説明

厚さ測定装置、及び厚さ測定方法

【課題】距離検出器の設定位置に変位があっても、短時間で、測定誤差の補正が可能な厚さ測定装置、及び厚さ測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板3と、検出部1を移動させる移動機構部2と、検出部を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部4と、を備え、位置設定部は、「校正」指令を移動機構部に送り、検出部を「測定位置」から「校正位置」に移動させ、予め設定された第1の厚さ部と第2の厚さ部との校正位置信号を厚さ演算部5に送り、厚さ演算部は、第1の厚さ部及び第2の厚さ部の厚さを求め、夫々の基準厚さとの差を求めて、「測定位置」で求めた厚さを補正し、厚さ校正板を固定し、検出部を移動させて、予め設定された第1及び第2の距離検出器の設定位置の変位による測定誤差を補正するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の鋼板などの厚さを、レーザビームを用いた距離検出器を使用して測定する厚さ測定装置、及び厚さ測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板などの各種素材の形状や製品などの厚さ測定装置として、レーザビームによる距離検出器を使用した装置が普及している。この装置は搬送されている被測定物の厚さをその搬送方向において連続して測定するものである。
【0003】
この厚さ測定装置は、従来からの放射線を使用した厚さ計に比べて、特別の安全管理が不要で、測定するビームが小さくできるので、厚さの変化を高分解能で測定することが可能である。そのため、被測定物の端部近傍の急激な形状変化を精度良く計測したいとする分野で利用されている。
【0004】
この距離検出器を用いた厚さ測定装置200の構成例を図6に示す。図6において、厚さ測定装置200の検出部1は、被測定物10を挟んで、C形フレームの互いに対向する腕部の上部1a、下部1bの、夫々に置かれたレーザ発振器を用いた三角測量の原理の基づく距離検出器11及び距離検出器12で、夫々の距離検出器と被測定物10の間の距離L1及び、距離L2を夫々求め、距離検出器の間の設定距離Lを予め入力して置き、この設定距離L、及び求めた距離L1、L2から被測定物10の厚さtを、t=L−(L1+L2)として、演算により厚さを求めるものである。
【0005】
このような厚さ測定装置200は、校正板と呼ばれる、厚さの基準となる校正片を使用して、定期的な厚さ測定値の校正を行っている。
【0006】
しかしながら、C形フレームのような構造の検出部1は、距離検出器の支持機構である長い腕部(1a、1b)に何らかの外力が加わったり、周囲温度や設置場所の振動が加わったりするなどの環境の変化によって、被測定物10に対して鉛直方向の距離検出器間の設定距離Lや、距離検出器11、及び距離検出器12の光軸の角度がドリフトする問題が有った。
【0007】
そこで、このドリフトを除くために一定のインターバルで校正片をC形フレームの空間に高速度で設定して、校正する校正装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3880909号公報(図1、第1頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されたようなC形フレームを備える厚さ測定装置200の検出部1においては、図7に示すように、距離検出器11、及び距離検出器12の支持機構であるC形フレームの長い腕部(1a、1b)の環境の変化によって、距離検出器間の設定距離Lの変化(ΔL)や、被測定物10の表面に対して鉛直方向に設定される距離検出器の測定軸Lmの角度変化(Δθ)が発生して誤差が生じる。
【0010】
詳細には、設定距離Lの変化(ΔL)は、図8(b)に示すように、その値ΔLそのものが誤差となる。また、光軸Lmの角度変化(Δθ)による誤差は、図8(c)に示すように被測定物10の厚さtに比例した誤差となる。
【0011】
しかしながら、従来の校正片による校正方法では、光軸Lmの傾斜を補正する機能を備えていないので、被測定物10の厚さtと相関性のある光軸Lmの角度変化(Δθ)による誤差が補正できない問題が有る。
【0012】
また、上述した厚さ測定装置200の校正は、測定位置(オンライン位置)にある検出部1を、一旦、校正動作が可能な位置(オフライン位置)に退避させ、その後に校正を行う必要があるため校正時間が長くなる問題がある。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、距離検出器を用いた厚さ測定装置において、距離検出器の設定位置に変位があっても、短時間で厚さ測定値の誤差補正が可能な厚さ測定装置、及び厚さ測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、実施例の厚さ測定装置は、被測定物をその搬送方向と直交する方向から挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の上部に配置され、該被測定物の表面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第1の距離検出器と、前記被測定物を挟む前記C形フレームの上下の互いに対向する腕部の下部に配置され、該被測定物の裏面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第2の距離検出器と、を備える検出部と、前記第1の距離検出器の出力及び前記第2の距離検出器の出力から厚さを求める厚さ演算部と、を備える厚さ測定装置であって、前記検出部は、前記被測定物の搬送方向と直交する方向の一方の退避位置方向において、前記第1の距離検出器と前記第2の距離検出器の測定範囲内に固定設定される、予め設定された異なる基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板と、前記退避位置方向と、当該退避位置方向と反対の測定位置方向とに前記検出部を移動させる移動機構部と、前記移動機構部には前記厚さ校正板の前記第1の厚さ部と第2の厚さ部の「校正位置」及び「測定位置」を検出する位置検出センサとを備え、当該位置検出センサの信号から、前記移動機構部に対して、前記検出部を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部と、を備え、前記位置設定部は、「校正」指令を前記移動機構部に送り、前記移動機構部は、当該「校正」指令で前記検出部を予め設定される速度で前記「測定位置」から前記「校正位置」に移動させ、さらに、前記位置検出センサからの信号で、予め設定された前記第1の厚さ部と第2の厚さ部との校正位置信号を前記厚さ演算部に送り、前記厚さ演算部は、前記第1の厚さ部及び前記第2の厚さ部の厚さを求め、夫々の前記基準厚さとの差を求めて、前記「測定位置」で求めた厚さを補正し、前記厚さ校正板を固定し、前記検出部を移動させて、予め設定された前記第1及び第2の距離検出器の設定位置の変位による測定誤差を補正するようにしたことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、実施例の厚さ測定装置の厚さ測定方法は、被測定物をその搬送方向と直交する方向から挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の上部に配置され、該被測定物の表面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第1の距離検出器と、前記被測定物を挟む前記C形フレームの上下の互いに対向する腕部の下部に配置され、該被測定物の裏面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第2の距離検出器と、を備える検出部と、前記第1の距離検出器の出力及び前記第2の距離検出器の出力から厚さを求める厚さ演算部と、を備える厚さ測定装置であって、前記検出部は、前記被測定物の搬送方向と直交する方向の一方の退避位置方向において、前記第1の距離検出器と前記第2の距離検出器の測定範囲内に固定設定される、予め設定された異なる基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板と、前記退避位置方向と、当該退避位置方向と反対の測定位置方向とに前記検出部を移動させる移動機構部と、前記移動機構部には前記厚さ校正板の前記第1の厚さ部と第2の厚さ部の「校正位置」及び「測定位置」を検出する位置検出センサとを備え、当該位置検出センサの信号から、前記移動機構部に対して、前記検出部を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部と、を備え、前記位置設定部は、「校正」指令を前記移動機構部に送り、前記移動機構部は、当該「校正」指令で前記検出部を予め設定される速度で前記「測定位置」から前記「校正位置」に移動させ、さらに、前記位置検出センサからの信号で、予め設定された前記第1の厚さ部と第2の厚さ部との校正位置信号を前記厚さ演算部に送り、前記厚さ演算部は、前記「測定位置」で厚さxを求め、前記「校正位置」で求めた前記第1の厚さ部の厚さの平均値m1、前記第2の厚さ部の厚さの平均値m2を求め、また、予め設定された前記第1の厚さ部の基準厚さg1、前記第2の厚さ部の基準厚さg2とすると、補正後の厚さyは、m2>x>m1として、y=((g2−g1)/(m2−m1))・(x−m1)+g1として求め、前記厚さ校正板を固定し、前記検出部を移動させて、予め設定された前記第1及び第2の距離検出器の設定位置の変位による測定誤差を補正するようにしたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1の厚さ測定装置の構成図。
【図2】実施例1の厚さ測定装置の動作原理を説明する図。
【図3】実施例1の厚さ測定装置の動作を説明するタイムチャート。
【図4】実施例2の厚さ測定装置の構成図。
【図5】実施例2の厚さ測定装置の動作を説明するタイムチャート。
【図6】従来の厚さ測定装置の構成図。
【図7】従来の厚さ測定装置の測定誤差を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1乃至図4を参照して、実施例1の厚さ測定装置100について説明する。先ず、図2を参照して、本発明の測定原理を説明する。図7に示したように、検出部1の構成が、C形フレームの腕部に光学的な距離検出器を用いて厚さを測定する厚さ測定装置100においては、被測定物10の表面に鉛直方向からレーザビームを照射して距離を測定している。
【0019】
このような厚さ測定装置100においては、図7で説明したように距離検出器間の設定距離Lが変位(ΔL)したり、距離検出器のレーザビームの光軸が変位(Δθ)したりすることにより、測定誤差が発生する。
【0020】
このような誤差を短時間で補正するため、本発明の測定原理は、異なる厚さの校正板を、距離検出器間に設定し、測定中の検出器1を被測定物10搬送方向と直交する退避方向に移動させるとともに、この退避経路上に置かれた校正板の厚さの一定長の平均値を測定して補正するものである。
【0021】
即ち、予め定める一定長の異なる2つの基準厚さ(g1、g2)の校正板を固定位置に設け、検出器1を移動させながら厚さを測定する。この測定値をm1、m2とする。すると、この状態で測定した厚さ測定値xは、下記(1)式で求められる。
y=(g2−g1)/(m2−m1)・(x−m1)+g1・・・・・(1)
但し、g2>x>g1とする。
【0022】
このような校正方法によれば、何らかの原因により検出器1が変形したり、外力により変形したりしたことを検知した場合、検出器1を退避方向に移動させる。
【0023】
この場合、厚さ基準となる厚さ校正板を移動させること無く、検出器の移動機構を利用して、検出器1を退避方向に移動するだけで、測定した厚さの誤差補正を補正することができる。
【0024】
通常、厚さ測定装置100においては、予め基準厚さにより作成された厚さの校正テーブルを初期値として備え、被測定物10の厚さを連続して測定しているが、上述したように、何らかの原因により設定位置の変化があることを検知した場合、その測定値の誤差の補正は、直ちに短時間での補正することが可能となる。
【0025】
次に、このような測定原理に基づく実施例1の構成について図1を参照して説明する。
【0026】
図1は、被測定物10をその搬送方向と直交する方向から挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の上部1aに配置され、該被測定物10の表面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第1の距離検出器11と、被測定物10を挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の下部1bに配置され、該被測定物の裏面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第2の距離検出器12と、を備える検出部1と、第1の距離検出器11の出力及び第2の距離検出器12の出力から厚さを求める厚さ演算部5とを備える。
【0027】
さらに、検出部1は、被測定物10の搬送方向と直交する方向の一方の退避位置方向において、第1の距離検出器11と第2の距離検出器12の測定範囲内に固定設定される、予め設定された異なる基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板3と、退避位置方向と、当該退避位置方向と反対の測定位置方向とに検出部1を移動させる移動機構部2と、移動機構部2には前記厚さ校正板の第1の厚さ部と第2の厚さ部の「校正位置」及び「測定位置」を検出する位置基準板40を含む位置検出センサ41、42、43とを備え、当該位置検出センサの信号から、移動機構部2に対して、検出部1を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部4と、を備える。
【0028】
次に各部の詳細について説明する。移動機構部2は、検出部1を乗せ、測定位置から校正位置に退避させる場合のレール21と、検出部1の下部に設けられる複数の車輪23と、車輪23を「測定位置」方向及び「退避位置方向」の前後に回転させる図示しない駆動モータを備える駆動部22と、を備える。
【0029】
また、位置設定部4は、検出部1の位置を検出するためレール21上に設ける位置基準板40と、検出部1に設けられ、この位置基準板40で検出部1に自身の位置を検知して「測定位置」及び「校正位置」を検出する、夫々の位置検出センサ41、及び位置検出センサ42、43とを備える。
【0030】
そして、図3のタイムチャートに示すように、位置検出部4は、駆動部22に対して、測定指令信号s1、校正指令信号s2を送り、更に、駆動部22が検出部1を予め設定される移動速度信号s3を移動させ、位置検出センサ41、42、43から夫々の検出信号を受信して、「測定位置」信号s4、「校正位置」信号s5、s6を生成して厚さ測定部5に送る。
【0031】
また、厚さ校正板3は、夫々が、移動方向に長さLwで、その長さLwでの平均厚さがg1、g2として異なる基準厚さを設定するもので、例えば、被測定物10の表面性状に近似した粗さや反射率を備え、経時変化しにくい金属板等で生成しておく。
【0032】
また、厚さ演算部5は、距離検出器11と距離検出器12の距離信号と、予め定められる図示しない校正基準片とで生成される図示しない厚さの校正テーブルを予め備え、位置設定部4から送られる「測定位置」信号s4を受信して被測定物10の厚さを測定して図示しない記憶部に一次記憶してゆく。
【0033】
そして、「校正位置」信号s5、s6を受信した場合、記憶した厚さ測定値xは、上述した(1)式の演算の実行し、その厚さ測定値xを補正する。
【0034】
次に、このように校正された、厚さ測定装置100の動作を、図3を参照して説明する。
【0035】
先ず、位置設定部4は、駆動部22に対して校正指令信号s1と移動速度信号s3を指定して送る。すると、駆動部22は、図示しないモータを駆動して車輪23を測定位置の方向に回転し、検出器1を測定位置に移動させる。
【0036】
そして、位置設定部4は、位置検出センサ41が「測定位置」となったことを検出すると、駆動部22にモータの駆動の停止を指令し、位置設定部4は「測定位置」信号s4を厚さ演算部5送り、厚さ演算部5は測定を開始する。
【0037】
検出部1の停止位置は、駆動部22自身が制御することも可能である。
【0038】
次に、被測定物10の厚さ測定中に、または、厚さ測定装置100の検出部1に対して校正の要求があると、厚さ測定装置100の操作員は、位置設定部4を操作して校正指令信号s2を駆動部22に送る。
【0039】
すると、駆動部22は、検出部1を退避方向に移動する。退避方向に移動中位置検出センサ42、43が作動すると、位置設定部4は「校正位置」信号s5、s6を厚さ演算部5に送り、厚さ演算部5に校正の演算動作を指令する。
【0040】
ここで、校正位置信号s5、s6の信号幅tDW、校正位置信号s5、s6間の信号幅tは、厚さ校正板3の基準厚さg1、g2部分の移動方向の長さLw、及びその基準厚さ間の距離Lsに相当し、予め設定される厚さ校正板3の厚さ基準となる厚さ部の長さLwとその表面性状は、検出部1の移動速度において厚さ平均値のバラツキが予め定められる値の範囲内となるように設定しておく。
【0041】
厚さ演算部5は、位置設定部4から送信された「校正位置」信号s5、s6を受信して、この信号幅tDWの間の厚さの平均値m1、m2を求め、上述した(1)式により、求めた厚さ測定値xを補正する。
【0042】
このような実施例の厚さ測定装置によれば、検出器の設定位置の異常を何らかの要因で検出した場合、検出部を退避位置に移動することで、測定した厚さの補正が短時間で可能となる。
【実施例2】
【0043】
図4、図5を参照して、実施例2について説明する。実施例2の各部について、実施例1と同一部分は同じ符号を付しその説明を省略する。実施例2が実施例1と異なる点は、実施例1においては、厚さ校正板3は、異なる基準厚さを設定するものであったが、実施例2においては、さらに、この厚さ校正板3を格納する格納ケース31を備えるようにしたことにある。
【0044】
詳細には、位置設定部4は、位置検出センサ42、43から格納ケース開,閉の信号を図示しない格納ケース31の駆動部に送り、この駆動部は、位置検出センサ42を受信して予め格納ケース31を開状態として、その状態で厚さ校正板3の校正位置信号s7、s8を生成し、更に、位置検出センサ43から格納ケース閉信号を生成する。
【0045】
即ち、位置検出センサ42、43から、厚さ校正板3を使用する期間のみ格納ケースからを使用し、その他の期間においては、格納ケースに収納して、厚さ校正板3の経時変化を防止するようにしたので、光学的測定装置である距離検出器の厚さ校正板の品質を長期間安定して使用することが出来る。
【0046】
尚、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 検出部
1a 腕部の上部
1b 腕部の下部
11 第1の距離検出器
12 第2の距離検出器
2 移動機構部
21 レール
22 駆動部
23 車輪機構部
3 厚さ校正板
31 格納ケース
4 位置設定部
40 位置基準板
41 位置検出センサ
42 位置検出センサ
43 位置検出センサ
5 厚さ演算部
10 被測定物
100、200 厚さ測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物をその搬送方向と直交する方向から挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の上部に配置され、該被測定物の表面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第1の距離検出器と、前記被測定物を挟む前記C形フレームの上下の互いに対向する腕部の下部に配置され、該被測定物の裏面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第2の距離検出器と、を備える検出部と、
前記第1の距離検出器の出力及び前記第2の距離検出器の出力から厚さを求める厚さ演算部と、を備える厚さ測定装置であって、
前記検出部は、前記被測定物の搬送方向と直交する方向の一方の退避位置方向において、前記第1の距離検出器と前記第2の距離検出器の測定範囲内に固定設定される、予め設定された異なる基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板と、
前記退避位置方向と、当該退避位置方向と反対の測定位置方向とに前記検出部を移動させる移動機構部と、
前記移動機構部には前記厚さ校正板の前記第1の厚さ部と第2の厚さ部の「校正位置」及び「測定位置」を検出する位置検出センサとを備え、当該位置検出センサの信号から、前記移動機構部に対して、前記検出部を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部と、
を備え、
前記位置設定部は、「校正」指令を前記移動機構部に送り、前記移動機構部は、当該「校正」指令で前記検出部を予め設定される速度で前記「測定位置」から前記「校正位置」に移動させ、
さらに、前記位置検出センサからの信号で、予め設定された前記第1の厚さ部と第2の厚さ部との校正位置信号を前記厚さ演算部に送り、
前記厚さ演算部は、前記第1の厚さ部及び前記第2の厚さ部の厚さを求め、夫々の前記基準厚さとの差を求めて、前記「測定位置」で求めた厚さを補正し、
前記厚さ校正板を固定し、前記検出部を移動させて、予め設定された前記第1及び第2の距離検出器の設定位置の変位による測定誤差を補正するようにしたことを特徴とする厚さ測定装置。
【請求項2】
前記厚さ演算部は、前記「測定位置」で求めた厚さをxとし、前記「校正位置」で求めた前記第1の厚さ部の厚さの平均値、前記第2の厚さ部の厚さの平均値を、夫々、m1、m2(m2>m1)、また、予め設定された第1の厚さ部の基準厚さg1、第2の厚さ部の基準厚さg2とすると、
補正後の厚さyは、m2>x>m1として、
y=((g2−g1)/(m2−m1))×(x−m1)+g1
として求めるようにした請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項3】
更に、前記厚さ校正板は、格納ケースを備え、
前記位置設定部は、前記「校正」指令後、前記位置検出センサからの信号で、前記厚さ校正板の手前で前記格納ケースを「開」、前記厚さ校正板を通過後に「閉」とする格納ケースの開閉を指令するようにした請求項1に記載の厚さ測定装置。
【請求項4】
被測定物をその搬送方向と直交する方向から挟むC形フレームの上下の互いに対向する腕部の上部に配置され、該被測定物の表面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第1の距離検出器と、前記被測定物を挟む前記C形フレームの上下の互いに対向する腕部の下部に配置され、該被測定物の裏面に対して垂直方向からレーザビームを照射して該被測定物との距離を求める第2の距離検出器と、を備える検出部と、
前記第1の距離検出器の出力及び前記第2の距離検出器の出力から厚さを求める厚さ演算部と、を備える厚さ測定装置であって、
前記検出部は、前記被測定物の搬送方向と直交する方向の一方の退避位置方向において、前記第1の距離検出器と前記第2の距離検出器の測定範囲内に固定設定される、予め設定された異なる基準厚さを有する第1の厚さ部と第2の厚さ部を備える校正板と、
前記退避位置方向と、当該退避位置方向と反対の測定位置方向とに前記検出部を移動させる移動機構部と、
前記移動機構部には前記厚さ校正板の前記第1の厚さ部と第2の厚さ部の「校正位置」及び「測定位置」を検出する位置検出センサとを備え、当該位置検出センサの信号から、前記移動機構部に対して、前記検出部を予め定める一定長さの「校正位置」、及び予め定められる「測定位置」に、移動を指令する位置設定部と、
を備え、
前記位置設定部は、「校正」指令を前記移動機構部に送り、前記移動機構部は、当該「校正」指令で前記検出部を予め設定される速度で前記「測定位置」から前記「校正位置」に移動させ、
さらに、前記位置検出センサからの信号で、予め設定された前記第1の厚さ部と第2の厚さ部との校正位置信号を前記厚さ演算部に送り、
前記厚さ演算部は、前記「測定位置」で厚さxを求め、
前記「校正位置」で求めた前記第1の厚さ部の厚さの平均値m1、前記第2の厚さ部の厚さの平均値m2を求め、
また、予め設定された前記第1の厚さ部の基準厚さg1、前記第2の厚さ部の基準厚さg2とすると、補正後の厚さyは、m2>x>m1として、
y=((g2−g1)/(m2−m1))・(x−m1)+g1
として求め、
前記厚さ校正板を固定し、前記検出部を移動させて、予め設定された前記第1及び第2の距離検出器の設定位置の変位による測定誤差を補正するようにしたことを特徴とする厚さ測定装置の厚さ測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−229955(P2012−229955A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97468(P2011−97468)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】