説明

印刷装置

【課題】歪みの補正を適切なタイミングで行うことが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】この印刷装置100は、プリント基板5への印刷を行う印刷機構部40と、歪み補正に使用される基準マーク70が設けられ、印刷機構部40の少なくとも一部を移動可能に支持するとともに固定的に設置されたフレーム構造体30と、歪み補正を行う際にフレーム構造体30の基準マーク70を撮像するマスク用カメラ29とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板への印刷を行う印刷部を備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板への印刷を行う印刷部を備えた印刷装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、テーブル上に固定されたワーク(印刷対象)に、マスクを介して半田ペーストを印刷するスクリーン印刷機が開示されている。このスクリーン印刷機では、ワーク(印刷対象)固定用のテーブルの上面の少なくとも2箇所に誤差補正用の読取りマークが設けられている。また、ワーク(印刷対象)固定用のテーブルの上方に、テーブルの上面と平行な面内を移動するカメラが設置されている。そして、カメラを移動させながら2箇所の読取りマークを撮像することにより、読取りマーク間の距離を計測してテーブルの歪み(温度・湿度変化に伴うテーブルの伸び縮み)を検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−281680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のスクリーン印刷機では、ワーク(印刷対象)固定用のテーブルの上面に読取りマークが設けられているため、ワークのサイズや外形形状によっては、読取りマークがワークによって覆われる場合があると考えられる。この場合、少なくとも読取りマーク上からワークを排除しない限り、上方のカメラによって2箇所の読取りマーク間の距離を計測することができない。なお、テーブルの歪みは、継続的な印刷動作とともに発生するため、歪みの補正は印刷動作の進行状況に関係なく適切なタイミングで行われることが望まれる。したがって、このスクリーン印刷機では、テーブル上からワークが排除されなければ読取りマークを確実に撮像することができないため、歪みの補正を適切なタイミングで行うことができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、歪みの補正を適切なタイミングで行うことが可能な印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における印刷装置は、基板への印刷を行う印刷部と、歪み補正に使用されるマークが設けられ、印刷部の少なくとも一部を移動可能に支持するとともに固定的に設置された枠体部材と、歪み補正を行う際に枠体部材のマークを撮像する撮像部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による印刷装置では、上記のように、歪み補正に使用されるマークが設けられ固定的に設置された枠体部材と、歪み補正を行う際に枠体部材のマークを撮像する撮像部とを備えることによって、撮像部は、印刷部による基板への印刷動作に直接的に関与しない枠体部材の部分で、枠体部材に設けられた歪み補正用のマークを撮像することができる。これにより、適切なタイミングでマークを撮像して歪みの補正を行うことができる。この結果、基板への印刷動作が継続的に行われる印刷装置において、印刷精度を安定的に維持することができる。
【0009】
上記一の局面による印刷装置において、好ましくは、基板を搬送可能に構成された基板搬送部をさらに備え、撮像部は、基板搬送部に設置されているとともに、基板搬送部の移動に伴って移動するように構成されている。このように構成すれば、基板搬送部が移動する際に撮像部を移動させて枠体部材に設けられたマークを適切なタイミングで撮像することができる。これにより、撮像部を移動させる専用の駆動機構を別途設ける場合と異なり、印刷装置の構成を簡素化することができる。
【0010】
上記基板搬送部をさらに備える構成において、好ましくは、枠体部材は、基板の印刷が行われる印刷領域よりも外側に配置されており、撮像部は、基板搬送部の移動とともに移動される際に印刷領域の外側領域において、マークを撮像するように構成されている。このように構成すれば、撮像部は、基板への印刷動作に直接的に関与しない印刷領域の外側領域において歪み補正用のマークを撮像するので、印刷領域内においてマークの撮像が行われない分、基板への印刷動作に直接影響を及ぼすことなく歪みの補正を行うことができる。
【0011】
上記基板搬送部をさらに備える構成において、好ましくは、基板搬送部を駆動する駆動機構と、撮像部がマークを撮像した結果に基づいて、駆動機構の発熱に伴う歪みの補正を行う制御部とをさらに備える。このように構成すれば、制御部により、マークの撮像結果に基づいて駆動機構の発熱に伴う歪みの補正を適切なタイミングで行うことができる。
【0012】
上記駆動機構と制御部とをさらに備える構成において、好ましくは、駆動機構は、駆動源と、基板搬送部に螺合することにより駆動源の駆動力を基板搬送部の移動方向に伝達して基板搬送部を移動させる送りねじ軸とを含み、制御部は、撮像部がマークを撮像した結果に基づいて、基板搬送部に螺合する送りねじ軸の歪みを補正するように構成されている。このように構成すれば、基板搬送部に駆動力を伝達する送りねじ軸に、発熱に起因した軸延びが発生した場合であっても、歪み補正を必要とする適切なタイミングで送りねじ軸が有する歪みに応じた回転量の補正を行うことができる。この結果、基板搬送部による基板の搬送動作を精度良く行うことができる。
【0013】
この場合、好ましくは、送りねじ軸は、基板の印刷が行われる印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びており、基板搬送部は、印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びる送りねじ軸に螺合することにより、印刷領域と外側領域との間を移動するように構成されている。このように、印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びる長尺な送りねじ軸を備えていても、歪み補正を必要とする適切なタイミングで送りねじ軸が有する歪みに応じた回転量の補正を行うことができるので、本発明の効果を有効に享受することができる。
【0014】
上記駆動機構と制御部とをさらに備える構成において、好ましくは、制御部は、撮像部によって撮像されたマークの座標を駆動機構の位置座標の基準位置として駆動機構を駆動することにより、基板搬送部を移動する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御上、枠体部材に設けられたマークの座標を基準位置として駆動機構を制御しながら基板搬送部を移動させることができる。また、マークの座標を基準位置とするので、駆動源や送りねじ軸などを部品交換した場合であっても、制御上の基準位置にマークの座標を設定するだけで駆動機構を容易に駆動させることができる。
【0015】
上記基板搬送部をさらに備える構成において、好ましくは、撮像部は、基板搬送部が基板の印刷が行われる印刷領域に基板を搬入する動作、および、基板搬送部が印刷領域から基板を搬出する動作の少なくともいずれかの動作が行われる際にマークを撮像するように構成されている。このように構成すれば、基板搬送部による搬送動作の中にマークの撮像動作を含めることができるので、その分、マークの撮像のための動作時間を短縮することができる。これにより、印刷装置における動作時間(タクトタイム)を短縮することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、撮像部は、基板搬送部が基板の印刷が行われる印刷領域に基板を搬入する動作、および、基板搬送部が印刷領域から基板を搬出する動作の少なくともいずれかの動作における移動途中で、マークを撮像するように構成されている。このように構成すれば、基板搬送部の移動中にマークの撮像を同時に行うことができるので、マークの撮像のための動作時間を短縮することができる。これにより、印刷装置における動作時間(タクトタイム)を容易にかつ効果的に短縮することができる。
【0017】
上記基板搬送部をさらに備える構成において、好ましくは、枠体部材は、スクリーンマスクを保持するマスク保持部を基板搬送部の搬送方向と交差する方向に移動可能に支持するように固定的に設置されており、撮像部は、基板搬送部が基板の搬送経路に沿って移動される際に、枠体部材に設けられたマークを撮像するように構成されている。このように構成すれば、枠体部材に基板搬送部の搬送方向と交差する方向に移動されるマスク保持部が設けられていても、固定的に設置された枠体部材に歪み補正用のマークが設けられているので、歪みの補正を適切なタイミングで確実に行うことができる。
【0018】
この場合、好ましくは、撮像部は、スクリーンマスクの表面を撮像する際に、枠体部材に設けられたマークを撮像するように構成されている。このように構成すれば、スクリーンマスクの表面観察用(検査用)に設けられた撮像部を用いて歪み補正用のマークを撮像することができるので、歪み補正用のマークを撮像するための撮像部を別途設ける必要がない。
【0019】
上記基板搬送部をさらに備える構成において、好ましくは、マークは、枠体部材の下面または側面に設けられており、撮像部は、上方の撮像が可能なように基板搬送部に設置されている。このように構成すれば、基板搬送部が移動経路上において枠体部材の近傍を通過する際に、撮像部により枠体部材の下面または側面に設けられたマークを確実に撮像することができる。
【0020】
上記一の局面による印刷装置において、好ましくは、撮像部がマークを撮像した結果に基づいて歪み補正を行う制御部をさらに備え、撮像部は、撮像対象に対して照明光を照射可能に構成されており、枠体部材には、マークに加えて照明光の照度を調整するための背景板がマークに隣接して設けられており、制御部は、撮像部がマークを撮像する際に、照明光が照射された背景板を撮像した結果に基づいて、照明光の明るさを調整する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、マークの撮像とともに撮像部が照射する照明光の照度を調整することができるので、マークの撮像を精度良く行うことができる。この結果、歪みの補正を精度良く行うことができる。また、マークの撮像と同時に照明光の照度を調整することができるので、照明光の調整に要する時間(タクトロス)を最小限に抑えることができる。これによっても、印刷装置におけるタクトタイムを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による印刷装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による印刷装置の概略的なレイアウトを示した平面図である。
【図3】図1に示した印刷装置を構成する印刷ユニットの構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による印刷装置における正面側の印刷ユニットの内部構造を示した斜視図である。
【図5】図4に示した印刷ユニットを構成する基板搬送部の構造を示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による印刷装置における印刷ユニットにおいて、コンベア部を含む下部の構造を示した平面図である。
【図7】本発明の一実施形態による印刷装置における印刷ユニットをY1方向に沿って見た場合の側面図である。
【図8】本発明の一実施形態による印刷装置における印刷ユニットを構成するフレーム構造体を基台側(下面側)から見た場合の平面図である。
【図9】図8に示したフレーム構造体の梁部に設けられたマークおよびその周辺の構造を示した平面図である。
【図10】本発明の一実施形態による印刷装置において歪み補正を行う際の方法を説明するための概略図である。
【図11】本発明の第1変形例による印刷装置の概略的なレイアウトを示した平面図である。
【図12】本発明の第2変形例による印刷装置における印刷ユニットをY1方向に沿って見た場合の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
まず、図1〜図10を参照して、本発明の一実施形態による印刷装置100の構造について説明する。
【0024】
本発明の一実施形態による印刷装置100は、図1に示すように、装置本体内に搬送されるプリント基板(配線基板)5の上面5aに半田ペーストをマスク印刷する印刷機である。床面1(X−Y平面)に据え付けられる印刷装置100は、2つの印刷ユニット90および91を備えており、各々の印刷ユニットが個別に駆動することにより、各印刷ユニットにおいてプリント基板5にマスク印刷を行うことが可能に構成されている。この際、互いに異なるサイズのプリント基板5が各々の印刷ユニットにおいて印刷可能であるように構成されている。なお、プリント基板5は、本発明の「基板」の一例である。
【0025】
印刷装置100は、平面的に見て、図2に示すように、床面1(図1参照)に載置された基台10上に、2つの印刷ユニット90および91がY方向に沿って並べられている。また、印刷ユニット90および91は、プリント基板5の搬入/搬出方向となる長手方向を、基台10のX方向に略一致させて配置されている。ここで、印刷ユニット90(91)におけるプリント基板5の搬送方向がX方向であり、半田2(図5参照)のプリント基板5への印刷方向がY方向である。また、X方向およびY方向は、基台10上において互いに直交する方向である。
【0026】
また、印刷ユニット90(91)において、図2の右側(X2側)がプリント基板5の搬入側であり、図2の左側(X1側)がプリント基板5の搬出側である。また、図2の右側に配置された後述するフレーム構造体30(梁部32)よりも右側の基台10上の領域が、印刷前のプリント基板5の待機領域である。また、図2の左側に配置されたフレーム構造体30(梁部32)よりも左側の領域が、印刷終了後のプリント基板5の搬出領域である。また、左右の梁部32に挟まれた領域が、プリント基板5の印刷領域に対応している。なお、2つの印刷ユニット90および91は、互いにほぼ同じ構成を有するため、以降では、手前側(Y2側(正面側))の印刷ユニット90に関する構成についての説明を行う。
【0027】
印刷装置100を覆う複数の外装カバー101(図1参照)を取り除いた状態において、印刷ユニット90は、図4に示すように、プリント基板5を搬送する搬送機構部20と、基台10上に固定的に設置されたフレーム構造体30と、印刷機構部40と、クリーナ部50とを備えている。なお、図4では、搬送機構部20およびフレーム構造体30が載置される基台10(図2参照)の図示を省略している。また、図3に示すように、印刷装置100には、以下に説明する各部の動作制御を行うための後述する制御装置80が内蔵されている。なお、フレーム構造体30は、本発明の「枠体部材」の一例であり、印刷機構部40は、本発明の「印刷部」の一例である。
【0028】
搬送機構部20は、印刷ユニット90内に搬入された印刷前のプリント基板5を印刷領域まで搬送する機能を有している。ここで、印刷領域とは、印刷時にスクリーンマスク6(図7参照)がプリント基板5の上面5a上に載置される領域を示す。フレーム構造体30は、搬送機構部20の上方をY方向に跨ぐようにして基台10(図2参照)の上面10aに固定されている。印刷機構部40は、プリント基板5の上面5aに半田2(図5に示す破線枠内)の印刷を行う機能を有している。また、印刷機構部40は、フレーム構造体30の上方を印刷方向(Y方向)に沿って移動可能な状態でフレーム構造体30に取り付けられている。また、クリーナ部50は、印刷終了後のスクリーンマスク6(図7参照)の下面(Z2側)およびマスク開口部に付着した余分な半田ぺーストを拭き取る機能を有している。
【0029】
また、図5に示すように、搬送機構部20は、基台10(図2参照)上をプリント基板5の搬入/搬出方向となるX方向(基板搬送方向)に沿って延びる一対の基準コンベア21と、一対の基準コンベア21の外側から基準コンベア21を挟み込むように設けられ、基準コンベア21に対してX方向に沿って相対的に往復移動可能な基板搬送部22とを含んでいる。基準コンベア21は、X1方向に移動するコンベアベルト(図示せず)によって、印刷ユニット90の基板搬入側に配置されたプリント基板5を基準コンベア21上の待機領域(図2参照)まで搬送する機能と、印刷が終了されたプリント基板5を印刷領域から搬出領域(図2参照)まで搬送する機能とを担っている。また、基板搬送部22は、待機領域に配置されたプリント基板5を保持した状態で印刷領域まで搬送する役割を有している。なお、搬送機構部20は、本発明の「基板搬送部」の一例である。
【0030】
また、一対の基準コンベア21は、X方向と略直交するY方向(印刷方向)に所定の間隔を隔てて対向して配置されており、基台10上の一方側(X1側)の端部から他方側(X2側)の端部まで延びている。基板搬送部22は、プリント基板5を載置するための基板テーブル22aと、基板テーブル22aの側方(Y1側およびY2側)に設けられ、基板テーブル22a上に配置されたプリント基板5の側端面をY方向(Y1方向およびY2方向)から挟み込んで一時的に保持するクランプ片22b(2箇所)とを有している。なお、基板テーブル22aには、上面(Z1側)から上方に延びる複数のピン(図示せず)が取り付けられている。そして、プリント基板5は、基板テーブル22a上において、下面がピンにより支持された状態で載置されている。また、基板搬送部22は、基板テーブル22aとクランプ片22bとが一体となって基準コンベア21に沿って移動するように構成されている。
【0031】
また、図6に示すように、基台10上には、各々がX方向に所定の間隔を隔てて配置されるとともにY方向に延びる4本のレール11が敷設されており、搬送機構部20は、4本のレール11を基準コンベア21の延びるX方向に跨いだ状態でレール11上に載置されている。ここで、印刷ユニット90を正面から見た場合(図7参照)における基台10の上面10aと搬送機構部20との間に、サーボモータ23とサーボモータ23の回転軸(Y軸)に接続されるボールネジ軸24とが設けられている。なお、サーボモータ23は、本発明の「駆動源」の一例であり、ボールネジ軸24は、本発明の「送りねじ軸」の一例である。
【0032】
サーボモータ23は、回転軸をY方向に一致させた状態で搬送機構部20(基準コンベア21)の底部21a(図7参照)の下面側に固定されている。また、ボールネジ軸24は、サーボモータ23の回転軸に沿ってY方向に軸を延ばした状態で基台10の上面10a上に回転可能に固定されている。また、図4および図6に示すように、ボールネジ軸24の延長線上における基台10の上面10a(図6参照)には、ナット部材25が取り付けられている。そして、ナット部材25は、ボールネジ軸24と螺合しており、サーボモータ23によりボールネジ軸24を回転させることによって、基台10に固定されたナット部材25に対してサーボモータ23側がY方向(Y1方向およびY2方向)に移動されるように構成されている。これにより、サーボモータ23の回転制御とともにサーボモータ23と一体的に形成された搬送機構部20が、レール11上をY方向に沿って往復移動するように構成されている。なお、搬送機構部20のY方向への可動範囲は、ボールネジ軸24の長さよりも若干短い。なお、サーボモータ23、ボールネジ軸24およびナット部材25は、本発明の「駆動機構」の一例である。
【0033】
また、図6に示すように、一対の基準コンベア21がY方向に対向する領域に、サーボモータ26とサーボモータ26の回転軸(X軸)に接続されるボールネジ軸27とが設けられている。サーボモータ26は、回転軸をX方向に一致させた状態で基準コンベア21の底部21aに固定されている。ここで、サーボモータ23とサーボモータ26とは、底部21aにおいて互いに異なる位置に固定されている。また、ボールネジ軸27は、サーボモータ26の回転軸に沿ってX方向に軸を延ばした状態で基準コンベア21の底部21a下に回転可能に固定されている。また、図7に示すように、基板搬送部22の底部22cには、下面側にナット部材28が取り付けられている。なお、サーボモータ26は、本発明の「駆動源」の一例であり、ボールネジ軸27は、本発明の「送りねじ軸」の一例である。また、サーボモータ26、ボールネジ軸27およびナット部材28は、本発明の「駆動機構」の一例である。
【0034】
ナット部材28は、ボールネジ軸27と螺合しており、基準コンベア21に固定されたサーボモータ26によりボールネジ軸27を回転させることによって、ナット部材28がX方向(X1方向およびX2方向)に移動されるように構成されている。これにより、サーボモータ26の回転制御とともに基準コンベア21に対して基板搬送部22がX方向に沿って相対的に往復移動するように構成されている。なお、基板搬送部22のX方向への可動範囲は、基準コンベア21のX1側の端部領域からX2側の端部領域までである。
【0035】
搬送機構部20において、上記した駆動機構が備えられていることにより、基板搬送部22は、図2に示すように、基準コンベア21の基板搬入側(X2側)の待機位置まで移動した後、他機などから基準コンベア21上の待機位置に搬送されてきたプリント基板5をクランプ片22bにより把握した状態でX1方向に移動することにより、プリント基板5を印刷領域まで搬送するように構成されている。また、搬送機構部20は、基板搬送部22のX方向における現在位置に関係なく、基準コンベア21の延びる方向と略直交する印刷方向(Y方向)に沿って基台10の上面10a上を往復移動するように構成されている。これにより、搬送機構部20は、所定の運転パターンに基づいて、X方向およびY方向への移動が制御されるように構成されている。
【0036】
また、基板搬送部22には、図示しない駆動機構が設けられることにより、基板テーブル22aが上下方向(Z方向)に昇降するように構成されている。これにより、図7に示すように、印刷領域まで搬送されたプリント基板5は、基板テーブル22aとともに基準コンベア21の上面(Z1側の表面)よりも所定の高さだけ持ち上げられた位置まで移動される。そして、後述するマスク保持部42に保持されたスクリーンマスク6が下降してプリント基板5の上面5aに所定の押圧力で当接するように構成されている。
【0037】
また、基板搬送部22には、図示しない駆動機構が設けられることにより、基板搬送部22のY方向の幅が所定範囲内で拡大および縮小するように構成されている。これにより、プリント基板5の幅(Y方向の長さ)に応じて基板搬送部22のY方向の幅が調整された状態でクランプ片22bにより保持されるように構成されている。
【0038】
また、図4および図6に示すように、フレーム構造体30は、基台10のX方向(基板搬送方向)において所定の間隔を隔てて一対設けられている。また、各々のフレーム構造体30は、門型構造を有しており、基台10(図6参照)のY方向(印刷方向)における両側端部(Y1側およびY2側)近傍から上方に延びる脚部31(2箇所)と、Y方向に対向する脚部31同士を水平方向に繋ぐ梁部32とを含んでいる。つまり、印刷ユニット90をX方向に沿って側方から見た場合、Y方向に延びる梁部32が、脚部31を介して搬送機構部20上を跨いでいる。また、脚部31は、図示しない締結部材により、基台10(図6参照)の上面10aに固定されている。また、一対の梁部32の上面32aは、基台10の上面10aと同様に水平面を構成している。また、各々の梁部32の上面32aには、Y方向に延びるレール12(図4参照)が設けられている。そして、後述する印刷機構部40が、梁部32に固定されたレール12上をY方向に沿って移動可能であるように構成されている。
【0039】
また、図5に示すように、搬送機構部20における基板搬送部22にマスク用カメラ29が設置されている。マスク用カメラ29は、基板搬送部22の一方(Y2側)の基板テーブル22aよりも外側においてレンズを上方(Z1方向)に向けて取り付けられている。印刷ユニット90では、プリント基板5を保持した基板搬送部22がX1方向へ移動する際に、マスク用カメラ29によってスクリーンマスク6(図7参照)のマスク開口部(図示せず)の観察や、スクリーンマスク6の下面(Z2側の表面)に付された図示しないフィデューシャルマーク(位置合わせマーク)を検出するように構成されている。これにより、印刷を行う前に、印刷領域に搬送されたプリント基板5とスクリーンマスク6との位置合わせが精度良く行われるように構成されている。なお、マスク用カメラ29は、本発明の「撮像部」の一例である。
【0040】
ここで、本実施形態では、図7に示すように、フレーム構造体30を構成する梁部32の下面32b(Z2側)に、基準マーク70が設けられている。すなわち、基準マーク70は、プリント基板5の印刷が行われる印刷領域よりも外側(X2側)に配置されている。また、図2に示すように、基準マーク70は、Y方向に延びる梁部32の下面32b(図7参照)のうち、搬送機構部20(基準コンベア21)がY方向に移動する範囲内の所定の位置に設けられている。そして、搬送機構部20とともに所定の印刷動作に基づいて水平面内(X−Y面内)を移動する基板搬送部22が、印刷領域の外側領域である梁部32の下部を通過する際に、マスク用カメラ29によって基準マーク70が撮像されるように構成されている。なお、マスク用カメラ29による基準マーク70の撮像は、基板搬送部22がプリント基板5を保持して搬送する場合と搬送しない場合とに関係なく行われるように構成されている。これにより、印刷動作の進行とともに発生する搬送機構部20の歪みが、演算処理部81(図3参照)によって適宜決定したタイミングで補正されるように構成されている。なお、基準マーク70は、本発明の「マーク」の一例である。
【0041】
ここで、図10を参照して、搬送機構部20における歪み補正の方法について説明する。印刷ユニット90が運転されている際、演算処理部81(図3参照)の指令に基づいて、所定のタイミングにおいて基板搬送部22の移動とともにマスク用カメラ29によって基準マーク70が撮像されたとする。この際、基準マーク70のX−Y面内における位置は、サーボモータ26によりボールネジ軸27を回転量Uだけ回転させるとともに、サーボモータ23によりボールネジ軸24を回転量Vだけ回転させた場合に、マスク用カメラ29が有する撮像領域の中央に基準マーク70が撮像されるように構成されている。
【0042】
ここで、回転量Uは、ナット部材28がボールネジ軸27上の端部(たとえば図6に示すX2側の端部)に移動した位置からマスク用カメラ29の撮像領域の中央が基準マーク70に重なるまでナット部材28(基板搬送部22)をX1方向に移動させる際に必要とされるボールネジ軸27の回転量である。同様に、回転量Vは、ナット部材25がボールネジ軸24上の端部(たとえば図5に示すY2側の端部)に移動した位置からマスク用カメラ29が基準マーク70に重なるまでナット部材25(搬送機構部20)をY1方向に移動させる際に必要とされるボールネジ軸24の回転量である。また、回転量Uに対応するサーボモータ26のステップ数および回転量Vに対応するサーボモータ23のステップ数も同時に制御データ記憶部82b(図3参照)に記憶されるように構成されている。したがって、ボールネジ軸27および24が回転量(U、V)だけ回転された場合、図10に示すように、撮像領域中の位置P(中央部)に、基準マーク70が撮像される。
【0043】
プリント基板5の印刷が所定枚数だけ繰り返された後、所定のタイミングにおいて基板搬送部22の移動とともにマスク用カメラ29によって基準マーク70が再び撮像されたとする。この際、本実施形態では、サーボモータ26および23のステップ数を先の撮像時に記憶されているステップ数まで回転させることにより、マスク用カメラ29(基板搬送部22)は、現時点でのボールネジ軸27および24を初期位置から回転量(U、V)だけ回転させた場合に相当する位置まで移動される。これにより、図10に示すように、撮像領域中の位置Qに基準マーク70が撮像される。なお、実際には基準マーク70の位置Pおよび位置Qは、別々の画像データとして撮像されるが、位置Pから位置Qへの変化を説明するために、同じ図を用いて便宜的に図示している。
【0044】
なお、プリント基板5が複数枚に亘って連続して印刷されることによって、搬送機構部20を駆動するボールネジ軸27および24は、各々と螺号するナット部材28および25との間に摺動に伴う摩擦熱が発生する。また、搬送機構部20は、タクトアップ(生産性の向上)のために比較的高速度でX−Y面内を移動するように構成されている。したがって、ナット部材とボールネジ軸との摺動に伴う摩擦熱に起因して、ボールネジ軸27および24は、各々の延びる軸方向に沿って熱膨張を起こす。したがって、ボールネジ軸27および24を制御上の初期位置(基準位置)に対して同じ回転量(U、V)だけ回転させたとしても、ボールネジ軸が熱膨張している分、ナット部材28(25)の移動ピッチ(ボールネジ軸の1回転当たりのナット部材28(25)の移動量)が前回から変化している。このため、図10における位置Qは、位置Pに対してずれた状態で撮像される。
【0045】
そして、画像処理による位置Pの座標と位置Qの座標とに基づいて、位置Pから位置Qへの基準マーク70の変位量が算出される。この場合、X方向への変位量ΔXと、Y方向への変位量ΔYとがそれぞれ算出される。そして、変位量ΔXと回転量Uとの関係から、基準マーク70のX方向の変位量に相当するボールネジ軸27の熱膨張率が割り出される。また、変位量ΔYと回転量Vとの関係から、基準マーク70のY方向の変位量に相当するボールネジ軸24の熱膨張率が割り出される。印刷ユニット90においては、基台10に対して固定的に設置されたフレーム構造体30に付された基準マーク70の位置Q(歪み発生後)と位置P(歪み発生前)とが一致している必要があるため、上記算出された各々のボールネジ軸が有する熱膨張率を考慮して、ボールネジ軸27および24の各々の回転量が調整されるように構成されている。
【0046】
印刷ユニット90では、このようにして、ボールネジ軸27および24の各々の回転量を調整することにより、搬送機構部20の歪み補正が動作が行われるように構成されている。この歪み補正により、ボールネジ軸27および24が熱膨張を起こして移動ピッチ(ボールネジ軸の1回転当たりのナット部材28(25)の移動量)が変化したとしても、ボールネジ軸27(24)側の回転量を調整することにより、搬送機構部20(基板搬送部22)のX−Y面内における位置決めを正確に行うことができるように構成されている。
【0047】
また、本実施形態では、マスク用カメラ29によって撮像された基準マーク70の座標(図10における位置Pの座標)を、搬送機構部20(基準コンベア21および基板搬送部22)のX−Y面内における位置座標の基準位置としてサーボモータ23および26を駆動することにより搬送機構部20が移動されるように構成されている。
【0048】
また、本実施形態では、図8および図9に示すように、梁部32の下面32bには、背景板75が基準マーク70に隣接して設けられている。また、背景板75は、基準マーク70の近傍において、ネジ部材76(2箇所)により梁部32の下面32bに固定されている。また、背景板75は、各々が互いに異なる色に塗られた一方領域75aと他方領域75bとを有している。ここで、マスク用カメラ29には、レンズの近傍(マスク用カメラ29の上面側)に撮像時に撮像対象(基準マーク70)に向けて照明光を照射する照射部(LED)29a(図7参照)が円環状に設けられている。これにより、照射部29aにより照射された照明光が背景板75の一方領域75aおよび他方領域75bで反射されることにより、マスク用カメラ29が撮像する背景板75の写り具合が異なる。したがって、マスク用カメラ29が基準マーク70を撮像する際に、照明光が照射された背景板75を撮像した結果に基づいて、照明光の明るさが適切に調整されるように構成されている。
【0049】
また、図8に示すように、梁部32の下面32bには、基板用カメラ99が設置されている。基板用カメラ99は、レンズを下方(Z2方向)に向けて取り付けられている。印刷ユニット90では、プリント基板5を保持した基板搬送部22がX1方向へ移動する際に、基板用カメラ99によってプリント基板5の上面5aに付された図示しないフィデューシャルマーク(位置合わせマーク)を検出するように構成されている。これにより、印刷を行う前に、印刷領域に搬送されたプリント基板5とスクリーンマスク6との位置合わせが精度良く行われるように構成されている。
【0050】
また、印刷機構部40は、図4に示すように、梁部32の上面32a上をY方向に移動可能に構成されたフレーム構造体からなる印刷機構支持部41と、印刷機構支持部41の内側(印刷領域内)に印刷機構支持部41に対して昇降可能(Z方向)に取り付けられ、スクリーンマスク6を保持するマスク保持部42と、スクリーンマスク6を介してプリント基板5に半田を印刷する印刷部60とを含んでいる。
【0051】
印刷機構支持部41は、梁部32の上面32aから上方に延びる一対の側壁部41aと、一対の側壁部41aのY1側の端部間をX方向に繋ぐ側壁部41bと、一対の側壁部41aの上端部間をX方向に繋ぐ梁部41cとを有している。つまり、印刷ユニット90をY方向に沿って正面側(Y2側)から見た場合、印刷機構支持部41は、門型構造を有している。
【0052】
また、梁部32の上面32a上に、サーボモータ43とサーボモータ43の回転軸に接続されるボールネジ軸44とが設けられている。サーボモータ43は、回転軸をY方向に一致させた状態で梁部32の上面32aに固定されている。また、ボールネジ軸44は、サーボモータ43の回転軸に沿ってY方向に軸を延ばした状態で上面32a上に回転可能に固定されている。また、側壁部41aには、ナット部材45が取り付けられている。そして、ナット部材45は、ボールネジ軸44と螺合しており、サーボモータ43によりボールネジ軸44を回転させることによって、ナット部材45がY方向(Y1方向およびY2方向)に移動されるように構成されている。また、サーボモータ43、ボールネジ軸44およびナット部材45は、左右(X方向)の梁部32の上面32a上に各々設けられている。したがって、左右のサーボモータ43を個別に駆動することにより、印刷機構支持部41をY方向に平行移動させるのみならず、印刷機構支持部41をX−Y面内でZ軸を中心に若干回動させることも可能であるように構成されている。これにより、印刷機構部40においては、印刷領域に搬入されたプリント基板5に対して、マスク保持部42に保持されたスクリーンマスク6のX−Y面内における詳細な位置合わせが行われるように構成されている。
【0053】
また、マスク保持部42は、印刷機構支持部41の側壁部41aに対して上下方向(Z方向)に昇降可能に取り付けられている。具体的には、印刷機構支持部41には、サーボモータ46と、ベルト駆動によってサーボモータ46の駆動力が伝達される4本のボールネジ軸47が回転可能に組み込まれている。また、マスク保持部42には、ナット部材48が設けられている。そして、Z方向に延びるボールネジ軸47の各々にナット部材48が螺合している。これにより、サーボモータ46の回転制御とともにマスク保持部42がZ方向に沿って昇降するように構成されている。これにより、印刷時には、マスク保持部42に保持されたスクリーンマスク6をZ2方向に下降させて印刷領域に搬入されたプリント基板5の上面に当接させるとともに、印刷後には、スクリーンマスク6をZ1方向に上昇させてプリント基板5の上面5aから版離れ動作を行うように構成されている。
【0054】
印刷部60は、図7に示すように、門型構造を有する印刷機構支持部41の内側に配置されている。また、印刷部60は、スクリーンマスク6の上面(Z1側)に対してペースト状の半田2(図5参照)を押圧しながらY方向に摺動するスキージユニット61と、スクリーンマスク6の上面に半田2を供給する半田供給部62とを有している。スキージユニット61は、スクリーンマスク6に形成された複数のマスク開口部(図示せず)を介して半田をプリント基板5上に押し出す機能を有している。また、印刷部60は、スキージユニット61および半田供給部62を支持するように構成された図示しない支持機構により、マスク保持部42の内側の側面上に移動可能に設置されている。印刷部60がマスク保持部42に対して印刷方向(Y方向)に往復移動することにより、半田2がプリント基板5に印刷されるように構成されている。
【0055】
また、スクリーンマスク6(図7参照)は、約20μm以上約150μm以下の厚みを有する板状(シート状)の部材からなり、複数の開口部(図示せず)がパターニングされた開口領域を有している。このようにシート状のスクリーンマスク6は屈曲性を有するため、スクリーンマスク6は、周囲が剛性の高い部材からなるフレーム7に固定されている。フレーム7は、最大で約750mm角(縦×横)の大きさを有しており、スクリーンマスク6のサイズに応じて、フレーム7のサイズも適宜決定される。印刷ユニット90では、ユーザがアクセスカバー101a(図1参照)を開けて、スクリーンマスク6が固定されたフレーム7をマスク保持部42に差し込んで固定するように構成されている。
【0056】
また、図3に示すように、制御装置80は、CPU(演算処理部)と基板回路部とにより構成されている。具体的には、制御装置80は、演算処理部81、記憶部82、外部入出力部83、画像処理部84および駆動機構制御部85によって主に構成されている。なお、演算処理部81は、本発明の「制御部」の一例である。
【0057】
演算処理部81はCPUからなり、印刷ユニット90の動作を全般的に統括している。記憶部82は、演算処理部81が実行可能な制御プログラムなどが格納されている動作プログラム記憶部82aと、印刷動作を行う際に必要となるデータ類が格納されている制御データ記憶部82bとを含んでいる。ここで、動作プログラム記憶部82aは、フラッシュROM(Read Only Memory)からなり、制御データ記憶部82bは、RAM(Random Access Memory)からなる。
【0058】
また、外部入出力部83は、運転開始ボタン95を含む運転操作上の各種ボタン類や、基板位置センサ、マスク位置センサ、スキージ位置センサなどの各種センサ類(図3参照)からの入出力を制御する機能を有している。画像処理部84は、基板用カメラ99およびマスク用カメラ29の各々が撮像した画像データの処理を行って、印刷ユニット90の動作に必要とされるデータを内部的に生成する役割を有している。この場合、マスク用カメラ29が撮像した基準マーク70の画像データは画像処理部84によって画像処理が行われる。これにより、演算処理部81により歪みの大きさ(ボールネジ軸24および27の延び量)が把握されるように構成されている。
【0059】
駆動機構制御部85は、演算処理部81から出力される制御信号に基づいて、印刷ユニット90の各サーボモータ(基板搬送部22をX方向に移動させるサーボモータ26(図6参照)、搬送機構部20をY方向に移動させるサーボモータ23(図6参照)、マスク保持部42をZ方向に移動させるサーボモータ43(図4参照)など)を制御するように構成されている。また、駆動機構制御部85は、基準コンベア21に設けられた基板搬送軸(図示せず)のサーボモータを制御するように構成されている。また、駆動機構制御部85は、各サーボモータが有するエンコーダ(図示せず)からの信号に基づいて基板搬送部22のX−Y面内の位置、マスク保持部42の高さ位置(Z方向)および回転位置(Z軸まわり)などが認識可能に構成されている。
【0060】
また、制御装置80は、装置本体に設けられた非常停止回路部92に接続されている。非常停止回路部92には、装置本体内の所定の位置に設けられたカバーオープンスイッチ93と、押しボタン式の非常停止ボタン94とが電気的に接続されている。カバーオープンスイッチ93は、アクセスカバー101a(図1参照)の開閉状態に応じてスイッチの開閉が切り換わるように構成されている。これにより、アクセスカバー101aが開いた状態では、非常停止回路部92が機能して印刷ユニット90の運転が開始(再開)されないように構成されている。また、運転中にユーザが非常停止ボタン94を押下した場合、非常停止回路部92が機能して即時に運転が中断されるように構成されている。
【0061】
なお、印刷ユニット91(図2参照)についても、上記した印刷ユニット90と略同様の構成が備えられている。したがって、印刷装置100では、各々の印刷ユニットが駆動する際、個々の動作状況に応じて各印刷ユニットに関する歪み補正の動作が行われるように構成されている。
【0062】
また、図1に示すように、印刷装置100の外部には印刷ユニット90(91)毎に表示パネル102が設けられている。ユーザは、各々の表示パネル102を介して印刷動作の進行状況を把握したり、表示パネル102の表示内容に応じた機器操作を行うように構成されている。また、印刷装置100には表示灯103が設けられている。表示灯103は、印刷装置100の天面部よりも高い位置に配置されており、印刷装置100から離れた位置からでもユーザが印刷装置100の運転状況を視認することが可能に構成されている。このようにして、印刷装置100は構成されている。
【0063】
次に、図3〜図5、図7および図8を参照して、本発明の一実施形態による印刷装置100において歪み補正を行う際の印刷ユニット90の動作について説明する。
【0064】
まず、印刷終了後のプリント基板5が印刷領域から基準コンベア21によりX1方向に搬出領域まで搬送された状態(図5参照)では、基板搬送部22は、クランプ片22bを開放し、かつ、基板テーブル22aを下げた状態で、印刷領域(印刷時にスクリーンマスク6(図7参照)がプリント基板5の上面5aに載置される領域)において停止されている。
【0065】
その後、他機などから基準コンベア21上の待機位置に印刷前のプリント基板5が新たに移送されてきたとする。印刷ユニット90における印刷動作が継続される場合、印刷領域に停止中の基板搬送部22が、基準コンベア21に沿って待機位置までX2方向に移動される。そして、図5に示すように、基板搬送部22は、クランプ片22bを用いて新たなプリント基板5を把握した後、再び印刷領域に向かってX1方向に移動する。
【0066】
この際、本実施形態では、図7に示すように、基板搬送部22が梁部32の下部をX1方向に通過する際に、マスク用カメラ29によって梁部32の下面32bに設けられた基準マーク70を撮像する。これにより、X−Y面内における基準マーク70の現在の位置座標が認識される。また、基板搬送部22が梁部32の下部をX1方向に通過する際、梁部32の下面32bに設けられた基板用カメラ99(図8参照)によってプリント基板5の上面5aに付された図示しないフィデューシャルマークが検出される。
【0067】
その後、図4に示すように、基板搬送部22が印刷領域に停止されてクランプ片22bが開放される。そして、複数のピンが設けられた基板テーブル22aが上昇するとともに、プリント基板5の下面がピンにより支持された状態で、所定の高さまでZ1方向に持ち上げられる。また、基板搬送部22が印刷領域に停止した際、マスク用カメラ29によってスクリーンマスク6の下面に付された図示しないフィデューシャルマークが検出される。
【0068】
その後、基板用カメラ99によって検出されたプリント基板5のフィデューシャルマークと、マスク用カメラ29によって検出されたスクリーンマスク6のフィデューシャルマークとに基づいて、マスク保持部42(図4参照)のX−Y面内での位置合わせが行われる。そして、この状態で、マスク保持部42に保持されたスクリーンマスク6(図7参照)がZ2方向に下降してプリント基板5の上面5aに所定の押圧力で当接される。
【0069】
その後、スクリーンマスク6上に半田2(図5参照)が供給された状態で印刷部60(図7参照)が駆動されることにより、プリント基板5の上面5aに、スクリーンマスク6を介して半田2が印刷される。
【0070】
半田2の印刷後、マスク保持部42に保持されたスクリーンマスク6がZ1方向に上昇されて版離れが行われる。そして、プリント基板5が載置された基板テーブル22aがZ2方向に下降されて、プリント基板5が基準コンベア21上に載置される。印刷ユニット90では、上記した印刷動作を繰り返すことにより、プリント基板5への印刷が継続的に行われる。そして、上記した一連の印刷動作の途中で、基板搬送部22が梁部32の下部を通過する際に、演算処理部81(図3参照)の指令に基づく適切なタイミングで基準マーク70が撮像されることにより、搬送機構部20の歪みが補正される。
【0071】
本実施形態では、上記のように、歪み補正に使用される基準マーク70が設けられ基台10上に固定的に設置されたフレーム構造体30と、歪み補正を行う際にフレーム構造体30の梁部32の下面32bに設けられた基準マーク70を撮像するマスク用カメラ29とを備えることによって、マスク用カメラ29は、印刷機構部40によるプリント基板5への印刷動作に直接的に関与しないフレーム構造体30の部分で、梁部32の下面32bに設けられた歪み補正用の基準マーク70を撮像することができる。これにより、適切なタイミングで基準マーク70を撮像して歪みの補正を行うことができる。この結果、プリント基板5への印刷動作が継続的に行われる印刷ユニット90(91)において、印刷精度を安定的に維持することができる。
【0072】
また、本実施形態では、マスク用カメラ29は、基板搬送部22に設置されているとともに、基板搬送部22の水平面内(X−Y面内)の移動に伴って移動するように構成されている。これにより、基板搬送部22が移動する際にマスク用カメラ29を移動させて梁部32の下面に設けられた基準マーク70を適切なタイミングで撮像することができる。したがって、マスク用カメラ29を移動させる専用の駆動機構を別途設ける場合と異なり、印刷装置100(印刷ユニット90および91)の構成を簡素化することができる。
【0073】
また、本実施形態では、フレーム構造体30は、プリント基板5の印刷が行われる印刷領域(印刷時にスクリーンマスク6がプリント基板5上に載置される領域)よりも外側に配置されており、マスク用カメラ29は、基板搬送部22の移動とともに移動される際に印刷領域の外側領域において、基準マーク70を撮像するように構成されている。これにより、マスク用カメラ29は、プリント基板5への印刷動作に直接的に関与しない印刷領域の外側領域において歪み補正用の基準マーク70を撮像するので、印刷領域内において基準マーク70の撮像が行われない分、プリント基板5への印刷動作に直接影響を及ぼすことなく歪みの補正を行うことができる。
【0074】
また、本実施形態では、搬送機構部20全体をY方向に駆動するサーボモータ23と、基板搬送部22をX方向に駆動するサーボモータ26と、マスク用カメラ29が基準マーク70を撮像した結果に基づいて、ボールネジ軸24および27の発熱に伴う歪みの補正を行う演算処理部81とを備えている。これにより、演算処理部81により、基準マーク70の撮像結果に基づいて、ボールネジ軸24および27の各々の発熱に伴う歪みの補正を適切なタイミングで行うことができる。
【0075】
また、本実施形態では、演算処理部81は、マスク用カメラ29が基準マーク70を撮像した結果に基づいて、基板搬送部22に螺合するボールネジ軸27(24)の歪みを補正するように構成されている。これにより、基板搬送部22に駆動力を伝達するボールネジ軸27(24)に、発熱に起因した軸延びが発生した場合であっても、歪み補正を必要とする適切なタイミングでボールネジ軸27(24)が有する歪みに応じた回転量の補正を行うことができる。この結果、基板搬送部22によるプリント基板5の搬送動作を精度良く行うことができる。
【0076】
また、本実施形態では、ボールネジ軸27(24)は、プリント基板5の印刷が行われる印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びており、基板搬送部22は、印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びるボールネジ軸27(24)に螺合することにより、印刷領域と外側領域との間を移動するように構成されている。このように、印刷領域から印刷領域の外側領域まで延びる長尺なボールネジ軸27(24)を備えていても、歪み補正を必要とする適切なタイミングでボールネジ軸27(24)が有する歪みに応じたボールネジ軸27(24)の回転量の補正を行うことができるので、印刷装置100が有する印刷精度を安定的に維持することができる。
【0077】
また、本実施形態では、演算処理部81は、マスク用カメラ29によって撮像された基準マーク70の座標を、搬送機構部20(基準コンベア21および基板搬送部22)のX−Y面内における位置座標の基準位置としてサーボモータ23および26を駆動することにより、搬送機構部20を移動する制御を行うように構成されている。これにより、制御上、フレーム構造体30に設けられた基準マーク70の座標を基準位置としてサーボモータ26(23)およびボールネジ軸27(24)を制御しながら基板搬送部22を移動させることができる。また、基準マーク70の座標を基準位置とするので、サーボモータ26(23)やボールネジ軸27(24)などを部品交換した場合であっても、制御上の基準位置に基準マーク70の座標を設定するだけでサーボモータ26(23)を容易に駆動させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、マスク用カメラ29は、基板搬送部22がプリント基板5の印刷が行われる印刷領域にプリント基板5を搬入する動作が行われる際に基準マーク70を撮像するように構成されている。これにより、基板搬送部22による搬送動作の中に基準マーク70の撮像動作を含めることができるので、その分、基準マーク70の撮像のための動作時間を短縮することができる。これにより、印刷装置100におけるタクトタイムを短縮することができる。
【0079】
また、本実施形態では、マスク用カメラ29は、基板搬送部22がプリント基板5の印刷が行われる印刷領域にプリント基板5を搬入する動作における移動途中で、基準マーク70を撮像するように構成されている。これにより、基板搬送部22の移動中に基準マーク70の撮像を同時に行うことができるので、基準マーク70の撮像のための動作時間を短縮することができる。これにより、印刷装置100におけるタクトタイムを容易にかつ効果的に短縮することができる。
【0080】
また、本実施形態では、フレーム構造体30は、スクリーンマスクを保持するマスク保持部42を基板搬送部22の搬送方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に移動可能に支持するように固定的に設置されている。そして、マスク用カメラ29は、基板搬送部22がプリント基板5の搬送経路に沿って移動される際に、フレーム構造体30に設けられた基準マーク70を撮像するように構成されている。これにより、フレーム構造体30に基板搬送部22の搬送方向と交差するY方向に移動されるマスク保持部42が設けられていても、固定的に設置されたフレーム構造体30に歪み補正用の基準マーク70が設けられているので、歪みの補正を適切なタイミングで確実に行うことができる。
【0081】
また、本実施形態では、マスク用カメラ29は、スクリーンマスク6の表面(下面)を撮像する際に、フレーム構造体30に設けられた基準マーク70を撮像するように構成されている。これにより、スクリーンマスク6の表面観察用(検査用)に設けられたマスク用カメラ29を用いて歪み補正用の基準マーク70を撮像することができるので、歪み補正用の基準マーク70を撮像するための「撮像部」を別途設ける必要がない。
【0082】
また、本実施形態では、基準マーク70は、フレーム構造体30の下面32bに設けられており、マスク用カメラ29は、上方(Z1方向)の撮像が可能なように基板搬送部22に設置されている。これにより、基板搬送部22がX−Y面内における移動経路上においてフレーム構造体30の下部を通過する際に、マスク用カメラ29により下面32bに設けられた基準マーク70を確実に撮像することができる。
【0083】
また、本実施形態では、フレーム構造体30には、基準マーク70に加えて照明光の照度を調整するための背景板75が基準マーク70に隣接して設けられている。そして、演算処理部81は、マスク用カメラ29が基準マーク70を撮像する際に、照明光が照射された背景板75を撮像した結果に基づいて、照明光の明るさを調整する制御を行うように構成されている。これにより、基準マーク70の撮像とともにマスク用カメラ29が照射する照明光の照度を調整することができるので、基準マーク70の撮像を精度良く行うことができる。この結果、歪みの補正を精度良く行うことができる。また、マスク用カメラ29においては、基準マーク70の撮像と同時に照明光の照度を調整することができるので、照明光の調整に要する時間(タクトロス)を最小限に抑えることができる。これによっても、印刷装置100におけるタクトタイムを短縮することができる。
【0084】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、基板搬送部22が印刷領域にプリント基板5を搬入する動作が行われる際に基準マーク70を撮像するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明の「マーク」を印刷領域の外側領域に設ける点においては、たとえば、基板搬送部22が印刷終了後のプリント基板5を搬出する動作が行われる際に基準マーク71を撮像するように構成してもよい。
【0086】
具体的には、図11に示す第1変形例のように、図中の左側(搬出側)に配置されたフレーム構造体30における梁部32の下面に基準マーク71(破線)を設けるように構成してもよい。この場合、マスク用カメラ29による基準マーク71の撮像動作は、印刷終了後のプリント基板5が載置された搬送機構部20(基板搬送部22)が、基台10上をY1方向に所定の距離だけ移動される経路の途中で行われるように構成されている。なお、搬送機構部20がY1方向に所定の距離だけ移動された後、プリント基板5は、基準コンベア21上をX1方向に搬送されて印刷ユニット90の外部に搬出される。この第1変形例のように構成しても、搬送機構部20による搬送動作の中に基準マーク71の撮像動作を含めることができるので、印刷装置100におけるタクトタイムを短縮することができる。なお、図11では、説明の都合上、印刷ユニット90のY1側に設けられている印刷ユニット91(図2参照)については、図示を省略している。
【0087】
また、上記実施形態で例示した基準マーク70と、上記第1変形例で例示した基準マーク71との両方を、印刷ユニット90に設けてもよい。そして、歪みの補正を行う際には、演算処理部81の指令に基づいて、マスク用カメラ29により基準マーク70または71のいずれかを撮像して歪みの補正を行うように構成してもよい。この場合、歪みの補正を行う際には、基準マーク70および71のうち、動作中(移動中)のマスク用カメラ29により近い側のマークを撮像するように構成されるのが好ましい。これにより、歪み補正動作の所要時間をより短縮することができる。
【0088】
また、上記実施形態では、基準マーク70を梁部32の下面32bに設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示す変形例のように、マスク用カメラ29が上方を撮像可能であるならば、基準マーク72を梁部32の側面32cに設けてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、搬送機構部20の基準コンベア21および基板搬送部22を、それぞれ、サーボモータにより駆動されるボールネジ軸とナット部材とを用いて駆動するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。ボールネジ軸およびナット部材以外のたとえば、ベルト駆動や、ラックギアおよびピニオンギアなどの駆動機構を用いて搬送機構部20(基準コンベア21および基板搬送部22)を駆動するように構成してもよい。この場合においても、駆動に伴うベルト部材の熱延びや、ラックギアの熱延びに対して歪みの補正を行う必要があるので、しかるべきタイミングで駆動部が有する歪みの補正を行うことができる。
【0090】
また、上記実施形態では、印刷ユニット90および91の各々において、制御装置80の演算処理部81の指令に基づいて歪み補正の動作が行われるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。印刷装置100に、印刷ユニット90および91の動作制御を統括する本発明の「制御部」を設けてもよい。この制御部により、個々の印刷ユニット単独ではなく、印刷ユニット90および91の相互動作(基板搬送部20の基台10上における位置関係)の状況に基づいて、各々の印刷ユニットにおける歪み補正の動作を適切なタイミングで行うことが可能である。
【符号の説明】
【0091】
5 プリント基板(基板)
6 スクリーンマスク
20 搬送機構部(基板搬送部)
22 基板搬送部
23、26 サーボモータ(駆動源、駆動機構)
24、27 ボールネジ軸(送りねじ軸、駆動機構)
25、28 ナット部材(駆動機構)
29 マスク用カメラ(撮像部)
30 フレーム構造体(枠体部材)
40 印刷機構部(印刷部)
42 マスク保持部
70、71、72 基準マーク(マーク)
75 背景板
81 演算処理部(制御部)
100 印刷装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板への印刷を行う印刷部と、
歪み補正に使用されるマークが設けられ、前記印刷部の少なくとも一部を移動可能に支持するとともに固定的に設置された枠体部材と、
前記歪み補正を行う際に前記枠体部材の前記マークを撮像する撮像部とを備える、印刷装置。
【請求項2】
前記基板を搬送可能に構成された基板搬送部をさらに備え、
前記撮像部は、前記基板搬送部に設置されているとともに、前記基板搬送部の移動に伴って移動するように構成されている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記枠体部材は、前記基板の印刷が行われる印刷領域よりも外側に配置されており、
前記撮像部は、前記基板搬送部の移動とともに移動される際に前記印刷領域の外側領域において、前記マークを撮像するように構成されている、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記基板搬送部を駆動する駆動機構と、
前記撮像部が前記マークを撮像した結果に基づいて、前記駆動機構の発熱に伴う歪みの補正を行う制御部とをさらに備える、請求項2または3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、駆動源と、前記基板搬送部に螺合することにより前記駆動源の駆動力を前記基板搬送部の移動方向に伝達して前記基板搬送部を移動させる送りねじ軸とを含み、
前記制御部は、前記撮像部が前記マークを撮像した結果に基づいて、前記基板搬送部に螺合する前記送りねじ軸の歪みを補正するように構成されている、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記送りねじ軸は、前記基板の印刷が行われる印刷領域から前記印刷領域の外側領域まで延びており、
前記基板搬送部は、前記印刷領域から前記印刷領域の外側領域まで延びる前記送りねじ軸に螺合することにより、前記印刷領域と前記外側領域との間を移動するように構成されている、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮像部によって撮像された前記マークの座標を前記駆動機構の位置座標の基準位置として前記駆動機構を駆動することにより、前記基板搬送部を移動する制御を行うように構成されている、請求項4〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記撮像部は、前記基板搬送部が前記基板の印刷が行われる印刷領域に前記基板を搬入する動作、および、前記基板搬送部が前記印刷領域から前記基板を搬出する動作の少なくともいずれかの動作が行われる際に前記マークを撮像するように構成されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記撮像部は、前記基板搬送部が前記基板の印刷が行われる印刷領域に前記基板を搬入する動作、および、前記基板搬送部が前記印刷領域から前記基板を搬出する動作の少なくともいずれかの動作における移動途中で、前記マークを撮像するように構成されている、請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記枠体部材は、スクリーンマスクを保持するマスク保持部を前記基板搬送部の搬送方向と交差する方向に移動可能に支持するように固定的に設置されており、
前記撮像部は、前記基板搬送部が前記基板の搬送経路に沿って移動される際に、前記枠体部材に設けられた前記マークを撮像するように構成されている、請求項2〜9のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記撮像部は、前記スクリーンマスクの表面を撮像する際に、前記枠体部材に設けられた前記マークを撮像するように構成されている、請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記マークは、前記枠体部材の下面または側面に設けられており、
前記撮像部は、上方の撮像が可能なように前記基板搬送部に設置されている、請求項2〜11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記撮像部が前記マークを撮像した結果に基づいて前記歪み補正を行う制御部をさらに備え、
前記撮像部は、撮像対象に対して照明光を照射可能に構成されており、
前記枠体部材には、前記マークに加えて前記照明光の照度を調整するための背景板が前記マークに隣接して設けられており、
前記制御部は、前記撮像部が前記マークを撮像する際に、前記照明光が照射された前記背景板を撮像した結果に基づいて、前記照明光の明るさを調整する制御を行うように構成されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−236374(P2012−236374A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107808(P2011−107808)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】