説明

可動な平らなターゲットを用いて材料を飛散させるための装置及び方法

真空室内で材料を飛散させる装置であって、−平面内で可動な、平らでかつカソードとして接続可能な少なくとも1つのターゲットを有するターゲット装置を有し、
定置のターゲット環境と、ターゲット装置に対応配置された駆動装置と、ターゲット
に対応配置された少なくとも1つのアノードを有するアノード装置と、
ターゲットの飛散表面からの材料の遊離を助けるための磁場を発生させるための磁気
装置と
を備えている形式のものにおいて、少なくとも1つの非回転対称的な有利には方形のターゲットプレートとして構成されたターゲットが設けられ、該ターゲットがターゲット装置で−平面内で可動であることが提案されている。さらに本発明は材料を飛散させる方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はそれぞれ独立請求項の上位概念に記載された可動な平らなターゲットを用いて材料を飛散させるための装置及び方法に関する。
【0002】
プラズマ放電を用いた、真空室内での材料の飛散を改善するためには、飛散させようとする材料から成るターゲットの表面領域を飛散を助ける磁場に晒すことが公知である。原理に基づき磁場の使用はターゲット表面におけるプラズマ密度の不均一な分配、ひいてはターゲット表面からの不均一な材料の遊離をもたらす。基板の均質な被覆を達成させるためにはこのような基板を、カソードとして接続されたターゲットに対し相対的に移動させることが一般的である。磁場で助成された遊離に際し、ターゲットの高い有用性を達成するためにはさらに、材料の遊離を表面の種々異なる位置で行なうために可動な磁場を用いることが公知である。さらに、ターゲットの有用性を高めるために回転する、円筒形又は回転対称的な平らなターゲットを使用することが公知である。
【0003】
DE4405747A1号明細書によれば既に、可動な回転対称的なターゲットと定置の磁石保持体装置とを有するコンパクトな磁場助成された飛散装置が公知である。さらに移動するリングターゲットはJP−63−247366号明細書により公知である。このリングターゲットにおいてはターゲット表面の一様な材料遊離を目的としている。管状のスパッタターゲットは既にUS4,356073号明細書によって公知である。この管状のスパッタターゲットでは効果的で最高のターゲット材料の活用を、同時に寿命の延長と共に達成しようとしている。プレーナ形のマグネトロンスパッタ装置はJP59−215485明細書によって公知である。このマグネトロンスパッタ装置においては磁気密度はターゲットの鉛直な運動によって調整されることができる。JP61−044174号明細書によれば、マグネトロンスパッタリング装置であって、閉じたバンドとして構成されたターゲットを有するものが公知である。この場合、ターゲットは回転するローラを介して動かされる。
【0004】
公知技術で使用されているような可動な磁気装置の場合には、長く延びたターゲットの場合、磁場は典型的な形式で基板の運動方向にもしくは反運動方向に振動する。例えば基板運動の速度が磁場の速度とほぼ同じであると、基板と材料遊離ゾーンとの相対速度は同期的に0と2vとの間で変化する。この場合、Vは基板運動の速度である。これに応じて材料遊離レート、ひいては基板上の層厚さの一様性の変調が生じる。
【0005】
DE10234858A1号明細書からはカソードとして接続された、長く延びた平らなターゲットと磁場を形成する装置とを有し、マグネトロン放電を発生するための装置が公知である。磁場を発生する装置は、外側電極の領域に、外側のターゲット制限部に対して相対的な所定の定位置を有しかつ内側電極の領域にて電磁的な手段で、中央電極の位置がターゲットに対して相対的に所定の時間プログラムに従って変化させられ得るように構成されている。公知技術では部分的にターゲット有用性が上昇させられるが、もちろんこの公知の方法は、特殊なターゲット形状、例えば円筒又は回転ターゲットに限られるか又は被覆しようとする基板の運動の速度又は形を、基板の運動と磁場の運動との重畳による層厚さの変調に基づき、制限することが必要である。
【0006】
本発明の課題は層厚さ変調を回避した状態でプレーナ形ターゲットの高い有用性が達成可能な飛散装置もしくは飛散方法を提供することである。
【0007】
本発明によれば前記課題は、独立請求項の特徴によって解決された。本発明の有用な更なる構成は従属請求項に記載されている。
【0008】
少なくとも−平面内で可動な、カソードとして接続されたプレーナー形ターゲットと、定置のターゲット環境と、ターゲット装置に対応配置された駆動装置と、少なくとも1つのターゲットに対応配置されたアノードを有するアノード装置と、ターゲットの表面からの材料の遊離を助成する磁場を発生する定置の磁気装置とを有するターゲット装置を用いて真空室内で材料を飛散させる本発明の装置は、少なくとも1つの非回転対称的なターゲットを有している。
【0009】
本発明による飛散装置では可動な磁場を有するシステムの場合と同様に高いターゲット有用性が達成可能である。特に所定のエロージョンプロフィールがターゲット表面に製作されることができる。非回転対称的なターゲットが設けられているので本発明の装置の場合には、例えば回転対称的なプレナ形ターゲットにとって典型的である被覆された基板の従来の寸法制限は不要である。本発明の装置は有利には広い使用範囲で使用すること、有利にはディスプレーの製作建築ガラスコーティング及びバンドコーティング設備に用いることができる。
【0010】
特に有利であるのは方形のターゲットプレートとして構成されたターゲット、有利にはインラインコーディング方法で使用されるようなターゲットが使用されることである。
【0011】
本発明による定置の磁気装置は、移動しない基板に対して相対的に動かない遊離ゾーンを保証しかつ可動な基板の場合に可動な遊離ゾーンに基づき生じる重畳効果を回避する。
【0012】
特に有利であることは少なくとも1つのアノードが少なくとも1つの定置の部分アノードと、ターゲットと連結された可能な部分アノードとを有するスプリットアノードとして構成されていることである。何故ならばこの場合にはアノードとカソードとして接続されたターゲットとの間に特に簡単にかつ確実に規定された電気的な関係が達成可能であるからである。構成的に特に簡単であるのは定置の部分アノードがターゲット環境に配置されることである。
【0013】
駆動装置は完全に又は部分的に真空室内に配置されることができる。
【0014】
本発明の別の構成では駆動装置は直接駆動装置として、遊離にはリニアモータとして構成されていることである。これにより平面内でのターゲットの自由に規定可能な運動が達成される。
【0015】
本発明の別の構成では駆動装置はクランク駆動装置として構成されている。これによりコスト的に有利な形式でターゲットの振動する直線運動が達成される。
【0016】
材料を飛散させる装置で達成されるような利点は材料を飛散させるための本発明の方法でも得られる。
【0017】
本発明の別の実施例と利点は請求の範囲の記載とは無関係に以後、一般性を制限することなく、図面と関連して説明する。
【0018】
図1はリニアモータを有する本発明の飛散装置の断面図である。
【0019】
図1には概略的に、真空室Vにて基板をコーディングするための装置が示されている。図1では簡略化するためにコーディングするための装置の、当業者にとってあたりまえであると捉えられている自体公知の機械的、電気的及び磁気的なコンポーネントは図示していない。
【0020】
本発明の装置は可動なターゲット装置を有し、該ターゲット装置は少なくとも1つのプレナ型の、カソードとして接続可能なターゲット2を有している。ターゲット2は非回転対称に構成されている。
【0021】
図1の構成ではターゲットは方形のターゲットプレートとして、方形の、有利には長方形の底面をもって構成されている。該底面はターゲット底プレート4の上に配置されている。ターゲット2は2つ又は3つ以上の部分ターゲットから成っている。ターゲット2の材料としては金属的又は反応性のスパッタプロセスにて一般的なすべてのスパッタ材料を使用することができる。有利なスパッタ材料は金属及び金属合金、例えばAl,Nb,Hf,Ta,Ti,Zr,TiNb並びに半導体、例えばSi並びにItoである。有利にはターゲット2は0.5mよりも大きいコーディング幅のために構成されている。
【0022】
さらに装置はターゲット2を貫くことができかつターゲット2の表面2aからの材料の遊離が助成される磁場を発生させるための磁気装置3を有している。磁気装置3はターゲット表面2aを貫く磁場を発生させる。これによってターゲット表面2aの上にエロジョン領域が規定される。このエロジョン領域にて飛散に際して主要な材料遊離が行なわれる。ターゲット表面上におけるエロジョン領域の面は全ターゲット面よりも小さく選ばれ、材料のできるだけ均一な遊離が可能であるようになっている。公知であるように磁気ホースを発生させるための定置の磁気装置3はターゲット2の飛散表面2aの少なくとも1つの部分領域に構成されている。図1の実施例では磁気装置は有利には適当に配列された永久磁石から成る一連の磁石15を有している。磁石15は金属板15′の上に配置され、相反する側に有利には一平面内に位置する端面を有している。磁石ホースは互いに平行に配向された長手方向軸線をそれぞれ1つ有している。有利にはターゲット2は長手方向軸線の配向に対し垂直な方向に動かされる。しかし本発明は当該平面におけるターゲット2の別の移動パターンをも包含するものである。
【0023】
ターゲット装置は駆動装置として有利にはステータ8とロータ9とを有するリニアモータとして構成された直接駆動装置を用いている。リニアモータは真空室Vの内部で取付けフランジ11を用いて真空室壁14に取付けられている。装置の選択的な実施例ではリニアモータのステータは真空室Vの外に配置されかつロータは真空室Vの内に配置されることもできる。又、完全に又は部分的に真空室内に配置された他の駆動装置の使用も考えられる。駆動装置が完全に又は部分的に真空室の外に配置されている場合には真空導通のために、スライド導通部又は金属ベローが設けられていることができる。別の実施形態では横方向の運動を伴う金属ベローが設けられていることができる。この場合、ベローは有利には一方の側で絶縁体13にかつ他方の側で定置のブラケットにねじ結合されることができる。
【0024】
ターゲット装置にはさらにクランク駆動装置として構成された駆動装置が対応配置されることができる。該クランク駆動装置はクランクアームと回転する球状の駆動ローラとを有し、駆動ローラは滑子案内に可動に配置されている。クランクアームは回転導通部を介して駆動軸ジャーナルと結合され、該駆動軸ジャーナルのためにクランクアームを動かすためのトルクが導入可能である。
【0025】
装置は真空室Vの内部にて真空室壁14のすぐ近くに配置されている。有利には装置は運転状態では垂直に立てられている。すなわち、装置はターゲットプレートが垂直に立てられた状態で、図1に示された位置に対し90°回転させられた位置で運転される。
【0026】
さらに装置はターゲットに対応配置された少なくとも1つのアノードを有するアノード装置6を有している。図1の構成ではアノードは定置の部分アノード6aと可動な部分アノード6bとを有するスプリットアノードから構成され、該スプリットアノードについては以後より詳細に説明する。もちろん一体のアノードを有する実施例も本発明に含まれる。
【0027】
図1に図示されていない自体公知の構成部分により真空室V内でターゲット2の表面の領域にプラズマが発生される。この場合、ターゲット表面2aからの材料の遊離を助けるためには磁気装置3によって発生させられた磁場が使用される。本発明による装置の場合にはプラズマを発生させる自体公知のすべての方法、有利には直流−(DC−)、交流−(AC−)プラズマ、特に高周波−(HF−)プラズマ及びDC−及びAC−プラズマの重畳が使用されることができる。
【0028】
以下、本発明の装置をより詳細に説明する。
【0029】
ターゲット装置は前面側1bと背面側1dと狭幅面側1aとを有するターゲットケーシング1を有している。この場合、前面側と背面側とは互いにほぼ平行に配置されている。有利にはターゲットケーシング1は方形ケーシングである。ターゲットケーシング1は内部領域1cを有し、該内部領域1c内には定置の磁気装置3が配置されている。ターゲットケーシング1の背面側1bには絶縁体構造13が配置されている。該絶縁体構造13はターゲットケーシング1を駆動装置のロータ9に連結するために連結エレメント13aを有している。連結エレメント13aは有利には保持構造として構成されている。絶縁体構造13,13aはターゲットケーシングの背面側1dの領域における寄生プラズマの阻止もしくは抑制に役立つ。
【0030】
ターゲットケーシング1は可動に定置のターゲット環境16内に収納されている。ターゲット環境16は有利には、ターゲットケーシング2の外形がターゲット環境16の内形に適合するように構成されている。1図に示された本発明の実施例ではターゲット環境16は方形のターゲットケーシング2に適合させられた方形の内部領域16cを有している。ターゲットケーシング1の1つの狭幅側1aにはターゲット環境16の1つの狭幅側16aが対応配置されている。ターゲットケーシングは1はターゲット環境16の内部領域16cで行程Lの運動を行なう。磁気装置3はターゲットケーシングの内形に適合させられた外形を有している。ターゲットケーシング1は磁気装置3に関して、ターゲット環境16の内方領域16cの内部でのターゲットケーシング1の運動の行程Lに比較し得る行程の運動を行なう。保持及び案内手段はターゲットケーシング1、ひいてはターゲット2が一平面内でターゲット環境16の領域で所定の運動を実施することを可能にする。保持及び案内手段としては公知のようにころ軸受、レール又はそれに類似したものが設けられている。
【0031】
ターゲットケーシング1、ターゲット環境16、アノード装置6及び磁気装置3は、協働しかつ互いに相対的に運動するコンポーネントを有している。該コンポーネントは異なるポテンシャルに位置することができる。有利にはターゲット2並びにターゲット装置の別のコンポーネント、例えばターゲット底板4はアースに対し−40と−400Vの間のポテンシャルに位置している。ターゲット底板のポテンシャルの正確な固定のためにはターゲットケーシングの内部に供給導線7が設けられている。磁気装置3はターゲット装置の前述のコンポーネントと同じポテンシャルに位置している。特に有利であることはアノード装置がアースに対し正のポテンシャルに位置していることである。ターゲット環境16は有利には正のポテンシャルに位置している。
【0032】
本発明によればターゲット2は一平面でターゲット環境16の領域にて移動を行なう。この移動では、ターゲットケーシング1とターゲット環境16との協働する部分の間の間隔はファラデの暗室にとって特徴的な長さよりも大きい。このような間隔では、該当表面の間の空間にて寄生プラズマが点火する。このような寄生プラズマの発生は磁気装置3によりカソード表面の領域の外でも発生される磁場の存在によって好適化される。このような寄生プラズマの回避又は抑制のためには、ターゲットケーシング1の少なくとも1つの外面に暗室遮蔽体が配置されている。このような暗室遮蔽体は自体公知でありかつ記述のコンポーネントと遮蔽体との間にプラズマが点火できないように寸法設定されたギャップによってカソードとして接続されたコンポーネントから分離されている。特に暗室遮蔽体は方形のケーシング1の狭幅側の表面の少なくとも部分領域にかつ/又は方形のケーシング1の前面側の部分領域に設けられている。
【0033】
暗室遮蔽体はフロートするポテンシャル又はアースポテンシャル又はポジティブなポテンシャル上に位置することができる。本発明の別の構成ではカソードと連結された少なくとも1つの暗室遮蔽体が可動なアノードとして構成されかつ定置の部分アノードと電気的に接続されている。
【0034】
暗室遮蔽体はターゲットケーシング1とターゲット環境16との幾何学的形状に従って構成されている。1つの暗室遮蔽体10は狭幅側1aに配置されている。この暗室遮蔽体はターゲットケーシング1の前面側1bの表面の部分領域にも延在している。有利にはターゲットケーシングの全体狭幅側を覆っている暗室遮蔽体である。ターゲットケーシングの前面側1bに配置された暗室遮蔽体10はターゲットプレートを完全に又は部分的に取囲んで構成されていることができる。
【0035】
本発明の図1に示された実施例では暗室遮蔽体10は同時にスプリットアノード6の部分アノード6bである。この場合には図示されていない、フレキシブルな電気的な接続導線が定置の部分アノード6aと可動な部分アノード6bとの間に設けられている。別の実施形態ではこのような接続導線は設けられていない。アノード装置6もしくは部分アノード6a、6bは、特にアノードとカソードとの間に本発明の装置の運転に際し規定された電気的な関係を保証するためには、ターゲットの運転の極端位置においてもカソード表面とオーバラップする。
【0036】
定置の部分アノード6aはターゲットケーシングの前面側1bの領域に舌状に突入する。この場合にターゲットケーシングの前面側1bの領域でターゲットケーシングと定置の部分アノード6aとの間にオーバラップ領域が形成される。又、ターゲット表面2aと定置の部分アノード6aとの間にもオーバラップが生じる。望まれないプラズマを回避するためにはその際、ターゲット表面2aと定置の部分アノード6aとの間に発生するスリット12aは十分に小さく寸法設定される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】リニアモータを有する本発明による材料飛散装置の断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 ターゲットケーシング
1a 側壁
1b 下側
1c 内部領域
1d 上側
2 ターゲット
2a ターゲットの表面
3 磁気装置
4 ターゲット底板
5 冷却通路
6 アノード装置
6a 定置の部分アノード
6b 可動な部分アノード
7 カソード供給導線
8 ステータ
9 ロータ
10 暗室遮蔽体
11 取付けフランジ
12a ギャップ
12b ギャップ
12c ギャップ
12d ギャップ
12e ギャップ
13 絶縁体
14 真空室壁
15 磁力線
16 ターゲット環境
16a 側壁
16b 上方の壁
17 絶縁エレメント
18 取付けフランジ
L 行程
V 真空室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空室内で材料を飛散させる装置であって、−平面内で可動な、平らでかつカソードとして接続可能な少なくとも1つのターゲットを有するターゲット装置を有し、
定置のターゲット環境と、
ターゲット装置に対応配置された駆動装置と、
ターゲットに対応配置された少なくとも1つのアノードを有するアノード装置と、
ターゲットの飛散表面からの材料の遊離を助けるための磁場を発生させるための定置
の磁気装置と
を備えている形式のものにおいて、少なくとも1つの非回転対称的な、有利には方形のターゲットプレートとして構成されたターゲットが設けられ、該ターゲットがターゲット装置で−平面内で可動であることを特徴とする、可動な平らなターゲットを有する、材料を飛散させるための装置。
【請求項2】
ターゲット装置が内部領域を備えたターゲットケーシングを有し、定置の磁気装置がターゲットケーシングの内部領域に配置されており、定置のターゲット環境がターゲットケーシングの配置された内部領域を有している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
ターゲットケーシングが前面側と後面側と狭幅面側とを有する方形ケーシングとして構成され、ターゲットが前面側の領域に配置されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
ターゲットケーシングの少なくとも1つの外側面に、寄生プラズマを抑制するための暗室遮蔽体が配置されている、請求項2又は3記載の装置。
【請求項5】
暗室遮蔽体が方形ケーシングの狭幅面側の表面の少なくとも部分領域に又は前面側の表面の少なくとも部分領域に配置されている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
方形ケーシングの背面側に絶縁構造が配置されており、絶縁構造がターゲットケーシングを駆動装置に連結する連結エレメントを有している、請求項2から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの定置の部分アノードとターゲット装置と連結された少なくとも1つの可動な部分アノードとを有するスプリットアノードが設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
ターゲットの飛散表面の少なくとも部分領域の上に磁気ホースを発生させるための定置の磁気装置が構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
駆動装置が直接駆動装置として、有利にはリニアモータとして構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
リニアモータが真空室の内部に配置されたステータを有している、請求項9記載の装置。
【請求項11】
リニアモータが真空室の外部に配置されたステータを有している、請求項9記載の装置。
【請求項12】
駆動装置が有利にはクランクアーム、駆動ローラ及び滑子案内装置を有するクランク駆動装置として構成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
磁石装置がスパッタマグネットロンとして構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
金属性のターゲットが設けられている、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
酸化ターゲットが設けられている、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
暗室遮蔽体がアースされているか又はフロートポテンシャルに位置している、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
−平面内で可動である平らな、カソードとして接続可能なターゲットを有し、
定置のターゲット環境と、ターゲット装置に対応配置された駆動装置と、
ターゲットに対応配置された少なくとも1つのアノードを有するアノード装置と、
ターゲットの飛散表面からの材料の遊離を助けるための磁場を発生させるための定置
の磁気装置と、
を有する可動なターゲット装置を用いて真空案内で材料を飛散させる方法において、少なくとも1つの非回転対称的な、有利には方形のターゲットプレートとして構成されたターゲットを設け、これをターゲット装置を用いて−平面内で移動させることを特徴とする、真空室内で材料を飛散させるための方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−501863(P2008−501863A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526251(P2007−526251)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005898
【国際公開番号】WO2005/122212
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(502239900)ライボルト オプティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (22)
【氏名又は名称原語表記】Leybold Optics GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 88, D−63755 Alzenau, Germany
【Fターム(参考)】