説明

厚さ検出装置

【課題】光透過性を有する被検出対象物の厚さを反射光に基づいて検出する装置において、反射光の照射領域の中心位置が確実に検出できるように構成された厚さ検出装置を提供する。
【解決手段】光透過性を有する被検出対象物の厚さをその表面及び裏面からの反射光に基づいて検出するにあたり、表面反射光及び裏面反射光のCCDへの照射領域の中心位置を各反射光ごとに検出し、得られた中心位置に基づいて被検出対象物の厚さを検出するようになっている。そして、中心位置の検出においては、まずその検出対象となる反射光の照射領域において、受光レベルが基準レベルを超過する範囲(裏面側:S1〜S2、表面側:S3〜S4)を検出し、この超過する範囲における中点位置を算出する。そして、その算出された中点位置に基づいて、その反射光の照射領域の中心位置を検出することとなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚さ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、ガラスなどの透明体の厚さを検出する装置として特開平10−197212号に示すようなものが提供されている。この公報に示される厚さ検出装置は、受光素子としてCCDが用いられており、透明体の表面からの反射光と裏面からの反射光がそのCCDにそれぞれ受光されるように構成されている。そして、表面及び裏面の反射位置に対応してCCD上での反射光の受光位置が定まるようになっており、表面及び裏面の各反射光の照射領域において、受光レベルがピークに達するピーク位置をそれぞれ検出し、それらピーク位置に基づいて透明体の厚さを検出するといった方法を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように反射光の受光レベルの検出を行う場合には、反射光の受光信号をノイズと区別するため、反射光の受光レベルが一定の下限レベル(即ち、基準レベル)以上となるように調整する必要があり、表面反射光及び裏面反射光の双方の照射領域における受光レベルがこの閾値を超えるように調整しなければならない。
【0004】
しかしながら、図6の、曲線Aにて示される受光レベル曲線のように、表面反射光と裏面反射光の反射光量が大幅に異なるような場合、両方の反射光が共に基準レベルを超えるように設定すると、反射光量の大きいほうの受光レベルが、判定可能なレベル範囲の上限値(即ち、飽和レベル)に達してしまう場合がある。このような飽和レベルに達すると、ピーク値が判定不能となるため、どの位置にピークが存在するのかが不明となり、反射面の位置検出が行えなくなってしまう。この具体例としては、例えば、ガラスなどの被検出対象物がアルミなどの高反射率の物体上に配置された状態で厚さ検出が行われるような場合を挙げることができ、この場合、裏面からの反射光はその高反射率の物体からの反射光の影響を受けて、表面からの反射光にくらべて大幅に大きな受光レベルとなる。
【0005】
一方、曲線Bのように、裏面反射光のピークレベルが飽和しないように投光手段による投光量、あるいは受光信号を増幅する増幅回路の増幅率を調整することも考えられる。曲線Bは、反射光量の大きい裏面側のピークレベル(ピーク点PB1のレベル)が飽和レベル以下となるように投光量や増幅率を調整した場合について示すものであるが、このようにすると、裏面反射光よりも光量が大幅に小さい表面反射光のピークレベル(ピーク点PB2のレベル)が基準レベル以下となるような場合が生じ、反射光の受光信号とノイズとの区別が困難となる。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光透過性を有する被検出対象物の厚さを反射光に基づいて検出する装置において、反射光の照射領域の中心位置が確実に検出できるように構成された厚さ検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
光透過性を有する被検出対象物に向けて斜め方向から光を照射する投光手段と、
前記被検出対象物の表面からの表面反射光と、裏面からの裏面反射光をそれぞれ受光するCCDと、
このCCD上での位置毎の受光レベルを示す受光信号を出力する信号出力手段と、
この信号出力手段により出力された受光信号を増幅する増幅手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光に基づく増幅された受光信号のそれぞれのピーク値が所定の基準レベル以上となるように、前記投光手段の投光量又は前記増幅手段の増幅率を調整する調整手段と、
前記増幅手段により増幅された受光信号に基づいて、前記表面反射光及び前記裏面反射光の前記CCDへの照射領域の中心位置を各反射光ごとに検出する中心位置検出手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光の双方における前記CCDへの照射領域の中心位置に基づいて前記被検出対象物の厚さを検出する厚さ検出手段とを備え、
前記中心位置検出手段は、前記表面反射光及び前記裏面反射光の双方の反射光の前記中心位置を検出する際に、前記受光レベルが、前記基準レベルと同一又は前記基準レベルより大きい所定の判定レベルを超過するCCD上の範囲を各反射光ごとに検出するとともに、この超過するCCD上の範囲における中点位置をそれぞれ算出し、さらに、それら算出された中点位置に基づいて、双方の反射光の前記CCDへの照射領域の中心位置を検出するように構成されているところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明では、前記中心位置検出手段は、前記表面反射光又は前記裏面反射光のうちの一方の反射光の前記中心位置を検出する際に、その検出対象とする反射光の受光レベルが、前記基準レベルと同一又は前記基準レベルより大きい所定の判定レベルを超過するCCD上の範囲を検出するとともに、この超過するCCD上の範囲における中点位置を算出する算出処理を行うようになっており、
前記中心位置の検出対象となる反射光において、受光信号のピークレベルが前記増幅手段の飽和レベル未満の場合には、そのピークレベルに達するピーク位置と、前記判定レベルを超過するCCD上の範囲における前記算出処理にて算出された中点位置との双方の平均位置に基づいて前記照射領域の中心位置を決定し、
一方、その検出対象となる反射光における照射領域の一部の位置において、受光信号のレベルが前記飽和レベルに達している場合には、前記判定レベルを超過するCCD上の範囲における前記算出処理にて算出された中点位置を前記照射領域の中心位置として定めるように機能するところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
上記請求項1の構成によれば、反射光の照射領域における受光レベルのピーク値が、飽和レベルを超えるような事態が生じたとしても検出不能となることなく確実にその照射領域の中心位置を決定できることとなる。特に、表面反射光と裏面反射光の受光量に大きな差が生じるような場合、双方の反射光を所定の下限レベル(即ち、ノイズとの判別が可能となる基準レベル)以上となるように調整すると、反射光量の大きい側が飽和レベル(即ち、受光レベルが検出可能となる上限レベル)に達してしまう可能性があるが、本発明によれば受光レベルが飽和レベルを超えた状態でも中心位置が検出可能であるため、受光レベルを抑えるような調整をする必要がなく、表面反射光及び裏面反射光の両方の受光レベルが基準レベルを超えるように調整しさえすれば確実に照射領域の中心位置が検出できることとなる。
【0010】
<請求項2の発明>
請求項2の構成では、反射光の照射領域において、受光信号のピーク位置と、受光信号が所定の判定レベルを超える範囲の中点位置との平均をとるようにしているため、反射光の照射領域の中心位置をより一層精度高く検出することができ、仮に照射領域のピーク位置が検出できないような事態が生じたとしても、中点位置を照射領域の中心位置を定めるようにしているため、確実に照射領域の中心位置が定まる装置構成となる。
【0011】
請求項1及び請求項2の具体的構成として以下のようにしてもよい。
即ち、基準レベルと判定レベルを同一とし、この基準レベルを超過する範囲の中点位置に基づいて反射光の照射領域の中心位置を求めるようにすることができる。このように、判定レベルと基準レベルを同一のものとすることにより、表面及び裏面の反射光が基準レベルを超えるように設定しさえすれば表面及び裏面の中心位置が確実に検出できることとなるため設定が容易となり、1つのレベル値に基づいて、ノイズに対する受光信号の区別と、中点位置の検出との両方が行えることとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図4を参照しつつ説明する。
まず、図1のブロック図を参照し、本発明に係る厚さ検出装置の構成について説明する。
図1に示すように、厚さ検出装置1は、光透過性を有する被検出対象物9に向けて斜め方向から光を照射する投光手段2と、被検出対象物9の表面9Aからの表面反射光と、裏面9Bからの裏面反射光をそれぞれ受光する受光手段としてのCCD5を備えた構成をなしている。投光手段2は、例えばレーザ光等を照射する投光素子3とそれを駆動する図示しない駆動回路により構成されており、この投光素子3が被検査対象物に対して斜め方向から光を照射するように構成される。なお、図1では、被検査対象物9の下方において、その表面11Aが高反射率とされた高反射率材11(例えば、アルミ等の金属材料からなる板材等)が配置された例を示しており、表面9Aからの反射光よりも裏面9Bからの反射光のほうが大幅に光量が大きくなっている。
【0013】
また、CCD5としては1次元CCDラインセンサや、或いは2次元の受光領域を有する2次元CCDなどを適用可能であり、このCCD5において画素毎に生成される信号がCCD駆動回路4によって読み出される。この、CCD駆動回路4は、CCD5の受光面5A上での位置毎(具体的にはセル毎)の受光レベルを示す受光信号を出力する信号出力手段として機能し、出力された受光信号が増幅手段6により増幅されることとなる。さらに、この増幅手段5にはサンプルホールド回路7が接続されており、サンプルホールド回路7からの出力値はCPU8に取り込まれるようになっている。
【0014】
このように構成された厚さ検出装置1は、表面反射光及び裏面反射光の照射領域において、ピーク値が所定の基準レベル以上となるように、投光手段2の投光量又は増幅手段6の増幅率を調整し、その増幅手段6により増幅された受光信号に基づいて、表面反射光及び裏面反射光のCCD5への照射領域の中心位置を各反射光ごとに検出する。そして、それら表面反射光及び裏面反射光の双方におけるCCD5への照射領域の中心位置に基づいて被検出対象物9の厚さを検出することとなる。なお、本実施形態においては、図1におけるCPU8が、増幅率の調整手段、中心位置検出手段、及び厚さ検出手段として機能するようになっており、この具体的機能に付いては後述する。
【0015】
次に、被検出対象物の厚さを検出する処理の流れについて説明する。
まず、初期設定として、図2に示すように投光量(或いは増幅率)の設定を行う。この設定においては、表面反射光及び裏面反射光に基づくピークレベルが所定の基準レベル以上となるように、投光手段2の投光量又は増幅手段6の増幅率を調整する。なお、図2の例では、投光量或いは増幅率が小さい状態からこれら一方又は両方を徐々に上げていく方法を用いている。そして、S200にて両面の受光レベルが基準レベル以上であるか(より具体的には両面のピークレベルがともに基準レベルを超えているか)否かを判断し、基準レベルに満たないようであれば投光量或いは増幅率をUPする(S210)。そして、両反射光の受光レベルが基準レベル以上となった場合には初期設定を終了する。
【0016】
S200における基準レベル以上であるかの判定については、例えば、反射光の受光レベルを位置毎にスキャンを行い、受光レベルが基準レベル以上となる領域がいくつあるかを検出することにより判定できる。図4(a)の例では、S1からS2の間の領域と、S3からS4までの領域が基準レベルを超えており、表面及び裏面の双方の反射光において受光レベルが基準レベルを超える領域が存在しているものと判断できる。即ち、このような超過領域が2つあるか否かを検出することにより両反射光の受光レベルが共に基準レベルを超えているか否かが判明することとなる。一方、基準レベルを超える領域が1つのみの場合(図6の曲線Bのような場合)には片方の反射光の受光レベルが基準レベルに達していないものと判断される。
【0017】
そして、このような初期設定が終了した後、図2のフローチャートに示すような表面反射光及び裏面反射光の中心位置をそれぞれ検出する処理を行う。
本実施形態において、中心位置検出処理は、反射光のCCD5における受光レベルが所定の判定レベルを超過する範囲を検出し、そのCCD5における超過範囲の中点位置(言いかえれば、CCD5における超過範囲の重心位置)に基づいて照射領域の中心位置を検出するようにしている。さらに、本実施形態の例では、図4に示すように、基準レベルがこの判定レベルを兼ねており、表面反射光の照射領域と、裏面反射光の照射領域において基準レベルを超える範囲を検出し、その基準レベルを超える範囲の中点位置を検出するようにしている。
【0018】
具体的には、まず、S110のように、その超過する範囲の端点として、裏面反射光の受光レベルが、基準レベル以下から基準レベル以上となる位置S1と、基準レベル以上から基準レベル以下となる位置S2を求め、同様に、表面反射光の受光レベルが基準レベル以下から基準レベル以上となる位置S3と、基準レベル以上から基準レベル以下となる位置S4を抽出する。
【0019】
そして、得られた端点の位置(S1,S2,S3,S4)に基づいて、表面反射光の照射領域において判定レベルを超過する範囲(位置S1〜位置S2)の中点位置SX、及び裏面反射光の照射領域において判定レベルを超過する範囲(位置S3〜S4)の中点位置SYを以下の演算式により求める。
SX=(S1+S2)/2、
SY=(S3+S4)/2
そして、このようにして得られたそれぞれの中点位置SX、SYに基づいて、各反射光の照射領域の中心位置を定めることとなる。
【0020】
中点位置に基づく中心位置の定め方としては以下のように行うことができる。
図4(b)の裏面反射光のように、中心位置の検出対象となる反射光において、受光信号のピークレベルが増幅手段の飽和レベル未満の場合には、そのピークレベルに達するピーク位置SPと、判定レベルを超過する範囲の中点位置SX(上記演算式参照)との双方の平均位置に基づいて照射領域の中心位置を決定するようにしている。なお、この平均位置としては、ピーク位置SPと中点位置SXの重心点を用いることができる。なお、図4(b)では中点位置SXの図示を省略しているが、S1とS2の中点であるため、ピーク位置SPとほぼ同じ位置となる。一方、図4(a)の裏面反射光にて示すように、その検出対象となる反射光における照射領域の一部の位置において、受光信号のレベルが飽和レベルに達している場合には、判定レベルを超過する範囲の中点位置(ここでは上記演算式によるSX)を照射領域の中心位置として定めるようにしている。
【0021】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図5を参照しつつ説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成の装置を用いているが、中心位置の決定方法が異なっているため、装置構成の説明は省略し、その中心位置の決定方法について説明する。
図5(a)及び(b)では、判定レベルと基準レベルを異なるようにして中心位置の検出を行う方法を示している。図5(a)の例では、飽和レベルを判定レベルとして用いた例を示しており、反射光の照射領域において飽和レベルに達した領域の中点位置を検出しその中点位置を照射領域の中心位置として定めるような方法を用いている。また、図5(b)の例では、基準レベルと飽和レベルとの間において、これらレベルとは異なる判定レベルを設けるようにして、この判定レベルを超過する範囲の領域の中点位置を検出するようにしている。このように判定レベルを基準レベルよりも高いレベルとして別に設けるようにすれば、基準レベルよりもよりピークレベルに近い位置で中点検出できるようになるため、超過範囲の中点がよりピーク位置に近いものとなり精度が高められるという利点がある。
【0022】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態においては、裏面側に高反射率材料が配置された形態を示したが、これに限定されるわけではなく、表面と裏面の反射率が異なるような被検査対象物であれば有効である。例えば、被検査対象物内部における光透過性が低いような場合、表面反射光の受光レベルが裏面反射光の受光レベルよりも大幅に大きいことが考えられる。このようなものを被検査対象とした場合有効である。
(2)上記実施形態においては、CCD上での受光レベルに基づいて中心位置を検出するようにしているが、CCD上での受光レベルに所定のノイズ除去処理(例えばフィルタ処理等)を行い、得られたノイズ除去後の信号に基づいて、上記実施形態にて示されるような中心位置検出処理を行うようにしてもよい。
(3)上記実施形態においては、表面反射光及び裏面反射光の双方において、照射領域の受光レベルが所定の判定レベルを超える範囲を求め、その中点位置を求めるようにしたが、いずれか一方の反射光のみの照射領域に対してそのような中点位置を検出するようにしてもよい。例えば、図5(a)に示すように、一方の反射光の照射領域についてはピーク位置を中心位置として定め、他方の反射光の照射領域については中点位置、又は中点位置とピーク位置との平均位置を中心位置として定めるようにしてもよい。図5(a)では、表面反射光についてはピーク位置SQを中心位置として定めており、裏面反射光についてはS1とS2の中点位置SX(上記演算式参照)を照射範囲の中心位置として定めている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1実施形態にかかる厚さ検出装置を概念的に示すブロック図
【図2】
厚さ検出処理の初期設定の流れを示すフローチャート
【図3】
厚さ検出処理の流れを示すフローチャート
【図4】
第1実施形態における中心位置検出方法を説明する説明図
【図5】
本発明の第2実施形態にかかる厚さ検出装置での中心位置検出方法を説明する
説明図
【図6】
従来における中心位置検出方法を説明する説明図
【符号の説明】
1…厚さ検出装置
2…投光手段
4…CCD駆動回路(信号出力手段)
5…CCD(受光手段)
6…増幅回路(増幅手段)
8…CPU(調整手段、中心位置検出手段、厚さ検出手段)
9…透明体(被検査対象物)
11…高反射率材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する被検出対象物に向けて斜め方向から光を照射する投光手段と、
前記被検出対象物の表面からの表面反射光と、裏面からの裏面反射光をそれぞれ受光するCCDと、
このCCD上での位置毎の受光レベルを示す受光信号を出力する信号出力手段と、
この信号出力手段により出力された受光信号を増幅する増幅手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光に基づく増幅された受光信号のそれぞれのピーク値が所定の基準レベル以上となるように、前記投光手段の投光量又は前記増幅手段の増幅率を調整する調整手段と、
前記増幅手段により増幅された受光信号に基づいて、前記表面反射光及び前記裏面反射光の前記CCDへの照射領域の中心位置を各反射光ごとに検出する中心位置検出手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光の双方における前記CCDへの照射領域の中心位置に基づいて前記被検出対象物の厚さを検出する厚さ検出手段とを備え、
前記中心位置検出手段は、前記表面反射光及び前記裏面反射光の双方の反射光の前記中心位置を検出する際に、前記受光レベルが、前記基準レベルと同一又は前記基準レベルより大きい所定の判定レベルを超過するCCD上の範囲を各反射光ごとに検出するとともに、この超過するCCD上の範囲における中点位置をそれぞれ算出し、さらに、それら算出された中点位置に基づいて、双方の反射光の前記CCDへの照射領域の中心位置を検出することを特徴とする厚さ検出装置。
【請求項2】
光透過性を有する被検出対象物に向けて斜め方向から光を照射する投光手段と、
前記被検出対象物の表面からの表面反射光と、裏面からの裏面反射光をそれぞれ受光するCCDと、
このCCD上での位置毎の受光レベルを示す受光信号を出力する信号出力手段と、
この信号出力手段により出力された受光信号を増幅する増幅手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光に基づく増幅された受光信号のそれぞれのピーク値が所定の基準レベル以上となるように、前記投光手段の投光量又は前記増幅手段の増幅率を調整する調整手段と、
前記増幅手段により増幅された受光信号に基づいて、前記表面反射光及び前記裏面反射光の前記CCDへの照射領域の中心位置を各反射光ごとに検出する中心位置検出手段と、
前記表面反射光及び前記裏面反射光の双方における前記CCDへの照射領域の中心位置に基づいて前記被検出対象物の厚さを検出する厚さ検出手段とを備え、
前記中心位置検出手段は、前記表面反射光又は前記裏面反射光のうちの一方の反射光の前記中心位置を検出する際に、その検出対象とする反射光の受光レベルが、前記基準レベルと同一又は前記基準レベルより大きい所定の判定レベルを超過するCCD上の範囲を検出するとともに、この超過するCCD上の範囲における中点位置を算出する算出処理を行うようになっており、
前記中心位置の検出対象となる反射光において、受光信号のピークレベルが前記増幅手段の飽和レベル未満の場合には、そのピークレベルに達するピーク位置と、前記判定レベルを超過するCCD上の範囲における前記算出処理にて算出された中点位置との双方の平均位置に基づいて前記照射領域の中心位置を決定し、
一方、その検出対象となる反射光における照射領域の一部の位置において、受光信号のレベルが前記飽和レベルに達している場合には、前記判定レベルを超過するCCD上の範囲における前記算出処理にて算出された中点位置を前記照射領域の中心位置として定めることを特徴とする厚さ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2004−93206(P2004−93206A)
【公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−251386(P2002−251386)
【出願日】平成14年8月29日(2002.8.29)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】