説明

回胴式遊技機

【課題】リプレイタイム遊技を行う回胴式遊技機において、遊技性を向上させる。
【解決手段】特定図柄の組合せが成立することによって、リプレイタイム遊技を終了させるようになっており、遊技者によって停止操作手段が所定の停止態様で操作されることで、特定図柄の組合せを不成立にするように回胴の停止制御を行う。リプレイタイム遊技状態中に特定図柄の組合せの成立が許容されたことを報知期間の間遊技者に報知するようになっており、リプレイタイム遊技状態中に特定条件が達成された場合に報知期間として第1所定報知期間を設定する。そして、報知期間が終了する前にリプレイタイム遊技状態が終了した場合に、報知期間が残存している旨を記憶しておき、次回の前記リプレイタイム遊技状態を開始する場合に、報知期間が残存している旨が記憶されているときは、特定条件が達成されなくても、報知期間として第2所定報知期間を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを用いて遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させ、所定の図柄の組合せが揃うように各
回胴を停止させる遊技を行う回胴式遊技機が広く知られている。こうした回胴式遊技機で
は、先ず、遊技メダル等の遊技媒体をベットしてスタートレバーを操作すると、全回胴の
回転を開始するとともに、予め内部抽選を行っていずれの遊技役の入賞を成立させるか、
あるいはいずれも成立させないかを決定する。次いで、遊技者が各回胴の停止ボタンを操
作して回胴を停止させ、その時に、内部抽選で当選した遊技役に対応する図柄の組合せが
揃った場合には、遊技役の入賞が成立して、遊技役に応じた特典が遊技者に付与されるよ
うになっている。また、遊技役の中には「再遊技役」と呼ばれる特別な遊技役が設けられ
ており、再遊技役の入賞が成立した場合には、遊技媒体をベットする動作を行わなくても
次回の遊技を開始することが可能となっている。
【0003】
このような回胴式遊技機の中には、再遊技役の当選確率を変動可能にして、再遊技役に
当選する確率が通常よりも高く設定された遊技状態(以下では、この遊技状態をリプレイ
タイム遊技、あるいは単にRT遊技と呼ぶ)を設けた遊技機も提案されている(特許文献
1)。このRT遊技が開始されると、再遊技役が成立する可能性が高くなり、しかも再遊
技役以外の遊技役も成立し得るので、通常の遊技状態に比べて遊技メダルを減らすことな
く遊技を続けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−137430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の遊技機では、RT遊技中の終了契機としてあらかじめ定め
られた所定回数のRT遊技を実行することとしていた。したがって、遊技者はRT遊技の
終了時期を認知した状態でRT遊技を行うことになり、終了回数が近づくことで遊技者の
興趣が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、R
T遊技中に遊技者の興趣を低下させることなく、新たな遊技性を付与することが可能な技
術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の回胴式遊技機は、
遊技媒体の投入後に、回転開始部材の操作を受けて、複数の回胴の回転を開始させ、回転停止部材の操作を受けて、前記回胴の回転を所定の遊技役に応じた態様で停止させる遊技を行う回胴式遊技機において、
前記回胴の回転が停止したときに、前記複数の遊技役のうちの再遊技役に対応する再遊技図柄組合せが停止表示すると、前記遊技媒体を投入することなく次回の遊技を開始可能とする再遊技を実行する再遊技実行手段と、
所定の開始条件が成立すると、通常の状態よりも前記再遊技の実行頻度が高まるリプレイタイム状態を開始し、前記リプレイタイム状態中に第1終了条件または第2終了条件が成立すると、前記リプレイタイム状態を終了するリプレイタイム制御手段と、
前記リプレイタイム状態中に、遊技者にとって有利な態様で遊技を進行させるための報知が行われる報知遊技期間を発生させる報知遊技期間発生手段と、
前記報知遊技期間が満了する前に前記第1終了条件の成立によって前記リプレイタイム状態が終了すると、該リプレイタイム状態が終了した後の遊技の進行に応じて前記報知遊技期間の残りを減少させる減少手段と、
前記報知遊技期間が満了する前に前記第2終了条件の成立によって前記リプレイタイム状態が終了すると、該リプレイタイム状態が終了した後の遊技の進行に応じて前記報知遊技期間の残りを増加させる増加手段と、を備え、
前記報知遊技期間発生手段は、
前記第1終了条件または前記第2終了条件の成立による前記リプレイタイム状態の終了後に前記開始条件が新たに成立して前記リプレイタイム状態が開始されると、前記減少手段または前記増加手段による変更の結果に応じた前記報知遊技期間を、該リプレイタイム状態中に発生させる
ことを特徴とする回胴式遊技機。
これにより、遊技者の興趣を低下させることなく、新たな遊技性を付与することが可能となる。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の別発明の回胴式遊技機は、
所定数の遊技媒体を投入して複数の回胴を回転させ、該回胴が停止したときに所定の図柄組合せが表示されることで、該図柄組合せの種類に応じた所定の特典を遊技者に付与する遊技を行い、前記回胴が停止したときにボーナス図柄組合せが表示されることによって、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる回胴式遊技機において、
前記遊技媒体を投入することなく次回の遊技を開始可能な再遊技を発生させる再遊技図柄組合せを含んだ複数の図柄組合せの中から、いずれの図柄組合せの表示を許容するか否かについての抽選を行う抽選手段と、
所定のリプレイタイム開始条件が成立することで、通常の遊技状態よりも前記再遊技図柄組合せの表示を許容する確率が高まるリプレイタイム状態を開始させるリプレイタイム状態開始手段と、
前記リプレイタイム状態中に、前記複数の図柄組合せのうち特定図柄組合せが表示されることで成立する第1終了条件と、前記ボーナス状態の発生により成立する第2終了条件とのいずれかが成立することによって、該リプレイタイム状態を終了させるリプレイタイム状態終了手段と、
前記リプレイタイム状態中に前記抽選手段によって前記特定図柄組合せの表示が許容されたことを報知する報知手段と、
前記報知手段による報知が行われたときに、前記複数の回胴の各々に対応して設けられた停止操作部が所定の操作態様で操作されると、前記特定図柄組合せが表示されないように前記回胴の停止制御を行う停止制御手段と、
前記リプレイタイム状態中に前記報知手段による報知が行われる報知期間を設定する報知期間設定手段と、
前記リプレイタイム状態中に所定の延長条件が成立することで、前記報知期間設定手段によって設定された前記報知期間を延長させる報知期間延長手段と、
前記報知期間が終了する前に前記第1終了条件と前記第2終了条件のいずれかが成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合に、前記報知期間の残存期間を記憶する残存期間記憶手段と、
前記報知期間が終了する前に前記第1終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合に、前記残存期間記憶手段に記憶された前記残存期間を、次に前記リプレイタイム開始条件が成立するまでの遊技の進行に応じて減少させる残存期間減少手段と、
前記報知期間が終了する前に前記第2終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合に、前記残存期間記憶手段に記憶された前記残存期間を、次に前記リプレイタイム開始条件が成立するまで減少させずに維持する残存期間維持手段と、を備え、
前記報知期間設定手段は、
前記残存期間が記憶されていない状態で前記リプレイタイム開始条件が成立した場合には、所定の初期期間を前記報知期間に設定し、
前記残存期間が記憶されている状態で前記リプレイタイム開始条件が成立した場合には、該残存期間を前記報知期間に設定する
ことを特徴としている。
【0009】
リプレイタイム遊技の終了条件が「特定図柄組合せ」とされている遊技機においては、遊技者が意図せずに特定図柄組合せを成立させてしまい、リプレイタイム遊技が終了してしまう事態が起こり得る。特に、特定条件の達成により実行される「特定図柄の組合せの報知期間」の途中(報知期間が残存している状態)で、遊技者の操作ミス(所謂目押しミス等)により特定図柄の組合せを成立させてしまい、リプレイタイム遊技が終了してしまった場合には、遊技者の落胆が大きく、遊技意欲の減退にもつながる。このため、本発明のように、報知期間の途中でリプレイタイム遊技が終了する場合に報知期間が残存している旨を記憶しておき、次回のリプレイタイム遊技が開始したときに、特定条件判定手段による判定を行うことなく、報知期間を設定することで、遊技者を救済することができる。これにより、報知期間の途中でリプレイタイム遊技が終了した場合における遊技者の落胆を軽減でき、リプレイタイム遊技終了後においても遊技意欲を維持させることができる。
【0010】
ここで、リプレイタイム遊技を開始させる「所定のリプレイタイム開始条件」とは、所定回数の遊技の実施や所定の図柄組合せ(所謂小役や再遊技を入賞させる図柄組合せや、払い出しの無いブランク図柄の組合せ)の成立、大当り遊技(いわゆるビッグボーナスなど)の終了などが挙げられる。
【0011】
また、報知手段により報知が行われる「報知期間」とは、所定回数の遊技が実行されるまでの期間であってもよいし、所定回数の報知が実行されるまでの期間であってもよい。
【0012】
また、別発明は、報知期間が終了する前に第1終了条件が成立してリプレイタイム状態が終了した場合に、残存期間記憶手段に記憶された残存期間を、次にリプレイタイム開始条件が成立するまでの遊技の進行に応じて減少させる残存期間減少手段を備えている。
【0013】
これにより、特定図柄組合せを不成立にさせる操作をミスした遊技者が有利になり過ぎることを防止でき、特定図柄組合せを不成立にさせる操作に関してミスをした遊技者とミスをしない遊技者との利益のバランスを図ることができる。
【0014】
また、別発明の遊技機では、
前記報知期間が終了する前に前記第1終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合には、前記報知期間が終了する前に前記第2終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合に比べて、次に前記リプレイタイム開始条件が成立する確率を低下させる確率低下手段を備えることを特徴としている。
【0015】
また、別発明の遊技機では、
前記確率低下手段は、
前記報知期間が終了する前に前記第1終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合には、該リプレイタイム状態の終了後に、前記リプレイタイム開始条件が成立不能な特定状態に一定期間の間移行させ、その後に前記リプレイタイム開始条件が成立可能な通常状態に移行させ、
前記報知期間が終了する前に前記第2終了条件が成立して前記リプレイタイム状態が終了した場合には、前記第2終了条件が成立することとなった前記ボーナス状態の終了後に前記通常状態に移行させる
ことを特徴としている。
【0016】
また、別発明の遊技機では、
前記報知期間設定手段は、
前記リプレイタイム開始条件の成立に伴い開始される前記リプレイタイム状態中に、前記特定図柄組合せ以外の所定の図柄組合せを所定回数表示することを指示するミッション演出を実行し、該ミッション演出にて指示された内容が当該リプレイタイム状態中に満たされたか否かを判断し、満たされたと判断した場合に前記報知期間を設定するものであって、
前記残存期間が記憶されている状態で前記リプレイタイム開始条件が成立した場合には、前記残存期間が記憶されていない状態で前記リプレイタイム開始条件が成立した場合に比べて、該ミッション演出にて指示する図柄組合せの表示回数を少なく設定する
ことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施例の遊技機の正面図である。
【図2】図1の遊技機の前面扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】3つの回胴の外周面に表示された図柄の配列を示す説明図である。
【図4】遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図5】本実施例の遊技機に設定されている入賞ラインを示す説明図である。
【図6】遊技機に設定されている各種の遊技役と、それら遊技役を成立させるための図柄組合せを例示した説明図である。
【図7】内部当選フラグおよび遊技状態フラグのデータ構造を例示した説明図である。
【図8】第1実施例の遊技状態の変遷を説明するための説明図である。
【図9】第1実施例の通常遊技用の抽選テーブルを示す説明図である。
【図10】第1実施例の特定遊技用の抽選テーブルを示す説明図である。
【図11】第1実施例のRT遊技中に用いられる抽選テーブルを示す説明図である。
【図12】第1実施例のミッション演出時における演出表示装置の画面表示例を示す説明図である。
【図13】第1実施例のBB遊技中に用いられる抽選テーブルを示す説明図である。
【図14】第1実施例の遊技制御処理を示すフローチャートである。
【図15】第1実施例の遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【図16】第1実施例の演出制御処理を示すフローチャートである。
【図17】第1実施例のRT遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図18】第1実施例のミッション演出実行処理を示すフローチャートである。
【図19】第1実施例のベル報知処理を示すフローチャートである。
【図20】第1実施例のRT遊技終了処理を示すフローチャートである。
【図21】第1実施例のベル報知ゲーム数減算処理を示すフローチャートである。
【図22】第2実施例の演出制御処理を示すフローチャートである。
【図23】第2実施例のRT遊技開始処理を示すフローチャートである。
【図24】第2実施例のRT遊技終了処理を示すフローチャートである。
【図25】第3実施例のRT遊技開始処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
以下、本発明を回胴式遊技機に適用した第1実施例について説明する。
【0019】
図1は、回胴式遊技機1(以下、単に「遊技機1」ともいう。)の正面図である。本明
細書中において、「右」および「左」は、遊技機1の正面からみた位置関係を示している

【0020】
図1に示すように、遊技機1は、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うよ
うにして設けられた前面扉2と、遊技メダルを貸し出すためのメダル貸出装置4とが設け
られている。前面扉2は、遊技の進行に応じた演出が行われる上段の領域2uと、遊技メ
ダルが払い出される下段の領域2dと、遊技が行われる中段の領域の大きく3つの領域か
ら構成され、更に中段の領域は、遊技状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊
技を行うための操作部2mbとから構成されている。
【0021】
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右に
はスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のラ
ンプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成
されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能とな
っている。
【0022】
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設
けられており、内部に設けられた3つの回胴20a、20b、20cが回転する様子を視
認可能となっている。表示窓5の左方には、遊技メダルの投入枚数に応じて表示される投
入枚数表示ランプ22が設けられ、表示窓5の右方には、演出内容を表示する中間ランプ
23が設けられている。表示窓5の下方には、貯留されている遊技メダルの枚数を表示す
る貯留枚数表示器24と、遊技状態を表示する遊技状態表示器25と、遊技メダルの払出
し枚数を表示する払出枚数表示器26が設けられている。
【0023】
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成
されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジッ
トとして貯留されている遊技メダルを1枚だけ投入するための一枚投入ボタン32と、貯
留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン34などが設けられている
。遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの枚数を記憶して
おくこと(いわゆるクレジットのこと)をいう。
【0024】
操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a、20b、20cの回転を
開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a、20b、20cの回転をそれ
ぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38cなどが設けられている。なお、回胴停止ボタン38a、38b、38cが本発明の停止操作部に相当している。
【0025】
また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられ、前面に返却ボタン42が
設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メ
ダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。また、返却ボタン42とは、投入した
遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作さ
れるボタンである。
【0026】
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、
払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
【0027】
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏
面側上部には、サブ制御基板ユニット102が設けられており、その左右にはスピーカ1
4が取り付けられている。サブ制御基板ユニット102の内部には、後述するサブ制御基
板220が格納されている。サブ制御基板220は、図1に示した演出表示装置10や、
各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
【0028】
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板
240が格納された扉基板ユニット104が設けられ、扉基板ユニット104の下方にに
、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106や、遊技メダル払出口50に
導くためのコインシュータ108などが取り付けられている。メダルセレクタ106は、
遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法
に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー36
を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選
別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に投入され、規格を満たしてい
ないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるよう
になっている。これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが投入さ
れた場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルはコイ
ンシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ
106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け
入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、検出信号が後述する主制御基板
200に供給されるようになっている。
【0029】
筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a、20b、20cが設けられており、各回胴
20a〜20cの外表面には、後述のように複数種類の図柄が表示されている。これら回
胴20a〜20cの上方には、遊技全体の制御を司る主制御基板200(図4参照)が格
納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための回胴基板260(図4参
照)が格納された回胴基板ユニット111が設けられている。回胴20a、20b、20
cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダ
ルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機
1全体に電源を供給するための電源基板280(図4参照)が格納された電源ユニット1
20などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コイ
ンシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。
また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源ユニット1
20sも設けられている。
【0030】
図3は、3つの回胴20a、20b、20cの外表面に表示された図柄の配列を示す説
明図である。図3に示すように、各回胴20a〜20cには、いずれも21個の図柄が外
表面に表示されている。いずれの回胴20a〜20cについても表示されている図柄の種
類は同じであるが、図柄の配列順序は回胴20a〜20c毎に異なるように設定されてい
る。
【0031】
図4は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図5に示すように
、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、
回胴基板260、電源基板280等がデータをやり取り可能に接続されて構成されている
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。こ
の主制御基板200には、CPU200c、ROM、RAMなどがバスによって互いにデ
ータをやり取り可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240か
ら、スタートレバー36が操作されたことを示す信号を受け取って、後述する遊技制御処
理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かっ
て制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種基板の動作を制
御している。
【0032】
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPUや、ROM、RA
Mなどがバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、
サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14、114、演出表
示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト2
0Lとは、各回胴20a〜20cの内部に設けられて、回胴の表面に描かれた図柄を裏側
から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受け取った制御
コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14、114、演出表示装置10
、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより、これらを用いた各
種演出を行っている。
【0033】
扉基板240には、前述したメダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投
入するための各種投入ボタン32、34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー3
6、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a、38b、38c、貯留
されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボ
タン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、扉
基板240は、前述した主制御基板200と、データをやり取り可能に接続されている。
このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a〜38c
、各種の投入ボタン32、34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介し
て、その信号を主制御基板200に供給することが可能となっている。また、メダルセレ
クタ106に設けられたメダルセンサの出力も、扉基板240を介して主制御基板200
に供給されている。
【0034】
回胴基板260には、3つの回胴20a〜20cをそれぞれ回転させるための回胴モー
タ24a、24b、24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ2
6a、26b、26cが設けられている。回胴基板260は、回胴センサ26a〜26c
によって、各回胴20a〜20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a〜24c
を駆動することにより、それぞれの回胴20a〜20cを、所望の回転位置で停止させる
ことが可能となっている。本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a〜24cには、い
わゆるステッピングモータが使用されている。
【0035】
また、メダル払出装置118は、図示しない中継基板を介して、主制御基板200に接
続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払
い出す動作を行う。
【0036】
また、これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給
されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定
電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。図4では
、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
【0037】
次に、上記の構成を有する回胴式遊技機1において、遊技を進行するために行われる制
御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説
明しておく。
【0038】
遊技開始にあたって、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、メダルのベッ
トを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている。遊技メ
ダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、一枚投入ボタン32、あるい
は三枚投入ボタン34を押すことにより、それぞれ1枚または3枚の遊技メダルをベット
することも可能である。
【0039】
遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a〜20
cが一斉に回転を開始する。それぞれの回胴20a〜20cの外周面には複数の図柄が描
かれているため、回胴20a〜20cが回転すると、これら図柄が変動表示されることに
なる。また、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴に対応して3つの回胴停止ボタン3
8a〜38cが設けられている(図1参照)。回胴20a〜20cの回転中に回胴停止ボ
タン38a〜38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴っ
て、変動表示されていた図柄がいずれかの図柄で停止表示される。このようにして、3つ
の回胴20a〜20cの回転を停止させると、それぞれの回胴でいずれかの図柄が停止表
示される。回胴20a〜20cの停止は、主制御基板200のCPU200cが後述の回
胴回転停止処理S107で行うように構成されている。したがって、主制御基板200の
CPU200cが本発明の停止制御手段に相当している。
【0040】
本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴20a〜20cあたり3つず
つの図柄が表示される大きさに設定されている。このため、3つの回胴20a〜20cが
停止表示されると、表示窓20には、縦横3列ずつ、合計9つの図柄が表示されるように
なっている。これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定さ
れている。
【0041】
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインを示す説明図である。図5に
示すように、本実施例では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL2と、下段の
入賞ラインL3と、右斜め上向きの入賞ラインL4と、右斜め下向きの入賞ラインL5か
らなる合計5本の入賞ラインが設定されている。遊技メダルを1枚だけベットした場合に
は中段の入賞ラインL2だけが有効になり、遊技メダルを3枚ベットした場合には5本全
部の入賞ラインL1〜L5が有効になる。そして、3つの回胴20a〜20cが停止する
と、有効な入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることとなる。なお、図5に
示す例では、5種類の直線状の入賞ラインL1〜L5を設定したが、これに限らず、例え
ば、左回胴20aの上段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの上段位置と
を結ぶ入賞ラインや、左回胴20aの下段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴2
0cの下段位置とを結ぶ入賞ラインなどの非直線状の入賞ラインなどを加えて、より多種
類の入賞ラインを設定しておくこともできる。
【0042】
そして、有効な入賞ライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄
組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。図6は、本
実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せを示している。図6(a)は、遊技役の種
類に図柄組合せと付与される特典を対応付けて示した説明図である。図6(a)では、左
端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄に遊技役を成立させる図柄組合せが表示され
、右端の欄に遊技役が成立した場合に遊技者に付与される特典が表示されている。これら
の図柄組合せは、主制御基板200に搭載されたROMに予め記憶されている。
【0043】
図6(a)に示すように、遊技役には、ビッグボーナス役(BB役)、ベルの小役、ス
イカの小役、チェリーの小役、再遊技役(リプレイ)が設定されている。
【0044】
BB役は、「赤セブン(赤色の7)」と呼ばれる図柄が揃った図柄組合せ、あるいは「
青セブン(青色の7)」と呼ばれる図柄が揃った図柄組合せが対応付けられており、いず
れの図柄組合せが揃った場合でも、ビッグボーナス遊技の開始という特典が遊技者に付与
される。ビッグボーナスとは、複数回のゲームに渡って継続される特殊な遊技状態であり
、大量のメダルを獲得可能な遊技者にとって最も有利な特典である。
【0045】
ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれ
かであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定さ
れている。左図柄20aが「赤セブン」の場合は「ベルAの小役」と呼び、左図柄20a
が「青セブン」の場合は「ベルBの小役」と呼び、左図柄20aが「バー」の場合は「ベ
ルCの小役」と呼ぶ。これらのベルの小役に対して遊技者に付与される特典として、15
枚の遊技メダルが払い出される。
【0046】
スイカの小役は、3つの回胴20a〜20cのすべてが「スイカ」の図柄で揃った図柄
組合せが設定されている。スイカの小役に対する特典として、6枚の遊技メダルが払い出
される。また、チェリーの小役は、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であり、中
図柄20bおよび右図柄20cはどのような図柄の組合せであっても構わない図柄組合せ
が設定されている。チェリーの組合せに対しては、2枚の遊技メダルが払い出される。
【0047】
再遊技役(リプレイ)は、3つの回胴20a〜20cがいずれも「再遊技」の図柄で揃
った図柄組合せが設定されている。本実施例の遊技機1では、3つの回胴20a〜20c
のすべてが「Replay」の図柄で揃った図柄組合せからなる再遊技役Aと、左図柄2
0aが半円状の図柄で、中図柄20bと右図柄20cが「Replay」の図柄である図
柄組合せからなる再遊技役Bの2種類の再遊技役が設定されている。再遊技役Aおよび再
遊技役Bのいずれかの図柄組合せが揃えば、再遊技役の入賞を成立させることができる。
再遊技役に付与される特典としては、新たな遊技メダルをベットすることなく、再度遊技
を行う権利が付与される。つまり、再遊技役の入賞を成立させたときにベットしていた遊
技メダルと同じ遊技メダルがベットされたものとしてもう一度遊技を行うことが可能とな
る。また、再遊技役Bは、後述するRT遊技(リプレイタイム遊技)の開始図柄であり、
RT遊技を開始させる特典も有している。RT遊技に関する詳細は後述する。
【0048】
3つの回胴20a〜20cが停止したときに、図6(a)に示すいずれの遊技役も成立
しなかった場合は、再び1枚または3枚の遊技メダルをベットした後、スタートレバー3
6を操作して回胴20a〜20cを回転させることで、次のゲームを行う。本実施例の遊
技機1では、こうした操作を繰り返すことによってゲームが進行するようになっている。
【0049】
なお、本実施例の遊技機1では、図6(a)に示す遊技役に加えて、図6(b)に示す
特定図柄と呼ばれる図柄組合せが設定されている。本実施例では、左図柄20aが「Re
play」、中図柄20bが「ベル」、右図柄20cが「ベル」の図柄組合せが特定図柄
に設定されており、この特定図柄は、遊技メダルが払い出される遊技役とは異なり、遊技
状態の切り替えに用いられる。この特定図柄による遊技状態の切り替えについては後述す
る。
【0050】
図6(a)で示したいずれの遊技役に当選するかは後述する内部抽選で決定される。内
部抽選処理では、主制御基板200のCPU200cがスタートレバー36が操作された
タイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて遊技役を内部的に抽選する。内部抽選用乱
数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱数で
ある。本実施例の内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲
の乱数値を取得することが可能となっている。内部抽選用乱数は、主制御基板200に搭
載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもでき、あるいは乱
数発生用プログラムを用いてソフトウェア的に生成することもできる。なお、主制御基板
200のCPU200cが本発明の抽選手段に相当している。
【0051】
ただし、内部抽選処理でいずれかの遊技役に当選したとしても、直ちに遊技役が成立す
るわけではなく、回胴停止ボタン38a〜38cを操作することにより、対応する図柄組
合せを入賞ライン上に揃えなければ当選した遊技役を成立させることはできない。逆にど
のようなタイミングで回胴停止ボタン38a〜38cを操作しても、内部抽選で当選した
遊技役でなければ入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。このよう
に内部抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役を成立させるための前提条件として内部的に行
われる抽選となっている。内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(または単に内部当
選)であり、換言すれば遊技役の入賞(図柄組合せの成立)が許容された状態である。内
部抽選でいずれの遊技役に内部当選したかは内部当選フラグに設定される。内部当選フラ
グとは、内部抽選の結果を保存しておくために用いられるフラグであり、主制御基板20
0のRAMの所定アドレスに設定されている。
【0052】
なお、本実施例の遊技機1では、前述したベル小役(ベルA、ベルB、ベルC)のいず
れかが内部当選している場合に当該ベル小役の入賞を成立させることができない場合には
、入賞ライン上に前述した特定図柄の組合せ(図6(b)参照)が成立するように設定さ
れている。つまり、ベルA、ベルB、ベルCのいずれかに内部当選した状態で、左回胴2
0aの図柄がベルA、ベルB、ベルCのいずれかの入賞を成立させる図柄(「赤セブン」
か「青セブン」か「バー」のいずれか)が停止表示されなかった場合(いわゆる取りこぼ
しが発生した場合)は、「再遊技」の図柄をいずれかの有効ライン上に停止表示させるよ
うに左回胴20aの停止位置が決定される。そして、中回胴20b、右回胴20cについ
ては、左回胴20aに停止表示された「再遊技」の図柄位置を含む入賞ライン上に「ベル
」の図柄を停止表示させるように各回胴の停止位置が決定される。
【0053】
図7は、本実施例の遊技機1で用いられるフラグのデータ構造を示している。図7に示
すように、本実施例の遊技機1では、図7(a)に示す小役および再遊技役についての内
部当選フラグ(小役当選フラグ)と、図7(b)に示すビッグボーナス役についての内部
当選フラグ(ボーナス役内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれ1バイト
ずつのデータが割り当てられている。
【0054】
図7(a)に示すように、小役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下
位側の7ビットが内部当選フラグとして用いられている。これら下位側7ビットの内訳は
、上位から順に、ベルAの小役、ベルBの小役、ベルCの小役、スイカの小役、チェリー
の小役、再遊技役A、再遊技役Bに対応するビットになっている。いずれかの小役に内部
当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。また、図7(b)に示すよう
に、ボーナス役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下位側の2ビットが
内部当選フラグとして用いられている。これら2ビット中の先頭のビットは、上位から順
に、赤7のBB役、青7のBB役に対応するビットになっている。いずれかのBB役に内
部当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。
【0055】
遊技役の内部抽選は、各遊技役に対して乱数範囲が設定された抽選テーブルを用いて行
われる。抽選テーブルの内容は、遊技状態によって異なる。本実施例の遊技機1には、通
常遊技、RT遊技(リプレイタイム遊技)、BB遊技(ビッグボーナス遊技)の3種類の
遊技状態が設けられており、これらの遊技状態が切り替わりながら遊技が行われる。現在
の遊技状態は、遊技状態フラグに設定されている。主制御基板200に搭載されたRAM
の所定アドレスには、遊技状態フラグを設定するための1バイト分の領域が確保されてい
る。
【0056】
図7(c)は、遊技状態フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した
説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM上の所定アドレスの1バイトデータのう
ち、下位側の4ビットが遊技状態フラグとして用いられている。これら4ビットのうち最
下位のビットが再遊技が成立したために遊技メダルを投入することなく遊技を再開可能な
状態であることを示す再遊技フラグに設定されている。そして、最下位からの2ビット目
が特定遊技フラグとして設定されている。遊技状態が特定遊技になった場合には、特定遊
技フラグに対応するビットに「1」が設定される。また、RT遊技フラグは、最下位から
3番目のビットに設定されており、このビットに「1」を設定すると、RT遊技フラグが
ONに設定された状態となる。さらに、BB遊技フラグは、最下位から4番目のビットに
設定されており、このビットに「1」を設定すると、BB遊技フラグがONに設定された
状態となる。
【0057】
ここで、各遊技状態を対応する抽選テーブルとともに説明する。図8は、各遊技状態が
切り替わる状態を示している。図8に示すように、通常遊技から特定遊技、RT遊技また
はBB遊技に切り替わることができ、特定遊技から通常遊技またはBB遊技に切り替わる
ことができ、RT遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わることができ、BB遊技か
ら通常遊技に切り替わるように設定されている。これらの複数の遊技状態の切り替え(各
遊技状態の開始及び終了)は、主制御基板200のCPU200cがROMに記憶されて
いる抽選テーブルを選択することによって行われる。したがって、主制御基板200のC
PU200cが本発明のリプレイタイム状態開始手段、リプレイタイム状態終了手段に相
当している。
【0058】
まず、通常遊技について説明する。遊技を開始した直後(RAMクリア処理等を行って
遊技状態を初期状態にしたとき)は、図7(c)の遊技状態フラグはすべてのビットに「
0」が設定される。したがって、遊技状態が最も一般的な遊技状態である通常遊技に設定
されている。通常遊技状態では、通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図9(a)は通常遊技用抽選テーブルを示し、図9(b)は通常遊技用抽選テーブルに設
定されている各遊技役と内部抽選用乱数の乱数範囲との対応関係を示している。図9(a
)に示す通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルAの小役」に対して0〜1333の乱数
値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲内にあった場合には、ベルAの
小役に内部抽選することを表わしている。同様に、「ベルBの小役」には1334〜26
67、「ベルCの小役」には2668〜4000、「スイカの小役」には4001〜42
00、「チェリーの小役」には4201〜4400、「赤7のBB役」には4401〜4
600、「青7のBB役」には4601〜4700、「再遊技役A」には4601〜13
800、「再遊技役B」には4601〜5200のそれぞれの乱数値が設定されている。
13801〜65535の乱数値には、いずれの遊技役も設定されておらず、取得した乱
数値がこの範囲にあった場合には、「外れ」となる。
【0059】
上述のように、乱数値4601〜5200の範囲では、「再遊技役A」と「再遊技役B
」の2つの遊技役が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合に
は、2つの遊技役に重複して内部当選することを表わしている。このように同じ範囲の乱
数値に対して複数の遊技役が設定されている場合、これらの遊技役は重複役と呼ばれる。
このため、同時に再遊技役Aと再遊技役Bの2つの遊技役に内部当選することがある。こ
の場合には、再遊技役Bの入賞を成立させる図柄組合せが優先して停止表示されるように
、回胴の停止位置が決定される。しかし、図3に示すように、左回胴20a上には再遊技
役Bを成立させるための図柄(図6(a)参照)は1つしか描かれていないので、再遊技
役Bの図柄組合せを停止表示させることはそれほど容易なことではない。そして、再遊技
役Bの図柄組合せを停止表示させることができない場合には、再遊技役Aの入賞を成立さ
せる図柄組合せが停止表示されるように、回胴の停止位置が決定される。図3に示されて
いるように、再遊技役Aの入賞を成立させるための図柄は、各回胴にほぼ等間隔で多数描
かれていることから、再遊技役Aの図柄組合せは容易に停止表示させることができる。な
お、再遊技役Bが入賞することは、RT遊技の開始条件となっている。よって、通常遊技
中に再遊技役Bが入賞した場合には、前述した遊技状態フラグ(図7(c)参照)におけ
るRT遊技フラグがONに設定され、RT遊技が開始される。
【0060】
また、乱数値4601〜4700の範囲では、上述の「再遊技役A」と「再遊技役B」
に加え、「青7のBB役」の3つの遊技役が設定されている。したがって、取得した乱数
値がこの乱数値の範囲にあった場合には、3つの遊技役が重複役として内部当選すること
になる。この場合の停止優先順序は、上述したように第1順位で再遊技役B、第2順位で
再遊技役Aを停止表示し、第3順位に青7のBB役の図柄組合せを停止表示するように回
胴の停止位置が決定される。
【0061】
なお、上述したように、再遊技役Bが停止表示されないときには再遊技役Aが停止表示
可能な図柄配列になっているため、青7のBB役に内部当選しても、その遊技での青7の
BB役の入賞を成立させる図柄組合せが停止表示されることはない。
【0062】
また、上述した再遊技役A、再遊技役B、青7のBB役からなる3つの遊技役の重複役
(乱数範囲が4601〜4700)に内部当選した際には、再遊技役Bの入賞が成立して
も、後述するRT遊技の開始処理は実行されないようになっている。すなわち、青7のB
B役と重複して内部当選した再遊技役Bの入賞成立は、RT遊技の開始条件からは除外さ
れる。よって、通常遊技における一部の再遊技役Bの入賞成立は、青7のBB役の内部当
選を報知する一手段となる。
【0063】
上述のように、通常遊技からは、特定遊技、RT遊技またはBB遊技のいずれかの遊技
状態に切り換わることができる(図8参照)。すなわち、通常遊技中に有効な入賞ライン
上に特定図柄(図6(b))の組合せが成立すると、遊技状態が特定遊技に切り換わる。
そして、通常遊技中にBB役(赤7および青7のBB役)の入賞が成立すると、遊技状態
がBB遊技に切り換わる。また、通常遊技中に所定乱数範囲の再遊技役B(乱数範囲が4
701〜5200)の入賞が成立すると、遊技状態がRT遊技に切り換わる。
【0064】
次に、特定遊技について説明する。特定遊技は、通常遊技において上述した特定図柄の
組合せが成立することで開始されるものであり、特定遊技用抽選テーブルを用いて内部抽
選が行われる。図10は、特定遊技用抽選テーブルを示している。図9に示した通常遊技
用抽選テーブルと同様、特定遊技用抽選テーブルにも、複数の遊技役毎に、その遊技役を
当選させる乱数範囲が設定されている。また、図10(b)には、特定遊技用抽選テーブ
ルに設定されている各遊技役と、内部抽選乱数の乱数範囲との対応関係が示されている。
図10に示す特定遊技用抽選テーブルと、図9に示す通常遊技用抽選テーブルとを比較す
ると、再遊技役全体の乱数範囲は通常遊技とほぼ同様であるが、通常遊技用抽選テーブル
に対して特定遊技用抽選テーブルの方が再遊技役Bの乱数範囲が600から100に縮小
され、縮小された再遊技役Bの乱数範囲(4601〜4700の範囲)は、青7のBB役
と重複している。
【0065】
本実施例の特定遊技では、再遊技役A、再遊技役B、青7のBB役からなる3つの遊技
役の重複役(乱数範囲が4601〜4700)に内部当選した際には、再遊技役Bの入賞
が成立しても、RT遊技の開始処理は実行されないようになっている(図10参照)。す
なわち、青7のBB役と重複して内部当選した再遊技役Bの入賞成立は、RT遊技の開始
条件からは除外される。よって、特定遊技における再遊技役Bの入賞成立は、青7のBB
役の内部当選を報知する一手段となる。
【0066】
図8に示したように、特定遊技からBB遊技または通常遊技のいずれかの遊技状態に切
り替わることができる。特定遊技中にBB役の入賞が成立すると、遊技状態がBB遊技に
切り替わる。一方、特定遊技において、BB遊技に切り替わらないまま、所定回数(本実
施例では20回)の遊技が行われた場合には、特定遊技から通常遊技に戻る。
【0067】
次に、RT遊技について説明する。RT遊技では、RT遊技用抽選テーブルを用いて内
部抽選が行われる。図11は、RT遊技用抽選テーブルを示している。RT遊技用抽選テ
ーブルは、図9で示した通常遊技用抽選テーブルと比較すると、再遊技役Aおよび再遊技
役Bに内部当選する乱数範囲が拡大されている。特に、再遊技役Aに内部当選する乱数範
囲が拡大されており、全乱数範囲のほぼ半分が再遊技役Aに内部当選する乱数範囲に設定
されている。また、その分だけ、外れの乱数範囲が縮小されている。RT遊技では、この
ような抽選テーブルを用いて内部抽選処理が行われることから、RT遊技は高い確率で再
遊技役の入賞を成立させやすい遊技状態となっている。
【0068】
再遊技役に入賞すると、遊技メダルを投入することなく次回の遊技を行うことができた
め、この再遊技役に頻繁に当選することで、遊技者が保持している遊技メダルを比較的減
らさずに遊技が可能になる。よって、RT遊技が長ければ長いほど遊技者にとって有利な
状態となり、BB役等のボーナス役に当選するチャンスをメダルを減らさずに享受させる
ことができる。
【0069】
RT遊技からは、BB遊技または特定遊技のいずれかの遊技状態に切り換わることがで
きる(図8参照)。すなわち、RT遊技中にBB役(赤7および青7のBB役)の入賞が
成立すると、遊技状態がBB遊技に切り換わる。また、RT遊技中に前述した特定図柄の
組合せが入賞ライン上のいずれかに成立すると、RT遊技が終了して遊技状態が特定遊技
に切り換わる。つまり、本実施例では、特定図柄の組合せが成立することがRT遊技の終
了契機となっている。
【0070】
本実施例の遊技機1では、RT遊技開始時にミッション演出が行われるように構成され
ている。ミッション演出では、遊技者に対して所定内容のミッションが提示され、そのミ
ッションの内容が達成された場合に、RT遊技中に所定の特典が遊技者に付与される。本
実施例のミッション演出では、ベル小役(図6(a)参照)が内部当選した場合に、ベル
小役が内部当選した旨を遊技者に報知し、内部当選したベル小役の入賞を所定回数成立さ
せることを達成すべきミッションの内容としている。ミッション演出は、サブ制御基板2
20のCPUが後述のミッション演出実行処理S340を実行することで行われる。
【0071】
ミッション演出では、RT遊技開始時にベルA、ベルB、ベルCの小役のいずれかに内
部当選した場合には、主制御基板200から内部当選を示す制御コマンドがサブ制御基板
220に送信され、サブ制御基板220はコマンドを受け取ると演出表示装置10等を用
いてベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知するように構成されている。ミッション演
出におけるベル小役当選の報知では、ベル小役の種類(ベルA、ベルB、ベルC)までは
報知されない。このため、遊技者はベル小役当選の報知によりベルAの小役、ベルBの小
役、ベルCの小役のいずれかが内部当選したことを認識できるが、内部当選したベル小役
の種類を知ることができない。したがって、遊技者がベル小役の内部当選の報知により回
胴20a〜20cの停止操作を行って、内部当選したベル小役を入賞させることで、遊技
者は複数の種類のベル小役の中から内部当選したベル小役の種類を推測するベル当てを行
うこととなる。なお、ベル小役の入賞が成立した場合には、主制御基板200からベル小
役入賞成立を示す制御コマンドがサブ制御基板220に送信される。
【0072】
ミッション演出では、内部当選したベル小役の入賞を所定のミッション達成必要回数(
以下「ベル当て回数」ともいう。)だけ成立させることで、ミッションが達成されるよう
になっている。本実施例の遊技機1では、ベル当て回数が4回に設定され、内部当選した
ベル小役の入賞を連続して4回成立させることでミッションが達成されるように構成され
ている。なお、本発明の「特定条件」は、ミッション演出における達成すべきミッション
の内容であり、「特定条件の達成」は内部当選したベル小役の入賞を所定のミッション達
成必要回数だけ成立させることで実現される。
【0073】
図12は、ミッション演出を行う場合の演出表示装置10の画面表示例を示している。
図12に示すように、演出表示装置10の表示領域には、画面中央付近にベル当選報知領
域10aが設けられ、画面上部にベル当て回数報知領域10bが設けられている。
【0074】
ベル当選報知領域10aは、ベルAの小役、ベルBの小役、ベルCの小役のいずれかが
内部当選した旨を遊技者に報知するために用いられる。本実施例のベル当選報知領域10
aには、横一列に3個の図柄が表示され、右図柄と中図柄に「ベル」が表示され、左図柄
に「?」が表示される。これにより、遊技者は、中図柄と右図柄が「ベル」の組合せであ
る遊技役、すなわちベルAの小役、ベルBの小役、ベルCの小役のいずれかが内部当選し
ていることを認識することができる。なお、ベル当選報知領域10aに表示する情報は、
ベル小役が内部当選した旨を遊技者に報知できる情報であればよく、図12の例示とは異
なる態様としてもよい。
【0075】
ベル当て回数報知領域10bには、ミッションを達成するために必要となるベル当て回
数が表示される。本実施例のベル当て回数報知領域10bには、ベル当て回数分だけ丸図
形が表示される。そして、内部当選したベル小役の入賞が成立した場合に、ベル当て回数
報知領域10bの丸図形が1つずつ消去されるようにし、すべての丸図形が消去された場
合にミッションが達成されるようにすればよい。
【0076】
ミッションが達成されない場合、すなわち、いずれかのベル小役が内部当選している場
合に、当該ベル小役の入賞を成立させることができない場合には、前述したように有効な
入賞ライン上に特定図柄の組合せが成立する。このため、ミッションが達成できず「ベル
」の小役を取りこぼした場合には、特定図柄の組合せが入賞ライン上に停止表示される。
これにより、RT遊技が終了し通常遊技に移行する。なお、特定図柄が成立した場合には
、主制御基板200から特定図柄成立を示す制御コマンドがサブ制御基板220に送信さ
れる。
【0077】
一方、ミッションが達成された場合には、所定の特典が遊技者に付与される。遊技者に
付与される特典として、RT遊技中にベル小役の種類(ベルA、ベルB、ベルCのいずれ
か)を特定したベル小役の内部当選の報知が行われる。ベル小役の内部当選報知は、所定
のベル小役報知期間だけ行われる。本実施例のベル小役報知期間は、所定回数の遊技(ベ
ル報知ゲーム数)が実行されるまでの期間として設定されている。ミッションが達成され
た場合には、所定のベル小役報知期間として第1報知期間(本実施例では100ゲーム)
が設定される。このベル小役の内部当選報知は、サブ制御基板220のCPUによって行
われる。また、ベル小役の内部当選報知が行われる所定のベル小役報知期間が本発明の報知可能期間に相当している。
【0078】
この特典として行われるベル小役の報知は、上述したミッション演出におけるベル小役
の報知とは異なり、内部当選したベル小役の種類を特定した「特定ベル小役の報知」とな
っている。つまり、RT遊技中におけるミッション達成後、ベルA、ベルB、ベルCの小
役のいずれかに内部当選した場合には、主制御基板200から内部当選を示す制御コマン
ドがサブ制御基板220に送信され、サブ制御基板220のCPUはコマンドを受け取る
と各種ランプ類12や演出表示装置10等を用いて、特定ベル小役の報知を行うように構
成されている。
【0079】
この特定ベル小役の報知では、内部当選したベル小役の種類が特定されるので、遊技者
は、報知されたベル小役を狙って比較的容易にベル小役の入賞を成立させることが可能で
ある。この特定ベル小役の報知により、RT遊技中は、遊技者はあまり遊技メダルを減ら
すことなく、むしろ効率よくベル小役の入賞を成立させて少しずつ遊技メダルを増やしな
がら、BB役の入賞を狙って遊技を続けることが可能である。また、RT遊技中において
は、ベル小役の入賞を成立させることで、ベル小役の取りこぼし目である特定図柄の成立
を回避できる。これにより、RT遊技の終了条件である特定図柄の成立を回避でき、RT
遊技の滞在期間を長くすることができる。このように、ベル小役の入賞報知は、RT遊技
の終了条件である「特定図柄組合せの表示が許容されたことの報知」に相当している。
【0080】
また、ベル小役報知期間中にベル小役の取りこぼし目である特定図柄を成立させ、ベル
小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合には、ベル小役報知期間が残っている状態
でRT遊技が終了することになる。そこで、本実施例の遊技機1では、ベル小役報知期間
の途中でRT遊技が終了した場合に、ベル小役報知期間が残存している旨を記憶しておき
、次回のRT遊技にミッション演出を行うことなくベル小役の入賞報知を行うようにし、
前回のRT遊技でミッション達成により獲得した特典を次回のRT遊技に持ち越し可能に
構成されている。
【0081】
具体的には、ベル小役報知期間が残存している旨のベル報知フラグを設定するとともに
、RT遊技終了時におけるベル報知ゲーム数を記憶する。例えば、ベル報知ゲーム数の初
期値が100ゲームであり、40ゲーム経過した時点で特定図柄が成立してRT遊技が終
了した場合には、ベル報知ゲーム数の残りが60ゲーム(=100−40)となるので、
ベル報知ゲーム数として「60」を記憶する。ベル報知フラグおよびベル報知ゲーム数の
記憶は、サブ制御基板220のCPUがRAMの所定アドレスに記憶することにより行わ
れる。
【0082】
そして、サブ制御基板220のRAMに記憶されているベル報知ゲーム数は遊技の進行
とともに減少し、次回のRT遊技開始時にベル報知ゲーム数が残存している場合には、所
定のベル小役報知期間として第2報知期間が設定される。本実施例では、第2所定報知期
間として、サブ制御基板220のRAMに記憶されているベル報知ゲーム数が設定される
。これにより、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合に、次回のRT遊技に
おいて、ミッション演出を行うことなく、つまりミッションを達成することなく、ベル小
役の入賞報知が行われる。
【0083】
次に、BB遊技について説明する。BB遊技では、BB遊技用抽選テーブルを用いて内
部抽選が行われる。図13は、BB遊技用抽選テーブルを示している。BB遊技用抽選テ
ーブルは、図9に示した通常遊技用抽選テーブルと比較して、BB役に対する乱数範囲が
設定されていない点と再遊技役の代わりに「JAC」と呼ばれる特殊な遊技役が設定され
ている点が大きく異なっている。
【0084】
BB役に対する乱数範囲が設定されていないのは、BB役に入賞して開始されたBB遊
技でBB役が成立することにより、重ねてBB役が行われることを避けるためである。ま
た、JACに入賞すると15枚の遊技メダルが払い出されるようになっている。JACを
成立させる図柄組合せは、通常遊技中に再遊技役を成立させる図柄組合せ(図6(a)参
照)と同じ図柄に設定されている。したがって、BB遊技中に再遊技役の図柄組合せが揃
った場合には、再遊技役ではなくJACが成立して遊技メダルの払出しが行われる。
【0085】
また、15枚の遊技メダルが払い出される点では、JACはベルの小役と同じである。
しかしながら、ベルの小役は、図柄組合せが異なるベルA、ベルB、ベルCの分かれてお
り、それぞれに対応した図柄組合せを揃える必要があるのに対し、JACはBB遊技に再
遊技役の図柄を揃えればよい。このため、JACはベルの小役に比べて入賞させやすい遊
技役となっている。BB遊技中は所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出され
るまで継続され、払出し枚数が所定枚数に達したら、BB遊技を終了して通常遊技に切り
替わる。
【0086】
遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。以下、主制御基板200が
遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
【0087】
図14は、主制御基板200のCPU200cがROMに格納されたプログラムにした
がって遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この
遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入され、更に主制御基板200や、サブ制御基板2
20に搭載されたROMのセキュリティチェックや、RAMのクリアなどの初期化処理が
行われた後に実行される処理である。尚、後述するように複数の遊技状態を切り換えなが
ら遊技を実行する処理は、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU200cが、
以下に説明する遊技制御処理を実行することによって実現されている。
【0088】
図14に示すように、まず、遊技状態設定処理を行う(S100)。本実施例の遊技機
1では、上述したビッグボーナス遊技を含む複数種類の遊技状態が設定されており、遊技
状態の種類によって、回胴20a〜20cの回転停止時の遊技役の成立しやすさや成立す
る遊技役の種類を切り替えることが行われている。このため、遊技状態設定処理では、こ
うした遊技状態を設定する処理を行う。遊技状態設定処理については、後で詳細に説明す
る。
【0089】
次に、メダル投入確認処理を行う(S101)。メダル投入確認処理では、遊技メダル
投入口30から遊技メダルが投入されたか否か、あるいは一枚投入ボタン32または三枚
投入ボタン34が操作されたか否かを判定する。前述したように、遊技メダル投入口30
から投入された遊技メダルは、メダルセレクタ106を通過する際にメダルセレクタ10
6内に設けられた図示しないメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板
200に供給される。また、各種投入ボタン32、34を操作した場合には、その操作信
号が主制御基板200に供給される。主制御基板200は、これらの信号に基づいて遊技
メダルが投入されたか否かを判定する。そして、遊技メダルが投入されたら、遊技を開始
可能な状態にする。各種投入ボタン32、34が操作された場合には、遊技メダルの貯留
枚数から投入枚数を減算する処理も同時に行われる。遊技メダルの投入が確認できた場合
には、スタートレバー36を操作することにより、いつでも遊技を開始することが可能と
なる。
【0090】
次に、精算ボタン40が操作されたか否かを判定する(S102)。すなわち、遊技メ
ダルをベットした後であっても、スタートレバー36を操作して回胴20a〜20cを回
転させる前であれば、ベットした遊技メダルも含めて精算可能となっている。S102の
判定処理の結果、精算ボタンが操作されたと判定された場合には(S102:YES)、
クレジットとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す精算処
理を行い(S103)、遊技状態設定処理S100に戻る。遊技メダルの払い出しは、主
制御基板200からメダル払出装置118に対して、払い出すべき遊技メダルの枚数を指
示する制御信号を出力することによって行われる。
【0091】
一方、S102の判定処理の結果、精算ボタンが操作されていないと判定された場合に
は(S102:NO)、スタートレバー36が操作されたか否かを判定する(S104)
。スタートレバー36には、後述する検出センサが組み込まれており、スタートレバー3
6を操作すると、その動きを検出することが可能となっている。主制御基板200は、こ
の検出センサの出力に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判定すること
ができる。そして、スタートレバー36が操作されていないと判定された場合は(S10
4:NO)、S102に戻り、スタートレバー36が操作されるまで待機状態となる。
【0092】
一方、スタートレバー36が操作されたと判定された場合には(S104:YES)、
内部抽選処理を行う(S105)。内部抽選処理では、スタートレバー36が操作された
タイミングで内部抽選用の乱数を1つ取得し、取得した乱数に応じて、図6(a)で示し
た遊技役を内部的に抽選する処理を行う。内部抽選処理では、スタートレバー36が操作
されたことを検出して内部抽選用乱数を取得し、遊技状態に応じた抽選テーブル(図9、
図10、図11、図13参照)を用いて、いずれかの遊技役に内部当選したか、若しくは
いずれの遊技役にも内部当選しなかったかを判定する。そして、いずれかの遊技役に内部
当選した場合には、当選した遊技役の内部当選フラグ(図7(a)(b)参照)に対応す
るビットに「1」を設定する。
【0093】
次に、回胴回転始動処理を行う(S106)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満
足されているか否かを判定し、所定条件が満たされている場合は、3つの回胴20a〜2
0cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が
操作され、かつ、前回に回胴20a〜20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、
4.1秒)経過した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a〜20cにそ
れぞれ設けられた回胴モータ24a〜24cに対して駆動信号を出力することにより、3
つの回胴20a〜20cを回転させる。
【0094】
次に、回胴20a〜20cの回転を停止させる回胴回転停止処理を行う(S107)。
回胴回転停止処理では、すべての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度で安定したこ
とを確認した後、各回胴20a〜20cに対応する回胴停止ボタン38a〜38cの操作
を有効化する。そして、主制御基板200は、各回胴停止ボタン38a〜38cからの操
作信号に基づいて、各回転停止ボタン38a〜38cが操作された時に各回胴20a〜2
0cの回転位置を検出し、検出結果に基づいて各回胴20a〜20cの停止位置を決定し
、決定した位置で回胴20a〜20cを停止させる制御を行う。
【0095】
各回胴20a〜20cの停止位置を決定する際には、内部抽選処理S105の結果が参
照され、いずれの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴
停止ボタンが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、
回胴の停止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタ
イミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示さ
れるように、各回胴の停止位置が決定されるようになっている。
【0096】
次に、予め設定された特定図柄(図6(b)参照)の組合せが、入賞ライン上に揃って
いるか否かを判定する(S108)。この結果、特定図柄の組合せが、有効な入賞ライン
上に揃っていると判定された場合は(S108:YES)、通常遊技中であるか否かを判
定する(S109)。この結果、通常遊技中であると判定された場合には(S109:Y
ES)、通常遊技から特定遊技に切り替わるので、特定遊技フラグをONに設定し(S1
10)、S111に移行する。
【0097】
次に、いずれかの遊技役の入賞が成立したか否かを判定する(S111)。ここで、「
遊技役の入賞が成立する」とは、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが、有効な入
賞ライン上に揃って表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、
内部抽選処理S105でいずれかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a
〜38cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが有効な入賞ラ
イン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、
内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判定する。
【0098】
そして、いずれの遊技役の入賞も成立していないと判定された場合は(S111:NO
)、その遊技は終了となり、遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理S100が行
われる。なお、本実施の遊技機1では、前述した内部抽選処理S105でBB役に当選し
た場合において、有効な入賞ライン上にBB役に対応する図柄組合せが停止表示されず、
BB役の入賞が成立しなかったときに限り、BB役の内部当選が持ち越され、次回の遊技
以降も「BB役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる。これに対
して、他の遊技役(「小役」や「再遊技役」)に内部当選した場合は、有効な入賞ライン
上に当選役に対応する図柄組合せを停止表示させることができなければ、その内部当選は
次遊技以降に持ち越されることなくリセットされる。
【0099】
一方、いずれかの遊技役の入賞が成立したと判定された場合は(S111:YES)、
入賞の成立した遊技役が再遊技役であるか否かを判定する(S112)。そして、再遊技
役に入賞していた場合は(S112:YES)、再遊技フラグをONに設定する(S11
3)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役に入賞したことを記憶しておくためのフラグ
である。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の遊技のメダル投入確認処
理S102において、再遊技役に入賞した遊技で投入されていた枚数の遊技メダルが自動
的に再投入される。
【0100】
次に、入賞した再遊技役が再遊技役Bであるか否かを判定する(S114)。この結果
、入賞した再遊技役が再遊技役Bでないと判定され場合(S114:NO)、すなわち再
遊技役Aである場合には、遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。一方、
入賞した再遊技役が再遊技役Bであると判定された場合には(S114:YES)、通常
遊技中であるか否かを判定し(S115)、通常遊技中でないと判定された場合には、遊
技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。一方、通常遊技中であると判定され
た場合には(S115:YES)、RT遊技フラグをONに設定した後(S116)、遊
技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。
【0101】
S111の判定処理で、入賞した遊技役が再遊技役でないと判定された場合には(S1
11:NO)、入賞した遊技役がBB役か否かを判定する(S117)。この結果、BB
役に入賞したと判定された場合には(S117:YES)、BB遊技フラグをONに設定
する(S118)。
【0102】
S117の判定処理で、BB役に入賞していないと判定された場合は(S115:NO
)、いずれかの小役に入賞したものと判断できるので、入賞した遊技役に応じた枚数の遊
技メダルを払い出す処理を行う(S119)。入賞した遊技役がベルの小役であれば、1
5枚の遊技メダルを払い出し、スイカの小役であれば6枚の遊技メダルを、そしてチェリ
ーの小役であれば、2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。遊技メダルの払出し処理は
、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、主制御基板2
00からメダル払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。こう
して遊技メダルを払い出したら、遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。
【0103】
以上のS100〜S119の処理を繰り返すことで、遊技メダルを投入し、スタートレ
バー36を操作すると、回胴20a〜20cの回転が開始され、回胴停止ボタン38a〜
38cを押して回胴が停止したときに遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メ
ダルが払い出されるという遊技を繰り返し行うことができる。本実施例の遊技機1では、
複数の遊技状態が設けられており、いずれの遊技状態であるかに応じて、遊技役の入賞し
易さや入賞する遊技役の種類を切り換えることによって、遊技の印象を大きく異ならせる
ことができる。この遊技状態を切り換えるための処理は、遊技制御処理の先頭で行われる
遊技状態設定処理S100において行われる。
【0104】
以下、遊技状態設定処理について説明する。図15は、遊技状態設定処理を示すフロー
チャートである。主制御基板200が、図15に示す遊技状態設定処理を行い、ROMに
記憶されている抽選テーブルを選択することによって、複数の遊技状態を切り替えている

【0105】
まず、遊技状態フラグ(図7(c)参照)を参照して、BB遊技フラグがONに設定さ
れているか否かを判定する(S200)。この結果、BB遊技フラグがONに設定されて
いると判定された場合には(S200:YES)、RT遊技フラグをOFFに設定する(
S201)。BB役は、通常遊技、RT遊技のいずれの遊技状態においても成立し得るが
、いずれの遊技状態から成立した場合でも、BB遊技の終了後は通常遊技に戻ることから
、RT遊技フラグをOFFに設定しておく。
【0106】
次に、BB遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S202)。上述のように、
BB遊技中に所定枚数の遊技メダルが払い出されると、BB遊技が終了するように設定さ
れているので、S202ではBB遊技中に払い出された遊技メダルの枚数が所定枚数に達
したか否かを判定する。この結果、BB遊技の終了条件が成立していないと判定された場
合には(S202:NO)、BB遊技用抽選テーブル(図13参照)を選択し(S203
)、BB遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信する(S204)。サブ制御
基板220は、主制御基板200からBB遊技用の演出コマンドを受信すると、各種ラン
プ類12や各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなど
を用いて、現在の遊技状態がBB遊技中であることを印象づけるような演出を行う。
【0107】
S202の判定処理で、BB遊技の終了条件が成立したと判定された場合には(S20
2:YES)、BB遊技フラグをOFFにする(S205)。これにより、S201でO
FFに設定されたRT遊技フラグに加えて、BB遊技フラグもOFFになり、遊技状態が
通常遊技であることを示す状態になる。続いて、通常遊技状態用の抽選テーブルを選択し
(S206)、通常遊技状態用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信し(S207
)、遊技状態設定処理を終了する。
【0108】
S200の判定処理で、BB遊技フラグがOFFに設定されていると判定された場合に
は(S200:NO)、RT遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(S2
08)。この結果、、RT遊技フラグがONに設定されていると判定された場合には(S
208:YES)、RT遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S209)。上述
のように、RT遊技の終了条件は、BB役に入賞した場合、あるいは特定図柄が有効な入
賞ライン上に停止表示された場合に設定されている。このうち、BB役の入賞によってR
T遊技が終了する場合は、前述したS200が肯定判定となり、S201〜S207の処
理が行われるので、S209の判定処理では、特定図柄特定図柄が有効な入賞ライン上に
停止表示されたか否かを判定すればよい。
【0109】
S209の判定処理で、RT遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(
S209:NO)、RT遊技用抽選テーブル(図11参照)を選択して(S210)、R
T遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信し(S211)、遊技状態設定処理
を終了する。サブ制御基板220は、RT遊技用の演出コマンドを受け取ると、コマンド
の内容に応じて各種ランプ類12や、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回
胴バックライト20Lなどを制御することにより、現在の遊技状態がRT遊技中であるこ
とを印象付けるような演出を行う。
【0110】
S209の判定処理で、RT遊技の終了条件(特定図柄組合せの成立)が成立したと判
定された場合には(S209:YES)、RT遊技から通常遊技に切り替わるため、RT
遊技フラグをOFFにし(S212)、さらに特定遊技フラグをONに設定し(S213
)、S214に移行する。
【0111】
S208の判定処理で、RT遊技がONでないと判定された場合には(S208:NO
)、特定遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(S214)。この結果、
特定遊技フラグがONに設定されていると判定された場合は(S214:YES)、特定
遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S215)。上述のように、特定遊技の終
了条件は、BB役に入賞した場合、あるいは所定回数(本実施例では20回)の遊技が終
了した場合に設定されている。このうち、BB役の入賞によってRT遊技が終了する場合
は、前述したS200が肯定判定となり、S201〜S207の処理が行われるので、S
215の判定処理では、BB役が入賞することなく、所定回数の遊技が終了したか否かを
判定すればよい。
【0112】
S215の判定処理で、特定遊技の終了条件が成立していないと判定された場合には(
S215:NO)、特定遊技用抽選テーブル(図10参照)を選択し(S216)、特定
遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220に送信し(S217)、遊技状態設定処理を
終了する。サブ制御基板220は、特定遊技用の演出コマンドを受信すると、各種ランプ
類12や、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなど
を制御することにより、現在の遊技状態が特定遊技中であることを印象付けるような演出
を行う。本実施例の遊技機1では、「特定遊技中であることを印象付けるような演出」を
、通常遊技から特定遊技に移行する場合とRT遊技から特定遊技に移行する場合とで異な
らせている。通常遊技から特定遊技に移行する場合には、「特定遊技中であることを印象
付けるような演出」として、後述の「通常遊技中であることを印象づける演出」に対して
、背景の色を変えるなどしてわずかに異ならせるようにしている。
【0113】
S215の判定処理で、特定遊技の終了条件が成立したと判定された場合には(S21
5:YES)、特定遊技から通常遊技に切り替わるので、特定遊技フラグをOFFに設定
し(S218)、通常遊技用抽選テーブル(図9参照)を選択し(S219)、通常遊技
用の演出コマンドをサブ制御基板220に向かって送信し(S220)、遊技状態設定処
理を終了する。サブ制御基板220は、通常遊技用の演出コマンドを受け取ると、コマン
ドの内容に応じて各種ランプ類12や、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、
回胴バックライト20Lなどを制御することにより、現在の遊技状態が通常遊技中である
ことを印象付けるような演出を行う。
【0114】
S214の判定処理で、特定遊技フラグがONに設定されていないと判定された場合は
(S214:NO)、特定遊技フラグ、BB遊技フラグ、RT遊技フラグのすべてがOF
Fに設定されているので、遊技状態は通常遊技である。このため、通常遊技用抽選テーブ
ル(図9参照)を選択し(S219)、通常遊技用の演出コマンドをサブ制御基板220
に向かって送信し(S220)、遊技状態設定処理を終了する。
【0115】
次に、サブ制御基板220による演出制御処理について説明する。図16は、サブ制御
基板220のCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって演出制御処理を示すフ
ローチャートであり、図16に示すように、サブ制御基板220は、演出制御処理として
、RT遊技開始処理S300、ミッション演出実行処理S310、ベル報知処理S320
、RT遊技終了処理S330、ベル報知ゲーム数減算処理S340の各処理を行う。図1
7はRT遊技開始処理S300を示すフローチャートであり、図18はミッション演出実
行処理S310を示すフローチャートであり、図19はベル報知処理S320を示すフロ
ーチャートであり、図20はRT遊技終了処理S330を示すフローチャートであり、図
21はベル報知ゲーム数減算処理S340を示すフローチャートである。なお、サブ制御
基板220のCPUが実行する各処理が、本発明の報知手段、報知可能期間発生手段、残り回数減少手段、残り回数維持手段に相当している。
【0116】
最初にRT遊技開始処理を図17に基づいて説明する。まず、RT遊技が開始されたか
否か、すなわち通常遊技からRT遊技に切り替わったか否かを判定する(S301)。R
T遊技が開始されたか否かは、S211で主制御基板200が送信するRT遊技用の演出
コマンドをサブ制御基板220が受信したか否かに基づいて判定することができる。
【0117】
この結果、RT遊技が開始されていないと判定された場合には(S301:NO)、そ
のままリターンする。一方、RT遊技が開始されたと判定された場合には(S301:Y
ES)、ベル報知フラグがONに設定されているか否か、すなわち、前回のRT遊技がベ
ル小役報知期間の途中で終了し、ベル報知ゲーム数が記憶されているか否かを判定する(
S302)。なお、ベル報知フラグは、RT遊技終了時において、ベル報知ゲーム数が残
存している場合にはON、ベル報知ゲーム数が残存していない場合にはOFFに設定され
るものである。
【0118】
この結果、ベル報知フラグがONに設定されていると判定された場合には(S302:
YES)、記憶されているベル報知ゲーム数を今回のRT遊技におけるベル報知ゲーム数
として設定し(S303)、リターンする。この場合、後述のミッション演出を行うこと
なく、ベル小役の報知が行われる。一方、ベル報知フラグが設定されていないと判定され
た場合には(S302:NO)、そのままリターンする。この場合には、後述のミッショ
ン演出が行われ、ミッションを成立させた場合にベル小役の報知が行われる。
【0119】
次に、ミッション演出実行処理を図18に基づいて説明する。まず、RT遊技中である
か否かを判定する(S311)。この結果、RT遊技中でないと判定された場合には(S
311:NO)、ミッション演出実行処理を終了する。一方、RT遊技中であると判定さ
れた場合には(S311:YES)、ベル報知フラグがONに設定されているか否かを判
定する(S312)。
【0120】
この結果、ベル報知フラグがONに設定されていると判定された場合には(S312:
YES)、ミッション演出を行う必要がないので、ミッション演出実行処理を終了する。
一方、ベル報知フラグがOFFに設定されていると判定された場合には(S312:NO
)、ミッション表示を行い(S313)、ミッション演出を開始する。ミッション表示は
、図12を用いて上述したように、演出表示装置10の画面表示により行う。ミッション
表示では、いずれかのベル小役が内部当選した場合に、ベル小役が内部当選した旨の表示
とミッション達成に必要なベル当て回数を表示することで行う。ベル当て回数の初期値は
4回に設定されている。ベル小役に内部当選したか否かは、主制御基板200から送信さ
れるベル小役の内部当選を示す制御コマンドを受信したか否かによって判定することがで
きる。
【0121】
次に、内部当選したベル小役の入賞が成立したか否かを判定する(S314)。内部当
選したベル小役の入賞が成立したか否かは、ベル小役の入賞が成立した場合に主制御基板
200からサブ制御基板220に送信される制御コマンド、あるいは特定図柄が成立した
場合に主制御基板200からサブ制御基板220に送信される制御コマンドのいずれを受
信したかで判断できる。
【0122】
この結果、内部当選したベル小役の入賞が成立しなかったと判定された場合には(S3
14:NO)、演出表示装置10のミッション表示を消去し、ミッション演出を終了させ
る(S318)。一方、内部当選したベル小役の入賞が成立したと判定された場合には(
S314:YES)、S323またはS324で設定したベル当て回数を1減算する(S
315)。
【0123】
次に、ベル当て回数がゼロより大きいか否かを判定する(S316)。この結果、ベル
当て回数がゼロより大きいと判定された場合には(S316:YES)、ミッション演出
を継続させるため、そのままリターンする。一方、ベル当て回数がゼロより大きくない、
すなわちベル当て回数がゼロであると判定された場合には(S316:NO)、ミッショ
ンが達成されたと判断できるので、ミッション達成による特典としてベル報知ゲーム数を
100に設定し(S317)、ミッション演出を終了させる(S318)。
【0124】
次に、ベル報知処理を図19に基づいて説明する。まず、RT遊技中であるか否かを判
定する(S321)。この結果、RT遊技中でないと判定された場合には(S321:N
O)、ベル報知処理を終了する。一方、RT遊技中であると判定された場合には(S32
1:YES)、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいか否かを判定する(S322)。この
結果、ベル報知ゲーム数がゼロであると判定された場合には(S322:NO)、すでに
S317で設定された回数分のゲームが終了したと判定できるので、ベル報知処理を終了
する。一方、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいと判定された場合には(S322:YE
S)、ベル小役に内部当選したか否かを判定する(S323)。ベル小役に内部当選した
か否かは、主制御基板200から送信されるベル小役の内部当選を示す制御コマンドを受
信したか否かによって判定することができる。
【0125】
この結果、ベル小役に内部当選していないと判定された場合、すなわち特定図柄の組合
せが成立した場合には(S323:NO)、S325の処理に移行する。一方、ベル小役
に内部当選したと判定された場合には(S323:YES)、遊技者にベル小役の内部当
選を報知する(S324)。ベル小役の内部当選報知では、演出表示装置10等を用いて
ベル小役に内部当選した旨を遊技者に報知する。ベルの小役は、図柄組合せが異なるベル
A、ベルB、ベルCを含んでいるので、ベル小役の内部当選報知では内部当選したベル小
役の種類を特定して報知する。
【0126】
この特定ベル小役の内部当選報知により、遊技者は、報知された種類のベル小役を狙っ
て比較的容易にベル小役の入賞を成立させることができる。これにより、遊技者は、効率
よくベル小役の入賞を成立させて少しずつ遊技メダルを増やしながら、BB役の入賞を狙
って遊技を続けることが可能である。また、本実施例の遊技機1では、RT遊技から通常
遊技に移行する条件がベル小役の取りこぼし目である特定図柄が揃った場合となっている
。このため、ベル小役に内部当選しているにもかかわらず、ベル小役の入賞を成立させる
図柄を停止表示されることができなかった場合は特定図柄が揃い、RT遊技から通常遊技
に移行する。これに対し、ベル小役の内部当選を報知することで、ベル小役の報知を行う
ことで、容易にベル小役の入賞を成立させることができ、再遊技役の内部当選確率が高い
RT遊技を継続させることができる。
【0127】
次に、遊技メダルを投入し、スタートレバー36を操作すると、回胴20a〜20cの
回転が開始され、回胴停止ボタン38a〜38cを押して回胴が停止したときに遊技役の
入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという一連のゲームが1回
終了したか否かを判定し(S325)、この結果、1回のゲームが終了していないと判定
された場合には(S325:NO)、そのままリターンし、1回のゲームが終了したと判
定された場合には(S325:YES)、ベル報知ゲーム数を1減算する(S326)。
【0128】
次に、RT遊技終了処理を図20に基づいて説明する。まず、RT遊技が終了されたか
否か、すなわちRT遊技から特定遊技またはBB遊技に切り替わったか否かを判定する(
S331)。RT遊技が終了されたか否かは、主制御基板200が送信するRT遊技終了
信号をサブ制御基板220が受信したか否かに基づいて判定することができる。
【0129】
この結果、RT遊技が終了されていないと判定された場合には(S331:NO)、そ
のままリターンする。一方、RT遊技が終了したと判定された場合には(S331:YE
S)、その時点のベル報知ゲーム数がゼロより大きいか否かを判定する(S332)。
【0130】
この結果、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいと判定された場合には(S332:YE
S)、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了する場合であると判断でき、ベル報知フ
ラグをONに設定し(S333)、この時点におけるベル報知ゲーム数を記憶する(S3
34)。一方、ベル報知ゲーム数がゼロであると判定された場合には(S332:NO)
、ベル小役報知期間が終了していると判断でき、ベル報知ゲーム数を記憶せず、ベル報知
フラグをOFFに設定する(S335)。
【0131】
次に、ベル報知ゲーム数減算処理を図21に基づいて説明する。まず、RT遊技中であ
るか否かを判定する(S341)。この結果、RT遊技中であると判定された場合には(
S341:YES)、そのままリターンする。一方、RT遊技中でない、すなわち通常遊
技中、特定遊技中、BB遊技中のいずれかの遊技状態である場合には(S341:NO)
、ベル報知フラグがONに設定されているか否かを判定する(S342)。
【0132】
この結果、ベル報知フラグがOFFに設定されていると判定された場合には(S342
:NO)、そのままリターンする。一方、ベル報知フラグがONに設定されていると判定
された場合には(S342:YES)、遊技メダルを投入し、スタートレバー36を操作
すると、回胴20a〜20cの回転が開始され、回胴停止ボタン38a〜38cを押して
回胴が停止したときに遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出さ
れるという一連のゲームが1回終了したか否かを判定する(S343)。この結果、1回
のゲームが終了していないと判定された場合には(S343:NO)、そのままリターン
し、1回のゲームが終了したと判定された場合には(S343:YES)、記憶されてい
るベル報知ゲーム数を1減算する(S344)。この結果、ベル小役報知期間中にRT遊
技が終了した場合に、次回RT遊技に復帰するまでの間、ゲームの進行に伴って記憶され
ているベル報知ゲーム数が減っていくことになる。なお、本実施形態では、BB遊技中に
はベル報知ゲーム数の減算処理を行わないこととしている。つまり、ベル報知ゲーム数の
減算は、通常遊技と特定遊技において実行され、BB遊技中は、ベル報知フラグをONと
したまま維持しておく。
【0133】
次に、記憶されているベル報知ゲーム数がゼロより大きいか否かを判定する(S345
)。この結果、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいと判定された場合には(S345:Y
ES)、そのままリターンする。一方、記憶されているベル報知ゲーム数がゼロであると
判定された場合には(S345:NO)、ベル報知フラグをOFFに設定する(S346
)。これにより、ベル小役報知期間中にRT遊技が終了してから次回RT遊技に復帰する
までに、記憶されているベル報知ゲーム数がゼロになった場合には、次回RT遊技が開始
されたときにミッション演出が行われることになる。つまり、ベル小役報知期間中にRT
遊技が終了した場合には、遊技の進行に伴って記憶されているベル報知ゲーム数がゼロに
なるまでの「特定期間」が経過するまでに次回のRT遊技が開始されないと、ミッション
演出を行うことなくベル小役の報知を行うという利益を得ることができない。
【0134】
以上説明したように、本実施例の遊技機1のように、ベル小役報知期間の途中でRT遊
技が終了する場合にベル報知ゲーム数を記憶しておき、次回のRT遊技が開始したときに
、ミッション演出を行うことなくベル小役の報知を行うことで、遊技者を救済することが
できる。つまり、ベル小役報知期間の途中でベル小役を成立させることができなかった場
合には、ベル小役の取りこぼし目である特定図柄の組合せが成立し、RT遊技が終了する
。この場合には、ミッション達成により獲得したベル報知ゲーム数が残存しているにも関
わらずRT遊技が終了するため、遊技者の利益が失われることとなり、遊技者の落胆が大
きく、遊技意欲の減退にもつながる。このため、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終
了した場合にベル報知ゲーム数を記憶しておき、次回のRT遊技が開始したときに、ミッ
ション演出を行うことなくベル小役の報知を行うことで、ミッション達成で得られた利益
が消滅することを防止でき、遊技者を救済することができる。これにより、ベル小役報知
期間の途中でRT遊技が終了した場合における遊技者の落胆を軽減でき、RT遊技終了後
においても遊技意欲を維持させることができる。
【0135】
また、本実施例では、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合に、遊技の進
行に伴って記憶されているベル報知ゲーム数を減少させるベル報知ゲーム数減算処理を行
うことにより、前回のRT遊技で獲得した利益を保持する特定期間を制限することができ
る。このため、前回のRT遊技で獲得した利益を次回のRT遊技で反映させるためには、
前回のRT遊技が終了してから特定期間が経過する前に次回のRT遊技を開始させる必要
がある。これにより、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合に、RT遊技終
了後における遊技意欲を効果的に維持させることができる。
【0136】
また、ベル報知ゲーム数減算処理を行うことで、ベル小役の成立に関してミスをした(
ベル小役を取りこぼした)遊技者が有利になり過ぎることを防止できる。つまり、ベル報
知ゲーム数減算処理を行わないとすると、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了して
次回RT遊技に復帰した場合に、ベル小役の成立に関してミスをしなかった(ベル小役を
取りこぼさなかった)場合と同一のベル報知ゲーム数を享受できることになる。このため
、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合に、遊技の進行に伴って記憶されて
いるベル報知ゲーム数を減少させるようにすることで、前回のミッション演出で得られた
利益を制限することができる。これにより、ベル小役の成立に関してミスをした遊技者に
ペナルティを課すことができ、ベル小役の成立に関してミスをした遊技者とミスをしない
遊技者との利益のバランスを図ることができる。
【0137】
また、本実施例では、通常遊技からしかRT遊技に移行できないようになっている。つ
まり、RT遊技で特定図柄が成立して特定遊技に移行した場合は、一旦通常遊技に移行し
ないと次回のRT遊技を開始することができない。特定遊技から通常遊技に移行するため
には、少なくとも所定期間(本実施例では20ゲーム)が経過することが必要であり、R
T遊技で特定図柄が成立して特定遊技に移行した場合には、次回のRT遊技が開始される
までに、記憶されているベル報知ゲーム数を強制的に減少させることができる。このよう
に、RT遊技で特定図柄が成立して特定遊技に移行した場合に、記憶されているベル報知
ゲーム数を確実に減少させる期間を設けることで、ベル小役の成立に関してミスをした(
ベル小役を取りこぼした)遊技者に一定のペナルティを課すことができ、ベル小役の成立
に関してミスをした遊技者とミスをしない遊技者との利益のバランスを図ることができる

【0138】
また、ミッション演出によりRT遊技中に特定ベル小役の報知を行うか否かを決定する
ことで、ミッションの達成結果によりRT遊技の滞在期間を異ならせることができる。こ
れにより、RT遊技中に遊技者参加型の演出を行うことができ、RT遊技中の興趣を高め
ることができる。
【0139】
また、ミッションが達成できなかった場合には、単に特定ベル小役の報知をしないだけ
でなく、RT遊技を終了させることで、ミッションを達成できた場合における遊技者の利
益(RT遊技が長期継続)と、ミッションを達成できなかった場合における遊技者の不利
益(RT遊技が直ちに終了)の差が大きくなり、ミッション演出に対する興趣を向上させ
ることができる。
【0140】
また、ミッションが達成できなかった場合(内部当選したベル小役の入賞を成立させる
ことができない場合)には、RT遊技の終了条件である特定図柄の組合せが成立するよう
に構成されているため、ミッションが達成できなかった場合のための特別なRT遊技終了
処理が不要となる。
【0141】
また、本実施例の遊技機1では、通常遊技から特定遊技に移行する条件とRT遊技から
特定遊技に移行する条件を、同一条件(有効な入賞ライン上に特定図柄が停止表示される
こと)にしている。よって、特定遊技を開始するための条件が複数種類設定されている場
合に比べて、制御が複雑化することを抑制できる。
【0142】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について説明する。本第2実施例では、上記第1実施例と異
なる部分についてのみ説明する。
【0143】
図22は、本実施例のサブ制御基板220のCPUがROMに格納されたプログラムに
したがって演出制御処理を示すフローチャートであり、図23は、RT遊技開始処理S3
00を示すフローチャートである。
【0144】
本実施例の遊技機1では、図22に示すように、ベル報知ゲーム数減算処理S340が
行われない。そして、RT遊技終了時には、図24に示すように、ベル報知ゲーム数がゼ
ロより大きい場合に(S332:YES)、ベル報知ゲーム数の記憶を行うことなく、ベ
ル報知フラグをONに設定する(S333)。RT遊技開始時には、図23に示すように
、ベル報知フラグがONに設定されていた場合に(S302:YES)、ベル報知ゲーム
数に予め設定された固定値(例えば30ゲーム)を設定する(S303)。
【0145】
このように、前回のRT遊技がベル小役報知期間の途中で終了した場合に、ベル小役報
知期間が残存している旨の記憶のみを行い、次回のRT遊技でミッション演出を行うこと
なく所定数のベル小役の報知を行うことによっても、ベル小役の成立に関してミスをした
遊技者を救済することができる。また、本実施例のように、RT遊技が終了してから次回
RT遊技が開始されるまでにベル報知ゲーム数減算処理を行わないことで、サブ制御基板
220のCPUが行う制御処理を簡略化できる。
【0146】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について説明する。本第3実施例では、上記第2実施例に比
較して、RT遊技開始処理が異なっている。以下、上記各実施例と異なる部分についての
み説明する。
【0147】
本実施例では、ミッション演出においてベル当て回数が異なる2種類のミッションモー
ドが設定されている。第2ミッションモードは第1ミッションモードよりベル当て回数が
少なく設定されている。つまり、第2ミッションモードは第1ミッションモードよりミッ
ションの達成が容易となっている。本実施例では、第1ミッションモードは、上記各実施
例のミッション演出と同様、ベル当て回数が4回に設定され、第2ミッションモードは、
ベル当て回数が1回に設定される。
【0148】
なお、本発明の「特定条件」は、第1ミッション演出における達成すべきミッションの
内容であり、「第2特定条件」は、第2ミッション演出における達成すべきミッションの
内容である。そして、「特定条件の達成」は内部当選したベル小役の入賞を4回成立させ
ることで実現され、「第2特定条件の達成」は内部当選したベル小役の入賞を1回成立さ
せることで実現される。
【0149】
図25は、本実施例のRT遊技開始処理の流れを示すフローチャートである。図25に
示すように、本実施例の遊技機1では、RT遊技開始時にベル報知フラグがOFFに設定
されている場合には(S302:NO)、第1ミッションモードが選択され、ベル当て回
数が4回に設定される(S304)。一方、RT遊技開始時にベル報知フラグがONに設
定されている場合には(S302:YES)、第2ミッションモードが選択され、ベル当
て回数が1回に設定される(S305)。これにより、前回のRT遊技がベル小役報知期
間の途中で終了した場合には、次回のRT遊技開始時に第1ミッションモードよりミッシ
ョンの内容が達成容易な第2ミッションモードが実行される。
【0150】
このように、前回のRT遊技がベル小役報知期間の途中で終了した場合に、ベル小役報
知期間が残存している旨の記憶のみを行い、次回のRT遊技で第1ミッション演出より達
成容易な第2ミッション演出を行うことによっても、ベル小役の成立に関してミスをした
遊技者を救済することができる。
【0151】
(他の実施形態)
なお、上記第1実施例では、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了した場合に、次
回RT遊技が開始されるまで遊技の進行に伴ってベル報知ゲーム数を減算するように構成
したが、所定条件の成立により、ベル報知ゲーム数の加算処理または減算停止処理を行っ
てもよい。所定条件の成立として、以下の(1)〜(4)を例示することができる。
【0152】
(1)例えば、RT遊技におけるミッション演出中に再遊技役Bの入賞が成立した場合
には、ベル報知ゲーム数に50ゲームを加算することができる。また、RT遊技における
ミッション演出中にBB役の入賞が成立した場合にも、ベル報知ゲーム数に50ゲームを
加算することができる。後者の場合には、RT遊技からBB遊技に移行するときのRT遊
技終了処理において、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいので、ベル報知フラグがONに
設定されるとともに、ベル報知ゲーム数として50ゲームが記憶されることとなる。さら
に、再遊技役BとBB役の重複役に内部当選してBB役の入賞が成立した場合には、ベル
報知ゲーム数に100ゲームを加算することができる。
【0153】
(2)また、RT遊技におけるミッション達成後のRT遊技中に再遊技役Bの入賞が成
立した場合には、10〜1000ゲームの範囲で抽選により決定されたゲーム数をベル報
知ゲーム数に加算することができる。ゲーム数加算の抽選は、平均50ゲームとなるよう
に行うことができる。さらに、RT遊技におけるミッション演出終了後に、再遊技役Bと
BB役の重複役に内部当選してBB役の入賞が成立した場合には、ベル報知ゲーム数に5
0ゲームを加算し、さらに抽選により決定されたゲーム数(10〜1000ゲーム:平均
50ゲーム)を加算することができる。この場合には、RT遊技からBB遊技に移行する
が、ベル報知ゲーム数がゼロより大きいので、ベル報知フラグをONに設定されるととも
に、ベル報知ゲーム数として50ゲーム+10〜1000(平均50)ゲームが記憶され
る。
【0154】
(3)また、ベル小役報知期間の途中でBB役の入賞成立によってRT遊技が終了した
場合には、次回RT遊技が開始されるまでの遊技(BB遊技中、通常遊技中、特定遊技中
)において、ベル報知ゲーム数減算処理S340を行わないように構成してもよい。この
ようにすることで、遊技者の技量に関係なくRT遊技が終了してしまった場合には、次回
RT遊技開始までベル小役報知期間を減少させることなく記憶しておくことができる。ま
た、この場合、BB遊技中にベル小役の入賞成立により、サブ制御基板220によって抽
選を行い、この抽選で当選した場合に、記憶されているベル報知ゲーム数に50ゲームを
加算することができる。さらに、BB遊技中に外れが成立し、この外れが特定の図柄組合
せを成立させる特定の乱数範囲内で成立していた場合には、記憶されているベル報知ゲー
ム数に300ゲームを加算することができる。このようにすることで、RT遊技中のBB
役成立に対する遊技者の関心を高めることができ、遊技興趣を高められる。
【0155】
(4)また、ベル小役報知期間の途中でRT遊技が終了してから、次回RT遊技が開始
されるまでの通常遊技中または特定遊技中にBB役が成立した場合に、BB役成立以降は
ベル報知ゲーム数減算処理S340を行わないように構成することができる。このように
、ベル報知ゲーム数減算処理S340を途中で停止させる手段を設けることで、RT遊技
の終了後の遊技性にバリエーションを持たせることができる。
【0156】
また、上記各実施例のベル報知ゲーム数減算処理は、RT遊技終了後の遊技において、
記憶されている報知期間を1遊技毎に1ずつ減算するものとしたが、これに限定されるも
のでない。例えば、RT遊技終了後の遊技において、記憶されている報知期間を1遊技毎
に所定数(例えば「5」)ずつ減算するものとしてもよいし、1遊技毎に「減算するか否
か」および「減算値」をサブ制御基盤220による抽選によって決定することとしてもよ
い。このようにしても、上記各実施例と同等の効果を得ることができる。
【0157】
また、上記第2実施例では、RT遊技終了時に報知期間が残存していた場合に、救済期
間(特定期間)として一律30ゲームとしていたが、これに限定されるものではなく、R
T遊技終了時に記憶された報知期間に対応する救済期間を予め複数種類設定しておいても
よい。例えば、RT遊技終了時に記憶されていた報知期間が「100以上」の場合は、救
済期間として「100」を設定し、RT遊技終了時に記憶されていた報知期間が「70〜
100」の場合は、救済期間として「70」を設定し、RT遊技終了時に記憶されていた
報知期間が「30〜70」の場合は、救済期間として「30」を設定し、RT遊技終了時
に記憶されていた報知期間が「0〜30」の場合は、救済期間として「0」を設定する。
このように、RT遊技終了時に記憶されていた報知期間に比例させて救済期間を設定する
ようにしても遊技者に対して、一定の救済措置を施すことができる。なお、このような場
合には、報知期間幅の下限値(「30〜70」の場合は「30」)を救済期間としておく
ことが好ましい。こうしておくことで、わざとRT遊技を終了させて多くの救済期間によ
り不正に利益を得る不正行為を防止することができる。
【0158】
また、上記各実施例では、ミッション演出でミッションを達成した場合の遊技者に付与
される特典として、ベル小役が内部当選した場合に特定ベル小役の報知を行う期間をゲー
ム数(例えば100ゲーム)で規定したが、これに限らず、ベル小役が内部当選した場合
に特定ベル小役の報知を行う期間を報知回数によって規定してもよい。つまり、ミッショ
ン演出でミッションを達成した場合に、ミッション演出が終了してから特定ベル小役の報
知を所定回数(例えば20回)だけ行うように構成することができる。
【0159】
また、上記各実施例では、ミッション演出において、内部当選したベル小役の入賞を所
定回数成立させることでミッションが達成するように構成したが、これに限らず、ベル小
役とは異なる種類の図柄組合せの成立が許容され、この図柄組合せが所定回数成立するこ
とをミッション達成の条件としてもよい。
【0160】
また、上記各実施例において、RT遊技終了時に報知期間が残っている場合に、ベル報
知フラグをONにして報知期間が残っている旨を記憶していたが、これに限定されるもの
ではなく、報知期間のみを記憶することで、報知期間が残っている旨を記憶してもよい。
このようにすることで、ベル報知フラグを不要にすることができ、制御の簡素化を図るこ
とができる。
【0161】
また、上記各実施例において、RT遊技終了後の通常遊技、特定遊技でベル報知フラグ
がONになっている期間(救済期間)を、演出表示装置10等によって遊技者に認識可能
に報知することとしてもよい。このようにすることで、「次回RT遊技をいつまでに成立
させれば救済が受けられるか」という情報を遊技者が容易に認識することができ、RT遊
技終了後の遊技興趣を高めることができる。
【符号の説明】
【0162】
1…回胴式遊技機、10…演出表示装置、38a〜38c…回胴停止ボタン
(回転停止部材)、200…主制御基板(停止制御手段、抽選手段、リプレイタイム状態
開始手段、リプレイタイム状態終了手段)、22
0…サブ制御基板(報知期間発生手段、減少手段、保持手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入後に、回転開始部材の操作を受けて、複数の回胴の回転を開始させ、回転停止部材の操作を受けて、前記回胴の回転を所定の遊技役に応じた態様で停止させる遊技を行う回胴式遊技機において、
前記回胴の回転が停止したときに、前記複数の遊技役のうちの再遊技役に対応する再遊技図柄組合せが停止表示すると、前記遊技媒体を投入することなく次回の遊技を開始可能とする再遊技を実行する再遊技実行手段と、
所定の開始条件が成立すると、通常の状態よりも前記再遊技の実行頻度が高まるリプレイタイム状態を開始し、前記リプレイタイム状態中に第1終了条件または第2終了条件が成立すると、前記リプレイタイム状態を終了するリプレイタイム制御手段と、
前記リプレイタイム状態中に、遊技者にとって有利な態様で遊技を進行させるための報知が行われる報知遊技期間を発生させる報知遊技期間発生手段と、
前記報知遊技期間が満了する前に前記第1終了条件の成立によって前記リプレイタイム状態が終了すると、該リプレイタイム状態が終了した後の遊技の進行に応じて前記報知遊技期間の残りを減少させる減少手段と、
前記報知遊技期間が満了する前に前記第2終了条件の成立によって前記リプレイタイム状態が終了すると、該リプレイタイム状態が終了した後の遊技の進行に応じて前記報知遊技期間の残りを増加させる増加手段と、を備え、
前記報知遊技期間発生手段は、
前記第1終了条件または前記第2終了条件の成立による前記リプレイタイム状態の終了後に前記開始条件が新たに成立して前記リプレイタイム状態が開始されると、前記減少手段または前記増加手段による変更の結果に応じた前記報知遊技期間を、該リプレイタイム状態中に発生させる
ことを特徴とする回胴式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−13776(P2013−13776A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215361(P2012−215361)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2011−255654(P2011−255654)の分割
【原出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】