説明

可撓性・耐衝撃性材料の製造方法

可撓性・耐衝撃性材料(1)の製造方法は、独立気泡フォーム材料のシート(20)を供給するステップと、シート(20)を離間した複数個の要素(2)に切断するステップとを含む。これらの要素(2)は、要素を隣接する要素と連結して要素(2)全体を一体的な格子とする連結部(7)を除いて、基本的に互いに分離される。第1の可撓性下地(3:25)は、格子の片面に結合される。要素(2)を隣接する要素と連結する連結部(7)は、例えば穿孔、切断またはレーザ融蝕によって、連結部(7)に結合される下地(3)の当該部分を取り除く又は取り除くことなく、除去される。第2の可撓性下地(27)は、連結部の除去前又は除去後に、格子の反対面に結合されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性・耐衝撃性材料、特に、これに限定されないが、防護衣および安全靴に使用するための可撓性保護材料の製造方法および、本方法によって製造された可撓性・耐衝撃性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
耐衝撃性保護材料は現在、特に、対人接触スポーツたとえばアメリカン・フットボール、ラグビー、さらに馬術などのスポーツや競技中に被る強打、擦過およびその他の負傷から人を保護するための衣料品および保護用品を製造するのに使用されている。また、たとえば建築業などの職業にあっても、負傷リスクの比較的高い場所で個人を保護するための保護衣が使用されている。
【0003】
従来の保護衣類は、たとえば肩パッドのように、衣服の不可分の一部を形成していてもあるいは、たとえば、レガーズのように、別個に供されてもよい。靴の保護中敷きおよび甲部も可撓性材料を使用して製造可能である。本願明細書に開示された方法で製造された可撓性材料はこれらのあらゆる用途に適しているだけでなく、室内装飾品および手荷物類への使用さらに医療用たとえば身体のさまざまな部位の保護被覆材としても適している。
【0004】
従来の保護材料のうちには、身体の特定の部位に適合するように形成された成形フォーム品の形をとるものもある。ただし、この種の成形品は、種々異なった人々に適合するように種々異なったサイズで製造されなければならないとの短所を有している。種々異なったサイズを提供することは高くつきあるいは不都合なことがある。また、ぴったり適合する用品は、特に関節またはその近くに着用されると、着用者の運動を制限することがある。成形フォーム品は1つの位置で関節に適正に適合することしかできない。関節が動くと、当該用品はもはや適正に適合することができない。これによって、当該用品が供する保護機能は損なわれる可能性がある。
【0005】
既存のさらに別の材料は、2枚の繊維層の間に形成されたポケットに縫い込まれた何本もの成形フォーム材を含んだキルティング材料を含む。この種の材料は製造に時間がかかる。また、この種の材料は一般にフォーム材の方向とは直角な方向にしか容易に曲げることができない。フォーム材の長手方向に沿った方向に材料を曲げることはフォーム材自体を曲げることと同じであり、これは、使用される成形フォームのタイプ次第で、困難なことがある。
【0006】
国際公開第01/03530号パンフレットには、密に配された(ただし分離された)弾性要素がフレキシブルかつ弾性伸縮可能な下地と結合された層からなる可撓性材料が記載されている。この種の材料は上述した材料の短所を克服し、三次元すべての方向に曲がりやすいことによって、着用者の身体に従来の材料よりももっと容易に一致することを可能にする可撓性材料を提供する。それゆえ、この材料は心地よく着用できると共に、従来の材料よりも良好に運動に適応することができる。この材料が保護材料として使用されるかまたは保護衣を形成するために使用される場合には、単一のサイズまたは少ない数のサイズで多くの種々異なったサイズの身体に適合することが可能である。
【0007】
国際公開第01/0350号明細書に記載された材料の製造方法は、
弾性材料シートを供給するステップと、
上記シートをプレスして切断するカッタを使用して、該シートを複数の互いに離間・分離した要素に切断するステップと、
離間した上記要素の片面を、該要素を適所に保持するジグの表面から突き出させるステップと、
上記下地を加熱して、分離した上記要素の前記片面と上記下地との間に塗設された接着剤を活性化させるかまたは上記要素を上記下地に溶接接合することにより、フレキシブルかつ弾性伸縮可能な下地を、分離した上記要素の片面と結合させるステップと、を含む。
【0008】
上記要素は好ましくはブロックの形を取り、不規則な形状を有していてよいが、ただし、ほとんどの場合にその断面形状は規則的であり、一般に、正方形、六角形または多角形である。また、少数の大きな要素が必要とされるだけの場合もあるが、ほとんどの場合に、1mあたり100〜8000個の要素密度、もっとも好ましくは1mあたり4000〜6000個の要素密度で上記下地上に均等に分布した多数の要素が設けられている。そのため、上記下地がこれらの要素と結合される間、上記要素を適所に保持するジグを用意することが必要である。有利には、上記カッタはジグとして機能するようにして使用されると共に、ブロックまたはエジェクタを設けることにより上記要素の片面がカッタの刃先から突き出して、切断後に、上記要素のこの面が上記下地と結合可能なように特別に適合されて形成されていてよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は国際公開第01/0350号パンフレット記載の材料を製造するための別途方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の実施態様において、弾性材料シートを供給するステップと、前記弾性シートを離間した複数個の要素に切断して、要素を隣接する要素と連結して要素全体を一体的な格子とする連結部を除いて、基本的に互いに分離された複数個の要素を造成するステップと、前記格子の片面を第1の可撓性下地と結合するステップと、要素を隣接する要素と連結する前記連結部のすべてもしくはいくつかを取り去るかまたは切断するステップと、を含む可撓性材料の製造方法が提供される。
【0011】
この方法は、上記要素を含んだ上記格子が上記下地に結合された後まで上記要素は分離されず、その後、上記下地が上記要素を適所に保持するために、ジグの必要性を不要にすることが理解されよう。これに先立ち、上記格子自体が上記要素をそれぞれの位置に保持する。ただし、ひとたび上記連結部が切断または取り除かれると、上記要素は分離されて自在な可撓性を発揮するため、材料は「ロックアップ」なしにあらゆる方向に曲がることが可能になる。
【0012】
また、実際に上記連結部のほとんどは取り除かれるか切断されるが、ただし、いくつかの用途にあっては、自在な可撓性が必要とされないエリアに若干の上記連結部を無傷のままに残しておくことが可能であることも理解されよう。
【0013】
好ましくは、前記連結部は前記連結部が結合される前記下地の当該部分と共に取り除かれる。この場合、上記下地は、上記連結部が結合されていた上記下地エリアに穴が形成されるという事実にもかかわらず、離間した上記要素の間をつないで一体構造を保持する連結ウェブを形成するとのことが理解されよう。
【0014】
上記連結部とそれに付された下地とは、任意の適切な手段を使用し、たとえば穿孔、切断または融蝕によって切断または除去されてよい。これらの手段のうちのいくつか、たとえばレーザ融蝕は、上記連結部が結合されていた上記下地を無傷のままに残して上記連結部を取り除くことを可能にする。ただし、いくつかの実施形態において、上記下地に穴を設けることが有利な場合もある。こうした材料が保護衣類に使用される場合には、これらの穴は材料の通気性を改善し、この材料が組み込まれる衣類のいっそう効果的な「通気」を可能にする。上記下地が弾性伸縮クロスからなる実施形態において、上記下地を単に引き伸ばすことによって上記連結部を切断することが可能とされてもよい。
【0015】
また、好ましくは、本発明は、前記連結部が取り除かれる前または取り除かれた後に、前記格子の反対面に第2の可撓性下地を結合させる追加ステップを含む。これらの実施形態において、特に上記下地の一方または双方が空気を通さないかもしくはほぼそうである場合には、上記第1の下地または双方の下地に穴を設けることも通気性を改善する。
【0016】
また、好ましくは、上記下地は、上記下地を加熱して上記下地と上記弾性材料との間に塗設された接着剤を活性化させることによって、上記格子と結合される。別法として、上記下地は、熱を加えて上記弾性材料と上記下地とを融着させることによって、上記格子に結合される。
【0017】
また、好ましくは、前記シートを前記格子に切断するためにカッタが使用され、該カッタは複数のカッタブレードを含み、各々のカッタブレードは多角形断面または閉曲線断面を有している。したがって、上記格子の形状は上記閉断面カッタの外側の領域によって決定され、上記カッタブレードの上記閉断面内部に形成されたエリアは廃棄屑片である。
【0018】
また、好ましくは、要素を隣接する要素に連結する前記連結部を取り除くためにパンチが使用され、該パンチは前記格子の前記連結部の位置に一致する位置に配置された多角形断面または閉曲線断面を有する複数のパンチブレードを含んでいる。
【0019】
また、好ましくは、上記弾性材料は独立気泡フォームを含む。
【0020】
また、好ましくは、上記第1の下地および/または上記第2の下地は、以下、つまり弾性伸縮クロス、編布、織布、プラスチックシートの少なくともいずれか1つを含む。
【0021】
本方法はバッチ製造工程または連続製造工程を含んでよい。後者にあっては、長尺の上記弾性材料と上記下地とが、好ましくは、上記弾性材料を格子に切断するか、該格子の片面を上記下地に結合するか、上記格子内部で要素を隣接する要素と連結する前記連結部のすべてまたはいくつかを取り除くかまたは切断するようにそれぞれ適合化された各一対のローラの間に供給される。
【0022】
本発明の第2の実施態様において、本発明の上記第1の実施態様に準拠して製造された可撓性・耐衝撃性ラミネートが提供される。
【0023】
本発明の第3の実施態様において、上面と下面とを有する離間した弾性要素からなる層を含み、該要素の少なくとも一方の面は第1の下地に結合され、要素を隣接する要素と連結する連結部が取り除かれた要素間の箇所の前記下地に穴が形成されている可撓性材料が提供される。
【0024】
本発明のさまざまな実施態様のその他の好ましい、ただし不可欠ではない特徴は本願明細書添付の従属請求項に記載した通りである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明のさまざまな実施態様を例示によって説明する。
【図1】本発明の方法に準拠して製造された可撓性・耐衝撃性ラミネート材の一実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の方法に準拠して格子状に切断された独立気泡フォームシートの斜視図である。
【図3】本発明に準拠した方法に使用されるカッタの平面図である。
【図4】本発明に準拠した方法に使用されるパンチの平面図である。
【図5】本発明の方法に準拠した可撓性材料のバッチ製造工程中のさまざまな段階を概略的な垂直断面図によって示す一連の図である。
【図6】本発明の方法に準拠した可撓性材料のバッチ製造工程中のさまざまな段階を概略的な垂直断面図によって示す一連の図である。
【図7】本発明の方法に準拠した可撓性材料のバッチ製造工程中のさまざまな段階を概略的な垂直断面図によって示す一連の図である。
【図8】本発明の方法に準拠した可撓性材料のバッチ製造工程中のさまざまな段階を概略的な垂直断面図によって示す一連の図である。
【図9】本発明の方法に準拠した可撓性材料の連続製造工程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示すように、例えば、本発明に準拠して製造された可撓性・耐衝撃性材料1は、可撓性下地3に融接または接着剤によって接合された複数個の弾性独立気泡フォームの要素2を含む。これらの要素2は均等に分布配置され、各々の要素2は隣接する要素2から一般に1mm〜4mmだけ離間している。
【0027】
図示実施形態において、要素2の外周には下地3のゆとり縁4が設けられており、該材料の対向する両側端縁にはそれぞれVELCRO(登録商標)テープ5(そのうち一方のみを図1に示す)またはその他の締結手段が配されている。これらのテープ5は、たとえばリストバンドまたはレガーズを形成するために1枚の材料を互いに締結するために使用することができる。別法として、下地3のゆとり縁4は、材料の当該用途に応じて、衣類の一部または他の材料に縫い付けられるかまたはその他の方法で取付けられてもよい。
【0028】
有利には、独立気泡フォームはポリエチレンフォームであり、要素2は1mあたり100〜8000個のセルまたは要素密度で均等に分布した立方体からなっている。いくつかの用途たとえば室内装飾品の場合には、上記密度が大きければ大きいほどラミネート材の可撓性は高まるために、上記密度は保護衣の場合よりも低くてよい。他方、保護衣の場合には、「ロックアップ」したりあるいは特定の方向への動きが妨げられたりすることなくあらゆる方向にラミネート材を容易に曲げることが可能となるために、1mあたり2000〜6000個の要素密度が好ましい。また、これによって材料1は、その屈曲性に顕著な影響を被ることなく、たとえば種々異なったサイズの保護衣を形成するために小片に切断されることが可能になる。
【0029】
図1に示す要素2は六角形の断面形状を有しているが、上記フォーム材は、特定の用途に適するように、その他の形状たとえば正方形、長方形、円形に切断されてもよい。
【0030】
材料1が保護衣または室内装飾品の生産に使用される場合には、下地3は弾性伸縮可能な編地、有利にはポリエステルまたはスパンデックス繊維からなる編地で構成されているのが好ましい。ただし、その他の用途の場合には、下地3は、伸縮性を有する必要のない耐摩耗性の編地または織布またはフィルムで構成されていてよい。適切なフィルムはプラスチックフィルムたとえばポリエチレンまたはポリウレタンシートなどである。
【0031】
いくつかの用途にあっては、要素2上に第2の可撓性下地層が結合されるため、該要素は2つの下地層の間に挟まれる。この場合、第1の下地3が弾性伸縮性または弾性を有していれば、材料が曲げられた場合に該材料の片側面にしわが寄ることを防止するのに有用である。ただし、双方の外側下地層がいずれも弾性伸縮性を有しているのが有利である。単一の伸縮性下地層のみが設けられて、該ラミネート材がたとえば保護衣に、湾曲した形状で使用される場合には、該材料は伸縮性を有する層が当該湾曲面の外側面となるように配置されるのが好ましい。
【0032】
図3に、図1に示す材料のバッチ製造工程で使用するためのカッタ10の一実施形態の平面図を示す。カッタ10は、ボード12上に取付けられた、それぞれが多角形断面または閉曲線断面を有する複数のブレード11を有している。本実施例において、ブレード11は多角形Y形の輪郭を有しており、「Y」のそれぞれの脚の間の角度は120°である。こうしてブレード11は、それぞれのブレードの間に互いに隣接する正六角形のパターンが形成されるように配置されることができる。六角形13の周囲に錯角をなして配置された隣接するブレード11の間には、小さなほぼ三角形の隙間14が残されている。したがって、カッタ10が弾性材料シートたとえば独立気泡フォームを切断するために使用されると、結果として、図2に示すように、格子6が生成されることが理解されよう。格子6は、カッタ10の隙間14によって形成される連結部7を除いて、互いに離間分離された複数の六角形要素2で構成されている。各々の連結部7はほぼ三角形をなしており、1個の要素2を、隣接する隣り合った2個の要素2に連結する。こうして、格子6は、Y形のブレード11内に取り込まれたY形廃棄屑片を残して、カッタ10から一体物として取り外すことができる。
【0033】
ブレード11は、種々異なったパターンの格子を形成するために、種々異なった形状で作製することができることが理解されよう。ただし、いかなる場合にも、ブレードによって切断された個々の要素2を1個またはそれ以上の隣接要素に連結するために、狭小な連結部または「峡部」が残されなければならない。したがって、上述したように、格子の形状は閉断面カッタ間の領域によって決定され、カッタブレード内部に形成されるエリアは材料屑を含んでいる。これは従来技術、特に国際公開第01/03530号パンフレットに記載された方法とは著しく相違している。該パンフレットの記載によれば、要素は多角形または閉曲線カッタブレード内部の空間によって定められ、ブレード間の格子は材料屑を意味している。
【0034】
図4は、図3に示すカッタ10と連携して使用されるパンチ15の平面図である。パンチ15は、ボード17に取付けられた一連の多角形断面または閉曲線断面パンチブレード16(これは本実施例では円形である)を含んでいる。ボード17は、パンチ15がカッタ10と同じもしくは同様な取付け台に配置されることができるように、カッタのボード12と同じサイズである。円形ブレード16の断面エリアはカッタ10のブレード11間の三角形隙間14のエリアに対応している。加えて、パンチブレード16は規則的なパターンで配置されて、それらの位置がカッタ10の隙間14の位置に一致するように離間されている。それゆえ、パンチ15がカッタ10の後に使用されれば、該パンチを使用して、格子の隣接要素2をつないでいる連結部7を取り除くことができる。
【0035】
図3,4に示すカッタ10とパンチ15とを使用して行われる、図1に示す材料のバッチ製造工程に含まれるステップを、以下、図5〜図8に示す一連の図面を参照して説明する。この場合、図5に示すカッタの断面は図3のV−V線に沿ったものである。こうしたバッチ製造工程は、その後、前述した保護衣、室内装飾品などの製造に使用することのできる個別の可撓性材料を製造するものである。
【0036】
最初に、独立気泡フォームシート20の片面または両面がホットメルト接着剤21で被覆される。図5には、以下に述べるように、下地が両面に結合されるようにするため、フォームシートの両面が被覆された状態が示されている。カッタ10はワーク面22上に配されて、フォームシート20は該カッタの上面に置かれる。続いて、プレス23を使用してシート20が圧し下げられてカッタ10に食い込まされるため、カッタブレード11はシート20を切断して、図2に示すセル格子6が形成される。プレス23の後退に応じて、ブレード11内に取り込まれたY形廃棄屑片が持ち上げられて格子6から突き出されるように、カッタブレード11内にエジェクタが配されてよい。これらの廃棄屑片は、次いで、それらを格子6から掃き取るよりも容易に、手またはワイパによって取り去ることができる。続いて、格子6はカッタ10から引き出される。
【0037】
次に、図6に示すように、第1の可撓性下地層25が格子6上に置かれる。この下地25は、図1に符号3で表された下地を形成することになる。加熱されたプラテン26が下地25の外側面に接触させられる結果、熱は下地25を経てフォーム格子6に伝導される。この熱は接着剤被膜21を活性化させて、下地25を格子6の上面と結合させる。
【0038】
続いて、パンチ15が同じまたは類似のワーク面22上に配されて、格子6と該格子に結合された下地とが、図7に示すように、該パンチ上に置かれる。その際、格子6とパンチ15との正しい位置合せが重要であり、これを達成するには、さまざまな手段の使用が可能である。一つの手段は、格子がカッタ10から取り去られるときに、格子6の外周の適所にオフカットフォームを残しておくことである。カッタ10とパンチ15とのバックボードは同じサイズであることから、その結果、このオフカットフォームはパンチ15の外周に置かれることになる。次いで、格子6と下地25とが先と同じまたは類似のプレス23を使用して圧し下げられてパンチ15に食い込まされる結果、格子6と下地25との双方を貫いて円形のパンチブレード16による穿孔が行われる。パンチ15はカッタ10と合致するようになされており、格子6とパンチ15とは互いに一致しているため、パンチブレード16は格子の連結部7と該格子に結合された下地25の当該箇所とを穿孔して、図1から理解されるように、下地25に円形穴26を残すことになる。ただし、今や分離された要素2は、要素2間の下地25が連結ウェブとして機能することにより適切に保持されている。
【0039】
第2の下地層27が要素2の反対面に結合さるべき場合には、材料はひっくり返されて、下地27が要素2上に配されなければならない。次いで、加熱プラテン26が再び使用されて、図8に示すように、この面に塗設された接着剤被膜21が活性化されて、下地27が要素2に結合される。
【0040】
上述した方法の変法も可能である。たとえば、カッタ10のY形ブレード11内のボード12に穴を開けて、パンチブレード16がそれらの穴を通って穿孔し得るようにすることにより、カッタ10をパンチ15と一体に組み合わせることも可能である。この場合、パンチ15はカッタ10の下方に配されて、格子6の切断中、引っ込んだ位置を占めることになろう。切断に続いて、Y形の廃棄屑片を格子6から押し出すエジェクタを使用して、Y形の廃棄屑片を除去することができる。ひとたびこれらの廃棄屑片が取り除かれた後、格子6はカッタ10内に残置され、該格子がカッタ10によってまだ保持されている間に、格子上面への下地25の結合を行うことが可能である。これを行うため、格子6の上面はカッタブレード11の上端と面一をなしているかまたは、好ましくは、該上端を僅かに越えて突き出ていなければならない。これは、図5に示すように、カッタ10の六角形エリア内にブロック28を配することによって達成することができる。別法として、カッタブレード11の高さを、格子6を形成するフォームシート20の厚さよりも僅かに小さくし、こうして、フォームが、プレスによって圧縮される切断工程の後に、跳ね戻って、カッタブレード11の上端を越えて突き出るようにすることができる。その後、カッタのボード12に設けられた穴を通してパンチブレード16が上方へ穿孔することにより、連結部7と連結部7に結合された下地25の当該部分が取り除かれることができる。
【0041】
その他の変法も採用することができる。
【0042】
第一に、下地25の性質に応じ、フォームシート20よりもむしろ下地25を接着剤21で被覆するのが有利なことがある。その理由は、接着剤が穴26の領域周囲の下地をシールして、切断後に下地がほつれるのを防止するからである。
【0043】
いくつかの方法において、パンチ15は連結部7を取り除く別の手段に置き換えることが可能である。その種の手段は連結部7に付された下地25を取り除いても取り除かなくてもどちらでもよい。たとえば、カッタたとえばホットナイフまたはレーザカッタをパンチ15の代わりに使用して、フォームと下地とを貫通切断して、連結部7を取り除くことが可能である。別法として、焼却または融蝕を使用して、連結部7を形成するフォームを取り除き、下地を無傷のままに残すことも可能である。レーザ融蝕はこの種のプロセスに特に適している。
【0044】
いくつかの実施形態において、独立気泡フォームは、接着されるというよりもむしろ、熱を加えることによって表面が部分的に溶融して下地25および27と融接されるようにすることができる。この場合には、フォームシート20ならびに下地層25,27はいずれも接着剤層21で被覆されるには及ばない。別法として、格子6と下地25,27との間にホットメルトフィルムを間挿することも可能である。
【0045】
その他の場合において、連結部7の除去は同所に第2の下地27が結合された後に行われる。たとえばパンチ、カッティングローラを含むカッタまたは融蝕によるこの種の手順の実施は、穴が下地層25,27の少なくとも一方を貫くが、必ずしも他方の下地層を貫くようにしなくともよい。また、いくつかの連結部7は一方の下地を貫いて穿孔または切断によって取り除かれるが、その他の連結部は他方の下地を貫いて穿孔または切断によって取り除かれるようにすることも可能である。これにより、材料の両側に、通気が重要な役割を果たすいくつかの用途において有利に機能する穴が残されることになろう。
【0046】
以下に、図9を参照して、本発明の方法に準拠した可撓性材料の連続製造工程を説明する。この方法では、以下に述べるように、個別の材料というよりも長尺一体のフレキシブル材料を生産するために、長尺の弾性材料および下地が種々異なったローラ対の間に供給される。この長尺材料は、次いで、求められる用途に適したサイズの材料片に切断されることができる。
【0047】
最初に、連続した長尺の弾性材料30たとえば独立気泡ポリエチレンフォームが、材料を一つのステップから次のステップへ送るために工程全体を通じて使用されるフィードローラ32を使用して、一組のカッティングローラ31の間に供給される。カッティングローラ31は、ローラの周囲に取付けられている点を別として上述したカッタブレードに類似した多角形断面または閉曲線断面を有したカッタブレードを備えた一方のローラと、第1のローラのカッタが対向する面を供する他方のローラとからなっている。カッタブレードは材料30からY形廃棄屑片24を切り抜き、それを材料30から取り除き、こうして、該材料は図2に示す格子と同様な格子として次の工程ステップに送られる。
【0048】
次に、上述したような、ホットメルトフィルム33と第1の下地34とが材料の片面に隣接して配設され、加熱プラテン26と同様に作用してフィルム33を活性化させて下地34を材料30に結合させる加熱ニップローラ35を使用して、該フィルムならびに下地が材料に結合される。一変形例において、ホットメルトフィルム33は割愛することができ、材料30は下地34と直接に融接されるかまたはそれらの一方もしくは他方に適切な塗布ローラまたはブラシを使用してホットメルト接着剤が被覆されてもよい。その後、材料は、パンチ15と同様に機能して格子の連結部7を取り除くように適合された一組のローラ36の間に供給される。カッタ36は、下地34を貫通して下側にある格子の連結部7を溶融させる加熱スパイク等を含んでいてよいであろう。別法として、カッタ36はパンチブレード等を含んでいてよいであろう。ただし、ローラ36は、カッティングローラ31を相補し、それに一致して動作するよう構成されることが理解でき、連結部7のみが取り除かれまたは切断されて、要素2は無傷で残されるように構成される。
【0049】
ローラ36から出てくる材料37は図1に示す材料と類似しており、直ちに使用することが可能である。ただし、材料30の他方の面にも下地を結合することが所望される場合には、長尺の第2のホットメルトフィルム38と下地39とが再び材料30の反対面に隣接して配設されて、加熱ニップローラ40を使用して材料に結合される。またも、このホットメルトフィルム38は割愛されて、材料30は下地39と直接に融接されるかまたはそれらの一方もしくは他方に適切な塗布ローラまたはブラシを使用してホットメルト接着剤が被覆されてもよい。こうして、得られる材料は、それが長尺材料として生産される点を別として、上述したバッチ工程によって製造されたものと同様である。
【0050】
また、2つの工程の組み合わせを使用することも可能であることが理解されよう。たとえば、材料をパンチ15または、連結部7を切断または取り除くための同等な手段に合致させて配置することがもはや不要であることから、第2の下地層27をフォーム材にバッチ法で付するためにニップローラを使用することができよう。
【0051】
あらゆる場合に、要素2は、完成材料が使用される用途に応じ、ほぼ同一もしくは種々異なったサイズおよび形状を有していてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料シートを供給するステップと、
前記弾性シートを離間した複数個の要素に切断して、要素を隣接する要素と連結して要素全体を一体的な格子とする連結部を除いて、基本的に互いに分離された複数個の要素を造成するステップと、
前記格子の片面を第1の可撓性下地と結合するステップと、
要素を隣接する要素と連結する前記連結部のすべてもしくはいくつかを取り去るかまたは切断するステップと、
を含む可撓性材料の製造方法。
【請求項2】
前記連結部は前記連結部が結合される前記下地の当該部分と共に取り除かれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記連結部は前記連結部が結合される前記第1の下地を無傷のままに残して取り除かれる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記連結部は、穿孔、切断、焼却または融蝕によって取り除かれる、請求項2または請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記連結部が取り除かれる前または取り除かれた後に、前記格子の反対面に第2の可撓性下地を結合させる追加ステップを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記シートを前記格子に切断するためにカッタが使用され、該カッタは複数のカッタブレードを含み、各々のカッタブレードは多角形断面または閉曲線断面を有している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
要素を隣接する要素に連結する前記連結部を取り除くためにパンチが使用され、該パンチは前記格子の前記連結部の位置に一致する位置に配置された多角形断面または閉曲線断面を有する複数のパンチブレードを含んでいる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の下地および/または前記第2の下地は、該下地を加熱して、該下地と前記弾性材料との間に塗設された接着剤を活性化させることによって、前記格子に結合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記シートが前記格子を形成するために切断されるよりも前に、前記弾性材料シートの少なくとも片面がホットメルト接着剤で被覆される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記下地の片面は、該面が前記格子に結合されるよりも前に、ホットメルト接着剤で被覆される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の下地および/または前記第2の下地は、熱を用いて前記弾性材料と前記下地とを融着させることによって、前記格子に結合される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記下地および前記弾性材料には加熱プラテンによって熱が与えられて、前記接着剤が活性化されるかまたは前記格子面および/または前記下地面が部分的に溶融されて両者が融接される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記下地は加熱ニップローラの間を前記下地と前記格子とが通過させられることによって加熱される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記弾性材料を格子に切断するか、該格子の片面を前記下地に結合するか、前記格子内部で要素を隣接する要素と連結する前記連結部のすべてまたはいくつかを取り除くかまたは切断するようにそれぞれ適合化された各一対のローラの間に、長尺の前記弾性材料と前記下地とが供給される連続製造工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記弾性材料は独立気泡フォームを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の下地および/または前記第2の下地は、以下、つまり弾性伸縮クロス、編布、織布、プラスチックシートの少なくともいずれか1つを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記要素は前記格子の内部で1mあたり100〜8000個のセル密度またはブロック密度を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法に準拠して製造された可撓性・耐衝撃性材料。
【請求項19】
上面と下面とを有する離間した弾性要素からなる層を含み、該要素の少なくとも一方の面は第1の下地に結合され、要素を隣接する要素と連結する連結部が取り除かれた要素間の箇所の前記下地に穴が形成されている可撓性材料。
【請求項20】
前記要素の他方の面に第2の下地が結合されている、請求項19記載の材料。
【請求項21】
前記第1の下地と前記第2の下地とは、要素を隣接する要素と連結する連結部が取り除かれた要素間の当該箇所に穴を有する、請求項20記載の可撓性材料。
【請求項22】
前記弾性要素は独立気泡フォームからなり、前記下地の少なくとも一方は弾性伸縮クロスからなる、請求項19〜21のいずれか一項に記載の材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−530630(P2012−530630A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516836(P2012−516836)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001085
【国際公開番号】WO2010/149945
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511312296)アーマフレックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】