説明

同期モーター搭載圧縮機および同期モーターの製造方法

【課題】同期モーター搭載圧縮機の永久磁石挿入部による剛性低下による騒音の発生や特性低下を解決するとともに、より高効率と資源の有効活用を図る。
【解決手段】コア部168は、圧縮要素103であるシャフト110に固着されており、2次導体171は、複数個、ローター155の外周近傍に配列されるとともに、永久磁石170aが、ローター155の外周部に位置するエンドリング172の内周面190より外周側に配置されてなることによって、コア部168の剛性低下がなく、騒音発生、特性劣化がなく、さらには高効率化な同期モーター搭載圧縮機が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機によって冷媒等のガスを圧縮する同期モーター搭載圧縮機および、同圧縮機に搭載される同期モーターの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の地球環境保護の観点から、圧縮機は、より高効率のものが求められ、高効率化の手段として、モーターの高効率化は欠かせない。同期モーターは、高効率を達成する有効な手段であり、永久磁石を使い同期運転を行う構成上、より高効率で、かつ低騒音、高耐久、生産性のよい構造および、構造を達成するための製造方法の開発が強く求められており、開発の結果として、地球環境に適した高効率な製品を、生産性よく、かつ、より安価で手に入りやすい材料を用いて、資源の観点からも地球環境に適した製品が望まれている。
【0003】
従来の同期モーター搭載圧縮機としては、容器内に圧縮要素と同期モーターを収納し、同期モーターは、自己始動形永久磁石式であり、シャフトに連結したローターの回転により圧縮要素で圧縮する同期モーター搭載圧縮機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、同期モーターの構成としては、永久磁石と周縁部にかご形導体を有する積層鉄心とシャフトに保持される孔を有するローターを備えた同期モーターが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
以下、図面を参照しながら、上記従来の同期モーター搭載圧縮機および同期モーターについて説明する。
【0006】
図11は、従来の同期モーター搭載圧縮機の縦断面図、図12は、従来の同期モーターの水平断面図である。
【0007】
図11において、圧縮機50は、容器51内に、内部下方に設けた圧縮要素52と、この圧縮要素52の上方に設けた自己始動形永久磁石式の同期モーター53とを備えている。シャフト54は同期モーター53のローター55に取り付けられた軸で偏芯部56を備えている。
【0008】
圧縮要素52はシャフト54が挿入されるアルミダイカストや鋳鉄からなる軸受部57と、ピストン58が摺動するシリンダ59を備えた鉄系材料の鋳物などからなるシリンダブロック60とからなり、ピストン58を偏芯部56にコネクティングロッド61で連結して、シリンダ59内に圧縮室62を形成させている。
【0009】
そして、軸受部57とシリンダブロック60とはボルトBにて取付られている。このシリンダ59の先端には吐出弁や吸込弁(ともに図示せず)を有したシリンダヘッド63が取付られている。
【0010】
シリンダヘッド63の吸込弁側には、サクションマフラー64が取り付けられている。偏芯部56の先端には、給油管65が取り付けられたおり、容器51の底部に貯溜する潤滑油66を圧縮要素52の摺動部に導いて、潤滑をさせている。
【0011】
また、同期モーター53は、積厚L1の積層電磁鋼板よりなる固定鉄心に巻線を巻装し
たステーター67と、積層電磁鋼板よりなるコア部68とからなるローター55とから構成されている。このローター55の圧縮要素52側にはボア部69が形成されており、このボア部69内へ軸受部57の一部が延在している。
【0012】
永久磁石70aは2個の平板形の希土類磁石であるネオジウム、鉄、ボロン系の強磁性体からなる永久磁石70aで、同極性の永久磁石70aを突き合せ角度を有する山形状に突き合せるように挿入配置してコア部68の軸方向に埋設されており、2個の永久磁石70aで1極のローター磁極を形成し、ローター55全体で2極のローター磁極を形成している。
【0013】
ここで、同期モーター53のローター55の製造方法であるが、永久磁石70aを挿入できるように、磁石収納部70bが、ローター55のかご形を形成する2次導体71の両端の短絡のために設けるエンドリング72の内周側に形成され、2次導体71とエンドリング72をアルミなどでダイキャスト成形した後に、永久磁石70aを挿入する。
【0014】
ここで、永久磁石70aの着磁方法であるが、コア部68へ挿入前に着磁しても挿入後に着磁してもよい。
【0015】
また、同極性の2個の永久磁石70aを山形状に配置して1極のローター磁極を形成しているが、弓状の1個の永久磁石70aで1極のローター磁極を形成してもよい。
【0016】
そして、コア部68に設けた多数の2次導体71と、コア部68の軸方向の両端に位置するエンドリング72とをアルミダイカストで一体に成型して始動用かご形導体を形成している。尚、永久磁石70aが脱落するのを防止する保護用の端板73が設けられている。
【0017】
図12において同期モーター53は、弓状の永久磁石70aを2つ用いて、磁極を形成している。永久磁石70aは、コア部68のシャフト孔54aの周りに形成された磁石収納部70bに収められている。
【0018】
2次導体71は、コア部68の外周部のスロット71aの内部にアルミダイキャストを行うなどの方法で形成されている。
【0019】
2次導体71間の間隔は、T1で、径方向の深さは、H1である。また、永久磁石70aの磁極間には、空隙80が形成されており、磁石収納部70bとは、間隔Pでコア部68が連結された構成である。
【0020】
以上の構成の従来の同期モーター搭載圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0021】
圧縮機50が運転を始めると、同期モーター53のローター55の回転により、圧縮要素52が冷媒などの圧縮を開始する。冷媒等は、容器51内に吸い込まれ、サクションマフラー64を通ってシリンダ59へ入り、ピストン58により圧縮室62で圧縮され、シリンダヘッド63から、容器51の外部の冷凍システム等へと送りだされる。
【0022】
潤滑油66は、ピストン58とシリンダ59の間や、コネクティングロッド61とシャフト54、また、軸受部57などの摺動部間に供給され、摺動部品の摺動部材間の潤滑を行う。
【特許文献1】特開2001−73948号公報
【特許文献2】特公昭59−23179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、上記従来の構成では、コア部68の中心にあるシャフト孔54aと、エンドリング72の間に永久磁石70aを挿入するための磁石収納部70bがあると、コア部68全体の剛性が弱まり、特に、磁石収納部70bがシャフト孔54aに近い中心側にあると、シャフト54にローター55が保持される保持力が弱まり、輸送中に積層鋼板のずれなどが発生し、ローター55の必要特性である効率や始動性が悪化したり、剛性の低下による、コア部68の積層間などで発生する騒音が起こったりするという課題を有していた。
【0024】
また、永久磁石70aは、より外周側に配置される方が、磁力が得やすいが、エンドリング72があり、永久磁石70aを挿入するための磁石収納部70bをエンドリング72と重ねて形成することが困難なため、従来例のように、ネオジウムなど、希土類の強磁石をコア部68の中心側に形成せざるを得ず、磁力の弱いフェライトなどの磁石を使うことはできないという課題を有していた。
【0025】
また、永久磁石70aは、磁極の中心側で強く、磁極間をやや弱めにする方が、磁極間の干渉が起こらず効率が向上できるが、従来例のような配置では、磁極の円周方向の強度バランスを適正化できないという課題を有していた。
【0026】
また、さらに、永久磁石70aは、ローター55の外周近傍にあり、かつ、起動から同期回転に至るまでに用いる2次導体71もローター55のコア部68の外周に設けることが望ましいが、前述したエンドリング72との構成、製造方法が提案されておらず、十分な2次導体71の断面積と配置を外周側に確保しながら、かつ、永久磁石70aも同様に外周側に配置することができないという課題を有していた。
【0027】
結果として、同期モーター搭載圧縮機は、高効率、高耐久、低騒音、安価材料の使用による環境適応、生産性の向上、など、全てにわたる地球環境に配慮された仕様の確立が不十分であった。
【0028】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、高効率、高耐久、低騒音、安価材料の使用による環境適応、生産性の向上、など、全てにわたる地球環境に配慮した同期モーター搭載圧縮機の達成とそれを可能とする同期モーターの製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記従来の課題を解決するために、本発明の同期モーター搭載圧縮機、および、同期モーターの製造方法は、容器内に、圧縮要素と、同期モーターを収納し、同期モーターのローターは、コア部と2次導体と2次導体をローターの上下で短絡するエンドリングと複数個の磁石収納部と、複数個の永久磁石を有し、コア部は、圧縮要素の要素であるシャフトに固着されている。
【0030】
2次導体は、複数個、ローターの外周近傍に配列されるとともに、永久磁石が、ローターの外周部に位置する2次導体のエンドリングの内周面より外周側に配置するものであり、製造方法は、2次導体と第1エンドリングは、溶融金属のダイキャストにより形成されるとともに、形成段階で、第1エンドリングの反対側には、2次導体の突起部を有し、永久磁石を磁石収納部に収納した後に、第2エンドリングを突起部と共に溶融、一体化しながら形成する作用を有する。
【0031】
これによって、コア部の剛性を低下することなく、また、生産性よく、かつ、高効率な
永久磁石の構成を可能とし、高効率、高耐久、低騒音、安価材料の使用による環境適応、生産性の向上、など、全てにわたる地球環境に配慮された同期モーター搭載圧縮機および、同期モーターの製造が可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の同期モーター搭載圧縮機および同期モーターの製造方法は、コア部の剛性を低下することなく、また、生産性よく、かつ、高効率な永久磁石の構成を可能とし、高効率、高耐久、低騒音、安価材料の使用による環境適応、生産性の向上、など、全てにわたる地球環境に配慮された同期モーター搭載圧縮機および、同期モーターの製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
請求項1に記載の発明は、容器内に、圧縮要素と同期モーターを収納し、前記同期モーターのローターは、コア部と2次導体と前記2次導体を前記ローターの上下で短絡するエンドリングと磁石収納部と永久磁石を有し、前記コア部は、前記圧縮要素の要素であるシャフトに固着されており、前記2次導体は前記ローターの外周近傍に配列されるとともに、前記永久磁石は前記ローターの外周部に位置する前記2次導体の前記エンドリングの内周面より外周側に配置されることを特徴とするものであり、これによって、永久磁石を挿入するコア部の磁石収納部が、シャフトが圧入や焼嵌めなどにより固着される近傍になく、また、コア部の剛性を弱める位置にはないので、シャフトの挿入と固着により、ローターが変形して特性を悪化したり、輸送時等に、ローターが変形したりすることによる特性劣化を起こすことがない。またさらに、シャフトまわりのローターの剛性の低下による、共振振動・騒音発生が抑制されるので、低騒音の同期モーター搭載圧縮機を提供できる。
【0034】
また、コア自体の剛性の低下による、共振振動や騒音発生が抑制されるので、低騒音の同期モーター搭載圧縮機を提供できる。
【0035】
また、永久磁石は、剛性の高い部分となるエンドリングの内周面より外周側に配置されるので、エンドリングの剛性により、前記したような、剛性課題の発生がなくなり、高効率で、耐久性にも優れ、騒音の発生のない同期モーター搭載圧縮機が達成できることとなる。
【0036】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、2次導体は、径方向に長い部分と、円周方向に長く扁平した扁平導体部を有し、前記扁平導体部の内周側に永久磁石を配置したものであり、これによって、2次導体の断面積を十分に確保しながら、永久磁石をローターの外周面に近い位置に配置でき、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、十分な磁界の確保を比較的、磁力の弱い永久磁石を用いても達成することができる。
【0037】
また、十分な磁界の確保と共に、2次導体の断面が十分に確保できることで、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となる。
【0038】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、隣り合う2つの2次導体間に永久磁石を配置したものであり、これによって、2次導体の間に永久磁石を配置するので、ローターの表面に近い位置に永久磁石を配置でき、かつ、2次導体も表面に近い位置に配置できるので、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となる。
【0039】
また、表面に近い位置に永久磁石を配置できることから、永久磁石に従来のような、希
土類による、貴重かつ高価な材料を用いずとも、例えば、フェライト系の永久磁石を使うことも可能であり、資源の観点からも、環境にやさしい同期モーター搭載圧縮機の達成が可能となる。
【0040】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、コア部は、外周の隣り合う2次導体間の間に磁石収納部であるスリットを有し、永久磁石を前記スリットに挿入配置したことを特徴とするものであり、これによって、2次導体の間に永久磁石を配置するので、ローターの表面に近い位置に永久磁石を配置でき、かつ、2次導体も表面に近い位置に配置できるので、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となるとともに、スリットに挿入することで生産性がよい。
【0041】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、スリットは、ローターの外表面に形成されたものであり、これによって、2次導体の間に永久磁石を配置するので、ローターの表面に近い位置に永久磁石を配置でき、かつ、2次導体も表面に近い位置に配置できるので、請求項4に記載の発明の効果に加えてさらに、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となるとともに、ローターのエンドリングを先に形成した後でも、ローターの外周面から、永久磁石を挿入することが可能となり、生産性が非常に良くなる。
【0042】
また、着磁後の磁石をローターの製造の最終段階においても挿入、セットすることが可能となり、生産性が向上する。
【0043】
請求項6に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の発明において、永久磁石は、磁極の中心に近い側が大きいかあるいは磁力の大きい強磁永久磁石を用いたものであり、これによって、磁極の中心部の磁力を強め、磁極間の相反する磁極が干渉する領域の磁力を小さくすることができ、磁界の最適化を容易に図れるため、請求項2から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに、高い生産性と、高い効率の確保の両立を容易に行うことが可能となる。
【0044】
また、その方法としては、永久磁石の強度の種別を変えることや、磁石のサイズを変える方法などにおける、磁力の大きさでの調整が可能であり、容易である。
【0045】
請求項7に記載の発明は、同期モーターのローターは、コア部と2次導体と磁石収納部と、永久磁石を有し、前記2次導体は、上下の第1および第2エンドリングで連結され、前記2次導体と前記第1エンドリングは、溶融金属のダイキャストにより形成されるとともに、形成段階で、前記第1エンドリングの反対側には、前記2次導体の突起部を有し、前記永久磁石を前記磁石収納部に収納した後に、前記第2エンドリングを前記突起部と共に溶融、一体化しながら形成することを特徴とする同期モーターの製造方法であり、これによって、従来は、永久磁石を着磁した状態で、第1および第2エンドリングの両側と2次導体を一体ダイキャストをしてしまうと、磁力が低下する問題があったが、第1エンドリングと2次導体が大キャストされた後に永久磁石を挿入し、その後に第2エンドリングの部分だけが、突起部と共に溶融、ダイキャストされるだけであるので、溶融熱の影響が永久磁石に及ばず、永久磁石を着磁して挿入した場合はもとより、着磁しない状態で挿入した場合においても、永久磁石の熱劣化がなく、永久磁石の特性を維持できるので、高効率で生産性の高い製造方法が得られる。
【0046】
また、この製造方法は、永久磁石がエンドリングの投影面積内に配置される全ての同期モーターに適用が可能であり、汎用性が高い。
【0047】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における同期モーター搭載圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における同期モーター搭載圧縮機のローターの水平断面図、図3は、同実施の形態におけるローターの別の水平断面図である。図4は、同実施の形態におけるローターのまた別の水平断面図である。
【0049】
以下、図1から図4に基づいて、本発明の実施の形態1について説明する。
【0050】
図1から図4において、圧縮機101は、容器102の内部に、圧縮要素103と同期モーター104を収納し、さらに、容器102の底部には、潤滑油105が貯留されている。
【0051】
シャフト110は、主軸部111とこの主軸部111と一体連動するようにその一端に偏芯して形成された偏芯部112を有する。潤滑油105は、給油通路113を通って、各摺動部位に供給される。
【0052】
圧縮要素103は、シャフト110を軸支する軸受部121、ピストン125と共に、圧縮室130を形成するシリンダ124などが形成されたシリンダブロック120を有し、シャフト110の偏芯部112とピストン125は、コネクティングロッド122により連結されることで、シャフト110の回転をピストン125の往復運動に変換し、シリンダ124の圧縮室130の容積変化による、吸入、圧縮動作を行っている。
【0053】
容器内のガス131は、サクションマフラー131aから圧縮室130に吸入され、圧縮された後に、シリンダヘッド133より、吐出管135より吐出される。吐出、吸入は、バルブの開閉により行われるがその詳細は図示していない。
【0054】
次に、同期モーター104の詳細について説明する。
【0055】
ローター155は、シャフト孔154aで、シャフト110に固着されている。ローター155は、コア部168とアルミニウム合金などによる2次導体171を有し、2次導体171は、エンドリング172で両端が短絡されたかご形電動機を形成している。ステーター167は、積層電磁鋼板と銅やアルミなどの巻線を巻くことで形成されており、通電により、回転磁界を発生させている。
【0056】
さらに、コア部168は、磁石収納部170bを有し、中には、永久磁石170aが入っており、永久磁石170aと2次導体171の始動用かご形導体を有する同期モーターである。
【0057】
また、エンドリング172は、内周面190により、エンドリング172の半径方向サイズが確定されている。
【0058】
またさらに、2次導体171は、その形状により、扁平導体部191を有する。また、強磁永久磁石192は、磁極の中心に近い部位に磁石の厚み、サイズを大きいものを用いて、磁界を強めたり、あるいは、磁界強度の強い永久磁石170aを用いたりして、強磁永久磁石192としている。
【0059】
以上のように構成された同期モーター搭載圧縮機および同期モーターについて、以下その動作、作用を説明する。
【0060】
圧縮機101の同期モーター104に通電が行われると、まず、2次導体171に流れる2次電流により、回転磁界が発生し、回転を始め、通電された電源周波数、磁極の極数に応じて、最終的に、永久磁石170aにより、同期運転に移行する。
【0061】
本発明の同期モーター搭載圧縮機101においては、従来例のように、コア部168のシャフト孔154a近傍や、剛性の高い、エンドリング172との間部分には、磁石収納部170bが無く、磁石収納部170bは、複数個、全て、エンドリング172の内周面190より外周側に配置されているので、永久磁石170aを挿入や収納するコア部168の剛性を弱めることがなく、特に、シャフト110とコア部168のシャフト孔154aとの圧入や焼嵌めなどにより変形されたり、逆に、変形により、圧入力が低下し、輸送時等にローター155のずれ等を起こす問題もない。
【0062】
ずれを起こした場合は、磁気中心がずれて騒音を発生したり、コア部168が弱いことにより、騒音を発生したりする課題も、本発明の構成によれば、発生がない。
【0063】
即ち、従来の騒音発生の原因は、ローター155のコア部168を形成するものが、0.3から1mm程度の電磁積層鋼板であり、コア部168の剛性が弱いと、それらが微小に共振したりすることにより発生するからである。
【0064】
本発明の構成によれば、磁石収納部170bは、全て、エンドリング172の内周面190より外周側にあるので、円周全面にわたる、エンドリング172の剛性が十分確保されている部分に磁石収納部170bを位置することができるので、前述した従来の騒音課題が発生しないこととなる。
【0065】
また、さらに、永久磁石170aは、より、外周に近い方が、強磁界を得やすいので、ステーター167の発生磁界に近くなり、比較的磁力の弱い磁石でも、強磁界を得、高い効率を維持することが可能となる。
【0066】
従来、一般的には、高効率を得るために、希土類永久磁石を利用する事例が開示されているが、本発明の構成を用いれば、例えば、鉄系(フェライト)磁石でも、十分な効率得ることも可能となり、貴重でかつ高価な資源、材料を用いずとも良く、効率の面からも、資源や材料の面からも環境にやさしくなる。
【0067】
さらに、図3に示すように、2次導体171を径方向に長い部分と、円周方向に長く扁平した、扁平導体部191を有し、扁平導体部191の内周側に永久磁石170aを配置した構成とすることにより、2次導体171の断面積を十分に確保するとともに、永久磁石170aを外周面に近い位置に配置することができるので、十分な磁界の確保が可能となる構成を得やすくなり、十分な磁界の確保と共に、2次導体171の断面が十分に確保できることで、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となる。
【0068】
また、さらに、永久磁石170aを、隣り合う2つの2次導体171間に配置することによって、2次導体171による始動時特性の良化と同期運転時の永久磁石170aによる磁力の確保の両立ができ、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となる。
【0069】
また、表面に近い位置に永久磁石170aを配置できることから、永久磁石170aに
従来のような、希土類による、貴重かつ高価な材料を用いずとも、例えば、フェライト系の永久磁石を使うことも可能であり、資源の観点からも、環境にやさしい同期モーター搭載圧縮機の達成が可能となる。
【0070】
またさらに、本発明の実施の形態1は、2極の同期モーターを用いて説明しているが、磁極は、N極側とS極側に分かれ、永久磁石170aの極の方向は、円の中心を境に反転している。このとき、磁極の中心に近い側、即ち、半円部の極の中心側に強磁永久磁石192を用い、相対する磁極の境目には、比較して弱めの永久磁石170aを配置することで、相反する磁極間部分では、相互干渉を小さくし、磁極中心で、より強い磁界を得られる構成を得ることができるので、さらに高効率化を達成することが可能となる。
【0071】
尚、本発明の実施の形態1では、2極の同期モーターで説明しているが、さらに極数を増やしても同様の効果を得ることができる。
【0072】
また、発明者の検討によると、本発明の同期モーターを用いることにより、磁石を従来の希土類系磁石より安価な磁石を用いた場合でも、従来以上の効率を確保することができており、ローター155の剛性が向上したことから、ローター155に起因する騒音も低減できることが確認できている。
【0073】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における同期モーター搭載圧縮機の縦断面図、図6は、同実施の形態における同期モーター搭載圧縮機のローターの水平断面図、図7は、図6における永久磁石挿入図である。
【0074】
以下、図5から図7に基づいて、本発明の実施の形態2について説明する。
【0075】
図5から図7において、圧縮機201は、容器202の内部に、圧縮要素203と同期モーター204を収納し、さらに、容器202の底部には、潤滑油205が貯留されている。
【0076】
シャフト210は、主軸部211とこの主軸部211と一体連動するようにその一端に偏芯して形成された偏芯部212を有する。潤滑油205は、給油通路213を通って、各摺動部位に供給される。
【0077】
圧縮要素203は、シャフト210を軸支する軸受部221、ピストン225と共に、圧縮室230を形成するシリンダ224などが形成されたシリンダブロック220を有し、シャフト210の偏芯部212とピストン225は、コネクティングロッド222により連結されることで、シャフト210の回転をピストン225の往復運動に変換し、シリンダ224の圧縮室230の容積変化による、吸入、圧縮動作を行っている。
【0078】
容器内のガス231は、サクションマフラー231aから圧縮室230に吸入され、圧縮された後に、シリンダヘッド233より、吐出管235より吐出される。吐出、吸入は、バルブの開閉により行われるがその詳細は図示していない。
【0079】
次に、同期モーター204の詳細について説明する。
【0080】
ローター255は、シャフト孔254aで、シャフト210に固着されている。ローター255は、コア部268とアルミニウム合金などによる2次導体271を有し、2次導体271は、エンドリング272で両端が短絡されたかご形電動機を形成している。ステーター267は、積層電磁鋼板と銅やアルミなどの巻線を巻くことで形成されており、通
電により、回転磁界を発生させている。
【0081】
さらに、コア部268は、磁石収納部270bを有し、中には、永久磁石270aが入っており、永久磁石270aと2次導体271を始動用かご形導体を有する同期モーターである。磁石収納部270bは、ローター255の外周面に形成されたスリット295であり、ローター255の外周面より、永久磁石270aを挿入できるようになっている。
【0082】
また、エンドリング272は、内周面290により、エンドリング272の半径方向サイズが確定されている。
【0083】
また、永久磁石270aは、磁極の中心に近い部位に磁石の磁界強度の強い永久磁石270aを用いることもできる。
【0084】
以上のように構成された同期モーター搭載圧縮機および同期モーターについて、以下その動作、作用を説明する。
【0085】
圧縮機201の同期モーター204に通電が行われると、まず、2次導体271に流れる2次電流により、回転磁界が発生し、回転を始め、通電された電源周波数、磁極の極数に応じて、最終的に、永久磁石270aにより、同期運転に移行する。
【0086】
本発明の同期モーター搭載圧縮機201においては、従来例のように、コア部268のシャフト孔254a近傍や、剛性の高い、エンドリング272との間部分には、磁石収納部270bが無く、磁石収納部270bは、複数個、全て、エンドリング272の内周面290より外周側、さらには、最も外周面側に形成されたスリット295に配置されているので、永久磁石270aを挿入や収納するコア部268の剛性を弱めることがなく、特に、シャフト210とコア部268のシャフト孔254aとの圧入や焼嵌めなどにより変形されたり、逆に、変形により、圧入力が低下し、輸送時等にローター255のずれ等を起こす問題もない。
【0087】
ずれを起こした場合は、磁気中心がずれて騒音を発生したり、コア部268が弱いことにより、騒音を発生したりする課題も、本発明の構成によれば、発生がない。
【0088】
即ち、従来の騒音発生の原因は、ローター255のコア部268を形成するものが、0.3から1mm程度の電磁積層鋼板であり、コア部268の剛性が弱いと、それらが微小に共振したりすることにより発生するからである。
【0089】
本発明の構成によれば、磁石収納部270bは、全て、エンドリング272の内周面290より外周側にあり、さらには、最外周面に位置するので、円周全面にわたる、エンドリング272の剛性が十分確保されている部分に磁石収納部270bを位置することができ、前述した従来の騒音課題が発生しないこととなる。
【0090】
また、さらに、永久磁石270aは、より、外周に近い方が、強磁界を得やすいので、ステーター267の発生磁界に近くなり、比較的磁力の弱い磁石でも、強磁界を得、高い効率を維持することが可能となる。
【0091】
従来、一般的には、高効率を得るために、希土類永久磁石を利用する事例が開示されているが、本発明の構成を用いれば、例えば、鉄系(フェライト)磁石でも、十分な効率得ることも可能となり、貴重でかつ高価な資源、材料を用いずとも良く、効率の面からも、資源や材料の面からも環境にやさしくなる。
【0092】
さらに、図7に示すように、永久磁石270aの挿入は、コア部268の最外周に形成されたスリット295に挿入することにより行えるので、ローター255の成形時に、2次導体271とエンドリング272をまず、ダイキャスト、鋳造などにより成形した後に永久磁石270aを着磁後や、着磁しないで挿入することが可能であり、生産性が極めて高くなる。
【0093】
また、さらには、永久磁石270aの挿入が、2次導体271とエンドリング272をまず、ダイキャスト、鋳造などにより成形した後にできることは、永久磁石270aにダイキャスト、鋳造時などの高熱が伝導し、永久磁石270aの特性劣化を招かないことを意味し、製造方法としても生産性がよく、特性劣化のない手段を提供できる構成となる発明である。
【0094】
また、さらに、永久磁石270aを、隣り合う2つの2次導体271間に配置することによって、2次導体271による始動時特性の良化と同期運転時の永久磁石270aによる磁力の確保の両立ができ、2次電流損や、始動時の過負荷電流にも対応でき、十分な磁界による効率の確保と、2次電流抵抗の増加抑制の両立を図ることが可能となる。
【0095】
また、表面に近い位置に永久磁石270aを配置できることから、永久磁石270aに従来のような、希土類による、貴重かつ高価な材料を用いずとも、例えば、フェライト系の永久磁石を使うことも可能であり、資源の観点からも、環境にやさしい同期モーター搭載圧縮機の達成が可能となる。
【0096】
またさらに、本発明の実施の形態2は、2極の同期モーターを用いて説明しているが、磁極は、N極側とS極側に分かれ、永久磁石270aの極の方向は、円の中心を境に反転している。このとき、磁極の中心に近い側、即ち、半円部の極の中心側に比較的磁力の強い永久磁石270aを用い、相対する磁極の境目には、比較して弱めの永久磁石270aを配置することで、相反する磁極間部分では、相互干渉を小さくし、磁極中心で、より強い磁界を得られる構成を得ることができるので、さらに高効率化を達成することが可能となる。
【0097】
尚、本発明の実施の形態2では、2極の同期モーターで説明しているが、さらに曲数を増やしても同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、発明者の検討によると、本発明の同期モーターを用いることにより、磁石を従来の希土類系磁石より安価な磁石を用いた場合でも、従来以上の効率を確保することができており、ローター255の剛性が向上したことから、ローター255に起因する騒音も低減できることが確認できている。
【0099】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における同期モーターの縦断面図、図9は、図8におけるローターの縦断面図、図10は、図9におけるローターの第2エンドリング成形前の製造方法図である。
【0100】
以下、図8から図10に基づいて、本発明の実施の形態3について説明する。
【0101】
図8から図10において、同期モーター304は、ローター355とステーター410からなり、ローター355は、コア部368に、磁石収納部370bとシャフト孔354aを有する。
【0102】
磁石収納部370bには、永久磁石411が挿入される。製造が終了した段階のロータ
ー355は、下側の第1エンドリング401と、上側の第2エンドリング402を有し、コア部368の外周側に形成された、かご形状の2次導体371を有する。
【0103】
以上のように構成された同期モーターについて、製造方法の動作、作用を説明する。
【0104】
まず、図10に示すように、コア部368に、第1エンドリング401と、2次導体371が、アルミニウム合金、アルミダイキャスト、アルミ鋳造材などにより、ダイキャストや鋳造により、形成される。その際、2次導体371は、第1エンドリング401とは反対側に、突起部403を有するように製造する。
【0105】
次の段階では、永久磁石411を着磁した状態、あるいは、ローター355の完成後に着磁を行う場合は、磁化していない状態で、挿入する。
【0106】
次の段階では、第2エンドリング402を形成する。第2エンドリングは、突起部403と共に、ダイキャストや鋳造などの方法で形成するが、その際に、突起部403は、少なくとも第2エンドリング402との接触面が溶融し確実な導通が確保された状態で成形する。
【0107】
この際、永久磁石411は、既に挿入されているが、溶融等、加熱成形される部分が第2エンドリング402だけであるので、熱影響が永久磁石411に及びにくく、磁化されている場合は、磁力の劣化、また、磁化されていなくとも、材料の特性劣化の課題がなくなる。
【0108】
また、より望ましくは、コア部368を冷却しながら第2エンドリング402を溶融するか、あるいは、溶融形成後、急冷することで、熱影響をさらに軽減する方法も可能である。
【0109】
いずれにしても、本発明の同期モーターの製造方法によれば、従来は、永久磁石411を着磁した状態で、両側の第1および第2エンドリング401,402と2次導体371を一体ダイキャストをしてしまうと、磁力が低下する問題があったが、第1エンドリング401と2次導体371がダイキャストされた後に永久磁石411を挿入し、その後に第2エンドリング402の部分だけが、突起部403と共に溶融、ダイキャストされるだけであるので、溶融熱の影響が永久磁石411に及ばず、永久磁石411を着磁して挿入した場合はもとより、着磁しない状態で挿入した場合においても、永久磁石411の熱劣化がなく、永久磁石411の特性を維持できるので、高効率で生産性の高い製造方法が得られる。
【0110】
また、この製造方法は、永久磁石411が第1および第2エンドリング401,402の投影面積内に配置される全ての同期モーターに適用が可能であり、汎用性が高い。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上のように、本発明にかかる同期モーター搭載圧縮機および同期モーターの製造方法によれば、高効率で、貴重資源の有効利用もできる、環境にやさしい圧縮機と同期モーターが達成でき、冷蔵庫、エアコン等をはじめとする冷凍装置や、各種同期モーター利用機器に適用できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態1における同期モーター搭載圧縮機の縦断面図
【図2】同実施の形態における同期モーター搭載圧縮機のローターの水平断面図
【図3】同実施の形態におけるローターの別の水平断面図
【図4】同実施の形態におけるローターのまた別の水平断面図
【図5】本発明の実施の形態2における同期モーター搭載圧縮機の縦断面図
【図6】同実施の形態における同期モーター搭載圧縮機のローターの水平断面図
【図7】図6における永久磁石挿入図
【図8】本発明の実施の形態3における同期モーターの縦断面図
【図9】図8におけるローターの縦断面図
【図10】図9におけるローターの第2エンドリング成形前の製造方法図
【図11】従来の同期モーター搭載圧縮機の縦断面図
【図12】従来の同期モーターの水平断面図
【符号の説明】
【0113】
102,202 容器
103,203 圧縮要素
104,204,304 同期モーター
110,210 シャフト
155,255,355 ローター
168,268,368 コア部
170a,270a,411 永久磁石
170b,270b,370b 磁石収納部
171,271,371 2次導体
172,272 エンドリング
190,290 内周面
191 扁平導体部
192 強磁永久磁石
295 スリット
401 第1エンドリング
402 第2エンドリング
403 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に、圧縮要素と同期モーターとを収納し、前記同期モーターのローターは、コア部と2次導体と前記2次導体を前記ローターの上下で短絡するエンドリングと磁石収納部と永久磁石とを有し、前記コア部は、前記圧縮要素の要素であるシャフトに固着されており、前記2次導体は前記ローターの外周近傍に配列されるとともに、前記永久磁石は前記ローターの外周部に位置する前記2次導体の前記エンドリングの内周面より外周側に配置されることを特徴とする同期モーター搭載圧縮機。
【請求項2】
2次導体は、径方向に長い部分と円周方向に長く扁平した扁平導体部とを有し、前記扁平導体部の内周側に永久磁石を配置した請求項1に記載の同期モーター搭載圧縮機。
【請求項3】
隣り合う2つの2次導体間に永久磁石を配置した請求項1に記載の同期モーター搭載圧縮機。
【請求項4】
コア部は、外周の隣り合う2次導体間の間に磁石収納部であるスリットを有し、永久磁石を前記スリットに挿入配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の同期モーター搭載圧縮機。
【請求項5】
スリットは、ローターの外表面に形成された請求項4に記載の同期モーター搭載圧縮機。
【請求項6】
永久磁石は、磁極の中心に近い側が大きいかあるいは磁力の大きい強磁永久磁石を用いた請求項2から4のいずれか一項に記載の同期モーター搭載圧縮機。
【請求項7】
同期モーターのローターは、コア部と2次導体と磁石収納部と、永久磁石を有し、前記2次導体は、上下の第1および第2エンドリングで連結され、前記2次導体と前記第1エンドリングは、溶融金属のダイキャストにより形成されるとともに、形成段階で前記第1エンドリングの反対側には前記2次導体の突起部を有し、前記永久磁石を前記磁石収納部に収納した後に、前記第2エンドリングを前記突起部と共に溶融し一体化しながら形成することを特徴とする同期モーターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−246229(P2010−246229A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91092(P2009−91092)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】