタ22に送信する。このパスワードは、復号用のパスワードとなる。すなわち、PC10は、復号用のパスワードと変換済みデータ106をプリンタ22に送信する。なお、PC10は、パスワードをプリンタに送信する際の手順として、Diffie−Hellman鍵交換方式等、任意の鍵交換方式を利用する。
(5)ステップS605
プリンタ22は、PC10からパスワードと変換済みデータ106を受信する。このとき、データ変換部105は、変換済みデータ106を受け取る。
(6)ステップS606
プリンタ22は、データ変換部105で変換済みデータ106を逆変換(復号、展開)し、中間ファイル104を生成する。プリンタ22は、変換済みデータ106の復号には、PC10から入手したパスワードを使用する。このとき、データ変換部105は、パスワードに基づいて、変換済みデータ106を復号し、復号された変換済みデータ106を展開し、中間ファイル104を生成する。
(7)ステップS607
プリンタ22は、印刷データ生成部222で中間ファイル104をプリンタ22に依存した印刷データ223に変換する。このとき、印刷データ生成部222は、中間ファイル104を参照し、プリンタ22の機種に依存した形式の印刷データ223を生成する。印刷データ生成部222は、印刷データ223を生成した後、中間ファイル104を削除するようにしても良い。
印刷データ223に変換する。
(8)ステップS608
プリンタ22は、印刷部224で印刷データ223を印刷し、印刷結果23を得る。このとき、印刷部224は、印刷データ223に基づいて、印刷結果23を出力する。
【0085】
次に、本発明の第2実施形態の効果について説明する。
【0086】
第1の効果は、印刷するプリンタが変わってもPCやシンクライアント端末でプリンタドライバを入れ替えたりする必要がないことにある。その理由は、シンクライアントシステムでファイルを印刷する際、プリンタ非依存形式で印刷用中間ファイルを作成することで、プリンタに依存する処理をプリンタ内部に局所化することができるためである。
【0087】
第2の効果は、印刷する際、ネットワーク転送量を減少できることにある。その理由は、PCからプリンタにデータを送信する際、データを圧縮し、転送量を少なくしているためである。
【0088】
なお、本発明の各実施形態は、組み合わせて実施することが可能である。
【0089】
以上のように、本発明では、プリンタに依存する処理をプリンタ内部に局所化し、可搬型記憶媒体を利用する。
【0090】
具体的には、次のようになる。
まず、シンクライアントシステムでファイルを印刷する際、PC上でファイルをプリンタ非依存形式の中間ファイルに変換し、圧縮し、暗号化した後、シンクライアント端末に送信する。
【0091】
シンクライアント端末では、受信したデータを可搬型記憶媒体に格納する。
【0092】
可搬型記憶媒体をシンクライアント端末からプリンタに接続しなおした後、可搬型記憶媒体内のデータを復号し、展開することで中間ファイルを得る。その後、中間ファイルをそのプリンタで印刷可能な形式に変換し、印刷を行う。
【0093】
本発明の特徴は以下の通りである。
(1)印刷するプリンタが変わってもPCやシンクライアント端末でプリンタドライバを入れ替えたりする必要がない。
(2)プリンタがシンクライアントシステムを利用するネットワークに接続されていなくても、ファイルを印刷することができる。
(3)可搬型記憶媒体を使用することで、間違ったプリンタへの印刷を防止することができる。
(4)印刷時にネットワークを流れるデータの転送量を少なくすることができる。
(5)利用者が誤って可搬型記憶媒体を紛失しても、他者が可搬型記憶媒体に格納されているデータを印刷することができない。
(6)印刷回数を指定することができる。
(7)印刷データの不正持ち出しを防止することができる。
【0094】
ここでは、プリンタによる印刷を目的とした印刷システムについて説明している。但し、実際には、本発明は、表示装置等による表示を目的とした表示システムに適用することも可能である。この場合、「プリンタ」を、「ディスプレイ等の表示装置」、或いは、「プロジェクタ等の映写装置」と読み替える。また、「印刷」を「表示」と読み替える。なお、表示装置は、携帯端末でも良い。また、「プリンタ」を、「外部処理装置」と読み替え、「印刷」を「データ処理」と読み替えることも可能である。外部処理装置の例として、外出先に設置されたPC等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態における印刷システムの構成例を示す概念図である。
【図2A】図2Aは、ファイルの圧縮/暗号化時のデータ変換部の構成例を示すブロック図である。
【図2B】図2Bは、ファイルの展開/復号時のデータ変換部の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、制御情報の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、印刷回数が残っている場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、制御情報チェック部の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、データ変換部で圧縮/暗号化する場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、データ変換部で展開/復号する場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態における印刷システムの構成例を示す概念図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1… サーバルーム
10… PC
101… ファイル
102… 制御情報
103… 中間ファイル生成部
104… 中間ファイル
105… データ変換部
106… 変換済みデータ
2… 外出先
20… シンクライアント端末
21… 可搬型記憶媒体
22… プリンタ
221… 制御情報チェック部
222… 印刷データ生成部
223… 印刷データ
224… 印刷部
23… 印刷結果
3… ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバルームに設置されたコンピュータと、
前記サーバルームの外部に設置されたプリンタと、
前記サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末と
を含み、
前記コンピュータは、
印刷対象のファイルからプリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成する中間ファイル生成手段と、
前記中間ファイルを変換して変換済みデータを生成するデータ変換手段と
を具備し、
前記プリンタは、
前記変換済みデータを取得し、前記変換済みデータを逆変換して前記中間ファイルを生成するデータ逆変換手段と、
前記中間ファイルから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データを印刷する印刷手段と
を具備し、
前記シンクライアント端末は、ネットワークを介して前記コンピュータに接続され、前記印刷対象のファイルを前記プリンタで印刷する際、前記プリンタに対応したプリンタドライバを必要とせず、前記コンピュータに対して前記印刷対象のファイルを指定し、前記プリンタと直接通信することなく前記変換済みデータを前記プリンタに提供し、印刷を実行する
印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記コンピュータは、前記ネットワークを介して前記プリンタに接続され、前記シンクライアント端末からの指示に応じて、前記ネットワークを介して前記変換済みデータを前記プリンタに送信する
印刷システム。
【請求項3】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記シンクライアント端末は、前記ネットワークを介して前記コンピュータから前記変換済みデータを取得し、前記変換済みデータを可搬型記憶媒体に格納し、
前記プリンタは、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを取得する
印刷システム。
【請求項4】
請求項3に記載の印刷システムであって、
前記コンピュータは、
前記印刷対象のファイルの印刷に関する制御情報
を更に具備し、
前記制御情報は、
前記印刷対象のファイルの印刷を許可されたプリンタを示す識別情報と、
前記印刷対象のファイルを印刷できる期限を示す有効期限と、
前記印刷対象のファイルを印刷可能な回数を示す印刷回数と
を含み、
前記データ変換手段は、前記制御情報及び前記中間ファイルを変換して前記変換済みデータを生成する
印刷システム。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷システムであって、
前記プリンタは、
前記印刷データを印刷する際、前記制御情報を参照し、前記識別情報、前記有効期限、及び前記印刷回数をチェックし、印刷の可否を判断する制御情報チェック手段
を更に具備し、
前記データ逆変換手段は、前記変換済みデータを逆変換して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成し、前記制御情報を前記制御情報チェック手段に提供する
印刷システム。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷システムであって、
前記データ変換手段及び前記データ逆変換手段の各々は、
前記制御情報及び前記中間ファイルを圧縮して圧縮済みデータを生成するデータ圧縮手段と、
前記圧縮済みデータをパスワードで暗号化して前記変換済みデータを生成するデータ暗号化手段と、
前記パスワードを入力するためのパスワード入力手段と
を具備する
印刷システム。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記データ逆変換手段は、
前記変換済みデータを前記パスワードで復号して前記圧縮済みデータを生成するデータ復号手段と、
前記圧縮済みデータを展開して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成し、前記制御情報を前記制御情報チェック手段に提供し、前記中間ファイルを前記印刷データ生成手段に提供するデータ展開手段と
を更に具備する
印刷システム。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷システムであって、
前記制御情報チェック手段は、前記印刷回数が1より大きい場合、前記印刷回数を1減らし、前記可搬型記憶媒体内の前記変換済みデータを更新し、前記印刷回数が1の場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除する
印刷システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の印刷システムであって、
前記制御情報チェック手段は、前記識別情報が前記プリンタを示していない場合、及び前記有効期限を過ぎている場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除する
印刷システム。
【請求項10】
サーバルームに設置されたコンピュータ上で、印刷対象のファイルからプリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成し、前記中間ファイルを変換して変換済みデータを生成するステップと、
前記サーバルームの外部に設置されたプリンタ上で、前記変換済みデータを取得し、前記変換済みデータを逆変換して前記中間ファイルを生成し、前記中間ファイルから印刷データを生成し、前記印刷データを印刷するステップと、
前記サーバルームの外部に設置され、ネットワークを介して前記コンピュータに接続されたシンクライアント端末上で、前記印刷対象のファイルを前記プリンタで印刷する際、前記プリンタに対応したプリンタドライバを必要とせず、前記コンピュータに対して前記印刷対象のファイルを指定し、前記プリンタと直接通信することなく前記変換済みデータを前記プリンタに提供し、印刷を実行するステップと
を含む
印刷方法。
【請求項11】
請求項10に記載の印刷方法であって、
前記ネットワークを介して前記シンクライアント端末から前記コンピュータに前記印刷対象のファイルの印刷を指示するステップと、
前記シンクライアント端末からの指示に応じて、前記ネットワークを介して前記コンピュータから前記プリンタに前記変換済みデータを送信するステップと
を更に含む
印刷方法。
【請求項12】
請求項10に記載の印刷方法であって、
前記ネットワークを介して前記コンピュータから前記シンクライアント端末に前記変換済みデータを送信し、前記シンクライアント端末から可搬型記憶媒体に前記変換済みデータを移動し、
前記可搬型記憶媒体から前記プリンタに前記変換済みデータを移動する
印刷方法。
【請求項13】
請求項12に記載の印刷方法であって、
前記コンピュータ上で、前記印刷対象のファイルの印刷に関する制御情報を取得するステップと、
前記制御情報及び前記中間ファイルを変換して前記変換済みデータを生成するステップ
を更に含み、
前記制御情報は、
前記印刷対象のファイルの印刷を許可されたプリンタを示す識別情報と、
前記印刷対象のファイルを印刷できる期限を示す有効期限と、
前記印刷対象のファイルを印刷可能な回数を示す印刷回数と
を含む
印刷方法。
【請求項14】
請求項13に記載の印刷方法であって、
前記プリンタ上で、前記変換済みデータを逆変換して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成するステップと、
前記印刷データを印刷する際、前記制御情報を参照し、前記識別情報、前記有効期限、及び前記印刷回数をチェックし、印刷の可否を判断するステップと
を更に含む
印刷方法。
【請求項15】
請求項14に記載の印刷方法であって、
前記コンピュータ上及び前記プリンタ上で、前記制御情報及び前記中間ファイルを圧縮して圧縮済みデータを生成するステップと、
パスワードの入力を受け付けるステップと、
前記圧縮済みデータを前記パスワードで暗号化して前記変換済みデータを生成するステップと
を更に含む
印刷方法。
【請求項16】
請求項15に記載の印刷方法であって、
前記プリンタ上で、前記変換済みデータを前記パスワードで復号して前記圧縮済みデータを生成するステップと、
前記圧縮済みデータを展開して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成するステップと、
前記制御情報をチェックするステップと、
前記中間ファイルから印刷データを生成するステップと
を更に含む
印刷方法。
【請求項17】
請求項16に記載の印刷方法であって、
前記制御情報をチェックした際、前記印刷回数が1より大きい場合、前記印刷回数を1減らし、前記可搬型記憶媒体内の前記変換済みデータを更新するステップと、
前記印刷回数が1の場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除するステップと
を更に含む
印刷方法。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の印刷方法であって、
前記制御情報をチェックした際、前記識別情報が前記プリンタを示していない場合、及び前記有効期限を過ぎている場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除するステップ
を更に含む
印刷方法。
【請求項19】
シンクライアントシステムにおいてサーバルームに設置されたコンピュータであって、
前記サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末により指定された印刷対象のファイルに基づいて、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成する中間ファイル生成手段と、
前記中間ファイルを変換して、プリンタに提供される変換済みデータを生成するデータ変換手段と
を具備する
コンピュータ。
【請求項20】
請求項19に記載のコンピュータであって、
前記シンクライアント端末からの指示に応じて、ネットワークを介して前記変換済みデータを前記プリンタに送信する手段
を更に具備する
コンピュータ。
【請求項21】
請求項19に記載のコンピュータであって、
ネットワークを介して前記シンクライアント端末に前記変換済みデータを提供し、前記シンクライアント端末を介して、前記シンクライアント端末及び前記プリンタに着脱可能な可搬型記憶媒体に前記変換済みデータを格納する手段
を更に具備する
コンピュータ。
【請求項22】
請求項21に記載のコンピュータであって、
前記データ変換手段は、前記印刷対象のファイルの印刷に関する制御情報及び前記中間ファイルを変換して前記変換済みデータを生成し、
前記制御情報は、
前記印刷対象のファイルの印刷を許可されたプリンタを示す識別情報と、
前記印刷対象のファイルを印刷できる期限を示す有効期限と、
前記印刷対象のファイルを印刷可能な回数を示す印刷回数と
を含む
コンピュータ。
【請求項23】
請求項22に記載のコンピュータであって、
前記データ変換手段は、
前記制御情報及び前記中間ファイルを圧縮して圧縮済みデータを生成するデータ圧縮手段と、
前記圧縮済みデータをパスワードで暗号化して前記変換済みデータを生成するデータ暗号化手段と、
前記パスワードを入力するためのパスワード入力手段と
を具備する
コンピュータ。
【請求項24】
シンクライアントシステムにおいてサーバルームの外部に設置されたプリンタであって、
前記サーバルームの外部に設置されたシンクライアント端末により指定された印刷対象のファイルに基づいて、前記サーバルームに設置されたコンピュータ上で生成された変換済みデータを、前記シンクライアント端末と直接通信することなく取得し、前記変換済みデータを逆変換して、プリンタの機種に依存しない形式の中間ファイルを生成するデータ逆変換手段と、
前記中間ファイルから印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データを印刷する印刷手段と
を具備する
プリンタ。
【請求項25】
請求項24に記載のプリンタであって、
ネットワークを介して前記コンピュータから前記変換済みデータを取得する手段
を更に具備する
プリンタ。
【請求項26】
請求項24に記載のプリンタであって、
前記シンクライアント端末により、ネットワークを介して前記コンピュータから前記シンクライアント端末に提供された前記変換済みデータを格納された可搬型記憶媒体を認識する手段と、
前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを取得する手段と
を更に具備する
プリンタ。
【請求項27】
請求項26に記載のプリンタであって、
前記データ逆変換手段は、前記変換済みデータを逆変換して、前記中間ファイルと共に、前記印刷対象のファイルの印刷に関する制御情報を生成し、
前記制御情報は、
前記印刷対象のファイルの印刷を許可されたプリンタを示す識別情報と、
前記印刷対象のファイルを印刷できる期限を示す有効期限と、
前記印刷対象のファイルを印刷可能な回数を示す印刷回数と
を含む
プリンタ。
【請求項28】
請求項27に記載のプリンタであって、
前記印刷データを印刷する際、前記制御情報を参照し、前記識別情報、前記有効期限、及び前記印刷回数をチェックし、印刷の可否を判断する制御情報チェック手段
を更に具備し、
前記データ逆変換手段は、前記変換済みデータを逆変換して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成し、前記制御情報を前記制御情報チェック手段に提供する
プリンタ。
【請求項29】
請求項28に記載のプリンタであって、
前記データ逆変換手段は、
パスワードを入力するためのパスワード入力手段と、
前記変換済みデータを前記パスワードで復号して前記圧縮済みデータを生成するデータ復号手段と、
前記圧縮済みデータを展開して前記制御情報及び前記中間ファイルを生成し、前記制御情報を前記制御情報チェック手段に提供し、前記中間ファイルを前記印刷データ生成手段に提供するデータ展開手段と
を具備する
プリンタ。
【請求項30】
請求項29に記載のプリンタであって、
前記データ逆変換手段は、
前記制御情報及び前記中間ファイルを圧縮して圧縮済みデータを生成するデータ圧縮手段と、
前記圧縮済みデータを前記パスワードで暗号化して前記変換済みデータを生成するデータ暗号化手段と、
を更に具備する
プリンタ。
【請求項31】
請求項30に記載のプリンタであって、
前記制御情報チェック手段は、前記印刷回数が1より大きい場合、前記印刷回数を1減らし、前記可搬型記憶媒体内の前記変換済みデータを更新し、前記印刷回数が1の場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除する
プリンタ。
【請求項32】
請求項30又は31に記載のプリンタであって、
前記制御情報チェック手段は、前記識別情報が前記プリンタを示していない場合、及び前記有効期限を過ぎている場合、前記可搬型記憶媒体から前記変換済みデータを削除する
プリンタ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−205266(P2009−205266A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44535(P2008−44535)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】