説明

受動光ロケータ

【課題】 ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を生成する受動光ロケータと、遠隔操作アクチュエータとを具備するシステムを提供する。
【解決手段】受動光ロケータ32は、ターゲット50までの距離を示す情報を生成する受動光レンジファインダ85と、当該受動光レンジファインダの光軸の方位角及び仰角を示す情報を生成する少なくとも1つのセンサ60とを備える。受動光ロケータは、当該受動光ロケータに関連する地理的位置を示す情報と、ターゲットまでの距離を示す情報と、光軸の方位角及び仰角を示す情報とを使用して、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を決定する。遠隔操作アクチュエータ200は、受動光ロケータに機械的に結合され、当該システムにおいて受け取られる1つ又は複数の動作命令に従って受動光ロケータの光軸を遠隔に位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を生成する受動光ロケータ(a passive-optical locator)を使用するシステムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年11月8日に出願された「PASSIVE-OPTICAL LOCATOR」という名称の米国特許出願第11/268,938号(代理人整理番号第H0008552−5805号)(本明細書では「H0008552出願」とも呼ぶ)の一部継続出願である。H0008552出願を参照により本明細書に援用する。本出願はまた、本出願と同日に出願された「PASSIVE-OPTICAL LOCATOR」という名称の米国特許出願第11/482,354号(代理人整理番号第H0011688.54711号)(本明細書では「H0011688出願」とも呼ぶ)にも関連する。H0011688出願を参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0003】
[背景]
軍事活動によっては、その間に、1人又は複数の兵士が、たとえば間接射撃システム(indirect fire system)又は上空支援(air support)により発砲されるターゲットの位置を特定し、そのターゲットの地理的位置を射撃管制センタ(fire control center)に又は集中戦術ネットワーク(integrated tactical network)に送信する。そして、射撃管制センタ又は集中戦術ネットワークは、ターゲットの地理的位置を使用してターゲットに対する攻撃を展開する。軍関係者が目標指示器(target designator)を使用してターゲットの地理的座標を決定する。1つのタイプの目標指示器は、オペレータがターゲットの地理的座標を決定するために、ターゲットに対してレーザを当て、ターゲットから散乱する且つ/又は反射する光を受け取ることができるように設計される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうしたレーザは、通常、レーザ光を検出し警報を始動させる敵のセンサによって検出可能である。場合によっては、敵が、ターゲットの地理的位置が決定されていることに気付くと、ターゲットが移動され、隠され、且つ/又は堅固にされる。さらに、敵は、時に、光ビームから目標指示器のオペレータを追跡することができる場合がある。この場合、オペレータは敵のターゲットとなる可能性がある。
【0005】
さらに、こうした目標指示器で使用されるレーザ光の発散により、こうした目標指示器の測定範囲が限られる。範囲が広すぎる場合、レーザのスポットサイズが範囲決定に対して広すぎることになる。このため、こうした目標指示器によっては、オペレータが測距のためには10000メートル以内、ターゲットの適当な指定のためには5000メートル以内にいなければならず、それによってオペレータが戦術的に危険に晒される可能性がある。連合軍作戦、特に非有機的な射撃支援/上空作戦には、タイミング、協調(連携)及び致死性(率)が重要である。戦闘部隊が可能な限り広い(farthest)実際的な範囲でターゲットに関与することが非常に望ましい。
【0006】
さらに、このようにレーザを使用する目標指示器に関連する安全性の問題がある。目標指示器の近くにいるオペレータ又は他の兵士がレーザを直接見ると、その人の網膜は焼ける可能性があり、且つ/又は視覚が他の方法で傷付く可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[概要]
本発明の第1の態様は、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を生成する受動光ロケータと、遠隔操作アクチュエータとを具備するシステムを提供する。受動光ロケータは、ターゲットまでの距離を示す情報を生成する受動光レンジファインダと、当該受動光レンジファインダの光軸の方位角及び仰角を示す情報を生成する少なくとも1つのセンサとを備える。受動光ロケータは、当該受動光ロケータに関連する地理的位置を示す情報と、ターゲットまでの距離を示す情報と、光軸の方位角及び仰角を示す情報とを使用して、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を決定する。遠隔操作アクチュエータは、受動光ロケータに機械的に結合され、当該システムにおいて受け取られる1つ又は複数の動作命令に従って受動光ロケータの光軸を遠隔に位置決めする。
【0008】
本発明の第2の態様は、受動光ロケータにおいて動作命令を受け取ること、受動光ロケータの光軸を位置決めすること、及び動作命令に応じてターゲットの絶対位置を生成することを含む方法を提供する。
【0009】
本発明の第3の態様は、受動光ロケータと遠隔操作アクチュエータとを備えるシステムであって、遠隔操作アクチュエータは本システムにおいて受け取られる1つ又は複数の動作命令によって制御される、システムを提供する。受動光ロケータは、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を生成する。受動光ロケータは、ターゲットまでの距離を示す情報を生成する受動光レンジファインダと、受動光レンジファインダの光軸の方位角及び仰角を示す情報を生成するセンサとを備える。受動光ロケータは、受動光ロケータに関連する地理的位置を示す情報と、ターゲットまでの距離を示す情報と、光軸の方位角及び仰角を示す情報とを使用して、ターゲットに関連する絶対位置を示す情報を決定する。遠隔操作アクチュエータは、受動光ロケータに機械的に結合されることにより、動作命令のうちの少なくとも1つに応じて受動光ロケータの光軸を遠隔に位置決めする。
【0010】
以下において、さまざまな説明されている特徴は、比例尺では描かれておらず、説明されている主題に関する特徴に重きを置くように描かれており、また、図面び文を通して、参照符号は同様の要素を示す点に留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[詳細な説明]
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面を参照し、図面では、特許請求の範囲に記載されている発明を実施し得る特定の例示的な実施形態が例として示されている。これらの実施形態は、当業者が特許請求の範囲に記載されている発明を実施することができるように十分詳細に説明されており、他の実施形態を利用してもよく、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲から逸脱することなく論理的変更、機械的変更、電気的変更を行ってもよい、ということが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定する意味でとられるべきではない。
【0012】
図1は、受動光ロケータ32を使用するシステム10の一実施形態のブロック図である。受動光ロケータ32は、リモートコントローラロケーション230におけるコントローラ235の制御下の遠隔操作アクチュエータ200を含む。遠隔操作アクチュエータ200は、コントローラ235から1つ又は複数の動作命令を受け取る。受動光ロケータ32は、受動光レンジファインダ85、少なくとも1つのセンサ60、無線送受信機220、プログラマブルプロセッサ90、メモリ91、及び記憶媒体130において格納されるか、さもなければ具現化されるソフトウェア120を含む。
【0013】
図1に示す実施形態では、受動光ロケータ32は、軍事用途で配備され、そこでは、ターゲット50の地理的位置を決定するために遠隔操作アクチュエータ200とともに使用されるレーザを使用しない受動光ロケータとして動作する。
【0014】
センサ60は、全地球測位システム/ジャイロスコープ(GPS/GYRO)装置又はサブシステム62及び電子撮像装置又はサブシステム66を含む。GPS/GYRO装置62は、全地球測位システム(GPS)65と統合される1つ又は複数のジャイロスコープ装置(GYRO)73を備える。
【0015】
プログラマブルプロセッサ90は、ソフトウェア120及び/又はファームウェアを実行し、それにより、本明細書において受動光ロケータ32によって実行されるものとして説明される処理の少なくとも一部を実行する。プログラマブルプロセッサ90によって実行されるこうしたソフトウェア120及び/又はファームウェアの少なくとも一部及び任意の関連データ構造は、実行期間中メモリ91に格納される。メモリ91は、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)及び/又はプログラマブルプロセッサ90内のレジスタ等、現在既知であるか又は後に開発される任意の適当なメモリを含む。1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含む。さらに、図1では、プログラマブルプロセッサ90及びメモリ91を別個の要素として示すが、1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90及びメモリ91は、単一デバイス(たとえば、単一集積回路デバイス)に実装される。プログラマブルプロセッサ90によって実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアは、記憶媒体130に格納されるか、さもなければ具現化される複数のプログラム命令を含み、記憶媒体130からは、こうしたプログラム命令の少なくとも一部が、プログラマブルプロセッサ90によって実行されるために読み出される。1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90は、ASIC等のプロセッササポートチップ及び/又はシステムサポートチップを含む。
【0016】
受動光ロケータ32のさまざまな構成要素は、適当なインタフェースを使用して(たとえば、バス、トレース、ケーブル、ワイヤ、ポート、無線送受信機等を使用して)必要に応じて互いに通信可能に結合される。遠隔操作アクチュエータ200は、適当なインタフェースを使用して(たとえば、ギア、ギアボックス、チェーン、カム、電磁装置、液圧装置、気圧装置並びに圧電装置、化学装置及び/又は熱装置を使用して)受動光ロケータ32の受動光レンジファインダ85に機械的に結合される。受動光レンジファインダ85は、受動光ロケータ32からターゲット50までの距離Rを示す情報を生成する。この情報を、本明細書では「距離情報」とも呼ぶ。受動光レンジファインダ85は、ターゲット50がレーザで照明されない受動光方法で距離Rを生成する。他の実施形態では、受動光レンジファインダ85は、他の方法、たとえば受動自動測距(auto-ranging)レンジファインダ、傾斜像平面(tilted image plane)センサレンジファインダ、焦点深度レンジファインダ、電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、及び赤外線撮像ビューワ又は光量増幅撮像ビューワのような技術を含む暗視能力を使用して実装される。本実施形態の1つの態様では、受動光レンジファインダ85は、像合致式(image-coincidence)レンジファインダを含む。市販の電子撮像装置66の例は、Sony社のICX428AKL CCDイメージセンサ、MT9D112 SOC COMSイメージセンサ及びCIDTEC社のSpectra CAMである。
【0017】
1つの態様では、受動光レンジファインダ85によって生成される距離情報を使用して、受動光ロケータ32とターゲット50との間の距離Rが生成される。指示精度、測距精度及び距離精度は、光学系の品質及び性能並びに座標系及びその変換の精度によって制限される。本明細書で使用するように、受動光レンジファインダ85は、受動光レンジファインダ85とターゲット50との間の距離Rを適正に測定するように光学的に配列されるか、さもなければ調整される場合、「焦点が合わされる」又は「焦点が合っている」と言う。
【0018】
センサ60の電子撮像装置66は、受動光レンジファインダ85の焦点が合っている時にターゲット50の画像を示す情報を生成するか、さもなければ出力する。こうした情報を、本明細書では「ターゲット画像情報」とも呼ぶ。
【0019】
GPS/GYRO装置62の1つ又は複数のジャイロスコープ装置73は、受動光レンジファインダ85の光軸35の方位角θ及び仰角φを示す情報を生成する。こうした情報を、本明細書では「方位角及び仰角情報」とも呼ぶ。図1では、こうしたジャイロスコープ装置73を1つしか示さないが、こうした実施形態のさまざまな態様において1つ又は複数のジャイロスコープ装置73が使用される、ということが理解されるべきである。こうした実施形態の1つの態様では、ジャイロスコープ装置73は、方位角及び仰角情報を生成する慣性航法システムを備える。こうした実施形態の別の態様では、ジャイロスコープ装置73は加速度計を備える。
【0020】
GPS/GYRO装置62のGPS65は、受動光ロケータ32に関連する絶対位置を示す情報を生成するか、さもなければ出力する。こうした情報を、本明細書では「GPS情報」とも呼ぶ。こうした実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32に関連するGPS情報は、受動光ロケータ32の緯度Lat、経度Long及び高度Altを含む。GPS65は、差動GPS(DGPS)等のさまざまなGPSの態様を含む。図1にはジャイロスコープ装置73及び全地球測位システム65を単一の統合装置のGPS/Gyro装置62として示すが、他の態様では、全地球測位システム65及びジャイロスコープ装置73は、さらに2つの別個の装置を使用して実装される。プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120及び/又はファームウェアは、ターゲット50に関連する絶対位置を示す情報(本明細書では「ターゲット位置情報」とも呼ぶ)を決定するために、GPS情報、距離情報並びに方位角及び仰角情報を処理する。ターゲット位置情報は、ターゲット50の緯度Lat、経度Long及び高度Altによって定義される。ターゲット位置情報は、受動光レンジファインダ85とターゲット50との間の距離Rと、受動光レンジファインダ85の光軸35の方位角θ及び仰角φと、受動光ロケータ32の絶対位置との1つ又は複数の三角関数関係を使用して生成される。1つの態様では、こうした三角関数関係は、H0008552出願に記載されている較正技法を使用して確立され且つ/又は補正される。
【0021】
本実施形態の別の態様では、電子撮像装置66は携帯式(man-packed)撮像装置を含む。本実施形態のさらに別の態様では、電子撮像装置66は、画像画質向上、処理、再生及び機械支援ターゲット測距及び/又は識別を実装する。さらに別の実施形態では、位置センサ/姿勢センサ/位置決めセンサが、直接結合システム構成、疎結合システム構成又は非結合システム構成でGPS/GYRO装置62の機能を実行する、磁気コンパス、レベル検出器、加速度計、位置決めフィードバックループ、距離計等を含む、センサ一式を実装する。
【0022】
図1の受動光ロケータ32の実施形態の1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90は、無線送受信機220による送信のためにターゲット50に関連するターゲット位置情報を出力する。本実施形態の1つの態様では、無線送受信機220は、コントローラロケーション230においてディスプレイ225に表示されるようにコントローラ235にターゲット位置情報を送信する。本明細書において、コントローラロケーション230を、「遠隔地230」及び「第1の遠隔地230」と呼ぶ。
【0023】
ディスプレイ225は、遠隔地230におけるコントローラ235のオペレータに対しターゲット50の絶対位置の視覚的指示を提供する。こうした実施形態の1つの態様では、ディスプレイ225は、ターゲット緯度Lat、ターゲット経度Long及びターゲット高度Altの値を示す。別の態様では、ディスプレイ225は、受動光ロケータ32からの距離R、方位角θ及び仰角φの値を示す。他の態様では、ターゲット50の絶対位置を示す情報が他の様式で表示される。
【0024】
本実施形態の別の態様では、プログラマブルプロセッサ90は、コントローラロケーション230においてディスプレイ225に表示されるようにコントローラ235にターゲット画像情報を出力する。ディスプレイ225は、遠隔地230におけるコントローラ235のオペレータに対しターゲット50の画像を提供する。
【0025】
図1の受動光ロケータ32の実施形態のさらに別の態様では、無線送受信機220は、第2の遠隔地240に、ディスプレイ245に表示されるようにターゲット位置情報を送信する。ディスプレイ245は、上述したように第2の遠隔地におけるディスプレイ245のオペレータに対しターゲット50の絶対位置の視覚的指示を提供する。
【0026】
図1に示す実施形態では、無線送受信機220は、ターゲット50の絶対位置を示す情報及び/又はターゲット50の画像を示す情報の少なくとも一部を受動光ロケータ32から通信リンク71によりリモートコントローラ235に通信する。通信リンク71は、無線通信リンクの1つ又は複数(たとえば、無線周波数(RF)通信リンク)を含む。安全な通信が望まれるこうした実施形態の適用の場合、こうした情報を受動光ロケータ32及びコントローラ235から通信するために、自動制御、暗号化、周波数ホッピング及びスペクトラム拡散隠蔽に対する1つ又は複数の適当なプロトコルが使用される。
【0027】
こうした実施形態の1つの態様では、ターゲット位置情報及び/又はターゲット画像情報は、受動光ロケータ32から無線送受信機220及び通信リンク71を介してコントローラ235に通信される。こうした態様では、プロセッサは、こうしたターゲット位置情報及び/又はターゲット画像情報を処理するソフトウェア(コントローラロケーション230には図示せず)を実行するコントローラ235に含まれる。本実施形態の別の態様では、コントローラ235は、ディスプレイ225にターゲット50の画像の一部を表示し且つ/又はその画質を向上させるためにターゲット画像情報を処理するソフトウェア(コントローラロケーション230には図示せず)を実行する。
【0028】
代替実施形態では、ターゲット位置情報は受動光ロケータ32において生成されない。代りに、距離情報、方位角及び仰角情報並びにGPS情報が、受動光ロケータ32から無線送受信機220を介してリモートコントローラ235に通信され、リモートコントローラ235は、こうした距離情報、方位角及び仰角情報並びにGPS情報を使用して(たとえば、コントローラ235のプロセッサ(図示せず)で実行されているソフトウェアを使用して)、ターゲット50に関する絶対位置を生成する。
【0029】
図1に示す実施形態では、リモートコントローラ235は集中戦術ネットワークの一部である。集中戦術ネットワークは、軍事活動のための通信、指令、制御及び情報機能に対して使用される広域ネットワーク(WAN)を含む。集中戦術ネットワークは、射撃任務及び空襲を指示する間接射撃管制センタ(indirect fire control center)25及び前線航空管制官(forward air controller)を統合する。図1に示すように、リモートコントローラ235は、集中戦術ネットワークの一部である。リモートコントローラ235は、ターゲット50に対するターゲット位置情報及び/又はターゲット画像情報を、通信リンク72により射撃管制センタ25に通信する。射撃管制センタ25は、ターゲット50に向かう弾道26に兵器(図示せず)を配備するように動作可能である。
【0030】
本実施形態の別の態様では、リモートコントローラ235は、ターゲット50のターゲット位置情報及び/又はターゲット画像情報を、通信リンク69により第2の遠隔地のディスプレイ245に通信する。本実施形態の別の態様では、無線送受信機220は、ターゲット50のターゲット位置情報及び/又はターゲット画像情報を、通信リンク67により第2の遠隔地のディスプレイ245に通信する。本実施形態のさらに別の態様では、受動光ロケータ32はディスプレイを有する。
【0031】
1つの態様では、受動光ロケータ32及び遠隔操作アクチュエータ200は、遠隔操作陸上車両に搭載される。別の態様では、受動光ロケータ32及び遠隔操作アクチュエータ200は、遠隔操作航空機に搭載される。たとえば、受動光ロケータを、気球等、空気よりも軽い航空機に含めることができる。さらに別の態様では、受動光ロケータ32及び遠隔操作アクチュエータ200は、遠隔操作水中又は水上の(water-based)乗物に搭載される。たとえば、受動光ロケータを、ブイもしくは別の風力船又は潮力船に含めることができる。
【0032】
通信リンク67、69、72は、無線通信リンク(たとえば無線周波数(RF)通信リンク)及び/又は有線通信リンク(たとえば光ファイバ又は銅線通信リンク)のうちの1つ又は複数を含む。安全な通信が望まれるこうした実施形態の適用の場合、こうした情報をコントローラ235から射撃管制センタ25に通信するために、自動制御、暗号化、周波数ホッピング及びスペクトラム拡散隠蔽に対する1つ又は複数の適当なプロトコルが使用される。本実施形態の別の態様では、通信リンク67、69、72は、音響リンクを含む。遠隔操作受動光ロケータ32の自律性は、「無動力の(dumb)」サーボ機構から完全自律ユニットまで広範囲にわたる。
【0033】
図2は、受動光ロケータ32が第1の遠隔地250に向かって移動するブロック図を示す。受動光ロケータ32から遠隔に位置するコントローラ235が、通信リンク71を介して動作命令を受動光ロケータ32に送信する。遠隔操作アクチュエータ200は、コントローラ235から受け取られる動作命令のうちの少なくとも1つに応じて受動光ロケータ32の光軸35を遠隔に位置決めするように、受動光ロケータ32に機械的に結合される。
【0034】
受動光ロケータ32は、ロボットハウジング210の一部分として遠隔操作アクチュエータ200に機械的に結合される車輪202を備える陸上車両201中にある。受動光レンジファインダ85は、遠隔操作アクチュエータ200に機械的に結合される。本実施形態の1つの態様では、遠隔操作アクチュエータ200は、ロボットハウジング210内に且つ/又はその上に収容される構成要素をX249によって概括的に表す位置からXX250によって概括的に表す位置まで横方向に移動するように駆動するために、ロボットハウジング210の上記部分に機械的に結合される。車輪202は、遠隔操作アクチュエータ200に機械的に連結される。この場合、遠隔操作アクチュエータ200は車輪202を回転させ、ロボットハウジング210は前方又は後方に進む。さらに、遠隔操作アクチュエータ200は、車輪202を保持する少なくとも1つの車軸(axel)(図示せず)が回転し、ロボットハウジング210が前方又は後方に進む際に向きを変えるように、陸上車両を操作する。
【0035】
本実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32は自走式である。本実施形態の別の態様では、受動光ロケータ32は、移動する能力を提供する機械的脚又はホバークラフト機構を含む。
【0036】
受動光ロケータ32は、コントローラ235から通信リンク71を介して信号としての動作命令を受け取る。信号に応じて、プログラマブルプロセッサ90(図1)は、受動光レンジファインダ32を第1の位置249から第2の位置250まで矢印15によって示す方向に横方向に移動させるように車輪202を回転させるように、遠隔操作アクチュエータ200を操作する。プログラマブルプロセッサ90(図1)は、光軸35の仰角が、35Aとして示す位置における0度での第1の仰角と35Bとして示す位置におけるφOA1度での第2の仰角との間で連続的に変化するように、遠隔操作アクチュエータ200を操作する。このため、図2に示すように、車両201が第2の位置250に向かって移動する間に、光軸35は、位置35Aから位置35Bまで上方に回転する。
【0037】
本実施形態の1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90は、無線送受信機220から信号を受け取り、受動光レンジファインダ85の光軸35が第1の方位角θから第2の方位角θまで回転するように遠隔操作アクチュエータ200を操作する。本実施形態の別の態様では、プログラマブルプロセッサ90は無線送受信機220から信号を受け取り、受動光レンジファインダ85の光軸35が第1の方位角θ及び第1の仰角φから第2の方位角θ及び第2の仰角φまで回転するように遠隔操作アクチュエータ200を操作する。本実施形態のさらに別の態様では、プログラマブルプロセッサ90は無線送受信機200から信号を受け取り、受動光レンジファインダ28が第1の位置249から第2の位置250まで横方向に移動するように、且つ受動光レンジファインダ85の光軸35が第1の方位角θ及び第1の仰角φから第2の方位角θ及び第2の仰角φまで回転するように、遠隔操作アクチュエータ200を操作する。
【0038】
受動光レンジファインダ85及び/又は光軸35が移動すると、電子撮像装置66(図1)に新たな像が集束される。本実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32及び遠隔操作アクチュエータ200は、コントローラロケーション230から遠隔のエリアにおいてターゲット50を偵察するように動作する。
【0039】
本明細書では、図1に関連して軍事用途について説明するが、受動光ロケータ32を、商用用途を含む他の用途に使用することができる、ということが理解されるべきである。
【0040】
1つの例示的な使用シナリオでは、位置が特定される対象は、山腹で道に迷った人である。この使用シナリオでは、受動光ロケータ32及び遠隔操作アクチュエータ200は、捜索救難部隊の一部として配備される。コントローラ235は、遠隔操作アクチュエータ200を介して受動光レンジファインダ85の或る現場まで行く横方向の移動を指示し、その現場から、コントローラ235は、光軸35を、ターゲットである山のエリアの走査を提供するように移動させる。受動光ロケータ32が山腹に焦点を合わせると、ターゲット画像情報が通信リンク71を介してコントローラ235に送信され、山の「ターゲット」の画像が、コントローラロケーション230においてコントローラ235のユーザが見るためにディスプレイ225に表示される。それらの画像は、表示において少なくとも1つの地点の地理的位置を含む。別法として、ターゲット画像情報は、第2の場所のディスプレイ245に通信リンク67を介して送信され、それにより、山の「ターゲット」の画像が、ディスプレイ245のユーザが見るためにディスプレイ225に表示される。いずれの場合も、受信された表示のうちの1つにおいて取り残された人が見られる場合、受動光ロケータ32はその人に焦点を合わせてその人の地理的位置を決定することができる。他の用途には、地理測量、土木工学、及びナビゲーションがある。
【0041】
図3は、ターゲットの絶対位置を決定し遠隔地230においてターゲット50の画像を表示するための方法300の一実施形態のフローチャートである。方法300の実施形態を、図1の受動光ロケータ32を使用して実装されるものとして説明する。こうした実施形態では、方法300の処理の少なくとも一部は、受動光ロケータ32及び/又はGPS/GYRO装置62又は受動光レンジファインダ85のプログラマブルプロセッサ90上で実行されるソフトウェアによって遂行される。
【0042】
ブロック302において、受動光ロケータ32は動作命令を受け取る。無線送受信機220は、こうした動作命令が符号化されるか、さもなければ含まれる無線信号を受け取り、受け取った動作命令(又はそれを示すデータ)をプログラマブルプロセッサ90に入力する。本実施形態の1つの態様では、動作命令は、受動光ロケータ32に対し第1の遠隔地250(図2)等の遠隔地まで行かせる命令を含む。本実施形態の別の態様では、動作命令は、光軸を異なる方位角θ及び仰角φに位置合せするために受動光ロケータ32に対し受動光レンジファインダ85を回転させる命令を含む。本実施形態のさらに別の態様では、動作命令は、受動光ロケータ32に対し、第1の遠隔地250(図2)等の遠隔地まで行くようにさせ、且つ光軸を異なる方位角θ及び仰角φに位置合せするために受動光レンジファインダ85を回転させる命令を含む。
【0043】
ブロック304において、遠隔操作アクチュエータ200は、受動光ロケータ32の光軸35を位置決めする。プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、受け取った信号に応じて遠隔操作アクチュエータ200を起動し、それにより遠隔操作アクチュエータ200は光受動光レンジファインダ85を移動させる。光軸35の位置決めは、光軸35の方位角θを第1の方位角θから第2の方位角θまで変化させること、光軸35の仰角φを第1の仰角φから第2の仰角φまで変化させること、光軸35の方位角θを第1の方位角θと第2の方位角θとの間で連続的に変化させること、光軸35の仰角φを第1の仰角φと第2の仰角φとの間で連続的に変化させること、光軸35の緯度LatOA及び光軸35の経度LongOA等の光軸35の位置を第1の位置(LatOA1、LongOA1)から第2の位置(LatOA2、LongOA2)まで変化させること、光軸35の位置(LatOA、LongOA)を第1の位置(LatOA1、LongOA1)と第2の位置(LatOA2、LongOA2)との間で連続的に変化させること、及びそれらの組合せのうちの1つを含む。
【0044】
光軸35が位置決めされると、受動光レンジファインダ85は、受動光レンジファインダ85の視野においてターゲット50に焦点を合わせる。ブロック306において、受動光ロケータ32は、動作命令に応じてターゲット50の絶対位置を生成する。受動光ロケータ32は、H0008552出願に記載されているようにターゲット50の絶対位置(Lat、Long及びAlt)を生成する。
【0045】
受動光レンジファインダ85は、距離情報を生成し、こうした距離情報(或いはそれを示すデータ若しくは信号又は距離情報を計算するか若しくは他の方法で生成することができるデータ若しくは信号)を、プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120に出力する。そして、プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、受動光レンジファインダ85の光軸35の方位角θ及び仰角φを示す情報と、受動光ロケータ32の絶対位置を示す情報とを、GPS/GYRO装置62から受け取る。そして、プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、受動光レンジファインダ85とターゲット50との間の距離Rと、受動光レンジファインダ85の光軸35の方位角θ及び仰角φと、受動光ロケータ32の絶対位置との1つ又は複数の三角関数関係を使用して、ターゲット50の絶対位置(Lat、Long及びAlt)を示す情報を生成する。受動光レンジファインダ85は、H0008552出願に記載されている較正技法を使用して較正される。
【0046】
ターゲット50の像からの光は、電子撮像装置66に入射する。電子撮像装置66は、電子撮像装置66の各撮像素子(図示せず)において信号を生成する。これらの信号は、ターゲット50の画像を示す情報である。
【0047】
ブロック308において、プログラマブルプロセッサ90は、ターゲット50の画像を示す情報を受け取る。プログラマブルプロセッサ90は、無線送受信機220に通信可能に結合されており、プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、ターゲット50の画像を示す情報(又はこうした画像情報の「圧縮」バージョン等、そこから導出される情報)の少なくとも一部を無線送受信機220に送出する。
【0048】
ブロック310において、無線送受信機220は、ターゲット50の絶対位置(Lat、Long及びAlt)を示す情報を遠隔地230(図1)に送信する。ターゲット50の絶対位置(Lat、Long及びAlt)を示す情報は、通信リンク71を介して送信される。本実施形態の1つの態様では、無線送受信機220は、ターゲットの絶対位置(Lat、Long及びAlt)を示す情報を、通信リンク67を介して遠隔地240(図1)に送信する。
【0049】
ブロック312において、無線送受信機220は、ターゲット50の画像を示す情報を遠隔地230(図1)に送信する。ターゲット50の画像を示す情報は、通信リンク71を介して送信される。本実施形態の1つの態様では、無線送受信機220は、ターゲット50の画像を示す情報を、通信リンク67を介して遠隔地240(図1)に送信する。
【0050】
ブロック314において、コントローラ235上で実行されているソフトウェアは、遠隔地230において、無線送受信機220から受け取られる情報から導出されるターゲット50の画像(又は他の視覚表現)を表示する。本実施形態の1つの態様では、ディスプレイ245のプロセッサ上で実行されているソフトウェアは、遠隔地240においてターゲット50の画像を表示する。
【0051】
図4は、現場における受動光ロケータ32の態様のブロック図である。図4の受動光ロケータ32の動作を、図1に示す受動光ロケータ32に関連して説明する。図4に示すように、ターゲット50は、固定された位置52を包囲する領域51によって概括的に示される現場である。現場51の像を走査するために、受動光レンジファインダ85(図1)の光軸35は、35Cとして示す第1の位置から第1の例示的な方位角θを通り、北方向Nを通過し、第2の例示的な方位角θを通って35Dとして示す第2の位置まで回転する。本実施形態の1つの態様では、受動光レンジファインダ85(図1)の光軸35は、電子撮像装置66(図1)が現場51の画像を示す情報を生成する間に第1の位置35Cから第2の位置35Dまで、再び第1の位置35Cに戻るように連続的に回転する。
【0052】
受動光ロケータ32は、現場51の画像を示す情報から現場51の画像を生成し、逐次生成される画像を比較する。図5A乃至図5Cは、それぞれ例示的な現場51の例示的な連続した第1の画像55、第2の画像56、及び第3の画像57である。例示的な第1の画像55、第2の画像56及び第3の画像57は、川という固定された位置52の後方の丘を表す。ソフトウェア120は、第1の画像55の後に、且つ受動光レンジファインダ85の光軸35が受動光レンジファインダ85の視野の右縁に向かって走査した後、第2の画像56を生成する。第1の画像55及び第2の画像56は類似しており、それらの間に予測されなかった変化はない。水の流れと一貫する川の水の移動は予測可能である。本実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32は、第1の画像55及び第2の画像56の画像を生成する角度を通して事前に走査しており、前の画像から丘の形状は予測可能である。本実施形態の別の態様では、第1の位置35Cから第2の位置35Dまでの光軸35の第1の走査中に生成される現場51の画像を示す情報は、現場51の後続する走査中に比較するためにメモリ91に格納される。
【0053】
第2の画像56の後に第3の画像57が生成される。プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、第2の画像56の後に、且つ受動光レンジファインダ85の光軸35が受動光レンジファインダ85の視野の右縁に向かって走査した後に第3の画像57を生成する。ソフトウェア120は、現場51の第3の画像57の少なくとも一部58における予測されなかった変化を決定する。例示的な第3の画像57は、画像57の一部58に、丘を上る車両の画像を含む。無線送受信機220(図1)は、少なくとも予測されなかった変化が発生した現場51の画像57の部分58を示す情報を送信する。本実施形態の1つの態様では、無線送受信機220(図1)は、第3の画像57の車両が位置する部分58の絶対位置を示す情報を送信する。
【0054】
本実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32は、倍率を上げて部分58に焦点を合わせ、プログラマブルプロセッサ90は、部分58の車両の拡大画像を示す情報を遠隔地240に送信する。この例示的な態様では、部分58における車両の拡大画像は、第2の遠隔地240においてディスプレイ245の観察者が見るためにディスプレイ245に表示される。このように、遠隔地240に位置するディスプレイ245は、予測されなかった変化が発生した現場51の部分58の少なくとも1つの画像57を表示する。
【0055】
本実施形態の1つの態様では、受動光ロケータ32は、現場51における少なくとも1つの予測されなかった変化に応じて、コントローラロケーション230(図1)及び第2の遠隔地240等の遠隔地に警告信号を送信する無線送受信機220を備える。
【0056】
図6は、現場51における予測されなかった変化を示す情報を送信し遠隔地230において現場51の画像57を表示する方法600の一実施形態のフローチャートである。方法600の実施形態を、図2に示すような遠隔地250の配備の後に図1の受動光ロケータ32を使用して図4の現場51を撮像するように実装されているものとして説明する。こうした実施形態では、方法600の処理の少なくとも一部は、受動光ロケータ32、電子撮像装置66、無線送受信機220及び/又はGPS/GYRO装置62又は受動光レンジファインダ85のプログラマブルプロセッサ90上で実行されるソフトウェア、によって遂行される。
【0057】
ブロック602において、無線送受信機220は、コントローラ235から、遠隔地230からの動作命令が符号化されるか、さもなければ含まれる無線信号を受け取る。無線信号は、コントローラロケーションのコントローラ235から通信リンク71を介して送信される。
【0058】
ブロック604において、動作命令は、プログラマブルプロセッサ90によって処理される。無線送受信機220は、受け取った無線信号から動作命令を抽出し、それらの動作命令をプログラマブルプロセッサ90に通信し、プログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120は、そのプログラマブルプロセッサ90上で実行されているソフトウェア120が順次使用するための動作命令を格納する(たとえば、メモリ91に且つ/又は記憶媒体130に)。その後、プログラマブルプロセッサ90上で実行されるソフトウェア120は、動作命令を処理し、動作命令の内容に基づいて1つ又は複数の動作を実行する(又は実行されるようにする)。
【0059】
ブロック606において、プログラマブルプロセッサ90で実行しているソフトウェア120は、受け取った動作命令に従って、受動光ロケータ32を第1の遠隔地250(図2)まで移動させる。ブロック606の1つの例示的な態様では、動作命令は、受動光ロケータ32が固定された位置52(図4)の視線内にある遠隔地250まで移動すべきであることを示す命令を含む。ソフトウェア120は、受動光ロケータ32の現在位置から遠隔地250まで進むために移動する必要のある方向を決定する。本実施形態の1つの態様では、ソフトウェア120は、受動光ロケータ32と現在位置から遠隔地250との間の領域の地図を使用して、遠隔地250まで進むためにたどる経路を決定する。地図はメモリ91に格納されている。ソフトウェア120によって経路が決定されると、遠隔操作アクチュエータ200は、経路の方向に移動するように起動される。本実施形態の1つの態様では、地図は、動作命令によってコントローラ235から受動光ロケータ32までダウンロードされる。本実施形態の別の態様では、経路は動作命令に含まれる。
【0060】
本実施形態の1つの態様では、遠隔操作アクチュエータ200が受動光ロケータ32を配備するように動作している際、電子撮像装置66は、経路の周囲の地形の画像を受け取り、その経路の周囲の地形を示す情報をプログラマブルプロセッサ90に入力する。この場合、プログラマブルプロセッサ90で実行しているソフトウェアは、必要に応じて受動光ロケータ32の現在位置から遠隔地250までの経路を変更する。たとえば、元の経路の橋が破損しているか又は破壊されている場合、ソフトウェア120は、受動光ロケータ32に対し受動光ロケータ32の現在位置から遠隔地250までの新たな経路を決定する。
【0061】
受動光ロケータ32が遠隔地250に到着すると、フローはブロック608に進む。ブロック608において、受動光ロケータ32は、現地51(図4)の連続した画像55、56及び57(図5A乃至図5C)を生成する。例示的な場合、受動光レンジファインダ85の光軸35が位置35Cから位置35Dまで回転する際、第1の画像55、第2の画像56及び第3の画像57(それぞれ図5A乃至図5Cに示す)が生成される。本実施形態の別の態様では、受動光レンジファインダ85の光軸35が移動することなく固定された位置52に向かって向けられる際、連続した画像が生成される。電子撮像装置66に集束される像により、ターゲット50である現地51の画像を示す情報を含む信号が生成される。
【0062】
受動光ロケータ32の1つの態様では、電子撮像装置66は、電荷結合素子(CCD)又はアクティブピクセルセンサ(APS)を備える。APS技術及びCCD技術はともに、処理電子回路にフレーム画像全体を入力するため、処理が非常に高速である。この態様では、ターゲット50は、必ずしも物体ではなく、電子撮像装置66に集束させることができる現地51の視野である。自動化ルーチンは最も鮮鋭なピクセル描写を探索する。
【0063】
CCD及びAPSの利用可能な検出器アレイは、可視光、近赤外線(NIR)及び近紫外線を含む広帯域スペクトルを検出することができる。本実施形態の1つの態様では、電子撮像装置66は、組み合わせることにより上記スペクトル範囲のすべてをカバーする複数の検出器アレイを備える。CCD検出器は、強化型CCD(ICCD)、電子倍増型CCD(EMCCD)、及び光量増幅及び赤外線像等、他の関連技術を含む。光量増幅及び赤外線像により、暗視が可能になる。
【0064】
現場51の画像を示す情報は、プログラマブルプロセッサ90に入力される。本実施形態の1つの態様では、プログラマブルプロセッサ90で実行しているソフトウェア120は、パターンマッチング技法を使用して、現場51の第3の画像57の部分58における予測されなかった変化等、現場51における予測されなかった変化があるか否かを判断する。ソフトウェア120によって予測されなかった変化と判定されると、画像のうちの少なくとも1つを示す情報か又は画像のうちの1つの少なくとも一部を示す情報が、無線送受信機220に入力される。
【0065】
ブロック610において、受動光ロケータ32における無線送受信機220は、少なくとも2つの画像の間の予測されなかった変化に対応する、生成された画像の少なくとも2つの画像の間の予測されなかった変化を示す情報を送信する。受動光ロケータ32は、情報を、第1の遠隔地230、第2の遠隔地240、又は第1の遠隔地230及び第2の遠隔地240の両方に送信する。1つの例示的な態様では、図5Bの第2の画像56及び図5Cの第3の画像57は、部分58(図5C)において予測されなかった変化を有する。この場合、プログラマブルプロセッサ90で実行しているソフトウェア120は、部分58において、山腹を登っている車両等、予測されなかった変化の絶対位置を決定し、その情報を無線送受信機220に入力する。そして、無線送受信機220は、通信リンク71を介して、以下の情報のような例示的な車両の絶対位置を送信する。すなわち、「位置緯度#及び経度#において移動している未確認車両(UNIDENTIFIED VEHICLE MOVING AT LOCATION LATITUDE # AND LONGITUDE #)」又は「緯度#、経度#及び高度#において検出された敵の車両(ENEMY VEHICLE AT DETECTED AT LATITUDE #, LONGITUDE #, AND ALTITUDE #)」。
【0066】
ブロック612において、受動光ロケータ32における無線送受信機220は、少なくとも2つの画像の間の予測されなかった変化に対応して少なくとも最後に生成された画像を遠隔地230に送信する。本実施形態の1つの態様では、第2の画像56(図5B)の完全な視野及び第3の画像56(図5C)の完全な視野である。本実施形態の別の態様では、受動光ロケータ32の無線送受信機220は、第2の画像56と第3の画像56との間の予測されなかった変化に対応する部分58の拡大像を送信する。
【0067】
このように、電子撮像装置66によって提供される自動化撮像機能により、ロボットシステムにおいて受動光レンジファインダ85を遠隔操作アクチュエータ200と統合することが可能になる。受動光ロケータ32を備えるロボットシステムは、間接射撃及び航空管制、ロボット作戦部隊のための前進観測/位置決定(forward observation/spotting)並びに光学監視、間接射撃及び航空管制のための長期凝視(long-term staring)前進観測/位置決定並びに光学監視任務が可能である。
【0068】
受動光ロケータ32のさまざまな構成要素は、適当なインタフェースを使用して(たとえば、バス、トレース、ケーブル、ワイヤ、ポート、無線送受信機等を使用して)必要に応じて互いに通信可能に結合される。
【0069】
本明細書で説明した方法及び技法を、デジタル電子回路で、もしくはコンピュータ、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せ等の専用プロセッサ又は汎用プロセッサで実装してもよい。これらの技法を具現化する装置は、適当な入出力デバイス、プログラマブルプロセッサ、及びプログラマブルプロセッサによって実行されるプログラム命令を確実に具現化する記憶媒体を含んでもよい。これらの技法を具現化するプロセスを、入力データに対して作用し適当な出力を生成することにより所望の機能を遂行するように命令のプログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって実行してもよい。それらの技法を、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受け取り且つそれらにデータ及び命令を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行可能な1つ又は複数のプログラムで有利に実装してもよい。一般に、プロセッサは、リードオンリメモリ及び/又はランダムアクセスメモリから命令及びデータを受け取る。コンピュータプログラム命令及びデータを確実に具現化するために適当な記憶デバイスには、例としてEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク並びにDVDディスクを含むすべての形態の不揮発性メモリが含まれる。上述したもののうちの任意のものを、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)によって補足してもよく、又はそれに組み込んでもよい。本明細書で使用した、プログラム、ソフトウェア、アルゴリズム又はその変形及び関連するものを実装しているコンピュータ、コントローラプロセッサ、ASIC及びメモリ等のデバイスを使用して、ニューラルネット(複数可)、人工知能、アナログ及び/又は(スーパー)ステートマシン等の機能を示してもよい。
【0070】
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の数多くの実施形態について説明した。しかしながら、説明した実施形態に対するさまざまな変更を、特許請求の範囲に記載されている発明の精神及び範囲から逸脱することなく行ってもよい、ということが理解されよう。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】受動光ロケータを使用するシステムの第1の実施形態のブロック図である。
【図2】受動光ロケータが第1の遠隔地に向かって移動するブロック図である。
【図3】ターゲットの絶対位置を決定し遠隔地においてターゲットの画像を表示する方法の一実施形態のフローチャートである。
【図4】或る現場における受動光ロケータの1つの態様のブロック図である。
【図5】例示的な現場の連続した画像である。
【図6】現場における予測されなかった変化を示す情報を送信し遠隔地においてその現場の画像を表示する方法の一実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
25 射撃管制センタ
32 受動光ロケータ
50 ターゲット
60 センサ
66 電子撮像装置
85 受動光レンジファインダ
90 プログラマブルプロセッサ
91 メモリ
120 ソフトウェア
130 記憶媒体
200 遠隔操作アクチュエータ
225、245 ディスプレイ
230 コントローラロケーション
235 コントローラ
240 第2の遠隔地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(10)であって、
ターゲット(50)に関連する絶対位置を示す情報を生成する受動光ロケータ(32)と、
遠隔操作アクチュエータ(200)と
を具備し、前記受動光ロケータは、
前記ターゲットまでの距離(R)を示す情報を生成する受動光レンジファインダ(85)と、
前記受動光レンジファインダの光軸(35)の方位角及び仰角を示す情報を生成する少なくとも1つのセンサ(60)と
を備え、前記受動光ロケータは、該受動光ロケータに関連する地理的位置を示す情報と、前記ターゲットまでの距離を示す前記情報と、前記光軸の前記方位角及び前記仰角を示す前記情報とを使用し、決定すべき情報は、前記ターゲットに関連する絶対位置を示す情報であり、
前記遠隔操作アクチュエータは、前記受動光ロケータに機械的に結合され、該システムにおいて受け取られる1つ又は複数の動作命令に従って前記受動光ロケータの光軸を遠隔に位置決めする、システム。
【請求項2】
システム(10)であって、
動作命令を受け取る無線送受信機(220)と、
前記受け取られた動作命令に応じて受動光レンジファインダ(85)の光軸(35)の位置を変更する動き命令を生成するプログラマブルプロセッサ(90)であって、前記位置は、前記光軸の方位角及び仰角と、該光軸に関連する絶対位置とを含む、プログラマブルプロセッサ(90)と
をさらに具備する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
システム(10)であって、
少なくとも1つのセンサ(60)は、ターゲット(50)の少なくとも1つの画像を示す情報を生成し、無線送受信機(220)は、前記ターゲットの前記画像を示す情報と、前記ターゲットの絶対位置を示す前記情報と、それらの組合せとのうちの1つを遠隔地(240)に送信し、
前記ターゲットの少なくとも1つの画像と、前記ターゲットに関連する前記絶対位置を示す情報と、それらの組合せとのうちの1つを表示する少なくとも1つのディスプレイ(225)であって、前記遠隔地に位置する、ディスプレイ(225)
をさらに具備する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
ターゲット(50)は固定された位置(52)を包囲する現場(51)であり、受動光ロケータ(32)は、前記現場における少なくとも1つの予測されなかった変化に応じて遠隔地(240)に警告信号を送信する無線送受信機を備える、請求項1又は2に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−32385(P2008−32385A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−177349(P2007−177349)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】