説明

噴射装置、および噴射装置の性能を改善するための方法

本発明は、一般に、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスであって、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、前記液滴を噴射する噴射出口とを有する噴射デバイスに関する。特に、本発明は、噴射プロセス中に粘性媒体の高さまたは体積を測定または監視するため、および/または媒体の特性を決定する目的で粘性媒体の電気的性質を測定するための方法、測定デバイス、噴射デバイス、およびそのような噴射デバイスで使用するための粘性媒体容器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エレクトロニクス製造の分野でジェット印刷を使用して粘性媒体を基板上に塗布するためのシステムに関する。より具体的には、本発明は、噴射デバイスの性能を改善する方法と、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するためのデバイスとに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばはんだペーストまたはグルー(glue)といった粘性媒体の液滴を、例えば電子回路基板などの基板上に噴射するためのシステム、デバイス、および方法が、当技術分野で知られている。例えば、参照として本明細書に組み込む米国特許第6,450,416号明細書、米国特許公開第2002/0043570号明細書、米国特許公開第2002/0047052号明細書、米国特許公開第2002/0014602号明細書、米国特許公開第2002/0015780号明細書、米国特許公開第2004/0118935号明細書、米国特許公開第2004/0217193号明細書、米国特許公開第2004/0262824号明細書、米国特許公開第2005/0092774号明細書、米国特許公開第2005/0167519号明細書、および国際公開第2005/048678のパンフレットを参照されたい。
【0003】
Mydata automation ABによって提供されるMY500ジェット・プリンタでは、粘性媒体を噴射するためのシステムが、ジェット印刷機と、噴射するはんだペーストを収容するためのはんだペースト容器と、噴射プロセスから生じるはんだペーストの残留分および余剰分を保持するための残留分レセプタクルと、はんだペーストの実際の噴射を行うためのエジェクタ要素と、ジェット印刷機と結合可能なホルダとを有している。エジェクタは、送りねじの形態のフィーダを有し、このフィーダは、結合可能なホルダ内に配置されたステッピング・モータによって、このステッピング・モータとエジェクタとのインターフェース手段を介して動力を供給される。
【0004】
スループットは、電子回路基板の製造において重要な因子である。これは、とりわけ、基板に粘性媒体を提供する速度を高めたいという要望、および製造プロセス中に中断または中止をなくす、あるいは少なくとも最小限にしたいという要望に通じている。電子回路基板のスループットまたは製造速度を改善するための方法は、とりわけジェット印刷プロセス中の中断による操作者介入の必要性をなくすこと、または減少することである。そのような中断は、はんだペーストの不足によって引き起こされることがある。したがってはんだペースト・チューブ内に残っているはんだペースト量の確実で正確な尺度を得ることが、製造速度にとって非常に重要である。今日、これは、いわゆる「デッド・カウンティング」、すなわち射出された液滴の数をカウントすることによって行われることがある。しかし、これはいくつかの問題によって損なわれる。例えば、液滴中のはんだペーストの量を推定するのが難しいために引き起こされるカウント・エラーにより、またははんだペースト・チューブ内に収容されているはんだペーストの量に関する情報が誤っている場合があることにより、精度が低い。はんだペースト・チューブ内のはんだペースト高さ(レベル)を測定する代替方法は、チューブでの所定の高さに誘導変換器またはセンサを配置することであり、はんだペーストがまもなくなくなる高さに達したときにこの誘導変換器またはセンサが信号を送達する。この方法は、例えばジェット印刷プロセス中に、はんだペーストがまもなくなくなる時まで、噴射デバイスの操作者がはんだペースト量に関する情報を何ら提供されないという欠点を伴っている。
【0005】
加えて、高品質を求める電子業界の要求、および回路基板で現れるエラーの不利益な結果から、ジェット印刷操作中、およびはんだペースト・チューブがジェット印刷デバイス内に取り付けられるときにジェット印刷操作が開始される前に、例えばはんだペレットの酸化度、はんだペースト・タイプ、残りの貯蔵寿命などを含めた品質に関してはんだペーストの特徴またはパラメータを監視および/または決定するための手段への関心が高まっている。
【0006】
したがって、改良された噴射方法およびデバイスが必要である。
【0007】
さらに、ジェット印刷の分野において、ジェット印刷プロセス中にはんだペーストの消耗を測定および/または監視するための、改良されたより確実な方法およびデバイスの必要性もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、改良された噴射方法およびデバイスを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するためのデバイスの性能を改善することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、ジェット印刷プロセス中のはんだペーストの消耗を測定および/または監視するための、改良されたより確実な方法およびデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらおよび他の目的は、本発明によれば、独立クレームに定義された特徴を有する方法および装置を提供することによって実現される。好ましい実施例は、従属クレームに定義される。
【0012】
本発明の1つの観点によれば、粘性媒体の液滴を基板上に噴射する噴射デバイスのための方法であって、噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、液滴を噴射する噴射出口とを有している方法が提供される。この方法は、噴射デバイス内に取り付けられた着脱可能な粘性媒体容器内に少なくとも1つの電磁信号を発生するステップと、粘性媒体容器内での発生された電磁信号に対する応答信号を測定するステップと、応答信号を使用して、粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するステップとを含む。
【0013】
本発明の第2の観点によれば、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスのための測定デバイスであって、噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、液滴を噴射する噴射出口とを有している測定デバイスが提供される。測定デバイスは、噴射デバイス内に取り付けられる着脱可能な粘性媒体容器内に電磁信号を発生するように適合された信号発生回路と、粘性媒体容器内での発生された電磁信号に対する応答信号を測定するように適合された信号測定回路と、信号測定回路に接続され、応答信号を使用して粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するように適合された信号処理回路とを有する。
【0014】
本発明の第3の観点によれば、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスであって、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、液滴を噴射する噴射出口とを有し、さらに、本発明の第2の観点による測定デバイスを有している噴射デバイスが提供される。
【0015】
本発明の第4の観点によれば、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイス内に装着されるように適合された、粘性媒体を保持するための粘性媒体容器であって、噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、液滴を噴射する噴射出口とを有している粘性媒体容器が提供される。粘性媒体容器は、容器の内壁に配置された少なくとも1つの第1の導通要素と、内壁に配置された少なくとも1つの第2の導通要素とを有し、第1の導通要素と第2の導通要素とは、本発明の第2の観点による測定デバイスに接続可能である。
【0016】
本発明のさらなる観点によれば、本発明の第1の観点による方法のステップを測定デバイスに行わせるためのソフトウェア・コード部分を有する、測定デバイスの内部メモリに直接ロード可能なコンピュータ・プログラムが提供される。
【0017】
したがって本発明は、例えばはんだペースト・チューブといった粘性媒体容器内に印加される電磁信号および/または電磁場を利用し、印加された信号および/または電磁場に対する粘性媒体の応答を測定し、この応答を使用して、容器内の粘性媒体の現行の高さ(レベル)、体積、または充填度を決定するという着想に基づいている。それにより、ジェット印刷プロセス中に容器によって保持されている粘性媒体の体積または高さを継続的に監視および測定することが可能である。これは、粘性媒体の現行高さおよび粘性媒体の残りの体積を更新してユーザに提供するために使用することができ、したがって、例えばプロセスの中断を予測することができるという点、および/または製品製造フローに適合させることができるという点で、ジェット印刷プロセスを改良することができる。
【0018】
本願の目的のために、用語「粘性媒体」は、はんだペースト、フラックス、接着剤、導電接着剤、または基板上に構成要素を取り付けることに関連して使用される任意の他の種類の媒体、導電インク、抵抗ペーストなどと解釈されるべきであり、用語「堆積物」は、1つまたは複数の噴射された液滴によって基板上のある位置に塗布された関連した量の粘性媒体を指し、用語「基板」は、プリント回路板(PCB)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)用の基板、チップ・スケール・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、ウェハ、フリップチップなどと解釈されるべきであることに留意されたい。
【0019】
また、用語「噴射」は、「流体ウェッティング」などの接触供与プロセスと比較して、粘性媒体の液滴をジェット・ノズルから基板上に形成および発射するために流体ジェットを利用した非接触供与プロセスと解釈すべきであることにも留意されたい。
【0020】
以下の説明では、噴射機と、粘性媒体エジェクタと、粘性媒体容器と、残留分レセプタクルと、ホルダとを有する噴射システムおよび方法の実施例を説明する。用語「エジェクタ」は、粘性媒体液滴の実際の噴射を作動するための要素を指す。「容器」は、噴射前に粘性媒体がそこに保管され、噴射中に粘性媒体がそこから供給される要素を指し、エジェクタと流体連絡する。「レセプタクル」は、余剰または残留粘性媒体、例えば圧縮空気によってエジェクタの出口から移送される余剰粘性媒体を受け取って保持するための容器を指す。「ホルダ」は、噴射機との機械的および電気的インターフェースを有する保持フレームを指し、エジェクタ、容器、およびレセプタクルを保持し、したがってエジェクタ、容器、およびレセプタクルと関連して集合ユニットまたはアセンブリを形成し、これは、以下の説明では時として「カセット」と呼ぶ。「噴射機」は、ユニットまたはアセンブリが内部に取り付けられるフレームワークを指す。噴射機は、噴射操作中にカセットを保持し、位置決めし、カセットに関するトリガ信号を提供するための手段を有し、また、上に粘性媒体が塗布される基板を保持して移送するための手段も有する。さらに、噴射機は、粘性媒体塗布プロセス全体を制御および監視するためのソフトウェアおよび点検手段を有する。しかし、噴射機と他の要素またはカセットとの相互作用が述べられない限り、用語「噴射機」または「噴射装置」は、以下で、しばしば、上に言及した要素を含むシステム全体を指す。
【0021】
本発明の一観点では、磁気的性質を有する、出口端部と反対側の容器端部に提供されるプランジャを提供することによって、容器によって保持される粘性媒体の体積を測定することができる。このとき、粘性媒体体積および充填度を示す容器内部でのプランジャの移動を、信号測定回路および信号処理回路を含む外部測定機器を使用して監視することができる。プランジャ内に永久磁石、例えばフェライト磁石を配置することで、磁気的性質を提供することができる。別法として、プランジャ材料は、磁性粒子で充填されたポリマーであってもよい。多くのタイプの非接触測定方法を、粘性媒体体積を測定する作業を行うように適合させることができる。
【0022】
一実施例では、ホール効果センサのアレイが、容器の近傍に配置される。センサは、粘性媒体中で磁性プランジャによって発生された磁場を検出し、磁場の検出時に電流を送達する。粘性媒体の体積および充填度を示す容器内部でのプランジャの移動の際、粘性媒体中での磁場を検出したセンサのみが電流を送達する。したがって、センサの1つまたは複数からの信号を組み合わせることによって、プランジャの位置を決定することができ、それにより容器内の粘性媒体の高さを測定することができる。
【0023】
さらに、容器内の粘性媒体の量を測定するための他の例示の実施例では、粘性媒体容器自体が、実際の容器内部に導電経路を備える。したがって、導電経路は、本質的に、粘性媒体の電気的性質を測定することができるように粘性媒体と電気的に接触するように配置される。それにより、粘性媒体内容物のインピーダンスを測定することで、容器内に収容された粘性媒体の量または充填度を監視することができる。インピーダンス・レベル、または実際にはDC成分の変化を計算して、粘性媒体の体積の対応する変化に変換することができる。容器内部の導電経路は、粘性媒体と接触する導電点の形態であってよく、その一方で、導電経路の他の部分または主要部分は、粘性媒体と接触しない容器部分内に位置することができることに留意すべきである。
【0024】
また、粘性媒体容器内部に導電経路または点を提供することは、インピーダンス測定によって粘性媒体の誘電率、損失係数、または比誘電率を決定することができる可能性を提供し、例えば品質や残りの貯蔵寿命などに関する粘性媒体の他の特性を監視することができる。例えば、粘性媒体は、限られた耐用寿命を有することがあり、すなわち、とりわけはんだペースト中のはんだ粒子の酸化により、粘性媒体の質が時間と共に劣化することがある。さらに、所定の周波数範囲にわたってインピーダンス測定を行うことによって、粘性媒体の「フィンガープリント」を得ることが可能であり、これは、あるタイプの粘性媒体、例えば、ある品質を有するまたはある製造業者によって製造されたはんだペーストを識別するために使用されることがある。またそれにより、例えば指示されたはんだペーストをはんだペースト容器が実際に収容していることを検証することも可能である。
【0025】
本発明のさらなる実施例では、容器とエジェクタ要素のエジェクタ・チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路内に測定プローブが配置されて、本質的に粘性媒体と電気的に接触し、それにより媒体の電気的性質を測定することができる。これは、粘性媒体の他の特性を監視することができる可能性を提供する。これは、磁性プランジャと組み合わされることがあり、容器内での磁場の検出によって粘性媒体の体積または高さを監視することができる可能性と、容器とエジェクタ・チャンバとの間の経路内でのインピーダンス測定によって粘性媒体の電気的性質を監視することができる可能性とを提供する。
【0026】
さらなる実施例によれば、プランジャは、電気導通にされ、容器内に配置された導電経路または点を短絡することがある。それにより、容器内部の粘性媒体の高さを決定することが可能である。これは、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路内、または射出チャンバ内に配置された測定プローブと組み合わされることがあり、それにより媒体の電気的性質、および容器内部の粘性媒体の高さを測定することができる。
【0027】
当業者によって理解されるように、本発明の方法のステップ、および本発明の好ましい実施例は、コンピュータ・プログラムまたはコンピュータ可読媒体として実現するのに適している。
【0028】
組織と操作方法との両方に関して本発明を特徴付ける構成は、本発明のさらなる目的および利点と共に、添付図面に関連して扱う以下の説明からより良く理解されよう。図面は、例示および説明のためのものであり、本発明の範囲の定義としては意図されていないことを明確に理解されたい。本発明によって達成されるこれらおよび他の目的、ならびに本発明によって提供される利点は、以下に続く説明を添付図面に関連して読むことにより、より完全に明らかになろう。
【実施例】
【0029】
図1は、本発明による、粘性媒体の液滴を基板2上に供与、例えば噴射することによって堆積物を基板2に提供するための装置1の好ましい実施例の概略的な外観を例示する。説明を簡単にするために、本明細書では以後、粘性媒体を、上で定義した選択肢の1つであるはんだペーストと呼ぶ。同じ理由から、基板を電気回路基板と呼び、気体を空気と呼ぶ。この実施例では、噴射装置1は、Xビーム3とXワゴン4とを有するタイプのものであり、Xワゴン4は、Xレールを介してXビーム3に接続され、Xレールに沿って往復して移動可能である。さらに、Xビームは、Yレール17に移動可能に接続され、それによりXビーム3は、Xレール16に対して移動可能である。Yレール17は、噴射装置1内にリジッドに取り付けられている。一般に、移動は、リニア・モータ(図示せず)によって提供される。
【0030】
さらに、噴射装置1は、噴射装置1を通してボード2を搬送するための内部コンベア17と、噴射が行われるときにボード2を係止するための係止デバイスとを有する。
【0031】
ドッキング・デバイスがXワゴン4に装着され、ドッキング・デバイス8でのアセンブリ5の解放可能な取付けを可能にしている。アセンブリ5は、はんだペーストの液滴を供与、すなわち噴射するように構成され、この液滴が、ボード2に当たって堆積物を生じる。また噴射装置1は、視覚デバイス、例えばカメラ15も有している。カメラ15は、ボード2の位置および回転を決定するため、およびボード2上の堆積物を閲覧することによって供与プロセスの結果を検査するために使用される。
【0032】
さらに、噴射装置1は、Xワゴン4上に配置された真空エジェクタ(図1には図示せず)と、圧縮空気源(図示せず)とを有する。真空エジェクタ、および圧縮空気源は、空気導管インターフェース手段を介してドッキング・デバイス8と連絡し、空気導管インターフェース手段は、ドッキング・デバイスの相補空気導管インターフェース手段に接続可能である。
【0033】
当業者によって理解されるように、噴射装置は、装置を動作させるソフトウェアを実行するため、および本発明による測定デバイスの機能を制御するための制御ユニット(図1には明示せず)を有している。
【0034】
簡潔には、噴射装置は以下のように働く。上にボード2が配置されたコンベア18によって、ボード2が噴射装置1内に供給される。ボード2は、Xワゴン4の下の適正な位置にくると、係止デバイスを用いて固定される。カメラによって、ボード2の表面上に予め配置された基準マーカーが探し出され、ボード2の正確な位置を特定するために使用される。次いで、ボード2の上方で所定の(予めプログラムされた)パターンでXワゴンを移動させ、噴射アセンブリ5を所定の位置で作動させることによって、はんだペーストが、ボード2上に所望の位置で塗布される。
【0035】
図2に、噴射装置1内に装着されたはんだペースト容器21内のはんだペーストの高さまたは体積を測定するため、および/またははんだの特性を決定する目的ではんだペーストの電気的性質を測定するための本発明による測定デバイス20(図3〜8を参照してより詳細に説明する)の概略ブロック図が示される。
【0036】
測定デバイス20は、容器ホルダ(図4参照)内に装着されたときにはんだペースト容器21内に電磁信号を発生するように適合された信号発生回路22を有する。さらに、測定デバイス20は、はんだペースト容器21内で発生された電磁信号に対する応答信号を測定するように適合された信号測定回路23であって、信号測定センサ(図5参照)を含んでいてもよい信号測定回路23と、信号測定回路23に接続され、応答信号を使用して容器内のはんだペーストの高さ、および/またははんだペーストの電気的性質などの特性を決定するように適合された信号処理回路24とを有する。測定デバイス20は、噴射装置1の制御ユニット(図示せず)によって制御されてもよい。別法として、測定デバイス20は、測定機能を実行するための論理回路を含んでいてもよく、この論理回路は、測定デバイス20の回路内に構成されてもよい。さらに、測定デバイス20は、メモリ回路25を含み、このメモリ回路は、測定デバイス20の回路内、例えば信号処理回路24内に構成することができる。別法として、メモリ回路は、噴射装置1の制御ユニット内に構成されてもよい。メモリ回路25は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含んでいてもよい。例えば、はんだ高さペースト測定およびはんだペースト特性に関係する情報をメモリ回路25に記憶することができる。
【0037】
図3および図4を参照して、説明を簡単にするために本明細書では以後はんだペースト容器と呼ぶ粘性媒体容器の実施例を論じる。図3で、噴射システム、例えば図1に示される噴射装置での使用を意図されたはんだペースト容器31が、エジェクタなどに粘性媒体を提供するための出口32を有している。容器の他端に、すなわち出口端と反対側に、プランジャ33または膜が提供される。それにより、容器31内のはんだペースト内容物は、一端にあるプランジャ33と他端にある出口32との間に保持される。したがって、プランジャ33の表面がはんだペーストと接触し、媒体は、空隙のない状態で保持される。液滴の噴射中、およびそれに対応してはんだペーストの容器が空になる一方で、プランジャ33は出口32に向かう方向に移動され、したがって、容器31によって保持されるはんだペーストの量が噴射プロセス中に減少されるときに空隙のない状態を維持することができる。図4で、容器31は、容器ホルダ34内に取り付けられて図示されており、容器ホルダ34は、噴射装置内に装着されるように適合されている。
【0038】
次に、本発明の1つの観点を、はんだペースト容器の概略断面図を示す図5を参照して論じる。噴射システム、例えば図1に示される噴射装置での使用を意図されたはんだペースト媒体容器51が、容器51内に磁場を発生する磁気的性質を有するプランジャ53を備えている。容器51によって保持されるはんだペーストの体積は、はんだペースト体積および充填度を示す容器51内部でのプランジャ53の移動を監視することによって、すなわち図2に示される信号測定回路23によって磁場の変化を監視することによって測定することができる。プランジャ内に永久磁石、例えばフェライト磁石を配置することで、磁気的性質を提供することができる。別法として、プランジャ材料は、磁性粒子で充填されたポリマーであってよい。
【0039】
本発明の一実施例によれば、信号測定回路23は、容器51の近傍に配置されたホール効果センサ要素54のアレイを有する。センサ要素54は、長手方向ラインに従って配列され、好ましくは、容器51の長手方向軸線と平行に取り付けられる。例えば、センサ・アレイ54は、図4に示されるホルダ34に配置されてもよい。各センサ要素54は、はんだペースト容器51内での磁性要素53の位置を特定するためにそれぞれのセンサ要素54からの電流を組み合わせるように適合された組合せ回路(図示せず)であって、磁性要素53の位置特定を使用して容器51内のはんだペーストの高さを決定するように適合された組合せ回路を含む信号処理回路24に接続される。
【0040】
次に図6を参照して、本発明の別の実施例を説明する。はんだペースト容器61が、容器61の内壁に第1および第2の導電要素62a、62bを備えており、これらの導電要素62a、62bは、信号発生回路22(図2参照)の信号発生器64と、信号測定回路65および信号処理回路66とに接続可能である。一実施例では、はんだペースト容器61は、導電要素、例えば導電ストリップ自体を備えている。信号測定回路65は、増幅器68およびアナログ/デジタル変換器69に接続された抵抗素子67を有している。
【0041】
したがって導電経路は、本質的に、例えばはんだペーストといった粘性媒体と電気的に接触するように構成され、それにより媒体の電気的性質を測定することが可能である。その結果、容器内に含まれる粘性媒体の量または充填度を、はんだペースト内容物のインピーダンスを測定することによって監視することができる。この実施例によれば、信号発生器64は、第1の導電要素62aを介して電流を印加し、得られるインピーダンスが、第2の導電要素62bを介して信号測定回路65によって測定される。DCインピーダンス・レベルの変化を計算し、はんだペーストの体積の対応する変化に変換することができる。
【0042】
容器内部の導電経路は、はんだペーストと接触する複数の導電点の形態であってもよく、この時、導電経路の他の部分または多くの部分は、粘性媒体と接触しない容器部分内に位置し得ることに留意すべきである。
【0043】
また、はんだペースト容器内部に導電経路または導電点を提供することは、インピーダンスを測定し、例えばはんだペーストといった粘性媒体の電気的性質を計算することによって、はんだペーストの他の特性を監視することができる可能性を提供する。例えばはんだペーストは、限られた耐用寿命を有すること、すなわちはんだペーストの品質が時間と共に劣化することがある。このとき、容器内の導電経路を使用して粘性媒体の電気的性質を測定することができ、この電気的性質は、はんだペーストがその品質保持期限を過ぎているかどうかを示すものとなる。例えば粘性媒体の誘電率、損失係数、または比誘電率を、DCおよびACインピーダンス測定、すなわち複素インピーダンス測定によって決定することができる。インピーダンス測定は、所定の周波数範囲にわたって、例えば0〜1MHzの範囲内、または0〜500KHzの範囲内で行われる。
【0044】
一実施例では、信号発生回路64は、容器61内部に配置された導通要素を介してはんだペーストに送達される所定の周波数範囲にわたるDCおよび/またはAC電流波形を発生するように適合された信号発生器を含む。例えば約0〜1MHzの周波数範囲で約0.5〜50Vの範囲内の電圧を使用することができる。別の実施例では、約0〜500KHzの周波数範囲で約10〜20Vの範囲内の電圧を使用することができる。
【0045】
図7に、複数の導通点を備えたはんだペースト容器の実施例が示される。導通点72aの第1のアレイと、導通点72bの第2のアレイとが、はんだペースト容器71の内壁に配列される。第1および第2のアレイ72aおよび72bは、図6に示される導電ストリップと同様に、信号発生回路22(図2参照)の信号発生器と、信号測定回路および信号処理回路とに接続可能である。
【0046】
次に図8を参照して、本発明のさらなる実施例を論じる。第1および第2の測定プローブ82aおよび82bが、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器とエジェクタ要素87の送りねじとの間の経路83内に配置されて、本質的にはんだペーストと電気的に接触し、それによりペーストの電気的性質を測定することができる。別法として、プローブ82aおよび82bは、射出チャンバ内、または送りねじと射出チャンバとの間の経路内に配置されてもよい。
【0047】
第1および第2の測定プローブ82aおよび82bは、信号発生回路22(図2参照)の信号発生器84と、信号測定回路85および信号処理回路86とに接続される。信号測定回路85は、増幅器88およびアナログ/デジタル変換器89に接続された抵抗素子90を有する。この実施例によれば、信号発生器84は、第1の導電要素82aを介して電流を印加し、得られたインピーダンスが、第2の導電要素82bを介して信号測定回路85によって測定される。例えば約0〜1MHzの周波数範囲で約0.5〜50Vの範囲内の電圧を使用することができる。別の実施例では、約0〜500KHzの周波数範囲で約10〜20Vの範囲内の電圧を使用することができる。
【0048】
これは、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路内での複素インピーダンス測定によって、はんだペーストの電気的性質などのはんだペーストの他の特性を監視することができる可能性を提供する。さらに、容器81内のはんだペーストの高さを決定または測定するために、容器81内に磁場を発生する磁気的性質を有するプランジャ93が提供される。したがって、容器81によって保持されるはんだペーストの体積は、上述したように、はんだペースト体積および充填度を示す容器81内部でのプランジャ93の移動を監視することによって、すなわち信号測定回路85によって磁場の変化を監視することによって測定することができる。プランジャ内に永久磁石、例えばフェライト磁石を配置することで、磁気的性質を提供することができる。別法として、プランジャ材料は、磁性粒子で充填されたポリマーであってよい。信号測定回路85は、容器81の近傍に配置されたホール効果センサ要素94のアレイを有する。センサ要素54は、長手方向ラインに従って配列され、好ましくは容器81の長手方向軸線と平行に取り付けられる。例えば、センサ・アレイ94は、図4に示されるホルダ34に配置されてもよい。各センサ要素94は、はんだペースト容器81内の磁性要素93の位置を特定するためにそれぞれのセンサ要素94からの電流を組み合わせるように適合された組合せ回路(図示せず)であって、磁性要素の位置特定を使用して容器81内のはんだペーストの高さを決定するように適合された組合せ回路を含む信号処理回路86に接続される。その結果、この実施例は、容器81内の磁場の検出によってはんだペースト容器81内のはんだペーストの体積または高さを監視することと、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路83内での複素インピーダンス測定によってはんだペーストの電気的性質、例えば誘電率や比誘電率などはんだペーストの特性を監視することとの両方をできる可能性を提供する。
【0049】
本発明の別の実施例では、誘電率または比誘電率などはんだペーストの電気的性質を測定するために、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路内に測定プローブが配置され、容器内のはんだペースト高さを決定するためにDCインピーダンス・レベルを測定するために、容器は上述したような導電経路を備えている。当業者に容易に理解されるように、図6を参照して説明した測定デバイスを、小さな改造をして使用することができる。
【0050】
したがって、容器内のDCインピーダンス・レベルの検出によってはんだペースト容器内のはんだペーストの体積または高さを監視することと、容器とエジェクタ要素の射出チャンバとの間、例えば容器と送りねじとの間の経路内での複素インピーダンス測定によってはんだペーストの電気的性質、例えば誘電率や比誘電率などはんだペーストの特性を監視することとの両方が可能である。
【0051】
図9に、はんだペーストの高さを測定するため、および/または上述したはんだペーストの特性を決定する目的ではんだペーストの電気的性質を測定するための実施例の任意の1つを含む本発明による噴射装置、例えば図1に示されるような噴射装置と、噴射装置に接続可能な外部ワーク・ステーションとが図示される。ワーク・ステーション102は、粘性媒体容器内の粘性媒体の高さまたは体積、および粘性媒体の特性などの情報をグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を用いてユーザに提示するための表示画面またはモニタ104と、ユーザが例えば情報およびコマンドを入力できるようにする入力デバイス106、例えばキーボードおよびマウスとを有する。したがって噴射の操作者は、例えば粘性媒体の残量や、噴射装置内の容器を交換しなければならなくなるまでの現行の噴射液滴射出速度での推定残り時間などに関する情報を提示されることができる。外部ワーク・ステーション102は、例えばUSB接続などの物理的な接続を介して、またはブルートゥース、もしくは赤外線など他のタイプの短距離無線通信を含む短距離通信リンクを含めたいくつかの異なる技術によって、噴射装置1と通信してもよい。
【0052】
次に図10を参照して、本発明のさらなる実施例を論じる。はんだペースト容器111内に配置されたプランジャ113が、第1の導電要素112aを備え、容器111が、容器111の内壁に第2の導電要素112bを備え、これらの導電要素112a、112bは、信号発生回路22(図2参照)の信号発生器114と、信号測定回路115および信号処理回路116とに接続可能である。一実施例では、はんだペースト容器111は、導電要素、例えば導電ストリップ自体を備えている。信号測定回路115は、増幅器118およびアナログ/デジタル変換器119に接続された抵抗素子117を有している。
【0053】
したがって導電要素は、本質的に、例えばはんだペーストといった粘性媒体と電気的に接触するように配置されており、それにより媒体の電気的性質を測定することができる。その結果、容器内に収容される粘性媒体の量または充填度を、はんだペースト内容物のインピーダンスを測定することによって監視することができる。この実施例によれば、信号発生器114が、プランジャ113内に配置された第1の導電要素112aを介して電流を印加し、得られたインピーダンスが、第2の導電要素112bを介して信号測定回路115によって測定される。DCインピーダンス・レベルの変化を計算し、はんだペーストの体積の対応する変化に変換することができる。
【0054】
容器内部の導電経路は、はんだペーストに接触する複数の導電点の形態であってもよく、この時、導電経路の他の部分または多くの部分は、粘性媒体と接触しない容器部分内に位置し得ることに留意すべきである。
【0055】
また、はんだペースト容器内部に導電経路または導電点を提供することは、インピーダンスを測定し、例えばはんだペーストといった粘性媒体の電気的性質を計算することによって、はんだペーストの他の特性を監視することができる可能性を提供する。例えばはんだペーストは、限られた耐用寿命を有すること、すなわちはんだペーストの品質が時間と共に劣化することがある。このとき、容器内の導電経路を使用して粘性媒体の電気的性質を決定することができ、この電気的性質は、はんだペーストがその品質保持期限を過ぎているかどうかを示すものとなる。例えば粘性媒体の透過率、損失係数、または比誘電率を、DCおよびACインピーダンス測定、すなわち複素インピーダンス測定によって決定することができる。インピーダンス測定は、所定の周波数範囲にわたって、例えば0〜1MHzの範囲内、または0〜500KHzの範囲内で行われる。
【0056】
当業者には容易に理解されるように、いくつかの想定可能な代替実施例が存在し、例えば第2の導電要素112bは、容器113とエジェクタ要素87の射出チャンバとの間、例えば容器とエジェクタ要素87の送りねじとの間の経路内に配置されてもよい。
【0057】
一実施例では、信号発生回路64は、容器61内部に配置された導通要素を介してはんだペーストに送達される所定の周波数範囲にわたるDCおよび/またはAC電流波形を発生するように適合された信号発生器を含む。例えば約0〜1MHzの周波数範囲で約0.5〜50Vの範囲内の電圧を使用することができる。別の実施例では、約0〜500KHzの周波数範囲で約10〜20Vの範囲内の電圧を使用することができる。
【0058】
先の具体的な実施例は、本発明の実施を例示するものである。したがって、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、当業者に知られているまたは本明細書で開示した他の手段が採用されてもよいことを理解されたい。したがって、特に記載されている場合を除き、本発明の範囲から逸脱することなく本発明を実施することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による噴射デバイスを有するはんだペーストを塗布するための機械の概略的な外観を示す斜視図である。
【図2】はんだペースト容器内のはんだペーストの高さまたは体積を測定するため、および/またははんだペーストの特性を決定する目的ではんだペーストの電気的性質を測定するための本発明による測定デバイスの概略ブロック図である。
【図3】本発明による粘性媒体容器の実施例を示す図である。
【図4】本発明による噴射装置に装着されるホルダ内に配置された粘性媒体容器の実施例を示す図である。
【図5】本発明の実施例による、測定デバイスに接続されたはんだペースト容器の概略断面図である。
【図6】本発明の別の実施例による、測定デバイスに接続されたはんだペースト容器の概略断面図である。
【図7】本発明のさらなる実施例による、はんだペーストの概略断面図である。
【図8】本発明のさらなる別の実施例による、測定デバイスに接続されたはんだペースト容器の概略断面図である。
【図9】ワーク・ステーションに接続された本発明による噴射装置の斜視図である。
【図10】本発明のさらなる実施例による、測定デバイスに接続されたはんだペースト容器の概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスのための方法であって、前記噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、噴射出口とを有し、前記液滴が前記噴射出口を通して噴射される方法において、
前記噴射デバイスに搭載された着脱可能な粘性媒体容器内に少なくとも1つの電磁信号を発生するステップと、
前記粘性媒体容器内での前記発生された電磁信号に対する応答信号を測定するステップと、
前記応答信号を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記粘性媒体容器内に、または前記粘性媒体容器に隣接して、前記粘性媒体容器内に磁場を発生するように適合された磁性要素を提供するステップであって、前記磁性要素は、前記粘性媒体容器内の前記粘性媒体の量の変化に応じて移動可能であるステップと、
前記粘性媒体容器内での前記発生された磁場を検出するステップと、
前記粘性媒体容器内での粘性媒体の現行の量に比例する少なくとも1つの信号を生成するステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発生された磁場に対する応答信号を測定する前記ステップが、
前記粘性媒体容器内の粘性媒体の量に比例する、前記発生された磁場によって引き起こされるホール効果を検出するステップと、
前記検出されたホール効果を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の現行の量に比例する少なくとも1つの信号を生成するステップと
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定する前記ステップが、
前記粘性媒体容器内の前記磁性要素の位置を特定するために、前記ホール効果センサの1つまたは複数からの少なくとも1つの信号を組み合わせるステップと、
前記磁性要素の前記位置特定を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するステップと
を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記粘性媒体容器内に位置決めされるように構成されたプランジャであって、噴射操作中に前記粘性媒体容器の前記粘性媒体に押圧を加えるように適合されたプランジャ内に前記磁性要素を配置するステップをさらに含む請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記粘性媒体容器内に少なくとも1つの第1の導通要素を提供するステップと、
前記粘性媒体容器内に少なくとも1つの第2の導通要素を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素との間に電流を印加するステップと、
前記印加された電流に対する前記粘性媒体容器内の前記粘性媒体のインピーダンスを測定するステップと
をさらに含む請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記印加された電流が、DC成分を含む少なくとも1つの電流波形を有し、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定する前記ステップが、
前記インピーダンスの抵抗成分を測定するステップであって、前記インピーダンスの前記抵抗成分は前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さに比例しているステップと、
前記抵抗成分を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の前記高さを決定するステップと
を含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記印加された電流が、AC成分を含む少なくとも1つの電流波形を有し、
所定の周波数範囲にわたって前記インピーダンスのリアクティブ成分または容量成分を測定するステップと、
前記インピーダンスの前記抵抗成分と前記リアクティブ成分または容量成分とを使用して、複素インピーダンスを決定するステップと、
前記粘性媒体の特徴を決定するために、前記複素インピーダンス、および/または前記インピーダンスの前記リアクティブ成分または容量成分を使用するステップと
をさらに含む請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記粘性媒体容器内に少なくとも1つの第1の導通要素を提供するステップと、
前記粘性媒体容器内に少なくとも1つの第2の導通要素を提供するステップと、
前記粘性媒体容器内に位置決めされるように構成された電気導通プランジャであって、噴射操作中に前記粘性媒体を前記粘性媒体容器の外に押し出すように適合された電気導通プランジャを使用して、前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素とを短絡するステップと、
前記プランジャの短絡位置を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の前記高さを決定するステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記容器と前記エジェクタ要素のエジェクタ・チャンバとの間の経路内に、前記粘性媒体と接触するように第1の導電要素を提供するステップと、
前記容器と前記エジェクタ要素のエジェクタ・チャンバとの間の経路内に、前記粘性媒体と接触する第2の導電要素を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素との間に電流を印加するステップと、
前記印加された電流に対する、前記容器と前記エジェクタ・チャンバとの間の前記経路内での前記粘性媒体のインピーダンスを測定するステップと
をさらに含む請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記粘性媒体の電気的性質を決定するステップであって、該電気的性質は、誘電率、損失係数、または比誘電率を含むステップをさらに含む請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記特徴が、前記粘性媒体中の粒子の酸化度、または鉛の含有量を含む請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記粘性媒体容器内に導通要素を提供する前記ステップが、
前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に第1の長手方向導電ストリップを配置するステップと、
前記第1の導電ストリップに実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に第2の長手方向導電ストリップを配置するステップと、
前記第1の導電ストリップを信号発生器および信号処理ユニットに接続するステップと、
前記第2の導電ストリップを前記信号発生器に接続するステップと
を含む請求項6から請求項12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記粘性媒体容器内に導通要素を提供する前記ステップが、
前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に複数の導電要素の第1のアレイを配置するステップであって、前記第1のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔されているステップと、
前記第1のアレイと実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に複数の導電要素の第2のアレイを配置するステップであって、前記第2のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔されているステップと、
前記第1のアレイの前記要素を信号発生器および信号処理ユニットに接続するステップと、
前記第2のアレイの前記要素を前記信号発生器に接続するステップと
を含む請求項6から請求項13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスのための測定デバイスであって、前記噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、噴射出口とを有し、前記液滴は、前記噴射出口を通して噴射される測定デバイスにおいて、
前記噴射デバイスに搭載された着脱可能な粘性媒体容器内に電磁信号を発生するように適合された信号発生回路と、
前記粘性媒体容器内での前記発生された電磁信号に対する応答信号を測定するように適合された信号測定回路と、
前記信号測定回路に接続され、前記応答信号を使用して前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するように適合された信号処理回路と
を有する測定デバイス。
【請求項16】
前記信号発生回路が、前記粘性媒体容器内に、または前記粘性媒体容器に隣接して配置されるように適合された磁性要素であって、前記粘性媒体容器内に磁場を発生するように適合された磁性要素を有し、該磁性要素は、前記粘性媒体容器内の前記粘性媒体の量の変化に応じて移動可能であり、
前記信号測定回路が、
前記粘性媒体容器内での前記発生された磁場を検出するように、および
前記粘性媒体容器内の粘性媒体の現行の量に比例する少なくとも1つの信号を生成するように
適合されていることを特徴とする請求項15に記載の測定デバイス。
【請求項17】
前記信号測定回路が、前記粘性媒体容器と平行に長手方向に配置されるように適合された複数のホール効果センサのアレイを有し、該ホール効果センサは、
前記粘性媒体容器内の粘性媒体の量に比例する、前記発生された磁場によって引き起こされるホール効果を検出するように、および
前記検出されたホール効果を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の現行の量に比例する少なくとも1つの信号を生成するように
適合されていることを特徴とする請求項16に記載の測定デバイス。
【請求項18】
前記信号処理回路が、
前記粘性媒体容器内での前記磁性要素の位置を特定するために、前記ホール効果センサの1つまたは複数からの信号を組み合わせるように、および
前記磁性要素の前記位置特定を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さを決定するように
適合されていることを特徴とする請求項17に記載の測定デバイス。
【請求項19】
前記磁性要素が、前記粘性媒体容器内に位置決めされるように構成されたプランジャであって、噴射操作中に前記粘性媒体容器の前記粘性媒体に押圧を加えるように適合されたプランジャ内に配置されている請求項16から請求項18までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項20】
前記信号発生回路が、
前記粘性媒体容器内に配置されるように適合された少なくとも1つの第1の導通要素と、
前記粘性媒体容器内に配置されるように適合された少なくとも1つの第2の導通要素と
に接続可能な信号発生器をさらに有し、
前記信号発生器は、前記導電要素に接続されたとき、前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素との間に電流を印加するように適合されており、
前記信号測定回路は、前記印加された電流に対する前記粘性媒体容器内の前記粘性媒体のインピーダンスを測定するように適合されたインピーダンス測定回路である
請求項15から請求項19までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項21】
前記信号発生器が、DC成分を含む少なくとも1つの電流波形を有する電流を印加するように適合され、
前記インピーダンス測定回路が、前記インピーダンスの抵抗成分を測定するように適合され、該インピーダンスの前記抵抗成分は、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の高さに比例しており、
前記信号処理回路が、前記抵抗成分を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の前記高さを決定するように適合されていることを特徴とする請求項20に記載の測定デバイス。
【請求項22】
前記信号発生器が、AC成分を含む少なくとも1つの電流波形を有する電流を印加するように適合され、
前記インピーダンス測定回路が、所定の周波数範囲にわたって前記インピーダンスのリアクティブ成分または容量成分を測定するように適合され、
前記インピーダンス測定回路が、前記インピーダンスの前記抵抗成分と、前記リアクティブ成分または容量成分とを使用して、複素インピーダンスを決定するように適合され、
前記インピーダンス測定回路に接続された分析回路が、前記粘性媒体の特徴を決定するために、前記複素インピーダンス、および/または前記インピーダンスの前記リアクティブ成分または容量成分を使用するように適合されている
ステップをさらに含む請求項20または請求項21に記載の測定方法。
【請求項23】
前記信号発生回路が、
前記粘性媒体容器内に配置されるように適合された少なくとも1つの第1の導通要素と、
前記粘性媒体容器内に配置されるように適合された少なくとも1つの第2の導通要素と
に接続可能であり、
前記粘性媒体容器内に位置決めされるように、また噴射操作中に前記粘性媒体容器の前記粘性媒体に押圧を加えるように構成された電気導通プランジャが、前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素とを短絡するように構成された前記プランジャであり、
前記信号処理回路が、前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素との間を流れる電流の検出時に、前記プランジャの短絡位置を使用して、前記粘性媒体容器内の粘性媒体の前記高さを決定するように適合されている
請求項15に記載の測定方法。
【請求項24】
前記信号発生器が、
前記容器と前記エジェクタ要素のエジェクタ・チャンバとの間の経路内に配置された少なくとも1つの第1の導通要素と、
前記容器と前記エジェクタ要素のエジェクタ・チャンバとの間の前記経路内に配置された少なくとも1つの第2の導通要素と
に接続可能であり、
前記信号発生器が、前記少なくとも1つの第1の導通要素と前記少なくとも1つの第2の導通要素との間に電流を印加するように適合され、
前記信号測定回路が、前記印加された電流に対する、前記容器と前記エジェクタ・チャンバとの間の前記経路内での前記粘性媒体のインピーダンスを測定するように適合されたインピーダンス測定回路である
請求項15から請求項23までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項25】
前記信号処理回路が、前記粘性媒体の電気的性質を決定するように適合され、前記電気的性質が、誘電率、損失係数、または比誘電率を含む請求項15から請求項24までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項26】
前記特徴が、前記粘性媒体中の粒子の酸化度、または鉛の含有量を含む請求項15から請求項25までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つの第1の導通要素が、前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に配置されるように適合された第1の長手方向導電ストリップであって、前記信号発生器および前記信号処理回路に接続される第1の長手方向導電ストリップであり、
前記少なくとも1つの第2の導通要素が、前記第1の導電ストリップに実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に配置されるように適合された第2の長手方向導電ストリップであって、前記信号発生器に接続される第2の長手方向導電ストリップである
請求項20から請求項26までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項28】
前記少なくとも1つの第1の導通要素が、前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に配置されるように適合された複数の導電要素の第1のアレイであり、前記第1のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔され、且つ前記信号発生器および前記信号処理回路に接続されており、
前記少なくとも1つの第2の導通要素が、前記第1の導電アレイに実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に配置されるように適合された複数の導電要素の第2のアレイであり、前記第2のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔され、且つ前記信号発生器に接続されている
請求項20から請求項27までのいずれか一項に記載の測定デバイス。
【請求項29】
粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイスであって、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、前記液滴が噴射される噴射出口とを有し、請求項15から請求項28までのいずれか一項に記載の測定デバイスをさらに有する噴射デバイス。
【請求項30】
前記粘性媒体の液滴を基板上に噴射するための噴射デバイス内に取り付けられるように適合された、粘性媒体を保持するための粘性媒体容器であって、前記噴射デバイスが、噴射プロセスを行うためのエジェクタ要素と、噴射出口とを有し、該噴射出口を通して前記液滴が噴射される粘性媒体容器において、該粘性媒体容器は、
内壁に配置された少なくとも1つの第1の導通要素と、
内壁に配置された少なくとも1つの第2の導通要素と
を有し、
前記第1の導通要素と前記第2の導通要素とは、請求項15から請求項28までのいずれか一項に記載の測定デバイスに接続可能である粘性媒体容器。
【請求項31】
前記少なくとも1つの第1の導通要素が、前記第1の導電ストリップに実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に配置された第1の長手方向導電ストリップであって、前記信号発生器および前記信号処理回路に接続可能である第1の長手方向導電ストリップであり、
前記少なくとも1つの第2の導通要素が、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に配置された、前記信号発生器に接続可能である第2の長手方向導電ストリップである
請求項30に記載の粘性媒体容器。
【請求項32】
前記少なくとも1つの第1の導通要素が、前記粘性媒体容器の内壁に長手方向に配置された複数の導電要素の第1のアレイであり、前記第1のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔され、且つ前記信号発生器および前記信号処理回路に接続可能であり、
前記少なくとも1つの第2の導通要素が、前記第1の導電アレイに実質的に平行に、前記粘性媒体容器の内壁に前記長手方向に配置された複数の導電要素の第2のアレイであり、前記第2のアレイの前記要素は、一直線に配列され、且つ互いから電気的に離隔され、且つ前記信号発生器に接続可能である
請求項30に記載の粘性媒体容器。
【請求項33】
請求項1から請求項14までに記載のステップを前記測定デバイスに行わせるためのソフトウェア・コード部分を有する、測定デバイスの内部メモリに直接ロード可能なコンピュータ・プログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−509033(P2010−509033A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539367(P2008−539367)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010922
【国際公開番号】WO2007/054372
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(500563005)マイデータ オートメーション アクチボラグ (12)
【Fターム(参考)】