説明

合成物質製で模様付の靴、その製造方法と金型

【課題】 寿命が長い模様膜を人工物質製の靴に備え、靴の寿命を良好且つ安定に保ち、それに加え靴に膜を簡単に取り付けできるようにすること。
【解決手段】模様がPU模様フィルムにプリントされており、フィルムが合成物質製の靴のウエブ剤に、プリントされた側を下にして平らに付ける。 合成物質製の靴を製造するため、通常の金型6の上型枠7が内側10に、多孔の発泡アルミニウム成形体11を備え、それには吸引ポンプ12が接続されている。それによって負圧を発生させることで、模様フィルム4が金型6に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模様付きで合成物質製の靴に関連するもので、特に靴底と靴底に結合された上部材を示すクロッグの形をしている。
【背景技術】
【0002】
ドイツ国特許明細書DE 84 06 746 U1にはブーツが開示されており、透明な合成物質から成るブーツの胴部分が注入されている。胴部分の内側には、反射材料から成る膜が配置されており、その膜は一方で目立つ効果があるだけでなく、模様として見ることもできる。
【0003】
模様の被覆が内側に配置されるので、靴胴の材料が時間の経過と共に環境の及ぼす影響によって汚されると、覆の効果が失われる。更にそのような覆は、面倒なことに決まった場所にだけ固定できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、寿命が長い模様膜を人工物質製の靴に備え、靴の寿命を良好且つ安定に保ち、それに加え靴に膜を簡単に取り付けできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するため、本発明は上部材の上側に模様フィルムを平らに固定するも意図している。
【0006】
下記で更に詳しく述べるが、そのようなフィルムは容易に取り付けられる。フィルムは模様のキャリアとして作用し、よって非常に薄く形成できる。典型的な模様は、0.2〜0.3mmである。
【0007】
その模様は、有利には模様フィルムの上部材を向いた側にプリントされている。それにより靴で、模様のプリントがフィルムと上部材との間で保護された状態になっている。
【0008】
フィルムと上部材が同じ材料、例えばポリウレタンから成っていると、フィルムと上部材との間の特別な結合が得られる。
【0009】
靴自体は、発泡ポリウレタンから成っており、フィルムが密に作られているので、同時に靴を防水カバーする。
【0010】
模様フィルムの合成物質と上部材との間の結合は、上部材の合成物質を熱して発泡成形している(Ausschaeumen)間に行われ、模様フィルムと上部材との間の結合は接着剤なしで保たれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、靴を製造する方法に関連しており、靴底と上部材が靴の材料を金型に入れて、発泡成形させる(Aufschaeumung)ことによって製造され、金型は少なくとも一つの上型枠と下型枠から成っていて、上型枠の内側が上部材の上側の形をしている(abbildet)する。
【0012】
これは、クロッグの形をした人工物質製の靴、及びその他にも関する典型的な製造方法である。靴底と上部材が特徴的な方法で一体に形成して、予め製造されている。そのようにコルク−ゴム混合物から成る追加の足底板(Fussbett)を備えた靴が、ドイツ国特許明細書DE 201 12 431 U1に開示されている。
【0013】
本発明の課題は、製造方法に加えて、靴にできるだけ簡単な方法で外側に目立つ模様フィルムを付けることである。
【0014】
この課題を解決するため、本発明は靴の材料を入れる前に、模様フィルムを上型枠の内側に配置することを提案する。
【0015】
上記で略述した製造方法は、単なるワンステップであり、従って上型枠にコルクフィルムを配置することを付け加える必要がある。次のステップでも変化しないでそのままである。上部材の材料の発泡成形中に、模様フィルムが平らになって上部材と結合する。
【0016】
模様フィルムを確実に、上型枠に安定し且つしわが寄ることなく保持するため、模様フィルムを上型枠の内側に負圧を利用して保持することを提案する。
【0017】
そのために負圧を発生させる吸引装置を使っており、吸引装置は特にアルミニウムから成り多孔で通気性の発泡金属成形体(Metallschaumformkoeper)を向いていて、成形体は少なくとも上型枠の内側領域を形成している。模様フィルムを平坦に置けるように、発泡金属成形体が模様フィルムの伸長にわたって延び、それらは負圧によって発泡金属成形体に保持できることは明らかである。
【0018】
それと共に上型枠の形の模様フィルムが適合できるように、上型枠に入れる前に模様フィルムを例えば80℃に熱せられる。
【0019】
以下で実施例を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【実施例】
【0020】
最初に図1を参照する。図1はクロッグの形をした合成物質製の靴1を示している。靴1は靴底2と、模様を備えた上部材3から成っている。
【0021】
図2は、クロッグの上部材3の構造を介した断面図を示している。上部材3はそれ自体、発泡PU材料から成っており、その上に透明な模様フィルム4があり、模様フィルムの厚さは0.2〜0.3mmであり、同様にPU材料から成っている。それらの間には非常に薄いプリント膜5があり、その膜は所望の模様に面して形成されている。上部材3と模様フィルム4は平坦で、接着剤なしで互いに密接に結合している。
【0022】
図3は、図1に関する靴を製造するための順序を概略的に示している。金型6が上型枠7、下型枠8、中心型9から成っており、それらは閉じた形で一つの中空部分を囲み、そこに靴2を形成するため合成物質を注入し、すなわち入れ込んで発泡成形させる。本発明に関して上型枠7、すなわち内側領域10は、少なくとも発泡アルミニウムから成り多孔性の発泡金属成形体11から構成されており、それには吸引ポンプ12が結合されている。
【0023】
模様フィルムを入れる際には、下記のことを先だって行う。一方の側でポリウレタンから成る模様フィルム4が所望のサンプルでプリントされ、最初に模様フィルムが適切に膜を形成し、そして軽く熱せられ、その後に開いた金型に入れられ、発泡金属成形体11に平らに置き、その際に圧力が外で掛かる。ポンプ12によって発泡金属成形体11に生じさせられる負圧により、その下側で模様フィルム4を保持する。その際に模様フィルム4が予め熱せられており、模様フィルムが発泡金属成形体11をしわ寄せすることなく適合する。
【0024】
ここで型は慣例通り閉じられ、靴自体が形成する。その際に接着剤または類似の結合物を投入する必要なく、模様フィルムが上部材3の材料と結合する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】合成物質から成るクロッグの斜視図。
【図2】クロッグの上部材の構造を示した断面図。
【図3】図1によるクロッグを製造するための金型の概略的な拡大断面図。
【符号の説明】
【0026】
1. 合成物質製の靴
2. 靴底
3. 上部材
4. 模様フィルム
5. プリント膜
6. 金型
7. 上型枠
8. 下型枠
9. 中心型
10. 内側領域
11. 発泡金属成形体
12. 吸引ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にクロッグの形をし、靴底と靴底に結合した上部材とを備えた合成材料製の靴において、
上部材の上側に模様フィルムを平らに固定することを特徴とする合成材料製の靴。
【請求項2】
模様を、模様フィルムの上部材を向いた側にプリントすることを特徴とする請求項1に記載の合成物質製の靴。
【請求項3】
フィルムが、上部材と同じ材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の合成物質製の靴。
【請求項4】
材料が、ポリウレタンであることを特徴とする請求項3に記載の合成物質製の靴。
【請求項5】
模様フィルムと上部材との間の結合が、接着剤なしで行われることを特徴とする請求1〜4のいずれか一項に記載の合成物質製の靴。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項による靴を製造する方法であり、少なくとも上型枠と下型枠から成る金型に、発泡材料を入れて発泡成形させることによって、靴底と上部材を製造し、上型枠の内側が上部材の上側を形どる方法において、
発泡材料を入れる前に、上型枠の内側に模様フィルムが配置されることを特徴とする方法。
【請求項7】
模様フィルムが、負圧を利用して上型枠の内側に保持されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
負圧を発生させる吸引装置が、多孔で通気性の発泡金属成形体を向いており、発泡金属成形体が、上型枠の内側領域を形成することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
発泡金属成形体が、アルミニウムから成ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上型枠に入れる前に、模様フィルムを熱することを特徴とする請求項6〜8に記載のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
合成物質性の靴を製造するための金型において、
金型が、少なくとも二つの型枠から構成され、少なくとも一方の型枠の内側領域が多孔性の発泡金属成形体から成り、発泡金属成形体に負圧を発生させるため、吸引ポンプに結合されていることを特徴とする金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−117738(P2007−117738A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288337(P2006−288337)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(504223651)アルサ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【Fターム(参考)】