説明

可鍛コロ製造装置及び方法

【課題】ガイドレールに設置しなおすことなく、直交方向も複数トーチで切断できるポータブル型溶断機を提供する。
【解決手段】ガイドレールに沿って移動する走行台車(移動体)に複数の溶断トーチを支持させているポータブル型溶断機の切断方向に対して切断対象の向きを切り替えるための回転軸を設ける。縦ガイドレールと横ガイドレールを切替えるためのレール切替接続用の回転軸を設けたり、切断対象の支持台を回転軸により回転させたりする(長いものはさらに長さ方向へのスライドも可能としてよい場合もある)。エネルギーや時間の効率のため、切断トーチの出力、移動体の移動速度、各切断トーチのオフセット位置を自動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄板等、板状の材料やスクラップをポータブル型溶断機等により効率的に切断する技術、特に複数トーチにより縦方向と横方向に切断する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の板から部品をくりぬいた後の鉄板を、電炉や鋳造の材料とするために、いわゆる「電炉コロ」や「可鍛コロ」等になるよう、より細かく切断する技術は、電炉や鋳造の産業技術のために本質的な工程であるだけでなく、今後の循環型社会において金属をできるかぎり再利用するために必須の工程であり、その生産性、効率性は限りなく問われるべきである。
鉄板等を縦横の切断する技術としては、定置式の一般的な切断機(アイトレーサやNCガス/レーザー/プラズマ式の切断機)そのものを用いてももよいが、これらは製品を切り出すためのものであり、製品(やその部品)をくりぬいた後の鉄板を縦横に所定サイズ(例えば、可鍛コロでは500mm×500mmや150mm×100mm(はがき大)、等)に切断するのには最適化されていない。
一方、鉄板等、板状の材料やスクラップをいわゆる「ポーダブル型溶断機」によって切断するためには、切断する方向(例えば縦方向と横方向)によってガイドレールを敷設しなおす必要があった。これを解決すべく、下記特許文献1のような技術が開発されたが、トーチ支持軸の出退では、複数切断トーチによって縦と横を溶断する場合等に効率的な切断ができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−155941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数切断トーチを搭載したポータブル型溶断機等によって切断する方向が変わる場合でも効率的な対応ができる装置及び方法を提供することを目的とする。また、定置式の切断機を、金属スクラップの所定サイズ縦横切断用途に最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(請求項1)は、
移動体に並べて固定した複数本の切断トーチを、
移動体とともに切断方向に移動させることにより、
鉄板スクラップ等の物体を複数の断面で同時に切断する装置であって、
物体の切断方向を縦横に切り替えて切断できるよう、
物体に対する移動体の移動方向を縦横に切り替えるための回転軸を有することを最も主要な特徴とする。
これにより、本発明の、上記の基本的な課題が達成される。
なお、移動体は、通称「亀の子」等と呼ばれるポータブル型溶断機であってよく、あるいはポータブルでない定置式の溶断機械の移動ヘッドとすることもできる。
また、切断トーチは、ガス(プロパン、アセチレン、ガソリン等を含む(同時に使用する酸素等も含む))、レーザー/プラズマ(同時に使用する窒素や炭酸ガス等も含む)、水圧(同時に使用する研磨剤等も含む)等による溶断/切断技術用のものであってよい。
また、移動体に並べて固定する態様としては、簡易な構成として移動体の左右で重さのバランスをとれるように移動体に固定した支持棒に等間隔で複数の切断トーチを固定してもよい。
あるいは、より高度な構成として、定置式の溶断機の移動ヘッド等に等間隔で複数の切断トーチを固定することができる。
さらに、単に移動ヘッド等に各切断トーチを静的に固定するのではなく、移動ヘッド等上の基準線(移動ヘッド上に並んだ各切断トーチの初期位置を結んだ線等)から切断方向のオフセット位置(後述する、切断トーチ毎に他の切断トーチよりも少し早めに切断方向に移動して予熱を与えながら徐々に基準線上に戻すためのオフセット位置)へ、各切断ヘッドを、サーボモータ等により、動的に位置制御できるようにした上で、各切断トーチを配置することもできる。
鉄板スクラップ等の物体としては、ネスティング切断された1枚の鉄板スクラップのほか、非鉄スクラップや、それらの板を複数重ね合わせたもの、あるいは、鉄/非鉄の部品や不要の製品/半製品を一つ又は複数個、切断対象として並べたもの、等であってもよい。
縦横は、直角または直角に近い断面が一般的であるが、必ずしも直角でない場合でも縦横が観念できればよい。また、垂直または斜めに立てた板を水平又は水平に近い断面で切るために縦横を切替えることも含む。
回転軸は、回転だけでなく物体の長手方向等にスライドもできるようにするための複数キャスター等で構成されたものであってよい。
【0006】
本発明(請求項2)は、特に、
移動体を縦に移動させるための縦レールと、
移動体を横に移動させるための横レールと、
該縦レールと該横レールとの間で接続を切り替えるための切替用レールを有し、
該切替用レールを回転可能な回転軸が
該縦レールと該横レールの交点に存在する切断装置を提供する。
これにより、切断対象の物体を回転しにくい場合でも、効率的に縦横に切断することができる。
切替用レールは、例えば、鉄道レールの接続切替と同様の機構とすることもできる。
【0007】
本発明(請求項3)は、特に、
前記回転軸が物体の支持体(台状部品、吊り下げ部品、把持部品、等)に存在し、
前記物体自体を縦から横又は横から縦に回転させることにより、
切断方向に対する物体の向きを切替えられるようにした、
切断装置を提供する。
これにより、前述した縦横のレールの切替が困難な場合や、切断ヘッド等の回転が効率的でない場合でも切断対象の物体だけを簡易に(あるいは切断対象のローディング/排出の一環として)回転等することにより、目的を達する(縦横に切断する)ことができる。
すなわち、回転軸は、回転だけでなく物体の長手方向等にスライドもできるようにするための複数キャスター等で構成してもよい。この場合、回転やスライドの自由のため、移動体は上から吊り下げる等して移動する態様、又は、(溶断ゴミが少ない場合等は)床に埋め込んでしまう態様が有利である。
【0008】
本発明(請求項4)は、さらに、
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出する空隙検出機構を備え、
前記切断トーチのすべてが空隙に位置している場合に前記移動体の移動を自動でより高速にするスキップ機構を有する
切断装置を提供する。
これにより、ネスティングされた鉄板等を切断する際に問題となる、いわゆる「空気を切る」時間と燃料等を節約することができる。
空隙検出機構自体は、切断トーチ毎に各時点で空隙を切断していることになるか(すなわち特定の場所が空隙かどうか)を検出できればよく、切断対象の物体をCCDカメラで撮影した電子画像の画像解析、さらに切断対象の物体に能動的に格子パターンを投影して物体の高さを検出するモアレ法等を利用/併用した画像認識技術の他、既存のあらゆる公知のセンサー技術(超音波、光、磁気、圧力、等によるもの)を用いても明らかに実現することができる。
【0009】
本発明(請求項5)は、さらに、
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出する空隙検出機構を備え、
前記切断トーチのいずれかが空隙に位置している場合に当該切断トーチからの出力を自動で低減させる省エネ機構(エネルギーや酸素の供給量や排出量の抑制機構等)を有する
切断装置を提供する。
これにより、省エネと環境対応が可能となる。
出力の低減は、既存の各切断トーチへの燃料供給バルブに対する電子制御技術等であってよい。
【0010】
本発明(請求項6)は、さらに、
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出しかつ新たな切断に入るための十分な予熱をかけたかどうかを新たな切断の進捗によって検出する空隙&予熱検出機構を備え、
該空隙&予熱検出機構からの情報により、前記切断トーチのいずれかが空隙から新たに切断に入る前後に移動体の移動速度を一時的に小さくする若しくは一時的にゼロにする又は当該切断トーチの出力を一時的に大きくしかつ新たな切断の進捗の検出時に元の状態に戻す自動の予熱制御機構を有する
切断装置を提供する。
これにより、複数の空隙を含むネスティングされた鉄板等を横断的に切断する際に特に問題となる、新しい断面に対する予熱制御にも配慮したさらに効率的な自動切断が可能となる。
新たな切断の進捗の検出時は、前述した空隙を検出する技術をベースとして、空隙に前との差異が生じた(すなわち切断が進捗した)かどうかを検出すればよい。
【0011】
本発明(請求項7)は、さらに、
請求項6に記載の予熱制御機構の制御に加え、
空隙に位置している切断トーチを、最大で、該切断トーチの新しい切断面に予熱を与えるために必要な時間分の距離(その時間に移動体が動く距離)分又は新しい切断面までの距離分のうちの小さいほう分だけ切断方向に自動で個別にオフセット移動させた(この間は切断トーチの並びが乱れる)後に、該オフセット距離を移動体の移動に応じて自動で連続的に縮小することにより、新しい切断面への予熱付与による移動体の移動スピードの遅れを小さくするよう制御できるようにした
切断装置を提供する。
これにより、切断トーチ毎のきめ細かい予熱提供制御とその後の切断制御が可能となり、時間効率やエネルギー効率がさらに向上する。
切断トーチの新しい切断面に予熱を与えるために必要な時間は、事前に実験的に求めておき、決定表や計算式で機械的に求められるようにしておけばよい。決定表や計算式のパラメータとしては、切断対象となる物体の材質、厚み、切断方法、エネルギー使用量(燃料、酸素量、電気量、等)、等を採用し、既存の各種センサー等で計測したこれらのパラメータの値から予熱を与えれるために必要な時間を機械的に求められるようにしておけばよい。
オフセット移動の自動制御(複数の切断トーチのうち一部の切断トーチだけを予熱提供のために切断方向に早めに自動移動させておく制御)、及び、その後の移動体の移動(移動体が追いついてきた位置)に応じた、切断トーチ毎のオフセット距離(移動体の移動のみによって決まる、全切断トーチの標準的な位置から、予熱提供のため切断方向に早めに移動させた分の距離)の自動縮小制御は、既存のセンサー技術やデジタル計測技術とサーボモータ技術等により機械で自動的におこなうことができる。
【0012】
本発明(請求項8)は、さらに、
縦又は横だけを最初に切断したことにより生じやすくなる、各切断トーチから物体までの高さの変異を埋めるように、各切断トーチの高さ(一律又は個別)を、移動体の移動中に自動で制御できるようにした
切断装置を提供する。
これにより、縦と横に順番に切断することによる衝突リスク(切断トーチと切断対象との衝突)や非効率性(切断トーチと切断対象の物体との距離が近すぎたり遠すぎたりして切断のエネルギー効率や時間効率が悪い等)をある程度回避することができる。
切断対象の物体の高さの検出・測定(移動体の位置毎またはさらに切断トーチ毎)は、既存の距離センサー技術(超音波、磁気、CCD画像解析、等によるもの)で可能であり、これに応じた切断トーチの高さの自動制御も既存のサーボモータ技術や電子制御技術等を組み合わせて可能である。
【0013】
本発明(請求項9)は、さらに、
前記物体を支持する台状の支持体を備え、物体の切断後に台の片側を下げて物体を台に滑らせて排出できるようにした
切断装置を提供する。
これにより、切断した物体をリフティングマグネット等で運び出す際に、切断トーチや移動体が、運び出そうとする切断した物体の上部付近等にないため、運び出し易くなる。
「片側を下げる」ため(ただし、新しい切断対象をセット(ローディング)する場合は逆に水平等に戻す必要もある)の機構は、ギア比を適度に調整した電動クレーンや回転ハンドル等であってよい。
【0014】
本発明(請求項10)は、さらに、
前記台状の支持体に振動を与えることにより、切断時に付着した物体を排出させるための振動発生機構を備える
切断装置を提供する。
これにより、切断時にライナ等に付着した物体を排出する際の人手(金槌やひっかき棒ではがして落とす等)が節約できるようになる。
振動発生装置は、一般的なカム等であってよい。
【0015】
本発明(請求項11)は、さらに、
前記物体を支持する複数のライナを備え、縦又は横のうち、最初の切断方向の切断によっては物体がライナの隙間に落ちてしまわない切断方向から先に自動的に切断するための、ライナ方向検出機構又は回転軸回転制御機構を有する
切断装置を提供する。
これにより、縦か横のいずれかを切る前に、切断対象の物体が排出される不具合やミスを回避することができる。
ライナ方向検出機構は、既存の磁気センサー技術(ライナで構成される台をキャスタで回転可能とした場合に等に台のライナ長手方向の二辺にのみ磁石をつける等して磁気を検知するなど)や既存のCCD等による画像認識技術(ライナの長手方向を検出する技術)であってよい。
回転軸回転制御機構は、ライナ方向検出機構からの電子情報を入力として利用する電子制御技術であってよく、ライナの長さ方向と同じ方向(縦または横のいずれか一方)を先の切断方向とできないように機械的に制限したり、アラーム警告(光や音)をしたりすることが、本発明の開示により、既存の公知技術で当業者により実施可能である。
【0016】
本発明(請求項12)は、さらに、
前記物体を支持する一律の間隔の複数のライナ(又は離散的な支持棒)を備え、
縦横に切断した物体をライナ(又は支持棒)の隙間に排出する構成を有しており、
ライナ(又は支持棒)の該一律の間隔に適した切断トーチの一律の間隔(実際の切断トーチ数より多い切断トーチ数を要する結果となってもよい場合もある)を提供するための所定の決定表又は所定の計算機構を有する
切断装置を提供する。
これにより、排出の不具合を減らしながら最も効率のよい切断トーチ間隔を現場で用意に設定することができる。
決定表の入力パラメータは、一律のライナ間隔(離散値)と、物体が切断されるべき切断幅の離散値による最大サイズ(縦と横それぞれ)であってよく、表で決定される値は切断トーチの一律の間隔である。計算機構は、一律のライナ間隔や物体が切断されてできる最大サイズ(縦と横それぞれ)のパラメータとして連続値を許す場合等に、適切な一律のトーチ間隔幅を現場で求めて設定できるようにするのに有用である。いずれも、決定される値や推奨される値範囲は網羅的な解でなくても現場では十分有用であり、明らかに実施できる。又、所定間隔の離散値だけをパラメータにするのであれば、解を事前に網羅的に求めて、決定表等としたり決定アルゴリズムとして実装する(計算機構にする)こともできる。
【0017】
本発明(請求項13)は、さらに、
前記一律の間隔を、ライナ(又は支持棒)に対し、切断トーチの出力が悪影響しないよう決定した
切断装置を提供する。
これにより、切断トーチがライナ(又は支持棒)を溶かして変形させたりしないようにすることができ、設備の経年劣化を抑制することができる。
例えば、縦方向に伸びるライナの間隔を17cm、19cm、23cm等とした場合(素数が多い)、縦方向に切断する切断トーチの幅を15cmとすることによってかなり大きな公倍数(例えば17×15=255cm)のサイズまでの切断対象について、切断トーチがライナを損ねにくくなる。また、さらに切断された物体がライナの上で左右のバランスがとれて排出されにくく(すなわち落下しにくく)ならないような、ライナ幅とトーチ間隔の組み合わせをあらかじめ計算しておき、決定表や計算機構により提供することもできる。
【0018】
本発明(請求項14)は、さらに、
前記物体を支持する一律でなくともよい間隔の複数のライナ(又は離散的な支持棒)を備え、
縦横に一定サイズ以下に切断した物体をライナ(又は支持棒)の隙間に排出する構成を有しており、
ライナ(又は支持棒)の一律でなくてもよい間隔に適した各切断トーチの間隔(実際の切断トーチ数より多い切断トーチ数を要する結果となってもよい場合もある)を提供するため所定の計算機構を有する
切断装置を提供する。
これにより、ライナの幅が一律でない場合にも現場で適切なトーチ間隔(一律とは限らない)を求めることが容易となる。
計算機構が備える計算プログラムのアルゴリズムは、通常の探索アルゴリズム(例えば最も左のトーチ間隔から始めて右のトーチ間隔まで深さ優先で各切断条件にあったトーチ間隔系列を求めるもの)であってよい。現在のコンピュータ技術によれば、一定精度の離散値(例えば1mm単位)のみを解候補とすることにより、十分少ない時間(数秒以内)で、切断条件にあった推奨トーチ間隔系列(例えば、縦15cm以内×横10cm以内の切断条件にあったトーチ間隔の系列(例えば、縦切断について最も左の切断トーチから、13cm間隔で2番目の切断トーチを配置し、さらに15cm間隔で3番目の切断トーチを配置し、さらに14cm間隔で4番目の切断トーチを配置し、・・・としてできるトーチ間隔の系列))を可算回の探索で計算可能であり、計算された推奨値系列やその別解(切断条件を満たす別の解)となる推奨値系列の集合をもとに、人手で又は機械で自動的にトーチ間隔を設定することができる。
なお、所定の基準(例えば、1mm以内)で相互に近い連続した推奨値(例えば、130mm、131mm、・・・145mm)を推奨「値範囲」(この場合、130mm〜145mmと計算機でも表現できる)として集約しその「値範囲」の系列として複数の推奨「値」系列を要約して表現した推奨「値範囲」系列の集合を計算機で求めて「130mm〜145mm」等で表現して、その後に人手も加えて(すなわち、表現された推奨値範囲系列の集合の中から人が一つの系列を選びかつその系列を構成する各値範囲の中から具体的な切断トーチ間隔を選んで)設定することとしてもよい。
あるいは、なんらかの別の所定の尺度(例えば、各値範囲の中の、最も広い間隔値や、最も狭い間隔値や、中央値となる間隔値)も採用して、計算機により完全自動で(例えば、最も左の切断トーチからグリーディ算法により常に最も広い間隔を自動採用していき)決定することとしてもよい。
【0019】
本発明(請求項15)は、さらに、
移動体に並べて固定した複数本の切断トーチを、
移動体とともに切断方向に移動させることにより、
鉄板スクラップ等の物体を複数の断面で同時に切断する方法であって、
物体の切断方向を縦横に切り替えて切断できるよう、
物体に対する移動体の移動方向を縦横に切り替えるための回転軸を有する切断方法。
この方法により、本発明の基本的な課題が解決される。
【発明の効果】
【0020】
上述したとおり、本発明によれば、部品を切り出した鉄板等の効率的な縦横の切断が可能となり(時間面、資源面、手数面)、基本的な課題が解決される。また、切断した物体の排出や切断トーチの間隔の適切な設定も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、レールの接続切り替えにより移動体の移動方向の回転をおこなうための回転軸を備える実施例1を示した説明図である。
【図2】図2は、複数のキャスター(回転軸は手動により調整できる)により切断対象の物体を切断する方向を回転するための別の実施例2を示した説明図(上面図および側面図)である。
【図3】図3は、切断対象の物体(鉄板)中の空隙についての基本的な対応の実施例を示した説明図である。
【図4】図4は、切断対象の物体(鉄板)中の空隙についての基本的な対応だけの場合の問題点を示した説明図である。
【図5】図5は、切断対象の物体(鉄板)中の空隙についての本発明によるより高度な対応を行う実施例を示した説明図である。
【図6】図6は、本発明により縦横に切断した物体の排出のための実施例を示した説明図である。
【図7】図7は、ライナ間隔に対して適切な切断トーチ間隔を設定する実施例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
鉄道レールと同様の接続切替のためのレール(11R,11L)により縦と横の切断方向を切替える手軽で実用的なポータブル切断機として実現した。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の1実施例の説明図であって、レールの接続切り替えにより移動体の移動方向の回転をおこなうための回転軸を備える実施例1を示した説明図である。
1は、本実施例の本切断装置全体を自動制御するための自動制御装置である図示しない制御盤・表示盤により、切断対象の物体(ワーク)毎の切断の開始、移動速度、燃料制御、縦横切替、終了のプログラミングや、想定する板厚・切断トーチ・燃料の設定が公知の電子制御技術でできるようになっている。また、画像解析装置7から入力された情報をもとに公知のフィードバック制御ができるように構成されている。
2は、自動制御装置1に電力を供給する電力線である。
3は、自動制御装置1とその先の切断トーチにプロパンガスを供給するためのプロパンガス供給パイプである。
4は、同様に酸素ガスを供給する酸素ガス供給パイプである。
5は、移動体であり、移動(速度、方向)および設置された複数の切断トーチの昇降が自動制御装置1によりリモート制御可能に構成されている。
5Bは、移動体5に支えられたアームであり、複数の切断トーチ5Tと反対側にバランスウェイト5Wが設定されている。
5PCは、電力&制御信号線であり、自動制御装置1から、移動体5に対し移動のための電力を供給し、かつ、両者の間で制御情報をやりとりする。
5Tは、切断トーチであり、ここでは3本設定されている。
5TPは、切断トーチ5Tへのプロパンガス供給パイプである。
5TOは、切断トーチ5Tへの酸素供給パイプである。
5Wは、移動体の左右でバランスを保つためのバランスウェイトである。
6は、縦と横のレールを切り替えるための接続切替レールである。
6Aは、接続切替レールをその台ごと回転させるための回転軸であり、自動制御装置1により回転の角度をサーボモータで電子制御されている(なお、別の実施形態では、移動体を載せたまま手動で回転させることにしている)。
6PCは、電力&制御信号線であり、接続切替レール6に対し、電力を供給しかつ自動制御装置1との間で制御信号のやりとりを行う。
7は、画像解析装置であり、全体の画像と、ワーク8(切断対象の物体(鉄板))に対しいわゆるモアレ法による解析を動的/静的に行った結果の信号を自動制御装置1に返すため、格子模様の光を発するランプとカメラと同法のための一般的な解析回路等を内蔵している。
7PCは、電力&情報信号線であり、画像解析装置7に電力を供給しかつ自動制御装置1との間で制御信号やデータのやりとりを行う。
8は、切断対象となる物体であり、「ワーク」とよばれる。この例では、ネスティングにより切断された鉄板である。
8Nは、切断対象8における空隙(くうげき)つまり部品等をとったあとの隙間である。
8Rは、切断対象を切断した断面である。
9は、ライナであり、複数並べてワーク8を支える台としている。
10Rは、移動体5を直線的に移動させるための右のレール(縦切り用)である。
10Lは、移動体5を直線的に移動させるための左のレール(縦切り用)である。
11Rは、接続切替レールのうちの右のレールであり、回転軸6Aにより、移動体5を載せて回転することより、縦切と横切を切り替えることができる。
11Lは、同様の切替のための左のレールである。
12Rは、移動体5を直線的に移動させるための右のレール(横切り用)である。
12Lは、移動体5を直線的に移動させるための左のレール(横切り用)である。
【実施例2】
【0024】
図2は、本発明の別の実施例の説明図(上面図および側面図)であって、複数のキャスター(回転軸は手動により調整できる)を利用して切断対象の物体自体を回転させることにより、切断する方向(縦と横)を切り替える別の実施例2を示した説明図である。
ここで、5Rは、移動体5が移動するための車輪(鉄道の車輪と同様に電気モーターにより回転して粘着力でレール上を移動するもの)である。
20は、ライナ台であり、複数のライナ9を等間隔で並べて設置している。
21は、キャスターであり、縦横の切断方向の切替だけでなく、切断対象のローディングや排出(人手による工程でも半自動機械による工程でもよい)を便利にする。また、切断対象の物体(鉄板等)が縦に長い場合等には、例えば縦横それぞれ2回に分けて切断(合計4回移動体をレール上移動させる)するための、人手や機械等による切断対象の物体の位置決め(移動)を容易にする。キャスターは、回転だけでなく、縦横にスライドさせたり、スライドさせながら回転させたりすることも可能だからである。なお、この用途で自由なスライドや回転を可能にするためには、次に説明するレール台22は、地面からの台としてレールを支える形態ではなく、図示しない梁等から吊るしたレール台としてレールを支えるように構成することが好ましい。
22は、レール台であり、適当な高さにレール(10R,10L)を支える。
【0025】
図3は、切断対象の物体(鉄板)中の空隙についての基本的な対応の実施例を示した説明図である。
この図では、凡例で示すとおり、まず、全ての切断トーチが空隙8Nに位置するとき(図示するタイミングのとき)は、移動体5を高速に移動して時間を節約することを説明している。
ただし、一部の切断トーチ5Tだけが空隙8Nに位置するときは、その該当する切断トーチ5Tについてだけ燃料や酸素を一時的に節約し、省エネルギーを実現している。
また、全ての切断トーチが切断対象8と空隙8Nの境に位置するときは、等しく予熱を与える必要があるので、移動体5全体を非常に低速で移動し、切断に進捗があったときに初めて通常の速度に戻すことになる。切断の進捗は、図1の画像解析装置7を介して自動制御装置1がコンピュータで判断して、上記速度の自動制御を実施する。
また、一部の切断トーチ5Tだけが切断対象8と空隙8Nの境に位置するときは、該当する切断トーチ5Tについてだけ酸素や燃料の出力を一時的に強化し、なるべく早く必要な予熱を与えきり通常の速度で移動体5を移動できるように、自動制御装置1が、画像解析装置7を介して自動制御する。
いずれの切断トーチ5Tも切断対象8に位置して空隙や空隙との境に位置していない場合は、事前に自動制御装置1に設定/プログラムした通常の速度、出力で切断するように自動制御装置1のコンピュータが完全自動で制御する。
【0026】
図4は、切断対象の物体(鉄板)8中の空隙8Nについての基本的な対応だけの場合の問題点を示した説明図である。
上述の図3の自動制御を行った場合には、ある程度の効率向上と省エネルギーが実現できるが、予熱提供がばらばらとなる場合には、予熱提供時間が他の切断トーチ5Tの切断進捗を大きく阻害することになってしまう。すなわち、空隙8Nから新しい切断を行うことになる図示する点にあらかじめ予熱を与えておいたほうが、切断トーチ5Tの並び(ほぼ5B)の、この点への到着時に一時的に移動体全体5の速度を緩めたり、一時的にこの切断トーチ5Tの酸素等の出力を多くしたりしなくても、すぐに通常の切断速度(移動速度)と出力で切り始められるため、移動体全体(5)を、より早く移動でき、効率的な切断ができるはずだが、この図の実施例では対応していないため、切断トーチ5T間の予熱提供がバラバラに行われるような切断対象の形状(例えば本図で図示した切断対象の形状)の場合には、多くの予熱提供時間が他の切断トーチの切断の進捗にとって無駄となる。
【0027】
図5は、切断対象の物体(鉄板)中の空隙についての本発明によるより高度な対応を行う実施例を示した説明図である。
ここで、5TYは、各切断トーチ5Tを、適切な時間に、適切な距離だけ進行方向に前もって移動(オフセット移動)して、物体と空隙の境に適切なタイミングで予熱提供を行うためのオフセット移動装置であり、移動の制御は、画像解析装置7からの入力情報をもとに自動制御装置1が自動的に決定して、オフセット移動装置5TYのサーボモータを制御することにより行う。
この実施例では、オフセット移動後は、移動体5の移動に合わせて徐々にオフセット(前もって切断方向に進んでいる距離)を小さくしながら予熱提供できるようにしている。
より具体的には、空隙に位置している切断トーチについて、空隙でなくなる境(物体と空隙との境)までの距離を、画像解析装置7により計測した上で、その距離を最大限可能なオフセット(距離)としつつ、予熱提供に必要な距離(予熱提供に必要な時間から自動的に逆算した値)だけ空隙中を前もって進む(ただし、最大限可能なオフセットを限度として進む)よう自動制御装置1の図示しない電子回路(コンピュータ)をプログラムしている。また、その切断トーチが鉄板と空隙の境に達した後は、その境の上に切断トーチが常に追随するよう移動体5の新たな移動分だけ戻り(オフセットの距離を小さくし)ながら、当該境に対し必要な分の予熱提供をして最後に基準位置(オフセット0)まで戻るよう、しかも所定の誤差でこの工程を実現できるように自動制御装置1の図示しない電子回路(コンピュータ)をプログラムしている。
【0028】
図6は、本発明により縦横に切断した物体の排出のための実施例を示した説明図である。
61は、リモコン制御できる電動式のクレーンであり、切断対象の物体8を支持する台状の支持体(すなわち、複数のライナ9を設置した台20)を水平に支持する。また、物体8の切断後には、図示しないリモコンを操作して台の片側を下げることにより物体8を滑らせて容易に排出できるようにしている。
62は、クレーン61を固定した梁である。
63は、振動発生機構(図示しない電動のカム)を備えた振動装置であり、台状の支持体(複数のライナ9を設置した台20)に振動を与えることにより、切断時に溶断熱等の影響でライナ9に付着した物体を排出させることができる。これは自動制御装置からの電力(電線は図示しない)による電動式だが、別の実施形態では、単にバネの反動を利用した手動式の金槌を用いている。
【0029】
図7は、ライナ間隔に対して適切な切断トーチ間隔を設定する実施例を示した説明図である。
上の図では、一律Aの感覚で切断トーチを配置しており、4つに切断された物体8が、ライナ9の間に落ちるように、かつ、切断トーチの出力がライナ9を損傷しないような切断トーチの配置としている。
上から真ん中の図は、より切断トーチ間隔(一律B)を短くしたものであり、この場合、切断されてできる製品(可鍛コロ)のサイズにムラができることにはなるが、製造コストは同一であり、移動体5のアーム5Bが上の図の場合よりも短い場合等に採用することが有利である。
下の図は、上の図に対しワークを左にずらした場合に、同じ分だけ切断トーチの配置をずらすことにより、よりライナ9の損傷を少なくした実施例である。
図の例は、いずれも、縦方向を切断した後の横方向の切断であり、横方向の切断後は、製品となっているので、ライナ9の間に出来た製品8をあえて落として、効率的に切断ステージ(9)から排出することができるようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、資材やスクラップ等を縦横に切断する場合に利用でき、特に空隙のあるものや予熱提供が必要なものの切断に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 自動制御装置(制御盤・表示盤つき)
2 電力線
3 プロパンガス供給パイプ
4 酸素ガス供給パイプ
5 移動体(移動制御と切断トーチの昇降をリモート制御可能)
5B アーム
5PC 電力&制御信号線
5R 移動体が移動するための車輪(粘着力でレール上を移動)
5T 切断トーチ
5TP 切断トーチへのプロパンガス供給パイプ
5TO 切断トーチへの酸素供給パイプ
5TY オフセット移動装置
5W バランスウェイト
6 接続切替レール
6A 回転軸
6PC 電力&制御信号線
7 画像解析装置(モアレ法のための格子ランプとカメラを内蔵)
7PC 電力&情報信号線
8 切断対象となる物体(ワーク、ネスティングにより切断された鉄板)
8N 切断対象における空隙
8R 切断対象を切断した断面
9 ライナ
10R 右のレール(縦切り用)
10L 左のレール(縦切り用)
11R 右のレール(接続切替用)
11L 左のレール(接続切替用)
12R 右のレール(横切り用)
12L 左のレール(横切り用)
20 ライナ台
21 キャスター
22 レール台
61 クレーン
62 梁
63 振動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に並べて固定した複数本の切断トーチを、
移動体とともに切断方向に移動させることにより、
鉄板スクラップ等の物体を複数の断面で同時に切断する装置であって、
物体の切断方向を縦横に切り替えて切断できるよう、
物体に対する移動体の移動方向を縦横に切り替えるための回転軸を有する切断装置。
【請求項2】
移動体を縦に移動させるための縦レールと、
移動体を横に移動させるための横レールと、
該縦レールと該横レールとの間で接続を切り替えるための切替用レールを有し、
該切替用レールを回転可能な回転軸が
該縦レールと該横レールの交点に存在する、
請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記回転軸が物体の支持体(台状部品、吊り下げ部品、把持部品、等)に存在し、
前記物体自体を縦から横又は横から縦に回転させることにより、
切断方向に対する物体の向きを切替えられるようにした、
請求項1に記載の切断装置。
【請求項4】
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出する空隙検出機構を備え、
前記切断トーチのすべてが空隙に位置している場合に前記移動体の移動を自動でより高速にするスキップ機構を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項5】
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出する空隙検出機構を備え、
前記切断トーチのいずれかが空隙に位置している場合に当該切断トーチからの出力を自動で低減させる省エネ機構(エネルギーや酸素の供給量や排出量の抑制機構等)を有する
請求項1から4のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項6】
切断トーチの出力が物体の空隙に位置するかどうかを検出しかつ新たな切断に入るための十分な予熱をかけたかどうかを新たな切断の進捗によって検出する空隙&予熱検出機構を備え、
該空隙&予熱検出機構からの情報により、前記切断トーチのいずれかが空隙から新たに切断に入る前後に移動体の移動速度を一時的に小さくする若しくは一時的にゼロにする又は当該切断トーチの出力を一時的に大きくしかつ新たな切断の進捗の検出時に一時的な状態から元の状態に戻す自動の予熱制御機構を有する
請求項1から5のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項7】
請求項6に記載の予熱制御機構の制御に加え、
空隙に位置している切断トーチを、最大で、該切断トーチの新しい切断面に予熱を与えるために必要な時間分の距離(その時間に移動体が動く距離)分又は新しい切断面までの距離分のうちの小さいほう分だけ切断方向に自動で個別にオフセット移動させた(この間は切断トーチの並びが乱れる)後に、該オフセット距離を移動体の移動に応じて自動で連続的に縮小することにより、新しい切断面への予熱付与による移動体の移動スピードの遅れを小さくするよう制御できるようにした
請求項6に記載の切断装置。
【請求項8】
縦又は横だけを最初に切断したことにより生じやすくなる、各切断トーチから物体までの高さの変異を埋めるように、各切断トーチの高さ(一律又は個別)を、移動体の移動中に自動で制御できるようにした
請求項1から7のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項9】
前記物体を支持する台状の支持体を備え、物体の切断後に台の片側を下げて物体を台に滑らせて排出できるようにした
請求項1から8のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項10】
前記台状の支持体に振動を与えることにより、切断されて付着した物体を排出させるための振動発生機構を備える
請求項9に記載の切断装置。
【請求項11】
前記物体を支持する複数のライナを備え、縦又は横のうち、最初の切断方向の切断によっては物体がライナの隙間に落ちてしまわない切断方向から先に自動的に切断するための、ライナ方向検出機構又は回転軸回転制御機構を有する
請求項1から10のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項12】
前記物体を支持する一律の間隔の複数のライナ(又は離散的な支持棒)を備え、
縦横に切断した物体をライナ(又は支持棒)の隙間に排出する構成を有しており、
ライナ(又は支持棒)の該一律の間隔に適した切断トーチの一律の間隔(実際の切断トーチ数より多い切断トーチ数を要する結果となってもよい場合もある)を提供するための所定の決定表又は所定の計算機構を有する
請求項1から11のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項13】
前記一律の間隔を、ライナ(又は支持棒)に対し、切断トーチの出力が悪影響しないよう決定した
請求項12に記載の切断装置。
【請求項14】
前記物体を支持する一律でなくともよい間隔の複数のライナ(又は離散的な支持棒)を備え、
縦横に一定サイズ以下に切断した物体をライナ(又は支持棒)の隙間に排出する構成を有しており、
ライナ(又は支持棒)の一律でなくてもよい間隔に適した各切断トーチの間隔(実際の切断トーチ数より多い切断トーチ数を要する結果となってもよい場合もある)を提供するため所定の計算機構を有する
請求項1から13のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項15】
移動体に並べて固定した複数本の切断トーチを、
移動体とともに切断方向に移動させることにより、
鉄板スクラップ等の物体を複数の断面で同時に切断する方法であって、
物体の切断方向を縦横に切り替えて切断できるよう、
物体に対する移動体の移動方向を縦横に切り替えるための回転軸を有する切断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−139714(P2012−139714A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294247(P2010−294247)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(510302179)株式会社マルセイ (3)
【Fターム(参考)】