説明

受光レンズの配置方法、および光学式変位センサ

【課題】光学式変位センサにおいて、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことを可能とする受光レンズの配置方法を提供することである。
【解決手段】光学式変位センサ10は、投光モジュール9と、投光モジュール9からの光による測定対象物16からの反射光を受光する受光素子13と、測定対象物16と受光素子13との間に位置して、反射光を受光素子13に結像する受光レンズ14とを備える。測定対象物16で光が反射する位置は、投光モジュール9の光軸L上において、光源11に近い第一の位置PN1から光源11から離れた第二の位置PF1までの所定の範囲Wである。そして、第一の位置PN1から受光レンズ14に入射する反射光の入射角θ1と、第二の位置PF1から受光レンズ14に入射する反射光の入射角θ2とが、同じ角度になるように、受光レンズ14を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、受光レンズの配置方法、および光学式変位センサに関するものであり、特に、三角測量の原理を用いて測定対象物の変位を測定する光学式変位センサ、およびこのような光学式変位センサに用いられる受光レンズの配置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光学式変位センサが、例えば、特開2008−145160号公報(特許文献1)に開示されている。図7は、特許文献1に開示されているような従来の光学式変位センサ100を示す図である。図7を参照して、光学式変位センサ100は、測定対象物106に対して光を照射する光源としてのレーザダイオード101a、およびレーザダイオード101aからの光を集光する投光レンズ101bを含む投光モジュール101と、投光モジュール101からの光が測定対象物106で反射することにより、その反射光を受光面103aで受光するCCD103と、反射光をCCD103の受光面103aに結像する受光レンズ104とを備える。
【0003】
光学式変位センサ100は、レーザダイオード101aから測定対象物106に向けて光を照射すると、照射した光が測定対象物106で反射して、受光レンズ104を介して、その反射光をCCD103の受光面103aが受光することにより、この受光した像の位置に基づいて、測定対象物106の変位を測定する。
【0004】
そして、投光モジュール101、CCD103、および受光レンズ104は、シャインプルーフの条件を満たすように調整して配置されている。具体的には、CCD103の受光面103aは所定の幅Wを有しており、受光面103aが反射光を受光可能な範囲となる測定対象物106の反射位置は、投光モジュール101の光軸、すなわち投光軸L上で、所定の幅Wを有することとなる。すなわち、この所定の幅Wは、光学式変位センサ100における測定対象物106の測定範囲となる。そして、所定の幅Wの反射位置と、受光面103aと、受光レンズ104の主面104aとを延長した線が一点Dで交わるように、すなわち、シャインプルーフの条件を満たすように調整して配置されている。これにより、所定の幅Wのどの位置で反射した反射光であっても、結像の際に受光面103aでピントが合うようになる。なお、ここでは、説明のために、受光レンズ104を薄肉レンズと見なしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−145160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1に開示されているような従来の光学式変位センサ100においては、受光レンズ104の中心を通る受光レンズ104の光軸、すなわち受光軸L´が、所定の幅W(測定範囲)の中心を通るようにして配置されている。すなわち、この中心は、受光軸L´と投光軸Lとが交差する交差点P´であり、レーザダイオード101aに近い第一の位置PN1から交差点P´までの距離a´と、レーザダイオード101aから離れた第二の位置PF1から交差点P´までの距離b´とは、同じ距離である。
【0007】
しかしながら、このような配置では、第一の位置PN1からの反射光の入射角(画角)θ1´と第二の位置PF1からの反射光の入射角(画角)θ2´とが異なる大きさとなる。すなわち、画角θ1´は、画角θ2´より大きくなる。したがって、受光面103aにて結像する際にコマ収差が生じると、第一の位置PN1からの反射光による像と第二の位置PF1からの反射光による像とで、画角の違いによってコマ収差の影響度が異なり、像のボケ具合に差が生じてしまう。すなわち、画角が大きい第一の位置PN1からの反射光による像は、コマ収差の影響を大きく受けることとなる。その結果、測定対象物106の位置に応じて、光学式変位センサ100の測定精度に偏りを生じる虞がある。
【0008】
図8は、従来における投光軸L上のレーザダイオード101aからの距離と、光学式変位センサ100における測定誤差との関係を示すグラフである。図8を参照して、第一の位置PN1における誤差Eは、第二の位置PF1における誤差Eより大きくなっている。
【0009】
この発明の目的は、光学式変位センサにおいて、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことを可能とする受光レンズの配置方法を提供することである。
【0010】
この発明の他の目的は、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことができる光学式変位センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る受光レンズの配置方法は、光学式変位センサに用いられる受光レンズの配置方法である。光学式変位センサは、測定対象物に対して光を照射する投光モジュールと、投光モジュールからの光による測定対象物からの反射光を受光する受光素子とを備える。受光レンズは、測定対象物と受光素子との間に位置して、反射光を受光素子に結像する。投光モジュールと受光素子と受光レンズとは、シャインプルーフの条件を満たすように配置されている。そして、測定対象物で光が反射する位置は、投光モジュールの光軸上において、投光モジュールに近い第一の位置から投光モジュールから離れた第二の位置までの所定の範囲であり、配置方法は、第一の位置から受光レンズに入射する反射光の入射角と、第二の位置から受光レンズに入射する反射光の入射角とが、同じ角度になるように、受光レンズを配置する。
【0012】
こうすることにより、第一の位置からの反射光の入射角と第二の位置からの反射光の入射角とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、第一の位置からの反射光の入射角を小さくすることができる。そうすると、第一の位置からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置からの反射光による像と第二の位置からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物の位置に応じて、光学式変位センサの性能に偏りを生じることなく、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【0013】
好ましくは、受光レンズは、非球面レンズを含む。こうすることにより、受光素子にて結像する際に、球面収差を抑制することができる。
【0014】
さらに好ましくは、受光レンズは、受光レンズの光軸が、所定の範囲の中心と受光レンズの中心とを結ぶ線に対して、所定の角度傾斜するように配置されている。
【0015】
この発明の他の局面においては、測定対象物に対して光を照射する投光モジュールと、投光モジュールからの光による測定対象物からの反射光を受光する受光素子と、測定対象物と受光素子との間に位置して、反射光を受光素子に結像する受光レンズとを備える光学式変位センサに関する。投光モジュールと受光素子と受光レンズとは、シャインプルーフの条件を満たすように配置されており、測定対象物で光が反射する位置は、投光モジュールの光軸上において、投光モジュールに近い第一の位置から投光モジュールから離れた第二の位置までの所定の範囲であり、第一の位置から受光レンズに入射する反射光の入射角と、第二の位置から受光レンズに入射する反射光の入射角とは、同じ角度である。
【0016】
こうすることにより、第一の位置からの反射光の入射角と第二の位置からの反射光の入射角とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、第一の位置からの反射光の入射角を小さくすることができる。そうすると、第一の位置からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置からの反射光による像と第二の位置からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物の位置に応じて、光学式変位センサの性能に偏りを生じることなく、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る受光レンズの配置方法は、第一の位置からの反射光の入射角と第二の位置からの反射光の入射角とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、第一の位置からの反射光の入射角を小さくすることができる。そうすると、第一の位置からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置からの反射光による像と第二の位置からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物の位置に応じて、光学式変位センサの性能に偏りを生じることなく、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【0018】
また、この発明に係る光学式変位センサは、第一の位置からの反射光の入射角と第二の位置からの反射光の入射角とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、第一の位置からの反射光の入射角を小さくすることができる。そうすると、第一の位置からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置からの反射光による像と第二の位置からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物の位置に応じて、光学式変位センサの性能に偏りを生じることなく、測定範囲のどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】光学式変位センサの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光学式変位センサの蓋を取り外し、矢印IIの方向から見た場合の平面図である。
【図3】投光レンズを示す斜視図である。
【図4】受光レンズを示す斜視図である。
【図5】光学式変位センサを示す模式図である。
【図6】投光軸上の光源からの距離と、光学式変位センサにおける測定誤差との関係を示すグラフである。
【図7】従来の光学式変位センサを示す図である。
【図8】従来における投光軸上のレーザダイオードからの距離と、光学式変位センサにおける測定誤差との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態に係る光学式変位センサについて説明する。図1は、光学式変位センサ10の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す光学式変位センサ10の蓋33を取り外し、矢印IIの方向から見た場合の平面図である。なお、図2においては、光学式変位センサ10の平面図に加え、測定対象物16も図示している。図1および図2を参照して、光学式変位センサ10は、測定対象物16の変位を測定する。光学式変位センサ10は、略直方体形状の筐体30の内部に、測定対象物16に対して所望のビーム形状の光を照射する投光モジュール9と、投光モジュール9からの光による測定対象物16からの反射光を受光する受光素子13と、測定対象物16と受光素子13との間に位置する受光レンズ14とを備える。投光モジュール9は、光を照射する光源11と、測定対象物16と光源11との間に位置する投光レンズ12とを含む構成である。投光モジュール9、受光素子13、および受光レンズ14は、所定の光学系を構成する。なお、図2中の三点鎖線で、投光モジュール9による照射される光線であり、投光モジュール9の光軸、すなわち投光軸Lと、測定対象物16からの反射光を受光する受光レンズ14の光軸、すなわち受光軸Lとを示している。
【0021】
筐体30は、底部に配置され、光学式変位センサ10の光学系を構成する部材が固定される底面31と、開口部32a,32bを有し、底面31の周縁を取り囲むように配置される側壁32と、底面31に対向して配置される蓋33とを含む。底面31は、平面状であって、その上に光源11等が固定される。側壁32は、図示はしないが、ケーブル等を接続可能な接続部を有する構成である。そして、開口部32aは、受光レンズ14に対向するように設けられており、開口部32bは、投光レンズ12に対向するように設けられている。
【0022】
図3は、投光レンズ12を示す斜視図である。図4は、受光レンズ14を示す斜視図である。図1〜図4を参照して、光源11は、レーザダイオードであって、測定対象物16に対してレーザビームを照射する。投光レンズ12は、レンズを収容するレンズホルダーを含み、光源11から照射された光を集光し、光源11からの光を所定の形状に調整する。受光素子13は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサであって、受光面に測定対象物16からの反射光を受光する。受光面は、複数の受光素子がライン状に配置されている。受光レンズ14は、非球面レンズであって、レンズホルダー15に収容されており、測定対象物16からの反射光を集光して受光面に結像する。受光レンズ14は、受光軸Lが受光レンズ14の中心を通るようにして配置されており、受光レンズ14の主面が、受光軸Lに直交するようにして配置されている。
【0023】
光学式変位センサ10は、投光モジュール9の光源11からレーザビームを照射すると、照射した光が側壁32の開口部32bを介して測定対象物16に到達し、測定対象物16で反射する。そして、測定対象物16からの反射光が側壁32の開口部32aを介して受光レンズ14に入射し、受光レンズ14が反射光を受光面に結像する。そして、結像の際の受光した像の位置を検出する。これにより、光学式変位センサ10は、測定対象物16の投光軸L方向の変位を測定する。
【0024】
ここで、光学式変位センサ10は、投光モジュール9、受光素子13、および受光レンズ14をシャインプルーフの条件を満たすように調整して配置される。図5は、光学式変位センサ10を示す模式図である。図5を参照して、具体的には、光学式変位センサ10は、測定対象物16の変位を測定可能な所定の測定範囲Wを有している。この所定の測定範囲Wは、測定対象物16における光の反射位置16aを示すものであり、投光軸L上の投光モジュール9の光源11に近い第一の位置PN1から、投光モジュール9の光源11から離れた第二の位置PF1までの範囲である。すなわち、測定対象物16における光の反射位置16aは、投光軸L上の所定の測定範囲Wの幅を有する。なお、図5中の点線で、第一の位置PN1の測定対象物16´、および第二の位置PF1の測定対象物16´´を示し、所定の測定範囲Wである光の反射位置16aを太線で示している。そして、所定の測定範囲Wは、例えば20〜30mmである。受光素子13の受光面13aは、所定の測定範囲Wに対応して、投光モジュール9の光源11に近い位置PN2から投光モジュール9の光源11から離れた位置PF2までの所定の幅Wを有する。
【0025】
そして、光学式変位センサ10は、所定の光学系がシャインプルーフの条件を満たすように、すなわち、測定対象物16における反射位置16a(投光軸L)と、受光レンズ14の主面14aと、受光素子13の受光面13aとを延長した線が一点Sで交わるように、調整して配置される。これにより、光学式変位センサ10は、測定範囲Wのどの位置で反射した反射光であっても、結像の際に受光面13aでピントが合うようになる。そして、光学式変位センサ10は、測定範囲Wにおける測定対象物16の変位を測定する。
【0026】
ここで、受光レンズ14は、第一の位置PN1から受光レンズ14に入射する反射光の入射角(画角)θ1と、第二の位置PF1から受光レンズ14に入射する反射光の入射角(画角)θ2とが、同じ大きさの角度となるように配置されている。入射角θ1は、受光軸Lと第一の位置PN1から入射する光線nとが成す角であり、入射角θ2は、受光軸Lと第二の位置PF1から入射する光線fとが成す角である。そして、受光軸Lと投光軸Lとが交差する交差点Pは、所定の測定範囲Wに属しており、第一の位置PN1から交差点Pまでの距離aと、第二の位置PF1から交差点Pまでの距離bとは、異なる距離となる。
【0027】
すなわち、従来においては、図7に示すように、第一の位置PN1から交差点P´までの距離a´と、第二の位置PF1から交差点P´までの距離b´とは、同じである。図5中の一点鎖線で、従来における受光軸L´と受光レンズ14の主面14a´を延長した線とを示している。具体的には、従来における入射角θ1´を小さくするように受光レンズ14を所定の角度傾斜して配置することにより本願発明における入射角θ1とする。すなわち、受光軸Lを受光軸L´に対して、例えば0.5度〜2度の範囲で傾斜するように、受光レンズ14を光源11から離して配置する。受光軸L´は、上記したように、測定範囲Wの中心P´と受光レンズ14の中心とを結ぶ線であり、受光軸Lと、測定範囲Wの中心P´と受光レンズ14の中心とを結ぶ線L´とによって成す傾斜角θ3が、例えば0.5度〜2度となる。
【0028】
ここで、同じ角度とは、全くズレのない同じ角度のみでなく、若干のズレを含むものであり、例えば、入射角θ1が0.5度であるのに対し、入射角θ2が0.6度である場合等、若干のズレを含むものである。すなわち、同じ角度とは、略均等の角度であることを含むものである。すなわち、受光レンズ14を0.5度〜2度の範囲で傾斜させると、入射角θ1と入射角θ2とが同じまたは略均等の角度となり、最適な受光レンズ14の配置となる。そして、コマ収差以外の他の収差、例えば球面収差の影響を小さくしたい場合等に、略均等の角度とすると、最適な受光レンズ14の配置となる。
【0029】
このような受光レンズ14の配置により、第一の位置PN1からの反射光の入射角θ1と第二の位置PF1からの反射光の入射角θ2とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、従来と比較して第一の位置PN1からの反射光の入射角θ1を小さくすることができる。そうすると、第一の位置PN1からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置PN1からの反射光による像と第二の位置PF1からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物16の位置に応じて、光学式変位センサ100の性能に偏りを生じることなく、測定範囲Wのどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【0030】
すなわち、光学式変位センサ10のコマ収差による影響を、第一の位置PN1と第二の位置PF1とでバランスよく揃えて、測定範囲Wにおける測定精度の偏りを抑制することができる。図6は、投光軸L上の光源11からの距離と、光学式変位センサ10における測定誤差との関係を示すグラフである。図6を参照して、第一の位置PN1と第二の位置PF1とで同程度の誤差Eとなっている。したがって、光学式変位センサ10の性能に偏りを生じることなく、測定範囲Wのどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【0031】
また、このような光学式変位センサ10は、第一の位置PN1からの反射光の入射角θ1と第二の位置PF1からの反射光の入射角θ2とを同じ大きさの角度とすることができる。すなわち、従来と比較して第一の位置PN1からの反射光の入射角θ1を小さくすることができる。そうすると、第一の位置PN1からの反射光による像が、コマ収差の影響を大きく受けることはない。また、第一の位置PN1からの反射光による像と第二の位置PF1からの反射光による像とで、結像精度を同じにすることができる。その結果、測定対象物16の位置に応じて、光学式変位センサ100の性能に偏りを生じることなく、測定範囲Wのどの位置においても、測定を適切に行うことができる。
【0032】
また、光学式変位センサ10においては、受光レンズ14に非球面レンズを採用することとしたため、受光素子13にて結像する際に、球面収差においても抑制することができる。
【0033】
なお、上記の実施の形態においては、受光素子13は、CMOSセンサである例について説明したが、これに限ることなく、CCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。
【0034】
また、上記の実施の形態においては、受光レンズ14に非球面レンズを採用する例について説明したが、これに限ることなく、例えば、複数のレンズを組合わせた構成であってもよい。
【0035】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明は、光学式変位センサを製造する際に、有効に用いられる。
【符号の説明】
【0037】
9 投光モジュール、10 光学式変位センサ、11 光源、12 投光レンズ、13 受光素子、13a 受光面、14 受光レンズ、14a 主面、15 レンズホルダー、16 測定対象物、16a 反射位置、30 筐体、31 底面、32 側壁、32a,32b 開口部、33 蓋。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式変位センサに用いられる受光レンズの配置方法であって、
前記光学式変位センサは、測定対象物に対して光を照射する投光モジュールと、前記投光モジュールからの光による前記測定対象物からの反射光を受光する受光素子とを備え、
前記受光レンズは、前記測定対象物と前記受光素子との間に位置して、前記反射光を前記受光素子に結像し、
前記投光モジュールと前記受光素子と前記受光レンズとは、シャインプルーフの条件を満たすように配置されており、
前記測定対象物で光が反射する位置は、前記投光モジュールの光軸上において、前記投光モジュールに近い第一の位置から前記投光モジュールから離れた第二の位置までの所定の範囲であり、
前記配置方法は、
前記第一の位置から前記受光レンズに入射する反射光の入射角と、前記第二の位置から前記受光レンズに入射する反射光の入射角とが、同じ角度になるように、前記受光レンズを配置する、受光レンズの配置方法。
【請求項2】
前記受光レンズは、非球面レンズを含む、請求項1に記載の受光レンズの配置方法。
【請求項3】
前記受光レンズは、前記受光レンズの光軸が、前記所定の範囲の中心と前記受光レンズの中心とを結ぶ線に対して、所定の角度傾斜するように配置されている、請求項1または2に記載の受光レンズの配置方法。
【請求項4】
測定対象物に対して光を照射する投光モジュールと、前記投光モジュールからの光による前記測定対象物からの反射光を受光する受光素子と、前記測定対象物と前記受光素子との間に位置して、前記反射光を前記受光素子に結像する前記受光レンズとを備える光学式変位センサであって、
前記投光モジュールと前記受光素子と前記受光レンズとは、シャインプルーフの条件を満たすように配置されており、
前記測定対象物で光が反射する位置は、前記投光モジュールの光軸上において、前記投光モジュールに近い第一の位置から前記投光モジュールから離れた第二の位置までの所定の範囲であり、
前記第一の位置から前記受光レンズに入射する反射光の入射角と、前記第二の位置から前記受光レンズに入射する反射光の入射角とは、同じ角度である、光学式変位センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−78154(P2012−78154A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222239(P2010−222239)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】