説明

可動ホーム柵

【課題】従来の観音開き方式の非常扉では、プラットホームの通行の妨げになり、階段等の構造物の付近では開閉のためのスペースを十分に確保できない虞もあった。
【解決手段】可動ホーム柵1Aは、プラットホームPに設置された一対の戸袋2と、戸袋2により開閉される1組の乗降扉3とで構成される乗降口開閉装置100間に設置されたスライド式の非常扉4とを備えている。非常扉4は、固定非常扉4Aとスライド非常扉5Aとを一組として構成されている。そして、可動ホーム柵1Aは、軌道側に延出したプラットホームPの長手方向に沿って複数の乗降口開閉装置100を配設して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降口とは別に非常口を備えた可動ホーム柵に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道のプラットホームには、列車との接触事故や軌道内への転落・進入防止のために可動ホーム柵が設けられるようになっている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、そのような可動ホーム柵が開示されている。この可動ホーム柵は、戸袋柵と、戸袋柵から側方に出没する第1乗降扉と、第1乗降扉からさらに側方に出没する第2乗降扉とを有している。戸袋柵には、第1乗降扉を第2乗降扉と共に収納する収納部が設けられている。第1乗降扉は、戸袋柵から突出すると乗務員ドアの開口枠を覆うように閉じ、戸袋柵に没入すると乗務員ドアの開口枠を開く。第2乗降扉は、第1乗降扉から突出すると乗客ドアの開口枠の片側略半分を覆うように閉じ、第1乗降扉に没入すると乗客ドアの開口枠を開く。
【0004】
また、可動ホーム柵には、乗降口とは別に非常口を備えたものがある。下記の特許文献2に記載のプラットホームスクリーンドア装置は、車両の側扉の開閉に対応してドアパネルを開閉する。プラットホームの上方の天井構造物の軌道側にはヘッダボックスが設けられ、プラットホームの軌道側にはレールユニットが設けられ、ヘッダボックスとレールユニットとの間にはスクリーンドアが設けられている。スクリーンパネルの一部は、プラットホーム内側に向けて開く非常脱出パネルを構成している。
【0005】
また、下記の特許文献3に記載の可動ホーム柵は、複数の戸袋柵と、各戸袋柵に突没して乗降口を開閉する乗降扉とを備えている。戸袋柵間に設けられた間隙は、定位置に停止した列車のドア開口に対応する乗降口、又は、列車の連結位置に対応する非常用の出入り口を形成している。非常用の出入り口は、片側が戸袋柵の一方に枢着されており、プラットホーム内側に向けて開く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−016281号公報
【特許文献2】特開2001−311351号公報
【特許文献3】特開2007−203854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、可動ホーム柵には、プラットホームへの列車の停止位置が所定位置からずれた時にも乗客の乗降を可能とするために、乗降口毎に非常口が設けられたものがある。この種の可動ホーム柵では、一般的に、乗降口毎に設けられた多数の非常口を、観音開き方式の非常扉で開閉されている。しかしながら、観音開き方式の非常扉では、プラットホームの通行の妨げになり、階段等の構造物の付近では開閉のためのスペースを十分に確保できない虞もあった。
【0008】
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、上記課題を解決できる可動ホーム柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明のある態様は、可動ホーム柵に関する。この可動ホーム柵は、プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、前記乗降扉を収納する戸袋と、該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、被案内手段が設けられたスライド非常扉と、前記被案内手段がスライド可能に係合された、前記プラットホームに設けられた案内手段と、前記スライド非常扉を収納する固定非常扉とを備えている。
本発明の別の態様は、可動ホーム柵に関する。この可動ホーム柵は、プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、前記乗降扉を収納する戸袋と、該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、被案内手段が設けられたスライド非常扉と、前記被案内手段がスライド可能に係合された、前記プラットホームに設けられた案内手段とを備えた可動ホーム柵ユニットが前記スライド非常扉が対峙するように配置されている。
本発明の別の態様は、可動ホーム柵に関する。この可動ホーム柵は、プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、前記乗降扉を収納する、案内手段が設けられた戸袋と、該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、前記案内手段がスライド可能に係合される被案内手段が設けられたスライド非常扉と、を備えている。
また、前記案内手段に案内される前記スライド非常扉をスライドさせる駆動手段を備えてもよい。
また、前記スライド非常扉には、内部に前記乗降扉を収納するスペースが設けられてもよい。
また、前記戸袋と前記スライド非常扉との長さの和は、前記乗降扉の長さと概ね等しくてもよい。
本発明の別の態様は、可動ホーム柵に関する。この可動ホーム柵は、プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、前記乗降扉を収納する戸袋と、該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した非常扉と、該非常扉が前記戸袋と平行を保持しつつ重畳するリンク装置とを備えている。
また、前記戸袋の線路側の側面には、障害物を検知する検出部が設けられており、前記非常扉は、前記戸袋の線路側の下縁を前記検出部よりも上方に位置させていてもよい。
また、いずれか一方の前記スライド非常扉の代わりに固定非常扉が設けられていてもよい。
また、前記固定非常扉には、前記スライド非常扉を収納するスペースが設けられていてもよい。
また、前記スライド非常扉には、前記固定非常扉を収納するスペースが設けられていてもよい。
また、いずれか一方の前記スライド非常扉には、他方の前記スライド非常扉を収納するスペースが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非常扉がプラットホームの長手方向に沿ってスライドすることで非常口を開閉することから、非常口開閉のための十分なスペースを確保し、プラットホームの通行の妨げになるのも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態の可動ホーム柵を示す図であり、(a)は平面図,(b)はホーム側から見た図である。
【図2】図1の可動ホーム柵を示す図であり、(a)はホーム側から見た図,(b)は戸袋側から見た図である。
【図3】図2の戸袋柵が備える非常扉案内装置を示す図であり、(a)はホーム側から見た図,(b)は戸袋側から見た図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の可動ホーム柵を示す図であり、(a)はホーム側から見た図,(b)は非常扉開閉装置を上方から見た図である。
【図5】図4の非常扉開閉装置を拡大してホーム側から見た図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の可動ホーム柵を示す図であり、(a)は平面図,(b)はホーム側から見た図,(c)は戸袋側から見た図である。
【図7】図6の非常扉案内装置を部分的に拡大して戸袋側から見た図である。
【図8】図6の可動ホーム柵が備える非常扉の動作を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の可動ホーム柵を示す図であり、(a)は平面図,(b)はホーム側から見た図,(c)は戸袋側から見た図である。
【図10】本発明の第5の実施形態の可動ホーム柵を示す図であり、(a)および(b)は平面図,(c)はホーム側から見た図,(d)は戸袋側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、発明を実施するための形態(以下「実施形態」と略する)を説明する。ここでは、乗降扉(乗降口)とは別に非常扉(非常口)を備えた可動ホーム柵について説明し、非常扉を使用する場合には乗降扉が閉じている状態を前提とする。つまり、非常扉が乗降扉に隣接して設けられている場合、乗降扉が開いている状態であると、非常扉をスライドすることが出来ても非常口に乗降扉が残ってしまい、乗客等が非常口を行き来出来なくなるおそれがある。そこで、一般的な使用態様として乗降扉が閉じている状態を想定する。ただし、乗降扉が開いた状態であっても、非常扉が開いたときに非常口を確保できる形状に非常扉の形状や大きさ等を設定する場合にはこの限りではない。
【0013】
<第1の実施形態>
第1の実施形態では、乗降口となる乗降口開閉装置の間に、スライド式に左右方向に開く非常扉が設けられている。そして、この非常扉は、通常時は、乗降口開閉装置の乗降扉が開いたときに、乗降扉を収容可能となっている。以下、具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る可動ホーム柵1Aを示す図であり、(a)は平面図、(b)はホーム側から見た図である。図2は、可動ホーム柵1Aを示す図であり、(a)はホーム側から見た図、(b)は戸袋2側から見た図である。図3は、非常扉案内装置6Aを示す図であり、(a)はホーム側から見た図、(b)は戸袋2側から見た図である。
【0015】
図1に示すように、可動ホーム柵1Aは、プラットホームPに設置された一対の戸袋2と、戸袋2により開閉される1組の乗降扉3とで構成される乗降口開閉装置100間に設置されたスライド式の非常扉4とを備えている。非常扉4は、固定非常扉4Aとスライド非常扉5Aとを一組として構成されている。そして、可動ホーム柵1Aは、軌道側に延出したプラットホームPの長手方向に沿って複数の乗降口開閉装置100を配設して構成されている。なお、図においては、乗降口開閉装置100は一つのみ示している。
【0016】
戸袋2は、プラットホームPの長手方向に沿ってスライド自在に乗降扉3を支持しており、図1に示すように乗降扉3同士が先端部を突き合わせて乗降口を閉じた状態と、先端同士を離間させて乗降口を開いた状態との間で乗降扉3をスライドさせる。また、戸袋2は、乗降扉3のスライド方向に延びて戸袋2の左右の端面に開口した乗降扉挿通室50(図2(a)参照)を備えており、この乗降扉挿通室50に乗降扉3をスライドさせて収容させる。
【0017】
固定非常扉4A及びスライド非常扉5Aは、乗降扉3が設けら得ていない領域で、戸袋2間に配置されて、軌道側とホーム側とでプラットホームPを隔てている。そして、乗降扉3が開くときに、閉じた状態で戸袋2の端面から突出している乗降扉3は、その開く動作に伴って、固定非常扉4A及びスライド非常扉5Aの内部に収容される。
【0018】
図2に示すように、スライド非常扉5Aの下端部には被案内レール5A4が設けられている。そして、スライド非常扉5Aの被案内レール5A4は、後述の固定非常扉4Aの下側に設けられた非常扉案内装置6Aで支持されている。また、主に図3(a)に示すように、被案内レール5A4(5A41〜5A43)は、スライド非常扉5Aの下端面に配設された固定用下板5A3に、2本一組で取り付けられている。各被案内レール5A4は、断面U字状を呈して開口を外側(ホーム側又は軌道側)に向けて左右方向に延びて、互いの間に前後方向に所定の間隔を置いて固定されている。より具体的には、図3(b)に示すように、それぞれの被案内レール5A4は、上板5A41及び下板5A42をスライド非常扉5Aの外側に向けて、互いの背板5A43を対向させて、上板5A41を固定用下板5A3の下面に固定されている。
【0019】
また、図2(b)に示すように、スライド非常扉5Aは、乗降扉3のスライド方向に延びて左右の両側面に開口を有した乗降扉挿通室50を備えている。この乗降扉挿通室50に乗降扉3が収容される。そして、スライド非常扉5Aの左端部(図2(a)参照)でかつ軌道側(図2(b)参照)には、戸袋2にスライド非常扉5Aを係止するためのロック装置5A1が設けられている。ロック装置5A1は、スライド非常扉5Aの左端面から突出させた鈎部5A11を戸袋2に設けられた鈎係止穴21に係止されて、開方向へのスライド非常扉5Aの移動を規制する。ロック装置5A1は、凹部5A12内に延びたレバー5A13が操作されると、鈎部5A11を回動させて鈎係止穴21に係脱させる。このように、軌道側からのみロック装置5A1を操作可能とすることで、通常時に、ホーム側からいたずら等による安易なロック解除が防止される。
【0020】
さらに、スライド非常扉5Aの先端面(図示左側)からは、支持棒5A2が突出している。支持棒5A2は、戸袋2の右端面に形成された収容穴22に挿入されてスライド非常扉5Aを戸袋2に支持する。
【0021】
固定非常扉4Aは、下端を開放させた袋状を呈しており、前板及び後板の下縁部を取付板41でプラットホームPに固定されている。また、図1に示すように、固定非常扉4Aは、乗降扉3の挿通口を右端面4Arに、スライド非常扉5Aの挿通口を左端面4Alにそれぞれ開口させている。つまり、固定非常扉4Aの右端面4Arには、図1で乗降扉3が開いたときに、図示最右側の乗降扉3が収容される。また、スライド非常扉5Aの挿通口を左端面4Alには、非常扉4が開いたときに、スライド非常扉5Aが収容される。
【0022】
また、主に図3に示すように、プラットホームPに固定するために設けられている固定非常扉4Aの取付板41上には、スライド非常扉5Aを左右方向にスライドさせる非常扉案内装置6Aが備えられている。非常扉案内装置6Aは、スライド非常扉5Aが備える被案内レール5A4をスライド自在に支持する支持部材6A5を、枠体6A0に取り付けて構成されている。支持部材6A5は、回転軸6A5aでローラ6A5bを回転自在に支持して構成されており、外周面を被案内レール5A4に接触させたローラ6A5bを、回転軸6A5aを中心に回転させて被案内レール5A4をガイドする。
【0023】
また、二つの被案内レール5A4の間にローラ6A4bが位置するように、ガイドローラ材6A4が取り付けられている。このガイドローラ材6A4によって、スライド非常扉5Aの前後方向の動きを規制しつつ回転軸6A4aを中心に回転させて被案内レール5A4をガイドする。
【0024】
より具体的な構成として、図3に示すように、枠体6A0は、取付板41の上面に設置される基板6A1と、基板6A1の上面の前後方向の中央部に設置されたガイド板6A2と、基板6A1の上面の前後方向の縁部に設置された一対の支持板6A3とから構成されている。
【0025】
ガイド板6A2は、矩形の平板体の左右の端部をクランク状に屈曲させた形状を有しており、クランク状に屈曲した左右の端部を基板6A1の上面に固定している。基板6A1の上方に一段高くなっているガイド板6A2の直線部分の左右の端部には、それぞれガイドローラ材6A4の回転軸6A4aが挿通する挿通孔6A2aが形成されている。ガイドローラ材6A4は、挿通孔6A2aに上側から回転軸6A4aを挿通してローラ6A4bをガイド板6A2の上方に位置させ、回転軸6A4aにナットを螺着されてガイド板6A2に固定される。
【0026】
一方、各支持板6A3は、矩形の平板の一端面を基板6A1の上面に載置して、ガイド板6A2を挟んで配置されており、互いの主面を向き合わせて左右方向に延びている。支持板6A3の上縁部の左右の端部には、それぞれ支持部材6A5の回転軸6A5aが挿通する挿通孔6A3aが形成されている。支持部材6A5は、挿通孔6A3aに内側から回転軸6A5aを挿通してローラ6A5bを内側に位置させて、回転軸6A5aにナットを螺着されて支持板6A3に固定される。
【0027】
スライド非常扉5Aは、両被案内レール5A4の背板5A43間にガイドローラ材6A4が備えるローラ6A4bを位置させると共に、各被案内レール5A4の上板5A41と下板5A42との間に支持部材6A5が備えるローラ6A5bを位置させ、被案内レール5A4の上板5A41を支持部材6A5のローラ6A5b上に載置することで非常扉案内装置6Aに支持されている。また、非常扉案内装置6Aに支持されたスライド非常扉5Aは、支持部材6A5が備えるローラ6A5b上で被案内レール5A4をスライドさせることで、左右方向にスライドする。さらに、被案内レール5A4が支持部材6A5のローラ6A5b上をスライドすると、ローラ6A5bが回転軸6A5aを中心として被案内レール5A4のスライド方向に回転し、ローラ6A4bも両側のいずれかの背板5A43に接触して被案内レール5A4のスライド方向に回転する。これにより、スライド非常扉5AがプラットホームPの長手方向に沿って左右方向にスライドする。
【0028】
以上、本実施形態によれば、非常扉案内装置6Aに支持されたスライド非常扉5Aが、プラットホームPの長手方向に沿ってスライドすることで非常口を開閉することから、非常口開閉のための十分なスペースを確保し、プラットホームPの通行の妨げになるのも防止できる。また、非常扉4のスライド非常扉5Aをスライド可能とするロック装置5A1を軌道側からのみ操作可能とすることで、通常時においてホーム側からいたずら等によってむやみに非常扉4が開いてしまうことを防止できる。
【0029】
なお、支持部材6A5およびガイドローラ材6A4の個数は任意であり、ガイド板6A2,支持板6A3の左右の端部に一対ずつ備えられる構成には限定されない。また、プラットホームPへのスライド非常扉5Aの支持方法は任意であり、例えば、固定非常扉4A及びスライド非常扉5Aのいずれか一方の側面に、スライド非常扉5Aのスライド方向に沿って延びるガイドレールを設け、他方の側面にはガイドレールをガイドし又はガイドレールにガイドされるローラを設ける構成としてもよい。また、スライド非常扉5Aの開閉は手動によるものに限られず、モータ等の駆動手段を用いて開閉してもよい。また、戸袋2とスライド非常扉5Aとの長さの和は、乗降扉3の長さと概ね等しく構成されてもよい。
【0030】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、乗降口となる乗降口開閉装置の間に、リンク装置によって若干ホーム側に移動しつつ左右方向に開く非常扉が設けられている。以下、具体的に説明する。
【0031】
図4は、本実施形態に係る可動ホーム柵1Bを示す図であり、(a)はホーム側から見た図、(b)はリンク装置6Bを上方から見た図である。また、図5は、リンク装置6Bを拡大してホーム側から見た図である。
【0032】
図4に示すように、可動ホーム柵1Bは、乗降口開閉装置に隣接して隣り合う戸袋2間に非常扉4を備えている。この非常扉4は、1組のスライド非常扉5Bを設置して構成されている。スライド非常扉5Bは、プラットホームPに設置されたリンク装置6BでプラットホームPに支持されており、リンク装置6Bによりホーム側に若干移動しつつ左右方向にスライドする。なお、図4(b)において、スライド非常扉5Bが開いた状態を二点破線で示している。
【0033】
図5に示すように、リンク装置6Bにおいて、一つのスライド非常扉5Bは、対となっている第1および第2の支持装置6B1,6B2でプラットホームPの床面に沿って回動自在にスライド非常扉5Bを支持して構成されている。
【0034】
図5において左側に設けられている第1の支持装置6B1は、取付板71を介してプラットホームPに固定されたホーム固定部6B3と、スライド非常扉5Bの下側端部に固定された扉固定部6B8と、ホーム固定部6B3及び扉固定部6B8にそれぞれ回転自在に支持されたアーム部6B5とから構成されている。ホーム固定部6B3は支軸6B31を上方に突出させている。また、アーム部6B5は、軸受7B1,7B2を有した取付部6B51を一端部に、軸受7B3を有した取付部6B52を他端部に備えている。さらに、アーム部6B5は、取付部6B51の軸受7B1,7B2に支軸6B31を嵌入されて、支軸6B31を中心としてプラットホームPの床面に沿って回動自在となっている。またさらに、アーム部6B5は、スライド非常扉5Bの扉固定部6B8の軸受7B4及び取付部6B52の軸受7B3に連結部材6B7の軸部6B71が嵌入されることで、連結部材6B7を中心としてプラットホームPの床面に沿って回動自在となっている。
【0035】
図5において、第1の支持装置6B1より右側に設けられている第2の支持装置6B2は、第1の支持装置6B1と同様の構成となっており、取付板71を介してプラットホームPに固定されたホーム固定部6B4と、スライド非常扉5Bに固定された扉固定部6B9と、ホーム固定部6B4及び扉固定部6B9にそれぞれ回転自在に支持されたアーム部6B6とから構成されている。ホーム固定部6B4は支軸6B41を上方に突出させている。また、アーム部6B6は、軸受7B5,7B6を有した取付部6B61を一端部に、軸受7B7を有した取付部6B62を他端部に備えている。そして、アーム部6B6は、取付部6B61の軸受7B5,7B6に支軸6B41を嵌入されて、支軸6B41を中心としてプラットホームPの床面に沿って回動自在となっている。またさらに、アーム部6B6は、扉固定部6B9の支軸6B91を取付部6B62の軸受7B7に嵌入されることで、支軸6B91を中心としてプラットホームPの床面に沿って回動自在となっている。
【0036】
そして、図4や図5に示すように、スライド非常扉5Bの戸袋2側の端部には、スライド非常扉5BをプラットホームPに位置決めするためのロック部材8Bが備えられている。このロック部材8Bは、頭部8B1をスライド非常扉5Bに支持されて上下方向に移動自在となっており、頭部8B1の下面から突出した係止軸部8B2の下側先端を、取付板71の上面に設けられた所定の係止部(図示せず)に係止させることで、プラットホームPの床面に沿ったスライド非常扉5Bの移動を規制する。
【0037】
また、スライド非常扉5Bは、アーム部6B5がホーム固定部6B3に対して取付部6B51を、また、扉固定部6B8に対して取付部6B52をそれぞれ回転させて、取付部6B52を備えた他端側をスライド非常扉5Bの開方向又は閉方向に回動させる。この際、アーム部6B6もホーム固定部6B4に対して取付部6B61を、また、扉固定部6B9に対して取付部6B62をそれぞれ回転させて、取付部6B62を備えた他端側を取付部6B52の他端側と同方向に回動させる。これにより、スライド非常扉5Bが前面をホーム側に、後面を軌道側にそれぞれ向けたまま、プラットホームPの線路側の長手方向に沿って左右方向にスライドし、非常扉4を開閉する。
【0038】
以上、本実施形態の可動ホーム柵1Bでも、リンク装置6Bに支持されたスライド非常扉5Bが、プラットホームPの長手方向に沿ってスライドして開閉し、開いたときに戸袋2に重畳することから、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
なお、プラットホームP及びスライド非常扉5Bへのアーム部6B5,6B6の支持方法は、プラットホームP及びスライド非常扉5Bに対してアーム部6B5,6B6を回転自在に支持できるのであれば任意である。例えば、ホーム固定部6B3が備える軸受にアーム部6B5の支軸を嵌入し、扉固定部6B8が備える支軸をアーム部6B5の軸受に嵌入して、プラットホームP及びスライド非常扉5Bに対して回転自在にアーム部6B5を支持してもよい。同様に、ホーム固定部6B4が備える軸受にアーム部6B6の支軸を嵌入し、扉固定部6B9が備える軸受にアーム部6B6の支軸を嵌入して、プラットホームP及びスライド非常扉5Bに対して回転自在にアーム部6B6を支持してもよい。また、スライド非常扉5Bの開閉は手動によるものに限られず、モータ等の駆動手段を用いて開閉してもよい。
【0040】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、第1の実施形態の変形例であって、乗降口となる乗降口開閉装置の間に、左右方向にスライドする非常扉が設けられている。なお、第1の実施形態と異なる構成は、非常扉が開くときに、戸袋を覆うようにスライドする点にある。以下、具体的に説明する。
【0041】
図6は、本発明の第3の実施形態の可動ホーム柵1Cを示す図であり、(a)は平面図,(b)は軌道側から見た図,(c)は戸袋2側から見た図である。図7は、非常扉案内装置を部分的に拡大して戸袋2側から見た図である。図8は、可動ホーム柵1Cの動作を示す図である。
【0042】
図6に示すように、可動ホーム柵1Cの非常扉4は、乗降口開閉装置と隣接する戸袋2間に1組のスライド非常扉5Cを設置して構成されている。また、図7に示すように、スライド非常扉5Cは、ホーム側の前板5C4と軌道側の後板5C3との上縁部間に天板5C2を掛け渡して構成されている。さらに、スライド非常扉5Cは、戸袋2に上側から被せられて戸袋2に支持されており、左右方向にスライドして開閉する。
【0043】
また、図6に示すように、スライド非常扉5Cの左側又は右側の縁部には、組になるスライド非常扉5C同士を連結するロック部5C1が設けられている。このロック部5C1によって、スライド非常扉5Cが左右方向へ移動することを規制している。詳細には、ロック部5C1は、左側のスライド非常扉5Cに設けられる係止部材5C11と右側のスライド非常扉5Cに設けられる被係止部材5C12とから構成されており、互いが係止し合うことでスライド非常扉5Cの移動規制を行う。
【0044】
さらに、戸袋2の後板2c(図7参照)には、センサ部20が備えられている。センサ部20は、後板2cの下端部から上下方向の中央部まで延びた筐体に複数のセンサを設けて構成されている。このセンサ部20は、隣り合う戸袋2と対になって乗降位置の線路側の障害物を検知する機能を有している。したがってセンサ部20のセンシング動作を阻害しないように、スライド非常扉5Cは、後板5C3の下縁をセンサ部20よりも上方に位置させている。
【0045】
図7(b)に示すように、スライド非常扉5Cの上端部近傍に位置する前板5C4の内面には、後述する戸袋2の支持部材6C1をガイドするためのガイドレール5C6が備えられている。また同様に、図7(c)に示すように、スライド非常扉5Cの下端部近傍に位置する前板5C4の内面には、後述する戸袋2の支持部材6C2をガイドするためのガイドレール5C7が備えられている。これらガイドレール5C6,5C7は、略U字状を呈してスライド非常扉5Cの左端から右端にかけて互いに平行に延びている。そして、これらガイドレール5C6,5C7は、背板5C63,5C73を前板5C4の内面に固定されて、上板5C61,5C71及び下板5C62,5C72をスライド非常扉5Cの内方に向けている。また、図7(a)および(e)に示すように、後板5C3の下縁部は、スライド非常扉5Cの内方に向けて略直角に屈曲しており、後述する支持部材6C4,6C5に支持される被支持片5C8を構成している。
【0046】
つぎに、図7(a)〜(c)に示すように、戸袋2は、ガイドレール5C6をスライド自在に支持する支持部材6C1を前板2bの上端部に、ガイドレール5C7をスライド自在に支持する支持部材6C2を前板2bの下端部に、それぞれ備えている。支持部材6C1,6C2は、回転軸6C11,6C21にローラ6C12,6C22を回転自在に支持して構成されている。また、支持部材6C1,6C2は、前板2bに回転軸6C11,6C21を固着されて戸袋2に取り付けられる。そして、支持部材6C1は、ガイドレール5C6が備える上板5C61の下面に外周面を接触させたローラ6C12を、回転軸6C11を中心に回転させてガイドレール5C6をガイドする。さらに、支持部材6C2は、ガイドレール5C7が備える上板5C71の下面に外周面を接触させたローラ6C22を、回転軸6C21を中心に回転させてガイドレール5C7をガイドする。
【0047】
また、図7(a)および(e)に示すように、戸袋2は、スライド非常扉5Cの被支持片5C8をスライド自在に支持する支持部材6C4,6C5を後板2cの上下方向の上端近傍に備えている。支持部材6C4,6C5は、回転軸6C41,6C51にローラ6C42,6C52を回転自在に支持して構成されている。また、支持部材6C4,6C5は、後板2cに回転軸6C41,6C51を固着されて戸袋2に取り付けられる。さらに、支持部材6C4はローラ6C42の外周面を被支持片5C8の上面に、支持部材6C5はローラ6C52の外周面を被支持片5C8の下面にそれぞれ接触させて両ローラ6C42,6C52で被支持片5C8を挟み込み、回転軸6C41,6C51を中心に回転させて被支持片5C8をガイドする。
【0048】
また、図7(a)および(d)に示すように、戸袋2の天板2aには、スライド非常扉5Cの天板5C2を下面側から支持する支持部材6C3が設けられている。支持部材6C3は略円柱状を呈して戸袋2の天板2aの上面から垂直に延びており、球面状を呈した先端部を備えている。先端部と反対側に位置する支持部材6C3の端面には、雄ネジ部が設けられている。また、支持部材6C3は、天板2aに雄ネジ部を固着されて戸袋2に取り付けられる。支持部材6C3は、先端部を天板5C2の下面に接触させてスライド非常扉5Cをスライド自在に支持しており、スライド非常扉5Cのスライドに合わせて先端部を天板5C2の下面に摺接させる。
【0049】
さらに、スライド非常扉5Cは、ガイドレール5C6が支持部材6C1のローラ6C12に、ガイドレール5C7が支持部材6C2のローラ6C22に、被支持片5C8が支持部材6C4,6C5のローラ6C42,6C52に、天板5C2が支持部材6C3にそれぞれ支持され、ガイドレール5C6がローラ6C12に、ガイドレール5C7がローラ6C22に、被支持片5C8がローラ6C42に、それぞれガイドされて、図8(a),(b)に示すように左右方向にスライドする。
【0050】
以上、本実施形態の可動ホーム柵1Cでも、支持部材6C1〜6C5に支持されたスライド非常扉5Cが、プラットホームPの長手方向に沿ってスライドして開閉することから、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施形態の可動ホーム柵1Cでは、スライド非常扉5Cを戸袋2に上側から被せて戸袋2で支持しており、線路側に位置させたスライド非常扉5Cの後板5C3が下縁をセンサ部20よりも上方に位置させていることから、スライド非常扉5Cがセンサ部20による検出の妨げになるのも防止できる。
【0052】
なお、支持部材6C1,6C2,6C4,6C5の個数は任意であり、左右に一対ずつ並べて備えている必要はない。また、支持部材6C3の個数も任意である。また、スライド非常扉5Cをスライド自在に戸袋2に支持する方法は任意であり、例えば、戸袋2の前板2b側では支持部材6C1でガイドレール5C6を支持し、ガイドレール5C7,支持部材6C2を備えない構成としてもよい。また、支持部材6C3を備えない構成としてもよい。
【0053】
また、スライド非常扉5Cの後板5C3が前板5C4と同様にプラットホームPの床面まで延びている場合には、第1の実施形態の非常扉5と同様に、スライド非常扉5Cの下縁部に備えたガイドレールをスライド自在に支持する構成とし、必要に応じて支持部材6C1〜6C5の少なくとも1つを戸袋2に、対応するガイドレール5C6,5C7又は被支持片5C8をスライド非常扉5Cにそれぞれ備える構成としてもよい。また、スライド非常扉5Cの開閉は手動によるものに限られず、モータ等の駆動手段を用いて開閉してもよい。
【0054】
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、乗降口となる乗降口開閉装置の間に、左右方向にスライドする非常扉が設けられている。なお、第1の実施形態と異なる構成は、非常扉が開くときに、二つの非常扉の両方とも戸袋2から離間してスライド可能となっている。つまり、第1の実施形態の固定非常扉4Aに相当する非常扉(以下では、第2のスライド非常扉5Db)が、戸袋2から離間して移動可能とし、移動したときに、後述の第1のスライド非常扉5Daを覆うように収容可能となっている。以下、具体的に説明する。
【0055】
図9は、本実施形態に係る可動ホーム柵1Dを示す図であり、(a)は平面図、(b)はホーム側から見た図、(c)は戸袋2側から見た図である。
【0056】
図9に示すように、可動ホーム柵1Dの非常扉4は、隣接する乗降口開閉装置の戸袋2間に第1および第2のスライド非常扉5Da,5Dbを対峙するように配置して構成されている。
【0057】
第1および第2のスライド非常扉5Da,5Dbは、上記第1の実施形態の可動ホーム柵1Aが備える非常扉5Aと同様に、ロック装置5D1を備えている。左側に配置された第1のスライド非常扉5Daは、戸袋2がスライドさせる乗降口開閉装置の乗降扉3を内部に収容する乗降扉挿通室50を備えている。また、右側に配置された第2のスライド非常扉5Dbは、第1のスライド非常扉5Daを内部に収容する収容室51を備えている。
【0058】
より具体的には、第1のスライド非常扉5Daの下板5Da1の上面には、2本の被案内レール5D41が前後に平行に左右方向(スライド方向)に延出して設けられている。また、第2のスライド非常扉5Dbの下板5Db1の下面にも、2本の被案内レール5D42が前後に平行に左右方向(スライド方向)に延出して設けられている。第2のスライド非常扉5Dbの下板5Db1の上面には、第1のスライド非常扉5Daの被案内レール5D41をスライド自在に支持する案内部材5D51が設けられている。つまり、案内部材5D51は、左右方向にスライド自在に被案内レール5D41に嵌め合わされている。
【0059】
また、プラットホームPの床面には、図示右側の第2のスライド非常扉5Dbの被案内レール5D42をスライド自在に支持する案内部材5D52が設けられている。案内部材5D52は、左右方向にスライド自在に被案内レール5D42に嵌め合わされている。
【0060】
可動ホーム柵1Dは、第1のスライド非常扉5Daの被案内レール5D41が、第2のスライド非常扉5Dbの案内部材5D51に支持されて左右方向にスライドすることで開閉する。また、第2のスライド非常扉5Dbの被案内レール5D42が、プラットホームPの案内部材5D52に支持されて左右方向にスライドすることで開閉する。
【0061】
以上、本実施形態の可動ホーム柵1Dでも、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
<第5の実施形態>
本実施形態では、戸袋間に配置される非常扉を開く際に、非常扉全体を一旦戸袋より前方(ホーム側)に引き出して、その後、非常扉を構成するスライド非常扉を左右にスライドさせる。以下、具体的に説明する。
【0063】
図10は、本実施形態に係る可動ホーム柵1Eを示す図であり、(a)は平面図で非常扉4が開いた状態であり、(b)は平面図で非常扉4が閉じた状態であり、(c)はホーム側から見た図であり、(d)は戸袋2側から見た図である。
【0064】
図10に示すように、可動ホーム柵1Eの非常扉4は、上記第1の実施形態の可動ホーム柵1Aと同様に、スライド非常扉5E及び固定非常扉4Eを備えているが、スライド非常扉5EをプラットホームPに支持して左右方向にスライドさせる非常扉案内装置6Eの構成が、第1の実施形態の可動ホーム柵1Aの非常扉案内装置6Aと異なる。そして、スライド非常扉5Eは、乗降口開閉装置が開いたときに乗降扉3を収容可能なスペースを有している。
【0065】
非常扉案内装置6Eは、プラットホームPに設けられたプラットホーム案内部材6E3と、プラットホーム案内部材6E3で前後方向にスライド自在に支持されたスライド部6E4と、スライド部6E4に設けられた被案内レール6E5と、スライド非常扉5Eの下側端部に設けられた被案内レール6E6とを備えている。
【0066】
スライド部6E4は、下面に下側被案内レール6E7を備えている。スライド部6E4の下側被案内レール6E7は、プラットホーム案内部材6E3に嵌め合わされて、前後方向にスライド自在に支持されている。なお、非常扉案内装置6Eには、前後方向のスライドをロック可能とするために、レバー操作によってロック又はその解除を行うためのロック機構50Dが設けられている。このロック機構50Dは軌道側からのみレバーによって操作可能となっている。
【0067】
また、スライド非常扉5Eの被案内レール6E6は、スライド非常扉5Eの下面に配置されており、スライド部6E4の上側に設けられた上側被案内レール6E5に嵌め合わされて、左右方向に前後方向にスライド自在に支持されている。
【0068】
そして、非常扉4を開くときには、まず、軌道側からロック機構50Dが解除される。つづいて、スライド非常扉5Eが軌道側から押されるか、ホーム側から引かれることで、スライド非常扉5E全体が戸袋2よりもホーム側(前方)まで移動する。その後、スライド非常扉5Eが図示では右側方向に操作されることで、非常通路が確保される。
【0069】
以上、本実施形態の可動ホーム柵1Eでも、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0070】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B,1C,1D,1E 可動ホーム柵
P プラットホーム
2 戸袋
20 センサ部
3 乗降扉
4 非常扉
4A,4E 固定非常扉
5A,5B,5C,5Da,5Db,5E スライド非常扉
5A4 被案内レール
6A 非常扉案内装置
6A2 ガイド板
6A3 支持板
6B リンク装置
6B1,6B2 支持装置
8B ロック部材
5C6,5C7 ガイドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、
前記乗降扉を収納する戸袋と、
該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、被案内手段が設けられたスライド非常扉と、
前記被案内手段がスライド可能に係合された、前記プラットホームに設けられた案内手段と、
前記スライド非常扉を収納する固定非常扉と
を備えていることを特徴とする可動ホーム柵。
【請求項2】
プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、
前記乗降扉を収納する戸袋と、
該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、被案内手段が設けられたスライド非常扉と、
前記被案内手段がスライド可能に係合された、前記プラットホームに設けられた案内手段とを備えた可動ホーム柵ユニットが
前記スライド非常扉が対峙するように配置されたことを特徴とする可動ホーム柵。
【請求項3】
プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、
前記乗降扉を収納する、案内手段が設けられた戸袋と、
該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した、前記案内手段がスライド可能に係合される被案内手段が設けられたスライド非常扉と、
を備えていることを特徴とする可動ホーム柵。
【請求項4】
前記案内手段に案内される前記スライド非常扉をスライドさせる駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可動ホーム柵。
【請求項5】
前記スライド非常扉には、内部に前記乗降扉を収納するスペースが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可動ホーム柵。
【請求項6】
前記戸袋と前記スライド非常扉との長さの和は、前記乗降扉の長さと概ね等しいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可動ホーム柵。
【請求項7】
プラットホームの長手方向に沿ってスライドする乗降扉を備えた可動ホーム柵であって、
前記乗降扉を収納する戸袋と、
該戸袋を挟んで前記乗降扉と反対側に位置した非常扉と、
該非常扉が前記戸袋と平行を保持しつつ重畳するリンク装置と
を備えていることを特徴とする可動ホーム柵。
【請求項8】
前記戸袋の線路側の側面には、障害物を検知する検出部が設けられており、
前記非常扉は、前記戸袋の線路側の下縁を前記検出部よりも上方に位置させていることを特徴とする請求項7に記載の可動ホーム柵。
【請求項9】
いずれか一方の前記スライド非常扉の代わりに固定非常扉が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の可動ホーム柵。
【請求項10】
前記固定非常扉には、前記スライド非常扉を収納するスペースが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の可動ホーム柵。
【請求項11】
前記スライド非常扉には、前記固定非常扉を収納するスペースが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の可動ホーム柵。
【請求項12】
いずれか一方の前記スライド非常扉には、他方の前記スライド非常扉を収納するスペースが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の可動ホーム柵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−254251(P2010−254251A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109989(P2009−109989)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】