説明

可食フイルムの包装装置

【課題】 表面に糖分をコーティングした可食フイルムを、包装装置に粘着させることなく包装する。
【解決手段】 剥離性帯状台紙11の折り曲げ板12のエッジ部分をスライドして折り曲がる前記台紙から剥離する可食フイルム10を、糖分コーティング面がカットローラ16側に向くように、同カットローラ16と刃受けローラ15との間に送り込み、前記カットローラ16に設置した切断刃21によって等間隔に順次、カットする。この場合、前記可食フイルム10の糖分コーティング面は前記切断刃21に向き、同糖分コーティングの反対面は刃受けローラ15に向いてカットする。つまり鋭利な切断刃21は前記糖分コーティング面側から前記可食フイルム10を切断するので、当該糖分コーティング面がいずれのローラにも押し付かず粘着の機会がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の可食フイルムを等間隔でカットしながら、前記各可食フイルムをそれぞれ2枚の包材間に順次包装する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
口内で唾液により溶解する極薄の可食フイルムは型崩れしやすく、従ってかかる可食フイルムは一般に帯状の剥離性の台紙に貼り付け、該台紙から前記の可食フイルムを剥離しかつ切断刃で規定長さにカットしながら包材内に送り込み包装するシステムを採用する。この場合、下記特許文献1に開示するような装置を用いるが、特に前記可食フイルム面に糖分をコーティングしたものは、該フイルムをカットする前記切断刃の受台に粘着しやすい難点がある。
【0003】
【特許文献1】特開平10−152106
【発明の開示】
【0004】
本発明は、糖分をコーティングした可食フイルムを規定の面積でカットしながら包材に送り込むために、周面軸方向に沿って切断刃を設置したカットローラと、前記カットローラと平行設置した刃受けローラとの境界に、剥離性帯状台紙の折り曲げ板のエッジを対向配置し、前記エッジ部分をスライドして折り曲がる前記台紙からの帯状剥離可食フイルムを、該フイルムの糖分コーティング面が前記カットローラ側に向くように同カットローラと前記刃受けローラとの間に送り込んで等間隔にカットすると共に、前記カットローラ周面に形成する真空吸引穴で前記カットフイルムを支持して運搬し、かつ第2移送ローラの対向位置で、該第2移送ローラが備える二次真空ポートに前記可食フイルムフイルムを受け渡したあと、前記第2移送ローラによって運搬する可食フイルムのカット材をコンベヤ軌道上で解放すると共に、前記コミンベヤ軌道に沿って移動するアタッチメントにより前記フイルムカット材を2枚の帯状包材間に順次搬入するごとく構成する。
【0005】
剥離性帯状台紙の折り曲げ板のエッジ部分をスライドして折り曲がる前記台紙から剥離する可食フイルムは、糖分コーティング面がカットローラ側に向くように、同カットローラと刃受けローラとの間に送り込まれ、前記カットローラに設置した切断刃によって等間隔に順次、カットされる。この場合、前記可食フイルムの糖分コーティング面は前記切断刃に向き、同糖分コーティングの反対面は刃受けローラに向いてカットする。つまり鋭利な切断刃は前記糖分コーティング面側から前記可食フイルムを切断するので、当該糖分コーティング面が前記ローラに押し付かず粘着の機会がない。
【実施例1】
【0006】
装置の側面図である図2に示すように、帯状の可食フイルムを貼り付けた剥離性の帯状台紙11は、下側の軸13から上側の軸14に向けて移動するが、折り曲げ板12のエッジをスライドして鋭角に折れ曲がるとき、前記の貼り付けた帯状の可食フイルムを剥離して、それぞれ平行配置した3本のローラ15,16,17の間に蛇行状に送り込む。
【0007】
図5に示すようにフレーム18は前記3本のローラ15,16,17をそれぞれ回転自在に支持し、前記各ローラを3個の歯車26,27,28でもって連結すると共に、チェン35を介してモータ36と連結する結果、前記3個のロータはそれぞれ矢印の方向に回転するもので、一方下部2個のロータ16,17の端面はスライドバルブ37,38を介して真空ポンプと連結する。
【0008】
前記上下ローラの一部を拡大する図6に示すごとく、前記台紙11が前記折り曲げ板12のエッジをスライドして鋭角に折れ曲がるとき、貼り付けた帯状の可食フイルム10を剥離して上部の刃受けローラ15と、下部のカットローラ16との間に送り込み、このとき前記カットローラ16の軸線に沿って等間隔に平行設置した複数の切断刃21は、前記可食フイルム10を上域の刃受けローラ15に押し付けて等分切断し、同時にローラ周面に開口した真空吸引穴22は前記フイルムのカット材10を吸着しかつローラ16と一体に運搬する(図1をも参照)のである。
【0009】
なお図1において、前記カット材10が前記の真空吸引穴22により支持されるのは、弓型仮想線20で示す真空領域だけであり、図4において真空吸引穴22が前記の弓型真空領域20から外れると同時にフイルムカット材10はカットローラ16から離れるが、その直前に下域の前記第2移送ローラ17が形成する4つの二次真空ポート23は順次、二次真空領域24に繋がり前記フイルムカット材10を吸着するので、前記フイルムカット材10は継続的に前記の第2移送ローラ17によっても運ばれ、下域のコンベヤ軌道25上の各アタッチメント31の間に解放されるのである。
【0010】
図2において前記コンベヤ軌道に沿って配置したエンドレスチェンコンベヤ30は、等間隔で前記アタッチメント31を備えるが、図7に示すごとくこれら前記アタッチメント31は、両側それぞれのL形材41により形成したコンベヤ軌道の間を、チェン30の回転動力により移動し、フイルムカット材10を図2における上下包材32,33の間に順次搬入する。
【0011】
図2における折り曲げ板前位の、上下一対のカットローラ41,42の平面拡大を示す図8は、図9にも示すように、ガイドプレート43に形成したスリット44の部分で可食フイルム10と帯状台紙11とを一体に2分割する結果、図10に示すように先広がり状に配置した2列のコンベヤ軌道41はそれぞれフイルムカット材10を2列先広がりに搬送する。詳しくは図11に示すように、2列のチェン30それぞれのチェンリンク45とチェンピン46との間の隙間を利用して2列チェン30を先広げしたものであり、この結果、図12ごとくフイルムカット材10は、チェン30に取り付けたアタツチメント31でもってコンベヤ軌道41を先広がりに搬送されるのである。
【0012】
以上の結果、2列のフイルムカット材を、図3における上下2連の包材32,33間に送り込み、上下の回転ベルト47,48の挟圧で内部空気を排除しながら、後域のシールローラ51,52により、図13のように前記包材32,33を4方シールしてフイルムカット材10を密封したあと、図3におけるサイドカット刃53,54で切り取る残材55をリール56に巻き取り処理し、上下の分割カットローラ57,58により図14のごとく可食フイルムのカット材10を密封した包装体60を形成することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】台紙と可食フイルムフイルムとの剥離部分側面図
【図2】装置の簡略側面図
【図3】装置の簡略側面図
【図4】コンベヤ軌道への可食フイルムフイルムカット材の供給側面図
【図5】ローラの仕様面図
【図6】フイルムカット部分の拡大側面図
【図7】フイルムカット材搬送コンベヤの正面図
【図8】分割刃の平面図
【図9】分割刃の正面図
【図10】先広がりコンベヤ軌道の平面図
【図11】先広がりチェンの平面図
【図12】先広がりコンベヤ軌道の平面図
【図13】包装体の平面図
【図14】包装体の斜視図
【符号の説明】
【0014】
10…可食フイルム
10…フイルムカット材
11…帯状の台紙
12…折り曲げ板
15…刃受けローラ
16…カットローラ
17…第2ローラ
21…切断刃
22…真空吸引穴
23…二次吸引穴
25…コンベヤ軌道
30…エンドレスチェン
31…アタッチメント
32,33…包材
41…コンベヤ軌道
42,43…分割刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面軸方向に沿って切断刃を設置したカットローラと、前記カットローラと平行設置した刃受けローラとの境界に、剥離性帯状台紙の折り曲げ板のエッジを対向配置し、前記エッジ部分をスライドして折り曲がる前記台紙からの帯状剥離可食フイルムを、該フイルムの糖分コーティング面が前記カットローラ側に向くように同カットローラと前記刃受けローラとの間に送り込んで等間隔にカットすると共に、前記カットローラ周面に形成する真空吸引穴で前記カットフイルムを支持して運搬し、かつ第2移送ローラの対向位置で、該第2移送ローラが備える二次真空ポートに前記可食フイルムフイルムを受け渡したあと、前記第2移送ローラによって運搬する可食フイルムのカット材をコンベヤ軌道上で解放すると共に、前記コミンベヤ軌道に沿って移動するアタッチメントにより前記フイルムカット材を2枚の帯状包材間に順次搬入する装置。
【請求項2】
剥離性帯状台紙が折り曲げ板のエッジに到達するまでの領域に、前記帯状台紙を可食フイルムと一体に2分割する分割刃を設置する一方、並列配置したコンベヤ軌道を2枚の帯状包材間で先広がりに開放した請求項1に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−131256(P2006−131256A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321798(P2004−321798)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000119807)茨木精機株式会社 (19)
【Fターム(参考)】